JP4762759B2 - インパルス状電圧発生回路、イオン発生装置、及び電気機器 - Google Patents

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本発明は、放電現象により正イオンと負イオンを発生させるイオン発生装置のイオン発生素子に印加するインパルス状電圧を発生するインパルス状電圧発生回路並びにこれを備えたイオン発生装置及び電気機器に関するものである。
正負両極性のイオンを発生させる方式には、1つのイオン発生素子に交流高電圧を印加する方式と、少なくとも2つのイオン発生素子にそれぞれ正負逆極性の高電圧を印加する方式とがある。
前者の1つのイオン発生素子に交流高電圧を印加する方式には、正弦波の高電圧を印加する方式やインパルス的な極短時間の正負振動減衰波形の電圧を印加する方式がある。
後者の少なくとも2つのイオン発生素子にそれぞれ正負逆極性の高電圧を印加する方式には、正の直流電圧(電圧が正の一定値でありかつ当該電圧印加によりイオン発生素子に流れる電流の大きさ及び方向も一定)と負の直流電圧(電圧が負の一定値でありかつ当該電圧印加によりイオン発生素子に流れる電流の大きさ及び方向も一定)とをそれぞれ別個のイオン発生素子に印加するという代表的で最も単純な方法やインパルス的な極短時間の正負振動減衰波形の電圧を正にバイアス(シフト)した電圧と負にバイアス(シフト)した電圧とをそれぞれ別個のイオン発生素子に印加する方式(例えば特許文献1を参照)などがある。
以下に上述した方式を実現するイオン発生装置について順次説明する。
正弦波の高電圧を1つのイオン発生素子に印加する方式を実現するイオン発生装置においては、交流である商用家庭用電源電圧を昇圧してイオン発生素子に印加する回路構成が最も単純である。しかし、当該回路構成ではトランスが大型化するため、一般的には、R.C.C(リンギング・チョーク・コンバータ)のような自励発振式のスイッチング電源を用いて小型化を図った回路構成が採用されている。また、近年では更なる小型化を図るために、圧電トランスを用いた回路構成などが開発されている。正弦波の高電圧についてはその波形が明確であるため図示を省略する。
インパルス的な極短時間の正負振動減衰波形の電圧を1つのイオン発生素子に印加する方式を実現するイオン発生装置について、代表的な回路図を図5に示し、イオン発生素子に印加される電圧の波形を図6に示す。図5に示すイオン発生装置の動作について説明する。商用家庭用電源101から出力される交流電圧を、抵抗102を介し、整流ダイオード103で半波整流し、コンデンサ104に充電する。コンデンサ104の充電電圧が規定値以上に達すると、スイッチング素子105が導通し、コンデンサ104に溜まった電荷がトランスの一次巻線107aに放出され、トランスの一次巻線107aに電流(一次電流)が流れる。トランスの一次巻線107aのインダクタンスと、トランスの一次巻線107aの抵抗成分(図示せず)と、スイッチング素子105の抵抗成分(図示せず)と、コンデンサ104の静電容量とで構成される共振回路は、コンデンサ104に溜められた電荷が無くなるまで共振し、その共振に応じて一次電流が振動減衰し停止する。ダイオード106は一次電流を早く停止させるフライホイールダイオードの役割を果たす。一方、トランスの二次側では、トランスの二次巻線107bのインダクタンスと、トランスの二次巻線107bの抵抗成分(図示せず)と、イオン発生素子108とトランスの二次巻線107bとを接続する線の抵抗成分(図示せず)と、イオン発生素子108の静電容量とで構成される共振回路が、トランスの二次巻線107bに伝達されたエネルギーが無くなるまで共振し、図6に示すような振動減衰する波形の電圧がイオン発生素子108の両端に印加される。その後、再びコンデンサ104は充電され、同じ動作を繰り返す。一例としてイオン発生素子108に印加される電圧の正負振動減衰波形は図6(b)のようであり、その振動減衰時間は数十μsから数百μsの長さであり、商用家庭用電源101から出力される交流電圧の周期(60Hzであれば16.7ms、50Hzであれば20ms)のレンジでみると図6(a)のようにインパルス的と言える極短時間の幅となる。なお、図6(b)は、図6(a)の点線楕円で囲まれた部分の拡大図である。
正の直流電圧と負の直流電圧とをそれぞれ別個のイオン発生素子に印加する方式を実現するイオン発生装置においては、交流である商用家庭用電源電圧を昇圧し、その昇圧した電圧を整流かつ平滑することで正の直流電圧と負の直流電圧を得る回路構成が最も単純である。
インパルス的な極短時間の正負振動減衰波形の電圧を正にバイアスした電圧と負にバイアスした電圧とをそれぞれ別個のイオン発生素子に印加する方式を実現するイオン発生装置について、代表的な回路図を図7に示し、トランスの二次巻線から出力される電圧及びイオン発生素子に印加される電圧の波形を図8に示す。図7において図5と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。図7に示すイオン発生装置では、トランスの二次巻線を二つ設け、トランスの二次巻線に対する接続方向がダイオード110とダイオード111で互いに逆向きになるように、一方のトランスの二次巻線107bにイオン発生素子108及びダイオード110を接続し、他方のトランスの二次巻線107cにイオン発生素子109及びダイオード111を接続する。イオン発生素子108及び109にはインパルス的な極短時間の正負振動減衰波形の電圧がそれぞれ極性の異なる向きで印加される。一例として、トランスの二次巻線107bが図8(a)に示すような正の電圧が先行したインパルス的な極短時間の正負振動減衰波形の電圧を出力し、トランスの二次巻線107cが図8(b)に示すような負の電圧が先行したインパルス的な極短時間の正負振動減衰波形の電圧を出力する。このとき、イオン発生素子108の対地電位はダイオード110により正にバイアスされ、イオン発生素子109の対地電位はダイオード111により負にバイアスされるので、イオン発生素子108の両端に印加される電圧の波形は図8(c)に示すようになりイオン発生素子108から正イオンが発生し、イオン発生素子109の両端に印加される電圧の波形は図8(d)に示すようになりイオン発生素子109から負イオンが発生する。
また、更にはトランスの二次巻線を二つ設けずにトランス二次側出力を1つにしても、図9に示すように、トランス二次側出力に対する接続方向がダイオード110とダイオード111で互いに逆向きになるように、圧電トランス116の二次側出力にコンデンサ112を介してイオン発生素子108及びダイオード110を接続し、トランス二次側出力にコンデンサ113を介してイオン発生素子109及びダイオード111を接続する回路構成にすれば、イオン発生素子108及び109にはそれぞれ正負にバイアスされた電圧が印加される。圧電トランス116は、直流電源114からの直流電圧を入力する発振回路115の発振によって駆動する。イオン発生素子108に印加される電圧の波形は図10(a)に示すような正弦波を正にバイアスした波形になり、イオン発生素子109に印加される電圧の波形は図10(b)に示すような正弦波を負にバイアスした波形になる。なお、図9に示すイオン発生装置に関連する高電圧発生装置すなわち圧電トランスを用いた高電圧発生装置が特許文献2に開示されている。
特開2004−363088号公報 特開平11−251035号公報
前者の1つのイオン発生素子に交流高電圧を印加する方式は、1つのイオン発生素子と、1つの高電圧発生回路とによってイオン発生装置を構成することができるが、同じイオン発生素子から正負両極性のイオンが発生するため、正負両極性のイオンが相互に中和する確率が高く、イオンの発生効率が低いことが課題である。一方、後者の少なくとも2つのイオン発生素子にそれぞれ正負逆極性の高電圧を印加する方式は、異なるイオン発生素子から正イオン、負イオンを別々に発生させるため、正負両極性のイオンが相互に中和して消滅することを抑えることができる。
ところが、後者の少なくとも2つのイオン発生素子にそれぞれ正負逆極性の高電圧を印加する方式において、前述の正の直流電圧と負の直流電圧をそれぞれ別個のイオン発生素子に印加する方法やインパルス的な極短時間の正負振動減衰波形の電圧を正にバイアスした電圧と負にバイアスした電圧をそれぞれ別個のイオン発生素子に印加する方法では、少なくとも2つのイオン発生素子と、少なくとも2つの二次巻線を有するトランスとが必要になるため、回路基板の大型化を招くことになるという課題が発生する。これに対して、図9に示すように、トランス二次側出力に対する接続方向がダイオード110とダイオード111で互いに逆向きになるように、圧電トランス116の二次側出力にコンデンサ112を介してイオン発生素子108及びダイオード110を接続し、トランス二次側出力にコンデンサ113を介してイオン発生素子109及びダイオード111を接続する回路構成にすれば、回路基板の小型化が可能になる。
また、放電現象を用いたイオン発生装置では、イオンの発生と同時にオゾンが発生し、オゾンは一般的に濃度が高くなると人体に影響を及ぼすため環境基準(実害のないレベル)が設けられている。上述した図9に示す回路構成や前者の1つのイオン発生素子に交流高電圧を印加する方式を採用した場合、インパルス的な極短時間の正負振動減衰波形の電圧をイオン発生素子に印加する方式に比べると、発生するオゾン量が増加するため、その点においてインパルス的な極短時間の正負振動減衰波形の電圧をイオン発生素子に印加する方式が有利である。
以上のことを勘案して、イオンの発生効率が良く、小型化を図ることができ、オゾンの発生を少なくすることができるイオン発生装置として、図11に示すような回路構成のイオン発生装置が考えられる。なお、図11において図7と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。
図11に示すイオン発生装置は、トランスの二次巻線を一つとし、トランスの二次巻線107bに対する接続方向がダイオード110とダイオード111で互いに逆向きになるように、トランスの二次巻線107bにダイオード110を介してイオン発生素子108を接続し、トランスの二次巻線107bにダイオード111を介してイオン発生素子109を接続する回路構成である。このような回路構成により、インパルス的な極短時間の正負振動減衰波形の電圧を正方向に整流減衰して得られた電圧をイオン発生素子108に、インパルス的な極短時間の正負振動減衰波形の電圧を負方向に整流減衰して得られた電圧をイオン発生素子109に、それぞれ印加することができる。
しかしながら、図11に示すイオン発生装置では、トランスの二次巻線107bに発生する電圧の波形は、一例として示す図12(a)のようなインパルス的な極短時間の正負振動減衰波形であり、基本的に波形の第1波目のピーク値(絶対値)と第2波目のピーク値(絶対値)は異なる値になる。このため、図12(a)に示すインパルス的な極短時間の正負振動減衰波形の電圧を正方向に整流減衰して得られた電圧であってイオン発生素子108に印加される電圧のピーク値(絶対値)と、図12(a)に示すインパルス的な極短時間の正負振動減衰波形の電圧を負方向に整流減衰して得られた電圧であってイオン発生素子109に印加される電圧のピーク値(絶対値)とに大小関係が生じてしまう。なお、イオン発生素子108に印加される電圧の波形は図12(b)に示すようになり、イオン発生素子109に印加される電圧の波形は図12(c)に示すようになる。そして、イオン発生素子108及び109にそれぞれ印加される電圧のピーク値(絶対値)の違いは、発生する正負イオンのイオンバランスに反映されるため、図11に示すイオン発生装置では、イオンバランスのくずれた結果が生じてしまうという課題があった。
本発明は、上記の課題に鑑み、イオンの発生効率が良く、小型化を図ることができ、オゾンの発生を少なくすることができ、かつ正負のイオンバランスが良いイオン発生装置を実現するためのインパルス状電圧発生回路並びにこれを備えたイオン発生装置及び電気機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明に係るインパルス状電圧発生回路は、1出力のトランスを有し、前記トランスの一次側に、前記トランスの二次巻線に正負減衰振動波形のインパルス状電圧を発生させるための回路を設け、前記トランスの二次側に、前記正負減衰振動波形のインパルス状電圧を正方向に整流する少なくとも一つの正方向整流用整流素子と、前記正負減衰振動波形のインパルス状電圧を負方向に整流する少なくとも一つの負方向整流用整流素子とを設け、前記正負減衰振動波形のインパルス状電圧を正方向に整流して得られた電圧のピーク値の絶対値と前記正負減衰振動波形のインパルス状電圧を負方向に整流して得られた電圧のピーク値の絶対値との大小関係が一定周期毎に入れ替わるようにしている。
このような構成のインパルス状電圧発生回路に、正イオン発生用イオン発生素子及び負イオン発生用イオン発生素子を接続し、前記正負減衰振動波形のインパルス状電圧を正方向に整流して得られた電圧が前記正イオン発生用イオン発生素子に印加されるようにし、前記正負減衰振動波形のインパルス状電圧を負方向に整流して得られた電圧が前記負イオン発生用イオン発生素子に印加されるようにすることで、以下の効果が得られる。
時間平均すれば、前記正負減衰振動波形のインパルス状電圧を正方向に整流して得られた電圧のピーク値の絶対値と前記正負減衰振動波形のインパルス状電圧を負方向に整流して得られた電圧のピーク値の絶対値とを同一にすることができる。これにより、イオンバランスを良くすることができる。また、正イオン発生用イオン発生素子、負イオン発生用イオン発生素子にそれぞれ正負逆極性の高電圧を印加する方式であるため、イオンの中和を抑えており、イオン発生効率が良い。また、イオン発生素子にインパルス状電圧が印加されるので、正弦波電圧をイオン発生素子に印加する場合に比べて、オゾン発生量が少なくなる。さらに、前記トランスが1出力であるため、簡素化した回路構成で実現可能である。これにより、小型化を図ることができる。
また、一つの具体策としては上記構成のインパルス状電圧発生回路において、前記トランスの一次巻線に流れるインパルス状電流の流れ始めの電流方向が前記一定周期毎に入れ替わるようにするとよい。
また、上記目的を達成するために本発明に係るイオン発生装置は、上記各構成のインパルス状電圧発生回路と、前記インパルス状電圧発生回路が有するトランスの二次巻線に発生する正負減衰振動波形のインパルス状電圧を正方向に整流して得られた電圧が印加される少なくとも一つの正イオン発生用イオン発生素子と、前記インパルス状電圧発生回路が有するトランスの二次巻線に発生する正負減衰振動波形のインパルス状電圧を負方向に整流して得られた電圧が印加される少なくとも一つの負イオン発生用イオン発生素子とを備えるようにする。そして本発明に係るイオン発生装置において正イオンと負イオンを発生させる。
また、上記目的を達成するために本発明に係る電気機器は、上記構成のイオン発生装置と、前記イオン発生装置で発生したイオンを空気中に送出する送出手段とを備えるようにする。
本発明によると、イオン発生装置でのイオンの発生効率を良くすることができ、パルス電圧発生回路、イオン発生装置、及び電気機器の小型化を図ることができ、イオン発生装置でのオゾンの発生を少なくすることができ、かつイオン発生装置での正負のイオンバランスを良くすることができる。
本発明の実施形態について図面を参照して以下に説明する。本発明に係るイオン発生装置の一構成例を図1に示す。図1に示すイオン発生装置は、インパルス状電圧発生回路10と、イオン発生素子6及び7とによって構成される。インパルス状電圧発生回路10は、抵抗2と、コンデンサ3と、スイッチング素子4と、一次巻線5a及び二次巻線5bを有する高圧トランスと、整流ダイオード8及び9とを備えている。
図1に示すイオン発生装置の一次側回路は、抵抗2と、コンデンサ3と、スイッチング素子4と、高圧トランスの一次巻線5aとによって構成され、抵抗2の片端と、コンデンサ3及び高圧トランスの一次巻線5aの接続点との二点間に商用家庭用電源1から出力される交流電圧が印加される。抵抗2及びコンデンサ3の接続点と高圧トランスの一次巻線3aとの間に設けられるスイッチング素子4には、双方向導通可能とするトライアックや2端子サイリスタなどを用いる。
一方、図1に示すイオン発生装置の二次側回路は、高圧トランスの二次巻線5bと、高圧トランスの二次巻線5bの一端に互いに逆向きに一端が接続される2つの整流ダイオード8及び9と、整流ダイオード8の他端と高圧トランスの二次巻線5bの他端に接続されるイオン発生素子6と、整流ダイオード9の他端と高圧トランスの二次巻線5bの他端に接続されるイオン発生素子7とによって構成される。整流ダイオード8の他端と高圧トランスの二次巻線5bの他端に接続されるイオン発生素子と、整流ダイオード9の他端と高圧トランスの二次巻線5bの他端に接続されるイオン発生素子とはそれぞれ複数あってもよいが、本実施形態ではそれぞれ一つにしている。また、スイッチング素子4とコンデンサ3の位置は入れ替わっても良い。トランスの一次巻線5aとスイッチング素子4の位置も入れ替わっても良い。
次に、図1に示すイオン発生装置の動作について説明する。
先ず始めに、商用家庭用電源1の抵抗2側電圧が商用家庭用電源1のコンデンサ3及び一次巻線5aの接続点側電圧よりも高いときの動作(第1の動作)について説明する。商用家庭用電源1の抵抗2側電圧が商用家庭用電源1のコンデンサ3及び一次巻線5aの接続点側電圧よりも高いとき、商用家庭用電源1の出力電圧が、抵抗2を通じ、抵抗2に接続される側を正極性としてコンデンサ3を充電する。コンデンサ3の充電速度は抵抗2の抵抗値とコンデンサ3の静電容量値との積による時定数で決まる。また、コンデンサ3に充電される電荷量はコンデンサ3の静電容量により決まる。
コンデンサ3の充電電圧が第1規定値以上に達すると、スイッチング素子4が導通し、コンデンサ3に溜まった電荷が高圧トランスの一次巻線5aに放出され、高圧トランスの一次巻線5aに電流(一次電流)が流れる。高圧トランスの一次巻線5aのインダクタンスと、高圧トランスの一次巻線5aの抵抗成分(図示せず)と、スイッチング素子4の抵抗成分(図示せず)と、コンデンサ3の静電容量とで構成される一次側共振回路は、コンデンサ3に溜められた電荷が無くなるまで、共振し、一次電流が振動減衰し、スイッチング素子4がOFFする第2の規定値を下回るとスイッチング素子4が導通しなくなる。
一方、高圧トランスの二次側では、高圧トランスの二次巻線5bのインダクタンスと、高圧トランスの二次巻線5bの抵抗成分(図示せず)と、高圧トランスや整流ダイオード8及び9などの浮遊容量(図示せず)と、イオン発生素子6及び7の静電容量とで構成される二次側共振回路が、トランスの二次巻線5bに伝達されたエネルギーが無くなるまで共振し、一次電流がなくなった後も二次側共振回路の共振に応じて図2(a)に示すような波形で減衰しながら振動する振動減衰電圧が高圧トランスの二次巻線5bの両端に出力される。図2(a)に示す振動減衰電圧の振動減衰時間は数十μsから数百μsの長さであり、商用家庭用電源1から出力される交流電圧の周期(60Hzであれば16.7ms、50Hzであれば20ms)のレンジでみると図6と同様にインパルス的と言える極短時間の幅となる。
図2(a)に示す振動減衰電圧の波形は、高圧トランスの二次巻線5bの両端に発生する電圧の波形を整流ダイオード8及び9が接続されていない方を基準にして整流ダイオード8及び9が接続されている方を見た波形であり、第1のピークが負極性であり、第2のピークが正極性である。図2(a)に示す振動減衰電圧が負極性のとき、整流ダイオード9が導通し、図2(a)に示す振動減衰電圧を負方向に整流減衰して得られた電圧(図2(b)のV−)がイオン発生素子7に印加される。これにより、イオン発生素子7から負イオンが発生する。一方、図2(a)に示す振動減衰電圧が正極性のとき、整流ダイオード8が導通し、図2(a)に示す振動減衰電圧を正方向に整流減衰して得られた電圧(図2(b)のV+)がイオン発生素子6に印加される。これにより、イオン発生素子6から正イオンが発生する。通常、第1のピークの絶対値と第2のピークの絶対値は異なり、高圧トランスの二次巻線5bのインダクタンス値やイオン発生素子6及び7の静電容量値の組合せで両者を近い値にすることは可能であるが、全く同じにすることは非常に難しい。
続いて、商用家庭用電源1の抵抗2側電圧が商用家庭用電源1のコンデンサ3及び一次巻線5aの接続点側電圧よりも低いときの動作(第2の動作)について説明する。商用家庭用電源1の抵抗2側電圧が商用家庭用電源1のコンデンサ3及び一次巻線5aの接続点側電圧よりも低いとき、抵抗2に接続される側を負極性として、すなわち上記第1の動作の場合とは逆方向にコンデンサ3が充電される。同様にコンデンサ3の充電電圧が第1規定値以上に達すると、スイッチング素子4が導通し、コンデンサ3に溜まった電荷が高圧トランスの一次巻線5aに放出され、一次電流が上記第1の動作の場合とは逆方向に流れる。このため、図3(a)に示すような波形で減衰しながら振動する振動減衰電圧、すなわち上記第1の動作の場合とは逆極性の振動減衰電圧が、高圧トランスの二次巻線5bの両端に出力される。
図3(a)に示す振動減衰電圧の波形は、高圧トランスの二次巻線5bの両端に発生する電圧の波形を整流ダイオード8及び9が接続されていない方を基準にして整流ダイオード8及び9が接続されている方を見た波形であり、第1のピークが正極性であり、第2のピークが負極性である。図3(a)に示す振動減衰電圧が正極性のとき、整流ダイオード8が導通し、図3(a)に示す振動減衰電圧を正方向に整流減衰して得られた電圧(図3(b)のV+)がイオン発生素子6に印加される。これにより、イオン発生素子6から正イオンが発生する。一方、図3(a)に示す振動減衰電圧が負極性のとき、整流ダイオード9が導通し、図3(a)に示す振動減衰電圧を負方向に整流減衰して得られた電圧(図3(b)のV−)がイオン発生素子7に印加される。これにより、イオン発生素子7から負イオンが発生する。上記第1の動作の場合と同様に、第2の動作の場合においても、通常、第1のピークの絶対値と第2のピークの絶対値は異なり、高圧トランスの二次巻線5bのインダクタンス値やイオン発生素子6及び7の静電容量値の組合せで両者を近い値にすることは可能であるが、全く同じにすることは非常に難しい。
上記第1の動作と上記第2の動作はそれぞれ商用家庭用電源1から出力される交流電圧の半周期に1回ずつもしくは複数回ずつ行われ、半周期毎に切り替わるため、時間平均すれば、正イオンを発生させるイオン発生素子6に印加される電圧のピーク値(絶対値)と負イオンを発生させるイオン発生素子7に印加される電圧のピーク値(絶対値)とを同一にすることができる。これにより、イオンバランスを良くすることができる。また、図1に示すイオン発生装置は、2つのイオン発生素子にそれぞれ正負逆極性の高電圧を印加する方式であるため、正負両極性のイオンが相互に中和することを抑え、イオン発生効率が良い。また、図1に示すイオン発生装置は、インパルス的な極短時間の正負振動減衰波形の電圧を正にバイアスした電圧と負にバイアスした電圧とをそれぞれ別個のイオン発生素子に印加する方式であるため、正弦波電圧をイオン発生素子に印加する方式のイオン発生装置に比べて、オゾン発生量が少なくなる。さらに、図1に示すイオン発生装置は、高圧トランスが1出力であり、簡素化した回路構成で実現可能であるため、小型化を図ることができる。
本発明に係るイオン発生装置の他の構成例を図4に示す。なお、図4において図1と同一の部分には同一の符号を付し詳細な説明を省略する。図4に示すイオン発生装置は、高圧トランスの一次巻線5aと二次巻線5bの一端同士を共通接続した構成であり、高圧トランス二次巻線5bの電位を固定した方がよい場合に採用する。図4に示すイオン発生装置の動作及び図4に示すイオン発生装置が奏する効果は、図1に示すイオン発生装置と同様であるため、説明を省略する。
また、イオン発生素子6及び7については多種の態様があり、本発明においては特にその態様を限定しない。一般的な例として、整流ダイオード8或いは9に接続される側の電極であって先端が尖鋭状の金属製の放電電極と、整流ダイオード8或いは9に接続されない側の電極であって平板状の誘電電極と空気や誘電体の基材を間に介し、前記放電電極と前記誘電電極とが対向するように配置されたイオン発生素子や誘電体の基材の表面に尖鋭部を有する放電電極を配置し、前記基材に前記誘電電極を埋設している態様のイオン発生素子が挙げられる。
上述した本発明に係るイオン発生装置は、空気調和機、除湿器、加湿器、空気清浄機、冷蔵庫、ファンヒータ、電子レンジ、洗濯乾燥機、掃除機、殺菌装置などの電気機器に搭載するとよい。そして、かかる電気機器にはイオン発生装置で発生したイオンを空気中に送出する送出手段(例えば、送風ファン)を搭載するとよい。このような電気機器であれば、機器本来の機能に加えて、搭載したイオン発生装置及び送出手段で正負のイオンバランスがよい正負イオンを空気中に放出することができる。
は、本発明に係るイオン発生装置の一構成例を示す図である。 は、図1に示すイオン発生装置のイオン発生素子に印加される電圧などの波形図である。 は、図1に示すイオン発生装置のイオン発生素子に印加される電圧などの波形図である。 は、本発明に係るイオン発生装置の他の構成例を示す図である。 は、従来のイオン発生装置の回路構成図である。 は、図5に示すイオン発生装置のイオン発生素子に印加される電圧の波形図である。 は、従来の他のイオン発生装置の回路構成図である。 は、図7に示すイオン発生装置のイオン発生素子に印加される電圧などの波形図である。 は、従来の更に他のイオン発生装置の回路構成図である。 は、図9に示すイオン発生装置のイオン発生素子に印加される電圧の波形図である。 は、図5,7,9に示す従来のイオン発生装置が有する問題点を解決することができるイオン発生装置の回路構成図である。 は、図11に示すイオン発生装置のイオン発生素子に印加される電圧などの波形図である。
符号の説明
1 商用家庭用電源
2 抵抗
3 コンデンサ
4 スイッチング素子
5a 高圧トランスの一次巻線
5b 高圧トランスの二次巻線
6、7 イオン発生素子
8、9 整流ダイオード
10 インパルス状電圧発生回路

Claims (3)

  1. 1出力のトランスを有し、
    前記トランスの一次側に、抵抗とコンデンサとスイッチング素子とを備えて前記トランスの二次巻線に正負減衰振動波形のインパルス状電圧を発生させるための回路を設け、
    前記トランスの二次側に、前記正負減衰振動波形のインパルス状電圧を正方向に整流する少なくとも一つの正方向整流用整流素子と、前記正負減衰振動波形のインパルス状電圧を負方向に整流する少なくとも一つの負方向整流用整流素子とを設け、
    前記トランスの一次巻線に交流電圧を印加して、前記コンデンサの充電方向を前記交流電圧の半周期毎に切り替え、前記トランスの一次巻線に流れるインパルス状電流の流れ始めの電流方向が前記交流電圧の半周期毎に入れ替わるようにするとともに、
    前記正負減衰振動波形のインパルス状電圧を正方向に整流して得られた電圧のピーク値の絶対値と前記正負減衰振動波形のインパルス状電圧を負方向に整流して得られた電圧のピーク値の絶対値との大小関係が前記交流電圧の半周期毎に入れ替わることを特徴とするインパルス状電圧発生回路。
  2. 請求項1に記載のインパルス状電圧発生回路と、
    前記インパルス状電圧発生回路が有するトランスの二次巻線に発生する正負減衰振動波形のインパルス状電圧を正方向に整流して得られた電圧が印加される少なくとも一つの正イオン発生用イオン発生素子と、
    前記インパルス状電圧発生回路が有するトランスの二次巻線に発生する正負減衰振動波形のインパルス状電圧を負方向に整流して得られた電圧が印加される少なくとも一つの負イオン発生用イオン発生素子とを備えることを特徴とするイオン発生装置。
  3. 請求項2に記載のイオン発生装置と、前記イオン発生装置で発生したイオンを空気中に送出する送出手段とを備えることを特徴とする電気機器。
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