JP6441261B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関し、特にパチンコ遊技機に関する。
パチンコ遊技機に代表される遊技機において、特定の遊技状態(例えば、大当り遊技)において獲得された遊技球に基づいて、獲得球数を報知する等の演出を実行するものがある。この種の遊技機として、下記の特許文献1を例示する。
特許文献1には、大量の獲得球数が期待できる第1の大当り遊技と、実質的に獲得球数が零または微量である第2の大当り遊技を実行することができる遊技機が記載されている。当該遊技機は、第1の大当り遊技の実行中には獲得球数を報知するものの、第2の大当り遊技機の実行中には獲得球数を報知しない構成になっている。実質的に獲得球数が期待できない大当り遊技の獲得球数を報知しても、遊技者の興趣を低下させる虞があるからである。
特開2010−51759号公報
特許文献1に記載されている遊技機は、獲得球数の異なる大当り遊技の種別に基づいて獲得球数に係る報知の有無を制御するが、遊技者が遊技を開始した以降の遊技履歴を考慮に入れたものではないので、必ずしも演出実行時における遊技者の状況を十分に反映した演出内容にはならず、遊技興趣の向上または遊技興趣の低下防止に係る観点から未だ改善の余地があった。
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、獲得球数に関する計測結果に基づく所定演出を実行して、遊技興趣の向上または遊技興趣の低下防止を図る遊技機を提供するものである。
本発明によれば、遊技盤に形成された遊技領域に遊技球を打ち込んで遊技を行う遊技機であって、前記遊技領域から排出された遊技球の数の合計である排出球数を算出する排出算出手段と、前記遊技領域に設けられた入賞口への入賞に伴い払い出される賞球の数の合計である払出球数を算出する払出算出手段と、前記排出算出手段によって算出された前記排出球数と、前記払出算出手段によって算出された前記払出球数と、の差分を表す差球数に基づいて所定演出を実行する演出制御手段と、前記排出球数と前記払出球数、または前記差球数の少なくとも一方を示す球数情報を含む遊技情報が記憶される記憶装置と、電源投入時に第一操作が行われていることを契機として前記記憶装置に記憶されている前記遊技情報の一部を消去する第一消去手段と、電源投入後に第二操作が行われることによって特定画像が表示される表示装置と、前記特定画像が前記表示装置に表示されている状態で第三操作が行われることを契機として前記記憶装置に記憶されている前記遊技情報の一部または全部を消去する第二消去手段と、を備え、前記第一消去手段による消去時において前記球数情報が前記記憶装置に保持され、前記第二消去手段による消去時において前記球数情報を前記記憶装置から消去させることを特徴とする遊技機が提供される。
また、本発明によれば、遊技盤に形成された遊技領域に遊技球を打ち込んで遊技を行う遊技機であって、前記遊技領域から排出された遊技球の数の合計である排出球数を算出する排出算出手段と、前記遊技領域に設けられた入賞口への入賞に伴い払い出される賞球の数の合計である払出球数を算出する払出算出手段と、前記排出算出手段によって算出された前記排出球数と、前記払出算出手段によって算出された前記払出球数と、の差分を表す差球数に基づいて所定演出を実行する演出制御手段と、前記排出球数と前記払出球数、または前記差球数の少なくとも一方を示す球数情報を含む遊技情報が記憶される記憶装置と、電源投入時に第一操作が行われていることを契機として前記記憶装置に記憶されている前記遊技情報の一部を消去する第一消去手段と、を備え、前記第一消去手段による消去時において前記球数情報が前記記憶装置に保持され、前記演出制御手段は、前記差球数が所定値を超えている場合において特別態様の所定演出を実行可能であることを特徴とする遊技機が提供される。
本発明によれば、獲得球数に関する計測結果に基づく所定演出を実行して、遊技興趣の向上または遊技興趣の低下防止を図る遊技機が提供される。
遊技機の正面図である。 遊技機内に設置される遊技盤を示す図である。 遊技機内に配設される図柄表示装置を示す図である。 遊技機が備える操作ボタン群及びその周辺を示す俯瞰図である。 遊技機の主要な電気的構成を示すブロック図である。 遊技機の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。 遊技機の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。 遊技機の電源投入後に演出表示装置に表示される画像の一例である。 遊技機の電源投入後に演出表示装置に表示される画像の一例である。 遊技機の電源投入後に演出表示装置に表示される画像の一例である。 遊技機の電源投入後に演出表示装置に表示される画像の一例である。 所定演出の一具体例を示す図である。 所定演出の一具体例を示す図である。 所定演出の一具体例を示す図である。 所定演出の一具体例を示す図である。 所定演出の一具体例を示す図である。 所定演出の一具体例を示す図である。 始動口入球時処理の処理手順を示すフローチャートである。 アウト球検知時処理の処理手順を示すフローチャートである。 図柄変動開始処理の処理手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。また、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、特に断りのない限り、図1に示すように遊技機10を正面側(遊技者側)から見た状態で指称するものとする。
<遊技機10の概要について>
まず、本実施形態の遊技機10の概要について、図2または図7を用いて説明する。
図2は、遊技機10内に配設された遊技盤50を示す図である。
図7は、遊技機10の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。
本実施形態の遊技機10は、遊技盤50に形成された遊技領域に遊技球を打ち込んで遊技を行ういわゆるパチンコ遊技機であり、排出算出手段と、払出算出手段と、演出制御手段と、記憶装置と、第一消去手段と、を備える。
排出算出手段は、遊技領域から排出された遊技球の数の合計である排出球数を算出する手段である。図7では、排出算出手段として排出算出部221が例示されている。
ここで遊技領域とは、排出球が検出される位置よりも上流の、遊技球が流下又は転動可能な領域である。図2では、遊技領域として、遊技盤50の前面に設けられた遊技領域50aが例示されている。
ここで、「排出球が検出される位置」とは、アウト口スイッチSW9の検知範囲であり、より具体的には、遊技球が流下又は転動可能であって少なくともアウト口69よりも下流の領域である。
なお、本実施形態に係るアウト口69の奧方に設けられている流路(図示せず)は、各入賞口に入球した遊技球が流下する各流路(図示せず)と合流しており、アウト口スイッチSW9は、これらの流路の合流箇所より下流側に設けられている。従って、アウト口スイッチSW9は、アウト口69から排出された遊技球の検知のみならず、遊技領域50aに設けられた全入賞口に入球した遊技球も検知することができる。すなわち、排出算出部221によって算出される排出球数は、遊技領域50aに打ち込まれた全ての遊技球の数の合計に等しいものとみなしうる。
払出算出手段は、遊技領域に設けられた入賞口への入賞に伴い払い出される賞球の数の合計である払出球数を算出する。図7では、払出算出手段として払出算出部223が例示されている。
払出算出手段は、各入賞口の奧方に設けられたカウントスイッチ(カウントスイッチSW1等)によって遊技球が検知されるごとに、検知したカウントスイッチに対応する入賞口に割り当てられている賞球数を加算することによって払出球数を逐次算出することができる。ここで払出球数とは、換言すれば、遊技機10によって行われる遊技に係る入賞に応じて獲得される賞球数の合計である。
演出制御手段は、排出算出手段によって算出された排出球数と、払出算出手段によって算出された払出球数と、の差分を表す差球数に基づいて所定演出を実行する。図7では、演出制御手段として演出制御部210が例示されている。
ここで差球数とは、上述のように算出される排出球数と払出球数との差分であり、換言すれば、遊技球に関する収支であり、排出球数の方が大きい場合は損失した遊技球が多くて遊技者にとって好ましくない状況といえ、払出球数の方が大きい場合は獲得した遊技球が多くて遊技者にとって好ましい状況といえる。
記憶装置には、遊技情報が記憶される。ここで遊技情報とは、遊技機10による遊技または遊技に係る演出を制御するために用いられる情報であり、排出球数と払出球数、または差球数の少なくとも一方を示す球数情報を含んでいる。図7では、記憶装置としてRAM202が例示されている。
第一消去手段は、電源投入時に第一操作が行われていることを契機として記憶装置に記憶されている遊技情報の一部を消去する。また、第一消去手段による消去時において球数情報は記憶装置に保持される。
ここで第一消去手段とは、RAM202に記憶されている遊技情報の一部をクリアする処理を実現する機能構成である。図7では第一消去手段として第一消去部225が例示されている。
ここで第一操作とは、当該処理の契機となる特定の操作であり、例えば、メイン制御基板100に設けられるRAMクリアスイッチSW10を押下することである。電源投入時にRAMクリアスイッチSW10が押下されている場合、RAMクリア部112は、RAM102に記憶されているデータを消去させると共に、RAMクリア信号を生成して情報伝送部110を介してサブ制御基板200に伝送する。RAMクリア信号を受信すると、第一消去部225はRAM202に記憶されている遊技情報の一部をクリアする。
ここで「電源投入時に第一操作が行われている」とは、第一操作が行われている状態で電源投入することと換言できる。なお、本実施形態に係る第一操作を受け付けるRAMクリアスイッチSW10はメイン制御基板100に設けられているが、第一操作を受け付ける基板は、必ずしもメイン制御基板100に限られず、他の基板であってもよい。
上記のような構成を備えるので、本実施形態に係る遊技機10は、遊技球に関する収支を鑑みて、より遊技者の心情に即した所定演出を実行することができる。従って、従来の遊技機に比べて遊技興趣の向上や低下防止を図ることができる。
以下、本実施形態に係る遊技機10についてより詳しく説明する。
<遊技機10の構造について>
まず、図1から図3を用いて遊技機10の構造について説明する。
図1は、遊技機10の正面図である。
図2は、遊技機10内に設置される遊技盤50を示す図である。
図3は、遊技機10内に配設される図柄表示装置90を示す図である。
図4は、遊技機10が備える操作ボタン群及びその周辺を示す俯瞰図である。
遊技機10は、図1又は図2に示すように、前後に開口する矩形枠状の外枠15と、外枠15の開口前面側に遊技盤50を着脱可能に保持する中枠(図示せず)と、遊技盤50(中枠)の前面側を覆うよう構成された前枠20と、を備える。
前枠20は、ヒンジ機構21により左端側を回動自在に支持され、中枠に対して開閉可能となっている。なお、前枠20は、シリンダ錠23により施錠・解錠が可能となっている。
前枠20は、遊技領域50aを覆うように配置された透明部材25を備え、透明部材25によって遊技領域50a及び遊技盤50を透視保護している。
前枠20は、遊技球を貯留する上球受け皿27及び下球受け皿29を備え、上球受け皿27と下球受け皿29は上下に離間して前枠20と一体的に設けられている。
前枠20は、下球受け皿29の右側方に操作ハンドル31を備え、操作ハンドル31の回動操作によって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。
前枠20の上枠部32の左側と右側にそれぞれ一対のスピーカ33(33a、33b)が配設されている。また、前枠20の上枠部32と左右側枠部34、36は光透過性のカバーにより形成されており、その内部にはそれぞれ照明装置35(35a、35b、35c)が配設されている。スピーカ33や照明装置35は、遊技中に発生する演出やエラー報知等と連動して音声出力又は点灯若しくは消灯することができる。
前枠20は、上球受け皿27の前方部にプッシュボタン37が配設されている。プッシュボタン37は、遊技中に発生する演出を切り替えるまたは遊技者が遊技機10に関わる種々の情報を得るために行う遊技者の操作を受け付けることができる。
下球受け皿29の下部には、下球受け皿29に貯留された遊技球を下方へ排出する球抜き機構39が設けられている。この球抜き機構39を操作することにより、下球受け皿29の底面に形成された底面口(図示せず)が開口して、当該底面口から遊技球が自然落下して排出される。
演出表示装置80は、遊技盤50の略中央に配設されている。演出表示装置80は、演出図柄の変動を含む各種の演出を表示することができる。ここで「演出図柄」とは、遊技機10における遊技の興趣をより高めるために、演出表示装置80に表示される図柄であり、具体的には数字や絵柄又はそれらの組み合わせから構成されている。
一般的に、遊技機10の遊技者は演出表示装置80に表示される演出図柄の変動演出により当該遊技の興趣を喚起されており、演出表示装置80は遊技者にとって視認しやすい位置に配置されている。
演出表示装置80としては、一般的には液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式やドットマトリックス式等、多様な方式の表示装置を採用し得る。
演出表示装置80は、その表示領域の略中央に演出図柄が表示され、さらに当該演出図柄の左側及び右側にもそれぞれ演出図柄が表示される。すなわち、演出表示装置80には、「左」「中」「右」にそれぞれ演出図柄が表示され、表示された演出図柄が一または複数の列をなしている。これらの演出図柄がスクロールすることにより、演出図柄が演出表示装置80の表示領域に変動表示される。
図柄表示装置90は、演出表示装置80の右下側など、演出表示装置80よりも遊技者が視認しにくい位置に配設される。また、図柄表示装置90の表示領域は、演出表示装置80の表示領域よりも小さい面積になっている。
図柄表示装置90は、複数のランプが配列されてなり、発光するランプの配列によって種々の情報を示す。本実施形態において、当該ランプには、発光ダイオード(以下、LEDと称す)が利用される。本実施形態における図柄表示装置90は、第1特別図柄表示装置91、第2特別図柄表示装置92、及び普通図柄表示装置93を含んでいる。
図3に示すように、第1特別図柄表示装置91は8個のLEDから構成され、第2特別図柄表示装置92の左側に位置する。また、第2特別図柄表示装置92は8個のLEDから構成され、第1特別図柄表示装置91の右側に位置する。第1特別図柄表示装置91及び第2特別図柄表示装置92はLEDの発光パターンにより特別図柄に係る図柄変動ゲームの抽選結果(特別図柄)を表示する。
普通図柄表示装置93は第1特別図柄表示装置91及び第2特別図柄表示装置92より少ない数(例:2個)のLEDの発光パターンにより普通図柄に係る図柄変動ゲームの抽選結果(普通図柄)を表示する。
なお、図3に示すように、図柄表示装置90は、第1特別図柄表示装置91、第2特別図柄表示装置92、及び普通図柄表示装置93の表示に用いられないLEDも含んでおり、特別図柄に係る図柄変動ゲーム及び普通図柄に係る図柄変動ゲームの抽選結果の他にも、保留されている乱数の数や大当り遊技のラウンド回数等の情報も表示しうる。
ここで「特別図柄」とは、第1特別図柄及び第2特別図柄の総称である。
「第1特別図柄」は、第1特別図柄表示装置91に表示するために選択されうるデータ群、又は、第1特別図柄表示装置91に表示されうる図柄(LEDの発光パターン)をいう。
「第2特別図柄」は、第2特別図柄表示装置92に表示するために選択されうるデータ群、又は、第2特別図柄表示装置92に表示されうる図柄(LEDの発光パターン)をいう。
第1特別図柄は、「特図1」と略称される場合があり、第2特別図柄は、「特図2」と略称される場合がある。また、特別図柄は、「特図」と略称される場合がある。
また、ここで「特別図柄に係る図柄変動ゲーム」とは、特別電動役物65又は特別電動役物66(いわゆるアタッカー)を開放させるための抽選結果(当りの当否抽選結果)を示すために、第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92を変動表示させた後に特定の特別図柄を停止表示させることをいう。本明細書において、「特別図柄に係る図柄変動ゲームの実行」とは、第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92における特別図柄に係る図柄変動ゲームの表示(変動表示及び停止表示)をいう場合と、当該表示のために行われる一連の内部処理の実行をいう場合とがある。
ここで「普通図柄」とは、普通図柄表示装置93に表示するために選択されうるデータ群、又は普通図柄表示装置93に表示されうる図柄(普通図柄表示装置93におけるLEDの発光パターン)をいう。なお、以下、普通図柄のことを「普図」と略して表記する場合がある。
また、「普通図柄に係る図柄変動ゲーム」とは、普通電動役物61(いわゆる電動チューリップ)を開放させるための抽選結果(普通図柄当りの当否抽選結果)を示すために、普通図柄表示装置93を変動表示させた後に特定の普通図柄を停止表示させることをいう。本明細書において、「普通図柄に係る図柄変動ゲームの実行」とは、普通図柄表示装置93における普通図柄に係る図柄変動ゲームの表示(変動表示及び停止表示)をいう場合と、当該表示のために行われる一連の内部処理の実行をいう場合とがある。
本実施形態において、図柄表示装置90に配列される複数のランプはLEDとするが、ランプの種別はこれに限定されるものではない。そして、当該ランプの配置についても図3に図示するものに限らず、多様な配置を採用しうる。
遊技盤50の前面には、多数の遊技釘(図示せず)や風車52、装飾部材といった障害物が配置されていることにより、打ち出された遊技球が転動するように遊技領域50aが画成されている。また、遊技領域50aの左側及び上側には、操作ハンドル31の回転操作により発射された遊技球を遊技領域50aの上部に案内するために設けられた湾曲形状の外レール51及び内レール53が配置されている。なお、外レール51は、遊技領域50a中央から視て内レール53より外側に位置している。
ここで風車52とは、遊技球の落下の方向に変化を与えるための機構で、くぎ状のものをいう。
遊技機10は操作ハンドル31の回転操作量(例えば回転角度)の大小によって遊技球の打ち出しの強弱をつけることが可能になっている。また、より弱く打ち出された遊技球が転動する第1流路X(いわゆる左打ち)、より強く打ち出された遊技球が転動する第2流路Y(いわゆる右打ち)、のいずれか一方を遊技球が転動するように各種障害物が遊技領域50aに配置されている。
遊技領域50aには、各種の入賞口(例えば大入賞口55等)が配設され、各入賞口の後方には入球した遊技球を検知する各種スイッチ(例えばカウントスイッチSW7等)が配設されている。なお、以下の説明において「入賞」とは、遊技球が特定の入賞口に入球することをいう。
本実施形態においては、上記の各種スイッチは遊技者が視認できない位置に配置されており、図1及び図2においては図示されていない。
図2には、主要な入賞口として、大入賞口55、大入賞口56、第1始動口57、第2始動口59、作動ゲート63、普通入賞口67(67a、67b)を図示する。ここで図示する入賞口は一例であり、その数や配置は適宜変更しても構わない。
第1始動口57は、遊技領域50aの中央下部(演出表示装置80の下方)に配置されており、一般的に「ヘソ」と呼ばれる。
第1始動口57の後方には入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW1が配置されている。
第1始動口57に入球した遊技球をカウントスイッチSW1で検知することにより、第1特別図柄に係る図柄変動ゲームを始動させる始動条件と、予め定めた数の遊技球を賞球として払い出す払出条件と、が付与される。
本実施形態において、遊技領域50aは、遊技球が第2流路Yから転動したときよりも、遊技球が第1流路Xから転動したときに、第1始動口57に入球しやすくなるように、各種障害物が配置されている。つまり、第1始動口57は、遊技領域50aの左側を主とする第1流路Xに設けられている。
第2始動口59は、遊技領域50aの右側(演出表示装置80の右下側)に配置されており、第2始動口59には普通電動役物61が付設されている。普通電動役物61は、第2始動口59に遊技球への入球が容易である開放状態又は入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する開閉部材であり、ソレノイドコイルSOL4の作動により当該開放状態または当該閉鎖状態のいずれかに遷移する。なお、普通電動役物61の制御については、後に詳述する。
第2始動口59の後方には入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW2が配置されている。第2始動口59に入球した遊技球をカウントスイッチSW2で検知することにより、第2特別図柄に係る図柄変動ゲームの始動条件と、賞球の払出条件と、が付与される。
本実施形態において、遊技領域50aは、遊技球が第1流路Xから転動したときよりも、遊技球が第2流路Yから転動したときに、第2始動口59に入球しやすくなるように、各種障害物が配置されている。つまり、第2始動口59は、遊技領域50aの右側を主とする第2流路Yに設けられている。
作動ゲート63は、第2始動口59の上方(演出表示装置80の右側)に配置されている。作動ゲート63の後方には、通過した遊技球を検知するカウントスイッチSW4が配設されている。作動ゲート63は、入球した遊技球をカウントスイッチSW4で検知することにより、普通図柄に係る図柄変動ゲームの始動条件が付与され得る。
なお、本実施形態の遊技機10においては、カウントスイッチSW4の検知は賞球の払出条件に含まれていない。すなわち、本実施形態の作動ゲート63に遊技球が入球しても賞球は零である。
また、作動ゲート63は通過した遊技球が通過後再び遊技領域50aを転動する、いわゆるゲートタイプの入賞口であってもよい。この場合において、作動ゲート63を通過することも、本明細書では「入球」と称する場合がある。
大入賞口55は、第2始動口59の左下側(演出表示装置80の下側)に配置されている。大入賞口55の開口部は、ソレノイドコイルSOL1の作動により開閉動作を行う特別電動役物65が配置されている。
大入賞口55の後方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW7が配置されている。カウントスイッチSW7が大入賞口55に入球した遊技球を検知することにより、賞球の払出条件が付与される。
大入賞口56は、第2始動口59の下方(演出表示装置80の右下側)に配置されている。大入賞口56の開口部は、ソレノイドコイルSOL2の作動により開閉動作を行う特別電動役物66が配置されている。
大入賞口56の奧方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW8が配置されている。カウントスイッチSW8が大入賞口56に入球した遊技球を検知することにより、賞球の払出条件が付与される。
大入賞口55は、特別図柄に係る図柄変動ゲームで当選して行われる大当り遊技中における特別電動役物65の開動作によって開放され、これに伴い、大入賞口55への遊技球の入球が許容される。
大入賞口56は、特別図柄に係る図柄変動ゲームで当選して行われる大当り遊技中における特別電動役物66の開動作によって開放され、これに伴い、大入賞口56への遊技球の入球が許容される。
本実施形態において、特別電動役物65及び特別電動役物66は、第1始動口57への入球及び第2始動口59への入球のいずれに起因する大当り遊技においても開動作しうるように構成されている。但し、特別電動役物65又は特別電動役物66は、第1始動口57への入球又は第2始動口59への入球のいずれか一方に起因する大当り遊技においてのみ開動作しうるように構成されていてもよい。
第1始動口57への入球又は第2始動口59への入球のいずれに起因する大当り遊技が行われる場合にも、遊技者は賞球を獲得できる機会が大幅に増大しうる。なお、本実施形態において、遊技球が第2流路Yから転動するときには、第1流路Xから転動するときよりも、大入賞口55又は大入賞口56に入球しやすくなるように各種障害物が配置されている。
普通入賞口67(67a、67b)は、演出表示装置80の左下部に配置されている。普通入賞口67aの後方には入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW5が配置されており、普通入賞口67aに入球した遊技球をカウントスイッチSW5で検知することにより、賞球の払出条件が付与され得る。普通入賞口67bの後方には入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW6が配置されており、普通入賞口67bに入球した遊技球をカウントスイッチSW6で検知することにより、賞球の払出条件が付与され得る。
上述したように、各入賞口の後方には各入賞口に入球した遊技球を検知する各カウントスイッチが配置されている。具体的には、カウントスイッチSW1は第1始動口57への遊技球の入賞を検出し、カウントスイッチSW2は第2始動口59への遊技球の入賞を検出し、カウントスイッチSW4は作動ゲート63への遊技球の入賞を検出し、カウントスイッチSW5は普通入賞口67aへの遊技球の入賞を検出し、カウントスイッチSW6は普通入賞口67bへの遊技球の入賞を検出し、カウントスイッチSW7は大入賞口55への遊技球の入賞を検出し、カウントスイッチSW8は大入賞口56への遊技球の入賞を検出する。
アウト口69は、遊技領域50aの最下部に配置されている。遊技領域50aに打ち込まれ、上述した各入賞口に入球しなかった遊技球(作動ゲート63がゲートタイプである場合には、作動ゲート63を通過して他の入賞口に入賞しなかった遊技球を含む)はアウト口69に落入し、アウト球として処理される。
ここで「アウト球」とは、遊技領域50aから排出された遊技球である。
本実施形態では、このアウト球を検出する手段として、アウト口スイッチSW9が設けられている。アウト口スイッチSW9は、アウト口69及び各入賞口に入球した遊技球の流路(図示せず)に配置されている。これにより、アウト口スイッチSW9は、アウト口69に落入した遊技球又はいずれかの入賞口に入球した遊技球をアウト球として検知する。アウト口スイッチSW9は、アウト球の検知ごとに検知信号を出力してもよいし、所定数のアウト球が検知される度に、検知信号を出力してもよい。
図4に示すように、上球受け皿27の上面には、遊技者に操作される操作ボタン群が配置されている。この操作ボタン群には、上述のプッシュボタン37の他、それぞれ上、下、左、右への操作を指示するためのカーソルボタン38a、38b、38c、38d、玉貸操作を受け付ける玉貸ボタン38e、及び、プリペイドカードの返却操作を受け付ける返却ボタン38fなどが含まれる。
また、上球受け皿27の側方には、図示しないモータ等のアクチュエータにより動作する可動装飾体22が設けられている。
<遊技機10の制御構成について>
続いて、遊技機10の制御構成について説明する。
図5は、遊技機10の主要な電気的構成を示すブロック図である。
図6及び図7は、遊技機10の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。
なお、図5、図6及び図7で図示される各構成及び各機能は、本実施形態の遊技機10を説明する上で必要なものを挙げたに過ぎず、ここに図示しない構成及び機能を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成及び機能の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成又は機能が省かれても良い。
遊技機10は、メイン制御基板100、サブ制御基板200などの制御基板を自機の内部に備えており、図6又は図7に図示している機能を含む種々の機能を各基板と当該各基板に電気的に接続されている部品とによって実現している。
より具体的には、メイン制御基板100及びサブ制御基板200は、CPU101又はCPU201、RAM102又はRAM202、ROM103又はROM203などを有している。メイン制御基板100及びサブ制御基板200は、CPU101又はCPU201がROM103又はROM203から読み出した制御プログラムを実行し、RAM102又はRAM202に種々のデータを書き込み又は読み出しを行うことにより種々の機能を実現する。
図5では、一つのサブ制御基板200が図示されているが、サブ制御基板200は、複数の基板で形成されていてもよい。サブ制御基板200が複数の基板で形成される場合、メイン制御基板100に複数のサブ制御基板200が並列に接続されていてもよいし、メイン制御基板100に対して複数のサブ制御基板200が階層的に接続されていてもよい。
また、各機能構成を実現する基板は、図6及び図7に示される基板に限定されるものではなく、メイン制御基板100若しくはサブ制御基板200又は他の基板上で実現されてもよい。
メイン制御基板100は、遊技を統括的に制御し、遊技に関連する演出等について、サブ制御基板200にコマンドを伝送する。メイン制御基板100は、遊技の結果に影響を及ぼす又は及ぼす虞がある機能を実現する基板であり、サブ制御基板200は、メイン制御基板100から送られるコマンドに従って、各種制御を行う基板である。
図6には、メイン制御基板100で実現される主要な機能構成として、情報伝送部110、特図保留制御部115、普図保留制御部116、特図抽選制御部130、遊技状態制御部140、図柄表示制御部150、変動パターン付与部160、普図抽選制御部170、普通電役制御部180、特別電役制御部190が例示されている。また、同図には、サブ制御基板200で実現される主要な機能構成として、演出制御部210が例示されている。
特図抽選制御部130は、特別図柄に係る図柄変動ゲームに関連して他の構成要素を制御する。
普図抽選制御部170は、普通図柄に係る図柄変動ゲームに関連して他の構成要素を制御する。
遊技状態制御部140は、大当り遊技を制御する機能、確変状態や変短状態を管理しこれらの付与や解除(通常遊技状態への移行)を制御する機能を有する。大当り遊技は、役物連続作動装置が特別電動役物65又は特別電動役物66を連続して作動させている遊技状態である。
図柄表示制御部150は、特別図柄に係る図柄変動ゲームの結果として選択された特別図柄、又は、普通図柄に係る図柄変動ゲームの結果として選択された普通図柄、を図柄表示装置90に表示させる。
変動パターン付与部160は、特別図柄に係る図柄変動ゲームにて図柄表示制御部150が変動表示を開始してから停止表示を行うまでの時間を示す変動時間情報を少なくとも含む変動パターンを付与する。変動パターン付与部160によって付与された変動パターンは、情報伝送部110を介して演出制御部210(サブ制御基板200)に伝達されて演出表示装置80における表示演出(リーチ演出等)を実行する際にも用いられる。
情報伝送部110は、メイン制御基板100で実現される各機能構成にて生成された制御情報(コマンド)をサブ制御基板200上で実現される機能構成(例えば、演出制御部210等)に伝送する。情報伝送部110によって伝送されるコマンドには、上述の変動パターンを示す情報の他にも、特図抽選や普図抽選の結果、確変状態の有無、変短状態の有無、保留されている乱数に関する情報、大当り遊技の実行に関する情報等が含まれてもよい。
演出制御部210は、情報伝送部110を介してメイン制御基板100で実現される各種機能構成にて生成された制御情報(コマンド)を受け、主に特別図柄に係る図柄変動ゲームや大当り遊技に関する演出表示を、演出表示装置80に表示させる。例えば、演出制御部210は、図柄変動ゲームの実行中に演出図柄を演出表示装置80に変動表示又は停止表示させる。
演出制御部210は、照明装置35による点灯(点滅)演出、またはスピーカ33による音声演出についても制御することができ、これらの演出表示、点灯演出、音声演出等を組み合わせて遊技者の興趣を喚起することができる。また、演出制御部210は、プッシュボタン37にて受け付けた遊技者の操作に応じて各種演出を可変に切り替えることもできる。
<特図抽選について>
以下、特図抽選に関わる機能構成について詳述する。
特図保留制御部115は、第1始動口57の入賞を少なくとも含む始動条件の成立を契機として乱数M1を取得して保留させる。また、特図保留制御部115は、第2始動口59の入賞を少なくとも含む始動条件の成立を契機として乱数M2を取得して保留させる。
より具体的には、特図保留制御部115は、カウントスイッチSW1によって第1始動口57の入賞が検知されかつ他の始動条件が満たされていると乱数M1を取得し、専用の記憶領域に格納(保留)させる。また、特図保留制御部115は、カウントスイッチSW2によって第2始動口59の入賞が検知されかつ他の始動条件が満たされていると乱数M2を取得し、専用の記憶領域に格納(保留)させる。当該他の始動条件には、例えば、乱数M1又は乱数M2の保留上限数に達していないことなどがある。
乱数M1の保留上限数又は乱数M2の保留上限数は予め定められており、本実施形態では乱数M1及び乱数M2の各々について4個が保留上限数と設定されている。但し、各保留上限数は限定されない。
以降、第1始動口57又は第2始動口59の入賞を検知することを一つの条件として、その後に何らかの処理を実行することを、「第1始動口57又は第2始動口59の入賞を契機として何らかの処理を実行する」といった表現を行う場合もある。よって、当該入賞が検知されたとしても、必ずしも当該何らかの処理が実行されなくてもよい。
特図保留制御部115は、第1始動口57の入賞を契機として取得される乱数M1と、第2始動口59の入賞を契機として取得される乱数M2と、を区別して保留する。
なお、後述する当否抽選部131は、乱数M1と乱数M2とが共に保留されている場合、乱数M2を先に用いて当否抽選するように構成されている。このような処理を、以下の説明において優先処理と称する場合がある。
優先処理は、特図保留制御部115による制御で実現されている。
特図保留制御部115は、特別図柄に係る図柄変動ゲームに係る制御又は大当り遊技に係る制御が行われていないとき、保留されている乱数M1又は乱数M2を所定の周期で読み出す。このとき、特図保留制御部115は、乱数M2の読み出しを優先的に実行し、乱数M2が読み出せなかった場合(保留されている乱数M2が零個である場合)に乱数M1を読み出す。このような制御によって、乱数M2が乱数M1より優先的に読み出される。特図保留制御部115により読み出された乱数は、後述の当否抽選部131により用いられて、当否抽選が行われる。結果、当否抽選部131においても乱数M1よりも乱数M2が優先的に処理されることになる。
特図保留制御部115は保留されている乱数の数をそれぞれについて監視してもよい。この場合、特図保留制御部115は、監視している乱数の数を、図柄表示装置90に表示させるように図柄表示制御部150に指令を出してもよいし、演出表示装置80に表示させるように情報伝送部110を介して演出制御部210にコマンドを出してもよい。
特図抽選制御部130は、特別図柄に係る図柄変動ゲームに関する処理を行う機能部であり、当否抽選部131、特図選択部132等を有している。
当否抽選部131は、特図保留制御部115により取得された乱数M1又は乱数M2を用いて大当り遊技の当否抽選を行う。換言すれば、当否抽選部131(当否判定手段)は、カウントスイッチSW1およびカウントスイッチSW2による遊技球の検知を少なくとも一つの条件として当否判定を行う。
なお、上述のように、カウントスイッチSW1およびカウントスイッチSW2は、遊技領域50aに設けられた始動口(第1始動口57、第2始動口59)に入賞した遊技球を検出する始動検出手段である。
特図選択部132は、当否抽選部131による当否抽選の結果に基づいて特別図柄を選択する。
特図選択部132によって選択された特別図柄は、後述する第1特別図柄表示制御部151又は第2特別図柄表示制御部152によって、特別図柄に係る図柄変動ゲームの実行中に第1特別図柄表示装置91又は第2特別図柄表示装置92に表示される。
<普図抽選について>
以下、普図抽選に関わる機能構成について詳述する。
普図抽選制御部170は普通図柄に係る図柄変動ゲームを司る機能部であり、開放抽選部171と普図選択部172とを有する。また、普通電役制御部180は、普通電動役物61を制御する機能部である。
普図保留制御部116は、カウントスイッチSW4によって作動ゲート63の入賞が検知されると、乱数M3を取得して専用の記憶領域に格納(保留)させる。ここで乱数M3は、開放抽選部171による抽選に用いられる乱数である。保留可能な乱数M3の上限数である保留上限数は予め定められており、本実施形態において保留上限数は4個と設定されている。
普図保留制御部116は、普図抽選制御部170が普通図柄に係る図柄変動ゲームに係る制御を行っていないとき、保留されている乱数M3を所定の周期で読み出す。
普図保留制御部116は保留されている乱数M3の数を監視している。また、普図保留制御部116は、監視している乱数M3の数を、図柄表示装置90に表示させるように図柄表示制御部150に指令を出してもよいし、演出表示装置80に表示させるように情報伝送部110を介して演出制御部210に指令を出してもよい。
開放抽選部171は、普図保留制御部116から読み出された乱数M3を用いて、普通電動役物61を開放状態に遷移させるか否かの開放抽選を行う。なお、開放抽選部171によって行われる抽選の当選確率は、通常遊技状態であるときは変短状態であるときより低くなっており、変短状態であるときは通常遊技状態であるときより高くなっている。
開放抽選部171による抽選に当選したとき、普通電役制御部180はソレノイドコイルSOL4を作動させて所定の開放条件で普通電動役物61を開放させる。
普図選択部172は、開放抽選部171による抽選の当否結果に基づいて普通図柄を選択し、選択された普通図柄を図柄表示制御部150(普通図柄表示制御部153)に伝達して普通図柄表示装置93に表示させる。普通図柄表示装置93に対応している二つのLEDは一方が当選、一方が落選に対応しており、普通図柄表示制御部153は普図選択部172が選択した普通図柄に従っていずれか一方を発光させる。
普通電役制御部180は、変短制御部142によって変短状態が付与されているとき、開放状態をとる時間が単位時間あたりで増加するように普通電動役物61を制御する。すなわち、普通電役制御部180の制御は、後述する変短制御部142による変短状態の付与に起因して変動する。
<遊技状態制御について>
遊技状態制御部140は、大当り遊技、確変状態、及び変短状態を制御する機能であり、確変制御部141と変短制御部142と大当り制御部145とを有している。
ここで「確変状態」とは、当否抽選部131による大当りの当否抽選の当選確率が通常遊技状態より高確率になることをいう。
また、「変短状態」とは、以下の少なくとも一つが行われることをいう。
(i)普通電動役物61の開放抽選の当選確率が通常遊技状態より高確率になる。
(ii)普通電動役物61の一回当たりの開放時間が通常遊技状態より延長される。
(iii)普通電動役物61の開放抽選の当選に応じて普通電動役物61が開放される回数が通常遊技状態より増加される。
(iv)普通図柄表示装置93における一回あたりの変動表示時間が短縮される。
確変制御部141は、大当り制御部145によって実行される少なくとも一部の大当り遊技が終了したとき、確変状態を付与する。
確変制御部141は、特別図柄に係る図柄変動ゲームにおいて確変状態の終了条件が成立した場合、または確変状態にて実行される特別図柄に係る図柄変動ゲームにて大当り遊技に当選した場合には、確変状態から通常遊技状態へと移行させる。
本実施形態における確変状態の終了条件は、確変状態に移行してから100回の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われることである。
変短制御部142は、大当り制御部145によって実行される大当り遊技が終了したとき、変短状態を付与する。
変短制御部142は、すべての大当り遊技の終了時に通常遊技状態から変短状態へと移行させ、変短状態の終了条件が成立する特別図柄に係る図柄変動ゲームにおいて、変短状態から通常遊技状態へと移行させる。
本実施形態における変短状態は、変短状態に移行してから100回の特別図柄に係る図柄変動ゲームが行われることを終了条件としている。本実施形態においては全ての大当り遊技の終了時に変短状態が付与されるので、各大当り遊技の終了時からその後に行われた特別図柄に係る図柄変動ゲームの回数が100回に達するまで変短状態が維持される。
上記の確変制御部141と変短制御部142について整理すると、以下のように換言できる。すなわち、確変制御部141と変短制御部142(遊技状態制御手段)は、大当り制御部145によって実行される大当り遊技の少なくとも一部を契機として遊技者にとって有利な確変状態および変短状態(有利遊技状態)に移行させる。
大当り制御部145は、特別図柄に係る図柄変動ゲームの当選に起因して大当り遊技を実行する機能部である。換言すれば、大当り制御部145(大当り制御手段)は、当否抽選部131(当否判定手段)によって当選が判定された場合に、大当り遊技を実行する。本実施形態における大当り遊技は、具体的には以下のように実行される。
まず、当否抽選部131によって大当り遊技に当選した場合、大当り遊技に対応する特別図柄が特図選択部132によって選択され、選択された特別図柄が第1特別図柄表示装置91または第2特別図柄表示装置92に停止表示された後(特別図柄に係る図柄変動ゲームが終了した後)に、大当り制御部145は大当り遊技を開始させる。
大当り遊技が開始されると、大当り制御部145は演出制御部210に大当り遊技の開始を示すオープニング演出に関する指令を出す。演出制御部210は大当り制御部145の指令に従い所定時間(オープニング時間)にわたってオープニング演出を実行する。なお、オープニング演出において遊技者に右打ちを推奨する等して、大入賞口55および大入賞口56に向かう第2流路Yへの遊技球の打ち出しを促すことが好ましい。
オープニング演出の終了後には、大入賞口55または大入賞口56が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定回数(ラウンド回数)を上限として複数回行われる。ラウンド遊技では、大入賞口55が所定回数(例えば1回)開放される。また、開放された大入賞口55または大入賞口56に規定個数の遊技球が入球した後、または規定時間(ラウンド遊技時間)が経過後に、大入賞口55または大入賞口56が閉鎖されてそのラウンド遊技が終了する。
ラウンド遊技の終了後には、大入賞口55または大入賞口56が所定の時間(インターバル時間)だけ閉鎖され、次のラウンド遊技の開始と共に再び大入賞口55または大入賞口56が開放される。
大当り制御部145は、前段で述べたように制御するために、ラウンド回数・ラウンド遊技時間・インターバル時間等を制御情報として含む指令を特別電役制御部190に伝送する。
特別電役制御部190は、大当り制御部145から受けた指令に従って、特別電動役物65または特別電動役物66を開放させる。
特別電役制御部190は、特別電動役物65を開放させている間、1回のラウンド遊技中に大入賞口55に入球した遊技球の個数をカウントスイッチSW7の検知に基づいて監視している。そして、特別電役制御部190は、監視している入賞した遊技球が上限数に達したとき、ソレノイドコイルSOL1を作動させて特別電動役物65を閉鎖させる。
或いは、特別電役制御部190は、特別電動役物66を開放させている間、1回のラウンド遊技中に大入賞口56に入球した遊技球の個数をカウントスイッチSW8の検知に基づいて監視している。そして、特別電役制御部190は、監視している入賞した遊技球が上限数に達したとき、ソレノイドコイルSOL2を作動させて特別電動役物66を閉鎖させる。
大当り制御部145は、演出制御部210(サブ制御基板200)にラウンド遊技中に係る演出に関する指令を出す。演出制御部210は大当り制御部145の指令に従ってラウンド演出を実行する。
規定のラウンド回数が終了すると、大当り制御部145は情報伝送部110を介して演出制御部210に大当り遊技の終了を示すエンディング演出に関する指令を出す。演出制御部210は大当り制御部145の指令に従い所定時間(エンディング時間)にわたってエンディング演出を実行し、大当り制御部145は大当り遊技を終了させる。
<図柄表示と演出表示について>
図柄表示制御部150は、特別図柄に係る図柄変動ゲームの結果である特別図柄、または普通図柄に係る図柄変動ゲームの結果である普通図柄、を図柄表示装置90に表示させる。
演出制御部210は、主に特別図柄に係る図柄変動ゲームや大当り遊技に関する演出表示を、演出表示装置80に表示させる。特に特別図柄に係る図柄変動ゲームの実行中に関していえば、演出制御部210は、図柄表示装置90による特別図柄の変動時間に合わせて、演出表示装置80による演出表示を実行させている。換言すれば、演出制御部210は、図柄表示装置90における一回の特別図柄に係る図柄変動ゲームと、演出表示装置80における一回の演出表示とを、原則として対応付けて実行する。
ただし、複数回の特別図柄に係る図柄変動ゲームにわたって連続性を有している演出表示が実行される場合や、一回の特別図柄に係る図柄変動ゲームに対して複数回の変動を1セットとする演出表示が実行される場合もある。前者の代表例はいわゆる連続演出と称される演出表示であり、後者の代表例はいわゆる擬似連演出と称される演出表示である。
上記で述べた特別図柄に係る図柄変動ゲームと演出表示との対応性を担保するため、変動パターン付与部160は変動パターンを定める。
より詳細には、変動パターン付与部160は、特別図柄に係る図柄変動ゲームにて特別図柄が変動する時間を示す変動時間情報を少なくとも含む変動パターンを定め、変動パターンを図柄表示制御部150及び演出制御部210に伝達する。図柄表示制御部150は伝達された変動パターンに応じて特別図柄に係る図柄変動ゲームを表示させ、また演出制御部210は伝達された変動パターンに応じて演出表示を表示させることによって、これらの対応性を担保している。
また、上記の説明において、変動パターン付与部160によって定められる変動パターンは変動時間情報を少なくとも含む旨を説明した。この他にも、変動パターンには、リーチ演出をするかバラケ目にするかを示す情報等が含まれてもよい。
図7には、メイン制御基板100で実現される主要な機能構成として、情報伝送部110が例示されており、サブ制御基板200で実現される主要な機能構成として、演出制御部210、情報管理部220が例示されている。
情報伝送部110は、図7に示される各カウントスイッチからの各入賞口に遊技球が入球した旨の検知信号及びアウト口スイッチSW9からのアウト球を検知した旨の検知信号を受け、それら検知信号に対応する検知情報をコマンドとしてサブ制御基板200へ通知する。
なお、情報伝送部110は、各入賞口に遊技球が入球した旨を示す検知情報を含むコマンドを、入賞口への入球が検知されるごとに出力する。
また、情報伝送部110は、アウト球を検知した旨の検知情報を含むコマンドを、アウト口スイッチSW9がアウト球を10球検知するごとに出力する。すなわち、当該コマンドに含まれる検知情報は、10個分の排出球数を示す情報といえる。
情報管理部220は、通知された検知情報に基づいて、排出球数を算出する排出算出部221と、払出球数を算出する払出算出部223と、を有している。
排出算出部221によって算出された排出球数および払出算出部223によって算出された払出球数は、RAM202に格納されて逐次最新の情報に更新される。
情報管理部220は、RAM202に格納されている遊技情報を消去しうる機能構成であって、それぞれ異なる条件を契機とする第一消去部225、第二消去部227および第三消去部229を有している。
第三消去部229(第三消去手段)は、電源の切断を契機としてRAM202(記憶装置)に記憶されている遊技情報の一部を消去する。第三消去部229による消去時において球数情報がRAM202に保持される。すなわち、球数情報は第三消去部229によって消去されない。
RAM202は、遊技機10への電力供給が遮断された場合であっても、記憶している情報を保持可能に構成される。これは、電力供給の遮断に応じて供給が開始されるバックアップ用電源装置からの電力により実現されてもよいし、RAM202が不揮発性メモリを含むことで実現されてもよい。
第一消去部225は、RAMクリア信号の受信を契機としてRAM202に記憶されている遊技情報の一部を消去する。第一消去部225による消去時において球数情報はRAM202に保持される。すなわち、球数情報は第一消去部225によって消去されない。
既に述べたように、RAMクリア信号は、RAMクリアスイッチSW10を押下しながら遊技機10の電源が投入された場合に、メイン制御基板100(RAMクリア部112)からサブ制御基板200(第一消去部225)に伝送される。
第二消去部227(第二消去手段)は、特定画像が演出表示装置80(表示装置)に表示されている状態で第三操作が行われることを契機としてRAM202(記憶装置)に記憶されている遊技情報の全部を消去する。このとき、第二消去部227は球数情報をRAM202から消去させる。すなわち、球数情報は第二消去部227によって消去される。
ここで特定画像とは、電源投入後に第二操作が行われることによって演出表示装置80に表示される画面であって、例えば、図10に示す画像DR3である。
ここで第二操作とは、特定画像を演出表示装置80に表示させるための操作であり、例えば、図8に示す画像DR1に表示される表示IN12に従った操作、および図9に示す画像DR2に表示される表示IN25を選択する操作である。
ここで第三操作とは、第二消去部227による消去の契機になる操作であり、例えば、図10に示す画像DR3に表示される表示IN36を選択する操作である。
なお、本実施形態では第二消去部227がRAM202に記憶されている遊技情報の全部を消去する実施態様を説明するが、第二消去部227はRAM202に記憶されている一部の遊技情報(例えば、球数情報のみ)を消去する実施態様によって本発明が実施されてもよい。
第二消去部227による消去に係る操作について、図8から図11を用いてより具体的に説明する。図8から図11は、遊技機10の電源投入後に演出表示装置80に表示される画像の一例である。
遊技機10の電源を投入すると、演出制御部210は所定期間にわたって演出表示装置80に、図8に示す画像DR1を表示させる。
表示IN11には「残りXX秒経過するとデモ画面に移行します」と示されている。ここで「残りXX秒」とは、画像DR1が表示されている所定期間の残り時間を意味しており、1秒ごとにカウントダウンされる。また、「デモ画面」とは、待機状態に表示される画面である。
表示IN12には「左右方向のボタンを同時に押し続けると設定画面を表示します」と示されている。ここで「左右方向のボタン」とは、カーソルボタン38c、38dのことである。また、「設定画面」とは、図9に示す画像DR2が表示されている画面である。
表示IN12に適った操作が行われた場合、演出制御部210は演出表示装置80に、図9に示す画像DR2を表示させる。
画像DR2には、カーソルを示す表示IN23と、3つの選択可能なメニューを示す表示IN24〜表示IN26と、メニュー選択を終了させる旨を示す表示IN27と、が表示されている。
表示IN24は、「ECOモード」を選択する場合にカーソルを合わせる表示である。ここで「ECOモード」とは、待機状態になってから所定時間が経過した場合に消費電力が抑制する状態に移行するか否かを選択するメニューである。
表示IN25は、「サブデータ消去」を選択する場合にカーソルを合わせる表示である。ここで「サブデータ消去」とは、RAM202に記憶されている遊技情報を消去させるか否かを選択するメニューである。
表示IN26は、「RTC設定」を選択する場合にカーソルを合わせる表示である。ここで「RTC設定」とは、リアルタイムクロックを設定するか否かを選択するメニューである。リアルタイムクロックが設定された遊技機10は、電源が切断されたとしても、バッテリバックアップにより時刻を刻み続けることができる。
表示IN27は、メニュー選択を終了させる場合にカーソルを合わせる表示である。メニュー選択を終了させると、演出制御部210は演出表示装置80にデモ画面を表示させる。
表示IN22には「上下方向のボタンでカーソルを合わせます」と示されている。ここで「上下方向のボタン」とは、カーソルボタン38a、38bのことである。また、「カーソル」とは、表示IN23のことである。
表示IN21には「プッシュボタンで決定します」と示されている。ここで「プッシュボタン」とは、プッシュボタン37である。また、「決定」とは、カーソルを合わせた表示が示すメニューを選択することである。
画像DR2の表示中に「サブデータ消去」が選択された場合、演出制御部210は演出表示装置80に、図10に示す画像DR3を表示させる。
画像DR3には、カーソルを示す表示IN33と、サブデータを消去する際の注意喚起を示す表示IN34と、サブデータを消去させるか否かを示す表示IN35、表示IN36と、が表示されている。
表示IN34には、サブデータを消去すると遊技機10が工場出荷時の状態に戻る旨の注意喚起が示される。
表示IN35には、サブデータを消去しない場合にカーソルを合わせる表示である。表示IN36は、サブデータを消去する場合にカーソルを合わせる表示である。画像DR2の表示中に「サブデータ消去」が選択された直後においては、図10に示すように、カーソルが表示IN35に合わされる。プッシュボタン37を連続押下することによって、誤ってサブデータが消去されることを防止するためである。
表示IN32は、表示IN22が示す内容と同様である。
表示IN31は、表示IN21が示す内容と同様である。
画像DR3の表示中にサブデータを消去する旨が選択された場合(第二消去部227によって遊技情報が消去された場合)、演出制御部210は演出表示装置80に、図11に示す画像DR4を表示させる。
表示IN41には、サブデータが消去されて遊技機10が工場出荷時の状態に戻った旨が示される。すなわち、第二消去部227は、RAM202に記憶されている遊技状態の全部を消去する。
表示IN42には、プッシュボタン37を押下すると、演出表示装置80に画像DR2が表示されている状態に戻る旨が示されている。
演出制御部210は、排出算出部221によって算出された排出球数と、払出算出部223によって算出された払出球数と、の差分を表す差球数に基づいて所定演出を実行する。
演出制御部210によって実行される所定演出について、以下に具体的に例示する。
演出制御部210は、差球数を示す数値を演出表示装置80の表示領域に表示してもよい。当該数値は、図柄変動ゲームの実行中に表示されてもよく、図柄変動ゲームが行われていない状態(待機状態)に表示されてもよい。また、当該数値は、遊技者の操作に応じて受動的に表示されてもよく、所定の条件を満足した場合(例えば、差球数が所定値を超えた場合)に自動的に表示(ポップアップ)されてもよい。
また、演出制御部210は、差球数に応じた特定の音声をスピーカ33から出力してもよく、差球数に応じた特定の発光パターンで照明装置35を発光させてもよい。
演出制御部210は、差球数が所定値を超えている場合において第一演出態様(特別態様)の所定演出を実行可能であり、差球数が所定値以下である場合において第二演出態様の所定演出を実行可能である。すなわち、演出制御部210は、差球数が所定値を超える否かを基準とし演出態様が変化する所定演出を実行しうる。
ここで第一演出態様および第二演出態様は、相対的に異なる演出として遊技者に知覚されるものであれば足り、その内容は特に制限されない。
このように、電源の切断やRAMクリアによって消去されないデータ(球数情報)に基づいて導出される差球数が所定値を超える場合に、演出制御部210が特別態様の所定演出を行うので、有利に調整された状態を長く維持している遊技機を遊技者に報知することができる。
上記の例に適った所定演出の一具体例を、図12から図14に示す。
演出制御部210によって行われる所定演出には、演出に係るキャラクターとして戦国武将が登場する。そして、演出制御部210は、差球数が増えるほどその戦国武将の自領土が拡大するように所定演出を実行し、差球数が減るほどその戦国武将の自領土が縮小するように所定演出を実行する。
例えば、差球数が零である場合には図12に示す演出画像DR5が演出表示装置80に表示される。演出画像DR5において、網掛け部分A1が自領土を示している。
そして、差球数が千個に到達した場合には図13に示す演出画像DR6が演出表示装置80に表示される。演出画像DR6において、網掛け部分A2が自領土を示している。網掛け部分A2と網掛け部分A1とを比較すればわかるように、自領土が一カ国増えている。
なお、一旦差球数が千個に到達した後に差球数が千個を下回った場合、演出表示装置80に表示される演出画像は、演出画像DR6から演出画像DR5に差し戻される。
すなわち、上記の例に則していえば、所定値を千個とした場合、演出画像DR6を表示することが第一演出態様の所定演出であり、演出画像DR5を表示することが第二演出態様の所定演出である。
遊技が好調に進行して順調に差球数が増えれば、自領土も徐々に拡大しうる。
図14に示す演出画像DR7は、差球数が一万個に到達した場合に演出表示装置80に表示されるものである。演出画像DR7において網掛け部分A3が自領土を示している。網掛け部分A3と網掛け部分A1とを比較すればわかるように、自領土が十カ国増えている。すなわち、千個を所定値とした場合、演出制御部210は、差球数が所定値増加するごとに自領土を示す領域が一カ国ずつ増えるように所定演出を実行する。
なお、演出制御部210によって演出画像DR5、演出画像DR6または演出画像DR7が演出表示装置80に表示されるタイミングや期間は特に制限されるものではない。例えば、図柄変動ゲームが実行されている場合には演出表示装置80に常に表示されてもよいし、差球数が所定値を超えるタイミングを基準として定まる所定期間に限って演出表示装置80に表示されてもよい。
続いて、上記の例に適った所定演出の別の具体例を、図15から図17に示す。
図15から図17に示す例の所定演出は、大当り遊技、確変状態または変短状態への移行を契機として実行され、大当り遊技または有利遊技状態が終了するまで実行されうる。このとき、演出表示装置80には、合戦をモチーフとした所定演出が行われ、差球数が所定値を超えている場合には自軍が優勢である様(第一演出態様)が表され、差球数が所定値以下である場合には自軍が劣勢である様(第二演出態様)が表される。
換言すれば、演出制御部210は、大当り遊技の開始または有利遊技状態への移行の少なくとも一方を契機として、第一演出態様(特別態様)の所定演出を実行可能である。
このように、大当り遊技状態や有利遊技状態といった遊技者にとって有利な遊技状態を契機として演出制御部210が特別態様の所定演出を実行するので、演出効果を高めることができる。
より具体的には、所定値が1回の大当り遊技で獲得しうる賞球数に相当する値が設定されている場合において、第二消去部227によってRAM202がクリアされた時点を基準として最初(1回目)の大当り遊技が開始されることを契機として、演出制御部210が所定演出を実行する場合について、以下説明する。
まず、当該所定演出の開始時には、図15に示す演出画像DR8が演出表示装置80に表示される。演出画像DR8には、敵軍の総大将であるキャラクターCA1と自軍の総大将であるキャラクターCA2とが表されている。
上記の場合において、大当り遊技の実行中における差球数は所定値を超えることはないので、自軍が劣勢な様として図16に示す演出画像DR9が演出表示装置80に表示される。演出画像DR9には、敵軍(網掛けの旗を掲げた騎馬兵)の数が、自軍(無地の旗を掲げた騎馬兵)の数より多く描かれている。すなわち、演出画像DR9が表示される所定演出は、第二演出態様の所定演出の一態様である。
当該所定演出は、大当り遊技が終了した後の有利遊技状態(確変状態および変短状態)においても実行される。有利遊技状態においては、通常遊技状態よりは緩やかであるものの、徐々に差球数が減少していく。従って、演出表示装置80に表示される所定演出は、自軍が劣勢の態様(第二演出態様)のままである。
有利遊技状態の中途において2回目の大当り遊技に当選し、当該大当り遊技の実行中に差球数が所定値を超えたものとする。このとき、自軍が優勢な様として図17に示す演出画像DR10が演出表示装置80に表示される。演出画像DR10には、自軍(無地の旗を掲げた騎馬兵)の数が、敵軍(網掛けの旗を掲げた騎馬兵)の数より多く描かれている。すなわち、演出画像DR10が表示される所定演出は、第一演出態様の所定演出の一態様である。
上記のように、所定値として1回の大当り遊技で獲得しうる賞球数に相当する値が設定されている場合、少なくとも最初の大当り遊技の実行時に自軍が優勢である所定演出(第一演出態様の所定演出)が実行されない。
最初から自軍が優勢であると、劣勢を跳ね返して優勢に立つという状況が生まれず、当該所定演出の演出効果が好適に発揮されない。このような状況を防止するために、上記のような所定値を設定することが好ましい。
なお、上記と同様の効果を奏するためには、次のような構成を採ってもよい。すなわち、演出制御部210は、基準時以降に実行された大当り遊技の回数が所定回数以下である場合、差球数に基づく所定演出の実行を制限してもよい。ここで基準時は、第二消去部227による差球数のクリアを契機として定められるタイミングであることが好ましい。
ここで「差球数に基づく所定演出の実行を制限する」とは、以下のいずれかをいう。
(i)大当り遊技が所定回数以下の場合に、差球数に基づく所定演出を全く実行しない。
(ii)大当り遊技が所定回数以下の場合に、差球数に基づく所定演出として実行可能な演出態様のうち一部(例えば、図15から図17に示す演出態様)を実行しない。
(iii)大当り遊技が所定回数以下の場合に差球数に基づいて実行される所定演出の態様が、大当り遊技が所定回数を超えている場合に差球数に基づいて実行される所定演出の態様より目立たない(演出の見た目が制限される)。
さらに、上記の例に適った所定演出としては、次のような例が挙げられる。
差球数がプラスである(零を超えている)場合、特定のキャラクターが遊技者を褒めてくれる動画が流れたり、アップテンポの特典音楽(または特典映像)が流れたりする等によって、遊技興趣の向上を図ってもよい。
或いは、差球数がマイナスである(零以下である)場合、特定のキャラクターが遊技者を励ましてくれる動画が流れたり、ヒーリング系の特典音楽(または特典映像)が流れたりする等によって、遊技興趣の低下を防止してもよい。
これまでに述べてきたように、基準時(第二消去部227によるクリア時)から暫時更新されていく差球数に基づいて所定演出を行うので、演出制御部210は、その実行時における遊技状況に適った演出態様で所定演出を実行することができ、より高い演出効果を奏することができる。
なお、本実施形態に係る第二消去部227による差球数のクリア処理は、遊技者自身が任意のタイミングで実行できることが好ましい。より遊技者の状況に即した演出制御を実現することができるからである。
<各種処理の処理手順について>
次に、上記で説明した各種処理の処理手順について、図18、図19又は図20を用いて説明する。なお、上述した図1から図7に図示されている各構成要素に触れて説明する場合があるので、これらの図面も適宜参照されたい。
図18は、始動口入球時処理の処理手順を示すフローチャートである。図19は、アウト球検出処理の処理手順を示すフローチャートである。図20は、図柄変動開始処理の処理手順を示すフローチャートである。
なお、これらのフローチャートで図示される処理手順は、本発明の処理手順やその実行タイミングを限定するものではない。このため、本発明に関する処理を実施するときには、その複数の処理手順は内容的に支障のない範囲で変更することができ、また複数の処理の実行タイミングの一部または全部が互いに重複していてもよい。
また、図18、図19又は図20に図示される各処理は、本発明の説明に必要な主たる処理であって、遊技機10によって実行される全ての処理を示すものではない。
まず、始動口入球時処理について説明する。ここで「始動口入球時処理」とは、第1始動口57又は第2始動口59に対して遊技球が入球した後に実行される一連の処理である。
第1始動口57又は第2始動口59への入球がカウントスイッチSW1又はカウントスイッチSW2で検知されるまで(ステップS102のNO)、ステップS104以降の処理は行われないまま待機となる。
また、第1始動口57又は第2始動口59への入球が検知されたとしても(ステップS102のYES)、特図保留制御部115による保留数が上限に達していれば(ステップS104のYES)、ステップS106以降の処理は行われないまま待機となる。
第1始動口57又は第2始動口59への入球が検知されて(ステップS102のYES)、かつ特図保留制御部115による保留数が上限に達していないとき(ステップS104のNO)、特図保留制御部115による保留数が加算される(ステップS106)。また、特図保留制御部115によって乱数M1又は乱数M2が取得されて、専用の記憶領域に保留記憶される(ステップS108)。
すなわち、ステップS102の肯定とステップS104の否定とが、上述の第1特別図柄又は第2特別図柄に係る図柄変動ゲームを始動させる始動条件の成立を意味する。
ステップS102からステップS108までの一連の処理結果を制御情報として含むコマンドが、情報伝送部110からサブ制御基板200へ出力されて(ステップS110)、その始動口入球時処理は終了となる。
次に、アウト球検知時処理の処理手順について説明する。ここで「アウト球検知時処理」とは、アウト口スイッチSW9によりアウト球が検知された際にメイン制御基板100で実行される一連の処理である。
アウト口スイッチSW9によりアウト球が検知されるまで(ステップS402のNO)、ステップS404以降の処理は行われないまま待機となる
アウト口スイッチSW9によりアウト球が検知されると(ステップS402のYES)、アウト球の検知数がインクリメントされる(ステップS404)。
アウト球の検知数が予め決められた出力条件数(例えば、10球)に満たない場合(ステップS406のNO)、ステップS408以降の処理は行われないまま待機となる。
アウト球の検知数が出力条件数(例えば、10球)となると(ステップS406のYES)、アウト球の検知情報を含むコマンドが、情報伝送部110からサブ制御基板200へ出力されて(ステップS408)、アウト球の検知数が初期化された(ステップS410)後、このアウト球検知時処理は終了となる。
出力されたコマンドに含まれるアウト球の検知情報は、上述したように、差球数の基づく所定演出の実行などに利用される。
このアウト球検知時処理のうちステップS402、ステップS404、ステップS406、及びステップS410は、アウト口スイッチSW9により実施され、ステップS408は、情報伝送部110により実施されてもよい。この場合、アウト口スイッチSW9は、所定数(出力条件数)のアウト球が検知される度に、検知信号を出力する。
また、このアウト球検知時処理は情報伝送部110により実施されてもよい。この場合、アウト口スイッチSW9は、アウト球が検知される度に検知信号を出力し、情報伝送部110は、所定数(出力条件数)のアウト球が検知される度に、アウト球の検知情報を含むコマンドを出力する。
続いて、図柄変動開始処理の処理手順について説明する。ここで「図柄変動開始処理」とは、特別図柄による図柄変動ゲームを開始させる際に行われる一連の処理である。
まず、特図抽選制御部130は、変動開始条件が成立しているか否かを判定する(ステップS202)。ここで「変動開始条件」とは、(i)ステップS202の判定時において特別図柄による図柄変動ゲームが実行されていないこと、(ii)ステップS202の判定時において大当り遊技が実行されていないこと、(iii)ステップS202の判定時において保留記憶が1個以上存在すること等が挙げられる。
ステップS202の判定が否定されるとき(ステップS202のNO)、ステップS204以降の処理は実行されずに、その図柄変動開始処理は終了となる。
ステップS202の判定が肯定されるとき(ステップS202のYES)、当否抽選部131は、特図保留制御部115に保留されている乱数M1又は乱数M2を読み出す(ステップS204)。
ステップS204において、当否抽選部131は、特図保留制御部115に保留記憶されている順番で乱数M1又は乱数M2を読み出してもよいし、一方を他方に優先して読み出してもよい。
ステップS204で乱数が読み出されることを契機として各判定処理が実行される(ステップS206)。
ここでステップS206に含まれる処理としては、具体的には、上述した当否抽選部131による当否抽選や特図選択部132による特別図柄の選択が少なくとも含まれる。また、(i)変短状態が付与されているか否か、(ii)演出図柄をリーチ目で停止させるか否か、(iii)特定の演出を行うか否か等の判定処理が、ステップS206の処理に含まれてもよい。
そして、特図保留制御部115は、そのとき保留されている乱数M1又は乱数M2の数を特定する(ステップS208)。これにより、本処理手順で実行される図柄変動ゲームで読み出された乱数を除いた残りの乱数の数が保留数として特定される。
変動パターン付与部160は、ステップS206の処理結果及びステップS208で特定された保留数を用いて変動パターンを決定する(ステップS210)。
ステップS202からステップS210までの一連の処理結果を制御情報として含むコマンドが、情報伝送部110からサブ制御基板200に対して出力されて(ステップS212)、その図柄変動開始処理は終了となる。当該コマンドには、図柄変動ゲームの実行の有無や遊技状態などをサブ制御基板200で判断可能とするための各種情報、例えば、変動パターンを示す情報、保留数、確変状態の有無、変短状態の有無などが含まれる。
<本発明の変形例について>
ここまで図1から図20を用いて説明される実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
上述の実施形態では、第二消去部227による消去時に球数情報がRAM202から消去される実施態様を説明したが、本発明の実施はこれに限られない。
例えば、他の条件を契機として遊技情報を消去する処理(例えば、第一消去部225による消去や第三消去部229による消去)においてRAM202から球数情報を消去する遊技機において、上記の所定演出が実施されてもよい。
上記の実施形態の説明においては各図に図示する機能構成を前提として説明したが、本発明の各構成要素は、その機能を実現するように形成されていればよい。従って、本発明の遊技機の各構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
上記の実施形態の説明において複数のフローチャートを用いた。これらのフローチャートは、順番に記載された複数のステップを含むものであるが、その記載の順番は複数のステップを実行する順番やタイミングを、図示した一つの態様に限定するものではない。このため、本発明を実施するときには、その複数のステップの順番は内容的に支障のない範囲で変更することができ、また複数のステップの実行タイミングの一部または全部が互いに重複していてもよい。
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)遊技盤に形成された遊技領域に遊技球を打ち込んで遊技を行う遊技機であって、前記遊技領域から排出された遊技球の数の合計である排出球数を算出する排出算出手段と、前記遊技領域に設けられた入賞口への入賞に伴い払い出される賞球の数の合計である払出球数を算出する払出算出手段と、前記排出算出手段によって算出された前記排出球数と、前記払出算出手段によって算出された前記払出球数と、の差分を表す差球数に基づいて所定演出を実行する演出制御手段と、前記排出球数と前記払出球数、または前記差球数の少なくとも一方を示す球数情報を含む遊技情報が記憶される記憶装置と、電源投入時に第一操作が行われていることを契機として前記記憶装置に記憶されている前記遊技情報の一部を消去する第一消去手段と、を備え、前記第一消去手段による消去時において前記球数情報が前記記憶装置に保持されることを特徴とする遊技機。
(2)電源投入後に第二操作が行われることによって特定画像が表示される表示装置と、前記特定画像が前記表示装置に表示されている状態で第三操作が行われることを契機として前記記憶装置に記憶されている前記遊技情報の一部または全部を消去する第二消去手段と、を備え、前記第二消去手段が前記球数情報を前記記憶装置から消去させる(1)に記載の遊技機。
(3)前記演出制御手段は、前記差球数が所定値を超えている場合において特別態様の所定演出を実行可能であることを特徴とする(1)または(2)に記載の遊技機。
(4)前記大当り制御手段によって実行される大当り遊技の少なくとも一部を契機として遊技者にとって有利な有利遊技状態に移行させる遊技状態制御手段を備え、前記演出制御手段は、大当り遊技の開始または有利遊技状態への移行の少なくとも一方を契機として、前記特別態様の所定演出を実行可能であることを特徴とする(3)に記載の遊技機。
(a)電源の切断を契機として前記記憶装置に記憶されている前記遊技情報の一部を消去する第三消去手段を備え、前記第三消去手段による消去時において前記球数情報が前記記憶装置に保持される(1)から(4)のいずれか一つに記載の遊技機。
10 遊技機
15 外枠
20 前枠
21 ヒンジ機構
23 シリンダ錠
25 透明部材
27 上球受け皿
29 下球受け皿
31 操作ハンドル
32 上枠部
33 スピーカ
34 左右側枠部
35 照明装置
37 プッシュボタン
38a、38b、38c、38d カーソルボタン
38e 玉貸ボタン
38f 返却ボタン
39 球抜き機構
50 遊技盤
50a 遊技領域
51 外レール
52 風車
53 内レール
55、56 大入賞口
57 第1始動口
59 第2始動口
61 普通電動役物
63 作動ゲート
65、66 特別電動役物
67(67a、67b) 普通入賞口
69 アウト口
80 演出表示装置
90 図柄表示装置
91 第1特別図柄表示装置
92 第2特別図柄表示装置
93 普通図柄表示装置
100 メイン制御基板
101 CPU
102 RAM
103 ROM
110 情報伝送部
112 RAMクリア部
115 特図保留制御部
116 普図保留制御部
130 特図抽選制御部
131 当否抽選部
132 特図選択部
140 遊技状態制御部
141 確変制御部
142 変短制御部
145 大当り制御部
150 図柄表示制御部
151 第1特別図柄表示制御部
152 第2特別図柄表示制御部
153 普通図柄表示制御部
160 変動パターン付与部
170 普図抽選制御部
171 開放抽選部
172 普図選択部
180 普通電役制御部
190 特別電役制御部
200 サブ制御基板
201 CPU
202 RAM
203 ROM
210 演出制御部
220 情報管理部
221 排出算出部
223 払出算出部
225 第一消去部
227 第二消去部
229 第三消去部
SOL1、SOL2、SOL4 ソレノイドコイル
SW1〜SW8 カウントスイッチ
SW9 アウト口スイッチ
SW10 RAMクリアスイッチ
X 第1流路
Y 第2流路
DR1〜DR4 画像
DR6〜DR10 演出画像

Claims (2)

  1. 遊技盤に形成された遊技領域に遊技球を打ち込んで遊技を行う遊技機であって、
    前記遊技領域から排出された遊技球の数の合計である排出球数を算出する排出算出手段と、
    前記遊技領域に設けられた入賞口への入賞に伴い払い出される賞球の数の合計である払出球数を算出する払出算出手段と、
    前記排出算出手段によって算出された前記排出球数と、前記払出算出手段によって算出された前記払出球数と、の差分を表す差球数に基づいて所定演出を実行する演出制御手段と、
    前記排出球数と前記払出球数、または前記差球数の少なくとも一方を示す球数情報を含む遊技情報が記憶される記憶装置と、
    電源投入時に第一操作が行われていることを契機として前記記憶装置に記憶されている前記遊技情報の一部を消去する第一消去手段と、
    電源投入後に第二操作が行われることによって特定画像が表示される表示装置と、
    前記特定画像が前記表示装置に表示されている状態で第三操作が行われることを契機として前記記憶装置に記憶されている前記遊技情報の一部または全部を消去する第二消去手段と、
    を備え、
    前記第一消去手段による消去時において前記球数情報が前記記憶装置に保持され
    前記第二消去手段による消去時において前記球数情報を前記記憶装置から消去させることを特徴とする遊技機。
  2. 遊技盤に形成された遊技領域に遊技球を打ち込んで遊技を行う遊技機であって、
    前記遊技領域から排出された遊技球の数の合計である排出球数を算出する排出算出手段と、
    前記遊技領域に設けられた入賞口への入賞に伴い払い出される賞球の数の合計である払出球数を算出する払出算出手段と、
    前記排出算出手段によって算出された前記排出球数と、前記払出算出手段によって算出された前記払出球数と、の差分を表す差球数に基づいて所定演出を実行する演出制御手段と、
    前記排出球数と前記払出球数、または前記差球数の少なくとも一方を示す球数情報を含む遊技情報が記憶される記憶装置と、
    電源投入時に第一操作が行われていることを契機として前記記憶装置に記憶されている前記遊技情報の一部を消去する第一消去手段と、を備え、
    前記第一消去手段による消去時において前記球数情報が前記記憶装置に保持され
    前記演出制御手段は、前記差球数が所定値を超えている場合において特別態様の所定演出を実行可能であることを特徴とする遊技機。
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