(1) 所定の表示を行なう表示装置(図3の飾り図柄表示装置44b)を有し、遊技領域(遊技領域41)に遊技球(遊技球)を発射して前記遊技領域に設けられた入賞領域(普通可変入賞球装置58等)への入賞に応じて所定の遊技価値を付与する(大当り遊技状態に制御する)弾球遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1,1a)であって、
遊技の進行を制御するための遊技制御処理を実行し、前記表示装置を制御させるための表示制御信号(演出制御コマンド)を出力する遊技制御用マイクロコンピュータ(図6の遊技制御用マイクロコンピュータ99)が搭載された遊技制御基板(図6の主基板120)と、
前記表示制御信号に基づき前記表示装置を制御する表示制御用マイクロコンピュータ(図9の演出制御用マイクロコンピュータ118)が搭載された表示制御基板(図9の演出制御基板90)と、
前記遊技制御基板と前記表示制御基板との間で通信される信号を中継する中継基板(図9の周辺コマンド中継基板57)と、
前記弾球遊技機の後面側(図11の電源基板910)に設けられ、操作に応じて初期化信号(クリア信号)を出力する初期化操作手段(図11のクリアスイッチ921)と、
前記弾球遊技機の前面側(図1の上皿19近傍)に設けられ、前記表示装置において所定の操作用画面(図73等の遊技店用メニュー画面)が表示されたときに、前記表示装置において前記弾球遊技機で行なわれた遊技の履歴(遊技履歴情報)を表示させる操作(履歴データクリア操作、遊技履歴情報表示操作)をするための表示用操作手段(図5、図9等の操作キー190)と、を備え、
前記遊技制御用マイクロコンピュータは、
遊技の進行状態を示す遊技状態データを記憶し、前記弾球遊技機への電力供給が停止しても少なくとも所定期間は前記遊技状態データを記憶する遊技制御用記憶手段(バックアップ電源によって電源バックアップされた図6のRAM111)と、
前記初期化操作手段から前記初期化信号が出力されているか否かを確認する初期化信号確認手段(図16のS7の処理を実行する部分)と、
前記弾球遊技機への電力供給が開始され、前記初期化信号確認手段により前記初期化信号が出力されていないことが確認されたこと(図16のS7の処理においてNOと判断された)を条件に、前記遊技制御用記憶手段に記憶されている前記遊技状態データに基づいて遊技の進行状態を復旧させる遊技制御復旧処理を実行する遊技制御復旧手段(図16のS91〜S94の処理を実行する部分)と、
前記弾球遊技機への電力供給が開始され、前記初期化信号確認手段により前記初期化信号が出力されていることが確認された(図16のS7の処理においてYESと判断された)ときに、前記遊技制御用記憶手段に記憶されている前記遊技状態データを初期化させる遊技制御初期化処理を実行する遊技制御初期化手段(図16のS10〜S12の処理を実行する部分)と、
前記弾球遊技機への電力供給が開始された後、前記遊技制御復旧処理と前記遊技制御初期化処理とのうちのいずれか一方が実行されたことを特定可能な電力供給開始時処理特定信号(復旧コマンド)を前記表示制御信号として出力する処理を行なう表示制御信号出力処理手段(図16のS94の処理を実行する部分)とを含み、
前記表示制御用マイクロコンピュータは、
前記遊技制御用マイクロコンピュータからの表示制御信号に基づいて、前記弾球遊技機で行なわれた遊技の履歴を示す前記遊技履歴データを作成する遊技履歴データ作成手段(図51のS382の処理を実行する部分)と、
該遊技履歴データ作成手段により作成された遊技履歴データを記憶し、前記弾球遊技機への電力供給が停止しても少なくとも所定期間は前記遊技履歴データを記憶する表示制御用記憶手段(電源バックアップされている図9の演出制御用マイクロコンピュータ118に搭載されているRAM)と、
前記表示用操作手段の操作に応じて、前記表示制御用記憶手段に記憶された前記遊技履歴データに基づいて前記表示装置において前記遊技の履歴を表示させる遊技履歴表示処理を実行する遊技履歴表示処理手段(図50のS366の処理を実行する部分)と、
前記弾球遊技機への電力供給が開始された後の予め定められた期間において、前記電力供給開始時処理特定信号が入力されたか否かを判定する開始時処理特定信号入力判定手段(図43のS402〜S404の処理を実行する部分)と、
開始時処理特定信号入力判定手段による判定に基づいて、前記遊技制御用マイクロコンピュータからの表示制御信号(復旧コマンド)に基づき、前記遊技制御用マイクロコンピュータにおいて前記遊技状態データが初期化されたか否かを確認(たとえば、図43のS404により所定時間復旧コマンドが受信されないと判断されたときに遊技状態データが初期化されたと確認)する遊技状態データ初期化確認手段(図43のS404の処理を実行する部分)と、
前記弾球遊技機への電力供給が開始され、前記遊技状態データ初期化確認手段により前記遊技状態データが初期化されていないことが確認された(図43のS402の処理においてYESと判断された)ことを条件に、電力供給停止する以前に前記表示制御用記憶手段に記憶された前記遊技履歴データに基づいて遊技の履歴の表示を復旧可能にする遊技履歴復旧手段(図50のS366で電源断前の遊技履歴を復旧させる機能)と、
前記弾球遊技機への電力供給が開始され、前記遊技状態データ初期化確認手段により前記遊技状態データが初期化されたことが確認されたことを条件に、前記遊技履歴データを初期化するための初期化操作用画面(図38の遊技店用メニュー画面)を表示する操作用画面表示処理手段(図44のS421の処理を実行する部分)と、
前記操作用画面表示手段により前記初期化操作用画面が表示されているときにのみ前記表示用操作手段による遊技の履歴を初期化する初期化操作を有効にする(図44の初期化時データ管理処理が実行されているとき、すなわち、S421により遊技店用メニュー画像が表示されているときのみ、履歴データのクリア操作が可能となる)有効化手段(図44のS421a)と、
該有効化手段により前記初期化操作が有効になっているときに前記表示用操作手段による前記初期化操作が行なわれた(図44のS422で履歴データをクリアする操作が行なわれたと判断された)か否かを判定する初期化操作判定手段(S422の処理を実行する部分)と、
該初期化操作判定手段により初期化操作が行なわれたと判定されたことを条件に、前記表示制御用記憶手段に記憶されている前記遊技履歴データを初期化させる遊技履歴初期化処理(S423の処理を実行する部分のうち、特に履歴データのクリア操作に応じて履歴データをクリアする処理)を実行する遊技履歴初期化手段(S423の処理を実行する部分)と、を含み、
前記弾球遊技機への電力供給が開始され、前記遊技状態データ初期化確認手段により前記遊技状態データが初期化されていないことが確認されたときには、前記遊技履歴初期化手段による前記遊技履歴初期化処理の実行を禁止する(図43のS402,S404により所定時間復旧コマンドが受信されないと判断されたときにS406により遊技機履歴復旧処理が実行されてS405が実行されない)。
このような構成によれば、弾球遊技機への電力供給開始時において、弾球遊技機の後面に設けられた初期化操作手段の操作に応じて遊技制御用マイクロコンピュータ側で遊技状態データが初期化されたことが確認されたことを条件に、電力供給停止する以前に表示制御用マイクロコンピュータ側で記憶されている遊技履歴データを初期化するための初期化操作用画面が表示装置で表示される。そして、初期化操作用画面が表示されているときにのみ有効となる表示用操作手段による初期化操作が行なわれたと判定されたことを条件に、記憶されている遊技履歴データが初期化される。このため、遊技状態データおよび遊技履歴データを合わせて初期化するときには、弾球遊技機の後面側に設けられた操作手段、すなわち、操作することが煩雑な操作手段の操作を、初期化操作手段という1つの操作手段を操作することに限定し、その他に必要な操作を弾球遊技機の前面側に設けられた表示用操作手段、すなわち、操作することが簡単な操作手段に割当てたことにより、遊技状態データと遊技履歴データとをそれぞれバックアップ記憶する構成において、バックアップ記憶したデータの初期化操作を簡素化することができる。また、表示用操作手段は弾球遊技機の前面側に設けられているので遊技者が操作可能であるが、表示用操作手段による初期化操作は、弾球遊技機の後面側に設けられた初期化操作用画面が表示されているときにのみ有効となるので、遊技履歴データを初期化することは、弾球遊技機の後面側に設けられた初期化操作手段を操作することが前提条件となる。また、弾球遊技機への電力供給が開始され、遊技状態データ初期化確認手段により遊技状態データが初期化されていないことが確認されたときには、遊技履歴初期化手段による遊技履歴初期化処理の実行が禁止される。このため、遊技者が勝手に遊技履歴データを初期化してしまうのを防ぐことができる。このような場合における遊技状態データが初期化されたか否かの確認は、弾球遊技機への電力供給が開始された後、遊技制御用マイクロコンピュータから、遊技制御復旧処理と遊技制御初期化処理とのうちのいずれか一方が実行されたことを特定可能な電力供給開始時処理特定信号が表示制御信号として出力され、表示制御用マイクロコンピュータで、弾球遊技機への電力供給が開始された後の予め定められた期間において、電力供給開始時処理特定信号が入力されたか否かの判定に基づいて行なわれる。このため、遊技状態データが初期化されたか否かを確認するために用いる表示制御信号の種類を削減することができる。さらに、弾球遊技機への電力供給が開始され、遊技状態データ初期化確認手段により遊技状態データが初期化されていないことが確認されたときには、遊技履歴初期化手段による遊技履歴初期化処理の実行を禁止することができる。
このような構成によれば、通常状態において、所定期間にわたり表示装置で識別情報の変動表示が行なわれなかったときに、遊技履歴データに基づく遊技の履歴が表示可能となる。このため、所定期間、変動表示がなければ、遊技者は、遊技の履歴を自由に見ることができる。
このような構成によれば、表示装置において遊技の履歴が表示中であるときに、遊技に用いられる識別情報を変動表示させることを指令する表示制御信号が表示制御用マイクロコンピュータに入力されたときには、表示装置において、遊技の履歴の表示が中止されて識別情報の変動表示に切換えられる。このため、表示装置において、遊技の履歴の表示よりも遊技に用いられる識別情報の方が優先的に実行されるので、遊技者が識別情報の変動表示を誤認識するのを防ぐことができる。さらに、変動表示が実行されるときに、表示されていた遊技の履歴の表示をわざわざ終了させる必要がなくなるので、表示が切換えるときの操作の手間を省くことができる。
このような構成によれば、デモ表示制御信号が表示制御用マイクロコンピュータに入力したときに、表示装置において、表示用操作手段による操作に応じて遊技の履歴の表示が終了した後に、当該表示制御信号に応じたデモンストレーション画像が表示される。このため、せっかく表示用操作手段による操作に応じて表示させていた遊技の履歴の表示が不要にデモンストレーション画像に切換えられてしまうことが防がれる。これにより、操作の無駄をなくすことができる。
このような構成によれば、遊技制御基板から表示制御基板への一方向通信に規制する通信規制手段を有するので、表示制御基板から遊技制御基板へ不正な信号が入力されることが防がれる。これにより、遊技制御基板と表示制御基板との間の通信経路を利用して遊技制御マイクロコンピュータに対して行なう不正行為を防ぐことができる。
このような構成によれば、表示制御用マイクロコンピュータが、表示用操作手段からの操作信号に基づいて遊技履歴表示処理を実行するので、遊技の履歴を表示させることに関する遊技制御用マイクロコンピュータの処理負担を軽減することができる。
このような構成によれば、遊技領域に打込まれる遊技球数が遊技履歴データとして記憶されるので、遊技履歴データに基づいて、所定の遊技価値が付与されるまでに遊技領域への打込みに要した遊技球数を把握することができる。このため、所定の遊技価値が付与されるまでに遊技領域への打込みに要した遊技球数を遊技の履歴として表示させることに基づいて、所定の遊技価値が付与されやすい実績を有する弾球遊技機であるかどうかというような弾球遊技機の優劣を遊技者が容易に判断することができる。
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施の形態においては、弾球遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、たとえばコイン遊技機等のその他の弾球遊技機であってもよく、所定の表示を行なう表示装置を有し、遊技領域に遊技球を発射して前記遊技領域に設けられた入賞領域への入賞に応じて所定の遊技価値を付与する遊技機であればどのような弾球遊技機にも適用可能である。
第1実施形態
図1は、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の正面図であり、図2は、パチンコ遊技機1の背面図である。なお、以下の説明においては、パチンコ遊技機1の遊技者側を表,表面,前面,前方で表わし、パチンコ遊技機1を挟んで遊技者と反対側を裏,裏面,後面,後方,奥,背面で示す。まず、図1および図2を参照して実施形態に係るパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。
パチンコ遊技機1は、図1および図2に示すように、縦長な方形状に枠組み形成される外枠2と、該外枠2の一側に開閉自在に軸支され且つパチンコ遊技機1の主要構成部のほぼすべてが集約して設けられる前面枠3と、該前面枠3の前面上部に開閉自在に設けられる前面扉枠(ガラス枠)4と、前面枠3の前面下部に開閉自在に設けられる上皿開閉枠11とから構成されている。また、前面枠3に設けられる主要構成部としては、上記した前面扉枠4、遊技盤40、下皿27、灰皿ユニット29、操作ハンドル30、機構板140、打球発射装置130がある。なお、パチンコ遊技機1の側方には、遊技者所有の記録媒体としてのプリペイドカード(遊技カード)を受付け、遊技者に遊技媒体としての遊技球を貸出す(貸与または球貸しともいう)ための記録媒体処理装置であるカードユニット装置731が付設される。
このパチンコ遊技機1では、カードユニット装置731に受付けられた遊技者所有の記録媒体としてのプリペイドカードの記録情報により特定される遊技者所有の残額(残高ともいう)の使用に基づいて貸出遊技媒体である貸し球が払出されることにより遊技球が遊技者に貸出(貸与)される。そして、パチンコ遊技機1においては、打球供給皿3に貯留された遊技媒体である遊技球を弾発発射して、図3を用いて後述する遊技盤40に形成された遊技領域41に打込んで遊技が行なわれる。そして、遊技により入賞が生じれば、払出条件が成立し、その払出条件が成立したことに基づいて景品として、景品遊技媒体である賞球が払出される。
前面扉枠4には、図3を用いて後述する遊技盤40の遊技領域41をほぼ透視し得る遊技開口としての円形透視窓5が開設され、該円形透視窓5の裏面から複層ガラス板が装着されるようになっている。円形透視窓5用の開口に沿って、上部に装飾部材としての上部装飾ユニット22が、左側方に被覆部材としての左装飾ユニット23aが、右側方に被覆部材としての右装飾ユニット24aが、下部に装飾カバー部材としての下部装飾カバー部材31が装着される。上部装飾ユニット22の内部に、発光部材としての遊技効果ランプ13a,13b,13cが臨むように前面扉枠4の前面側に備えられ、左装飾ユニット23aおよび右装飾ユニット24aの内部に、それぞれ発光部材としての遊技効果ランプ16aおよび遊技効果ランプ17aが臨むように前面扉枠4の前面側に備えられている。この遊技効果ランプ13a,13b,13c,16a,17aは、遊技状態に応じて点灯又は点滅されるものであり、特別の遊技状態の発生時や継続時を遊技者に報知するとともに遊技の雰囲気を盛り上げるものである。
なお、前面扉枠4の透視窓5の下方に位置する上皿開閉枠11には、前面枠扉4と上皿開閉枠11とを閉じた状態にしたときに、左装飾ユニット23aと連なる下方位置に左装飾ユニット23bが、右装飾ユニット24aと連なる下方位置に右装飾ユニット24bが、左右側方に設けられている。左装飾ユニット23bおよび右装飾ユニット24bの内部に、それぞれ発光部材としての遊技効果ランプ16bおよび遊技効果ランプ17bが臨むように上皿開閉枠11の前面側に備えられ、遊技状態に応じて点灯又は点滅させ、特別の遊技状態の発生時や継続時を遊技者に報知するとともに遊技の雰囲気を盛り上げることができる。
また、上部装飾ユニット22の左右に、遊技の進行に応じた効果音(音声なども含む)を発生するスピーカ12a,12bが前面扉枠4に設けられている。なお、スピーカ12a,12bは、玉の貸出異常が生じたとき、あるいは玉の貸出時(たとえば、100円相当の玉が払出される毎)に、その旨を報知する報知音も発生するようにしてもよい。また、左装飾ユニット23aの上部右側方に、入賞球の発生に基づいて所定個数の賞球が払出されたことを報知する遊技関連情報発光部材としての賞球LED10(なお、賞球未払出分がある場合に報知するものでもよい。具体的には、賞球未払出があるときは点灯し、賞球未払出がないときは消灯するなど)が前面扉枠4の前面から視認可能に設けられ、右装飾ユニット24aの上部左側方に、払出すべく賞球が不足したこと(後述する球切れスイッチ157により球切れを検出したとき)を報知する遊技関連情報発光部材としての球切れLED9が前面扉枠4の前面から視認可能に設けられている。
この賞球LED10および球切れLED9は、パチンコ遊技機1において行なわれる遊技演出とは別に遊技に関する情報に関連して発光する遊技関連情報発光部材であり、遊技効果ランプとは別に設けられるものであり、前面枠3の前面側に設けられている。また、円形透視窓5の下方外周に沿って設けられている下部装飾カバー部材31の右側方には、遊技盤40に貼付される証紙を視認するための透視窓18が設けられている。
上記した遊技効果ランプ13a,13b,13c,16a,16b,17a,17bは、前面扉枠4に取付けられる。球切れLED9および賞球LED10は、前面枠3の前面側に取付けられる。
次に、上皿開閉枠11に形成された上皿19の構成について説明すると、上皿19は、複数の合成樹脂製部材を組合せた皿部材を固着することにより構成されている。上皿19の開放側の上方には、球抜き操作レバー21が設けられている。この球抜き操作レバー21は、左右方向に移動可能に設けられ、スプリングの付勢力に抗して一方向に移動させることにより、上皿19に貯留されていた球を裏面側に形成される球抜き路および球抜き穴(図示省略)を流下させて下皿27に誘導するものである。
上記した上皿19について、さらに詳細に説明すると、上皿19は、その上流側に形成される賞球払出口20から払出された賞球を貯留し、且つ発射位置に球を供給するものである。また、上皿19には、パチンコ遊技機1に隣接して設けられるカードユニット装置731を介して玉を借り受ける際に操作する操作部と、飾り図柄表示装置44bにおいて後述するような遊技履歴情報等を表示する所定の操作用画面が表示されたときに、表示画面上での各種ボタン等が操作可能となる表示用操作手段としての操作キー190と(図5で後述するように複数のキーを含む)が設けられている。
操作部は、球貸スイッチ36と返却スイッチ37と各表示LEDが実装される残高表示基板104(図6参照)からなり、該残高表示基板104が上皿19の上面に臨むように設けられている。残高表示基板104は、後述するインタフェース基板103を経由して後述する払出制御基板98に接続されている。
また、上皿19の右側方には、前面扉枠4を前面枠3に対して施錠し且つ前面枠3を外枠2に対して施錠する施錠装置128を操作するためのシリンダー錠26が臨んでいる。
また、操作キー190は、図5を用いて後述するような複数の操作キースイッチの総称である。操作キー190は、飾り図柄表示装置44bにおいて、所定の操作用画面が表示されたときに、操作が有効となる。
また、前面枠3の下部に取付けられる下皿27は、前記上皿19から溢れた賞球であって機構板140の裏面下部に形成される余剰玉通路および接続樋等を介して排出される余剰球を貯留する余剰球貯留皿(余剰球受皿)であり、その下皿27の下方には、球抜き操作レバー28がスライド可能に取付けられるようになっている。この球抜き操作レバー28を操作することにより、下皿27に貯留されていた玉(賞球)を下方に球抜きして持ち運び可能な球箱に移し替えることができる。
また、下皿27の左側には、灰皿ユニット29が設けられ、右側には、操作ハンドル30が設けられている。操作ハンドル30は、上皿19に貯留された遊技球を発射するために操作される打球操作ハンドルである。操作ハンドル30は、発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチ(ストップスイッチ)およびタッチリング(タッチセンサ)に接続されるタッチ配線(図示しない)が組付けられており、操作量に応じて弾発力を調節可能である。操作ハンドル30の裏面側(図2参照)には、遊技球を発射アームにより打撃して発射する打球発射装置130が設けられている。打球発射装置130は、発射アームを動作させる発射モータ(図6〜図8参照)を含み、操作ハンドル30の操作に応じて発射モータを駆動することによって発射アームを動作させて遊技球を遊技領域41に向けて発射する。なお、タッチ配線は、単発発射スイッチ109からの配線とともに束ねられる。
パチンコ遊技機1に隣接して設置されるカードユニット装置731は、前記上皿19の上面に設けられる前述した球貸スイッチ36や返却スイッチ37等の操作部を操作することにより作動されるものである。しかして、カードユニット装置731の表面側には、使用可能状態であるか否かを表示する使用可能表示器(図示しない)、当該カードユニット装置731がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているか否かを表示する連結台方向表示器(図示しない)、および、磁気カードよりなるプリペイドカードを挿入するカード挿入口(図示しない)等が設けられている。
カードユニット装置731は、前述のプリペイドカードを受付け、受付けたプリペイドカードの記録情報により特定される遊技者所有のカード残額の使用(引き落とし)に基づいて貸し球を遊技者に貸出す(以下、貸与または球貸しともいう)ために用いられるカード処理装置である。このように貸出された貸し球により、パチンコ遊技機1での遊技球を用いた遊技が可能となる。カードユニット装置731には、プリペイドカードの処理に関する制御および貸し球の貸出しに関する制御等の各種制御を行なうためのカードユニット制御用マイクロコンピュータが搭載されている。
そして、このように構成されるカードユニット装置731は、独自の制御回路によって制御されるものであるが、後述するインタフェース基板103とカードユニット配線を介して接続され、このカードユニット配線からインタフェース基板103を経由して払出制御基板98に接続されている。なお、カードユニット装置731の機能をパチンコ遊技機1に内蔵しても良いし、カードユニット装置731を付設せず、カードによる球貸し機能を有しないパチンコ遊技機でもよい。また、本実施形態においては、遊技者に玉を貸し出す(球貸しする)ためのユニット装置としてカードユニット装置を例示したが、たとえば、紙幣等を挿入し得るユニット装置であっても良い。
一方、パチンコ遊技機1の背面には、図2に示すように、入賞球の発生に基づいて所定個数の賞球を払出すための各種の機構を装備した機構板140が設けられるとともに、前記操作ハンドル30に対応する裏面には、打球発射装置130が固着される。
打球発射装置130には、発射基板107が付設されている。この発射基板107によって打球発射装置130が駆動制御される。発射基板107は、基板ボックス640内に収容されている。
以上で、パチンコ遊技機1の全体の概略構成を説明したが、以下、パチンコ遊技機1を構成する要素のうち、遊技盤40と、機構板140の詳細な構成について順次説明する。まず、図2および図3を参照して遊技盤40について説明する。図3は、遊技盤40の拡大正面図である。
遊技盤40は、前面枠3の裏面側に一体的に形成される遊技盤収納枠部(図示せず)に収容固定されるべく、ほぼ正方形状の合板により形成されている。遊技盤40の表面には、遊技領域41が形成されており、ステンレス鋼板を円弧状に形成した誘導レール42a,42bが取付けられている。打球発射装置130から発射された金属製の玉(遊技球)は、該誘導レール42a,42b各々により形成される円形状の遊技領域41内に導かれる。遊技領域41における打球の入口近傍には、遊技領域41内に打込まれる遊技球を検出するための磁気センサよりなる発射球センサ194が設けられている。なお、遊技領域41に打込まれる遊技球を検出するためのセンサとしては、打球発射装置130への遊技球の供給路に設けられ、供給される遊技球を検出するものであってもよい。このような遊技球を検出するセンサは、遊技球を光学的に検出するセンサであってもよく、検出方式はどのような方式を採用してもよい。
遊技領域41には、図示の場合、特別図柄表示装置44a、飾り図柄表示装置44b、および、普通図柄表示装置63等の表示装置と、特別可変入賞球装置48、普通可変入賞球装置58、および、打球を入賞とする入賞口等の入賞領域とが設けられるともに、打球の流下方向,速度を変化せしめる風車、および、多数の障害釘等の構造物が設けられている。また、遊技領域41の最下方には、いずれの入賞領域にも入賞しない打球が取込まれるアウト口69が設けられている。
遊技領域41の構成をより詳細に説明すると、飾り図柄表示装置44bの左側方には、ゲートスイッチ62が内蔵された通過ゲート61が設けられている。このゲートスイッチ62が該ゲートスイッチ62内を通過する打球を検出すると、その検出信号に基づいて特別可変入賞球装置48の右側方に備えられた普通図柄表示装置63が、普通図柄を変動表示(具体的には上下2箇所で「○」「×」を交互に点灯させる)して表示結果を導出する(上下2箇所でそれぞれ「○」「×」のいずれか一方を点灯させる)。このような変動表示は、可変表示とも呼ばれる。即ち、普通図柄表示装置63で「×」が点灯した場合には、普通図柄表示装置63がハズレの表示結果を導出したことになる。一方、普通図柄表示装置63で「○」が点灯した場合には、普通図柄表示装置63が当りの表示結果を導出したことになり、普通可変入賞球装置58が所定時間開放される。また、普通図柄表示装置63の変動時間は、特別図柄表示装置44aにおける大当り図柄の出現確率が高くなる確率変動モードのときに相対的に短く(たとえば、3〜5秒)、確率変動モードのときと比較し特別図柄表示装置44aにおける大当り図柄の出現確率が低くなる通常確率モードのときに相対的に長く(たとえば、30秒)設定されている。また、特別可変入賞球装置48の左側方には、普通図柄表示装置63の変動表示中にゲートスイッチ62を通過した打球数を記憶表示する普通図柄始動記憶LED68(最高4個まで記憶表示する)が設けられている。
また、特別図柄始動記憶LED67には、特別図柄の変動動作中に後述する始動口スイッチ60によって検出された球数を記憶表示する(最高4個まで記憶表示する)。なお、特別図柄始動記憶LED67においては、始動記憶数の上限値を一定の4個としているが、これに限らず、予め定めた所定条件の成立に伴って始動記憶数の上限値を変更可能(たとえば、確変大当りした場合には、20個に増加する等)に構成してもよい。
普通可変入賞球装置58は、遊技領域41のほぼ中央に配置される飾り図柄表示装置44bと、アウト口69の上方に配置される特別可変入賞球装置48との間に配置され、ソレノイド59によって開閉駆動される電動チューリップタイプの可変入賞球装置である。そして、普通可変入賞球装置58には、始動口スイッチ60が内蔵され、開放中又は閉成中に受入れた入賞球を検出するようになっている。しかして、打球が始動口スイッチ60によって検出されると特別図柄表示装置44aにおいて特別図柄が、飾り図柄表示装置44bにおいて飾り図柄が変動開始する。なお、普通可変入賞球装置58の開放時間は、通常確率モードのときに相対的に短く(たとえば、0.5秒)、確率変動モードのときに相対的に長く(たとえば、2秒)設定されている。また、普通可変入賞球装置58が開放していない場合でも、普通可変入賞球装置58の上部に設けられている始動口58aから打球を受入れるようになっている。
特別図柄表示装置44aは、「0」〜「9」の特別図柄を変動表示する7セグメントLEDを備えた表示器である。そして、特別図柄表示装置44aの変動停止時における特別図柄が予め定めた大当り図柄(たとえば、「3」または「7」)である場合に、所定の遊技価値の付与として特定遊技状態である大当り遊技状態を発生して、特別可変入賞球装置48を次に説明する所定の表示態様で開閉駆動するものである。但し、大当り図柄の一部(たとえば、「7」)は、確率変動図柄として設定され、この確率変動図柄で特定遊技状態となったときには、その特定遊技状態終了後における前記普通図柄表示装置63での普通図柄の変動時間の短縮や当り(当りの点灯)の出現確率や特別図柄表示装置44aにおける大当り図柄の出現確率が高くなる確率変動モードとなるように設定されている。このような確率変動は、確変と呼ばれる。また、確変変動図柄で構成される大当り図柄が確変大当り図柄と呼ばれ、確変変動図柄以外の図柄で構成される大当り図柄が非確変大当り図柄と呼ばれる。また、大当り図柄とならない図柄は、はずれ図柄と呼ばれる。
飾り図柄表示装置44bは、「0」〜「9」の飾り図柄を左・中・右において個々に変動表示する変動表示領域を備えた表示領域80が形成された液晶タイプの表示器である。
飾り図柄表示装置44bで変動表示される飾り図柄とは、特別図柄表示装置44aにおける特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄をいう。所定の関係には、たとえば、特別図柄の変動表示が開始されたときに飾り図柄の変動表示が開始される関係や、特別図柄の変動表示が終了し表示結果が表示されたときに飾り図柄の変動表示が終了し表示結果が表示される関係等が含まれる。特別図柄表示装置44aの表示結果が大当り図柄の場合には、飾り図柄表示装置44bの表示結果も大当りが発生する予め定めた大当り図柄の組合せ(たとえば、同一の図柄が当りラインのいずれかに揃った場合)となるように制御され、両表示結果の整合性が保たれるように制御される。なお、本実施の形態において、特別図柄始動記憶LED67、特別図柄表示装置44a、および、飾り図柄表示装置44bを含む外周には、装飾部材66が設けられる。
また、装飾部材66の上端から右側端に亘る部分には、飾り図柄表示装置44b側への玉の侵入を防止する規制フランジ部75が延設されており、該規制フランジ部75と遊技領域41の右上端から右側端を区画形成する誘導レール42bとの間には、誘導通路76が形成されている。また、遊技領域41の右上部分には、緩衝部材70(たとえば、ゴム等)が設けられており、該緩衝部材70への玉の衝突によって誘導通路76内を通過する玉の勢いを弱めるようになっている。
大当り遊技状態となったときに駆動制御される特別可変入賞球装置48は、ソレノイド65によって開閉駆動される開閉板49を有し、その開閉板49に受入れられた打球を検出するカウントスイッチ52が設けられている。また、特別可変入賞球装置48内(開閉板49の内側)には、打球の検出(V入賞検出)に伴って特定遊技状態の継続権を成立させる特定球検出器51が設けられており、該特定球検出器51の上方には、一旦V入賞検出があると次に開閉板49を開放するまでは打球が特定球検出器51を通過しないようにするVシャッター(図示しない)が設けられている。このVシャッターは、ソレノイド50によって開閉駆動が行なわれる。しかして、特定遊技状態となった場合には、一定時間(たとえば、28秒)が経過するまで又はその一定時間内に所定個数(たとえば、10個)の入賞球が入賞するまで開閉板49を開放(以下、この開放を開放サイクルという)し、その開放サイクル中に受入れられた打球が特定球検出器51によって検出されたときに継続権が成立して、再度上記した開放サイクルが実行され、各開放サイクルにおいて継続権が成立していることを条件に最高16回の開放サイクルを繰り返すことができるようになっている。
なお、本発明の特定遊技状態は、上記に限らず以下に示す(1)〜(5)の制御のうちいずれか1つの制御又は組合せた制御を実行する状態であればよい。
(1) 打球の入賞を容易にする第一の状態と、打球が入賞できない又は入賞し難い第二の状態と、に変化可能な可変入賞球装置に対して所定時間連続的又は間欠的に第一の状態にする制御
(2) 特定の入賞又は通過領域での打球の検出を介在させ、打球の入賞を容易にする第一の状態と、打球が入賞できない又は入賞し難い第二の状態と、に変化可能な可変入賞球装置に対して所定時間連続的又は間欠的に第一の状態にする制御
(3) 打球の入賞に関わらず所定数の景品球を直接排出する制御
(4) 有価価値を有する記憶媒体(カードやレシート等)に対して有価数を加算する制御
(5) 得点があることに基づいて遊技可能なパチンコ遊技機1に対して得点を付与する制御
また、特別可変入賞球装置48の左右には、入賞球検出器56a,56bを内蔵する通常入賞口54a,54bが設けられ、該通常入賞口54a,54b各々の外側上方には、それぞれ入賞球検出器55a,55bを内蔵する通常入賞口53a,53bが設けられている。
上記したように、打球が入賞するすべての入賞口および入賞装置等の入賞領域には、入賞球を検出する入賞球検出器としての各スイッチ51,52,55a,55b,56a,56b,60が設けられているが、これは、これらの検出信号に基づいて所定個数の賞球を払出すために使用されるものである。なお、入賞球を検出するが、賞球を払出さないゲートスイッチ62も設けられている。これらのスイッチ51,52,55a,55b,56a,56bは、図6に示すように、次に説明するスイッチ中継基板95を介して主基板120に接続され、主基板120では、これらの検出器からの検出信号に対応した賞球制御信号を払出制御基板98に導出する。そして、払出制御基板98は、その賞球制御信号に対応した個数を未払出数として加算し、順次賞球を払出すように後述する玉払出装置154を駆動制御する。なお、特定球検出器51は、継続権の成立を検出する機能を兼用しており、入賞球検出器52は、開閉板49の開放を規制するための計数機能を兼用している。
また、始動口スイッチ60は、図6に示すように主基板120に直接接続されている。(ただし、他のスイッチ51,52,55a,55b,56a,56bによって導出される賞球制御信号は、相対的に多い個数、たとえば、7個であるのに対し、始動口スイッチ60に基づく賞球制御信号は、相対的に少ない個数、たとえば、4個である)これは、始動口スイッチ60からの配線を直接主基板120に接続することにより、その途中に不正な回路基板を組み込んだ配線(ぶら下がり基板等と称されている)が接続されているか否かの発見を容易にするためである。そして、前述したスイッチの場合と同様に、所定個数の賞球を払出す制御が行なわれる。なお、始動口スイッチ60は、特別図柄表示装置44aおよび飾り図柄表示装置44bにおいて変動表示をさせるための始動機能を兼用している。また、遊技盤40には、装飾効果を高めるための装飾ランプ32a,32bが複数備えられている。
遊技盤40には、上記したようにスイッチやソレノイド、あるいは装飾ランプ等が多数設けられる。これらは、音声枠ランプ基板92および演出制御基板90や、あるいはスイッチ中継基板95を介して主基板120に接続される。即ち、図6に示すように、遊技盤40に設けられる各スイッチ51,52,55a,55b,56a,56b,62および各ソレノイド50,59,65は、スイッチ中継基板95を介して主基板120に接続され、遊技盤40に設けられる装飾ランプ32a,32bは、ランプドライバ基板93,音声枠ランプ基板92および演出制御基板90を介して主基板120に接続されている。
一方、遊技盤40の裏面には、図2に示すように、遊技盤40の裏面側の中央部分には、裏パック81aが取付けられている。裏パック81aの中央には、飾り図柄表示装置44bが臨む開口(図示しない)が形成されており、この裏パック81aに対して、飾り図柄表示装置44bと、当該飾り図柄表示装置44bを収容するための液晶ボックス81bとが取付けられている。
また、液晶ボックス81bの後面には、演出制御基板ボックス125が直接取付けられる。この演出制御基板ボックス125内には、ランプドライバ基板93と、音声枠ランプ基板92と、演出制御基板90とが収容して取付けられている。
音声枠ランプ基板92は、遊技盤40に設けられる装飾ランプ32a,32b、および前面枠3や前面扉枠4等に設けられる遊技効果ランプ13a,13b,13c,16a,16b,17a,17b、スピーカ12a,12b等を主基板120からの情報信号に応じて一括して駆動制御するものである。また、音声枠ランプ基板92には、音量を切替える音量切替スイッチ127が設けられている。音声枠ランプ基板92は、遊技盤40に設けられる装飾ランプ32a,32bを駆動するランプドライバ基板93に制御信号を出力することにより、ランプドライバ基板93に装飾ランプ32a,32bの点灯状態を制御する。
演出制御基板90は、飾り図柄表示装置44bの変動表示動作を主基板120からの情報信号の種類に応じて駆動制御する。さらに、演出制御基板90は、音声枠ランプ基板92との情報信号のやり取りを行なうものである。
また、裏パック81aの下方には、図6に示す特別図柄および特別図柄記憶基板85、普通図柄基板86、普通図柄記憶基板87、図柄中継基板84、ランプ中継基板89、および、スイッチ中継基板95が収容された図柄基板ボックス(図示せず)が取付けられる。
特別図柄および特別図柄記憶基板は、主基板120からの情報信号に応じて、特別図柄表示装置44aの表示状態と、特別図柄始動記憶LED67を制御する。普通図柄基板は、主基板120からの情報信号に応じて、普通図柄表示装置63の表示状態を制御する。普通図柄記憶基板は、主基板120からの情報信号に応じて、普通図柄始動記憶LED68を制御する。図柄中継基板は、主基板120から特別図柄および特別図柄記憶基板85、普通図柄基板86、および、普通図柄記憶基板87へ送信される信号を中継する。ランプ中継基板は、ランプドライバ基板93から装飾ランプ32a,32bへ送信される信号を中継する。スイッチ中継基板は、前述したように、遊技盤40に設けられる各スイッチ51,52,55a,55b,56a,56b,62および各ソレノイド50,59,65と主基板120との接続を中継する。
図柄基板ボックス126の後面には、左側でヒンジ結合され、開閉自在となるように主基板取付ベース135が設けられている。主基板取付ベース135には、主基板ボックス136が取付けられている。このように構成したため、主基板ボックス136を開閉することができ、入賞球誘導カバー体内に設けられている特別可変入賞球装置48等のメンテナンスを行ないやすくすることができる。主基板ボックス136内には、主基板120が収容して取付けられている。本実施の形態においては、主基板120が、遊技盤40に取付けられているため、新しい遊技盤に取り替えるときに、遊技盤自体を取り替えることにより、併せて主基板120を取り替えることができる。
ここで、主基板ボックス136の構造について説明する。主基板ボックス136は、主基板ボックスベースに主基板ボックスカバーを被せて、左右に設けられたカシメ部にカシメネジを差し込み螺着し、その上からカシメキャップで封止することにより、カシメ部を切断しない限り、開封できないように構成されている。これにより、カシメ部が切断されているか否かにより、主基板ボックス136が開封されたか否かを容易に判断することができる。
裏パック81aの右上方には、中継基板取付ボックス383が取付けられている。中継基板取付ボックス383内には、後述する枠ランプ中継基板99aが収容して取付けられている。中継基板取付ボックス383の後面には、盤用外部端子板96が取付けられている。この盤用外部端子板96は、パチンコ遊技機1の営業管理上必要な遊技情報(たとえば、大当り遊技状態中である旨を報知する大当り1情報、確率変動図柄で大当り遊技状態となり、その大当り状態中およびその大当りによる確率変動中である旨を報知する大当り2情報(大当り中と確率変動中に出力され続ける信号)、確率変動図柄による大当り状態終了後の確率変動中である旨を報知する確率変動情報、始動球検出器をONした打球の数を報知する始動口情報、特別変動表示装置の変動動作回数を報知する図柄確定回数1情報、普通変動表示装置の変動動作回数を報知する図柄確定回数2情報、および普通可変入賞球装置の開閉回数を報知する役物回数2情報等)を遊技場に設置される管理コンピュータに出力するための外部接続端子(図示しない)を有し、これらの情報が主基板120から与えられるようになっている。さらに、どの図柄で大当りしたか、どの図柄で停止したか等の情報を出力するようにしてもよい。
次に、パチンコ遊技機1の背面に設けられる機構板140の構成について図2を参照して説明する。図2において、機構板140は、主として賞球を貯留する賞球タンク147と該賞球タンク147に貯留された賞球を複数列(本実施形態の場合、2列)に整列して下流側に整列しながら誘導する玉整列レール部材148とが設けられる上部構成部と、カーブレール部を有しカーブレール部からの球を誘導する玉通路カバー部材156と入賞に基づく賞球を払出す玉払出装置154(本実施形態では、貸球も払出すが、賞球のみ払出すものでもよい)とが設けられる中間構成部と、主として遊技盤40に打ち込まれた入賞球を含む打球を処理するための構成、および賞球を上皿19および下皿27に導くための構成が設けられる下部構成部と、が開口窓を構成するように機構板主体141上に一体的に形成されている。
機構板主体141は、機構板主体141のそれぞれ上部および右側部(パチンコ遊技機1の背面側から見て),左側部(パチンコ遊技機1の背面側から見て),および下部をそれぞれ構成する上部板142,左側板143および下部板144を取付ネジによって連結することにより構成されている。本実施の形態における上部板142,左側板143および下部板144は、耐磨耗性を向上させるために、緑色の顔料がねり込まれた緑色透明のポリカーボネート樹脂で成形されている。透明色を緑色透明としているが、着色しない透明の場合、黄ばんだ透明色になってしまい美観が損なわれるため(タバコのヤニなどで汚れたような感じになってしまう)、緑色透明とすることでその点を解消している。
次に、機構板140の構成について、各構成部毎に説明する。まず、上部構成部には、多量の賞球を貯留する賞球タンク147と、該賞球タンク147から供給される賞球を仕切壁によって複数列(本実施形態の場合、2列)に整列して流下させる玉整列レール部材148と、該玉整列レール部材148によって誘導された賞球を後述する玉払出装置154に向けて左右方向から上下方向へ方向転換するカーブレール部の上方に設けられた枠用外部端子板102とがそれぞれ上部板142の所定の位置に設けられている。
また、玉整列レール部材148の下流側上部には、球ならし部材149が揺動自在に垂下され、玉整列レール部材148上を上下2段となって流下する球を球ならし部材149に埋設される重錘(符号なし)の作用によって1段とするようになっている。
上記した玉整列レール部材148の下流側上部には、外部との信号線が接続される外部接続端子を有する枠用外部端子板102が取付けられる。枠用外部端子板102の取付部分は、凹んでおり、ハンダ面の突出部分が接触しないように形成されている。枠用外部端子板102に設けられる外部接続端子としては、外部(たとえば、管理コンピュータ)とパチンコ遊技機1との間の信号線を接続するコネクタとして、賞球数を出力するためのコネクタと、第1・第2ドア開放スイッチ111,112からの信号を出力するためのコネクタとが設けられている。
また、賞球タンク147の左上部および枠用外部端子板102の右上部の機構板140の裏面には、それぞれ、第1ドア開放スイッチ111と、第2ドア開放スイッチ112とが設けられている。本実施の形態における第1ドア開放スイッチ111は、前面扉枠4と前面枠3とが開放したこと、および、機構板140と前面枠3とが開放したことを検出する。第2ドア開放スイッチ112は、前面枠3と外枠2とが開放したことを検出する。第1ドア開放スイッチ111および第2ドア開放スイッチ112は、枠用外部端子板102に接続されている。このように、第1ドア開放スイッチ111および第2ドア開放スイッチ112が備えられているため、外枠2,前面枠3および前面扉枠4の開放状態を外部装置等によって確認することができる。なお、この第1ドア開放スイッチ111および第2ドア開放スイッチ112の配線は、後述する枠ランプ中継基板99aに接続された後、後述する音声枠ランプ基板92に接続され、演出制御基板90を経由して主基板120に接続するようにし、そして、主基板120からの情報信号に基づいて音声枠ランプ基板92によって遊技効果ランプ等を点灯制御することにより外枠2,前面枠3および前面扉枠4の開放状態を報知するようにしてもよい。
次に、上部板142に位置する中間構成部の構成について説明する。中間構成部の表面側には、球が通過する球抜き通路(図示しない)が形成されている。この球抜き通路は、後述する球抜き通路下流部と連通しており、玉整列レール部材148および賞球タンク147に待機する球を誘導してパチンコ遊技機1の外側(パチンコ遊技機1を設置する島の回収樋)に導くものである。この球抜き通路への球の誘導は、玉通路カバー部材156に設けられる球抜きストッパー(図示しない)を解除することにより行なわれる。
また、中間構成部の上部には、上記した玉整列レール部材148の下流側に接続されるカーブレール部および玉通路部を有する玉通路カバー部材156が取付けられる。玉通路カバー部材156のカーブレール部は、玉整列レール部材148から流下する球を前記球抜き通路あるいは、玉払出装置154に玉を誘導する玉通路(図示しない)のいずれかに分岐するものである。カーブレール部の下流側には、玉払出装置154が配置されている。
玉通路カバー部材156の下流側には、球切れスイッチ157が、玉払出装置154までの間に27〜28個の遊技球が存在することを検出できるような位置に係止片によって着脱自在に装着されている。この球切れスイッチ157は、後述するサンパック中継基板101に接続される。そして、球切れスイッチ157は、球を検出しなくなったときに、サンパック中継基板101を介して払出制御基板98および主基板120に信号を入力し、後に説明する玉払出装置154の後述する払出モータ115の作動を停止して賞球の払出を不能動化させるようになっている。
玉通路カバー部材156の下方には、賞球および貸球の払出しを行なう玉払出装置154が取付けられている。
次に、機構板140の下部構成部(下部板144)について説明する。下部構成部は、図2に示すように、背面から見てその右側部分に払出制御基板98を収容する払出制御基板ボックス123が取付けられ、背面から見てその左側部分に電源基板910を収容する電源基板ボックス122が取付けられている。なお、払出制御基板ボックス123も、前述した主基板ボックス136の構造と同様に構成されている。すなわち、払出制御基板ボックス123は、払出制御基板ボックスベースに払出制御基板ボックスカバーを被せて、左右に設けられたカシメ部にカシメネジを差し込み螺着し、その上からカシメキャップで封止することにより、カシメ部を切断しない限り、開封できないように構成されている(いずれも図示しない)。これにより、カシメ部が切断されているか否かにより、払出制御基板ボックス123が開封されたか否かを容易に判断することができる。
払出制御基板ボックス123が取付けられる下部構成部の前面側(機構板主体141の遊技盤40と対面する内側)には、入賞球を誘導する入賞球誘導通路(図示しない)とアウト球を誘導するアウト玉通路(図示しない)とが形成され、下部構成部の背面側(機構板主体141の外側)には、賞球通路、連絡通路、余剰玉通路が形成されるとともに球抜き通路下流部も形成されている。
次に、機構板140の下部構成部の背面から見て右側部分(以下、右側下部構成部という)の構成について説明する。図示を省略するが、機構板140の右側下部構成部の一側上部に賞球通路が形成され、該賞球通路の下端に上皿連通口が形成されている。この上皿連通口は、パチンコ遊技機1の前面に設けられる上皿19に賞球を導くものである。上皿連通口の一側側方には、連絡通路が形成され、その連絡通路の下流に余剰玉通路が接続されている。
しかして、入賞に基づく賞球が多数払出されて上皿19が賞球で満杯となり、遂には上皿連通口に到達してさらに賞球が払出続けられたときには、賞球は、連絡通路を介して余剰玉通路に導かれ、その後、接続樋392を介して下皿27に排出される。そして、さらに賞球が払出続けられたときには、下皿27も満杯になるが、余剰玉通路の一側側壁に設けられた満タン検知レバー部分にまで到達すると、満タン検知レバーが押圧されて満タンスイッチ158(図柄7参照)がONされ、玉払出装置154の払出モータ115の駆動を停止して賞球および貸球の払出動作を不能動化する。このとき、打球発射装置130の後述する発射モータ601の駆動は停止しないが、停止するものであってもよい。
電源基板ボックス122は、内部に複数の電圧の異なる電源を生成する電源基板910を収容するものである。電源基板910には、パチンコ遊技機1全体の電源をON・OFFするための電源スイッチ194、パチンコ遊技機1に設けられた各種基板(主基板120、払出制御基板98、および、演出制御基板90)に設けられたバッアップ用のRAMでバックアップ記憶されたデータをクリアするためのクリアスイッチ921(図11も参照)および管ヒューズ等が実装されている。また、電源基板910は、電源コード117が接続される電源コネクタが実装されている。電源コード117によって供給される電圧は、AC24Vの電圧であり、電源基板910で生成される複数の電圧は、DC30V、DC24V、DC12V、DC5Vの4種類である。(但し、他の基板に対してAC24Vも供給する。)また、電源基板910は、主基板120、払出制御基板98、および、演出制御基板90の各CPUに駆動電源が供給されていない間、各基板120,98,90のRAMの記憶内容をバックアップ(保持)記憶するために各基板120,98,90にバックアップ電源を供給するようになっている。なお、電源基板910から電源断信号が出力されることによって主基板120は、バックアップをするための処理を行なうようになっている。なお、払出制御基板98および演出制御基板90においても同様にバックアップする処理が行なわれる。主基板120、払出制御基板98、および、演出制御基板90におけるバックアップ処理に関しては、後で詳細に説明する。
右側下部構成部の機構板主体141の前面側(遊技盤40に当接する側)には、入賞球を誘導する入賞球誘導通路(図示しない)とアウト球を誘導するアウト玉通路(図示しない)とが形成されている。入賞球誘導通路の上方は、入賞球落下入口(図示しない)となっており、前記入賞球誘導カバー体82から放出される入賞球を受入れるようになっており、その受入れた入賞球を入賞球誘導通路が一側側方に向かって誘導し、機構板主体141に形成された連通口(図示しない)から機構板主体141の背面側に導き、さらにその連通口から前記球抜き通路下流部(図示しない)に導くようになっている。前記球抜き通路下流部712は、右側下部構成部の外周縁に沿って逆L字状に屈曲され、下部構成部のほぼ中央背面側に形成される前記余剰玉通路の右側方に形成される合流排出通路に最終的に合流するようになっている。したがって、入賞球落下入口から受入れられた入賞球は、入賞球誘導通路、連通口、球抜き通路下流部、および合流排出通路を介してパチンコ遊技機1の外部に誘導されるようになっている。
遊技盤40のアウト口69から取込まれたアウト球は、遊技盤40の裏面に刻設されるアウト球排出通路(図示しない)に導かれ、さらに遊技盤収納枠部393の下部の板状部分に形成されるアウト球連通口(図示しない)を経由して上記したアウト玉通路に導かれ、連通口、合流排出通路を通ってパチンコ遊技機1の外部に導かれる。つまり、上記した合流排出通路は、球抜き通路下流部からの抜き球、アウト玉通路からのアウト球、入賞球誘導通路からの入賞球をすべて合流してパチンコ遊技機1の外部に誘導するものである。
次に、玉払出装置154の構造を説明する。図4は、玉払出装置154を玉払出装置取付部154aに取付ける前の状態と取付けた後の状態とを説明するための、図2におけるB−Bでの概略断面図である。なお、図4における概略断面図は、パチンコ遊技機1の正面から見て左側からの玉払出装置取付部付近の断面図である。
玉払出装置154のケース155の内側には、玉通路カバー部材156により誘導された玉を玉払出部材74まで誘導する玉供給通路部材77a,77bが立設されている。玉供給通路部材77a,77bおよびケース155a,155bの内壁により、玉を玉払出部材74まで誘導する玉供給通路が形成されている。また、玉供給通路には、仕切板72が設けられており、左右2列の玉通路188,189各々に対応して2条の通路が形成されている。仕切板72は、分割構成されたケース155を組付けたときに、ケース155の上部において突起した部分が形成されるように、突起部72aが設けられている。玉払出部材74は、ステッピングモータよりなる払出モータ115により回転駆動され、玉供給通路から供給される玉を1個づつ区切って払出す。玉払出部材74は、円盤部が形成され、該円盤部の両側面には、それぞれ玉を受入れる間隔を保持して突設される複数(3つ)の突出部が形成されることで、各突出部の間は、玉を受入れ誘導するための凹部として形成されている。
ケース155の内側には、さらに、玉払出部材74により払出された玉を玉排出口84まで誘導する玉誘導通路部材84a,84bが立設されている。玉誘導通路部材84a,84bおよびケース155の内壁により、玉を玉排出口84まで誘導する玉払出通路が形成されている。玉払出通路は、仕切板72が設けられず、左右2列分の幅の玉通路が中央に傾斜し、1列分の幅(玉1個が流下する幅)となる。
払出個数カウントスイッチ116は、玉排出口84に設けられており、玉払出部材74により払出される玉を検出する。これにより、払出個数カウントスイッチ116からの検出信号に基づき、玉払出装置154から実際に排出された玉の数をカウントすることができる。なお、本実施の形態における玉排出口84は、1つの排出口からなり、玉払出装置154から排出する球を貸球として払出す貸球排出口と景品球として払出す景品球排出口とを兼用した形で構成されている。
玉通路カバー部材156の下流に取付けられた玉ストッパー部材159は、2条の玉通路各々に対応して玉通路カバー部材156に穿設される挿通穴156eに挿入し玉の流下をストップさせる2つのストッパー片と玉払出装置154のケース155に当接する当接部とが一体的に形成されたストッパー部材159bと、ストッパー片が挿通穴156eに挿入する状態となるようにストッパー部材159bを付勢するバネ(図示しない)と、当該ストッパー部材159bを玉通路カバー部材156に取付けるための取付部材159cとから構成されている。
図4において、(a)には、玉払出装置154を玉払出装置取付部154aに取付ける前の状態を説明するためのB−Bでの概略断面図が示されている。玉払出装置154を玉払出装置取付部154aに取付けていないときには、図4(a)に示すようにストッパー部材159bのストッパー片がバネの弾性力により挿通穴156eに挿入し、流下する玉をストップさせる状態になる。すなわち、玉払出装置154の玉供給通路に玉を供給しない状態になる。
また、図4において、(b)には、玉払出装置154を玉払出装置取付部154aに取付けているときの状態を説明するためのB−Bでの概略断面図が示されている。玉払出装置154を玉払出装置取付部154aに取付けているときには、図4(b)に示すように玉払出装置154の仕切板72に設けられている突起部72aに玉ストッパー部材159bの当接部が接し、バネの弾性力に反して上方に押し上げられることにより、一体に形成されている玉ストッパー部材159bのストッパー片が挿通穴から退避して、玉通路を玉が流下できる状態になる。すなわち、玉払出装置154の玉供給通路に玉を供給できる状態になる。
このような玉ストッパー部材159を玉通路カバー部材156の下流に取付けたことにより、玉払出装置154を玉払出装置取付部154aから取り外したときであっても、挿通穴156eより上流に位置する玉が零れ出ることがない。このため、たとえば、玉払出装置154を交換する場合に、球抜き操作を行ない賞球タンク147や玉整列レール部材148に貯留されている玉を全て抜きとる手間を省くことができる。一方、玉払出装置154を玉払出装置取付部に取付けたときには、玉ストッパー部材159bのストッパー片が挿通穴から退避して玉通路188,189を玉が流下できる状態になる。
図5は、操作キー190の構成を示す平面図である。操作キー190は、押圧式の検出スイッチにより構成される決定キー191、上方向キー192、および、下方向キー193を含む。決定キー191、上方向キー192、および、下方向キー193は、飾り図柄表示装置44bで、後述するような操作用画面が表示された状態において、操作が有効となる。上方向キー192を操作すると、操作用画面上で画像として表示される複数の操作ボタンのうち選択表示されている操作ボタンの位置が画面上で上方向に移動する表示が行なわれる。また、下方向キー193を操作すると、操作用画面上で画像として表示される複数の操作ボタンのうちの選択表示されている操作ボタンの位置が画面上で下方向に移動する表示が行なわれる。また、決定キー191を操作すると、操作用画面上で画像として表示される複数の操作ボタンのうち選択表示されている操作ボタンについて実際に操作することが決定される。なお、飾り図柄表示装置44bで飾り図柄が変動表示されていないときに決定キー191を操作すると、操作用画面が表示されるようにしてもよい。
以上、パチンコ遊技機1の構成について説明してきたが、次に、配線接続される回路構成について、図6を参照して説明する。図6は、主基板120と各種制御基板および電気部品との関係を示すブロック図である。
主基板120には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ99が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ99(遊技制御手段ともいう)は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM100、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM111、プログラムにしたがって遊技の信号を制御するCPU112、および演出制御基板90等に制御信号(コマンド)を送信するI/Oポート部114を含む。この実施の形態では、ROM100,RAM111はCPU112に内蔵されている。すなわち、CPU112は、1チップマイクロコンピュータである。また、この実施の形態で用いられているCPU112は、ソフトウェアで割込禁止に設定できないマスク不能割込(NMI)を発生させるために使用されるマスク不能割込端子(NMI端子)と、CPU112の外部から割込(外部割込;ソフトウェアで割込禁止にできるマスク可能割込)を発生させるために使用される割込端子(INT端子)とを有する。しかし、この実施の形態では、マスク不能割込および外部割込を使用しない。そこで、NMI端子およびINT端子を、抵抗を介してVCC(+5V)にプルアップしておく。したがって、NMI端子およびINT端子の入力レベルは常にハイレベルになり、端子オープン状態の場合に比べて、ノイズ等によってNMI端子およびINT端子の入力レベルがハイレベルからローレベルに立下がって割込発生状態になる可能性が低減する。なお、CPU112は、ROM100に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、CPU112が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU112がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板120以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。また、この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ99とは、主基板120に搭載されるCPU112、ROM100、RAM111、I/Oポート部114、等の周辺回路のことである。
また、RAM111は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM111の一部または全部の内容は保存される。少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御用マイクロコンピュータ99の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)等がバックアップRAMに保存される。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ99の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、この実施の形態では、RAM111の全部が、電源バックアップされているとする。
主基板120には、電源基板910から、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチ921が操作されたことを示すクリア信号、電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号、および遊技制御用マイクロコンピュータ99に対する遊技制御用許容信号(CPUを動作可能状態にさせるための信号)として用いられるシステムリセット信号(以下、単にリセット信号と呼ぶ)が入力される。
主基板120には、遊技盤40に設けられる各スイッチ51,52,55a,55b,56a,56b,62からの信号がスイッチ中継基板95を介して入力され、また満タンスイッチ158および球切れスイッチ157からの信号が払出制御基板98を介して入力される。なお、球切れスイッチ157からの信号は、主基板120に入力されないように構成してもよい。また、満タンスイッチ158からの信号についても同様に、主基板120に入力されないように構成してもよい。さらに、主基板120には、払出制御基板98を介して玉払出装置154に搭載されている払出個数カウントスイッチ(図示しない)からの信号が入力される。
また、主基板120には、始動口スイッチ60からの信号も入力される。さらに、主基板120には、特別図柄表示装置44aの変動表示について大当りを発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられる乱数値を発生させるための大当り判定用のランダムカウンタを構成する乱数発生回路60aが接続されている。乱数発生回路60aは、始動口スイッチ60からの信号が入力されると、その時点におけるカウント値を主基板120に入力する。主基板120は、乱数発生回路60aから入力されたカウント値を、RAM111に設けられている記憶バッファにラッチし、実際に始動入賞があったと判断したときに、当該ラッチしているカウント値を読み出す処理を行なう。
上記した入力信号のうち、遊技盤40に設けられる各スイッチ51,52,55a,55b,56a,56b,62からの入力信号に基づいて主基板120は、遊技盤40に設けられるソレノイド50,59,65を駆動制御するとともに、遊技状態に応じた電飾信号および効果音信号を周辺コマンド中継基板57および演出制御基板90を介して音声枠ランプ基板92に出力し、さらに、飾り図柄表示装置44bの表示状態を制御するための演出制御コマンドを図柄中継基板84および演出制御基板90に出力し、盤用外部端子板96に各種の遊技情報を出力する。演出制御基板90は、飾り図柄表示装置44bの変動表示動作を主基板120からの情報信号の種類に応じて駆動制御するものであり、さらに、音声枠ランプ基板92との情報信号のやり取りを行なうものである。周辺コマンド中継基板57は、演出制御基板90へ出力する情報信号を中継するものである。
音声枠ランプ基板92は、主基板120から入力される電飾信号の種類に応じて、前面扉枠4に取付けられている遊技効果ランプ13a〜13c,16a,16b,17a,17bの点灯制御を行なう。また、音声枠ランプ基板92は、主基板120から入力される効果音信号の種類に応じて、スピーカ12a,12bを制御する。さらに、音声枠ランプ基板92は、主基板120から入力される電飾信号の種類に応じて、ランプドライバ基板93を介して、遊技盤40に取付けられている装飾ランプ32a,32bの点灯制御を行なう。音声枠ランプ基板92は、遊技状態(変動パターン、通常遊技状態または確率変動状態であるか、変動表示中であるか等の遊技状態)に応じて、各種遊技効果ランプの点灯制御を行なうとともに、スピーカからの遊技音の駆動制御を行なう。ランプドライバ基板93は、遊技盤40に設けられる装飾ランプの点灯状態を制御するための音声枠ランプ基板92との接続を中継するものである。
主基板120は、図柄中継基板84を介して表示制御信号(駆動信号)を、特別図柄表示装置44aおよび特別図柄始動記憶LED67が搭載された特別図柄および特別図柄記憶基板85に入力し、特別図柄表示装置44aにおける特別図柄の表示制御を行なうとともに、特別図柄始動記憶LED67の点灯制御を行なう。これにより、主基板120と特別図柄表示装置44aとの間にドライバ回路やマイクロコンピュータを搭載した特別図柄表示装置用の制御基板等を設け、主基板120からの表示制御信号(駆動信号)に基づき制御基板等により特別図柄表示装置44aの表示制御を行なう場合と比較して、大当り判定の結果を確実に間違いなく表示させることができる。
また、主基板120は、図柄中継基板84を介して表示制御信号(駆動信号)を、普通図柄表示装置63が搭載された普通図柄基板86に入力し、普通図柄表示装置63における普通図柄の表示制御を行なう。さらに、主基板120は、図柄中継基板84を介して表示制御信号(駆動信号)を、普通図柄始動記憶LED68が搭載された普通図柄記憶基板87に入力し、普通図柄始動記憶LED68の点灯制御を行なう。
演出制御基板90には、CPU(図9に示す演出制御用CPU118a)、RAM(図示しない)、ROM(図示しない)、I/Oポート部((図9に示す入力ポート668,669、入出力ポート671等)等から構成される演出制御用マイクロコンピュータ118(電気部品制御用マイクロコンピュータの一例、図9参照、演出制御手段ともいう)が搭載されており、主基板120から入力される演出制御コマンドの種類に応じて、飾り図柄表示装置44bにおける飾り図柄の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ118は、ROMに格納されたプログラムにしたがって動作し、主基板120から演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドにしたがって受信したコマンドに応じた飾り図柄表示装置44bの表示制御を行なう。具体的には、画像表示を行なう表示制御機能および高速描画機能を有するVDP119(図9参照)により変動表示部の表示制御を行なう。演出制御用マイクロコンピュータ118は、受信した演出制御コマンドにしたがってキャラクタROM(図示しない)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、飾り図柄表示装置44bに表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、怪物、文字、図形または記号等を予め格納しておくためのものである。
そして、演出制御用マイクロコンピュータ118は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP119に出力する。VDP119は、演出制御用マイクロコンピュータ118からデータが入力されたことに基づいて動作する。この実施の形態では、飾り図柄表示装置44bの表示制御を行なうVDP119が演出制御基板90に搭載されている。また、VDP119は、それぞれ、演出制御用マイクロコンピュータ118とは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこにマッピングしている。
VDP119はキャラクタ画像データにしたがって受信したコマンドに応じた飾り図柄表示装置44bに表示するための画像データを生成し、VDP119はVRAMに展開する。RAMはVDP119によって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。
演出制御基板90には、さらに、操作キー190(決定キー191、上方向キー192、および、下方向キー193)と、発射球センサ194とが接続されている。
また、演出制御用マイクロコンピュータ118は、受信した演出制御コマンドのうち、後述するような特定のコマンドに基づいて、パチンコ遊技機1の遊技履歴情報を表示するためのデータを収集する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ118は、パチンコ遊技機1の起動時において、パチンコ遊技機1が設置されている遊技店(遊技場)の店員等の管理者を利用対象者として各種の情報を表示する画像である遊技店用情報画面を飾り図柄表示装置44bに表示する。遊技店用情報画面は、操作キー190の操作が有効となる操作用画面に該当する。
遊技店用情報画面が表示されたときに、演出制御用マイクロコンピュータ118は、店員等による操作キー190の操作に応じて出力される操作信号に基づいて、前述の遊技履歴情報を管理する処理等の所定の処理を実行する。また、飾り図柄表示装置44bが飾り図柄を変動表示可能な通常状態時においては、遊技者による操作キー190の操作に応じて出力される操作信号に基づいて、遊技者を利用対象者として各種の情報を表示する画像表示可能な画像である遊技者用情報画面を飾り図柄表示装置44bに表示する。遊技者用情報画面は、操作キー190の操作が有効となる操作用画面に該当する。遊技者用情報画面が表示されたときに、演出制御用マイクロコンピュータ118は、遊技者による操作キー190の操作に応じて出力される操作信号に基づいて、前述の遊技履歴情報を表示する処理等の所定の処理を実行する。
次に、払出制御基板98は、満タンスイッチ158からの満タン信号に基づいて払出停止信号を玉払出装置154に出力し、払出モータ115の駆動を停止させる。また、満タンスイッチ158からの満タン信号は、払出制御基板98を介して主基板120に入力される。なお、満タンスイッチ158からの満タン信号が主基板120に入力されたときには、主基板120から音声枠ランプ基板92に満タン信号を出力して所定のランプ又はLEDを表示駆動してその旨を報知するようにしてもよい。また、満タンスイッチ158からの満タン信号を払出制御基板98に出力するので、たとえば、該払出制御基板98上のエラー表示器等でその旨を報知するようにしてもよい。
また、遊技盤40に設けられるゲートスイッチ62を除く各スイッチ51,52,55a,55b,60,56a,56bからの入力信号に基づいて主基板120は、払出制御基板98に賞球制御信号を出力する。払出制御基板98は、その賞球制御信号に基づく賞球数を未払出数に加算し、玉払出装置154を駆動して未払出数分の賞球を払出す。また、払出個数カウントスイッチ116からの入力信号に基づいて払出制御基板98は、払出した数を未払出数から減算する。また、払出制御基板98は、その賞球制御信号の入力に基づいて、賞球LED10を表示駆動してその旨を報知する。
さらに、球切れスイッチ157からの球切れスイッチ信号に基づいて払出制御基板98は、払出停止信号を玉払出装置154に出力し、払出モータ115の駆動を停止させる。そのとき、払出制御基板98は、球切れLED9を所定の態様で表示駆動する。
なお、満タンスイッチ158または球切れスイッチ157のいずれかがONすることで払出停止信号(払出停止コマンド)を払出制御基板98から出力して賞球等の払出が行なわれないようにし、いずれのスイッチ158,157ともOFFであれば払出可能信号(払出停止解除コマンド)を出力するというものでもよい。また、賞球LED10に換えて未払出がある場合、点灯する未払出報知ランプなどを設けてもよい。
主基板120には、遊技動作を制御するためのスイッチ入力、賞球の払出動作を制御するためのスイッチ入力しか入力されず、主基板120と払出制御基板98を除く他の制御基板との関係においては、主基板120から他の制御基板に向かって一方向の通信関係となる。このため、他の制御基板に不法な処理プログラムを組み込んで主基板120で不正な処理を施そうとしても実行することができないという利点があり、また、主基板120の制御の一部を他の制御基板で担当しているので、主基板120の負担が軽減されるとともに、主基板120の検査の容易化を図ることも可能である。
また、払出制御基板98には、玉払出装置154に搭載された払出センサ基板114,払出モータ115,および払出個数カウントスイッチ116からの信号や、前述したように満タンスイッチ158からの満タン信号や、球切れスイッチ157からの球切れ信号が入力される。払出センサ基板114は、払出モータ115の回転位置を検出する発光素子(LED)と受光素子とによるセンサである払出モータ位置センサが備えられた基板であり、この払出モータ位置センサにより、遊技機の払出動作を確実に行なうために払出モータ115の回転位置(正確には、回転部材としての玉払出部材74の停止位置)を検出することができる。払出センサ基板114からは、払出モータ位置センサの検出信号が出力される。
さらに、払出制御基板98には、カードユニット装置731および残高表示基板104からの信号を中継するインタフェース基板103が接続されており、残高表示基板104に搭載されている球貸スイッチ36および返却スイッチ37からの信号およびカードユニット装置731から各種の情報が入力されている。さらに、前述したように、払出制御基板98には、主基板120から賞球制御信号が入力される。上記した入力信号のうち、払出センサ基板114からの入力信号に基づいて払出制御基板98は、貸球および賞球の払出動作において払出モータ115の停止位置、即ち玉払出装置154の玉払出部材の停止位置を正確に制御するとともに玉払出部材が動作しているか否かを検出できる。また、払出個数カウントスイッチ116からの入力信号に基づいて払出制御基板98は、貸球および賞球の正確な払出数を払出すように払出モータ115を駆動制御するとともに、枠用外部端子板102に貸球数情報(100円分の球25個で1パルス)を出力する。なお、貸球は、払出制御基板98と、カードユニット装置731との間で、インタフェース基板103を経由して各種信号の送受信が行なわれ、玉払出装置154が駆動されることにより行なわれる。なお、払出制御基板98と、カードユニット装置731との間で、送受信される各種信号については、図7および図10を用いて後述する。
さらに、主基板120からの賞球制御信号や、スイッチから直接入力される球切れ信号および満タン信号等に基づいて払出制御基板98は、賞球の払出動作を実行せしめたり、賞球の払出動作を停止実行せしめたりする。なお、枠用外部端子板102に接続される球切れスイッチ157および満タンスイッチ158からの入力信号は、球切れ情報または満タン情報として外部のホール用管理コンピュータ等に出力される。
前述した打球発射装置130においては、発射モータ601を駆動するための回路が搭載された発射基板107が設けられている。操作ハンドル30から発射基板107には、前述したタッチセンサおよび単発発射スイッチからの信号がそれぞれ伝達される。そして、遊技者による操作ハンドル30の操作に応じて、発射基板107から発射モータ601に、発射モータ601を駆動するための駆動信号が出力される。発射モータ601は、発射基板107からの駆動信号にしたがって駆動される。発射基板107では、タッチセンサ回路からの信号がオフ状態を示している場合には、発射モータ601の駆動を停止する。
図7は、払出制御基板98および玉払出装置154などの払出に関連する構成要素を示すブロック図である。図7に示すように、払出制御基板98には、払出制御用CPU659を含む払出制御用マイクロコンピュータ660(電気部品制御用マイクロコンピュータの一例、払出制御手段ともいう)が搭載されている。この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ660は、1チップマイクロコンピュータであり、少なくとも未払出数を記憶するRAMが内蔵されている。また、I/Oポートは、払出制御用マイクロコンピュータ660に内蔵されていてもよい。払出制御用マイクロコンピュータ660におけるRAMの少なくとも一部は、電源基板910に搭載されているバックアップ電源によって電源バックアップされている。この実施の形態では、全てのRAM領域が電源バックアップされているとする。よって、パチンコ遊技機1に対して電力供給がなされていないときにも、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAMの記憶内容は保存される。
球切れスイッチ157および満タンスイッチ158からの検出信号は、サンパック中継基板101を介して払出制御基板98のI/Oポート661dに入力される。また、サンパック中継基板101は、枠用外部端子板102とコネクタで接続されている。枠用外部端子板102には、外部(たとえば、管理コンピュータ)とパチンコ遊技機1との間の信号線を接続するコネクタとして、賞球数を出力するためのコネクタと、第1・第2ドア開放スイッチ111,112からの信号を出力するためのコネクタとが外部接続端子として設けられている。
玉払出装置154に搭載された払出個数カウントスイッチ116および払出センサ基板114からの検出信号は、払出中継基板113を介して払出制御基板98のI/Oポート661cに入力される。払出制御用マイクロコンピュータ660は、払出個数カウントスイッチ116からの検出信号に基づき、RAMに記憶されている未払出数を減算する処理を行なう。払出制御用マイクロコンピュータ660は、未払出数があるときに、払出中継基板113を介して払出モータ115を駆動させるための信号を出力する。また、払出制御用マイクロコンピュータ660は、I/Oポート661bに球切れまたは満タンを示す信号が入力されたときに、払出停止信号をI/Oポート661cから払出中継基板113に出力する。払出中継基板113は、当該払出停止信号を受信すると、払出モータ115の駆動を停止させる。
払出制御用マイクロコンピュータ660は、I/Oポート661dに球切れを示す信号が入力されたときに、I/Oポート661bを介して球切れ信号をプラ枠中継基板108に出力する。プラ枠中継基板108は、球切れ信号に基づき、球切れLED9を点灯させる制御を行なう。また、払出制御用マイクロコンピュータ660は、払出個数カウントスイッチ116からの検出信号に基づき、I/Oポート661bを介して賞球信号をプラ枠中継基板108に出力する。プラ枠中継基板108は、賞球信号に基づき、賞球LED10を点灯させる制御を行なう。なお、払出制御用マイクロコンピュータ660は、I/Oポート661dに球切れまたは満タンを示す信号が入力されたときに、I/Oポート661bを介して発射停止信号をプラ枠中継基板108に出力するようにしてもよい。この場合、プラ枠中継基板108は、発射基板107に、発射モータ不能動化信号を出力し、発射モータ601が駆動できないように制御するようにしてもよい。
また、入賞口への遊技球の入賞があると、主基板120の出力回路662から、払出すべき賞球個数を示す賞球制御信号が出力される(オン状態になる)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ99が立上がったとき(動作を開始したとき)に、払出起動コマンド(払出起動指令)が出力される。そして、賞球制御信号または払出起動指令の取込みを指示するための賞球REQ信号(賞球リクエスト信号)が出力される(オン状態になる)。
この実施の形態では、賞球制御信号と払出起動指令とは同じ信号線で伝達される。賞球制御信号および払出起動指令は、5ビットのデータ(2進5桁のデータ)によって構成され、5本の信号線によって出力される。なお、信号のオン状態すなわち出力状態は、信号が有意である状態であり、オン状態になることは、信号を受ける側に対してその信号に基づく何らかの処理を開始することを指令することを意味する。たとえば、賞球個数を示す賞球制御信号および賞球REQ信号がオン状態になるということは、払出制御用マイクロコンピュータ660に対して、賞球制御信号が示す払出数を認識するように指令することを意味する。
賞球制御信号および払出起動指令は、入力回路663Aを介してI/Oポート661gに入力される。また、賞球REQ信号は、払出制御用CPU659のマスク可能割込端子(以下、単に割込端子ともいう。)に入力される。払出制御用CPU659は、割込端子に賞球REQ信号が入力されたことに基づく割込処理で、I/Oポート661gを介して賞球制御信号を入力し、賞球制御信号が示す個数の遊技球を払出すために玉払出装置154を駆動する制御を行なう。なお、主基板120の出力回路662からは、主基板120が接続されていることを示す接続確認信号も出力される。
また、払出制御用マイクロコンピュータ660が払出指令信号を受付けたときには、主基板120に対して指令受付信号を送信する。指令受付信号は、払出制御基板98の出力ポート662hおよび出力回路663Bを介して主基板120に送信される。そして、主基板120において、入力回路666およびI/Oポート114を介して遊技制御用マイクロコンピュータ99に入力される。なお、この実施の形態では、賞球BUSY信号がオン状態になることによって、指令受付信号が送信されたことになる。
また、払出制御基板98には、電源基板910から、電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号、RAMの内容をクリアするためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号、および払出制御用マイクロコンピュータ660に対する払出制御用許容信号(CPUを動作可能状態にさせるための信号)として用いられるリセット信号が、入力ポート661aに入力される。
また、払出制御用マイクロコンピュータ660は、出力ポート661fを介して、7セグメントLEDによるエラー表示用LED664にエラー信号を出力する。なお、払出制御基板98の入力ポート661eには、エラー状態を解除するためのエラー解除スイッチ665からの検出信号が入力される。エラー解除スイッチ665は、ソフトウェアリセットによってエラー状態を解除するために用いられる。
パチンコ遊技機1に隣接して設置されているカードユニット装置731には、カードユニット制御用マイクロコンピュータが搭載されている。また、カードユニット装置731には、使用可表示ランプ、連結台方向表示器、カード投入表示ランプおよびカード挿入口が設けられている。インタフェース基板103には、上皿19の近傍に設けられている度数表示LED105、球貸可表示LED106、球貸スイッチ36および返却スイッチ37が接続される。
インタフェース基板103からカードユニット装置731には、遊技者の操作に応じて、球貸スイッチ36が操作されたことを示す球貸しスイッチ信号および返却スイッチ37が操作されたことを示す返却スイッチ信号が与えられる。また、カードユニット装置731からインタフェース基板103には、プリペイドカードの残高を示すカード残高表示信号および球貸し可表示信号が与えられる。カードユニット装置731と払出制御基板98の間では、接続信号(VL信号)、ユニット操作信号(BRDY信号)、球貸し要求信号(BRQ信号)、球貸し完了信号(EXS信号)およびパチンコ機動作信号(PRDY信号)が入力ポート661iおよび出力ポート661jを介して送受信される。カードユニット装置731と払出制御基板98の間には、インタフェース基板103が介在している。よって、接続信号(VL信号)等の信号は、図7に示すように、インタフェース基板103を介してカードユニット装置731と払出制御基板98の間で送受信されることになる。
また、VL信号は、発射基板107において、打球発射装置130による遊技球の発射について、発射を許可する発射許可状態と、打球発射装置130による遊技球の発射を禁止する発射禁止状態とのいずれかの状態を選択するために用いられる。このため、払出制御基板98上では、VL信号の信号経路(信号線,信号ライン)が、入力ポート372fを介して払出制御用マイクロコンピュータ660へ伝達する第1信号経路L1と、出力ポート661kを介して発射基板107へ出力する第2信号経路L2とに分岐して形成されている。つまり、払出制御基板98上には、VL信号の信号経路を第1信号経路L1と第2信号経路L2とに分岐する分岐手段としての配線が設けられている。これにより、VL信号は、カードユニット装置731から払出制御基板98に伝達されるとともに、払出制御基板98を介して発射基板107へ伝達されることとなる。
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、払出制御基板98に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ660は、カードユニット装置731にPRDY信号を出力する。また、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、電源が投入されると、VL信号を出力する。払出制御用マイクロコンピュータ660は、VL信号の入力状態によってカードユニット装置731の接続状態/未接続状態を判定する。カードユニット装置731においてカードが受付けられ、球貸しスイッチが操作され球貸しスイッチ信号が入力されると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板98にBRDY信号を出力する。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板98にBRQ信号を出力する。
そして、払出制御用マイクロコンピュータ660は、カードユニット装置731に対するEXS信号を立上げ、カードユニット装置731からのBRQ信号の立下がりを検出すると、払出モータ115を駆動し、所定個の貸し球を遊技者に払出す。そして、払出が完了したら、払出制御用マイクロコンピュータ660は、カードユニット装置731に対するEXS信号を立下げる。その後、カードユニット装置731からのBRDY信号がオン状態でないことを条件に、遊技制御用マイクロコンピュータ99から払出指令信号を受けると賞球払出制御を実行する。
カードユニット装置731で用いられる電源電圧AC24Vは払出制御基板98から供給される。すなわち、カードユニット装置731に対する電源基板910からの電力供給は、払出制御基板98およびインタフェース基板103を介して行なわれる。この例では、インタフェース基板103内に配されているカードユニット装置731に対するAC24Vの電源供給ラインに、カードユニット装置731を保護するためのヒューズが設けられ、カードユニット装置731に所定電圧以上の電圧が供給されることが防止される。
なお、この実施の形態で用いられている払出制御用CPU659は、マスク不能割込(NMI)を発生させるために使用されるマスク不能割込端子(NMI端子)と、マスク可能割込を発生させるために使用される割込端子(INT端子)とを有する。しかし、この実施の形態では、マスク不能割込および外部割込を使用しない。そこで、NMI端子およびINT端子を、抵抗を介してVCC(+5V)にプルアップしておく。なお、マスク可能割込とは、ソフトウェアで割込が発生しないように制御することができる割込である。また、割込端子への信号入力に基づく割込を外部割込ともいう。
発射基板107においては、タッチリング110からの検出信号(以下、タッチセンサ検出信号という)と、単発発射スイッチ109からの検出信号(以下、単発発射スイッチ検出信号という)と、カードユニット装置371からインタフェース基板103および払出制御基板98を経由して伝達されるVL信号とが入力される。発射基板107では、発射モータ601を駆動するための駆動信号を出力する発射モータ駆動回路が搭載されている。この発射モータ駆動回路の構成については、図8を用いて後述する。
図8は、発射基板107に設けられた発射モータ駆動回路95の回路構成を示すブロック図である。発射モータ駆動回路95は、駆動信号発生回路95aと、AND回路95bとを含む。駆動信号発生回路95aは、タッチセンサ検出信号および単発発射スイッチ検出信号が入力され、入力された信号に応じて発射モータ601を駆動する駆動信号を発生させる回路である。駆動信号発生回路95aは、操作ハンドル30が操作されたことに応じてタッチセンサ検出信号がオン状態を示しているときには駆動信号を発生させ、一方、タッチセンサ検出信号がオフ状態を示しているときには駆動信号の発生を停止させる。また、駆動信号発生回路95aは、単発発射スイッチ検出信号がオン状態を示しているときにはタッチセンサ検出信号がオン状態を示しているときであっても、駆動信号の発生を停止させる。
AND回路95bは、VL信号に基づいて前述の発射許可状態と発射禁止状態とのいずれかの状態となる論理積回路である。つまり、AND回路95bは、VL信号がオン状態であるときに、駆動信号発生回路95aから入力される駆動信号を出力可能な発射許可状態となる。一方、AND回路95bは、VL信号がオフ状態であるときに、駆動信号発生回路95aから入力される駆動信号を出力不可能な発射禁止状態となる。このようなAND回路95bを用いることにより、発射モータ駆動回路95は、VL信号を監視し、VL信号の入力の有無に応じて発射の許可と禁止とを行なう。
図9は、演出制御基板90および音声枠ランプ基板92の回路構成例を示すブロック図である。演出制御基板90において、演出制御用マイクロコンピュータ118における演出制御用CPU118aは、ROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、周辺コマンド中継基板57を介して主基板120から送信される取込信号(演出制御INT信号)に応じて、周辺コマンド中継基板57、入力ドライバ667および入力ポート668を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用マイクロコンピュータ118は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)119に、LCDを用いた飾り図柄表示装置44bの表示制御を行なわせる。VDP119は、GCL(グラフィックコントローラLSI)と呼ばれることもある。
周辺コマンド中継基板57には、主基板120から入力された信号(演出制御コマンドを構成する演出制御信号と演出制御INT信号)を演出制御基板90に向かう方向にしか信号を通過させない(演出制御基板90から主基板120への方向には信号を通過させない)信号入力阻止手段としての単方向性回路57aが搭載されている。単方向性回路57aとして、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図9には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路57aは、周辺コマンド中継基板57を通過する信号線それぞれに設けられる。演出制御基板90からの信号、演出制御基板90に入力される信号(操作キー190からの操作信号および発射球センサ194からの検出信号)、および演出制御基板90に接続される音声枠ランプ基板92(主基板120に接続されない基板を周辺基板ともいう。)からの信号は、周辺コマンド中継基板57の存在によって、主基板120の遊技制御用マイクロコンピュータ99に伝達されない。したがって、遊技制御用マイクロコンピュータ99に対する外部からの信号入力経路が限定され、遊技制御用マイクロコンピュータ99に対して不正信号を送り込む不正行為がなされる可能性を低減できる。また、さらに、周辺コマンド中継基板57を、その裏面が視認可能となる態様で取付けた場合、周辺コマンド中継基板57の裏面を容易に視認することができるため、周辺コマンド中継基板57から遊技制御用マイクロコンピュータ99へ不正に信号を入力させるようにする不正行為が行なわれたことを容易に発見することができる。
なお、本実施の形態においては、単方向性回路57aを周辺コマンド中継基板57に設けた例について説明したが、これに限らず、単方向性回路57aは、主基板120に設けてもよく、また演出制御基板90に設けてもよい。すなわち、単方向性回路57aは、遊技制御用マイクロコンピュータ99に対して不正信号が入力されることを防止できる場所に設けられている構成であればよい。
演出制御用マイクロコンピュータ118には、入力ポート669を介して、操作キー190(191,192,193)からの操作信号、および、発射球センサ194からの検出信号が入力される。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ118は、入出力ポート671を介して音声枠ランプ基板92に対して、スピーカ12a,12bから発せられる音声を制御するための音声制御コマンドと、遊技効果ランプ13a〜13c,16a,16b,17a,17b、装飾ランプ32a,32bの点灯状態を制御するためのランプ制御コマンドとを出力する。
音声枠ランプ基板92において、CPU、ROMおよびRAMを含む音声枠ランプ制御用マイクロコンピュータ92aは、音声制御コマンドに応じたROMに格納されている制御データに基づいて音声ドライバ回路673を介し、スピーカ12a,12bを制御する。また、音声枠ランプ制御用マイクロコンピュータ92aは、ランプ制御コマンドに応じたROMに格納されている制御データに基づいて枠ランプドライバ回路672を介し、遊技効果ランプ13a〜13c,16a,16b,17a,17bを制御する。さらに、音声枠ランプ制御用マイクロコンピュータ92aは、ランプ制御コマンドに応じたROMに格納されている制御データに基づいてバスドライバ674を介し、装飾ランプ32a,32bを制御するための駆動信号を、ランプドライバ基板93に出力する。
ランプドライバ基板93では、音声枠ランプ基板92から出力されてバスドライバ675から入力された駆動信号に基づき、出力ポート676および装飾ランプドライバ回路677を介し、装飾ランプ32a,32bが制御される。なお、ランプドライバ基板93には、さらに、拡張ポート678が搭載されており、他の演出装置を駆動させることができるように構成されている。
本実施の形態におけるランプ制御コマンドおよび音声制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ118と音声枠ランプ制御用マイクロコンピュータ92aとの間で、双方向通信(コマンド受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
また、電源監視回路920からのリセット信号は、音声枠ランプ基板92に搭載された音声枠ランプ制御用マイクロコンピュータ92aに入力される。また、電源監視回路920からのリセット信号は、音声枠ランプ基板92を経由し、さらに演出制御基板90に搭載された入出力ポート671を介して、演出制御用マイクロコンピュータ118に入力される。また、電源監視回路920からの電源断信号は、音声枠ランプ基板92を経由し、さらに演出制御基板90に搭載された入出力ポート671を介して、演出制御用マイクロコンピュータ118に入力される。
また、演出制御用マイクロコンピュータ118におけるRAMの少なくとも一部は、電源基板910に搭載されているバックアップ電源によって電源バックアップされている。この実施の形態では、一部のRAM領域(以下、バックアップ領域という)が電源バックアップされているとする。よって、パチンコ遊技機1に対して電力供給がなされていないときにも、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、演出制御用マイクロコンピュータ118のRAMのバックアップ領域の記憶内容は保存される。なお、演出制御用マイクロコンピュータ118におけるRAMの全部の領域がバックアップ電源によって電源バックアップされるようにしてもよい。
図10は、インタフェース基板103と払出制御基板98とにおける信号の伝送路の構成を示すブロック図である。
インタフェース基板103において、カードユニット装置731からのVL信号、BRDY信号、および、BRQ信号は、入出力端子103aから入力され、入出力端子103bから払出制御基板98へ出力される。そして、払出制御基板98において、VL信号、BRDY信号、および、BRQ信号は、入出力端子980から入力されI/Oポート661iを介して払出制御用マイクロコンピュータ660へ伝送される。これら信号のうち、VL信号については、第2信号経路L2からI/Oポート661kを介して発射基板107へ出力される。
また、払出制御基板98において、EXS信号およびPRDY信号は、払出制御用マイクロコンピュータ660からI/Oポート661jおよび入出力端子980を介してインタフェース基板103へ出力される。そして、インタフェース基板103において、カードユニット装置731からのEXS信号およびPRDY信号は、入出力端子103bから入力され、入出力端子103aからカードユニット装置731へ出力される。
VL信号、BRDY信号、BRQ信号、EXS信号、および、PRDY信号のそれぞれの伝送路上には、フォトカプラPC1,PC2,PC3,PC4,PC5が設けられている。フォトカプラPC1,PC2,PC3,PC4,PC5は、電気信号を一旦光に変換した後再度電気信号に変換する光電変換素子である。つまり、これらの信号のそれぞれは、フォトカプラを介してカードユニット装置731と払出制御基板98との間を伝送される。BRDY信号、BRQ信号、EXS信号、および、PRDY信号のそれぞれに対応するフォトカプラPC2,PC3,PC4,PC5は、インタフェース基板103上に設けられている(搭載されている)。一方、VL信号に対応するフォトカプラPC1は、払出制御基板98上に設けられている(搭載されている)。VL信号の伝送路については、単なる信号線としての機能を有する他の信号の伝送路と比べて、電源線(他の信号の伝送路のフォトカプラの電源としても使用される)としての機能を有するため、電源を安定化させる必要があり、フォトカプラPC1に加えて電源安定化用のコンデンサC1が払出制御基板98上に設けられている。コンデンサC1は、フォトカプラPC1の入力側(発光側)の信号の伝送路上に設けられている。VL信号の伝送路は、フォトカプラPC1の出力側(受光側)で、第1信号経路L1と第2信号経路L2とに分岐している。つまり、払出制御基板98上には、フォトカプラPC1の出力側において、VL信号の信号経路を第1信号経路L1と第2信号経路L2とに分岐する分岐手段としての配線が設けられている。
このように、フォトカプラPC1,PC2,PC3,PC4,PC5を介して信号が伝送されることにより、カードユニット装置371と払出制御基板98とのいずれか一方が故障したとき等に、異常なレベルの信号が伝送されないようにすることができる。
また、VL信号の伝送路については、前述のフォトカプラPC1およびコンデンサC1がインタフェース基板103上ではなく、払出制御基板98上に搭載されており、インタフェース基板103上には、フォトカプラPC2〜PC5が搭載されているが、コンデンサが一切搭載されていない。一般的に、コンデンサは、各種の不正行為が行なわれるときに不正な電子部品として正規の基板上または不正な基板上に設けられることが多い。これに対し、本実施の形態の場合には、インタフェース基板103上にコンデンサが一切設けられていないので、インタフェース基板103上への不正な電子部品の取付け、および、インタフェース基板103を不正な基板と交換することのような不正行為が行なわれたときに、基板上にコンデンサがあるか否かを視認することにより、不正行為が行なわれたか否かを容易に判断することができるようになる。
次に、電源基板910の構成を図11のブロック図を参照して説明する。図11は、電源基板910の構成例を示すブロック図である。電源基板910には、遊技機内の各電気部品制御基板や機構部品への電力供給を実行または遮断するための電源スイッチ914が設けられている。なお、電源スイッチ914は、遊技機において、電源基板910の外に設けられていてもよい。電源スイッチ914が閉状態(オン状態)では、交流電源(AC24V)がトランス911の入力側(一次側)に印加される。トランス911は、交流電源(AC24V)と電源基板910の内部とを電気的に絶縁するためのものであるが、その出力電圧もAC24Vである。また、トランス911の入力側には、過電圧保護回路としてのバリスタ918が設置されている。
電源基板910は、電気部品制御基板(主基板120、払出制御基板98および演出制御基板90等)と独立して設置され、パチンコ遊技機1内の各基板および機構部品が使用する電圧を生成する。この例では、AC24V、VSL(DC+30V)、VLP(DC+24V)、VDD(DC+12V)およびVCC(DC+5V)を生成する。また、バックアップ電源(VBB)すなわちバックアップRAMに記憶内容を保持させるための記憶保持手段となるコンデンサ916は、DC+5V(VCC)すなわち各基板上のIC等を駆動する電源のラインから充電される。また、+5Vラインとバックアップ+5V(VBB)ラインとの間に、逆流防止用のダイオード917が挿入される。なお、VSLは、整流平滑回路915において、整流素子でAC24Vを整流昇圧することによって生成される。VSLは、ソレノイド駆動電源となる。また、VLPは、ランプ点灯用の電圧であって、整流回路912において、整流素子でAC24Vを整流することによって生成される。
電源電圧生成手段としてのDC−DCコンバータ913は、1つまたは複数のレギュレータIC(図11では2つのレギュレータIC924A,924Bを示す)を有し、VSLに基づいてVDDおよびVCCを生成する。レギュレータIC(スイッチングレギュレータ)924A,924Bの入力側には、比較的大容量のコンデンサ923A,923Bが接続されている。従って、外部からのパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止したときに、VSL、VDD、VCC等の直流電圧は、比較的緩やかに低下する。
図11に示すように、トランス911から出力されたAC24Vは、そのままコネクタ922Bに供給される。また、VLPは、コネクタ922Cに供給される。VCC、VDDおよびVSLは、コネクタ922A,922B,922Cに供給される。
コネクタ922Aに接続されるケーブルは、主基板120に接続される。コネクタ922Bに接続されるケーブルは、払出制御基板98に接続される。コネクタ922Cに接続されるケーブルは、音声枠ランプ基板92に接続される。そして、演出制御基板90およびランプドライバ基板93には、コネクタ922Cから供給される各電圧が、音声枠ランプ基板92を経由して供給される。このパチンコ遊技機1においては、主基板120、払出制御基板98、および、演出制御基板90のそれぞれにおいて、データがバックアップされる。したがって、コネクタ922A,922B,922Cには、VBBも供給されている。ここで、922CからのVBBは、音声枠ランプ基板92を経由して演出制御基板90に供給される。
また、電源基板910には、押しボタン構造のクリアスイッチ921が搭載されている。クリアスイッチ921が押下されるとローレベル(オン状態)のクリア信号が出力され、コネクタ922Aおよびコネクタ922Bを介して主基板120および払出制御基板98に送信される。また、クリアスイッチ921が押下されていなければハイレベル(オフ状態)の信号が出力される。なお、クリアスイッチ921は、押しボタン構造以外の他の構成であってもよい。また、クリアスイッチ921は、遊技機において、たとえば払出制御基板98などの電源基板910以外の基板や遊技機の後面側であればその他の場所に設けられていてもよい。
さらに、電源基板910には、電気部品制御基板に搭載されているマイクロコンピュータに対するシステムリセット信号としてのリセット信号を作成するとともに、電源断信号を出力する電源監視回路920と、電源監視回路920からのリセット信号を増幅してコネクタ922A,922B,922Cに出力するとともに、電源断信号を増幅してコネクタ922Aおよびコネクタ922Bに出力する出力ドライバ回路925が搭載されている。リセット信号は、リセットレベルではマイクロコンピュータの動作を停止(禁止)させる動作停止信号として用いられ、非リセットレベルになるとマイクロコンピュータの動作を可能にする動作可能信号として用いられる。なお、本実施の形態においては、音声枠ランプ基板92を経由したリセット信号が、演出制御用マイクロコンピュータ118に入力される。しかし、演出制御用マイクロコンピュータ118へのシステムリセット信号の入力パターンとしてはこれに限るものではない。たとえば、主基板120や払出制御基板98を経由したシステムリセット信号が入力される入力パターンであってもよい。
電源監視回路920は、電源断信号を出力する電圧低下監視手段とシステムリセット信号を生成するリセット信号生成手段とを実現する回路である。なお、電圧低下監視手段とリセット信号生成手段とは、各々、別の回路により構成してもよい。電源監視回路920として、市販の停電監視リセットモジュールICを使用することができる。電源監視回路920は、遊技機において用いられる所定電圧(たとえば+24V)が所定値(たとえば+5V)以下になった期間が、予め決められている時間(たとえば56ms)以上継続すると電源断信号を出力する。具体的には、電源断信号をオン状態(ローレベル)にする。また、電源監視回路920は、たとえば、VCCが+4.5V以下になると、システムリセット信号をローレベルにする。
なお、電源監視回路920としては、電圧が所定値以下になった期間が所定時間以上継続したか否かを判断することにより、電圧が所定値以下になったか否かを判断するものに限らず、たとえば、ダイオード回路から構成される一般的な全波整流回路を用いて得られるパルスを検出することにより、電圧が所定値以下になったか否かを判断するようにしてもよい。たとえば、全波整流回路により交流波を全波整流して得られるパルスのうち、振幅が所定値以上のパルスをカウントするものであって、所定期間カウントされなかったときに電圧が所定値以下となったと判断するものであってもよい。
電源監視回路920は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止する際には、電源断信号を出力(ローレベルにする)してから所定期間が経過したことを条件にリセット信号をローレベルにする。所定期間は、主基板120に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ99、払出制御基板98に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ660、および、演出制御基板90に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ118が、後述する電源断処理を実行するのに十分な時間である。すなわち、電源監視回路920は、電圧低下信号としての電源断信号を出力した後、遊技制御用マイクロコンピュータ99、払出制御用マイクロコンピュータ660、および、演出制御用マイクロコンピュータ118が、電源断処理を実行完了した後に、動作停止信号(リセット信号のローレベル)を出力する。また、パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始され、VCCがたとえば+4.5Vを越えるとシステムリセット信号をハイレベルにするのであるが、その場合に、電源断信号が出力されなくなってから(ハイレベルにしてから)所定期間が経過したことを条件にシステムリセット信号をハイレベルにする。従って、システムリセット信号がハイレベルになったことに応じて各電気部品制御基板(主基板120を含む)に搭載されているマイクロコンピュータがプログラムに従って制御を開始するときに、電源断信号は必ずオフ状態になっている。
電源監視回路920からの電源断信号は、払出制御基板98において、入力ポート661aを介して払出制御用マイクロコンピュータ660に入力される(図7参照)。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ660は、入力ポート661aの入力信号を監視することによって遊技機への電力供給の停止の発生を確認することができる。また、主基板120において、電源監視回路920からの電源断信号は、入出力ポート114を介して遊技制御用マイクロコンピュータ99に入力される(図6参照)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、入出力ポート114の入力信号を監視することによって遊技機への電力供給の停止の発生を確認することができる。また、演出制御基板90において、電源監視回路920からの電源断信号は、入出力ポート671を介して演出制御用マイクロコンピュータ118に入力される(図9参照)。すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ118は、入出力ポート671の入力信号を監視することによって遊技機への電力供給の停止の発生を確認することができる。
一方、電源監視回路920からのリセット信号は、入力ポート661aを介して払出制御用マイクロコンピュータ660のリセット端子に入力される(図7参照)。従って、払出制御用マイクロコンピュータ660は、リセット端子の入力状態を監視することによって、払出制御動作の実行状態とするタイミングおよび払出制御動作の停止状態とするタイミングを確認することができる。また、電源監視回路920からのリセット信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ99のリセット端子に入力される(図6参照)。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、リセット端子の入力状態を監視することによって、遊技制御動作の実行状態とするタイミングおよび遊技制御動作の停止状態とするタイミングを確認することができる。また、電源監視回路920からのリセット信号は、入出力ポート671を介して演出制御用マイクロコンピュータ118のリセット端子に入力される(図9参照)。従って、演出制御用マイクロコンピュータ118は、リセット端子の入力状態を監視することによって、払出制御動作の実行状態とするタイミングおよび払出制御動作の停止状態とするタイミングを確認することができる。
なお、この実施の形態では、電源監視回路920が所定電位の電源の出力を監視し、外部から遊技機に供給される電力の供給停止に関わる検出条件として、遊技機の外部からの電圧(この実施の形態ではAC24V)から作成された所定の直流電圧が所定値以下になったことを用いたが、検出条件は、それに限られず、外部のからの電力が途絶えたことを検出できるのであれば、他の条件を用いてもよい。たとえば、交流波そのものを監視して交流波が途絶えたことを検出条件としてもよいし、交流波をディジタル化した信号を監視して、ディジタル信号が平坦になったことをもって交流波が途絶えたことを検出条件としてもよい。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ99の動作を説明する。図12および図13は、遊技制御用マイクロコンピュータ99における出力ポートの割り当ての例を示す説明図である。図12に示すように、出力ポート0は払出制御基板98に送信される賞球制御信号(CD0〜CD4)の出力ポートである。また、演出制御基板90に送信される演出制御コマンドの8ビットのデータ(CD0〜CD7)は出力ポート1から出力される。なお、図12および図13に示された「論理」(たとえば1がオン状態)と逆の論理(たとえば0がオン状態)を用いてもよいが、特に、接続確認信号については、主基板120と払出制御基板98との間の信号線において断線が生じた場合やケーブル外れの場合(ケーブル未接続を含む)等に、払出制御用マイクロコンピュータ660では必ずオフ状態と検知されるように「論理」が定められる。具体的には、一般に、断線やケーブル外れが生ずると信号の受信側ではハイレベルが検知されるので、主基板120と払出制御基板98との間の信号線でのハイレベルが、遊技制御用マイクロコンピュータ99における出力ポートにおいてオフ状態になるように「論理」が定められる。従って、必要であれば、主基板120において出力ポートの外側に、信号を論理反転させる出力バッファ回路が設置される。
また、出力ポート2から、大入賞口を開閉する特別可変入賞球装置48を開閉するためのソレノイド(大入賞口扉用ソレノイド)65、特定球検出器51を通過しないようにするためのソレノイド(Vシャッター用ソレノイド)50および普通可変入賞球装置58を開閉するためのソレノイド(普通電動役物ソレノイド)59に対する駆動信号が出力される。さらに、演出制御基板90に送信される演出制御コマンドについての演出制御INT信号(取込信号)も出力される。演出制御INT信号は、演出制御コマンドの8ビットのデータを取り込む(受信する)ことを演出制御手段に指令するための信号である。
そして、出力ポート3,4から、盤用外部端子板96やターミナル基板160に至る各種情報出力用信号すなわち制御に関わる情報の出力データが出力される。
図14は、遊技制御用マイクロコンピュータ99における入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図14に示すように、入力ポート0のビット0〜7には、それぞれ、特定球検出器51、カウントスイッチ52、ゲートスイッチ62、入賞球検出器55a,55b,56a,56b、始動口スイッチ14aの検出信号が入力される。また、入力ポート1のビット0,1,2には、それぞれ、電源監視基板910からの電源断信号、電源基板910からのクリアスイッチ921の検出信号、電源監視基板910からのリセット信号が入力される。また、入力ポート1のビット0,1,2には、それぞれ、電源監視基板910からの電源断信号、電源基板910からのクリアスイッチ921の検出信号、電源監視基板910からのリセット信号が入力される。また、入力ポート2のビット0〜7および入力ポート3のビット0には、乱数発生回路60aからの乱数のカウント値を示す乱数カウント値信号RD0〜RD8が入力される。乱数カウント値信号RD0〜RD8は、9ビットの信号により、乱数発生回路60aでのカウント値を示す。
次に遊技機の動作について説明する。図15および図16は、遊技機に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ99へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ99が実行するメイン処理を示すフローチャートである。電源基板910からのリセット信号の入力レベルがハイレベル(オフ状態)になると、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS(以下、単にSという)1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、まず、必要な初期設定を行なう。
初期設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。
次いで、遊技の進行を制御する遊技装置制御処理(遊技制御処理)の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行する。具体的には、まず、ウェイトカウンタ1に、初期化ウェイト回数指定値1をセットする(S81)。また、ウェイトカウンタ2に、初期化ウェイト回数指定値2をセットする(S82)。なお、ウェイトカウンタ1,2として、遊技制御用マイクロコンピュータ99が内蔵する汎用のレジスタ(HLレジスタやBCレジスタ)が用いられる。そして、ウェイトカウンタ2の値が0になるまでウェイトカウンタ2の値を1ずつ減算する(S83,S84)。ウェイトカウンタ2の値が0になったらウェイトカウンタ1の値を1減算し(S85)、ウェイトカウンタ1の値が0になっていなければ(S86)、S82に戻る。ウェイトカウンタ1の値が0になっていれば、ソフトウェア遅延処理を終了する。
以上のようなソフトウェア遅延処理によって、ほぼ、[(初期化ウェイト回数指定値1)×(初期化ウェイト回数指定値2)×(S83,S84の処理時間)]だけ、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができる。換言すれば、所望の時間だけ遊技制御処理の開始タイミングを遅延させることができるように、初期化ウェイト回数指定値1,2の値が決定される。なお、初期化ウェイト回数指定値1,2の値は、ROM100に設定されている。また、ここで説明したソフトウェア遅延処理は一例であって、他の方法によってソフトウェア遅延処理を実現してもよい。
この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ99は、(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)として、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)も内蔵している。また、CTCは、2本の外部クロック/タイマトリガ入力CLK/TRG2,3と2本のタイマ出力ZC/TO0,1を備えている。
ソフトウェア遅延処理を終了すると、内蔵デバイスレジスタの初期化(内蔵デバイスの入出力割り当てなどの設定)を行なうとともに、内蔵デバイスであるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化を行なう(S4)。PIOの初期化とは、たとえば、出力ポートの全ビットにオフ状態の値を設定することである。CTCの初期化とは、タイマのモード設定等のことである。
この実施の形態で用いられている遊技制御用マイクロコンピュータ99には、マスク可能な割込のモードとして以下の3種類のモードが用意されている。なお、マスク可能な割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
割込モード0:割込要求を行なった内蔵デバイスがRST命令(1バイト)またはCALL命令(3バイト)を遊技制御用マイクロコンピュータ99の内部データバス上に送出する。よって、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、RST命令に対応したアドレスまたはCALL命令で指定されるアドレスの命令を実行する。リセット時に、遊技制御用マイクロコンピュータ99は自動的に割込モード0になる。よって、割込モード1または割込モード2に設定したい場合には、初期設定処理において、割込モード1または割込モード2に設定するための処理を行なう必要がある。
割込モード1:割込が受付けられると、常に0038(h)番地に飛ぶモードである。
割込モード2:遊技制御用マイクロコンピュータ99の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。すなわち、割込番地は、上位アドレスが特定レジスタの値とされ下位アドレスが割込ベクタとされた2バイトで示されるアドレスである。従って、任意の(飛び飛びではあるが)偶数番地に割込処理を設置することができる。各内蔵デバイスは割込要求を行なうときに割込ベクタを送出する機能を有している。
よって、割込モード2に設定されると、各内蔵デバイスからの割込要求を容易に処理することが可能になり、また、プログラムにおける任意の位置に割込処理を設置することが可能になる。さらに、割込モード1とは異なり、割込発生要因毎のそれぞれの割込処理を用意しておくことも容易である。上述したように、この実施の形態では、初期設定処理のS2において、遊技制御用マイクロコンピュータ99は割込モード2に設定される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、払出起動指令(払出起動コマンド)を払出制御基板98に送信する払出起動コマンド送信処理を実行した後(S5)、RAM111をアクセス可能状態に設定する(S6)。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、入力ポート1を介して入力されるクリアスイッチ921からのクリア信号の出力状態を1回だけ確認する(S7)。その確認においてオンを検出した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、通常の初期化処理を実行する(S10〜S15)。クリアスイッチ921からのクリア信号がオン状態である場合(押下されている場合)には、ローレベルのクリアスイッチ信号が出力されている。なお、入力ポート1では、クリアスイッチ信号のオン状態はハイレベルである。また、たとえば、遊技店員は、クリアスイッチ921を押下しながらパチンコ遊技機1に対する電力供給を開始する(たとえば電源スイッチ914をオンする)ことによって、容易に初期化処理を実行させることができる。すなわち、RAMクリア等を行なうことができる。
クリアスイッチ921からのクリア信号がオン状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行なわれている。そのような保護処理が行なわれていたことを確認した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ99はバックアップありと判定する。そのような保護処理が行なわれていないことを確認した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ99は初期化処理を実行する。
保護処理が行なわれていたか否かは、後述する電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、バックアップRAM領域のデータ保護処理を実行したことに応じた値(たとえば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域にデータ保護処理を実行したことを示すフラグをセットし、S8において、そのフラグがセットされていることを確認したらバックアップありと判定してもよい。
バックアップありと判定したら、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行なう(S9)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象となるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムとする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。S9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(S10〜S15の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、遊技制御用マイクロコンピュータ99の内部状態と表示制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行なう。具体的には、ROM100に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM111内の領域)に設定する(S92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分である。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、ROM100に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S93)、その内容に従って演出制御基板90に、電力供給が復旧した旨を示す復旧コマンドが送信されるように制御する(S94)。そして、S15に移行する。
初期化処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、まず、RAMクリア処理を行なう(S10)。なお、RAM111の全領域を初期化せず、所定のデータをそのままにしてもよい。また、ROM100に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11およびS12の処理によって、たとえば、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。また、出力ポートバッファにおける接続確認信号を出力する出力ポートに対応するビットがセット(接続確認信号のオン状態に対応)される。
そして、S15において、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ99に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、表示用乱数更新処理(S17)および初期値用乱数更新処理(S18)を繰り返し実行する。遊技制御用マイクロコンピュータ99は、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして(S16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする(S19)。なお、表示用乱数とは、特別図柄表示装置44a,普通図柄表示装置63に表示される図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、たとえば、普通図柄を当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ等の所定のカウンタのカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ99が、遊技機に設けられている特別図柄表示装置44a,普通図柄表示装置63、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう。)における乱数更新処理において、所定のカウンタの値が1ずつ+1されるが、所定のカウンタの値が1周(カウンタの取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、S17,S18の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数や初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、S17,S18の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
次に、パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されたとき、および、電力供給が停止したときのマイクロコンピュータの動作の様子を以下に説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されDC+24V電源の電圧が所定値を越えると、電源断信号がオフ状態になる。また、VCCの値が所定値を越えるとリセット信号がハイレベルになる。なお、上述したように、電源監視回路920は、電源断信号をオフ状態にしてからリセット信号をハイレベルにする。リセット信号は、主基板120,払出制御基板98,および音声枠ランプ基板92に入力される。また、リセット信号は、音声枠ランプ基板92を介して演出制御基板90に入力する。そして、主基板120に搭載されているCPU112,払出制御基板98に搭載されている払出制御用CPU659,および演出制御基板90に搭載されている演出制御用CPU118aに入力される。
主基板120に入力されたリセット信号が遊技制御用マイクロコンピュータ99に入力すると(入力レベルがハイレベルになると)、遊技制御用マイクロコンピュータ99が動作可能状態(マイクロコンピュータがリセットされてプログラムを実行する状態になること)になるが、動作可能状態になると、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、まず、セキュリティチェックプログラムに基づいて、ROMの内容が正当であるか否か確認するためのセキュリティチェック処理を実行する。そして、セキュリティチェック処理を終了すると、ソフトウェア遅延処理を実行する。その後、払出起動コマンドの送信処理を実行し、次いで、クリアスイッチ921からのクリア信号の出力状態のチェック処理を行なった後、遊技制御処理を開始する。なお、クリアスイッチ921からのクリア信号がオン状態を示していたら、RAMクリア処理等を行なう。
払出制御用CPU659は、リセット信号がハイレベルになると動作可能状態になる。動作可能状態になると、まず、初期設定処理の一部(図25のS701〜S720)を実行する。その後、主基板120から払出起動コマンドが送信されてくるのを待ち、払出起動コマンドを受信できたら、クリアスイッチ921からのクリア信号の出力状態のチェック処理を行なった後、遊技制御処理を開始する。なお、クリアスイッチ921からのクリア信号がオン状態を示していたら、RAMクリア処理等を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ99は、クリアスイッチ921からの出力信号の状態のチェック処理を行なう直前に払出起動コマンドを送信し、払出制御用CPU659は、払出起動コマンドを確認したらクリアスイッチ921からの出力信号の状態のチェック処理を行なう。また、セキュリティチェック処理およびソフトウェア遅延処理の実行によって、遊技制御用マイクロコンピュータ99が払出起動コマンド送信処理を開始する時点では、払出制御用CPU659は、払出起動コマンドが送信されてくるのを待つ状態になっている。
よって、たとえば、払出制御用CPU659はクリアスイッチ921からの出力信号の状態のチェック処理を行なったにもかかわらず、遊技制御用マイクロコンピュータ99がクリアスイッチ921からの出力信号の状態のチェック処理を行なわないという状況が生ずることが防止される。逆に、遊技制御用マイクロコンピュータ99はクリアスイッチ921からの出力信号の状態のチェック処理を行なったにもかかわらず、払出制御用CPU659がクリアスイッチ921からの出力信号の状態のチェック処理を行なわないという状況が生ずることが防止される。すなわち、操作手段の操作に基づいて遊技制御用マイクロコンピュータおよび払出制御用マイクロコンピュータの双方における各記憶手段の内容を確実に初期化できる。
パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止すると、DC+24V電源の電圧も徐々に低下するのであるが、電源監視回路920は、DC+24V電源の電圧が所定値を下回ると、電源断信号を出力する(ローレベルにする)。電源断信号は、主基板120、払出制御基板98、および、演出制御基板90に入力されている。主基板120に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ99、払出制御基板98に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ660、および、演出制御基板90に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ118は、電源断信号が出力されたことに応じて、電力供給停止時処理(電源断時制御処理ともいう。)を実行する。そして、電源監視回路920は、VCCが所定値を下回ると、リセット信号をローレベルにする。主基板120に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ99、払出制御基板98に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ660、および、演出制御基板90に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ118は、リセット信号がローレベルになったことに応じてシステムリセットされる。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ99、払出制御用CPU659、および、演出制御用マイクロコンピュータ118は、動作しない状態になる。なお、電源監視回路920は、電源電圧が低下していくときに、電源断信号を出力した時点から、所定時間が経過すると、リセット信号をローレベルにする。
次に、遊技制御処理について説明する。図17は、タイマ割込処理のプログラムを説明するためのフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、S16〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理において遊技制御処理を実行する。タイマ割込処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、まず、S21において、電源断処理が行なわれる。電源断処理では、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する。
S22においては、スイッチ処理が行なわれる。スイッチ処理では、ゲートスイッチ62、始動口スイッチ60、カウントスイッチ52、入賞球検出器55a,55b,56a,56b、および特定球検出器51等のスイッチの状態を入力し、それらの検出状態を判定する処理が行なわれる。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
S22aにおいては、表示制御処理が行なわれる。表示制御処理では、特別図柄表示装置44aおよび普通図柄表示装置63の表示状態を制御するための駆動信号や、特別図柄始動記憶LED67および特別図柄始動記憶LED68の点灯状態を制御するための駆動信号を出力する処理が行なわれる。
S22bにおいては、異常入賞報知処理が行なわれる。異常入賞報知処理では、特別可変入賞球装置48が開放していないにもかかわらず、特別可変入賞球装置48内に設けられているカウントスイッチ52がオン状態にセットされているときに、異常入賞していることを報知するための異常入賞報知コマンドをセットする処理が行なわれる。
S23においては、乱数更新処理が行なわれる。乱数更新処理においては、たとえば、遊技制御に用いられる普通図柄の当り判定用乱数等の所定の乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう。
S24およびS25においては、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう。
S26において、特別図柄プロセス処理が行なわれる。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグの値に従って、該当する処理を選び出して実行する処理が行なわれる。特別図柄表示装置44aの可変表示の表示結果を大当り図柄の組合せとするか否かの判定(大当り判定)は、この特別図柄プロセス処理において行なわれる。大当り判定においては、前述のようにRAM111の記憶バッファにラッチしている乱数発生回路60aからのカウント値(乱数値)を読出し、このカウント値が予め定められた大当り判定値と一致したときに、大当りとする旨の判定を行なう。特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中において更新される。この特別図柄プロセス処理においては、飾り図柄表示装置44bの表示状態を制御する等、各種の演出の実行を指示するための演出制御コマンドを送信するためのデータがセットされる。また、本実施の形態における特別図柄プロセス処理においては、払出制御用マイクロコンピュータ660から遊技機エラー状態信号が入力されたときに、エラー発生により払出禁止状態である旨を示す払出禁止コマンドをセットする処理が行なわれる。
S27においては、普通図柄プロセス処理が行なわれる。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示装置63の点灯を所定態様で制御するための普通図柄プロセスフラグの値に従って、該当する処理を選び出して実行する処理が行なわれる。普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中において更新される。
S28においては、演出図柄コマンド制御処理が行なわれる。演出図柄コマンド制御処理では、S26等でセットされた演出制御コマンドを含む各種コマンド(払出禁止コマンドを含む)を演出制御用マイクロコンピュータ118に出力する処理が行なわれる。たとえば、演出図柄コマンド制御処理では、飾り図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンド等の図柄の変動表示を指示するコマンドが出力される他、所定期間(たとえば、60秒)にわたり特別図柄および飾り図柄の変動表示が実行されないときに、デモンストレーション表示(以下、デモ表示と略称する場合もある)を実行することを指示するコマンド(以下、デモ表示コマンドという)も出力される。
S30においては、情報出力処理が行なわれる。情報出力処理では、パチンコ遊技機1の営業管理上必要な遊技情報(例えば、大当り遊技状態中である旨を報知する大当り1情報、確率変動図柄で大当り遊技状態となり、その大当り状態中およびその大当りによる確率変動中である旨を報知する大当り2情報(大当り中と確率変動中に出力され続ける信号)、確率変動図柄による大当り状態終了後の確率変動中である旨を報知する確率変動情報、始動口スイッチ60をオン状態にした打球の数を報知する始動口情報、特別図柄表示装置44aの変動動作回数を報知する図柄確定回数1情報、普通図柄表示装置63の変動動作回数を報知する図柄確定回数2情報、および普通可変入賞球装置58の開閉回数を報知する役物回数2情報等)を遊技場に設置されるホール用管理コンピュータに出力するための処理が行なわれる。
S31においては、賞球処理が行なわれる。賞球処理では、各入賞口への入賞を検出するためのスイッチの検出信号に基づいて、賞球数の設定等が行なわれる。たとえば、入賞検出に応じて払出制御基板98に賞球個数を示す賞球制御信号が出力される。払出制御基板98に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す賞球制御信号の受信に応じて玉払出装置154を駆動する。
S31aにおいては、試験端子処理が行なわれる。試験端子処理では、特別図柄変動中の設定、特別図柄当り、特別可変入賞球装置48作動中の設定、普通可変入賞球装置58作動中の設定、確率変動状態の設定、普通図柄変動中の設定等の各信号を出力する処理が実行される。
S31bにおいては、出力処理が行なわれる。出力処理では、所定の条件が成立したときに対応するソレノイドを駆動させるための駆動信号を出力する出力処理が行なわれる。出力処理において出力された駆動信号に基づき、ソレノイドが駆動され、対応する装置が開状態または閉状態等に制御される。
S32においては、記憶処理が行なわれる。記憶処理では、特別図柄始動記憶LED67および普通図柄始動記憶LED68の点灯状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。
S33においては、特別図柄表示制御処理が行なわれる。特別図柄表示制御処理では、特別図柄表示装置44aの表示状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。S34においては、普通図柄表示制御処理が行なわれる。普通図柄表示制御処理では、普通図柄表示装置63の表示状態を制御するための駆動信号をセットする処理が行なわれる。
S34aにおいては、状態表示灯表示処理が行なわれる。状態表示灯表示処理では、状態表示灯を制御するための状態表示灯表示処理が行なわれる。本実施の形態における状態表示灯表示処理においては、遊技状態が確率変動状態または変動時間短縮状態であるときに、状態表示灯タイマの更新、状態表示灯の点滅設定、および、状態表示灯の点滅速度等を設定する処理が行なわれる。S35においては、割込許可状態に設定する処理が行なわれる。これにより、タイマ割込処理のすべてが実行されるまでは、割込許可状態とはされないので、他の割込または次回のタイマ割込が発生することはなく、タイマ割込処理中のすべての各処理が確実に実行完了することができる。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は定期的(たとえば2ms毎)に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。また、S1〜S34aの処理が、遊技の進行を制御する遊技制御処理に相当する。
図18および図19は、S21の電源断処理の一例を示すフローチャートである。電源断処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、まず、電源断信号が出力されているか否か(オン状態になっているか否か)確認する(S450)。オン状態でなければ、RAM111に形成されているバックアップ監視タイマの値を0クリアする(S451)。オン状態であれば、バックアップ監視タイマの値を1増やす(S452)。そして、バックアップ監視タイマの値が判定値(たとえば2)と一致すれば(S453)、S454以降の電力供給停止時処理すなわち電力の供給停止のための準備処理を実行する。つまり、遊技の進行を制御する状態から遊技状態(遊技状態データ)を保存させるための電力供給停止時処理(電源断時制御処理)を実行する状態に移行する。なお、「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
バックアップ監視タイマと判定値とを用いることによって、判定値に相当する時間だけ電源断信号のオン状態が継続したら、電力供給停止時処理が開始される。すなわち、ノイズ等で一瞬電源断信号のオン状態が発生しても、誤って電力供給停止時処理が開始されるようなことはない。なお、バックアップ監視タイマの値は、遊技機への電力供給が停止しても、所定期間はバックアップ電源によって保存される。従って、メイン処理におけるS8では、バックアップ監視タイマの値が判定値と同じ値になっていることによって、電力供給停止時処理の処理結果が保存されていることを確認できる。
電力供給停止時処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、パリティデータを作成する(S454〜S463)。すなわち、まず、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし(S454)、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の先頭アドレスに相当するチェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする(S455)。また、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の最終アドレスに相当するチェックサム算出回数をセットする(S456)。
次いで、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する(S457)。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに(S458)、ポインタの値を1増やし(S459)、チェックサム算出回数の値を1減算する(S460)。そして、S457〜S460の処理を、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返す(S461)。
チェックサム算出回数の値が0になったら、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転する(S462)。そして、反転後のデータをチェックサムデータエリアにストアする(S463)。このデータが、電源投入時にチェックされるパリティデータとなる。次いで、RAMアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定する(S471)。以後、内蔵RAM111のアクセスができなくなる。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、ROM100に格納されているポートクリア設定テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(S472)。ポートクリア設定テーブルにおいて、先頭アドレスには処理数(クリアすべき出力ポートの数)が設定され、次いで、出力ポートのアドレスおよび出力値データ(クリアデータ:出力ポートの各ビットのオフ状態の値)が、処理数分の出力ポートについて順次設定されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ99は、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち処理数)をロードする(S473)。また、ポインタの値を1増やし(S474)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力ポートのアドレス)をロードする(S475)。さらに、ポインタの値を1増やし(S476)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力値データ)をロードする(S477)。そして、出力値データを出力ポートに出力する(S478)。その後、処理数を1減らし(S479)、処理数が0でなければS474に戻る。処理数が0であれば、すなわち、クリアすべき出力ポートを全てクリアしたら、タイマ割込を停止し(S481)、ループ処理に入る。
ループ処理では、電源断信号がオフ状態になったか否かを監視する(S482)。電源断信号がオフ状態になった場合には復帰アドレスとして、電源投入時実行アドレス(S1のアドレス)を設定してリターン命令を実行し(S483)、RETI(Return from interrupt)によりタイマ割込処理を終了し、メイン処理に戻る。具体的には、遊技機に設けられている遊技用の装置を制御(自身で制御することと、他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信することの双方を含む概念)する状態に戻る。
また、ループ処理では、リセット信号がローレベルのオン状態となったか否かを監視する(S484)。リセット信号がオン状態になった場合、すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ99によりリセット信号がオン状態となったことが確認された場合に、当該遊技制御用マイクロコンピュータ99がシステムリセット状態となる(システムリセットされる)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、始動の状態である動作停止状態に戻される。本実施の形態におけるリセット信号をオン状態とするための検出電圧の電圧レベルは、前述したように遊技制御用マイクロコンピュータ99の駆動電圧(たとえば4V)よりも高い+4.5Vに設定されている。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、駆動電圧よりも高い電圧が未だ供給されているときであっても、積極的に動作停止状態となる。
以上の処理によって、電力供給が停止する場合には、S454〜S481の電力供給停止時処理が実行され、電力供給停止時処理が実行されたことを示すデータ(バックアップあり指定値およびチェックサム)がバックアップRAMへストアされ、RAMアクセスが禁止状態にされ、出力ポートがクリアされ、かつ、遊技制御処理を実行するためのタイマ割込が禁止状態に設定される。
この実施の形態では、RAM111がバックアップ電源によって電源バックアップ(遊技機への電力供給が停止しても所定期間はRAM111の内容が保存されこと)されている。この例では、S452〜S479の処理によって、バックアップ監視タイマの値とともに、電源断信号が出力されたときのRAM111の内容に基づくチェックサムもRAM111のバックアップ領域に保存される。遊技機への電力供給が停止した後、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、上述したS91〜S94の処理によって、RAM111に保存されているデータ(電力供給が停止した直前の遊技制御用マイクロコンピュータ99による制御状態である遊技状態を示すデータ(たとえば、プロセスフラグの状態、大当り中フラグの状態、確変フラグの状態、出力ポートの出力状態等)を含む)に従って、遊技状態を、電力供給が停止した直前の状態に戻すことができる。なお、電力供給停止の期間が所定期間を越えたらバックアップ監視タイマの値とチェックサムとが正規の値とは異なるはずであるから、その場合には、S10〜S12の初期化処理が実行される。
以上のように、電力供給停止時処理(電力の供給停止のための準備処理)によって、遊技状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すためのデータが確実にRAM111の一部の領域に保存される。よって、停電等による電源断が生じても、遊技状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すことができる。
また、電源断信号がオフ状態になった場合には、S1に戻る。その場合、電力供給停止時処理が実行されたことを示すデータが設定されているので、S91〜S94の遊技状態復旧処理が実行される。よって、電力供給停止時処理を実行した後に払出制御基板98からの電源断信号がオフ状態になったときには、遊技の進行を制御する状態に戻る。従って、電源瞬断等が生じても、遊技制御処理が停止してしまうようなことはなく、自動的に、遊技制御処理が続行される。
なお、払出制御基板98に対して送信される接続確認信号は、出力ポートをクリアする処理によってオフ状態に設定される。また、S92およびS12の作業領域の設定では、接続確認信号に対応した出力ポートバッファの内容が、接続確認信号のオン状態に対応した値に設定される。そして、S31の賞球処理が実行されると、出力ポートバッファの内容が出力ポートに出力されるので、払出制御基板98への接続確認信号がオン状態になる。従って、接続確認信号は、主基板120の立ち上がり時に出力される(オン状態になる)ことになる。なお、電源瞬断等から復帰した場合も、接続確認信号が出力される。
次に、主基板120と払出制御基板98との間で送受信される制御信号について説明する。図20は、遊技制御用マイクロコンピュータ99から払出制御用マイクロコンピュータ660に対して出力される制御信号の内容の一例を示す説明図である。
この実施の形態では、払出制御等に関する各種の制御を行なうために、主基板120と払出制御基板98との間で複数種類の制御信号が送受信される。図20に示すように、接続確認信号は、主基板120の立ち上がり時(遊技制御用マイクロコンピュータ99が遊技制御処理を開始したとき)に出力され、払出制御基板98に対して主基板120が立ち上がったことを通知するための信号(主基板120の接続確認信号)である。また、接続確認信号は、賞球払出が可能な状態であることを示す。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ99が図15のS6以降の遊技制御処理を開始する前に払出起動コマンドを送信するので、接続確認信号を使用しなくてもよい。接続確認信号を使用しない場合には、払出起動コマンドが、賞球払出が可能な状態であることを示す信号を兼ねる。
賞球REQ信号は、賞球の払出要求時または払出起動コマンドの送信時に出力状態(=オン状態)になる信号である。また、賞球REQ信号は、払出制御用マイクロコンピュータ660から賞球BUSY信号がオン状態になった後にオフ状態になると、停止状態(オフ状態=オール0の状態)になる。賞球制御信号は、払出要求を行なう遊技球の個数(1〜15個)を指定するために出力される信号(賞球個数コマンド、賞球個数信号)として使用される。
賞球BUSY信号は、払出制御制御用マイクロコンピュータ660が賞球の払出要求時の賞球REQ信号のオン状態を確認するとオン状態にされ、予め決められている所定期間後にオフ状態になる信号である。すなわち、賞球REQ信号に対する受付確認信号に相当する。従って、賞球BUSY信号がオフである状態は、賞球個数コマンド受信待ちの状態に相当する。
図21は、賞球制御信号の出力の仕方の一例を示すタイミング図である。図21に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、遊技機に対して電力供給が開始されたことに関連して、払出起動コマンド(払出起動指令)を払出制御用マイクロコンピュータ660に送信する。具体的には、賞球制御信号として10(H)を出力するとともに、賞球REQ信号をオン状態にする。
また、遊技球の入賞を検出すると、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球制御信号の出力状態を、入賞に応じて払出される賞球数に応じた状態にする。なお、この実施の形態では、始動口スイッチ60で遊技球が検出されると4個の賞球払出を行ない、入賞球検出器55a,55b,56a,56bのいずれかで遊技球が検出されると7個の賞球払出を行ない、特定球検出器51またはカウントスイッチ52で遊技球が検出されると15個の賞球払出を行なう。また、上述したように、賞球制御信号は5ビットで構成されているので、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)の賞球個数コマンドのうち、下位の5ビットが賞球制御信号によって主基板120から払出制御基板98に伝達される。以下、「00(H)〜0F(H)の賞球制御信号」のように表現することがあるが、実際には、賞球制御信号は、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)のうちの下位の5ビットに相当する。なお、賞球制御信号が、入賞に応じて払出される賞球数を伝達するために使用される場合には、その最上位ビット(ビット4)は0である。
図22は、S31の賞球処理の一例を示すフローチャートである。賞球処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、賞球個数加算処理(S201)と賞球制御処理(S202)とを実行する。そして、RAM111に形成されるポート0バッファの内容をポート0に出力する(S203)。なお、ポート0バッファの内容は、賞球制御処理において更新される。
賞球個数加算処理では、所定の賞球個数テーブルが使用される。賞球個数テーブルは、ROM100に設定されている。賞球個数テーブルの先頭アドレスには処理数(この例では「7」)が設定され、その後に、スイッチオンバッファの下位アドレス、入賞により賞球を払出すことになる入賞口の各スイッチについてのスイッチ入力ビット判定値、賞球数が、入賞口の各スイッチのそれぞれに対応して順次設定されている。なお、スイッチ入力ビット判定値は、入力ポート0における各スイッチの検出信号が入力されるビットに対応した値である(図14参照)。また、スイッチオンバッファの上位アドレスは固定的な値(たとえば7F(H))である。また、賞球個数テーブルにおいて、7つのスイッチオンバッファの下位アドレスのそれぞれには、同じデータが設定されている。
次に、払出制御用マイクロコンピュータ660の動作を説明する。図23は、払出制御用マイクロコンピュータ660における出力ポートの割り当ての例を示す説明図である。図23に示すように、出力ポート0は、ステッピングモータによる払出モータ115に供給される各相の信号とを出力するための出力ポートである。また、出力ポート1は、遊技機エラー状態信号、球切れLED52に出力される信号、賞球LED51に出力される信号、賞球情報、球貸し情報、パチンコ遊技機1外部に出力される賞球中信号、リセット信号、および、電源断信号を出力するための出力ポートである。
出力ポート2は、7セグメントLEDによるエラー表示用LED664の各セグメント出力の出力ポートである。出力ポート3はカードユニット50に出力されるPRDY信号、EXS信号、および、発射基板107に出力されるVL信号を出力するための出力ポートである。なお、払出制御基板98には、図23には示されていないが、主基板120への賞球BUSY信号を出力するための出力ポートも設けられている。
図24は、払出制御用マイクロコンピュータ660における入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図24に示すように、入力ポート0のビット0〜4には、5ビットの賞球制御信号が入力され、ビット5〜7には、それぞれ、主基板120からの接続確認信号、主基板120から賞球REQ信号、払出センサ基板114からの検出信号が入力される。また、入力ポート1のビット0〜3には、それぞれ、タッチリング110からのタッチセンサ信号(発射制御信号)、払出個数カウントスイッチ116の検出信号、エラー解除スイッチ665からの操作信号、満タンスイッチ158の検出信号が入力される。入力ポート1のビット4〜7には、それぞれ、カードユニット装置731からのVL信号、BRDY信号、BRQ信号と、球切れスイッチ157の検出信号が入力される。入力ポート2には、電源基板910からのクリアスイッチ921からの出力信号,リセット信号,および電源断信号が入力される。
次に、払出制御用マイクロコンピュータ660の動作について説明する。図25は、払出制御用マイクロコンピュータ660が実行するメイン処理を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始され、リセット信号がハイレベルになると、払出制御用マイクロコンピュータ660は、メイン処理を開始する。メイン処理では、払出制御用マイクロコンピュータ660は、まず、必要な初期設定を行なう。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ660は、まず、割込禁止に設定する(S701)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S702)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S703)。また、払出制御用CPU659は、内蔵デバイスレジスタの初期化を行ない(S704)、CTCおよびPIOの初期化を行なう(S705)。
この実施の形態では、内蔵CTCのうちの一つのチャネルがタイマモードで使用される。従って、S704の内蔵デバイスレジスタの設定処理およびS705の処理において、使用するチャネルをタイマモードに設定するためのレジスタ設定、割込発生を許可するためのレジスタ設定および割込ベクタを設定するためのレジスタ設定が行なわれる。そして、そのチャネルによる割込がタイマ割込として用いられる。タイマ割込をたとえば2ms毎に発生させたい場合は、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
なお、タイマモードに設定されたチャネル(この実施の形態ではチャネル3)に設定される割込ベクタは、タイマ割込処理の先頭アドレスに相当するものである。具体的は、Iレジスタに設定された値と割込ベクタとでタイマ割込処理の先頭アドレスが特定される。タイマ割込処理では、払出手段を制御する払出制御処理(少なくとも主基板からの賞球払出に関する指令信号に応じて玉払出装置154を駆動する処理を含み、球貸し要求に応じて玉払出装置154を駆動する処理が含まれていてもよい。)が実行される。
この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ660でも割込モード2が設定される。従って、内蔵CTCのカウントアップに基づく割込処理を使用することができる。また、CTCが送出した割込ベクタに応じた割込処理開始アドレスを設定することができる。
CTCのチャネル3(CH3)のカウントアップに基づく割込は、CPUの内部クロック(システムクロック)をカウントダウンしてレジスタ値が「0」になったら発生する割込であり、タイマ割込として用いられる。具体的には、CPU659の動作クロックを分周したクロックがCTCに与えられ、クロックの入力によってレジスタの値が減算され、レジスタの値が0になるとタイマ割込が発生する。なお、ここまでの処理が、図19に示された初期設定処理の一部に相当する。
次に、払出制御用マイクロコンピュータ660は、主基板120から払出起動コマンドが送信されたことを確認するための監視時間(所定時間)に相当する値を汎用のレジスタ(HLレジスタやBCレジスタ)にセットする(S720)。
払出制御用マイクロコンピュータ660に含まれる払出制御用CPU659は、割込端子に割込を生じさせるようなレベル(この例ではローレベル)の信号が入力されると、その状態を反映するレジスタであって特定レジスタの一つである外部割込要求レジスタを有するCPUである。この実施の形態では、割込端子に割込を生じさせるようなレベルの信号が入力されると、外部割込要求レジスタのビット7が「1」にセットされるとする。すなわち、外部割込要求レジスタの値が80(H)に更新される。なお、外部割込要求レジスタのビットのセット/リセットは、ソフトウェアで実行できるものではなく、CPUの内部機構によって行なわれる。また、外部割込要求レジスタのビット0〜6は常に0であるとする。また、割込禁止状態に設定されているか否かに関わらず、割込端子に割込を生じさせるようなレベルが入力されると、外部割込要求レジスタのビット7が「1」にセットされる。
払出制御用CPU659は、汎用のレジスタの値を−1しつつ、外部割込要求レジスタのビット7が「1」にセットされたか否かを確認する(S721〜S723)。汎用のレジスタの値が0になる前に、すなわち、監視時間が経過する前に、外部割込要求レジスタのビット7がセットされた場合には、S721aに移行する。また、外部割込要求レジスタのビット7がセットされる前に監視時間が経過したら、起動不能フラグとして使用する所定の汎用レジスタの所定ビット(任意に定めうる)をセットした後(S724)、S706に移行する。この実施の形態では、主基板120からの賞球REQ信号は払出制御用CPU659の割込端子に入力される。従って、外部割込要求レジスタのビット7がセットされる前に監視時間が経過したということは、所定の監視時間内に遊技制御用マイクロコンピュータ99が払出起動コマンドを送信したことを確認できなかったことを意味する。そこで、そのことを示す起動不能フラグをセットする。
監視時間が経過する前に、外部割込要求レジスタのビット7がセットされたということは、賞球REQ信号がオン状態になったことを意味する。つまり、主基板120の遊技制御用マイクロコンピュータ99が、賞球制御信号によって払出起動コマンドを送信するために賞球REQ信号をオン状態にしたことを意味する。
本実施の形態においては、S721において、外部割込要求レジスタのビット7が「1」にセットされていることが確認されたときには、賞球制御信号を入力する(取込)タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行する。具体的には、まず、ウェイトカウンタ3に、取込ウェイト指定値をセットする(S721a)。なお、ウェイトカウンタ3として、払出制御用マイクロコンピュータ660が内蔵する汎用のレジスタ(HLレジスタやBCレジスタ)が用いられる。そして、ウェイトカウンタ3の値が0になるまでウェイトカウンタ3の値を1ずつ減算する(S721b,S721c)。ウェイトカウンタ3の値が0になっていれば、ソフトウェア遅延処理を終了する。
以上のようなソフトウェア遅延処理によって、ほぼ、[(取込ウェイト指定値)×(S721b,S721cの処理時間)]だけ、ソフトウェア遅延処理を実行しない場合に比べて、賞球制御信号を取込むタイミングを遅延させることができる。換言すれば、所望の時間だけ賞球制御信号を取込むタイミングを遅延させることができるように、取込ウェイト指定値の値が決定される。なお、取込ウェイト指定値の値は、払出制御用マイクロコンピュータ660に内蔵されているROMに予め設定されている。また、ここで説明したソフトウェア遅延処理は一例であって、他の方法によってソフトウェア遅延処理を実現してもよい。
S721cにおいてウェイトカウンタ3の値が0であると確認され、ソフトウェア遅延処理を終了した後に、払出制御用CPU659は、入力ポート0のビット0〜4を介して賞球制御信号を入力し(S725)、入力した賞球制御信号が、払出起動コマンドとして定められている10(H)であるか否か確認する(S726)。10(H)であれば、払出起動コマンドを受信したとして、S706に移行する。10(H)でなければ、起動不能フラグとして使用する所定の汎用レジスタの所定ビットをセットした後(S724)、S706に移行する。
S706では、RAMをアクセス可能状態に設定する(S706)。また、賞球未払出個数カウンタ初期値として0000(H)をセットする(S707)。次いで、起動不能フラグ(S724参照)がセットされていなければ(S727)、入力ポート2を介して入力されるクリアスイッチ921の出力信号の状態を1回だけ確認する(S708)。その確認においてオンを検出した場合には、払出制御用CPU659は、初期化処理を実行する(S712〜S715)。クリアスイッチ921がオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(S709)。保護処理が行なわれていたか否かは、後述する電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、バックアップRAM領域のデータ保護処理を実行したことに応じた値(たとえば10)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域にデータ保護処理を実行したことを示すフラグをセットし、S709において、そのフラグがセットされていることを確認したらバックアップありと判定してもよい。
なお、遊技機に対して電力供給が開始されるとメイン処理が実行開始されるので、この実施の形態では、電力供給の開始時にクリアスイッチ921が押下されて検出信号(主基板120への検出信号と同じ信号)が出力されていれば直ちに初期化処理を実行するが、主基板120から接続確認信号を受信したときにクリアスイッチ921からのクリア信号の出力状態を確認し、そのときにクリアスイッチ921が押下されていたら初期化処理を実行するようにしてもよい。そのように構成するには、S708の処理の実行前に、接続確認信号の受信を所定時間(電力供給開始後に遊技制御用マイクロコンピュータ99が遊技制御処理を開始して接続確認信号を出力できるようになるまでの時間)待つ処理を挿入し、所定時間内に接続確認信号を受信したらS708の処理を実行し、所定時間内に接続確認信号を受信しなかったら、S709の処理を実行するようにすればよい。
バックアップありと判定したら、払出制御用CPU659は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行なう(S710)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象となるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムとする。
後述する電源断処理における電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。S710では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、払出制御側復旧処理を実行せず、初期化処理(S712〜S715の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、払出制御用CPU659は、払出制御側復旧処理を行なう。具体的には、賞球未払出個数カウンタ初期値として、バックアップRAMに形成されている賞球未払出個数カウンタの値をセットする(S711)。そして、S713以降の処理を実行する。
初期化処理では、払出制御用マイクロコンピュータ660は、まず、RAMクリア処理を行なう(S712)。また、払出制御用マイクロコンピュータ660は、RAM領域のフラグやカウンタなどに初期値を設定する(S713)。S713の処理には、賞球未払出個数カウンタ初期値を賞球未払出個数カウンタにセットする処理が含まれる。従って、払出制御側復旧処理(S711)が実行された場合には、バックアップRAMに保存されていた賞球未払出個数カウンタの値が、あらためて賞球未払出個数カウンタにセットされる。換言すれば、バックアップRAMに保存されていた賞球未払出個数カウンタの値がそのまま使用される。また、払出制御側初期化処理(S712)が実行された場合には、ROMに格納されている初期値をRAM領域に設定する。
そして、S724の処理において起動不能フラグがセットされていた場合には、RAMに形成されているエラーフラグにおける起動エラービットをセットする(S714,S715)。次に、定期的にタイマ割込がかかるように払出制御用CPU659に設けられているCTCのレジスタの設定を行なう(S716)。すなわち、初期値としてタイマ割込発生間隔に相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。そして、初期設定処理のS701において割込禁止とされているので、初期化処理を終える前に割込が許可される(S717)。その後、タイマ割込の発生を監視するループ処理に入る。
以上のように、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、S5の払出起動コマンド送信処理において払出起動コマンドを送信した後に、S7においてクリアスイッチ921からのクリア信号の出力状態のチェック処理を実行する。一方、払出制御用マイクロコンピュータ660は、S721において外部割込要求レジスタのビット7が「1」であると判断されたときに、S721a〜S721cのソフトウェア遅延処理を実行した後、S725において払出起動コマンドを受信し、S708においてクリアスイッチ921からのクリア信号の出力状態のチェック処理を実行する。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ99のクリアスイッチ921からのクリア信号の出力状態のチェックタイミングと払出制御用マイクロコンピュータ660のクリアスイッチ921からのクリア信号の出力状態のチェックタイミングとは、ほぼ同時になる。
上記のように、この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ660の内蔵CTCが繰り返しタイマ割込を発生するように設定される。そして、タイマ割込が発生すると、払出制御用マイクロコンピュータ660は、タイマ割込処理を実行する。
図26は、払出制御用マイクロコンピュータ660が実行するタイマ割込処理の例を示すフローチャートである。タイマ割込処理にて、払出制御用マイクロコンピュータ660は、電源断信号が出力された否かを監視する電源断処理を実行する(S749)。その後、S751以降の払出制御処理を実行する。払出制御処理では、払出制御用マイクロコンピュータ660は、まず、入力判定処理を行なう(S751)。入力判定処理は、入力ポート0のビット5,6および入力ポート1のビット3〜7(図24参照)の状態を検出して検出結果をRAMの所定の1バイト(入力状態フラグと呼ぶ。)に反映する処理である。なお、払出制御処理において、入力ポート0のビット5,6および入力ポート1のビット3〜7の状態に基づいて制御を行なう場合には、直接入力ポートの状態をチェックするのではなく、入力状態フラグの状態をチェックする。さらに、入力判定処理は、入力ポート1のビット1,2の状態チェック、すなわち払出個数カウントスイッチおよびエラー解除スイッチの検出信号の状態チェックを行なう処理を含む。具体的には、それらのそれぞれに対応したスイッチタイマ(発射制御信号タイマ、払出個数カウントスイッチタイマ、エラー解除スイッチタイマ)がRAMに形成され、スイッチチェック処理において、それらがオン状態であることを検出したら対応するスイッチタイマの値を+1し、オフ状態であることを検出したら対応するスイッチタイマの値をクリアする。
次に、払出制御用マイクロコンピュータ660は、払出モータ制御処理を実行する(S753)。払出モータ制御処理では、払出モータ115を駆動すべきときには、払出モータφ1〜φ4のパターンを出力ポート0に出力するための処理を行なう。
また、払出制御用マイクロコンピュータ660は、カードユニット装置731と通信を行なうプリペイドカードユニット制御処理を実行する(S754)。次いで、払出制御用マイクロコンピュータ660は、主基板120の遊技制御用マイクロコンピュータ99と通信を行なう主制御通信処理を実行する(S755)。さらに、カードユニット装置731からの球貸し要求に応じて貸し球を払出す制御を行ない、また、主基板からの賞球制御信号が示す個数の賞球を払出す制御を行なう賞球球貸し制御処理を実行する(S756)。
そして、払出制御用マイクロコンピュータ660は、各種のエラーを検出するエラー処理を実行する(S757)。また、遊技機外部に出力される賞球情報や球貸し情報を出力するための情報出力処理を実行する(S758)。また、エラー処理の結果に応じてエラー表示用LED664に所定の表示を行なうとともに、賞球LED10および球切れLED9を点灯するための表示制御処理を実行する(S759)。なお、払出制御用マイクロコンピュータ660は、表示制御処理において、賞球払出を行なっている状態であるときに、賞球LED10を点灯するための制御を行なう。また、賞球払出を終了したら、賞球LED10を消灯するための制御を行なう。
また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポート0バッファ〜出力ポート3バッファ)が設けられているのであるが、払出制御用マイクロコンピュータ660は、出力ポート0バッファ、出力ポート1バッファ、出力ポート2バッファ、および、出力ポート3バッファの内容を出力ポートに出力する(S760:出力処理)。出力ポート0バッファ〜出力ポート3バッファは、払出モータ制御処理(S753)、プリペイドカード制御処理(S754)、主制御通信処理(S755)、情報出力処理(S758)および表示制御処理(S759)で更新される。
図27および図28は、S749の電源断処理の一例を示すフローチャートである。電源断処理において、払出制御用マイクロコンピュータ660は、まず、電源断信号が出力されているか否か(オン状態になっているか否か)確認する(S901)。オン状態でなければ、払出制御基板98が備えるRAMに形成されるバックアップ監視タイマの値を0クリアする(S902)。オン状態であれば、RAMに形成されるバックアップ監視タイマの値を1増やす(S903)。そして、バックアップ監視タイマの値が判定値(たとえば2)と一致すれば(S904)、S905以降の電力供給停止時処理を実行する。つまり、払出制御を実行する状態から払出制御の制御状態を保存させるための電力供給停止時処理(電源断時制御処理)を実行する状態に移行する。
バックアップ監視タイマと判定値とを用いることによって、判定値に相当する時間だけ電源断信号のオン状態が継続したら、電力供給停止時処理が開始される。すなわち、ノイズ等で一瞬電源断信号のオン状態が発生しても、誤って電力供給停止時処理が開始されるようなことはない。なお、バックアップ監視タイマの値は、遊技機への電力供給が停止しても、所定期間はバックアップ電源によって保存される。従って、メイン処理におけるS709では、バックアップ監視タイマの値が判定値と同じ値になっていることによって、電力供給停止時処理の処理結果が保存されていることを確認できる。
電力供給停止時処理において、払出制御用マイクロコンピュータ660は、電力供給停止時処理待機時間を待機時間タイマに設定し(S905)、遊技制御用マイクロコンピュータ99からの賞球制御信号を所定期間(電力供給停止時処理待機時間)受付ける待機時間中賞球受付処理を行なう(S906〜S909)。なお、待機時間タイマは、RAMに格納されている。
電力供給停止時処理待機時間は、電源断信号を出力してから、電源断信号の入力に応じた主基板120での電力供給停止時処理が開始されるまでの期間として予め定められた時間である。なお、電力供給停止時処理待機時間は、少なくとも、待機時間中賞球受付処理が終了する前に主基板120での電力供給停止時処理が開始されるような時間が定められる。
待機時間中賞球受付処理において、払出制御用マイクロコンピュータ660は、賞球REQ信号がオン状態であれば(S906)、賞球制御信号が示す個数を賞球未払出個数カウンタに加算する(S909)。賞球REQ信号がオン状態でなければ、払出制御用マイクロコンピュータ660は、待機時間タイマを1減算し(S907)、待機時間タイマが0でなければS906の処理に戻る(S908)。すなわち、電力供給停止時処理待機時間が経過するまで、待機時間中賞球受付処理を実行する。そして、待機時間タイマが0であれば、待機時間中賞球受付処理を終了し、S911の処理に移行する。
ここで、従来の遊技機の一例について説明する。従来の遊技機には、電源断信号が遊技制御基板と払出制御基板とに入力される従来の遊技機のうち、電源断信号が同じタイミングで遊技制御基板と払出制御基板とに入力されるものと、電源断信号が異なるタイミングで遊技制御基板と払出制御基板とに入力されるものとがあった。そして、電源断信号が同じタイミングで遊技制御基板と払出制御基板とに入力される前者の遊技機において、電源断信号が入力されると、遊技制御側および払出制御側において電力供給停止時処理が同じタイミングで実行されるため、電力供給停止時処理実行開始以降は、遊技制御基板と払出制御基板との間でコマンドが送受信されることがなかった。
しかし、電源断信号が異なるタイミングで遊技制御基板と払出制御基板とに入力される後者の遊技機では、遊技制御側と払出制御側とにおいて電力供給停止時処理が異なるタイミングで実行されるため、電力供給停止時処理実行開始以降であっても、遊技制御基板と払出制御基板との間でコマンドが送受信される可能性があり、当該コマンドを取りこぼし、遊技に反映できないといった不都合の生じる虞があった。特に、遊技制御側よりも先に払出制御側において電力供給停止時処理が実行される場合にあっては、払出制御側において電力供給停止時処理が実行開始された後に入賞口への入賞等の払出条件が成立したときに、遊技制御側から出力される賞球REQ信号等を取りこぼし、入賞による賞球が正確に払出されないといった不都合の生じる虞があった。
このような不都合の生じる虞を極力回避するために、本実施の形態においては、前述したように、S905において電源断信号がオン状態となったと判断された後であっても、S908において待機時間タイマが0でなければ、賞球REQ信号がオン状態となりS906でYESと判断されると、S909において賞球制御信号が示す個数を賞球未払出個数カウンタに確実に加算することができるようにし、電源断信号が払出制御基板に入力されたときであっても電力供給が停止する直前(待機時間中)に発生した入賞に基づく賞球の払出を確実に行なうことができるように構成している。
また図27の説明に戻り、待機時間中賞球受付処理を終了すると、払出制御用マイクロコンピュータ660は、パリティデータを作成する(S911〜S920)。すなわち、まず、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし(S911)、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の先頭アドレスに相当するチェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする(S912)。また、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の最終アドレスに相当するチェックサム算出回数をセットする(S913)。
次いで、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する(S914)。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに(S915)、ポインタの値を1増やし(S916)、チェックサム算出回数の値を1減算する(S917)。そして、S914〜S917の処理を、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返す(S918)。
チェックサム算出回数の値が0になったら、払出制御用マイクロコンピュータ660は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転する(S919)。そして、反転後のデータをチェックサムデータエリアにストアする(S920)。このデータが、電源投入時にチェックされるパリティデータとなる。次いで、RAMアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定する(S921)。以後、内蔵RAM111のアクセスができなくなる。
さらに、払出制御用マイクロコンピュータ660は、ROM100に格納されているポートクリア設定テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(S922)。ポートクリア設定テーブルにおいて、先頭アドレスには処理数(クリアすべき出力ポートの数)が設定され、次いで、出力ポートのアドレスおよび出力値データ(クリアデータ:出力ポートの各ビットのオフ状態の値)が、処理数分の出力ポートについて順次設定されている。
払出制御用マイクロコンピュータ660は、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち処理数)をロードする(S923)。また、ポインタの値を1増やし(S924)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力ポートのアドレス)をロードする(S925)。さらに、ポインタの値を1増やし(S926)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力値データ)をロードする(S927)。そして、出力値データを出力ポートに出力する(S928)。その後、処理数を1減らし(S929)、処理数が0でなければS924に戻る(S930)。処理数が0であれば(S930のY)、すなわち、クリアすべき出力ポートを全てクリアしたら、タイマ割込を停止し(S931)、ループ処理に入る。
ループ処理では、電源断信号がオフ状態になったか否かを監視する(S932)。電源断信号がオフ状態になった場合には、復帰アドレスとして、電源投入時実行アドレス(S701のアドレス)を設定してリターン命令を実行し(S934)、RETIによりタイマ割込処理を終了し、メイン処理に戻る。具体的には、遊技機に設けられている遊技用の装置(玉払出装置154など)を制御する状態に戻る。
また、ループ処理では、リセット信号がローレベルのオン状態となったか否かを監視する(S935)。リセット信号がオン状態になった場合には、払出制御用マイクロコンピュータ660がシステムリセット状態となる(システムリセットされる)。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ660は、始動の状態である動作停止状態に戻される(S937)。この例では、払出制御用マイクロコンピュータ660が、その駆動電圧(たとえば4V)よりも高い電圧が未だ供給されているときに積極的に動作停止状態となるように、リセット信号をオン状態とするための検出電圧の電圧レベルが設定される。
以上の処理によって、電力供給が停止する場合には、待機時間中賞球受付処理と、S911〜S931の電力供給停止時処理とが実行され、電力供給停止時処理が実行されたことを示すデータ(バックアップあり指定値およびチェックサム)がバックアップRAMへストアされ、RAMアクセスが禁止状態にされ、出力ポートがクリアされ、かつ、払出制御処理を実行するためのタイマ割込が禁止状態に設定される。
待機時間中賞球受付処理を実行することによって、電力供給停止直前に遊技制御用マイクロコンピュータ99が払出数データとしての賞球制御信号を送信したときでも、払出制御用マイクロコンピュータ660が確実に払出数データを受信して保存することができ、遊技者に不利益を与えないようにすることができる。
払出制御用マイクロコンピュータ660が確実に賞球制御信号を受信できるようにするために、払出制御用マイクロコンピュータ660に電源断信号が入力されるタイミングを遅らせて、払出制御用マイクロコンピュータ660が電力供給停止時処理を開始するタイミングを遅らせるような構成にしてもよい。しかし、そのように構成する場合には、ハードウェアによる遅延回路等を設ける必要がある。ハードウェアによる遅延回路等を設けない場合には、払出制御用マイクロコンピュータ660に電源断信号が入力される直前に遊技制御用マイクロコンピュータ99が賞球制御信号の出力を開始するおそれや、払出制御用マイクロコンピュータ660に電源断信号が入力された後に(電源断信号の遊技制御用マイクロコンピュータ99への伝達が遅れたような場合)、遊技制御用マイクロコンピュータ99が賞球制御信号の出力を開始するおそれがある。その場合、払出制御用マイクロコンピュータ660が電源断信号に応じて直ちに電力供給停止時処理を開始すると、払出制御用マイクロコンピュータ660は、賞球制御信号が送信されたことを認識しない可能性がある。しかし、この実施の形態では、待機時間中賞球受付処理を実行することによって、払出制御用マイクロコンピュータ660は、確実に賞球制御信号を取り込むことができる。
また、この実施の形態では、払出制御基板98が備えるRAMの全領域がバックアップ電源によって電源バックアップ(遊技機への電力供給が停止しても所定期間はRAMの内容が保存されること)されている。従って、S905〜S931の処理によって、バックアップ監視タイマの値とともに、電源断信号が出力されたときのRAMの内容に基づくチェックサムもRAMに保存される。遊技機への電力供給が停止した後、所定期間内に電力供給が復旧したら、払出制御用マイクロコンピュータ660は、上述したS711の処理によって、RAMに保存されているデータ(電力供給が停止した直前の払出制御用マイクロコンピュータ660による制御状態である払出状態を示すデータ(たとえば、賞球未払出個数カウンタの値等)を含む)に従って、払出状態を、電力供給が停止した直前の状態に戻すことができる。なお、電力供給停止の期間が所定期間を越えたらバックアップ監視タイマの値とチェックサムとが正規の値とは異なるはずであるから、その場合には、S712の初期化処理が実行される。
以上のように、電力供給停止時処理(電力の供給停止のための準備処理)によって、払出制御状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すためのデータが確実に払出制御用記憶手段(この例では払出制御基板98が備えるRAMの全領域)に保存される。よって、停電等による電源断が生じても、所定期間内に電源が復旧すれば、払出制御状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すことができる。なお、払出制御基板98が備えるRAMの全領域が電源バックアップされるのではなく、払出制御状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すためのデータを記憶する領域のみが電源バックアップされるようにしてもよい。
また、電源断信号がオフ状態になった場合には、S701に戻る。その場合、電力供給停止時処理が実行されたことを示すデータが設定されているので、S711の払出制御側復旧処理が実行される。よって、電力供給停止時処理を実行した後に電圧低下監視手段からの電源断信号がオフ状態になったときには、払出制御処理を実行する状態に戻る。従って、電源瞬断等が生じても、払出制御処理が停止してしまうようなことはなく、自動的に、払出制御処理が続行される。
さらに電源電圧が低下し、払出制御用マイクロコンピュータ660および遊技制御用マイクロコンピュータ99での電力供給停止時処理が完了したあと、電源監視回路920によって監視されているVCCが+4.5V以下になると、リセット信号がローレベルにされ、払出制御用マイクロコンピュータ660および遊技制御用マイクロコンピュータ99にローレベルのリセット信号が、各々入力されて動作停止状態となる。
図29は、S756の賞球球貸し制御処理を示すフローチャートである。賞球球貸し制御処理において、払出制御用マイクロコンピュータ660は、払出個数カウントスイッチ116の検出信号がオン状態になったことを確認したら(S601)、球貸し中であれば球貸し未払出個数カウンタの値を1減らし(S602,S604)、球貸し中でなければ賞球未払出個数カウンタの値を1減らす(S602,S603)。次に、RAMに形成されている払出制御状態フラグの払出球検知ビットをセットする(S605)。払出球検知ビットは、払出通過待ち処理において、1回の賞球払出処理(最大15個)または1回の球貸し処理において(25個の払出)、払出モータ115を駆動したにもかかわらず遊技球が1個も払出個数カウントスイッチ116を通過しなかったことを検知するために用いられる。その後、払出制御コードの値に応じてS610〜S612のいずれかの処理を実行する。
賞球球貸し制御処理において、払出個数カウントスイッチ116の検出信号の確認や未払出個数カウンタの減算処理を行なうときには、エラービットのチェックは実行されない。従って、遊技球の払出しに関わるエラー状態であっても、払出個数カウントスイッチ116によって遊技球の払出しが検出される毎に、払出された遊技球が貸し球であれば球貸し未払出個数カウンタの値を1減算し、賞球であれば賞球未払出個数カウンタの値を1減算する処理を実行する。よって、払出しに関わるエラーが発生しても、未払出の遊技球数を正確に管理することができる。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ660がエラーの発生を検出する前に玉払出装置154から払出された遊技球は、払出された時点からやや遅れて払出個数カウントスイッチ116によって検出されるのであるが、払出制御用マイクロコンピュータ660は、玉払出装置154から遊技球が払出された後、その遊技球が払出個数カウントスイッチ116によって検出される前にエラーの発生を検出したような場合に、エラーの発生を検出する前に玉払出装置154から払出された遊技球を、賞球未払出個数カウンタまたは球貸し未払出個数カウンタに反映できる。
次に、エラー処理について説明する。図30は、各種エラービット(エラーであると判定されたことを示すデータ)がセットされているときのエラーの種類とエラー表示用LED664の表示との関係等を示す説明図である。各エラービットは、図26のタイマ割込処理で実行されるサブルーチン処理において、エラー判定をする判定ステップが設けられており、その判定ステップによりエラーであると判定されたときに、セットされる。図30に示すように、主基板120からの接続確認信号がオフ状態になった場合には、払出制御用マイクロコンピュータ660は、主制御未接続エラーとして、エラー表示用LED664に「1」を表示する制御を行なう。
払出個数カウントスイッチ116の断線または払出個数カウントスイッチ116の部分において球詰まりが発生した場合には、払出スイッチ異常検知エラー1として、エラー表示用LED664に「2」を表示する制御を行なう。なお、払出個数カウントスイッチ116の断線または払出個数カウントスイッチ116の部分において球詰まりが発生したことは、払出個数カウントスイッチ116の検出信号がオフ状態にならなかったことによって判定される。
遊技球の払出動作中でないにも関わらず払出個数カウントスイッチ116の検出信号がオン状態になった場合には、払出スイッチ異常検知エラー2として、エラー表示用LED664に「3」を表示する制御を行なう。払出モータ115の回転異常または遊技球が払出されたにも関わらず払出個数カウントスイッチ116の検出信号がオン状態にならない場合には、払出ケースエラーとして、エラー表示用LED664に「4」を表示する制御を行なう。払出個数カウントスイッチ116の検出信号がオン状態にならないことの具体的な検出方法は既に説明したとおりである。不正なタイミングで賞球REQ信号がオン状態になった場合、または不正なタイミングで賞球REQ信号がオフ状態になった場合には、賞球REQ信号エラーとして、エラー表示用LED664に「5」を表示する制御を行なう。不正なタイミングで賞球REQ信号がオン状態またはオフ状態になったことの具体的な検出方法は既に説明したとおりである。
また、下皿満タン状態すなわち満タンスイッチ158がオン状態になった場合には、満タンエラーとして、エラー表示用LED664に「6」を表示する制御を行なう。補給球の不足状態すなわち球切れスイッチ157がオン状態になった場合には、球切れエラーとして、エラー表示用LED664に「7」を表示する制御を行なう。
さらに、カードユニット装置731からのVL信号がオフ状態になった場合には、プリペイドカードユニット未接続エラーとして、エラー表示用LED664に「8」を表示する制御を行なう。不正なタイミングでカードユニット装置731と通信がなされた場合には、プリペイドカードユニット通信エラーとして、エラー表示用LED664に「9」を表示する制御を行なう。なお、プリペイドカードユニット通信エラーは、プリペイドカードユニット制御処理(S754)において検出される。
また、電力供給開始時において主基板120から払出起動コマンドを受信しなかったこと(主基板120が払出制御基板98に対して未接続の状態であるために払出起動コマンドが受信されなかったと考えられる)に起因してセットされた起動エラービットがセットされた場合には、エラー表示用LED664に「A」を表示する制御を行なう。
以上のエラーのうち、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラー、賞球REQ信号エラーまたは起動エラーが発生した後、エラー解除スイッチ665が操作されエラー解除スイッチ665から操作信号が出力されたら(オン状態になったら)、払出制御用マイクロコンピュータ660は、エラーが発生する前の状態に復帰する。なお、起動エラーについては、エラー解除スイッチ665から操作信号が出力されても、エラーが発生する前の状態に復帰しないように構成してもよい。
図31および図32は、S757のエラー処理を示すフローチャートである。エラー処理において、払出制御用マイクロコンピュータ660は、エラーフラグをチェックし、そのうちのセットされているビットが、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラー、賞球REQ信号エラーまたは起動エラービットのみ(4つのうちのいずれかのビットのみ、4つのうちの2ビットのみ、4つのうちの3ビットのみ、またはそれら4ビットのみ)であるか否か確認する(S801)。セットされているビットがそれらのみである場合には、エラー解除スイッチ665から操作信号がオン状態になったか否か確認する(S802)。なお、払出制御用CPU659は、払出ケースモータエラーのエラービットがセットされているエラー状態において、払出個数カウントスイッチ116が遊技球の払出を検出したとしても、エラー解除スイッチ665からの操作信号がオン状態にならない限り、払出ケースモータエラーのエラービットをリセットしない(S803〜S807参照)。すなわち、払出検出手段が未だ払出されていない景品遊技媒体(賞球)の払出を検出してもエラー状態を継続させる。操作信号がオン状態になったら、エラー復帰時間をエラー復帰前タイマにセットする(S803)。エラー復帰時間は、エラー解除スイッチ665が操作されてから、実際にエラー状態から通常状態に復帰するまでの時間である。
エラー解除スイッチ665からの操作信号がオン状態でない場合には、エラー復帰前タイマの値を確認する(S804)。エラー復帰前タイマの値が0であれば、すなわち、エラー復帰前タイマがセットされていなければ、S808に移行する。エラー復帰前タイマがセットされていれば、エラー復帰前タイマの値を−1し(S805)、エラー復帰前タイマの値が0になったら(S806)、エラーフラグのうちの、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラーおよび賞球REQ信号エラーのビットをリセットし(S807)、S808に移行する。
なお、S807の処理が実行されるときに、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラーおよび賞球REQ信号エラーのビットのうちには、セット状態ではないエラービットがある場合もあるが、セット状態にないエラービットをリセットしても何ら問題はない。以上のように、この実施の形態では、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラーまたは賞球REQ信号エラーのビットをセットする原因になったエラー(図30参照)が発生した場合には、エラー解除スイッチ665が押下されることによってエラー解除される。
このようなS807の処理が実行されて払出ケースエラービットがリセットされた場合には、払出制御コードが「2」(払出通過待ち処理の実行に対応)であって、賞球未払出個数カウンタの値または球貸し未払出個数カウンタの値に残数があるときには、中断していた遊技球払出のリトライ動作が開始される。つまり、次にS756の賞球球貸し制御処理が実行されるときにS612の払出通過待ち処理が実行されると、再び、再払出処理が行なわれる。
以上のように、払出制御用マイクロコンピュータ660は、玉払出装置154が遊技球の払出しを行なったにもかかわらず払出個数カウントスイッチ116が1個も遊技球を検出しなかったときには遊技球を払出すためのリトライ動作を予め決められた所定回(たとえば2回)を限度として玉払出装置154に実行させる補正払出制御を行なった後、払出個数カウントスイッチ116が1個も遊技球を検出しなかったことが検出されたときには、払出しに関わる制御状態をエラー状態に移行させ、エラー状態においてエラー解除スイッチ665からエラー解除信号が出力されたことを条件に再度補正払出制御を行なわせる補正払出制御再起動処理を実行する。
さらに、エラー状態における再払出処理の実行中(具体的には払出ケースエラーをセットする前の再払出処理中およびエラー解除スイッチ665押下後の再払出処理中)でも、図29に示すS601〜S604の処理は実行されている。すなわち、払出しに関わるエラーが生じているときでも、遊技球が払出個数カウントスイッチ116を通過すれば、賞球未払出個数カウンタや球貸し未払出個数カウンタの値が減算される。従って、エラー状態から復帰したときの賞球未払出個数カウンタや球貸し未払出個数カウンタの値は、実際に払出された遊技球数を反映した値になっている。すなわち、払出しに関わるエラーが発生しても、実際に払出した遊技球数を正確に管理することができる。
また、払出通過待ち処理において、再払出処理が実行された結果、遊技球が払出されたことが確認されたときでも、払出ケースエラーのビットはリセットされない。払出ケースエラーのビットがリセットされるのは、あくまでも、エラー解除スイッチ665が操作されたとき(具体的は、操作後エラー復帰時間が経過したとき)である(S802,S807)。すなわち、遊技球が払出個数カウントスイッチ116を通過したこと等に基づいて自動的に払出ケースエラー(払出不足エラー)の状態が解除されるということはなく、人為的な操作を経ないと払出ケースエラーは解除されない。従って、遊技店員等は、確実に払出不足が発生したことを認識することができる。
エラー解除スイッチ665が操作されたことによってハードウェア的にリセット(払出制御用マイクロコンピュータ660に対するリセット)がかかるように構成されている場合には、エラー解除スイッチ665が操作されたことによってたとえば賞球未払出個数カウンタの値もクリアされてしまう。しかし、この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ660が、エラー解除スイッチ665が操作されたことによって再払出動作を再び行なうように構成されているので、確実に払出処理が実行され、遊技者に不利益を与えないようにすることができる。
S808では、払出制御用マイクロコンピュータ660は、満タンスイッチ158の検出信号を確認する。満タンスイッチ158の検出信号が出力されていれば(オン状態であれば)、エラーフラグのうちの満タンエラービットをセットする(S809)。遊技制御用満タンスイッチ158の検出信号がオフ状態であれば、満タンエラービットをリセットする(S810)。
また、払出制御用マイクロコンピュータ660は、球切れスイッチ157の検出信号を確認する(S811)。球切れスイッチ157の検出信号が出力されていれば(オン状態であれば)、エラーフラグのうちの球切れエラービットをセットする(S812)。球切れスイッチ157の検出信号がオフ状態であれば、球切れエラービットをリセットする(S813)。なお、球切れエラービットをセットされているときには、S759の表示制御処理において、出力ポート1バッファにおける球切れLED9に対応したビットを点灯状態に対応した値にする。
さらに、払出制御用マイクロコンピュータ660は、主基板120からの接続確認信号の状態を確認し(S815)、接続確認信号が出力されていなければ(オフ状態であれば)、主制御未接続エラービットをセットする(S816)。また、接続確認信号が出力されていれば(オン状態であれば)、主制御未接続エラービットをリセットする(S817)。なお、S815等の処理を実行することによって通信に関わる異常を検出する通信異常検出手段は払出制御用マイクロコンピュータ660に含まれるので、払出制御基板98に搭載されていることになる。
また、払出制御用マイクロコンピュータ660は、各スイッチの検出信号の状態が設定される各スイッチタイマのうち払出個数カウントスイッチ116に対応したスイッチタイマの値を確認し、その値がスイッチオン最大時間(たとえば「240」)を越えていたら(S818)、エラーフラグのうち払出スイッチ異常検知エラー1のビットをセットする(S819)。また、払出個数カウントスイッチ116に対応したスイッチタイマの値がスイッチオン最大時間以下であれば、払出スイッチ異常検知エラー1のビットをリセットする(S820)。なお、各スイッチタイマの値は、S751の入力判定処理において、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がスイッチオン状態であれば+1され、オフ状態であれば0クリアされる。従って、払出個数カウントスイッチ116に対応したスイッチタイマの値がスイッチオン最大時間を越えていたということは、スイッチオン最大時間を越えて払出個数カウントスイッチ116がオン状態になっていることを意味し、払出個数カウントスイッチ116の断線または払出個数カウントスイッチ116の部分で遊技球が詰まっていると判断される。
また、払出制御用マイクロコンピュータ660は、払出個数カウントスイッチ116に対応したスイッチタイマの値がスイッチオン判定値(たとえば「2」)になった場合に(S821)、球貸し動作中フラグおよび賞球動作中フラグがともにリセット状態であれば、払出動作中でないのに払出個数カウントスイッチ116を遊技球が通過したとして、エラーフラグのうち払出スイッチ異常検知エラー2のビットをセットする(S822,S823)。また、球貸し動作中フラグまたは賞球動作中フラグがセットされていれば、払出スイッチ異常検知エラー2のビットをリセットする(S824)。
さらに、払出制御用マイクロコンピュータ660は、カードユニット装置731からのVL信号の入力状態を確認し(S825)、VL信号が入力されていなければ(オフ状態であれば)、エラーフラグのうちプリペイドカードユニット未接続エラービットをセットする(S826)。また、VL信号が入力されていれば(オン状態であれば)、プリペイドカードユニット未接続エラービットをリセットする(S827)。
次に、エラービットがセットされているか否かを確認し(S828)、エラービットがセットされているときには遊技機エラー状態信号を遊技制御用マイクロコンピュータ99に出力する(ステップ829)。なお、本実施の形態においては、遊技制御用マイクロコンピュータ99に遊技機エラー状態信号が入力されると、前述したように、遊技制御用マイクロコンピュータ99から演出制御用マイクロコンピュータ118へ、払出禁止コマンドが出力される。そして、演出制御用マイクロコンピュータ118は、払出禁止コマンドを受信すると、後述するように、飾り図柄表示装置44bにおいてパチンコ遊技機1が払出禁止状態である旨の報知表示を行なう。
なお、本実施の形態においては、たとえば、S809において満タンエラービットがセットされているときであっても、S812において球切れエラービットがセットされているときであっても、S829において同じ遊技機エラー状態信号を、遊技制御用マイクロコンピュータ99に出力する例について説明したが、これに限らず、エラービットの種類に応じて異なるエラー状態信号を遊技制御用マイクロコンピュータ99に出力するようにしてもよい。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ99からは、受信したエラー状態信号に応じた払出禁止コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ118に出力し、エラービットの種類に応じた報知表示を行なうようにしてもよい。
また、この実施の形態では、主制御未接続エラーは接続確認信号がオン状態になると自動的に解消されるが(S815,S817参照)、さらにエラー解除スイッチ665が操作されたという条件を加えて、エラー状態が解消されるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、通信エラーが、カードユニット装置731との間の通信エラー(プリペイドカードユニット未接続エラーおよびプリペイドカードユニット通信エラー)やその他のエラーと区別可能に報知される(図30参照)。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ99と払出制御用マイクロコンピュータ660との間の通信エラーが容易に特定される。
図33および図34は、表示制御処理(S759)を示すフローチャートである。表示制御処理において、払出制御用マイクロコンピュータ660は、RAMに形成されている1バイトの点滅タイマの値を1加算する(S571)。そして、エラーフラグのうち球切れエラービットがセットされていたら(S572)、出力ポート1バッファにおける球切れLED出力ビットをセットする(S573)。球切れエラービットがセットされていなかったら、出力ポート1バッファにおける球切れLED出力ビットをリセットする(S574)。なお、出力ポート1バッファの内容は、S772の出力処理において出力ポート1に出力される。
また、払出制御用マイクロコンピュータ660は、主制御未接続エラービットがセットされていない場合には(S575)、賞球払出中(払出制御状態フラグにおける賞球動作中フラグがセット)であれば(S576)、出力ポート1バッファにおける賞球LED出力ビットをセットする(S577)。賞球払出中でなければ、出力ポート1バッファにおける賞球LED出力ビットをリセットする(S578)。
さらに、払出制御用マイクロコンピュータ660は、エラーフラグにおいて、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラー、賞球REQ信号エラーおよび起動エラー(エラー解除スイッチ665によって解除可能エラー)の各ビット以外のビットがセットされている場合には、S585に移行する。エラーフラグにおいてセットされているビットが払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラーおよび賞球REQ信号エラーのうちのいずれかまたは複数である場合に、点滅タイマのビット7が「1」であれば(S580)、出力ポート1バッファにおける賞球LED出力ビットをセットする(S581)。点滅タイマのビット7が「1」でなければ、出力ポート1バッファにおける賞球LED出力ビットをリセットする(S582)。S579〜S581の処理によって、人為的な操作によってエラー解除可能なエラーが発生しているときには、その旨が遊技者等から視認可能に報知される。この実施の形態では、賞球LED10の点滅によって報知される。従って、遊技者や遊技店員は、人為的な操作によってエラーを解除して遊技機を通常の状態に戻せるようなエラーが発生していることを容易に認識できる。
また、払出制御用マイクロコンピュータ660は、エラーフラグをロードし(S585)、エラーフラグにおけるエラービットに応じたエラーコード(7SEG表示コード;図30参照)を決定し(S586)、決定したエラーコードを、出力ポート2出力バッファにセットする(S587)。
なお、この実施の形態では、払出しに関わるエラーが発生したことを、遊技機裏面に設置されている払出制御基板98に搭載されているエラー表示用LED664によって報知するようにしたが、遊技機裏面の他の箇所(たとえば玉払出装置154等が集中配置された払出ユニット)に報知手段を搭載してもよい。さらに、遊技機の表側に設置されている表示器(たとえば賞球LED10)によって報知するようにしてもよい。また、払出制御用マイクロコンピュータ660は、表示制御処理において、賞球REQ信号がオン状態であるときに、賞球LED10を点灯するための制御を行ない、賞球REQ信号がオフ状態になったら、賞球LED10を消灯するための制御を行なう。払出しに関わるエラーが発生した場合には、たとえば、賞球LED10を点滅させることによって、払出しに関わるエラーが発生したことを報知する。遊技機の表側に設置されている表示器によってエラー報知すれば、遊技店員等がより容易にエラーの発生を認識できる。また、エラー表示用LED664による報知と遊技機の表側に設置されている表示器による報知とを併用してもよい。
さらに、この実施の形態では、エラー表示用LED664によって視覚的にエラー報知を行なうようにしたが、報知の態様は視覚的なものに限られない。たとえば、払出制御基板98にブザー等の音発生手段を搭載したり、払出制御基板98と電気的に接続されブザー等を搭載したブザー基板を設け、ブザー等によってエラー報知を行なうようにしてもよい。また、スピーカ等の音声出力手段を用いて、音声によってエラーが発生したこととエラーの種類とを報知するようにしてもよい。
次に、主基板120から演出制御基板90に送信する制御コマンドの送出方式について説明する。図35は、演出制御コマンドの構成を示す説明図である。図35に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンド(具体的には、演出制御コマンドを構成する演出制御信号)は2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図36は、演出制御コマンドの送出の仕方を示す説明図である。図36に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御信号は、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板90に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ118は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。したがって、演出制御手段から見ると、演出制御INT信号は、演出制御信号の取り込みの契機となる取込信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ118が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、たとえば演出制御信号の1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図36に示された極性と逆極性であってもよい。
図37は、演出制御基板90に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、表示制御を指示するための表示制御コマンドに相当するとともに、ランプ制御を指示するためのランプ制御コマンド、および、音声制御を指示するための音制御コマンドの機能も兼ねている。
図37に示す例において、たとえば、コマンド80XX(H)(XXは変動パターンの種類に対応)は、特別図柄の変動に同期した飾り図柄の変動表示を行なう飾り図柄表示装置44bにおける変動パターンを指定する演出制御コマンドであり、変動パターンコマンドと呼ばれる。変動パターンコマンドは、変動表示結果を、はずれ図柄の組合せ、非確変大当り図柄の組合せ、および、確変大当り図柄の組合せのうちいずれにするかを指示するコマンドでもある。また、変動パターンコマンドは、飾り図柄の変動開始を指示するコマンドでもある。また、コマンドA000(H)は、飾り図柄の変動表示の停止を指示する演出制御コマンドである。
演出制御用マイクロコンピュータ118は、コマンドB001(H)を受信すると、飾り図柄表示装置44bに、払出禁止状態であることを報知するための画面を表示する。なお、前述したように、遊技制御用マイクロコンピュータ99にエラービットの種類に応じた異なるエラー状態信号が入力された場合にはエラー状態信号に応じた払出禁止コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ118に入力されるようにしてもよい。これにより、エラービットの種類に応じた報知表示を行なうことができる。
コマンドD001(H)は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されたときに送信される復旧コマンドである(図16におけるS94参照)。バックアップRAMの保存されていたデータに基づいて復旧処理が実行されるときには、遊技制御用マイクロコンピュータ99は、D001(H)の演出制御コマンドを送信する。
演出制御用マイクロコンピュータ118は、パチンコ遊技機1に対する電源供給が開始されてから所定期間内にコマンドD001(H)を受信しなかった場合には、初期化処理が行なわれたものと判断し、後述するような演出制御用マイクロコンピュータ118のRAMのバックアップ領域に記憶された履歴データを初期化するとともに、初期化飾り図柄表示装置44bに予め定められた初期画面を表示する。また、演出制御用マイクロコンピュータ118は、パチンコ遊技機1に対する電源供給が開始されてから所定期間内にコマンドD001(H)を受信した場合には、後述するような演出制御用マイクロコンピュータ118のRAMのバックアップ領域に記憶された履歴データを、初期化せずに、遊技履歴情報を復旧するために用いるとともに、飾り図柄表示装置44bに、復旧処理が実行されたことを報知するための画面を表示する。
コマンドE000(H)は、入賞に応じて4個の払出しが行なわれるときに送信される第1払出個数コマンドである。コマンドE001(H)は、入賞に応じて7個の払出しが行なわれるときに送信される第2払出個数コマンドである。コマンドE002(H)は、入賞に応じて15個の払出しが行なわれるときに送信される第3払出個数コマンドである。遊技制御用マイクロコンピュータ99は、払出制御用マイクロコンピュータ660に賞球個数コマンドを送信した後に、所定のタイミングで賞球個数コマンドにより指定した払出個数と同じ個数を示すように、第1払出個数コマンド〜第3払出個数コマンドのうちのいずれかのコマンドを演出制御コマンドとして演出制御用マイクロコンピュータ118へ送信する。
コマンドF000(H)は、デモンストレーション表示を実行することを指示するデモ表示コマンドである。デモ表示コマンドは、所定期間(たとえば、60秒)にわたり特別図柄および飾り図柄の変動表示が実行されないときに、送信される。
次に、演出制御基板90から音声枠ランプ基板92に対する制御コマンドの送出方式について説明する。前述した図9を参照して、演出制御用マイクロコンピュータ118は、主基板120から演出制御コマンドを受信すると、ランプおよびスピーカによって、飾り図柄表示装置44bによる演出に同期した演出を行なわせるために、音声枠ランプ基板92に対してランプ制御コマンドおよび音声制御コマンドを送信する。
演出制御基板90から音声枠ランプ基板92にランプ制御コマンドおよび音声制御コマンドが伝達されるときに、演出制御用マイクロコンピュータ118と音声枠ランプ制御用マイクロコンピュータ92aとは、双方通信を行なう。演出制御用マイクロコンピュータ118は、たとえば8本の信号線で伝達される1バイトのランプ制御信号(または音声制御信号)を出力するとともに、ランプ制御REQ信号(または音声制御REQ信号)をオン状態にする。音声枠ランプ制御用マイクロコンピュータ92aは、ランプ制御信号(または音声制御信号)を取り込むと、1パルスのランプ制御応答信号(または音声制御応答信号)を出力する。演出制御用マイクロコンピュータ118は、ランプ制御応答信号(または音声制御応答信号)がオン状態になった後オフ状態になったことを検出すると、ランプ制御REQ信号(または音声制御REQ信号)をオフ状態にする。なお、このような制御コマンドの送出方式は一例であって、双方向通信によって演出制御基板90から音声枠ランプ基板92にランプ制御コマンドおよび音声制御コマンドが伝達されるのであれば、他の送出方式を用いてもよい。
次に、飾り図柄表示装置44bにおいて表示される遊技店用情報画面および遊技者用情報画面について説明する。遊技店用情報画面は、パチンコ遊技機1に電力の供給が開始された後、飾り図柄表示装置44bが飾り図柄を変動表示可能となる通常状態になるまでのとき、すなわち、起動時に表示される画像であり、パチンコ遊技機1が設置されている遊技店(遊技場)の店員等の管理者を利用対象者として各種の情報を表示する画像である。また、遊技者用情報画面は、飾り図柄表示装置44bが飾り図柄を変動表示可能な通常状態時において表示可能な画像であり、遊技者を利用対象者として各種の情報を表示する画像である。
遊技店用情報画面は、遊技店用メニュー画面、履歴データクリア画面、および、オプション画面を含む。履歴データクリア画面は、パチンコ遊技機1で行なわれた遊技の履歴を示す履歴データを初期化する(データを削除する)操作(初期化操作)が可能となる画面である。ここで、履歴データは、演出制御用マイクロコンピュータ118において収集され、演出制御用マイクロコンピュータ118のRAMのバックアップ領域に記憶され、後述するような遊技履歴情報を表示するために設けられる。この履歴データは、停電後の復旧時において、引続き使用することが可能となる。また、オプション画面は、遊技者用メニュー画面が表示されたときに、履歴データを用いて表示する複数種類の遊技履歴のそれぞれについて、表示するか否か(表示/非表示)を管理することが可能となる画面である。また、遊技店用メニュー画面は遊技店用情報画面で実行可能となる前述したような事項をメニュー形式で表示する画面である。
遊技店用情報画面としては、まず、遊技店用メニュー画面が表示され、そして、操作キ−190による選択操作および決定操作に応じて、遊技店用メニュー画面から履歴データクリア画面とオプション画面とのいずれかの表示に移行する。
図38は、飾り図柄表示装置44bで表示される遊技店用メニュー画面を示す表示画面図である。図38の(a)〜(c)に示すように、遊技店用メニュー画面においては、遊技店用メニュー画面に関するメッセージを表示するメッセージ表示部440が表示されるとともに、ボタンアイコンの画像よりなる操作ボタンとして、履歴データクリアボタン441、オプションボタン442、および、戻るボタン443が表示される。遊技店用メニュー画面では、選択されたボタンを枠で囲む表示が行なわれる。これにより、どのボタンが選択されているのかが示される。遊技店用メニュー画面の表示開始段階では、履歴データクリアボタン441を枠で囲む表示が行なわれている。遊技店用メニュー画面では、上皿19に設けられ、図38の(d)に示すような操作キー190において、上方向キー192と下方向キー193とを操作することにより、選択されたボタンを枠で囲む表示が上下方向に移動する。これにより、選択されているボタンを変更することが可能である。
また、メッセージ表示部440においては、選択されているボタンが操作されたときに可能となることを示すメッセージが表示される。たとえば、履歴データクリアボタン441が選択されているときには、(a)のように、「大当り回数当の履歴データをクリアします。」というメッセージが表示される。オプションボタン442が選択されているときには、(b)のように、「遊技者に閲覧表示する項目を選択することができます。」というメッセージが表示される。戻るボタン443が選択されているときには、(c)のように、「遊技状態に戻ります。」というメッセージが表示される。これにより、操作者が各ボタンの機能を容易に把握することができるようになる。
図38の(a)のように履歴データクリアボタン441が選択された状態で決定キー191が操作されると、飾り図柄表示装置44bの表示が、後述する図39の(a)に示される履歴データクリア画面に移行する。また、図38の(b)のようにオプションボタン442が選択された状態で決定キー191が操作されると、飾り図柄表示装置44bの表示が後述する図39の(c)に示されるオプション画面に移行する。また、図38の(c)のように戻るボタン443が選択された状態で決定キー191が操作されると、飾り図柄表示装置44bの表示が通常の遊技状態(飾り図柄の変動表示の実行が可能な状態)の表示画面(通常遊技画面)に移行する。
図39は、飾り図柄表示装置44bで表示される履歴データクリア画面およびオプション画面を示す表示画面図である。図39においては、(a),(b)に履歴データクリア画面が示され、(c)にオプション画面が示されている。図39の(a)に示すように、履歴データクリア画面においては、履歴データの初期化に関するメッセージを表示するメッセージ表示部444が表示されるとともに、ボタンアイコンの画像よりなる操作ボタンとして、はいボタン445、および、いいえボタン446が表示される。
履歴データクリア画面では、選択されたボタンを枠で囲む表示が行なわれる。これにより、どのボタンが選択されているのかが示される。オプション画面の表示開始段階では、はいボタン445を枠で囲む表示が行なわれている。オプション画面では、上方向キー192と下方向キー193とを操作することにより、選択されたボタンを枠で囲む表示が上下方向に移動する。これにより、選択されているボタンを変更することが可能である。また、履歴データクリア画面に移行した段階では、メッセージ表示部444において、「履歴データをクリアします」というメッセージが表示される。そして、操作キー190において、上方向キー192と下方向キー193とを操作することにより、選択されたボタンを枠で囲む表示が行なわれる。これにより、どのボタンが選択されているのかが示される。はいボタン445が選択された状態で、決定キー191が操作されると、RAMにバックアップ記憶されている履歴データの初期化(クリア)が実行され、図39の(b)に示すように、メッセージ表示部444において、「クリアしました」というメッセージが表示されることにより、履歴データが初期化されたことが報知され、その後、図38に示す遊技店用メニュー画面に戻る。このような状況での決定キー191が操作されることが、初期化操作と呼ばれる。なお、履歴データが初期化されたことが報知された後は、飾り図柄表示装置44bが通常遊技画面に移行するように制御してもよい。
図39の(c)に示すように、オプション画面においては、ボタンアイコンの画像よりなる操作ボタンとして、大当り間情報管理ボタン448、演出紹介管理ボタン449、大当り確率管理ボタン450、および、スランプグラフ管理ボタン451が表示されるとともに、戻るボタン452が表示される。大当り間情報とは、大当り遊技状態が発生する間に実行された特別図柄の変動表示の回数等の大当り間の情報である。演出紹介とは、大当り予告およびリーチ等の変動表示の演出を紹介する情報である。ここで、予告とは、大当り遊技状態が発生することを予告することをいい、実際に大当り遊技状態が発生するときの予告と、実際には大当り遊技状態が発生しないときの予告とを含む。また、リーチとは、特別図柄および飾り図柄について、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、および、全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態をいう。大当り確率とは、大当り遊技状態が発生する確率を示す情報である。スランプグラフは、時間推移にしたがった差玉数をグラフ形式で示す情報である。また、差玉数は、パチンコ遊技機1から払出された賞球と、発射装置130に供給された球との差数をいう。
オプション画面では、選択されたボタンを枠で囲む表示が行なわれる。これにより、どのボタンが選択されているのかが示される。オプション画面の表示開始段階では、大当り間情報管理ボタン448を枠で囲む表示が行なわれている。オプション画面では、上方向キー192と下方向キー193とを操作することにより、選択されたボタンを枠で囲む表示が上下方向に移動する。これにより、選択されているボタンを変更することが可能である。
大当り間情報管理ボタン448、演出紹介管理ボタン449、大当り確率管理ボタン450、および、スランプグラフ管理ボタン451のそれぞれについては、決定キー191が操作されるごとに、表示することを示す「ON」という文字と、非表示にすることを示す「OFF」という文字とのいずれか一方が表示される。そして、選択されているボタンについては、決定キー191が操作されるごとに、表示することを示す「ON」という文字と、非表示にすることを示す「OFF」という文字とが交互に表示される。各ボタンについては、「ON」という文字が表示されると、ボタンにより示す遊技履歴の情報を表示可能にする設定が行なわれ、「OFF」という文字が表示されると、ボタンにより示す遊技履歴の情報を表示不可能にする設定が行なわれる。また、戻るボタン452が選択された状態で決定キー191が操作されると、図38に示す遊技店用メニュー画面に戻る。
次に、遊技者用情報画面を具体的に説明する。遊技者用情報画面は、遊技者用メニュー画面、大当り間情報画面、演出紹介画面、大当り確率画面、および、スランプグラフ画面を含む。大当り間情報画面は、前述した大当り間情報を表示する画面である。演出紹介画面は、前述した演出紹介を表示する画面である。大当り確率画面は、前述した大当り確率の情報を表示する画面である。スランプグラフ画面は、前述したスランプグラフの情報を表示する画面である。遊技者用情報画面は、特別図柄表示装置44aおよび飾り図柄表示装置44bの変動表示が所定期間(たとえば、20秒)行なわれなかったという条件が成立し、かつ、遊技者用情報画面を表示するための操作が行なわれたときに表示可能となる。
遊技者用情報画面としては、まず、遊技者用メニュー画面が表示され、そして、操作キ−190による選択操作および決定操作に応じて、遊技店用メニュー画面から大当り間情報画面、演出紹介画面、大当り確率、および、スランプグラフのうちのいずれからの表示に移行する。
図40は、飾り図柄表示装置44bで表示される遊技者用メニュー画面を示す表示画面図である。特別図柄表示装置44aおよび飾り図柄表示装置44bの変動表示が所定期間(20秒)行なわれなかったという条件が成立したときには、図40の(a)に示すように、飾り図柄46を表示した画面において、遊技者用情報画面の表示を有効化することが可能となる有効ボタン453が飾り図柄表示装置44bで表示される。有効ボタン453は、ボタンアイコンの画像よりなる操作ボタンである。このような有効ボタン453が表示された画面は、操作キー190の操作が有効となる操作用画面に該当する。図40の(a)のように有効ボタン453が選択された状態で決定キー191が操作されると、飾り図柄表示装置44bの表示が、図40の(a)のように飾り図柄46を表示した画面から図40の(b)に示される遊技者用メニュー画面に移行する。
遊技者用メニュー画面においては、遊技者用メニュー画面に関するメッセージを表示するメッセージ表示部454が表示されるとともに、ボタンアイコンの画像よりなる操作ボタンとして、大当り間情報ボタン455、演出紹介ボタン456、大当り確率ボタン457、スランプグラフボタン458、および、戻るボタン459が表示される。遊技者用メニュー画面では、選択されたボタンを枠で囲む表示が行なわれる。これにより、どのボタンが選択されているのかが示される。遊技者用メニュー画面の表示開始段階では、大当り間情報ボタン455を枠で囲む表示が行なわれている。遊技者用メニュー画面では、上方向キー192と下方向キー193とを操作することにより、選択されたボタンを枠で囲む表示が上下方向に移動する。これにより、選択されているボタンを変更することが可能である。
また、メッセージ表示部454においては、選択されているボタンが操作されたときに可能となることを示すメッセージが表示される。たとえば、大当り間情報ボタン455が選択されているときには、(a)のように、「大当り図柄と変動回数を表示します。」というメッセージが表示される。これにより、操作者が各ボタンの機能を容易に把握することができるようになる。
図40の(a)のように大当り間情報ボタン455が選択された状態で決定キー191が操作されると、飾り図柄表示装置44bの表示が、後述する図41の(a)に示される大当り間情報画面に移行する。また、演出紹介ボタン456が選択された状態で決定キー191が操作されると、飾り図柄表示装置44bの表示が、後述する図41の(b)に示される演出紹介画面に移行する。また、大当り確率ボタン457が選択された状態で決定キー191が操作されると、飾り図柄表示装置44bの表示が、後述する図41の(c)に示される大当り確率画面に移行する。また、スランプグラフボタン458が選択された状態で決定キー191が操作されると、飾り図柄表示装置44bの表示が、後述する図42に示されるスランプグラフ画面に移行する。
図41は、飾り図柄表示装置44bで表示される大当り間情報画面、演出紹介画面、および、大当り確率画面を示す表示画面図である。図41においては、(a)に大当り間情報画面が示され,(b)に演出紹介画面が示され、(c)に大当り確率画面が示されている。
図41の(a)に示すように、大当り間情報画面においては、大当り遊技状態が発生するごとに、飾り図柄表示装置44bに変動表示結果として導出表示された大当り図柄と、大当り遊技状態が発生する間(電源投入後の最初の大当り遊技状態のときには、電源投入後、最初の大当り遊技状態が発生するまでの間)において特別図柄表示装置44aおよび飾り図柄表示装置44bの変動表示が行なわれた回数(大当り間変動表示回数)とが対応付けられ、大当り遊技状態の発生順番にしたがって示された大当り間情報表460が表示される。大当り図柄は、さらに、大当り間情報画面においては、戻るボタン461が表示される。大当り間情報画面では、戻るボタン461を常に枠で囲む表示がされており、決定キー191が操作されると、図40の(b)に示す遊技者用メニュー画面に戻る。
図41の(b)に示すように、演出紹介画面においてはボタンアイコンの画像よりなる操作ボタンとして、予告ボタン462、Aリーチボタン463、Bリーチボタン464、登場キャラクタ465、および、戻るボタン466が表示される。ここで、Aリーチは、予め定められた複数種類のリーチのうち、特定のリーチであり、Bリーチは、Aリーチ以外の所定のリーチである。また、登場キャラクタは、飾り図柄表示装置44bでの変動表示において登場(表示)するキャラクタである。この演出表示遊技者用メニュー画面では、選択されたボタンを枠で囲む表示が行なわれる。これにより、どのボタンが選択されているのかが示される。遊技者用メニュー画面の表示開始段階では、大当り間情報ボタン455を枠で囲む表示が行なわれている。遊技者用メニュー画面では、上方向キー192と下方向キー193とを操作することにより、選択されたボタンを枠で囲む表示が上下方向に移動する。これにより、選択されているボタンを変更することが可能である。
予告ボタン462が選択された状態で決定キー191が操作されると、大当り予告が行なわれるときの演出表示を紹介する画像が飾り図柄表示装置44bで表示される。Aリーチボタン463が選択された状態で決定キー191が操作されると、Aリーチでの演出表示を紹介する画像が飾り図柄表示装置44bで表示される。Bリーチボタン464が選択された状態で決定キー191が操作されると、Bリーチでの演出表示を紹介する画像が飾り図柄表示装置44bで表示される。登場キャラクタ465が選択された状態で決定キー191が操作されると、登場キャラクタを紹介する画像が飾り図柄表示装置44bで表示される。戻るボタン461が選択された状態で決定キー191が操作されると、図40の(b)に示す遊技者用メニュー画面に戻る。
図41の(c)に示すように、大当り確率画面においては、パチンコ遊技機1についての大当りの発生確率の設計値と、大当りの発生確率の実測値とを表形式で並べて示す大当り確率表467が表示されるとともに、戻るボタン468が表示される。ここで、大当りの発生確率の実測値は、演出制御用マイクロコンピュータ118が、大当りが発生するまでに実行された変動表示回数を、変動パターンコマンドを受信するごとに計数していき、変動表示結果が大当り図柄の組合せとする変動パターンコマンドを受信したときに、計数した変動表示回数の逆数を演算により求めることにより算出することにより得られるものであり、RAMに記憶されて大当りの発生確率の実測値のために用いられる。大当り確率画面では、戻るボタン468を常に枠で囲む表示がされており、決定キー191が操作されると、図40の(b)に示す遊技者用メニュー画面に戻る。
図42は、飾り図柄表示装置44bで表示されるスランプグラフ画面を示す表示画面図である。図42に示すように、スランプグラフ画面においては、縦軸に差玉数(賞球個数−打球発射装置への供給個数)、横軸に経過時間をとり、時間経過に応じた差玉数の推移を示すスランプグラフ467が表示されるとともに、戻りボタン470が表示される。ここで、スランプグラフ467に用いられる差玉数は、演出制御用マイクロコンピュータ118が、受信した第1〜第3賞球個数コマンドに基づいて賞球個数を計数していくとともに、発射球センサ194からの検出信号に基づいて打球発射装置130への供給個数を計数していき、所定の時間間隔で賞球個数の計数値から供給個数の計数値を減算して差玉数を算出する演出を実行することにより得られ、RAMに記憶されてスランプグラフを表示するために用いられる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ118の動作を説明する。図43は、演出制御用マイクロコンピュータ118が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始され、リセット信号がハイレベルになると、演出制御用マイクロコンピュータ118は、メイン処理を開始する。演出制御メイン処理では、演出制御用マイクロコンピュータ118は、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S401)。ただし、前述した履歴データについては、前述したように遊技店用情報画面が表示されたときに初期化することが可能となるので、この段階では初期化が実行されない。
次に、復旧コマンドを受信したか否かが判断される(S402)。復旧コマンドを受信しているときには、後述するS406に進む。一方、復旧コマンドを受信していないときには、コマンド判定カウンタが1だけ減算される(S403)。ここで、コマンド判定カウンタは、パチンコ遊技機1に電力が供給されたとき、すなわち、演出制御用マイクロコンピュータ118がリセット信号を受信したときからの経過時間を計数するための計時手段であり、前述の初期化処理の実行時において所定時間に相当するカウント値にセットされ、S403が実行されるごとにカウントダウンされる。コマンド判定カウンタの計時時間としてセットされる所定時間は、たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ99から復旧コマンドが送信されてくる可能性がある最長の時間に設定される。したがって、コマンド判定カウンタによる計時時間が終了するまでに演出制御用マイクロコンピュータ118が復旧コマンドを受信しないときには、遊技制御用マイクロコンピュータ99で復旧処理ではなく初期化処理が実行されたものと判断される。
次に、コマンド判定カウンタの値が「0」になっているか否かが判断される(S404)。つまり、S404では、復旧コマンドが送信されてくる可能性がある時間が経過したか否かが判断される。コマンド判定カウンタの値が「0」になっていないときには、S402に戻り、前述した処理が繰返し実行される。このように、S402〜S404により、パチンコ遊技機1に電力が供給されたときから所定時間内に復旧コマンドが入力されたか否かを判定する復旧コマンド入力判定処理が行なわれる。
復旧コマンド入力判定処理が行なわれている間に復旧コマンドが受信されると、前述したようにバックアップ記憶された履歴データに基づく遊技履歴の表示を可能とする遊技履歴復旧処理が行なわれる(S406)。一方、復旧コマンド入力判定処理が行なわれている間に復旧コマンドが受信されず、コマンド判定カウンタが「0」になったと判断されたときには、前述した遊技店用情報画面を表示し、バックアップ記憶された履歴データを初期化することを可能とする初期化時データ管理処理が実行される(S405)。初期化時データ管理処理の処理内容については、図44を用いて後述する。
遊技履歴復旧処理または初期化時データ管理処理が終了すると、演出制御用マイクロコンピュータ118は、タイマ割込フラグの監視を行なう(S407)。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ118は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグの値として「1」がセットされる。S772において、タイマ割込フラグの値として「1」がセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ118は、タイマ割込フラグの値をクリアし(S408)、以下の演出制御処理を実行する。
タイマ割込は、たとえば2ms毎に発生する。すなわち、演出制御処理は、たとえば2ms毎に起動される。また、この実施の形態におけるタイマ割込処理では、タイマ割込フラグの値として「1」をセットする処理のみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御処理を実行してもよい。
演出制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータ118は、まず、タイマ割込フラグをクリアし、電源断信号が出力された否かを監視する電源断処理を実行する(S409)。電源断処理の内容については、図45および図46を用いて後述する。次に、演出制御用マイクロコンピュータ118は、受信した演出制御コマンドを解析するコマンド解析処理を実行する(S410)。演出制御プロセス処理の内容については、図48を用いて後述する。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ118は、演出制御プロセス処理を行なう(S411)。演出制御プロセス処理の内容については、図48を用いて後述する。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応したプロセスを選択して飾り図柄表示装置44bの表示制御を実行する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ118は、決定キー191、上方向キー192、および、下方向キー193を含む操作キー190からの操作信号を入力ポート669を介して入力し、さらに、前述した音声枠ランプ制御用マイクロコンピュータ92aからの応答信号(ランプ制御応答信号、音声制御応答信号等)を入出力ポート671を介して入力するデータ入力処理を実行する(S413)。本実施の形態において、主基板120と演出制御基板90との間の信号経路上に設置されている周辺コマンド中継基板57には、単方向性回路57aが設けられている。従って、演出制御基板90からの信号、演出制御基板90に入力される信号(操作キー190からの操作信号および発射球センサ194からの検出信号)、および演出制御基板90に接続される音声枠ランプ基板92(主基板120に接続されない基板を周辺基板等)からの信号は、周辺コマンド中継基板57の存在によって、主基板120の遊技制御用マイクロコンピュータ99に伝達されない。従って、遊技制御用マイクロコンピュータ99に対する外部からの信号入力経路が限定され、遊技制御用マイクロコンピュータ99に対して不正信号を送り込む不正行為がなされる可能性を低減できる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ118は、前述したような遊技履歴情報を表示するために必要となる遊技データを収集するとともに、遊技の履歴を示す履歴データを作成してRAMに記憶させる遊技データ収集処理を実行する(S414)。遊技データ収集処理の内容については、図51を用いて後述する。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ118は、乱数カウンタを更新する乱数更新処理を実行する(S415)。その後、S407のタイマ割込フラグの確認を行なう処理に戻る。主基板120からの演出制御用のINT信号は、演出制御用マイクロコンピュータ118の割込端子に入力されている。たとえば、主基板120からのINT信号がオン状態になると、演出制御用マイクロコンピュータ118においてタイマ割込が発生する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ118は、割込処理において演出制御コマンドの受信処理を実行する。演出制御コマンドの受信処理において、演出制御用マイクロコンピュータ118は、受信した演出制御コマンドデータをコマンド受信バッファに格納する。
図44は、図43のS405による初期化時データ管理処理を示すフローチャートである。演出制御用マイクロコンピュータ118は、以下のように、初期化時データ管理処理を実行する。
まず、図38の(a)に示すような遊技店用メニュー画面が表示される(S421)。そして、履歴データの初期化操作が有効化される(S421a)。たとえば、S421aにおいて、履歴データの初期化操作が許可されたことを示す初期化操作有効化フラグをONし、この初期化操作有効化フラグがONしていない状態ではRAMの履歴データを初期化するプログラムが起動しないように制御するのである。次に、履歴データクリアボタン441、オプションボタン442、および、戻るボタン443のうちのいずれかの操作ボタンが操作されたか否かが判断される(S422)。このような判断は、操作ボタンが操作されるまで繰返し実行される。ただし、ここでは図示を省略するが、いずれかの操作ボタンが所定期間操作されないときは、初期化時データ管理処理が終了し、リターンする。そして、いずれかの操作ボタンが操作されたと判断されると、操作ボタンの操作に応じたデータ処理および画像表示が実行される(S423)。つまり、操作ボタンの操作に応じて、たとえば、履歴データの初期化、遊技履歴の情報の表示/非表示の設定、および、画像表示をするために必要となるデータの設定等のデータ処理が実行されるとともに、図38および図39を用いて説明したような各種画像の表示が行なわれる。S422およびS423が実行される状態では、履歴データの初期化操作が有効化されているので、履歴データの初期化操作が行なわれたときには、RAMの履歴データを初期化するプログラムが実行されて、RAMの履歴データが初期化される。
次に、S422で判断された操作ボタンの操作において、遊技店用メニュー画面での戻るボタン443の操作、すなわち、遊技店用メニュー画面の終了操作があったか否かが判断される(S424)。終了操作がなかったと判断されたときには、S422に戻って、前述した処理が繰返し実行される。一方、終了操作があったと判断されたときには、履歴データの初期化操作が無効化される(S4225)。たとえば、S425において、初期化操作有効化フラグをOFFし、以後の処理においてRAMの履歴データを初期化するプログラムが起動しないように制御するのである。また、ここでは図示を省略するが、前述したようにいずれかの操作ボタンが所定期間操作されないことにより初期化時データ管理処理が終了するときにも、初期化操作有効化フラグがOFFされる。そして、初期化時データ管理処理が終了し、リターンする。なお、初期化時データ管理処理においては、変動パターンコマンド等の入賞があったことを示す演出制御コマンドを受信したか否かを判断できるようにしておき、入賞があったときにも、初期化操作有効化フラグをOFFして初期化時データ管理処理を終了するようにしてもよい。
このような初期化時データ管理処理は、履歴データを初期化することができる処理である。前述したように、初期化時データ管理処理は、予め定められた期間内に復旧コマンドが送信されなかったとき、すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ99で初期化処理が実行されたときに実行される。さらに言い換えると、初期化時データ管理処理は、電源投入時において遊技店員等の管理者によりクリアスイッチ921が操作されたことに応じて初期化処理が実行されたことを条件として、実行されることとなる。このため、初期化時データ管理処理において可能となる履歴データの初期化の実行は、通常の遊技中において遊技者が簡単に操作できないようなパチンコ遊技機1の後面に存在するクリアスイッチ921が操作されたことが前提条件となる。このため、遊技者が勝手に遊技履歴データを初期化してしまうことが防がれる。
図45および図46は、図43のS409による電源断処理を示すフローチャートである。演出制御用マイクロコンピュータ99により実行される電源断処理は、払出制御用マイクロコンピュータ660により実行される電源断処理のS901〜S934のうち、S905〜S909の待機時間中賞球受付処理を除いたものと同様の処理内容となる。より具体的には、S301〜S304により、図27のS901〜S904と同様の処理が実行される。そして、S304でバックアップ監視タイマの値が判定値(たとえば2)と一致すれば、S305〜S329により、S911〜S934と同様の処理が実行される。なお、演出制御用マイクロコンピュータ118により実行される電源断処理の詳細な内容は、払出制御用マイクロコンピュータ660により実行される電源断処理と同様の部分については重複した説明を繰り返さない。
以上のように演出制御用マイクロコンピュータ118においては、払出制御用マイクロコンピュータ118とほぼ同様の手順で、履歴データを、電力供給が停止した直前の状態に戻すためのデータが確実にRAMに保存される。よって、停電等による電源断が生じても、所定期間内に電源が復旧すれば、履歴データを電力供給が停止した直前の状態に戻すことができる。なお、RAMの一部の領域(履歴データを記憶する領域)が電源バックアップされるのではなく、RAMの全領域が領域が電源バックアップされるようにしてもよい。
図47は、図43のS410によるコマンド解析処理を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ99から送信されてきた演出制御コマンドは、コマンド受信バッファに保存される。コマンド解析処理では、コマンド受信バッファに保存されているコマンドの内容が確認される。
コマンド解析処理では、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが保存されているか否かが確認される(S431)。コマンド受信バッファに受信コマンドが保存されていると判断されたときは、コマンド受信バッファから受信コマンドが読出される(S432)。
そして、受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであるか否が判断される(S433)。受信したコマンドが変動パターンコマンドであると判断されたときは、その変動パターンコマンドのデータが変動パターンデータ保存領域に保存される(S434)。そして、変動パターンコマンドを受信したことを示す変動パターンコマンド受信フラグをONに設定する処理が行なわれる(S435)。そして、S431に戻る。
一方、受信したコマンドが変動パターンコマンドではないと判断されたときは、受信したコマンドがデモ表示コマンドであるか否が判断される(S436)。受信したコマンドがデモ表示コマンドであると判断されたときは、デモ表示コマンドを受信したことを示すデモ表示コマンド受信フラグをONにする処理が行なわれる(S437)。そして、S431に戻る。
一方、受信したコマンドがデモ表示コマンドではないと判断されたときは、受信したコマンドが払出個数コマンド(第1〜第3払出個数コマンド)であるか否が判断される(S438)。具体的には、第1〜第3払出個数コマンドのそれぞれについて受信したか否かが判断される。個別に受信したコマンドが出個数コマンドであると判断されたときは、受信した払出個数コマンドの種類(第1〜第3のいずれかの種類)に対応する払出個数コマンド受信コマンドフラグがONにされる(S439)。そして、S431に戻る。たとえば、第1払出個数コマンドを受信したときには、第1払出個数コマンド受信フラグがONにされ、第2払出個数コマンドを受信したときには、第2払出個数コマンド受信フラグがONにされ、第3払出個数コマンドを受信したときには、第3払出個数コマンド受信フラグがONにされる。これにより、演出制御用マイクロコンピュータでは、第1払出個数コマンド受信フラグがONになったときに4個の賞球が払出されることを認識することができ、第2払出個数コマンド受信フラグがONになったときに7個の賞球が払出されることを認識することができ、第3払出個数コマンド受信フラグがONになったときに15個の賞球が払出されることを認識することができる。
一方、受信したコマンドが払出個数コマンド(第1〜第3払出個数コマンド)ではないと判断されたときには、前述したコマンド以外に受信する可能性がある演出制御コマンドのそれぞれについて、受信したか否かが判断され、受信したコマンドに対応したコマンド受信フラグがONにされる(S440)。そして、S431に戻る。なお、ここでは、前述したコマンド以外に受信する可能性がある演出制御コマンドのそれぞれについての処理の詳細な説明を省略する。
図48は、図43のS411による演出制御プロセス処理を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御プロセスフラグの値に応じてS331〜S338のうちのいずれかの処理を実行する。各処理において、以下のような処理が実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S331):変動パターンコマンドを受信したか否かを確認し、変動パターンコマンドが受信されたことを確認したとには、演出制御プロセスフラグの値をS334に応じた値に更新する。一方、変動パターンコマンドが受信されたことが確認できなければ、遊技情報表示処理を実行するための条件の成立に応じて演出制御プロセスフラグの値をS332に応じた値に更新し、また、デモ表示を実行するための条件の成立に応じて演出制御プロセスフラグの値をS332に応じた値に更新する。変動パターンコマンド受信待ち処理の内容については、図49を用いて後述する。
デモ表示処理(S332):デモ表示を実行し、デモ表示を終了するための条件の成立(変動パターンコマンドを受信したこと等)に応じて、演出制御プロセスフラグの値をS334に応じた値に更新する。
遊技情報表示処理(S333):遊技者用メニュー画面を実行し、操作に応じて遊技履歴情報等を表示し、終了操作に応じて、演出制御プロセスフラグの値をS331に応じた値に更新する。また、変動パターンコマンドを受信したことに応じて、演出制御プロセスフラグの値をS334に応じた値に更新する。遊技情報表示処理の内容は、図50を用いて後述する。
図柄変動開始処理(S334):変動パターンコマンドに応じて複数定められている飾り図柄の変動パターンから、実際に使用する変動パターンと飾り図柄の停止図柄の組合せとを決定する。また。飾り図柄表示装置44bにおける飾り図柄(左中右の図柄)の変動を開始させる。その後、演出制御プロセスフラグの値をステップS335に応じた値に更新する。
図柄変動中処理(S335):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度等)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、左右図柄の停止制御を行なう。その後、演出制御プロセスフラグの値をS336に応じた値に更新する。
図柄停止待ち処理(S336):変動パターンコマンドにより指定された変動時間が経過して飾り図柄の全図柄停止を指示する演出制御コマンド(確定コマンド)を受信していたら、飾り図柄の変動を停止し、停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行なう。その後、停止図柄が大当り図柄の組合せとなるときは、演出制御プロセスフラグの値をS337に応じた値に更新し、停止図柄がはずれ図柄の組合せとなるときは、演出制御プロセスフラグの値をS331に応じた値に更新する。
大当り表示処理(S337):変動時間の終了後、確変大当り表示または通常大当り表示の制御を行なう。その後、演出制御プロセスフラグの値をステップS338に応じた値に更新する。
大当り遊技中処理(ステップS338):大当り遊技中の制御を行なう。たとえば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行なう。その後、演出制御プロセスフラグの値をステップS331に応じた値に更新する。
図49は、図48のS331による変動パターンコマンド受信待ち処理を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理では、変動パターンコマンド受信フラグがONであるか否かが判断される(S341)。変動パターンコマンド受信フラグがONであると判断されたときは、変動パターンコマンド受信フラグがOFFにされる(S342)。次に、無変動時間カウンタの値が「0」にクリア(初期化)される(S343)。ここで、無変動時間カウンタとは、飾り図柄の変動表示が行なわれていない時間、すなわち、無変動時間を計時するための計時手段である。そして、演出制御プロセスフラグの値が図柄変動開始処理に対応した値に更新される(S344)。
一方、S341において、変動パターンコマンド受信フラグがONでないと判断されたときは、デモ表示コマンド受信フラグがONであるか否かが判断される(S345)。デモ表示コマンド受信フラグがONではないと判断されたときは、前述した無変動時間カウンタの値が、予め定められた設定値(20秒間に相当する値)となっているか否が判断される(S346)。無変動時間カウンタの値が設定値となっていないと判断されたときは、無変動時間カウンタの値が「1」だけ加算更新され(S347)、リターンする。これにより、無変動時間カウンタの値が設定値となっていない間には、変動パターンコマンド受信待ち処理が実行されるごとに無変動時間カウンタの値が更新される。この無変動時間カウンタは、前述したように、変動パターンコマンドを受信したことに応じてクリアされる。一方、無変動時間カウンタの値が設定値となっていると判断されたときは、図40の(a)に示すような有効ボタン453の画像が表示中であるか否が判断される(S348)。
有効ボタン453の画像が表示中ではないと判断されたときには、有効ボタン453の画像を表示し(S349)、決定ボタン191が操作されたか否かが判断される(S350)。一方、有効ボタン453の画像が表示中ではないと判断されたときには、有効ボタン453の画像がすでに表示されているので、そのまま決定ボタンが操作されたか否かの判断が行なわれる(S350)。決定ボタンが操作されていないと判断されたときは、リターンする。一方、決定ボタンが操作されたと判断されたときは、演出制御プロセスフラグの値がS332の遊技情報表示処理に応じた値に更新され(S351)、リターンする。これにより、次回の演出制御プロセス処理において、遊技情報表示処理に移行する。このように、無変動時間が所定時間になったときに、すなわち、所定時間にわたり変動表示が行なわれなかったことを条件に、操作ボタン190が有効化される。
また、前述のS345によりデモ表示コマンド受信フラグがONではないと判断されたときは、デモ表示コマンド受信フラグがOFFにされ(S352)、演出制御プロセスフラグの値がS332のデモ表示処理に応じた値に更新され(S353)、リターンする。これにより、次回の演出制御プロセス処理において、デモ表示に移行する。デモ表示コマンドは、無変動時間が設定値になる時間(たとえば、20秒)よりも長い時間(たとえば、60秒)にわたり変動表示が実行されないときに表示されるので、デモ表示よりも先に、前述の遊技者用メニュー画面が表示されることとなる。
図50は、図48のS333による遊技情報表示処理を示すフローチャートである。遊技情報表示処理では、変動パターンコマンド受信フラグがONであるか否かが判断される(S361)。変動パターンコマンド受信フラグがONではないと判断されたときは、遊技情報表示モードフラグがONにセットされているか否が判断される(S362)。ここで、遊技情報表示モードフラグは、演出制御プロセスで遊技情報表示処理が選択されており、遊技者用メニュー画面が表示された後の状態であることを示すフラグである。
遊技情報表示モードフラグがONにされていないと判断されたときは、図40の(b)のような遊技者用メニュー画面が表示されるとともに(S364)、遊技情報表示モードフラグがONにセットされ(S365)、リターンする。これにより操作キ−190の操作による遊技者用メニュー画面上での操作ボタンの操作が有効化される。一方、遊技情報表示モードフラグがONにされていると判断されたときは、遊技者用メニュー画面上での操作ボタンの操作が行なわれたか否が判断される(S363)。具体的には、たとえば、図40〜図42に示す各種操作ボタンが操作されたか否かが判断される。
遊技者用メニュー画面上での操作ボタンの操作が行なわれていないと判断されたときは、リターンする。一方、遊技者用メニュー画面上での操作ボタンの操作が行なわれたと判断されたときは、操作ボタンの操作に応じたデータ処理および画像表示が実行される(S366)。つまり、操作ボタンの操作に応じて、画像表示をするために必要となるデータの設定等のデータ処理が実行されるとともに、図40〜図42を用いて説明したような各種画像の表示が行なわれる。
次に、S366で判断された操作ボタンの操作において、遊技者用メニュー画面での戻るボタン459の操作、すなわち、遊技者用メニュー画面の終了操作があったか否かが判断される(S367)。終了操作がなかったと判断されたときには、リターンする。一方、終了操作があったと判断されたときには、遊技情報表示モードフラグがOFFにされる(S368)。そして、演出制御プロセスフラグの値が変動パターンコマンド受信待ち処理に対応した値に更新される(S344)。
また、前述したS361で変動パターンコマンド受信フラグがONであると判断されたときは、変動パターンコマンド受信フラグがOFFにされ(S370)、遊技情報表示モードフラグがOFFにされる(S371)。そして、演出制御プロセスフラグの値が図柄変動開始処理に対応した値に更新され(S372)、リターンする。これにより、遊技者用メニュー画面が表示された後の操作に基づいて遊技履歴情報等の情報が表示されている状態で変動パターンコマンドが受信されたときには、飾り図柄の変動表示が開始されることとなる。
図51は、図43のS414による遊技データ収集処理を示すフローチャートである。遊技データ収集処理では、遊技データ収集用の信号の入力があったか否が判断される(S381)。ここで、遊技データ収集用の信号とは、前述したような履歴データを作成するために収集する遊技データを示す信号をいう。具体的に、遊技データ収集用の信号としては、遊技制御用マイクロコンピュータ99からの変動パターンコマンド、第1〜第3払出個数コマンド、および、発射球センサ194からの検出信号が含まれる。変動パターンコマンドは、前述した大当り間情報および大当り確率のそれぞれを表示するための履歴データの作成のために用いられる。また、第1〜第3払出個数コマンドおよび発射球センサ194の検出信号は、前述したスランプグラフを表示するための履歴データの作成のために用いられる。
遊技データ収集用の信号の入力がなかったと判断されたときは、リターンする。一方、遊技データ収集用の信号の入力があったと判断されたときは、入力された信号等の遊技データに基づく履歴データの作成および更新をする処理が行なわれる(S382)。具体的には、次のように履歴データが作成されるとともに、履歴データが更新される。
変動パターンコマンドが入力されたときには、そのコマンドが大当りとすることを示すコマンドであるかどうかが判断される。そして、入力された変動パターンコマンドがはずれとすることを示すコマンドであるときには、大当り間情報の表示のために用いるはずれとなる変動表示回数のデータが更新されるとともに、大当り確率の表示における大当り確率の実測値の算出のために用いるはずれの変動表示回数のデータが更新される。
また、入力された変動パターンコマンドが大当りとすることを示すコマンドであるときには、前述の変動開始処理(S334)により決定された飾り図柄の大当り図柄の組合せを示すデータがRAMから読出される。そして、その大当り図柄の組合せを大当り図柄として表示するとともに、前述のように更新されるはずれの変動表示回数のデータを大当り間変動表示回数として表示する大当り間情報を表示するための履歴データが作成される。さらに、入力された変動パターンコマンドが大当りとすることを示すコマンドであるときには、大当り確率の表示における大当り確率の実測値を算出するために用いる大当りとなる変動表示回数のデータが更新される。そして、そのデータと、前述のように更新される大当り確率での実測値の算出のために用いるはずれとなる変動表示回数のデータとに基づいて、大当り確率の実測値(累積値)が算出され、その算出値を大当り確率の実測値として表示するための履歴データが作成される。
また、演出制御用マイクロコンピュータ118では、前述したスランプグラフで表示される差玉数を計数するための差玉数カウンタが設けられる。具体的に、第1〜第3払出個数コマンドが入力されたときには、その入力されたコマンドにより示される賞球払出個数が、差玉数カウンタの値に加算される。また、発射球センサ194からの検出信号が入力されたときには、その検出信号が入力されるごとに、差玉数カウンタの値が減算される。これにより、差玉数カウンタは、賞球の払出しがあるごと、および、打球が発射されるごとに更新される。このように差玉数カウンタが更新されるごとに、スランプグラフで差玉数を表示するための履歴データ(差玉数と差玉数の計数開始からの経過時間とを関係付けたデータ)が作成される。
次に、S382により作成および更新された履歴データが演出制御用マイクロコンピュータ118のRAMに記憶される(S383)。そして、リターンする。
本実施の形態においては、払出制御基板98が、払出制御基板98とカードユニット装置371との間の接続状態を監視するためにカードユニット装置371から出力される接続信号(VL信号)を光電変換して払出制御用マイクロコンピュータ660へ入力させるフォトカプラPC1を接続信号(VL信号)の信号ライン上に設け、フォトカプラPC1の発光側の信号ライン上に接続信号(VL信号)を安定化させるためのコンデンサ(コンデンサC1)を設けた例を示した。このような構成は、次のような従来技術における問題点に基づいて考え出されたものである。従来の遊技機においては、前述の実施形態のインタフェース基板103のようなインタフェース基板に前述の実施形態のフォトカプラPC1のような電源安定化用のコンデンサを搭載していた。このため、たとえば、払出制御用マイクロコンピュータへ不正な信号を入力させる不正な回路(コンデンサを含む回路)を搭載した不正な基板よりなるインタフェース基板を不正行為者が偽造し、その不正な基板を正規のインタフェース基板と交換する不正行為が行なわれた場合に、そのような不正行為が発見されにくいという問題があった。
また、このような不正行為の具体例は、次のようなものである。たとえば、前述のような不正な基板には、入賞がされていない、または、貸し球の要求が実際にはないにもかかわらず、遊技球の払出動作を実行させるような不正な信号を払出制御用マイクロコンピュータへ入力させる不正な回路が搭載される。なお、このような不正な回路には、その回路動作を安定化させるためのコンデンサが必要である。そして、パチンコ遊技機1の外部にある不正な操作手段(たとえば、操作ボタン)からの操作信号(有線または無線通信による操作信号)をトリガ信号として、前述した不正な回路から不正な信号が払出制御用マイクロコンピュータに入力される。これにより、払出制御用マイクロコンピュータが不正な信号に応じた払出制御を実行して遊技媒体(球、メダル)が不正に払出され、不正行為者が遊技媒体を不正に取得する。
そこで、前述の実施の形態では、図10に示すように、従来において正規のインタフェース基板に搭載していたコンデンサC1を正規のインタフェース基板103には搭載せずに払出制御基板98に搭載し、インタフェース基板103にはコンデンサを一切搭載しないように構成したのである。つまり、正規のインタフェース基板にコンデンサが搭載されてなければ不正な回路の発見は容易なものになると考えられる。これにより、コンデンサがインタフェース基板に搭載されているか否かをチェックするだけで、チェックしたインタフェース基板が不正なインタフェース基板であるか否かを係員が容易に確認することが可能となる。また、接続信号(VL信号)の信号経路には、前述したような理由でフォトカプラPC1が設けられるが、コンデンサC1はフォトカプラPC1の入力側(発光側)に設けられるので、コンデンサC1のみを払出制御基板98に設けると、確認信号(VL信号)の信号経路については、インタフェース基板から払出制御基板のコンデンサへ接続する信号経路と、そのコンデンサC1からインタフェース基板のフォトカプラへ接続する信号経路と、さらに、そのフォトカプラから払出制御基板98の払出制御マイクロコンピュータ660へ接続する信号経路とが必要となる。このため、無用に多数の信号経路が必要となり、配線数が増加するとともに、装置の配置スペースが増加するという問題があった。これに対して、前述した実施の形態では、フォトカプラCP1を払出制御基板98に搭載しているので、配線数を低減するとともに、装置の配置スペースを低減(省スペース化)することができる。
第2実施形態
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態においては、透明の遊技盤と、大型の液晶表示器とを備え、その液晶表示器により、遊技盤全体で画像を表示するパチンコ遊技機において、第1実施形態で示したような各種の画像を表示する例を説明する。第2実施形態においては、第1実施形態と異なる部分を主として説明する。
図52は、第2実施形態によるパチンコ遊技機1aにおける遊技盤40aおよび液晶表示器800の構成を示す分解図である。図52を参照して、遊技盤40aは、透明のアクリル板により構成され、第1実施形態の遊技盤41と同様に、遊技領域41aが形成されている。遊技領域41aには、第1実施形態と同様に、普通可変入賞球装置58a、特別可変入賞球装置48a、および、装飾部材66が設けられており、誘導レール42a,42bを通って遊技球が打込まれる。また、遊技領域41aには、第1実施形態と同様に障害釘810が設けられている。
液晶表示器800は、遊技盤40aの後面に取付けられ、遊技盤40aと同様の大きさの表示領域801を有する。遊技盤40aが透明であるので、遊技盤40aの後面に取付けられた液晶表示器800で表示される画像が、遊技盤40aを透過して遊技者に視認される。液晶表示器800は、表示領域801において、遊技盤40aの全領域に対応する領域で画像を表示する。これにより、遊技盤40aの全領域で画像が表示されるように遊技者に視認される。液晶表示器800は、装飾部材66の内側の範囲に対応する領域が飾り図柄表示領域として設定され、その飾り図柄表示領域において、第1実施形態で説明した飾り図柄を同様に変動表示する。これにより、第2実施形態によるパチンコ遊技機1aにおいては、第1実施形態による飾り図柄表示装置44bと同様の変動表示が行なわれることとなる。また、液晶表示器800は、第1実施形態における特別図柄表示装置44aが設けられた位置に対応する領域が特別図柄表示領域として設定され、その特別図柄表示領域において特別図柄表示装置44aと同様の特別図柄の変動表示が行なわれる。
また、液晶表示器800では、所定の領域が第1実施形態で説明した遊技店用メニュー画面および遊技者用メニュー画面が表示される情報表示領域として設定されており、この情報表示領域において、第1実施形態の図38〜図42で説明した各種の画像が表示される。この情報表示領域は、液晶表示器800のうちのどの領域に設定してもよいが、障害釘810によって表示が邪魔されないような位置に設定される。情報表示領域では、第1実施形態で説明したように、遊技履歴情報等の数値データが主として表示される。このため、このような位置に情報表示領域が設定されることにより、数値データが視認しやすくなる。また、液晶表示器800では、前述した飾り図柄表示領域、特別図柄表示領域、および、情報表示領域以外の表示領域においても、キャラクタ画像を表示する等の所定の画像を表示する演出表示が行なわれる。
液晶表示器800には、電源基板から電力の供給を受けるバックライト用のインバータ基板802が設けられている。
図53は、第2実施形態によるパチンコ遊技機1aにおける遊技盤40aおよび液晶表示器800の取付け態様を示す分解図である。図53を参照して、液晶表示器800は、液晶表示器800よりも大きいサイズの板状部材であるベースプレート803に取付けられる。第1実施形態で説明したような主基板120および演出制御基板90等の各種基板と、前述のインバータ基板802は、ベースプレート803の後面側に取付けられる。そして、ベースプレート803が前面枠3に後面側から取付けられることにより、液晶表示器800が、前面枠3に設けられた開口部300に臨む態様で取付けられることとなる。また、遊技盤40aは、前面枠3に設けられた開口部300に前面側から嵌め込まれる態様で、複数の係止部材301により固定される。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) パチンコ遊技機1への電力供給開始時において、パチンコ遊技機1の後面に設けられたクリアスイッチ921の操作に応じて遊技制御用マイクロコンピュータ99側で遊技状態データが初期化されたことが、演出制御用マイクロコンピュータ118側で図43のS404により所定時間復旧コマンドが受信されないと判断されたことにより確認される。そのような確認がされたときには、図44のS421により、演出制御用マイクロコンピュータ118側で記憶されている遊技の履歴データを初期化するための遊技店用メニュー画面が、図38に示すように飾り図柄表示装置44bで表示される。そして、図44の初期化時データ管理処理が実行されているとき、すなわち、S421により遊技店用メニュー画面が表示されているときのみ、操作キー190による履歴データのクリア操作が可能となり、操作キー190による初期化操作が行なわれたと判定されたことを条件に、記憶されている遊技履歴データがS423により初期化される。このため、遊技制御用マイクロコンピュータ99側での遊技状態データと、演出制御用マイクロコンピュータ118側での遊技履歴データとを合わせて初期化するときには、パチンコ遊技機1の後面側に設けられた操作手段、すなわち、操作することが煩雑な操作手段の操作を、クリアスイッチ921という1つの操作手段を操作することに限定し、その他に必要な操作をパチンコ遊技機1の前面側に設けられた表示用操作手段としての操作キー190、すなわち、操作することが簡単な操作手段に割当てたことにより、遊技状態データと遊技の履歴データとをそれぞれバックアップ記憶する構成において、バックアップ記憶したデータの初期化操作を簡素化することができる。また、操作キー190はパチンコ遊技機1の前面側に設けられているので遊技者が操作可能であるが、操作キー190による履歴データの初期化操作は、遊技店用メニュー画面が表示されているときにのみ有効となるので、遊技の履歴データを初期化することは、パチンコ遊技機1の後面側に設けられたクリアスイッチ921を操作することが前提条件となる。このため、遊技者が勝手に遊技の履歴データを初期化してしまうのを防ぐことができる。
また、図7および図10に示されるように、払出制御基板98において、カードユニット装置731からインタフェース基板103を経た接続信号(VL賞信号)がフォトカプラCP1を介して払出制御用マイクロコンピュータ660へ入力されるので、接続信号として異常なレベルの信号が払出制御用マイクロコンピュータ660へ入力されないようにすることができる。さらに、接続信号(VL賞信号)を安定化させるためのコンデンサCP1が払出制御基板98に設けられ、インタフェース基板103にはコンデンサが一切搭載されないので、払出制御基板の外部(インタフェース基板103)において、不正な信号を払出制御基板へ入力させるために用いるコンデンサを接続信号の信号経路に設けて行なわれる不正行為を容易に発見することができるようになり、さらに、そのような不正行為を行ないにくくすることもできる。また、S825〜S827に示されるように、接続信号(VL賞信号)が払出制御用マイクロコンピュータ660に入力されていないときに、カードユニット装置731と払出制御基板98との間の未接続状態(プリペイドカードユニット未接続エラー)であると判定され、S585〜S587および図30に示すように、異常状態が生じた旨が報知されるので、そのような未接続状態を容易に把握することができる。なお、このような未接続状態においては、賞球の払出しおよび貸し球の払出しが禁止されるように制御してもよい。そのようにすれば、未接続状態であるにもかかわらず、ノイズおよび不正な信号に基づいて、意図されていない異常な払出しが行なわれないようにすることができる。また、図8に示されるように、発射基板107において、フォトカプラCP1を介して払出制御基板98に入力される接続信号(VL信号)がオンとなったときに打球発射装置130による発射を許可し、その接続信号がオンとなっていないときに打球発射装置130による打球の発射を禁止するAND回路95bが設けられていることにより、カードユニット装置371が払出制御基板31に対して未接続であるときに、遊技が行なえないようにすることができ、そのような未接続時において遊技が進行しないようにすることができる。
(2) 図49のS346〜S351および図50のS361〜S366に示されるように、所定期間にわたり飾り図柄表示装置44bで飾り図柄の変動表示が行なわれなかったときに、遊技の履歴データに基づく遊技の履歴情報が表示可能となる。このため、このため、所定期間、変動表示がなければ、遊技者は、履歴情報を自由に見ることができる。
(3) 飾り図柄表示装置44bにおいて遊技の履歴が表示中であるときに、飾り図柄を変動表示させることを指令する変動パターンコマンドが演出制御用マイクロコンピュータ118に入力されたときには、図50のS361でYESと判断されて、S372で演出制御プロセスフラグが切換えられ、図48でのS334の図柄変動開始処理に進み、遊技の履歴の表示が中止されて飾り図柄が変動表示する画像に切換えられる。このため、飾り図柄表示装置44bにおいて、遊技の履歴の表示よりも飾り図柄の変動表示の方が優先的に実行されるので、遊技者が飾り図柄の変動表示、特に、飾り図柄の変動表示結果を誤認識するのを防ぐことができる。さらに、飾り図柄の変動表示が実行されるときに、表示されていた遊技の履歴の表示をわざわざ終了させる必要がなくなるので、表示が切換えるときの操作の手間を省くことができる。
(4) 遊技制御用マイクロコンピュータ99からの復旧コマンドは、パチンコ遊技機1に電力の供給が開始されてから所定時間以内に演出制御用マイクロコンピュータ118が受信したときに、遊技制御用マイクロコンピュータ99で復旧処理が実行されたことが特定でき、そのような所定時間以内に演出制御用マイクロコンピュータ118が受信しなかったときに、遊技制御用マイクロコンピュータ99で初期化処理が実行されたことが特定できる信号である。このため、演出制御用マイクロコンピュータ118で、パチンコ遊技機1への電力供給が開始された後の予め定められた期間において、復旧コマンドが入力されたか否かの判定に基づいて、遊技状態データが初期化されたか否かが確認される。このため、遊技状態データが初期化されたか否かを確認するために用いる演出制御コマンドの種類を削減することができる。
(5) 図50の遊技情報表示処理が実行中であるときには、演出制御プロセスをデモ表示処理に切換えるステップを含む図49の変動パターンコマンド受信待ち処理が実行されず、履歴データの表示についての終了操作があった後にS369により演出制御プロセスが変動パターンコマンド受信待ち処理に切換えられ、変動パターンコマンド受信待ち処理において、デモ表示コマンド受信フラグがONになっていることにより、S353で演出制御プロセスがデモ表示処理に切換えられ、そのデモ表示が実行される。このため、飾り図柄表示装置44bにおいて遊技の履歴情報が表示中であるときに、デモ表示コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ118に入力されたときに、飾り図柄表示装置44bにおいて、操作キー190による操作に応じて遊技の履歴情報の表示が終了した後に、当該デモ表示コマンドに応じたデモンストレーション画像が表示される。このため、せっかく操作キー190による操作に応じて表示させていた遊技の履歴情報の表示が不要にデモンストレーション画像に切換えられてしまうことが防がれる。これにより、操作の無駄をなくすことができる。
(6) 図9に示されるように、周辺コマンド中継基板57には、主基板120から入力された信号を演出制御基板90に向かう方向にしか信号を通過させない通信規制手段としての単方向性回路57aを有するので、演出制御基板90から主基板120へ不正な信号が入力されることが防がれる。これにより、主基板120と演出制御基板90との間の通信経路を利用して遊技制御マイクロコンピュータ99に対して行なう不正行為を防ぐことができる。
(7) 図44のS422,S423、図50のS363,S366に示されるように、演出制御用マイクロコンピュータ118が、操作キー190からの操作信号に基づいて遊技の履歴情報を表示する処理を実行するので、遊技の履歴を表示させることに関する遊技制御用マイクロコンピュータ99の処理負担を軽減することができる。
(8) 図6のように遊技領域41,41aに打込まれる遊技球を検出する発射球センサ194の検出信号が演出制御用マイクロコンピュータ118に入力され、図51のS383により履歴データとして集計されるので、遊技履歴データに基づいて、大当り遊技状態が発生するまでに遊技領域41,41aへの打込みに要した遊技球数を把握することができる。このため、大当り遊技状態が発生するまでに遊技領域41,41aへの打込みに要した遊技球数を遊技の履歴として表示させることに基づいて、大当り遊技状態が発生しやすい実績を有するパチンコ遊技機1,1aであるかどうかというような遊技機の優劣を遊技者が容易に判断することができる。
(9) 前述した実施の形態における払出制御基板98においては、カードユニット装置371から入力される接続信号の信号ラインが、フォトカプラCP1から出力されるVL信号を払出制御用マイクロコンピュータへ伝達する第1信号経路L1と、フォトカプラCP1から出力されるVL信号を発射基板107へ伝達する第2信号経路L2とに分岐して形成されているので、VL信号を払出制御用マイクロコンピュータ660から発射基板107へ出力する処理を実行する必要がないため、払出制御用マイクロコンピュータ660の制御負担を軽減することができる。
(10) 前述した実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ99が、パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されたときに払出制御用マイクロコンピュータ660に対して払出起動コマンドを送信してから(S5)、クリアスイッチ921の検出信号のチェック処理を行ない(S7)、払出制御用マイクロコンピュータは、遊技制御用マイクロコンピュータから払出起動コマンドを受信したときにクリアスイッチ921の検出信号のチェック処理を行なうので(S726,S727,S708)、遊技制御用マイクロコンピュータ99と払出制御用マイクロコンピュータ660とは、ほぼ同時にクリアスイッチ921の検出信号のチェック処理を行なうことになる。よって、たとえば、一方のマイクロコンピュータがクリアスイッチ921の検出信号のチェック処理を行なったにも関わらず、他方のマイクロコンピュータがクリアスイッチ921の検出信号のチェック処理を行なわず、一方のマイクロコンピュータにおけるバックアップ記憶内容はクリアされたにも関わらず、他方のマイクロコンピュータにおけるバックアップ記憶内容はクリアされないという状況が発生することが防止される。これにより、クリアスイッチ921の操作に基づいて遊技制御用マイクロコンピュータ99および払出制御用マイクロコンピュータ660における各RAMの記憶データを確実に初期化できる。同様に、一方のマイクロコンピュータにおけるRAMの記憶情報に基づく復旧がされたにも関わらず他方のマイクロコンピュータにおけるRAMの記憶情報に基づく復旧がされないという状況の発生を防止でき、遊技制御用マイクロコンピュータ99および払出制御用マイクロコンピュータ660におけるRAMの記憶情報に基づく復旧を確実に行なうことができる。
(11) 前述した実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータは、ソフトウェア遅延処理(S81〜S86)を実行することにより、払出起動コマンドが出力される前に所定時間の経過が計測された後で当該払出起動コマンドが出力される。このため、パチンコ遊技機1への電力供給が開始されたタイミングに対して遅延して起動信号の取込信号が出力されることとなるので、払出制御用マイクロコンピュータが立ち上がる前に払出起動コマンドが出力されることを防止でき、払出起動コマンドを受信できないといった不都合の発生を防止することができる。
(12) 前述した実施の形態における払出制御用マイクロコンピュータは、S721の処理においてYESと判断されるまで、S721の処理を所定期間にわたり繰り返し実行するため、払出起動コマンドを確実に受信することができる。
(13) 前述した実施の形態における払出制御用マイクロコンピュータ660では、S905〜S908の処理が実行されることにより、電源監視回路920が電圧の低下を検出してから電力供給停止時処理中においても、遊技制御用マイクロコンピュータ99からの賞球制御信号を受付けて払出制御用マイクロコンピュータ660のRAMに保持するので、遊技制御用マイクロコンピュータ99からの賞球制御信号に応じた賞球の払出しを確実に行なうことができる。
(14) 前述した実施の形態では、S756の賞球球貸し制御処理でエラーフラグの状態を参照せず、エラー状態となっていても処理が続行されることから、エラー状態(払出が禁止される状態)であっても払出個数カウントスイッチ116により賞球の払出しが検出されるとS603で賞球未払出個数カウンタの減算処理が実行される。これにより、エラー状態であっても、賞球の払出しが検出されるごとに賞球未払出個数カウンタの減算処理が実行されるため、エラー状態が発生しても賞球の未払出数を確実に管理することができる。
(15) 前述した実施の形態では、電力供給が停止する直前に入賞口への入賞が発生したときでも、払出制御用マイクロコンピュータにおけるS906、S909の処理により確実に賞球数を賞球未払出個数カウンタに加算して保存することができる。また、バックアップ機能を簡素なハード構成で実現することができる。
(16) 前述した実施の形態における払出制御用マイクロコンピュータは、S722の処理において1減算された結果、S723においてレジスタの値が0であると判断されたときに、S724で起動不能フラグをセットし、S715において起動エラービットがセットされ、S759の表示制御処理において払出起動コマンドを取込むための賞球REQ信号が出力されていない旨がエラー表示用LED664により報知される。これにより、遊技場管理者は、エラー表示用LED664による報知表示を確認することにより、外部から賞球REQ信号が出力されていないことを容易に認識することができる。
(17) 前述した実施の形態では、周辺コマンド中継基板57に設けられている単方向性回路57aにより、たとえば、操作キー190が操作されたときの操作信号、音声枠ランプ基板92からの信号、および、発射球センサ194からの検出信号等、演出制御用マイクロコンピュータ118に入力される信号が、遊技制御用マイクロコンピュータ99に入力されることがないため、演出制御用マイクロコンピュータ118から遊技制御用マイクロコンピュータ99に不正信号等が入力されるような不正行為を防止することができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ118において、クリアスイッチ921の操作に基づいて遊技制御用マイクロコンピュータ99で初期化処理が行なわれたか否かの判断を、電力が供給され始めてから所定時間以内に復旧コマンドを受信したか否かに基づいて判断する(復旧コマンドを受信しないときは初期化処理が行なわれたと判断する)例を示した。しかし、これに限らず、遊技制御用マイクロコンピュータ99で初期化処理が行なわれたか否かの判断は、次のように行なうようにしてもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ99から復旧コマンドを送信しないようにし、クリアスイッチ921の操作に基づいて遊技制御用マイクロコンピュータ99で初期化処理が行なわれたときに初期化コマンドを送信するように設定する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ118は、電力が供給され始めてから所定時間以内に初期化コマンドを受信したときに、初期化処理が行なわれたと判断し、その所定時間以内に初期化コマンドを受信しないときに、遊技制御用マイクロコンピュータ99で復旧処理が行なわれたと判断する。
(2) 前述した実施の形態では、払出起動コマンド(払出起動指令)と賞球制御信号とは同じ信号線で伝達されたが、それらを伝達する信号線を分けてもよい。また、前述した実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ660は賞球制御信号の受信に応じて賞球BUSY信号を送信しているが、すなわち、賞球制御信号については双方向通信が行なわれているが、賞球制御信号を、単方向通信(遊技制御用マイクロコンピュータ99は払出制御用マイクロコンピュータ660から応答をとらない。)によって伝達するようにしてもよい。さらに、前述した実施の形態において用いられていた払出起動コマンドおよび賞球制御信号の形態を他の形態にしてもよい。たとえば、1バイトまたは2バイトのコマンドとし、8ビットの信号線で伝達するようにしてもよい。なお、2バイトのコマンドとした場合には、各バイトについて取込信号が送信される。
(3) 前述した実施の形態では、電源基板910から主基板120および払出制御基板98に、電源断信号、リセット信号、およびクリア信号を、出力する例について説明したが、これに限るものではない。たとえば、電源基板910から払出制御基板98に、電源断信号、リセット信号、およびクリア信号を出力し、払出制御基板98を経由して主基板120に入力するものであってもよい。これにより、電源監視回路920からの電源断信号、リセット信号、およびクリア信号が、払出制御基板98を介して主基板120に入力されるので、配線を簡略化して、遊技機のコストを低減させることができる。なお、この場合、払出制御基板98から電源断信号、リセット信号、クリア信号を出力されるタイミングを調整するものであってもよい。たとえば、払出制御用マイクロコンピュータ660により主基板120に出力するタイミングを遅延する処理を行なうようなものであってもよい。また、払出制御用マイクロコンピュータ660により所定の条件が成立したと判断されたときに、主基板120に出力する処理を行なうようなものであってもよい。
(4) 前述した実施の形態では、電源基板910に電源監視回路920が搭載されている例について説明したが、これに限るものではない。たとえば、電源監視回路920を払出制御基板98に搭載するものであってもよい。これにより、電源基板910から払出制御基板98に対して、少なくとも電源断信号を伝達するための信号線(ケーブル)を設ける必要はない。よって、電源基板910から電気部品制御基板への信号線数をさらに減らすことができる。さらに、電源断信号を伝達する信号線の基板間での全体的な長さが短くなるので、電源断信号のノイズが乗る可能性を低減することができる。
(5) 前述した実施の形態では、電源基板910から主基板120および払出制御基板98に、直流電力を供給する例について説明したが、これに限るものではない。たとえば、電源基板910から主基板120に供給される直流電力を、払出制御基板98を経由させるようにしてもよい。さらに、払出制御基板98を経由して演出制御基板90等の他のサブ基板にも伝達・供給されるようにしてもよい。このような構成によれば、電源基板910から主基板120および払出制御基板98に電力を供給するための電源ケーブルを1本(複数種類の電源ラインを含む。)だけ敷設すればよい。電源断信号、リセット信号、クリア信号を伝達する信号線の設置位置は、電源からのノイズが乗らないように、電源ケーブルの設置位置から離れていることが好ましいのであるが、電源基板910から1本の電源ケーブルを引き出せばよいことから、電源断信号、リセット信号、クリア信号を伝達する信号線と電源ケーブルとを分離しやすくなる。
(6) 前述した実施の形態において、ソフトウエアにより遊技制御用マイクロコンピュータ99の立ち上げを遅延する例について説明したが、これに限らず、遅延回路等を介するなどして、遊技制御用マイクロコンピュータ99の立ち上げをハード的に遅延(ハードウェア回路による遅延)するようにしてもよい。遅延回路を用いる場合には、予め設定した遅延量で決まる期間だけ、遊技制御用マイクロコンピュータ99の立ち上げを遅延することになる。具体的には、電源監視回路920からのリセット信号を、払出制御用マイクロコンピュータ660よび演出制御用マイクロコンピュータ118と、遅延回路との双方に入力し、遅延量で決まる期間が経過した後に、遅延回路から遊技制御用マイクロコンピュータ99にリセット信号を入力するように構成してもよい。なお、遅延回路は、電源基板910に設けてもよく、払出制御基板98に設けてもよい。
(7) 前述した実施の形態においては、電源監視回路920からの電源断信号が払出制御用マイクロコンピュータ660および演出制御用マイクロコンピュータ118と、遊技制御用マイクロコンピュータ99との双方にほぼ同タイミングで入力され、電源断信号が入力されると同時に電力供給停止時処理を遊技制御側と、払出制御側および演出制御側とで実行される例について説明した。しかし、これに限らず、遊技制御側において電力供給停止時処理が開始されるタイミングが、払出制御側において電力供給停止時処理が開始されるタイミングよりも、先になるように制御を行なうようにしてもよい。これにより、電源断時において、払出制御側において電力供給停止時処理が開始されるタイミングが遅延するため、遊技制御用マイクロコンピュータ99からの制御信号の取りこぼし等による遊技者の不利益を防止することができる。具体的な手段としては、前述したソフトウェア遅延処理を実行することにより、または、遅延回路を設けることにより、電源監視回路920からの電源断信号を払出制御用マイクロコンピュータ660および演出制御用マイクロコンピュータ118に入力されるタイミングを遅延させるようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態においては、賞球REQ信号によって払出要求を行ない、賞球制御信号によって払出数が指定されたが、賞球制御信号によって払出要求および払出数の指定を行なうように構成してもよい。その場合、払出制御用マイクロコンピュータは、賞球制御信号が出力されているときは、同時に払出要求がなされていると判定すればよい。そのような構成によれば、賞球REQ信号を用いる必要はない。
(9) 前述した実施の形態においては、カードユニット装置731(記録媒体処理装置)で使用される記録媒体が磁気カード(プリペイドカード)であったが、磁気カードに限られず、非接触型あるいは接触型のICカードであってもよい。また、記録媒体処理装置が識別符号に基づいて記録情報を特定できる構成とされている場合には、記録媒体は、記録情報を特定可能な識別符号などの情報を少なくとも記録媒体処理装置が読み取り可能に記録できるようなものであってもよい。さらに、記録媒体は、たとえばバーコードなどの所定の情報記録シンボル等が読み取り可能にプリントされたものであってもよい。また、記録媒体の形状は、カード状のものに限られず、たとえば円盤形状や球状、あるいはチップ形状など、どのような形状とされていてもよい。
(10) 前述した実施の形態におけるパチンコ遊技機は、主として、始動入賞に基づいて特別図柄表示装置44a等に変動表示(可変表示ともいう)される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機(第一種のパチンコ遊技機)であったが、始動入賞に基づいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機(第二種のパチンコ遊技機)や、始動入賞に基づいて変動表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機(第二種のパチンコ遊技機)であってもよい。
(11) 前述した実施の形態においては、各種の信号のやりとりに関し、送信/受信や出力/入力という異なる表現を用いているが、送信と出力あるいは受信と入力は、ほぼ同じ意味で用いており、これらの表現は相互に入替可能であることは言うまでもない。なお、制御コマンドなどの多くの意味を持つ信号のやりとりについて送信/受信とするとともに、オン/オフの切り換えによって情報を伝達するための信号のやりとりについて出力/入力として、送信/受信と出力/入力とを使い分けしている場合もある。この場合においても、それらの表現は相互に入替可能である。
(12) 前述した実施の形態においては、信号のオン/オフ状態は、ハイレベル状態/ローレベル状態であってもよく、逆に、ローレベル状態/ハイレベル状態であってもよい。また、信号のオン/オフ状態は、信号出力状態/信号出力停止状態であってもよく、逆に、信号出力停止状態/信号出力状態であってもよい。
(13) 前述した実施の形態においては、遊技店用メニュー画面および遊技者用メニュー画面を飾り図柄表示装置44bに表示する例を示した。しかし、これに限らず、遊技店用メニュー画面および遊技者用メニュー画面は、飾り図柄表示装置44bとは別の表示装置(たとえば、飾り図柄を変動表示せずに特別図柄を変動表示する遊技機においては、特別図柄を変動表示する表示装置、前述した第二種の遊技機においては、大当りのラウンド継続回数を決定する変動表示を行なう表示装置等)に表示するようにしてもよい。
(14) 前述した実施の形態においては、遊技の演出を制御する手段として、表示制御と音制御とランプ制御とを統括的に制御可能な演出制御用マイクロコンピュータを設けた。しかし、これに限らず、表示制御を行なうマイクロコンピュータと、音制御を行なうマイクロコンピュータと、ランプ制御を行なうマイクロコンピュータとを設け、遊技制御用マイクロコンピュータが、これらのマイクロコンピュータのそれぞれに、表示制御コマンド、音制御コマンド、および、ランプ制御コマンドを与え、そのコマンドに応じて各マイクロコンピュータが各制御を個別に実行するような構成を採用してもよい。
(15) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
44b 飾り図柄表示装置、41 遊技領域、58 普通可変入賞球装置、1、1a パチンコ遊技機、99 遊技制御用マイクロコンピュータ、120 主基板、118 演出制御用マイクロコンピュータ、571 周辺コマンド中継基板、910 電源基板、921 クリアスイッチ、19 上皿、190 操作キー、191 決定キー、192 上方向キー、193 下方向キー、111 RAM、57a 単方向性回路、194 発射球センサ。