JP4754081B2 - 自転車用照明装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自転車に装備して夜間または暗い場所での照明用として好適に用いることのできる自転車用照明装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自転車には、夜間または暗い場所での走行に際して照明装置が不可欠である。近年の自転車用照明装置は、自転車が一般に多用される傾向にあるのに伴って多様化しており、走行に伴う車軸の回転を利用してダイナモで発電した電力を駆動電源とするものや、電池を駆動電源とするものの他に、ダイナモと電池とを駆動電源として併用したものがある。このダイナモと電池とを併用するタイプの自転車用照明装置(例えば、特開平7-175460号公報参照)では、メイン電球とサブ電球との2個を共に前方照射と側方漏光とが可能な位置関係に設置して、前方視認性を高めることにより走行安全性の確保を図るようにしている。
【0003】
すなわち、上記照明装置では、ダイナモの発電電力を駆動電源とするメイン電球と、電池を駆動電源とする前方補助照明用のサブ電球とを設け、これら2個の電球の各々の照明光を、共に前方に照射させるとともに、漏光穴付反射鏡の漏光穴およびヘッドケースのサイドレンズを通して側方へそれぞれ漏光させることにより、周囲からの被視認性を高めるようにしている。サブ電球は、自転車の速度の検知に基づき一定速度以下の低速走行時と走行停止後の一定時間の間とのみ点灯させるようになっている。
【0004】
上記メイン電球は、ダイナモの発電電力を駆動電源としているので、通常の速度(例えば時速8km以上)で走行しているときには問題なく前方照明が行われるが、車速が8km以下の低速走行になるとダイナモからの供給電力が不足して照明光度の低下やちらつきが生じて、メイン照明としての性能を発揮できなくなる。そこで、上記ダイナモと電池とを駆動電源として共用する照明装置では、車速が8km以下の低速走行となったときに電池からの給電で点灯するサブ電球の照明光に切り換えることにより、低速走行時の前方照射用の照明光の光量低下を補うようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のダイナモと電池とを駆動電源として共用する照明装置では、メイン電球およびサブ電球が共に自転車の前方を照射するよう設けられているので、暗い駐車場での自転車の出し入れ時や狭い道路または泥濘となった道路を自転車を押しながら歩くような場合には、自転車の側方をサブ電球の照明光による漏光で照らすことができるが、この場合に肝心な自転車の足元である前方手前側を照らす照明光が存在しないので、極めて不便である。
【0006】
また、上記併用タイプの照明装置では、サブ電球として消費電力の少ないタイプの電球を用いたとしても、電球であるために電池に対する電力負荷がどうしても大きくなり、電池の交換を頻繁に行わなければならず、さらに、球切れによるサブ電球の交換も必要となり、使用に伴うランニングコストが高くなって使用者の経済的負担が大きいとう問題がある。
【0007】
さらに、上記照明装置では、メイン電球およびサブ電球が共に自転車の前方照射と側方への漏光による側方照射とを行うが、これらの照明光は自転車の後方から何れも視認できないので、後方から他車に衝突されるおそれがあり、他車への注意喚起力が不十分であるという課題も有している。
【0008】
そこで、本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたもので、微速走行時に自転車の前方手前側を有効に照らすことができ、安価なランニングコストで使用しながらも周囲を走行する他車への注意喚起力を十分に有する照明光とすることができる自転車用照明装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の自転車用照明装置は、自転車の前方における遠い箇所に向け照明光を照射する配置で設けられたメイン照明灯と、自転車の前方における手前側の下方に向け照明光を照射する配置で設けられたサブ照明灯と、発光ダイオードからなる報知用照明灯と、自転車の走行速度が所定速度以上になったときに前記メイン照明灯を点灯させ、自転車の走行速度がゼロ以上で、且つ所定速度以下である場合に前記サブ照明灯を点灯させるとともに自転車の車輪の回転に伴い作動する発電機の発電電力を駆動電源として報知用照明灯を点滅または点灯させ、自転車の走行停止時には前記発電機の発電電力で充電されていた蓄電源から給電されて一定時間の間点滅または点灯を継続するように報知用照明灯を点灯させるよう、メイン照明灯とサブ照明灯と報知用照明灯をそれぞれ制御する制御手段と、を有することを特徴としている。
【0010】
この自転車用照明装置では、例えば、時速8km以下の低速走行時に自転車の前方を通常走行時と同様に照射する必要がないので、サブ照明灯によって自転車の前方手前側の下方箇所を照らしており、自転車の走行速度に対応してメイン照明灯とサブ照明灯との前方照射範囲を適切に設定するとともに、自転車の走行速度に応じてメイン照明灯とサブ照明灯とを切り換えて点灯させるようにしたので、自転車がどのような走行状況であっても、自転車の走行速度に適合する最も適切な照明を自動的に得ることができる。更に、通常走行時だけでなく信号待ちのために一時停止する場合及び低速走行時にも、報知用照明灯を一定周期で点滅を繰り返すように点灯制御することにより、周囲からの被視認性を確実に確保して歩行車または他車への注意喚起力を高め、走行安全性を確実に保つことができる。
【0011】
上記発明において、メイン照明灯は、自転車の車輪の回転に伴い作動する発電機の発電電力を駆動電源として点灯される電球であり、サブ照明灯は、乾電池あるいは前記発電機の発電電力を蓄電する2次電池またはコンデンサの何れかからの供給電力によって点灯される白色ダイオードとすることが好ましい。
【0012】
これにより、電池を駆動電源とするサブ照明灯の発光ダイオードは、電球に比較して消費電力が極めて小さく、且つ電球のように球切れといったことがないので、電池の寿命を十分に確保することができるとともに、サブ照明灯の交換が不要となるので、ランニングコストを格段に低減することができる。
【0015】
上記発明において、サブ照明灯は、本体ケースの外側面に配置され、且つ無色のカバーで被覆されて、自転車に対し前方向の他に上下方向、側方向および後ろ方向に向け照射するよう設けられていることが好ましい。
【0016】
これにより、自転車の微速走行時においてもサブ照明灯の照明光で自転車の周囲を照明できるので、暗い駐輪場において自転車を周囲の物体に当てることなく容易に出し入れすることができ、また、狭い道路や泥濘の道路においては自転車を押しながら支障なく容易に歩くことができるとともに、他車への注意喚起力を高めることができる。
【0017】
上記構成において、報知用照明灯は、本体ケースの上面に配置され、且つカバーで被覆されて、自転車に対し下方を除く周囲から発光を視認できるように設けられていることが好ましい。
【0018】
これにより、周囲からの被視認性を確実に確保して歩行車または他車への注意喚起力を高めることができ、特に、後ろ方向からの被視認性を得られることから、微速走行または低速走行時に必要な後方からの追突防止を確実に確保することができる。
【0019】
さらに、上記構成において、報知用照明灯として着色発光ダイオードを用いるか、白色発光ダイオードからなる報知用照明灯を着色したカバーで被覆するかの何れかの構成を備えていることが好ましい。これにより、周囲からの被視認性を一層確実に確保して歩行車または他車への注意喚起力を高め、走行安全性を確実に保つことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1(a)〜(c)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係る自転車用照明装置を示す正面図、左側面図および(a)のA−A線断面図である。また、図2および図3も同照明装置を示し、図2(a),(b)は平面図および底面図、図3は図1(a)のB−B線断面図、図4は背面図である。
【0021】
この照明装置は、前方側に向けて僅かに拡開した円筒状の本体ケース1の前端側に、前面レンズ体2がねじ結合によって着脱自在に連結され、本体ケース1の後端側に電池蓋ケース3が固定ねじ4の締付けによって着脱自在に取り付けられており、固定ねじ4を緩めて電池蓋ケース3を取り外すことにより、駆動電源としての電池(図示せず)を交換して電池室8に装填できるようになっている。
【0022】
本体ケース1における前面レンズ体2の後側箇所には反射鏡7が内装されている。電球からなるメイン照明灯9は、反射鏡7の後端中央部から内部に臨入した配置でランプソケット部11に装着されて、点灯回路などが形成されたプリント制御基板10に電気的接続されている。一方、図1(a)〜(c)に明示するように、本体ケース1の左側面には、白色発光ダイオードからなるサブ照明灯12が取り付けられており、このサブ照明灯12は、透明樹脂で形成されたカバー13で覆われ、接続コード線14を介してプリント制御基板10に接続されている。
【0023】
図1(b)に2点鎖線矢印で示すように、メイン照明灯9は、反射鏡7の後端中央部に取り付けられて、自転車の比較的遠い前方箇所、具体的には自転車に対し前方側の5m〜10m程度の範囲を照射できるように設定されている。サブ照明灯12は、自転車の前方手前側、具体的には自転車の前方側2m〜3m程度の範囲を照射するように下向きの配置で設置されている。但し、サブ照明灯12は、図1(a)〜(c)および図2(b)から明らかなように、これの発光をカバー13を透して上下方向、自転車の後ろ方向および正面から見て左側方に向け光照射できる構造になっている。
【0024】
また、本体ケース1の上面前方側には、青色または赤色の着色発光ダイオードからなる報知用照明灯17が取り付けられており、この報知用照明灯17は、無色透明樹脂で形成されたカバー18で覆われ、接続コード線19を介してプリント制御基板10に接続されている。この報知用照明灯17は、図1(a),(b)、図2(a)、図3および図4から明らかなように、これの発光をカバー18を透して上方向、自転車の左右方向および後ろ方向からそれぞれ視認可能になっているとともに、図3に示すように、本体ケース1の前端側の前面レンズ体2と反射鏡7との間の投光用空間15を通して前面側からも発光を透視できるようになっている。
【0025】
この照明装置は、取付金具20を介して図示しない自転車の例えば前ホークなどの適所に取り付けられる。また、プリント制御基板10に電気的接続されて本体ケース1の外部に導出された接続リード線21は、これの先端のコネクタ22が図示しないダイナモの電源リード線に接続される。したがって、この照明装置は電源としてダイナモと電池との双方を備えており、メイン照明灯9および報知用照明灯17はそれぞれダイナモの発電電力を駆動電源として点灯または発光し、サブ照明灯12は電池を駆動電源として発光する。
【0026】
図5は上記照明装置の電気系統のブロック構成図である。同図において、自転車の車軸の回転に伴い回転して発電するダイナモ23の交流電力は、電源整流回路24で整流されて直流電力に変換される。この直流電力は後述する各回路、メイン照明灯9および報知用照明灯17に駆動電源として給電される。光導電素子からなる光センサ28は、図1ないし図4に図示していないが、自転車の適所に設けられて自転車の走行環境の明るさを検出する。主制御回路27は、光センサ28から取り込んだ検出照度が所定値以下であると判別したとき、つまり走行環境が照明を必要とする程度に暗いと判別したときのみ、以下に説明する制御を行う。換言すると、主制御回路27は、光センサ28からの検出照度に基づき照明が不要な明るさであると判別したときに、何れの照明灯9,12,17をも点灯しないよう制御する。
【0027】
主制御回路27は、照明が必要な程度に暗いと判別した場合、続いて電源整流回路24から入力するダイナモ23の起電力に基づき自転車の走行速度が所定速度(例えば時速8km)以上であるか否かを判別する。そして、主制御回路27は、自転車が所定速度以上で走行していると判別したときに、点灯制御回路29に対しメイン照明灯9の点灯を指令する制御信号を出力する。点灯制御回路29は、制御信号の入力を受けて、メイン照明灯9の点灯回路30の図示しないスイッチング素子(例えば、トランジスタ)をオン状態とする。これにより、点灯回路30は、電源整流回路24から給電される直流電力をメイン照明灯9に供給して、メイン照明灯9を点灯させる。
【0028】
一方、主制御回路27は、自転車が所定速度以下で走行していると判別したときに、点灯制御回路31に対しサブ照明灯12の点灯を指令する制御信号を出力する。点灯制御回路31は、制御信号の入力を受けて、電池32から点灯回路33に駆動電源を供給するよう制御する。これにより、点灯回路33は電池32から給電される直流電力をサブ照明灯12に供給して、サブ照明灯12を発光させる。このとき、主制御回路27は、点灯制御回路29に対しメイン照明灯9の消灯を指令する制御信号を出力する。
【0029】
また、主制御回路27は、走行速度に拘わらず自転車が微速度であっても走行していると判別したときに、点灯制御回路34に対し報知用照明灯17の点滅を指令する制御信号を出力する。点灯制御回路34は、制御信号の入力を受けて、報知用照明灯17の点滅回路37の図示しないスイッチング素子(例えば、トランジスタ)をオン状態とする。これにより、点滅回路37は、主制御回路27から給電される直流電力を報知用照明灯17に供給して、報知用照明灯17を点滅させる。このとき、点滅回路37では、これに設けられている時定数回路のコンデンサ(図示せず)が主制御回路27から供給される直流電力によって充電される。したがって、自転車が停止したとき、主制御回路27からは点灯制御回路34に対し報知用照明灯17の消灯を指令する制御信号が出力されて、点灯制御回路34が点滅回路37のスイッチング素子をオン状態とする信号の出力を解除するが、点滅回路37では、コンデンサに蓄えられた電荷の放出によって自転車の走行停止後から一定時間(この実施の形態では約45秒に設定)の間、報知用照明灯17の点滅を継続させる。
【0030】
つぎに、上記ブロック構成図の動作を、そのタイムチャートを示した図6を参照しながら説明する。このタイムチャートでは、主制御回路27が光センサ28から入力する検出照度に基づき照明装置の点灯動作が必要な明るさであると判別している場合を示している。
【0031】
いま、t1時に、同図(a)に示すように、自転車がゆっくりと走行を開始し、2点鎖線で示す所定速度に達するまでは、主制御回路27からメイン照明灯9の点灯を指令する制御信号が出力されないので、メイン照明灯9は、同図(b)に示すように、消灯状態を維持し続ける。この低速走行でのダイナモ23の発電電力はメイン照明灯9を正常点灯させるのには不足であって、この不足した電力でメイン照明灯9を点灯させると、低い照明光度でのちらつきが生じた点灯状態となって不具合が生じるので、メイン照明灯9を強制的に消灯状態に保持している。
【0032】
一方、主制御回路27は、ダイナモ23の起電力が電源整流回路24で整流されたのちに微小な直流電力として入力するので、この入力に基づき自転車が微速走行していると判別して、点灯制御回路31にサブ照明灯12の点灯を指令する制御信号を、点灯制御回路34に報知用照明灯17の点滅を指令する制御信号をそれぞれ出力する。これにより、同図(c)に示すように、サブ照明灯12は電池32から駆動電源の供給を受けて発光するとともに、同図(d)に示すように、報知用照明灯17は主制御回路27からダイナモ23の起電力による駆動電源の供給を受けて点滅する。
【0033】
上記点灯したサブ照明灯12は自転車の前方2〜3m程度の下方を照射するが、この微速走行時ないし時速8km以下の低速走行時では、自転車の前方を通常走行時と同様に照射する必要がなく、且つ自転車の足元前方である上記の前方2m〜3mの範囲を照らすのが自転車の運転にとって好都合であるから、上記サブ照明灯12は自転車の走行に適合する最も好適な照明を行っているといえる。
【0034】
一方、報知用照明灯17の点滅光は、カバー18の全体面を光輝して、その配置位置とカバー18の形状とによって自転車に対し下方を除く周囲に光照射する。この報知用照明灯17として、例えば、青色または赤色の着色発光ダイオードを用いていることと、一定周期で点滅を繰り返すこととにより、周囲からの被視認性を確実に確保して歩行車または他車への注意喚起力を高め、走行安全性を確実に保つことができる。特に、上記サブ照明灯12および報知用照明灯17は、後ろ方向へも光照射できることから、微速走行または低速走行時に必要な後方からの追突防止を確実に確保することができる。
【0035】
上述の図6のt1時からt2時までの説明は、自転車がゆっくりと走行し始めた状態について述べたものであるが、この状態とは別に、暗い駐車場に自転車を出し入れする場合や自転車を押しながら泥濘の暗い夜道を歩く場合などでは、図6のt1時からt2時までと同様に、メイン照明灯9が消灯状態を保持するとともに、サブ照明灯12が点灯し、且つ報知用照明灯17が点滅する。サブ照明灯12は、上述した自転車の足元前方を照射するだけでなく、上述したように、カバー13の形状によって上下方向、前方からみて左側方および後ろ方向をもそれぞれ照らすことができる構造になっているから、このサブ照明灯12の照明光により、暗い駐輪場において自転車を出し入れする場合に、自転車を周囲の物体に当てることなく容易に出し入れすることができ、また、泥濘の暗い夜道を歩く場合、自転車を押しながら支障なく歩くことができるとともに、報知用照明灯17の点滅光によって周囲の歩行車や他車への注意喚起力を高めることができる。
【0036】
図6に戻って、(a)に示すように、t2時に自転車の走行速度が時速8km以上の所定速度以上に達すると、主制御回路27は、電源整流回路24からの直流電力の入力に基づき自転車が所定速度以上で走行中であるのを判別して、点灯制御回路34に対しメイン照明灯9の点灯を指令する制御信号を出力する。これにより、(b)に示すように、メイン照明灯9は、ダイナモ23の発電交流電力を電源整流回路24で変換された直流電力を点灯回路30を介し供給されて点灯し、自転車の前方5m〜10m程度の範囲を照射するので、自転車を支障なく走行させることができる。
【0037】
上述のメイン照明灯9が点灯されるのと同時に、主制御回路27は点灯制御回路31に対しサブ照明灯12の消灯を指令する制御信号を出力するので、サブ照明灯12は、(c)に示すように、t2時に消灯される。このサブ照明灯12としては、電球に比較して、消費電力が極めて少なく、且つ球切れなどが生じない発光ダイオードが用いられていることと、サブ照明灯12は自転車の走行速度が時速0km以上で8km以下の場合のみ点灯されるだけであることとにより、電池32の消費を極力抑制できて、電池32の交換頻度を電球よりも格段に低減できるとともに、サブ照明灯12を殆ど交換する必要がないので、照明装置のランニングコストを極めて軽減できる。
【0038】
また、自転車が走行している場合には、(d)に示すように、報知用照明灯17の点滅動作が継続されるので、周囲からの被視認性を確実に確保して歩行車または他車への注意喚起力を高め、比較的高速で走行する場合での走行安全性を確実に保つことができる。
【0039】
そして、自転車の走行中において、例えば、信号待ちなどのために自転車を減速させて、(a)に示すように、自転車の走行速度がt3時に所定速度以下に低下すると、主制御回路27は、電源整流回路24から入力する直流電力に基づいて、ダイナモ23の発電電力がメイン照明灯9を点灯させるのに不足する程度まで低下したと判別して、点灯制御回路29に対しメイン照明灯9の消灯を指令する制御信号を出力し、(b)に示すように、メイン照明灯9を消灯させる。それと同時に、主制御回路27は、点灯制御回路31に対しサブ照明灯12の点灯を指令する制御信号を出力して、(c)に示すように、サブ照明灯12を点灯させる。これにより、自転車の運転者は、サブ照明灯12による前方照明光によって自転車を支障なく停止させることができる。
【0040】
(a)に示すように、t4時に自転車が停止されると、主制御回路27は点灯制御回路31に対しサブ照明灯12の消灯を指令する制御信号を出力して、(c)に示すように、サブ照明灯12を消灯させる。これにより、電池32の消費は極力抑制されて、ランニングコストの一層の低減を図れる。
【0041】
主制御回路27は、上述のサブ照明灯12を消灯させるのと同時に、点灯制御回路34に対し報知用照明灯17の消灯を指令する制御信号を指令する。しかし、報知用照明灯17は、点滅回路37におけるコンデンサに蓄えられていた電荷が放出されることにより、(d)に示すように、自転車が停止したt4時から所定時間T(この実施の形態では45秒に設定)が経過するt5時までの間、コンデンサの放出電荷の供給を受けて点滅動作を継続する。したがって、信号待ちなどの一時停止中であっても、報知用照明灯17の点滅によって周囲に自転車の存在を認識させて、歩行者または他車への注意喚起力を保持することができる。
【0042】
上記実施の形態の照明装置では、自転車の走行速度に対応してメイン照明灯9とサブ照明灯12との前方照射範囲を適切に設定するとともに、自転車の走行速度に応じてメイン照明灯9とサブ照明灯12とを切り換えて点灯させるようにしたので、自転車がどのような走行状況であっても、最も適切な照明を自動的に得ることができる。
【0043】
なお、上記実施の形態では、被視認性を高めるために、報知用照明灯17としての着色発光ダイオードを点滅させる場合を例示して説明したが、報知用照明灯17として白色または無色発光ダイオードを用いるとともに、その報知用照明灯17を青色または赤色に着色したカバー18で被覆するようにしても、上記実施の形態と同様の被視認性を得ることができる。また、用いる発光ダイオードやカバー13,18は、交通上の安全を損なうものでなければ、どのような色であってもよい。また、電池32としては、乾電池または充電可能な二次電池の何れであってもよい。
【0044】
さらに、上記実施の形態では、自転車の速度を、ダイナモ23の起電力を整流した直流電力に基づき検知する場合について説明したが、自転車の回転部分に取り付けたマグネットとリードスイッチとの組み合わせなどの周知の速度検出手段を用いることができるのは勿論である。さらに、上記実施の形態では、点滅回路37のコンデンサに蓄えた電荷の放出によって報知用照明灯17を自転車の停止後から所定時間の間点滅させる場合について説明したが、コンデンサは、点滅回路37に代えて、主制御回路27または点灯制御回路34に設けてもよく、また、コンデンサに代えて、ニッケルカドミウムなどの2次電池をダイナモ23の起電力で充電する構成としてもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、本発明の自転車用照明装置によれば、低速走行時に自転車の前方を通常走行時と同様に照射する必要がないので、サブ照明灯によって自転車の前方手前側の下方箇所を照らすようにしたので、自転車の走行速度に対応してメイン照明灯とサブ照明灯との前方照射範囲を適切に設定するとともに、自転車の走行速度に応じてメイン照明灯とサブ照明灯とを切り換えて点灯させるようにしたので、自転車がどのような走行状況であっても、自転車の走行速度に適合する最も適切な照明を自動的に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(c)はそれぞれ本発明の一実施の形態に係る自転車用照明装置を示す正面図、左側面図および(a)のA−A線断面図。
【図2】(a),(b)は同上の照明装置を示す平面図および底面図。
【図3】図1(a)のB−B線断面図。
【図4】同上の照明装置を示す背面図。
【図5】同上の照明装置の電気系統を示すブロック構成図。
【図6】同上の照明装置の動作を示すタイミングチャート。
【符号の説明】
1 本体ケース
9 メイン照明灯
12 サブ照明灯
13 サブ照明灯のカバー
17 報知用照明灯
18 報知用照明灯のカバー
23 ダイナモ(発電機)
27 主制御回路(制御手段)
Claims (5)
- 自転車の前方における遠い箇所に向け照明光を照射する配置で設けられたメイン照明灯と、自転車の前方における手前側の下方に向け照明光を照射する配置で設けられたサブ照明灯と、発光ダイオードからなる報知用照明灯と、自転車の走行速度が所定速度以上になったときに前記メイン照明灯を点灯させ、自転車の走行速度がゼロ以上で、且つ所定速度以下である場合に前記サブ照明灯を点灯させるとともに自転車の車輪の回転に伴い作動する発電機の発電電力を駆動電源として報知用照明灯を点滅または点灯させ、自転車の走行停止時には前記発電機の発電電力で充電されていた蓄電源から給電されて一定時間の間点滅または点灯を継続するように報知用照明灯を点灯させるよう、メイン照明灯とサブ照明灯と報知用照明灯をそれぞれ制御する制御装置と、を有することを特徴とする自転車用照明装置。
- メイン照明灯は、自転車の車輪の回転に伴い作動する発電機の発電電力を駆動電源として点灯される電球であり、
サブ照明灯は、乾電池あるいは前記発電機の発電電力を蓄電する2次電池またはコンデンサの何れかからの供給電力によって点灯される白色ダイオードである請求項1に記載の自転車用照明装置。 - サブ照明灯は、本体ケースの外側面に配置され、且つ無色のカバーで被覆されて、自転車に対し前方向の他に上下方向、側方向およびうしろ方向に向け照射できるように設けられている請求項1または2に記載の自転車用照明装置。
- 報知用照明灯は、本体ケースの上面に配置され、且つカバーで被覆されて、自転車に対し下方を除く周囲から発光を視認できるように設けられている請求項1または2に記載の自転車用照明装置。
- 報知用照明灯として着色発光ダイオードを用いるか、または白色発光ダイオードからなる報知用照明灯を着色したカバーで被覆するかの何れかの構成を備えている請求項1ないし4の何れかに記載の自転車用照明装置。
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