以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態に係る画像処理装置の機械的な内部構成の一部を示す側面図である。この画像処理装置は、プリンター、ファクシミリ装置、複写機、複合機などといった、電子写真方式の印刷機能を有する画像形成装置である。
実施の形態1の画像処理装置は、タンデム方式のカラー現像装置を有する。このカラー現像装置は、感光体ドラム1a〜1d、露光装置2a〜2dおよび現像ユニット3a〜3dを有する。感光体ドラム1a〜1dは、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色の感光体である。露光装置2a〜2dは、感光体ドラム1a〜1dへレーザー光を照射して静電潜像を形成する装置である。露光装置2a〜2dは、レーザー光の光源であるレーザーダイオード、そのレーザー光を感光体ドラム1a〜1dへ導く光学素子(レンズ、ミラー、ポリゴンミラーなど)を有する。
さらに、感光体ドラム1a〜1dの周囲には、スコロトロン等の帯電器、クリーニング装置、除電器などが配置されている。クリーニング装置は、1次転写後に、感光体ドラム1a〜1d上の残留トナーを除去し、除電器は、1次転写後に、感光体ドラム1a〜1dを除電する。
現像ユニット3a〜3dには、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの4色のトナーが充填されているトナーカートリッジがそれぞれ装着され、トナーカートリッジからトナーが供給され、キャリアとともに現像剤を構成する。現像ユニット3a〜3dは、そのトナーを感光体ドラム1a〜1d上の静電潜像に付着させてトナー画像を形成する。
感光体ドラム1a、露光装置2a、および現像ユニット3aにより、マゼンタの現像が行われ、感光体ドラム1b、露光装置2b、および現像ユニット3bにより、シアンの現像が行われ、感光体ドラム1c、露光装置2c、および現像ユニット3cにより、イエローの現像が行われ、感光体ドラム1d、露光装置2d、および現像ユニット3dにより、ブラックの現像が行われる。
中間転写ベルト4は、感光体ドラム1a〜1dに接触し、感光体ドラム1a〜1d上のトナー画像を1次転写される環状の像担持体である。中間転写ベルト4は、駆動ローラー5に張架され、駆動ローラー5からの駆動力によって、感光体ドラム1dとの接触位置から感光体ドラム1aとの接触位置への方向へ周回していく。
転写ローラー6は、搬送されてくる用紙を中間転写ベルト4に接触させ、中間転写ベルト4上のトナー画像を用紙に2次転写する。なお、トナー画像を転写された用紙は、定着器9へ搬送され、トナー画像が用紙へ定着される。
ローラー7は、クリーニングブラシを有し、クリーニングブラシを中間転写ベルト4に接触させ、用紙へのトナー画像の転写後に中間転写ベルト4に残ったトナーを除去する。
センサー8は、トナー濃度調整に使用されるセンサーであって、中間転写ベルト4に光線を照射し、その反射光を検出する。トナー濃度調整の際、センサー8は、中間転写ベルト4の所定の領域に光線を照射し光線の反射光(測定光)を検出し、その光量に応じた電気信号を出力する。
図2は、図1における露光装置2a〜2dの構成例を示す図である。なお、図2に示す露光装置は、感光体ドラム1a用の露光装置2aであり、感光体ドラム1b〜1d用の露光装置2b〜2dも同様の構成を有する。
図2において、露光装置2aは、レーザーダイオード11と、光学系12と、ポリゴンミラー13と、PDセンサー14と、ドライバー回路15とを有する。
レーザーダイオード11は、レーザー光線を出射する光源である。光学系12は、レーザーダイオード11からポリゴンミラー13までの間、および/またはポリゴンミラー13から感光体ドラム1aおよびPDセンサー14までの間に配置された各種レンズ群である。光学系12には、fθレンズなどが使用される。
また、ポリゴンミラー13は、感光体ドラム1aの軸に対して垂直な軸を有し、その軸に垂直な断面が多角形であり、その側面がミラーとなっている素子である。ポリゴンミラー13は、その軸を中心に回転し、レーザーダイオード11から出射した光線を感光体ドラム1aの軸方向(主走査方向)に沿って走査する。
また、PDセンサー14は、主走査同期信号を生成するためにポリゴンミラー13により走査された光を受光するセンサーである。PDセンサー14は、光が入射すると、光量に応じた出力電圧を誘起する。PDセンサー14は、光が走査される線上の所定の位置に配置され、光のスポットがその位置を通過するタイミングを検出するために使用される。
また、ドライバー回路15は、PDセンサー14の出力信号を使用して主走査方向の同期を取りながら、露光制御信号に従って、レーザーダイオード11を制御する。
図2に示すコントローラー16は、各色の露光装置2a〜2dについての露光制御信号を生成しドライバー回路15に供給する。コントローラー16は、コンピューター、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などで構成される。
図3は、実施の形態1におけるコントローラー16の構成を示すブロック図である。
図3において、データ生成部21は、図示せぬホスト装置から供給される印刷データを解析し、ラスターデータである色データ、およびアンチエリアジングデータを所定の解像度で生成する。印刷データは、例えばページ記述言語で記述されている。
データ生成部21は、色データとしてRGB色データを生成し、そのRGB色データをCMYK色データへ変換する。
例えば、データ生成部21は、縦600dpi(dot per inch)横600dpiのCMYK色データを生成し、縦600dpi横600dpiのアンチエリアジングデータを生成する。ここで、「縦」は副走査方向を指し、「横」は主走査方向を指す。例えば、色データは、CMYKの各色について画素ごとに8ビット値を有し、アンチエリアジングデータは、色データと同一の解像度で、画素ごとに、その画素に相当する面積に対する、その画素に含まれるオブジェクトの面積の割合を示す複数ビットの値を有する。
図4は、縦600dpi横600dpiのCMYK色データ31C,31M,31Y,31Kと、縦600dpi横600dpiのアンチエリアジングデータ32の対応関係を示す図である。図5は、実施の形態1におけるアンチエリアジングデータ32について説明する図である。図5(A)に示す形状のオブジェクトが画像内に存在する場合、アンチエリアジングデータは、図5(B)に示す画素値を有する。1画素に相当する面積に対する、その画素に含まれるオブジェクトの面積の割合が1である場合(つまり、画素全体がオブジェクトに属する場合)には、図5(B)に示す画素値は12とされ、オブジェクトの面積割合が半分である場合には、図5(B)に示す画素値は6とされる。
データ生成部21により生成された色データおよびアンチエリアジングデータは、コントローラー16内の図示せぬRAM(Random Access Memory)などのメモリーに記憶される。なお、データ生成部21は、色データおよびアンチエリアジングデータを、印刷画像の1ページずつ生成しそのメモリーに記憶するようにしてもよいし、所定数のラインからなるバンドずつ、色データおよびアンチエリアジングデータを生成しそのメモリーに記憶するようにしてもよい。
スクリーン処理部22は、アンチエリアジングデータに基づいてオブジェクトのエッジを特定し、色データに対してエッジ縁取しつつスクリーン処理を実行する。実施の形態1では、スクリーン処理部22は、アンチエリアジングデータにおいて、オブジェクトの面積の割合が1(つまり100%)である画素の集合の最も外側の画素をエッジと特定し、エッジの内側に対してスクリーン処理を行い、エッジの外側に対してスクリーン処理を行わない。
露光制御部23は、スクリーン処理後の色データに基づいて、レーザーダイオード11により露光する画素を指定する露光制御信号を各色について生成する。露光制御部23は、露光制御信号で、1画素分の走査期間における、レーザーダイオード11による露光期間を指定可能であって、アンチエリアジングデータによるオブジェクトの面積割合に従って露光期間を設定する。
実施の形態1では、露光制御部23は、露光制御信号で、1画素分の走査期間を所定の数に区分した期間を単位として露光期間の開始と終了を指定する。このとき、各画素について、1画素分の走査期間とその画素での露光期間との比が、1画素の面積とアンチエリアジングデータによるその1画素内でのオブジェクトの面積との比と同一となるように、露光期間が指定される。また、露光期間は、1画素分の走査期間内において、主走査方向における両隣の画素のうち露光期間の長い画素側に寄せて指定される。
ここで、スクリーン処理部22の詳細な構成について説明する。図6は、図3におけるスクリーン処理部22の構成を示すブロック図である。なお、図6に示すスクリーン処理部22は、CYMKのうちの1色分の色データを処理する。つまり、図6に示すスクリーン処理部22が、トナー色CMYKのそれぞれについて設けられている。
図6に示すスクリーン処理部22は、1画素ごとに、多値化後の値を決定する。最小値検出部41は、注目画素周辺の局所領域での最小画素値を検出する。例えば、最小値検出部41は、注目画素を中心とする3×3の画素領域における各画素の値を読み出し、それらのうちの最小画素値を特定する。
また、エッジ量計算部42は、最小値検出部41により計算された最小画素値と注目画素の画素値とに基づきエッジ量を計算する。この実施の形態では、エッジ量計算部42は、第1変換部51、第2変換部52、および乗算部53を有する。第1変換部51は、注目画素の画素値に対応する値を出力する。例えば、第1変換部51は、図示せぬ第1ルックアップテーブルを参照して注目画素の画素値に対応する値を読み出し出力する。第2変換部52は、注目画素周辺の局所領域での最小画素値に対応する値を出力する。例えば、第2変換部52は、図示せぬ第2ルックアップテーブルを参照して注目画素の画素値に対応する値を読み出し出力する。乗算部53は、第1変換部51の出力値と第2変換部52の出力値との積を出力する。
図7は、図6に示すエッジ量計算部42における第1変換部51および第2変換部52の入出力特性の一例を示す図である。図7(A)は、第1変換部51の入出力特性の一例を示し、図7(B)は、第2変換部52の入出力特性の一例を示す。
このような入出力特性により、エッジ量計算部42により計算されるエッジ量は、最小画素値が小さくなると大きくなり、注目画素の画素値が大きくなると大きくなる。
エッジ判定部43は、アンチエリアジングデータを読み出し、アンチエリアジングデータでエッジを検出する。実施の形態1では、エッジ判定部43は、アンチエリアジングデータにおいて、オブジェクトの面積の割合が1である画素の集合の最も外側の画素をエッジと特定する。エッジ判定部43は、エッジの検出結果に基づいて、注目画素がエッジ部分の画素であるか否かを示す値をセレクター45に供給するとともに、注目画素がエッジ部分より外側の画素であるか否かを示す値をセレクター44に供給する。
セレクター44は、エッジ判定部43からの値に応じて、出力部49の出力値および注目画素についての色データの画素値のいずれか一方を、このスクリーン処理部22の出力値として出力する。また、セレクター45は、エッジ判定部43からの値に応じて、エッジ量計算部42の出力値およびゼロのいずれか一方を第2スクリーン処理部48に供給する。
ここでは、色データの注目画素がエッジ判定部43により検出されたエッジ部分に属する場合には、エッジ量計算部42の出力値が第2スクリーン処理部48に供給され、それ以外の場合には、ゼロが第2スクリーン処理部48に供給される。ゼロが第2スクリーン処理部48に供給された場合、第2スクリーン処理部48の出力値もゼロとなるため、第1スクリーン処理部47の出力値が、注目画素についての多値化後の画素値として出力部49から出力される。
また、色データの注目画素がエッジ判定部43により検出されたエッジ部分より外側の画素である場合には、色データの画素値が、スクリーン処理されずにそのままセレクター44から出力され、色データの注目画素がエッジ判定部43により検出されたエッジ部分またはエッジ部分より内側の画素である場合には、出力部49の出力値がセレクター44から出力される。
ディザマトリクスデータ46は、1つのディザマトリクス(つまり、閾値マトリクス)分のデータであって、1つのテーブルとしてフラッシュメモリーなどの不揮発性メモリー46aに予め記憶されている。なお、ディザマトリクスデータ46を記憶する記憶装置としては、不揮発性メモリー46aに限らず、SRAM等の揮発性メモリーを用いてもよい。図8は、図6におけるディザマトリクスデータ46によるディザマトリクスの一例を示す図である。図8は、16階調画像データ用の4×4のディザマトリクスを示している。
第1スクリーン処理部47は、ディザマトリクスデータ46を読み出し、ディザマトリクスデータ46から得られる第1ディザマトリクスで、注目画素に関する多値化処理を実行する。第2スクリーン処理部48は、ディザマトリクスデータ46を読み出し、第1ディザマトリクスとは異なる第2ディザマトリクスをディザマトリクスデータ46から得て、その第2ディザマトリクスで、注目画素に関する多値化処理を実行する。
なお、ディザマトリクスデータ46は、コントローラー16内の図示せぬRAMへ一旦読み出され、そのRAMから第1および第2スクリーン処理部47,48により読み出されるようにしてもよいし、不揮発性メモリー46aから直接読み出されるようにしてもよい。
第1スクリーン処理部47は、第1ディザマトリクスを注目画素の画素値に適用して多値化処理を実行し、第2スクリーン処理部48は、第2ディザマトリクスを注目画素のエッジ量に適用して多値化処理を実行する。
図9は、図6における第2スクリーン処理部48により使用されるディザマトリックスの一例を示す図である。例えば、第1スクリーン処理部47は、図8に示すディザマトリックスを第1ディザマトリクスとして使用し、第2スクリーン処理部48は、図9に示すディザマトリックスを第2ディザマトリクスとして使用する。
実施の形態1では、第2ディザマトリクスは、第1ディザマトリクス内の各要素の値を反転して得られるものである。例えば、要素の値の範囲が0〜15である場合、第1ディザマトリクスの要素(i,j)の値をXとすると、第2ディザマトリクスの同一位置の要素(i,j)の値は、15−Xとされる。
出力部49は、色データの注目画素が上述のエッジ部分に属する場合には、第1スクリーン処理部47による多値化結果と第2スクリーン処理部48による多値化結果とに基づいて注目画素の多値化後の画素値を決定し、色データの注目画素が上述のエッジ部分に属さない場合には、第1スクリーン処理部47による多値化結果を注目画素の多値化後の画素値とする。
出力部49は、注目画素がエッジ部分に属する場合には、例えば、第1スクリーン処理部47による多値化結果と第2スクリーン処理部48による多値化結果との和を注目画素の多値化後の画素値とする。なお、この和が多値化後の画素値の取り得る最大値(例えば4ビット画素の場合には15)を超えている場合には、その最大値を注目画素の多値化後の画素値とする。また、例えば、出力部49は、注目画素がエッジ部分に属する場合には、第1スクリーン処理部47による多値化結果と第2スクリーン処理部48による多値化結果の最大値を注目画素の多値化後の画素値とする。
ここで、エッジ縁取を伴うスクリーン処理の一例を示す。
エッジ判定部43によりオブジェクトのエッジ部分が、例えば図10に示すように得られる。図10は、オブジェクトのエッジ部分の一例を示す図である。エッジ判定部43は、色データの解像度で各画素につき、エッジ部分の画素の場合には1を、それ以外の画素の場合には0をセレクター45へ出力する。
そして、第1スクリーン処理部47により第1ディザマトリクスで色データを2値化して得られる色データは、例えば図11に示すようになる。図11は、第1スクリーン処理部47による、色データに対する2値化処理の結果の一例を示す図である。
一方、同一の色データを第2ディザマトリクスで2値化して得られる色データは、図12に示すようになる。図12は、第2ディザマトリクスで2値化して得られる画像データの一例を示す図である。エッジ部分に属さない画素については、エッジ量の代わりに値ゼロがセレクター45から第2スクリーン処理部48に供給されるため、第2スクリーン処理部48から出力される色データにおいて、図10に示すエッジ部分に属する画素の画素値は、図12に示す画素値とされ、図10に示すエッジ部分に属さない画素の画素値は、ゼロとされる。
そして、出力部49は、第1スクリーン処理部47からの色データと第2スクリーン処理部48からの色データとを合成することで、スクリーン処理後の色データを生成し、出力する。図10に示す画素値と図12に示すエッジ部分の画素値とから、図13に示すスクリーン処理後の色データが得られる。図13は、出力部49から出力される色データの一例を示す図である。
次に、実施の形態1に係る画像処理装置の動作について説明する。
印刷要求とともに印刷データが画像形成装置に供給されると、データ生成部21は、その印刷データから、同一解像度で、CMYK色データおよびアンチエリアジングデータを生成し、図示せぬメモリーに記憶する。
そして、CMYKの各色についてのスクリーン処理部22は、アンチエリアジングデータに基づいてエッジを特定し、さらに、色データに対して、そのエッジを縁取りしつつスクリーン処理を行う。ただし、スクリーン処理後においても、エッジの外側の画素は、スクリーン処理が行われておらずスクリーン処理前の色データと同一の画素値を有する。
そして、各色についての露光制御部23は、スクリーン処理後の色データに基づいて、レーザーダイオード11による光線を感光体ドラム1a,1b,1c,1dに照射する画素(つまり、ドットを形成する画素)を特定し、アンチエリアジングデータに基づいて主走査方向における露光期間を特定し、その露光期間を指定する露光制御信号をドライバー回路15に出力する。具体的には、露光制御部23は、色データの画素値が0ではない画素を、ドットを形成する画素として特定する。
これにより、露光装置2a〜2dにより、1ラインずつ順番に、感光体ドラム1a〜1d上で露光制御信号により指定された箇所に静電潜像が形成されていく。その静電潜像は現像ユニット3a〜3dによりトナー現像され、現像されたトナー画像が、感光体ドラム1a〜1dから中間転写ベルト4へ一次転写された後、中間転写ベルト4から印刷用紙へ二次転写され、印刷用紙上に定着させられる。
図14は、アンチエリアジングデータ、スクリーン処理後の色データ、およびそれらのデータに対応する露光期間の一例を示す図である。
例えば、アンチエリアジングデータが図14(A)に示すものであり、スクリーン処理後の色データが図14(B)に示すものである場合、図14(C)に示すように、露光制御部23は、アンチエリアジングデータの画素値が12(最大値)でありかつ色データの画素値が15(最大値)である画素については、1画素分の走査期間すべてを露光期間とし、その他の画素については、アンチエリアジングデータの画素値をAとし色データの画素値をCとすると、1画素分の走査期間のうちの露光期間の割合が(A/12×C/15)となるように、露光期間を決定する。
さらに、露光制御部23は、1画素分の走査期間の一部を露光期間とする場合、主走査方向における両隣の画素のうち、露光期間が高い画素側に寄せて露光期間を設定する。例えば、図14(A)における画素値が9である画素の露光期間は、左隣の画素の露光期間より右隣の画素の露光期間が長いため、右隣の画素に寄せて設定されている。
以上のように、上記実施の形態1によれば、データ生成部21は、オブジェクトを含む画像についての所定の解像度の色データ、および、色データと同一の解像度で、画素ごとに、その画素に相当する面積に対する、その画素に含まれるオブジェクトの面積の割合を示すアンチエリアジングデータを生成し、スクリーン処理部22は、アンチエリアジングデータに基づいてオブジェクトのエッジを特定し、色データに対してエッジ縁取しつつスクリーン処理を実行する。
これにより、スクリーン処理とともに、アンチエリアジングデータでエッジの平滑化を適切に実行することができる。
また、上記実施の形態1によれば、露光制御部23は、露光制御信号で、1画素分の走査期間における、光源による露光期間を指定可能であって、アンチエリアジングデータによるオブジェクトの面積の割合に従って露光期間を指定する。
これにより、スクリーン処理などの画像処理の対象となる色データの解像度より高い解像度で印刷画像が形成される。したがって、印刷画像の解像度に要求されるリソースがより少なくて済む。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る画像処理装置は、スクリーン処理の前に、色データおよびアンチエリアジングデータの解像度を高解像度へ変換する。
なお、実施の形態2に係る画像処理装置は、実施の形態1より高解像度での印刷が可能なシステム(感光体ドラム1a〜1d、露光装置2a〜2d、現像ユニット3a〜3dなど)を有する。また、実施の形態2に係る画像処理装置の基本的な構成は、実施の形態1と同様である。ただし、コントローラー16の構成が以下のように異なる。
図15は、実施の形態2におけるコントローラー16の構成を示すブロック図である。コントローラー16は、実施の形態1と同様のデータ生成部21と、スクリーン処理部101と、露光制御部102とを有する。
スクリーン処理部101は、色データおよびアンチエリアジングデータの解像度を高解像度へ変換した後に、高解像度の色データおよびアンチエリアジングデータを使用してエッジ縁取スクリーン処理を行う。
露光制御部102は、データ生成部21により生成される色データおよびアンチエリアジングの解像度より高い解像度で、スクリーン処理後の色データを供給され、その解像度で、露光装置2a〜2dを制御する露光制御信号を生成し出力する。
図16は、図15におけるスクリーン処理部101の構成を示すブロック図である。スクリーン処理部101は、1色分の処理部であって、各色について図16に示す処理部を有する。スクリーン処理部101は、解像度変換部121、データ合成部122、およびエッジ縁取スクリーン処理部123を有する。
解像度変換部121は、データ生成部21により生成されたアンチエリアジングデータから、主走査方向および副走査方向において、そのアンチエリアジングデータの解像度より高い解像度のアンチエリアジングデータを生成する。例えば、特開2008−172605号公報に記載の方法で、アンチエリアジングの解像度変換が行われる。
データ合成部122は、解像度変換部121により得られる高解像度のアンチエリアジングデータと、データ生成部21により生成された低解像度の色データとから、高解像度のアンチエリアジングデータと同一の高解像度の色データを生成する。したがって、主走査方向および副走査方向において高解像度の色データが生成される。
データ合成部122は、高解像度の各画素について、その画素に対応する低解像度での画素を特定し、高解像度でのアンチエリアジングデータの画素値と、低解像度での色データの画素値とから、高解像度での色データの画素値を計算する。
例えば、高解像度でのアンチエリアジングデータが4階調(0〜3)のデータである場合、データ合成部122は、高解像度でのアンチエリアジングデータの画素値が3である画素については、低解像度での色データの画素値をそのまま高解像度での色データの画素値とし、高解像度でのアンチエリアジングデータの画素値が2である画素については、低解像度での色データの画素値の3分の2を高解像度での色データの画素値とし、高解像度でのアンチエリアジングデータの画素値が1である画素については、低解像度での色データの画素値の3分の1を高解像度での色データの画素値とし、高解像度でのアンチエリアジングデータの画素値が0である画素については、高解像度での色データの画素値をゼロとする。
エッジ縁取スクリーン処理部123は、解像度変換部121により得られる高解像度のアンチエリアジングデータに基づいて、その解像度でのオブジェクトのエッジを特定し、データ合成部122により得られる高解像度の色データに対して、そのエッジを縁取りつつ、スクリーン処理を行う。エッジ縁取スクリーン処理部123は、例えば図6に示す構成と同一の構成を有する。
次に、実施の形態2に係る画像処理装置の動作について説明する。
図17は、実施の形態2に係る画像処理装置におけるスクリーン処理の一例について説明する図である。
実施の形態2のスクリーン処理部101では、解像度変換部121は、データ生成部21により生成された低解像度(例えば縦600dpi横600dpi)のアンチエリアジングデータから、高解像度(例えば縦1200dpi横1200dpi)のアンチエリアジングデータを生成する。
例えば、図17(A)に示す低解像度の色データおよび図17(B)に示す低解像度のアンチエリアジングデータがデータ生成部21により生成され、その低解像度のアンチエリアジングデータから、図17(C)に示す高解像度のアンチエリアジングデータが生成される。
データ合成部122は、その高解像度のアンチエリアジングデータと、低解像度(例えば縦600dpi横600dpi)の色データとから、高解像度(例えば縦1200dpi横1200dpi)の色データを生成する。
例えば、図17(A)に示す低解像度の色データおよび図17(C)に示す高解像度のアンチエリアジングデータから、図17(D)に示す高解像度の色データが生成される。
そして、エッジ縁取スクリーン処理部123は、実施の形態1と同様にして、高解像度のアンチエリアジングデータに基づいて、高解像度でのオブジェクトのエッジを検出し、そのエッジを縁取りつつスクリーン処理を行う。
例えば、図17(C)に示す高解像度のアンチエリアジングデータにおいて、図17(E)に示すようにエッジ部分が検出される。図10と同様に、図17(D)において、「1」の画素はエッジ部分の画素であり、「0」の画素は、それ以外の画素である。
そして、図17(F)に示すように、エッジ部分が縁取られ、エッジよりオブジェクトの内側部分がスクリーン処理され、エッジ部分の外側は、高解像度の色データの画素値がそのまま残される。
このようにして、各色について、高解像度でのスクリーン処理後の色データが生成される。そして、各色についての露光制御部102は、スクリーン処理後のその色データに基づいて、レーザーダイオード11による光線を感光体ドラム1a,1b,1c,1dに照射する画素(つまり、ドットを形成する画素)を特定し、その色データの各画素値に基づいて主走査方向における露光期間を特定し、その露光期間を指定する露光制御信号をドライバー回路15に出力する。
これにより、露光装置2a〜2dにより、1ラインずつ順番に、感光体ドラム1a〜1d上で露光制御信号により指定された箇所に静電潜像が形成されていく。その静電潜像は現像ユニット3a〜3dによりトナー現像され、現像されたトナー画像が、感光体ドラム1a〜1dから中間転写ベルト4へ一次転写された後、中間転写ベルト4から印刷用紙へ二次転写され、印刷用紙上に定着させられる。
以上のように、上記実施の形態2によれば、データ生成部21は、オブジェクトを含む画像についての所定の解像度の色データ、および、色データと同一の解像度で、画素ごとに、その画素に相当する面積に対する、その画素に含まれるオブジェクトの面積の割合を示すアンチエリアジングデータを生成し、スクリーン処理部101は、アンチエリアジングデータに基づいてオブジェクトのエッジを特定し、色データに対してエッジ縁取しつつスクリーン処理を実行する。実施の形態2では、スクリーン処理部101は、低解像度の色データおよびアンチエリアジングデータから高解像度の色データおよびアンチエリアジングデータを生成し、高解像度のアンチエリアジングデータに基づいてオブジェクトのエッジを特定し、高解像度の色データに対してエッジ縁取しつつスクリーン処理を実行する。
これにより、スクリーン処理とともに、アンチエリアジングデータでエッジの平滑化を適切に実行することができる。
なお、上述の各実施の形態は、本発明の好適な例であるが、本発明は、これらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、変更が可能である。
例えば、上記実施の形態において、第2ディザマトリクスは、第1ディザマトリクスに対して、行および/または列のインデックスの位相をずらして得られるものとしてもよい。例えば、図8に示す第1ディザマトリクスに対して、図18(A)に示すように、列のインデックスの位相をずらすことで、図18(B)に示す第2ディザマトリクスが得られる。
また、上記実施の形態において、第2ディザマトリクスは、第1ディザマトリクスに対して、行および/または列のインデックスを反転して得られるものとしてもよい。例えば、図8に示す第1ディザマトリクスに対して、図19(A)に示すように、図18(A)の場合と同様に列のインデックスの位相をずらし、かつ行のインデックスを反転させることで、図19(B)に示す第2ディザマトリクスが得られる。