JP3674522B2 - 車両用指示計器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はステップモータを駆動源として採用する車両用指示計器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、乗用車用指示計器では、目盛り盤の裏面側にステップモータ及び減速歯車列を配設したものがある。この指示計器では、減速歯車列の出力段歯車がその回動軸にて目盛り盤を通り指針軸として回動可能に延出されており、この指針軸の先端部には、指針がその回動基部にて同軸的に支持されて目盛り盤の表面に沿い回動するようになっている。
【0003】
ここで、減速歯車列の入力段歯車は、ステップモータのマグネットロータに同軸的に支持されている。また、出力段歯車の端面には、指針が目盛り盤の目盛りの零位置(帰零位置)に戻ったときの当該指針の回動位置に対応する位置にてストッパが突設されており、このストッパには、目盛り盤の裏面側にて静止部材に支持された腕が、その先端部にて係止して指針を帰零位置にて停止するようになっている。なお、上記ストッパが、上記腕と共にストッパ機構を構成し、その先端部にて当該腕に係止したときが上記ストッパ機構の係止に相当する。
【0004】
このように構成した指示計器においては、ステップモータに、例えば、入力に応じた余弦波状駆動電圧を印加して減速歯車列を介し指針を回動することで指示を行うようになっている。また、指針をその帰零位置に戻すにあたっては、ステップモータに互いに位相を異にする各帰零電圧(図19参照)を強制的に印加するようにしている。そして、マグネットロータが帰零位置に向けて回転する過程においてこのマグネットロータの回転速度に応じてステップモータのステータの界磁巻線に発生する誘起電圧が所定の閾値電圧以下になったとき指針が帰零位置に戻ったものと判定し、ステップモータに対する帰零電圧の印加を停止するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記指示計器において、指針を帰零位置に戻すにあたり、ストッパ機構が係止する位置までのマグネットロータの回転角範囲が狭い場合には、指針が帰零位置に達するまでにマグネットロータの回転速度が十分には上昇しないことがある。この場合、界磁巻線に生ずる誘起電圧が低いため、指針が、帰零位置に達していないにもかかわらず、当該帰零位置に達したと誤判定するという不具合が生ずる。
【0006】
また、上述のように指針を帰零位置に戻すにあたりステップモータに各帰零電圧を印加するときにステップモータが脱調しないようにするため、ステップモータへの給電遮断前における界磁巻線への印加電圧の電気角或いはマグネットロータの磁極と当該印加電圧との同期を維持し得る電気角から、各帰零電圧の印加を開始する必要がある。
【0007】
しかし、ステップモータへの給電遮断状態で指示計器に機械的衝撃等の外乱が加わると、マグネットロータが、任意の角度、回転してしまうことがある。このような状態にて、ステップモータに対し上述のように各帰零電圧を印加しても、各帰零電圧の印加開始時の位相がこれに対応すべきマグネットロータの磁極との間にずれ(図19参照)を生じて同期せず、その結果、ステップモータが脱調して、指針が帰零位置に戻ったという判定が正しく行えないという不具合が生ずる。
【0008】
そこで、本発明は、以上のようなことに対処するため、指針を帰零位置に戻すためにステップモータへの交流の帰零信号の出力を開始する前に、当該ステップモータのマグネットロータの磁極と帰零信号の位相との間の同期をとるようにした車両用指示計器を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、指針を帰零位置に戻すためにステップモータへの帰零信号の出力を開始する前に、当該ステップモータのマグネットロータの磁極と帰零信号の位相との間の同期をとりかつ指針が帰零位置に戻ったときマグネットロータの回転速度が十分に上昇しているように当該マグネットロータに加速区間を与えるようにした車両用指示計器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題の解決にあたり、請求項1に記載の発明に係る車両用指示計器では、アナログ値を下限値から上限値にかけて円弧状に表示してなる表示部を有する目盛り盤と、この目盛り盤の面に沿い回動する指針と、交流の駆動信号を入力されて交流磁束を発生する界磁巻線を備えたステータと、このステータ内で同軸的に回転可能に支持されて交流磁束に応じて回転するマグネットロータとを備えるステップモータと、マグネットロータの回転に伴い減速回転しこれに応じて指針を回動する減速歯車手段と、指針がアナログ値の下限値に対応する帰零位置まで戻ったとき減速歯車手段の減速回転を停止するストッパ手段と、アナログ入力に応じて駆動信号を界磁巻線に出力する駆動信号出力手段と、指針を帰零位置に戻すとき交流の帰零信号を界磁巻線に出力する帰零信号出力手段とを備える。
【0011】
当該指示計器において、帰零信号が、帰零信号出力手段による出力の際に零位相角に調整されて界磁巻線に出力された後、少なくとも二回目以後の零レベルに対応する位相角に進んで界磁巻線から遮断されたとき、この遮断時に生ずる界磁巻線の誘起電圧がストッパ手段による減速歯車手段の減速回転の停止を特定する所定の低電圧以下になるときの帰零信号の位相角を零点電気角補正値として記憶する記憶手段と、帰零信号の位相角を零点電気角補正値だけ調整する位相角調整手段と、帰零信号が位相角調整手段による調整後帰零信号出力手段により界磁巻線に出力された状態にて当該帰零信号の位相角とマグネットロータの磁極との間の同期化を行う同期化手段と、帰零信号が、帰零信号出力手段による界磁巻線への出力後、少なくとも二回目以後の零レベルに対応する位相角に進んだか否かにつき判定する第1判定手段と、この第1判定手段による進んだとの判定に伴い界磁巻線が帰零信号から遮断されて生ずる誘起電圧がストッパ手段による減速歯車手段の減速回転の停止を表す所定の低電圧以下か否かを判定する第2判定手段とを備え、駆動信号出力手段は、第2判定手段による所定の低電圧以下との判定に対応する位相角から駆動信号を出力することを特徴とする。
【0012】
このように、予め記憶手段に記憶した零点電気角補正値だけ帰零信号の位相角を調整した上で帰零信号の位相角とマグネットロータの磁極との間の同期化し、帰零信号が上述のように少なくとも二回目以後の零レベルに対応する位相角に進んたとき界磁巻線から誘起電圧を発生させて、この誘起電圧がストッパ手段による減速歯車手段の減速回転の停止を表す所定の低電圧以下になったときの位相角から駆動信号を界磁巻線に出力する。
【0013】
従って、指針を帰零位置に戻す際にステップモータの脱調が上記同期化でもって確実に防止され得るので、ストッパ手段による減速歯車手段の減速回転の停止、即ち、指針の帰零位置での停止を精度よく判定できる。その結果、上記所定の低電圧以下との判定に対応する位相角からアナログ入力に応じた駆動信号を出力することで、指針の指示精度を向上できる。
【0014】
また、請求項2に記載の発明に係る車両用指示計器では、アナログ値を下限値から上限値にかけて円弧状に表示してなる表示部を有する目盛り盤と、この目盛り盤の面に沿い回動する指針と、交流の駆動信号を入力されて交流磁束を発生する界磁巻線を備えたステータと、このステータ内で同軸的に回転可能に支持されて交流磁束に応じて回転するマグネットロータとを備え、当該マグネットロータの回転に応じて指針を回動するステップモータと、指針がアナログ値の下限値に対応する帰零位置まで戻ったとき当該指針を停止させるストッパ手段と、アナログ入力に応じて駆動信号を界磁巻線に出力する駆動信号出力手段と、指針を帰零位置に戻すとき交流の帰零信号を界磁巻線に出力する帰零信号出力手段とを備える
【0015】
当該指示計器において、帰零信号が、帰零信号出力手段による出力の際に零位相角に調整されて界磁巻線に出力された後、少なくとも二回目以後の零レベルに対応する位相角に進んで界磁巻線から遮断されたとき、この遮断時に生ずる界磁巻線の誘起電圧がストッパ手段による指針の停止を特定する所定の低電圧以下になるときの帰零信号の位相角を零点電気角補正値として記憶する記憶手段と、帰零信号の位相角を零点電気角補正値だけ調整する位相角調整手段と、帰零信号が位相角調整手段による調整後帰零信号出力手段により界磁巻線に出力された状態にて当該帰零信号の位相角とマグネットロータの磁極との間の同期化を行う同期化手段と、帰零信号が、帰零信号出力手段による界磁巻線への出力後、少なくとも二回目以後の零レベルに対応する位相角に進んだか否かにつき判定する第1判定手段と、この第1判定手段による進んだとの判定に伴い界磁巻線が帰零信号から遮断されて生ずる誘起電圧がストッパ手段による指針の停止を表す所定の低電圧以下か否かを判定する第2判定手段とを備え、駆動信号出力手段は、第2判定手段による所定の低電圧以下との判定に対応する位相角から駆動信号を出力することを特徴とする。
【0016】
これにより、請求項1に記載の発明とは異なり、歯車減速手段を採用していなくても、請求項1に記載の発明と同様の作用効果を達成できる。
【0017】
また、請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明において、同期化手段による同期化のもと、帰零信号をその位相角を所定の戻し角だけ戻すように界磁巻線に出力してステップモータに加速区間を与える加速区間付与手段を備えて、帰零信号出力手段は、上記所定の戻し角から帰零信号を界磁巻線に出力し、第1判定手段は、帰零信号が所定の戻し角から少なくとも二回目以後の零レベルに対応する位相角に進んだか否かにつき判定することを特徴とする。
【0018】
このように、帰零信号の位相角とマグネットロータの磁極との間の同期化をとった上で、ステップモータに所定の戻し角だけ加速区間を与えた後、帰零信号を界磁巻線に出力してステップモータの回転速度上記加速区間の間に上昇させるようにしたので、ストッパ手段による停止位置までのマグネットロータの回転角範囲が狭くても、ステップモータの回転速度を十分に上昇させることができる。その結果、ストッパ手段の停止位置であるステップモータの帰零位置を常に精度よく判定でき、請求項1又は2に記載の発明の作用効果をより一層向上できる。
【0019】
また、請求項4に記載の発明では、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の発明において、同期化手段は、帰零信号が位相角調整手段による調整後帰零信号出力手段により界磁巻線に出力された状態にて所定の位相角だけ進んだか否かを判定する進み判定手段と、この進み判定手段による進んだとの判定に伴い帰零信号をその位相角にて零点電気角補正値に対応する位相角に戻すように界磁巻線に出力する戻し信号入力手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
これにより、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の発明の作用効果をより一層向上できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づき説明する。図1は、本発明が乗用車用指示計器に適用された例を示しており、この指示計器は、車速計として、当該乗用車の車室内に設けたインストルメントパネルに配設されている。
【0023】
当該指示計器は、図1及び図2にて示すごとく、計器板10を備えている。この計器板10は、図1にて示すごとく、目盛り盤10aを備えており、この目盛り盤10aには、車速を下限値(車速零km/h)から上限値(車速180km/h)にかけて円弧状に表示する車速表示部11が形成されている。
【0024】
また、指示計器は、図1及び図2にて示すごとく、指針20、回動内機30及び配線板40を備えている。指針20は、その回動基部21にて、後述する指針軸30bの先端部に支持されて目盛り盤10aの表面に沿い回動するようになっている。この指針20は、目盛り盤10aの円弧状車速表示部11の全範囲に亘り回動するようになっており、当該指針20は、その帰零位置、即ち、目盛り盤10aの円弧状車速表示部11の下限値(車速零km/h)に対応する位置にて、後述のように停止するようになっている。
【0025】
回動内機30は、内機本体30aと、指針軸30bとを備えている。内機本体30aは、目盛り盤10aに対応する位置にて、配線板40にその裏面側から組み付けられている。当該内機本体30aは、ケーシング30c(図2参照)内に、2相式ステップモータM(図3乃至図5参照)、減速歯車列G(図3参照)及びストッパ機構S(図3参照)を内蔵してなるもので、この内機本体30aは、ステップモータMの回転に伴う減速歯車列Gの減速回転により、この減速歯車列Gの出力段歯車34(後述する)と同軸的に支持した指針軸30bを回動する。
【0026】
なお、ケーシング30cは、その上壁にて配線板40にその裏面側から支持されている。また、指針軸30bは、ケーシング30cの上壁及び下壁にて回動可能に支持されており、この指針軸30bは、ケーシング30cの上壁、配線板40及び目盛り盤10aの貫通穴部12を通り回動可能に延出している。また、配線板40は、計器板10の裏面側にてこれに並行に配設されている。
【0027】
ステップモータMは、図3及び図4にて示すごとく、ステータMsと、マグネットロータMrとを備えている。ステータMsは、ケーシング30c内にて計器板10に並行に支持されており、このステータMsは、ヨーク31と、両界磁巻線32、33とを備えている。ヨーク31は、ポール状の両磁極31a、31bを備えており、磁極31aには界磁巻線32が巻装され、磁極31bには界磁巻線33が巻装されている。
【0028】
また、マグネットロータMrは、ヨーク31内にて、後述する回転軸35aに同軸的に支持されており、このマグネットロータMrの外周面にはその周方向に沿い、N極とS極とが交互に多数着磁して形成されている。ここで、回転軸35aは、ケーシング30cの上下両壁に指針軸30bに平行にかつ回転可能に支持されている。なお、マグネットロータMrは、その回転に伴い、そのN極又はS極でもって、ヨーク31の各磁極31a、31bの先端面に狭隙を介して対向するようになっている。
【0029】
このように構成したステップモータMにおいて、互いに位相を例えば、90度異にする各余弦波状駆動電圧(後述する)が対応の各界磁巻線32、33に印加されると、これら各界磁巻線32、33に流れる電流により生ずる余弦波状磁束が互いに位相を異にして発生し、ヨーク31及びマグネットロータMrの磁極を通り流れる。これにより、マグネットロータMrが正転する。
【0030】
減速歯車列Gは、上述した出力段歯車34、入力段歯車35及び両中間歯車36及び37を備えており、これら各出力段歯車34、入力段歯車35及び両中間歯車36及び37は、ステップモータMの回転速度を所定の低速に落とすような減速比を減速歯車列Gに与えるように構成されている。
【0031】
両中間歯車36、37は、出力段歯車34と入力段歯車35との間に位置して、ケーシング30cの上下両壁に回転可能にかつ指針軸30bに平行に支持した回転軸36aに同軸的に支持されている。ここで、中間歯車36は出力段歯車34と噛合しており、この中間歯車36の径は中間歯車37の径及び出力段歯車34の径よりも小さい。入力段歯車35は、回転軸35aに同軸的に支持されており、この入力段歯車35は、中間歯車37と噛合している。ここで、入力段歯車35の径は中間歯車37の径よりも小さい。
【0032】
ストッパ機構Sは、短冊板状ストッパ38と、L字状腕39とを備えている。ストッパ38は、指針20の帰零位置に対応する位置にて、出力段歯車34の表面に突出形成されている。詳細には、ストッパ38は、指針20の指針軸30bの先端部からの延出方向に対応するように、指針軸30bから半径方向に向け出力段歯車34の表面に突出形成されている。
【0033】
腕39は、ケーシング30c内にその低壁から指針軸30bに平行に延出しており、この腕39は、その先端部39aにて、指針20の長手方向の直下においてL字状に出力段34の表面上に向け延出している。ここで、腕39の先端部39aの図3にて図示時計方向端面39bが指針20の帰零位置に対応している。これにより、指針20がステップモータMの逆転により帰零位置に戻ったとき、ストッパ38が、その図3にて図示反時計方向面38aにて腕39の時計方向端面39bに係止する。以下、この係止をストッパ機構Sの係止という。
【0034】
次に、ステップモータMのための電気回路構成について図5を参照して説明する。マイクロコンピュータ50は、図6及び図7にて示すフローチャートに従いコンピュータプログラムを実行し、この実行中において、車速センサ60の検出出力及びEEPROM90の記憶データに基づき、両駆動回路70、80を介しステップモータMを駆動する処理及びストッパ機構Sの係止判定処理等を行う。なお、マイクロコンピュータ50はバッテリBから直接給電されて作動する。また、上記コンピュータプログラムはマイクロコンピュータ50のROMに予め記憶されている。
【0035】
車速センサ60は当該乗用車の車速を検出する。駆動装置70は、駆動回路70aと、両切り替えスイッチ70b、70cとを備えている。駆動回路70aは、マイクロコンピュータ50による制御のもと、両切り替えスイッチ70b、70cを切り替え駆動する。なお、駆動回路70aはその両入力端子にてマイクロコンピュータ50の両出力端子51、52に接続されている。
【0036】
切り替えスイッチ70bは、マイクロコンピュータ50により切り替え制御されるもので、この切り替えスイッチ70bは、両固定接点71、72と、これら両固定接点71、72のいずれかに切り替え投入される切り替え接点73とにより構成されている。この切り替えスイッチ70bにおいて、固定接点71への切り替え接点73の投入状態を第1投入状態といい、固定接点72への切り替え接点73の投入状態を第2投入状態といい、切り替え接点73の両固定接点71、72からの解離状態を開放状態という。
【0037】
また、切り替えスイッチ70cは、マイクロコンピュータ50により切り替え制御されるもので、この切り替えスイッチ70cは、両固定接点74、75と、これら両固定接点74、75のいずれかに切り替え投入される切り替え接点76とにより構成されている。この切り替えスイッチ70cにおいて、固定接点74への切り替え接点76の投入状態を第1投入状態といい、固定接点75への切り替え接点76の投入状態を第2投入状態といい、切り替え接点76の両固定接点74、75からの解離状態を開放状態という。
【0038】
ここで、両切り替え接点73、76の間には、ステップモータMの界磁巻線32が接続されている。本実施形態では、界磁巻線32をA相巻線32ともいう。これに伴い、A相巻線32への駆動電圧をA相駆動電圧という。また、両固定接点72、75はマイクロコンピュータ50の両出力端子55、56に接続され、両固定接点71、74は駆動回路70aの両出力端子に接続されている。
【0039】
駆動装置80は、駆動回路80aと、両切り替えスイッチ80b、80cとを備えている。駆動回路80aは、マイクロコンピュータ50による制御のもと、両切り替えスイッチ80b、80cを切り替え駆動する。なお、駆動回路80は、その両入力端子にて、マイクロコンピュータ50の両出力端子53、54に接続されている。
【0040】
切り替えスイッチ80bは、マイクロコンピュータ50により切り替え制御されるもので、この切り替えスイッチ80bは、両固定接点81、82と、これら両固定接点81、82のいずれかに切り替え投入される切り替え接点83とにより構成されている。この切り替えスイッチ80bにおいて、固定接点81への切り替え接点83の投入状態を第1投入状態といい、固定接点82への切り替え接点83の投入状態を第2投入状態といい、切り替え接点83の両固定接点81、82からの解離を開放状態という。
【0041】
また、切り替えスイッチ80cは、マイクロコンピュータ50により切り替え制御されるもので、この切り替えスイッチ80cは、両固定接点84、85と、これら両固定接点84、85のいずれかに切り替え投入される切り替え接点86とにより構成されている。この切り替えスイッチ80cにおいて、固定接点84への切り替え接点86の投入状態を第1投入状態といい、固定接点85への切り替え接点86の投入状態を第2投入状態といい、切り替え接点86の両固定接点84、85からの解離を開放状態という。
【0042】
ここで、両切り替え接点83、86の間には、ステップモータMの界磁巻線33が接続されている。本実施形態では、界磁巻線33をB相巻線33ともいう。これに伴い、B相巻線33への駆動電圧をB相駆動電圧という。また、両固定接点82、85はマイクロコンピュータ50の両出力端子57、58に接続され、両固定接点81、84は駆動回路80aの両出力端子に接続されている。なお、本実施形態では、A相及びB相の各駆動電圧は上述のように互いに位相を90度だけ異にする各余弦波状駆動電圧である。
【0043】
EEPROM90には、後述のように指針20の帰零位置を表すデータが帰零位置データとして書き込まれている。
【0044】
以上のように構成した本実施形態において、EEPROM90への帰零位置データの書き込みは以下のようにして行う。当該帰零位置データのEEPROM90への書き込みは、通常、指示計器の製造工場においてなされるが、この書き込みにあたり、図11にて示すような回路(以下、書き込み回路Eという)を準備する。
【0045】
この書き込み回路Eは、図5にて示す回路において、マイクロコンピュータ50、イグニッションスイッチIG及びバッテリBに代えて、マイクロコンピュータ50a、操作スイッチSW、直流電源Ba、カメラ50b及び画像処理回路50cを採用し、また、車速センサ60を除いた構成となっている。
【0046】
マイクロコンピュータ50aは、図12乃至図17にて示すフローチャートに従い、書き込みプログラムを実行し、この実行中において、ステップモータMの帰零位置への駆動処理やカメラ50bの画像処理回路50cを介する出力に基づくEEPROM90への書き込み処理等を行う。なお、マイクロコンピュータ50aは、直流電源Baから操作スイッチSWを介し給電されて作動する。また、上記書き込みプログラムはマイクロコンピュータ50aのROMに予め記憶されている。
【0047】
カメラ50bは、指針20の車速表示部11上の位置を撮像する。画像処理回路50cは、カメラ50bの撮像出力を画像処理して、指針20の車速表示部11上の位置を表す画像信号をマイクロコンピュータ50aに出力する。また、マイクロコンピュータ50aと両駆動装置70、80との間の接続は、上述したマイクロコンピュータ50と両駆動装置70、80との間の接続と同様になされている。
【0048】
このような書き込み回路Eを用いてEEPROM90への書き込みは以下のようにして行う。操作スイッチSWをオンすれば、マイクロコンピュータ50aは直流電源Baから給電されて作動し書き込みプログラムの実行を図12乃至図17のフローチャートに従い開始する。すると、図12のステップ100において、各切り替えスイッチ70b、70c、80b及び80cを第1投入状態に切り替える処理がなされる。
【0049】
これに伴い、各切り替えスイッチ70b、70c、80b及び80cが、共に、マイクロコンピュータ50aにより第1投入状態に切り替えられる。このため、駆動回路70aの両出力端子が両切り替えスイッチ70b、70cを通してステップモータMのA相巻線32の両端に接続されるとともに、駆動回路80aの両出力端子が両切り替えスイッチ80b、80cを通してステップモータMのB相巻線の両端に接続される。
【0050】
ステップ100での処理後、ステップ110において、A相巻線32及びB相巻線33への各帰零電圧の零位相角への調整処理が次のようにしてなされる。即ち、切り替えスイッチ70bの固定接点71にローレベルの電圧を印加し切り替えスイッチ70cの固定接点74にハイレベルの電圧を印加するように駆動回路70aを駆動処理し、かつ、切り替えスイッチ80bの固定接点81及び切り替えスイッチ80cの固定接点85にローレベルの電圧を印加するように駆動回路80aを駆動処理する。これにより、A相巻線32及びB相巻線33への帰零電圧を印加するための各位相角が零位相角に調整される。
【0051】
然る後、ステップ120において、A相及びB相の各帰零電圧の出力処理がなされる。ここで、A相及びB相の各帰零電圧は、上述したA相及びB相の各駆動電圧をそれぞれステップモータMを逆転させる方向に位相を反転した各電圧に相当する(図18参照)。
【0052】
このようにステップ120の処理が終了すると、マイクロコンピュータ50aからのA相帰零電圧が駆動回路70aにより両切り替えスイッチ70b、70cを通してステップモータMのA相巻線32に印加されるとともに、マイクロコンピュータ50aからのB相帰零電圧が駆動回路80aにより両切り替えスイッチ80b、80cを通してステップモータMのB相巻線33に印加される。
【0053】
これに伴い、A相巻線32にはA相帰零電圧に基づく電流が流れて余弦波状磁束が発生し、また、B相巻線33にはB相帰零電圧に基づく電流が流れて余弦波状磁束が発生する。これら両磁束は、その位相の変化に応じて、互いに異なるレベルにて変化しつつマグネットロータMrを通る。よって、マグネットロータMrが逆転する。従って、回動内機30は、マグネットロータMrの逆転に伴い指針軸30bを介し指針20を帰零位置に向けて回動する。なお、指針20の回動角とA相及びB相の各帰零電圧の位相との関係は、互いに一義的に定められている。
【0054】
然る後、ステップ130において、A相及びB相の各帰零電圧の位相角は共に180度だけ進んだか否かが判定される。ここで、A相及びB相の各帰零電圧の位相角が180度進んでおれば、ステップ130における判定はYESとなる。一方、ステップ130での判定がNOとなる場合には、ステップ131において、A相及びB相の各帰零電圧の出力継続処理がステップ130でYESと判定されるまでなされる。このため、ステップ130でのYESとの判定までステップモータMはさらに逆転する。但し、本実施形態において、A相帰零電圧の位相角が180度であるとは、当該A相帰零電圧の位相角が半周期後の位相角にあることをいう。
【0055】
以上のような状態において、ステップ130における判定がYESになると、次のステップ132において、切り替えスイッチ70bの第2投入状態への切り替え及び切り替えスイッチ70cの開放状態への切り替えの各処理がなされる。これに伴い、マイクロコンピュータ50aによって、切り替えスイッチ70bが第1投入状態から第2投入状態に切り替えられるとともに切り替えスイッチ70cが開放状態に切り替えられる。
【0056】
このため、A相巻線32は、その一端にて、開放され、その他端にて、切り替えスイッチ70bの切り替え接点73及び固定接点72を通してマイクロコンピュータ50aの出力端子55に接続される。このため、A相巻線32には、誘起電圧が発生する。
【0057】
次に、ステップ133において、現段階におけるA相巻線32からの誘起電圧がマイクロコンピュータ50aに入力される。すると、ステップ140(図13参照)において、当該誘起電圧が所定の閾値電圧Vth以下か否かが判定される。本実施形態では、上記閾値電圧Vthは零電圧に近い所定の低電圧に設定されている。
【0058】
ここで、上記閾値電圧Vthとして、上記所定の低電圧を採用とした理由について説明する。A相帰零電圧のレベルは当該A相帰零電圧の位相の変化に伴い余弦波状に変化する。当該A相帰零電圧のレベルは、半周期に対応する位相で零となり、その位相の前後では正から負又は負から正に変化する。従って、この変化に起因するA相帰零電圧に対応する磁束密度も同様に変化するから、当該磁束密度の変化率は大きい(マグネットロータMrの回転角に対応する電気角180度参照)。よって、この大きな変化率の磁束密度に起因してA相巻線32に誘導される電圧(誘導電圧)は大きく変化する。
【0059】
一方、A相帰零電圧のレベルは、そのピーク時に対応する位相(マグネットロータMrの回転角に対応する電気角90度参照)の前後では極値にほぼ維持される。従って、このときのA相帰零電圧に対応する磁束密度は殆ど変化しないから、当該磁束密度の変化率は非常に小さい。よって、この小さな変化率の磁束密度に起因して界磁巻線32に誘導される電圧(誘導電圧)も非常に小さい。
【0060】
また、指針20が帰零位置に戻ることでストッパ機構Sが係止したときにはマグネットロータMrの逆転は停止する。従って、このマグネットロータMrがA相帰零電圧に対応する磁束を切ることがないから、このときのA相巻線32の誘導電圧は零である。
【0061】
以上より、ストッパ機構Sが係止したことを判定するには、上記磁束密度の変化率が大きいときを利用すれば、精度よくかつタイミングよく判定できる。そこで、本実施形態では、ステップ140における判定基準である所定の閾値電圧Vthとして、大きな変化率の磁束密度を生ずるA相帰零電圧の零レベルに近い上記所定の低電圧を採用した。従って、当該低電圧は、指針20の帰零位置への到達を正しく判定し得る値に相当する。
【0062】
しかして、上記誘起電圧が上記閾値電圧Vth以下であれば、ステップ141において、指針20がストッパ機構Sの係止により停止したとの判定がなされる。このことは、指針20が帰零位置にて停止したことを意味する。
【0063】
上述のように、ステップ141における処理が終了すると、ステップ151において、両切り替えスイッチ70b、70cの第1投入状態への切り替え処理がなされる。このため、マイクロコンピュータ50aにより、両切り替えスイッチ70b、70cが第1投入状態に切り替えられる。
【0064】
ステップ151の処理後、ステップ152において、上述したA相及びB相の各駆動電圧の出力処理が所定位相角分Δφなされる。ここで、所定位相角分Δφは、カメラ50bの撮像分解能よりも少し大きめに設定されている。本実施形態では、当該所定位相角分Δφは、A相及びB相の各駆動電圧を電気角にて24度分ずつに分割したものに相当する。
【0065】
しかして、このようなマイクロコンピュータ50aでの処理のもと、図18にて図示矢印Rで示すごとく、駆動回路70aが、A相駆動電圧を、最初の所定位相角分ΔφだけA相巻線32に切り替えスイッチ70b、70cを介し印加するとともに、駆動回路80aが、B相駆動電圧を、最初の所定位相角分ΔφだけB相巻線33に切り替えスイッチ80b、80cを介し印加すると、指針20は、ステップモータMの正転に伴う減速歯車列Gの減速回転に応じて、ストッパ機構Sの係止に伴う停止位置から図1にて図示時計方向へ離れる方向へ回動しようとする。このような状態はカメラ50bにより撮像されて画像処理回路50cを介し画像データとしてマイクロコンピュータ50aに入力される。
【0066】
しかして、現段階では、指針20が帰零位置から離れていないとすれば、画像処理回路50cからの画像データに基づきステップ150での判定がNOになる。以後、ステップ151においてA相及びB相の各駆動電圧の出力処理が、上記所定位相角Δφ分に続いて順次所定位相角Δφ分ずつ、ステップ150でのNOとの判定の下になされる。これに伴い、指針20はさらに帰零位置から離れようとする。
【0067】
然る後、A相及びB相の各駆動電圧の出力処理が、図18にて図示左側の所定位相角分Δφを基準に4つ目の位相角分Δφから5つ目の所定位相角分Δφに達したとき、指針20が帰零位置から離れると、この指針20の帰零位置からの分離が、カメラ50bにより撮像されて画像処理回路50cを介し画像データとしてマイクロコンピュータ50aに入力される。すると、当該画像データに基づき、ステップ150における判定がYESとなる。
【0068】
これに伴い、ステップ153において、指針20が帰零位置から離れる直前におけるA相及びB相の各駆動電圧の値の出力処理がなされる。このため、当該各駆動電圧の位相角がEEPROM90に書き込まれる。具体的には、図18にて図示左側から5つ目の所定位相角Δφ分の出力処理がなされたとき、その直前の4つ目の所定位相角Δφ分に相当するA相及びB相の各駆動電圧の値がEEPROM90に書き込まれる。本実施形態では、当該A相及びB相の各駆動電圧の位相角が、指針20を原点である帰零位置から駆動するにあたりA相及びB相の各駆動電圧を印加するときの印加開始点を特定する零電気角補正値(以下、零電気角補正値αという)に相当する。
【0069】
なお、零電気角補正値αとして、上記5つ目の所定位相角Δφ分に相当するA相及びB相の各駆動電圧の位相角を採用し、指針20を帰零位置から回動するにあたり、A相及びB相の各駆動電圧の印加を開始する際に、当該零電気角補正値αから5つ目の所定位相角Δφ分を減じた場合のA相及びB相の駆動電圧の位相角を零電気角補正値αとして用いてもよい。
【0070】
次に、上述のごとくステップ140での判定がNOとなる場合には、指針20が帰零位置に達していないことから、コンピュータプログラムは図14のステップ154以後の処理に進む。
【0071】
ステップ154では、両切り替えスイッチ70b、70cの第1投入状態への切り替え処理がなされる。この処理により、ステップ151(図13参照)での処理による場合と同様に両切り替えスイッチ70b、70cが第1投入状態にマイクロコンピュータ50aにより切り替えられる。
【0072】
これに伴い、ステップ155において、A相及びB相の各帰零電圧の出力継続処理がなされる。このため、マグネットロータMは上述と同様に切り替えスイッチ70b、70cを介する駆動回路70aからのA相帰零電圧及び切り替えスイッチ80b、80cを介する駆動回路80aからのB相帰零電圧に基づきさらに回転する。
【0073】
然る後、ステップ160において、A相及びB相の各帰零電圧の位相角はさらに90度進んだか否かが判定される。ここで、当該各帰零電圧がさらに90度進んでいれば、ステップ160での判定はYESとなる。一方、当該ステップ160での判定がNOとなる場合には、ステップ161においてA相及びB相の各帰零電圧の出力継続処理がなされる。これに伴い、ステップモータMがさらに回転する。両ステップ160、161の循環処理の過程において、A相及びB相の各帰零電圧の位相が進みステップ160での判定がYESになると、ステップ162において、切り替えスイッチ80bの第2投入状態への切り替え及び切り替えスイッチ80cの開放状態への切り替えの各処理がなされる。
【0074】
これに伴い、マイクロコンピュータ50aによって、切り替えスイッチ80bが第2投入状態に切り替えられるとともに切り替えスイッチ80cが開放状態に切り替えられる。このため、B相巻線33は、その一端にて、開放され、その他端にて、切り替えスイッチ80bの固定接点83及び切り替え接点82を通してマイクロコンピュータ50aの出力端子57に接続される。このため、B相巻線33には、誘起電圧が発生する。
【0075】
次に、ステップ163において、B相巻線33の誘起電圧がマイクロコンピュータ50aに入力される。すると、ステップ170において、B相巻線33の誘起電圧は閾値電圧Vth以下か否かが判定される。ここで、ステップ170での判定がYESとなるなるときには、ステップ171において、指針20のストッパ機構Sの係止による停止と判定される。このことは、指針20が帰零位置にて停止したことを意味する。
【0076】
上述のようにステップ171の処理が終了すると、ステップ151(図13参照)以後の処理がなされる。但し、現段階では、ステップ151において、切り替えスイッチ70b、70cに代えて切り替えスイッチ80b、80cの第1投入状態への切り替え処理がなされる。このため、マイクロコンピュータ50aによる当該切り替え処理に基づき、切り替えスイッチ80b、80cが第1投入状態に切り替わる。
【0077】
然る後は、上述したステップ141の処理に伴うステップ151の処理後と同様の処理がステップ152及びステップ150においてなされる。しかして、ステップ150において、カメラ50bの撮像出力に対する画像処理回路50cからの画像処理データ(指針20の帰零位置からの分離を表す)に基づき、YESと判定されると、ステップ153において、上述と同様に、A相及びB相の各駆動電圧の位相角が、指針20を帰零位置から駆動するにあたりA相及びB相の各駆動電圧を印加するときの印加開始点を特定する零電気角補正値αとして出力されてEEPROM90に書き込まれる。
【0078】
次に、上述のようにステップ170の判定がNOとなる場合には、指針20が帰零位置に達していないことから、コンピュータプログラムは、図15のステップ172以後に進む。このステップ172では、両切り替えスイッチ80b、80cの第1投入状態への切り替え処理がなされる。これに伴い、両切り替えスイッチ80b、80cは、マイクロコンピュータ50aにより、第1投入状態に切り替えられる。
【0079】
ステップ172の処理後、ステップ173において、A相及びB相の各帰零電圧の出力継続処理がなされる。このため、ステップモータMは、上述と実質的に同様に、さらに回転する。然る後、ステップ180において、A相及びB相の各帰零電圧の位相角はさらに90度進んだか否かが判定される。ここで、ステップ180における判定がNOとなる場合には、ステップ181にてA相及びB相の各帰零電圧の出力継続処理がなされる。これに伴い、ステップモータMはさらに回転する。
【0080】
両ステップ180、181の循環処理の過程において、ステップ180の判定がYESになると、ステップ182において、切り替えスイッチ70cの第2投入状態への切り替え及び切り替えスイッチ70bの開放状態への切り替えの各処理がなされる。このため、マイクロコンピュータ50aによって、切り替えスイッチ70cは第2投入状態に切り替えられるとともに、切り替えスイッチ70bは開放状態に切り替えられる。従って、A相巻線32は、その一端にて、開放され、その他端にて、切り替えスイッチ70cの切り替え接点76及び固定接点75を介しマイクロコンピュータ50aの出力端子56に接続される。このため、A相巻線32には誘起電圧が発生する。
【0081】
次に、ステップ183において、A相巻線32の誘起電圧がマイクロコンピュータ50aに入力される。すると、ステップ190において、A相巻線32の誘起電圧は閾値電圧Vth以下か否かが判定される。ここで、ステップ190での判定がYESとなるなるときには、ステップ191において、指針20のストッパ機構Sの係止による停止と判定される。このことは、指針20が帰零位置にて停止したことを意味する。
【0082】
上述のようにステップ191の処理が終了すると、ステップ151(図13参照)以後の処理がなされる。ステップ151において、切り替えスイッチ70b、70cの第1投入状態への切り替え処理がなされる。このため、マイクロコンピュータ50aにより、切り替えスイッチ70b、70cが第1投入状態に切り替えられる。
【0083】
然る後は、上述したステップ141の処理に伴うステップ151の処理後と同様の処理がステップ152及びステップ150においてなされる。しかして、ステップ150において、カメラ50bの撮像出力に対する画像処理回路50cからの画像処理データ(指針20の帰零位置からの分離を表す)に基づき、YESと判定されると、ステップ153において、b点の場合と実質的に同様に、A相及びB相の各駆動電圧の位相角が、指針20を帰零位置から駆動するにあたりA相及びB相の各駆動電圧を印加するときの印加開始点を特定する零電気角補正値αとして出力されてEEPROM90に書き込まれる。
【0084】
次に、上述のようにステップ190の判定がNOとなる場合には、指針20が帰零位置に達していないことから、コンピュータプログラムは、図16のステップ192以後に進む。ステップ192では、両切り替えスイッチ70b、70cの第1投入状態への切り替え処理がなされる。これに伴い、両切り替えスイッチ70b、70cは、マイクロコンピュータ50aにより、第1投入状態に切り替えられる。
【0085】
ステップ192の処理後、ステップ193において、A相及びB相の各帰零電圧の出力継続処理がなされる。このため、ステップモータMは、上述と実質的に同様に、さらに回転する。然る後、ステップ200において、A相及びB相の各帰零電圧の位相角はさらに90度進んだか否かが判定される。ここで、ステップ200における判定がNOとなる場合には、ステップ201にてA相及びB相の各帰零電圧の出力継続処理がなされる。これに伴い、ステップモータMはさらに回転する。
【0086】
両ステップ200、201の循環処理の過程において、ステップ200での判定がYESになると、ステップ202において、切り替えスイッチ80cの第2投入状態への切り替え及び切り替えスイッチ80bの開放状態への切り替えの各処理がなされる。これに伴い、マイクロコンピュータ50aにより、切り替えスイッチ80cが第2投入状態に切り替えられるとともに、切り替えスイッチ80bが開放状態に切り替えられる。従って、B相巻線33は、その一端にて開放され、その他端にて、切り替えスイッチ80cの切り替え接点86及び固定接点85を介しマイクロコンピュータ50aの出力端子58に接続される。このため、B相巻線33には誘起電圧が発生する。
【0087】
次に、ステップ203において、B相巻線33の誘起電圧がマイクロコンピュータ50aに入力される。すると、ステップ210において、B相巻線33の誘起電圧は閾値電圧Vth以下か否かが判定される。ここで、ステップ210での判定がYESとなる場合には、ステップ211において、指針20のストッパ機構Sの係止による停止と判定される。このことは、指針20が帰零位置にて停止したことを意味する。
【0088】
上述のようにステップ211の処理が終了すると、ステップ151(図13参照)以後の処理がなされる。ステップ151においては、両切り替えスイッチ70b、70cに代えて両切り替えスイッチ80b、80cの第1投入状態への切り替え処理がなされる。このため、マイクロコンピュータ50aにより、両切り替えスイッチ80b、80cが第1投入状態に切り替えられる。
【0089】
然る後は、上述したステップ141の処理に伴うステップ151の処理後と同様の処理がステップ152及びステップ150においてなされる。しかして、ステップ150において、カメラ50bの撮像出力に対する画像処理回路50cからの画像処理データ(指針20の帰零位置からの分離を表す)に基づき、YESと判定されると、ステップ153において、上述と実質的に同様に、A相及びB相の各駆動電圧の位相角が、指針20を帰零位置から駆動するにあたりA相及びB相の各駆動電圧を印加するときの印加開始点を特定する零電気角補正値αとして出力されてEEPROM90に書き込まれる。
【0090】
次に、上述のようにステップ210の判定がNOとなる場合には、指針20が帰零位置に達していないことから、コンピュータプログラムはステップ212(図17参照)以後に進む。このステップ212では、両切り替えスイッチ80b、80cの第1投入状態への切り替え処理がなされる。これに伴い、両切り替えスイッチ80b、80cは、マイクロコンピュータ50aにより、第1投入状態に切り替えられる。
【0091】
ステップ212の処理後、ステップ213において、A相及びB相の各帰零電圧の出力継続処理がなされる。このため、ステップモータMは、上述と実質的に同様に、さらに回転する。然る後、ステップ220において、A相及びB相の各帰零電圧の位相角はさらに90度進んだか否かが判定される。ここで、ステップ220での判定がNOとなる場合には、ステップ221において、A相及びB相の各帰零電圧の出力継続処理がなされる。これに伴い、ステップモータMはさらに回転する。
【0092】
両ステップ220、221の循環処理の過程において、ステップ220での判定がYESになると、ステップ222において、切り替えスイッチ70bの第2投入状態への切り替え及び切り替えスイッチ70cの開放状態への切り替えの各処理がなされる。これに伴い、マイクロコンピュータ50aにより、切り替えスイッチ70bが第2投入状態に切り替えられるとともに切り替えスイッチ70cが開放状態に切り替えられる。従って、A相巻線32は、その一端にて、開放され、その他端にて、切り替えスイッチ70bの切り替え接点73及び固定接点72を介してマイクロコンピュータ50aの出力端子55に接続される。このため、A相巻線32には誘起電圧が発生する。
【0093】
次に、ステップ223において、A相巻線32の誘起電圧がマイクロコンピュータ50aに入力される。すると、ステップ230において、A相巻線32の誘起電圧が閾値電圧Vth以下か否かが判定される。ここで、ステップ230での判定がYESとなる場合には、ステップ231において、指針20のストッパ機構Sの係止による停止と判定される。このことは、指針20が帰零位置にて停止したことを意味する。一方、ステップ230での判定がNOとなる場合には、コンピュータプログラムはステップ154(図14参照)に戻る。上述のようにステップ231の処理が終了すると、ステップ151(図13参照)以後の処理が、上述したステップ141の処理後と同様になされ、A相及びB相の各駆動電圧の位相角が零電気角補正値αとしてEEPROM90に書き込まれる。
【0094】
以上説明したように、指示計器の製造工場での製造段階において、A相及びB相の各帰零電圧をステップモータMに印加した後、当該A相及びB相の各帰零電圧の位相角が180度及びこの180度に90度の整数倍を加算した位相角のいずれかに達したときにA相及びB相の両巻線32、33の一方に生ずる誘起電圧が閾値電圧Vth以下である場合、このときの位相角を、ステップモータMのストッパ機構Sの係止に伴う停止位置に対応する電気角であるとし、予め、零電気角補正値αとしてEEPROM90に書き込むようにした。
【0095】
ここで、当該零電気角補正値αは、本実施形態における指示計器に設けたストッパ機構Sの係止位置に伴うステップモータMの停止位置に対応して、設定される。換言すれば、ストッパ機構Sの係止位置に、当該指示計器の各部品の出来上がりや組み付け状態によるばらつきがあっても、指針20を帰零位置からA相及びB相の各駆動電圧のもとに回動させる際、上述のように予め設定したストッパ機構の係止に対応するステップモータへの帰零電圧の電気角である零電気角補正値αからA相及びB相の各駆動電圧を印加することとなる。
【0096】
次に、上述のようにEEPROM90に書き込んだ状態において、図5の回路構成のもと、本実施形態の作動について説明する。マイクロコンピュータ50は、バッテリBとの直結に伴い、図6及び図7のフローチャートに従いコンピュータプログラムを実行し、ステップ300においてNOとの判定を繰り返している。このような状態において、当該乗用車を、そのイグニッションスイッチIGのオンのもと、走行状態におくものとする。また、イグニッションスイッチIGのオンにより、ステップ300での判定がYESとなり、ステップ301において、零点電気角補正値αが、EEPROM90から読み込まれる。
【0097】
ついで、ステップ310において、各切り替えスイッチ70b、70c、800b、80cの第1投入状態への切り替え処理がなされる。これに伴い、マイクロコンピュータ50によって、各切り替えスイッチ70b、70c、800b、80cが共に第1投入状態に切り替えられる。なお、現段階においては、指針20を帰零位置に戻すためにA相巻線32及びB相巻線33に印加すべきA相及びB相の各帰零電圧(図10参照)の位相角は、図8にてP点で示す位置にあるものとする。
【0098】
ステップ310の処理後、ステップ320において、A相巻線32及びB相巻線33に対し、零点電気角補正値αに相当する位相角駆動電圧を印加する処理がなされる。これに伴い、上記各帰零電圧の位相角は、図8にて図示c点に移動する。このような状態において、A相及びB相の各帰零電圧をc点の位相角から出力する処理がステップ330においてなされる。このため、駆動回路70aは、マイクロコンピュータ50からのA相帰零電圧をc点の位相角からA相巻線32に切り替えスイッチ70b、70cを介し印加するとともに、駆動回路80aは、マイクロコンピュータ50からのB相帰零電圧をc点の位相角からB相巻線33に切り替えスイッチ80b、80cを介し印加する。このため、ステップモータMは逆転し減速歯車列Gの減速回転のもと指針20を帰零位置の方向に向けて回動する。
【0099】
ステップ330での処理後、ステップ340において、A相及びB相の各帰零電圧の位相角は、(α+β)度だけ進んだか否かが判定される。現段階において、当該各帰零電圧の位相角が(α+β)度進んでいなければ、ステップ340での判定がNOとなり、ステップ341において、A相及びB相の各帰零電圧の出力継続処理がなされる。このため、ステップモータM及び減速歯車列Gはさらに逆転する。本実施形態では、位相角βは、マグネットロータMrの磁極と界磁巻線32、33の磁界の磁極との同期化を確保するに要する電気角である。例えば、位相角βは、図8においてP点の位置と両d、a点の間の位置との間に与えられる位相角に相当する。
【0100】
然る後、ステップ340での判定がYESになると、ステップ342において、A相及びB相の各帰零電圧がその位相角にてステップモータMの正転方向に戻るようにして出力される処理がなされる。このため、マイクロコンピュータ50からのA相帰零位置が駆動回路70aにより切り替えスイッチ70b、70cを介しA相巻線32に位相角にて戻すように印加されるとともに、マイクロコンピュータ50からのB相帰零電圧が駆動回路80aにより切り替えスイッチ80b、80cを介しB相巻線33に位相角にて戻すように印加される。これに伴い、ステップモータMは正転方向に回転し減速歯車列G減速回転のもと指針20が図1にて図示時計方向に回動する。
【0101】
ステップ342での処理後、ステップ350において、A相及びB相の各帰零電圧の位相角は、位相角βだけ戻ったか、即ち、零点電気角補正値α(図8にてP点の位置)に戻ったか否かが判定される。ここで、ステップ350での判定がNOとなれば、ステップ351において、A相及びB相の各帰零電圧の位相角戻し出力継続処理がなされる。このため、ステップモータM及び減速歯車列Gがさらに上記時計方向に回転する。その後、ステップ350における判定がYESになると、ステップ352において、マグネットロータMrの磁極と界磁巻線32、33の磁界との同期化の終了との判定がなされる。これにより、マグネットロータMrの磁極と界磁巻線32、33の磁界とが同期化する。
【0102】
このような同期化後、ステップ353において、A相及びB相の各帰零電圧の位相角戻し出力継続処理がなされる。これに伴い、ステップ360において、A相及びB相の各帰零電圧の位相角は(α−γ)度に戻ったか否かが判定される(図8にて図示Q点参照)。ここで、γ度は、指針20の帰零位置への到達を判定するにあたり、マグネットロータMrを十分に加速するに要する電気角であるが、本実施形態では、γ度は、次のように設定されている。指針20の回動にはヒステリシスが一般に伴う。図9はこの指針20の回動のヒステリシスを示す。指針20の回動角である出力角は、車速に比例する回動角である入力角の増大に伴い直線Luに沿い図示矢印方向に増大し、一方、当該入力角の減少に伴い直線Ldに沿い図示矢印方向に減少する。そして、両直線Lu、Ldの間にはヒステリシス幅ΔHが存在するが、横軸上の幅0.5度をγとすれば、出力角度はほぼ零に維持できることが分かる。そこで、本実施形態では、γ=0.5度と設定してある。
【0103】
上記ステップ360での判定がNOであれば、ステップ361においてA相及びB相の各帰零電圧の位相角戻し出力継続処理がなされる。このため、上述と同様に、ステップモータMは正転方向に回転し減速歯車列Gの減速回転のもと指針20が図1にて図示時計方向に回動する。以後、両ステップ360、361の循環処理がなされ、A相及びB相の各帰零電圧の位相角が(α−γ)度に戻ると、ステップ360での判定がYESとなり、ステップ362(図7参照)において、A相及びB相の各帰零電圧の出力処理がなされる。このため、マイクロコンピュータ50は、A相帰零電圧を駆動装置70を介しA相巻線32に印加するとともに、B相帰零電圧を駆動装置80を介しB相巻線33に印加する。これに伴い、ステップモータMは逆転し減速歯車列Gの減速回転のもと指針20を帰零位置方向に向けて回動させる。
【0104】
ついで、ステップ370において、A相及びB相の各帰零電圧の位相角は(180−γ)だけ進んだかについて判定される。このことは、A相及びB相の各帰零電圧の位相角は、図8のQ点からa点まで進んだかが判定されることを意味する。ここで、進んでいなければ、ステップ370での判定はNOとなり、ステップ371において、A相及びB相の各帰零電圧の出力継続処理がなされる。このため、ステップモータMはさらに正転方向に回転する。両ステップ370、371の循環処理中において、A相及びB相の各帰零電圧の位相角が(180−γ)だけ進むと、ステップ370の判定がYESとなる。このとき、上述のようにステップモータMの加速のために予めγ度の位相角を帰零電圧に確保してあり、かつ、図8のd点ではなく、a点で判定するので、マグネットロータMrの回転速度は十分に上昇している。
【0105】
しかして、次のステップ372において、両切り替えスイッチ70b、80bの開放状態への切り替え処理及び両切り替えスイッチ70c、80cの第2投入状態への切り替えの各処理がなされる。これに伴い、マイクロコンピュータ50によって、両切り替えスイッチ70b、80bが開放状態に切り替えられるとともに、両切り替えスイッチ70c、80cが第2投入状態に切り替えられる。このため、A相及びB相の各巻線32、33に誘起電圧がそれぞれ発生する。ここで、ステップ370でYESと判定したときのマグネットロータMrの回転速度は上述のように十分に上昇しているので、当該各誘起電圧は、上述のようにマグネットロータMrの回転速度不足に依るものではなく、正常な値になっている。
【0106】
しかして、ステップ373において、A相及びB相の各巻線32、33の誘起電圧のうち高い方の誘起電圧がマイクロコンピュータ50に入力される。この入力後、ステップ380において、当該入力誘起電圧は閾値電圧Vth以下か否かが判定される。当該入力誘起電圧は閾値電圧Vth以下であれば、ステップ380での判定はYESとなり、一方、上記入力誘起電圧は閾値電圧Vth以下でなければ、ステップ380での判定はNOとなる。このようなステップ380での判定は、上述のように誘起電圧が正常な値になっているため、精度よくなされ得る。
【0107】
また、上述のようにステップ380での判定がNOとなる場合には、指針20が帰零位置に達していないことから、ステップ381において、各切り替えスイッチ70b、70c、80b、80cを第1投入状態に切り替える処理がなされる。このため、マイクロコンピュータ50によって、、各切り替えスイッチ70b、70c、80b、80cは第1投入状態に切り替えられる。ついで、ステップ382において、A相及びB相の各帰零電圧の出力継続処理がなされる。
【0108】
これに伴い、マイクロコンピュータ50は、A相帰零電圧を駆動回路70a及び両切り替えスイッチ70b、70cを介しA相巻線32に印加するとともに、B相帰零電圧を駆動回路80a及び両切り替えスイッチ80b、80cを介しB相巻線33に印加する。このため、ステップモータMはさらに逆転する。そして、ステップ390において、A相及びB相の各帰零電圧の位相角はさらに90度進んだか否かが判定される。このことは、A相及びB相の各帰零電圧の位相角が図8のb点に進んだか否かが判定されることを意味する。ここで、進んでいなけば、ステップ390での判定はNOとなり、ステップ382の処理がなされ、ステップモータMはさらに逆転する。
【0109】
両ステップ390、382の循環処理中において、ステップ390での判定がYESになると、ステップ372乃至380の処理が上述と同様になされる。ここで、ステップ380での判定がYESになると、ステップ383において、指針20がストッパ機構Sの係止により停止したとの判定がなされる。このことは、指針20の帰零位置への到達を意味する。これに伴い、当該ステップ383において、この指針20の帰零位置への到達時のA相及びB相の各帰零電圧の位相角が所定の電気角と設定され、次のステップ384において、A相及びB相の各帰零電圧の出力が停止される。
【0110】
その後、ステップ400において、通常処理がなされる。即ち、各切り替えスイッチ70b、70c、80b、80cが共に第1投入状態に切り替えられた上で、A相及びB相の各駆動電圧が、上記所定の電気角に相当する位相角から、車速センサ60の検出出力に応じて、各駆動装置70、80を介しA相及びB相の各界磁巻線32、33に印加される。このため、ステップモータMは正転し減速歯車列Gの減速回転のもと指針20は時計方向に回動して車速を指示する。
【0111】
また、上述のように、ステップモータMにおいて、零電気角補正値α及び位相角β度を用いて、上記各駆動電圧の印加の際に当該各駆動電圧に与える電気角とマグネットロータMrの磁極位置とを正しく一致させて、マグネットロータMrをA相及びB相の各駆動電圧と正しく同期させるので、ステップモータMは、指針20の帰零位置への戻し調整にあたり、脱調することがない。しかも、上述のようにマグネットロータMrの加速区間としてγ度の位相角を設定し、かつ図8のP点直後のd点ではなくa点で、界磁巻線の誘起電圧を閾値電圧Vthと比較判定するので、このときのステップモータMの回転速度は十分に上昇している。よって、当該判定、換言すれば、指針20の帰零位置への到達との判定は精度よく行える。その結果、当該精度のよい判定を前提とする上記通常処理で、車速センサ60の検出出力に基づきステップモータMにA相及びB相の各駆動電圧を印加すれば、上述のごとく所定の電気角に相当する位相角(即ち、ステップ383での判定時の位相角)から印加されることを前提に、ステップモータMは上記帰零位置に精度よく対応する回転位置から正常に起動して、指針20の指示精度を大幅に向上させ得る。
【0112】
また、上述のようにγ=0.5度と設定してあるので、指針20を上述のように帰零位置から離す方向にステップモータMを回転しても当該指針20は殆ど動かない。従って、当該指針20を見ても何ら違和感はない。
【0113】
なお、ステップ400での通常処理はステップ410でのNOとの判定のもとに繰り返され、イグニッションスイッチIGがオフされると、ステップ410においてYESと判定される。
【0114】
なお、本発明の実施にあたり、上記γ度は、上記実施形態とは異なり、ヒステリシス幅ΔHとしても、上記実施形態と同様の作用効果を達成できる。また、指針20が動いてもよい場合には、上記γ度は、0.5度よりも大きくしてもよい。
【0115】
なお、上記実施形態では、指針20が、ストッパ機構Sの係止に伴い停止するときの帰零電圧の位相角を零電気角補正値αとする例について説明したが、これに代えて、指針20のストッパ機構Sの係止に伴う停止状態において、ステップモータMにA相及びB相の各駆動電圧を印加することで、ストッパ機構Sの係止が解除されるときにA相及びB相の両巻線の一方に生ずる誘起電圧が閾値電圧Vth以下になる際、当該各駆動電圧の一方の位相角を上記零電気角補正値αとしてEEPROM90に書き込むようにしても、上記実施形態と同様の作用効果を達成できる。
【0116】
また、本発明の実施にあたり、ステップモータMの各界磁巻線に印加する駆動電圧や帰零電圧は、余弦波状電圧に限ることなく、正弦波状電圧、台形波状電圧、三角波状電圧等の交流電圧や交流電流等の交流信号であればよい。
【0117】
また、本発明の実施にあたり、指示計器は、車速を指示するものに限ることなく、乗用車のエンジンの回転数や燃料の残量等のアナログ値を指示するものであってもよい。
【0118】
また、本発明の実施にあたり、乗用車用指示計器に限ることなく、バス、トラックや自動二輪車等の各種車両用指示計器その他各種の指示計器に本発明を適用して実施してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る乗用車用指示計器の一実施形態を示す正面図である。
【図2】図1の指示計器の部分断面図である。
【図3】図2の指針並びに回動内機に内蔵したステップモータ及びストッパ機構の斜視図である。
【図4】図3のステップモータの平面図である。
【図5】上記実施形態の電気回路構成図である。
【図6】図5のマイクロコンピュータの作用を表すフローチャートの前段部である。
【図7】図5のマイクロコンピュータの作用を表すフローチャートの後段部である。
【図8】指針の帰零位置への到達を判定するための過程を示す説明図である。
【図9】指針の回動に伴うヒステリシスを示すグラフである。
【図10】帰零電圧の波形を示すタイミングチャートである。
【図11】EEPROMに零電気角補正値を書き込むための電気回路構成図である。
【図12】図11のマイクロコンピュータの作用を示すフローチャートの一部である。
【図13】図11のマイクロコンピュータの作用を示すフローチャートの一部である。
【図14】図11のマイクロコンピュータの作用を示すフローチャートの一部である。
【図15】図11のマイクロコンピュータの作用を示すフローチャートの一部である。
【図16】図11のマイクロコンピュータの作用を示すフローチャートの一部である。
【図17】図11のマイクロコンピュータの作用を示すフローチャートの一部である。
【図18】A相及びB相の各帰零電圧及び各駆動電圧を示すタイミングチャートである。
【図19】従来の指示計器において指針を帰零位置に戻す際の動作を各帰零電圧との関係で説明するための図である。
【符号の説明】
10a…目盛り盤、11…車速表示部、20…指針、
32、33…界磁巻線、50…マイクロコンピュータ、
70、80…駆動装置、70a、80a…駆動回路、
70b、70c、80b、80c…切り替えスイッチ、90…EEPROM、
M…ステップモータ、Mr…マグネットロータ、Ms…ステータ、
S…ストッパ機構。

Claims (4)

  1. アナログ値を下限値から上限値にかけて円弧状に表示してなる表示部を有する目盛り盤と、
    この目盛り盤の面に沿い回動する指針と、
    交流の駆動信号を入力されて交流磁束を発生する界磁巻線を備えたステータと、このステータ内で同軸的に回転可能に支持されて前記交流磁束に応じて回転するマグネットロータとを備えるステップモータと、
    前記マグネットロータの回転に伴い減速回転しこれに応じて前記指針を回動する減速歯車手段と、
    前記指針が前記アナログ値の前記下限値に対応する帰零位置まで戻ったとき前記減速歯車手段の減速回転を停止するストッパ手段と、
    アナログ入力に応じて前記駆動信号を前記界磁巻線に出力する駆動信号出力手段と、
    前記指針を前記帰零位置に戻すとき交流の帰零信号を前記界磁巻線に出力する帰零信号出力手段とを備える車両用指示計器において、
    前記帰零信号が、前記帰零信号出力手段による出力の際に零位相角に調整されて前記界磁巻線に出力された後、少なくとも二回目以後の零レベルに対応する位相角に進んで前記界磁巻線から遮断されたとき、この遮断時に生ずる前記界磁巻線の誘起電圧が前記ストッパ手段による前記減速歯車手段の減速回転の停止を特定する所定の低電圧以下になるときの前記帰零信号の位相角を零点電気角補正値として記憶する記憶手段と、
    前記帰零信号の位相角を前記零点電気角補正値だけ調整する位相角調整手段(と、 前記帰零信号が前記位相角調整手段による調整後前記帰零信号出力手段により前記界磁巻線に出力された状態にて当該帰零信号の位相角と前記マグネットロータの磁極との間の同期化を行う同期化手段と、
    前記帰零信号が、前記帰零信号出力手段による前記界磁巻線への出力後、少なくとも二回目以後の零レベルに対応する位相角に進んだか否かにつき判定する第1判定手段と、
    この第1判定手段による進んだとの判定に伴い前記界磁巻線が前記帰零信号から遮断されて生ずる誘起電圧が前記ストッパ手段による前記減速歯車手段の減速回転の停止を表す所定の低電圧以下か否かを判定する第2判定手段とを備え、
    前記駆動信号出力手段は、前記第2判定手段による前記所定の低電圧以下との判定に対応する位相角から前記駆動信号を出力することを特徴とする車両用指示計器。
  2. アナログ値を下限値から上限値にかけて円弧状に表示してなる表示部を有する目盛り盤と、
    この目盛り盤の面に沿い回動する指針と、
    交流の駆動信号を入力されて交流磁束を発生する界磁巻線を備えたステータと、このステータ内で同軸的に回転可能に支持されて前記交流磁束に応じて回転するマグネットロータとを備え、当該マグネットロータの回転に応じて前記指針を回動するステップモータと、
    前記指針が前記アナログ値の前記下限値に対応する帰零位置まで戻ったとき当該指針を停止させるストッパ手段と、
    アナログ入力に応じて前記駆動信号を前記界磁巻線に出力する駆動信号出力手段と、
    前記指針を前記帰零位置に戻すとき交流の帰零信号を前記界磁巻線に出力する帰零信号出力手段とを備える車両用指示計器において、
    前記帰零信号が、前記帰零信号出力手段による出力の際に零位相角に調整されて前記界磁巻線に出力された後、少なくとも二回目以後の零レベルに対応する位相角に進んで前記界磁巻線から遮断されたとき、この遮断時に生ずる前記界磁巻線の誘起電圧が前記ストッパ手段による前記指針の停止を特定する所定の低電圧以下になるときの前記帰零信号の位相角を零点電気角補正値として記憶する記憶手段と、
    前記帰零信号の位相角を前記零点電気角補正値だけ調整する位相角調整手段と、
    前記帰零信号が前記位相角調整手段による調整後前記帰零信号出力手段により前記界磁巻線に出力された状態にて当該帰零信号の位相角と前記マグネットロータの磁極との間の同期化を行う同期化手段と、
    前記帰零信号が、前記帰零信号出力手段による前記界磁巻線への出力後、少なくとも二回目以後の零レベルに対応する位相角に進んだか否かにつき判定する第1判定手段と、
    この第1判定手段による進んだとの判定に伴い前記界磁巻線が前記帰零信号から遮断されて生ずる誘起電圧が前記ストッパ手段による前記指針の停止を表す所定の低電圧以下か否かを判定する第2判定手段とを備え、
    前記駆動信号出力手段は、前記第2判定手段による前記所定の低電圧以下との判定に対応する位相角から前記駆動信号を出力することを特徴とする車両用指示計器。
  3. 前記同期化手段による同期化のもと、前記帰零信号をその位相角を所定の戻し角だけ戻すように前記界磁巻線に出力して前記ステップモータに加速区間を与える加速区間付与手段を備えて、
    前記帰零信号出力手段は、前記所定の戻し角から前記帰零信号を前記界磁巻線に出力し、
    前記第1判定手段は、前記帰零信号が前記所定の戻し角から少なくとも二回目以後の零レベルに対応する位相角に進んだか否かにつき判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用指示計器。
  4. 前記同期化手段は、
    前記帰零信号が前記位相角調整手段による調整後前記帰零信号出力手段により前記界磁巻線に出力された状態にて所定の位相角だけ進んだか否かを判定する進み判定手段と、
    この進み判定手段による進んだとの判定に伴い前記帰零信号をその位相角にて前記零点電気角補正値に対応する位相角に戻すように前記界磁巻線に出力する戻し信号入力手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の車両用指示計器。
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