JP4756350B2 - 感光性樹脂組成物、物品、及びネガ型パターン形成方法 - Google Patents
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Description
さらには、解像性に優れ、低コストで、ポリイミド前駆体又はポリベンゾオキサゾール前駆体の構造上適用可能な選択肢の範囲が広い感光性樹脂組成物に関し、特に、電磁波によるパターニング工程を経て形成される製品又は部材の材料(例えば、電子部品、光学製品、光学部品の成形材料、層形成材料又は接着剤など)として好適に利用することが出来るポリイミド又はポリベンゾオキサゾールの前駆体樹脂組成物、及び、当該樹脂組成物を用いて作製した物品に関するものである。
また、近年、ポリイミドの有する課題を解決する為に、類似の加工工程を適用され、低吸水性で低誘電率を示すポリベンゾオキサゾールや、基板との密着性に優れるポリベンゾイミダゾール等も精力的に研究されている。
その一つがポリイミド前駆体の状態で露光と現像によるパターニングを行い、その後、熱処理等によりイミド化を行ってポリイミドのパターンを得る方法である。もう一つは、それ自体は感光性を持たないポリイミド自身の上に有機物や金属等でレジストパターンを形成し、その開口部をヒドラジン、無機アルカリ、有機アルカリ等の溶液や有機極性溶媒、またはそれらの混合物で処理して分解又は溶出させることにより、パターンを得る方法である。
前者は、溶媒溶解性に優れる前駆体を用いることで加工特性に優れ、後者は、高温の熱処理等が必要とされるイミド化のプロセスをパターン形成後に行う必要が無いという利点があり、それぞれの用途に応じて使い分けられている。
前駆体を利用するタイプのポリイミドをパターニングする手段としても、種々の手法が提案されている。その代表的な手法は、以下の2つに大別される。
(1) ポリイミド前駆体自身にはパターニング能力がなく、感光性樹脂層をその表面に形成し、その感光性樹脂のパターンによってポリイミド前駆体がパターニングされる手法。
(2) ポリイミド前駆体自身に感光性部位を結合や配位させて導入し、その作用によりパターン形成する手法、または、ポリイミド前駆体に感光性成分を混合し樹脂組成物とし、その感光性成分の作用でパターン形成する手法。さらには、感光性部位の導入と感光性成分の混合の両方を組み合わせた手法。
(a) ポリイミド前駆体のポリアミック酸に、電磁波の露光前は溶解抑止剤として作用し、露光後は、カルボン酸を生成し溶解促進剤となる、ナフトキノンジアジド誘導体を混合し、露光部と未露光部の現像液に対する溶解速度のコントラストを大きくすることでパターン形成を行い、その後、イミド化を行い、ポリイミドパターンを得る手法;特開昭52一13315
(b) ポリイミド前駆体のポリアミック酸に、電磁波の露光により塩基性物質となるジヒドロピリジン誘導体等の化合物を混合し、露光後に、適度な温度で加熱することにより、露光部に発生した塩基性物質の作用で露光部の現像液に対する溶解性が向上し、露光部と未露光部の現像液に対する溶解速度のコントラストを大きくすることでポジ型のパターン形成を行い、その後、完全にイミド化を行い、ポリイミドパターンを得る手法(特許文献1);
(d) ポリイミド前駆体のポリアミック酸と塩基性部位を有するラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物を混合することで、両者をイオン結合させ、そこに増感剤を混合することで露光部にラジカル対を形成して現像液に対する溶解性を低下させ、露光部と未露光部の現像液に対する溶解速度のコントラストを大きくすることでパターン形成を行い、その後、イミド化を行い、ポリイミドパターンを得る手法(特許文献3);
及び、
(e) ポリイミド前駆体のポリアミック酸に、光酸(または光塩基)発生剤と架橋剤を混合し、露光後、加熱することで露光によって発生した酸(または塩基)の作用によって架橋を進行させ、現像液に対する溶解性を低下させることで、露光部と未露光部の現像液に対する溶解速度のコントラストを大きくしてパターン形成を行い、その後、イミド化を行い、ポリイミドパターンを得る手法、
(f) ポリイミド前駆体のポリイソイミドに、光塩基発生剤としてo−ニトロベンジルカルバメートを混合し、露光後、加熱することで露光によって発生した塩基の作用によってポリイソイミドからポリイミドへの異性化を進行させることで、有機溶剤に対する溶解速度のコントラストを大きくしてパターンを得る方法(特許文献4):
などが提案されている。
一方、(2)のグループに属する手法では、ポリイミド前駆体(または、ポリイミド前駆体樹脂組成物)自身がパターン形成能を有するため、(1)のグループで用いたようなレジスト層が必要なく、プロセスが大幅に簡便になるという特徴があるが、ポリイミド前駆体自身が露光波長を十分に透過しないと、感光性成分に電磁波が届かず、感度の低下やパターンが形成できない等の問題が発生するため、露光波長に対し透過率の高い分子骨格を選ぶ必要がある。
そのような目的の為、種々の塩基発生剤が提案されてきた。オキシムエステルを光塩基発生材として用いた、エポキシ樹脂の光硬化反応は既に報告されている(Journal of Photopolymer Science and Technology Vol.15 2002 145-152)。
オキシムエステルは、以下のような反応機構により本来中性である化合物が塩基性を示すものと考えられており、電磁波の吸収によりオキシムエステル部位の窒素と酸素の間の共有結合が解裂し、脱炭酸反応を伴い1級アミンを生成する反応機構が提案されている。
本発明によれば、オキシムエステル誘導体(A1)は高感度の光塩基発生剤として機能するため、感光性樹脂組成物の塗膜又は成形体上の電磁波照射部位と非照射部位の間での溶解性差を大きくでき、結果的に、十分なプロセスマージンを保ちつつ、形状が良好なパターンを得ることができる。
また、オキシムエステル化合物、オキシムウレタン化合物はクマリン等の化合物による増感反応が確認されており、塩基発生剤自身の構造を変化させることなく、増感剤の添加のみで、露光光源の発光波長を利用できる利点がある。
本発明の感光性樹脂組成物は、安価に入手可能オキシムウレタン化合物と必要に応じて増感剤を添加するのみで得ることができる為、安価に入手できる。
この場合、環状不飽和有機化合物とは、複素芳香族化合物も含む。
本発明によれば、従来、露光部と未露光部の間で溶解性のコントラストを取りにくかったポリイミド前駆体又はポリベンゾオキサゾール前駆体についても、溶解阻害剤、溶解抑制剤の適用なしで良好なパターン形状を得ることができる。
上記ネガ型パターン形成方法においては、高分子前駆体と、光塩基発生剤として上記オキシムエステル誘導体(A1)とを組み合わせて用いることにより、感光性樹脂組成物からなる塗膜又は成形体の表面を現像液から保護するためのレジスト膜を用いずに、現像を行うネガ型パターン形成が可能である。
また、本発明に係る感光性樹脂組成物は、上記オキシムエステル誘導体(A)、特に上記式(1)で表されるオキシムエステル誘導体(A1)が光塩基発生剤として機能することで、多種多様な高分子前駆体を組み合わせて用いることができ、最終的に得られる高分子の構造を広範囲から選択することができる。
具体的には、本発明に係る感光性樹脂組成物は、高分子前駆体として、種々の用途へ応用展開されているポリイミド前駆体又はポリベンゾオキサゾール前駆体を適用することで、より幅広い用途に適用可能な感光性ポリイミド樹脂組成物又は感光性ポリベンゾオキサゾール樹脂組成物として利用できる。
また、現像液も特に限定されず、高分子前駆体に合わせて適宜、有機溶剤、塩基性水溶液、酸性水溶液、中性水溶液等を用いることができる。
特に、本発明に係る感光性樹脂組成物は、主にパターン形成材料(レジスト)として用いられ、それによって形成されたパターンは、永久膜として耐熱性や絶縁性を付与する要素として機能し、例えば、カラーフィルター、フレキシブルディスプレー用フィルム、半導体装置、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、その他の光学部材、又は建築材料を形成するのに適している。
本発明において、電磁波とは、化合物の分子内解裂反応を引き起こすことが可能なものであればよく、可視及び非可視領域の波長の電磁波だけでなく、電子線のような粒子線、及び、電磁波と粒子線を総称する放射線又は電離放射線が含まれる。
一方、オキシムエステル誘導体は、下記反応式に従って、電磁波の吸収により分子内解裂反応を起こし、アミンを発生させることが報告されている(Journal of Photopolymer Science and Technology Vol.15 2002 145-152)。
上記オキシムエステル誘導体は中性の化合物であるが、電磁波を吸収することで分子内解裂し、アミンまたはヒドラジンを生成すると、塩基性を示す。一方、ポリイミド前駆体は、アミンの触媒作用によって、イミド化反応が開始される温度を下げることができる。つまり、ポリイミド前駆体を、オキシムエステル誘導体と共存させておき、電磁波の照射により中性から塩基性へと変換することで、電磁波の照射された部位は、より低温でイミド化を進行させることができる。
オキシムエステル誘導体と、ポリイミド前駆体とを含有する感光性樹脂組成物を用いてパターンを得るには、パターンを残したい場所に電磁波を照射した後、アミンが存在する場所ではイミド化が進行するが、アミンの存在していない場所ではイミド化が進行しない温度によって加熱を行う。その結果、アミンが存在する場所、すなわち、電磁波を照射した場所のみイミド化が進行し溶解性が低下する為、所定の現像液(有機溶媒や塩基性水溶液等)で現像することで、パターンを得ることができる。その後、目的に応じて、更に加熱硬化を行って、ポリイミドパターンとすることができる。
これに対し、オキシムエステル誘導体のように、光塩基発生剤の分子内解裂反応部位に含まれる化学結合が全て共有結合である場合には、塩基性物質を発生させる能力は、組み合わされる他の成分の影響による低下を起こしにくい。それゆえ、感光性樹脂組成物は、処方設計の自由度が高くなる。
さらには、オキシムエステル誘導体は、オキシム化合物とカルボン酸クロライドとの反応やオキシム化合物とイソシアネート化合物との反応により簡便に合成することができる為、低コスト化が可能である。
このオキシムエステル誘導体(A)は、ポリイミド前駆体のイミド化を促進するだけでなく、ポリイミド前駆体と同様に、塩基性物質が最終生成物に変化する反応に触媒作用を示す高分子前駆体や、塩基性物質の作用によって目的とする反応が進行する系を含む組成物に対して、非常に有効な感光性成分として作用する。
R1、R2の位置に導入できる他の1価の有機基としては、炭化水素骨格を有する基が挙げられ、それらは、ヘテロ原子等の炭化水素以外の結合や置換基を含んでいてもよいし、そのようなヘテロ原子の部分が芳香環に組み込まれて複素環となっていても良い。炭化水素骨格を有する基としては、例えば、直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和炭化水素基、直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和アルキルエーテル基、アリールエーテル基、直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和アルキルチオエーテル基、アリールチオエーテル基、直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和ハロゲン化アルキル基、又は、フェニル、ナフチル等の芳香族基、さらには、直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素骨格上にハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、シアノ基、シリル基、シラノール基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、アセチル基、アセトキシ基、スルホン基等のヘテロ原子又はヘテロ原子を含有する基が結合してなるさまざまな基が挙げられる。
また、式(1’)、式(1”)及び式(1)におけるR1、R2としては、炭素数が1〜25程度であることが好ましい。
中でも、長波長側の電磁波を吸収できるようにする観点から、π電子を有している構造が好ましく、具体的には、芳香族基、ビニル基などが挙げられる。これらの置換基は、さらに置換基を有していても良い。この置換基に含まれるπ電子は長く共役しているほど、長波長側に吸収を有し、露光波長によって適宜、その構造を選択できる。
露光時の光源が高圧水銀灯である場合、吸収波長の観点、耐熱性の観点から、更に具体的には300nmより大きい領域に吸収を持たせる為には、置換基R1及び、R2のうちの少なくとも1つが芳香族基であることが好ましい。
この場合の芳香族基とは、環状不飽和有機化合物基のことを言い、R1またはR2に芳香族基が置換している状態というのは、環状不飽和有機化合物が直接共有結合でR1またはR2が結合している炭素に結合している状態のことを言う。この場合、環状不飽和有機化合物とは、ヘテロ原子を含む複素芳香族化合物も含む。
この環状不飽和有機化合物基には置換基が導入されていても良く、具体的にはハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、シアノ基、シリル基、シラノール基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、アセチル基、アセトキシ基、スルホン基、不飽和アルキルエーテル基、アリールエーテル基、不飽和アルキルチオエーテル基、アリールチオエーテル基等が挙げられるが特に限定されない
その中でも、芳香族基に対してアルコキシ基、アミド基、ジメチルアミノ基等の導入が、吸収波長の長波長化の点から効果的であるが、置換基が導入されるオキシムエステル誘導体(A1)のpHを考慮しながら選択する必要がある。そういった観点から総合すると、アルコキシ基がもっとも効果的である。
ilverstein 1993)に記載の表を参考にすることができる。
また、R3、R4の位置に導入し得る1価の有機基としては、上記で挙げたような炭化水素基の炭化水素鎖中にヘテロ原子等の炭化水素以外の結合や、置換基を含んだような炭化水素骨格を有する基であってもよい。また、R3、R4の位置に導入し得る1価の有機基は、特に、炭素数が1〜20程度、好ましくは炭素数が1〜8程度であることが好ましい。これらは、直鎖でも分岐鎖でも環状でも良い。また、R4とR8が連結し環状になっていても良い。
炭化水素骨格を有する基に含まれるヘテロ原子等の炭化水素以外の結合としては、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、エステル結合、チオエステル結合、アミド結合、ウレタン結合、カーボネート結合、アシル結合、オキシム結合など、また置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、シアノ基、シリル基、シラノール基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、アセチル基、アセトキシ基、スルホン基、不飽和アルキルエーテル基、アリールエーテル基、不飽和アルキルチオエーテル基、アリールチオエーテル基等が挙げられるが特に限定されない。
上記のような触媒効果が大きい点から、オキシムエステル誘導体(A1)の電磁波の吸収に伴う解裂反応によって発生する塩基性物質は脂肪族アミン、または脂肪族ヒドラジンが好ましい。その中でも、塩基性の観点からは2級の脂肪族アミンが好ましく、オキシムエステル誘導体の合成の容易さの観点からは1級の脂肪族アミンが好ましい。これまでの検討の結果から、脂肪族アミンでは1級アミンと2級アミンでは、触媒作用の差がわずかである為、合成が簡便な1級の脂肪族アミンを発生させるオキシムエステル誘導体の方がより実用的である。
このような窒素原子と結合している末端原子がSP3軌道を有する炭素原子となるような置換基としては、具体的には、メチル基、エチル基、エチニル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、シクロヘキシル基、イソボルニル基、ノルボルニル基、アダマンチル基、ベンジル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
更に、上記式(1)で表されるオキシムエステル誘導体(A1)のR3及びR4のうち少なくとも1つが、直鎖脂肪族炭化水素基、分岐脂肪族炭化水素基、及び、環状脂肪族炭化水素基よりなる群から選択される1種以上の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。中でも、R3及びR4が2つとも、直鎖脂肪族炭化水素基、分岐脂肪族炭化水素基、及び、環状脂肪族炭化水素基よりなる群から選択される1種以上の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。なお、当該好適に用いられる脂肪族炭化水素基は、芳香族基等の置換基を有していても良く、或いは、炭化水素鎖中にヘテロ原子等の炭化水素以外の結合を含んでいても良い。また、R3及びR4が互いに連結していても良い。
(式(3)中、R9及びR10は、それぞれ独立に水素原子又は1価の有機基であり、それらは同一であっても異なっていてもよい。また、また、それら2つが結合して環状構造を形成していても良い。R11、R12、R13及びR14は、それぞれ独立に水素原子又は1価の有機基であり、それらは同一であっても異なっていてもよい。また、それら2つが結合して環状構造を形成していても良い。Yは2価の有機基である。)
(式(4)において、R9及びR10は、それぞれ独立に水素原子又は1価の有機基であり、それらは同一であっても異なっていてもよい。また、それら2つが結合して環状構造を形成していても良い。Yは2価の有機基である。)
また、Yは2価の有機基であり、エチレン基のような2価の飽和又は不飽和アルキレン基、フェニレン基、ナフチレン基のようなアリーレン基や、上記アルキレン基とアリーレン基が組み合わされてなるもの、更にそれらに置換基が結合したもの等が用いられる。また、それらはヘテロ原子を持つ、エーテル結合やエステル結合、アミド結合等の結合を主鎖内に有していても良い。
また、本発明の感光性樹脂組成物が、製品として用いられる場合、感光性樹脂組成物中に不純物が残存しないことが好ましいので、オキシムエステル誘導体(A)及び、電磁波の吸収によって発生したその分解物は現像後に行う加熱のプロセス(例えば高分子がポリイミド前駆体の場合、イミド化のプロセス)で分解、または揮発してしまうことが好ましい。具体的には、オキシムエステル誘導体(A1)のようなオキシムエステル誘導体(A)又は、電磁波の吸収によって発生したその分解物を加熱して初期の重量から50%重量が減少したときの温度(50%重量減少温度)が400℃以下であることが好ましい。
離を伴って環状構造を有する繰り返し単位を形成するものをいう。
さらに、本発明に用いる高分子前駆体は、なんらかの溶媒(有機溶剤、又は水溶液)に可溶なものであることが好ましい。溶媒(有機溶剤、又は水溶液)に可溶なものであると、高分子前駆体の当該溶媒に対する溶解性を変化させることにより、その可溶な溶媒を現像液として用いて、適宜、有機溶剤、塩基性水溶液、酸性水溶液、又は中性水溶液による現像をすることが可能になる。
例えば、塩基性水溶液に可溶なものは、具体的には、基板上に形成された塗膜の25℃における0.1wt%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に対する溶解速度が、100Å/sec以上である。当該溶解速度は1000Å/sec以上であることがさらに好ましい。さらには、より一般的に用いられる現像液である2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に対する溶解速度が、100Å/sec以上であることが好ましく、1000Å/sec以上であることがさらに好ましい。上記定義による溶解速度が100Å/secより小さい場合、現像時間が遅くなり作業性、生産性が悪くなると共に、露光部、未露光部間の溶解性コントラストが得にくくなる。
したがって、本発明の感光性樹脂組成物のある溶媒に対しての溶解速度は、25℃における当該溶媒に対する溶解速度が、100Å/sec以上であることが好ましく、1000Å/sec以上であることがさらに好ましい。
単位時間当たりの溶解速度は、上記の方法と同様にして求められ、感光性樹脂組成物の塗膜にパターン露光を行い、露光後の加熱を行った後に、露光部、未露光部の溶解速度を、それぞれ求める。
このような塩基性物質の存在の有無により反応温度差が出来る場合には、反応温度差を利用して、塩基性物質と共存する高分子前駆体のみが最終生成物へと反応する適切な温度で加熱することにより、塩基性物質と共存する高分子前駆体のみが最終生成物へと反応しある溶媒への溶解性が変化する。従って、塩基性物質の存在の有無によって、高分子前駆体のある溶媒への溶解性を変化させることが可能となり、ひいては当該溶媒を現像液として用いて現像によるパターニングが可能になる。よって、本発明に用いられる高分子前駆体としては、塩基性物質の作用によって最終生成物への反応が促進され、且つ、加熱により溶解性が、加熱前に比べて低く変化する高分子前駆体が好適に用いられる。
ここで、ポリイミド前駆体としては、ポリアミック酸が好適に用いられ、ポリベンゾオキサゾール前駆体としては、ポリアミドアルコールが好適に用いられる。
ポリアミック酸は、酸2無水物とジアミンを溶液中で混合するのみで得られるので、1段階の反応で合成することができ、合成が容易で低コストで入手できるので好ましい。
副次的な効果として、用いる高分子前駆体がポリアミック酸である場合、塩基性物質の触媒効果によりイミド化に要する温度が低くても充分な為、最終キュア温度を300℃未満、更に好ましくは250℃以下まで下げることが可能である。従来のポリアミック酸はイミド化するために最終キュア温度を300℃以上とする必要があった為、用途が制限されていたが、最終キュア温度を下げることが可能になったことによって、より広範囲の用途に適用が可能である。
ここで、全芳香族ポリイミド前駆体とは、芳香族酸成分と芳香族アミン成分の共重合、又は、芳香族酸/アミノ成分の重合により得られるポリイミド前駆体及びその誘導体である。また、芳香族酸成分とは、ポリイミド骨格を形成する4つの酸基が全て芳香族環上に置換している化合物であり、芳香族アミン成分とは、ポリイミド骨格を形成する2つのアミノ基が両方とも芳香族環上に置換している化合物であり、芳香族酸/アミノ成分とはポリイミド骨格を形成する酸基とアミノ基がいずれも芳香族環上に置換している化合物である。ただし、後述する原料の具体例から明らかなように、全ての酸基又はアミノ基が同じ芳香環上に存在する必要はない。
水物を用いると、ポリイミド前駆体の透明性が向上する。また、ピロメリット酸無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物などの剛直な酸二無水物を用いると、最終的に得られるポリイミドの線熱膨張係数が小さくなる。
さらに目的に応じ、架橋点となるエチニル基、ベンゾシクロブテン−4’−イル基、ビニル基、アリル基、シアノ基、イソシアネート基、及びイソプロペニル基のいずれか1種又は2種以上を、上記ジアミンの芳香環上水素原子の一部若しくは全てに置換基として導入しても使用することができる。
さらに、2つ以上の芳香族環が単結合により結合し、2つ以上のアミノ基がそれぞれ別々の芳香族環上に直接又は置換基の一部として結合しているジアミンが挙げられ、例えば、下記式(5)により表されるものがある。具体例としては、ベンジジン等が挙げられる。
具体例としては、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル等が挙げられる。
また、最終的に得られるポリイミドを光導波路、光回路部品として用いる場合には、芳香環の置換基としてフッ素を導入すると1μm以上の波長の電磁波に対しての透過率を向上させることができる。
本発明のオキシムエステル誘導体(A1)は、例えば、以下に記載する1段階の反応スキームにより得ることができる。この反応スキームによれば、アセトフェノンオキシムを出発原料とし、これにトリエチルエミン触媒下、フェニル酢酸クロライドを反応させて目的物を得られる。
また、別の手法としては、アセトフェノンオキシムを出発原料とし、これにジブチル錫ジアセテート触媒下、フェニルイソシアネートを反応させて目的物を得る手法などが例示される。これらの反応は、副生成物を発生させにくく、反応条件を調整することで高収率化も可能である為、安価に入手することができる。
但し、最終的に本発明記載の構造が得られるのであれば、合成ルートはこれに限定されない。
かかる観点から、オキシムエステル誘導体(A1)及びその他のオキシムエステル誘導体(A)は、少なくとも436nm、405nm、365nm、248nmの波長の電磁波のうち少なくとも1つの波長の電磁波に対して吸収を有するものであることが好ましい。
特に本発明に用いられる高分子前駆体が、芳香族成分を含有する高分子である場合は、高分子前駆体のUV吸収が長波長領域まで存在する場合が多いので、オキシムエステル誘導体(A1)の吸収波長は、高分子前駆体が光を充分に透過する波長領域、具体的には、436nm、405nmに存在していることがさらに好ましい。
この場合、吸収を有するとは、アセトニトリル等の溶液に溶解させた状態での、各波長におけるモル吸光係数が300以上であればよく、500以上であればさらに好ましい。
このようにして合成されるポリイミド前駆体は、最終的に得られるポリイミドに耐熱性及び寸法安定性を求める場合には、芳香族酸成分及び/又は芳香族アミン成分の共重合割合ができるだけ大きいことが好ましい。具体的には、イミド構造の繰り返し単位を構成する酸成分に占める芳香族酸成分の割合が50モル%以上、特に70モル%以上であることが好ましく、イミド構造の繰り返し単位を構成するアミン成分に占める芳香族アミン成分の割合が40モル%以上、特に60モル%以上であることが好ましく、全芳香族ポリイミドであることが特に好ましい。
露光波長に対してポリイミド前駆体の透過率が高いということは、それだけ、照射光のロスが少ないということであり、高感度の感光性樹脂組成物を得ることができる。
また、一般的な露光光源である高圧水銀灯を用いて露光を行う場合には、少なくとも436nm、405nm、365nmの波長の電磁波のうち1つの波長の電磁波に対する透過率が、厚み1μmのフィルムに成膜した時で好ましくは5%以上、さらに好ましくは15%、さらに好ましくは50%以上である。
波長が248nmであるKrFレーザーで露光する場合には、248nmにおける透過率が、厚み1μmのフィルムに成膜した時で好ましくは5%以上、さらに好ましくは15%、さらに好ましくは50%以上である。
ここで用いている分子量とは、公知の手法により得られる分子量であり、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の値が例示される。この場合、ポリイミド前駆体そのものの分子量でも良いし、無水酢酸等で化学的イミド化処理を行った後のものでも良い。
特に、高分子前駆体の吸収が360nm以上の波長にもある場合には、増感剤の添加による効果が大きい。増感剤と呼ばれる化合物の具体例としては、チオキサントン及び、ジエチルチオキサントンなどのその誘導体、シアニン及び、その誘導体、メロシアニン及び、その誘導体、クマリン系及び、その誘導体、ケトクマリン及び、その誘導体、ケトビスクマリン、及びその誘導体、シクロペンタノン及び、その誘導体、シクロヘキサノン及び、その誘導体、チオピリリウム塩及び、その誘導体、キノリン系及び、その誘導体、スチリルキノリン系及び、その誘導体、チオキサンテン系、キサンテン系及び、その誘導体、オキソノール系及び、その誘導体、ローダミン系及び、その誘導体、ピリリウム塩及び、その誘導体等が挙げられる。
クマリン、ケトクマリン及び、その誘導体の具体例としては、3−(2’−ベンゾイミダゾール)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3,3’−カルボニルビスクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジメトキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−アセトキシクマリン)等が挙げられる。
チオキサントン及び、その誘導体の具体例としては、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントンなどが挙げられる。
これらは、オキシムエステル誘導体(A)との組み合わせによって、特に優れた効果を発揮する為、オキシムエステル誘導体(A)の構造によって最適な増感作用を示す増感剤が適宜選択される。この場合、増感色素自身が塩基性でない、すなわちpHが7以下の化合物であることが好ましい。
また、本発明に係る樹脂組成物に加工特性や各種機能性を付与するために、その他に様々な有機又は無機の低分子又は高分子化合物を配合してもよい。例えば、染料、界面活性剤、レベリング剤、可塑剤、微粒子等を用いることができる。微粒子には、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン等の有機微粒子、コロイダルシリカ、カーボン、層状珪酸塩等の無機微粒子等が含まれ、それらは多孔質や中空構造であってもよい。また、その機能又は形態としては顔料、フィラー、繊維等がある。
また、その他の任意成分の配合割合は、感光性樹脂組成物の固形分全体に対し、0.1重量%〜95重量%の範囲が好ましい。0.1重量%未満だと、添加物を添加した効果が発揮されにくく、95重量%を超えると、最終的に得られる樹脂硬化物の特性が最終生成物に反映されにくい。なお、感光性樹脂組成物の固形分とは溶剤以外の全成分であり、液状のモノマー成分も固形分に含まれる。
熱性、寸法安定性、絶縁性等の本来の特性も損なわれておらず、良好である。
例えば、本発明の感光性樹脂組成物から得られるポリイミド及びポリベンゾオキサゾールの窒素中で測定した5%重量減少温度は、250℃以上が好ましく、300℃以上がさらに好ましい。特に、はんだリフローの工程を通るような電子部品等の用途に用いる場合は、5%重量減少温度が300℃以下であると、はんだリフローの工程で発生した分解ガスにより気泡等の不具合が発生する恐れがある。
ここで、5%重量減少温度とは、熱重量分析装置を用いて重量減少を測定した時に、サンプルの重量が初期重量から5%減少した時点(換言すればサンプル重量が初期の95%となった時点)の温度である。同様に10%重量減少温度とはサンプル重量が初期重量から10%減少した時点の温度である。
本発明の感光性樹脂組成物から得られるポリイミド及びポリベンゾオキサゾールの寸法安定性の観点から、線熱膨張係数は60ppm以下が好ましく、40ppm以下がさらに好ましい。半導体素子等の製造プロセスにおいてシリコンウェハ上に膜を形成する場合には、密着性、基板のそりの観点から20ppm以下がさらに好ましい。ここで、本発明における線熱膨張係数とは、本発明で得られる感光性樹脂組成物から得られるポリイミド及びポリベンゾオキサゾールのフィルムの熱機械的分析装置(TMA)によって求めることができる。熱機械的分析装置(例えばThermo Plus TMA8310(リガク社製)によって、昇温速度を10℃/min、評価サンプルの断面積当たりの加重が同じになるように引張り加重を1g/25000μm2として得られる。
また、本発明によれば、高分子前駆体にオキシムエステル誘導体(A)を混合するだけという簡便な手法で感光性樹脂組成物を得ることができることから、コストパフォーマンスにも優れる。
さらには、電磁波の照射により発生したアミンの触媒効果により、イミド化に要する処理温度を低減できる為、プロセスへの不可や製品への熱によるダメージを低減することが可能である。
本発明に係る感光性樹脂組成物を何らかの支持体上に塗布し、所定のパターン状に電磁波を照射すると、露光部においてのみ、オキシムエステル誘導体(A)が解裂して塩基性物質が生成する。塩基性物質は、露光部の高分子前駆体の最終生成物への反応を促進する触媒として作用する。
露光工程に用いられる露光方法や露光装置は特に限定されることなく、密着露光でも間接露光でも良くステッパー、スキャナー、アライナー、密着プリンター、レーザー、電子線描画等、公知のあらゆる手段を用いることができる。
熱処理等の後処理は、例えば、塩基性物質と共存する露光部の高分子前駆体のみに対して、最終生成物へ反応させる処理とする。従って、熱処理をする場合には、例えば、塩基性物質が存在する露光部と、塩基性物質が存在しない未露光部とで、高分子前駆体の環化率が異なるようになる温度で行うことが好ましい。
この熱処理は、公知の方法であればどの方法でもよく、具体的に例示すると、空気、又は窒素雰囲気下の循環オーブン、ホットプレートによる加熱などが挙げられるが、特に限定されない。
塩基性水溶液としては、特に限定されないが、例えば、濃度が、0.01重量%〜10重量%、好ましくは、0.05重量%〜5重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化マグネシウム水溶液、水酸化カルシウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、その他、1級、2級、3級アミンの水溶液、水酸化物イオンとアンモニウムイオンの塩の水溶液等が挙げられる。
溶質は、1種類でも2種類以上でも良く、全体の重量の50%以上、さらに好ましくは70%以上、水が含まれていれば有機溶媒等を含んでいても良い。
窒素雰囲気下、200mL三口フラスコ中、アセトフェノンオキシム1.35g(10mmol)を脱水ジメチルアセトアミド50mLに溶解し、触媒量のジブチルすずジアセテートを加え、撹拌した。そこへ、ベンジルイソシアネート 1.33g(10mmol)を添加し、105℃で7時間加熱攪拌を行った。
その後、蒸留水500mlによって再沈殿を行い、沈殿物を回収した後、カラムクロマトグラフィーによって生成し、1.6gの目的の感光性物質1を得た。
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル 1.20g(6mmol)を50mlの3つ口フラスコに投入し、5mlの脱水されたN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させ窒素気流下、氷浴で冷却しながら撹拌した。そこへ、少しずつピロメリット酸2無水物 1.31g(6mmol)を添加し、添加終了後、氷浴中で5時間撹拌し、その溶液を、脱水されたジエチルエーテルによって再沈殿し、その沈殿物を室温で減圧下、17時間乾燥し、白色固体を2.11g(ポリイミド前駆体1)を得た。
上記ポリイミド前駆体1を400mgと、上記感光性物質1を80mgとを、NMP 3mlに溶解させ、本発明の感光性樹脂組成物(感光性樹脂組成物1)を得た。
上記ポリイミド前駆体1 400mgのみをNMP 3mlに溶解させて、比較例の感光性樹脂組成物(比較感光性樹脂組成物1)を得た。
(1)吸収波長と透過率
感光性物質1の1.0×10−4mol/Lアセトニトリル溶液におけるUV吸収、および、ポリイミド前駆体1のガラス上に作成した4.11μmの透過率を、分光測定装置(SHIMADZU製UV-2550 (PC)S GLP)を用いて測定した。
その結果感光性物質1のUV吸収スペクトルは、吸収の裾が350nm付近まで伸びていた。また、ポリイミド前駆体1の透過スペクトルを図2に示す。
ポリイミド前駆体の透過率は、表1のとおりとなり、365nmにおいても10%以上の透過率を示した。
感光性樹脂組成物1(実施例1)及び比較感光性樹脂組成物1(比較例1)を、それぞれクロムめっきされたガラス板上に最終膜厚2μmになるようにスピンコートし、100℃のホットプレート上で2分間乾燥させた。そこへ、手動露光装置(大日本スクリーン株式会社製、MA−1200)でh線換算で、10J紫外線照射を行った。この塗膜を、日本分光製IR310及び、アズワン社製 HOTPLATE EC-1200を用い、室温から昇温速度5℃/minで加熱を350℃まで行いながら赤外分光スペクトルを測定した。
加熱にしたがって前駆体由来のスペクトルが消失し、加熱によって生成したポリイミド由来のピークが現れた。イミド化の進行状況を確認する為に、測定前の前駆体由来の1663cm−1のピーク面積を1としたときに、加熱過程でのピーク面積の減少量をイミド化率と換算しプロットした。(測定前の状態がイミド化率0%、ピークが完全に消失したときをイミド化率100%とした。)
その結果は図2に示した通りである。感光性樹脂組成物1は、感光性樹脂組成物2に比べて前駆体の減少がより低温で起こっており、両サンプルのイミド化率の差が175℃付近で最大となることがわかった。
感光性樹脂組成物1(実施例1)を、ガラス板上に最終膜厚2μmになるようにスピンコートし、80℃のホットプレート上で30分間乾燥させた。そこへ、手動露光装置(大日本スクリーン株式会社製、MA−1200)により、所定パターンを有するフォトマスクを介して、h線換算で5J紫外線照射を行い、その後、160℃のホットプレート上で5分加熱したのち、2.38wt%TMAH水溶液に浸漬した。その結果、露光部が現像液に溶解せず残存したパターンを得ることができた。さらに、それらのサンプルを300℃で1時間加熱しイミド化を行った。
この結果から、本発明の感光性樹脂組成物は、塩基性水溶液現像により良好なパターンを形成することできることが明らかとなった。
感光性樹脂組成物1(実施例1)を、ガラス板上に最終膜厚2μmになるようにスピンコートし、80℃のホットプレート上で30分間乾燥させた。そこへ、手動露光装置(大日本スクリーン株式会社製、MA−1200)により、所定パターンを有するフォトマスクを介して、h線換算で5J紫外線照射を行い、その後、160℃のホットプレート上で5分加熱したのち、N-メチルピロリドンとイソプロパノールを重量比で8:2に混合した混合溶液に浸漬した。その結果、露光部が現像液に溶解せず残存したパターンを得ることができた。さらに、それらのサンプルを300℃で1時間加熱しイミド化を行った。
この結果から、本発明の感光性樹脂組成物は、有機溶剤現像により良好なパターンを形成することできることが明らかとなった。
Claims (16)
- 前記高分子前駆体は、それ自体が塩基性物質の作用によって最終生成物への反応が促進されるものである、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記高分子前駆体は、それ自体が塩基性物質の作用によって最終生成物への反応が促進され、且つ、加熱により溶解性が変化するものである、請求項2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記式(1)中のR1及びR2のうち少なくとも1つが芳香族基又はビニル基を含む、請求項1乃至3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記式(1)で表されるオキシムエステル誘導体(A1)のR1及びR2のうち少なくとも1つが芳香族基である、請求項1乃至4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 上記式(1)で表されるオキシムエステル誘導体(A1)のR3及びR4のうち少なくとも1つの、窒素原子と結合している末端原子が、SP3軌道を有する炭素原子である、請求項1乃至5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記のオキシムエステル誘導体(A1)が、436nm、405nm、365nm、248nmの波長の電磁波のうち少なくとも1つの波長に吸収を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 増感色素を含むことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記高分子前駆体がポリイミド前駆体である請求項1乃至8のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記ポリイミド前駆体がポリアミック酸である請求項9に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記高分子前駆体がポリベンゾオキサゾール前駆体である請求項1乃至10のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 塗料又は印刷インキ、或いは、カラーフィルター、フレキシブルディスプレー用フィルム、半導体装置、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム、光学部材又は建築材料の形成材料として用いられる請求項1乃至11のいずれかに記載の感光性樹脂組成物。
- 前記請求項1〜12のいずれかに記載の感光性樹脂組成物又はその硬化物により少なくとも一部分が形成されている、印刷物、カラーフィルター、フレキシブルディスプレー用フィルム、半導体装置、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム、光学部材又は建築材料いずれかの物品。
- 前記請求項1〜12のいずれかに記載の感光性樹脂組成物からなる塗膜又は成形体の表面に、所定のパターン状に電磁波を照射し、前記塗膜又は成形体の電磁波照射部位の溶解性を選択的に低下させた後、当該溶解性が低下する溶媒を現像液として用いて現像することを特徴とする、ネガ型パターン形成方法。
- 電磁波を照射後、加熱処理を行って、前記塗膜又は成形体の電磁波照射部位の溶解性を選択的に低下させることを特徴とする、請求項14に記載のネガ型パターン形成方法。
- 電磁波を照射後、現像前に加熱処理を行って、前記塗膜又は成形体の電磁波照射部位の溶解性を選択的に低下させることを特徴とする、請求項15に記載のネガ型パターン形成方法。
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