JP4070494B2 - 自転車用前照灯 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は太陽電池を内蔵した自転車用前照灯に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自転車用前照灯には、最も初歩的なものとして、1次電池を電源とし、暗くなったらスイッチにより電球に電流供給して前照するものや、ダイナモを自転車の車輪に臨まして配置し、車輪の回転により発電して、電球に電流供給して前照するものが一般的であった。
【0003】
また、太陽電池で充電される2次電池と、それと別に併設した1次電池を電源として電球を点灯させて前照する構造の自転車用前照灯がある。図5にそのための制御回路を示す。図において、太陽電池の発電量は並列接続の2次電池に充電する。また、別に1次電池も用意されている。前照灯の電球はスイッチでオン・オフ動作され、スイッチを介して2次電池のみから電流供給される場合、また、2次電池および1次電池が並列に接続されて両電源から電流供給される場合が選択されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
太陽電池で2次電池を充電し、電源とするものは、電球の消費電流が大きいので、曇りの日などでは太陽電池の発電量が少なくなり、十分な電流を供給できず、最悪の場合は電球を点灯することができなくなることがあった。また、自転車の夜間走行時に前方への点灯だけであり自転車の被視認性が悪く、安全上の問題があり、側方への点灯も行なうものが望まれていた。そこで、本発明は自転車の夜間走行の安全面から、前方への点灯だけではなく、側方へも点灯することによる自転車の被視認性の向上を図った自転車用前照灯を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の請求項1に係る自転車用前照灯は、前照灯内にLEDおよび電球が内蔵された自転車用前照灯において、前記LEDは太陽電池で充電される2次電池を電源として前方および側方に向けて点灯または点滅動作し、前記電球は前照灯に内蔵された1次電池またはダイナモを電源として前方を照射し、側方に向けて点灯または点滅するLEDは、赤色LEDであり、前方に向けて点灯または点滅するLEDは、赤色LED以外のLEDである構成とした。
【0006】
本発明の請求項2に係る自転車用前照灯は、請求項1における自転車用前照灯において、前記LEDの点灯または点滅動作および電球の点灯動作の切替用スイッチを、前照灯のケースの側面に設けた構成とした。
【0007】
本発明の請求項3に係る自転車用前照灯は、請求項2における自転車用前照灯において、前記切替用スイッチの操作により、LEDのみの点滅動作またはLEDおよび電球の点灯動作を選択可能にしたものである。
【0008】
本発明の請求項4に係る自転車用前照灯は、前照灯内にLEDおよび電球が内蔵された自転車用前照灯において、前記LEDは太陽電池で充電される2次電池を電源として前方および側方に向けて点灯または点滅動作し、前記電球は前照灯に内蔵された1次電池またはダイナモを電源として前方を照射し、前記LEDの点灯または点滅動作および電球の点灯動作の切替用スイッチを、前照灯のケースの側面に設けた構成とした。
【0009】
こうして、本発明の前照灯では、太陽電池で充電された2次電池で、電球に比べて消費電流が1/10以下のLEDを点灯または点滅させるので、曇りの日など太陽電池の発電量が少ないときでもLEDは点灯することができる。また、電球は太陽電池に比べて発電量の大きい1次電池またはダイナモで点灯するので、太陽電池から2次電池に充電し、それを電源として電球を点灯するのに比べて明るく前照することができる。そして、LEDは前方、側方に点灯または点滅するので自転車の被視認性が向上する。特に側方を点滅または点灯するLEDは、赤色LEDなので、自転車の側方に対して警告に近い被視認性を発揮できる。
また、LEDの点灯または点滅動作および電球の点灯動作の切替用スイッチを、前照灯のケースの側面に設けたので、運転者が走行中でも容易にスイッチ操作ができ、切替用スイッチの操作により、日中で環境が明るい時、周囲が薄暗くなった時または日中でも自転車の安全の確保したい時、あるいは周囲が暗くなり照明が必要とされるとき等に応じて、電球、LEDの選択的な点灯、点滅ができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の自転車用前照灯の実施形態の構成を図を用いて説明する。図1(A)は本発明の前照灯の側面断面図、図1(B)は正面断面図を示し、図2(A)は本発明の前照灯の平面図、図2(B)は側面図を示す。図において、1は前方と後方の下方が開口されたバッテリーケース、2は前方リフレクタ、3はバッテリーケース1の前方開口を塞ぐヘッドキャップ、4は前照灯の電球、5は前方用の青色の発光ダイオード(以下、LEDという)、6は側方用の赤色のLED、7は側方リフレクタ、8はレンズである。ここで、側方用の赤色のLED6、側方リフレクタ7、レンズ8は前照灯の両側面に設けられている。ここで、前方の照射に赤色を用いることが禁止されているので、赤色以外の発光を用いることになり、前方のLED5を青色とした。
【0020】
9は透明な太陽電池カバー、10は前照灯の上面に位置する太陽電池、11は1次電池、12は太陽電池の発電量を充電する2次電池、13はバッテリーケース1の下方開口部を塞ぐバッテリーケースキャップであり、止めネジ14でバッテリーケース1に取付けられる。15はプリント基板、16は点滅回路を含む制御回路、17はブラケットホルダー、18はハンドル取付ブラケット、19はスイッチボタン、20はスイッチボタン19により操作されるスイッチ、21はヘッドキャップ3をバッテリーケース1に取付ける止めネジである。また、図中、矢印Wは電球光、矢印Bは青色LED光、矢印Rは赤色LED光の照射を示す。
【0021】
バッテリーケース1の内部には1次電池11、2次電池12が収納され、バッテリーケース1の上部には太陽電池10が配置されている。そしてバッテリーケース1の前部には、前方リフレクタ2内に収納された電球4と青色LED5が配置され、側方リフレクタ7内に収納された赤色LED6が両側に配置されている。
【0022】
また、スイッチボタン19は運転者が走行中でも容易にスイッチ操作がなされるように前照灯の側部に配置されている。そして、バッテリーケース1はブラケットホルダー17で保持され、ハンドル取付ブラケット18により自転車のハンドル(図示なし)に挟着保持される。
【0023】
次に、前照灯の制御回路を参照して、自転車用前照灯の点灯制御について説明する。図3は制御回路の一つの実施形態であり、電源として太陽電池と1次電池を併用するタイプを示す。ここで図1、図2と同一物には同じ符号を付している。22は点滅回路である無安定マルチバイブレータ(以下、無安定回路という)であり、抵抗、コンデンサで定まる時定数によりオン、オフを交互に繰り返し発振する。
【0024】
本発明の自転車用前照灯は、自転車が駐輪中あるいは走行中に太陽光に照射されている間に、バッテリーケース1の上部に配置した太陽電池10が光を受けて発電し、前照灯に内蔵された2次電池12に充電される。
【0025】
まず、日中で環境が明るいため、前照灯の側部に設けられたスイッチボタン19がOFFの位置にある時、電球4には1次電池11から電流が供給されないと共に、無安定回路(点滅回路)22にも2次電池12から電流が供給されないので、電球4は点灯せず、LED5,6も点灯あるいは点滅することはない。
【0026】
次に、周囲が薄暗くなり、または日中でも濃霧などで自転車の安全の確保のために、LED5,6のみを点滅させる時、スイッチボタン19をBLINKの位置に操作すると、電球4には1次電池11から電流が供給されないが、無安定回路22には2次電池12から電流が供給されるので、点滅回路の無安定回路22から前方の青色LED5と、両側方の赤色LED6,6に電流が供給され交互に点滅動作する。
【0027】
そして、青色LED5の光は前方リフレクタ2に反射されて矢印B方向の光を照射する。また、赤色LED6,6の光は側方リフレクタ7で反射されレンズ8で集光されて矢印R方向の光を照射する。
【0028】
こうして、太陽電池10で充電された2次電池12で電球に比べて消費電流が1/10以下のLEDを点滅させるので、曇りの日など太陽電池10の発電量が少ないときでもLED5,6は点滅することができ、自転車の被視認性の向上を図ることができる。しかも、LED5は前方、LED6は両側方に配置しているので、自転車の被視認性の一層の向上が図られる。
【0029】
次に、周囲が暗くなり、電球4を点灯する時、スイッチボタン19をONの位置に操作すると、電球4には1次電池11から電流が供給されと共に、無安定回路22には2次電池12から電流が供給されるので、電球4は点灯し、点滅回路の無安定回路22から前方の青色LED5と、両側方の赤色LED6,6に電流が供給され交互に点滅動作する。
【0030】
そして、電球4の光は前方リフレクタ2に反射されて矢印W方向の光を照射し、同様に、青色LED5の光は前方リフレクタ2に反射されて矢印B方向の光を照射する。また、赤色LED6,6の光は側方リフレクタ7で反射されレンズ8で集光されて矢印R方向の光を照射する。
【0031】
こうして、電球4は太陽電池10に比べて発電量の大きい1次電池11を使用しているので、明るく前照することができる。また、電球点灯時はLED5、LED6も点滅しているので、1次電池の電池寿命がなくなり電球が消灯しても、自転車の被視認性を確保することができる。
【0032】
次に、図4に示す制御回路により、電源として太陽電池とダイナモを併用するタイプの他の実施形態を説明する。ここで図3と同一物には同じ符号を付している。23は車輪に臨んで配置されたダイナモであり、周囲が暗いとき自転車の車輪に臨ませて駆動される構造(図示せず)をなしている。
【0033】
まず、日中で環境が明るいため、前照灯の側部に設けられたスイッチボタン19がOFFの位置にある時、電球4にはダイナモ23から電流が供給されないと共に、無安定回路22にも2次電池12から電流が供給されないので、電球4は点灯せず、LED5,6も点灯あるいは点滅することはない。
【0034】
次に、周囲が薄暗くなり、または日中でも自転車の安全の確保のために、LED5,6のみを点滅させる時、スイッチボタン19をBLINKの位置に操作すると、電球4へのダイナモ23からの電流供給は任意であり、無安定回路22には2次電池12から電流が供給されるので、点滅回路の無安定回路22から前方の青色LED5と、両側方の赤色LED6,6に電流が供給され交互に点滅動作する。
【0035】
そして、青色LED5の光は前方リフレクタ2に反射されて矢印B方向の光を照射する。また、赤色LED6,6の光は側方リフレクタ7で反射されレンズ8で集光されて矢印R方向の光を照射する。
【0036】
こうして、太陽電池10で充電された2次電池12で電球に比べて消費電流が1/10以下のLEDを点滅させるので、曇りの日など太陽電池10の発電量が少ないときでもLED5,6は点滅することができ、自転車の被視認性の向上を図ることができる。しかも、LED5は前方、LED6は両側方に配置しているので、自転車の被視認性の一層の向上が図られる。
【0037】
次に、周囲が暗くなり、電球を点灯する時、スイッチボタン19をONの位置に操作すると、電球4にはダイナモ23から電流が供給されと共に、無安定回路22には2次電池12から電流が供給されるので、電球4は点灯し、点滅回路の無安定回路22から両側方の赤色LED6,6に交互に電流が供給される。一方、前方の青色LED5には2次電池12から直接電流が供給され点灯動作を継続する。
【0038】
そして、電球の光は前方リフレクタ2に反射されて矢印W方向の光を照射し、同様に、青色LED5の光は前方リフレクタ2に反射されて矢印B方向の光を照射する。また、赤色LED6,6の光は側方リフレクタ7で反射されレンズ8で集光されて矢印R方向の光を照射する。
【0039】
こうして、電球4はダイナモ23で点灯させた時、前方のLED5を点灯させておくことにより、低速でダイナモ23の発電量が少なくて電球が暗かったり、停車中に電球4が消灯していてもLED5は点灯、LED6が点滅しているので、自転車の被視認性を確保することができる。
【0040】
尚、太陽電池が損壊した場合に備えて、2次電池を外部電源より充電できるように、整流器に接続可能なコンセントを装備する程度の変更は当業者の設計の範囲である。
【0041】
【発明の効果】
以上のように本発明の自転車用前照灯は、太陽電池で充電された2次電池で電球に比べて消費電流が1/10以下のLEDを点灯または点滅させるので、曇りの日など太陽電池の発電量が少ないときでもLEDは点灯あるいは点滅することができ、自転車の被視認性の向上を図ることができる。しかも、LEDは前方、側方にそれぞれ配置しているので、自転車の被視認性の一層の向上が図られる。特に側方を点滅または点灯するLEDは、赤色LEDなので、自転車の側方に対して警告に近い被視認性を発揮できる。
また、LEDの点灯または点滅動作および電球の点灯動作の切替用スイッチを、前照灯のケースの側面に設けたので、運転者が走行中でも容易にスイッチ操作ができ、切替用スイッチの操作により、日中で環境が明るい時、周囲が薄暗くなった時または日中でも自転車の安全の確保したい時、あるいは周囲が暗くなり照明が必要とされるとき等に応じて、電球、LEDの選択的な点灯、点滅ができる。
【0042】
また、電球がダイナモで点灯させる時、前方のLEDを点灯させておくことにより、低速でダイナモの発電量が少なくて電球が暗かったり、停車中に電球が消灯していても前方のLEDは点灯、両側方のLEDが点滅しているので、自転車の被視認性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の前照灯の側面と正面の断面図。
【図2】本発明の前照灯の平面図と側面図。
【図3】本発明の前照灯の制御回路図。
【図4】本発明の前照灯の他の制御回路図。
【図5】従来の前照灯の制御回路図。
【符号の説明】
1 バッテリーケース
2 前方リフレクタ
3 ヘッドキャップ
4 前照灯の電球
5 前方用の青色LED
6 側方用の赤色LED
7 側方リフレクタ
8 レンズ
9 太陽電池カバー
10 太陽電池
11 1次電池
12 2次電池
,13 バッテリーケースキャップ
15 プリント基板
16 制御回路
17 ブラケットホルダー
18 ハンドル取付ブラケット
19 スイッチボタン
20 スイッチ
22 無安定回路(点滅回路)
23 ダイナモ

Claims (4)

  1. 前照灯内にLEDおよび電球が内蔵された自転車用前照灯において、前記LEDは太陽電池で充電される2次電池を電源として前方および側方に向けて点灯または点滅動作し、前記電球は前照灯に内蔵された1次電池またはダイナモを電源として前方を照射し、側方に向けて点灯または点滅するLEDは、赤色LEDであり、前方に向けて点灯または点滅するLEDは、赤色LED以外のLEDであることを特徴とする自転車用前照灯。
  2. 前記LEDの点灯または点滅動作および電球の点灯動作の切替用スイッチを、前照灯のケースの側面に設けたことを特徴とする請求項1記載の自転車用前照灯。
  3. 前記切替用スイッチの操作により、LEDのみの点滅動作またはLEDおよび電球の点灯動作を選択可能にしたことを特徴とする請求項2記載の自転車用前照灯。
  4. 前照灯内にLEDおよび電球が内蔵された自転車用前照灯において、前記LEDは太陽電池で充電される2次電池を電源として前方および側方に向けて点灯または点滅動作し、前記電球は前照灯に内蔵された1次電池またはダイナモを電源として前方を照射し、前記LEDの点灯または点滅動作および電球の点灯動作の切替用スイッチを、前照灯のケースの側面に設けたことを特徴とする自転車用前照灯。
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