JP4762688B2 - 車載重量計量装置および該車載重量計量装置を備えた車両 - Google Patents
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Description
例えば、特開2001−74540号公報(特許文献1)の車両用荷重検出器は、図16に示すように、車体1上面に台座3を載置し、該台座3上に片持ち支持でロードセル2を取り付け、かつ、ロードセル2を保護するフレキシャ4がフレーム3より立設している。
特開2004−299847号公報(特許文献2)の計量装置は、図17に示すように、特許文献1と同様に、車体(シャシー)1にビーム型のロードセル2を台座2a上に片持ち状態で搭載し、自由端側に荷重が負荷される構成とされている。
かつ、台座部は余り強度を有しない車体(シャシー)上に取り付けられるため、該台座部の強度が不足すると、シャシーへの集中荷重によりシャシーに損傷を与える危険性がある。
さらに、台座部を強固にするため厚くすると車高が高くなる。また、特許文献1のようにフレキシャ4を設けると車高が高くなる。車高が高くなると走行道路上の規制に注意を払う必要があると共に、車両の重心が高くなり安定性や操作性の面で問題が生じる。また、塵芥収集車では、車高が高くなると積込作業性が悪くなる問題が生じるため、一般的に車高を低くしたい要望があり、この要望に特許文献1、2は応えることができない。
しかしながら、ロードセル2は片持ち支持であるため、これを実現するにはロードセル自体を相当強固に作成する必要があると共に、前記したように、台座部を強固な構造とする必要があり、その場合には前記した車高及び重量増大の問題が生じる。
該ロードセルのうち、少なくとも1つは、軸状弾性体の軸線方向の中央に荷重負荷部を備えると共に両側に支持部を備え、該荷重負荷部と支持部との間に剪断歪みを生じさせる起歪部を備え、該起歪部に軸直角方向の凹部を対向して凹設するとともに、前記凹部の底面の間で且つ前記軸状弾性体の軸線に沿った中心部に薄肉の平底平面部を構成し、前記凹部の底面の中心位置に歪みゲージを取り付けている軸状ピン型のロードセルとし、
前記各ロードセルの歪みゲージはホイートストンブリッジ回路を構成するように接続すると共に、歪みゲージの出力を並列和算する回路の前段に抵抗値を可変調整する回路を設け、該軸状ピン型のロードセルは軸線方向に摺動可能で且つ回転可能に軸受を介して前記車体側フレームに取り付けられることを特徴とする車載重量計量装置を提供している。
あるいは、両側の支持部はタンク側に軸受を介して支承する一方、中央の荷重負荷部を軸受を介して車体フレーム側で支承している。
いずれも場合も、起歪部には剪断歪みを生じさせる構成としている。
このように軸状ピン型のロードセルは前記従来例の特許文献1、2で提案された片持ち支持でなく、両側の支持部で車体フレーム側あるいはタンク側で安定支持するため、車体フレーム(シャシー)に応力集中を発生させず、シャシーに損傷が生じることを確実に防止できる。
かつ、ロードセルを片持ち支持ではなく、安定支持するため、車体のメインフレーム(主桁)または主桁上に固定しているサブフレームに、ロードセルの取付基板の厚さを大として補強する必要がなく、主桁あるいはサブフレームから突設した軸受でロードセルを支持することができる。よって、厚い台座を設けた場合に生じる車高の増加、重量の増加を防止することができる。
さらに、ロードセルの荷重負荷部に対して軸状弾性体を回転可能に支承しているため、車体側フレームの変形によってロードセルにかかる曲げモーメントを減少でき、この点からも計量誤差を抑制できる。
さらにまた、取付誤差の許容が大きいため、組み込みが容易となる。
なお、両側の支持部には樽型の膨出部を設ける一方、中央の荷重負荷部の外周面はフラットとし軸線方向において線接触で荷重が負荷される構成としてもよい。
前記平板型のロードセルは、略長方形状の薄板の中央部に前記タンクと面接触する荷重負荷部を備えると共に両側に支持部を備え、該荷重負荷部と支持部の間に歪ゲージを取り付けた起歪部を備えている。
前記平板型のロードセルは前記軸状ピン型のロードセルの軸線方向と直交方向に摺動可能に設置することが好ましい。この摺動構造としては、例えば、ロードセルの両側支持部の下端と車体側フレームとの間にゴムまたはエラストマー等の弾性板を挟みこみ、該弾性板を介して車体側フレームに対して摺動可能としている。
例えば、車体後部の左右両側、車体前部の左右両側に配置してもよい。さらには、車体の左右の主桁上あるいは主桁上のサブフレーム上に車体後部から前部にかけて、車長方向に複数のロードセルを配置してもよい。
其の際、車体後部側の軸状ピン型のロードセルは軸線方向を車長方向と直交方向とし、車体前部側のロードセルは車長方向に摺動可能な構成とすることが好ましい。
前記構成とすると、ダンプ車の既存のヒンジピンに代えて、軸状ピン型ロードセルを組み込んでいるので車高の増加を防止することができ、サブフレームや車体シャシーを補強する必要が無いので、車体重量の増加を抑えることができる。
しかしながら、ロードセルの軸状弾性体の摺動を所要範囲に規制するため、隣接する前後のロードセル間、左右方向のロードセル間には移動規制手段を配置することが好ましい。
具体的には、左右の車体シャシーの後部と前部とに軸状ピン型ロードセルを軸線方向を車長方向として配置した場合に、これらロードセルの間に、タンクと車体フレームとの間にターンバックル等からなる前記移動規制手段を配置している。
其の際、左右のロードセルの軸状弾性体の車幅方向で外側に軸受との間に前記係止片あるいは抜け止板等を溶接等により取り付けて、ロードセルと軸受の間の移動を規制する一方、互いに近接する内方の移動規制を前記チェックロッドに軸状弾性端の他端面が当接することでタンクと車体フレームとの間の移動を規制することが好ましい。
即ち、複数のロードセルを組み込んで計量する場合、各ロードセルの取付金具の設置誤差や固定方法の違いにより、各ロードセルの出力感度が異なり偏置誤差が生じる。車両の場合、シャシーの変形によりこの誤差が生じやすい。
これに対して、前記構成とすると、各ロードセルの出力感度の違いを、可変抵抗で調整することにより、荷物を積む位置によって出力が異なる偏置誤差を小さくし、負荷に応じた出力を検出することができるため、高精度の計量ができる。
該車両としては、給水・散水車、タンクローリー車、バキュームカー、塵芥収集車等が挙げられ、特に、タンクが車体フレームに水平状態で搭載されると共にタンクの前部が上昇されて傾斜状態となるダンプ車に好適に用いることができる。
さらに、前記軸状弾性体を軸受に回転可能に支承しているため、車体側フレームの変形によってロードセルにかかる曲げモーメントを減少でき、この点からも計量誤差を抑制できる。
図1乃至図8は、本発明の第1実施形態の車載重量計量装置を備えた車両を示す。
図1に示すように、車両10は、運転席キャビン11後部の一部を含め前後方向に延びた長い車体シャシー12を備え、該車体シャシー12上にタンク13を搭載している。車体シャシー12の前方下側部に左右一対の前輪14、車体シャシー12の後方下側部に左右一対の後輪15が配設さている。車体シャシー12は主桁(メインフレーム)12a上にサブフレーム12bを固定した構造となっている。
即ち、車両後部の左右の2個の軸状ピン型ロードセル20と、車両前部の中央に1個の平板型ロードセル30との3個のロードセルを重量計量器として配置している。
起歪部21d、21eの直径は軸状弾性体21の支持部21b、21cの直径よりも小さくしている。
軸状弾性体21は、軸受23、24の中央貫通穴を一致させた状態で挿通して組みつけている。これら軸受23、24により軸状弾性体21を回転可能に支承している。
また、図8に示す様に、略矩形状穴を持つ抜け止板25’を軸受23に溶接し、割りピン等の抜け止ピンを使用して同等の機能を持たせてもよい。
該ロードセル30はサブフレーム12b上に配置して幅方向の両側をサブフレーム12bより突出させ、主桁12aとサブフレーム12bおよびロードセル30の両側を図2(C)で示すようにボルトBで固定し、あるいは図6に示すようにUボルトB’で挟み込んで固定している。なお、図6は主桁12aに平板型ロードセル30を取り付けた実施例を示している。
支持部31b、31cの下面と主桁12aまたはサブフレーム12bとの間にゴムまたはエラストマー等の弾力のある弾性体33を挟み込んでいる。該弾性体33によりある程度は摺動可能として設置誤差や熱膨張を吸収できるようにしている。
なお、図6では、図2(c)に示す荷重負荷部31aの上面から突出させる荷重受部34を省略している。該荷重受部34はタンク13側の荷重負荷金具32と面接触しているだけで、固定されておらず、どの方向にもスライド自在で摺動可能としている。
軸状弾性体21の内部には軸方向に向かって連結穴21jが設けられ、連結穴21jには歪ゲージSGのリード線が挿通され、軸状弾性体21の一端から信号出力ケーブル26として引き出している。
図5(B)に示すように、2本の軸状弾性体21からの出力信号の並列和算により、2つの信号が加算して荷重信号を出力しており、歪みゲージSGの出力を並列和算する回路の前段に前記可変抵抗Rを設けている。
さらに、軸状ピン型ロードセル20A、20Bを軸受24に対して軸状弾性体21をある程度は回転可能の軸承結合しているため、サブフレーム12bや主桁12aの変形によってロードセルにかかる曲げモーメントを減少でき、計量誤差を改善することができる。
具体的には、軸状弾性体21の両端から軸方向に円形断面の穴加工を行い、支持部21b’(21c’)と荷重負荷部21aの間に薄肉の起歪部21d’(21e’)を設け、円形断面穴21h’の内壁で互いに対向するように水平部位に2つの歪ゲージSGが接着している。
上記変形例では、円形断面穴21h’の内壁に歪ゲージSGを湾曲させて貼り付けているため、軸状弾性体21の径を小さくしても同形状の歪ゲージSGを貼り付けることができるため、軸状ピン型ロードセル20自体を小型化できコスト削減にもつながる。
第2実施形態では、主桁12の前部および後部の左右とタンク13との間に計4個の軸状ピン型ロードセル20A〜20Dを設置している。車両後部の2個の軸状ピン型ロードセル20A、20Bは軸線方向を車長方向と直角としている一方、前部の軸状ピン型ロードセル20C、20Dの軸線方向は車長方向としている。
該ダンプ車40では、左右のヒンジピン41として軸状ピン型ロードセル20A、20Bを組み込んでいる。
なお、油圧シリンダ42によってタンク13に作用する力は計量の零点変化を生じる原因となるので、計量時には油圧シリンダ42の油圧をできるだけ開放する油圧制御を行い、荷重測定への影響を小さくしている。
一方、車両前部では、左右のサブフレーム12b上の平板型ロードセル30A、30Bを車長方向に摺動可能に取り付けている。
前記軸状ピン型ロードセル20A、20Bでは車幅方向の外側の支持部21bと軸受24’の間に係止片25を取り付けて、軸状弾性体21が軸受24’に対して左右に移動しないようにしている。
移動規制手段50はタンク13の下面の車幅方向の中心に取り付けた支持部51の下端に左右両側へ突出するチェックロッド52、53を取り付け、これらチェックロッド52、53の先端は球面としている。一方、主桁12より一対のストッパ54、55を突設し、タンク13と主桁12との位置ずれが発生した場合に、ストッパ54をチェックロッド52の先端と点接触させ、あるいはストッパ55がチェックロッド53の先端と点接触させている。また、チェックロッド52、53の中心軸は、軸状ピン型ロードセル20A、20Bの軸と同一軸となる様に配置している。
該構成とすることで、タンク13と主桁12が相対的に水平方向に位置ずれを起こすことを防いでいる。また、チェックロッド52、53の先端を球面としているため転がり摩擦が生じるが、計量に及ぼす影響はほとんど無視できるほど小さくできる利点がある。
本実施形態では、使用するロードセルを全て軸状ピン型ロードセルとしている。
具体的には、左右両側の主桁12の前部および後部の4カ所にタンク13との間に軸状ピン型ロードセル20A〜20Dを設置している。
これら軸状ピン型ロードセル20A〜20Dは軸線方向を車長方向と同一としており、前後のロードセル20Aと20C、20Bと20D間には、それぞれ車長方向への移動規制手段50’を2個直列に設置している。
該移動規制手段50’は、前後方向の一方にタンク13の下面から突設した軸受60で支承する軸61と、他方に主桁12の上面から突設した軸受62で支承する軸63を設けている。これらの軸61と63の軸線方向は車長方向と直交方向としている。かつ、軸61と63にターンバックル65、66の軸の両端を連結している。
12 車体シャシー
12a 主桁
12b サブフレーム
13 タンク
20A〜20D 軸状ピン型ロードセル
21 軸状弾性体
21a 荷重負荷部
21b、21c 支持部
21d、21e 起歪部
23、24 軸受
25 係止片
30 平板型ロードセル
40 タンク車両
41 ヒンジピン
Claims (8)
- 車体側フレームと該車体側フレーム上に搭載されるタンクの間の車体前部および後部に配置される車載重量計量装置としてロードセルを備え、
該ロードセルのうち、少なくとも1つは、軸状弾性体の軸線方向の中央に荷重負荷部を備えると共に両側に支持部を備え、該荷重負荷部と支持部との間に剪断歪みを生じさせる起歪部を備え、該起歪部に軸直角方向の凹部を対向して凹設するとともに、前記凹部の底面の間で且つ前記軸状弾性体の軸線に沿った中心部に薄肉の平底平面部を構成し、前記凹部の底面の中心位置に歪みゲージを取り付けている軸状ピン型のロードセルとし、
前記各ロードセルの歪みゲージはホイートストンブリッジ回路を構成するように接続すると共に、歪みゲージの出力を並列和算する回路の前段に抵抗値を可変調整する回路を設け、該軸状ピン型のロードセルは軸線方向に摺動可能で且つ回転可能に軸受を介して前記車体側フレームに取り付けられることを特徴とする車載重量計量装置。 - 前記複数のロードセルは、前記軸状ピン型のロードセルと、平板型のロードセルとからなり、
前記平板型のロードセルは、略長方形状の薄板の中央部に前記タンクと面接触する荷重負荷部を備えると共に両側に支持部を備え、該荷重負荷部と支持部の間に歪みゲージを取り付けた起歪部を備え、
前記平板型のロードセルは前記軸状ピン型のロードセルの軸線方向と直交方向に摺動可能な構成としている請求項1に記載の車載重量計量装置。 - 前記複数のロードセルは全て前記軸状ピン型のロードセルからなり、一部のロードセルの軸線方向は車長方向とすると共に、他のロードセルの軸線方向は車長方向と直交方向としている請求項1または請求項2に記載の車載重量計量装置。
- 前記軸状ピン型のロードセルは、前記荷重負荷部あるいは/ および前記支持部を樽型として、前記軸受の内周面に点接触させ、かつ、軸状弾性体の長さ方向の一端と前記軸受との間に係止片等を介在させて、軸状弾性体の軸方向および回転方向を規制している請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車載重量計量装置。
- 前記タンクの後端が前記車体側フレームにヒンジ結合されたダンプ車に装着され、 前記軸状ピン型のロードセルを前記ヒンジ部に回転軸として組み込んでいる請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車載重量計量装置。
- 前記軸状ピン型のロードセルは車体後部の左右両側に2個配置される一方、車体前部では中央部に1個或いは左右両側に2個の前記平板型のロードセルあるいは前記軸状ピン型のロードセルが配置され、車体後部のロードセルと車体前部のロードセルの摺動方向を直交方向としている請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の車載重量計量装置。
- 前記軸線方向を同一方向として配置した軸状ピン型のロードセルの間に、車体側フレームとタンクとに固定した移動方向規制手段を介在させている請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の車載重量計量装置。
- 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の車載重量計量装置を備えた車両。
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