JP5617880B2 - パターン形成用感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物及びパターン形成方法 - Google Patents

パターン形成用感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物及びパターン形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、紫外領域の電磁波に対して透明性に優れ、イミド化後の耐熱性に優れるポリイミド前駆体を用いた樹脂組成物に関し、特に、電磁波によるパターニング工程を経て形成される製品又は部材の材料として好適に利用することが出来るポリイミド前駆体樹脂組成物、さらには、当該樹脂組成物を用いて作製した物品にも関するものである。
高分子材料は、加工が容易、軽量などの特性から身の回りのさまざまな製品に用いられている。1955年に米国デュポン社で開発されたポリイミドは、耐熱性に優れることから航空宇宙分野などへの適用が検討されるなど、開発が進められてきた。以後、多くの研究者によって詳細な検討がなされ、耐熱性、寸法安定性、絶縁特性といった性能が有機物の中でもトップクラスの性能を示すことが明らかとなり、航空宇宙分野にとどまらず、電子部品の絶縁材料等への適用が進められた。現在では、半導体素子の中のチップコ−ティング膜や、フレキシブルプリント配線板の基材などとしてさかんに利用されてきている。
また、近年、ポリイミドの有する課題を解決する為に、類似の加工工程を有し、低吸水性で低誘電率を示すポリベンゾオキサゾ−ルや、基板との密着性に優れるポリベンゾイミダゾ−ル等も精力的に研究されている。
ポリイミドは、ジアミンと酸二無水物から合成される高分子である。ジアミンと酸二無水物を溶液中で反応させることで、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸(ポリアミック酸)となり、その後、脱水閉環反応を経てポリイミドとなる。一般に、ポリイミドは溶媒への溶解性に乏しく加工が困難なため、前駆体のポリアミド酸の状態で所望の形状にし、その後、加熱を行うことでポリイミドとする場合が多い。ポリアミド酸は熱や水に対し不安定な場合が多く、保存安定性がよくない。この点を考慮し、分子構造に溶解性に優れた骨格を導入し、ポリイミドとした後に溶媒に溶解して成形又は塗布できるように改良が施されたポリイミドも開発されたが、これを用いる場合には前駆体方式に比べ耐薬品性や、基板との密着性に劣る傾向にある。そのため、目的に応じて前駆体を用いる方式と溶媒溶解性ポリイミドを用いる方式とが使い分けられている。
また、技術の進歩に従いポリイミドを所望の形状にパターニングしたいとの要求も出てきた。その為、紫外線等の電磁波を用い、露光・現像等のプロセスを通してパターン形成できるポリイミドも開発された。ポリイミドをパターニングするためには、いくつかの手法が提案されている。そのひとつが、ポリイミド前駆体の状態でパターニングを行い、その後熱処理等によりイミド化を行い、ポリイミドのパターンを得る方法であり、もうひとつが、ポリイミド自身に有機物や金属等でレジストパターンを形成し、その開口部をヒドラジン、無機アルカリ、有機アルカリ等の溶液や有機極性溶媒、またはそれらの混合物で処理することによって、分解または溶出させることによりパターンを得る方法である。
前者は、溶媒溶解性に優れる前駆体を用いることで加工特性に優れ、後者は、高温の熱処理等が必要とされるイミド化のプロセスをパターン形成後に行う必要が無いという利点があり、それぞれの用途に応じて使い分けられている。
20世紀後半から目覚しい発展を遂げてきた半導体分野において、現在、主に前駆体を利用するタイプのパターニング可能なポリイミドが用いられている。それは、シリコンウェハ上にポリイミドを形成するため、イミド化に必要な300℃〜400℃という高温の熱処理にも基板が耐えられることが、その理由のひとつとして挙げられる。
前駆体を利用するタイプのポリイミドのパターニングをする手段としても、種々の手法が提案されている。その代表的な手法は、以下の2つに大別される。
(1) ポリイミド前駆体自身にはパターニング能力がなく、感光性樹脂層をその表面に形成し、その感光性樹脂のパターンによってポリイミド前駆体がパターニングされる手法。
(2) ポリイミド前駆体自身に感光性部位を結合や配位させて導入し、その作用によりパターン形成する手法、または、ポリイミド前駆体に感光性成分を混合し樹脂組成物とし、その感光性成分の作用でパターン形成する手法。さらには、感光性部位の導入と感光性成分の混合の両方を組み合わせた手法。
上記(1)のグループに属する手法の代表的なものとして、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸がアルカリ溶液に可溶であることを利用し、その塗膜上にアルカリ現像可能なレジストを塗布し、所望の形状に電磁波を照射後、レジストの現像と同時に、現像によって現れたレジストの開口部から露出したポリアミド酸も現像液に溶出させパターンを形成した後、ポリアミド酸が不溶なアセトン等の有機溶媒で表面のレジスト層を剥離し、その後にイミド化を行い、ポリイミドパターンを得る手法がある。
一方、上記(2)のグループに属する手法の代表的なものとして:
(a) ポリイミドの前駆体のポリアミド酸に、電磁波の露光前は溶解抑止剤として作用し、露光後は、カルボン酸を生成し溶解促進剤となる、ナフトキノンジアジド誘導体を混合し、露光部と未露光部の現像液に対する溶解速度のコントラストを大きくすることでパターン形成を行い、その後、イミド化を行い、ポリイミドパターンを得る手法;
(b) ポリイミドの前駆体のポリアミド酸に、電磁波の露光によりイミド化の触媒作用を示す塩基性物質となるニフェジピン誘導体等の化合物を混合し、露光後に、適度な温度で加熱することにより、露光部に発生した塩基性物質の作用で露光部は部分的にイミド化されるため、現像液に対する溶解性が低下し、露光部と未露光部の現像液に対する溶解速度のコントラストを大きくすることでパターン形成を行い、その後、完全にイミド化を行い、ポリイミドパターンを得る手法;
(c) ポリイミド前駆体としてラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する骨格を結合させたものを用い、そこに光ラジカル発生剤を混合することで露光部に架橋構造を形成して現像液に対する溶解性を低下させ、露光部と未露光部の現像液に対する溶解速度のコントラストを大きくすることでパターン形成を行い、その後、イミド化を行い、ポリイミドパターンを得る手法;
(d) ポリイミド前駆体のポリアミド酸と塩基性部位を有する化合物を混合し、電磁波の照射によりラジカルイオン対を形成させることで、現像液に対する溶解性を変化させ、露光部と未露光部の現像液に対する溶解速度のコントラストを大きくすることでパターン形成を行い、その後、イミド化を行い、ポリイミドパターンを得る手法;
及び、
(e) ポリイミドの前駆体のポリアミド酸に、光酸(または光塩基)発生剤と架橋剤を混合し、露光後、加熱することで露光によって発生した酸(または塩基)の作用によって架橋を進行させ、現像液に対する溶解性が低下させることで、露光部と未露光部の現像液に対する溶解速度のコントラストを大きくしパターン形成を行い、その後、イミド化を行い、ポリイミドパターンを得る手法、などの手法が提案されている。
上記(1)のグループに属する手法は、プロセスが煩雑になるものの、用いるポリイミド前駆体の組成の自由度が大きく、また、感光性成分等を混合していないため最終的なポリイミドにはポリイミド以外の不純物を含まず、信頼性が高いという特徴がある。
一方、(2)のグループに属する手法では、ポリイミド前駆体(または、ポリイミド前駆体樹脂組成物)自身がパターン形成能を有するため、(1)のグループで用いたようなレジスト層が必要なく、プロセスが大幅に簡便になるという特徴があるが、ポリイミド前駆体自身が露光波長を十分に透過しないと、感光性成分に電磁波が届かず感度の低下や、パターンが形成できない等の問題が発生するため、露光波長に対し透過率の高い骨格を選ぶ必要がある。
また、(2)の(a)、(b)、(d)、(e)の手法に用いられてきた従来のポリアミック酸は、一般に室温において主鎖の加水分解されやすく、分子量が低下し、溶液の粘度が低下する。粘度が経時的に変化すると塗布時の膜厚ムラやイミド化後の物性の変化が起こり、安定的な製品の生産が難しいという課題がある。特に(d)の手法は、塩基性化合物を混合させる為、さらに加水分解されやすく、保存安定性等に大きな問題を抱えている。
また、より微細なパターンを形成したいという市場の要求に伴い、露光波長も436nmから405nm、365nmへと段階的に短波長化している。これらの手法に用いられるポリイミド前駆体は、その化学構造によって吸収波長が異なるが、一般に450nm付近から短波長側にかけては吸収を有する場合が多い。特に芳香族構造を多く有し、それらの一部、または、大部分が共役状態にあるものについては、その傾向が強い。また、それらの吸収を小さくする為に工夫されたものについても、400nm以下の波長に吸収を有する場合が多く、より微細な加工が可能である365nm以下の波長による露光に対応させる為、より短い波長に対する透過率を向上させるために検討がされてきた。
特に、耐熱性が高く、低膨張率を示す芳香族骨格を有するポリイミド前駆体は、より長波長領域に吸収をもつ傾向がある。
ポリイミド前駆体の吸収の原因は、電荷の移動によるものと言われており、最近では、特にその分子内の電荷移動が着色に大きく関わっていると報告されている(非特許文献1)。 つまり、分子内の電荷移動をなくすことで、吸収をより短波長領域にシフトさせたポリイミド前駆体を作ることができる。この原理に基づき、これまでにポリイミド前駆体の吸収を短波長化させる手法として、大きく2つの手法が提案されている。
一つは、通常、芳香族骨格が多いポリイミド前駆体の骨格内に脂肪族構造、特に脂環構造を導入し、骨格内のπ電子の共役を断ち切ることで骨格内の電荷の移動を阻害し、吸収の短波長化を図るというものである。特に、原料であるジアミンに脂環骨格を導入することが効果的であるといわれている。(非特許文献1、特許文献1)
もう一つは、ポリイミド前駆体骨格内にフッ素を導入し、骨格内の電子状態を電荷移動しにくくすることで透明性を付与するものである。(特許文献2)
一方、2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を酸成分として用いたポリイミド前駆体に関しては、非特許文献2に、1968年アメリカのGoinらは2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物と4,4'−ジアミノジフェニルエーテルをジメチルアセトアミド中で反応させて得られたポリアミド酸を、ジエチルエーテルを用い再沈殿精製を行った後、再びジメチルアセトアミドに溶解させてできたポリアミド酸溶液をキャストし、300℃まで徐々に加熱することでポリイミドを得たことが記載されているが、ここにはポリイミドの熱分解温度が記載されているだけであり、それ以外の物性の詳細は記載されていない。
特開平10−310639号公報 特開平5−1148号公報
Polymer Preprints, Japan 48 [5] 939 (1999) POLYMER LETTERS Vol.6, p821−825 (1968)
従来のポリアミド酸は、用いられているテトラカルボン酸二無水物が芳香族の場合、最終的にイミド結合を形成する2つのカルボニル基がπ共役状態にある同一の芳香族環に結合しており、ジアミンと反応しポリイミド前駆体となった状態において、アミド結合とカルボン酸が近傍に存在し、しかもそれらの芳香族環との結合位置が固定されている。酸無水物とアミンの反応は可逆反応である為、このような状態であると、より逆反応が進行しやすい。その為、長期の保存や加熱によって逆反応が進行し、分子鎖の切断が起こり分子量が低下したり、逆反応によって精製した反応性末端が種々の部位と反応することによるゲル化を引き起こす。その為、ポリアミド酸は低温保存、冷凍保存が推奨されており取り扱い上の問題があった。
特に、上記(2)の(d)の手法を用いた感光性ポリイミドは、簡便に調整できる、比較的感度が高いといった特徴を持つ一方で、塩基性化合物が溶液中に混合されていることから、さらに加水分解されやすく、室温保管時の粘度の経時変化が大きい、安定的に用いることができないと言った課題を有する為、室温保管時の保存安定性の改善が大きく望まれていた。
加えて、さらなる高感度化のために、露光波長におけるポリイミド前駆体自身のUV吸収の低減も求められていた。
本発明は、上記実情を鑑みて成し遂げられたものであり、塩基性化合物と混合されていながら保存安定性に優れたポリイミド前駆体樹脂組成物であって、電磁波に対して短波長領域まで透過率が高いポリイミド前駆体を用いた高感度な感光性樹脂組成物として用いることができるポリイミド前駆体樹脂組成物を得ることを目的とする。
また、本発明の別の目的は、電磁波に対して短波長領域でも高い透過率を有し、且つ、保存安定性に優れ、高感度な感光性樹脂組成物として用いることができる上記ポリイミド前駆体樹脂組成物を用いて、該ポリイミド前駆体樹脂組成物から誘導されるポリイミド樹脂組成物から形成されるか又は該ポリイミド前駆体樹脂組成物を含有する様々な製品や部材を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、下記式(1a)又は(1b)で表される繰り返し単位のいずれか、又は、両方を有するポリイミド前駆体、および、エチレン性不飽和結合を有しないアミンを含有し、前記ポリイミド前駆体はエチレン性不飽和結合含有基を含まず、前記ポリイミド前駆体及び前記アミンとは異なる光硬化性成分を含まない、パターン形成用感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物を提供する。
Figure 0005617880
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基であり、それらは互いに結合していても良い。R、Rはそれぞれ独立に、水素原子、又は1価の有機基であり、Xは、2価の有機基である。同一分子内に存在する繰り返し単位間において同一符号で表される基同士は異なる原子又は構造であっても良い。)
本発明者は、全く新しい考え方に基づきポリイミドの分子設計を行い、高耐熱という特徴を有する芳香族ポリイミド、特に好ましくは全芳香族ポリイミドの前駆体でありながら、フッ素を導入せずに高い透明性を有するポリイミド前駆体を発明し、それを感光性樹脂組成物としてパターン形成に応用するに至った。つまり、電磁波の吸収の原因となるポリイミド前駆体分子鎖上でのπ共役をひき起こさないようにする為に、異なったπ平面を有する芳香族環に結合するアミド結合とカルボン酸および、その誘導体によってイミド結合を形成するようなメカニズムを導入し、ポリイミド前駆体の分子鎖のπ電子の共役構造を、骨格の立体配座を制御することで断ち切るという考え方をポリイミド前駆体に適用した。
すなわち、本発明に用いられるポリイミド前駆体における上記式(1a)又は式(1b)の繰り返し単位に含まれる骨格は、平面に配置しようとすると不安定であるため、当該骨格に含まれる酸二無水物由来のビフェニル構造のベンゼン環の相対的位置がねじれ、π結合の共役が立ち切られる。
本発明に用いられるポリイミド前駆体は、このような分子構造の空間配置を有するため、ポリイミド前駆体分子鎖上のπ共役が阻止され、より短波長に吸収を有するポリイミド前駆体となる。また、これらのポリイミド前駆体から最終的に得られるポリイミドは芳香族ポリイミドゆえの耐熱性を有する。また、その構造にもよるが、多くのジアミンとの組み合わせにおいて400nm以上に吸収を有さず構造の選択の幅が広い。その結果、吸収波長に制限されることなく、低熱膨張や低吸湿、低誘電率や低誘電正接など、求める物性に応じて、骨格を選択できる。
また、最終的にイミド結合を形成するカルボニル基とアミド基が、π共役構造となっている同一の芳香族環に結合していない為、ポリイミド前駆体となった場合にそれらの間の距離が立体的に離れることから、従来のポリアミド酸等に比べ保存安定性が良好である。
一方、上述のように、ポリイミド前駆体のポリアミド酸と塩基性部位を有する化合物の一つであるアミンを混合すると、電磁波の照射によりラジカルイオン対を形成させることで、現像液に対する溶解性を変化させ、露光部と未露光部の現像液に対する溶解速度のコントラストを大きくすることでパターン形成を行うことができる。
以上のようにして、本発明に係るパターン形成用感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物は、電磁波に対して短波長領域まで透過率が高く、優れた保存安定性を示すポリイミド前駆体を含有する為、塩基性化合物と混合されていながら保存安定性に優れ、且つ、高感度な感光性樹脂組成物として用いることが可能である。
前記本発明に係るパターン形成用感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物においては、前記ポリイミド前駆体が、下記式(2)で表される繰り返し単位をさらに有していても良い。
Figure 0005617880
(式中、R、R10はそれぞれ独立に、水素原子、又は1価の有機基であり、Yは4価の有機基であり、Zは2価の有機基である。同一分子内に存在する繰り返し単位間において同一符号で表される基同士は異なる原子又は構造であっても良い。)
前記本発明に係るパターン形成用感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物においては、前記ポリイミド前駆体に含まれる、前記式(1a)又は(1b)で表される繰り返し単位の合計量が、前記ポリイミド前駆体の高分子骨格を構成する繰り返し単位の50モル%以上を占めることが、電磁波に対して短波長領域まで透過率を高くする点から好ましい。
前記本発明に係るパターン形成用感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物においては、前記ポリイミド前駆体を厚み1μmのフィルムに成膜した時に、少なくとも436nm,405nm、365nm、248nm、193nmの波長の電磁波のうち1つの波長の電磁波に対する透過率が20%以上であることが、電磁波に対して短波長領域まで透過率を高くする点から好ましい。
前記本発明に係るパターン形成用感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物においては、前記ポリイミド前駆体が、全芳香族ポリイミド前駆体の繰り返し単位であることが、耐熱性及び寸法安定性の点から好ましい。
前記本発明に係るパターン形成用感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物においては、436nm、405nm、又は365nmの波長の電磁波のうちいずれか1つの波長の電磁波に対して吸収を有する化合物を、更に含有することが、その化合物による増感作用により感度が向上する点から好ましい。
前記本発明に係るパターン形成用感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物においては、前記アミンが、3級アミンであることが、感度向上の観点から好ましい。
本発明に係るパターン形成方法は、前記本発明に係るパターン形成用感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物を塗布、乾燥して得た塗膜に、パターン状に露光後、露光部は溶解しないが未露光部を溶解する現像液を用いて未露光部のみ溶解する、パターン形成方法である。
以上に述べたように、本発明に係るポリイミド前駆体樹脂組成物は、電磁波に対して短波長領域まで透過率が高く、優れた保存安定性を示すポリイミド前駆体を含有する為、塩基性化合物と混合されていながら保存安定性、特に室温における保存安定性に優れ、且つ、高感度な感光性樹脂組成物として用いることができる。
また、本発明に係るポリイミド前駆体樹脂組成物は、そのメカニズムから、ポリイミド前駆体の合成に用いるジアミンの種類によらず透明性を維持でき、従来のフッ素や脂環骨格を導入する方法では最終的にポリイミドとなったときに避けられなかった、耐熱性、寸法安定性等のポリイミド本来の物性が低下する問題や、コスト高となる問題を解消することができ、従来の芳香族ポリイミドと同等の耐熱性を有するポリイミドの塗膜、フィルム或いは成形品を得ることできる。
特に本発明に係るポリイミド前駆体樹脂組成物は、最終的に得られるポリイミドが耐熱性、寸法安定性、絶縁性等のポリイミド本来の特性を備えているにもかかわらず、吸収波長が短波長化していることから高感度であり、従来用いることができなかった短い波長の電磁波の適用が可能になる為、より微細なパターンを形成できる。
また、上記本発明に係るポリイミド前駆体樹脂組成物は、高感度であり、それによって得られるポリイミドは、耐熱性、寸法安定性、絶縁性を有することから、ポリイミドが適用されている公知の全ての部材用のフィルムや塗膜として好適であり、例えば、半導体素子、光回路部品、電子部品、カラーフィルター等のディスプレ−部材等の高耐熱性のフィルムや構造物、塗膜としての利用が期待される。
式(1)の骨格を有する化合物の立体構造モデルである。
本発明は、ポリイミド前駆体樹脂組成物、及びそれを用いた物品に関するものである。以下、ポリイミド前駆体樹脂組成物、及びそれを用いた物品について順に説明する。
まず、本発明に係るポリイミド前駆体樹脂組成物について説明する。本発明に係るポリイミド前駆体樹脂組成物は、下記式(1a)又は(1b)で表される繰り返し単位のいずれか、又は、両方を有するポリイミド前駆体、および、アミンを含有することを特徴とするものである。
Figure 0005617880
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基であり、それらは互いに結合していても良い。R、Rはそれぞれ独立に、水素原子、又は1価の有機基であり、Xは、2価の有機基である。同一分子内に存在する繰り返し単位間において同一符号で表される基同士は異なる原子又は構造であっても良い。)
本発明に係るポリイミド前駆体樹脂組成物は、上記特定の構造を有するポリイミド前駆体、すなわち、その特異な立体構造により、電磁波に対して短波長領域まで透過率が高く、且つ優れた保存安定性を示すポリイミド前駆体を含有する為、アミンと混合されていながら保存安定性に優れる。更に、上記ポリイミド前駆体はポリアミド酸の構造を有するため、アミンと混合されていると、電磁波の照射によりラジカルイオン対を形成させることで、現像液に対する溶解性を変化させ、露光部と未露光部の現像液に対する溶解速度のコントラストを大きくすることでパターン形成を行うことができる。上記ポリイミド前駆体は電磁波に対して短波長領域まで透過率が高いことから、本発明に係るポリイミド前駆体樹脂組成物は、高感度な感光性樹脂組成物として用いることができる。
本発明に係るポリイミド前駆体樹脂組成物は、上記特定の構造を有するポリイミド前駆体と、アミンとを含有するものであり、必要に応じて他の化合物を含有しても良いものである。
以下、このような本発明に係るポリイミド前駆体樹脂組成物の各構成について順に詳細に説明する。
本発明に係るポリイミド前駆体樹脂組成物に含まれるポリイミド前駆体は、下記式(1a)又は(1b)で表される繰り返し単位のいずれか、又は、両方を有することを特徴とし、最終生成物として7員環ポリイミド構造を含むポリイミドを与える前駆体である。
Figure 0005617880
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基であり、それらは互いに結合していても良い。R、Rはそれぞれ独立に、水素原子、又は1価の有機基であり、Xは、2価の有機基である。同一分子内に存在する繰り返し単位間において同一符号で表される基同士は異なる原子又は構造であっても良い。)
従来の、ピロメリット酸二無水物由来のポリイミド前駆体に代表される芳香族5員環酸二無水物由来のポリイミド前駆体と、1,4,5,8,−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物由来のポリイミド前駆体に代表される芳香族6員環酸二無水物構造を有するポリイミド前駆体は、最終的にイミド結合を形成するカルボニル基が同一π平面状に配置するため、π電子の共役構造がポリイミド前駆体分子鎖上に広がりやすい。
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物に由来されるポリイミド前駆体も、分子内閉環反応可能なアミド基とカルボキシル基が、同じベンゼン環に結合している為、それら2種の置換基の位置が固定されており、逆反応が進行しやすい。
また、酸無水物由来の2つのベンゼン環を結ぶ単結合は自由回転が可能であり、それらがπ共役構造を形成することが可能である為、低波長領域の電磁波の透過率が低い場合が多い。
2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物に由来されるポリイミド前駆体も、分子内閉環反応可能なアミド基とカルボキシル基は、同一のベンゼン環に結合しており、逆反応が進行しやすい。
また、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物に由来されるポリイミド前駆体は、酸無水物由来の2つの芳香環は立体的に共役しにくいが、その前駆体から誘導されるポリイミドは、5員環のイミド構造を有することから着色が大きく、さらに、分子鎖が屈曲性の構造である為、膨張率を低下させにくく、適用できる用途が限定される。
特に、酸成分として芳香族酸二無水物を用いるだけでなく、ジアミン成分も芳香族ジアミンを用いる全芳香族ポリイミドの場合には、共役構造がポリイミド分子鎖上の広い範囲に亘り広がりやすいので、着色現象を生じやすい。
これに対して、本発明に用いられる式(1a)及び式(1b)の繰り返し単位は、2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物又はその芳香族環上に置換基を有する化合物から誘導される構造を有しており、テトラカルボン酸由来の2つの芳香族環が平面に配置しようとすると立体的に不安定となる。そのため、ポリイミド前駆体に含まれるビフェニル構造のベンゼン環の相対的位置がねじれ、π結合の共役が立ち切られる。
図1に、式(1a)の骨格を有するモデル化合物の分子軌道計算の結果から推測される空間配置を示す。2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物は、アミンと反応しポリイミド前駆体となると、立体障害により2つのベンゼン環が同一平面内に存在せず、ベンゼン環同士が互いに直行した立体配置を取ることがMM2分子軌道計算の結果から推測される。以下にモデル化合物とそのMM2計算によるコンフォメ−ションを示す。
本発明に用いられるポリイミド前駆体は、このような分子構造の空間配置を有するため、最終的なイミド化物は芳香族ポリイミドゆえの耐熱性を有しながら、ポリイミド前駆体分子鎖上のπ共役が阻害され、吸収波長がより短波長化したポリイミド前駆体となる。
また、本発明に用いられるポリイミド前駆体は、最終的にイミド結合を形成するカルボニル基とアミド基が、π共役構造となっている同一の芳香族環に結合していない為、ポリイミド前駆体となった場合にそれらの間の距離が立体的に離れることから、逆反応が進行しにくい為、分子の加水分解が抑制され、良好な保存安定性も示す。
さらに、原料の2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物は、ピレンの酸化反応などの比較的簡単な合成手法により得ることができるため、安価に入手が可能であるというメリットも有する。
2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用いて製造したポリイミド前駆体は、従来知られていたが、その物性は詳細には知られておらず、特に透明性が良好である、保存安定性が良好であるという特性は過去において全く知られていなかった。
本発明は、ポリイミド前駆体の透明性を高めるための新規な分子設計に基づいて、2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を用いて製造したポリイミド前駆体が、これまでのポリイミド前駆体にないメカニズムにより透明性が良好であることを見出し、ポリイミド前駆体本来の性質と共に、その高い透明性を生かすことが出来る分野での好適な応用を示す。
上記式(1a)又は式(1b)で表される繰り返し単位において、R〜Rの位置には、水素原子以外の置換基が導入されていてもよい。本発明におけるポリイミド前駆体は、式(1a)又は式(1b)の繰り返し単位が2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物由来の骨格を有していれば、透明性が良好となり、R〜Rに置換基が導入されても同様の効果が期待できる。
水素原子以外にR〜Rの位置に導入し得る1価の有機基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、シアノ基、シリル基、シラノール基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、アセチル基、アセトキシ基、スルホン基、飽和又は不飽和アルキル基、飽和又は不飽和ハロゲン化アルキル基、又は、フェニル、ナフチル等の芳香族基、アリル基等が挙げられる。R〜Rは、互いに同一であっても異なっていても良い。R〜Rのうちの2つ又は3つ以上の基、特に、R〜Rのうちの2つ又は3つ、及び/又は、R〜Rのうちの2つ又は3つは、互いに結合して環状構造を形成していても良い。
置換基R〜Rは、原料の状態で導入し、酸二無水物の状態で既に置換基が導入されたものを用いても良いし、ジアミンと反応させてポリイミドやポリアミド酸の状態で導入しても良い。また、置換基を導入することで吸収する光の波長を調整することが可能であり、置換基を導入することで所望の波長を吸収させるようにすることもできる。
所望の波長に対して吸収波長をシフトさせる為に、どのような置換基を導入したら良いかという指針として、Interpretation of the Ultraviolet Spectra of Natural Products(A.I.Scott 1964)や、有機化合物のスペクトルによる同定法 第5版(R.M.Silverstein 1993)に記載の表を参考にすることができる。
式(1a)又は式(1b)中のXは2価の有機基であり、その具体例としては、後述する各ジアミン成分に対応する2価の有機基、すなわち、ジアミン成分からポリイミド鎖の形成に関与する両末端アミノ基を取り除いた構造が挙げられる。なお、同じポリイミド鎖内に存在する各繰り返し単位間において、同一符号で表される基同士は異なる原子又は構造であっても良い。
式(1a)又は式(1b)中のRおよびRは、水素原子および/または、1価の有機基であり、その具体例としては、1価の有機基としては、例えば、水酸基、ハロゲン原子、メルカプト基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、シアノ基、シリル基、シラノール基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、アセチル基、アセトキシ基、スルホン基、飽和又は不飽和アルキル基、飽和又は不飽和ハロゲン化アルキル基、又は、フェニル、ナフチル等の芳香族基、アリル基、エチレン性不飽和結合含有基等が挙げられる。R〜Rは、互いに同一であっても異なっていても良く、各繰り返し単位ごとに複数種が混合していても良い。
エチレン性不飽和結合含有基とは、エチレン性不飽和結合を1つ以上有する置換基であり、具体的に例示すると、アリルオキシ基、2−アクリロイルオキシエチルオキシ基、2−メタクリロイルオキシプロピルオキシ基、2−アクリロイルオキシエチルアミノ基、2−メタクリロイルオキシエチルアミノ基、2−アクリロイルオキシプロピルアミノ基、2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロピルオキシ基、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピルオキシ基、2−ヒドロキシ−4−ペンテニルオキシ基、2−アクリロイルオキシエチル・ジメチルアンモニウム基、2−メタクリロイルオキシプロピル・トリメチルアンモニウム基およびその誘導体が挙げられる。
本発明に用いられるポリイミド前駆体は、最終的に得られるポリイミドの耐熱性及び寸法安定性を優れたものとする観点から、酸二無水物由来の部分が芳香族構造を有し、さらにジアミン由来の部分も芳香族構造を含む全芳香族ポリイミド前駆体であることが好ましい。それゆえ、ジアミン成分由来の構造であるXも芳香族ジアミンから誘導される構造であることが好ましい。ここで、全芳香族ポリイミド前駆体とは、芳香族酸成分と芳香族アミン成分の共重合、又は、芳香族酸/アミノ成分の重合により得られるポリイミド前駆体である。また、芳香族酸成分とは、ポリイミド骨格を形成する4つの酸基が全て芳香族環上に置換している化合物であり、芳香族アミン成分とは、ポリイミド骨格を形成する2つのアミノ基が両方とも芳香族環上に置換している化合物であり、芳香族酸/アミノ成分とはポリイミド骨格を形成する酸基とアミノ基がいずれも芳香族環上に置換している化合物である。ただし、後述する原料の具体例から明らかなように、全ての酸基又はアミノ基が同じ芳香族環上に存在する必要はない。
本発明に用いられるポリイミド前駆体は、分子構造中に置換基を導入することで溶解性を向上させることもできる。この観点からは、上記置換基R〜Rは、炭素数1〜15の飽和及び不飽和アルキル基、炭素数1〜15の飽和及び不飽和アルコキシ基、ブロモ基、クロロ基、フルオロ基、ニトロ基、1〜3級アミノ基等が好ましい。また、これらの基が、上記2価の有機基Xに存在していても良い。
本発明に用いられるポリイミド前駆体は、最終的に得られるポリイミドの透明性・耐熱性・寸法安定性等の特性を向上させるという本発明の目的を達成できる範囲内であれば、式(1a)又は式(1b)以外の繰り返し単位を有していても良い。
例えば、本発明に用いられるポリイミド前駆体は、式(1a)又は式(1b)以外の構造を持つ繰り返し単位を含んでいてもよいし、アミド構造の繰り返し単位(ポリアミドの繰り返し単位)のようなイミド構造ではない繰り返し単位を含んでいても良い。
式(1a)又は式(1b)以外の構造を持つ繰り返し単位としては、例えば、下記式(2)で表すものが挙げられる。
Figure 0005617880
(式中、R、R10はそれぞれ独立に、水素原子、又は1価の有機基であり、Yは4価の有機基であり、Zは2価の有機基である。同一分子内に存在する繰り返し単位間において同一符号で表される基同士は異なる原子又は構造であっても良い。)
式(1a)及び/又は式(1b)で表される繰り返し単位と、式(2)で表される繰り返し単位を含むポリイミドは、下記式(3)で表すことができる。なお、式(3)で表されるポリイミドは、式(1a)及び/又は式(1b)と式(2)以外の繰り返し単位を含んでいても良い。
Figure 0005617880
(上記式(3)において、各符号は式(1a)及び/又は式(1b)又は式(2)と同じである。同一分子内に存在する繰り返し単位間において同一符号で表される基同士は、異なる原子又は構造であっても良い。o、又はpの少なくともひとつは1以上の自然数であるという条件の下、o、pおよびqは0以上の自然数である。式(1a)、式(1b)及び式(2)の各単位は、ランダムな配列であっても良いし規則性を持った配列であっても良い。)
式(1a)又は式(1b)以外のイミド構造は、2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物やその誘導体以外の酸二無水物を用いることによりポリイミド前駆体鎖内に導入される。
本発明に用いられるポリイミド前駆体を製造する方法としては、従来公知の手法を適用することができる。例えば、(1)酸二無水物とジアミンから前駆体であるポリアミド酸を合成する手法;(2)酸二無水物に1価のアルコールやアミノ化合物、エポキシ化合物等を反応させて合成した、エステル酸やアミド酸モノマ−のカルボン酸に、ジアミノ化合物やその誘導体を反応させてポリイミド前駆体を合成する手法などが挙げられるが、これに限定されない。
先に述べた様に、ここで用いる酸二無水物は2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物だけでなく、目的に応じて予めR〜Rのいずれか一箇所以上に置換基が導入された誘導体を用いても良い。また、酸二無水物としては、2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物及び/又はその誘導体以外のものを併用しても良い。2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物及び/又はその誘導体、さらに、その他の酸二無水物は、ポリイミド前駆体の透明性を確保できる範囲内であれば2種以上を併用することができる。
2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物及び/又はその誘導体と併用できる酸二無水物は、耐熱性の観点から芳香族酸二無水物が好ましいが、目的の物性に応じて、酸二無水物全体の50モル%、好ましくは30モル%を超えない範囲で2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物以外の酸二無水物を用いても良い。
2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物及び/又はその誘導体と併用可能な他の酸二無水物としては、例えば、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,3−ビス〔(3,4−ジカルボキシ)ベンゾイル〕ベンゼン二無水物、1,4−ビス〔(3,4−ジカルボキシ)ベンゾイル〕ベンゼン二無水物、2,2−ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}プロパン二無水物、2,2−ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}プロパン二無水物、ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}ケトン二無水物、ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}ケトン二無水物、4,4’−ビス〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕ビフェニル二無水物、4,4’−ビス〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕ビフェニル二無水物、ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}ケトン二無水物、ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}ケトン二無水物、ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}スルホン二無水物、ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}スルホン二無水物、ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}スルフィド二無水物、ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}スルフィド二無水物、2,2−ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルプロパン二無水物、2,2−ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}−1,1,1,3,3,3−プロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ぺリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらは単独あるいは2種以上混合して用いられる。そして、特に好ましく用いられるテトラカルボン酸二無水物としてピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物が挙げられる。
併用する酸二無水物としてフッ素が導入された酸二無水物や、脂環骨格を有する酸二無水物を用いると、透明性をそれほど損なわずに溶解性や最終的に得られるポリイミドの熱膨張率等の物性を調整することが可能である。また、ピロメリット酸無水物や、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物などの剛直な酸二無水物を用いると、最終的に得られるポリイミドの線熱膨張係数が小さくなるが、透明性の向上を阻害する傾向があるので、目的に応じて共重合割合に注意しながら併用してもよい。
一方、アミン成分も、1種類のジアミン単独で、または2種類以上のジアミンを併用して用いることができる。用いられるジアミン成分は限定されるわけではないが、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ジ(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1−ジ(3−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ジ(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1−(3−アミノフェニル)−1−(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゾニトリル、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ピリジン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、
ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、4,4’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、4,4’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ]ジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、6,6’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン、6,6’−ビス(4−アミノフェノキシ)−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(4−アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノブチル)ポリジメチルシロキサン、ビス(アミノメチル)エーテル、ビス(2−アミノエチル)エーテル、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、ビス(2−アミノメトキシ)エチル]エーテル、ビス[2−(2−アミノエトキシ)エチル]エーテル、ビス[2−(3−アミノプロトキシ)エチル]エーテル、
1,2−ビス(アミノメトキシ)エタン、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン、1,2−ビス[2−(アミノメトキシ)エトキシ]エタン、1,2−ビス[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エタン、エチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,3−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロへキシル)メタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、また、上記ジアミンの芳香族環上水素原子の一部若しくは全てをフルオロ基、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、又はトリフルオロメトキシ基から選ばれた置換基で置換したジアミンも使用することができる。さらに目的に応じ、架橋点となるエチニル基、ベンゾシクロブテン−4’−イル基、ビニル基、アリル基、シアノ基、イソシアネ−ト基、及びイソプロペニル基のいずれか1種又は2種以上を、上記ジアミンの芳香族環上水素原子の一部若しくは全てに置換基として導入しても使用することができる。
ジアミンは、目的の物性によって選択することができ、p−フェニレンジアミンなどの剛直なジアミンを用いれば、この高透明性ポリイミド前駆体から誘導されるポリイミドは低膨張率となる。
剛直なジアミンとしては、同一の芳香環に2つアミノ基が結合しているジアミンとして、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、1,4−ジアミノナフタレン、1,5−ジアミノナフタレン、2、6−ジアミノナフタレン、2,7−ジアミノナフタレン、1,4−ジアミノアントラセンなどが挙げられる。
さらに、2つ以上の芳香族環が単結合により結合し、2つ以上のアミノ基がそれぞれ別々の芳香族環上に直接又は置換基の一部として結合しているジアミンが挙げられ、例えば、下記式(4)により表されるものがある。具体例としては、ベンジジン等が挙げられる。
Figure 0005617880
(aは1以上の自然数、アミノ基はベンゼン環同士の結合に対して、メタ位または、パラ位に結合する。)
さらに、上記式(4)において、他のベンゼン間との結合に関与せず、ベンゼン環上のアミノ基が置換していない位置に置換基を有するジアミンも用いることができる。これら置換基は、1価の有機基であるがそれらは互いに結合していてもよい。
具体例としては、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジトリフルオロメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル等が挙げられる。
また、本発明に用いられるポリイミド前駆体、および、それより誘導されるポリイミドを光導波路、光回路部品として用いる場合には、芳香環の置換基としてフッ素を導入すると1μm以上の波長の電磁波に対しての透過率を向上させることができる。
一方、ジアミンとして、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンなどのシロキサン骨格を有するジアミンを用いると、本発明に用いられるポリイミド前駆体、および、それより誘導されるポリイミドは弾性率が低下し、ガラス転移温度を低下させることができる。
ここで、選択されるジアミンは耐熱性の観点より芳香族ジアミンが好ましいが、目的の物性に応じてジアミンの全体の60モル%、好ましくは40モル%を超えない範囲で、脂肪族ジアミンやシロキサン系ジアミン等の芳香族以外のジアミンを用いても良い。
次に、本発明に係る高透明性ポリイミド前駆体の原料となる2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を合成する手法、及び、高透明性ポリイミド前駆体を合成する手法をこれより具体的に例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。
酸成分原料のなかで最も基本的な構造をもつ2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物は、ピレンの酸化反応により得ることができる。すなわち、先ず、ピレンをジクロロメタンに溶解させる。完全に溶解したら、アセトニトリルと水を加え、撹拌する。そこへ酸化剤の過よう素酸ナトリウムと触媒の3塩化ルテニウムを加え、室温で10〜30時間撹拌する。反応終了後、沈殿物を濾過し、その沈殿物をアセトンで抽出、濾過する。抽出したアセトンを濃縮し乾燥させた後、ジクロロメタンで4〜10時間還流を行う。それを濾過し得られた白い固体が、2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の前駆体である2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸である。こうして得られた2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸を無水酢酸で3時間還流後、溶媒を留去し、得られた固形物を0.8mmHg(106.4Pa)の圧力で230℃の条件で昇華精製することで、目的物である2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を得ることができる。
次に、酸成分として上記2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、及び、アミン成分として4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを用いてポリイミド前駆体を合成する例を述べる。先ず、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを溶解させたN−メチルピロリドンなどの有機極性溶媒を冷却しながら、反応液の液温が上昇しないように等モルの2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を徐々に加え撹拌する。2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物は、アミノ化合物と反応すると、ピロメリット酸二無水物や、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物などよりも強く発熱する。これは、2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物の反応性が良好である為、反応の進行が早い為であると推測される。その為、酸無水物基が水分とも容易に反応し、ジカルボン酸となってしまうので高分子量のポリイミド前駆体を得るには脱水状態で反応を行うことが好ましい。
反応溶液の温度は、溶液の凝固点以上の温度において低ければ低いほど高分子量体が得られるが、反応中に80℃以上にならないことが好ましく、40℃以上にならないことが特に好ましい。また、分子量10000以上の高分子量体を得るには10℃以下を維持することが好ましい。
冷却下1〜20時間程度撹拌した後、撹拌した脱水されたジエチルエーテルに反応液を滴下し再沈殿し、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸を得る。そのポリアミド酸を再びN−メチルピロリドン等の有機極性溶媒に溶解し、ガラスなどの基板上に塗布乾燥し、ポリアミド酸の塗膜を成形できる。また、それを加熱することでポリイミドの塗膜が得られる。
また、加熱脱水のかわりに化学的イミド化を行う場合には、脱水触媒としてピリジンやβ−ピコリン酸等のアミン、ジシクロヘキシルカルボジイミドなどのカルボジイミド、無水酢酸等の酸無水物等、公知の化合物を用いても良い。酸無水物としては無水酢酸に限らず、プロピオン酸無水物、n−酪酸無水物、安息香酸無水物、トリフルオロ酢酸無水物等が挙げられるが特に限定されない。また、その際にピリジンやβ−ピコリン酸等の3級アミンを併用してもよい。
このようにして合成される本発明に用いられるポリイミド前駆体は、最終的に得られるポリイミド本来の耐熱性及び寸法安定性を優れたものとするために、芳香族酸成分及び/又は芳香族アミン成分の共重合割合ができるだけ大きいことが好ましい。具体的には、イミド構造の繰り返し単位を構成する酸成分に占める芳香族酸成分の割合が50モル%以上、特に70モル%以上であることが好ましく、イミド構造の繰り返し単位を構成するアミン成分に占める芳香族アミン成分の割合が40モル%以上、特に60モル%以上であることが好ましく、全芳香族ポリイミドであることが特に好ましい。
また、透明性を達成する観点から、本発明に用いられるポリイミド前駆体は、高分子骨格に存在するポリイミド前駆体構造の繰り返し単位の50モル%以上、特に70モル%以上が式(1a)又は式(1b)で表される繰り返し単位であることが好ましい。また、耐熱性及び寸法安定性の観点から、式(1a)又は式(1b)で表される繰り返し単位は、全芳香族ポリイミド前駆体の繰り返し単位であることが好ましい。
このようにして合成される本発明に用いられるポリイミド前駆体は、最終的に得られるポリイミドが、耐熱性や寸法安定性に優れるにもかかわらず、高い透明性を有することを特徴としており、少なくとも436nm,405nm、365nm、248nm、193nmの波長の電磁波のうち、1つの波長の電磁波に対する透過率が、厚み1μmのフィルムに成膜した時で20%以上、好ましくは30%、更に好ましくは50%以上である。
436nm、405nm、365nmは、一般的に感光性樹脂の露光に利用される高圧水銀ランプの発光波長であり、248nm、193nmはそれぞれKrF,ArFといったレ−ザ−の発光波長である。これらの波長に対して透過率が高いということは、それだけ、光のロスが少なく、高感度の感光性樹脂組成物を得ることができる。
また、本発明に用いられる高透明性ポリイミド前駆体から最終的に得られるポリイミドは、高い透明性を有することを特徴としており、1μm好ましくは2μmの厚みのフィルムに成膜した時に400nm〜800nmの波長領域の各波長において光の透過率が85%以上とすることができる。この時、最終生成物であるポリイミドは、可視光領域に透明性を要求されるフィルムなどの用途の場合、全光線透過率(JIS K7105)が90%以上であることが、好ましい。
本発明に用いられるポリイミド前駆体の重量平均分子量は、その用途にもよるが、3,000〜1,000,000の範囲であることが好ましく、5,000〜500,000の範囲であることがさらに好ましく、10,000〜500,000の範囲であることがさらに好ましい。重量平均分子量が3,000以下であると、塗膜又はフィルムとした場合に十分な強度が得られにくい。また、加熱処理等を施しポリイミドとした際の膜の強度も低くなる。10,000以下であると着色の原因になるポリマ−末端の数が相対的に多くなることから、得られるポリイミドが着色する場合がある。一方、1,000,000を超えると粘度が上昇し、溶解性も落ちてくるため、表面が平滑で膜厚が均一な塗膜又はフィルムが得られにくい。
ここで用いている分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィ−(GPC)によるポリスチレン換算の値のことをいい、ポリイミド前駆体そのものの分子量でも良いし、無水酢酸等で化学的イミド化処理を行った後のものでも良い。
本発明に用いられるポリイミド前駆体は、逆反応が進行しにくい為、良好な保存安定性を有する。具体的に保存安定性としては、実質的に水を含むN−メチルピロリドンを用いた0.5重量%溶液を23℃で25時間保存した後の、ゲル浸透クロマトグラフィ−によるポリスチレン換算の重量平均分子量の変化率が20%以下、更に10%以下であることが好ましく、5重量%以下であることがさらに好ましい。更にまた、上記0.5重量%溶液を23℃で50時間、150時間、300時間保存した後のゲル浸透クロマトグラフィ−によるポリスチレン換算の重量平均分子量の変化率が20%以下、更に10%以下であることが好ましく、5重量%以下であることがさらに好ましい。なお、”実質的に水を含む”とは、前述のようにN−メチルピロリドンが脱水されていない状態を意味し、N−メチルピロリドン中に含水率が0.001〜10重量%、更に0.005〜1重量%である状態をいう。
本発明に用いられるポリイミド前駆体より得られるポリイミドは、耐熱性、寸法安定性、絶縁性等のポリイミド本来の特性も損なわれておらず、良好である。
例えば、本発明に用いられるポリイミド前駆体から得られるポリイミドの窒素中で測定した5%重量減少温度は、250℃以上が好ましく、300℃以上がさらに好ましい。特に、はんだリフロ−の工程を通るような電子部品等の用途に用いる場合は、5%重量減少温度が300℃以下であると、はんだリフロ−の工程で発生した分解ガスにより気泡等の不具合が発生する恐れがある。ここで、5%重量減少温度とは、熱重量分析装置を用いて重量減少を測定した時に、サンプルの重量が初期重量から5%減少した時点(換言すればサンプル重量が初期の95%となった時点)の温度である。同様に10%重量減少温度とはサンプル重量が初期重量から10%減少した時点の温度である。
本発明に用いられるポリイミド前駆体から得られるポリイミドのガラス転移温度は、耐熱性の観点からは高ければ高いほど良いが、光導波路のように熱成形プロセスが考えられる用途においては、120℃〜380℃程度のガラス転移温度を示すことが好ましく、200℃〜380℃程度のガラス転移温度を示すことがさらに好ましい。ここで本発明におけるガラス転移温度は、動的粘弾性測定によって、tanδ(tanδ=損失弾性率(E’’)/貯蔵弾性率(E’))のピーク温度から求められるものである。動的粘弾性測定としては、例えば、粘弾性測定装置Solid Analyzer RSA II(Rheometric Scientific社製)によって、周波数3Hz、昇温速度5℃/minにより行うことができる。
本発明に用いられるポリイミド前駆体から得られるポリイミドの寸法安定性の観点から線熱膨張係数は、70ppm/℃以下が好ましく、60ppm/℃以下が更に好ましく、40ppm/℃以下がより更に好ましい。半導体素子の用いる場合等で、シリコンウェハ上形成する場合には、密着性、基板のそりの観点から20ppm/℃以下がさらに好ましい。ここで本発明における線熱膨張係数は、熱機械的分析装置(例えばThermo Plus TMA8310(リガク社製)によって、昇温速度を10℃/min、評価サンプルの断面積当たりの加重が同じになるように引張り加重を1g/25000μm2として得られる値である。
以上に述べたように、本発明に用いられるポリイミド前駆体から得られるポリイミドは、フッ素や脂環骨格を導入しなくても良好な透明性を示す。従って、従来、フッ素や脂環骨格の導入により避けられなかった耐熱性、寸法安定性等の最終的に得られるポリイミド本来の物性が低下する問題や、コスト高となる問題を解消することができ、従来の芳香族ポリイミドと同等の耐熱性を有するポリイミドの塗膜、フィルム或いは成形品を得ることできる。
次に、本発明に係るポリイミド前駆体樹脂組成物に含まれるアミンとは、アンモニアの水素原子を炭化水素基で置換した化合物であって、1分子中にあるアミンの窒素の数は1個でも2個以上でも良い。本発明に用いられるアミンは、1級アミン、2級アミン、3級アミンのいずれでもよいが、塩基性の高さから、3級アミンが好ましい。
上記本発明に用いられるポリイミド前駆体はポリアミド酸の構造を有するため、アミンが混合されていると、電磁波の照射によりラジカルイオン対を形成し、露光部は現像液に対する溶解性が低下する。このように本発明に係るポリイミド前駆体樹脂組成物は、露光部と未露光部の現像液に対する溶解速度のコントラストを大きくすることができるため、露光部は溶解しないが未露光部は溶解するような現像液を用いることにより、未露光部のみを溶解して、所望のパターン形成を行うことができる。ここで、上記本発明に用いられるポリイミド前駆体は、上述のように電磁波に対して短波長領域まで透過率が高いことから、本発明に係るポリイミド前駆体樹脂組成物は、高感度な感光性樹脂組成物、特にネガ型感光性樹脂組成物として用いることが可能である。
本発明に用いられるアミンにおいて、1分子中にあるアミンの窒素の数1個あたりの分子量(分子量/1分子内に含まれるアミンの窒素の数)は、できるだけ小さい方が、樹脂組成物に加える添加量を小さくできるので好ましい。具体的には500以下が好ましく、300以下がより好ましい。
本発明に用いられるアミンとしては、具体的には、N−フェニルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、N,N−ジエチルアミノベンゼン、ジアザビシクロオクタン、キヌクリジン、キヌクリジノール等が挙げられる。
本発明に用いられるアミンは、更にエチレン性不飽和結合を分子内に有していることが、更に露光部に架橋結合を形成して現像液に対する溶解性を更に低下させることができるため好ましい。本発明に用いられるアミンとしては、エチレン性不飽和結合を分子内に有する3級アミンが好適に用いられる。それらの具体例としては、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ−ト、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレ−ト、ジメチルアミノプロビル(メタ)アクリレ−トなどが挙げられる。ここで、(メタ)アクリレ−トとは、アクリレ−ト又はメタクリレ−トのいずれであっても良いことを意味する。
本発明に係るポリイミド前駆体樹脂組成物は、通常、本発明に用いられるポリイミド前駆体、及びアミンを、溶剤に溶解又は分散させ、さらに、必要に応じてその他の成分を配合して調製される。
ポリイミド前駆体樹脂組成物を溶解、分散又は希釈する溶剤としては各種の汎用溶剤を用いることが出来る。また、ポリイミド前駆体前駆体の合成反応により得られた溶液をそのまま用い、そこにアミンや必要に応じて他の成分を混合しても良い。
使用可能な汎用溶剤としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールモノエーテル類(いわゆるセロソルブ類);メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、前記グリコールモノエーテル類の酢酸エステル(例えば、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート)、メトキシプロピルアセテート、エトキシプロピルアセテート、修酸ジメチル、乳酸メチル、乳酸エチル等のエステル類;エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のアルコール類;塩化メチレン、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエチレン、1−クロロプロパン、1−クロロブタン、1−クロロペンタン、クロロベンゼン、ブロムベンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;N−メチルピロリドンなどのピロリドン類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、その他の有機極性溶媒類等が挙げられ、更には、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、及び、その他の有機非極性溶媒類等も挙げられる。これらの溶媒は単独もしくは組み合わせて用いられる。
本発明に係るポリイミド前駆体樹脂組成物は、上記ポリイミド前駆体と、アミンと、溶媒だけの単純な混合物であってもよいが、さらに適宜、増感剤、光ラジカル発生剤、光又は熱硬化性成分、ポリイミド前駆体以外の非重合性バインダー樹脂等のその他の成分を配合して、樹脂組成物を調製してもよい。
本発明にかかるポリイミド樹脂組成物には、さらに、光ラジカル発生剤や増感剤として、436nm、405nm、又は365nmの波長の電磁波のうちいずれか1つの波長の電磁波に対して吸収を有する化合物が含有されることが好ましい。このような化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン等のアセトフェノン;2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン及び2−アミルアントラキノン等のアントラキノン;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン及び2,4−ジイソピルチオキサントン等のチオキサントン;アセトフェノンジメチルケタ−ル及びベンジルジメチルケタ−ル等のケタ−ル;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等のモノアシルホスフィンオキシドあるいはビスアシルホスフィンオキシド;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;並びにキサントン類等が挙げられる。
また、本発明に係る樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない限り、加工特性や各種機能性を付与するために、その他に様々な有機又は無機の低分子又は高分子化合物を配合してもよい。例えば、染料、界面活性剤、レベリング剤、可塑剤、微粒子等を用いることができる。微粒子には、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン等の有機微粒子、コロイダルシリカ、カ−ボン、層状珪酸塩等の無機微粒子等が含まれ、それらは多孔質や中空構造であってもよい。また、その機能又は形態としては顔料、フィラ−、繊維等がある。
本発明に係るポリイミド前駆体樹脂組成物は、式(1a)及び/又は式(1b)で表される繰り返し単位を有するポリイミド前駆体を、樹脂組成物の固形分全体に対し、通常、5〜99.9重量%の範囲内で含有させる。また、アミンの配合割合は、ポリイミド前駆体樹脂組成物の固形分全体に対し、0.1重量%〜50重量%、更に1重量%〜35重量%の範囲が好ましい。0.1重量%未満だと、現像液に対する十分な露光部未露光部の溶解性コントラストを得られない恐れがあり、50重量%を超えると、イミド化後に最終的に得られる膜に、ポリイミド以外のアミン由来の成分を多く含有する為、膜物性が低下する恐れがある。
また、その他の任意成分の配合割合は、ポリイミド前駆体樹脂組成物の固形分全体に対し、0.1重量%〜30重量%の範囲が好ましい。0.1重量%未満だと、添加物を添加した効果が発揮されにくく、30重量%を超えると、樹脂組成物の特性が最終生成物に反映されにくい。なお、ポリイミド前駆体樹脂組成物の固形分とは溶剤以外の全成分であり、液状のモノマ−成分も固形分に含まれる。
本発明に係るポリイミド前駆体樹脂組成物は、上記特定の構造を有するポリイミド前駆体を含有するため、最終的に得られるポリイミド樹脂組成物が耐熱性、寸法安定性に優れるものである。
本発明に係るポリイミド前駆体樹脂組成物のイミド化後のガラス転移温度は、耐熱性の観点からは高ければ高いほど良く、120℃以上であることが好ましく、光導波路のように熱成形プロセスが考えられる用途においては、120℃〜380℃程度のガラス転移温度を示すことが好ましく、200℃〜380℃程度のガラス転移温度を示すことがさらに好ましい。
また、本発明に係るポリイミド前駆体樹脂組成物のイミド化後の線熱膨張係数は、寸法安定性の観点から、70ppm/℃以下が好ましく、60ppm/℃以下が更に好ましく、40ppm/℃以下がより更に好ましい。半導体素子の用いる場合等で、シリコンウェハ上形成する場合には、密着性、基板のそりの観点から20ppm/℃以下がさらに好ましい。
特に本発明に係るポリイミド前駆体樹脂組成物は、最終的に得られるポリイミドが耐熱性、寸法安定性、絶縁性等のポリイミド本来の特性を備えているにもかかわらず、吸収波長が短波長化していることから高感度であり、従来用いることができなかった短い波長の電磁波の適用が可能になる為、より微細なパターンを形成できる。
本発明に係るポリイミド前駆体樹脂組成物は、パターン形成材料(レジスト)、コ−ティング材、塗料、印刷インキ、接着剤、充填剤、半導体素子、電子材料、光回路部品、成形材料、レジスト材料、建築材料、3次元造形、光学部材等、樹脂材料が用いられる公知の全ての分野・製品に利用できる。
上記本発明に係るポリイミド前駆体樹脂組成物又はその硬化物により少なくとも一部分が形成されている、本発明に係る物品は、パターン形成材料(レジスト)、コ−ティング材、塗料、印刷インキ、接着剤又は充填剤、或いは、カラーフィルター、フレキシブルディスプレー用フィルム、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム、光学部材又は建築材料いずれかの物品が挙げられる。
(合成例1)
ピレン 15g(74mmol)を2L(リットル)のなすフラスコへ入れ、ジクロロメタン320mlに溶解させた。完全に溶解したら、アセトニトリル320mlと蒸留水480mlを加え、撹拌した。そこへ酸化剤の過よう素酸ナトリウム150gと触媒の3塩化ルテニウム650mgを加え、室温で22時間撹拌した。反応終了後、沈殿物を濾過し、その沈殿物をアセトンで抽出、濾過した。抽出したアセトンを濃縮し乾燥させた後、ジクロロメタンで4時間還流を行い、それを濾過し粉末を得た。その粉末が完全に白色になるまでアセトンによる抽出とジクロロメタンによる還流を繰り返し、2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸を10.2g得た。
得られた2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸を無水酢酸で3時間還流後、溶媒を留去し、得られた固形物を0.8mmHg(106.4Pa)の圧力で230℃の条件で昇華精製することで目的物である2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(2,2’,6,6’−BPDA)の白色粉末を得た。
(製造例1)
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル 1.20g(6mmol)を50mlの3つ口フラスコに投入し、5mlの脱水されたN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させ窒素気流下、氷浴で冷却しながら撹拌した。そこへ、少しずつ30分おきに、10等分した2,2’,6,6’−BPDA 1.77g(6mmol)を添加し、添加終了後、氷浴中で5時間撹拌し、その溶液を、脱水されたジエチルエーテルによって再沈殿し、その沈殿物を室温で減圧下、17時間乾燥し、白色固体を2.81g(前駆体1)を得た。
(製造例2)
1、3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン 2.92g(10mmol)を100mlの3つ口フラスコに投入し、32.2mlの脱水されたN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させ窒素気流下、氷浴で冷却しながら撹拌した。そこへ、少しずつ30分おきに、10等分した2,2’,6,6’−BPDA 2.94g(10mmol)を添加し、添加終了後、脱水されたNMPを5ml加え、氷浴中で1時間撹拌し、その溶液を、脱水されたジエチルエーテル2Lに滴下することによって再沈殿し、その沈殿物を室温で減圧下、17時間乾燥し、白色固体を5.61g(前駆体2)を得た。
(比較製造例1)
ジアミノジフェニルエーテル 2.00g(10mmol)を100mlの3つ口フラスコに投入し、23.8mlの脱水されたN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させ窒素気流下、氷浴で冷却しながら撹拌した。そこへ、少しずつ30分おきに、10等分したピロメリット酸二無水物 2.18g(10mmol)を添加し、添加終了後、氷浴中で1時間撹拌し、その溶液を、脱水されたアセトン2Lに滴下することによって再沈殿し、その沈殿物を室温で減圧下、17時間乾燥し、白色固体を3.99g(比較前駆体1)を得た。
(比較製造例2)
ジアミノジフェニルエーテル 2.00g(10mmol)を100mlの3つ口フラスコに投入し、28.0mlの脱水されたN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させ窒素気流下、氷浴で冷却しながら撹拌した。そこへ、少しずつ30分おきに、10等分した3,3’,4,4’−BPDA 2.94g(10mmol)を添加し、添加終了後、氷浴中で1時間撹拌し、その溶液を、アセトン2Lに滴下することによって再沈殿し、その沈殿物を室温で減圧下、17時間乾燥し、白色固体を4.69g(比較前駆体2)を得た。
[透明性評価]
上記前駆体1、2、及び、比較前駆体1、2の20重量%NMP溶液を、スピンコ−ト法を用いて、ガラス上に塗布し、100℃に設定されたホットプレ−ト上で、10分間加熱し、厚み3.5±0.1μmの塗膜を得た。その塗膜の透過率を、分光測定装置(SHIMADZU製UV−2550 (PC)S GLP)にて測定を行った。
その結果、表1に示すように、前駆体1、前駆体2は良好な透過率を示した。それに対し、比較前駆体1、および比較前駆体2は特に、波長の低い領域において透過率が低いことが明らかになった。
Figure 0005617880
[保存安定性評価]
上記前駆体1、2の、0.5wt%NMP溶液を調整し、23℃で保管したときの分子量の変化を求めた。ただし、この実験では前駆体1のみ、実施例1で開示されている合成条件を、原料と溶媒の量、使用器具等を2倍にスケ−ルアップして合成したサンプルを用いた。分子量の変化について結果を表2に示す。
溶液の調整に用いたNMPは、脱水されたものではない通常のものを用いた。
測定条件は以下のとおり
装置 : 東ソー製HLC−8120 GPC system
カラム : TSK gels α−M ×2
溶媒 : 0.03mol/Lの濃度で臭化リチウムとリン酸をそれぞれ溶解させたNMP
温度 : 40℃
フロ−レ−ト : 500μl/min
Figure 0005617880
同様の手法で、比較前駆体1、2についても求めようとしたが、分子量の測定に用いたGPC(ゲル浸透クロマトグラフィ−)のカラムが詰まってしまい測定を行うことができなかった。ただし、過去に開示された文献(J.A.Kreuz, J. Polym. Sci.; Part A; Polym. Chem. 1990 28 3787)によれば、ほぼ同様の条件で比較化合物1に相当するものの重量平均分子量が、初期に106000であったものが25時間後に69000となっている。また、比較前駆体2に相当する化合物では、初期90100であった重量平均分子量が61200へと減少している。
以上の結果より、本発明に用いられるポリイミド前駆体は、保管中に置いて安定した重量平均分子量を示し、通常のポリアミック酸で問題となっている室温での保管中の分子量低下に対して、本発明に用いられるポリイミド前駆体の構造が有効であることがわかる。
[熱物性評価]
前駆体2の20wt%NMP溶液をガラス上にスピンコ−トし、100℃10分で乾燥させた後、窒素雰囲気下、室温から300℃まで10℃/分で昇温し、その後300℃で1時間保持し、ポリイミドフィルム2aを得た。(厚み10±1.5μm)
(動的粘弾性評価)
上記のフィルムを、粘弾性測定装置Solid Analyzer RSA II(Rheometric Scientific社製)によって、周波数3Hz、昇温速度5℃/minで動的粘弾性測定を行い、tanδからガラス転移温度(Tg)を求めた。その結果、ガラス転移温度は315℃であった。
(線熱膨張係数評価)
上記のフィルムを、熱機械的分析装置Thermo Plus TMA8310(リガク社製)によって、昇温速度10℃/minで、引っ張り加重は2gで測定を行った。
その結果、線熱膨張係数は61.6であった。
(参考例1)
製造例2で得られた前駆体2を11.7g、ジメチルアミノメチルメタクリレ−トを6.3g、及び、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン 180mgのNMP溶液を濃度20wt%となるように調製した(ポリイミド前駆体樹脂組成物1)。このポリイミド前駆体樹脂組成物1は、23℃で7日保管後の、23℃における粘度が、初期粘度の±10%の範囲に収まっており、良好な保存安定性を示した。なお、粘度は、東機産業製 粘度計TVE−22HTにより測定した。
(実施例2)
製造例2で得られた前駆体2を11.7g、2,2’−フェニルイミノジエタノールを7.24g、及び、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン 180mgのNMP溶液を濃度20wt%となるように調製した(ポリイミド前駆体樹脂組成物2)。このポリイミド前駆体樹脂組成物2は、23℃で7日保管後の、23℃における粘度が、初期粘度の±10%の範囲に収まっており、良好な保存安定性を示した。
[感光性評価]
上記ポリイミド前駆体樹脂組成物1、およびポリイミド前駆体樹脂組成物2を、クロムめっきされたガラスのクロム上にスピンコ−ト法によって塗布し、100℃のホットプレ−ト上で10分間乾燥させ、1.25μmの厚みの塗膜を得た。
それを、手動露光装置(大日本スクリ−ン株式会社製、MA−1200)を用い露光を行った。高圧水銀ランプからの光は、フィルタ−を用いずそのまま照射し、露光を行った。
その後、マグネティックスタ−ラ−によってゆっくり撹拌された0.1wt%TMAH水溶液に30秒浸漬した後、蒸留水に10秒浸漬しリンスを行い、乾燥させた。
そのサンプルを窒素雰囲気下300℃、1時間、オ−ブンによって加熱したところ、それぞれのサンプルとも良好な形状のポリイミドパターンを得た。
[熱物性評価]
ポリイミド前駆体樹脂組成物2をガラス上にスピンコ−トし、100℃10分で乾燥させた後、窒素雰囲気下、室温から300℃まで10℃/分で昇温し、その後300℃で1時間保持し、ポリイミドフィルム2bを得た。(厚み10±1.5μm)
(動的粘弾性評価)
ポリイミドフィルム2bを、粘弾性測定装置Solid Analyzer RSA II(Rheometric Scientific社製)によって、周波数3Hz、昇温速度5℃/minで動的粘弾性測定を行い、tanδからガラス転移温度(Tg)を求めた。
その結果、ガラス転移温度は350℃であった。
(線熱膨張係数評価)
ポリイミドフィルム2bを、熱機械的分析装置Thermo Plus TMA8310(リガク社製)によって、昇温速度10℃/minで、引っ張り加重は2gで測定を行った。
その結果、線熱膨張係数は64.8であった。
以上の結果より、本発明に係るポリイミド前駆体樹脂組成物によって形成されるポリイミドは、耐熱性が良好で、且つ、低膨張率のフィルムを作製することが可能である為、これらの特性が有効とされる分野・製品、例えば、塗料、印刷インキ、カラーフィルター、フレキシブルディスプレー、電子部品、層間絶縁膜、配線被覆膜、光回路、光回路部品、反射防止膜、ホログラム、その他の光学部材又は建築材料を形成するのに適していることが明らかとなった。
また、本発明に用いたポリイミド前駆体は、保存安定性と、電磁波の透過性に優れることから、感光性樹脂組成物へ適用した場合に、高感度で保存安定性に優れる感光性樹脂組成物を得ることができる。

Claims (8)

  1. 下記式(1a)又は(1b)で表される繰り返し単位のいずれか、又は、両方を有するポリイミド前駆体、および、エチレン性不飽和結合を有しないアミンを含有し、前記ポリイミド前駆体はエチレン性不飽和結合含有基を含まず、前記ポリイミド前駆体及び前記アミンとは異なる光硬化性成分を含まない、パターン形成用感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物。
    Figure 0005617880
    (式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又は1価の有機基であり、それらは互いに結合していても良い。R、Rはそれぞれ独立に、水素原子、又は1価の有機基である。Xは2価の有機基である。同一分子内に存在する繰り返し単位間において同一符号で表される基同士は異なる原子又は構造であっても良い。)
  2. 前記ポリイミド前駆体が、下記式(2)で表される繰り返し単位をさらに有する、請求項1に記載のパターン形成用感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物。
    Figure 0005617880
    (式中、R、R10はそれぞれ独立に、水素原子、又は1価の有機基であり、Yは4価の有機基であり、Zは2価の有機基である。同一分子内に存在する繰り返し単位間において同一符号で表される基同士は異なる原子又は構造であっても良い。)
  3. 前記ポリイミド前駆体に含まれる、前記式(1a)又は(1b)で表される繰り返し単位の合計量が、前記ポリイミド前駆体の高分子骨格を構成する繰り返し単位の50モル%以上を占める、請求項1又は2に記載のパターン形成用感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物。
  4. 前記ポリイミド前駆体を厚み1μmのフィルムに成膜した時に、少なくとも436nm,405nm、365nm、248nm、193nmの波長の電磁波のうち1つの波長の電磁波に対する透過率が20%以上である、請求項1乃至3のいずれかに記載のパターン形成用感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物。
  5. 前記ポリイミド前駆体が、全芳香族ポリイミド前駆体の繰り返し単位である、請求項1乃至4のいずれかに記載のパターン形成用感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物。
  6. 436nm、405nm、又は365nmの波長の電磁波のうちいずれか1つの波長の電磁波に対して吸収を有する化合物を、更に含有する、請求項1乃至5のいずれかに記載のパターン形成用感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物。
  7. 前記アミンが、3級アミンである、請求項1乃至6のいずれかに記載のパターン形成用感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物。
  8. 前記請求項1乃至7のいずれかに記載のパターン形成用感光性ポリイミド前駆体樹脂組成物を塗布、乾燥して得た塗膜に、パターン状に露光後、露光部は溶解しないが未露光部を溶解する現像液を用いて未露光部のみ溶解する、パターン形成方法。
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