JP4750968B2 - 指示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、指示装置に係わり、特に、ステッピングモータの回転動作に連動する指針の位置を補正する指示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述した指示位置補正装置を組み込んだ指示装置として、例えば、車両の速度やエンジンの回転数を指示する指針を有する指示装置が知られている。上記指示装置は、図7に示すように、2つの励磁コイル1a1、1a2及び、NS極が交互に5極づつ着磁され、励磁コイル1a1、1a2の励磁状態の変化に追従して回転する回転子1bを有するステッピングモータ1と、回転子1bの回転駆動に連動する指針2と、回転子1bの回転駆動を指針2に伝えるギア3と、励磁コイル1a1、1a2の励磁状態を制御して、回転子1bを正逆回転させる駆動制御装置4とを備えている。
【0003】
上記指示装置が例えば車速計に用いられている場合、駆動制御装置4には、車速センサが計測した車速情報に基づき算出した指針2の指示位置である目標位置θと、現位置θ′との差である移動量θ−θ′に相当する回転子1bの回転角度を示す角度データD1が供給される。そして、駆動制御装置4がこの角度データD1に応じて励磁コイル1a1、1a2の励磁状態を制御することにより、指針2が差分θ−θ′だけ移動して目標位置を指示するようになる。
【0004】
ところで、上記指示装置は、車体の振動あるいは雑音が重畳している角度データD1の入力等の原因により、指針2が本来移動すべき移動量(=差分θ−θ′)と、実際の移動量とが異なる脱調を起こしてしまうことがあった。そして、この脱調が繰り返されると、指針2が指示する速度と、速度センサが計測した速度情報との間で差異が生じ、指示装置は正確な指示を行うことができなくなってしまう。
【0005】
そこで、このような問題を解決するために、図8に示すように、指針2がゼロ(例えば0km/h)を示す位置にストッパ5を設け、イグニッションオン、オフ又はバッテリを接続するごとに、指針2をストッパ5側に移動させると共に、ストッパ5に当接させてゼロ位置に強制的に停止させることによって、指針2が指示する速度と、速度センサが計測した速度情報との間の差異をリセットするリセット動作を行っていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したように指示計器の文字板7上にストッパ5を設けると、指示装置の美観が損なわれる。そこで、図7に示すように、文字板7の裏側にあるギア3に被駆動部材6を設けると共に、被駆動部材6を機械的に停止させるストッパ5を設ける。そして、被駆動部材6がストッパ5に当接した位置で、指針2が文字板7上のゼロ位置を示すようにしていた。このようにすれば、ストッパ5が表面に現れることなく、指示装置の美観が損なわれることがない。
【0007】
しかし、一般にこの種のステッピングモータにおいては、ギア3と共に回転する指針軸(図示せず)に、指針2を打ち込む作業が必要である。この指針軸に対する指針の打ち込みがズレていると、被駆動部材6がストッパ5に当接した位置で、指針2がゼロを指示せず、打ち込みのズレ分だけずれた位置を指示してしまう。このため、指針が指示する速度と、速度センサが計測した速度情報との間にズレが生じ、正確な指示が行えないという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記のような問題点に着目し、被駆動部材がストッパに当接することにより、指針が実際に停止する所定位置と、指針が停止すべき真の所定位置との間の差異をリセットするようにステッピングモータを回転させて、正確な指示が行えるようにすることができる指示装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、図1に示すように、ステッピングモータ1と、記ステッピングモータの回転動作に連動する指針と、前記ステッピングモータと前記指針との間に設けられ、前記ステッピングモータの回転を前記指針に伝達する伝達ギアと、前記伝達ギアに設けられ、前記ステッピングモータの回転動作に連動する被駆動部材と、前記被駆動部材との当接により、前記ステッピングモータの回転を機械的に停止させ、前記指針を前記被駆動部材との当接位置に応じた所定位置に停止させるストッパと、命令信号の入力に応じて、前記被駆動部材が前記ストッパに向かうように前記ステッピングモータを回転させる駆動手段8a−1と、前記被駆動部材が前記ストッパに当接した後、前記駆動手段による前記ステッピングモータの回転を電気的に停止させる駆動停止手段8a−2と、前記指針が実際に停止する前記所定位置と、前記指針を停止すべき真の所定位置とのズレ量を記憶する記憶手段9と、前記駆動停止手段が、前記ステッピングモータの駆動停止した後、前記ズレ量を補正するように、前記ステッピングモータを回転させて、前記指針を前記真の所定位置に停止させる補正駆動手段8a−3と、を備え、前記被駆動部材が、前記ストッパに向かうように、前記ステッピングモータを回転させた場合の前記指針の移動方向を、逆方向、前記ストッパから離れるように、前記ステッピングモータを回転させた場合の前記指針の移動方向を、正方向としたとき、前記指針は、前記被駆動部材が、前記ストッパに当接したとき、前記真の所定位置よりも前記逆方向側で停止するように、指針軸に対して打ち込まれ、前記補正駆動手段は、前記ズレ量に応じた分だけ、前記正方向に、前記ステッピングモータを回転させることを特徴とする指示装置に存する。
【0010】
請求項1記載の発明によれば、駆動手段8a−1が、命令信号の入力に応じて、ステッピングモータ1の回転動作に連動する被駆動部材が、この被駆動部材との当接により、ステッピングモータ1の回転を機械的に停止させると共に、ステッピングモータ1の回転動作に連動する指針を、被駆動部材との当接位置に応じた所定位置に停止させるストッパに向かうように、ステッピングモータ1を回転させる。被駆動部材がストッパに当接した後、駆動停止手段8a−2が、駆動手段8a−1によるステッピングモータ1の回転を電気的に停止させる。補正駆動手段8a−3が、駆動停止手段8a−2によって、ステッピングモータ1の回転が停止された後、記憶手段9に記憶された指針が実際に停止する所定位置と、指針を停止すべき真の所定位置とのズレ量を補正するように、ステッピングモータ1を回転させて、前記指針を前記真の所定位置に停止させる。
【0011】
従って、指針軸に対する指針の打ち込みを、正確に行うことができなくても、駆動停止手段8a−2によるステッピングモータ1の回転停止後、実際に指針が停止する当接位置に対応する所定位置と、真の所定位置との間にズレが生じている場合は、補正駆動手段8a−3が、記憶手段9に記憶されたズレ量分補正するように、ステッピングモータ1を回転させて、指針を、真の所定位置に配置することができる。また、指針は、被駆動部材が、ストッパに当接したとき、真の所定位置よりも逆方向側にずれて停止するように、指針軸に対して打ち込まれている。補正駆動手段は、ズレ量に応じた分だけ、正方向に、ステッピングモータ1を回転させる。被駆動部材が、ストッパと当接した後は、指針を、それ以上、逆方向に移動することができない。従って、もし、指針の打ち込みが、真の所定位置に対して、正方向にずれた場合は、ズレ量をリセットすることができない。そこで、あえて、指針を、真の所定位置よりも逆方向側にズレた位置に停止するように、指針軸に対して打ち込むことにより、指針軸に対する指針の打ち込みが、正方向にズレていたとしても、確実に、指針を真の所定位置に停止することができる。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の指示装置であって、前記補正駆動手段は、前記駆動手段より小さいステップ角度で、前記ステッピングモータを回転させることを特徴とする指示装置に存する。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、指針が実際に停止する所定位置と、指針が停止すべき所定位置とのズレ量は、微少であることに着目し、補正駆動手段8a−3が、駆動手段8a−1より小さいステップ角度で、ステッピングモータ1を回転させる。従って、命令信号の入力に応じて被駆動部材を、ストッパに向かわせるときは、補正駆動手段8a−3より大きいステップ角度で、ステッピングモータ1を素早く回転させることができる。一方、微少なズレ量を補正するときは、駆動手段8a−1より小さいステップ角度で正確に補正することができる。
【0014】
請求項3記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項1又は2に記載の指示装置であって、前記ステッピングモータを正逆回転させて、前記指針を前記真の所定位置に配置する調整動作の操作を行うために設けられた調整操作手段SW11と、前記調整操作手段の操作に応じて、前記調整動作を行う調整駆動手段8a−4と、前記実際の所定位置と、前記調整操作手段の調整操作の結果、前記指針が配置された前記真の所定位置とのズレ量を、前記記憶手段に記憶させる書込動作の操作を行うために設けられた書込操作手段SW12と、前記書込操作手段の書込操作に応じて、前記書込動作を行う書込手段8a−5とを更に備えることを特徴とする指示装置に存する。
【0015】
請求項3記載の発明によれば、調整駆動手段8a−4が、調整操作手段SW11の操作に応じて、ステッピングモータ1を正逆回転させる。書込手段8a−5が、書込操作手段SW12の操作に応じて、実際の所定位置と、調整操作手段SW11の操作の結果、指針が配置された停止すべき真の所定位置とのズレ量を、記憶手段9に記憶させる書込動作を行う。従って、調整操作手段SW11及び、書込操作手段SW12の操作により、簡単にズレ量を記憶手段9に記憶させることができる。
【0016】
請求項4記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項3記載の指示装置であって、前記ステッピングモータが複数あるとき、前記複数のステッピングモータの1つを選択する選択動作の操作を行うために設けられた選択操作手段SW13と、前記選択操作手段の操作に応じて、前記選択動作を行う選択手段8a−6とを更に備え、前記調整駆動手段は、前記調整操作手段の操作に応じて、前記選択されたステッピングモータ1を回転し、前記書込手段は、前記書込操作手段の操作に応じて、前記選択されたステッピングモータ1が識別可能に、当該ズレ量が前記記憶手段に記憶されることを特徴とする指示装置に存する。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、ステッピングモータ1が複数あるとき、選択操作手段SW13が、複数のステッピングモータ1の1つを選択する選択動作の操作を行うために設けられている。選択手段8a−6が、選択操作手段SW13の操作に応じて、選択動作を行う。そして、調整駆動手段8a−4が、調整操作手段SW11の操作に応じて、選択されたステッピングモータ1が回転し、書込手段8a−5が、書込操作手段SW12の操作に応じて、選択されたステッピングモータ1が識別可能に、そのズレ量が記憶手段9に記憶する。従って、複数のステッピングモータ1の1つを選択する選択操作手段SW13を設けることにより、複数のステッピングモータ1の各々に対応して、調整操作手段SW11、書込操作手段SW12を複数設ける必要がない。
【0018】
請求項5記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項3又は4記載の指示装置であって、所定動作の操作を行うために設けられた既存のスイッチと、前記既存のスイッチの操作モードを、当該スイッチ操作に応じて、前記所定動作が行われる通常モードと、当該スイッチ操作に応じて、前記調整動作、前記書込動作又は、前記選択動作が行われる書込モードとの間で切り替える切替手段8a−7とを更に備え、前記調整操作手段、前記書込操作手段又は、前記選択操作手段として、前記既存のスイッチを流用する ことを特徴とする指示装置に存する。
【0019】
請求項5記載の発明によれば、切替手段8a−7が、既存のスイッチの操作モードを、スイッチ操作に応じて、所定動作が行われる所定動作モードと、スイッチ操作に応じて、調整動作、書込動作又は、選択動作が行われる書込モードとの間で切り替えて、調整操作手段SW11、書込操作手段SW12又は、選択操作手段SW13として、既存のスイッチを流用する。従って、既存のスイッチとは、別途に調整操作手段SW11、書込操作手段SW12又は、選択操作手段SW13を設ける必要がない。
【0020】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の指示装置であって、前記切替手段は、前記既存のスイッチの操作と同時に、イグニッションスイッチをオンしたときに、前記通常モードから、前記書込モードに切り替えることを特徴とする指示装置に存する。
【0021】
請求項6記載の発明によれば、切替手段8a−7が、既存のスイッチの操作と同時に、イグニッションスイッチをオンしたとき、前記所定動作モードから、書込モードに切り替える。従って、既存のスイッチの操作と同時に、イグニッションスイッチをオンすれば、別途の操作手段を設けることなく、書込モードに切り替えることができる。
【0022】
請求項7記載の発明は、請求項5又は、6記載の指示装置であって、前記既存のスイッチは、オド・トリップスイッチであることを特徴とする指示装置に存する。
【0023】
請求項7記載の発明によれば、調整操作手段SW11、書込操作手段SW12又は、選択操作手段SW13として、オド・トリップスイッチを流用するので、オド・トリップスイッチとは別途に、調整操作手段SW11、書込操作手段SW12又は、選択操作手段SW13を設ける必要がない。
【0024】
請求項8記載の発明は、請求項5〜7何れか1項記載の指示装置であって、前記既存のスイッチの操作に応じた動作内容を表示するドットマトリクス表示器を更に備え、前記ドットマトリクス表示器を流用して、前記書込モードにあるときの前記既存のスイッチの操作に応じた動作内容を表示することを特徴とする指示装置に存する。
【0025】
請求項8記載の発明によれば、既存のスイッチの操作に応じた動作内容を表示するドットマトリクス表示器を流用して、書込モードにあるときの既存のスイッチの操作に応じた動作内容を表示する。従って、書込モードにあるときの既存のスイッチ操作に応じた動作内容の把握を行うため、その動作内容を表示する表示器をドットマトリクス表示器とは別途に設ける必要がない。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。
図2は、本発明の指示位置補正装置を組み込んだ指示装置を示す図である。指示装置は、速度計101、タコメータ102(図示せず)、フェーエルメータ103(図示せず)及び、水温計104を備えている。速度計101は、2つの励磁コイル11a1及び、11a2と、NS極が交互に5極づつ着磁され、各々が2つの励磁コイル11a1及び、11a2の励磁状態の変化に追従して回転する回転子11bとを有するステッピングモータ11を備えている。
【0032】
タコメータ102、フェーエルメータ103及び、水温計104も同様に、各々2つの励磁コイル12a1及び、12a2、…14a1及び、14a2と、回転子12b、…14bとを有するステッピングモータ12、…14を備えている。
【0033】
速度計101はさらに、回転子11bの回転動作に連動する指針21、回転子11bの回転駆動を指針21に伝えるギア31、例えばギア31の裏側に設けられ、回転子11bの回転動作に連動する被駆動部材としての片61及び、片61との当接により、回転子11bを機械的に停止させるストッパ51を備えている。
【0034】
なお、片61がストッパ51に向かうように、ステッピングモータ11を回転させた場合の指針21の回転方向を逆方向Y1、ストッパ51から離れるように、ステッピングモータ11を回転させた場合の指針21の回転方向を正方向Y2とする。
【0035】
これら速度計101、タコメータ102、フェーエルメータ103及び、水温計104内の励磁コイル11a1及び、11a2…14a1及び、14a2は、マイクロコンピュータ8(以下、μCOM8という)に接続される。そして、このμCOM8からの励磁信号の出力により、各励磁コイル11a1及び、11a2、……、14a1及び、14a2の励磁状態が変化し、各々の回転子11b、…14bが回転することとなる。
【0036】
上述したμCOM8には、図示しないイグニッションスイッチ(以下、IGSWという)が接続され、このIGSWがオンしたとき出力されるHレベルのオン信号S1が供給される。μCOM8にはまた、角度データD1〜D4が供給されている。この角度データD1〜D4は、図示しない速度センサ、回転数センサ、残量センサ及び、水温センサが各々計測した車速、エンジン回転数、燃料残量及び、水温の計測値に基づいて算出されたものである。
【0037】
より具体的にいうと、例えば角度データD1は、車速センサが計測した車速情報に基づき算出した指針21の指示位置である目標位置θと、現位置θ′との差である移動量θ−θ′に相当する角度を示すものである。
【0038】
ところで、指針21は、片61とストッパ51とが当接したとき、ゼロを示す位置(以下、ゼロ位置という)より、所定角度、逆方向Y1側で停止するように、図示しない指針軸に打ち込まれている。このため、図3にしめすように、指針21は、片61がストッパ51に当接した位置で、ズレ角度θ(=所定角度±打ち込み時に生じるズレ角)だけ、逆方向Y1にずれた位置を指示して停止する。なお、所定角度は、指針21を指針軸に打ち込む際に生じるズレ角より、大きい値に設定されており、例えば、1度〜2度である。このため、指針21を指針軸に打ち込む際に正方向Y2にズレが生じても、指針21は、確実に、ゼロ位置より逆方向Y1側で停止する。タコメータ102、フェーエルメータ103、水温計104においても、同様である。
【0039】
また、μCOM8にはさらに、各計器ごとのズレ角を記憶する書換可能な不揮発性のメモリであるEEPROM9(=記憶手段)が接続されている。なお、上記ズレ角度は、例えば工場内で、手動によって予め書き込まれるものである。このため、μCOM8には、書き込みの操作を行うための手段として流用されるオド・トリップスイッチSW1(以下、O/TスイッチSW1という)と、O/TスイッチSW1の操作に応じた動作内容を表示する液晶表示器10が接続されている。
【0040】
上述したμCOM8は、プログラムに従って各種の処理を行う中央演算ユニット(CPU)8aと、CPU8aが行う処理プログラムなどを格納した読み出し専用メモリであるROM8bと、CPU8aでの各種の処理過程で利用するワークエリア、各種データを格納するデータ格納エリアなどを有する読み出し書き込み自在のメモリであるRAM8cなどを内蔵し、これらが図示しないバスラインによって相互接続されている。
【0041】
上述した構成の指示位置補正装置を組み込んだ指示装置の動作の詳細を、CPU8aの処理手順を示す図4〜6のフローチャートを参照して以下説明する。
まず、CPU8aは、例えばIGSWのオンによって動作を開始し、図示しない最初のステップにおいて、μCOM8内のRAM8cに形成した各種のエリアの初期設定を行ってからその最初のステップS1に進む。
【0042】
CPU8aは、まずO/TスイッチSW1がオンしているか否かを判断する(ステップS1)。このとき、IGSWのみが単独でオンされていた場合(ステップS1でN)、CPU8aは、上述したIGSWがオフして、オン信号S1の出力が停止するまで、通常駆動処理を行う(ステップS2)。
【0043】
上記通常駆動処理とは、角度データD1、…、D4に応じた励磁信号を出力して、各励磁コイル11a1及び11a2、…、14a1及び14a2の励磁状態を制御することにより、角度データD1、…、D4に応じた角度だけ回転子11b、…、14bを正逆回転させる処理である。この通常駆動処理により、各指針21、…、24は、各々の計測値を指示することとなる。
【0044】
その後、IGSWがオフして、オン信号S1の出力が停止して(ステップS3でY)、信号レベルがLになると、CPU8aは、駆動手段として働き、帰零駆動処理を行う(ステップS4)。帰零駆動処理とは、各励磁コイル11a1及び、11a2、…、14a1及び、14a2の励磁状態を順次制御して、片61、…、64が、順次ストッパ51、…54に向かうように、回転子11b、…、14bを回転させる処理である。この帰零駆動処理により、指針21、…、24は、順次ゼロ位置に向かうこととなる。
【0045】
以上のことから、IGSWオフのときのオン信号S1の出力停止が、請求項中の命令信号となる。また、上記帰零駆動処理のタイミングは、IGSWオフ時だけでなく、例えば、IGSWオン時や、車載バッテリ搭載時などが考えられる。
【0046】
その後、CPU8aは、駆動停止手段として働き、片61、…、64が、ストッパ51、…、54に当接した順に、各回転子11b、…14bに対して出力している励磁信号を停止して、各回転子11b、…、14bの回転を、当接した順に電気的に停止する駆動停止処理を行う(ステップS5)。上記当接判断は、具体的には、回転子11b、…、14bの近くに設けた検出用コイルに発生する誘導電圧の有無に基づき判断する。
【0047】
すなわち、検出用コイルに誘導電圧が発生したときは、回転子11b、…、14bが回転中であり、片61、…、64が、ストッパ51、…、54に当接していないと判断することができる。一方、検出用コイルに誘導電圧が発生していないときは、回転子11b、…、14bが、片61、…、64とストッパ51、…、54との当接により、機械的に停止されたと判断することができる。
【0048】
なお、本発明の実施の形態では、上記検出用コイルとして、帰零駆動処理において、無励磁状態に制御されたタイミングでの励磁コイル11a1及び、11a2、…、14a1及び、14a2を流用している。
ところで、この駆動停止処理が行われた後の指針21、…、24の位置は、図3に示すように、ズレ角度θ(所定角度±打ち込み時に生じるズレ角)だけ逆方向側に、真のゼロ位置からずれている。
【0049】
そこで、次にCPU8aは、補正駆動手段として働き、補正駆動処理を行った後(ステップS6)、動作を終了する。補正駆動処理とは、EEPROM9内に格納された各計器の指針21、…、24をズレ角度だけ正方向Y1に回転させるように、再び各回転子11b、…14bを順次回転させる処理である。
【0050】
上述したように、補正駆動処理により、EEPROM9に記憶されたズレ角度分補正するように、ステッピングモータ11、…、14内の回転子11b、…、14bを順次回転させるため、各指針21、…、24を、真のゼロ位置に配置することができる。
【0051】
従って、片61、…、64が、ストッパ51、…、54に当接して、指針21、…、24が実際に停止するゼロ位置と、指針21、…、24が停止すべき真のゼロ位置との間の際をリセットされる。この結果、指針21、…、24は、上述したステップS2の通常駆動処理での回転駆動により、正確に計測値を指示することができる。
【0052】
また、片61、…、64が、ストッパ51、…、54と当接した後は、指針21、…、24を、それ以上、逆方向Y1に移動することができない。従って、指針21、…、24の打ち込みが、ゼロ位置に対して、正方向Y2にずれた場合は、ズレ角度θをリセットすることができない。そこで、上述したように、あえて、指針21、…、24を、ゼロ位置よりも、逆方向Y1側にズレた位置に停止するように、指針軸に対して打ち込むことにより、指針軸に対する指針21、…、24の打ち込みが正確に行えず、正逆方向にズレが生じていたとしても、確実に、指針21、…、24を真のゼロ位置に停止することができる。
【0053】
なお、図3にも示すように、指針21、…、24が実際に停止するゼロ位置と、指針21、…、24が停止すべき真のゼロ位置とのズレ角度θは、微少であることに着目し、この補正駆動処理においては、CPU8aは、励磁コイルの励磁状態の変化に応じた回転子11b、…、14bのステップ角度が、上述した帰零駆動処理のステップ角度より小さくなるような励磁信号を出力している。
【0054】
従って、オン信号出力停止に応じて片61、…、64を、ストッパ51、…、54に向かわせるときは、大きいステップ角度で、回転子11b、…、14bを素早く回転させることができる。一方、微少なズレ角度θを補正するときは、小さいステップ角度で正確に補正することができる。
【0055】
一方、IGSWオンと同時に、O/TスイッチSW1がオン操作されていれば(ステップS1でY)、次に図5のステップS7〜S22に進む。ここでは、O/TスイッチSW1の操作に応じて、各指針21、…、24ごとのズレ角度の書込が行われるようになる。このため、CPU8aは、切替手段として働き、O/TスイッチSW1の操作モードを、そのスイッチ操作に応じて、液晶表示器10でのオド距離及び、トリップ距離の表示切替が行われる通常モードから、そのスイッチ操作に応じて、ズレ角度をEEPROM9に書き込むための各種の動作が行われる書込モードに切り替える。
【0056】
すなわち、この書込モードにおいては、まず最初にO/TスイッチSW1を短押し操作すると、短押し操作する毎に、液晶表示器10に順次“1” →“2”→“3”→“4”→“1”と点滅表示される(ステップS7〜14)。“1”は速度計101に、“2”はタコメータ102に、“3”はフェーエルメータ103に、“4”は水温計104にそれぞれ対応する数字であり、点灯表示により、対応する計器が選択可能な旨を伝える。
【0057】
そして、例えば、ユーザーが速度計101のズレ角度をEEPROM9に書き込みたい場合は、まず、O/TスイッチSW1の短押し操作により、“1”と点滅表示させる(ステップS7)。その後、O/TスイッチSW1を長押すると(ステップS8でN、かつステップS15でY)、CPU8aが、速度計フラグF1をオンにして、速度計(すなわち、速度計のステッピングモータ1)を選択する(ステップS16)。
【0058】
以上のことから明らかなように、O/TスイッチSW1は、選択操作手段として働き、CPU8aは、選択手段として働くことがわかる。同時にCPU8aは、液晶表示器10に“1”と点灯表示する。この“1”の点灯表示は、複数の計器のうち、速度計101が選択された旨を伝える表示である。
【0059】
同様に、タコメータ102の場合は“2”と点滅表示させた後に(ステップS9)、フェーエルメータ103の場合は“3”と点滅表示させた後(ステップS11)、水温計104の場合は“4”と点滅表示させた後(ステップS13)、O/TスイッチSW1を長押しする(ステップS8、10、12又は14でNかつ、ステップS15、17、19又は、21でY)。
【0060】
このO/TスイッチSW1の長押しにより、液晶表示器10に各々“2”、“3”又は、“4”と点灯表示されると共に、タコメータフラグF2、フェーエルメータフラグF3又は、水温計フラグF4がオンして、各計器が選択される(ステップS16、18、20又は、22)。
【0061】
各計器の1つが選択された後、図3に示すように、選択された計器の指針が、真のゼロ位置の逆方向側に、ズレ角度θだけずれている。以下このズレ角度θをEEPROM9に書き込む手順を図6のフローチャートを参照して説明する。まず、O/TスイッチSW1を短押しして(ステップS23でY)、CPU8aにより液晶表示器10に“F”と点滅表示させる(ステップS24)。
【0062】
この“F”の点滅表示は、以降のO/TスイッチSW1の短押し操作より、オンしているフラグに応じた計器の指針が所定角度正方向Y2に回転するように、回転子を正回転させるという旨を伝える表示である。従って、以降O/TスイッチSW1を短押し操作すると(ステップS25でY)、CPU8aがこの操作に応じて回転子を正回転させる励磁信号を出力する調整動作を行い(ステップS26)、この調整動作により指針を所定角度正方向Y2に移動させる。以上の動作から明らかなように、O/TスイッチSW1は、調整操作手段として働き、CPU8aが、調整駆動手段として働くことがわかる。
【0063】
また、CPU8aは、O/TスイッチSW1の短押し操作毎に、“F”の表示を点灯させ、スイッチ操作が有効になった旨を伝えると共に、RAM8c内に形成されたズレ角度エリアのカウント値Kを加算する(ステップS27)。このO/TスイッチSW1の短押し操作の結果、指針が真のゼロ位置となったとき、O/TスイッチSW1を長押し操作すると(ステップS28でY)、次のステップS35及び、36へ進む。
【0064】
一方、O/TスイッチSW1の短押し操作を行った結果、選択された計器の指針が、正方向Y2にゼロ位置からずれてしまった場合、以下に示すような手順でこのズレ角度θをEEPROM9に書き込む。まず、O/TスイッチSW1を長押しして(ステップS23でN、かつステップS29でY)、CPU8aにより液晶表示器10に“R”と点滅表示させる(ステップS30)。
【0065】
この“R”の点滅表示は、以降のO/TスイッチSW1の短押し操作により、オンしているフラグに対応する計器の指針が、所定角度逆方向Y1に回転するように、回転子を逆回転させるという旨を伝える表示である。従って、O/TスイッチSW1を短押し操作すると(ステップS31でY)、CPU8aがこの操作に応じて回転子を逆回転させる励磁信号を出力する調整動作を行い(ステップS32)、この調整動作により指針が所定角度逆方向Y1に移動する。以上の動作では、O/TスイッチSW1は、調整操作手段として働き、CPU8aは、調整駆動手段として働いている。
【0066】
また、CPU8aは、O/TスイッチSW1の短押し操作毎に、“R”の表示を点灯させ、スイッチ操作が有効になった旨を伝えると共に、RAM8c内に形成されたズレ角度エリアのカウント値Kを減算する(ステップS33)。
【0067】
このO/TスイッチSW1の短押し操作の結果、指針が真のゼロ位置となったとき、O/TスイッチSW1を長押し操作すると(ステップS34でY)、CPU8aは、ステップS35に進む。ステップS35において、CPU8aは、書込手段として働き、RAM8c内のズレ角度エリアのカウント値を選択された計器のズレ角度として、EEPROM9内に書き込む書込動作処理を行う。以上の動作では、O/TスイッチSW1は、書込操作手段として働き、CPU8aは、書込手段として働いている。
【0068】
CPU8aは、書込動作処理が終了した後は、IGSWがオフして、オン信号の供給が停止するのを待って(ステップS36でY)、動作を終了する(図4参照)。以上の図5及び、図6のフローチャートに示す動作により、O/TスイッチSW1の操作によって、簡単にズレ角度をEEPROM9に記憶させることができる。
【0069】
なお、上述した実施例では、IGSWオンと同時にO/TスイッチSW1を操作すると、O/TスイッチSW1の操作モードを、通常モードから書込モードに切り替えて、O/TスイッチSW1の正逆調整動作、書込動作及び、選択動作の操作を行う各操作手段としての流用を可能にすることができる。このため、O/TスイッチSW1とは、別途に回転動作、書込動作又は、選択動作の操作を行うスイッチ等の各操作手段を設ける必要がなく、コストダウンを図ることができる。
【0070】
しかしながら、コスト的な制限がなければ、例えば図2に示すように、μCOM8に、切替端子N、右回り端子FW、左回り端子RE及び、書込端子Sを有する入力端子部11を設けると共に、O/TスイッチSW1とは別途に、正逆調整動作、書込動作又は、選択動作の操作を行う図示しないスイッチ等の操作手段を外部に設けて、スイッチ操作の軽減を図ることもできる。
【0071】
また、上述した実施例では、書込モードではO/TスイッチSW1が、最初に選択操作手段として働き、複数の計器(すなわち、ステッピングモータ)の1つを選択することができる。そして、計器が選択されると以降O/TスイッチSW1は、調整操作手段や、書込操作手段として働き、このO/TスイッチSW1の操作に応じてCPU8aが、回転動作及び、書込動作を行っていた。
【0072】
以上のように、複数の計器(すなわち、ステッピングモータ)の1つを選択することにより、複数の計器(すなわち、ステッピングモータ)の各々に対応して、調整動作、書込動作を行うためのスイッチ等の各操作手段を複数設ける必要がなく、コストダウンを図ることができる。
【0073】
しかしながら、コスト的な制限がなければ、各計器ごとにスイッチを設け、スイッチの操作に応じて、そのスイッチに対応した計器について回転動作及び、書込動作を行うようにして、スイッチ操作を軽減することも考えられる。また、上述した1つのO/TスイッチSW1を、正逆調整動作及び、書込動作の2つの動作の操作を行う各操作手段として流用することにより、コストダウンを図っている。しかし、この場合もコスト的な制限がなければ、回転動作及び、書込動作の操作を行うためのスイッチを別々に設けることも考えられる。
【0074】
また、上述した実施例では、通常、オド距離と、トリップ距離を表示する液晶表示器10を流用して、書込モードにあるときのO/TスイッチSW1の動作内容を示す表示を行っている。このため、書込モードでのO/TスイッチSW1の操作に応じた動作内容を把握でき、しかも、書込モードにあるときのO/TスイッチSW1の操作に応じた動作内容を表示する表示器を、液晶表示器10とは別途に設ける必要がないので、コストダウンを図ることができる。
【0075】
さらに、上述した実施例では、既存のスイッチとして、O/TスイッチSW1を例に挙げて説明していた。しかしながら、車両内の既存のスイッチは、O/TスイッチSW1に限らず、例えば、オプチ用の輝度設定スイッチや、時計用の日付設定スイッチなども考えられる。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、指針軸に対する指針の打ち込みを、正確に行うことができなくても、駆動停止手段によるステッピングモータ1の回転停止後、実際に指針が停止する当接位置に対応する所定位置と、真の所定位置との間にズレが生じている場合は、補正駆動手段が、記憶手段に記憶されたズレ量分補正するように、ステッピングモータを回転させて、指針を、真の所定位置に配置することができるので、被駆動部材がストッパに当接して、指針が実際に停止する所定位置と、指針が停止すべき真の所定位置との間の差異を確実にリセットするようにステッピングモータを回転させることができる指示位置を得ることができる。あえて、指針を、真の所定位置よりも逆方向側にズレた位置に停止するように、指針軸に対して打ち込むことにより、指針軸に対する指針の打ち込みが、正方向にズレていたとしても、確実に、指針を真の所定位置に停止することができるので、被駆動部材がストッパに当接することにより、指針が実際に停止する所定位置と、指針が停止すべき所定位置との間の差異を、より一層、確実にリセットすることができる指示装置を得ることができる。
【0077】
請求項2記載の発明によれば、命令信号の入力に応じて被駆動部材を、ストッパに向かわせるときは、補正駆動手段より大きいステップ角度で、ステッピングモータを素早く回転させることができる。一方、微少なズレ量を補正するときは、駆動手段より小さいステップ角度で正確に補正することができるので、迅速かつ、正確に指針の実際の所定位置と、指針が停止すべき所定位置との間の差異をリセットするようにステッピングモータを回転させることができる指示位置を得ることができる。
【0078】
請求項3記載の発明によれば、調整操作手段及び、書込操作手段の操作により、簡単にズレ量を記憶手段に記憶させることができるので、使い勝手の良い指示位置を得ることができる。
【0079】
請求項4記載の発明によれば、複数のステッピングモータの1つを選択する選択操作手段を設けることにより、複数のステッピングモータの各々に対応して、複数の調整操作手段、書込操作手段を設ける必要がないので、コストダウンを図った指示位置を得ることができる。
【0080】
請求項5記載の発明によれば、既存のスイッチとは、別途に調整操作手段、書込操作手段又は、選択操作手段を設ける必要がないので、コストダウンを図った指示位置を得ることができる。
【0081】
請求項6記載の発明によれば、既存のスイッチの操作と同時に、イグニッションスイッチをオンすれば、別途の操作手段を設けることなく、書込モードに切り替えることができるので、コストダウンを図った指示位置を得ることができる。
【0082】
請求項7記載の発明によれば、オド・トリップスイッチとは別途に、調整操作手段、書込操作手段又は、選択操作手段を設ける必要がないので、コストダウンを図ることができる指示位置を得ることができる。
【0083】
請求項8記載の発明によれば、書込モードにあるときの既存のスイッチ操作に応じた動作内容の把握を行うため、その動作内容を表示する表示器をドットマトリクス表示器とは別途に設ける必要がないので、コストダウンを図った指示位置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の指示位置補正装置及び、指示装置の基本構成を示す図である。
【図2】本発明の指示位置補正装置を組み込んだ指示装置の一実施の形態を示す図である。
【図3】指針軸に対する指針の打ち込みにより生じるズレ角度を説明するための図である。
【図4】図2の指示位置補正装置を組み込んだ指示装置を構成するCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図5】図2の指示位置補正装置を組み込んだ指示装置を構成するCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図6】図2の指示位置補正装置を組み込んだ指示装置を構成するCPUの処理手順を示すフローチャートである。
【図7】従来の指示位置補正装置を組み込んだ指示装置の一例を示す図である。
【図8】従来の指示位置補正装置を組み込んだ指示装置の外観図を示す図である。
【符号の説明】
1 ステッピングモータ
2 指針
5 ストッパ
6 被駆動部材(片)
8a−1 駆動手段(CPU)
8a−2 駆動停止手段(CPU)
8a−3 補正駆動手段(CPU)
8a−4 調整駆動手段(CPU)
8a−5 書込手段(CPU)
8a−6 選択手段(CPU)
8a−7 切替手段(CPU)
9 記憶手段(EEPROM)
SW11 調整操作手段(オド・トリップスイッチ)
SW12 書込操作手段(オド・トリップスイッチ)
SW13 選択操作手段(オド・トリップスイッチ)

Claims (8)

  1. ステッピングモータと、
    記ステッピングモータの回転動作に連動する指針と、
    前記ステッピングモータと前記指針との間に設けられ、前記ステッピングモータの回転を前記指針に伝達する伝達ギアと、
    前記伝達ギアに設けられ、前記ステッピングモータの回転動作に連動する被駆動部材と、
    前記被駆動部材との当接により、前記ステッピングモータの回転を機械的に停止させ、前記指針を前記被駆動部材との当接位置に応じた所定位置に停止させるストッパと、
    命令信号の入力に応じて、前記被駆動部材が前記ストッパに向かうように前記ステッピングモータを回転させる駆動手段と、
    前記被駆動部材が前記ストッパに当接した後、前記駆動手段による前記ステッピングモータの回転を電気的に停止させる駆動停止手段と、
    前記指針が実際に停止する前記所定位置と、前記指針を停止すべき真の所定位置とのズレ量を記憶する記憶手段と、
    前記駆動停止手段が、前記ステッピングモータの駆動停止した後、前記ズレ量を補正するように、前記ステッピングモータを回転させて、前記指針を前記真の所定位置に停止させる補正駆動手段と、を備え、
    前記被駆動部材が、前記ストッパに向かうように、前記ステッピングモータを回転させた場合の前記指針の移動方向を、逆方向、前記ストッパから離れるように、前記ステッピングモータを回転させた場合の前記指針の移動方向を、正方向としたとき、
    前記指針は、前記被駆動部材が、前記ストッパに当接したとき、前記真の所定位置よりも前記逆方向側で停止するように、指針軸に対して打ち込まれ、
    前記補正駆動手段は、前記ズレ量に応じた分だけ、前記正方向に、前記ステッピングモータを回転させる
    ことを特徴とする指示装置。
  2. 請求項1記載の指示装置であって、
    前記補正駆動手段は、前記駆動手段より小さいステップ角度で、前記ステッピングモータを回転させる
    ことを特徴とする指示装置。
  3. 請求項1又は2に記載の指示装置であって、
    前記ステッピングモータを正逆回転させて、前記指針を前記真の所定位置に配置する調整動作の操作を行うために設けられた調整操作手段と、
    前記調整操作手段の操作に応じて、前記調整動作を行う調整駆動手段と、
    前記実際の所定位置と、前記調整操作手段の調整操作の結果、前記指針が配置された前記真の所定位置とのズレ量を、前記記憶手段に記憶させる書込動作の操作を行うために設けられた書込操作手段と、
    前記書込操作手段の書込操作に応じて、前記書込動作を行う書込手段と
    を更に備えることを特徴とする指示装置。
  4. 請求項3記載の指示装置であって、
    前記ステッピングモータが複数あるとき、前記複数のステッピングモータの1つを選択する選択動作の操作を行うために設けられた選択操作手段と、
    前記選択操作手段の操作に応じて、前記選択動作を行う選択手段とを更に備え、
    前記調整駆動手段は、前記調整操作手段の操作に応じて、前記選択されたステッピングモータを回転し、
    前記書込手段は、前記書込操作手段の操作に応じて、前記選択されたステッピングモータが識別可能に、当該ズレ量が前記記憶手段に記憶される
    ことを特徴とする指示装置。
  5. 請求項3又は4記載の指示装置であって、
    所定動作の操作を行うために設けられた既存のスイッチと、
    前記既存のスイッチの操作モードを、当該スイッチ操作に応じて、前記所定動作が行われる通常モードと、当該スイッチ操作に応じて、前記調整動作、前記書込動作又は、前記選択動作が行われる書込モードとの間で切り替える切替手段とを更に備え、
    前記調整操作手段、前記書込操作手段又は、前記選択操作手段として、前記既存のスイッチを流用する
    ことを特徴とする指示装置。
  6. 請求項5記載の指示装置であって、
    前記切替手段は、前記既存のスイッチの操作と同時に、イグニッションスイッチをオンしたときに、前記通常モードから、前記書込モードに切り替える
    ことを特徴とする指示装置。
  7. 請求項5又は、6記載の指示装置であって、
    前記既存のスイッチは、オド・トリップスイッチである
    ことを特徴とする指示装置。
  8. 請求項5〜7何れか1項記載の指示装置であって、
    前記既存のスイッチの操作に応じた動作内容を表示するドットマトリクス表示器を更に備え、
    前記ドットマトリクス表示器を流用して、前記書込モードにあるときの前記既存のスイッチの操作に応じた動作内容を表示する
    ことを特徴とする指示装置。
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