JP4761099B2 - 光学装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光学装置に係り、とくに対物側の群レンズが複数のレンズから構成され、中間鏡筒の前端部に取付けられるようになっている光学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6は従来のビデオカメラや電子スチルカメラ等において用いられているズーム機能付きの4群インナーフォーカスズームレンズから成る光学装置を示している。この装置はG1、G2、G3の3枚のレンズを備える1群レンズ1と、G4、G5、G6の3枚のレンズを備える2群レンズ2と、G7、G8、G9の3枚のレンズから成る3群レンズ3と、G10の単一のレンズから成る4群レンズ4とから構成される。そして1群レンズ1が前側鏡筒5内に収納保持され、これに対して2群レンズ2、3群レンズ3、および4群レンズ4が後側の中間鏡筒6内に収納される。
【0003】
ここで後側の中間鏡筒6内には上記2群レンズ2を支持する移動枠7と4群レンズ4を支持する移動枠8とがあり、これらの移動枠7、8をガイドロッド9によって移動可能に支持している。2群レンズ2はズームレンズであって、移動枠7をガイドロッド9によって前後方向に移動させることにより、ズーム動作が行なわれる。これに対して4群レンズ4を取付けている移動枠8をガイドロッド9によって前後方向に移動させると、フォーカス動作が行なわれる。
【0004】
このような従来の光学装置において、とくに光軸合わせのために後側の中間鏡筒6の前端側の外周部に図7に示すように、円周方向に120度離れた3個所の位置に取付け座11が設けられ、これらの取付け座11に対してばね座金12を外周側に備える調整ねじ13によってねじ込み調整を行なうようにしている。すなわち120度離れた3個所の調整ねじ13のねじ込み量によって、前側鏡筒5を後側の中間鏡筒6の前端部に対してチルトさせ、これによって光軸を背面側に配されているCCDから成る撮像素子15の中心部に一致させるようにしている。なおこの装置はその全体を覆う外筒14によって覆われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなビデオカメラ等の撮像装置の光学系を構成する光学装置において、光学的な性能をある一定レベル以上に調整する場合には、従来は3本のねじ13のねじ込み量を調整して図6に示す1群レンズ1全体をあおり調整したり偏芯させるようにしていた。しかるにこのような方法によると、前側鏡筒5と中間鏡筒6あるいは後側鏡筒とによって挟持されているガイドロッド9やリニアモータ用のヨークの位置が変化する。ガイドロッド9の場合にはこれに沿って移動する移動枠7、8の位置に影響を与えるために、ズーム動作やフォーカス動作等の光学性能が悪化する問題があった。
【0006】
このように1群レンズ1全体を調芯することによって鏡筒の外形が変化するために、セットへの取付けの際における外装キャビネットに対する当り方やクリアランスが個々に相違し、各種の不具合を生じていた。また上述の如く1群レンズ1全体を調芯するようにした構造によると、ユーザーがこのビデオカメラを操作する際に、1群レンズ1のG1レンズが押された場合には、1群レンズ1全体の調芯がずれて、光学性能が悪化する問題があった。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、調芯の動作を行なっても他の部品に影響を与えたりその位置を変更させたりすることがないようにした光学装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
比較発明は、対物側の群レンズが複数のレンズから構成され、中間鏡筒の前端部に取付けられる光学装置において、前記複数のレンズの内の撮像手段側のレンズを前記中間鏡筒の前端部に角度調整可能に取付けるとともに、前記複数のレンズの内の前記撮像手段側のレンズを除く他のレンズを前記中間鏡筒の前端部に角度調整不能に固定することを特徴とする光学装置に関するものである。
【0009】
ここで前記複数のレンズの内の撮像手段側のレンズを保持しているリングを弾性手段を介してねじによって前記中間鏡筒の前端部に取付け、このときに前記ねじのねじ込み量を調整することにより前記中間鏡筒の前端部に角度調整可能に取付けてよい。また前記中間鏡筒内にズームレンズとフォーカスレンズとが光軸方向に移動自在に配されるとともに、前記ズームレンズおよびフォーカスレンズを光軸方向に案内する案内手段の前端部が前記対物側の群レンズ中の撮像手段側のレンズを除く他のレンズを保持する前側鏡筒によって固定されてよい。
【0010】
別の比較発明は、対物側の群レンズが複数のレンズから構成され、中間鏡筒の前端部に取付けられる光学装置において、前記複数のレンズの内の撮像手段側のレンズをリングによって独立に保持し、前記複数のレンズの内の前記撮像手段側のレンズを除く他のレンズを前側鏡筒に保持するとともに、前記リングを前記前側鏡筒内に配し、前記リングに外周側に突出する押えアームを連設し、該押えアームを前記前側鏡筒の挿通部を通して外周側に突出させ、前記押えアームをばねを介して前記中間鏡筒の前端部に調整可能にねじで取付け、しかも前記前側鏡筒を前記中間鏡筒に角度調整不能に固定することを特徴とする光学装置に関するものである。
【0011】
ここで前記リングがばね座金を介して前記中間鏡筒の前端側の取付け座にねじで取付けられるとともに、前記前側鏡筒が前記中間鏡筒の取付け座に直接固定されてよい。また前記前側鏡筒の挿通部が前記前側鏡筒の前記中間鏡筒との接合面に形成された切欠きであってよい。
【0012】
本願発明は、対物側の群レンズが複数のレンズから構成され、中間鏡筒の前端部に取付けられる光学装置において、前記複数のレンズの内の撮像手段側のレンズをリングによって独立に保持し、前記複数のレンズの内の前記撮像手段側のレンズを除く他のレンズを前側鏡筒に保持するとともに、前記リングを前記前側鏡筒内に配し、前記リングに外周側に突出する押えアームを連設し、該押えアームを前記前側鏡筒の挿通部を通して外周側に突出させ、前記押えアームをばねを介して前記中間鏡筒の前端部に調整可能にねじで取付け、前記ばねが前記前側鏡筒の外周部に取付けられるリング状の板ばねから成り、前記リングの押えアームと対応する位置に設けられている前記リング状の板ばねの係止部によって前記アームを前記中間鏡筒の前端部から離間する方向に付勢しており、しかも前記前側鏡筒を前記ばねの反力によって前記中間鏡筒の前端部に押圧固定することを特徴とする光学装置に関するものである。
【0013】
ここで前記リング状の板ばねの係止部が前記リングのアームと対応する位置に設けられている切欠きから構成され、該切欠きを前記押えアームの先端部に形成された爪と係合させてよい。また前記リング状の板ばねの係止部間の中間位置が前記前側鏡筒の外周部に形成された突部を押圧して前記前側鏡筒を前記中間鏡筒の前端部に押圧固定してよい。
【0014】
本願に含まれる発明の好ましい態様は、ビデオカメラ等の撮像装置の光学系において、光学的な性能をある一定レベル以上に調整する場合に、対物側の1群レンズ全体を移動することなく、1群レンズ中の1枚だけのレンズを移動させることによって1群レンズを保持している前側鏡筒と他の部品とによって挟持されているガイド軸、リニアモータのヨーク等の位置に影響を与えない構造としたものである。
【0015】
ここで上記の調芯時に1群レンズの位置を不変とすることによって、キャビネットから成るセット外筐との間のクリアランス等に影響を与えない構造とすることができる。また上記の調芯時に、前側鏡筒は中間鏡筒に対して一義的に位置決めされた状態で結合されるために、ユーザーが使用している際に1群レンズの対物側のG1レンズが押されても光学性能が変化しなくなる。
【0016】
ここで1群レンズを保持する前側鏡筒の中間鏡筒に対する取付けは、中間鏡筒の取付け座に対して前側鏡筒を直接ビス止めしてよい。あるいはまた1群レンズ中のG3レンズを保持するリングの押えアームを中間鏡筒から離間するように付勢するリング状の板ばねを用い、この板ばねの反力によって前側鏡筒を中間鏡筒の前端部に押圧固定してよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
【比較の形態】
以下比較の形態を説明する。図1は比較の形態に係る光学装置の全体の構成を示している。この装置はその外側のハウジングを構成する筒状の外筒20を備えている。そして外筒20内には前側鏡筒21と後側の中間鏡筒22とが光軸方向にその順序に配列されている。そして後側の中間鏡筒22の内部には円周方向に互いにほぼ180度離れた位置に一対のガイドロッド23が配されている。
【0018】
上記前側鏡筒21の内側には、G1、G2、G3から成る1群レンズ26が配されている。これに対して後側の中間鏡筒22内にはG4、G5、G6から成る2群レンズ27と、G7、G8、G9から成る3群レンズ28と、G10から成る4群レンズ29とが収納されている。ここで2群レンズ27は移動枠31上に保持されている。また4群レンズ29は移動枠32上に取付けられている。そしてこれらの移動枠31、32が上記ガイドロッド23によって光軸方向に移動されるようになっている。これに対してG7、G8、G9から成る3群レンズ28は後側の中間鏡筒22の中間位置に設けられている仕切り壁33、34上に取付けられている。
【0019】
また上記4群レンズ29の背面側には赤外線フィルタ35、ローパスフィルタ36、撮像素子37がこれらの順に光軸方向に沿って配列されている。ここで赤外線フィルタ35とローパスフィルタ36とによって光学フィルタが構成される。撮像素子37はCCDから構成される。
【0020】
以上のような光学装置において、とくにG4、G5、G6から成る2群レンズ27はズームレンズを構成しており、移動枠31をガイドロッド23に沿って移動させるとズーム動作が行なわれる。移動枠31を前方に移動させるとワイドになり、移動枠31を後側に移動させるテレになる。これに対して4群レンズ29はフォーカスレンズを構成しており、移動枠32をガイドロッド23によって光軸方向に移動させると、フォーカス動作が行なわれる。移動枠32を前方に移動させると焦点距離が短くなり、移動枠32を後方に移動させると焦点距離が長くなる。
【0021】
次にこの光学装置の光軸合わせのための機構について説明する。図1および図2に示すように、前側鏡筒21にはその撮像装置側にフランジ41が連設されるとともに、フランジ41には円周方向に沿って120度ずつ離れた位置ビス挿通孔42が設けられ、このビス挿通孔42を挿通する3本のビス43を中間鏡筒22の取付け座44にねじ込み固定することによって、前側鏡筒21が中間鏡筒22の前端部に固定されるようになっている。
【0022】
1群レンズ26中G3レンズは他のレンズから独立してレンズ保持用リング47によって保持されるようになっている。リング47は図2に示すように円周方向に120度ずつ離れた位置に3本の押えアーム48を備えている。そしてこれらの押えアーム48を前側鏡筒21の切欠き49内に受入れるようになっている。
【0023】
上記押えアーム48はばね座金50を介してビス51によって中間鏡筒22の前端部に固定されるようになっている。すなわちビス51を押えアーム48のビス挿通孔52を挿通させ、さらにばね座金50を挿通した状態で中間鏡筒22の取付け座53にねじ込み固定するようにしている。
【0024】
従ってG3レンズを保持するリング47の取付けは、ビス51をばね座金50を変形させながらねじ込むことになり、アーム48の下面と中間鏡筒22の取付け座53との間の隙間が任意に調整されることになる。このような調整によってリング47に取付けられているG3レンズの光軸の角度調整を行なうことを可能にしている。
【0025】
一般にビデオカメラ等の撮像装置の光学系において、図1および図2に示すように、前側鏡筒21と図示を省略した後部鏡筒とによってガイドロッド23の両端が固定保持されている。そしてこのようなガイドロッド23によって移動枠31を介してズームレンズを構成する2群レンズ27が光軸方向に沿って移動されるようになっている。また移動枠31を移動させる推力を発生するリニアモータのヨークも同様に前側鏡筒21と中間鏡筒22とによって固定されている。
【0026】
ここで前側鏡筒21には1群レンズ26中のG1レンズとG2レンズがそれぞれ取付けられており、これに対して1群レング26のG3レンズは前側鏡筒21から独立になっており、リング47に保持されるとともに、このリング47がビス51によって中間鏡筒22に取付けられるようになっている。とくにこの光学系の特徴は、前側鏡筒21が中間鏡筒22に対して位置を変化させることなく一義的に位置決めされた状態で固定されることにある。
【0027】
光学性能をある一定レベル以上に調整する場合に、1群レンズ26中のG3レンズを固定保持したリング47を調整することによって、そのレベル調整を行なうことが可能になる。本実施例においてはチルト調整、すなわちあおり調芯であるが、シフト、すなわち偏芯にも応用できる。
【0028】
G3レンズのリング47はばね座金50によって常に光軸方向であって中間鏡筒22の前端部から離間させるような方向の力を受け、この力をビス51によって受止めようにしている。またばね座金50およびビス51は円周方向に3個所に配されている。ビス51の高さ、すなわち締込み具合のバランスによって、G3レンズのあおり方向に位置を変化させ、調芯を行なうことが可能になる。ちなみに従来の構造(図6および図7参照)は、前側鏡筒5にG1レンズ、G2レンズ、およびG3レンズが総て取付けられ、前側鏡筒5の全体を中間鏡筒6に対して移動させて調芯を行なうようになっていた。
【0029】
本比較の形態の光学装置においては、前側鏡筒21が中間鏡筒22の前端部に一義的に位置決め固定されており、G3レンズをリング47に保持した状態で前側鏡筒21と独立に調芯を行なうようにしているために、G3レンズで調芯の動作を行なってもガイドロッド23の位置が変化しない。よってガイドロッド23に沿って移動する移動枠31の2群レンズ27の中心および4群レンズ29のG4レンズの中心も変化しない。
【0030】
従来の構造によれば、図6に示す前側鏡筒5を移動調整させて調芯動作を行なうと、ガイドロッド9が一緒に動いてしまい、調芯が困難になっていた。しかるに本実施の形態によれば、的確かつ容易に光学性能を上げるための調芯を行なうことができる。また上記移動枠31、32を移動するための推力を発生するリニアモータのヨークも同様に前側鏡筒21と中間鏡筒22とによって挟持される構造になっているために、ヨークも影響を受けることがない。また前側鏡筒21は中間鏡筒22の前端部に対して完全に面受けされ、調芯によって位置が変化しないために、セットの外装との間のクリアランス等がばらつくことがない。
【0031】
またこのような光学装置をビデオカメラに適用した場合に、ユーザーが使用時に最も外側に位置するG1レンズに力を加えた場合に、従来だと前側鏡筒がこの力で移動しないように固定するのが困難であったが、本比較の形態では上述の如く、前側鏡筒21の位置がずれて光学性能が悪化することがなくなる。
【0032】
このように本比較の形態は、前側鏡筒21とG3レンズのリング47とを互いに独立の部材とし、リング47をばね座金50を介して3本のビス51によって中間鏡筒22に固定するようにしている。このときに各ビス51のねじ込み量を調整することによって、G3レンズのあおり角を可変にでき、これによってG3レンズのチルト調芯が行なわれる。これに対して前側鏡筒21は3本のビス43で中間鏡筒22の前端側の取付け座44に直接締結固定される。このときにリニアモータのヨークやガイドロッド23の前端を前側鏡筒21で受けて固定する構造を採用する際に、G3レンズの調芯をしても他の部材の姿勢に影響を与えることなく行なうことが可能になる。
【0033】
本比較の形態は上述の如く、1群レンズ26の全体を調芯するのではなく、1群レンズに含まれるG1レンズ、G2レンズ、およびG3レンズ中のG3レンズのみを独立させて調芯する構造を採用している。よってガイドロッド23やガイドロッド23に沿って移動する各種の移動枠31、32、リニアモータのヨーク等の位置に影響を与えることがなく、的確にかつ容易に光学性能を向上させることができる。
【0034】
また1群レンズ26を保持する前側鏡筒21の位置を変化させることなく調芯できるために、セットの外筐との間のクリアランスや受け等に影響を与えることがない。またユーザーがこの光学系を用いたビデオカメラを使用する際に、1群レンズ26中のG1レンズが外力に押されても、1群枠を構成する前側鏡筒21が中間鏡筒22に対して面受けされていて移動することがないために、光学性能が悪化しない。
【0035】
【実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図3〜図5によって説明する。この実施の形態は上記比較の形態の3個のばね座金50に代えて単一のリング状板ばね56を用いるようにし、このリング状板ばね56によって前側鏡筒21を中間鏡筒22の前端面に押圧付勢することにより、前側鏡筒21を取付け固定するためのビス43を省略したものである。
【0036】
リング状板ばね56はばね鋼あるいはりん青銅から製作され、その円周方向の120度ずつ離れた位置に外周側に突出して屈曲部57が形成されている。なおリング状板ばね56は他の弾性材料から製作されてもよい。これらの屈曲部57には切欠き58が形成され、この切欠き58を上記G3レンズのリング47の押えアーム48の先端部に設けられている爪59に係合させるようにしている。そしてこのリング状板ばね56の屈曲部57間の中間位置において前側鏡筒21のフランジ41上に設けられている突部60を押圧し、これによって前側鏡筒21を中間鏡筒22の前端面に圧着するようにしている。
【0037】
すなわちこの実施の形態は、リング状板ばね56によって前側鏡筒21の固定とリング47との付勢を兼用するようにした構造を特徴としている。前側鏡筒21の背面側にリング47を挿入し、リング状板ばね56を前側鏡筒21の前方から装着する。そして板ばね56の円周方向の3個所の屈曲部57の切欠き58にそれぞれリング47の押えアーム48の爪59を係合させる。
【0038】
このような状態で前側鏡筒21、リング47、および板ばね56から成る組立て体を中間鏡筒22の前端部に3本のビス51によって締結する。このときに板ばね56の反力によって前側鏡筒21は突部60が図5において下方へ押圧され、中間鏡筒22の前端面に圧着固定される。またリング47は板ばね56の屈曲部57の切欠き58によってアーム48の先端部が上方への力を受け、アーム48はビス51の座面に付勢される。従ってビス51のねじ込み調整によってリング47のあおり調整が可能になる。
【0039】
このような構造は上記比較の形態と比較すれば明らかな如く、前側鏡筒21を中間鏡筒22に固定するための3本のビス43を不要にし、さらに3個のばね座金50に代えて単一の板ばね56とすることができる。また中間鏡筒22側には前側鏡筒21を固定するための取付け座44を必要としなくなる。また組立ての際においてもビス51のねじ締めとスナップフィットのみを行なえばよく、組立て工数が削減される。また上記比較の形態におけるばね座金50を使用しないために、ばね座金50を鏡筒内に落とすトラブルが防止され、組立てが容易になる利点がある。
【0040】
【発明の効果】
比較発明は、対物側の群レンズが複数のレンズから構成され、中間鏡筒の前端部に取付けられる光学装置において、複数のレンズの内の撮像手段側のレンズを中間鏡筒の前端部に角度調整可能に取付けるとともに、複数のレンズの内の撮像手段側のレンズを除く他のレンズを中間鏡筒の前端部に角度調整不能に固定するものである。
【0041】
従ってこのような光学装置によれば、複数のレンズの内の撮像手段側のレンズを角度調整するだけで光学調芯が行なわれ、光学調芯の動作が大がかりにならず、光学調芯を行なっても光学性能が悪化しない構造が提供される。
【0042】
別の比較発明は、対物側の群レンズが複数のレンズから構成され、中間鏡筒の前端部に取付けられる光学装置において、複数のレンズの内の撮像手段側のレンズをリングによって独立に保持し、複数のレンズの内の撮像手段側のレンズを除く他のレンズを前側鏡筒に保持するとともに、リングを前側鏡筒内に配し、リングに外周側に突出する押えアームを連設し、該押えアームを前側鏡筒の挿通部を通して外周側に突出させ、押えアームをばねを介して中間鏡筒の前端部に調整可能にねじで取付け、しかも前側鏡筒を中間鏡筒に角度調整不能に固定するものである。
【0043】
従って押えアームを中間鏡筒に対してねじ込み調整するだけで調芯動作が行なわれ、前側鏡筒によって固定されている部品に対して悪影響を及すことがなく、光学性能の悪化が防止される。
【0044】
本願発明は、対物側の群レンズが複数のレンズから構成され、中間鏡筒の前端部に取付けられる光学装置において、複数のレンズの内の撮像手段側のレンズをリングによって独立に保持し、複数のレンズの内の撮像手段側のレンズを除く他のレンズを前側鏡筒に保持するとともに、リングを前側鏡筒内に配し、リングに外周側に突出する押えアームを連設し、該押えアームを前側鏡筒の挿通部を通して外周側に突出させ、押えアームをばねを介して中間鏡筒の前端部に調整可能にねじで取付け、しかも前側鏡筒をばねの反力によって中間鏡筒の前端部に押圧固定するものである。
【0045】
従ってこのような光学装置によれば、ばねの付勢力に抗して押えアームのねじ込み調整を行なうことによって調芯動作が行なわれる。しかもばねの反力によって前側鏡筒が中間鏡筒の前端部に押圧固定されるために、前側鏡筒を固定するための専用の固定手段を必要としなくなり、これによって部品点数が少なくなるとともに、組立て工数が削減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較の形態の光学装置の縦断面図である。
【図2】比較の形態の光学装置の前側鏡筒の組立てを示す分解斜視図である。
【図3】実施の形態の光学装置の前側鏡筒の組立てを示す分解斜視図である。
【図4】同組立てた状態の要部外観斜視図である。
【図5】同組立てた状態の側面図である。
【図6】従来の光学装置の縦断面図である。
【図7】同光学装置の分解斜視図である。
【符号の説明】
1‥‥1群レンズ(G1、G2、G3)、2‥‥2群レンズ(G4、G5、G6)、3‥‥3群レンズ(G7、G8、G9)、4‥‥4群レンズ(G10)、5‥‥前側鏡筒、6‥‥中間鏡筒、7、8‥‥移動枠、9‥‥ガイドロッド、11‥‥取付け座、12‥‥ばね、13‥‥調整ねじ、14‥‥外筒、15‥‥撮像素子(CCD)、20‥‥外筒、21‥‥前側鏡筒、22‥‥中間鏡筒、23‥‥ガイドロッド、26‥‥1群レンズ(G1、G2、G3)、27‥‥2群レンズ(G4、G5、G6)、28‥‥3群レンズ(G7、G8、G9)、29‥‥4群レンズ(G10)、31、32‥‥移動枠、33、34‥‥仕切り壁、35‥‥赤外線フィルタ、36‥‥ローパスフィルタ、37‥‥撮像素子、41‥‥フランジ、42‥‥ビス挿通孔、43‥‥ビス、44‥‥取付け座、47‥‥リング、48‥‥押えアーム、49‥‥切欠き、50‥‥ばね座金、51‥‥ビス、52‥‥ビス挿通孔、53‥‥取付け座、56‥‥リング状板ばね、57‥‥屈曲部、58‥‥切欠き、59‥‥爪、60‥‥突部
Claims (3)
- 対物側の群レンズが複数のレンズから構成され、中間鏡筒の前端部に取付けられる光学装置において、
前記複数のレンズの内の撮像手段側のレンズをリングによって独立に保持し、
前記複数のレンズの内の前記撮像手段側のレンズを除く他のレンズを前側鏡筒に保持するとともに、前記リングを前記前側鏡筒内に配し、
前記リングに外周側に突出する押えアームを連設し、該押えアームを前記前側鏡筒の挿通部を通して外周側に突出させ、前記押えアームをばねを介して前記中間鏡筒の前端部に調整可能にねじで取付け、
しかも前記前側鏡筒を前記ばねの反力によって前記中間鏡筒の前端部に押圧固定し、
前記ばねが前記前側鏡筒の外周部に取付けられるリング状の板ばねから成り、前記リングの押えアームと対応する位置に設けられている前記リング状の板ばねの係止部によって前記アームを前記中間鏡筒の前端部から離間する方向に付勢することを特徴とする光学装置。 - 前記リング状の板ばねの係止部が前記リングのアームと対応する位置に設けられている切欠きから構成され、該切欠きを前記押えアームの先端部に形成された爪と係合させることを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
- 前記リング状の板ばねの係止部間の中間位置が前記前側鏡筒の外周部に形成された突部を押圧して前記前側鏡筒を前記中間鏡筒の前端部に押圧固定することを特徴とする請求項1に記載の光学装置。
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