JP4582792B2 - 画像処理装置、方法、プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

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本発明は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、濃ブラック(K)、淡ブラック(L)の5色の色分解と擬似中間調処理を行う画像処理装置を具備したマルチカラー画像形成装置に関し、オフセット印刷をはじめとする、電子写真以外の方式でカラー画像を形成する画像形成装置に好適な技術に関する。
従来、同一色相について1種類のトナー(印刷などの場合はインク)を用いて画像を形成する画像形成装置(従来のCMYK4色のトナーを用いる画像形成装置は、CMYK4色の色相がすべて異なっているため、同一色相について1種類のトナーを用いる画像形成装置と考える)では、ベタ画像の濃度を確保することが重視され、ベタ画像の濃度を確保する量の色材成分(顔料)がトナー中に含有されている。
一方、電子写真方式をはじめとする紙上に画像を形成するハードコピー機器においては、中間的な濃度やハイライト画像を再現するために、面積階調の手法が用いられる。面積階調とは、画像を形成する画素の濃度自体を変化させる濃度階調の対極にある方法であり、トナーの付着領域の割合を小さくすることによってハイライト画像や中濃度の画像を再現する。この面積階調では、トナー付着領域の大きさ(いわゆる網点の大きさ)を視覚的にドットとして認識できない程度に小さくすることで、ハイライト画像から中間的濃度そして高濃度までの領域を、滑らかに再現することを可能としている(トナー付着領域の大きさが視覚的にドットとして知覚されない程度の大きさであるため、画像を見た人がトナー付着領域の面積の大小を意識するようなことはない)。
しかしながら、上述したベタ画像の濃度を確保できる色材成分が十分に含まれているトナー(以下、このようなトナーを濃トナーと略す)を用いて、上記の面積階調の手法によりハイライト画像〜中濃度画像の再現した場合には、つぎのような問題が発生する。
濃トナーを使用した場合には、ハイライト画像では、ごく少量のトナーを各網点に対してほぼ等量に配置することが要求される。しかし、ごく少量のトナーを精度よくコントロールして、各網点に対してすべて同じ量を配置することは難しく、各網点に配置されるトナー量にばらつきが生じる。これにより、各網点の濃度が不均一な状態となり、ハイライト〜中濃度画像において粒状性が悪化してしまう(粒状性を良好にできない)。粒状性とは、本来は均一であるはずの画像がどの程度ざらついているかを表す指標であり、粒状性の悪化した画像は「ざらざら」とした印象を見る人に与えるため、低画質の画像として認識される。
したがって、上記のような濃トナーを使用して画像を形成し、粒状性が重視されるような画像(たとえば自然画)を出力した場合には、上記した理由により粒状性を向上させることができない。
特に電子写真方式と呼ばれる、感光体ドラム上にレーザービームによって静電潜像を形成し、静電潜像にトナーを付着させて現像を行う画像形成方法では、現像および転写と呼ばれる工程において、少量のトナーを精度よく制御して紙などの転写体上に均一に配置することが難しく、このため、電子写真方式の画像形成方法においても粒状性を向上させることができない。
そこで、上記した問題を解決する従来技術として特許文献1がある。特許文献1では、濃トナーのほかに、濃トナーとほぼ同一の色相を有し、着色力が濃トナーほど大きくはないトナー(以下、淡トナー)を付加して、画像を形成している。
濃トナーと淡トナーとを組み合わせることによって、ハイライト〜中濃度部の領域においては、主に淡トナーを用いることで粒状性を向上させることができる。その理由は、淡トナーを使用してハイライト画像での網点部分を形成した場合には、濃トナーを使用してハイライト〜中濃度部を再現した場合と比較して、より多くのトナーが付着するためである(同一の画像濃度を得るために使用されるトナー量は、濃トナーを使用する場合よりも淡トナーを使用する場合の方が多くなるためである)。そして、淡トナーの使用により、各網点に付着するトナー量が多くなり、各網点に付着するトナー量が少しばらついた場合でも、濃度が大きく変化せず、その結果、粒状性の優れた画像を出力することができる。
本発明は、出力画像の粒状性の向上に寄与する淡ブラックトナー(L)を付加することによって、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、濃ブラック(K)、淡ブラック(L)の5色のトナーを使用するマルチカラー画像形成装置を想定した画像処理装置に関する。
ところで、画像形成装置に入力される画像データは、写真などの階調画像では1ピクセルあたり8〜12ビットの多値データを持つ。これに対して、紙上に画像(いわゆるハードコピー)を形成するような、画像形成装置(電子写真方式を含む)では、1ピクセルあたりで表現が可能な階調数は実質的には非常に少ない。このような問題を解決するために、ハードコピー機器では、解像度を600dpi、1200dpiなどと向上させ、複数の画素を使用して画像濃度を面積的に変調して、擬似的に中間調の画像を表示する。この入力画像データを、擬似的な中間調画像に変換する工程で施される画像処理が、擬似中間調処理である。本発明は、上記擬似中間調処理としてディザ法を使用した場合に問題となる「色モアレ」に関連するため、以下、その概要を説明する。
ディザ法による多値画像データの量子化処理の詳細は、非特許文献1などで解説されているため、ここでの説明は省略する。ディザ処理を行った画像では、周期的な構造をもつ画像構造となる。また、カラー画像では、複数のトナー像を重ね合わせることによって画像形成を行う(一般的には、C:シアン、M:マゼンタ、Y:イエロー、K:ブラックの4色を重ね合わせることによってフルカラー画像の形成を行う)。また、この4色の画像データに対しては、それぞれ異なるディザ処理が施され、トナー像が異なる周期構造となる。以前には、この4色の画像に対して同一の周期構造となるようなディザ処理を施す場合も存在したが、この場合には色重ね位置の変動により色変動が発生しやすいという問題があるため、現在ではあまり使用されていない。現在主流となっている方法は、この問題を回避できる方法であり、4色の画像データに対してすべて異なる周期構造とする方法(スクリーン角度やスクリーン線数をずらす方法)である(この方法は、印刷の分野では以前から広く利用されており、それを踏襲する形で電子写真をはじめとする印刷以外のハードコピー分野においても利用されている)。
このような異なる周期構造を持つトナー像を重ね合わせる方法では、ちょうど波の重ね合せと同じような現象が発生し、うなり(ビート)と呼ばれる干渉模様が観察される場合がある。この干渉模様は色モアレとよばれ、低周波領域(うなりの周波数が低い)で発生して視覚的に認識される場合には、使用者に違和感を与え、画質低下の要因となる。通常は、4色の画像を重ね合わせた時に発生するこの色モアレが、なるべく視覚的に目立たない(モアレの周波数が高い)組み合わせを選択して、4色のディザ処理で使用するディザマトリクスを決定している。しかしながら、すべての色に対してこの色モアレのバランスをとる確立された手法がないため、経験的に良いとされている組み合わせが広く利用されている。
現在広く用いられている4色のディザマトリクスの組み合わせとしては、産業用の印刷装置で広く普及しているC、M、Y、Kの4色を図2、図3のように配置する方法がある。この方法では、Y色を0度、C色を15度、K色を45度、M色を75度のスクリーン角度となるように設定する(スクリーン線数には、制約はないが、CMYK色ともほぼ同一で175lpi程度のものが用いられている)。
このスクリーン角度を厳密に実現するためには2400dpi以上の解像度が必要となるため、解像度がそれ以下である場合には、このスクリーン角度に近い実現可能なスクリーン角度が選択されている(図3は、解像度2400dpiで上述のスクリーン配置を形成した場合に相当している)。また、この配置方法では、周期構造は正方形状であり網点形状はドット状であるため、各色のスクリーン角度に対して90度ずらした角度にも等価な方向軸が存在する。この組み合わせでは、Y色とCM色との間に発生する色モアレが目立ちにくいことを利用して、Y色とCM色とのスクリーン角度の差を15度に設定している(印刷分野では、Y色と他のCMK色との間で発生する色モアレは小さいと言われている)。なお、色モアレを解消する従来技術としては、特許文献2などがある。
本発明は、5色のトナーを使用するマルチカラー画像形成装置を想定しているが、上述したように淡ブラック(L)トナーを含む5色のトナー像によって画像を形成する場合には、粒状性が向上するものの、組み合わせるトナー像が4色の場合に比べて増加する。従って、マルチカラー画像形成装置における各色のスクリーン角度は、所定の角度範囲(ドットスクリーンの場合は90度、ラインスクリーンの場合は180度)を、使用する色数で分配して設定するため、5色で画像を形成する場合には4色の場合に比べて、各色間のスクリーン角度差が小さくなってしまう。各色間のスクリーン角度差が小さくなることは、空間周波数の小さい(周期が大きく視覚的に目立ちやすい)色モアレが発生することを意味する。
つまり、本発明のように5色のトナー像によって画像を形成する場合、トナー像が4色(従来の画像形成装置)に比べて、一般的には色モアレが発生しやすい。
また、淡インク(淡ブラックのほか、淡シアン、淡マゼンタなど)を使用するインクジェットプリンタが商品化されているが、インクジェットプリンタの擬似中間調処理法としてはディザ法を用いずに、誤差拡散法によって画像を表現している。誤差拡散法はFM変調による擬似中間調処理であり、周期的な成分を持っていないので複数色の重ね合わせによる色モアレは原理的に発生しない。よって、インクジェットプリンタは色モアレの心配がない。
電子写真方式においても、インクジェットプリンタと同様に誤差拡散法のような周期性を持たない擬似中間調処理法を用いれば色モアレの発生を回避可能である。しかし、電子写真方式では孤立1ドットの再現性・安定性が乏しいので、誤差拡散法を用いると、粒状性が悪化し、あるいは筋ムラが目立ち、むしろ逆に画質が低下することもある。ディザ法による擬似中間調処理法はドットの安定性に乏しい電子写真方式に適した方法であるので、ディザ法を用いて、5色のトナー像によって画像を形成する場合に、色モアレを発生させない処理を実現することが必要となる。
特許第2660004号公報 特開2002−112047号公報 電子写真学会誌 第24巻 第1号(1985)p.51〜p.59
上記したように5色のトナーを使用して画像を形成することで、粒状性の優れた画像を出力することができる。この粒状性の観点から、通常の使用条件では5色のトナーを使用して画像を形成する(プリントする)が、5色のトナーを使用する画像形成装置でも、以下の理由から、4色(CMYK)のみを使用して画像を形成する必要がある。
すなわち、入力データがいわゆるPostscript形式などの場合は、入力データがCMYKデータであるため、これをCMYKLの5色に色分解すると墨生成を変更しまう。このため、このような操作を行なうと利用者の意図していない出力画像になる可能性が高い。したがって、入力データがCMYKデータの場合には、CMYKの4色のみを使用して画像を形成する出力モードが必要となる。
また、いわゆる校正刷り(プルーフ)が画像出力の目的である場合も、4色のみで画像を形成する必要がある。校正刷りとは、オフセット印刷などで大量印刷を行なう前に、色やモアレの確認のために行う画像出力のことである。オフセット印刷は通常CMYKの4色で印刷されるため、この校正刷りも同じ色数であるCMYK4色で画像を形成することが要求される(確認作業を行なうことが目的であるため、オフセット印刷にできるだけ近い形で校正刷りも行なう必要がある)。
この他の用途、例えば、Lトナー切れが発生しても画像出力を続けるモードでは、5色の画像形成装置でも4色のみを使用して画像を形成する必要がある。
しかしながら、1つのマルチカラー画像形成装置が、5色および4色の両方に対応して画像を形成する場合には、次のような問題が発生する。
上述したように、多色(4色または5色)のトナーを使用するマルチカラー画像形成装置では、トナー像の重ね合わせ時に発生する色モアレが問題となる。このため、従来、5色のトナー像を用いて画像を形成する場合に使用するディザセット(ディザセットとは、4色分もしくは5色分のディザマトリクスの組み合わせであり、ここではCMYKL色のディザマトリクスの組み合わせを意味する)は、5色の画像形成時に色モアレが目立ちにくくなるように組み合わせたものが使用される。その一方で4色のトナー像を用いて画像を形成する場合に使用するディザセットは、4色の画像形成時に色モアレが目立ちにくくなるように組み合わせたものが使用される。つまり、5色用のディザセットと4色用のディザセットは、互いに全く無関係であって、それぞれが色モアレが良好になるようにディザマトリクスを組み合わせているため、ディザセットを構成する各色のディザマトリクスの仕様(スクリーン線数およびスクリーン角度)は、両ディザセット間で共通ではない。
その理由は次のように考えると理解しやすい。4色用のディザセットに1色分を加えて5色用のディザセットとしても、スクリーン角度差が小さくなる組み合わせが必ず発生してしまう。このため、スクリーン角度差が小さい組み合わせでは、色モアレが極端に悪化し、5色用のディザセットとしては効果的な組み合わせにはならない。つまり、5色用のディザセットと4色用のディザセットは、それぞれ異なるディザマトリクスの組み合わせとなっている。
これは、5色出力モードと4色出力モードの2つの出力モードを有するマルチカラー画像形成装置においては、5色用に5つのディザマトリクスを保持し、4色用に4つのディザマトリクスを保持していることを意味している。つまり、合計9つのディザマトリクスをメモリ上に保持することが必要になる。その結果、マルチカラー画像形成装置におけるディザマトリクス保持用のメモリが増大し、装置全体のコストが増大してしまう。さらに、開発を必要とするディザマトリクス数も増えるため、開発コストが増大してしまう。
本発明は上記した問題点に鑑みてなされたもので、
本発明の目的は、5色のトナー像を重ね合わせて画像を形成する5色モードと、4色のトナー像を重ね合わせて画像を形成する4色モードとを有する5色画像形成装置において、画像形成装置に記憶するディザマトリクス数を少なくした画像形成装置を提供することにある。
発明者の行った実験では、使用するトナーの製造方法・形状によって、上述した色モアレの発生の度合いに相違があることが明らかになった。また、粉砕法によって作製したトナーに比べて、重合法によって作製したトナーの方が、色モアレが悪化することも明らかになった。
重合法によるトナーの作製は、粉砕法に比べて、画質に大きく影響を及ぼすトナーの体積粒径を小さくすることが容易であること、また、トナー作製時におけるエネルギー消費量が少ないといった利点がある。このため、高画質・省エネルギーの点から最近では多く用いられている。しかしながら、発明者の行った実験では、重合法によるトナーは、粉砕法によるトナーに比べて色モアレが悪化することが明らかになった。
重合法によって製造されたトナーを使用した場合に、上記のように色モアレの程度が悪化するという現象の発生原因は明らかでないが、重合法によって製造されたトナーの形状が球形である点が、粉砕法によって製造されたトナーとの最大の相違点である。また、形状が球形であるトナーでは、転写時において転写体上にすでに載っている別色のトナーの影響を受け、後から転写されるもう1色のトナー像の配置が変化してしまうことが推測され、これにより、形状が球形であるトナーを使用した場合には、上述した色モアレが悪化するものと考えられる。
本発明の構成によって色モアレの発生を防止できるが、使用するトナー粒径が大きいと、粒状性(画像がどれだけざらついているかを表す、画質決定の一要因)が悪化し、本発明が狙いとしている色モアレの改善効果が十分得られない(粒状性の悪化により、色モアレの改善がノイズ中に埋もれてしまう)。
本発明の他の目的は、色モアレの発生を防止し、高画質の画像出力が可能なマルチカラー画像形成装置を提供することにある。
本発明は、画像データを、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、濃ブラック(K)、淡ブラック(L)の5色からなる画像データへ変換する色分解処理装置と、5色からなる画像データを擬似中間調データへ変換する擬似中間調処理装置を有し、前記擬似中間調データに基づいて前記5色のトナー像を紙上に重ねて記録する画像処理装置において、前記5色を使用して記録する第1の記録モードと、C、M、Y、Kの4色を使用して記録する第2の記録モードとを有し、前記第1、第2の記録モードにおけるC、M、Yの3色に対して、表1に示すドット状の周期構造(a0x,a0y,a1x,a1yの4つの値は順番に、主ベクトルのx成分、y成分および副ベクトルのx成分、y成分に対応)を持つドットスクリーンの擬似中間調処理を施し、前記第1の記録モードにおけるKとLに対して、表1に示すライン状の周期構造を持つラインスクリーンの擬似中間調処理を施し、前記第2の記録モードにおけるKに対して、表1に示すドット状の周期構造を持つドットスクリーンの擬似中間調処理を施すことを最も主要な特徴とする。
本発明は、CMYKL5色のトナーを用いることにより画像を形成するマルチカラー画像形成装置において、特にハイライト部の粒状性(画像のざらつき)を向上させることができ、また、自然画やグラフィックス画像において高画質の出力画像を得ることができる。CMYKL5色のトナー像を紙上に重ね合わせて画像を形成する画像形成装置において、前述したように、L色トナーを使用せずに、CMYK4色で画像を形成するケースがある。この場合、5色の画像形成時に使用する5色用ディザセットと、4色の画像形成時に使用する4色用ディザセットとの両方が必要である。また、4色用のディザセットと5色のディザセットとでは、それぞれ色モアレが最適に(色モアレが視覚的に目立ちにくい)なるようにディザマトリクスを組み合わせているため、4色用と5色用のそれぞれのディザセットを構成するディザマトリクスには関連がなく、異なるディザマトリクス仕様となっている。その結果、5色用出力モードと4色用出力モードの2つの出力モードを有するマルチカラー画像形成装置では、5色用に5つのディザマトリクスを保持し、4色用に4つのディザマトリクスを保持するため、合計9色のディザマトリクスを画像形成装置内のメモリ上に保持することになり、マルチカラー画像形成装置のコストが増大してしまう。
本発明では、CMY3色については、5色用ディザセット(第1の記録モードで使用するディザセット)と4色用ディザセット(第2の記録モードで使用するディザセット)の両方が、ドット状の周期構造をもつドットスクリーン処理であって同一のディザマトリクスを共通で使用する。KL色については、5色用ディザセットのKL色は、共にライン状の周期構造をもつラインスクリーン処理となるディザマトリクスによって構成し、4色用ディザセットのK色は、ドット状の周期構造をもつドットスクリーン処理となるディザマトリクスで構成する。
これにより、5色用のディザセットと4色用のディザセットにおいて、CMY3色のディザマトリクスを共通に使用することができる。つまり、従来、合計9色分のディザマトリクスが必要であるが、本発明では、6色分のディザマトリクスで構成され、マルチカラー画像形成装置のメモリ量が大幅に削減され、コストが低減される。
本発明は、淡ブラックトナーの使用によりハイライトから中濃度領域における良好な粒状性を実現し、さらに、色モアレ発生の防止とメモリコストとのバランスに優れたマルチカラー画像形成装置が実現できる。
本発明では、重合法によって作製したトナーを使用する。重合法によって作製したトナーは、粉砕法によって作製したトナーに比較して、体積平均粒径の小さい(〜5μm程度)トナーの作製が容易である。体積平均粒径の小さいトナーを用いて画像を出力することによって、粒状性に優れた画像が得られる。粒状性は、画像のざらつきを表す指標であり、粒状性に優れた画像ではノイズが少なく、均一感にすぐれた高画質な画像となる。また、重合法は、粉砕法に比較して、トナー作製時に必要となるエネルギーを削減することが可能である。ところが、重合法によって作製されたトナーを用いて画像を形成する画像形成装置においては、発明者の行った実験では、粉砕法によって作製されたトナーに比べて、色モアレの発生が目立ちやすく、高画質の画像出力の妨げとなっていた。重合法によって作製されたトナーを用いた場合に色モアレが悪化する理由は明らかではないが、重合法によって作成したトナーの形状が比較的球形に近いことから、色重ね時にトナー像に散ってしまい、トナー像が乱れることにより(トナー形状が球形であるため、転写体上のトナー像であっても、粉砕トナーに比べて動きやすい)、色モアレが悪化するものと推測される。本発明では、重合法によって作製したトナーを用いることによる高画質化(粒状性向上)・省エネルギー化と、トナー像の重ね合わせ時の色モアレの防止とを両立させる。
以下、発明の実施の形態について図面により詳細に説明する。
実施例1:
図4は、実施例1のマルチカラー画像形成装置の構成を示す。実施例1の画像形成装置は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、濃ブラック(K)、淡ブラック(L)の5色の色成分画像を記録シート上で重ね合わせてカラー画像を形成する画像形成装置である。実施例1では、CMYKLの各色成分に対応して、5つの画像形成ユニット24が図4のように配置されている。各画像形成ユニット24で形成された各色成分トナー像は、5つの画像形成ユニットに当接して配置されているベルト状の中間転写体(中間転写ベルト)29へ順次転写される。中間転写体29は、図示しない駆動手段によって所定のタイミングで回転しているため、中間転写体29上において、各色成分トナー像が所定の位置で重ね合わされる。中間転写体上で重ね合された各色成分トナー像は、一括して、記録シート32上へ転写され、記録シート上の画像となる。
実施例1では、上記のCMYKLの5色の各色画像形成ユニット24は共通の構成であるので、その1組を説明する。画像形成ユニット24は、感光体ドラムと、この感光体ドラムを所望の電位に帯電する帯電器25、所望の電位に帯電された感光体ドラムに出力用画像データ(後述する擬似中間調処理を施した画像データ)に対応して書きこみを行うレーザー光学ユニット23、レーザー光学ユニット23による書き込みによって感光体ドラム上に形成された静電潜像を各色成分に対応するトナーによって現像する現像器26、現像器26によって感光体上に現像されたトナー像を上記の中間転写体29上へ転写する転写器(1次転写器)28、中間転写体へ転写されずに感光体上に残った未転写トナーをクリーニングするクリーナー27から構成される。
紙などの記録シート32は図示しない記録シートバンクから搬送手段によって搬送された後に、レジストローラ30で所定のタイミングを取り、2次転写器31へ搬送される。2次転写器31では、上述した中間転写体上のトナー像(5色分のトナー像)が記録シート32上の所望の位置に転写される。トナー像が転写された記録シート32は、定着器33において加熱・加圧され、機外へ排出される。以上の動作順により、紙などの記録シート上に画像データに応じたマルチカラー画像が形成される。以上説明した動作順により、紙などの記録シート上に、画像データに応じたマルチカラー画像を形成することができる。
つぎに、後述する画像処理装置9によって作成された出力用画像データに対応して動作するレーザー光学ユニット23の動作を説明する(図4を参照)。ビデオ信号処理部21では、後述する画像処理装置2によって作成される出力画像用データ(画像処理の結果)を受け取り、発光点(LD:レーザーダイオード)22の個数分のデータをラインメモリ上に記憶し、ポリゴンミラーの回転に同期した信号(いわゆる同期信号)に合せて、各画素に対応する上記ラインメモリ状のデータを所定のタイミング(画素クロック)で、PWM制御部へ渡す(なお、実施例1では、発光点の数は、各色ともに2つである)。
PWM制御部では、このデータがパルス幅変調(PWM)信号へ変換され、LDドライバへ渡される。LDドライバでは、このパルス幅変調信号に対応して所定の光量でLD素子(LDアレイ)を光変調駆動する。実施例1では、各色成分の出力用画像データに対応して、パルス幅変調(PWM)制御を行い、レーザーの光変調駆動を行う。
LDからの発光は、コリーメートレンズにおいて平行光を形成し、アパーチャーにより所望のビーム径に対応する光束に切り取られる。アパーチャー通過後の光束はシリンドリカルレンズを通過し、ポリゴンミラーへ入射される。ポリゴンミラーで反射された光束は、走査レンズ(f−θレンズ)によって集光されて、折り返しミラーで折り返した後に、上述の感光体位置上で結像する。
次に、入力画像データを加工し、出力用画像データを作成する画像処理装置9を説明する。図1は、実施例1の画像処理装置の構成を示す。実施例1の画像形成装置は、CMYKL5色を使用して画像を出力する5色出力モード(第1の記録モード)とCMYK4色を使用して画像を出力する4色出力モード(第2の記録モード)の、2つ出力モードをもつ画像形成装置である。また、実施例1の画像形成装置の画像処理装置においても、上記2つの記録モードに対応した2つの画像処理モードを有している。しかしながら、5色出力モード用の画像処理と4色出力用の画像処理は、多くの部分で一致しているので、まず、5色出力モードの画像処理を説明し、4色出力モード用の画像処理については、5色出力モードと異なる動作部分を説明する。
図1において、実施例1では、入力画像データ2の他に、5色/4色指定信号(s信号)1を入力する。5色/4色指定信号1とは、画像出力をCMYKL5色のトナー像で行うか、CMYK4色のトナー像で行うかを指定する信号であり、この信号の値に応じて適用する画像処理を切り換える。5色/4色指定信号1は、使用者が選択するような形態(例えばパソコン上でプリントを指示するときに、プリンタドライバのメニューとして選択可能な画面を用意するといった形態)でも良いし、別の形態(例えば、実施例4)でもよい。ここでは、5色/4色指定信号1が使用者によって5色出力にセットされているとして以下、説明する。
図1において、入力画像データ2であるデジタル画像信号はRGB各色8ビットのカラー画像信号またはCMYK各色8ビットのカラー画像信号であるが、ここでは入画像データがRGB各色8ビットのカラー画像信号であるとして説明する。
入力画像データ2(RGBデータ)は、画像処理装置9の色補正手段4によってカラー画像信号CMYに変換される。色補正手段4では、以下のようなマスキング演算を行う。
C=α11×R+α12×G+α13×B+β1
M=α21×R+α22×G+α23×B+β2
Y=α31×R+α32×G+α33×B+β3 式(1)
但し、α11〜α33およびβ1〜β3は予め定められた色補正係数で、出力されるCMYも8ビット(0〜255)の信号とする。
色補正後のCMY信号は、BG/UCR手段5によって、墨成分であるK、L信号が生成されると共にCMY信号から下色除去(UCR)が行われる。図5は、BG/UCR手段5の構成を示す。CMY信号はBG手段51に入力されK信号を生成する。K信号の生成は式(2)によって求められる。
K=Min(C,M,Y)×β4 式(2)
但し、Min(C,M,Y)は、CMY信号のうち最小のものであり、β4はあらかじめ定められた係数である。
さらに、UCR(下色除去)手段52では、C,M,Y信号と、墨生成手段51で生成したK信号に基づいて、墨成分を差し引いたC’,M’,Y’信号を以下の式(3)によって求める。
C’=C−K/β5
M’=M−K/β5
Y’=Y−K/β5 式(3)
但し、β5はあらかじめ定められた係数である。
実施例1では、上述したようにマスキング演算およびBG/UCRによって、CMYKへ変換(上述のC’,M’,Y’,K信号へ変換)する色補正方法を使用しているが、いわゆるDLUT(Direct Look up Table)方式の色補正方法でもよい。
上述の方法で生成された、C’,M’,Y’,K信号のK信号についてはさらに、K’・L分版手段53によって、K’信号とL信号とに分解される。分解テーブルは、図6に示すように、Kの値が0〜128ではLのみが徐々に増加し、128でLは飽和し、K’の増加とともにLを減少させる。Kの値が128以上では、K’が徐々に増加し、K=255では、L=128,K’=255を出力する。このような分版テーブルを用いることによって、K信号を、L信号とK’信号に分解するように構成している。
実施例1では、K’・Lの分版テーブルとして、図6のようなテーブルを使用しているが、本発明はこれに限定されず、図7に示すようなK’・L分版テーブルでもよいし、また図6、図7以外の分版テーブルでもよい。
CMYKL5色のデータに変換された画像データに対して、さらに、プリンタγ補正6および擬似中間調処理であるディザ処理7が施される。プリンタγ補正手段6では、1次元のLUT(ルックアップテーブル)による変換をCMYKLの各色について行い、出力後のトーンカーブ(階調特性)を狙いのものと一致させる。ディザ処理手段7では、8ビットのCMYKLデータに対して、面積階調に適した画像データへ変換する。
5色/4色指定信号(s信号)1が5色/4色パラメータ設定手段8へ入力されると、s信号に応じたパラメータが、プリンタγ補正手段6およびディザ処理手段7へセットされる。5色/4色パラメータ設定手段8は、図8に示すように、あらかじめ記憶されている2通りのパラメータセット(セット1,2)から、s信号に応じてパラメータを設定手段81にセットする。パラメータは、KL色用のディザマトリクスおよびそれに対応するプリンタγテーブルである。ディザマトリクスは、擬似中間調処理装置であるディザ処理手段7がKL色信号に施すディザ処理で使用され、プリンタγテーブルは、1次元のLUT(ルックアップテーブル)である。
5色/4色パラメータ設定手段8は、5色出力モードのKL色にそれぞれdit1,dit2ディザマトリクスを使用した場合に適するLUT(gam1,gam2)と、4色出力モードのK色にdit3ディザマトリクスを使用した場合に適するLUT(gam3)とをあらかじめ用意しておき、s信号に応じて、使用するディザマトリクスと組み合わせて切り換える。これは、周知のように、ディザ処理(ディザマトリクス)とプリンタγテーブルとをセットで用いる必要があるためである。
実施例1では、KL色以外のCMYの3色については、プリンタγテーブル6およびディザ処理7の切り換え動作は行わない。つまり、あらかじめ3色(CMY)それぞれに記憶されているプリンタγテーブルおよびディザマトリクスを使用して、プリンタγ補正および擬似中間調処理であるディザ処理を実施する。処理後の画像データは、出力用画像データ10として、上述のレーザー光学ユニット23を介して、マルチカラー画像形成装置で、記録シート上のハードコピー画像となって出力される。
以上、5色で出力する場合を説明したが、4色出力モードの場合は、図1の色分解処理装置において、K色データをK’色とL色データに分解する工程を省略することにより4色(CMYK色)データを得ることができ、このデータを使用することで4色の出力が可能となる。また、入力データとしてCMYKのカラー画像データが入力される場合には、図1に示すように、色分解処理装置の後段に、CMYKデータ3を直接、入力すればよい。
つぎに、実施例1で使用するディザ処理(ディザマトリクス)について説明する。実施例1では、ディザ処理後の画像は、5色出力モード、4色出力モードの何れのモードでも、CMY3色についてはドット状の周期構造をもつドットスクリーンを適用する。一方、5色出力モードの場合は、KL色に対してはライン状の周期構造をもつラインスクリーン処理を適用し、4色出力モードの場合は、K色に対してもドットスクリーン処理を適用する。
ディザマトリクスの周期構造を特徴づける数値として、スクリーン角度およびスクリーン線数が用いられる。図9は、周期構造がドット状のディザマトリクスを示すが、このような周期構造ディザマトリクスの場合、スクリーン角度およびスクリーン線数は、図9中の計算式によって一義的に算出される。一般に、2次元の周期構造は、2つの2次元ベクトルによって表され、この2つのベクトルを以後、主ベクトルおよび副ベクトルと呼ぶ。また、図10は、周期構造がライン状のディザマトリクスを示すが、このような周期構造のディザマトリクスにおいても、スクリーン角度およびスクリーン線数は、図10中の計算式によって一義的に算出される。
上記の主ベクトル、副ベクトルを用いて、実施例1のディザマトリクス(YCMKLの5色)の組み合わせを示すと表1のようになる。
Figure 0004582792
表1中のa0x,a0y,a1x,a1yの4つの整数は、それぞれ、図9または図10における主ベクトルのx成分、主ベクトルのy成分、副ベクトルのx成分、副ベクトルのy成分に対応している。実施例1では、解像度が600dpiであるので、表1に記載した周期構造を実現することで、表1に記載したスクリーン線数になることは簡単に理解できる。表1から明らかなように、実施例1では、5色モードと4色モードでCMY色に適用するディザマトリクスを共通にし、5色モードでKL色に適用するディザマトリクスはラインスクリーン、4色モードでK色に適用するディザマトリクスはドットスクリーンとなるように設定してある。
図11および図12は、表1のディザマトリクスの実際のパターンを示す。図11は、5色出力モードで適用するディザマトリクスを示し、図12は、4色出力モードで適用するディザマトリクスを示す。CMY3色については、すでに説明したように、図11と図12は同じディザマトリクスを適用している。
以上、説明した実施例1の構成の画像処理装置により作成した画像データについて、画像出力用改造実験機(リコー製 IPSIO CX6600をベースに、5色出力および実施例1のディザ設定を実現可能な状態に改造した実験機)を用いて、画像を出力して評価した。出力画像の評価は、(1)色モアレ評価用のパッチ画像(全色域から抽出した140パッチ)、(2)総合チャートとしてSCID−N1チャートを、上記の試作実験機から出力して目視で評価した。上記の評価の結果、実施例1の構成の画像処理装置で生成した画像データでは、5色出力および4色出力ともに、色モアレが良好な出力画像を得ることができた。
表1に示すディザマトリクスの組み合わせは、本発明を限定するものではなく、表1以外のものを用いてもよい(この他の組み合わせの例示は、実施例2以降に示す)。
また、実施例1では、ディザ処理後のデータが4ビット(16値)のいわゆる4ビットディザである。4ビットディザでは、入力画像である8ビットデータ(各画素が0〜255の256階調で表現される)の各画素を、レベル0〜レベル15の16階調によって表現する出力用画像データに変換する。この変換は、入力画像データの各画素の階調値(256階調)と上記16階調のレベルにあらかじめ設定された閾値との比較を行うことにより、入力データの各画素がレベル0〜レベル15のいずれのレベルに属するかを決定する。すなわち、4ビットディザマトリクスは、閾値が設定された15枚のマトリクスによって構成される(なお、ディザ法による出力用画像データの算出方法は、特開2000−299783号公報を参照)。
実施例1ではディザ処理での量子化数は4ビット(16値)であるが、それ以外の量子化数でよい。たとえば、1ビット、2ビット、8ビットなどのほか、3値や5値などでもよいし、ディザマトリクスの量子化数はいくつでも効果は同じである。
実施例2:
実施例2は、実施例1とは異なるディザセットの実施例である。上記の主ベクトル、副ベクトルを用いて、実施例2のディザマトリクス(YCMKLの5色)の組み合わせを示すと、表2のようになる。
Figure 0004582792
図13および図14は、表2に示すディザマトリクスの実際のパターンを示す。図13は、5色出力モードで適用するディザマトリクスを示し、図14は、4色出力モードで適用するディザマトリクスを示す。実施例2のディザセットについても実施例1と同様に画像を出力して評価したところ、5色出力および4色出力ともに、色モアレが良好な出力画像を得ることができた。
実施例3:
実施例3は、実施例1とは異なるディザセットの実施例である。上記の主ベクトル、副ベクトルを用いて、実施例3のディザマトリクス(YCMKLの5色)の組み合わせを示すと、表3のようになる。
Figure 0004582792
実施例3のディザセットについても実施例1と同様に画像を出力して評価したところ、5色出力および4色出力ともに、色モアレが良好な出力画像を得ることができた。
実施例4:
実施例4の大部分の構成は、実施例1と同じである。実施例4と実施例1との相違点は、5色/4色指定信号を、入力画像データから判別して生成している点である。
図15は、実施例4の画像処理装置を示す。実施例4では、5色/4色出力判定手段11を設ける。5色/4色出力判定手段11には入力画像データ2、3が入力され、入力画像データ2、3を判定(例えば、入力画像データのヘッダを判定)することにより、5色モードで出力するか、4色モードで出力するかを切り換える構成を採っている。すなわち、入力画像データがRGBデータである場合には、5色を出力し、入力画像データがCMYKデータである場合には、4色を出力するように、5色/4色指定信号を自動生成する構成を採っている。
実施例4の構成により、使用者が5色でプリント行なうか4色でプリントを行なうかを、プリントの度に考えることなく自動的に最適な出力モードが選択される。
比較実験1:
発明者が実施した比較実験を説明する。この実験は、色モアレとトナーの形状係数(SF−2値、下記で説明)との関係に関わるものである。実験はC色とM色との間で発生する色モアレについての結果を記載する(この他の組み合わせ、例えばL色とM色などについても実験したが、組み合わせによって傾向が変わるようなことは見られなかったため、C色とM色での色モアレについてその結果を記載する)。この実験では、トナーの製造条件をかえて、形状係数SF−2の異なるトナーサンプルを作成し、このトナーを使用して、C色とM色との間で発生する色モアレを評価したものである。
色モアレの評価は、C色がスクリーン線数:166.4pi・スクリーン角度:33.7deg、M色がスクリーン線数:150.0pi・スクリーン角度:0.0deg、のディザ組み合わせについて評価した。
トナーの形状係数について説明する。トナーの形状を表す指標としては、従来から形状係数(SF−1、SF−2)といった指標が用いられている。形状係数の算出方法は、例えば、特開2004−334092号公報で説明されているので、詳細な記載は省略する。本発明では、形状係数としてSF−2を用いて、形状係数の異なるトナーの試作を行い、今回の比較実験を実施した。形状係数SF−2は、値が100の場合にトナー表面に凸凹がなくなり球形に近づき、値が100より大きくなるにしたがってトナー表面が凸凹で球形から遠ざかる、といった指標である。
画像出力は、実施例1の構成の画像出力用試作実験機(先述した、リコー製 IPSIO CX6600をベースに、改造した実験機)を用いた。また、色モアレを評価するために、あらかじめ5段階(悪い 1→5 良い)の限度見本を作成して、目視評価した。C色とM色との間で発生する色モアレを評価するために、試作実験機によって16段の階調画像を出力して、この16段のパッチを上述の段階見本によってランク付けし、その平均値をとることで、色モアレの評価を行なった。なお、上記の段階見本を定性的な言葉で表現すると次のようになる。
ランク5:色モアレを知覚することができない
ランク4:注意してよくみるとわずかに色モアレが知覚できる
ランク3:気にならレベルの色モアレが知覚される
ランク2:色モアレが目立つ
ランク1:明らかに異常と感じる色モアレが知覚される
表4は、この16パッチのランク値の平均値を記載したものである。
Figure 0004582792
表4の結果から、SF−2(形状係数)の値が小さいほど、色モアレが発生しやすいことがわかる。つまり、粉砕トナー(SF−2=150)の場合には、色モアレ評価値が4.7と良好であるのに対して、SF−2の値が130以下では、評価結果がかなり悪くなっている。従って、トナー形状がより球形に近い(重合トナー)場合には、粉砕トナーに比べて色モアレが発生しやすく、色モアレの問題がより顕在化しやすい(従来技術で説明したように、多くの利点を有する重合トナーではあるが、この色モアレの問題については不利である)。このような問題に対して、本発明の構成(請求項1)により色モアレが発生しない(色モアレの空間周波数が大きくなるような構成のため知覚されにくい)ようになっているため、従来では使用が困難であった重合トナーの使用が可能となる。
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても達成される。この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになる。
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
実施例1の画像処理装置の構成を示す。 従来の印刷方式におけるCMYK色のスクリーン角の設定を示す。 従来の印刷方式におけるドットスクリーン周期構造を示す。 実施例1のマルチカラー画像形成装置の構成を示す。 実施例1のBG/UCR手段の構成を示す。 実施例1のK、L分解テーブルの例を示す。 実施例1のK、L分解テーブルの他の例を示す。 実施例1の5色/4色パラメータ設定手段を示す。 ドットスクリーンにおける、周期構造と主、副ベクトルおよびスクリーン角度、スクリーン線数との関係を示す。 ラインスクリーンにおける、周期構造と主、副ベクトルおよびスクリーン角度、スクリーン線数との関係を示す。 実施例1のディザマトリクスの周期構造(5色出力モード)を示す。 実施例1のディザマトリクスの周期構造(4色出力モード)を示す。 実施例2のディザマトリクスの周期構造(5色出力モード)を示す。 実施例2のディザマトリクスの周期構造(4色出力モード)を示す。 実施例4の画像処理装置の構成を示す。
符号の説明
1 5色/4色指定信号(s信号)
2、3 入力画像データ
4 色補正手段
5 BG/UCR手段
6 プリンタγ補正手段
7 ディザ処理手段
8 5色/4色パラメータ設定手段
9 画像処理装置
10 出力用画像データ

Claims (7)

  1. 画像データを、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、濃ブラック(K)、淡ブラック(L)の5色からなる画像データへ変換する色分解処理装置と、5色からなる画像データを擬似中間調データへ変換する擬似中間調処理装置を有し、前記擬似中間調データに基づいて前記5色のトナー像を紙上に重ねて記録する画像処理装置において、前記5色を使用して記録する第1の記録モードと、C、M、Y、Kの4色を使用して記録する第2の記録モードとを有し、前記第1、第2の記録モードにおけるC、M、Yの3色に対して、表1に示すドット状の周期構造(a0x,a0y,a1x,a1yの4つの値は順番に、主ベクトルのx成分、y成分および副ベクトルのx成分、y成分に対応)を持つドットスクリーンの擬似中間調処理を施し、前記第1の記録モードにおけるKとLに対して、表1に示すライン状の周期構造を持つラインスクリーンの擬似中間調処理を施し、前記第2の記録モードにおけるKに対して、表1に示すドット状の周期構造を持つドットスクリーンの擬似中間調処理を施すことを特徴とする画像処理装置。
    Figure 0004582792
  2. 画像データを、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、濃ブラック(K)、淡ブラック(L)の5色からなる画像データへ変換する色分解処理装置と、5色からなる画像データを擬似中間調データへ変換する擬似中間調処理装置を有し、前記擬似中間調データに基づいて前記5色のトナー像を紙上に重ねて記録する画像処理装置において、前記5色を使用して記録する第1の記録モードと、C、M、Y、Kの4色を使用して記録する第2の記録モードとを有し、前記第1、第2の記録モードにおけるC、M、Yの3色に対して、表2に示すドット状の周期構造(a0x,a0y,a1x,a1yの4つの値は順番に、主ベクトルのx成分、y成分および副ベクトルのx成分、y成分に対応)を持つドットスクリーンの擬似中間調処理を施し、前記第1の記録モードにおけるKとLに対して、表2に示すライン状の周期構造を持つラインスクリーンの擬似中間調処理を施し、前記第2の記録モードにおけるKに対して、表2に示すドット状の周期構造を持つドットスクリーンの擬似中間調処理を施すことを特徴とする画像処理装置。
    Figure 0004582792
  3. 画像データを、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、濃ブラック(K)、淡ブラック(L)の5色からなる画像データへ変換する色分解処理装置と、5色からなる画像データを擬似中間調データへ変換する擬似中間調処理装置を有し、前記擬似中間調データに基づいて前記5色のトナー像を紙上に重ねて記録する画像処理装置において、前記5色を使用して記録する第1の記録モードと、C、M、Y、Kの4色を使用して記録する第2の記録モードとを有し、前記第1、第2の記録モードにおけるC、M、Yの3色に対して、表3に示すドット状の周期構造(a0x,a0y,a1x,a1yの4つの値は順番に、主ベクトルのx成分、y成分および副ベクトルのx成分、y成分に対応)を持つドットスクリーンの擬似中間調処理を施し、前記第1の記録モードにおけるKとLに対して、表3に示すライン状の周期構造を持つラインスクリーンの擬似中間調処理を施し、前記第2の記録モードにおけるKに対して、表3に示すドット状の周期構造を持つドットスクリーンの擬似中間調処理を施すことを特徴とする画像処理装置。
    Figure 0004582792
  4. 前記CMYKL5色のトナーは、重合法により製造された粉体トナーであることを特徴とする請求項1、2または3記載の画像処理装置。
  5. 画像データを、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、濃ブラック(K)、淡ブラック(L)の5色からなる画像データへ変換し、5色からなる画像データを擬似中間調データへ変換する画像処理方法において、前記5色からなる画像データへの変換は、前記5色を使用する第1の色分解モードと、C、M、Y、Kの4色を使用する第2の色分解モードとを有し、前記擬似中間調データへの変換は、前記第1、第2の色分解モードにおけるC、M、Yの3色に対して、表4に示すドット状の周期構造(a0x,a0y,a1x,a1yの4つの値は順番に、主ベクトルのx成分、y成分および副ベクトルのx成分、y成分に対応)を持つドットスクリーンの擬似中間調処理を施して擬似中間調データへ変換し、前記第1の色分解モードにおけるKとLに対して、表4に示すライン状の周期構造を持つラインスクリーンの擬似中間調処理を施して擬似中間調データへ変換し、前記第2の色分解モードにおけるKに対して、表4に示すドット状の周期構造を持つドットスクリーンの擬似中間調処理を施して擬似中間調データへ変換することを特徴とする画像処理方法。
    Figure 0004582792
  6. 請求項記載の画像処理方法をコンピュータに実現させるためのプログラム。
  7. 請求項記載の画像処理方法をコンピュータに実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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