JP4763138B2 - ラミネート用接着剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ラミネート用接着剤組成物に関する。さらに詳しくは、2軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下、OPPフィルムという)、塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム等のフィルムと、印刷紙や他のフィルムとのラミネートに好適に使用しうるラミネート用接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のラミネート用接着剤としては、ウレタン系接着剤などの溶剤系接着剤が用いられている。しかし、このウレタン系接着剤には有機溶剤が必要とされるため、大気汚染、臭気などの産業公害、労働衛生面、消防法上の貯蔵、取扱い上の制約や爆発引火による火災の危険性などの点から、近年水系接着剤が一部用いられてきている。
【0003】
前記水系接着剤としては、ウレタン系樹脂エマルジョンやアクリル系エマルジョンに硬化剤としてエポキシ樹脂を配合した水系接着剤、酢酸ビニル−エチレン共重合体エマルジョンに硬化剤としてエポキシ樹脂及びアミン系化合物を配合した水系接着剤などが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの水系接着剤はいずれも初期接着性、仕上がり性(光沢性)及び耐トンネリング性において十分なものではない。
【0005】
そこで、この発明は、初期接着性、仕上がり性(光沢性)及びトンネリング性を同時に満足し得る接着剤組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、カルボキシル基を含有するTg=−30〜0℃のアクリル樹脂エマルジョン、及び粒子径が0.2μm未満のウレタンエマルジョンを含有させることにより上記の課題を解決したのである。
【0007】
この発明においては、所定のアクリル樹脂エマルジョンに特定のウレタンエマルジョンを含有させたので、初期接着性が向上し、かつ、得られる接着剤組成物は色抜け性が改良され、表面光沢が良好となると共に、インク中の残留溶剤に対する耐性が向上、すなわち、トンネリング性が向上する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を説明する。
【0009】
この発明にかかるラミネート用接着剤は、アクリル樹脂エマルジョンとウレタンエマルジョンを含有したものである。
【0010】
上記アクリル樹脂エマルジョンとは、アクリル樹脂が乳化状態となっているものをいう。このアクリル樹脂エマルジョンを構成するアクリル樹脂には、構成単量体として、カルボキシル基含有単量体が含有される。これにより、アクリル樹脂エマルジョンとしての安定性を向上させることができる。このカルボキシル基含有単量体の含有量は、上記アクリル樹脂に対して0.5〜5重量%がよく、1〜3重量%が好ましい。0.5重量%未満だと、重合過程で凝集物が発生したり、得られたエマルジョンの機械的安定性が良くない場合があり、また5重量%を越えると、樹脂フィルムに対する接着性が低下するようになる。
【0011】
上記アクリル系樹脂エマルジョン中のアクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、−30〜0℃の範囲であり、−20〜0℃の範囲が好ましい。−30℃よりも低いと、得られる接着剤組成物の凝集力が著しく低下すると共に接着性が低下する場合があり、一方、0℃を越えると、得られる接着剤組成物は、乾燥後にタックを失って接着性が著しく低下し、また樹脂フィルムと印刷紙を圧着したあとに樹脂フィルムの浮きや剥離(いわゆるトンネリング現象)が発生する場合がある。
【0012】
上記カルボキシル基含有単量体の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等があげられ、これらの単量体は通常単独でまたは2種以上を混合して用いられる。なお、これらの単量体のうちアクリル酸およびメタクリル酸は、後述する(メタ)アクリル系単量体との共重合性がよく、エマルジョンの機械的安定性を構造しうるものであるので、とくに好適に使用しうるものである。
【0013】
上記アクリル樹脂に用いられる上記カルボキシル基含有単量体以外の単量体としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどのアルキル基の炭素数が1〜8のアルキルアクリレート;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレートなどのアルキル基の炭素数が1〜4のアルキルメタクリレート等の(メタ)アクリル系単量体があげられ、これらの単量体は単独でまたは2種以上を混合して用いられる。なお、上記(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。
【0014】
上記アクリル樹脂エマルジョンの製造は、通常の乳化重合法によって行なうことができる。この場合、重合反応は、水性媒体中で行なわれ、乳化剤が通常単量体全量に対して2〜6重量%、好ましくは3〜5重量%の範囲内で用いられる。この乳化剤としては、オレイン酸カリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンジアルキル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルリン酸エステル等のアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)ブロックコポリマー、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤があげられる。
【0015】
また、重合時の単量体濃度は、通常30〜70重量%、好ましくは40〜55重量%とすることが適当である。また、重合の際に用いる重合開始剤としては、一般に用いられているラジカル重合開始剤が用いられる。かかるラジカル重合開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物系重合開始剤等があげられる。上記ラジカル重合開始剤の使用量は、通常、重合に供せられる単量体全量に対して0.2〜2重量%、好ましくは0.3〜1重量%となるように調整される。また、反応時間は、通常2〜8時間とすることが適当であり、また重合開始時の反応温度は通常60〜100℃である。
【0016】
上記アクリル系樹脂エマルジョン中のアクリル樹脂のTgは、アルキル(メタ)アクリレートの共重合比率を変えることにより調整することができる。このTgは、80℃にて24時間乾燥した被膜を示差走査熱量計(DSC、セイコー電子工業(株);DSC220C等)を用いて測定することができる。
【0017】
上記ウレタンエマルジョンとは、ウレタン樹脂を乳化させたものをいう。このウレタンエマルジョンを構成するウレタン樹脂の粒子径は、0.2μm未満のものを用い、0.005〜0.1μmのものが好ましい。0.2μm以上だと、シード重合性が劣り、またエマルジョンの安定性が劣る場合がある。
【0018】
上記ウレタン樹脂の酸価は、30mgKOH/g以下がよく、3〜20mgKOH/gが好ましい。30mgKOH/gより大きいと、接着性や仕上がり性(表面光沢)が悪化する場合がある。
【0019】
上記ウレタン樹脂の重量平均分子量は、1万〜5万がよく、1万〜3万が好ましい。1万より小さいと、トンネリング性が悪化する場合がある。一方、5万より大きいと、仕上がり性が悪化する場合がある。
【0020】
上記ウレタン樹脂のヒートシール温度は、40〜150℃がよく、60〜120℃が好ましい。40℃より低いと、トンネリング性が劣る場合がある。一方、150℃より高いと、仕上がり性が悪化する場合がある。
【0021】
上記ウレタン樹脂は、有機ポリイソシアネート化合物、高分子ポリオール、分子中にアニオン性親水基と少なくとも2個の活性水素を含有する化合物、及び必要に応じ、鎖伸長剤を用いてウレタンプレポリマーを合成し、また、必要に応じてこのプレポリマーのイソシアネート基末端を中和し、これを水溶性ポリアミン又はヒドラジン誘導体を用いて、水中で鎖伸長反応をさせて得られる樹脂である。
【0022】
上記有機ポリイソシアネート化合物は、特に限定されるものではなく、従来公知の種々の有機ポリイソシアネート化合物を使用することができる。この中でも、脂肪族ジイソシアネート化合物及び脂環式ジイソシアネート化合物の中から選ばれた少なくとも1種のイソシアネート化合物が好ましい。このようなイソシアネート化合物の例としては、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルカンファンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等があげられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0023】
上記高分子ポリオールとしては、例えば、ポリエステル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール等をあげることができる。
【0024】
上記ポリエステル系ポリオールとしては、例えば、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンプロピレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリジエチレンアジペート、ポリエチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンイソフタレートアジペート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンセバケート、ポリブチレンセバゲート、ポリ−ε−カプロラクトンジオール、ポリ−3−メチル−1,5−ペンチレンアジペート、1,6−ヘキサンジオールとダイマー酸の重縮合物等があげられる。
【0025】
また、ポリカーボネート系ポリオールとしては、例えば、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール等があげられる。さらに、ポリエーテル系ポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等や、これと他の重合体とのブロック共重合体、ランダム共重合体等があげられる。また、エーテル系とエステル系を組み合わせたエーテル・エステル系ポリオールを用いることも可能である。これらの高分子ポリオールは1種用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0026】
上記の分子中にアニオン性親水基と少なくとも2個の活性水素を有する化合物は、特に限定されるものではないが、アニオン性親水基としてカルボキシル基を有するものが好ましい。この例としては、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸等をあげることができる。これらは単独でもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
【0027】
上記ウレタン樹脂は、次の方法で製造される。
【0028】
上記の有機ポリイソシアネート化合物、高分子ポリオール、分子中にアニオン性親水性基と少なくとも2個の活性水素を有する化合物を用い、まず、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを調製する。このウレタンプレポリマーの調製は、例えば、従来のワンショット法(1段式)又は多段式のイソシアネート重付加反応法によって、反応温度40〜150℃程度の条件下で行うことができる。この際、必要に応じ、ジブチル錫ジラウレート、スタナスオクトエート、ジブチル錫−2−エチルヘキソエート、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン等の反応触媒を1種又は2種以上添加してもよい。また、反応段階若しくは反応終了後、イソシアネート基と反応しない有機溶剤を添加してもよい。この有機溶剤としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等があげられる。
【0029】
上記プレポリマーの製造において、鎖伸長剤を用いることができる。この鎖伸長剤としては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の低分子量多価アルコール、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノシクロヘキシルメタン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、イソホロンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の低分子量ポリアミン等があげられる。これらの鎖伸長剤は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0030】
また、必要に応じて、上記プレポリマー調製前後のいずれでもかまわないが、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン等のアミン類、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、アンモニア等を加えて、得られるプレポリマーのイソシアネート基末端を中和してもよい。
【0031】
次に、得られたプレポリマーの中和物を、水溶性ポリアミン又はヒドラジン誘導体等を用いて水中に鎖伸長させる。
【0032】
上記水溶性ポリアミン又はヒドラジン誘導体としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジアミノシクロヘキシルメタン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、イソホロンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヒドラジン等が用いられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。溶剤を用いてプレポリマー化反応を行った場合には、例えば鎖伸長反応を終えてから減圧蒸留等の方法で溶剤を除去することが望ましい。
【0033】
この発明にかかるラミネート用接着剤におけるアクリル樹脂エマルジョンとウレタンエマルジョンとの含有割合は、固形分換算で、アクリル樹脂エマルジョン100重量部に対し、ウレタンエマルジョンを3〜30重量部とするのがよく、5〜20重量部とするのが好ましい。ウレタンエマルジョンの混合量が、3重量部より少ないと、初期接着性やトンネリング性が劣る場合がある。一方、30重量部より多いと、仕上がり性が悪化する場合がある。
【0034】
上記のアクリル樹脂エマルジョンとウレタンエマルジョンとは、それぞれを重合で得た後に混合してもよいが、アクリル樹脂エマルジョンの重合時に、シード粒子としてウレタンエマルジョンを使用してもよい。ウレタンエマルジョンをシード粒子として用いると、両エマルジョンの分離を防止できる。
【0035】
この発明にかかるラミネート用接着剤には、上記のアクリル樹脂エマルジョン及びウレタンエマルジョン以外に、エポキシ樹脂やエポキシ樹脂硬化促進剤を用いてもよい。これらを用いることにより、得られるラミネート用接着剤が硬化した後で十分な硬度を得ることができる。
【0036】
上記エポキシ樹脂としては、液状のエポキシ樹脂または熱溶融することにより乳化することができる固形のエポキシ樹脂が好ましい。このエポキシ樹脂の例としては、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンの縮合物であるビスフェノールA型エポキシ樹脂等があげられる。
【0037】
上記エポキシ樹脂の使用量は、上記アクリル系樹脂エマルジョンの固形分100重量部に対して5〜25重量部が好ましく、10〜15重量部がより好ましい。5重量部未満だと、得られるラミネート用接着剤に硬化性が付与され難くなる場合があり、また25重量部を越えると、得られるラミネート接着剤を用いて形成された塗膜の透明性が損われたり、光沢性が低下する場合がある。
【0038】
上記エポキシ樹脂硬化促進剤の具体例としては、アジピン酸ジヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントインなどのヒダントイン骨格を有する酸ヒドラジド、イミダゾール系化合物などがあげられ、これらのエポキシ樹脂硬化促進剤は通常単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
【0039】
上記エポキシ樹脂硬化促進剤のうち、ヒダントイン骨格を有する酸ヒドラジドは、印刷インキを変色しにくいものであるので特に好適に用いられる。
【0040】
上記エポキシ樹脂硬化促進剤の使用量は、上記アクリル系樹脂エマルジョンの固形分100重量部に対して1〜6重量部が好ましく、1.5〜3重量部がより好ましい。1重量部未満だと、エポキシ樹脂が充分に硬化されなくなる場合があり、一方、6重量部を越えてもよいが、得られるラミネート用接着剤の接着性能のそれ以上の向上は望めず、かえってコスト高となる。
【0041】
この発明により得られるラミネート用接着剤は、OPPフィルム、塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム等のフィルムと、印刷紙やOPPフィルム、塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム等の他のフィルムとのラミネートに好適に使用することができる。
【0042】
【実施例】
次に、実施例によってこの発明をさらに詳細に説明するが、この発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。まず、評価方法について説明する。
【0043】
(初期接着性)
印刷紙として上質黒印刷物を用いてOPPフィルムと貼り合わせた直後に手で剥離させ、インキ層とフィルムとの接着性を判定した。評価基準は次の通りである。
◎:インキ層が全面的に剥離し、フィルム層へ移る
○:インキ層の約70%以上が剥離し、フィルム層へ移る
△:インキ層の50〜70%程度が剥離し、フィルム層へ移る
×:インキ層の約50%以上が剥離せず、印刷紙側に残る。
【0044】
(トンネリング性)
印刷紙として上質黒印刷物を用いてOPPフィルムと貼り合わせた後、試料を1cm幅の短冊状に山折り及び谷折りし、灯油中に10秒間浸漬後、室温にて1日間風乾し、フィルムの浮き状態を肉眼で判定した。評価基準は次の通りである。
○:フィルムの浮きの発生なし
△:一部にフィルムの浮きあり
×:全面にフィルムの浮きあり。
【0045】
(仕上がり性)
印刷紙として上質黒印刷物を用いてOPPフィルムと貼り合わせ、表面の艶、光沢について肉眼で判定した。評価基準は次の通りである。
○:艶、光沢が良好
△:艶、光沢がやや良好
×:艶、光沢が不良。
【0046】
(ウレタンエマルジョンの製造)
〔製造例1〕
撹拌装置、還流冷却管、温度計および滴下ロートを備えた反応器にポリブチレンアジペートジオール159g(水酸基価=56.5mg・KOH/g)、N−メチル−2−ピロリドン54g、2,2−ジメチロールプロピオン酸10.7gを仕込んで均一混合後、イソホロンジイソシアネート53.3gを加えて80℃に昇温し7時間撹拌した。40℃に冷却してトリエチルアミン8.1gにて中和後、水200gを滴下ロートにて反応容器内に30分かけて連続滴下して乳化分散させた。これを70℃に昇温し、2時間撹拌して鎖延長した後、30℃に放冷し、樹脂固形分40重量%、粒子径80nm、酸価10mg・KOH/g、重量平均分子量26,000、ヒートシール温度90℃の水性ウレタンエマルジョンを製造した(以下、「UE1」と略する)。
【0047】
〔製造例2〕
製造例2と同様の反応器にポリ−ε−カプロラクトンジオール(重量平均分子量2000)150g、1,6−ヘキサンジオール5.9g、N−メチル−2−ピロリドン54g、2,2−ジメチロールプロピオン酸10.7gを仕込んで均一混合後、イソホロンジイソシアネート53.3gを加えて80℃に昇温し7時間撹拌した。40℃に冷却してトリエチルアミン8.1gにて中和後、水200gを滴下ロートにて反応容器内に30分かけて連続滴下して乳化分散させた。これを70℃に昇温し、2時間撹拌して鎖延長した後、30℃に放冷し、樹脂固形分40重量%、粒子径0.2μm、酸価10mg・KOH/g、重量平均分子量28,000、ヒートシール温度100℃の水性ウレタンエマルジョンを製造した(以下、「UE2」と略する)。
【0048】
〔製造例3〕
製造例1において、ポリブチレンアジペートジオール40g、2,2−ジメチロールプロピオン酸19g、トリエチルアミン14.4g、及び水106gを添加するように、それぞれの使用量を変更した以外は、製造例1と同様にして、樹脂固形分40重量%、粒子径80nm、酸価36mg・KOH/g、重量平均分子量28,000、ヒートシール温度100℃のウレタンエマルジョンを製造した(以下、「UE3」と略する)。
【0049】
(アクリル樹脂エマルジョンの製造)
〔製造例4〕
撹拌装置、還流冷却管、温度計および滴下ロートを備えた反応器に水700gを仕込み、70℃に昇温した。次に撹拌しながら、過硫酸アンモニウムの10%水溶液25gを加えた後、メチルメタクリレート200g、エチルアクリレート580g、ブチルアクリレート200g、メタクリル酸20g、ポリオキシエチレンジアルキルエーテル硫酸アンモニウム30g及び水465gからなるエマルジョンを滴下ロートにて反応容器内に2.5時間かけて連続滴下し、77℃で重合反応を4時間行い、樹脂固形分45重量%のアクリル樹脂エマルジョン2220gを製造した。
【0050】
反応後、反応液を30℃に放冷し、得られたアクリル樹脂エマルジョンのガラス転移温度を測定したところ、−5.3℃であった。
【0051】
〔実施例1〕
反応器にUE1を200gを仕込んだ以外は、製造例4にかかる製造法を用いてアクリル樹脂エマルジョンとウレタンエマルジョンの混合物を製造した。
【0052】
得られた混合物をアンモニア水で反応液のpHを7〜8となるように調整したのち、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン)18gを添加して樹脂固形分45重量%の水性エマルジョンを得た。この得られた水性エマルジョン100gにエポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:184〜194)のエマルジョン(樹脂固形分60重量%)10gを添加し、樹脂組成物を得た。
【0053】
得られた樹脂組成物の樹脂固形分が30重量%となるように水で希釈した後、バーコーターにてOPPフィルム(東レ(株)製;商品名 トレファン、コロナ処理済のもの、厚さ:15μm)に乾燥後の塗膜の厚さが約3.5μmとなるように塗布した。
【0054】
次に、80℃の熱風乾燥機中で30秒間乾燥した後、以下の試験項目に記載した印刷紙の印刷面とOPPフィルムの接着面を重ね合わせ、熱ロール(70℃)を用いて圧着した。
【0055】
得られたOPPフィルム積層印刷物について初期接着性、トンネリング性、仕上がり性を上記の方法にしたがって調べた。その結果を表1に示す。
【0056】
〔比較例1〕
製造例4で得られたアクリル樹脂エマルジョンをアンモニア水で反応液のpHを7〜8となるように調整したのち、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン)18gを添加して樹脂固形分45重量%の水性エマルジョンを得た。この得られた水性エマルジョン100gにエポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:184〜194)のエマルジョン(樹脂固形分60重量%)10gを添加し、樹脂組成物を得た。そして、実施例1に記載の方法にしたがってOPPフィルム積層印刷物を得た。
【0057】
得られたOPPフィルム積層印刷物について初期接着性、トンネリング性、仕上がり性を上記の方法にしたがって調べた。その結果を表1に示す。
【0058】
〔比較例2〕
上記UE1をアンモニア水で反応液のpHを7〜8となるように調整したのち、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン)18gを添加して樹脂固形分40重量%の水性エマルジョンを得た。この得られた水性エマルジョン100gにエポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:184〜194)のエマルジョン(樹脂固形分60重量%)10gを添加し、樹脂組成物を得た。そして、実施例1に記載の方法にしたがってOPPフィルム積層印刷物を得た。
【0059】
得られたOPPフィルム積層印刷物について初期接着性、トンネリング性、仕上がり性を上記の方法にしたがって調べた。その結果を表1に示す。
【0060】
〔実施例2〕
上記UE1の代わりに製造例3で製造したウレタンエマルジョンUE3を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。そして、実施例1に記載の方法にしたがってOPPフィルム積層印刷物を得た。
【0061】
得られたOPPフィルム積層印刷物について初期接着性、トンネリング性、仕上がり性を上記の方法にしたがって調べた。その結果を表1に示す。
【0062】
〔比較例3〕
上記UE1の代わりにUE2を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。そして、実施例1に記載の方法にしたがってOPPフィルム積層印刷物を得た。
【0063】
得られたOPPフィルム積層印刷物について初期接着性、トンネリング性、仕上がり性を上記の方法にしたがって調べた。その結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
Figure 0004763138
【0065】
【発明の効果】
この発明によると、特定のアクリル樹脂エマルジョンに特定のウレタンエマルジョンを含有させたので、初期接着性が向上し、かつ、得られる接着剤組成物は色抜け性が改良され、表面光沢が良好となると共に、インク中の残留溶剤に対する耐性が向上、すなわち、耐トンネリング性が向上する。
【0066】
また、この発明により得られるラミネート用接着剤は、OPPフィルム、塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム等のフィルムと、印刷紙やOPPフィルム、塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリエステルフィルム等の他のフィルムとのラミネートに好適に使用することができる。

Claims (3)

  1. カルボキシル基を含有するガラス転移温度(Tg)が−30〜0℃の範囲にあるアクリル樹脂エマルジョン、及び粒子径が0.2μm未満のウレタンエマルジョンを含有してなり、
    上記アクリル樹脂エマルジョンを構成するアクリル樹脂に含有されるカルボキシル基含有単量体の量が0.5〜5重量%であり、
    上記アクリル樹脂に用いられるカルボキシル基を含有する単量体以外の単量体は、アルキル基の炭素数が1〜8のアルキルアクリレート、及びアルキル基の炭素数が1〜4のアルキルメタクリレートから選ばれる少なくとも1種の単量体であり、
    上記アクリル樹脂エマルジョン100重量部(固形分換算)に対し、上記ウレタンエマルジョン3〜30重量部(固形分換算)が含有されるラミネート用接着剤。
  2. 上記ウレタンエマルジョンを構成するウレタン樹脂の酸価が30mgKOH/g以下、重量平均分子量が1万〜5万、ヒートシール温度が40〜150℃である請求項1に記載のラミネート用接着剤。
  3. エポキシ樹脂、及びヒダントイン骨格を有する酸ヒドラジド又はイミダゾール系化合物から選ばれる少なくとも1種類のエポキシ樹脂硬化促進剤を含有する請求項1又は2に記載のラミネート用接着剤。
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