JP4761501B2 - ポリアミド樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
こうした問題を改良する方法のひとつとして、微細化した充填材を用いる方法が提案されている。この方法は充填材の比表面積を飛躍的に増大させることにより樹脂との親和性を向上させ、上記問題を解決しようというものである。
しかしながら、例えば数十から数百ナノメーターサイズの充填材を従来の方法でポリアミド樹脂に配合したとしても、充填材の嵩比重が非常に高いために取り扱いに問題が生じたり、あるいは微細化した充填材が凝集した組成物しか得られず、目的の性能が達成できなかった。
そこで、特許文献1、2のような改良が行われているものの、特許文献1は層状化合物、特許文献2はアルミニウム化合物に限定した方法であり、様々な微細化充填材を均一に樹脂中に分散させる方法は見つけられていないのが現状である。
すなわち、本発明は、
[1] 充填材(A)を液状体に分散させてスラリーを形成し、
次いでスラリー状態のまま含有充填材(A)を粉砕して粉砕充填材(B)を含有するスラリーを得た後、
該粉砕充填材(B)を含有するスラリーを用いて、
該粉砕充填材(B)の存在下で
ポリアミドの重合を行う製造方法であって、
前記充填材(A)の平均粒子径が1μmよりも大きく、
該粉砕充填材(B)の平均粒子径が1μm以下であって
かつ該粉砕充填材(B)を含有するスラリーの粘度が4000cP以下である
ことを特徴とするポリアミド樹脂組成物の製造方法。
[2] 液状体が、水であることを特徴とする[1]に記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法、
[3] 液状体が、ポリアミド形成成分の少なくとも一部を含有する溶液であることを特徴とする[1]に記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法、
[4] 充填材がアパタイト形成成分、タルク、マイカ、カオリン、ウォラストナイト、炭酸カルシウム、フッ化カルシウム、ヨウ化銅のいずれかの無機物であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法、
[5] 充填材が、シアヌル酸、メラミン、シアヌル酸メラミンのいずれかの有機物であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法、
[6] ポリアミド樹脂組成物中に含まれる粉砕充填材の平均粒子径が150nm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
[7] [1]〜[6]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法で製造されるポリアミド樹脂組成物、
である。
本発明のポリアミドは、主鎖中にアミド結合(−NHCO−)を有する重合体であれば特に限定されないが、中でもポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6I、ポリアミド6T、ポリアミドMXD6、及びこれらのポリアミドを形成する少なくとも2種類の異なるポリアミド成分を含むポリアミド共重合体、並びにこれらの混合物などが好ましい。
また、本発明のポリアミド形成成分は、主鎖中にアミド結合(−NHCO−)を有する重合体を製造するために用いられている周知の形成成分であれば特に限定されない。例えば、重合可能なアミノ酸、重合可能なラクタム、重合可能なジアミンとジカルボン酸との塩あるいは混合物、及び重合可能なオリゴマーを挙げることができる。中でも、好ましいポリアミド形成成分は、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド6I、ポリアミド6T、ポリアミドMXD6及びこれらのうち少なくとも2種類の異なるポリアミド成分を含むポリアミド共重合体を製造するためのポリアミド形成成分であり、具体例を挙げれば、ε−カプロラクタム、6−アミノカプロン酸、ヘキサメチレンジアミン、メタキシリレンジアミン、アジピン酸、デカン二酸、ドデカン二酸、イソフタル酸、テレフタル酸等、および上記ジアミンとジカルボン酸からなる塩もしくはオリゴマー、並びにこれらを2種以上混合したものである。
該充填材は、本発明においてはスラリーの液状体、ポリアミドの重合で用いる溶媒、ポリアミド形成成分あるいはポリアミドに対して難溶性あるいは不溶な無機物や有機物であることが必要である。また、充填材は有機物であってかつ該有機物の融点あるいは軟化点がポリアミド樹脂の融点以上であることが好ましい。
また、充填材の形成成分、即ちポリアミドの重合の工程が完了するまでに充填材を形成しうる形成成分としては、アパタイト形成成分が挙げられる。該アパタイト形成成分は、リン酸一水素カルシウムのようなリン酸系金属塩、又は該リン酸系金属塩と炭酸カルシウムのような非リン酸系金属塩とを混合したものである。
この中でも、経済性に優れる点から、本発明ではリン酸一水素カルシウム(CaHPO4)およびリン酸一水素カルシウム二水和物(CaHPO4・2H2O)が特に好ましく用いられる。これらの形成成分は1種で用いられてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明では充填材の粉砕はスラリー状態で行うことが必須である。該スラリーは、充填材を液状体に分散させて得られるものである。該液状体は親水性、疎水性の何れでもよいし、また、溶液であっても良い。
本発明のスラリー状態で粉砕した充填材の平均粒子径は、1μm以下であり、好ましくは0.5μm以下であり、より好ましくは0.25μm以下、0.001nm以上である。平均粒子径は走査型電子顕微鏡(SEM)で1万〜5万倍の明視野像を撮影し、その中から少なくとも50個の粒子を任意に選択してその一次粒子径を測定し数平均粒子径として求める。機械物性などの特性、外観の点から粉砕した充填材の平均粒子径が1μm以下であることが好ましい。また、作業性の点から0.001nm以上がより好ましい。
本発明におけるポリアミドの重合とは、ポリアミド形成成分を含む溶液あるいはスラリーと、前記粉砕充填材を含有するスラリーとを配合し、該粉砕充填材の存在下でポリアミドを重合する方法である。また、該粉砕充填材を含有するスラリーが既にポリアミド形成成分を含む場合は、そのまま、あるいは必要であればその他の添加剤を加えて、ポリアミドの重合を行う。
該ポリアミドの重合方法は、周知の方法を用いることができる。例えば、ε−カプロラクタム等のラクタム類をポリアミド形成成分とする開環重縮合法、ヘキサメチレンアジパミドなどのジアミン・ジカルボン酸塩あるいはその混合物を形成成分とする熱溶融法などを用いることができる。また、ジカルボン酸ハライド成分とジアミン成分を用いた溶液法なども用いることができる。これらの方法は必要に応じて組み合わせてもかまわない。
本発明のポリアミド樹脂組成物には本発明の目的を損なわない範囲で周知の無機物、熱安定剤、滑剤、離型剤、可塑剤、衝撃性改良剤、結晶核剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃剤などを添加することができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物は射出成形、押出し成形、フィルム成形、プレス成形、ガスアシスト射出成形、溶着成形、吹込成形、中空成形、多層成形、発泡成形などの通常のプラスチック成形方法で良好に成型加工ができる。また、本発明のポリアミド樹脂組成物はマスターバッチとして使用してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
以下の実施例、比較例において記載した評価は、以下の方法により実施した。
1.粉砕充填材の特性
(1−1)粉砕充填材の平均粒子径
粉砕充填材スラリーを必要に応じて溶剤で希釈し、電子顕微鏡用の銅メッシュ上に落とし風乾した。該メッシュ上の充填材を、日本電子(株)製の電界放射走査型電子顕微鏡(FE−SEM)、JSM−6700Fで5万倍の明視野像を撮影した。その中から50個の粒子を任意に選択してその一次粒子径を測定し数平均粒子径を求めた。
(1−2)粉砕充填材を含有するスラリーの粘度
23℃の条件下、(株)東京計器製B型粘度計60rpmで測定した。
(2−1)分子量(RV)
溶媒として90%ギ酸を用いて、3gサンプル/30ml蟻酸の濃度で、25℃の温度条件下で行った。
(2−2)充填材の含有量(重量%)
充填材含有樹脂を100±20℃で8時間乾燥し冷却した。白金皿に、乾燥したポリアミド樹脂組成物を1.5gとり、650±20℃の電気炉で灰化し、冷却後、その質量を秤り充填材含有量を定量した。
(2−3)充填材の分散性
機械物性評価用の成形品と同じ成形品をReichert−Nissei製クライオミクロトームで切削し、約50nmの超薄切片を作成した。日立製作所(株)製の透過型電子顕微鏡(TEM)、HF−2000を用いて、10万倍の明視野像を撮影し、50個の粒子を任意に選択してその粒子径を測定し、数平均粒子径を求めた。
射出成形機(日精樹脂(株)PS−40E)を用いてシリンダー温度290℃、金型温度80℃の条件で物性評価用の成形品を作成した。
(3−1)引張り強度(Mpa)および引張り伸度(%)
ASTM D638に準じて行った。
(3−2)外観
成形品の外観を目視にて評価した。成形品の透明性に優れ、色のむらが少ないほど外観に優れると評価する。無機物が小さく、分散が良好であるほど当該外観が優れる。
◎:外観が非常に優れる。
○:外観に優れる。
×:外観が劣る。
ポリアミド66形成成分(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モルの混合物)を40重量%含む水溶液25kgを用いた。充填材としてアパタイト形成成分である平均粒子径3μmのリン酸一水素カルシウム・ニ水和物(協和化学工業(株)製 キョワードFM)150g、平均粒子径1.5μmの炭酸カルシウム(備北紛化工業(株)製 ソフトン1500)43.6g、平均粒径5.0μmのフッ化カルシウム(キンセイマテック製 粉砕蛍石)11.3gの混合物を用いた。該ポリアミド66形成成分水溶液とアパタイト形成成分とを混合して粉砕前のスラリーとした。該スラリーを寿工業(株)製のULTRA APEX MILL(UAM−1)に投入し粉砕を行った。粉砕は0.1mm径のビーズを2.2kgセットしたUAM−1に3回スラリーを通したあと、0.05mm径のビーズを2.2kgセットしたUAM−1に3回通すことで行った。該粉砕充填材を含有したスラリーの粘度はB型粘度計60rpmで測定したところ75cPであった。
最後に約1時間かけて圧力を大気圧まで降圧し、大気圧で10分間放置した後に下部ノズルからストランド状にペレットを排出し、水冷、カッティングを行いポリアミド樹脂組成物を得た。得られたペレットを窒素気流中、80℃の条件下で12時間乾燥してポリアミド樹脂組成物ペレット(1)とした。評価結果を表1に示す。
充填材として実施例1と同様な平均粒子径を有するリン酸一水素カルシウム・ニ水和物60g、炭酸カルシウム17.4g、フッ化カルシウム4.5gの混合物を用いた。該混合充填材と蒸留水とを混合して1.64kgの粉砕前スラリーとした。実施例1と同様にULTRA APEX MILL(UAM−1)を用いて粉砕を行い、粉砕充填材を含有するスラリーを作成した。次いで、該スラリーとポリアミド66形成成分(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モルの混合物)50重量%の水溶液24kg、酢酸1.06gとを混合した。この混合物を40Lのオートクレーブ中に仕込み、実施例1と同様の方法でポリアミドの重合を行いポリアミド樹脂(2)ペレットを得た。評価結果を表1に示す。
充填材として実施例1と同様な平均粒子径を有するリン酸一水素カルシウム・ニ水和物180g、炭酸カルシウム52.3g、フッ化カルシウム13.6gの混合物を用いた。該混合充填材と蒸留水とを混合して4.92kgの粉砕前スラリーとした。実施例1と同様にULTRA APEX MILL(UAM−1)を用いて粉砕を行い、粉砕充填材を含有するスラリーを作成した。次いで、該スラリーとポリアミド66形成成分(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モルの混合物)50重量%の水溶液24kg、酢酸1.06gとを混合した。この混合物を40Lのオートクレーブ中に仕込み、実施例1と同様の方法でポリアミドの重合を行いポリアミド樹脂(3)ペレットを得た。評価結果を表1に示す。
充填材として実施例1と同様な平均粒子径を有するリン酸一水素カルシウム・ニ水和物450g、炭酸カルシウム130.8g、フッ化カルシウム34gの混合物を用いた。該混合充填材と蒸留水とを混合して12.3kgの粉砕前スラリーとした。実施例1と同様にULTRA APEX MILL(UAM−1)を用いて粉砕を行い、粉砕充填材を含有するスラリーを作成した。次いで、該スラリーとポリアミド66形成成分(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モルの混合物)50重量%の水溶液18kg、酢酸0.8gとを混合した。この混合物を40Lのオートクレーブ中に仕込み、実施例1と同様の方法でポリアミドの重合を行いポリアミド樹脂(4)ペレットを得た。評価結果を表1に示す。
充填材としてマイカ((株)レプコ製白雲母、m−xf)62.5gを用いた。該充填材と蒸留水とを混合して1.25kgの粉砕前スラリーとした。実施例1と同様のULTRA APEX MILL(UAM−1)を用いて粉砕を行った。粉砕は0.1mm径のビーズを2.2kgセットしたUAM−1に5回通すことで行い、充填材を含有するスラリーを作成した。次いで、該スラリーとポリアミド66形成成分(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モルの混合物)50重量%の水溶液25kg、酢酸1.1gとを混合した。この混合物を40Lのオートクレーブ中に仕込み、実施例1と同様の方法でポリアミドの重合を行いポリアミド樹脂(5)ペレットを得た。評価結果を表1に示す。
充填材としてウォラストナイト(林化成製、VM−8N)62.5gを用いた。該充填材と蒸留水とを混合して1.25kgの粉砕前スラリーとした。実施例1と同様のULTRA APEX MILL(UAM−1)を用いて粉砕を行った。粉砕は0.1mm径のビーズを2.2kgセットしたUAM−1に5回通すことで行い、充填材を含有するスラリーを作成した。次いで、該スラリーとポリアミド66形成成分(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モルの混合物)50重量%の水溶液25kg、酢酸1.1gとを混合した。この混合物を40Lのオートクレーブ中に仕込み、実施例1と同様の方法でポリアミドの重合を行いポリアミド樹脂(6)ペレットを得た。評価結果を表1に示す。
充填材としてタルク(富士タルク工業(株)製、LMS−400)62.5gを用いた。該充填材と蒸留水とを混合して1.25kgの粉砕前スラリーとした。実施例1と同様のULTRA APEX MILL(UAM−1)を用いて粉砕を行った。粉砕は0.1mm径のビーズを2.2kgセットしたUAM−1に3回通すことで行い、充填材を含有するスラリーを作成した。次いで、該スラリーとポリアミド66形成成分(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モルの混合物)50重量%の水溶液25kg、酢酸1.1gとを混合した。この混合物を40Lのオートクレーブ中に仕込み、実施例1と同様の方法でポリアミドの重合を行いポリアミド樹脂(7)ペレットを得た。評価結果を表2に示す。
充填材として炭酸カルシウム(白石工業製、Brilliant−15)62.5gを用いた。該充填材と蒸留水とを混合して1.25kgの粉砕前スラリーとした。実施例1と同様のULTRA APEX MILL(UAM−1)を用いて粉砕を行った。粉砕は0.1mm径のビーズを2.2kgセットしたUAM−1に3回通すことで行い、充填材を含有するスラリーを作成した。次いで、該スラリーとポリアミド66形成成分(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モルの混合物)50%の水溶液25kg、酢酸1.1gとを混合した。この混合物を40Lのオートクレーブ中に仕込み、実施例1と同様の方法でポリアミドの重合を行いポリアミド樹脂(8)ペレットを得た。評価結果を表2に示す。
充填材として平均粒径5.0μmのフッ化カルシウム(キンセイマテック製 粉砕蛍石)62.5gを用いた。該充填材と蒸留水とを混合して1.25kgの粉砕前スラリーとした。実施例1と同様のULTRA APEX MILL(UAM−1)を用いて粉砕を行った。粉砕は0.1mm径のビーズを2.2kgセットしたUAM−1に5回通すことで行い、充填材を含有するスラリーを作成した。次いで、該スラリーとポリアミド66形成成分(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モルの混合物)50重量%の水溶液25kg、酢酸1.1gとを混合した。この混合物を40Lのオートクレーブ中に仕込み、実施例1と同様の方法でポリアミドの重合を行いポリアミド樹脂(9)ペレットを得た。評価結果を表2に示す。
充填材としてシアヌル酸メラミン(三菱化学(株)製、MCA−C0)62.5gを用いた。該シアヌル酸メラミンと蒸留水とを混合して1.25kgの粉砕前スラリーとした。実施例1と同様のULTRA APEX MILL(UAM−1)を用いて粉砕を行った。粉砕は0.1mm径のビーズを2.2kgセットしたUAM−1に5回通すことで行い、充填材を含有するスラリーを作成した。次いで、該スラリーとポリアミド66形成成分(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モルの混合物)50%の水溶液25kg、酢酸1.1gとを混合した。この混合物を40Lのオートクレーブ中に仕込み、実施例1と同様の方法でポリアミドの重合を行いポリアミド樹脂(10)ペレットを得た。評価結果を表2に示す。
充填材を粉砕する機器として寿工業(株)製のULTRA APEX MILLを用いるかわりに、吉田機械興業(株)製のNanomizerのTYPE Sを用いる以外は実施例3と同様にして実施した。得られたポリアミド樹脂ペレット(11)の評価結果を表2に示す。
充填材を粉砕する機器として寿工業(株)製のULTRA APEX MILLを用いるかわりに、(株)奈良機械製作所製のMICROS0.2型を用いる以外は実施例3と同様にして実施した。得られたポリアミド樹脂ペレット(12)の評価結果を表2に示す。
実施例1と同様な平均粒子径有するリン酸水素一カルシウム・ニ水和物180g、炭酸カルシウム52.3g、フッ化カルシウム13.6gを蒸留水と混合して4.92kgのスラリーとした。該スラリーの粉砕処理を行わずに以後の操作は実施例3と同様にして実施した。得られたポリアミド樹脂ペレット(13)の評価結果を表3に示す。
実施例5と同様のマイカ((株)レプコ製白雲母、m−xf)62.5gと蒸留水とを混合して1.25kgのスラリーとした。該スラリーの粉砕処理を行わずに以後の操作は実施例5と同様にして実施した。得られたポリアミド樹脂ペレット(14)の評価結果を表3に示す。
実施例7と同様のタルク(富士タルク工業(株)製、LMS−400)62.5gと蒸留水とを混合して1.25kgのスラリーとした。該スラリーの粉砕処理を行わずに以後の操作は実施例7と同様にして実施した。しかし、ポリアミドの重合工程中に重合液が系外へ排出されてしまい、ポリアミド樹脂ペレットを得ることができなかった。
実施例6と同様のウォラストナイト(林化成製、VM−8N)62.5gと蒸留水とを混合して1.25kgのスラリーとした。該スラリーの粉砕処理を行わずに以後の操作は実施例6と同様にして実施した。得られたポリアミド樹脂ペレット(15)の評価結果を表3に示す。
実施例と同様のシアヌル酸メラミン(三菱化学(株)製、MCA−C0)62.5gと蒸留水とを混合して1.25kgのスラリーとした。該スラリーの粉砕処理を行わずに以後の操作は実施例と同様にして実施した。得られたポリアミド樹脂ペレット(16)の評価結果を表3に示す。
ポリアミド66形成成分(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との等モルの混合物)50重量%水溶液25kg、酢酸1.1gとを混合した水溶液を作成した。この混合物を40Lのオートクレーブに仕込み、実施例1と同様の方法でポリアミドの重合を行いポリアミド樹脂(17)ペレットを得た。評価結果を表3に示す。
Claims (7)
- 充填材(A)を液状体に分散させてスラリーを形成し、
次いでスラリー状態のまま含有充填材(A)を粉砕して粉砕充填材(B)を含有するスラリーを得た後、
該粉砕充填材(B)を含有するスラリーを用いて、
該粉砕充填材(B)の存在下で
ポリアミドの重合を行う製造方法であって、
前記充填材(A)の平均粒子径が1μmよりも大きく、
該粉砕充填材(B)の平均粒子径が1μm以下であって
かつ該粉砕充填材(B)を含有するスラリーの粘度が4000cP以下である
ことを特徴とするポリアミド樹脂組成物の製造方法。 - 液状体が、水であることを特徴とする請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
- 液状体が、ポリアミド形成成分の少なくとも一部を含有する溶液であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
- 充填材がアパタイト形成成分、タルク、マイカ、カオリン、ウォラストナイト、炭酸カルシウム、フッ化カルシウム、ヨウ化銅のいずれかの無機物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
- 充填材が、シアヌル酸、メラミン、シアヌル酸メラミンのいずれかの有機物であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
- ポリアミド樹脂組成物中に含まれる粉砕充填材の平均粒子径が150nm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物の製造方法で製造されるポリアミド樹脂組成物。
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