(第1の実施の形態)
図1には、第1の実施の形態に係るパチンコ機10が示されている。パチンコ機10は外枠12を備え、外枠12の前面には、窓部を有する額縁状の内枠14の一側部(図1の左辺部)が開閉可能に取付けられている。
内枠14には、複数の表示灯62やスピーカ64が設けられている。また、内枠14の中央には、窓部となっており、この窓部には紙面奥行き方向に所定の間隔で互いに平行とされた一対のガラス16(二重構造)が装着されたガラス枠20が設けられている。また、内枠14の図1の右辺部には施錠装置(シリンダ)22が設けられている。
ガラス枠20の下方位置には、球皿部24を備えた一体皿26が配設されている。この一体皿の球皿部24には、貯球タンク(図示省略)と連通し、この貯球タンク内のパチンコ球を球皿部24へ流出させる連通口23が設けられている。
一体皿26は、その一側部(図1の左辺部)が内枠14に対して開閉可能に取付けられている。一体皿26の前面には、左側下部に灰皿28が配置され、右側下部には発射装置164(図3参照)から発射する打球の飛距離を調整するための発射ハンドル30が設けられている。
また内枠14の窓部には、遊技盤載置台に載せて交換可能とされた遊技盤32が窓部に対応して設置されている。
図2に示される如く、遊技盤32は、外バンド36及び内バンド38によって囲まれた略円形状の遊技領域40が形成されている。
遊技領域40には、図示しない釘や風車の他、センター役物42、当該センター役物42に設けられた表示部43、並びに大入賞口(変動入賞装置)44等の役物、始動口46や通過装置48、一般入賞口49等の遊技部品が取り付けられており、最下位置にアウト口54が配置されている。なお、センター役物42の上端部には、普通図柄表示装置42Aが設けられている。
通過装置48は、前記普通図柄表示装置42Aの始動トリガとなっており、通過装置48をパチンコ球が通過すると普通図柄抽選が実行され、当たりの場合、普通図柄表示装置42Aの表示が当りを表示し、電動チューリップ47が開放し、選択入賞口としての始動口46への入賞の確率が物理的に高まるようになっている。
また、表示部43の上部には、保留ランプ100が設けられており、第1の実施の形態では、最大4個の保留が可能であるため、この数に対応した4個の保留ランプ100が設けられている。
保留とは、前記表示部43において、図柄変動パターン演出を実行中に新たに始動口46に入賞した場合に、この入賞により実行された抽選の結果の報知を待機することを言う。なお、大当たり処理中に始動口46に入賞した場合も、表示部43が大当たり処理演出の動画パターンを再生しているため、保留の対象となる。但し、保留する数には限度があり(第1の実施の形態では4個)、これ以上の始動口46への入賞は保留の対象とはならない。
図3には、パチンコ機10を制御するための制御系の概略が示されている。制御系は、主制御部150を中心として構成されている。主制御部150には、遊技に関する基本的なプログラムが記憶されており、この主制御部150からの命令信号に基づいて、各部の動作が制御されるようになっている。
この主制御部150には、始動口46に設けられた始動入賞センサ168、通過装置48や入賞装置49に設けられた通過/入賞センサ172並びに大入賞口44に入賞したパチンコ球を検出する大入賞口センサ173、アウト口54を通過して回収されるパチンコ球を検出するアウト球検出センサ179が接続されている。なお、大入賞口44には、大入賞口の開閉動作を継続するためのVゾーンが設けられており、このVゾーンにもVゾーンセンサ177が設けられており、主制御部150に接続されている。なお、Vゾーンセンサ177を省略し、大入賞口センサ173のみにするものでもよい。
さらに、主制御部150には、始動入賞口46に設けられた電動チューリップ47(図2参照)を開閉させるためのソレノイド174、大入賞口44を開閉させるためのソレノイド175が接続されている。
また、主制御部150からは盤用外部端子190を介してホールコンピュータへ遊技の進行状態を示す情報が出力されるようになっている。
ここで、パチンコ球が始動口46に入賞すると、これを始動入賞センサ168で検出することで抽選が実行されるようになっており、当たりの場合は、通常遊技状態から特別遊技状態へ遊技状態が移行されるようになっている。
一方、この主制御部150には、演出制御部152と、払出制御部154とが接続されている。
演出制御部152には、図柄・音声制御部156を介してスピーカ64、センター役物42の表示部(LCD)43、普通図柄表示装置42A、並びに保留ランプ100が接続されている。また、演出制御部152は、パチンコ機10のガラス枠20に取り付けられた複数の表示灯62の点灯・消灯を制御する。なお、表示部43では、前記抽選の結果を報知するための図柄変動パターン演出画像を表示すると共に、スピーカ64からは当該図柄変動パターン演出時のBGMが出力されるようになっている。すなわち、遊技者は、視覚及び聴覚を通じて、抽選の結果を含む演出を楽しむことができる。なお、普通図柄表示装置42A、保留ランプ100は表示部43にて表示するものでもよい。
次に、前記主制御部150に接続された払出制御部154には、パチンコ球の払出しを実行する払出装置192が接続されている。
また、払出制御部154には、発射制御部158が接続されており、発射制御部158は、発射装置164を制御して、遊技者によるハンドル30の操作に応じてパチンコ球を打ち出す。
さらに、払出制御部154では、枠用外部端子194を介して払出情報をホールに設置されたホールコンピュータへ送出するようになっている。
ここで、前記抽選の結果が当たりとなり、表示部43における図柄変動パターン演出並びにスピーカ64からのBGM出力によって、当該当選を報知し終えると、特別遊技状態である大当たり処理が実行される。
この大当たり処理は、前記大入賞口44が所定回数(ラウンド)開放するものである。1ラウンドの開放時間は約30秒とされ、この間に最大10個のパチンコ球が入賞可能となる。すなわち、時間制限である30秒、或いは数制限である10個の何れか一方が先に満足されると、そのラウンドの権利は消滅し、当該大当たり処理中に大入賞口44内のVゾーンへの入賞があった場合に、次のラウンドへ移行することが約束される。なお、Vゾーンを省略し、単に所定個数のカウントをし、それを基に、次に継続するものでもよい。
このため、特別遊技状態では、通常遊技状態よりも短期間で多くの入賞が期待され、遊技者にとって有利な遊技状態とすることができる。
また、前述したように、前記表示部43において、図柄変動パターン演出を実行中に新たに始動口46に入賞した場合、並びに大当たり処理中に始動口46に入賞した場合、保留ランプ100の表示がその分、点灯数が増えていく(最大4個)。
一方、前回の図柄変動パターン演出が終了する、或いは大当たり処理が終了すると、表示部43では、保留分の抽選結果の報知を行うべく、新たな図柄変動パターン演出が開始される。これに伴い、保留ランプ100が1個消灯し、保留分の消化を遊技者に報知する。
ところで、図柄変動パターンは、当たり/外れの抽選の後に、図柄変動パターンの選択抽選によって決められるようになっている。
すなわち、図柄変動パターンは、複数種類あり、その中でも当選の期待値が低いものから高いものまで様々な種類が存在し、遊技者に対して本来の目的である抽選結果の報知とは別に、表示部43での演出による趣向性を提供することができるようになっている。
ここで、上記特別遊技は、パチンコ球の始動口46への入賞があって、はじめて抽選の権利が与えられ、当該抽選の結果が当たりとなり、これを図柄変動パターン演出で報知した後に実行されるものである。従って、遊技者がパチンコ球を発射し、まず、始動口46への入賞がないかぎり、特別遊技への移行はあり得ない。
この場合、従来では、始動口46へパチンコ球が入賞するか否かの調整としては、遊技盤32面上の釘調整が主体となっており、精密な釘調整が強いられていた。このような釘調整は、熟練した技術を要するため、その人材も少なく、釘調整作業にも時間を要していた。
そこで、第1の実施の形態では、釘調整に代わる手段として、通常遊技において所定の第1の条件が成立した場合に、始動口46への入賞と同等の権利、すなわち、始動リプレイを指示する(抽選遊技を実行する権利を付与する)ことで、実際に始動口46への入賞がなくても、抽選遊技実行機会を増加させるようにした。
第1の実施の形態における所定の条件とは、(A)ベース値、(B)選択入賞口ベースとしての始動口ベース値、(C)始動率、(D)始動回数を基準とした、それぞれ定められたしきい値との比較結果であり、上記(A)乃至(D)の何れか1つ、或いは2以上を併合したものを所定の条件としている。以下、第1の実施の形態では、(A)ベース値に基づく始動リプレイを例にとり説明する。
(A) ベース値に基づく条件判別
図4には、主制御部150における、ベース値に基づく条件判別のための制御系を機能的に示したブロックが示されている。
ベース値とは、全ての入賞口(第1の実施の形態では、始動口46及び一般入賞口49)を対象とした、遊技者によるパチンコ球の発射数PTOTALに対する払出数PPAYの割合である。このため、発射数を検出するべく、発射数累積部200には、前述した入賞センサ172及び始動入賞センサ168が接続されると共に、発射数PTOTALを計数するためのアウト口54に設けられたアウト球検出センサ179が接続されている。
発射数累積部200では、前記入賞センサ172、始動入賞センサ168、アウト球検出センサ179によって検出した信号(パルス信号)を、カウントし発射数PTOTALを得る。発射数累積部200で得られた発射数PTOTALは、ベース値演算部202へ送出される。
なお、発射数累積部200には、タイマ201が接続されている。このタイマ201には、発射数累積部200で累積した値をリセットするリセット部203で接続されており、タイマ201で所定時間(例えば、遊技者が交代する程度の時間)を計時し、所定時間が経過した時点で、リセット部203によって累積値をリセットするようにしている。このタイマ201及びリセット部203は、遊技者をまたいでの始動リプレイの付与を極力回避するために設けられている。
また、主制御部150には、通常遊技及び特別遊技等の遊技全般を制御する遊技実行制御部204が設けられている。この遊技実行制御部204には、払出管理部206が接続されており、払い出しが必要となった場合、遊技実行制御部204から払出管理部206へ払出指示信号が送出されるようになっている。
この払出管理部206で演算された払出数PPAYは、払出指示部208を介してコマンドとして払出制御部154へ送出されるようになっている。
前記払出演算部206で演算された払出数PPAYは、前記ベース値演算部202へも送出されるようになっている。
この結果、ベース値演算部202には、発射数PTOTALと払出数PPAYとが入力されるため、これらからベース値Bを演算する(払出数PPAY/発射数PTOTAL)。演算されたベース値Bは、比較部210へ送出されるようになっている。
比較部210には、ベース値の基準値メモリ212が接続されており、前記入力されるベース値Bと比較されるようになっている。この基準値は、店側で操作可能な位置(例えば、パチンコ機10の裏面側)に設けられた設定操作部214の操作によって、6段階に設定可能となっており(表1参照)、設定操作に基づいて、基準値設定部216では、基準値データ群メモリ218から設定操作に対応する設定値(設定1〜6)が読み出され、基準値メモリ212に登録されるようになっている。
なお、基準値データ群メモリ218には、表1に示されるような設定1〜設定6までの基準値データ群が記憶されている。
図5に示される如く、設定操作部214は、主制御部150を構成する基板上の設定部コントローラ214Aと、前記基板或いは基板を保護するための保護カバー等に設けられた設定キーシリンダ214Bと、7セグメント表示部214Cと、で構成されている。
設定部コントローラ214Aは、キーシリンダ214Bに特定のキーを挿入操作することで起動するようになっており、キーは、店側が保管することになる。
操作手順としては、キーをキーシリンダ214Bへ挿入すると、設定部コントローラ214Aが起動して、まず、現在の設定値(1〜6の何れか)を7セグメント表示部214Cに表示する。設定を変更する場合には、キーを図5の時計回り方向に90°回転し、続けて反時計回り方向に90°回転して元の位置に戻すことで、設定値が1〜6の間でローテーションし、その都度、設定されている状態が表示される。なお、設定操作部214に関しては、設定値が1〜6に変更できれば、構造、操作手順は限定されるものではない。
図4に示される如く、前記比較部210では、演算されたベース値(所定の第1の条件)に基づいて、基準値メモリ212に登録されているデータ群の何れに属するかを比較判別し、判定確率を決定する。決定した判定確率は、始動リプレイ抽選部220へ送出され、当該決定した判定確率の下での抽選で始動リプレイ(すなわち、抽選遊技を実行する権利の付与)を実行するか否かを判断し(所定の第2の条件)、始動リプレイに当選した場合には、始動リプレイ指示部222で一旦カウント記憶した後、当該カウント記憶に基づき前記遊技実行制御部204へ抽選遊技を指示する。
遊技実行制御部204では、始動リプレイ指示が入力されると、保留メモリ204Aに記憶されている始動記憶の数に拘わらず、最優先で始動リプレイ指示による抽選を実行する。
すなわち、ベース値が低ければ低いほど、抽選遊技を実行する権利を付与する可能性を高くすることで、遊技者にとって不利な状態を是正するようにしている。
以下に、第1の実施の形態の作用を説明する。
まず、通常遊技(特別図柄ゲーム、普通図柄ゲーム)の流れを説明する。
遊技者がハンドル30を把持し、発射のための操作を行なうと、このハンドル操作量(回転量)に応じた強度で、パチンコ球が打ち出される。
パチンコ球が打ち出されると、外バンド36及び内バンド38に案内されて盤面32の釘や風車等に当接しながら、予測し得ない移動をしながら落下していく。ここで、始動口46にパチンコ球が入賞すると、所定の確率下で抽選が開始される。例えば、乱数カウンタ等から乱数を取得する。なお、大当たり判定は、前記取得した乱数値と予め設定した当たり値との照合をすることで、当たり/外れを判定するものである。
抽選の結果が当りの場合は、大当たり処理の実行が開始され、予め設定したラウンド数(例えば、15ラウンド)の大当たり処理が実行される。この大当たり処理中は、大入賞口44がほとんど開放状態であるため、遊技者によって有利な状態とすることができる。所定ラウンドの大当たり処理が終了すると、通常の遊技に戻る。
ところで、図柄変動パターンの内、リーチパターンとなると、当選の期待値は飛躍的に高まり、遊技者は表示部43での図柄変動パターン演出を期待感を持って見ることになる。
ここで、大当たり処理、すなわち特別遊技となるには、遊技者が発射したパチンコ球が始動口46へ入賞することが大前提となる。すなわち、発射数に対する始動口46への入賞が、ある程度のレベルを維持していることが必要となる。
そこで、第1の実施の形態では、上記ベースに基づいて、実際に釘の状態が悪く始動口46への入賞がない状態でも、必要に応じて、始動口46への入賞があったと同等の権利、すなわち、抽選の権利(始動リプレイ)を遊技者に付与するようにしている。
以下、図6乃至図12のフローチャートに従い、始動リプレイ機能を実現するための制御の流れを説明する。
まず、図6は、全体処理であり、電源が投入されると、ステップ300では初期化処理を行い、次いでステップ302へ移行してリプレイ率設定処理(設定値操作)が実行される(詳細は、図8に従い後述する)。
リプレイ率設定処理が完了すると、ステップ302からステップ304へ移行して乱数処理が電源がオフになるまで無限処理される。すなわち、ステップ302のリプレイ率設定処理は、一度電源をオンして設定を行ったら(行わず、従前のままの場合もある)、電源を一旦オフしないと、設定変更はできないようにしている。これにより、不正による設定変更を防止することができる。
次に、図7(A)は、図6のフローチャートに対して、一定周期で割り込みする、実質的なメイン処理ルーチンであり、ステップ306では、始動口46への入賞、抽選、表示部43での図柄変動パターン演出等の特別図柄ゲーム処理が実行され、次いで、ステップ308では、通過装置48の通過、抽選、電動チューリップの開閉制御等の普通図柄ゲーム処理が実行され、ステップ309へ移行して、入賞球処理(図7(B)参照、後述)を実行し、ステップ310へ移行する。
ステップ310では、始動リプレイを実行するか否かの判断をする計数処理(図9参照、後述)、次いでステップ312では、リプレイ処理(始動リプレイ抽選処理、図10参照、後述)をそれぞれ実行する。
図8は、図6のステップ302で処理されるリプレイ率設定処理ルーチンを示しており、ステップ314では、キーがキーシリンダ214Bに挿入されているか否かが判断される。このステップ314で否定判定、すなわち、電源投入時(投入前)にキーが挿入されていないと判定された場合には、リプレイ率設定処理の意志がないものと判断し、このルーチンは終了する。
また、ステップ314で肯定判定、すなわち、電源投入時(投入前)にキーが挿入されていると判定された場合には、リプレイ率設定処理の意志があるものと判断し、ステップ316へ移行する。ステップ316では、7セグメント表示部214Cに現在の設定値を表示し、ステップ318へ移行する。
ステップ318では、キーがキーシリンダ214Bから外されたか否かが判断され、肯定判定されると、リプレイ率設定処理の終了と判断し、ステップ320で7セグメント表示部214Cの表示を消灯し、このルーチンは終了する。
また、ステップ318で否定判定された場合には、ステップ320へ移行して、キーが往復操作(図5の時計回り方向に90°回転、続いて図5の反時計回り方向に90°回転)がなされたか否かが判断され、否定判定の場合には、ステップ316へ戻る。また、ステップ320で肯定判定された場合には、ステップ322へ移行して、現在のリプレイ率の設定値を更新(1〜6のローテーション)し、ステップ316へ戻る。
図7(B)は、図7(A)のステップ309における入賞球処理の詳細を示しており、ステップ309Aでは、入賞球を検出し、次いでステップ309Bにおいて、始動口46への入賞があったか否かが判断される。
このステップ309Bにおいて肯定判定されると、ステップ309Cへ移行して、前記始動口46への入賞が抽選に対して有効か(有効始動か)否か、すなわち、始動記憶数(保留ランプ100で表示される保留数)の上限を超えていないかが判断される。
このステップ309Cで肯定判定されると、ステップ309Dへ移行して、乱数抽選(乱数取得)並びに取得した乱数を記憶し、次いでステップ309Eで始動記憶数を+1加算してステップ309Fへ移行する。なお、前記ステップ309B及びステップ309Cで否定判定された場合は、ステップ309Fへ移行する。
ステップ309Fでは、後述する計数処理用の入賞情報を記憶して、このルーチンは終了する。
次に、図9は、図7(A)のステップ310における計数処理の詳細を示しており、ステップ324では、大当たり中か否かが判断され、肯定判定された場合には、計数処理を実行する時期ではないため、このルーチンは終了する。
また、ステップ324で否定判定された場合には、ステップ328へ移行して入賞口への入賞があったか否かが判断される。
このステップ328で肯定判定されると、ステップ330へ移行してそれぞれの入賞口への入賞に対する払出数をPPAYに加算、累積し(ベース値に入賞口に対応した賞球数を加算し)、次いでステップ332へ移行して、全ての入賞口への入賞球数の合計(すなわち、今回検出された入賞球の合計数)を発射数PTOTALに加算し、ステップ334へ移行する。また、ステップ328で否定判定された場合には、ステップ334へ移行する。
ステップ334では、アウト口54から排出されるパチンコ球の有無をアウト球検出センサ179に基づいて判別し、ステップ336でアウト球が有りと判断された場合には、ステップ338へ移行して発射数PTOTALに+1を加算し、このルーチンは終了する。
なお、第1の実施の形態において、アウト球が複数同時にアウト口54を通過しないようになっている(後述する第2実施の形態乃至第4の実施の形態でも同様)。
また、ステップ336で否定判定された場合には、このルーチンは終了する。なお、ここで用いられた入賞情報は、図7(A)のステップ309(入賞球処理)におけるステップ309F(図7(B)参照)で記憶された情報に基づいている。
次に、図10は、図7のステップ312におけるリプレイ処理(始動リプレイ抽選処理)の詳細を示しており、ステップ340では、発射数PTOTALが所定値(一定の条件で始動リプレイの実施/不実施を判断するための数)以上になったか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ342へ移行してベース値B(B=PPAY/PTOTAL)を演算し、次いでステップ344へ移行して、発射数から所定値(前記ステップ340で使用した所定値と同じ値の所定値)を減算し(通常は、0になるが、同時に複数の入賞、並びにアウト球が発見された場合、所定数をとび超える事がある(+1〜2個)。この場合、端数は次回判定用に繰り越し、誤差とはならないようにする。よって、ゼロクリアではなく、所定値を減算する。)、ステップ346へ移行する。
なお、ここで、ステップ340及びステップ344における所定数を100(個)とすれば、ベース値B(%)を100倍した値が100個発射した時の払出数(遊技者への割戻し数)と考えることができる。
ステップ346では、基準値メモリ212に登録されている現在の設定値(設定1〜設定6)を読み出し、次いでステップ348で、前記演算されたベース値Bと、読み出された設定値の中のそれぞれのベース値とを比較して、対応する判定確率に基づいて始動リプレイ抽選を実行する。すなわち、表1に記載の内容の抽選を行う。例えば、設定が1、ベース値が22であった場合、始動リプレイ権利は、50%の判定確率(当選確率)で抽選される。
次のステップ350では、演算したベース値B及び払出数PPAYをクリアし、次いでステップ352へ移行して、前記始動リプレイ抽選の結果が当選か否かが判断される。このステップ352で肯定判定されると、ステップ354へ移行して、始動リプレイを実行するためのリプレイカウント値を加算し、このルーチンは終了する。
また、ステップ352で否定判定された場合には、始動リプレイを実行しないと判断し、このルーチンは終了する。
図11は、図7のステップ306における特別図柄ゲーム処理ルーチンである。
ステップ356では、ゲーム処理中か否かが判断される。すなわち、図柄変動パターン演出処理中、或いは特別遊技である大当たり処理中か否かが判断され、肯定判定されると、ステップ358へ移行して、特別図柄ゲームの進行処理を継続し、このルーチンは終了する。
ここにおいて、この特別図柄ゲームが第1の実施の形態における抽選遊技に相当する(なお、第2の実施の形態乃至第4の実施の形態においても同様)。
また、ステップ356で否定判定された場合には、通常遊技において、図柄変動パターン演出等が一切実行されていない状態と判断し、ステップ360へ移行する。
ステップ360では、リプレイカウントの有無を判断し、肯定判定、すなわちリプレイカウント有りと判断されると、ステップ362へ移行してリプレイカウントを減算し、次いでステップ364へ移行して、始動口46への入賞による抽選と同等の大当たり抽選及び大当り判定が実行され、ステップ372へ移行する。
また、ステップ360で否定判定、すなわちリプレイカウント無しと判断されると、ステップ366へ移行して、保留メモリ204Aに始動記憶があるか否かが判断される。
このステップ366で肯定判定されると、ステップ368へ移行して始動記憶を減算し、次いでステップ370へ移行して、図7(B)のステップ309Dで記憶した乱数が大当り否かを判定し、ステップ372へ移行する。
ステップ372では、特別図柄ゲームを開始する。すなわち、前記大当たり判定の結果に基づいて、図柄変動パターン演出を実行し、当選の場合は特別遊技(大当たり処理)、落選の場合は通常遊技が継続される。なお、ステップ372では、開始のための処理だけがなされ、実際の前記ステップ358で実行される。
以上が、ベース値に基づいて、始動リプレイを実行するか否かを判断し、始動リプレイを実行する場合には、保留メモリ204Aに記憶されている始動記憶よりも優先して、始動リプレイによる大当たり抽選を実行する流れである。
ベース値を基準とすることで、大当たり処理による出球率を除く、通常遊技状態で、遊技者側からみて、予想以上に損失している場合に、救済として、実際に始動口46に入賞していないが、始動口46に入賞したと同等の権利である大当たり抽選の機会(始動リプレイ)を付与することで、通常遊技における釘状態による不利益が補正され、大当たりを得る機会が平等に得られる。ただし、釘状態の補正を行うという性格上、大当たりの機会が得られる訳ではなく、あくまで得られる機会のみを平等にする。
なお、上記の特別図柄ゲーム処理(図11)では、始動リプレイが実施されるタイミングが、保留メモリ204Aに始動記憶分が保留されていても、最優先に始動リプレイを実行するようにしたが、図12に示される如く、始動記憶分を先に処理し、その後、保留メモリ204Aが空になった時点で始動リプレイを実行するようにしてもよい。
以下、図12のフローチャートに従い、始動記憶優先の遊技処理の流れを説明する。
ステップ356Aでは、ゲーム処理中か否かが判断される。すなわち、図柄変動パターン演出処理中、或いは特別遊技である大当たり処理中か否かが判断され、肯定判定されると、ステップ358Aへ移行して、特別図柄ゲームの進行処理を継続し、このルーチンは終了する。
また、ステップ356Aで否定判定された場合には、通常遊技において、図柄変動パターン演出等が一切実行されていない状態と判断し、ステップ366Aへ移行する。
ステップ366Aでは、保留メモリ204Aに始動記憶があるか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ368Aへ移行して始動記憶を減算し、次いでステップ370Aへ移行して、図7(B)のステップ309Dで記憶済の乱数が大当たりか否かを判定し、ステップ372Aへ移行する。
また、ステップ366Aで否定判定、すなわち、始動記憶がないと判断されると、ステップ360Aへ移行して、リプレイカウントの有無を判断する。このステップ360Aで肯定判定、すなわちリプレイカウント有りと判断されると、ステップ362Aへ移行してリプレイカウントを減算し、次いでステップ364Aへ移行して、始動口46への入賞による抽選と同等の大当たり抽選及び大当たり判定が実行され、ステップ372Aへ移行する。
また、ステップ360Aで否定判定されると、始動記憶もなく、始動リプレイもないため、このルーチンは終了する。
ステップ372Aでは、特別図柄ゲームを開始する。すなわち、前記大当たり抽選の結果に基づいて、図柄変動パターン演出を実行し、当選の場合は特別遊技(大当たり処理)、落選の場合は通常遊技となる。なお、ステップ372Aでは、開始のための処理だけがなされ、実際の前記ステップ358Aで実行される。
上記図11及び図12のフローチャートでは、リプレイカウントがあった場合、実際に始動口46に入賞したときの大当たり抽選(特別図柄ゲーム)の有無に関係なく、大当たり抽選を実施するようにしたが、この場合、遊技盤32面上で大当たり抽選のための物理的なきっかけがない状態から、突然大当たり抽選が開始される場合があり、遊技者は違和感を感じる。
図22のフローチャートは、遊技者に対して、上記のような違和感を感じさせることを回避する目的を加味した特別図柄ゲーム処理を示している。
図22に示される如く、ステップ356Bでは、ゲーム処理中か否かが判断される。すなわち、図柄変動パターン演出処理中、或いは特別遊技である大当たり処理中か否かが判断され、肯定判定されると、ステップ358Bへ移行して特別図柄ゲームの進行処理を継続し、ステップ359Bへ移行する。ステップ359Bでは特別図柄ゲーム終了か否かが判断され、否定判定の場合には、このルーチンは終了する。
また、ステップ356Bで否定判定された場合には、通常遊技において、図柄変動パターン演出等が一切実行されていない状態と判断し、ステップ366Bへ移行する。
ステップ366Bでは、保留メモリ204Aに始動記憶があるか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ368Bへ移行して始動記憶を減算し、次いでステップ369Bで始動回数カウンタを加算し、ステップ364Bへ移行する。ステップ364Bでは、図7(B)のステップ309Dで記憶済の乱数が大当たりか否かを判定し、ステップ372Bへ移行する。
また、ステップ366Bで否定判定、すなわち、始動記憶がないと判断されると、ステップ372Bへ移行する。
ここで、前記ステップ359Bにおいて肯定判定、すなわち特別図柄ゲームが終了したと判定されると、ステップ360Bへ移行して、リプレイカウントの有無を判断する。このステップ360Bで肯定判定(リプレイカウント有り)されると、ステップ362Bへ移行してリプレイカウントを減算し、次いでステップ363Bへ移行して、始動口46への入賞による抽選と同等の大当たり抽選及び大当たり判定が実行され、ステップ372Bへ移行する。
また、ステップ360Bで否定判定されると、始動記憶もなく、始動リプレイもないため、このルーチンは終了する。
ステップ372Bでは、特別図柄ゲームを開始する。すなわち、前記大当たり抽選の結果に基づいて、図柄変動パターン演出を実行し、当選の場合は特別遊技(大当たり処理)、落選の場合は通常遊技となる。なお、ステップ372Bでは、開始のための処理だけがなされ、実際の前記ステップ358Bで実行される。
なお、第1の実施の形態では、前述した4つの条件判別、すなわち、(A)ベース値、(B)選択入賞口ベースとしての始動口ベース値、(C)始動率、(D)始動回数の内、(A)ベース値に基づいて条件判別を行い、始動リプレイを実施するか否かを決定するようにしたが、他の条件判別(B)乃至(D)を条件判別対象としても同様の効果を得ることができる。以下、(B)乃至(D)を条件判別対象とした実施の形態を説明する。
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同一構成部分については、同一の符号を付し、一部は構成の説明を省略する。
この第2の実施の形態では、(B)始動口ベース値による条件判別としている。
図13には、主制御部150における、始動口ベース値に基づく条件判別のための制御系を機能的に示したブロックが示されている。
始動口ベース値とは、入賞口の何れかの特定の入賞口(選択入賞口)として始動口46を選択設定した場合の選択入賞口ベース値のことであり、遊技者によるパチンコ球の発射数PTOTALに対する始動口46を対象とした払出数PSPAYの割合である。このため、発射数を検出するべく、発射数累積部200には、前述した入賞センサ172及び始動入賞センサ168が接続されると共に、発射数PTOTALを計数するためのアウト口54に設けられたアウト球検出センサ179が接続されている。
発射数累積部200では、前記入賞センサ172、始動入賞センサ168、アウト球検出センサ179によって検出した信号(パルス信号)を、カウントし発射数PTOTALを得る。発射数累積部200で得られた発射数PTOTALは、始動口ベース値演算部202Aへ送出される。
また、主制御部150には、通常遊技及び特別遊技等の遊技全般を制御する遊技実行制御部204が設けられている。この遊技実行制御部204には、払出管理部206が接続されており、払い出しが必要となった場合、遊技実行制御部204から払出管理部206へ払出指示信号が送出されるようになっている。
この払出管理部206で演算された払出数PPAYは、払出指示部208を介してコマンドとして払出制御部154へ送出されるようになっている。
この払出管理部206で演算された払出数の内、始動口46に入賞した分の払出数PSPAYは、始動口ベース値演算部202Aへ送出されるようになっている。
この結果、始動口ベース値演算部202Aには、発射数PTOTALと始動口46での払出数PSPAYとが入力されるため、これらから始動口ベース値BSを演算する(払出数PSPAY/発射数PTOTAL)。演算された始動口ベース値BSは、比較部210へ送出されるようになっている。
比較部210には、基準値メモリ212が接続されており、前記入力される始動口ベース値BSと比較されるようになっている。この基準値は、店側で操作可能な位置(例えば、パチンコ機10の裏面側)に設けられた設定操作部214(図5参照)の操作によって、6段階に設定可能となっている(表2参照)。
設定操作部214は、基準値設定部216に接続されており、この基準値設定部216には、基準値データ群メモリ218が接続されている。基準値データ群メモリ218には、表2に示されるような設定1〜設定6までの基準値データ群が記憶されており、何れかの設定(1〜6)が選択され、基準値メモリ212に登録されるようになっている。
前記比較部210では、演算された始動口ベース値BSに基づいて、基準値メモリ212に登録されているデータ群の何れに属するかを比較判別し、判定確率を決定する。決定した判定確率は、始動リプレイ抽選部220へ送出され、当該決定した判定確率の下での抽選で始動リプレイ(すなわち、抽選の機会の付与)を実行するか否かを判断し、始動リプレイに当選した場合には、始動リプレイ指示部222で一旦カウントした後、当該カウント記憶に基づき、前記遊技実行制御部204へ抽選遊技を指示する。
以下、第2の実施の形態の作用を説明する。
第2の実施の形態では、計数処理と始動リプレイ抽選処理以外の全体処理(図6)、割り込み処理(図7)、リプレイ率設定処理(図8)並びに特別図柄ゲーム処理(図11又は図12)は、ベース値を基準とした処理と同一であるので省略する。
図14には、始動口ベース値に基づく計数処理の詳細が示されており、ステップ400では、大当たり中か否かが判断され、肯定判定された場合には、計数処理を実行する時期ではないため、このルーチンは終了する。
また、ステップ400で否定判定された場合には、ステップ404へ移行して始動口46への入賞があったか否かが判断される。
このステップ404で肯定判定されると、ステップ406へ移行して始動口46への入賞に対する払出数PSPAYを加算、累積し(始動口ベース値に始動口に対応した賞球数を加算し)、次いでステップ408へ移行して、発射数PTOTALに+1を加算して、ステップ410へ移行する。
ステップ410では、その他の入賞口49(一般入賞口49)への入賞があったか否かが判断され、肯定判定されるとステップ412へ移行して、その他の入賞口への入賞球数の合計、すなわち今回検出されたその他の入賞口への入賞球の合計数を発射数PTOTALに加算し、ステップ414へ移行する。また、ステップ410で否定判定された場合には、ステップ414へ移行する。
ステップ414では、アウト口54から排出されるパチンコ球の有無をアウト球検出センサ179に基づいて判別し、ステップ416でアウト球が有りと判断された場合には、ステップ418へ移行して発射数PTOTALに1を加算し、このルーチンは終了する。また、ステップ416で否定判定された場合には、このルーチンは終了する。なお、ここで用いられた入賞情報は、図7(A)のステップ309(入賞処理)におけるステップ309F(図7(B)参照)で記憶された情報に基づいている。
次に、図15は、始動口ベース値に基づく、始動リプレイ抽選処理の詳細を示しており、ステップ420では、発射数PTOTALが所定値(一定の条件で始動リプレイの実施/不実施を判断するための数)以上になったか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ422へ移行して始動口ベース値BS(BS=PSPAY/PTOTAL)を演算し、次いでステップ424へ移行して、発射数PTOTALから所定値(ステップ420で使用した所定値と同じ値の所定値)を減算し(通常は、0になるが、同時に複数の入賞、並びにアウト球が発見された場合、所定数をとび超える事がある(+1〜2個)。この場合、端数は次回判定用に繰り越し、誤差とはならないようにする。よって、ゼロクリアではなく、所定値を減算する。)、ステップ426へ移行する。
ステップ426では、基準値メモリ212に登録されている現在の設定値(設定1〜設定6)を読み出し、次いでステップ428で、前記演算された始動口ベース値BSと、読み出された設定値の中のそれぞれの始動口ベース値とを比較して、対応する判定確率に基づいて始動リプレイ抽選を実行する。例えば、設定1、始動ベース値が19であった場合、始動リプレイは、50%の判定確率(当選確率)で抽選される。
次のステップ430では、演算した始動口ベース値BS及び払出数PSPAYをクリアし、次いでステップ432へ移行して、前記始動リプレイ抽選の結果が当選か否かが判断される。このステップ432で肯定判定されると、ステップ434へ移行して、始動リプレイを実行するためのリプレイカウント値を加算し、このルーチンは終了する。
また、ステップ432で否定判定された場合には、始動リプレイを実行しないと判断し、このルーチンは終了する。
(第3の実施の形態)
以下、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同一構成部分については、同一の符号を付し、一部は構成の説明を省略する。
この第3の実施の形態では、(C)始動率による条件判別としている。
図16には、主制御部150における、始動率に基づく条件判別のための制御系を機能的に示したブロックが示されている。
始動率とは、始動口46を対象とした、遊技者によるパチンコ球の発射数PTOTALに対する遊技始動回数NRの割合(R)である。なお、発射数PTOTALを100とすれば、始動回数の数値がそのままパーセンテージを示す数値となる。
このため、発射数を検出するべく、発射数累積部200には、前述した入賞センサ172及び始動入賞センサ168が接続されると共に、発射数PTOTALを計数するためのアウト口54に設けられたアウト球検出センサ179が接続されている。
発射数累積部200では、前記入賞センサ172、始動入賞センサ168、アウト球検出センサ179によって検出した信号(パルス信号)を、カウントし発射数PTOTALを得る。発射数累積部200で得られた発射数PTOTALは、始動率演算部202Bへ送出される。
また、主制御部150には、通常遊技及び特別遊技等の遊技全般を制御する遊技実行制御部204が設けられている。前記始動率演算部202Bには、この遊技実行制御部204から、始動口46に入賞したパチンコ球が有効始動と判断される毎に、始動回数NRが入力されるようになっている。
この結果、始動率演算部202Bには、発射数PTOTALと始動回数NRとが入力されるため、これらから始動率Rを演算する(始動回数NR/発射数PTOTAL)。演算された始動率Rは、比較部210へ送出されるようになっている。
比較部210には、基準値メモリ212が接続されており、前記入力される始動率Rと比較されるようになっている。この基準値は、店側で操作可能な位置(例えば、パチンコ機10の裏面側)に設けられた設定操作部214(図5参照)の操作によって、6段階に設定可能となっている(表3参照)。
設定操作部214は、基準値設定部216に接続されており、この基準値設定部216には、基準値データ群メモリ218が接続されている。基準値データ群メモリ218には、表3に示されるような設定1〜設定6までの基準値データ群が記憶されており、何れかの設定(1〜6)が選択され、基準値メモリ212に登録されるようになっている。
前記比較部210では、演算された始動率Rに基づいて、基準値メモリ212に登録されているデータ群の何れに属するかを比較判別し、判定確率を決定する。決定した判定確率は、始動リプレイ抽選部220へ送出され、当該決定した判定確率の下での抽選で始動リプレイ(すなわち、抽選の機会の付与)を実行するか否かを判断し、始動リプレイに当選した場合には、始動リプレイ指示部222で一旦カウント記憶した後、当該カウント記憶に基づき、前記遊技実行制御部204へ抽選遊技を指示する。
以下、第3の実施の形態の作用を説明する。
第3の実施の形態では、計数処理と始動リプレイ抽選処理以外の全体処理(図6)、割り込み処理(図7)、リプレイ率設定処理(図8)並びに特別図柄ゲーム処理(図11又は図12)は、ベース値を基準とした処理と同一であるので省略する。
図17には、始動率に基づく計数処理の詳細が示されており、ステップ504では、始動口46への入賞があったか否かが判断される。
このステップ504で肯定判定されると、ステップ506へ移行して始動口46への入賞が、抽選の機会となる有効始動か否かが判断される。このステップ506で肯定判定されると、ステップ508へ移行して始動回数NRを加算し、次いでステップ510で発射数PTOTALを+1加算して、ステップ511へ移行する。なお、ステップ508、510は大当たり中実行しないようにしてもよい。
ステップ511では、大当たり中か否かが判断され、肯定判定された場合には、計数処理を実行する時期ではないため、このルーチンは終了する。
また、ステップ511で否定判定された場合には、ステップ512へ移行してその他の入賞口(一般入賞口49)への入賞があったか否かが判断される。
ステップ512で、肯定判定されるとステップ514へ移行して、その他の入賞口への入賞球数の合計、すなわち今回検出されたその他の入賞口(一般入賞口49)への入賞の合計数を発射数PTOTALに加算し、ステップ516へ移行する。また、ステップ512で否定判定された場合には、ステップ516へ移行する。
ステップ516では、アウト口54から排出されるパチンコ球の有無をアウト球検出センサ179に基づいて判別し、ステップ518でアウト球が有りと判断された場合には、ステップ520へ移行して発射数PTOTALに1を加算し、このルーチンは終了する。また、ステップ518で否定判定された場合には、このルーチンは終了する。なお、ここで用いられた入賞情報は、図7(A)のステップ309(入賞処理)におけるステップ309F(図7(B)参照)で記憶された情報に基づいている。
次に、図18は、始動率に基づく、始動リプレイ抽選処理の詳細を示しており、ステップ522では、発射数PTOTALが所定値(一定の条件で始動リプレイの実施/不実施を判断するための数)以上になったか否かが判断され、肯定判定されると、ステップ524へ移行して始動率R(R=NR/PTOTAL)を演算し、次いでステップ526へ移行して、発射数から所定値(ステップ522で使用した所定値と同じ値の所定値)を減算し(通常は、0になるが、同時に複数の入賞、並びにアウト球が発見された場合、所定数をとび超える事がある(+1〜2個)。この場合、端数は次回判定用に繰り越し、誤差とはならないようにする。よって、ゼロクリアではなく、所定値を減算する。)、ステップ528へ移行する。
ステップ528では、基準値メモリ212に登録されている現在の設定値(設定1〜設定6)を読み出し、次いでステップ530で、前記演算された始動率Rと、読み出された設定値の中のそれぞれの始動率とを比較して、対応する回数振り分け値に基づいて始動リプレイ回数の抽選を実行する。
すなわち、表3における抽選を行う。具体的には、設定1で、始動率が2(小数点以下四捨五入)の場合、始動リプレイ抽選の複数回数の権利として、3回が90%、2回が10%、それ以外が0%の判定確率(当選確率)で抽選される。
次のステップ532では、始動リプレイ抽選で得られたリプレイ回数を、始動リプレイを実行するためのリプレイカウント値に加算し、次いでステップ534で、始動回数NRをクリアして、このルーチンは終了する。
(第4の実施の形態)
以下、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同一構成部分については、同一の符号を付し、一部は構成の説明を省略する。
この第4の実施の形態では、(D)始動回数による条件判別としている。
図19には、主制御部150における、始動回数に基づく条件判別のための制御系を機能的に示したブロックが示されている。
始動回数とは、始動口46へのパチンコ球の入賞の内、抽選の対象となる(有効始動となる)入賞回数である(以下、始動回数NYという)。
なお、始動回数NYは、前述の第3の実施の形態で示した始動回数NRと同一であるが、実施の形態間の混同を避けるため、第4の実施の形態では、異なる変数を用いる。
始動回数累積部202Cには、遊技実行制御部204から、始動口46に入賞したパチンコ球が有効始動と判断される毎に、始動回数NYが入力され、累積されるようになっている。
始動回数累積部202Cで累積された始動回数NYは、所定回数(たとえば、20回)毎に始動リプレイ実行判定部210Aへ送出する。
始動リプレイ実行判定部210Aには、始動回数基準値を記憶する基準値メモリ212が接続されており、前記入力される始動回数NYと比較されるようになっている。この基準値は、店側で操作可能な位置(例えば、パチンコ機10の裏面側)に設けられた設定操作部214(図5参照)の操作によって、6段階に設定可能となっている(表4参照)。
設定操作部214は、基準値設定部216に接続されており、この基準値設定部216には、基準値データ群メモリ218が接続されている。基準値データ群メモリ218には、表4に示されるような設定1〜設定6までの基準値データ群が記憶されており、何れかの設定(1〜6)が選択され、基準値メモリ212に登録されるようになっている。
前記始動リプレイ実行判定部210Aでは、累積された始動回数NYに基づいて、基準値メモリ212に登録されているデータ群の何れに属するかを比較判別し、判定確率を決定する。決定した判定確率は、始動リプレイ抽選部220へ送出され、当該決定した判定確率の下での抽選で始動リプレイ(すなわち、抽選の機会の付与)を実行するか否かを判断し、始動リプレイに当選した場合には、始動リプレイ指示部222で一旦カウント記憶した後、当該カウント記憶に基づいて、前記遊技実行制御部204へ抽選遊技を指示する。
以下、第4の実施の形態の作用を説明する。
第4の実施の形態では、計数処理と始動リプレイ抽選処理以外の全体処理(図6)、割り込み処理(図7)、リプレイ率設定処理(図8)並びに特別図柄ゲーム処理(図11又は図12)は、ベース値を基準とした処理と同一であるので省略する。
図20には、始動回数に基づく計数処理の詳細が示されており、ステップ604では、始動口46への入賞があったか否かが判断される。このステップ604で肯定判定されると、ステップ606へ移行して当該始動口46への入賞球が有効始動か否かが判断される。すなわち、抽選の対象となる始動入賞か否かを判断する。
ステップ606で肯定判定されると、ステップ608へ移行して、始動回数NYを加算し、このルーチンは終了する。
次に、図21は、始動回数NYに基づく、始動リプレイ抽選処理の詳細を示しており、ステップ610では、始動回数NYが所定値(例えば,20回)以上か否かが判断され、肯定判定されると、ステップ612へ移行して始動回数NYをクリアする。
次のステップ614では、基準値メモリ212に登録されている現在の設定値(設定1〜設定6)を読み出し、次いでステップ616で読み出された設定値に対応する確率で始動リプレイ抽選を実行する。すなわち、表4に記載の抽選を行う。例えば、設定が3の時、80/100の判定確率(当選確率)で抽選される。
次のステップ618では、始動リプレイ抽選に当選したか否かが判断され、肯定判定(当選)されると、ステップ620へ移行して、始動リプレイを実行するためのリプレイカウント値を加算し、このルーチンは終了する。また、ステップ618で否定判定(落選)されると、このルーチンは終了する。
なお、この第4の実施の形態において、始動回数が所定回数(20回)になる毎に設定値に応じた抽選(表4参照)を行うようにしたが、表5に示される如く、設定値により始動回数を定め、当該始動回数に達した時点で、予め決められた抽選で始動リプレイ抽選を行うようにしてもよい。また、表4と表5を併用してもよい。
以上説明したように、上記第1乃至第4の実施の形態では、それぞれ定めた条件((A)乃至(D))が成立した場合に、始動リプレイ、すなわち、始動口46の入賞に拘わらず、抽選の機会を付与するようにしたため、各パチンコ機10間での始動口46への入賞率の格差を抑制することができる。このため、従来、釘による始動口46の入賞率の調整を簡便なものとし、熟練を要する技術に代えることができる。
(第5の実施の形態)
以下、第5の実施の形態について説明する。
上記第1の実施の形態乃至第4の実施の形態では、遊技機(パチンコ機)としての遊技仕様が、所謂第1種に分類されるものである(平成16年6月までの風営法)。
すなわち、パチンコ機は、遊技仕様により複数種類に分類することができる。この遊技仕様は、従来、第1種、第2種、第3種、一般機種などと称され、それぞれ独立した単独の遊技仕様によって遊技が進行する構成となっている。なお、今後は、単独の遊技仕様にこだわらない、複合的な遊技仕様の遊技機も提案されている。
本発明は、上記第1種遊技仕様のパチンコ機に限られず、第2種等の他の遊技仕様にも適用可能である。
第2種パチンコ機では、遊技盤面中央に開閉可能な羽根部材を備えた役物装置を具備し、所定の始動口に入賞することで、1回から2回の羽根部材の開閉を行い、その間に役物装置内にパチンコ球が入賞し、かつVゾーンへ入賞することで、羽根部材を開閉を実行し(最大10個の入賞で1ラウンド終了)、Vゾーンに入賞することで、当該所定回数(一般に15ラウンド程度)繰り返すことができる。
さらに、第3種パチンコ機では、図柄の抽選結果や入賞球の抽選結果で特別な状態となり、特別な状態中に特定の入賞口に入賞すると、予め定められた期間、電動役物を作動させ、入賞確率を高めることができる。
また、上記一般機種は一般電役機種、等とも呼ばれ、所謂メカ式チューリップ、電動方チューリップ、アタッカ等を初めとする複数の入賞具が遊技盤面に設けられ、遊技盤面に打ち出されたパチンコ球が特定な領域を通過/入賞することに基づき、そのタイミングに応じて上記入賞具が相関的に連動して入賞し易い/し難い状態を順次変化させながら良好な遊技性を形成するものである。
第5の実施の形態では、第1種以外の遊技仕様の代表として、第2種遊技仕様のパチンコ機を図23及び図24に従い説明する。
図23に示される如く、遊技盤732は、外バンド736及び内バンド738によって囲まれた略円形状の遊技領域が形成されている。前記発射装置(図示省略)によって発射されたパチンコ球は、この外バンド736と内バンド738との間を通過して、遊技領域の上部へと至るようになっている。
遊技領域には、図示しない釘が打ち込まれ、発射されたパチンコ球の流路を形成しており、さらに、風車740、一般入賞口742(第1の実施の形態乃至第4の実施の形態における一般入賞口49に相当)等の遊技部品が取り付けられている。
また、遊技領域の中央には、入賞役物ユニット748が設けられ、当該入賞役物748の下部には、2個の第1の始動入賞口758と、この2個の第1の始動入賞口758を挟むように中央に設けられた1個の第2の始動入賞口760と、を備えた始動入賞役物ユニット770が設けられている。第1の始動入賞口758及び第2の始動入賞口760は、前述の第1の実施の形態乃至第4の実施の形態の始動口46に相当する。この始動入賞役物ユニット770のさらに下方には、アウト口772が配設されている。
図24に示される如く、前記入賞役物ユニット748は、遊技盤732に設けられた貫通孔(図示省略)に貫通するように取り付けられており、遊技盤732面に密着されるベースフランジ部774を境界として、遊技盤732の前面に突出する装飾部776と、ベースフランジ部774よりも奥側に位置する可動機構部778と、で構成されている。
装飾部776は、天井装飾体780が設けられ、その頂上には、賞球のみの入賞口780Aが設けられている。また、天井装飾体780に対して、所定の間隔をおいて下方には、役物本体782が設けられている。
前記天井装飾体780と、役物本体782とは、それぞれ遊技盤732面から突出する側壁が形成されており、パチンコ球の進入を妨げている。
前記役物本体782は、パチンコ球の案内路を所謂二階建てとなっており、前記天井装飾体780との隙間から入賞するパチンコ球を遊技盤732の奥側へ案内する上段スロープ部782Aと、この上段スロープ部782Aによって遊技盤732の奥側へ案内されたパチンコ球を遊技盤732の手前側へ転動させる下段スロープ部782Bとが形成されている。
下段スロープ部782Bの転動方向先端(遊技盤732からの最突出端)には、横方向に並んで、2個の外れ入賞口784と、この外れ入賞口784に挟まれるように1個のVゾーン入賞口786が配列されている。なお、Vゾーン入賞口786への入賞確率は、外れ入賞口784への入賞確率に比べ低い確率となっている。この確率は、役物本体782の構造によって調整されている。例えば、下段スローブ部782Bに突起を設けたり、クルーン等の演出部材を取り付けることで実現可能である。
上記Vゾーン入賞口786への入賞確率は、役物本体782内にパチンコ球が入賞する確率と共に、前述の第1の実施の形態乃至第4の実施の形態における大当たり確率に相当する。
前記天井装飾体780と役物本体782との間の隙間(左右の隙間)には、それぞれ羽根部材788が取り付けられている。この羽根部材788は、前記隙間を開放する閉止位置(図23の想像線位置参照)と、前記隙間を開放する位置(図23の実線位置参照)とに、軸788Aを中心に回転可能に支持されている。
すなわち、羽根部材788は、閉止位置の場合には、前記天井装飾体780及び役物本体782の側壁の延長として適用され、開放位置の場合には、遊技盤732面を落下するパチンコ球を役物本体782内へ案内するガイド板としての役目を持つ。
前記第1の始動口758又は第2の始動口760の入賞が、この羽根部材788の開放のきっかけとなっており、この第5の実施の形態では、第1の始動入賞口758に入賞すると、1.5秒後に羽根部材788が0.5秒間1回開放し、第2の始動入賞口760に入賞すると、1.5秒後に羽根部材788が0.5秒間2回開放する。
ここで、羽根部材788の開放によって、タイミングよく(設計上の確率で)役物本体782へ案内されたパチンコ球は、前述した外れ入賞口784或いはVゾーン入賞口786の何れかへ入賞することになる。
外れ入賞口784に入賞した場合は、当該入賞に対する賞球があるのみであるが、Vゾーン入賞口786に入賞した場合は、前記羽根部材788の所定時間の開閉動作を実行する権利(大当たり処理)を得ることになる。
なお、遊技仕様として最も一般的なのは、第1の始動口758又は第2の始動口760への入賞によって羽根部材788が開放したときに、Vゾーン入賞口786に入賞することで大当たり処理開始となり、前述のように1ラウンド目の羽根部材788の所定時間の開閉動作が開始され、この開閉動作中に入賞したパチンコ球が再度Vゾーン入賞口786に入賞することで、次ラウンドへ移行する。ラウンド数は最大15ラウンドとなっている。
上記構成のパチンコ機では、羽根部材88の開放から、Vゾーン入賞口786又は外れ入賞口784へ入賞するまでが、前述の第1の実施の形態乃至第4の実施の形態における特別図柄ゲームに相当するものであり、第2種遊技仕様のパチンコ機では、パチンコ球自体を用いた遊技で、この特別図柄ゲームに相当するゲームが進行することになる。
上記第5の実施の形態に係る第2種パチンコ機において、4つの条件判別、すなわち、(A)ベース値、(B)選択入賞口ベースとしての始動口ベース値、(C)始動率、(D)始動回数の内、何れかに基づいて条件判別を行い、始動リプレイを実施するか否かを決定するという本発明が適用可能である。
なお、この第5の実施の形態で言う「始動」とは、羽根部材88を開放するきっかけとなる、第1の始動口58又は第2の始動口60を示す。
すなわち、通常の遊技では、この第1の始動口58又は第2の始動口60に入賞することを条件として、羽根部材88を所定時間開放するが、上記条件判別の結果、始動リプレイを実行することで、第1の始動口58又は第2の始動口60に入賞しなくても羽根部材88を開放させることができる。