JP2010038784A - 車両用指示計器 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドライバーの幻惑を低減することを可能にする車両用指示計器を提供する。
【解決手段】位相角調整処理による調整後の帰零信号を界磁巻線32・33に出力させてマグネットロータMrを駆動させた後、マグネットロータを反転方向に向けて所定の電気角ずつ駆動させる駆動信号を出力し続け、ストッパ機構Sでの係止によるステップモータMの脱調を起こさせる。そして、出力された駆動信号が電気角で何度分のときに、ステップモータMが脱調を起こしたかに応じて残りの駆動信号の出力回数を決定し、決定した回数の駆動信号の出力を行うことによって、指針20を帰零位置に合わせる。
【選択図】図7

Description

本発明は、ステップモータを指針の駆動源として採用する車両用指示計器に関するものである。
従来から、車両用指示計器として、目盛り盤の裏面側にステップモータおよび減速歯車列を配設したものが知られている。この車両用指示計器では、減速歯車列の出力段歯車の回動軸が目盛り盤を通り指針軸として回動可能に延出されており、この指針軸の先端部には、指針がその回動基部にて同軸的に支持されて目盛り盤の表面に沿い回動するようになっている。
ここで、減速歯車列の入力段歯車は、ステップモータのマグネットロータに同軸的に支持されている。また、出力段歯車の端面には、指針が目盛り盤の目盛りの零位置(帰零位置)に戻ったときの当該指針の回動位置に対応する位置よりもさらに反時計回りの方向に進んだ位置(以下、略帰零位置と呼ぶ)にてストッパが突設されており、このストッパには、目盛り盤の裏面側にて静止部材に支持された腕が、その先端部にて係止して指針を略帰零位置にて停止するようになっている。なお、上記ストッパが、上記腕と共にストッパ機構を構成し、その先端部にて当該腕に係止したときが上記ストッパ機構の係止に相当する。
このように構成した車両用指示計器においては、ステップモータに、例えば、入力に応じた余弦波状駆動電圧を印加して減速歯車列を介し指針を回動することで目盛りの指示を行うようになっている。なお、通常この種の車両用指示計器では、ステップモータへの電源投入時や電源遮断時に、指針を零位置よりも負側に向けて回動するようにステップモータを駆動し、指針を上記ストッパに当てて、一定の回転位置にてマグネットロータを停止させることで、指針の原点位置を出すようにしている。また、指針をその帰零位置に戻すにあたっては、特許文献1にも開示されているように、ステップモータに互いに位相を異にする各帰零電圧を強制的に印加するようにしている。そして、マグネットロータが帰零位置に向けて回転する過程において、このマグネットロータの回転速度に応じてステップモータのステータの界磁巻線に発生する誘起電圧が所定の閾値電圧以下になったとき指針が略帰零位置に戻ったものと判定し、その後、略帰零位置と判定した位置から指針を所定量駆動させることによって指針を帰零位置に戻すようになっている。
ところで、上述の車両用指示計器において、指針を帰零位置に戻すにあたり、ストッパ機構が係止する位置までのマグネットロータの回転角範囲が狭い場合には、指針が略帰零位置に達するまでにマグネットロータの回転速度が十分には上昇しないことがある。この場合、界磁巻線に生ずる誘起電圧が低いため、指針が、略帰零位置に達していないにもかかわらず、当該帰零位置に達したと誤判定するという不具合が生ずる。
そのため、従来の車両用指示計器では、ストッパ位置から時計回りの方向にマグネットロータを電気角で約360度程度上げておいてから指針を略帰零位置に戻すことによって、マグネットロータの回転速度を十分に上昇させ、上述の不具合を解決している。
特許第3674522号公報
しかしながら、従来の車両用指示計器では、実際の指針の動作としては、電源を投入した後に、まず時計回りの方向に電気角で約360度移動し、続いて反時計回りの方向にストッパに当たるまで移動し、最後にストッパの位置から時計回りの方向に存在する帰零位置までゆっくりと移動する。なお、これらの3回にわたる指針の移動はいずれも脱調しない速度で行われる。以上のように、従来の車両用指示計器では、脱調しない速度での指針の移動が3回行われるとともに、一旦、時計回りの方向に電気角で約360度移動させるため、帰零動作に要する時間が長くかかってしまい、ドライバーから見ると車両用指示計器が誤動作しているように見えてしまう。従って、従来の車両用指示計器では、ドライバーが幻惑されてしまうという問題点を有していた。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、ドライバーの幻惑を低減することを可能にする車両用指示計器を提供することにある。
請求項1の車両用指示計器は、上記課題を解決するために、アナログ値を下限値から上限値にかけて円弧状に表示してなる表示部を有する目盛り盤と、この目盛り盤の面に沿い回動する指針と、交流の駆動信号を入力されて交流磁束を発生する界磁巻線を備えたステータと、このステータと同軸上に回転可能に支持されて前記交流磁束に応じて回転するマグネットロータとを備えるステップモータと、前記マグネットロータの回転に伴い減速回転し、これに応じて前記指針を回動する減速歯車手段と、前記指針が前記アナログ値の前記下限値に対応する帰零位置を前記上限値側から越えた後に前記減速歯車手段の減速回転を停止させ、前記帰零位置を越えた所定の位置で前記指針を停止させるストッパ手段と、アナログ入力に応じて前記駆動信号を前記界磁巻線に出力する駆動信号出力手段と、前記指針を前記帰零位置に戻すとき交流の帰零信号を前記界磁巻線に出力して前記マグネットロータを駆動させる帰零信号出力手段と、前記指針が前記帰零位置を指しているときに対応する帰零信号の位相角を予め零点位相角として記憶する零点位相角記憶手段と、前記帰零信号の位相角を前記零点位相角に調整する位相角調整手段と、を備える車両用指示計器であって、前記位相角調整手段による調整後の帰零信号を前記界磁巻線に出力させて前記マグネットロータを駆動させた後、さらに前記マグネットロータを、前記指針が前記帰零位置を前記上限値側から越えて前記ストッパ手段で停止される方向である反転方向に向けて所定の電気角ずつ駆動させる駆動信号を出力し続ける駆動指示手段と、前記駆動指示手段から出力される信号が電気角で前記反転方向に360度分に達する間に前記ステップモータが脱調を起こしたか否かを判定する判定手段と、前記ステップモータが脱調を起こしたと前記判定手段で判定した場合には、前記駆動指示手段から出力される信号が電気角で前記反転方向に360度分に達したところで前記駆動指示手段からの信号の出力を完了させる帰零動作完了手段と、を備えることを特徴としている。
指針が帰零位置を指しているときに対応する位相角に調整後の帰零信号を界磁巻線に出力させてマグネットロータを駆動させたとき、駆動前の位置と駆動後の位置とのずれが電気角で180度よりも小さいずれであった場合には、指針が帰零位置に合うが、駆動前の位置と駆動後の位置とのずれが電気角で180度よりも大きいずれであった場合には、指針が帰零位置から電気角で360度ずつずれた位置のうちのいずれかの位置に合うことになる。よって、帰零信号に基づいて指針を帰零位置に合わせるためには、指針を一旦ストッパ手段で停止させることによって、帰零位置から電気角で180度よりも小さいずれの範囲内に収める必要がある。
請求項1の構成によれば、位相角調整手段による調整後の帰零信号を界磁巻線に出力させてマグネットロータを駆動させた位置から、指針が帰零位置を上限値側から越えてストッパ手段で停止される方向(以下、反転方向と呼ぶ)に向けて所定の電気角ずつマグネットロータを駆動させ続けることになる。ここで、指針がストッパ手段で停止された場合、マグネットロータは駆動し続けようとするため、ステップモータが脱調を起こしてマグネットロータの回転方向が逆転し、次の駆動先の電気角と電気的に逆の位置まで移動する。詳しく説明すると、次の駆動先の電気角が反転方向に270度(つまり、−270度)であった場合には、正転方向に90度(つまり、+90度)の位置まで移動する。なお、この移動は、理論上180度に収まることになる(マグネットロータを電気角で1度ずつ駆動させた場合に最大となるが、この場合であっても理論上179度となるため)。
また、この移動は上述したように理論上180度よりも小さく収まるため、この脱調後の移動先は必ず帰零位置から電気角で180度よりも小さいずれの範囲内となる。よって、駆動指示手段から出力される信号が電気角で反転方向に360度分に達する間にこの脱調が起こった場合には、駆動指示手段から出力される信号が電気角で反転方向に360度分に達したところで駆動指示手段からの信号の出力を完了させることによって、指針を帰零位置に合わせることができる。従って、駆動指示手段から出力される信号が電気角で反転方向に360度分に達する間にステップモータが脱調を起こしたと判定手段で判定した場合に、駆動指示手段から出力される信号が電気角で反転方向に360度分に達したところで駆動指示手段からの信号の出力を完了させることによって、指針を帰零位置に合わせることが可能になる。
以上のように、請求項1の構成によれば、正転方向に電気角で360度まで指針を移動させず、多くても正転方向に電気角で180度を越えない位置までしか移動させないので、より指針の動きの幅が小さくなるとともに、指針の動きの幅が小さくなるので最終的に帰零位置に合わせるまでの時間が短くなる。さらに、指針を帰零位置に合わせるまでの移動の中に、脱調による移動を含むので、指針を帰零位置に合わせるまでの移動のすべてを脱調させないゆっくりとした速度で行う場合に比べ、指針を帰零位置に合わせるまでの時間が短くなる。
このように、請求項1の構成によれば、指針を帰零位置に合わせるまでの指針の移動の幅をより小さくすることができるとともに、指針を帰零位置に合わせるまでの時間をより短くすることができるので、指針の動きによるドライバーの幻惑を低減することが可能になる。
また、請求項2の車両用指示計器では、前記判定手段は、前記帰零信号が前記界磁巻線から遮断されたとき、この遮断時に生ずる前記界磁巻線の誘起電圧が所定の閾値電圧以上であった場合に、前記ステップモータが脱調を起こしたと判定することを特徴としている。
この請求項2のようにしても、ドライバーの幻惑を低減することが可能になる。
また、請求項3の車両用指示計器では、前記判定手段は、前記駆動指示手段から出力される信号のうちの前記駆動信号の出力以後に、前記ステップモータが脱調を起こしたか否かを判定することを特徴としている。
帰零信号が界磁巻線から遮断されたときこの遮断時に生ずる界磁巻線の誘起電圧が所定の閾値電圧以上であった場合に、ステップモータが脱調を起こしたと判定手段で判定する構成においては、駆動指示手段から出力される信号のうちの帰零信号の出力時に、ステップモータが脱調を起こしたと判定される可能性がある。詳しくは、この帰零信号の出力前の指針の位置が、帰零位置から電気角で反転方向に所定角度(具体的には、帰零位置までの駆動によって所定の閾値電圧以上の誘起電圧を発生させる角度)以上ずれていた場合、帰零信号の出力により帰零位置まで指針を移動させるマグネットロータの駆動が行われることによって、所定の閾値電圧以上の誘起電圧を発生させる場合がある。従って、ステップモータが脱調を起こしたか否かの判定をこの帰零信号の出力時に行うと誤判定を起こす場合がある。
これに対して、請求項3の構成によれば、ステップモータが脱調を起こしたか否かの判定を、駆動指示手段から出力される信号のうちの帰零信号の出力時には行わないので、判定手段で誤判定を起こす可能性を低減することができる。
また、請求項4の車両用指示計器では、前記駆動指示手段は、前記判定手段で脱調を起こしたと判定しなかった場合には、さらに前記所定の電気角ずつ前記マグネットロータを駆動させる信号を出力し、前記判定手段は、前記駆動指示手段から出力される信号が電気角で前記反転方向にさらに360度分に達する間に前記ステップモータが脱調を起こしたか否かを判定するとともに、前記帰零動作完了手段は、前記ステップモータが脱調を起こしたと前記判定手段で判定した場合には、前記駆動指示手段から出力される信号が電気角で前記反転方向にこのさらなる360度分に達したところで前記駆動指示手段からの信号の出力を完了させることを特徴としている。
これによれば、駆動指示手段によって位相角調整手段による調整後の帰零信号を界磁巻線に出力させてマグネットロータを駆動させたとき、指針が帰零位置から電気角で360度以上ずれていた場合であっても、電気角でさらに360度分について駆動指示手段、判定手段、および帰零動作完了手段の処理を繰り返すことによって、指針を帰零位置に合わせることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づき説明する。図1は、本発明が乗用車用指示計器1に適用された例を示しており、乗用車用指示計器1は、車速計として、乗用車の車室内に設けたインストルメントパネルに配設されている。
乗用車用指示計器1は、図1および図2にて示すごとく、計器板10を備えている。この計器板10は、図1にて示すごとく、目盛り盤10aを備えており、この目盛り盤10aには、車速を下限値(車速0km/h)から上限値(車速180km/h)にかけて円弧状に表示する車速表示部11が形成されている。
また、乗用車用指示計器1は、図1および図2にて示すごとく、指針20、回動内機30および配線板40を備えている。指針20は、その回動基部21にて、後述する指針軸30bの先端部に支持されて目盛り盤10aの表面に沿い回動するようになっている。この指針20は、目盛り盤10aの円弧状車速表示部11の全範囲に亘り回動するようになっている。
回動内機30は、内機本体30aと、指針軸30bとを備えている。内機本体30aは、目盛り盤10aに対応する位置にて、配線板40にその裏面側から組み付けられている。当該内機本体30aは、ケーシング30c(図2参照)内に、2相式ステップモータM(図3ないし図5参照)、減速歯車列G(図3参照)およびストッパ機構S(図3参照)を内蔵してなるもので、この内機本体30aは、ステップモータMの回転に伴う減速歯車列Gの減速回転により、この減速歯車列Gの出力段歯車34(後述する)と同軸的に支持した指針軸30bを回動する。
なお、ケーシング30cは、その上壁にて配線板40にその裏面側から支持されている。また、指針軸30bは、ケーシング30cの上壁および下壁にて回動可能に支持さており、この指針軸30bは、ケーシング30cの上壁、配線板40および目盛り盤10aの貫通穴部12を通り回動可能に延出している。また、配線板40は、計器板10の裏面側にてこれに並行に配設されている。
ステップモータMは、図3および図4にて示すごとく、ステータMsと、マグネットロータMrとを備えている。ステータMsは、ケーシング30c内にて計器板10に並行に支持されており、このステータMsは、ヨーク31と、両界磁巻線32・33とを備えている。ヨーク31は、ポール状の両磁極31a・31bを備えており、磁極31aには界磁巻線32が巻装され、磁極31bには界磁巻線33が巻装されている。
また、マグネットロータMrは、ヨーク31内にて、後述する回転軸35aに同軸的に支持されており、このマグネットロータMrの外周面にはその周方向に沿い、N極とS極とが交互に多数着磁して形成されている。ここで、回転軸35aは、ケーシング30cの上下両壁に指針軸30bに平行にかつ回転可能に支持されている。なお、マグネットロータMrは、その回転に伴い、そのN極又はS極でもって、ヨーク31の各磁極31a・31bの先端面に狭隙を介して対向するようになっている。
このように構成したステップモータMにおいて、互いに位相を例えば、90度異にする各余弦波状駆動電圧(後述する)が対応の各界磁巻線32・33に印加されると、これら各界磁巻線32・33に流れる電流により生ずる余弦波状磁束が互いに位相を異にして発生し、ヨーク31およびマグネットロータMrの磁極を通り流れる。これにより、マグネットロータMrが正転する。
減速歯車列Gは、上述した出力段歯車34、入力段歯車35、および両中間歯車36・37を備えており、これら各出力段歯車34、入力段歯車35、および両中間歯車36・37は、ステップモータMの回転速度を所定の低速に落とすような減速比を減速歯車列Gに与えるように構成されている。
両中間歯車36・37は、出力段歯車34と入力段歯車35との間に位置して、ケーシング30cの上下両壁に回転可能にかつ指針軸30bに平行に支持した回転軸36aに同軸的に支持されている。ここで、中間歯車36は出力段歯車34と噛合しており、この中間歯車36の径は中間歯車37の径および出力段歯車34の径よりも小さい。入力段歯車35は、回転軸35aに同軸的に支持されており、この入力段歯車35は、中間歯車37と噛合している。ここで、入力段歯車35の径は中間歯車37の径よりも小さい。
ストッパ機構Sは、短冊板状ストッパ38と、L字状腕39とを備えている。ストッパ38は、指針20の略帰零位置に対応する位置にて、出力段歯車34の表面に突出形成されている。また、腕39は、ケーシング30c内にその低壁から指針軸30bに平行に延出しており、この腕39は、その先端部39aにて、指針20の長手方向の直下においてL字状に出力段歯車34の表面上に向け延出している。ここで、腕39の先端部39aの時計方向端面39bが指針20の略帰零位置に対応している。これにより、指針20がステップモータMの逆転により略帰零位置に戻ったとき、ストッパ38が、反時計方向面38aにて腕39の時計方向端面39bに係止する。以下、この係止をストッパ機構Sの係止という。なお、ここで言うところの略帰零位置とは、指針20が目盛り盤10aの目盛りの零位置(つまり、帰零位置)に戻ったときの当該指針20の回動位置に対応する位置よりもさらに反時計回りの方向に所定量進んだ位置であって、帰零位置から電気角で360度よりも小さいずれの範囲内に収まる位置である。よって、ストッパ機構Sは、請求項のストッパ手段として機能する。
次に、ステップモータMのための電気回路構成について図5を参照して説明する。マイクロコンピュータ50は、図6および図7にて示すフローチャートに従いコンピュータプログラムを実行し、この実行中において、車速センサ60の検出出力およびEEPROM90の記憶データに基づき、両駆動装置70・80を介しステップモータMを駆動する処理およびストッパ機構Sの係止判定処理等を行う。なお、マイクロコンピュータ50はバッテリBから直接給電されて作動する。また、上記コンピュータプログラムはマイクロコンピュータ50のROMに予め記憶されている。
車速センサ60は当該乗用車の車速を検出する。駆動装置70は、駆動回路70aと、両切り替えスイッチ70b・70cとを備えている。駆動回路70aは、マイクロコンピュータ50による制御のもと、両切り替えスイッチ70b、70cを切り替え駆動する。なお、駆動回路70aはその両入力端子にてマイクロコンピュータ50の両出力端子51・52に接続されている。
切り替えスイッチ70bは、マイクロコンピュータ50により切り替え制御されるもので、この切り替えスイッチ70bは、両固定接点71・72と、これら両固定接点71・72のいずれかに切り替え投入される切り替え接点73とにより構成されている。この切り替えスイッチ70bにおいて、固定接点71への切り替え接点73の投入状態を第1投入状態といい、固定接点72への切り替え接点73の投入状態を第2投入状態といい、切り替え接点73の両固定接点71・72からの解離状態を開放状態という。
また、切り替えスイッチ70cは、マイクロコンピュータ50により切り替え制御されるもので、この切り替えスイッチ70cは、両固定接点74、75と、これら両固定接点74・75のいずれかに切り替え投入される切り替え接点76とにより構成されている。この切り替えスイッチ70cにおいて、固定接点74への切り替え接点76の投入状態を第1投入状態といい、固定接点75への切り替え接点76の投入状態を第2投入状態といい、切り替え接点76の両固定接点74・75からの解離状態を開放状態という。
ここで、両切り替え接点73・76の間には、ステップモータMの界磁巻線32が接続されている。本実施形態では、界磁巻線32をA相巻線32ともいう。これに伴い、A相巻線32への駆動電圧をA相駆動電圧という。また、両固定接点72・75はマイクロコンピュータ50の両出力端子55・56に接続され、両固定接点71・74は駆動回路70aの両出力端子に接続されている。駆動装置80は、駆動回路80aと、両切り替えスイッチ80b・80cとを備えている。駆動回路80aは、マイクロコンピュータ50による制御のもと、両切り替えスイッチ80b・80cを切り替え駆動する。なお、駆動回路80aは、その両入力端子にて、マイクロコンピュータ50の両出力端子53・54に接続されている。
切り替えスイッチ80bは、マイクロコンピュータ50により切り替え制御されるもので、この切り替えスイッチ80bは、両固定接点81・82と、これら両固定接点81・82のいずれかに切り替え投入される切り替え接点83とにより構成されている。この切り替えスイッチ80bにおいて、固定接点81への切り替え接点83の投入状態を第1投入状態といい、固定接点82への切り替え接点83の投入状態を第2投入状態といい、切り替え接点83の両固定接点81、82からの解離を開放状態という。
また、切り替えスイッチ80cは、マイクロコンピュータ50により切り替え制御されるもので、この切り替えスイッチ80cは、両固定接点84・85と、これら両固定接点84・85のいずれかに切り替え投入される切り替え接点86とにより構成されている。この切り替えスイッチ80cにおいて、固定接点84への切り替え接点86の投入状態を第1投入状態といい、固定接点85への切り替え接点86の投入状態を第2投入状態といい、切り替え接点86の両固定接点84・85からの解離を開放状態という。
ここで、両切り替え接点83・86の間には、ステップモータMの界磁巻線33が接続されている。本実施形態では、界磁巻線33をB相巻線33ともいう。これに伴い、B相巻線33への駆動電圧をB相駆動電圧という。また、両固定接点82・85はマイクロコンピュータ50の両出力端子57・58に接続され、両固定接点81・84は駆動回路80aの両出力端子に接続されている。なお、本実施形態では、A相およびB相の各駆動電圧は上述のように互いに位相を90度だけ異にする各余弦波状駆動電圧である。
EEPROM90には、指針20の帰零位置を表すデータが帰零位置データとして予め書き込まれている。よって、EEPROM90は請求項の零点位相角記憶手段として機能する。なお、EEPROM90への帰零位置データの書き込みは、例えば特許文献1に開示されているのと同様の処理によって行う構成とすればよい。詳しくは、特許文献1に開示されている処理によって、指針20がストッパ機構Sでの係止によって停止した位置(つまり、上述の略帰零位置)から離れる直前におけるA相およびB相の各駆動電圧の位相角を求める。なお、指針20の回動角とA相およびB相の各帰零電圧の位相との関係は、互いに一義的に定められているものとする。そして、この位相角を略帰零位置と帰零位置との間のずれに従って調整することによって帰零位置から離れる直前におけるA相およびB相の各駆動電圧の位相角(以下、零点位相角と呼ぶ)を求め、この零点位相角を当該帰零位置データとしてEEPROM90へ書き込む。なお、略帰零位置と帰零位置との間のずれについては、予め測定してマイクロコンピュータ50のROMに記憶しておくものとする。
なお、本実施形態では、特許文献1に開示されている処理によって略帰零位置から離れる直前におけるA相およびB相の各駆動電圧の位相角を求めた後に、略帰零位置と帰零位置との間のずれに基づいて零点位相角を求める構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、略帰零位置から離れる直前におけるA相およびB相の各駆動電圧の位相角を求めず、直接に零点位相角を求める構成としてもよい。
次に、上述のようにEEPROM90に帰零位置データを書き込んだ状態において図5の回路構成のもとに行われるマイクロコンピュータ50での動作フローについて説明する。マイクロコンピュータ50は、バッテリBとの直結に伴い、図6および図7のフローチャートに従いコンピュータプログラムを実行し、ステップS1においてNOとの判定を繰り返している。このような状態において、当該乗用車のイグニッションスイッチIGをオンにすると、ステップS1での判定がYESとなり、ステップS2に移る。
ステップS2では、帰零位置データが、EEPROM90から読み込まれ、ステップS3に移る。ついで、ステップS3において、各切り替えスイッチ70b・70c・80b・80cの第1投入状態への切り替え処理がなされる。これに伴い、マイクロコンピュータ50によって、各切り替えスイッチ70b・70c・80b・80cが共に第1投入状態に切り替えられ、ステップS4に移る。
ステップS4では、A相およびB相に印加する帰零信号の位相角を帰零位置データに基づいて零点位相角に調整する位相角調整処理を行い、ステップS5に移る。よって、このステップS4が、請求項の位相角調整手段として機能する。
ステップS5では、A相巻線32およびB相巻線33に対し、帰零電圧として零点位相角に相当する位相角駆動電圧を印加する処理(つまり、位相角駆動電圧印加処理)がなされ、ステップS6に移る。このため、マイクロコンピュータ50は、駆動装置70を介しA相帰零電圧をA相巻線32に印加するとともに、駆動装置80を介しB相帰零電圧をB相巻線33に印加する。これに伴い、ステップモータM(つまり、マグネットロータMr)は回転し減速歯車列Gの減速回転のもと指針20を帰零位置方向に向けて回動させる。よって、このステップS5が、請求項の帰零信号出力手段および駆動指示手段として機能する。
ステップS6では、A相およびB相の各帰零電圧の位相角が零点位相角まで進んだか否かについて判定される。そして、零点位相角まで進んだと判定した場合(ステップS6でYes)には、ステップS7に移る。なお、零点位相角まで進んだ場合には、指針20の位置は、帰零位置または帰零位置から電気角で360度ずつずれた位置のうちのいずれかの位置に存在することになる。また、零点位相角まで進んだと判定しなかった場合(ステップS6でNo)には、ステップS6のフローを繰り返し、A相およびB相の各帰零電圧の出力継続処理がなされる。
ステップS7では、マグネットロータMrを反時計方向(以下、反転方向と呼ぶ)に向けて所定の電気角分だけ駆動させる駆動信号を出力(つまり、駆動信号出力処理)し、ステップS8に移る。なお、ここで言うところの所定の電気角とは任意に設定可能な角度であって、本実施形態では一例として反転方向に電気角で45度(つまり、−45度)とするものとして以降の説明を行う。よって、このステップS7が、請求項の駆動指示手段として機能する。
ステップS8では、両切り替えスイッチ70b・80bの開放状態への切り替え処理および両切り替えスイッチ70c・80cの第2投入状態への切り替えの各処理がなされる。これに伴い、マイクロコンピュータ50によって、両切り替えスイッチ70b・80bが開放状態に切り替えられるとともに、両切り替えスイッチ70c・80cが第2投入状態に切り替えられる。このため、A相およびB相の各巻線32・33に誘起電圧がそれぞれ発生する。そして、A相およびB相の各巻線32・33の誘起電圧のうち一方(例えば低い方)の誘起電圧がマイクロコンピュータ50に入力され、ステップS9に移る。なお、ステップS8の処理をここでは誘起電圧検出処理と呼ぶ。また、例えば切り替えスイッチ70bの開放状態への切り替え処理および切り替えスイッチ80b・70c・80cの第2投入状態への切り替えの各処理に伴い、マイクロコンピュータ50によって、切り替えスイッチ70bが開放状態に切り替えられるとともに、切り替えスイッチ80b・70c・80cが第2投入状態に切り替えられることによって、誘起電圧検出処理を行う構成であってもよい。さらに、例えば切り替えスイッチ80bの開放状態への切り替え処理および切り替えスイッチ70b・70c・80cの第2投入状態への切り替えの各処理に伴い、マイクロコンピュータ50によって、切り替えスイッチ80bが開放状態に切り替えられるとともに、切り替えスイッチ70b・70c・80cが第2投入状態に切り替えられることによって、誘起電圧検出処理を行う構成であってもよい。
ステップS9では、ステップS8で入力された誘起電圧が閾値電圧Vth以上か否かが判定される。そして、入力された誘起電圧が閾値電圧Vth以上であると判定した場合(ステップS9でYes)には、ステップS11に移る。また、入力された誘起電圧が閾値電圧Vth以上であると判定しなかった場合には、ステップS10に移る。なお、ここで言うところの閾値電圧Vthとは、任意に設定可能な電圧であって、例えば0.25Vとする。
ステップS10では、ストッパ機構Sの係止によるステップモータMの脱調にまで達していないものとして、各切り替えスイッチ70b・70c・80b・80cを第1投入状態に切り替える処理がなされる。このため、マイクロコンピュータ50によって、各切り替えスイッチ70b・70c・80b・80cは第1投入状態に切り替えられる。そして、ステップS7に戻って、マグネットロータMrを反転方向に向けてさらに電気角で45度だけ駆動させる処理を行い、フローを続ける。
ステップS11では、ストッパ機構Sでの係止によるステップモータMの脱調に達したものと判定(つまり、脱調判定)し、ステップS12に移る。ステップS12では、出力された駆動信号が電気角で何度分のときに、ステップモータMが脱調を起こしたかに応じて残りの駆動信号の出力回数を決定し、決定した回数の駆動信号の出力(つまり、残り駆動信号の出力)を行って、ステップS13に移る。詳しく説明すると、出力された駆動信号が電気角で−360度分以内のときにステップモータMが脱調を起こした場合には、出力される駆動信号が電気角で−360度分に達するまでに必要な残りの出力回数を残りの駆動信号の出力回数として決定する。具体例としては、出力された駆動信号が電気角で−270度分のときにステップモータMが脱調を起こした場合には、出力される駆動信号が電気角で−360度分に達するまでに必要な残りの出力回数は、(−360度−(−270度))/−45度=2であるので、2回と決定する。よって、このステップS9、ステップS11、およびステップS12が、請求項の判定手段として機能する。また、出力された駆動信号が電気角で−360度分を越えるまで(つまり、電気角で反転方向に360度分を越えるまで)ステップモータMが脱調を起こさなかった場合には、出力される駆動信号が、さらなる−360度ごとの区切りのうちのステップモータMが脱調を起こした区切りに対応する−360度の倍数の電気角分に達するまでに必要な残りの出力回数を残りの駆動信号の出力回数として決定する。具体例としては、出力された駆動信号が電気角で−630度分のときにステップモータMが脱調を起こした場合には、出力される駆動信号が電気角で−720度分に達するまでに必要な残りの出力回数は、(−720度−(−630度))/−45度=2であるので、2回と決定する。
ステップS13では、駆動信号の出力を完了する。そして、この完了時のA相およびB相の各帰零電圧の位相角を帰零位置の電気角(以下、帰零位置電気角と呼ぶ)と設定するとともに、A相およびB相の各帰零電圧の出力を停止し、ステップS14に移る。よって、このステップS13が、請求項の帰零動作完了手段として機能する。
ステップS14では、通常処理がなされる。すなわち、各切り替えスイッチ70b・70c・80b・80cが共に第1投入状態に切り替えられた上で、A相およびB相の各駆動電圧が、ステップS13で設定した帰零位置電気角に相当する位相角から、車速センサ60の検出出力に応じて、各駆動装置70・80を介しA相およびB相の各界磁巻線32・33に印加される。このため、ステップモータMは正転し、減速歯車列Gの減速回転のもと指針20は時計方向に回動して車速を指示する。よって、このステップS14が、請求項の駆動信号出力手段として機能する。ステップS14での通常処理は、ステップS15でのNOとの判定のもとに繰り返され、イグニッションスイッチIGがオフされると、ステップS15においてYESと判定され、フローを終了する。
以上の構成によれば、位相角調整処理による調整後のA相帰零信号およびB相帰零信号を界磁巻線32・33に出力させてマグネットロータMrを駆動させ続けることになる。ここで、指針20がストッパ機構Sで停止された場合、マグネットロータMrは駆動し続けようとするため、ステップモータMが脱調を起こしてマグネットロータMrの回転方向が逆転し、次の駆動先の電気角と電気的に360度上の位置まで移動する。詳しく説明すると、次の駆動先の電気角が反転方向に270度(つまり、−270度)であった場合には、正転方向に90度(つまり、+90度)の位置まで移動する。なお、この移動は、マグネットロータMrを電気角で45度ずつ駆動させる本例においては135度となり、180度よりも小さく収まるため、この脱調後の移動先は必ず帰零位置から電気角で360度よりも小さいずれの範囲内となる。
本実施形態では、上述の出力された駆動信号が電気角で−360度分以内のときにこの脱調が起こった場合には、出力される駆動信号が電気角で360度分に達したところで駆動信号の出力を完了させる。なお、上述の出力された駆動信号が電気角で−360度分以内のときにこの脱調が起こった場合には、マグネットロータMrの回転方向が逆転し、次の駆動先の電気角と電気的に逆の位置まで移動するので、出力される駆動信号が電気角で360度分に達したところで駆動信号の出力を完了させれば、指針20を帰零位置に合わせることができる。また、上述の出力された駆動信号が電気角で−360度分を越えた後にこの脱調が起こった場合にも、出力される駆動信号が、さらなる−360度ごとの区切りのうちのステップモータMが脱調を起こした区切りに対応する−360度の倍数の電気角分に達したところで駆動信号の出力を完了させることによって、上述したのと同様に指針20を帰零位置に合わせることができる。
以上のように、正転方向に電気角で360度まで指針を移動させず、多くても正転方向に電気角で180度を越えない位置までしか移動させないので、より指針20の動きの幅が小さくなるとともに、指針20の動きの幅が小さくなるので最終的に帰零位置に合わせるまでの時間が短くなる。さらに、指針20を帰零位置に合わせるまでの移動の中に、脱調による移動を含むので、指針20を帰零位置に合わせるまでの移動のすべてを脱調させないゆっくりとした速度で行う場合に比べ、指針20を帰零位置に合わせるまでの時間が短くなる。このように、本実施形態の構成によれば、指針20を帰零位置に合わせるまでの指針20の移動の幅をより小さくすることができるとともに、指針20を帰零位置に合わせるまでの時間をより短くすることができるので、指針20の動きによるドライバーの幻惑を低減することが可能になる。
ここで、本発明における作用効果について、具体的に図8〜図11を用いて説明を行う。図8〜図11は、本発明の効果の一例を示すグラフであって、従来の帰零動作と本発明における帰零動作とを示すグラフである。なお、図8〜図11の縦軸は電気角を表しており、横軸はステップ数(つまり、時間)を表している。また、図8〜図11のグラフ中の黒三角で示した点は、従来の帰零動作での指針の動き(以下、従来指針の帰零動作と呼ぶ)を表しており、黒丸で示した点は、本発明における帰零動作での指針の動き(以下、新指針の帰零動作と呼ぶ)を表している。さらに、白丸で示した点は、本発明における駆動信号出力処理で出力される駆動信号によって駆動の指示が行われた電気角(以下、新駆動角と呼ぶ)を表している。なお、図8〜図11のステップ数「1」の時点は、乗用車用指示計器の電源がオンされた時点であるものとする。
また、図8〜図11のステップ数「3」のときにステップモータMの電気的コントロールが開始され、位相角駆動電圧印加処理によってA相およびB相の各帰零電圧の位相角が零点位相角まで進む位置まで指針20を駆動させる処理(以下、初期帰零位置合わせ処理と呼ぶ)を行うものとする。なお、位相角駆動電圧印加処理によってマグネットロータMrを駆動させたとき、駆動前の位置と駆動後の位置とのずれが電気角で180度よりも小さいずれであった場合には、指針20が帰零位置に合うが、駆動前の位置と駆動後の位置とのずれが電気角で180度よりも大きいずれであった場合には、指針20が帰零位置から電気角で360度ずつずれた位置のうちのいずれかの位置に合うことになる。
まず、図8および図9を用いて、乗用車用指示計器の電源オン時と電源オフ時との間で指針20のずれが無かったとともに、上述の初期位置合わせ処理の結果、指針20の位置と帰零位置とのずれが無かった場合の説明を行う。なお、図8はストッパ機構Sによる指針20の係止位置が帰零位置から電気角で−45度の位置にある場合の例であって、図9はストッパ機構Sによる指針20の係止位置が帰零位置から電気角で−135度の位置にある場合の例である。
図8および図9のいずれの場合においても、従来指針の帰零動作は、初期位置合わせ処理を行った後に、まず正転方向に電気角で360度移動し、続いて反転方向にストッパ機構Sで係止されるまで移動し、最後にストッパ機構Sによる係止位置から正転方向に存在する帰零位置までゆっくりと移動する。図8の例では、従来指針の帰零動作が完了するのはステップ数「27」の時点であり、図9の例では、従来指針の帰零動作が完了するのはステップ数「33」の時点である。
これに対して、図8に示す新指針の帰零動作は、初期位置合わせ処理を行った後、以下のようになる。まず、新駆動角が示す電気角に合わせて反転方向にストッパ機構Sで係止されるまで移動する。続いて、ストッパ機構Sによって係止された後も新駆動角が示すようにマグネットロータMrの駆動の指示が行われ続けるので、ある時点でステップモータMの脱調が起こり、新駆動角が示す次の駆動先の電気角と電気的に360度上の位置まで正転方向に移動する(つまり、電気角で135度移動する)。そして、この脱調が新駆動角で−360度分に達する途中の−270度分のところで起こっているので、新駆動角で−360度分に達する時点まで反転方向にマグネットロータMrを駆動させ、指針20を帰零位置に合わせる。よって、図8の例では、新指針の帰零動作が完了するのはステップ数「11」の時点であって、従来指針の帰零動作が完了するよりもステップ数で「16」早くなっている。
また、図9に示す新指針の帰零動作についても、図8に示す新指針の帰零動作と同様であるが、ストッパ機構Sの係止位置が電気角で−135度の位置にあるので、図8の場合よりもステップモータMの脱調が遅くなり、新駆動角で−360度分に達したところでこの脱調が起こっている。なお、脱調が起こった時点において新駆動角でちょうど−360度分に達しているので、マグネットロータMrをこれ以上駆動させず、指針20を帰零位置に合わせる。よって、図9の例では、新指針の帰零動作が完了するのはステップ数「11」の時点であって、従来指針の帰零動作が完了するよりもステップ数で「22」早くなっている。さらに、図8および図9に示すように、従来指針の帰零動作に比べ、新指針の帰零動作では、指針20の動きの幅が小さくなっている。
なお、図8および図9では、乗用車用指示計器の電源オン時と電源オフ時との間で指針20のずれが無かった場合の例を示したが、実際にはステップモータMへの給電遮断時に乗用車用指示計器に機械的衝撃等の外乱が加わると、乗用車用指示計器の電源オン時と電源オフ時との間で指針20のずれがある場合がある。よって、以下では、図10を用いて、乗用車用指示計器の電源オン時と電源オフ時との間で指針20のずれが電気角で170度あったとともに、上述の初期位置合わせ処理の結果、指針20の位置と帰零位置とのずれが無かった場合の説明を行う。なお、図10はストッパ機構Sによる指針20の係止位置が帰零位置から電気角で−45度の位置にある場合の例である。
図10の場合においても、初期位置合わせ処理によってステップ数「3」の時点で指針20の位置と帰零位置とのずれが無くなった後、ステップ数「3」以降の動作が行われるので、従来指針の帰零動作も新指針の帰零動作も、初期位置合わせ処理以降は図8と同様となる。つまり、図10の例では、従来指針の帰零動作が完了するのはステップ数「27」の時点であり、新指針の帰零動作が完了するのはステップ数「11」の時点である。よって、図10の例でも図8の例と同様に、新指針の帰零動作が完了するのは従来指針の帰零動作が完了するよりもステップ数で「16」早くなっている。また、図10の例においても、従来指針の帰零動作に比べ、新指針の帰零動作では、指針20の動きの幅が小さくなっている。
なお、図8〜図10では、初期位置合わせ処理によって指針20が帰零位置に合う場合の例を示したが、実際には上述したように、初期位置合わせ処理によって指針20が帰零位置から電気角で360度ずつずれた位置のうちのいずれかの位置に合う場合がある。よって、以下では、図11を用いて、乗用車用指示計器の電源オン時と電源オフ時との間で指針20のずれが電気角で530度あったとともに、上述の初期位置合わせ処理の結果、指針20の位置と帰零位置とのずれが電気角で360度あった場合の説明を行う。なお、図11はストッパ機構Sによる指針20の係止位置が帰零位置から電気角で−45度の位置にある場合の例である。
図11に示す場合であっても、従来指針の帰零動作は、初期位置合わせ処理を行った後に、まず正転方向に電気角で360度移動し、続いて反転方向にストッパ機構Sで係止されるまで移動し、最後にストッパ機構Sによる係止位置から正転方向に存在する帰零位置までゆっくりと移動する。ただし、初期位置合わせ処理を行った後の位置が帰零位置から電気角で360度ずれている分だけ、図8の例に比べ、ストッパ機構Sで係止されるまでの移動にかかる時間が長くなっている。なお、図11の例では、従来指針の帰零動作が完了するのはステップ数「35」の時点である。
これに対して、図11に示す新指針の帰零動作は、初期位置合わせ処理を行った後、以下のようになる。まず、新駆動角が示す電気角に合わせて帰零位置から電気角で360度ずれた位置から反転方向にストッパ機構Sで係止されるまで移動する。続いて、ストッパ機構Sによって係止された後も新駆動角が示すようにマグネットロータMrの駆動の指示が行われ続けるので、ある時点でステップモータMの脱調が起こり、新駆動角が示す次の駆動先の電気角と電気的に360度上の位置まで正転方向に移動する(つまり、電気角で135度移動する)。そして、この脱調が新駆動角で−360度分を越えたさらなる−360度ごとの区切りのうちの−720度分に達する途中の−630度分のところで起こっているので、新駆動角で−720度分に達する時点まで反転方向にマグネットロータMrを駆動させ、指針20を帰零位置に合わせる。よって、図11の例では、新指針の帰零動作が完了するのはステップ数「19」の時点であって、従来指針の帰零動作が完了するよりもステップ数で「16」早くなっている。また、図11の例においても、従来指針の帰零動作に比べ、新指針の帰零動作では、指針20の動きの幅が小さくなっている。
なお、図11の例においては電源オン時と電源オフ時との間で指針20のずれが電気角で530度あった場合の動作を示したが、ずれが190度あった場合もステップ数「3」の時点以後は同じ動作となる。
このように、様々な状況においても、本実施形態の乗用車用指示計器1は、従来の乗用車用指示計器に比べて、指針20を帰零位置に合わせるまでの指針20の移動の幅をより小さくすることができるとともに、指針20を帰零位置に合わせるまでの時間をより短くすることができる。従って、本実施形態の乗用車用指示計器1によれば、指針20の動きによるドライバーの幻惑を低減することができる。
なお、本発明の実施にあたり、ステップモータMの各界磁巻線に印加する駆動電圧や帰零電圧は、余弦波状電圧に限ることなく、正弦波状電圧、台形波状電圧、三角波状電圧等の交流電圧や交流電流等の交流信号であればよい。
また、本発明の実施にあたり、乗用車用指示計器1は、車速を指示するものに限ることなく、乗用車のエンジンの回転数や燃料の残量等のアナログ値を指示するものであってもよい。
さらに、本発明の実施にあたり、乗用車用指示計器に限ることなく、バス、トラックや自動二輪車等の各種車両用指示計器その他各種の指示計器に本発明を適用して実施してもよい。
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
乗用車用指示計器1の一実施形態示す正面図である。 乗用車用指示計器1の部分断面図である。 図2の指針20ならびに回動内機30に内蔵したステップモータMおよびストッパ機構Sの斜視図である。 図3のステップモータMの平面図である。 上記実施形態の電気回路構成図である。 マイクロコンピュータ50での動作フローを示すフローチャートの前段部である。 マイクロコンピュータ50での動作フローを示すフローチャートの後段部である。 本発明の効果の一例を示すグラフである。 本発明の効果の一例を示すグラフである。 本発明の効果の一例を示すグラフである。 本発明の効果の一例を示すグラフである。
符号の説明
1 乗用車用指示計器(車両用指示計器)、10a 目盛り盤、11 車速表示部(表示部)、20 指針、32・33 界磁巻線、50 マイクロコンピュータ(駆動信号出力手段、帰零信号出力手段、位相角調整手段、駆動指示手段、判定手段、帰零動作完了手段)、70・80 駆動装置、70a・80a 駆動回路、70b・70c・80b・80c 切り替えスイッチ、90 EEPROM(零点位相角記憶手段)、G 減速歯車列(減速歯車手段)M ステップモータ、Mr マグネットロータ、Ms ステータ、S ストッパ機構(ストッパ手段)

Claims (4)

  1. アナログ値を下限値から上限値にかけて円弧状に表示してなる表示部を有する目盛り盤と、
    この目盛り盤の面に沿い回動する指針と、
    交流の駆動信号を入力されて交流磁束を発生する界磁巻線を備えたステータと、このステータと同軸上に回転可能に支持されて前記交流磁束に応じて回転するマグネットロータとを備えるステップモータと、
    前記マグネットロータの回転に伴い減速回転し、これに応じて前記指針を回動する減速歯車手段と、
    前記指針が前記アナログ値の前記下限値に対応する帰零位置を前記上限値側から越えた後に前記減速歯車手段の減速回転を停止させ、前記帰零位置を越えた所定の位置で前記指針を停止させるストッパ手段と、
    アナログ入力に応じて前記駆動信号を前記界磁巻線に出力する駆動信号出力手段と、
    前記指針を前記帰零位置に戻すとき交流の帰零信号を前記界磁巻線に出力して前記マグネットロータを駆動させる帰零信号出力手段と、
    前記指針が前記帰零位置を指しているときに対応する帰零信号の位相角を予め零点位相角として記憶する零点位相角記憶手段と、
    前記帰零信号の位相角を前記零点位相角に調整する位相角調整手段と、を備える車両用指示計器であって、
    前記位相角調整手段による調整後の帰零信号を前記界磁巻線に出力させて前記マグネットロータを駆動させた後、さらに前記マグネットロータを、前記指針が前記帰零位置を前記上限値側から越えて前記ストッパ手段で停止される方向である反転方向に向けて所定の電気角ずつ駆動させる駆動信号を出力し続ける駆動指示手段と、
    前記駆動指示手段から出力される信号が電気角で前記反転方向に360度分に達する間に前記ステップモータが脱調を起こしたか否かを判定する判定手段と、
    前記ステップモータが脱調を起こしたと前記判定手段で判定した場合には、前記駆動指示手段から出力される信号が電気角で前記反転方向に360度分に達したところで前記駆動指示手段からの信号の出力を完了させる帰零動作完了手段と、を備えることを特徴とする車両用指示計器。
  2. 前記判定手段は、前記帰零信号が前記界磁巻線から遮断されたとき、この遮断時に生ずる前記界磁巻線の誘起電圧が所定の閾値電圧以上であった場合に、前記ステップモータが脱調を起こしたと判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用指示計器。
  3. 前記判定手段は、前記駆動指示手段から出力される信号のうちの前記駆動信号の出力以後に、前記ステップモータが脱調を起こしたか否かを判定することを特徴とする請求項1または2に記載の車両用指示計器。
  4. 前記駆動指示手段は、前記判定手段で脱調を起こしたと判定しなかった場合には、さらに前記所定の電気角ずつ前記マグネットロータを駆動させる信号を出力し、
    前記判定手段は、前記駆動指示手段から出力される信号が電気角で前記反転方向にさらに360度分に達する間に前記ステップモータが脱調を起こしたか否かを判定するとともに、
    前記帰零動作完了手段は、前記ステップモータが脱調を起こしたと前記判定手段で判定した場合には、前記駆動指示手段から出力される信号が電気角で前記反転方向にこのさらなる360度分に達したところで前記駆動指示手段からの信号の出力を完了させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用指示計器。
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