JP4761929B2 - 鉄骨梁補強金物及びその施工方法 - Google Patents

鉄骨梁補強金物及びその施工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4761929B2
JP4761929B2 JP2005309671A JP2005309671A JP4761929B2 JP 4761929 B2 JP4761929 B2 JP 4761929B2 JP 2005309671 A JP2005309671 A JP 2005309671A JP 2005309671 A JP2005309671 A JP 2005309671A JP 4761929 B2 JP4761929 B2 JP 4761929B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steel beam
hardware
hole
web
reinforcing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005309671A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007120015A (ja
Inventor
英成 松尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Senqcia Corp
Original Assignee
Senqcia Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Senqcia Corp filed Critical Senqcia Corp
Priority to JP2005309671A priority Critical patent/JP4761929B2/ja
Publication of JP2007120015A publication Critical patent/JP2007120015A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4761929B2 publication Critical patent/JP4761929B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、ウェブに貫通孔が形成された鉄骨梁を補強するために用いられる鉄骨梁補強金物及びその施工方法に関するものである。
従来の鉄骨梁補強金物としては、例えば、図9に示すようなものがあった(特許文献1参照)。同図において、鉄骨梁2にはそのウェブ2bの幅方向(図中上下方向)中央部に貫通孔3が形成されており、この貫通孔3の周囲の縁部を形成するウェブ2bには、中心孔1aを有する梁補強金具1の周縁部が、ボルト5、ナット7、座金10を介して取り付けられている。
この従来の梁補強金具1は、その中心孔1aを通って、建物の空調設備や給排水設備等の配管やダクト(図示せず)等を通すことができるようになっている。そして、鉄骨梁2の貫通孔3が形成されたウェブ2bに梁補強金具1が取り付けられていることで、貫通孔3が明けられたことにより低下した鉄骨梁2の強度を補強するようになっている。
特開2003−232077号公報
しかしながら、上記従来の鉄骨梁補強金物にあっては、図10に示すように、ボルト5の軸部5aが通る梁補強金具1のボルト挿通孔1bの周面、同じくボルト5の軸部5aが通るウェブ2bのボルト挿通孔2cの周面のそれぞれと、ボルト5の軸部5aの周面との間に、通常設定される大き目のクリアランスGがある。
このため、地震等の荷重による応力が鉄骨梁2に加わったとき、図11に示すように、ボルト5の軸部5aの周面が、梁補強金具1及びウェブ2bのボルト挿通孔1b,2cの互いに対向する周面両方に接触するまでの間、梁補強金具1とウェブ2bのそれぞれの接触面間に滑りが生じ、その滑り動作中は滑り摩擦力しか働かないので、応力に対する抵抗力がほとんど発揮できなかった。
そして、図11に示すように、上記互いに対向するボルト挿通孔1b,2cの周面が共にボルト5の軸部5aの周面の互いに反対側に接触して、梁補強金具1とウェブ2bのそれぞれの接触面間の滑り動作が終了したときから、梁補強金具1とウェブ2bが互に反対方向A,Bに向かって、それまでに引き続き相対移動しようとすることにより、ボルト5の軸部5aに対してその長さ方向と直角方向に働く剪断力Fが、地震等の荷重による応力に対する抵抗力となって働くようになる。
このため、上記応力が鉄骨梁2に加わった時点からこの応力に対する抵抗力が発生するまでの間、すなわち梁補強金具1とウェブ2b間の滑り動作が行われている間は、応力に対する抵抗力が働かないので、応力による鉄骨梁2の変形を防止することができない。このため、上記応力が鉄骨梁2に加わった時点からこの応力に対する抵抗力が発生するまでの間は、鉄骨梁2の変形が進むことにより、鉄骨梁2と柱を組み立てた構造骨組(図示せず)全体の変形も進み、ひいてはその構造骨組全体の破壊を招くおそれがあるという問題があった。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みて、地震等の荷重による応力が鉄骨梁に加わった当初から直ちにこの応力に対する抵抗力を発生させることができるような鉄骨梁補強金物及びその施工方法を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するために本発明は、
鉄骨梁のウェブに形成された貫通孔を補強する鉄骨梁補強金物であって、
前記貫通孔の縁部の周囲に補強金物が取り付けられ、
前記補強金物には中心孔が形成され、
前記ウェブと前記補強金物とを同軸上に貫通して前記ウェブと前記補強金物とを締結するネジ締結手段の軸部が挿通する挿通孔が形成され、
前記ウェブに形成された第1挿通孔の内周面及び前記補強金物に形成された第2挿通孔の内周面のそれぞれと、前記軸部の外周面との間の隙間をほぼ零にした状態で、前記軸部が前記第1、第2挿通孔に、前記ウェブと前記補強金物の略全厚さにわたって挿通されたことを特徴とするものである。
また本発明は、前記補強金物において、前記挿通孔が形成された半径外方における肉厚寸法より大きな肉厚寸法を有する厚肉部を半径内方に形成したことを特徴とするものである。
また本発明は、前記補強金物の中心孔の大きさが、前記貫通孔の大きさとほぼ同じか、もしくはこれより大きいことを特徴とするものである。
また本発明は、前記補強金物の厚肉部の外周の大きさが、前記貫通孔の大きさとほぼ同じか、もしくはこれより小さいことを特徴とするものである。
また本発明は、前記補強金物の中心孔の近傍に、中心孔の軸方向一端側又は両端側に突出する突部を設けたことを特徴とするものである。
また上記課題を解決するために本発明は、
鉄骨梁のウェブに形成された貫通孔を補強する鉄骨梁補強金物の施工方法であって、
前記貫通孔の縁部の周囲に補強金物が取り付けられ、
前記補強金物には中心孔が形成され、
前記ウェブと前記補強金物とを同軸上に貫通して前記ウェブと前記補強金物とを締結するネジ締結手段の軸部が挿通する挿通孔が形成され、
前記ウェブに形成された第1挿通孔の内周面及び前記補強金物に形成された第2挿通孔の内周面のそれぞれと、前記軸部の外周面との間の隙間をほぼ零にした状態で、前記軸部が前記第1、第2挿通孔に、前記ウェブと前記補強金物の略全厚さにわたって挿通されたことを特徴とするものである。
このような本発明の鉄骨梁補強金物によれば、
鉄骨梁のウェブに形成された貫通孔を補強する鉄骨梁補強金物であって、
前記貫通孔の縁部の周囲に取り付けられ、中心孔が形成され、前記ウェブと前記補強金物とを同軸上に貫通して前記ウェブと前記補強金物とを締結するネジ締結手段の軸部が挿通する挿通孔が形成され、
前記挿通孔の周面と前記軸部周面との間の隙間をほぼ零にして取り付けられることにより、
地震等の荷重による応力が鉄骨梁に加わった当初から直ちにこの応力に対する抵抗力を発生させることができる。
また、前記補強金物において、前記挿通孔が形成された半径外方における肉厚寸法より大きな肉厚寸法を有する厚肉部を半径内方に形成したことにより、鉄骨梁の充分な補強と、補強金物の軽量化を図ることができる。
また、前記補強金物の中心孔の大きさが、前記貫通孔の大きさとほぼ同じか、もしくはこれより大きいことにより、貫通孔の大きさをできるだけ小さくして、鉄骨梁の強度が低下し過ぎないようにすることができる。
また、前記補強金物の厚肉部の外周の大きさが、前記貫通孔の大きさとほぼ同じか、もしくはこれより小さいことにより、補強金物の厚肉部を貫通孔の中に収めることができるので、貫通孔が変形するのを防止するよう支持することにより厚肉部が鉄骨梁を補強することができる。
また、前記補強金物の中心孔の近傍に、中心孔の軸方向一端側又は両端側に突出する突部を設けたことにより、鉄骨鉄筋コンクリート構造等、鉄骨梁をコンクリートで包むような構造の場合のコンクリート打設時に用いる、ボール紙等の厚紙等で形成されたコンクリートの型枠パイプを、ウェブの面と直交する方向に伸びるように保持することが可能となる。
さらに、本発明の鉄骨梁補強金物の施工方法によれば、
鉄骨梁のウェブに形成された貫通孔を補強する鉄骨梁補強金物の施工方法であって、
前記貫通孔の縁部の周囲に取り付けられ、中心孔が形成され、前記ウェブと前記補強金物とを同軸上に貫通して前記ウェブと前記補強金物とを締結するネジ締結手段の軸部が挿通する挿通孔が形成され、
前記挿通孔の周面と前記軸部周面との間の隙間をほぼ零にして取り付けられるようにしたことにより、
地震等の荷重による応力が鉄骨梁に加わった当初から直ちにこの応力に対する抵抗力を発生させることができる。
以下、本発明による鉄骨梁補強金物及びその施工方法を実施するための最良の形態について、図面に基づいて具体的に説明する。
図1から図3は、本発明の第1の実施の形態に係る鉄骨梁補強金物及びその施工方法について説明するために参照する図である。従来と同様の部分には同じ符号を用いて説明するものとする。
図1において、鉄骨梁2の図中上下一対のフランジ2a間の、ウェブ2bの幅方向中央部には、図2に示すような丸い形状の貫通孔3が形成されており、この貫通孔3の周囲の縁部を形成するウェブ2bには、図1に示すように、貫通孔3を形成することにより低下した鉄骨梁2の強度を補強する鉄骨梁補強金物11が、ネジ締結手段25のボルト15、ナット7、座金10を介して固定されている。
補強金物11は、図2に示すように、中心孔11aを有して円環状に形成され、図1に示すようにその中心孔11aの径をウェブ2bの貫通孔3の径と一致させて配置させている。そして、図2に示すような8組のネジ締結手段25のボルト15のネジ部15b(図3参照)とナット7とをネジ締結することにより、補強金物11をウェブ2bに固定することができる。
補強金物11の体積は、鉄骨梁2のウェブ2bに形成された貫通孔3の内側の容量と同じ体積Vの0.5〜2.5倍とすることが好ましい。上記体積Vの0.5倍以下だと鉄骨梁2を補強するためには不足し、その体積Vの2.5倍以上だと貫通孔の無い無孔梁よりも強度が大きくなる過剰品質となり、重量も重くなって材料の無駄が生じるからである。
本実施の形態に係るボルト15には、リーマーボルト(「JISハンドブック ねじ」(財団法人 日本規格協会発行)の第40頁の番号2517、及び、「機械工学用語辞典」(理工学社発行)の第592頁の上から第4行目ないし第8行目の記載参照)が用いられている。
図3に示すように、ボルト15の軸部15aは、その先端部に形成されたネジ部15bのネジ山の径よりも大きな径を有している。その軸部15aは、補強金物11に明けられたボルト挿通孔11bと、鉄骨梁2のウェブ2bに明けられたボルト挿通孔2cに挿通されている。
上記ボルト挿通孔11b,2cを、機械工具のリーマーを用いてリーマー仕上加工を行うことにより、ボルト挿通孔11b,2cの周面とボルト15の軸部15aの周面との間はほとんど隙間が無い(隙間がほぼ零の)状態にすることができ、ボルト挿通孔11b、2cへの軸部15aの挿通のために必要な最小限の隙間しか存在しない状態となっている。このため、補強金物11とウェブ2bはそれぞれの接触面に沿って互に相対変位することができない。
このような本発明の第1の実施の形態に係る鉄骨梁補強金物11によれば、挿通孔11bの周面と軸部15a周面との間の隙間をほぼ零にして取り付けられることにより、ボルト15の軸部15aの回りには、従来の図10に示したボルト5の軸部5aの回りに通常設定されるような大き目の隙間Gが無いので、地震等の荷重による応力が鉄骨梁2に加わったとき、補強金物11と鉄骨梁2のウェブ2bとの間の接触面に、ボルト軸部の回りの隙間分だけ滑りが生じるというようなことは起こらない。
したがって、地震等の荷重による応力が鉄骨梁2に加わった当初の段階から直ちに、この応力に対する抵抗力を発生させることができる。すなわち補強金物11とウェブ2bが互いに反対方向に相対移動するような力が働くことによる反力として、ボルト15の軸部15aに対してその長さ方向と直角方向に働く大きな剪断力(図11のF参照)を発生させることができる。
このため、地震等の荷重による応力が鉄骨梁2に加わった当初の段階から直ちに、この応力に対する抵抗力を発生させることができるため、地震等の荷重による応力による鉄骨梁2の変形を防止することができ、さらに、鉄骨梁2と柱を組み立てた構造骨組全体の変形やその破壊を防止することができる。
また、このような本発明の第1の実施の形態によれば、補強金物11はその中心孔11aの径を鉄骨梁2の貫通孔3の径と一致させてウェブ2bに固定され、貫通孔3の径方向内側には他の構造部材は何も設けられないので、貫通孔3の大きさをできるだけ小さくすることができて、鉄骨梁2の強度の過度の低下を防止することができる。
なお、上記第1の実施の形態においては、貫通孔3の径は補強金物11の中心孔11aの径と一致させていたが、貫通孔3の径は補強金物11の中心孔11aの径より小さく形成してもよく、このことによりさらに鉄骨梁2の強度の低下を防止することができる。
図4,5は、本発明の第2の実施の形態に係る鉄骨梁補強金物について説明するために参照する図である。
前記第1の実施の形態に係る鉄骨梁補強金物11においては、その半径方向の各位置においてほぼ一定の肉厚寸法(補強金物11の軸線と平行方向の寸法)を有していたのに対して、この第2の実施の形態に係る鉄骨梁補強金物21においては、その半径外方における肉厚寸法よりも大きな肉厚寸法の厚肉部21bが半径内方に形成されている点において異なるものである。
そして、補強金物21は図5に示すように中心孔21aを有して円環状に形成され、図4に示すようにその中心孔21aの径を鉄骨梁2の貫通孔3の径と一致させて配置させている。そして、図5に示すような6組のネジ締結手段25のボルト15と、図4に示すナット7をネジ締結することにより、補強金物21をウェブ2bに固定することができる。
このような本発明の第2の実施の形態に係る鉄骨梁補強金物によれば、その半径外方における肉厚寸法よりも大きな肉厚寸法の厚肉部21bが半径内方に形成されているので、半径内方における厚肉部21bが鉄骨梁2を補強する機能を充分発揮することができると共に、その半径外方における肉厚寸法を小さくしたことにより補強金物21の軽量化を図ることができる。
また、このような本発明の第2の実施の形態によれば、補強金物21はその中心孔21aの径を鉄骨梁2の貫通孔3の径と一致させてウェブ2bに固定され、貫通孔3の径方向内側には他の構造部材は何も設けられないので、貫通孔3の大きさをできるだけ小さくすることができて、鉄骨梁2の強度の過度の低下を防止することができる。
図6は、本発明の第3の実施の形態に係る鉄骨梁補強金物について説明するために参照する図である。
この第3の実施の形態に係る鉄骨梁補強金物31においては、前記第2の実施の形態に係る鉄骨梁補強金物21と同様に、その半径外方における肉厚寸法よりも大きな肉厚寸法の厚肉部31aが半径内方に形成されているが、その厚肉部31aの外周面31bが鉄骨梁2の貫通孔3の周面内に嵌合している点において、前記第2の実施の形態に係る鉄骨梁補強金物21と異なるものである。
このような第3の実施の形態に係る鉄骨梁補強金物によれば、その半径外方における肉厚寸法よりも大きな肉厚寸法の厚肉部31aが半径内方に形成されているので、半径内方における肉厚寸法の大きい厚肉部31aが鉄骨梁2を補強する機能を充分発揮することができる。
また、厚肉部31aの外周面31bが鉄骨梁2の貫通孔3の内周面に嵌合しているので、貫通孔3が変形するのを防止するよう支持することによりこの厚肉部31aが鉄骨梁2を補強することができる。
また、鉄骨梁2のウェブ2bの肉厚中心から軸方向に大きく偏った位置の補強金物31の部分に抵抗力が発生することを防止できるので、鉄骨梁2やそのウェブ2bに偏心モーメントによる局部変形を生じさせることを防止することができる。
図7は、本発明の第4の実施の形態に係る鉄骨梁補強金物について説明するために参照する図である。
この第4の実施の形態に係る鉄骨梁補強金物41においては、前記第2の実施の形態に係る鉄骨梁補強金物21と同様に、その半径外方における肉厚寸法よりも肉厚寸法が大きい厚肉部41aが半径内方に形成されているが、その厚肉部41aの半径内方に、中心孔41dの軸方向一端側に円筒状に突出する突部41cが形成されている点において、前記第2の実施の形態と異なるものである。
このような本発明の第4の実施の形態によれば、その半径外方における肉厚寸法よりも大きな肉厚寸法の厚肉部41aが半径内方に形成されているので、半径内方における厚肉部41aが鉄骨梁2を補強する機能を充分発揮することができると共に、その半径外方における肉厚寸法を小さくしたことにより補強金物41の軽量化を図ることができる。
また、このような本発明の第4の実施の形態によれば、補強金物41の厚肉部41aの半径内方に、中心孔41dの軸方向一端側に円筒状に突出する突部41cを設けたことにより、SRC(鉄骨鉄筋コンクリート)構造等、鉄骨梁2をコンクリートで包むようなコンクリート構造体のコンクリート打設時に用いる、ボール紙等の厚紙等で形成された型枠パイプ(図示せず)を、ウェブ2bの面と直交する方向に伸びるように保持することが可能となる。
このような型枠パイプをコンクリート打設時に用いることにより、コンクリート構造体の中に、鉄骨梁2の貫通孔3や、補強金物31の中心孔31b等と連通する通路を形成して、型枠パイプを除去したときに現れるその通路に、空調設備や給排水設備等の配管やダクト等を通すことができる。
図8は、本発明の第5の実施の形態に係る鉄骨梁補強金物について説明するために参照する図である。
この第5の実施の形態に係る鉄骨梁補強金物51においては、前記第4の実施の形態に係る補強金物41と同様に、その半径外方における肉厚寸法よりも肉厚寸法が大きい厚肉部51aが半径内方に形成されているが、その厚肉部51aの外周面51bが鉄骨梁2の貫通孔3の周面内に嵌合している点において、前記第4の実施の形態に係る鉄骨梁補強金物41と異なるものである。
また、前記第4の実施の形態に係る補強金物41においては、中心孔41dの軸方向一端側にのみ突出する1つの突部41cが形成されていたのに対し、本実施の形態に係る鉄骨梁補強金物51においては、中心孔51dの軸方向両端側に突出する2つの突部51c,51cが形成されている点において、前記第4の実施の形態に係る補強金物41と異なるものである。
このような本発明の第5の実施の形態によれば、補強金物51の半径外方における肉厚寸法よりも大きな肉厚寸法の厚肉部51aが半径内方に形成されているので、半径内方における厚肉部51aが鉄骨梁2を補強する機能を充分発揮することができると共に、その半径外方における肉厚寸法を小さくしたことにより補強金物51の軽量化を図ることができる。
また、厚肉部51aの外周面51bが鉄骨梁2の貫通孔3の内周面に嵌合しているので、貫通孔3が変形するのを防止するよう支持することによりこの厚肉部51aが鉄骨梁2を補強することができる。
また、鉄骨梁2のウェブ2bの肉厚中心から軸方向に大きく偏った位置の補強金物51の部分に抵抗力が発生することを防止できるので、鉄骨梁2やそのウェブ2bに偏心モーメントによる局部変形を生じさせることを防止することができる。
また、補強金物51の厚肉部51aの半径内方に、中心孔51dの軸方向両端側に突出する2つの突部51c,51cを設けたことにより、上記コンクリートの型枠パイプが前記第4の実施の形態よりもさらに正確にウェブ2bの面と直交する方向に伸びるように保持することができる。
なお、前記実施の形態においては補強金物として金属により形成した補強金物を鉄骨梁2のウェブ2bに固定する場合について説明したが、一定以上の強度を有するものであれば、補強金物は金属の代りに、繊維補強プラスチックとか、繊維補強コンクリート等の、他のどのような材質を用いてもよい。
また、前記実施の形態においては、貫通孔3や鉄骨梁補強金物11等を円形状に形成した場合について説明したが、それらは円形状以外の、どのような形状に形成したものであってもよいことはいうまでもない。
また、前記実施の形態においては、ボルト15としてリーマーボルトを用いたが、ボルト挿通孔の周面とボルト軸部の周面との間の隙間をほぼ零にすることができるものであれば、リーマーボルト以外のどのようなものや方法をも用いることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る鉄骨梁補強金物11をウェブ2bに固定した鉄骨梁2の断面図である。 図1における鉄骨梁2のA−A線矢視図である。 図1におけるボルト15周辺の拡大断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る鉄骨梁補強金物21をウェブ2bに固定した鉄骨梁2の断面図である。 図4における鉄骨梁2のA−A線矢視図である。 本発明の第3の実施の形態に係る鉄骨梁補強金物31をウェブ2bに固定した鉄骨梁2の断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係る鉄骨梁補強金物41をウェブ2bに固定した鉄骨梁2の断面図である。 本発明の第5の実施の形態に係る鉄骨梁補強金物51をウェブ2bに固定した鉄骨梁2の断面図である。 従来の鉄骨梁補強金具1をウェブ2bに固定した鉄骨梁2の断面図である。 図9におけるボルト5周辺の拡大断面図である。 図10におけるボルト5周辺の変化した状態を示す拡大断面図である。
符号の説明
1 梁補強金具
1b ボルト挿通孔
2 鉄骨梁
2a フランジ
2b ウェブ
2c ボルト挿通孔
3 貫通孔
5 ボルト
7 ナット
10 座金
11 鉄骨梁補強金物
11a 内周面
11b ボルト挿通孔
15 ボルト
15a 軸部
15b ボルトネジ部
21,31 鉄骨梁補強金物
31b 外周面
41 鉄骨梁補強金物
41c 突部
51 鉄骨梁補強金物
51b 外周面
51c 突部
51d 中心孔

Claims (6)

  1. 鉄骨梁のウェブに形成された貫通孔を補強する鉄骨梁補強金物であって、
    前記貫通孔の縁部の周囲に補強金物が取り付けられ、
    前記補強金物には中心孔が形成され、
    前記ウェブと前記補強金物とを同軸上に貫通して前記ウェブと前記補強金物とを締結するネジ締結手段の軸部が挿通する挿通孔が形成され、
    前記ウェブに形成された第1挿通孔の内周面及び前記補強金物に形成された第2挿通孔の内周面のそれぞれと、前記軸部の外周面との間の隙間をほぼ零にした状態で、前記軸部が前記第1、第2挿通孔に、前記ウェブと前記補強金物の略全厚さにわたって挿通されたことを特徴とする鉄骨梁補強金物。
  2. 前記補強金物において、前記挿通孔が形成された半径外方における肉厚寸法より大きな肉厚寸法を有する厚肉部を半径内方に形成したことを特徴とする請求項1に記載の鉄骨梁補強金物。
  3. 前記補強金物の中心孔の大きさが、前記貫通孔の大きさとほぼ同じか、もしくはこれより大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄骨梁補強金物。
  4. 前記補強金物の厚肉部の外周の大きさが、前記貫通孔の大きさとほぼ同じか、もしくはこれより小さいことを特徴とする請求項2又は3に記載の鉄骨梁補強金物。
  5. 前記補強金物の中心孔の近傍に、中心孔の軸方向一端側又は両端側に突出する突部を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の鉄骨梁補強金物。
  6. 鉄骨梁のウェブに形成された貫通孔を補強する鉄骨梁補強金物の施工方法であって、
    前記貫通孔の縁部の周囲に補強金物が取り付けられ、
    前記補強金物には中心孔が形成され、
    前記ウェブと前記補強金物とを同軸上に貫通して前記ウェブと前記補強金物とを締結するネジ締結手段の軸部が挿通する挿通孔が形成され、
    前記ウェブに形成された第1挿通孔の内周面及び前記補強金物に形成された第2挿通孔の内周面のそれぞれと、前記軸部の外周面との間の隙間をほぼ零にした状態で、前記軸部が前記第1、第2挿通孔に、前記ウェブと前記補強金物の略全厚さにわたって挿通されたことを特徴とする鉄骨梁補強金物の施工方法。
JP2005309671A 2005-10-25 2005-10-25 鉄骨梁補強金物及びその施工方法 Active JP4761929B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005309671A JP4761929B2 (ja) 2005-10-25 2005-10-25 鉄骨梁補強金物及びその施工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005309671A JP4761929B2 (ja) 2005-10-25 2005-10-25 鉄骨梁補強金物及びその施工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007120015A JP2007120015A (ja) 2007-05-17
JP4761929B2 true JP4761929B2 (ja) 2011-08-31

Family

ID=38144135

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005309671A Active JP4761929B2 (ja) 2005-10-25 2005-10-25 鉄骨梁補強金物及びその施工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4761929B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014020162A (ja) * 2012-07-20 2014-02-03 Hitachi Metals Techno Ltd 梁補強金物及び梁補強構造
JP2020015376A (ja) * 2018-07-24 2020-01-30 いすゞ自動車株式会社 フック取付構造
JP6713606B1 (ja) * 2019-02-22 2020-06-24 コーリョー建販株式会社 梁貫通孔補強金具及び梁貫通孔補強構造
JP7061401B2 (ja) * 2020-04-10 2022-04-28 コーリョー建販株式会社 梁貫通孔補強金具

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6385721A (ja) * 1986-09-30 1988-04-16 Toshiba Electric Equip Corp 液晶表示素子の駆動方法
JPH04289361A (ja) * 1991-03-18 1992-10-14 Uin:Kk ボルト接合式つば付リングによる鉄骨梁貫通孔の補強工法
JPH07238635A (ja) * 1994-02-28 1995-09-12 Taisei Corp 鉄骨梁のウエブ開口部補強法
JP2002372016A (ja) * 2001-06-18 2002-12-26 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ボルトの結合構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007120015A (ja) 2007-05-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3996931B2 (ja) 鉄骨梁の開口補強工法
US10167623B2 (en) Prefabricated reinforced concrete-filled steel pipe sleeve joint
JP4761929B2 (ja) 鉄骨梁補強金物及びその施工方法
JP2005351412A (ja) 鋼管同士の連結方法
JP4780645B2 (ja) 鉄骨梁補強金物及びその施工方法
JP2010079321A (ja) 鉄骨梁貫通孔の補強設計支援方法及びシステム
JP2003232105A (ja) 梁補強金具およびこれを用いた梁貫通孔補強構造
JP4688628B2 (ja) 鉄骨梁補強金物及びその施工方法
JP2018168653A (ja) 異径柱梁接合構造及びその製造方法
JP4278105B2 (ja) 鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造及びその施工方法並びに鉄骨補強用部材
JP3837450B2 (ja) 梁補強金具およびこれを用いた梁貫通孔補強構造
JP2007205162A (ja) 鉄骨梁の開口補強工法
JP6996544B2 (ja) 既存構造物の耐震改修方法
JP2005207016A (ja) 座屈拘束筋かい部材
JP2012255283A (ja) コンクリート充填鋼管柱
JP5196644B2 (ja) 鉄骨鉄筋コンクリート構造用貫通孔補強構造
JP2007063955A (ja) 仕口構造
JP2016089955A (ja) 取付金具、高架用防音壁、および高架用防音壁の施工方法
JP4396804B2 (ja) 鋼梁の開口部補強構造
JPH09291542A (ja) U字形アンカーボルトを用いた鉄骨柱脚
JP4800011B2 (ja) 鉄骨梁補強金物及びその施工方法
JP4804117B2 (ja) 鉄骨梁補強金物及びその施工方法
JP2009079472A (ja) ガイドピン
JP2006028737A (ja) 長さ調整機構を有する三重管制震ブレース
JP4695790B2 (ja) 柱梁接合構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081008

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110203

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110404

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110602

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110607

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140617

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4761929

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250