JP4753016B2 - フェライト粉体、該フェライト粉体を含有するグリーンシート並びにフェライト焼結体 - Google Patents

フェライト粉体、該フェライト粉体を含有するグリーンシート並びにフェライト焼結体 Download PDF

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Description

本発明は、高い透磁率を有するNi−Zn−Cu系フェライト材料に関し、詳しくは900℃以下の低い温度で焼結することができ、しかも高透磁率のフェライト焼結体を得ることができるフェライト粉体、グリーンシート並びに焼結体に関する。
近年の電子機器の小型化、高周波化に伴い、これらに用いられる各種電子部品も小型化、低背化が要求されている。
例えば、電子機器の電子回路に用いられるインダクタは、磁心または空芯ボビンに絶縁被覆を有する銅線を巻線してコイルを形成する巻線型から、フェライト焼結型の積層型チップインダクタが実用化されている。
この積層型チップインダクタは次の製造工程を経て製造される。即ち、フェライト粉末を含むペーストをシート状に成膜してなるグリーンシートに、Ag,Ag−Pd等の電極材料を含むペーストを用いて導電パターンを印刷などにより形成した後、これらを積層し、所定温度において焼結させて、外部電極を形成する工程で製造される。
ところで、上述の如く積層型チップインダクタの製造工程においては、電極材料とフェライトの積層体を同時焼成する方法を採っているために、Ag,Ag−Pd等の電極材料とフェライトの界面反応(相互拡散)によってフェライト本来の特性が劣化するという問題点を有しており、この問題を回避するためには約900℃以下という低温で焼成する必要があるとされている。
しかし、900℃以下の温度で焼成した場合には、積層型チップインダクタ用の磁性体として透磁率等の電磁気特性に優れたNi系フェライト焼結体が得られ難く、特に十分に高い透磁率を得ることは困難であった。
これまで、Ni−Zn−Cu系フェライト粉末について、低温においても焼成可能な技術が幾つか提案されている。例えば、低温で焼結させるため微粉砕により、仮焼成後の粉体の比表面積を6.0m/g以上とすることで、緻密な焼結体を作製し、高い透磁率を得る方法(特許文献1)がある。また、焼結助剤であるホウケイ酸ガラスを添加することで焼結時に液相を生成させ、フェライトの粒成長を促進して透磁率を高くする方法(特許文献2)、他にもガラス成分を添加する方法として、SiO、B、NaOからなるガラス成分を添加して、液相焼結を形成し、フェライトの粒成長を促進して透磁率を高くする方法(特許文献3)がある。
特開2000−109324号公報 特開平5−326241号公報 特開2000−208316号公報
しかしながら、特許文献1記載の技術においては、ガラス成分を添加しておらず、液相焼結の効果が少なく、フェライトの粒成長を促進できないため、透磁率を十分に高くできない問題があった。
特許文献2又は3記載の技術では、ガラス成分を添加することで、焼結時に液相を生成させ、フェライトの粒成長を促進して透磁率を高くする方法を採っているが、特許文献1では、ホウケイ酸ガラスを用いて、フェライトの粒成長を促進しても、その透磁率は最高で1500程度であり、十分ではなかった。また、ガラス粉末の成分に環境負荷の大きいPbOを含んでいるため、使用に好ましくない。また、特許文献3では、ガラス成分として、SiO、B、NaOを使用しているが、Naはフェライトの透磁率を大きく減少させるため、液相焼結による透磁率の上昇の効果も十分ではない。また、Naは他の電子機器にも悪影響を与えるため好適でない。
そこで、本発明は、上記従来の技術における課題を解決し、高い透磁率を有するNi−Zn−Cu系フェライト粉末に関し、詳しくは900℃以下の低い温度で焼結することができ、しかも高透磁率のフェライト焼結体を得ることができる粉末、グリーンシート並びに焼結体である。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、Ni−Zn−Cu系フェライト粉末とZn−B系ガラス粉末100〜1000ppmとからなるフェライト粉体であって、前記Ni−Zn−Cu系フェライト粉末の組成範囲が、Fe が48.5〜50mol%、NiOが6〜12mol%、ZnOが28〜34mol%、CuOが7〜15mol%であり、当該フェライト粉体の比表面積が5.0〜10.0m/g、圧縮密度が3.20×10kg/m以上であることを特徴とするフェライト粉体である。
また、本発明は、前記フェライト粉体において、Zn−B系ガラス粉末の成分としては、NaO、PbOを含有しないZn−B系ガラス粉末であることを特徴とするフェライト粉体である。
また、本発明は、前記フェライト粉体と結合材料とを用いてシート状に成膜してなるグリーンシートである。
また、本発明は、前記フェライト粉体を加圧成形した後、焼結してなる焼結密度が5.0×10kg/m以上であって、100kHzにおける透磁率が1800〜2300であることを特徴とするフェライト焼結体である。
また、本発明は、前記グリーンシートを積層した後、焼結してなる焼結密度が5.0×10kg/m以上であって、100kHzにおける透磁率が1800〜2300であることを特徴とするフェライト焼結体である。
本発明に係るフェライト粉体は、高い透磁率を有するフェライト焼結体を900℃以下の低温で得ることができるので、フェライト焼結体の前駆体として好適である。
本発明に係るフェライト粉体を含有するグリーンシートは、高い透磁率を有するフェライト焼結体を900℃以下の低温で得ることができるので、フェライト焼結体の前駆体として好適である。
本発明に係るNi−Zn−Cu系フェライト焼結体は、900℃以下の低い温度で焼結することができ、しかも高い透磁率を有するので、積層型チップインダクタ用の磁性体として好適である。
本発明の構成をより詳しく説明すれば次の通りである。
まず、本発明におけるフェライト粉体について説明する。
本発明に係るフェライト粉体とは、Ni−Zn−Cu系フェライト粉末とZn−B系ガラス粉末100〜1000ppmとからなるフェライト粉体であり、該Ni−Zn−Cu系フェライト粉末とは、原料混合後に仮焼成を行った後、粉砕して得た粉末のことである。該フェライト粉体の比表面積としては、5.0〜10.0m/gであり、かつ圧縮密度が3.20×10kg/m以上である。
本発明に係るフェライト粉体の比表面積が5.0m/g未満の場合、焼結時の反応性が低いため、900℃以下の低い温度では十分に焼結せず、高い透磁率を得ることができない。また、比表面積が5.0〜10.0m/gの範囲であれば十分に高い透磁率を得ることができ、10.0m/gを超えるフェライト粉末は長時間の粉砕が必要となり、生産性に問題があるため好ましくない。好ましくは5.1〜9.0m/gである。
本発明に係るフェライト粉体の圧縮密度が3.20×10kg/m未満の場合、粉末間の密着性が悪く、十分に高い透磁率を得ることができない。好ましくは3.20〜3.34×10kg/mである。
本発明に係るフェライト粉体の比表面積が5.0〜10.0m/gの範囲であっても、圧縮密度が3.20×10kg/m未満であると、未反応の原料が多く残留し、焼結性が低下し、十分に高い透磁率を得ることができない。
本発明に係るフェライト粉体の圧縮密度が3.20×10kg/m以上であっても、比表面積が5.0m/g未満であると、仮焼成の段階でフェライトの粒成長が進んでしまっており、焼結時に熱収縮が起こり難く、緻密な焼結体とならないため、十分に高い透磁率を得ることができない。
次に、本発明におけるZn−B系ガラス粉末について説明する。
本発明におけるNi−Zn−Cu系フェライト粉末に添加する焼結助剤としてはZn−B系ガラス粉末であり、その添加量は、該Ni−Zn−Cu系フェライト粉末に対して100〜1000ppmの範囲である。
本発明におけるZn−B系ガラス粉末の添加量が、100ppm未満の場合、液相焼結の効果が少なく、フェライトの粒成長を促進できないため、透磁率を十分に高くできない。また、Zn−B系ガラス粉末の添加量が、1000ppmを超える場合、焼結体中にガラス相が非磁性層として占める割合が多く、反磁界の影響により、透磁率が低下してしまうため好ましくない。より好ましくは120〜800ppmである。
本発明における焼結助剤としてのZn−B系ガラス粉末の成分としては、NaO、PbOを含有せず、少なくともZnO,Bを含有したガラス粉末である。また、他のガラス成分としては、特に限定されるものでない。好ましくは上記ZnO,B以外に、SiO,MgO,CaO,BaO,SrO,LiO,Al、Vから選ばれる1種又は2種以上を含有するガラス粉末である。より好ましくは30〜85重量%のZnO、5〜50重量%のBを含有するガラス粉末がよい。
本発明におけるNi−Zn−Cu系フェライト粉末の成分について説明する。本発明におけるNi−Zn−Cu系フェライト粉末の組成範囲としては、Feが48.5〜50mol%、NiOが6〜12mol%、ZnOが28〜34mol%、CuOが7〜15mol%であることが好ましい。
本発明におけるNi−Zn−Cu系フェライト粉末の組成範囲として、上記範囲に限定した理由を詳細に説明する。Feが48.5mol%未満では、透磁率が十分に高くならない。一方、Feが50mol%を超える場合は、焼結性が著しく低下し、透磁率が高くならない。
また、NiOが6mol%未満では、キュリー点が低下し、使用温度範囲内で高い透磁率を維持できない。一方、NiOが12mol%を超える場合は、透磁率が十分に高くならない。
また、ZnOが30mol%未満では、透磁率が高くならない。一方、ZnOが34mol%を超える場合は、キュリー点が低下し、使用温度範囲内で高い透磁率を維持できない。
また、CuOは、低温での焼結性を向上させるために使用しているため、CuOが7mol%未満では、焼結性が著しく低下し、透磁率が高くならない。一方、CuOが12mol%を超える場合は、透磁率が十分に高くならない。
好ましくはFeが49〜49.8mol%、NiOが8〜10mol%、ZnOが30〜33mol%、CuOが8〜12mol%である。
次に、本発明に係るフェライト粉体の製造法について述べる。
本発明に係るフェライト粉体は、各種金属酸化物、炭酸塩等の原料を混合した後、仮焼成を行い、次いで、粉砕してNi−Zn−Cu系フェライト粉末を製造する過程において、仮焼後にZn−B系ガラス粉末を添加することによって得ることができる。
該Ni−Zn−Cu系フェライトの原料にはFe、NiO、ZnO、CuOを用いる。各種金属の混合割合は、前記所定の混合比となるようにすればよい。
原料混合方法としては、公知のいずれの方法をも使用できるが、湿式アトライターや、湿式ボールミルが好ましい。
仮焼成は、700〜800℃で0.5〜3時間が好ましい。
粉砕方法は、公知のいずれの方法をも使用できるが、まず、アトマイザーで粗粉砕を行った後、乾式振動ミルや湿式ボールミルで微粉砕を行う方法が好ましい。
仮焼後のNi−Zn−Cu系フェライト粉末に対して、Zn−B系ガラスを添加・混合すればよい。Zn−B系ガラスの添加時期は、特に限定しないが、より好ましくは前記微粉砕時に添加する。
次に、本発明におけるグリーンシートについて説明する。
グリーンシートとは、積層型チップインダクタを製造する際の被焼結物となるもので、該フェライト粉体を結合材料、可塑剤及び溶剤等と混合して塗料とし、該塗料をドクターブレード式コーター等で数μmから数百μmの厚さに成膜した後乾燥してなるシートである。このグリーンシートをその表面にAg,Ag−Pd等の電極材料を含むペーストを用いて導電パターンを印刷などにより形成した後、これらを積層し、所定温度において焼結させて、外部電極を形成する工程により積層型チップインダクタを得ることができる。
本発明におけるグリーンシートは、フェライト粉体100重量部と結合材料が2〜20重量部、好ましくは4〜15重量部と可塑剤が0.5〜15重量部、好ましくは2〜10重量部とからなる。また、成膜後の乾燥が不十分なことにより溶剤が残留しいてもよい。
結合材料の種類は、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸エステル、ポリメチルメタクリレート、塩化ビニル、ポリメタクリル酸エステル、エチレンセルロース、アビエチン酸レジン等であり、ポリビニルブチラールが好ましい。
結合材料が2重量部未満の場合は、グリーンシートが脆くなりやすい。強度の点からその上限値は20重量部で十分である。

可塑剤の種類は、フタル酸ベンジル−n−ブチル、ジブチルフタレート、ジメチルフタレート、ポリエチレングリコール、フタル酸エステル、ブチルステアレート、メチルアジテート等であり、フタル酸ベンジル−n−ブチルが好ましい。
可塑剤が0.5重量部未満の場合は、グリーンシートが固くなり、ひび割れを生じやすくなる。可塑剤が15重量部を超える場合は、グリーンシートが軟らかくなる。
本発明におけるグリーンシートの製造にあたっては、フェライト粉体100重量部に対して、20〜150重量部の溶剤を使用する。好ましくは、30〜120重量部である。溶剤が上記範囲外である場合は、均一なグリーンシートが得られないので、得られる焼結体は、特性にバラツキがあるものとなりやすい。
本発明におけるグリーンシートの製造に用いる溶剤の種類は、アセトン、ベンゼン、ブタノール、エタノール、メチルエチルケトン、トルエン、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、酢酸n−ブチル等であり、メチルエチルケトン、トルエンが好ましい。
次に、本発明に係るフェライト焼結体について説明する。
本発明に係るフェライト焼結体は、本発明に係る前記フェライト粉体を金型を用いて、0.3〜3.0×10t/mの圧力で加圧する、所謂、粉末加圧成形法により得られた成形体、又は、本発明における前記フェライト粉体を含有するグリーンシートを積層して得られた、所謂、グリーンシート法により得られた積層体を800〜900℃、好ましくは870〜900℃で1〜20時間、好ましくは1〜10時間焼結することによって得ることができる。成形方法としては、公知のいずれの方法をも使用できるが、上記粉末加圧成形法や、グリーンシート法が好ましい。
焼結温度が800℃未満の場合には、本発明の目的とする焼結密度が5.0×10kg/m以上であって、100kHzにおける透磁率が1800〜2300であるフェライト焼結体を得ることが困難となる。また、焼結温度が900℃を超える場合には、電極材料とフェライトの積層体を同時焼成する方法を採っているために、Ag、Ag−Pd等の電極材料とフェライトの界面反応(相互拡散)によってフェライト本来の特性が劣化する。
本発明におけるフェライト焼結体の密度は、100kHzにおける透磁率が1800〜2300であるフェライト焼結体を得るためには、5.0×10kg/m以上、好ましくは5.15×10kg/m以上である。
<作用>
本発明によると、高い透磁率を有するNi−Zn−Cu系フェライト材料に関し、詳しくは900℃以下の低い温度で焼結することができ、しかも高透磁率のフェライト焼結体を得ることができる粉末、グリーンシート並びに焼結体を得ることが可能となる。
本発明についてさらに詳しく説明すると、900℃以下の低い温度で焼結することができ、しかも高透磁率のフェライト焼結体を得るためには、Ni−Zn−Cu系フェライト粉末と、焼結助剤としてZn−B系ガラス粉末を組み合わせたフェライト粉体であり、該フェライト粉体の比表面積と圧縮密度を同時に制御することが効果的であることを見いだした。
本発明においては、Zn−B系ガラス粉末を採用することにより、ホウケイ酸ガラスやNa−Si−B系ガラス等と比較して、透磁率を高くする効果が高いことを見出した。この要因として、Zn−B系ガラスにはフェライトの特性を劣化させる原因となる元素が少ないこと、より低い温度で液相焼結を形成しやすいことなどが考えられる。
以下に、本発明の実施例を比較例と対比して示す。
フェライト粉体の比表面積は、「MonoSorb MS−II」(湯浅アイオニック(株)製)を用いてBET法により測定した。
フェライト粉体の圧縮密度は、該フェライト粉体を1.0×10t/mの圧力で圧縮した時の、寸法と重量を測定し、計算で求めた。
Ni−Zn−Cu系フェライト焼結体の焼結密度は、寸法と重量を測定し、計算で求めた。
Ni−Zn−Cu系フェライト焼結体の透磁率は、リング状の焼結体に巻線を施し、インピーダンス・ゲインフェーズアナライザー「4194A」(アジレント・テクノロジー(株))製)により測定した。
実施例1
<フェライト粉体の作製>
まず、Ni−Zn−Cu系フェライト粉末を作製した。原料としてFe、NiO、ZnO、CuOを用い、組成比として、Feが49.5mol%、NiOが8.5mol%、ZnOが32.0mol%、CuOが10.0mol%となるように秤量して、アトライターを用いて30分間の湿式配合を行った後、この混合物を濾別・乾燥し、Ni−Zn−Cuフェライト原料混合物を得た。該Ni−Zn−Cuフェライト原料混合物を750℃において、1.5時間の仮焼成を行った。続いて、該仮焼成品をアトマイザーにより粗粉砕を行い、該粗粉砕品にZn−B系ガラス粉末を300ppm添加し、振動ミルを用いて3時間の乾式微粉砕を行い、フェライト粉体を得た。
このときの製造条件及び得られた粉末の諸特性を表1に示す。
実施例2〜6、比較例1〜8
Ni−Zn−Cuフェライト原料混合物の仮焼成温度、ガラス粉末の種類及び添加量、フェライト粉体の微粉砕時間を種々変化させた以外は、前記実施例1と同様にフェライト粉体を作製した。
このときの製造条件及び得られた粉末の諸特性を表1に示す。
実施例7
<Ni−Zn−Cu系フェライト焼結体の作製>
実施例1のフェライト粉体100重量部に対して、PVA(ポリビニルアルコール)6%水溶液10重量部を添加混合した後、該粉末6.5gを秤量し、金型を用いて外形25mmφ、内径15mmφ、厚さ6mmに加圧成型(プレス圧1.0×10t/m)した。この成型体を焼結温度900℃において、2時間の焼結を行った。
このときの製造条件及び得られた焼結体の諸特性を表2に示す。
実施例8〜13、比較例9〜14
フェライト粉体の種類、加圧成型の圧力、焼結温度及び焼結時間を種々変化させた以外は、前記実施例7と同様、粉末加圧成型法によってNi−Zn−Cu系フェライト焼結体を作製した。
このときの製造条件及び得られた焼結体の諸特性を表2に示す。
実施例14
実施例1と同様のフェライト粉体を作製し、該フェライト粉体100重量部に対して結合材料ポリビニルブチラール「エスレックB BL−S」(商品名、積水化学工業(株)製)7重量部と可塑剤フタル酸ベンジル−n−ブチル(東京化成工業(株)製試薬)4.4重量部と溶剤として酢酸n−ブチル試薬特級(米山薬品工業(株)製)30重量部及びメチルエチルケトン(日本化成品(株)製)30重量部とを加えて、ボールミルで15時間混合して塗料を作製した。この塗料をドクターブレード式コーターによってPETフィルム上に塗布して、塗膜を形成した後、乾燥することにより膜厚75μmのグリーンシートを得た。これを縦36mm×横36mmの大きさに切断して14枚を積層した後、0.35×10t/mの圧力で加圧して厚み約1mmのグリーンシート積層体を得た。得られたグリーンシート積層体を900℃、2時間で焼結し、Ni−Zn−Cu系フェライト焼結体を得た。得られたNi−Zn−Cu系フェライト焼結体は、超音波加工機により、リング状に切り出した。
このときの製造条件及び得られた焼結体の諸特性を表2に示す。
実施例15、比較例15〜17
フェライト粉体の種類、加圧成型の圧力、焼結温度及び焼結時間を種々変化させた以外は、前記実施例14と同様、グリーンシート成型法によってNi−Zn−Cu系フェライト焼結体を作製した。
このときの製造条件及び得られた焼結体の諸特性を表2に示す。
前記実施例から明らかなとおり、本発明に係るフェライト粉体は、Ni−Zn−Cu系フェライト粉末と焼結助剤としてZn−B系ガラス粉末とを組み合わせており、該フェライト粉体の比表面積と圧縮密度とを同時に制御したことにより、900℃以下の低い温度で焼結することができ、しかも高透磁率のNi−Zn−Cu系フェライト焼結体を得ることができる。
本発明に係るフェライト粉体、及び該フェライト粉体末を用いたグリーンシートから作製したNi−Zn−Cu系フェライト焼結体は、いずれも、焼結密度が5.15×10kg/m以上であって、100kHzにおける透磁率が1800〜2300と優れた電磁気特性を有する。
一方、表1、2の比較例1〜17の諸特性から、フェライト粉体の比表面積と圧縮密度、及び焼結助剤としてのガラス粉末の種類と添加量のいずれかが欠けているため、十分に高い透磁率を得ることができない。
Figure 0004753016
Figure 0004753016
本発明に係るフェライト粉体は、高い透磁率を有するフェライト焼結体を900℃以下の低温で得ることができるので、フェライト焼結体の前駆体として好適であり、得られるNi−Zn−Cu系フェライト焼結体は、高い透磁率を有するので、積層型チップインダクタ用の磁性体として好適である。


Claims (5)

  1. Ni−Zn−Cu系フェライト粉末とZn−B系ガラス粉末100〜1000ppmとからなるフェライト粉体であって、前記Ni−Zn−Cu系フェライト粉末の組成範囲が、Fe が48.5〜50mol%、NiOが6〜12mol%、ZnOが28〜34mol%、CuOが7〜15mol%であり、当該フェライト粉体の比表面積が5.0〜10.0m/gであって、圧縮密度が3.20×10kg/m以上であることを特徴とするフェライト粉体。
  2. 請求項1記載のフェライト粉体において、Zn−B系ガラス粉末の成分が、NaO、PbOを含有しないZn−B系ガラス粉末であることを特徴とするフェライト粉体。
  3. 請求項1または2記載のフェライト粉体と結合材料とを用いてシート状に成膜してなることを特徴とするグリーンシート。
  4. 請求項1または2記載のフェライト粉体を加圧成形した後、焼結してなる焼結密度が5.0×10kg/m以上であって、100kHzにおける透磁率が1800〜2300であることを特徴とするフェライト焼結体。
  5. 請求項3記載のグリーンシートを積層した後、焼結してなる焼結密度が5.0×10kg/m以上であって、100kHzにおける透磁率が1800〜2300であることを特徴とするフェライト焼結体。
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