JP4755554B2 - スクータ型車両の燃料ポンプ配置構造 - Google Patents
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Description
燃料ポンプ29は、鉛直に設けたポンプ本体29aと、このポンプ本体29aの下部に接続した燃料吸入部29とを備える。
更に、例えば、スクーター型自動二輪車が発進するときや加速走行時には多くの燃料を必要とする。上記の燃料ポンプ29は燃料タンク28の前方で且つ鉛直に配置されているため、燃料タンク28の燃料残量が少ない場合には、燃料タンク28内の前部に溜まっていた燃料がタンク後部に移動して、発進時に燃料ポンプ29が吸い込む吸い込み量が減少し、必要とする燃料をエンジンに供給することが難しくなる。
本発明の目的は、燃料タンク高を低く、ひいてはシート高を低くしながら、車両の発進時に必要とする燃料を確保し易くしたスクータ型車両の燃料ポンプ配置構造を提供することにある。
また、燃料タンクに燃料ポンプを取付けるには、燃料タンクの傾斜面に燃料ポンプの取付フランジ部を配置し、この取付フランジ部に重なるように環状のブラケットを配置し、これらの取付フランジ部及びブラケットを締結部材で燃料タンクに固定するが、ブラケットに切欠きを形成することで、取付フランジ部に環状のブラケットを重ねたときに、ブラケットが燃料ポンプの一部と干渉しない。
作用として、後下がりの傾斜面に、前下がりに燃料ポンプを取付けることで、燃料ポンプの前下がり部分の長さを大きくすることが可能になる。
作用として、荷台が燃料ポンプを保護し、燃料ポンプへの干渉物を防ぐ。
作用として、燃料タンクの底面をストレーナの形状に沿わせて窪ませ、燃料を溜めて、その燃料をストレーナから吸い上げる。
また、ブラケットに、燃料ポンプに接続する燃料ホース及び燃料ポンプに接続する導線の少なくとも一方を支持する支持部を一体成形したので、燃料ホース及び導線の少なくとも一方を支持するための特別な支持部材が不要になる。
図1は本発明に係る燃料ポンプ配置構造を採用したスクータ型車両の側面図(第1実施形態)であり、スクータ型車両10は、車体フレーム11の前端を構成するヘッドパイプ12にフロントフォーク13を介して前輪14を操舵自在に取付け、車体フレーム11の後部を構成する左右一対のリヤフレーム16,17(手前側の符号16のみ示す。)に収納ボックス21及びこの収納ボックス21の後方に配置した燃料タンク22を取付け、リヤフレーム16,17の下部にピボットプレート23,24(手前側の符号23のみ示す。)を取付け、これらのピボットプレート23,24に渡したクロスパイプ26に支持アーム27を取付け、この支持アーム27にピボット軸28を介してパワーユニット31をスイング自在に取付け、このパワーユニット31を構成する無段変速機32の後部に後輪33を取付け、無段変速機32の後部とリヤフレーム16,17側とにリヤクッションユニット34を渡して取付けた自動二輪車である。
シリンダヘッド53は、上部に吸気装置54を接続し、下部に排気装置56を接続した部分である。
排気装置56は、シリンダヘッド53の下部から後方へ延ばした排気管57と、この排気管57の後端に接続したマフラ58とからなる。
燃料配管92は、弾性変形可能な樹脂製で途中の二箇所を、保持部材94,104で保持し、保持部材94はボルト95でリヤフレーム16に突設させたステー96に取付け、保持部材104はボルト95でエンジン51に取付けたものである。
ロアタンク137は、前壁151と、底壁152と、後壁153とを備え、底壁152の底面152aのほぼ中央をくぼませて凹み部154を形成した部材である。
図7は本発明に係る燃料ポンプの取付要領を示す作用図(第1実施形態)である。
燃料タンク22に燃料ポンプ91を取付けるには、(1)矢印A,Aに示すように、環状のラバー製のシール部材201をポンプ貫通穴146の周縁部126aで且つポンプ取付具186より内側に当て、(2)矢印B,Bに示すように、燃料ポンプ91のフランジ部168に開けた複数のボルト挿通穴195をポンプ取付具186の取付ボルト192に形成した円柱部192aにそれぞれ嵌合させ、(3)矢印C,Cに示すように、ナット202をそれぞれ取付ボルト192のおねじ部192bにねじ込む。
図8は本発明に係る燃料ポンプ配置構造の作用を示す作用図(第1実施形態)である。
例えば、スクータ型車両が、白抜き矢印で示すように、車両前方に進んだとき、特に、発進、あるいは、加速したときには、燃料タンク22内の燃料210が、矢印Eで示すように、車両後方へ移動し、燃料タンク22の後部側の燃料210の液面210aが高くなる(想像線は水平な液面210aである。)。
(a)はパワーユニット31、詳しくは、無段変速機32の冷却構造を示す要部側面図であり、パワーユニット31は、クランクシャフトを収納するクランクケース31Aを備え、このクランクケース31Aに無段変速機32の側方を覆う変速機カバー32Aを取付けたものであり、変速機カバー32Aは、前端部に空気取入口32bを備える。
車体フレーム11の一方のリヤフレーム16の中空部16aと、上記の空気取入口32bとは、伸縮可能且つ屈曲可能な、例えば蛇腹状の空気導入ダクト221で接続する。
(b)において、空気は、図示せぬ取入口からリヤフレーム16の中空部16a内に流入し、中空部16aから貫通穴16b、筒部材223内を通り、空気導入ダクト221内に至り、(a)において、空気導入ダクト221内から変速機カバー32A内、即ち、無段変速機32内に流入して、内部を冷却する。
燃料タンク22は、その後部、即ち傾斜壁126に燃料ポンプ231を取付ブラケット232及び締結部材(即ち、複数の取付ボルト192・ナット202)で取付けたポンプ内蔵型のものである。
取付ブラケット232から第1支持部232cと第2支持部232dとを除いた部分は、平板状の環状部232Aである。
図中の92dは燃料配管92の一端に備えるL字ジョイントであり、燃料吐出口242に接続されている。
この第2支持部232dによって、ワイヤハーネス252が、環状部232Aと水平部232mとの間に挟まれて大きく上下に振れるのを防止することができる。
燃料タンク22に燃料ポンプ231を取付けるには、(1)矢印J,Jで示すように、環状のラバー製のシール部材201をポンプ貫通穴146の周縁部126aにポンプ取付具186より内側で当て、(2)矢印K,Kで示すように、ポンプ本体233の筒状部237及び大径部238をポンプ貫通穴146に通すとともにフランジ部241の付け根部下面に形成された波状部241bをシール部材201に押し付け、且つフランジ部241の切欠き241aに取付ボルト192が通るようにし、(3)矢印L,Lで示すように、フランジ部241の上面241cに取付ブラケット232を重ねるとともに取付ブラケット232のボルト挿通穴232fに取付ボルト192が通るようにし、(4)矢印M,Mで示すように、ナット202をそれぞれ取付ボルト192のおねじ部192bにねじ込む。これで、燃料タンク22への燃料ポンプ231の取付が完了する。
これにより、小型の燃料タンク22であっても、燃料タンク22内のスペースを有効に利用することができ、比較的大きい燃料ポンプ91を配置することができて、燃料流量を増やすことができる。
これにより、リヤキャリア73を利用して燃料ポンプ91を保護することができ、燃料ポンプ91への干渉物を防止することができる。
これにより、燃料残量が少量の場合でも、燃料ポンプ91で燃料を吸い込み易くすることができ、燃料210を有効に使用することができる。
これにより、燃料配管92及び導線245の少なくとも一方を支持するための特別な支持部材が不要になり、部品点数の削減を図ることができる。
Claims (6)
- 乗員が着座するシート(72)の下方に収納室(21)を配置し、この収納室(21)の後方で且つ後輪(33)の上方に燃料タンク(22)を配置したスクータ型車両において、
前記燃料タンク(22)の上壁(143)の前部に燃料注入口(142)を設け、前記燃料タンク(22)の前記燃料注入口(142)よりも後方の壁(126)に、前記燃料タンク(22)に内蔵した燃料ポンプ(91)を側面視で前下がりとなるように配置し、
前記燃料ポンプ(91)に、前記燃料タンク(22)に取付けるための取付フランジ部(168)を設け、この取付フランジ部(168)に重なるように、前記取付フランジ部(168)を締結部材(202)により前記燃料タンク(22)に固定するための環状のブラケット(232)を配置し、
前記ブラケット(232)に、前記燃料ポンプ(91)の一部との干渉を防止する切欠き(232a,232b)を形成した、
ことを特徴とするスクータ型車両の燃料ポンプ配置構造。 - 前記燃料タンク(22)は、上壁(143)の後部又は後壁の上部を側面視で後下がりとなる傾斜面(126)を有し、この傾斜面(126)に前記燃料ポンプ(91)を取付けたことを特徴とする請求項1記載のスクータ型車両の燃料ポンプ配置構造。
- 前記燃料ポンプ(91)の上方に荷台(73)を配置したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のスクータ型車両の燃料ポンプ配置構造。
- 前記燃料タンク(22)の底面(152a)に前記燃料ポンプ(91)の吸い込み口(162)に設けたストレーナ(163)を対向させるとともに、前記底面(152a)をストレーナ(163)の形状に沿わせて窪ませたことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載のスクータ型車両の燃料ポンプ配置構造。
- 乗員が着座するシート(72)の下方に収納室(21)を配置し、この収納室(21)の後方で且つ後輪(33)の上方に燃料タンク(22)を配置したスクータ型車両において、
前記燃料タンク(22)の上壁(143)の前部に燃料注入口(142)を設け、前記燃料タンク(22)の前記燃料注入口(142)よりも後方の壁(126)に、前記燃料タンク(22)に内蔵した燃料ポンプ(91)を側面視で前下がりとなるように配置し、
前記燃料ポンプ(91)に、前記燃料タンク(22)に取付けるための取付フランジ部(168)を設け、この取付フランジ部(168)に重なるように、前記取付フランジ部(168)を締結部材(202)により前記燃料タンク(22)に固定するための環状のブラケット(232)を配置し、
前記ブラケット(232)に、前記燃料ポンプ(91)に接続する燃料ホース(92)及び前記燃料ポンプ(91)に接続する導線(245)の少なくとも一方を支持する支持部(232c,232d)を一体成形した、
ことを特徴とするスクータ型車両の燃料ポンプ配置構造。 - 前記燃料ポンプ(91)に、前記燃料タンク(22)に取付けるための取付フランジ部(168)を設け、この取付フランジ部(168)に穴部(195)を形成し、この穴部(195)に締結部材(192)を通すことで燃料タンク(22)に燃料ポンプ(91)を取付けたことを特徴とする請求項1又は請求項5記載のスクータ型車両の燃料ポンプ配置構造。
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