JP4113686B2 - 指針式表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、指針式表示装置に関し、より詳細には、車両のイグニッションスイッチのオン時は駆動手段を制御して表示対象となる測定量に応じた指示位置まで指針を移動させ、前記イグニッションスイッチのオフ時は予め定められた初期指示位置を前記指針に指示させる指針式表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車速を表示するスピードメータ或いはエンジンの回転数を表示するタコメータ等に代表される指針式表示装置においては、指針を回動させるためのクロスコイル、ステップモータ等の駆動部を備え、この駆動部をマイクロコンピュータ(以下、μCOMという)によって制御して計測量に応じた指示位置まで指針を回動させている。
【0003】
例えば、車両のイグニッション(IGN)スイッチのONに応じてμCOMは起動されると、プログラムにて定められた0位置等の初期指示位置を指針に指示させるための駆動信号を駆動部に出力した後、各種センサからの入力信号により定まる目標角度まで指針を回動させるための駆動信号を駆動部に出力することで、指針を駆動させている。そして、IGNスイッチのOFFに応じて駆動部の駆動を停止させると、指針はヒゲゼンマイや帰零磁石等によって初期指示位置まで回動して復帰する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した指針式表示装置においては、μCOMの動作中に車両の走行中の振動等によってIGNスイッチのチャタリングが生じると、IGNスイッチのON→OFF→ONへの状態変化をμCOMが検出してしまうことがある。この場合、IGNスイッチがOFFされてすぐに再度ONされることとなり、指針が初期指示位置に復帰する前にIGNスイッチがONされると、この再起動によって0位置に強制的に復帰させるなどの初期処理を行うため、通常動作に復帰するまでに時間を要してしまい、運転者に対する表示に違和感を与えてしまう可能性があった。さらに、このチャタリングが頻発すると、表示内容の信頼性の低下にも繋がる可能性がある。特に、このチャタリングは車両の走行中に起こるため、早急な対応が求められていた。
【0005】
よって本発明は、上述した問題点に鑑み、表示に対するチャタリングの影響を低減することができる指針式表示装置を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明によりなされた請求項1記載の指針式表示装置は、図1の基本構成図に示すように、車両のイグニッションスイッチ40のオン時は駆動手段14を制御して表示対象となる測定量に応じた指示位置まで指針を移動させ、かつ、前記イグニッションスイッチ40のオフ時は予め定められた初期指示位置を前記指針が指示した状態で動作を停止する指針式表示装置において、前記イグニッションスイッチ40のオフに応じて、前記指針を前記初期指示位置に復帰させるように前記駆動手段14を制御する復帰制御手段21aと、前記指針の前記初期指示位置への前記復帰を検出する復帰検出手段21bと、前記復帰制御手段21aの制御中における前記イグニッションスイッチ40のオフからオンへの状態変化を検出する状態変化検出手段21cと、をさらに備え、前記復帰制御手段21aが前記制御を開始した後、前記復帰検出手段21bが前記復帰を検出する前に、前記状態変化検出手段21cが前記状態変化を検出すると、前記復帰制御手段21aは前記制御を停止し、前記イグニッションスイッチ40のオン時の前記指針の移動を再開して、表示に対する前記イグニッションスイッチのチャタリングの影響を低減するようにしたことを特徴とする。
【0007】
上記請求項1に記載した本発明の指針式表示装置によれば、イグニッションスイッチ40がオフされると、復帰制御手段21aによって指針を初期指示位置に復帰させるように駆動手段14が制御される。そして、指針の復帰動作が開始され、その後指針が初期指示位置に復帰したことが復帰検出手段21bによって検出されると、初期指示位置を指針が指示した状態で動作が停止される。また、復帰制御手段21aが制御を開始した後、指針が初期指示位置に復帰する前に状態変化検出手段21cによってイグニッションスイッチ40のオフからオンへの状態変化が検出されると、復帰制御手段21aによって制御が停止され、イグニッションスイッチ40のオン時の測定量に応じた指示位置まで指針を駆動させる制御が再開される。
【0008】
よって、イグニッションスイッチ40がオフされると、指針が初期指示位置に復帰するまで駆動手段14を制御し、指針が初期指示位置に復帰する前にイグニッションスイッチ40が再度オン状態に変化した場合は、チャタリングが発生したことを推定することができるため、チャタリングによる再起動時は0位置検出、指針の0位置への移動等の初期処理を行わないようにすることで、速やかに通常動作に復帰することができる。従って、チャタリングによってイグニッションスイッチ40がオフ状態からオン状態に変化しても速やかに通常の表示を再開するので、表示に対するチャタリングの影響を低減させることができる。
【0009】
上記課題を解決するためになされた請求項2記載の発明は、図1の基本構成図に示すように、請求項1に記載の指針式表示装置において、前記駆動手段14は、ステップモータを有して構成し、前記ステップモータの指示している指示位置を示す指示位置情報を出力する指示位置情報出力手段12をさらに備え、前記復帰検出手段21bは、前記指示位置情報出力手段12が出力した前記指示位置情報に基づいて前記検出を行うことを特徴とする。
【0010】
上記請求項2に記載した本発明の指針式表示装置によれば、指針はステップモータによって駆動され、このステップモータの指示位置は指示位置情報として指示位置情報出力手段12によって出力される。そして、この指示位置情報に基づいて指針の初期指示位置への復帰が復帰検出手段21bによって検出される。よって、指示位置情報出力手段12をさらに備えて構成することで、指針が初期指示位置に復帰したことを確認した後に処理を終了することができるため、チャタリングの発生をより一層正確に検出できる。従って、チャタリングを正確に検出することができるため、表示に対するチャタリングの影響をより一層低減させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る指針式表示装置の一実施の形態を、図2〜図4の図面を参照して説明する。
【0012】
ここで、図2は本発明に係る指針式表示装置の概略構成を示す構成図であり、図3はエンコーダの構成及びエンコーダ出力(グレイコード)を説明する図であり、図4は図2のCPUが行う処理概要の一例を示すフローチャートである。
【0013】
指針式表示装置は、図2に示すように、表示部10と、制御部に相当するマイクロコンピュータ(μCOM)20と、センサ部30とを有して構成している。
【0014】
表示部10は、指針11と、エンコーダ12と、指標13と、ステップモータ14と、ギア群15とから構成されている。指針11は、基端111と先端112を有しており、基端111がエンコーダ12に接合されている。この接合状態において先端112は指標13に位置付けられている。
【0015】
エンコーダ(指示位置情報出力手段に相当)12は、回転量に応じた所定のコード情報(指示位置情報)を出力する機構として構成され、より詳細には図3に示す構成を有している。図3(a)の断面図に示すように、このエンコーダ12は、スリット円盤121と、シャフト123と、軸受け124と、受光素子125と、発光素子126と、ホルダ127とから構成されている。
【0016】
スリット円盤121は、図3(b)に示すように、円形板状の外観を有している。そして、このスリット円盤121には、異径の同心円上に、所定パターンの複数のスリット122が形成されている。また、このスリット円盤121の中心には、スリット円盤121を支持するシャフト123が接合されている。
【0017】
このシャフト123は、図3(a)に示すように、軸受け124を介してホルダ127に回転自在に取り付けられている。ホルダ127に取り付けられた状態において、シャフト123の先端はホルダ127外部に突出しており、この先端に上述した指針11の基端111が接合される。また、スリット円盤121は、ホルダ127の内部空間に配置され、シャフト123とともに回転する。
【0018】
また、ホルダ127には、スリット円盤121を挟んで上部に複数の受光素子125が配設され、下部に複数の発光素子126が配設されている。これらの受光素子125と発光素子126は互いに対をなしてフォトインタラプタを構成しており、上記スリット122に関連した位置、すなわち異径の同心円上にそれぞれ配置されている。
【0019】
従って、スリット円盤121が回転し、受光素子125及び発光素子126の配置された場所にスリット122が位置付けられると、上記発光素子126からの光が到達して受光素子125は電圧信号を出力する。このように、このエンコーダ12では、指針11の回転に応じてスリット円盤121が回転し、指針11の実際の指示位置に応じた指示位置情報が出力される。
【0020】
このエンコーダ12からの出力される信号は、図3(c)に示す信号となっている。同図は、スピードメータにおける速度とエンコーダ出力の関係を示した模式図であり、スリット122が5段になっているもの、すなわち発光素子126及び受光素子125の対を5組備えたものの出力信号を例示している。
【0021】
同図において、第1とあるのは第1番目の発光・受光素子対からの出力を示し、第2とあるのは第2番目の発光・受光素子対からの出力を示している。このように、第1〜第5とあるのは各発光・受光素子対の出力を示している。そして、これら第1〜第5の各出力は、第1の出力が第1桁目のビットに、第2の出力が第2桁目のビットに、・・・といったように、それぞれが各桁のビットに対応し、5ビットのコード情報を形成している。以下、このコード情報のことをグレイコードという。
【0022】
そして、同図に示すように、このエンコーダ12では、車速が0km/h以上〜5km/hのときはグレイコード「00000」が出力される。そして車速が5km/hを越えた時点では第1番目の発光・受光素子対の出力がオン状態すなわち「1」に変化してグレイコード「00001」が出力される。同様に、車速が10km/hを越えた時点で第2番目の発光・受光素子対からの出力がオン状態となりグレイコードは「00011」に変化する。
以下、このグレイコードは5km/h毎に切り替わり、各速度範囲に対応したグレイコードが出力される。
このように、エンコーダ12からはグレイコードで指針11が実際に指示している指示位置の指示範囲が出力される。
【0023】
図2に示すように、指標13は、指針11の先端112の位置に対応して形成された目盛り(同図においては一部分のみ示す)であり、スピードメータにおいては車速の目盛りとなっている。なお、本実施の形態としてスピードメータを例示するが、本発明はこの実施形態に限ることなくタコメータなど他の針式表示装置にも適用することができる。
【0024】
また、ステップモータ14は、本体141と、駆動軸142とから構成されている。この駆動軸142は、自らの先端部分が本体141から突出するように本体141内に収容されている。この収容状態において、駆動軸142は本体141に対して軸方向を中心に回転自在となっている。そして、本体141にμCOM20からの駆動情報が入力されると、この駆動情報に応じて本体141は、駆動軸142を単位角度だけ正方向(同図において符号+にて示す)あるいは負方向(同符号−にて示す)に回転させる。
【0025】
ギア群15は、エンコーダ側ギア151と、中間ギア152と、モータ側ギア153とから構成されている。エンコーダ側ギア151はエンコーダ12のシャフト123に接合されており、モータ側ギア153はステップモータ14の駆動軸142に接合されている。また中間ギア152は、エンコーダ側ギア151とモータ側ギア153との間に、双方のギアと噛合するように配設されている。そして、このギア群15は、ステップモータ14からの回転をエンコーダ12に伝達する。
【0026】
次に、μCOM20は、周知のように、予め定めたプログラムに従って各種の処理や制御などを行う中央演算処理装置(CPU)21、CPU21のためのプログラム等を格納した読み出し専用のメモリであるROM22、各種のデータを格納するとともにCPU21の処理作業に必要なエリアを有する読み出し書き込み自在のメモリであるRAM23等を有して構成している。
【0027】
また、RAM23は、計測量に応じた目標振れ角、ステップモータ14に指示した現在振れ角、エンコーダ12からの指示位置等の各種情報を格納する格納エリアを有して構成している。
【0028】
センサ部30は、この装置により表示対象となる情報を取得する機構として構成されており、例えばスピードメータにあっては、車両が一定距離を走行する毎にパルス信号を出力する車速センサとして構成されている。そして、このセンサ部30から出力されたパルス信号は、上述したμCOM20に送出される。そして、μCOM20内にてこのパルス信号の送出間隔を取得することにより車速が算出される。なお、このセンサ部30は、エンジン回転センサ、燃料残量センサ等の表示対象に対応したセンサを有して構成するものである。
【0029】
また、μCOM20には車両のイグニッションスイッチ(IGNスイッチ)40を接続しており、μCOM20はIGNスイッチ40のON/OFF状態を検出可能な構成となっている。
【0030】
次に、図2に示すCPU21が行う本発明に係る処理概要の一例を、図4のフローチャートを参照して以下に説明する。なお、本実施の形態では、説明を簡単化するために、図4のフローチャートは本発明に係る処理概要のみを示す。
【0031】
図4において、車両のバッテリ(図示せず)からの電力の供給によりCPU21が起動されると、初期処理などが実行され、その後ステップS21において、センサ部30からセンサ信号が測定量情報としてRAM23に取り込まれ、その後ステップS22において、この測定量情報に基づいた目標振れ角がRAM23に算出され、その後ステップS23において、現在指示している振れ角から目標振れ角までを円滑に移動させるための変化量が加算されてステップモータ14に指示すべきRAM23の現在振れ角が更新され、その後ステップS24に進む。
【0032】
ステップS24において、更新した現在振れ角まで指針11を回動させるための駆動情報が生成されて駆動部10に出力されることで、指針11は現在振れ角が示す指示位置まで回動され、その後ステップS25に進む。
【0033】
ステップS25において、IGNスイッチ40がONからOFFに変化したか否かが判定される。IGNスイッチ40がOFFされていないと判定された場合は(ステップS25でN)、ステップS26に進む。
【0034】
ステップS26において、RAM23の現在振れ角と目標振れ角が等しいか否かが判定される。現在振れ角と目標振れ角が等しくない、つまり、指針11が目標振れ角に到達していないと判定された場合は(ステップS26でN)、ステップS23に戻り、一連の処理を繰り返す。一方、現在振れ角と目標振れ角が等しい、つまり、指針11が目標振れ角に到達したと判定された場合は(ステップS26でY)、ステップS21に戻り、新たな計測量に対して一連の処理を繰り返す。
【0035】
また、ステップS25でIGNスイッチ40がOFFされたと判定された場合は(ステップS25でY)、ステップS27に進む。そして、ステップS27において、RAM23の目標振れ角としてROM22に予め設定してある初期指示位置(例えば、スピードメータの0km/hなど)が設定され、現在指示している振れ角から初期指示位置までを円滑に移動させるための変化量が加算されてステップモータ14に指示すべきRAM23の現在振れ角が更新され、この現在振れ角まで指針11を回動させるための駆動情報が生成されて駆動部10に出力されることで、指針11は初期指示位置に向かって現在振れ角が示す指示位置まで回動され、その後ステップS28に進む。
【0036】
ステップS28において、エンコーダ14が出力した指示位置情報がRAM23に取り込まれ、その後ステップS29において、取り込んだ指示位置情報に基づいて指針11が初期指示位置であるか否かが判定される。指針11が初期指示位置であると判定された場合は(ステップS29でY)、指針11は初期指示位置に戻ったと見なし、指針11の駆動制御を終了する。
【0037】
また、ステップS29で指針11が初期指示位置ではないと判定された場合は(ステップS29でN)、ステップS30に進む。そして、ステップS30において、IGNスイッチ40がOFFからONに再度変化したか否かが判定される。IGNスイッチ40がONされていないと判定された場合は(ステップS30でN)、ステップS27に戻り、一連の処理を繰り返す。
【0038】
また、ステップS30でIGNスイッチ40がONされたと判定された場合は(ステップS30でY)、チャタリングの発生によってIGNスイッチ40のOFF/ONが発生したものと見なし、ステップS21に戻って新たな計測量に対して一連の処理を繰り返す。
【0039】
つまり、指針11が初期指示位置に復帰する前にIGNスイッチ40が再度ONされてチャタリングの発生に応じた再起動であると判定された場合は、通常の起動時とは異なり、初期処理を行わずに指針11の駆動制御が再開される。
【0040】
以上の説明からも明らかなように、ステップS27〜S28によってIGNスイッチ40のオフに応じて、指針を初期指示位置に復帰させるようにステップモータ(駆動手段)14を制御していることから、ステップS27〜S28が復帰制御手段に相当する。また、ステップS29の判定処理によって、指針11の初期指示位置への復帰を検出していることから、ステップS29が復帰検出手段に相当する。また、ステップS30の判定処理によって、指針11の初期指示位置への復帰動作中にIGNスイッチ40のオフからオンへの状態変化を検出していることから、ステップS30が状態変化検出手段に相当する。よって、本実施の形態では、CPU21が復帰制御手段、復帰検出手段、状態変化検出手段として機能している。
【0041】
次に、上述した構成による本実施の形態の動作(作用)の一例について説明する。
【0042】
IGNスイッチ40がオン状態の時は、センサ部30からの表示対象となる測定量を示すセンサ信号に基づいた指示位置に指針11を移動させるためにステップモータ14の制御が行われる(ステップS21〜S26)。そして、IGNスイッチ40がオフ状態に変化したことを検出すると(ステップS25でY)、初期指示位置に指針11を復帰させるステップモータ14の駆動が開始されると共に、IGNスイッチ40における再度オン状態への変化が監視される(ステップS27〜S30)。
【0043】
IGNスイッチ40が再度オン状態に変化する前に、指針11が初期指示位置に復帰したことが検出されると(ステップS29でY)、指針式表示装置は表示を終了する、つまり、IGNスイッチ40のオフ時は予め定められた初期指示位置を指針11が指示した状態で指針式表示装置は動作を停止する。
【0044】
また、指針11が初期指示位置に復帰する前に、IGNスイッチ40が再度オン状態に変化したことが検出されると(ステップS30でY)、チャタリングの発生によってIGNスイッチ40にOFF/ONの状態変化が発生したものと見なし、上述した測定量に指示位置への指針11の移動制御が再開される(ステップS21〜S26)。
【0045】
以上説明したように、IGNスイッチ40がオフされると、指針11が初期指示位置に復帰するまでステップモータ(駆動手段)14を制御し、指針11が初期指示位置に復帰する前にIGNスイッチ40が再度オン状態に変化した場合は、チャタリングが発生したことを推定することができるため、チャタリングによる再起動時は0位置検出、指針11の0位置への移動等の初期処理を行わないようにすることで、速やかに通常動作に復帰することができる。従って、チャタリングによってIGNスイッチ40がオフ状態からオン状態に変化しても速やかに通常の表示を再開するので、表示に対するチャタリングの影響を低減させることができる。
【0046】
また、エンコーダ(指示位置情報出力手段)12をさらに備えて構成することで、指針11が初期指示位置に復帰したことを確認した後に処理を終了することができるため、チャタリングの発生をより一層正確に検出できる。よって、チャタリングを正確に検出することができるため、表示に対するチャタリングの影響をより一層低減させることができる。
【0047】
なお、上述した本実施の形態では、駆動手段にステップモータ14を用いた場合について説明したが、本発明はこれに限定するものではなく、駆動手段にクロスコイル式計器等を用いても差し支えない。また、位置検出手段もエンコーダ12に限定したものではなく、接点構造による検出、駆動手段に出力する駆動情報による検出など種々異なる実施の形態とすることができる。
【0048】
また、上述した本実施の形態では、チャタリングによって再起動されると、その時点の計測量に応じた指示位置まで指針11を移動させる場合について説明したが、チャタリング発生によってIGNスイッチ40がオフされたときにRAM23に記憶した現在振れ角をそのまま再起動時の指示位置とする実施の形態とすることもできる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載した本発明の指針式表示装置によれば、イグニッションスイッチがオフされると、指針が初期指示位置に復帰するまで駆動手段を制御し、指針が初期指示位置に復帰する前にイグニッションスイッチが再度オン状態に変化した場合は、チャタリングが発生したことを推定することができるため、チャタリングによる再起動時は0位置検出、指針の0位置への移動等の初期処理を行わないようにすることで、速やかに通常動作に復帰することができる。従って、チャタリングによってイグニッションスイッチがオフ状態からオン状態に変化しても速やかに通常の表示を再開するので、表示に対するチャタリングの影響を低減させることができるという効果を奏する。
【0050】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、指示位置情報出力手段をさらに備えて構成することで、指針が初期指示位置に復帰したことを確認した後に処理を終了することができるため、チャタリングの発生をより一層正確に検出できる。従って、チャタリングを正確に検出することができるため、表示に対するチャタリングの影響をより一層低減させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の指針式表示装置の基本構成を示す図である。
【図2】本発明に係る指針式表示装置の概略構成を示す構成図である。
【図3】エンコーダの構成及びエンコーダ出力(グレイコード)を説明する図である。
【図4】図2のCPUが行う処理概要の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
12 指示位置情報出力手段(エンコーダ)
14 駆動手段(ステップモータ)
21a 復帰制御手段(CPU)
21b 復帰検出手段(CPU)
21c 状態変化検出手段(CPU)
40 イグニッションスイッチ

Claims (2)

  1. 車両のイグニッションスイッチのオン時は駆動手段を制御して表示対象となる測定量に応じた指示位置まで指針を移動させ、かつ、前記イグニッションスイッチのオフ時は予め定められた初期指示位置を前記指針が指示した状態で動作を停止する指針式表示装置において、
    前記イグニッションスイッチのオフに応じて、前記指針を前記初期指示位置に復帰させるように前記駆動手段を制御する復帰制御手段と、
    前記指針の前記初期指示位置への前記復帰を検出する復帰検出手段と、
    前記復帰制御手段の制御中における前記イグニッションスイッチのオフからオンへの状態変化を検出する状態変化検出手段と、
    をさらに備え、
    前記復帰制御手段が前記制御を開始した後、前記復帰検出手段が前記復帰を検出する前に、前記状態変化検出手段が前記状態変化を検出すると、前記復帰制御手段は前記制御を停止し、前記イグニッションスイッチのオン時の前記指針の移動を再開して、表示に対する前記イグニッションスイッチのチャタリングの影響を低減するようにしたことを特徴とする指針式表示装置。
  2. 前記駆動手段は、ステップモータを有して構成し、
    前記ステップモータの指示している指示位置を示す指示位置情報を出力する指示位置情報出力手段をさらに備え、
    前記復帰検出手段は、前記指示位置情報出力手段が出力した前記指示位置情報に基づいて前記検出を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の指針式表示装置。
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