JP4756597B2 - 画像形成装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式のカラー画像形成装置および方法に関し、例えばカラーオフセット印刷システムやレーザ書き込み・銀塩方式作像の画像形成装置に好適な技術に関する。
画像形成装置に入力される画像データは、写真などの階調画像では1ピクセルあたり8〜12ビットの多値データを持つ。これに対して紙上に画像(いわゆるハードコピー)を形成する画像形成装置(電子写真方式を含む)では、1ピクセルあたりで表現が可能な階調数は実質的には非常に少ない。このような問題を解決するために、ハードコピー機器では、解像度を600dpi、1200dpiなどと向上させ、複数の画素を使用して画像濃度を面積的に変調して、擬似的に中間調の画像を表示する。この入力画像データを、擬似的な中間調画像に変換する工程で施される画像処理が、擬似中間調処理である。本発明は、上記擬似中間調処理方法の一形態であるディザ法に関連し、フルカラー画像に対して適用するディザマトリクスの組み合わせ(複数のディザマトリクス間のスクリーン線数およびスクリーン角度の組み合わせ)に関する発明である。
ディザ法による多値画像データの量子化処理の詳細については、非特許文献1などで解説されているため、ここでの説明は省略する。ディザ処理を行った画像では、周期的な構造をもつ画像構造となる。また、カラー画像は複数のトナー像を重ね合わせることによって画像を形成する(一般的には、Y:イエロー、C:シアン、M:マゼンタ、K:ブラックの4色を重ね合わせることによってフルカラー画像を形成する)。また、この4色の画像に対してそれぞれ異なるディザ処理が施され、トナー像が異なる周期構造となる。以前には、この4色の画像に対して同一の周期構造となるディザ処理を施す場合も存在したが、この場合には色重ね位置の変動により色が変動しやすいため、現在ではあまり使用されていない。現在主流となっている方法は、この問題を回避できる方法であり、4色の画像に対して異なる周期構造とする方法(スクリーン角度やスクリーン線数をずらす方法)である(この方法は、印刷の分野では以前から広く利用されており、それを踏襲する形で電子写真をはじめとする印刷以外のハードコピー分野においても利用されている)。
ディザマトリクスの種類は、(1)ドット集中型(ドットスクリーン)、(2)Bayer型、(3)万線型(ラインスクリーン)、に分類される。本発明は、(3)万線型のディザマトリクスを複数組み合わせて、カラー画像を作成する際の組み合わせ方法に関する。万線型ディザマトリクスは、ドット集中型ディザマトリクスに比べて次のような長所をもつ。ドット集中型では、成長中心の周期構造をほぼ正方形とする必要があるため、ディザマトリクスの取り得るスクリーン線数とスクリーン角度の自由度が少ない。これに対して、万線型ディザマトリクスでは、成長中心の周期構造が長方形や平行四辺形であっても正方形である場合と何ら変わらないため、取りうるスクリーン線数とスクリーン角度の組み合わせ(選択の自由度)を高めることが可能となる。
4色の画像に対して、異なる周期構造を持つトナー像を重ね合わせる方法では、ちょうど波の重ね合せと同じような現象が発生し、うなり(ビート)と呼ばれる干渉模様が観察される場合がある。この干渉模様は「色モアレ」とよばれ、低周波領域(うなりの周波数が低い)で発生して視覚的に認識される場合には、使用者に違和感を与え、画質低下の要因となる。通常は、4色の画像を重ね合わせた時に発生するこの色モアレがなるべく視覚的に目立たない(モアレの周波数が高い)組み合わせ方法を選択して、4色のディザ処理で使用するディザマトリクスを決定している。しかしながら、すべての色(すべてのYCMK色の重ね合わせ方)に対してこの色モアレのバランスをとる確立された手法が存在しないため、経験的に良いとされている組み合わせが広く利用されている。
現在広く用いられている4色のディザマトリクスを組み合わせとしては、産業用の印刷装置で広く普及しているY,C、M、Kの4色を図2、図3のように配置する方法がある。この方法では、Y色を0度、C色を15度、K色を45度、M色を75度のスクリーン角度となるように設定する(スクリーン線数には、制約はないが、YCMK色ともほぼ同一で175lpi程度のものが用いられている)。このスクリーン角度を厳密に実現するためには2400dpi以上の解像度が必要となるため、解像度がそれ以下である場合には、このスクリーン角度に近い実現可能なスクリーン角度が選択されている(図3は、解像度2400dpiで上述のスクリーン配置を形成した場合に相当している)。また、この配置方法では、周期構造が正方形状であり、網点形状はドットスクリーンであるため、各色のスクリーン角度に対して90度ずらした角度にも等価な方向軸が存在する。この組み合わせでは、Y色とCM色との間に発生する色モアレが目立ち難いことを利用して、Y色とCM色とのスクリーン角度の差を15度と設定している(印刷分野では、Y色と他のCMK色との間で発生する色モアレは小さいと言われている)。このほか、このような周期的な構造をもつ複数色間のトナー像を重ね合わせることによって発生する色モアレを解消する従来技術としては、特許文献1などがある。
しかしながら、色モアレが発生しないようにYCMK4色のディザマトリクスの組み合わせ(以下、4色ディザマトリクスの組み合わせをディザセットという)を決定することは、上述したように確立した手法がないため難しく、特に経験上知られているディザセット以外で良好なディザセットの開発は非常に難しい。
ところで、電子写真方式の画像形成装置の光書き込み装置は、半導体レーザから照射され、光変調されたビームが、高速で回転しているポリゴンミラーの面で反射されることで感光体上を走査し、静電潜像を形成する。このポリゴンミラーによる走査方式は、感光体上でのビーム位置がいわゆる副走査方向(回転している感光体の移動方向)に変動することが知られており、この問題は「面倒れ」と一般的に呼ばれている。この面倒れの原因としては、ポリゴンミラー面のモーター回転軸に対する傾きや、ポリゴンミラー面の各面の傾き(いわゆる回転軸に対する傾きで、いわゆる面倒れ角)のバラツキなどが挙げられる。例えば、特許文献2には面倒れの対策が開示されている。
通常、上述の面倒れの影響が小さくなるように、光書き込み装置の光学系をポリゴンミラー面と感光体ドラム面とが共役関係となるように配置する。この手法は面倒れ防止機能として一般的には知られている。しかしながら、この面倒れ防止機能を用いても、ポリゴンミラーに入射する光束の位置が走査位置(主走査方向の位置)で異なるため、面倒れによる副走査方向の書き込み位置変動を完全に解消することは難しく、やはり書き込み位置変動が生じてしまう。この面倒れによって、副走査方向にポリゴンミラーの面数に対応した空間周期をもつピッチムラ(副走査方向の走査間隔のムラ)が生じる。このとき画像上ではピッチムラに相当する濃度ムラが発生し、これが使用者によって知覚され(濃度ムラのピッチが大きく、視覚的に知覚されやすい場合)、異常画像として画質の劣化要因となる。
電子写真学会誌 第24巻 第1号(1985)p.51〜p.59 特開2002−112047号公報 特開2003−260813号公報
色モアレを解消する特許文献1の方法は、Y色とCMKのいずれか1色との周期構造を同一(同じスクリーン線数かつスクリーン角度)として、位相のみをずらす方法を採用している。しかし、この方法は色重ね位置の精度が高い場合にのみ使用可能な方法であって、色重ね位置のずれが大きい(ディザの1周期の10%程度)場合には、色重ね位置のずれにより出力画像の色味が変化してしまう。つまり、上述したスクリーン角度をずらしてこの色味の変化の問題を解消する方法とは異なり、色重ね位置の精度の問題に対する根本的な解決ではない。
また、特許文献2の方法は、色モアレにも良好なディザセットと予想されるが、YCMK色のディザの組み合わせ方法が2通りであり、それ以外の方法が例示されていない。もちろん、どのような組み合わせ方法が色モアレに良好であるかに関する記述もない。
上記したことから、色モアレが発生しないようにYCMK4色のディザマトリクスの組み合わせを決定する確立された手法が存在しないこと、そして、色モアレが良好となるようなディザセットの開発が困難であることが理解できる。
前述したように、ディザセットを構成するディザマトリクスとして万線タイプのディザマトリクスを使用することで、スクリーン線数とスクリーン角度の組み合わせ(選択の自由度)を高めることが可能となる(自由度が高くなることから、色モアレがより良好な組み合わせの可能性が高くなる)。ドット集中型ディザの場合には、90度の範囲にYCMK4色分の方向軸(周期構造を表すベクトルと平行な軸)を設定する必要がある(これは、集中型ディザマトリクスでは方向軸が90度間隔で存在するためである)。一方、万線型ディザマトリクスでは、180度の範囲でYCMK4色分の方向軸を設定すれば十分(万線型ディザマトリクスでは方向軸が180度間隔で存在する)であるので、YCMKの版間のスクリーン角度差をドット集中型ディザに比べて大きくとることが可能である。この結果、万線ディザの方が色モアレの良好となる画像を得やすい。
ところが、ディザセットを選択する際に、その組み合わせ方法が数万通りにも及ぶため、全ての組み合わせを試行することはかなり難しい。このため実際には、経験的に良好なYCMK色のディザマトリクスの組み合わせ(この組み合わせをディザセットという)が使用されている。つまり、万線ディザを組み合わせて実際に色モアレが良好となる組み合わせを選択することは容易ではない。
本発明は上記した問題点に鑑みてなされたもので、
本発明の目的は、YCMK4色全てにおいて万線ディザを使用し、従来とは異なるディザマトリクスの組み合わせによって、色モアレが良好な画像を出力可能な画像形成装置および方法を提供することにある。
商品化されているインクジェットプリンタは、擬似中間調処理法として上記のディザ法を用いずに誤差拡散法によって画像を表現することが多い。誤差拡散法はFM変調による擬似中間調処理であり、周期的な成分を持っていないので複数色の重ねあわせによる色モアレは原理的に発生しない。つまり、現在一般的に発売されているインクジェットプリンタでは色モアレの心配がない。
電子写真方式でも、インクジェットプリンタと同様に誤差拡散法のような周期性を持たない擬似中間調処理法を用いれば色モアレの問題を回避可能であるが、電子写真方式では孤立1ドットの再現性・安定性が乏しいので、誤差拡散法への適応性が十分ではない。孤立1ドットの再現性・安定性が乏しいプリンタエンジンで誤差拡散法を用いると、粒状性が悪化し、筋ムラが目立ち、かえって画像品質が低下してしまう。ディザ法による擬似中間調処理法はドットの安定性に乏しい電子写真方式に最適な方法であるため、ディザ法を用いて、かつ、色モアレが発生しない画像処理方法を実現することは重要である。
本発明の他の目的は、電子写真方式の画像形成装置でディザ法を使用する場合でも、色モアレが良好な画像形成装置および方法を提供することにある。
発明者が実施した画像出力実験の結果、副走査方向の書き込み位置変動の周期が6画素(6ライン)である画像形成装置では、ディザの周期構造と書き込み位置変動が干渉し、低周波の濃度変動として知覚されることが明らかになった(以下、この濃度変動を、「色モアレ」と区別するために「面倒れモアレ」という)。この面倒れモアレは、画像の均一感が要求される写真画像やグラフィックス画像などでは、使用者に違和感を与えるため、画質劣化の要因となる。
また、従来から経験的に良いとされてきたディザセットを使用した場合には、上述の副走査方向に書き込み位置変動が6画素周期で発生すると、上述の面倒れモアレの発生が顕著であった。よって、このような面倒れモアレが発生しないディザセットが必要となる。
面倒れモアレを解決する方法として、書き込み位置の変動を低減することが考えられるが、書き込み位置の変動を低減するには、(1)ポリゴンミラーの面倒れ規格を厳しくしなければならない、(2)感光体ドラムや回転ムラを低減し、一定速度での駆動を実現する、(3)光走査装置(光学ユニット)の振動を低減するなど、部品精度や駆動精度のより一層の向上が要求される。その結果、画像形成装置全体の価格を上げることになる。
このような状況に鑑み、本発明の他の目的は、副走査方向の書き込み位置精度の変動を原因とする面倒れモアレ(低周波の濃度ムラ)が発生しないディザセットを用いることにより、低価格の画像形成装置を実現することにある。なお、本発明で使用するディザセットは、ディザマトリクス同士の干渉によって発生する色モアレにも良好となるディザマトリクスの組み合わせでもある。
スクリーン角度が0度の万線タイプのディザマトリクス(いわゆる横ラインで、主走査方向に連なった)を使用した場合には、このディザマトリクスを高濃度のトナー色に割り当てた場合には、いわゆるバンディングが目立ちやすい。バンディングと呼ばれる不具合は、副走査方向の濃度ムラのことである。このバンディングの原因としては、感光体ドラムの駆動速度のムラや、書き込み装置の振動などが考えられる。副走査方向の濃度ムラは、先述の面倒れによる走査ピッチムラと同じ現象であるが、濃度変動の周期が0.5〜10mmと長周期のものがバンディングに該当する(面倒れによる走査ピッチむらは0.2〜0.4mm程度)。バンディングはこのように直接知覚されるような空間周波数に相当するため、バンディングの発生は著しい画質劣化の要因となる。
本発明のさらに他の目的は、バンディングが発生しない画像形成装置および方法を提供することにある。
本発明は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナーを用いて、前記4色のトナー像がすべてライン状の周期構造となるようにトナー像を形成し、前記トナー像を紙上に重ねて記録する画像形成装置において、前記4色のトナー像のライン状周期構造が、表1(請求項1)で指定されるスクリーン線数・スクリーン角度を実現する周期構造の組み合わせとなっていることを最も主要な特徴とする。
ライン状の周期構造をもつディザマトリクスの組み合わせ数は非常に膨大(数万〜数十億通り)となるため、無作為に組み合わせを行い、色モアレが良好なYCMK色のディザマトリクスの組み合わせを見つけ出すことは事実上不可能である。このため、従来経験的に色モアレが良好であることが知られているYCMKのディザマトリクスの組み合わせ(ディザセット)が使用されている。本発明は、表1(請求項1)に示す4つのディザ周期構造の組み合わせが、色モアレを防止することを実験的に見出した。本発明は、請求項1に示す4つのディザ周期構造を、画像形成装置で使用するYCMK4色のトナー像の周期構造に適用した新規の技術であり、また、画像出力実験および出力画像を詳細に評価し、色モアレの低減に寄与する構成の検証を行った。
本発明(請求項1)は、このような検討結果を反映したディザセットを搭載した画形成装置であるため、YCMK色のトナー像を組み合わせて形成される、すべて色(2次色および3次色)において色モアレが良好なカラー画像形成装置を実現できる。
本発明(請求項2)は、請求項1とは異なるディザマトリクスの組み合わせ方法において、色モアレを防止することを実験的に見出した。表2(請求項2)の組み合わせは、本発明がはじめて提案した組み合わせである。本発明(請求項2)は、このような検討結果を反映したディザセットを搭載した画形成装置であるため、YCMK色のトナー像を組み合わせて形成される、すべて色(2次色および3次色)において、色モアレが良好なカラー画像形成装置を実現できる。
本発明(請求項3)は、電子写真方式の画像形成装置における色モアレの防止に寄与する。電子写真方式では、孤立1ドットの再現性・安定性が乏しいため、擬似中間調処理法として周期的なトナー像構造をもつディザ法を用いた方が、良好な画像品質を維持しやすい。したがって、請求項3では電子写真方式の画像形成装置において、粒状性が良好であり、筋ムラが目立つようなことがなく、良好な画像品質の維持が可能であり、色モアレが良好なカラー画像形成装置を実現できる。
本発明では、副走査方向の解像度が600dpiの場合、かつ副走査方向の書き込み位置変動が6画素(ライン)周期で発生する場合においても、副走査方向の書き込み位置変動とディザの周期構造が干渉することによる濃度ムラ(人間の目で知覚できるような低周波の濃度ムラ)が発生しないことが画像出力実験により確認された。従来、6画素周期で発生する副走査方向の書き込み位置変動がディザの周期構造と干渉し、低周波の濃度変動として使用者に知覚されていた。このような低周波の濃度変動は、使用者に違和感を与え、画質を低下させていた。特に出力画像として画像の均一感が要求される写真画像やグラフィックス画像の場合、著しい画質低下の要因となっていた。本発明では、色モアレが良好なカラー画像形成装置を実現することができ、また、書き込み位置変動に伴う低周波の濃度変動も発生しなくなるため、高画質の画像を出力できる。特に写真画像やグラフィックスといった画像種において均一感にすぐれた高画質な画像を出力できる。
本発明は、レーザ光をポリゴンミラーで反射させることにより感光体上に静電潜像を形成する構成を採り、光書き込みの副走査方向の解像度が600dpiであり、レーザ光源の数(N)とポリゴンミラーの反射面数(M)との積が、N×M=6である場合に、従来、ポリゴンミラーの面倒れにともなって発生する濃度ムラ(人間の目で知覚できるような低周波の濃度ムラ)がないことを、画像出力実験により確認した。従来、面倒れにともなう副走査方向の書き込み位置変動とディザ周期構造との干渉によって発生する低周波の濃度変動を防止する手法としては、面倒れそのものを低減する方法が採られていたが、ポリゴンミラーの面倒れ規格を厳しくしなければならず、部品コストの上昇、画像形成装置コストの上昇を招く。本発明は、面倒れにより発生する低周波の濃度変動がない構成であるので、ポリゴンミラーの面倒れ規格の緩和が可能となり、低コストの画像形成装置を実現できる。本発明では、色モアレが良好なカラー画像形成装置を実現することができ、また面倒れ規格を厳しくする必要がないため、低コストの画像形成装置を実現しつつ、書き込み位置変動にともなう低周波の濃度変動も発生することがなく、高画質の画像を出力できる。特に写真画像やグラフィックスといった画像種において均一感にすぐれた高画質な画像を出力できる。
本発明は、スクリーン角度が0度(いわゆる横ライン)のディザマトリクスを使用し、このディザマトリクスをY色に割り当てる構成を採っているので、バンディングと呼ばれる画質劣化の要因となる異常画像を防止し、高画質の画像を出力できる。
以下、発明の実施の形態について図面により詳細に説明する。
実施例1:
図4は、実施例1のフルカラー画像形成装置におけるフルカラー作像装置の構成を示す。実施例1のフルカラー作像装置は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色の色成分画像を記録シート上で重ね合わせて画像を形成する作像装置である。実施例1では、CMYKの各色成分に対応して、4つの画像形成ユニット24が図4のように配置されている。各画像形成ユニット24で形成された各色成分トナー像は、4つの画像形成ユニットに当接して配置されているベルト状の中間転写体(中間転写ベルト)29へ順次転写される。中間転写体29は、図示しない駆動手段によって所定のタイミングで回転しているため、中間転写体29上において、各色成分トナー像が所定の位置で重ね合わされる。中間転写体上で重ね合された各色成分トナー像は、一括して、記録シート(転写体(紙))32上へ転写され、記録シート上の画像となる。
実施例1では、上記のYCMKの4色の各色画像形成ユニット24は共通の構成であるので、その1組を説明する。画像形成ユニット24は、感光体ドラムと、この感光体ドラムを所望の電位に帯電する帯電器25、所望の電位に帯電された感光体ドラムに出力用画像データ(後述する擬似中間調処理を施した画像データ)に対応して書きこみを行うレーザー光学ユニット23、レーザー光学ユニット23による書き込みによって感光体ドラム上に形成された静電潜像を各色成分に対応するトナーによって現像する現像器26、現像器26によって感光体上に現像されたトナー像を上記の中間転写体29上へ転写する転写器(1次転写器)28、中間転写体へ転写されずに感光体上に残った未転写トナーをクリーニングするクリーナー27から構成される。
紙などの記録シート32は図示しない記録シートバンクから搬送手段によって搬送された後に、レジストローラ30で所定のタイミングを取り、2次転写器31へ搬送される。2次転写器31では、上述した中間転写体上のトナー像(4色分のトナー像)が記録シート32上の所望の位置に転写される。トナー像が転写された記録シート32は、定着器33において加熱・加圧され、機外へ排出される。以上の動作順により、紙などの記録シート上に画像データに応じたフルカラー画像が形成される。
つぎに、後述する画像処理装置20によって作成された出力用画像データに対応して動作するレーザー光学ユニット23の動作を説明する(図4を参照)。ビデオ信号処理部21では、後述する画像処理装置20によって作成される出力画像用データ(画像処理の結果)を受け取り、光源(半導体レーザ、レーザーダイオード、LD)22の個数分のデータをラインメモリ上に記憶し、ポリゴンミラーの回転に同期した信号(いわゆる同期信号)に合せて、各画素に対応する上記ラインメモリ状のデータを所定のタイミング(画素クロック)で、PWM制御部へ渡す(なお、実施例1では、光源の数は、各色ともに1つである)。
PWM制御部では、このデータがパルス幅変調(PWM)信号へ変換され、LDドライバへ渡される。LDドライバでは、このパルス幅変調信号に対応して所定の光量でLD素子(半導体レーザ)を光変調駆動する。実施例1では、各色成分の出力用画像データに対応して、パルス幅変調(PWM)制御を行い、レーザーの光変調駆動を行う。
つぎに、光変調駆動されたレーザ光により感光体上を走査して静電潜像を形成する光学ユニット(光学装置)の構成を説明する。図5は、実施例1の光学装置の概略図である。1Y、1C、1M、1Kは、光源の半導体レーザを示す。以下、参照番号の後に示すY、C、M、Kは、順にイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックに関連する部材である。半導体レーザ1Yはイエローの画像形成用を示し、半導体レーザ1C、1M、1Kはそれぞれ、シアン、マゼンタ、ブラックの画像形成用を示す。また、3Y、3C、3M、3Kはコリメートレンズ、5Y、5C、5M、5Kはシリンドリカルレンズ、7はポリゴンミラー、8Y、8C、8M、8K、10Y、10C、10M、10Kは走査結像光学系を構成する結像素子としてのレンズ(f−θレンズ)を示す。4個の半導体レーザ1Y〜1K、4個のコリメートレンズ3Y〜3K、4個のシリンドリカルレンズ5Y〜5K、4個のf−θレンズ8Y〜8Kは同一のものであり、4個の別のf−θレンズ10Y〜10Kも同一のレンズである。9YC、9KMはポリゴンミラーの静音化のための防音ガラスであり、12Y、12C、12M、12Kは光学系の防塵化の役目を果たす防塵ガラスである。半導体レーザ1Y、コリメートレンズ3Y、シリンドリカルレンズ5Y、ポリゴンミラー7、f−θレンズ8Y、10Yは、被走査面11Yにイエロー画像形成用の静電潜像を形成するための「イエロー画像用走査光学系」を構成する。同様に、半導体レーザ1C、コリメートレンズ3C、シリンドリカルレンズ5C、ポリゴンミラー7、f−θレンズ8C、10Cは、被走査面11Cにシアン画像形成用の静電潜像を形成するための「シアン画像用走査光学系」、半導体レーザ1M、コリメートレンズ3M、シリンドリカルレンズ5M、ポリゴンミラー7、f−θレンズ8M、10Mは、被走査面11Mにマゼンタ画像形成用の静電潜像を形成するための「マゼンタ画像用走査光学系」、半導体レーザ1K、コリメートレンズ3K、シリンドリカルレンズ5K、ポリゴンミラー7、f−θレンズ8K、10Kは、被走査面11Kにブラック画像形成用の静電潜像を形成するための「ブラック画像用走査光学系」を、それぞれ構成する。これらイエロー画像形成用走査光学系、シアン画像形成用光学系、マゼンタ画像形成用光学系、およびブラック画像形成用光学系は、光学的には同じものである。
半導体レーザ1C、コリメートレンズ3C、シリンドリカルレンズ5Cの部分は、図面に直交する方向(副走査方向)において、半導体レーザ1Y、コリメートレンズ3Y、シリンドリカルレンズ5Yに重なるように配置される。同様に、半導体レーザ1M、コリメートレンズ3M、シリンドリカルレンズ5Mの部分は、図面に直交する方向(副走査方向)において、半導体レーザ1K、コリメートレンズ3K、シリンドリカルレンズ5Kに重なるように配置されている。また、ポリゴンミラー7から被走査面11Y、11M、11C、11Kに至る部分は「光路を直線的に展開した状態」で示している。ポリゴンミラーの可動部分である多面鏡が図面に直交する軸の周りに等速回転される。
光走査の概要を「イエロー画像用走査光学系」を例にして説明すると、イエロー画像に対応する出力画像用データに応じて半導体レーザ1Yが駆動され、光変調されたレーザ光束が放射される。このレーザ光束はコリメートレンズ3Yにより以後の光学系に適した光束形態に変換される。コリメートレンズ3Yにより変換された光束形態は平行光束、弱い発散性もしくは弱い収束性の光束であるが、ここでは「平行光束」とする。
平行光束となった光束はシリンドリカルレンズ5Yにより副走査方向に集光され、ポリゴンミラー7の偏向反射面の近傍に「主走査方向に長い線像」として結象して、ポリゴンミラーの等速回転にともない、等角速度的に偏向する偏向光束となってf−θレンズ8Yに入射し、走査結像光学系を構成するf−θレンズ8Y、10Yの結像作用により、被走査面11Y上に光スポットとして集光し、被走査面11Yを光走査する。シアン、マゼンタ、ブラック色の画像用走査光学系による光走査も全く同様である。
図6は、ポリゴンミラー7以後の各色の光路の状態を示す。破線で囲んだ部分が図5の光走査装置部分を示す。ポリゴンミラー7により偏向されたイエロー画像形成用の光束は、f−θレンズ8Yを透過し光路折り曲げ用ミラーmYにより反射され、f−θレンズ10Yを透過して被走査面である感光体上に光スポットを形成する。ポリゴンミラー7により偏向されたシアン画像形成用の光束は、f−θレンズ8Cを透過し光路折り曲げ用ミラーmC1〜mC3に順次反射され、f−θレンズ10Cを透過して被走査面である感光体上に光スポットを形成する。ポリゴンミラー7により偏向されたマゼンタ画像形成用の光束は、f−θレンズ8Mを透過し光路折り曲げ用ミラーmM1〜mM3に順次反射され、f−θレンズ10Mを透過して被走査面である感光体上に光スポットを形成する。ポリゴンミラー7により偏向されたブラック画像形成用の光束は、f−θレンズ8Kを透過し光路折り曲げ用ミラーmKにより反射され、f−θレンズ10Kを透過して被走査面である感光体上に光スポットを形成する。
実施例1では、YCMK色で使用する光源の数(N)は各色とも1つであり、ポリゴンミラー(ポリゴンミラーはYCMK色で共通のものを使用する)の反射面数(M)は6である。
画像処理装置20(図4)において、入力画像データから上記出力用画像データを作成する際に施す画像処理の手順は次の通りである。実施例1は、いわゆるレーザープリンタタイプであるため、入力画像データはパソコンなどからの多値(8ビット)画像であると想定する(デジタル複写機などの場合には、原稿を読み取るスキャナが付加され、このスキャナ部から入力データが送信される)。
入力画像データは、画像処理部内のMTFフィルタ処理部で強調処理され、次いで色分解・階調補正処理部(γ変換)により、RGB色空間からCMYK色空間への色変換や、あらかじめ設定されている階調を実現するための濃度制御がなされる。続いて擬似中間調処理部によりプリンタ特性に合うように擬似中間調処理であるディザ処理(詳細は後述)が施され、出力用画像データとして、画像出力側(レーザ光変調駆動側)へ渡される。MTFフィルタ処理、色補正処理・γ補正処理は従来技術と同様であるので、詳細の説明は省略する。
次に、実施例1の擬似中間調処理である多値ディザ処理について説明する。実施例1は、擬似中間調処理を施した後のデータが4ビット(16値)である4ビットディザである。4ビットディザでは、入力画像である8ビットデータ(各画素が0〜255の256階調で表現される)の各画素を、レベル0〜レベル15の16階調によって表現する出力用画像データに変換する。この変換は、入力画像データの各画素の階調値(256階調)と上記16階調のレベルに予め設定し記憶した(画像処理装置などのメモリやハードディスク内部に記憶)閾値との比較を行うことにより、入力データの各画素がレベル0〜レベル15のいずれのレベルに属するかを決定する。すなわち、4ビットディザマトリクスは、閾値が設定された15枚のマトリクスによって形成される(なお、ディザ法による出力用画像データの算出方法は、例えば特開2000−299783号公報を参照)。実施例1では、ディザ処理で量子化数が4ビット(16値)であるが、それ以外の量子化数でもよい。たとえば、1ビット、2ビット、8ビットなどのほか、3値や5値などでもよい。以下説明する周期構造のトナー像が形成されるディザマトリクスであれば量子化数はいくつでも効果は同じである。
実施例1では、ディザマトリクスの周期構造はライン状の周期構造であり、ラインスクリーンディザとよばれるディザマトリクスである。ディザマトリクスの周期構造を特徴づける数値として、スクリーン角度およびスクリーン線数が用いられる。
図7に示す周期構造ディザマトリクスの場合、スクリーン角度およびスクリーン線数は、図7中の計算式によって一義的に算出される。一般に、2次元の周期構造は、2つの2次元ベクトルによって表され、この2つのベクトルを以後、主ベクトルおよび副ベクトルと呼ぶ。
上記の主ベクトル、副ベクトルを用いて、実施例1の4つのディザマトリクスの組み合わせを示すと表1のようになる。
Figure 0004756597
図1は、表1中の主ベクトルおよび副ベクトルが表すディザマトリクスの周期構造を示す。図1(a)は画像面積率が30%の場合のディザパターン、図1(b)は画像面積率が50%の場合のディザバターンを示す。実施例1では、入力画像データに対してCMYK各色の出力用画像データが表1に示す周期構造となるようなディザ処理を施して、上述したレーザ光学ユニット(光学装置)を介して感光体上に静電潜像を形成し、その後、上述したフルカラー作像装置により紙上に所望のフルカラー画像を形成する。なお、請求項1、5のNo.0をM色に、No.1をC色に、No.2をY色に、No.3をK色に割り当てたものが実施例1の表1である。
実施例2:
実施例2は大部分の構成は実施例1と同じである。実施例1で説明したフルカラー作像装置、レーザ光学ユニット、光学ユニット(光学装置)は実施例1と同様である。画像処理装置についても大部分は実施例1と同様であるが、擬似中間調処理としてのディザ処理において、適用するディザマトリクスが実施例1とは異なるため、ディザ処理を施した出力用画像データの周期構造が実施例1とは異なる。
実施例2のディザ処理を説明する。実施例1と同じように、主ベクトル、副ベクトルを用いて、実施例2でのCMYK色のディザマトリクスの組み合わせを記載すると表2のようになる。
Figure 0004756597
図8は、表2中の主ベクトルおよび副ベクトルが表すディザマトリクスの周期構造を示す。図8(a)は画像面積率が30%の場合のディザパターン、図8(b)は画像面積率が50%の場合のディザバターンを示す。実施例2では、入力画像データに対してYCMK各色の出力用画像データが表2に記載した周期構造となるようなディザ処理を施して、実施例1と同様のレーザ光学ユニット、光学ユニット(光学装置)を介して感光体上に静電潜像を形成し、その後、実施例1と同じフルカラー作像装置により紙上に所望のフルカラー画像を形成する。なお、請求項2、6のNo.0をM色に、No.1をC色に、No.2をK色に、No.3をY色に割り当てたものが実施例2の表2である。
比較実験1:
次に、発明者が実施した比較実験1を説明する。この実験では、上述の表1(実施例1)および表2(実施例2)の周期構造となるディザマトリクスのセットを作成してディザ処理を施し、実際に実験機により画像出力を行い、色モアレの発生状況を目視により評価した。
色モアレ発生状況の目視評価は以下のように行った。あらかじめ5段階(悪い 1→5 良い)の限度見本を作成し、全色再現域から140パッチを選択して作成した評価用画像を出力し、この140パッチ全てに対して下記で説明する1〜5のランク付けを行い、平均値を算出することによって評価した。上記の段階見本を定性的な言葉で表現すると次のようになる。
ランク5:色モアレを知覚することができない
ランク4:注意してよくみるとわずかに色モアレが知覚できる
ランク3:気になるレベルの色モアレが知覚される
ランク2:色モアレが目立つ
ランク1:明らかに異常と感じる色モアレが知覚される
また、画像の出力は擬似中間調処理を変更して画像の出力が可能な実験機(リコー製 Ipsio Color 5100をベースにして改造した実験機)を使用して、画像出力実験を行った。この実験機の主な仕様は次の通りである。
・書き込み解像度:600dpi
・光源数(半導体レーザ数):YCMK各色1つ
・半導体レーザ波長:655nm
・ポリゴンミラー反射面数:6面
・プロセススピード(感光体ドラム周速):125mm/sec
・ポリゴンミラー回転数:約29500rpm
比較実験で画像出力実験を実施したディザマトリクスセット(YCMK色のディザマトリクスの組み合わせ)の周期構造は、実施例1および実施例2で説明した表1および表2の周期構造のほか、比較例として下記の表3〜5で示す周期構造である。なお、比較例1〜3のディザマトリクスも実施例1、実施例2と同じように、擬似中間調処理を施した後のデータが4ビット(16値)である4ビットディザである。
Figure 0004756597
Figure 0004756597
Figure 0004756597
色モアレ発生状況の目視評価の結果を表6に示す。
Figure 0004756597
表6の目視評価の結果から分かるように、表1(実施例1)および表2(実施例2)に示すディザの組み合わせでは、色モアレが発生せず良好な出力画像を得ることができる。一方、表3(比較例1)、表4(比較例2)、表5(比較例3)に示すディザの組み合わせでは、色モアレが知覚されるような組み合わせが生じてしまうため、低画質の出力画像しか得ることができない。
このように、表1(実施例1)および表2(実施例2)に示すディザの組み合わせは、色モアレの発生が良好であり、従来にない新規な組み合わせである。また、画像出力実験の結果からも明らかなように、色モアレの発生が良好な高画質な画像出力が検証された。
比較実験2:
発明者が実施した比較実験2について説明する。比較実験2においても比較実験1と同じ実験機(リコー製 Ipsio Color 5100をベースにして改造した実験機)を使用して、画像出力実験を行った。
比較実験2では、上記実験機のポリゴンスキャナ(ポリゴンミラー)の面倒れ精度という観点で、比較実験を実施した。実験方法は、あらかじめ面倒れ精度が比較的良好であることが判明しているポリゴンスキャナと面倒れ精度が比較的不良であるポリゴンスキャナとを用意して、出力画像に現れる異常画像を目視で評価する方法である。
比較実験2で使用した実験装置は、光源数(半導体レーザ)がYCMK各色それぞれ1つであり、ポリゴンミラーは反射面数が6面のタイプを用いている。このため、上記の面倒れ精度が比較不良のポリゴンスキャナを使用した場合には、副走査方向に6画素周期で書き込み位置の変動が生じるようになる。比較実験2では、この副走査方向の書き込み位置変動とディザの周期構造との干渉によって生じる「面倒れモアレ」を目視で評価している。面倒れモアレの評価は、出力画像として総合チャートであるSCID−N1チャートを用い、画像全体を見て下記のような指標で目視評価した。
○:面倒れモアレが全く気にならない
△:面倒れモアレが発生しているが、それほど目立たない
×:面倒れモアレが発生しており、目立つ
また、比較実験2では、表1(実施例1)および表2(実施例2)に示すディザを用いて画像を出力するとともに、以下に示す比較例4〜5のディザを用いて画像を出力した。なお、表7(比較例4)ディザは唯一YCMK4色ともにドット集中型のディザマトリクスである(表8をはじめそれ以外の本発明で提示しているディザはすべて万線タイプのディザである)。
Figure 0004756597
Figure 0004756597
画像出力実験の結果、ポリゴンスキャナの面倒れ精度に対する、面倒れモアレ発生状況の目視評価結果を表9に示す。
Figure 0004756597
表9の目視評価結果から分かるように、表1(実施例1)および表2(実施例2)に示すディザの組み合わせでは、面倒れ精度が比較的不良な場合でも、面倒れモアレが発生せず良好な出力画像を得ることができる。一方、表7(比較例4)、表8(比較例5)に示すディザの組み合わせでは、ポリゴンスキャナの面倒れ精度が比較的良好な場合には問題はないものの、面倒れ精度が比較的不良の場合には面倒れモアレが知覚されるようになり、画質が低下する。
このように、表1(実施例1)および表2(実施例2)に示すディザの組み合わせは、色モアレの発生が良好であるとともに、面倒れ精度が比較的不良の場合でも面倒れモアレが発生しにくい。つまり、画像出力実験の結果からも明らかなように、色モアレ・面倒れモアレともに良好な高画質な画像出力が検証された。
実施例3:
図9は、実施例3のレーザ光学ユニットの構成を示す。実施例3は、図9に示すように2つのポリゴンスキャナ(7YC、7MK)を使用するタイプの実施例である。
実施例4:
図10は、実施例4のレーザ光学ユニットの構成を示す。実施例4は、図10に示すようにポリゴンスキャナを光学ユニットの端部に配置するタイプの実施例である。
実施例5:
図11は、実施例5の画像形成装置を示す。実施例5は、いわゆるリボルバータイプのフルカラーカラー画像形成装置である。リボルバータイプの画像形成装置は、実施例1の装置とは異なり感光体ドラムが1つであり、1つの感光体ドラムによってYCMK4色の作像を行う。
実施例6:
実施例6は、表1(実施例1)、表2(実施例2)に示すディザマトリクスの組み合わせを、オフセット印刷方式の作像装置(印刷機)におけるYCMK色のディザ処理(網掛け)の組み合わせとして用いた画像形成装置の実施例である。本発明は電子写真方式の画像形成装置を例に、実施例を説明したが、一般的な印刷機(オフセット印刷)などのディザ処理の際に、本発明を適用しても同様の効果(色モアレの発生が良好であり、またレーザスキャンの書き込み位置変動が6画素周期で発生している場合には面倒れモアレも発生しない)が得られる。
実施例7:
本発明では、表1(請求項1)および表2(請求項2)としてディザ周期像のスクリーン線数および角度を規定したが、スクリーン角度については、座標系(角度の正負の向き、角度0位置の定義)の取り方により、いくつかの値で規定することが可能である。しかしながら、本発明の主旨から、このようなスクリーン角度の絶対値にはそれほど大きな意味は無く、むしろ色モアレを発生させないためには4つのディザの相対的なスクリーン角度の関係が重要であることは言うまでもない。したがって、図1や図8で説明しているディザパターンとは異なるディザパターンの場合であっても、座標系の取り方によっては、表1(請求項1)や表2(請求項2)のスクリーン角度と一致しているディザセットも本発明に属する。
実施例8:
実施例1の画像処理装置は、上述したように入力画像に対してディザ処理を行って結果を出力する画像処理装置であるが、他の画像処理をこの画像処理装置に組み込んだものでもよい。つまり、ディザ処理以外の別の擬似中間調処理を使用して、請求項1または請求項2で規定した周期的なトナー像を作成する方法でもよい。このような擬似中間調処理方法としては、例えば、請求項1または請求項2で規定した周期情報をもつ閾値テーブルを、誤差拡散処理における閾値の部分に使用する方法を挙げることができる。
実施例1のディザの周期構造を示す。 実施例1のディザの周期構造を示す。 従来の印刷方式におけるCMYK色のスクリーン角の設定を示す。 従来の印刷方式におけるドットスクリーン周期構造を示す。 実施例1のフルカラー作像装置を示す。 実施例1の光学装置(レーザ光学ユニット)を示す。 実施例1の光学装置(レーザ光学ユニット)の光路状態を示す。 ディザ周期構造と主・副ベクトルおよびスクリーン角度・線数の関係を示す。 実施例2のディザの周期構造を示す。 実施例2のディザの周期構造を示す。 実施例3の光学装置(レーザ光学ユニット)の光路状態を示す。 実施例4の光学装置(レーザ光学ユニット)の光路状態を示す。 実施例5の画像形成装置の構成を示す。
符号の説明
20 画像処理装置
21 ビデオ信号処理部
22 レーザーダイオード
23 レーザー光学ユニット
24 画像形成ユニット
25 帯電器
26 現像器
27 クリーナー
28 転写器(1次転写器)
29 中間転写体
30 レジストローラ
31 2次転写器
32 転写体(紙)
33 定着器

Claims (7)

  1. イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色の色材を用いて、前記4色の色材のトナー像がライン状の周期構造となるように形成し、該トナー像を記録媒体に重ねて記録する画像形成装置であって、前記4色のトナー像のライン状の周期構造は、表1で指定されるスクリーン線数及びスクリーン角度となる周期構造の組み合わせであることを特徴とする画像形成装置。
    Figure 0004756597
    (a0x,a0y,a1x,a1yの4つの値は順番に、主ベクトルのx成分、y成分および副ベクトルのx成分、y成分に対応)
  2. イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色の色材を用いて、前記4色の色材のトナー像がライン状の周期構造となるように形成し、該トナー像を記録媒体に重ねて記録する画像形成装置であって、前記4色のトナー像のライン状の周期構造は、表2で指定されるスクリーン線数及びスクリーン角度となる周期構造の組み合わせであることを特徴とする画像形成装置。
    Figure 0004756597
    (a0x,a0y,a1x,a1yの4つの値は順番に、主ベクトルのx成分、y成分および副ベクトルのx成分、y成分に対応)
  3. 前記トナー像の記録媒体への記録方法は、電子写真方式の記録方法であることを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
  4. さらに、光源からの光束をポリゴンミラーに反射させることで、潜像担持体上を走査して静電潜像を形成する光書込装置を有し、前記光書込装置の副走査方向の解像度が600dpiであり、かつ1色分のトナー像を形成するために用いる前記光源の数(N)とポリゴンミラーの反射面数(M)との積が、N×M=6を満たすことを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装置。
  5. イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色の色材を用いて、前記4色の色材のトナー像がライン状の周期構造となるように形成し、該トナー像を記録媒体に重ねて記録する画像形成方法であって、前記4色のトナー像のライン状の周期構造は、表3で指定されるスクリーン線数及びスクリーン角度となる周期構造の組み合わせであることを特徴とする画像形成方法。
    Figure 0004756597
    (a0x,a0y,a1x,a1yの4つの値は順番に、主ベクトルのx成分、y成分および副ベクトルのx成分、y成分に対応)
  6. イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色の色材を用いて、前記4色の色材のトナー像がライン状の周期構造となるように形成し、該トナー像を記録媒体に重ねて記録する画像形成方法であって、前記4色のトナー像のライン状の周期構造は、表4で指定されるスクリーン線数及びスクリーン角度となる周期構造の組み合わせであることを特徴とする画像形成方法。
    Figure 0004756597
    (a0x,a0y,a1x,a1yの4つの値は順番に、主ベクトルのx成分、y成分および副ベクトルのx成分、y成分に対応)
  7. 前記トナー像の記録媒体への記録方法は、電子写真方式の記録方法であることを特徴とする請求項5または6記載の画像形成方法。
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