(1) 遊技媒体(たとえば、遊技球、コイン)を発射して遊技領域(遊技領域7)に打込んで遊技が行なわれ、遊技により払出条件(たとえば、遊技領域に設けられている固定の入賞口29,30,33,39や可変入賞球装置20へ入賞)が成立したことに基づいて景品としての景品遊技媒体(賞球、景品玉、景品コイン)を払出し、遊技機とは別の記録媒体処理装置により読取られた記録媒体(プリペイドカード)の記録情報により特定される遊技者所有の残額の使用に基づいて貸与する貸与遊技媒体(貸し球、貸しコイン)を払出す遊技機(パチンコ遊技機1、コイン遊技機)であって、
前記払出条件が成立したことを検出して払出条件成立信号を出力する払出条件検出手段(たとえば、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aやカウントスイッチ23)と、
遊技の進行を制御するための遊技制御処理(たとえば、ステップS1〜ステップS34)を実行する遊技制御用マイクロコンピュータ(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560)が搭載された遊技制御基板(たとえば、主基板31)と、
前記景品遊技媒体および前記貸与遊技媒体の払出を行なう払出手段(たとえば、球払出装置97)と、
前記遊技制御基板からの景品遊技媒体の払出要求、および、前記記録媒体処理装置からの貸与遊技媒体の貸与要求のそれぞれに応じて、前記払出手段を制御するための払出制御処理を実行する払出制御用マイクロコンピュータ(たとえば、払出制御用マイクロコンピュータ370)が搭載された払出制御基板(たとえば、払出制御基板37)と、
前記記録媒体処理装置からの接続信号(VL信号)を中継して前記払出制御基板に出力する中継基板(インタフェース基板66)と、
前記遊技媒体を発射する発射手段(発射モータ94等を含む打球発射装置90)と、
前記発射手段を駆動するための駆動信号を前記発射手段へ出力する発射基板(発射基板91)と、
遊技機に供給されている電圧を監視し、該監視している電圧が所定の電圧値に低下したことを検出したときに、前記遊技制御用マイクロコンピュータと前記払出制御用マイクロコンピュータとのうちでは前記払出制御用マイクロコンピュータのみに対して電圧低下信号(電源断信号)を出力する電源監視手段(たとえば、電源監視回路920の電源監視手段)と、
所定の動作停止条件が成立したとき(パチンコ遊技機1に供給されている電圧を監視し、該監視している電圧が特定の電圧値に低下したことを検出したとき)に、前記遊技制御用マイクロコンピュータと前記払出制御用マイクロコンピュータとのうちでは前記払出制御用マイクロコンピュータのみに対して、制御処理の停止を指示するための停止信号(たとえば、リセット信号)を出力(たとえば、ローレベルのオン状態)する停止信号出力手段(たとえば、電源監視回路920のリセット信号生成手段)と、を備え、
前記遊技制御用マイクロコンピュータは、
前記払出条件検出手段からの前記払出条件成立信号が入力されると、払出すべき景品遊技媒体の数を特定可能な景品遊技媒体数データを記憶し(たとえば、ステップS221,S222の処理)、遊技機への電力供給が停止しても少なくとも所定期間は記憶内容を保持する遊技制御用記憶手段(たとえば、バックアップ電源によって電源バックアップされたRAM55)と、
前記払出条件検出手段からの前記払出条件成立信号が入力されると、払出要求として、払出すべき景品遊技媒体の数を指定する払出数データ(たとえば、賞球個数信号)を前記払出制御用マイクロコンピュータに出力する払出数データ出力手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS254,S255の処理を実行する部分)と、
前記払出数データ出力手段から前記払出数データが出力されたことを条件として、前記景品遊技媒体数データから前記払出数データで指定した払出数に対応する値を減算する減算処理を行なう景品遊技媒体数データ減算手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS254,S255の処理の後にステップS256の処理を実行する部分)と、
前記電源監視手段が所定の電圧値に低下したことを検出したことを条件として(遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS453によりYESと判断されたとき)、前記遊技制御処理の実行状態を保存するための遊技制御側電力供給停止時処理を実行する遊技制御側電力供給停止時処理手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS454〜S481の処理を実行する部分)と、
前記遊技制御用マイクロコンピュータと前記払出制御用マイクロコンピュータとの間の接続状態を確認するための接続確認信号を前記払出制御用マイクロコンピュータへ出力する接続確認信号出力手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS92,S12,S31の処理を実行する部分)と、
前記所定の動作停止条件が成立したときに前記遊技制御用マイクロコンピュータを動作停止状態とする遊技制御側動作停止手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS485の処理を実行する部分)と、を含み、
前記払出制御基板は、
前記中継基板からの接続信号を光電変換して前記払出制御用マイクロコンピュータへ入力させるフォトカプラ(フォトカプラPC1)と、
前記中継基板と前記フォトカプラとの間の接続信号の入力経路に設けられ、前記接続信号を安定化させるためのコンデンサ(コンデンサC1)と、を備え、
前記払出制御用マイクロコンピュータは、
前記払出数データ出力手段からの前記払出数データにより指定された景品遊技媒体の払出数のうち未だ払出されていない未払出の景品遊技媒体の数を示す未払出数データを記憶し、遊技機への電力供給が停止しても少なくとも所定期間は記憶内容を保持する払出制御用記憶手段(たとえば、電源バックアップされている払出制御用マイクロコンピュータ370におけるRAM、特にRAMに形成されている賞球未払出個数カウンタ)と、
前記払出数データ出力手段からの前記払出数データによって指定された景品遊技媒体の払出数を前記払出制御用記憶手段に記憶された未払出数データに加算する未払出数データ加算手段(たとえば、払出制御用マイクロコンピュータ370におけるステップS545の処理を実行する部分)と、
前記未払出数データによって示されている未払出の景品遊技媒体を払出すために前記払出手段を制御する景品遊技媒体払出制御手段(たとえば、払出制御用マイクロコンピュータ370におけるステップS631〜S635,S627の処理を実行する部分)と、
前記記録媒体処理装置からの貸与要求に応じて、貸与遊技媒体を払出すために前記払出手段を制御する貸与遊技媒体払出制御手段(たとえば、払出制御用マイクロコンピュータ370におけるステップS623〜S626,S627の処理を実行する部分)と、
前記電源監視手段からの前記電圧低下信号が入力されたことを条件として(たとえば、払出制御用マイクロコンピュータ370におけるステップS904によりYESと判断されたとき)、前記払出制御処理が開始されたときに前記未払出数データを復旧させるための払出制御側電力供給停止時処理を実行する払出制御側電力供給停止時処理手段(たとえば、払出制御用マイクロコンピュータ370におけるステップS911〜S931の処理を実行する部分)と、
前記フォトカプラからの接続信号を監視し、当該接続信号が入力されていないときに、異常状態であると判定する接続異常判定手段(たとえば、払出制御用マイクロコンピュータ370におけるステップS825〜S827の処理を実行する部分)と、
前記接続異常判定手段により異常状態であると判定されたときに、異常状態が生じた旨を報知するための制御を実行する異常報知手段(ステップS759、エラー表示用LED374)と、
前記接続確認信号出力手段からの接続確認信号を監視し、当該接続確認信号が入力されていないときに、異常状態であると判定する接続確認異常判定手段(たとえば、払出制御用マイクロコンピュータ370におけるステップS815〜S817の処理を実行する部分)と、
前記接続確認異常判定手段により異常状態であると判定されたときに、前記景品遊技媒体の払出制御処理を停止させる(たとえば、払出制御用マイクロコンピュータ370におけるステップS622aで主制御未接続エラーと判断されるとS631〜S635の処理が実行されず、賞球の払出制御処理が停止する)異常時処理手段(ステップS622a)と、
前記電源監視手段からの前記電圧低下信号が入力された後に前記停止信号出力手段からの停止信号が入力されたことを条件として前記払出制御用マイクロコンピュータを動作停止状態とする払出制御側動作停止手段(たとえば、払出制御用マイクロコンピュータ370におけるステップS937の処理を実行する部分)と、を含み、
前記発射基板は、
前記フォトカプラからの接続信号を監視し、当該接続信号が前記発射基板に入力されているときに前記発射手段による発射を許可する発射許可手段(AND回路952)と、
当該接続信号が前記発射基板に入力されていないときに前記発射手段による発射を禁止する発射禁止手段(AND回路952)と、を備え、
前記払出制御基板は、
前記電源監視手段からの電圧低下信号が入力される電圧低下信号入力手段(たとえば、I/Oポート372g)と、
該電圧低下信号入力手段に電圧低下信号が入力されたことを条件に、前記遊技制御基板に電圧低下指示信号を出力(たとえば、ハイレベルのオフ状態)する電圧低下指示信号出力手段(たとえば、ステップS904a、出力回路373B)と、
前記停止信号出力手段からの停止信号が入力される停止信号入力手段(たとえば、払出制御用CPU371のリセット端子入力375)と、
該停止信号入力手段に停止信号が入力されたことを条件に、前記遊技制御基板に、前記遊技制御処理の停止を指示するための停止指示信号を出力する停止確認信号出力手段(たとえば、ステップS936、出力回路373B)と、をさらに備え、
前記遊技制御基板は、
前記電圧低下指示信号出力手段からの前記電圧低下指示信号が入力される電圧低下指示信号入力手段(入力回路68)と、
前記停止指示信号出力手段からの前記停止指示信号が入力される停止指示信号入力手段(入力回路68)とをさらに備え、
前記遊技制御側電力供給停止時処理手段は、前記電圧低下指示信号が入力されたことを条件として、前記遊技制御側電力供給停止時処理を実行し(ステップS454〜S481)、
前記遊技制御側動作停止手段は、前記電圧低下指示信号が入力された後に前記停止指示信号が入力されたことを条件として前記動作停止状態とし(ステップS485)、
前記払出制御用マイクロコンピュータは、前記電圧低下信号が入力されたときに、前記電圧低下指示信号を出力した後、前記遊技制御用マイクロコンピュータにより前記遊技制御側電力供給停止時処理が開始されるまで前記払出制御側電力供給停止時処理の実行を待機するための待機期間を計時する計時手段(S905〜S908)をさらに含み、
前記払出制御側電力供給停止時処理手段は、前記計時手段により前記待機期間が計時されたことを条件として、前記遊技制御側電力供給停止時処理手段により前記遊技制御側電力供給停止時処理が開始された後に前記払出制御側電力供給停止時処理を開始する(S908〜S931)。
このような構成によれば、電源監視手段が監視している電圧が所定の電圧値に低下したことを検出したときに、遊技制御用マイクロコンピュータと払出制御用マイクロコンピュータとのうちでは払出制御用マイクロコンピュータのみに対して電圧低下信号が出力され、払出制御基板で電圧低下信号入力手段に電圧低下信号が入力されたことを条件に、払出制御基板から遊技制御基板に電圧低下指示信号が出力されるので、電力供給停止時処理の実行に関わる配線を簡略化して、遊技機のコストを低減させることができる。さらに、所定の動作停止条件が成立したときに、遊技制御用マイクロコンピュータと払出制御用マイクロコンピュータとのうちでは払出制御用マイクロコンピュータのみに対して停止信号が出力され、払出制御基板で停止信号入力手段に停止信号が入力されたことを条件に、払出制御基板から遊技制御基板に停止指示信号が出力されるので、停止信号の配線を簡略化して、遊技機のコストをより一層低減させることができる。また、払出制御基板において、記録媒体処理装置から中継基板を経た接続信号がフォトカプラを介して払出制御用マイクロコンピュータへ入力されるので、接続信号として異常なレベルの信号が払出制御用マイクロコンピュータへ入力されないようにすることができる。さらに、接続信号を安定化させるためのコンデンサが払出制御基板に設けられるので、払出制御基板の外部に接続信号用のコンデンサを設ける必要がなくなる。このため、払出制御基板の外部において、不正な信号を払出制御基板へ入力させるために用いるコンデンサを接続信号の信号経路に設けて行なわれる不正行為を容易に発見することができるようになり、さらに、そのような不正行為を行ないにくくすることもできる。また、記録媒体処理装置から中継基板を経た接続信号が払出制御用マイクロコンピュータに入力されていないときに、異常状態であると判定され、異常状態が生じた旨が報知されるので、そのような異常状態を容易に把握することができる。また、遊技制御用マイクロコンピュータと払出制御用マイクロコンピュータとの間の接続状態を確認するための接続確認信号が払出制御用マイクロコンピュータに入力されていないときに、景品遊技媒体の払出制御処理を停止させることにより、遊技制御用マイクロコンピュータと払出制御用マイクロコンピュータとの間の接続状態に異常が生じたときに、過剰な払出しが行なわれないようにすることができる。さらに、電圧低下信号が払出制御用マイクロコンピュータに入力されたときであっても、電圧低下指示信号を出力した後、遊技制御側電力供給停止時処理が開始されるまでの待機期間中に遊技制御用マイクロコンピュータから出力された払出数データを払出制御用マイクロコンピュータで確実に受付けることができる。これにより、遊技機の電力供給が停止する直前(待機期間中)に発生した払出数データによって指定された景品遊技媒体の払出数を払出制御用記憶手段に記憶された未払出数データに加算することができ、入賞に基づく賞球の払出を確実に行なうことができる。
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、たとえばコイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、遊技媒体を発射して遊技領域に打込んで遊技が行なわれ、遊技により払出条件が成立したことに基づいて景品としての景品遊技媒体を払出し、遊技機とは別の記録媒体処理装置により読取られた記録媒体の記録情報により特定される遊技者所有の残額の使用に基づいて貸与する貸与遊技媒体を払出す遊技機遊技媒体を用いて遊技が可能であり、遊技により払出条件が成立したことに基づいて景品として景品遊技媒体を払出す遊技機であればどのような遊技機にも適用可能である。
第1実施形態
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図、図2は遊技盤の前面を示す正面図である。なお、以下の実施の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行なうが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機など、遊技球等の遊技媒体を発射して遊技領域に打込んで遊技が行なわれるその他の遊技機に適用することもできる。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図3参照)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠(図3参照)とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射するために操作する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。このパチンコ遊技機1では、打球供給皿3に貯留された遊技媒体としての遊技球を弾発発射して遊技領域7に打込んで遊技が行なわれる。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄を可変表示(変動表示ともいう)する複数の可変表示部を含む可変表示装置(飾り図柄表示装置)9が設けられている。可変表示装置9には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。また、可変表示装置9には、始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つの特別図柄始動記憶表示エリア(始動記憶表示エリア)18が設けられている。有効始動入賞がある毎に、表示色が変化する(たとえば青色表示から赤色表示に変化)始動記憶表示エリアを1増やす。そして、可変表示装置9の可変表示が開始される毎に、表示色が変化している始動記憶数表示エリアを1減らす(すなわち表示色をもとに戻す)。この例では、図柄表示エリアと始動記憶表示エリアとが区分けされて設けられているので、可変表示中も始動記憶数が表示された状態にすることができる。なお、始動記憶表示エリアを図柄表示エリアの一部に設けるようにしてもよい。また、可変表示中は始動記憶数の表示を中断するようにしてもよい。また、この例では、始動記憶表示エリアが可変表示装置9に設けられているが、始動記憶数を表示する表示器(特別図柄始動記憶表示器)を可変表示装置9とは別個に設けてもよい。
可変表示装置9の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示(変動表示ともいう)する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。この実施の形態では、特別図柄表示器8は、たとえば0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8は、遊技者に特定の停止図柄を把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。可変表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の可変表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての飾り図柄の可変表示を行なう。なお、飾り図柄の可変表示を行なう可変表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。さらに、可変表示装置9の左側には、遊技演出に用いられる可動部材としてのハンマ151が設けられている。ハンマ151は、モータ(図示省略)により駆動される。ハンマ151は、可動部152を支点として右方向に倒れ、可変表示装置9に表示される飾り図柄のうち最も左側の飾り図柄を叩くような演出を行なうことができる。
また、パチンコ遊技機1は、遊技の進行中に遊技者が操作可能な操作スイッチ81を備える。たとえば、操作スイッチ81が操作(押下)されると、可動部材としてのハンマ151が動作する。なお、本実施の形態においては、操作手段として押しボタン式の操作スイッチを説明するが、これに限らず、左右上下方向に指示可能な十字キー等、遊技者からの操作を受付けて、受付けた操作に応じた信号を出力するものであればよい。
可変表示装置9の下方には、始動入賞口14としての可変入賞球装置15が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行なう可変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。
可変入賞球装置15の下部には、特定遊技状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開状態とされる開閉板を用いた可変入賞球装置20が設けられている。可変入賞球装置20は大入賞口を開閉する手段である。可変入賞球装置20に入賞し遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球はVカウントスイッチ22で検出され、他方の領域に入った遊技球はカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aも設けられている。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行なわれ、たとえば、可変表示の終了時に右側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、複数の入賞口29,30,33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,33,39への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aによって検出される。各入賞口29,30,33,39は、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。なお、始動入賞口14や大入賞口も、遊技媒体を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左枠ランプ28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。上記のように、この実施の形態のパチンコ遊技機1には、発光体としてのランプやLEDが各所に設けられている。さらに、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。カードユニット50は、遊技用の記録媒体としてのプリペイドカードを受付け、受付けたプリペイドカードの記録情報を読取り、その記録情報により特定される遊技者所有のカード残額(残高ともいう)の使用に基づいて貸与遊技媒体としての貸し球を遊技者に貸与する(以下、貸し出しまたは球貸しともいう)ために用いられるカード処理装置である。このように貸与された貸し球により、パチンコ遊技機1での遊技球を用いた遊技が可能となる。カードユニット50には、プリペイドカードの処理に関する制御および貸し球の貸与に関する制御等の各種制御を行なうためのカードユニット制御用マイクロコンピュータが搭載されている。
カードユニット50には、たとえば、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口、およびカード挿入口の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を解放するためのカードユニット錠が設けられている。
遊技者の操作により打球発射装置(図3参照)から発射された遊技球は、打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が始動入賞口14に入り始動口スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、始動記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄の可変表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄の組合せが大当り図柄(特定表示結果)であると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、可変入賞球装置20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(たとえば10個)の遊技球が入賞するまで開放する。そして、可変入賞球装置20の開放中に遊技球がV入賞領域に入賞しVカウントスイッチ22で検出されると、継続権が発生し可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、所定回数(たとえば15ラウンド)許容される。
停止時の特別図柄表示器8における特別図柄が確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)の組合せである場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、確変状態(確率変動状態)という遊技者にとってさらに有利な状態となる。
遊技球がゲート32を通過すると、普通図柄表示器10において普通図柄が可変表示される状態になる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定時間だけ開状態になる。さらに、確変状態では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合や、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図3を参照して説明する。図3は、遊技機を裏面から見た背面図である。
外枠300の内側には、枠体である遊技枠200が開閉可能に取り付けられている。遊技枠200は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠201と、機構部品等が取り付けられる機構板202と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く。)とを含む構造体である。パチンコ遊技機1の裏面において、各種部品は、遊技枠200側または遊技盤6側に取付けられている。
図3に示すように、遊技機裏面側では、可変表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板80を含む可変表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31が設置されている。また、球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37が設置されている。なお、演出制御用マイクロコンピュータは、遊技盤6に設けられている可変表示装置9を制御するとともに、ランプ制御基板に搭載されているランプ制御用マイクロコンピュータに、各種装飾LED、普通図柄始動記憶表示器41、装飾ランプ25、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cを点灯制御させ、音声制御基板に搭載されている音制御用マイクロコンピュータに、スピーカ27からの音発生を制御させる。
なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータは、ランプ制御基板に搭載されているランプ制御用マイクロコンピュータおよび音声制御基板に搭載されている音制御用マイクロコンピュータに制御コマンドを送信し、ランプ制御用マイクロコンピュータおよび音制御用マイクロコンピュータが、演出制御用マイクロコンピュータからの制御コマンドにしたがって各種ランプ・LEDおよびスピーカ27を制御するが、ランプ制御基板および音声制御基板には、マイクロコンピュータが搭載されていない構成であってもよい。
さらに、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5Vを作成する電源回路が搭載された電源基板910や発射基板91が設けられている。電源基板910には、外部から視認可能に露出した露出部分がある。この露出部分には、パチンコ遊技機1における主基板31および各電気部品制御基板(ランプ制御基板、音声制御基板、演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチが設けられている。さらに、露出部分における電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
なお、電気部品制御基板には、電気部品制御用マイクロコンピュータを含む電気部品制御手段が搭載されている。電気部品制御手段は、遊技制御用マイクロコンピュータからのコマンドとしての指令信号(制御信号)にしたがって遊技機に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、可変表示装置9、ランプやLEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を電気部品制御基板に含めて説明を行なうことがある。その場合には、電気部品制御基板に搭載される電気部品制御手段は、遊技制御用マイクロコンピュータと、遊技制御用マイクロコンピュータ等からの指令信号にしたがって遊技機に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。
遊技機裏面において、上方には、各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板160が設置されている。ターミナル基板160には、少なくとも、球切れ検出スイッチ167の出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球情報(賞球個数信号)を外部出力するための賞球用端子および球貸し情報(球貸し個数信号)を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報を遊技機外部に出力するための各端子を備えた情報端子基板(情報出力基板)34が設置されている。
前述した操作ノブ5の裏面側には、遊技球を発射アームにより打撃して発射する打球発射装置90が設けられている。打球発射装置90は、発射アームを動作させる発射モータ(図5参照)を含み、発射モータ94を駆動することによって発射アームを動作させて遊技球を遊技領域7に向けて発射する。
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レール390を通り、カーブ樋を経て払出ケース40Aで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上部には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ187が設けられている。球切れスイッチ187が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチ187は遊技球通路内の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レール390における上流部分(貯留タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構から遊技機に対して遊技球の補給が行なわれる。
入賞に基づく景品としての遊技球(以下、賞球または景品球ともいう)や球貸し要求に基づく遊技球(以下、賞球または景品球ともいう)が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示せず)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ(図示せず)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置97内の払出モータの回転が停止して球払出装置97の動作が停止する。なお、そのような場合において、打球発射装置90の駆動を停止するように制御してもよい。
この実施の形態では、電源基板910および払出制御基板37などが遊技枠200に設けられ、主基板31および演出制御基板80などが遊技盤6に設けられる。より具体的に、遊技盤6と遊技枠200とは、分離可能なように構成されている。このような分離可能な構成において、遊技盤6側には、主基板31および演出制御基板80などが取付けられており、遊技枠200側には、電源基板910および払出制御基板37などが取付けられている。
図4は、払出ケース40Aで覆われた球払出装置97を示す正面図(図4(A))および断面図(図4(B))である。前述した球切れスイッチ187と球払出装置97との間には、通路体が設置されている。球払出装置97は、通路体の下部に固定されている。通路体は、カーブ樋によって流下方向が左右方向に変換された2列の遊技球を流下させる球通路を有する。球通路の上流側には、球切れスイッチ187が設置されている。なお、実際には、それぞれの球通路に球切れスイッチ187が設置されている。球切れスイッチ187は、球通路内の遊技球の有無を検出するものであって、球切れスイッチ187が遊技球を検出しなくなると球払出装置97における払出モータ(図4において図示せず)の回転を停止して遊技球の払出が不動化される。また、球切れスイッチ187は、球通路に27〜28個の遊技球が存在することを検出できるような位置に係止片によって係止されている。
球払出装置97において、ステッピングモータによる払出モータ(図示せず)がたとえばカムを回転させることによって、賞球または球貸し要求に基づく遊技球を1個ずつ払出す。また、球払出装置97の下方には、たとえば近接スイッチによる払出個数カウントスイッチ301が設けられている。球払出装置97から1個の遊技球が落下する毎に、払出個数カウントスイッチ301がオンする。すなわち、払出個数カウントスイッチ301は、球払出装置97から実際に払出された遊技球を検出する。したがって、払出制御用マイクロコンピュータは、払出個数カウントスイッチ301の検出信号によって、実際に払出された遊技球の数を計数することができる。この例では、払出個数カウントスイッチ301は、払出された賞球および貸し球の両方を検出する。すなわち、賞球の払出しと貸し球の払出しが同一の検出手段によって検出される。よって、部品点数を減らすことができ、遊技機のコストを低減させることができる。
この実施の形態では、球払出装置97は、賞球払出と球貸しとを共に行なうように構成されている。しかし、賞球払出を行なう球払出装置と球貸しを行なう球払出装置が別個に設けられていてもよい。別個に設けられている場合には、賞球払出を行なう球払出装置と球貸しを行なう球払出装置とで払出手段が構成される。さらに、たとえば、カムまたはスプロケットの回転方向を変えて賞球払出と球貸しとを分けるように構成されていてもよいし、本実施の形態において例示する球払出装置97(モータによってカムを回転させる構成)以外のどのような構造の球払出装置を用いてもよい。
図5は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図5には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御手段に相当)53と、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a、および、図9に示すクリアスイッチ921からの信号を基本回路53に与える入力ドライバ回路58と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21および大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21Aを基本回路53からの指令にしたがって駆動するソレノイド回路59とが搭載されている。
なお、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)であれば、その名称を問わない。入賞検出を行なう始動口スイッチ14a、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの各スイッチは、入賞領域への遊技球の入賞を検出する入賞検出手段でもある。本実施の形態においては、入賞検出手段により入賞領域への遊技球の入賞が検出されたときに、払出条件が成立したものと判定される。なお、入賞検出手段は、複数の入賞口に別個に入賞したそれぞれの遊技球をまとめて検出するものであってもよい。また、ゲート32のような通過ゲートであっても、賞球の払出しが行なわれるものであれば、通過ゲートへ遊技球が進入することが入賞になり、通過ゲートに設けられているスイッチ(たとえばゲートスイッチ32a)が入賞検出手段になる。さらに、この実施の形態では、V入賞領域に入賞した遊技球はVカウントスイッチ22のみで検出されるので、大入賞口に入賞した遊技球数は、Vカウントスイッチ22による検出数とカウントスイッチ23による検出数との和になる。しかし、V入賞領域に入賞した遊技球が、Vカウントスイッチ22で検出されるとともにカウントスイッチ23でも検出されるようにしてもよい。その場合には、大入賞口に入賞した遊技球数は、カウントスイッチ23による検出数に相当する。
また、基本回路53から与えられるデータにしたがって、大当りの発生を示す大当り情報、特別図柄表示器8における図柄の可変表示開始に利用された始動入賞球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを示す確変情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載されている。
基本回路53は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する遊技制御用記憶手段)としてのRAM55、およびプログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56を有する遊技制御用マイクロコンピュータ560と、I/Oポート部57とを含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータは、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、1チップマイクロコンピュータに内蔵されていてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、遊技制御用マイクロコンピュータ560を含む基本回路53で実現されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。なお、遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
基本回路53の入力ポートには、払出制御基板37から、クリア信号、電源断信号、および、リセット信号が入力される。クリア信号は、RAM55の内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示す信号である。電源断信号は、電源基板910からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す信号である。リセット信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560(CPU56)の遊技制御動作を許容する信号と、遊技制御用マイクロコンピュータ560(CPU56)の遊技制御動作を禁止する信号とに兼用される信号である。遊技制御動作を許容する信号は、ローレベル状態からハイレベル状態への立上りエッジの部分が遊技制御動作を開始させる起動信号としての性質を有する。また、遊技制御動作を禁止する信号は、ハイレベル状態からローレベル状態への立下がりエッジの部分が遊技制御動作を停止させる停止信号としての性質を有する。
前述した打球発射装置90においては、発射モータ94を駆動するための回路が搭載された発射基板91が設けられている。操作ノブ5は、弾発力を調節するものであり、遊技者が接触する部分であるタッチリングが組み付けられており、遊技者が操作ノブ(タッチリング)5に触れていることが、タッチセンサ(図6参照)で検出され、タッチセンサからの信号が発射基板91に伝達される。そして、遊技者による操作ノブ5の操作に応じて、発射基板91から発射モータ94に、発射モータ94を駆動するための駆動信号が出力される。発射モータ94は発射基板91からの駆動信号にしたがって駆動される。発射基板91では、発射モータ駆動回路は、タッチセンサ回路からの信号がオフ状態を示している場合には、発射モータ94の駆動を停止する。
なお、この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100で構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄を可変表示する可変表示装置9の表示制御を行なう。また、ランプ制御基板35に搭載されているランプ制御手段(ランプ制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、遊技盤6に設けられている普通図柄表示器10、普通図柄始動記憶表示器41および装飾ランプ25の表示制御を行なうとともに、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cの表示制御を行なう。また、演出制御基板80には、ハンマ151の位置を検出するセンサ154,155の検出信号と、操作スイッチ81の操作に応じた操作信号とが入力される。さらに、ハンマ151を駆動するモータ150には、演出制御基板80から駆動信号が出力される。
また、この実施の形態で用いられている遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ソフトウェアで割込禁止に設定できないマスク不能割込(NMI)を発生させるために使用されるマスク不能割込端子(NMI端子)と、遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部から割込(外部割込;ソフトウェアで割込禁止にできるマスク可能割込)を発生させるために使用される割込端子(INT端子)とを有する。しかし、この実施の形態では、マスク不能割込および外部割込を使用しない。そこで、NMI端子およびINT端子を、抵抗を介してVcc(+5V)にプルアップしておく。したがって、NMI端子およびINT端子の入力レベルは常にハイレベルになり、端子オープン状態に場合に比べて、ノイズ等によってNMI端子およびINT端子の入力レベルが立ち下がって割込発生状態になる可能性が低減する。
図6は、払出制御基板37および球払出装置97などの払出に関連する構成要素を示すブロック図である。図6に示すように、払出制御基板37には、払出制御用CPU371を含む払出制御用マイクロコンピュータ(電気部品制御用マイクロコンピュータの一例)370が搭載されている。
この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、1チップマイクロコンピュータであり、少なくともRAM(図示せず)が内蔵されている。払出制御用マイクロコンピュータ370、RAM、払出制御用プログラムを格納したROM(図示せず)およびI/Oポート等は、払出制御手段を構成する。すなわち、払出制御手段は、払出制御用マイクロコンピュータ370、RAMおよびROMを有する払出制御用マイクロコンピュータ370と、I/Oポートとで実現される。また、I/Oポートは、払出制御用マイクロコンピュータ370に内蔵されていてもよい。払出制御用マイクロコンピュータ370におけるRAMの少なくとも一部は、電源基板910に搭載されているバックアップ電源によって電源バックアップされている。この実施の形態では、全てのRAM領域が電源バックアップされているとする。よって、パチンコ遊技機1に対して電力供給がなされていないときにも、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAMの記憶内容は保存される。
球切れスイッチ187、満タンスイッチ48および払出個数カウントスイッチ301からの検出信号は、中継基板72を介して払出制御基板37のI/Oポート372fに入力される。また、払出モータ位置センサ295からの検出信号は、中継基板72を介して払出制御基板37のI/Oポート372eに入力される。払出モータ位置センサ295は、払出モータ289の回転位置を検出するための発光素子(LED)と受光素子とによるセンサであり、遊技球が詰まったこと、すなわちいわゆる球噛みを検出するために用いられる。払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370は、球切れスイッチ187からの検出信号が球切れ状態を示している場合や、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示している場合には、球払出処理を停止する。さらに、球切れスイッチ187からの検出信号が球切れ状態を示している場合や、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状態を示している場合には、打球発射装置90からの球発射を停止させてもよい。
入賞口への遊技球の入賞があると、主基板31の出力回路67から、払出指令信号として、払出すべき賞球個数を示す賞球個数信号および賞球個数信号の取り込み(受信)を要求する賞球REQ信号(取込要求信号)が出力(送信)される。具体的には、オン状態になる。賞球個数信号は、4ビットのデータ(2進4桁のデータ)によって構成され、4本の信号線によって出力される。なお、信号のオン状態すなわち出力状態は、信号が有意である状態であり、オン状態になることは、信号を受ける側に対してその信号に基づく何らかの処理を開始することを指令することを意味する。たとえば、賞球個数を示す賞球個数信号および賞球REQ信号がオン状態になるということは、払出制御用マイクロコンピュータ370に対して、賞球個数信号が示す払出数を認識するように指令することを意味する。また、信号を出力することによってオン状態とし、信号出力を停止することによってオフ状態としてもよいが、オン状態にするときにはオン状態に応じた信号を出力し、オフ状態にするときにはオフ状態に応じた信号を出力することによって、オン状態とオフ状態とを切り換えてもよい。
賞球REQ信号および賞球個数信号は、入力回路373Aを介してI/Oポート372eに入力される。払出制御用マイクロコンピュータ370は、I/Oポート372eを介して賞球個数信号を入力すると、賞球個数信号が示す個数の遊技球を払出すために球払出装置97を駆動する制御を行なう。なお、主基板31の出力回路67からは、主基板31が接続されていることを示す接続確認信号も出力される。また、賞球REQ信号および賞球個数信号は、払出数を指定する払出指令信号に相当する。
また、払出制御基板37には、電源基板910から、電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号、およびRAMの内容をクリアするためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号とが、I/Oポート372gに入力される。クリア信号は、I/Oポート372gを介して払出制御用マイクロコンピュータ370に入力されるとともに、出力回路373Bを介して主基板31に出力される。そして、クリア信号は、主基板31において、入力回路68およびI/Oポート57を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。
電源断信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370に入力される。遊技制御用マイクロコンピュータ560へ入力される前述の電源断信号は、電源基板910から払出制御用マイクロコンピュータ370へ電源断信号が入力されたことに基づいて、払出制御用マイクロコンピュータ370での制御用のプログムの実行に伴って作成されて、出力ポート372hから出力される。つまり、この実施の形態の場合においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560へ出力される電源断信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370での制御用のプログムの実行に伴って作成されるソフトウェア的な作成方法によって作成されて出力される。出力ポート372hから出力された電源断信号は、出力回路373Bを介して、主基板31に出力される。そして、主基板31において、入力回路68およびI/Oポート57を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。このように払出制御用マイクロコンピュータ370で作成される電源断信号は、電源基板910から払出制御用マイクロコンピュータ370に入力される電源断信号と同様に信号レベルが変化する信号である。
また、払出制御用マイクロコンピュータ370には、電源基板910からのリセット信号がリセット端子375を介して入力される。このリセット信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370(払出制御用CPU371)の払出制御動作を許容する信号と、払出制御用マイクロコンピュータ370(払出制御用CPU371)の払出制御動作を禁止する信号とに兼用される信号である。払出制御動作を許容する信号は、ローレベル状態からハイレベル状態への立上りエッジの部分が払出制御動作を開始させる起動信号としての性質を有する。また、払出制御動作を禁止する信号は、ハイレベル状態からローレベル状態への立下がりエッジの部分が払出制御動作を停止させる停止信号としての性質を有する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560へ入力される前述のリセット信号は、電源基板910から払出制御用マイクロコンピュータ370へリセット信号が入力されたことに基づいて、払出制御用マイクロコンピュータ370での制御用のプログムの実行に伴って作成されて、出力ポート372hから出力される。つまり、この実施の形態の場合においては、遊技制御用マイクロコンピュータ560へ出力されるリセット信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370での制御用のプログムの実行に伴って作成されるソフトウェア的な作成方法によって作成されて出力される。出力ポート372hから出力されたリセット信号は、出力回路373Bを介して、主基板31に出力される。そして、主基板31において、入力回路68およびI/Oポート57を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。
このように払出制御用マイクロコンピュータ370で作成されるリセット信号は、電源基板910から払出制御用マイクロコンピュータ370に入力されるリセット信号と同様に信号レベルが変化する信号であり、電源基板910から払出制御用マイクロコンピュータ370に入力されるリセット信号よりも遅延して遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力されることとなる。
払出制御用マイクロコンピュータ370は、出力ポート372bを介して、賞球払出数を示す賞球情報信号および貸し球数を示す球貸し個数信号をターミナル基板(枠用外部端子基板と盤用外部端子基板とを含む)160に出力する。なお、出力ポート372bの外側に、ドライバ回路が設置されているが、図6では記載省略されている。
また、払出制御用マイクロコンピュータ370は、出力ポート372cを介して、7セグメントLEDによるエラー表示用LED374にエラー信号を出力する。さらに、出力ポート372bを介して、点灯/消灯を指示するための信号を賞球LED51および球切れLED52に出力する。なお、払出制御基板37の入力ポート372fには、エラー状態を解除するためのエラー解除スイッチ375からの検出信号が入力される。エラー解除スイッチ375は、ソフトウェアリセットによってエラー状態を解除するために用いられる。
さらに、払出制御用マイクロコンピュータ370からの払出モータ289への駆動信号は、出力ポート372aおよび中継基板72を介して球払出装置97の払出機構部分における払出モータ289に伝えられる。なお、出力ポート372aの外側に、ドライバ回路(モータ駆動回路)が設置されているが、図6では記載省略されている。
カードユニット50には、プリペイドカードの処理に関する制御および貸し球の貸与に関する制御等の各種制御を行なうためのカードユニット制御用マイクロコンピュータが搭載されている。また、カードユニット50には、前述のように、使用可表示ランプ、連結台方向表示器、カード投入表示ランプおよびカード挿入口が設けられている。インタフェース基板(中継基板)66には、打球供給皿3の近傍に設けられている度数表示LED60、球貸し可LED61、球貸しスイッチ62および返却スイッチ63が接続される。
インタフェース基板66からカードユニット50には、遊技者の操作に応じて、球貸しスイッチ62が操作されたことを示す球貸しスイッチ信号および返却スイッチ63が操作されたことを示す返却スイッチ信号が与えられる。また、カードユニット50からインタフェース基板66には、プリペイドカードの残高を示すカード残高表示信号および球貸し可表示信号が与えられる。カードユニット50と払出制御基板37の間では、接続信号(VL信号)、ユニット操作信号(BRDY信号)、球貸し要求信号(BRQ信号)、球貸し完了信号(EXS信号)およびパチンコ機動作信号(PRDY信号)が入力ポート372fおよび出力ポート372dを介して送受信される。カードユニット50と払出制御基板37の間には、インタフェース基板66が介在している。よって、接続信号(VL信号)等の信号は、図6に示すように、インタフェース基板66を介してカードユニット50と払出制御基板37の間で送受信されることになる。
また、VL信号は、発射基板91において、打球発射装置90による遊技球の発射について、発射を許可する発射許可状態と、打球発射装置90による遊技球の発射を禁止する発射禁止状態とのいずれかの状態を選択するために用いられる。このため、払出制御基板37上では、VL信号の信号経路の配線が、入力ポート372fを介して払出制御マイクロコンピュータ370へ伝達する第1信号経路L1と、出力ポート372iを介して発射基板91へ出力する第2信号経路L2とに分岐して形成されている。つまり、払出制御基板37上には、VL信号の信号経路を第1信号経路L1と第2信号経路L2とに分岐する分岐手段としての配線が設けられている。これにより、VL信号は、カードユニット50から払出制御基板37に伝達されるとともに、払出制御基板37を介して発射基板91へ伝達されることとなる。
パチンコ遊技機1の電源が投入されると、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370は、カードユニット50にPRDY信号を出力する。また、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、電源が投入されると、VL信号を出力する。払出制御用マイクロコンピュータ370は、VL信号の入力状態によってカードユニット50の接続状態/未接続状態を判定する。カードユニット50においてカードが受付けられ、球貸しスイッチが操作され球貸しスイッチ信号が入力されると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板37にBRDY信号を出力する。この時点から所定の遅延時間が経過すると、カードユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基板37にBRQ信号を出力する。
そして、払出制御用マイクロコンピュータ370は、カードユニット50に対するEXS信号を立ち上げ、カードユニット50からのBRQ信号の立ち下がりを検出すると、払出モータ289を駆動し、所定個の貸し球を遊技者に払出す。そして、払出が完了したら、払出制御用マイクロコンピュータ370は、カードユニット50に対するEXS信号を立ち下げる。その後、カードユニット50からのBRDY信号がオン状態でないことを条件に、遊技制御手段から払出指令信号を受けると賞球払出制御を実行する。
カードユニット50で用いられる電源電圧AC24Vは払出制御基板37から供給される。すなわち、カードユニット50に対する電源基板910からの電力供給は、払出制御基板37およびインタフェース基板66を介して行なわれる。この例では、インタフェース基板66内に配されているカードユニット50に対するAC24Vの電源供給ラインに、カードユニット50を保護するためのヒューズが設けられ、カードユニット50に所定電圧以上の電圧が供給されることが防止される。
なお、この実施の形態で用いられている払出制御用マイクロコンピュータ370は、マスク不能割込(NMI)を発生させるために使用されるマスク不能割込端子(NMI端子)と、マスク可能割込を発生させるために使用される割込端子(INT端子)とを有する。しかし、この実施の形態では、マスク不能割込および外部割込を使用しない。そこで、NMI端子およびINT端子を、抵抗を介してVcc(+5V)にプルアップしておく。
発射基板91においては、発射モータ94を駆動するための駆動信号を出力する発射モータ駆動回路95が搭載されている。発射モータ駆動回路95には、タッチセンサ92からの検出信号と、カードユニット50から払出制御基板37を介して出力されるVL信号とが入力される。そして、発射モータ駆動回路95は、これらの入力信号に基づいて、遊技者が操作ノブ5の操作に応じて遊技球を弾発発射するための駆動信号を発射モータ94に出力する。基本的に、発射モータ駆動回路95は、タッチセンサ92からの信号がオフ状態を示している場合には発射モータ94の駆動を停止する。
また、この実施の形態では、カードユニット50が遊技機とは別体として遊技機に隣接して設置されている場合を例にするが、カードユニット50は遊技機と一体化されていてもよい。また、コイン投入に応じてその金額に応じた遊技球が貸し出されるものであってもよい。
図7は、図6に示した発射モータ駆動回路95の回路構成を示すブロック図である。発射モータ駆動回路95は、駆動信号発生回路951と、AND回路952とを含む。駆動信号発生回路951は、タッチセンサ92からのタッチセンサ検出信号が入力され、入力された信号に応じて発射モータ94を駆動する駆動信号を発生させる回路である。駆動信号発生回路951は、操作ノブ5が操作されたことに応じてタッチセンサ検出信号がオン状態を示しているときには駆動信号を発生させ、タッチセンサ検出信号がオフ状態を示しているときには駆動信号の発生を停止させる。AND回路952は、VL信号に基づいて前述の発射許可状態と発射禁止状態とのいずれかの状態となる論理積回路である。つまり、AND回路952は、VL信号がオン状態であるときに、駆動信号発生回路951から入力される駆動信号を出力可能な発射許可状態となる。一方、AND回路952は、VL信号がオフ状態であるときに、駆動信号発生回路951から入力される駆動信号を出力不可能な発射禁止状態となる。
図8は、演出制御基板80、ランプ制御基板35および音声制御基板70の回路構成例を示すブロック図である。演出制御基板80において、演出制御用マイクロコンピュータ(電気部品制御用マイクロコンピュータの一例)100における演出制御用CPU101は、ROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板77を介して主基板31から送信される取込信号(演出制御INT信号)に応じて、中継基板77、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、LCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行なわせる。VDP109は、GCL(グラフィックコントローラLSI)と呼ばれることもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号(演出制御コマンドを構成する演出制御信号と演出制御INT信号)を演出制御基板80に向かう方向にしか信号を通過させない(演出制御基板80から主基板31への方向には信号を通過させない)信号入力阻止手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路74として、たとえばダイオードやトランジスタが使用される。図8には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路74は、中継基板77を通過する信号線それぞれに設けられる。演出制御基板80からの信号、演出制御基板80に入力される信号(操作スイッチ81の操作に応じた操作信号およびハンマ151の位置を検出するためのセンサ154,155の検出信号)、および演出制御基板80に接続されるランプ制御基板35および音声制御基板70(主基板31に接続されない基板を周辺基板ともいう。)からの信号は、中継基板77の存在によって、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560に伝達されない。したがって、遊技制御用マイクロコンピュータ560に対する外部からの信号入力経路が限定され、遊技制御用マイクロコンピュータ560に対して不正信号を送り込む不正行為がなされる可能性を低減できる。また、さらに、中継基板77を、その裏面が視認可能となる態様で取り付けた場合、中継基板77の裏面を容易に視認することができるため、中継基板77から遊技制御用マイクロコンピュータ560へ不正に信号を入力させるようにする不正行為が行なわれたことを容易に発見することができる。
なお、本実施の形態においては、単方向性回路74を中継基板77に設けた例について説明したが、これに限らず、単方向性回路74は、主基板31に設けてもよく、また演出制御基板80に設けてもよい。すなわち、単方向性回路74は、遊技制御用マイクロコンピュータ560に対して不正信号が入力されることを防止できる場所に設けられている構成であればよい。
演出制御用マイクロコンピュータ100には、入力ポート106を介して、遊技者によって操作される操作スイッチ81からの操作信号、およびセンサ154,155からの検出信号が入力される。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、出力ポート107を介して、ハンマ151を駆動するモータ150に駆動信号を与える。
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入出力ポート104を介して音声制御基板70に対して音声制御コマンドを出力する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、入出力ポート105を介してランプ制御基板35に対してランプ制御コマンドを出力する。
ランプ制御基板35において、CPU、ROMおよびRAMを含むランプ制御用マイクロコンピュータ351は、ランプ制御コマンドに応じたROMに格納されている制御データに基づいて普通図柄表示器10およびランプ・LED等を制御する。そして、ランプ制御基板35に搭載されている出力ポート352、ランプドライバ354およびLED駆動回路355を介して、ランプ・LEDが駆動される。なお、ランプ制御コマンドを入力する入力ポートは、ランプ制御用マイクロコンピュータ351に内蔵されている。
また、音声制御基板70において、CPU、ROMおよびRAMを含む音声制御用マイクロコンピュータ701は、音声制御コマンドに応じたROMに格納されている制御データを音声データROM704からから音声合成用IC703に出力させる。音声合成用IC703は、制御データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。
音声データROM704に格納されている音声制御コマンドに応じた制御データは、所定期間(たとえば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。音声合成用IC703は、制御データを入力すると、音声データROM704内の対応するデータにしたがって音出力制御を行なう。対応するデータに従った音出力制御は、次の音声制御コマンドが音声制御用マイクロコンピュータ701に入力されるまで継続される。そして、音声合成用IC703は、次の音声制御コマンドが入力されると、新たに入力した音番号データに対応した音声データROM704内のデータにしたがって音出力制御を行なう。
なお、ランプ制御コマンドおよび音声制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100とランプ制御用マイクロコンピュータ351および音声制御用マイクロコンピュータ701との間で、双方向通信(コマンド受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
また、図9を用いて後述するように、電源監視回路920からのリセット信号は、ランプ制御基板35に搭載されたランプ制御用マイクロコンピュータ351に入力される。また、電源監視回路920からのリセット信号は、ランプ制御基板35を経由し、さらに演出制御基板80に搭載された入出力ポート104を介して、演出制御用マイクロコンピュータ100に入力される。同様に、電源監視回路920からのリセット信号は、ランプ制御基板35を経由し、音声制御用マイクロコンピュータ701に入力される。
次に、電源基板910の構成を図9のブロック図を参照して説明する。図9は、電源基板910の構成例を示すブロック図である。電源基板910には、パチンコ遊技機1内の各電気部品制御基板や機構部品への電力供給を実行または遮断するための電源スイッチ914が設けられている。なお、電源スイッチ914は、パチンコ遊技機1において、電源基板910の外に設けられていてもよい。電源スイッチ914が閉状態(オン状態)では、交流電源(AC24V)がトランス911の入力側(一次側)に印加される。トランス911は、交流電源(AC24V)と電源基板910の内部とを電気的に絶縁するためのものであるが、その出力電圧もAC24Vである。また、トランス911の入力側には、過電圧保護回路としてのバリスタ918が設置されている。
電源基板910は、電気部品制御基板(主基板31、払出制御基板37および演出制御基板80等)と独立して設置され、パチンコ遊技機1内の各基板および機構部品が使用する電圧を生成する。この例では、AC24V、VSL(DC+30V)、VLP(DC+24V)、VDD(DC+12V)およびVCC(DC+5V)を生成する。また、バックアップ電源(VBB)すなわちバックアップRAMに記憶内容を保持させるための記憶保持手段となるコンデンサ916は、DC+5V(VCC)すなわち各基板上のIC等を駆動する電源のラインから充電される。また、+5Vラインとバックアップ+5V(VBB)ラインとの間に、逆流防止用のダイオード917が挿入される。なお、VSLは、整流平滑回路915において、整流素子でAC24Vを整流昇圧することによって生成される。VSLは、ソレノイド駆動電源となる。また、VLPは、ランプ点灯用の電圧であって、整流回路912において、整流素子でAC24Vを整流することによって生成される。
電源電圧生成手段としてのDC−DCコンバータ913は、1つまたは複数のレギュレータIC(図9では2つのレギュレータIC924A,924Bを示す)を有し、VSLに基づいてVDDおよびVCCを生成する。レギュレータIC(スイッチングレギュレータ)924A,924Bの入力側には、比較的大容量のコンデンサ923A,923Bが接続されている。したがって、外部からのパチンコ遊技機1に対する電力供給が停止したときに、VSL、VDD、VCC等の直流電圧は、比較的緩やかに低下する。
図9に示すように、トランス911から出力されたAC24Vは、そのままコネクタ922Bに供給される。また、VLPは、コネクタ922Cに供給される。VCC、VDDおよびVSLは、コネクタ922A,922B,922Cに供給される。
コネクタ922Aに接続されるケーブルは、主基板31に接続される。また、コネクタ922Bに接続されるケーブルは、払出制御基板37に接続される。したがって、コネクタ922A,922Bには、VBBも供給されている。たとえば、コネクタ922Cに接続されるケーブルは、ランプ制御基板35に接続される。なお、演出制御基板80および音声制御基板70には、ランプ制御基板35を経由して各電圧が供給される。
また、電源基板910には、押しボタン構造のクリアスイッチ921が搭載されている。クリアスイッチ921が押下されるとハイレベル(オン状態)のクリア信号が出力され、コネクタ922Bを介して払出制御基板37に送信される。また、クリアスイッチ921が押下されていなければローレベル(オフ状態)の信号が出力される。なお、クリアスイッチ921は、押しボタン構造以外の他の構成であってもよい。また、クリアスイッチ921は、パチンコ遊技機1において、電源基板910以外に設けられていてもよい。
さらに、電源基板910には、電気部品制御基板に搭載されているマイクロコンピュータに対するリセット信号を作成するとともに、電源断信号を出力する電源監視回路920と、電源監視回路920からのリセット信号を増幅してコネクタ922B,922Cに出力するとともに、電源断信号を増幅してコネクタ922Bに出力する出力ドライバ回路925が搭載されている。なお、本実施の形態においては、ランプ制御基板35を経由したリセット信号が、演出制御用マイクロコンピュータ100および音制御用マイクロコンピュータ701に入力される。しかし、演出制御用マイクロコンピュータ100および音制御用マイクロコンピュータ701へのリセット信号の入力パターンとしてはこれに限るものではない。たとえば、払出制御基板37を経由したリセット信号が入力される入力パターンであってもよい。
電源監視回路920は、パチンコ遊技機1に供給される電源電圧を監視し、監視している電圧が所定の電圧値に低下したことを検出する電源監視手段としての機能と、電源監視手段が所定の電圧値への電圧の低下を検出したことを条件に電圧低下信号(電源断信号)を出力する電圧低下信号出力手段としての機能と、電源電圧が電源監視手段の監視する電圧値よりも低い特定の電圧値に低下したときに停止信号を出力する(リセット信号をローレベルにする)停止信号出力手段としての機能と、パチンコ遊技機1への電力供給が開始したときに、払出制御用マイクロコンピュータ370に対して払出制御処理の開始を指示するための起動信号を出力する(たとえば、リセット信号をハイレベルにする)起動信号出力手段としての機能とを実現する回路である。なお、電源監視手段と電圧低下信号出力手段とは、別々の回路により構成してもよい。また、電源監視手段および電圧低下信号出力手段のそれぞれと、停止信号出力手段とは別々の回路により構成してもよい。また、電圧低下信号出力手段と起動信号出力手段とは、別々の回路により構成してもよい。また、起動信号出力手段と停止信号出力手段とは別々の回路により構成してもよい。また、停止信号出力手段は、電源電圧を監視し、監視している電圧が特定の電圧値に低下したことを検出する監視手段と、該監視手段が特定の電圧値への電圧の低下を検出したことを条件に停止信号を出力する停止信号出力手段とに分けて構成してもよい。
電源監視回路920としては、市販の停電監視リセットモジュールICを使用することができる。電源監視回路920は、パチンコ遊技機1において用いられる所定電圧(たとえば+24V)が所定の電圧値(たとえば+5V)以下になった期間が、予め決められている時間(たとえば56ms)以上継続すると電源断信号を出力する。具体的には、電源断信号をオン状態(ローレベル)にする。また、電源監視回路920は、たとえば、VCCが特定の電圧値(たとえば+4.5V)以下になると、リセット信号をローレベルにする。
なお、電源監視回路920としては、電圧が所定値以下になった期間が所定時間以上継続したか否かを判断することにより、電圧が所定値以下になったか否かを判断するものに限らず、たとえば、ダイオード回路から構成される一般的な全波整流回路を用いて得られるパルスを検出することにより、電圧が所定値以下になったか否かを判断するようにしてもよい。たとえば、全波整流回路により交流波を全波整流して得られるパルスのうち、振幅が所定値以上のパルスをカウントするものであって、所定期間カウントされなかったときに電圧が所定値以下となったと判断するものであってもよい。
電源監視回路920は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止する際には、電源断信号を出力(ローレベルにする)してから所定期間が経過したことを条件にリセット信号をローレベルにする。所定期間は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370が、後述する電源断処理を実行するのに十分な時間である。すなわち、電源監視回路920は、電圧低下信号としての電源断信号を出力した後、遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータ370が、電源断処理を実行完了した後に、動作停止信号(リセット信号のローレベル)を出力する。また、パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始され、VCCがたとえば+4.5Vを越えるとリセット信号をハイレベルにするのであるが、その場合に、電源断信号が出力されなくなってから(ハイレベルにしてから)所定期間が経過したことを条件にリセット信号をハイレベルにする。したがって、リセット信号がハイレベルになったことに応じて各電気部品制御基板(主基板31を含む)に搭載されているマイクロコンピュータがプログラムにしたがって制御を開始するときに、電源断信号は必ずオフ状態になっている。このように、リセット信号は、電源断信号よりも後に出力される。また、リセット信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータ370の駆動電圧値が動作可能電圧値以下に落ちる前に出力されればよい。リセット信号をハイレベルにする特定の電圧(たとえば、前述の+4.5Vを越えた電圧値)は、遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータ370の駆動電圧値が動作可能電圧値以下に落ちる前の電圧値であればどのような電圧値を採用してもよい。
電源監視回路920からの電源断信号は、払出制御基板37において、入力ポート372gを介して払出制御用マイクロコンピュータ370に入力される(図6参照)。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ370は、入力ポート372gの入力信号を監視することによってパチンコ遊技機1への電力供給の停止の発生を確認することができる。また、主基板31において、電源監視回路920からの電源断信号は、払出制御基板37に搭載されている出力回路373B、および主基板31に搭載されている入力回路68・入力ポート57を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入力ポート57の入力信号を監視することによってパチンコ遊技機1への電力供給の停止の発生を確認することができる。
一方、電源監視回路920からのリセット信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370のリセット端子375に入力される(図6参照)。したがって、払出制御用マイクロコンピュータ370は、リセット端子375の入力状態を監視することによって、払出制御動作を実行状態とするタイミングおよび払出制御動作を停止状態とするタイミングを確認することができる。
なお、電源監視回路920からのリセット信号の入力に応じて払出制御基板37から出力されるリセット信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370から出力ポート372hおよび出力回路373Bを経由した後、主基板31に搭載された入力回路68・入力ポート57を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。したがって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入力ポート57の入力信号を監視することによって、遊技制御動作の実行状態とするタイミングおよび遊技制御動作の停止状態とするタイミングを確認することができる。
なお、この実施の形態では、電源監視回路920が所定電位の電源の出力を監視し、外部からパチンコ遊技機1に供給される電力の供給停止に関わる検出条件として、パチンコ遊技機1の外部からの電圧(この実施の形態ではAC24V)から作成された所定の直流電圧が所定値以下になったことを用いたが、検出条件は、それに限られず、外部からの電力が途絶えたことを検出できるのであれば、他の条件を用いてもよい。たとえば、交流波そのものを監視して交流波が途絶えたことを検出条件としてもよいし、交流波をディジタル化した信号を監視して、ディジタル信号が平坦になったことをもって交流波が途絶えたことを検出条件としてもよい。
図10は、インタフェース基板66と払出制御基板37とにおける信号の伝送路の構成を示す回路図である。
インタフェース基板66において、カードユニット50からのVL信号、BRDY信号、および、BRQ信号は、入出力端子661から入力され、入出力端子662から払出制御基板37へ出力される。そして、払出制御基板37において、VL信号、BRDY信号、および、BRQ信号は、入出力端子370aから入力されI/Oポート372fを介して払出制御用マイクロコンピュータ370へ伝送される。これら信号のうち、VL信号については、第2信号経路L2からI/Oポート372iを介して発射基板91へ出力される。
また、払出制御基板37において、EXS信号およびPRDY信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370からI/Oポート372dおよび入出力端子370aを介してインタフェース基板66へ出力される。そして、インタフェース基板66において、カードユニット50からのEXS信号およびPRDY信号は、入出力端子662から入力され、入出力端子661からカードユニット50へ出力される。
VL信号、BRDY信号、BRQ信号、EXS信号、および、PRDY信号のそれぞれの伝送路には、フォトカプラPC1,PC2,PC3,PC4,PC5が設けられている。フォトカプラPC1,PC2,PC3,PC4,PC5は、電気信号を一旦光に変換した後再度電気信号に変換する光電変換素子である。つまり、これらの信号のそれぞれは、フォトカプラを介してカードユニット50と払出制御基板37との間を伝送される。BRDY信号、BRQ信号、EXS信号、および、PRDY信号のそれぞれに対応するフォトカプラPC2,PC3,PC4,PC5は、インタフェース基板66上に設けられている(搭載されている)。一方、VL信号に対応するフォトカプラPC1は、払出制御基板37上に設けられている(搭載されている)。VL信号の伝送路については、単なる信号線としての機能を有する他の信号の伝送路と比べて、電源線(他の信号の伝送路のフォトカプラの電源としても使用される)としての機能を有するため、電源を安定化させる必要があり、フォトカプラPC1に加えて電源安定化用のコンデンサC1が払出制御基板37上に設けられている。具体的に、コンデンサC1は、フォトカプラPC1の入力側(発光側)の信号の伝送路上、言い換えると、インタフェース基板66とフォトカプラPC1との間に設けられている。VL信号の伝送路は、フォトカプラPC1の出力側(受光側)で、第1信号経路L1と第2信号経路L2とに分岐している。つまり、払出制御基板37上には、フォトカプラPC1の出力側において、VL信号の信号経路を第1信号経路L1と第2信号経路L2とに分岐する分岐手段としての配線が設けられている。
このように、フォトカプラPC1,PC2,PC3,PC4,PC5を介して信号が伝送されることにより、カードユニット50と払出制御基板37とのいずれか一方が故障したとき等に、異常なレベルの信号が伝送されないようにすることができる。
また、VL信号の伝送路については、前述のフォトカプラPC1およびコンデンサC1がインタフェース基板66上ではなく、払出制御基板37上に設けられており、インタフェース基板66上には、フォトカプラPC2〜PC5が設けられているが、コンデンサC1が搭載されていない。また、インタフェース基板66上には、コンデンサが一切搭載されていない。一般的に、コンデンサは、各種の不正行為が行なわれるときに不正な電子部品として正規の基板上または不正な基板上に設けられることが多い。これに対し、本実施の形態の場合には、インタフェース基板66上にコンデンサが一切搭載されていないので、インタフェース基板66上への不正な電子部品の取付け、および、インタフェース基板66を不正な基板と交換することのような不正行為が行なわれたときに、基板上にコンデンサがあるか否かを視認することにより、不正行為が行なわれたか否かを容易に判断することができるようになる。
図11および図12は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における出力ポートの割り当ての例を示す説明図である。図11に示すように、出力ポート0は払出制御基板37に送信される払出制御信号の出力ポートである。また、演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの8ビットのデータ(演出制御信号)は出力ポート1から出力される。なお、図11および図12に示された「論理」(たとえば1がオン状態)と逆の論理(たとえば0がオン状態)を用いてもよいが、特に、接続確認信号については、主基板31と払出制御基板37との間の信号線において断線が生じた場合やケーブル外れの場合(ケーブル未接続を含む)等に、払出制御用マイクロコンピュータ370では必ずオフ状態と検知されるように「論理」が定められる。具体的には、一般に、断線やケーブル外れが生ずると信号の受信側ではハイレベルが検知されるので、主基板31と払出制御基板37との間の信号線でのハイレベルが、遊技制御用マイクロコンピュータ560における出力ポートにおいてオフ状態になるように「論理」が定められる。したがって、必要であれば、主基板31において出力ポートの外側に、信号を論理反転させる出力バッファ回路が設置される。
また、出力ポート2から、大入賞口を開閉する可変入賞球装置20を開閉するためのソレノイド(大入賞口扉ソレノイド)21、大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド(大入賞口内誘導板ソレノイド)21Aおよび可変入賞球装置15を開閉するためのソレノイド(普通電動役物ソレノイド)16に対する駆動信号が出力される。さらに、演出制御基板80に送信される演出制御コマンドについての演出制御INT信号(取込信号)も出力される。演出制御INT信号は、演出制御コマンドの8ビットのデータを取り込む(受信する)ことを演出制御手段に指令するための信号である。
そして、出力ポート3,4から、情報出力回路64を介して情報端子板34やターミナル基板160に至る各種情報出力用信号すなわち制御に関わる情報の出力データが出力される。
図13は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図13に示すように、入力ポート0のビット0〜7には、それぞれ、Vカウントスイッチ22、カウントスイッチ23、ゲートスイッチ32a、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30a、始動口スイッチ14aの検出信号が入力される。また、入力ポート1のビット0〜2には、それぞれ、払出制御基板37からの電源断信号、払出制御基板37からのクリアスイッチ921の検出信号(クリア信号)、払出制御基板37からのリセット信号が入力される。
次にパチンコ遊技機1の動作について説明する。図14および図15は、パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始され遊技制御用マイクロコンピュータ560へのリセット信号がハイレベルになったことに応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。払出制御基板37からのリセット信号の入力レベルがハイレベル(オフ状態)になったとき、つまり、前述の起動信号が遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力されたときに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、プログラムの内容が正当か否かを確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、必要な初期設定を行なう。なお、払出制御基板37からのリセット信号の入力レベルがハイレベル(オフ状態)になるタイミングについては、図33のステップS716および図37等を用いて後述する。
初期設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの設定(初期化)を行なう(ステップS4)。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の設定(初期化)(ステップS5)を行なった後、RAM55をアクセス可能状態に設定する(ステップS6)。
この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータ560は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回路(CTC)も内蔵している。また、CTCは、2本の外部クロック/タイマトリガ入力CLK/TRG2,3と2本のタイマ出力ZC/TO0,1を備えている。
この実施の形態で用いられている遊技制御用マイクロコンピュータ560には、マスク可能な割込のモードとして以下の3種類のモードが用意されている。なお、マスク可能な割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、自動的に割込禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
割込モード0:割込要求を行なった内蔵デバイスがRST命令(1バイト)またはCALL命令(3バイト)を遊技制御用マイクロコンピュータ560の内部データバス上に送出する。よって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、RST命令に対応したアドレスまたはCALL命令で指定されるアドレスの命令を実行する。リセット時に、遊技制御用マイクロコンピュータ560は自動的に割込モード0になる。よって、割込モード1または割込モード2に設定したい場合には、初期設定処理において、割込モード1または割込モード2に設定するための処理を行なう必要がある。
割込モード1:割込が受付けられると、常に0038(h)番地に飛ぶモードである。
割込モード2:遊技制御用マイクロコンピュータ560の特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。すなわち、割込番地は、上位アドレスが特定レジスタの値とされ下位アドレスが割込ベクタとされた2バイトで示されるアドレスである。したがって、任意の(飛び飛びではあるが)偶数番地に割込処理を設置することができる。各内蔵デバイスは割込要求を行なうときに割込ベクタを送出する機能を有している。
よって、割込モード2に設定されると、各内蔵デバイスからの割込要求を容易に処理することが可能になり、また、プログラムにおける任意の位置に割込処理を設置することが可能になる。さらに、割込モード1とは異なり、割込発生要因毎のそれぞれの割込処理を用意しておくことも容易である。上述したように、この実施の形態では、初期設定処理のステップS2において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は割込モード2に設定される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入力ポート1を介して入力されるクリアスイッチ921の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認においてオンを検出した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜ステップS15)。クリアスイッチ921がオンである場合(押下されている場合)には、ハイレベルのクリア信号が出力されている。なお、入力ポート1では、クリア信号のオン状態はハイレベルである。また、たとえば、遊技店員は、クリアスイッチ921をオン状態にしながらパチンコ遊技機1に対する電力供給を開始する(たとえば電源スイッチ914をオンする)ことによって、容易に初期化処理を実行させることができる。すなわち、RAMクリア等を行なうことができる。
クリアスイッチ921がオンの状態でない場合には、パチンコ遊技機1への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行なわれている。そのような保護処理が行なわれていたことを確認した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560はバックアップありと判定する。そのような保護処理が行なわれていないことを確認した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は初期化処理を実行する。
保護処理が行なわれていたか否かは、後述する電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、バックアップRAM領域のデータ保護処理を実行したことに応じた値(たとえば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域にデータ保護処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS8において、そのフラグがセットされていることを確認したらバックアップありと判定してもよい。
バックアップありと判定したら、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行なう(ステップS9)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象となるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムとする。
電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS9では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理(ステップS10〜S14の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、その内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行なう。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、たとえば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS93)、その内容にしたがって演出制御基板80に、電力供給が復旧した旨を示す制御コマンド(復旧コマンド)が送信されるように制御する(ステップS94)。そして、ステップS15に移行する。
初期化処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、RAMクリア処理を行なう(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(たとえば大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。たとえば、大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータをそのままにした場合には、不正な手段によって初期化処理が実行される状態になったとしても、大当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値が大当り判定値に一致するタイミングを狙うことは困難である。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、たとえば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行なうためのフラグに初期値が設定される。また、出力ポートバッファにおける接続確認信号を出力する出力ポートに対応するビットがセット(接続確認信号のオン状態に対応)される。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容にしたがってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、ステップS15において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値としてたとえば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割込禁止状態にして(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態にする(ステップS19)。なお、表示用乱数とは、可変表示装置9に表示される図柄を決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り決定用乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、パチンコ遊技機1に設けられている可変表示装置9、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう。)における判定用乱数更新処理において、大当り決定用乱数発生カウンタの値が1ずつ加算されるが、大当り決定用乱数発生カウンタの値が1周(大当り決定用乱数発生カウンタの取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が実行されるときに割込禁止状態にされるのは、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タイマ割込処理における処理と競合してしまうのを避けるためである。すなわち、ステップS17,S18の処理中にタイマ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数や初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新してしまったのでは、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。しかし、ステップS17,S18の処理中では割込禁止状態にしておけば、そのような不都合が生ずることはない。
次に、遊技制御処理について説明する。図16は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS16〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、タイマ割込の発生に応じて起動されるタイマ割込処理において遊技制御処理を実行する。タイマ割込処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断処理(電源断検出処理)を実行する(ステップS21)。次いで、スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:ステップS22)。具体的には、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がオン状態であれば、各スイッチに対応して設けられているスイッチタイマの値を+1する。
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(ステップS23)。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(ステップS24,S25)。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄プロセス処理を行なう(ステップS26)。特別図柄プロセス制御では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、普通図柄プロセス処理を行なう(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の変動に同期する飾り図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行なう(特別図柄コマンド制御処理:ステップS28)。また、普通図柄に関する演出制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して演出制御コマンドを送出する処理を行なう(普通図柄コマンド制御処理:ステップS29)。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行なう(ステップS30)。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等の検出信号に基づく賞球個数の設定などを行なう賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39a等がオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す賞球個数信号等の払出指令信号を出力する。払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球個数を示す賞球個数信号の受信に応じて球払出装置97を駆動する。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS32)。また、パチンコ遊技機1の制御状態をパチンコ遊技機1外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS33)。また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、出力ポート3のRAM領域におけるソレノイドに関する内容(図11参照)を出力ポートに出力する(ステップS34:ソレノイド出力処理)。その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は定期的(たとえば2ms毎)に起動されることになる。なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理ではたとえば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。また、ステップS1〜S34の処理が、遊技の進行を制御する遊技制御処理に相当する。
図17および図18は、ステップS21の電源断処理の一例を示すフローチャートである。電源断処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、電源断信号が出力されているか否か(オン状態になっているか否か)確認する(ステップS450)。オン状態でなければ、RAM55に形成されているバックアップ監視タイマの値を0クリアする(ステップS451)。オン状態であれば、バックアップ監視タイマの値を1増やす(ステップS452)。そして、バックアップ監視タイマの値が判定値(たとえば2)と一致すれば(ステップS453)、ステップS454以降の電力供給停止時処理すなわち電力の供給停止のための準備処理を実行する。つまり、遊技の進行を制御する状態から遊技状態を保存させるための電力供給停止時処理(電源断時制御処理)を実行する状態に移行する。なお、「RAMに形成されている」とは、RAM内の領域であることを意味する。
バックアップ監視タイマと判定値とを用いることによって、判定値に相当する時間だけ電源断信号のオン状態が継続したら、電力供給停止時処理が開始される。すなわち、ノイズ等で一瞬電源断信号のオン状態が発生しても、誤って電力供給停止時処理が開始されるようなことはない。なお、バックアップ監視タイマの値は、パチンコ遊技機1への電力供給が停止しても、所定期間はバックアップ電源によって保存される。したがって、メイン処理におけるステップS8では、バックアップ監視タイマの値が判定値と同じ値になっていることによって、電力供給停止時処理の処理結果が保存されていることを確認できる。
電力供給停止時処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、パリティデータを作成する(ステップS454〜S463)。すなわち、まず、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし(ステップS454)、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の先頭アドレスに相当するチェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする(ステップS455)。また、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の最終アドレスに相当するチェックサム算出回数をセットする(ステップS456)。
次いで、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する(ステップS457)。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに(ステップS458)、ポインタの値を1増やし(ステップS459)、チェックサム算出回数の値を1減算する(ステップS460)。そして、ステップS457〜S460の処理を、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返す(ステップS461)。
チェックサム算出回数の値が0になったら、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転する(ステップS462)。そして、反転後のデータをチェックサムデータエリアにストアする(ステップS463)。このデータが、電源投入時にチェックされるパリティデータとなる。次いで、RAMアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定する(ステップS471)。以後、内蔵RAM55のアクセスができなくなる。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ROM54に格納されているポートクリア設定テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS472)。ポートクリア設定テーブルにおいて、先頭アドレスには処理数(クリアすべき出力ポートの数)が設定され、次いで、出力ポートのアドレスおよび出力値データ(クリアデータ:出力ポートの各ビットのオフ状態の値)が、処理数分の出力ポートについて順次設定されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち処理数)をロードする(ステップS473)。また、ポインタの値を1増やし(ステップS474)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力ポートのアドレス)をロードする(ステップS475)。さらに、ポインタの値を1増やし(ステップS476)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力値データ)をロードする(ステップS477)。そして、出力値データを出力ポートに出力する(ステップS478)。その後、処理数を1減らし(ステップS479)、処理数が0でなければステップS474に戻る。処理数が0であれば、すなわち、クリアすべき出力ポートを全てクリアしたら、タイマ割込を停止し(ステップS481)、ループ処理に入る。
ループ処理では、電源断信号がオフ状態になったか否かを監視する(ステップS482)。電源断信号がオフ状態になった場合には復帰アドレスとして、電源投入時実行アドレス(ステップS1のアドレス)を設定してリターン命令を実行し(ステップS483)、RETI(Return from interrupt)によりタイマ割込処理を終了し、メイン処理に戻る。具体的には、パチンコ遊技機1に設けられている遊技用の装置を制御(自身で制御することと、他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信することの双方を含む概念)する状態に戻る。
また、ループ処理では、リセット信号がローレベルのオン状態となったか否かを監視する(ステップS484)。リセット信号がオン状態になった場合、すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560によりリセット信号がオン状態となったことが確認された場合に、当該遊技制御用マイクロコンピュータ560がシステムリセット状態となる(システムリセットされる)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動の状態である動作停止状態に戻される(ステップS485)。本実施の形態におけるリセット信号をオン状態とするための検出電圧の電圧レベルは、前述したように遊技制御用マイクロコンピュータ560の駆動電圧(たとえば4V)よりも高い+4.5Vに設定されている。また、検出電圧の電圧レベルが低下し、リセット信号がオン状態となったときに、後述するステップS936においてリセット信号がオン状態となり、遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、駆動電圧よりも高い電圧が未だ供給されているときであっても、積極的に動作停止状態となる。
以上の処理によって、電力供給が停止する場合には、ステップS454〜S481の電力供給停止時処理が実行され、電力供給停止時処理が実行されたことを示すデータ(バックアップあり指定値およびチェックサム)がバックアップRAMへストアされ、RAMアクセスが禁止状態にされ、出力ポートがクリアされ、かつ、遊技制御処理を実行するためのタイマ割込が禁止状態に設定される。
この実施の形態では、RAM55がバックアップ電源によって電源バックアップ(パチンコ遊技機1への電力供給が停止しても所定期間はRAM55の内容が保存されること)されている。この例では、ステップS452〜S479の処理によって、バックアップ監視タイマの値とともに、電源断信号が出力されたときのRAM55の内容に基づくチェックサムもRAM55のバックアップ領域に保存される。パチンコ遊技機1への電力供給が停止した後、所定期間内に電力供給が復旧したら、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、上述したステップS91〜S94の処理によって、RAM55に保存されているデータ(電力供給が停止した直前の遊技制御用マイクロコンピュータ560による制御状態である遊技状態を示すデータ(たとえば、プロセスフラグの状態、大当り中フラグの状態、確変フラグの状態、出力ポートの出力状態等)を含む)にしたがって、遊技状態を、電力供給が停止した直前の状態に戻すことができる。なお、電力供給停止の期間が所定期間を越えたらバックアップ監視タイマの値とチェックサムとが正規の値とは異なるはずであるから、その場合には、ステップS10〜S14の初期化処理が実行される。
以上のように、電力供給停止時処理(電力の供給停止のための準備処理)によって、遊技状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すためのデータが確実に遊技制御用記憶手段(この例ではRAM55の一部の領域)に保存される。よって、停電等による電源断が生じても、所定期間内に電源が復旧すれば、遊技状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すことができる。
また、電源断信号がオフ状態になった場合には、ステップS1に戻る。その場合、電力供給停止時処理が実行されたことを示すデータが設定されているので、ステップS91〜S94の遊技状態復旧処理が実行される。よって、電力供給停止時処理を実行した後に払出制御基板37からの電源断信号がオフ状態になったときには、遊技の進行を制御する状態に戻る。したがって、電源瞬断等が生じても、遊技制御処理が停止してしまうようなことはなく、自動的に、遊技制御処理が続行される。
なお、払出制御基板37に対して送信される接続確認信号は、出力ポートをクリアする処理によってオフ状態に設定される。また、ステップS92およびS12の作業領域の設定では、接続確認信号に対応した出力ポートバッファの内容が、接続確認信号のオン状態に対応した値に設定される。そして、ステップS31の賞球処理が実行されると、出力ポートバッファの内容が出力ポートに出力されるので、払出制御基板37への接続確認信号がオン状態になる。したがって、接続確認信号は、主基板31の立ち上がり時に出力される(オン状態になる)ことになる。なお、電源瞬断等から復帰した場合も、接続確認信号が出力される。
次に、メイン処理におけるスイッチ処理(ステップS21)を説明する。この実施の形態では、入賞検出またはゲート通過に関わる各スイッチの検出信号のオン状態が所定時間継続すると、確かにスイッチがオンしたと判定されスイッチオンに対応した処理が開始される。図19は、スイッチ処理で使用されるRAM55に形成される各1バイトのバッファを示す説明図である。前回ポートバッファは、前回(たとえば2ms前)のスイッチオン/オフの判定結果が格納されるバッファである。ポートバッファは、今回入力したポート0の内容が格納されるバッファである。スイッチオンバッファは、スイッチのオンが検出された場合に対応ビットが1に設定され、スイッチのオフが検出された場合に対応ビットが0に設定されるバッファである。
図20は、遊技制御処理におけるステップS21のスイッチ処理の処理例を示すフローチャートである。スイッチ処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、まず、入力ポート0(図13参照)に入力されているデータを入力し(ステップS101)、入力したデータをポートバッファにセットする(ステップS102)。次いで、RAM55に形成されるウェイトカウンタの初期値をセットし(ステップS103)、ウェイトカウンタの値が0になるまで、ウェイトカウンタの値を1ずつ減算する(ステップS104,S105)。
ウェイトカウンタの値が0になると、再度、入力ポート0のデータを入力し(ステップS106)、入力したデータとポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に論理積をとる(ステップS107)。そして、論理積の演算結果を、ポートバッファにセットする(ステップS108)。ステップS103〜S108の処理によって、ほぼ[ウェイトカウンタの初期値×(ステップS104,S105の処理時間)]の時間間隔を置いて入力ポート0から入力した2回の入力データのうち、2回とも「1」になっているビットのみが、ポートバッファにおいて「1」になる。つまり、所定期間としての[ウェイトカウンタの初期値×(ステップS104,S105の処理時間)]だけスイッチの検出信号のオン状態が継続すると、ポートバッファにおける対応するビットが「1」になる。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、前回ポートバッファにセットされているデータとポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に排他的論理和をとる(ステップS109)。排他的論理和の演算結果において、前回(たとえば2ms前)のスイッチオン/オフの判定結果と、今回オンと判定されたスイッチオン/オフの判定結果とが異なっているスイッチに対応したビットが「1」になる。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、さらに、排他的論理和の演算結果と、ポートバッファにセットされているデータとの間で、ビット毎に論理積をとる(ステップS110)。この結果、前回のスイッチオン/オフの判定結果と今回オンと判定されたスイッチオン/オフの判定結果とが異なっているスイッチに対応したビット(排他的論理和演算結果による)のうち、今回オンと判定されたスイッチに対応したビット(論理積演算による)のみが「1」として残る。
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ステップS110における論理積の演算結果をスイッチオンバッファにセットし(ステップS111)、ステップS108における演算結果がセットされているポートバッファの内容を前回ポートバッファにセットする(ステップS112)。
以上の処理によって、所定期間継続してオン状態であったスイッチのうち、前回(たとえば2ms前)のスイッチオン/オフの判定結果がオフであったスイッチ、すなわち、オフ状態からオン状態に変化したスイッチに対応したビットが、スイッチオンバッファにおいて「1」になっている。
次に、主基板31と払出制御基板37との間で送受信される払出制御信号について説明する。図21は、遊技制御用マイクロコンピュータ560から払出制御用マイクロコンピュータ370に対して出力される制御信号の内容の一例を示す説明図である。この実施の形態では、払出制御等に関する各種の制御を行なうために、主基板31と払出制御基板37との間で複数種類の制御信号が送受信される。図21に示すように、接続確認信号は、主基板31の立ち上がり時(遊技制御用マイクロコンピュータ560が遊技制御処理を開始したとき)に出力され、払出制御基板37に対して主基板31が立ち上がったことを通知するための信号(主基板31の接続確認信号)である。また、接続確認信号は、賞球払出が可能な状態であることを示す。
賞球REQ信号は、賞球の払出要求時に出力状態(=オン状態)になる信号(すなわち賞球払出要求のトリガ信号)である。また、賞球REQ信号は、所定期間が経過すると、停止状態(オフ状態)になる。賞球個数信号は、払出要求を行なう遊技球の個数(0〜15個)を指定するために出力される信号(賞球個数コマンド)である。
リセット信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370が、電源監視回路920からのリセット信号がオフ状態からオン状態となったことに基づいて、オフ状態からオン状態として遊技制御用マイクロコンピュータ560の遊技制御動作の停止を指示するための停止信号として用いられる。また、リセット信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370が、電源監視回路920からのリセット信号がオン状態からオフ状態となったことに基づいて、オン状態からオフ状態として遊技制御用マイクロコンピュータ560の遊技制御動作の開始を指示するための起動信号として用いられる。すなわち、リセット信号は、停止信号として遊技制御動作の停止指示を遊技球制御マイクロコンピュータ560に通知し、起動信号として遊技制御動作の開始指示を遊技球制御マイクロコンピュータ560に通知する。
図22は、図21に示す各制御信号の送受信に用いられる信号線等を示すブロック図である。図22に示すように、接続確認信号、賞球REQ信号および賞球個数信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって出力回路67を介して出力され、入力回路373Aを介して払出制御用マイクロコンピュータ370に入力される。また、電源断信号は、払出制御基板37に搭載された出力回路373Bを介して出力され、入力回路68を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。この電源断信号は、電源監視回路920から払出制御基板37に入力される電源断信号に基づいて作成される信号であり、その電源断信号と区別するために電源断検出信号とも呼ばれる。また、リセット信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370によって出力回路373Bを介して出力され、入力回路68を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。このリセット信号は、電源監視回路920から払出制御基板37に入力されるリセット信号に基づいて作成される信号であり、そのリセット信号と区別するためにリセット確認信号とも呼ばれる(停止信号としては、停止確認信号とも呼ばれ、起動信号としては、起動指示信号とも呼ばれる)。接続確認信号、賞球REQ信号、電源断信号、およびリセット信号は、それぞれ1ビットのデータであり、1本の信号線によって送信される。賞球個数信号は、0個〜15個を指定するので、4ビットのデータで構成され4本の信号線によって送信される。
図23は、払出制御信号の出力の仕方の一例を示すタイミング図である。図23に示すように、入賞検出スイッチが遊技球の入賞を検出すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払出される賞球数に応じた状態にする。なお、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技球がパチンコ遊技機1に設けられている入賞領域に入賞したことが入賞検出スイッチの検出信号によって検知すると、予め決められた賞球数をバックアップRAMに形成されている総賞球数格納バッファの内容に加算する。そして、総賞球数格納バッファの内容が0でない値になったら、賞球REQ信号をオン状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態を、入賞に応じて払出される賞球数に応じた状態にする。
また、この実施の形態では、始動口スイッチ14aで遊技球が検出されると4個の賞球払出を行ない、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30aのいずれかで遊技球が検出されると7個の賞球払出を行ない、Vカウントスイッチ22またはカウントスイッチ23で遊技球が検出されると15個の賞球払出を行なう。また、上述したように、賞球個数信号は4ビットで構成されているので、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)の賞球個数コマンドのうち、下位の4ビットが賞球個数信号によって主基板31から払出制御基板37に伝達される。以下、「00(H)〜0F(H)の賞球個数信号」のように表現することがあるが、実際には、賞球個数信号は、8ビットで表現されている00(H)〜0F(H)のうちの下位の4ビットに相当する。
払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球REQ信号の受信を確認すると、賞球個数信号の受信状態を確認し、賞球個数信号が示す賞球数を賞球未払出個数カウンタに加算する。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、所定の賞球REQ信号出力時間の経過後に、賞球REQ信号をオフ状態にするとともに、賞球個数信号の出力状態をクリアしてオフ状態にする。すなわち、賞球個数信号が0個を示す状態(無効コマンドを出力する状態)にする。したがって、賞球個数信号は、賞球REQ信号がオフ状態であるときには無効コマンド出力状態になっているので、払出制御用マイクロコンピュータ370において、ノイズ等によって賞球REQ信号のオン状態が検出されたような場合でも、誤って賞球払出を実行してしまうようなことはない。なお、賞球REQ信号出力時間は、払出制御基板37側で賞球REQ信号の受信を確実に認識できる時間として予め定められた賞球REQ信号のオン状態を継続する時間である。
図24は、ステップS31の賞球処理の一例を示すフローチャートである。賞球処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数加算処理(ステップS201)と賞球制御処理(ステップS202)とを実行する。そして、RAM55に形成されるポート0バッファの内容をポート0に出力する(ステップS203)。なお、ポート0バッファの内容は、賞球制御処理において更新される。
賞球個数加算処理では、図25に示す賞球個数テーブルが使用される。賞球個数テーブルは、ROM54に設定されている。賞球個数テーブルの先頭アドレスには処理数(この例では「7」)が設定され、その後に、スイッチオンバッファの下位アドレス、入賞により賞球を払出すことになる入賞口の各スイッチについてのスイッチ入力ビット判定値、賞球数が、入賞口の各スイッチのそれぞれに対応して順次設定されている。なお、スイッチ入力ビット判定値は、入力ポート0における各スイッチの検出信号が入力されるビットに対応した値である(図13参照)。また、スイッチオンバッファの上位アドレスは固定的な値(たとえば7F(H))である。また、賞球個数テーブルにおいて、7つのスイッチオンバッファの下位アドレスのそれぞれには、同じデータが設定されている。
図26は、賞球個数加算処理を示すフローチャートである。賞球個数加算処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球個数テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS211)。そして、ポインタが指すアドレスのデータ(この場合には処理数)をロードする(ステップS212)。次に、スイッチオンバッファの上位アドレス(8ビット)を2バイトのチェックポインタの上位1バイトにセットする(ステップS213)。
そして、ポインタの値を1増やし(ステップS214)、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合にはスイッチオンバッファの下位アドレス)をチェックポインタの下位1バイトにセットした後(ステップS215)、ポインタの値を1増やす(ステップS216)。次いで、チェックポインタが指すアドレスのデータ、すなわちスイッチオンバッファの内容をレジスタにロードし(ステップS217)、ロードした内容と、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合にはスイッチ入力ビット判定値)との論理積をとる(ステップS218)。この結果、スイッチオンバッファの内容がロードされたレジスタには、検査対象としているスイッチの検出信号に対応したビット以外の7ビットが0になる。そして、ポインタの値を1増やす(ステップS219)。
ステップS218における演算結果が0でなれば、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオン状態であれば、ポインタが指す賞球個数テーブルのデータ(この場合には賞球個数)を賞球加算値に設定し(ステップS220,S221)、賞球加算値を、RAM55に形成されている16ビットの総賞球数格納バッファの内容に加算する(ステップS222)。加算の結果、桁上げが発生した場合には、総賞球数格納バッファの内容を65535(=FFFF(H))に設定する(ステップS223,224)。
ステップS225では処理数を1減らし、処理数が0であれば処理を終了し、処理数が0でなければステップS214に戻る(ステップS226)。また、ステップS220において、ステップS218における演算結果が0であること、すなわち、検査対象のスイッチの検出信号がオフ状態であることを確認したら、ステップS225に移行する。
図27は、ステップS201の賞球制御処理を示すフローチャートである。賞球制御処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球プロセスコードの値に応じて、ステップS231〜S233のいずれかの処理を実行する。
図28は、賞球プロセスコードの値が0の場合に実行される賞球待ち処理1(ステップS231)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球待ち処理1において、賞球待機中出力値(10(H))をポート0バッファにセットする(ステップS241)。なお、賞球待機中出力値がポート0バッファにセットされると、ステップS203においてポート0バッファの内容がポート0に出力されることによって、賞球REQ信号がオフ状態になり、接続確認信号のオン状態が維持される(図11参照)。また、賞球個数信号が無効コマンド(00(H))を出力する状態になる。
次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球タイマが0であるか否か確認する(ステップS242)。賞球タイマが0でなければ、賞球タイマの値を1減らして(ステップS243)、処理を終了する。賞球タイマは賞球処理において必要となる時間を計測するためのタイマであるが、この段階で賞球タイマの値が0でないということは、前回の払出処理が完了した後、次に賞球REQ信号をオン状態にするまでの待ち時間(連続して賞球払出が実行される場合に複数の賞球REQ信号のオン期間の間に間隔を設けるための時間)が終了していないことを意味する。なお、賞球タイマは、後述する賞球待ち処理2のステップS263でセットされる。また、ステップS241〜S243の処理は、ステップS233の賞球待ち処理2の実行が完了して前回の賞球制御処理が完了した後に、賞球REQ信号をオフ状態にするとともに、賞球個数信号として無効コマンド(00(H))を出力するための処理である。
賞球タイマの値が0であれば、次いで、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、総賞球数格納バッファの内容を確認する(ステップS244)。その値が0であれば処理を終了し、0でなければ、賞球プロセスコードの値を1にした後(ステップS245)、処理を終了する。
図29は、賞球プロセスコードの値が1の場合に実行される賞球送信処理(ステップS232)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球送信処理において、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値(この例では「15」)よりも小さいか否か確認する(ステップS251)。総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値以上であれば、賞球コマンド最大値を賞球個数バッファに設定する(ステップS252)。また、総賞球数格納バッファの内容が賞球コマンド最大値よりも小さい場合には、総賞球数格納バッファの内容を賞球個数バッファに設定する(ステップS253)。
その後、賞球REQ中出力値(30(H))を出力ポート0バッファにセットする(ステップS254)。なお、賞球REQ中出力値が出力ポート0バッファにセットされると、ステップS203において出力ポート0バッファの内容がポート0に出力されることによって、賞球REQ信号がオン状態になり、接続確認信号のオン状態が維持される(図11参照)。また、賞球個数バッファの内容を出力ポート0バッファの下位4ビットにセットする(ステップS255)。
この実施の形態では、賞球コマンド最大値は「15」である。したがって、最大で「15」の払出数を指定する賞球制御信号が払出制御基板37に送信される。賞球制御信号を送信すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、総賞球数格納バッファの内容から、賞球個数バッファの内容(払出制御用マイクロコンピュータ370に指令した賞球払出個数)を減算する(ステップS256)。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球タイマにREQ終了判定時間値(たとえば3)をセットする(ステップS257)。REQ終了判定時間値は、賞球REQ信号オフ待ち時間を作成するための値である。そして、賞球プロセスコードの値を2にして(ステップS258)、処理を終了する。
なお、この例では、賞球制御信号を送信した後にステップS256の減算処理を行なうが、具体的には、ステップS254およびステップS255で賞球REQ中出力値と賞球個数バッファの内容とが出力ポート0バッファにセットされた後、ステップS203にて出力ポート0バッファの内容がポート0に出力される前に行なわれる。ただし、ステップS254およびステップS255で賞球REQ中出力値と賞球個数バッファの内容とが出力ポート0バッファにセットされ、その後にステップS203において出力ポート0バッファの内容がポート0に出力されて、賞球REQ信号が実際にオン状態となった後に、総賞球数格納バッファの内容から賞球個数バッファの内容を減算する減算処理を行なうようにしてもよい。
図30は、賞球プロセスコードの値が2の場合に実行される賞球待ち処理2(ステップS233)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、賞球待ち処理2において、賞球タイマの値を確認し(ステップS261)、その値が0でなければ賞球タイマの値を1減らして(ステップS262)、処理を終了する。賞球タイマの値が0になったら、すなわち図24に示す賞球REQ信号オフ待ち時間が経過したら、賞球REQ待ち時間を賞球タイマにセットする(ステップS263)。そして、賞球プロセスコードの値を0にして(ステップS264)、処理を終了する。上述したように、賞球REQ待ち時間は、次に賞球REQ信号をオン状態にするまでの待ち時間(連続して賞球払出が実行される場合に、複数の賞球REQ信号のオン期間の間に間隔を設けるための時間)である。
以上の処理によって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出条件の成立に基づいて払出される賞球としての遊技球の総数を特定可能に総賞球数格納バッファに記憶する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、総賞球数格納バッファに記憶されている賞球数に基づいて払出制御用マイクロコンピュータ370に対して所定数の賞球の払出数を指定する払出指令信号を送信する。ここで、所定数は、総賞球数格納バッファに記憶されている賞球数が15個以上であれば15であり、15個未満であれば、総賞球数格納バッファに記憶されている賞球数である。そして、賞球払出を指定する賞球制御信号の送信を開始したときに、総賞球数格納バッファに記憶されている賞球数から払出指令信号で指定した払出数を減算する減算処理を行なう。
なお、この実施の形態では、払出条件の成立に基づいて払出される景品遊技媒体の総数を特定可能に記憶する景品遊技媒体数記憶手段として、総数そのものを記憶する総賞球数格納バッファが例示されたが、景品遊技媒体の総数を特定可能に記憶する景品遊技媒体数記憶手段は、各入賞領域への入賞数を記憶するものや、賞球数が同じである入賞領域毎の入賞数(たとえば4個の賞球数に対応した入賞口14、7個の賞球数に対応した入賞口33,39,29,30、15個の賞球数に対応した大入賞口への入賞数であって、未だ賞球払出が終了していない入賞数)を記憶するものであってもよい。
次に、払出制御用マイクロコンピュータ370およびI/Oポートの動作を説明する。図31は、払出制御用マイクロコンピュータ370における出力ポートの割り当ての例を示す説明図である。図31に示すように、出力ポート0は、ステッピングモータによる払出モータ289に供給される各相の信号を出力するための出力ポートである。また、出力ポート1は、遊技機エラー状態信号、球切れLED52に出力される信号、賞球LED51に出力される信号、賞球情報、球貸し情報、パチンコ遊技機1外部に出力される賞球中信号、リセット信号、および、電源断信号を出力するための出力ポートである。出力ポート2は、7セグメントLEDによるエラー表示LED374の各セグメント出力の出力ポートである。出力ポート3は、PRDY信号、EXS信号、および、発射基板91に出力されるVL信号を出力するための出力ポートである。
図32は、払出制御用マイクロコンピュータ370における入力ポートのビット割り当ての例を示す説明図である。図32に示すように、入力ポート0のビット0〜3には、4ビットの賞球個数信号が入力され、ビット4〜7には、それぞれ、主基板31からの接続確認信号、主基板31からの賞球REQ信号、球切れスイッチ187の検出信号、払出モータ位置センサ295の検出信号が入力される。また、入力ポート1のビット1〜3には、それぞれ、払出個数カウントスイッチ301の検出信号、エラー解除スイッチ375からの操作信号、満タンスイッチ48の検出信号が入力される。入力ポート1のビット4〜6には、それぞれ、カードユニット50からのVL信号、BRDY信号、BRQ信号が入力される。入力ポート2には、電源基板910からのクリアスイッチ921の出力信号(クリア信号:図32では「クリアスイッチ」として示す。)、および電源断信号が入力される。なお、電源基板910からのリセット信号は、入力ポートを介さず、リセット端子375を介して払出制御用マイクロコンピュータ370に入力される。
次に、払出制御用マイクロコンピュータ370の動作について説明する。図33は、払出制御用マイクロコンピュータ370が実行するメイン処理を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始され、リセット信号がハイレベルになると、払出制御用マイクロコンピュータ370は、メイン処理を開始する。メイン処理では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、まず、必要な初期設定を行なう。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ370は、まず、割込禁止に設定する(ステップS701)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS702)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS703)。また、払出制御用マイクロコンピュータ370は、内蔵デバイスレジスタの初期化を行ない(ステップS704)、CTCおよびPIOの初期化(ステップS705)を行なった後に、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS706)。また、賞球未払出個数カウンタ初期値として0000(H)をセットする(ステップS707)。
この実施の形態では、内蔵CTCのうちの一つのチャネルがタイマモードで使用される。したがって、ステップS704の内蔵デバイスレジスタの設定処理およびステップS705の処理において、使用するチャネルをタイマモードに設定するためのレジスタ設定、割込発生を許可するためのレジスタ設定および割込ベクタを設定するためのレジスタ設定が行なわれる。そして、そのチャネルによる割込がタイマ割込として用いられる。タイマ割込をたとえば2ms毎に発生させたい場合は、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
なお、タイマモードに設定されたチャネル(この実施の形態ではチャネル3)に設定される割込ベクタは、タイマ割込処理の先頭アドレスに相当するものである。具体的は、Iレジスタに設定された値と割込ベクタとでタイマ割込処理の先頭アドレスが特定される。タイマ割込処理では、払出手段を制御する払出制御処理(少なくとも主基板からの賞球払出に関する指令信号に応じて球払出装置97を駆動する処理を含み、球貸し要求に応じて球払出装置97を駆動する処理が含まれていてもよい。)が実行される。
この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ370でも割込モード2が設定される。したがって、内蔵CTCのカウントアップに基づく割込処理を使用することができる。また、CTCが送出した割込ベクタに応じた割込処理開始アドレスを設定することができる。CTCのチャネル3(CH3)のカウントアップに基づく割込は、CPUの内部クロック(システムクロック)をカウントダウンしてレジスタ値が「0」になったら発生する割込であり、タイマ割込として用いられる。
次いで、入力ポート2を介して入力されるクリアスイッチ921の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS708)。その確認においてオンを検出した場合には、払出制御用マイクロコンピュータ370は、初期化処理を実行する(ステップS712〜ステップS715)。クリアスイッチ921がオンの状態でない場合には、パチンコ遊技機1への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(たとえばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行なわれたか否か確認する(ステップS709)。保護処理が行なわれていたか否かは、後述する電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に保存されるバックアップ監視タイマの値が、バックアップRAM領域のデータ保護処理を実行したことに応じた値(たとえば2)になっているか否かによって確認される。なお、そのような確認の仕方は一例であって、たとえば、電力供給停止時処理においてバックアップフラグ領域にデータ保護処理を実行したことを示すフラグをセットし、ステップS709において、そのフラグがセットされていることを確認したらバックアップありと判定してもよい。
バックアップありと判定したら、払出制御用マイクロコンピュータ370は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行なう(ステップS710)。この実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする。また、チェックサムの対象となるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセットする。そして、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェックサム算出回数の値が0になったら、払出制御用マイクロコンピュータ370は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、反転後のデータをチェックサムとする。
後述する電源断処理における電力供給停止時処理において、上記の処理と同様の処理(図35に示す処理)によってチェックサムが算出され、チェックサムはバックアップRAM領域に保存されている。ステップS710では、算出したチェックサムと保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、払出制御側復旧処理を実行せず、初期化処理(ステップS712〜S715の処理)を実行する。
チェック結果が正常であれば、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出制御側復旧処理を行なう。具体的には、賞球未払出個数カウンタ初期値として、バックアップRAMに形成されている賞球未払出個数カウンタの値をセットする(ステップS711)。そして、ステップS713以降の処理を実行する。
初期化処理では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、まず、RAMクリア処理を行なう(ステップS712)。また、RAM領域のフラグやカウンタなどに初期値を設定する(ステップS713)。ステップS713の処理には、賞球未払出個数カウンタ初期値を賞球未払出個数カウンタにセットする処理が含まれる。したがって、払出制御側復旧処理(ステップS711)が実行された場合には、バックアップRAMに保存されていた賞球未払出個数カウンタの値が、あらためて賞球未払出個数カウンタにセットされる。換言すれば、バックアップRAMに保存されていた賞球未払出個数カウンタの値がそのまま使用される。
そして、定期的にタイマ割込がかかるように払出制御用マイクロコンピュータ370に設けられているCTCのレジスタの設定を行なう(ステップS714)。すなわち、初期値としてタイマ割込発生間隔に相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。そして、初期設定処理のステップS701において割込禁止とされているので、初期化処理を終える前に割込が許可される(ステップS715)。
さらに、初期化処理を終了すると、払出制御用マイクロコンピュータ370は、遊技制御用マイクロコンピュータ560に出力する電源断信号をオン状態からオフ状態に切り替える(ステップS715a)。具体的に、ステップS715aでは、電源断信号に対応した出力ポートバッファの内容を電源断信号のオフ状態に対応した値に設定し(ハイレベルの電源断信号を作成する)、その出力ポートバッファの内容を出力ポートに出力する(ハイレベルの電源断信号を出力する)処理が実行される。そして、払出制御用マイクロコンピュータ370は、遊技制御用マイクロコンピュータ560に出力するリセット信号をオン状態からオフ状態に切り替え、主基板31に遊技制御動作の開始指示を行なう(ステップS716)。その後、タイマ割込の発生を監視するループ処理に入る。具体的に、ステップS716では、リセット信号に対応した出力ポートバッファの内容をリセット信号のオフ状態に対応した値に設定し(ハイレベルのリセット信号を作成する)、その出力ポートバッファの内容を出力ポートに出力する(ハイレベルのリセット信号を出力する)処理が実行される。
本実施の形態においては、初期化処理が行なわれた後に、ステップS716によりリセット信号が遊技制御用マイクロコンピュータ560に出力される。遊技制御用マイクロコンピュータ560では、前述したようにリセット信号が入力される(ハイレベルになる)と、動作可能状態となり、図14で説明したメイン処理が実行される。これにより、払出制御用マイクロコンピュータ370により初期化処理が終了した後に、遊技制御用マイクロコンピュータ560による初期化処理および遊技制御処理を開始させることができるため、パチンコ遊技機1の電力供給が開始されたときに、払出制御用マイクロコンピュータ370が、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの制御コマンドをより確実に受信することができる。
上記のように、この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ370の内蔵CTCが繰り返しタイマ割込を発生するように設定される。そして、タイマ割込が発生すると、払出制御用マイクロコンピュータ370は、タイマ割込処理を実行する。
図34は、払出制御用マイクロコンピュータ370が実行するタイマ割込処理の例を示すフローチャートである。タイマ割込処理にて、払出制御用マイクロコンピュータ370は、電源断信号が入力されたか否かを監視する電源断処理を実行する(ステップS749)。その後、ステップS751以降の払出制御処理を実行する。払出制御処理では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、まず、入力判定処理を行なう(ステップS751)。入力判定処理は、入力ポート0のビット4〜6および入力ポート1のビット1,3〜6(図32参照)の状態を検出して検出結果をRAMの所定の1バイト(入力状態フラグと呼ぶ。)に反映する処理である。なお、払出制御処理において、入力ポート0のビット4〜6および入力ポート1のビット1,3〜6の状態に基づいて制御を行なう場合には、直接入力ポートの状態をチェックするのではなく、入力状態フラグの状態をチェックする。
次に、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出モータ制御処理を実行する(ステップS753)。払出モータ制御処理では、払出モータ289を駆動するときには、払出モータφ1〜φ4のパターンを出力ポート0に出力するための処理を行なう。
また、払出制御用マイクロコンピュータ370は、カードユニット50と通信を行なうプリペイドカードユニット制御処理を実行する(ステップS754)。次いで、払出制御用マイクロコンピュータ370は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560と通信を行なう主制御通信処理を実行する(ステップS755)。さらに、カードユニット50からの球貸し要求に応じて貸し球を払出す制御を行ない、また、主基板からの賞球個数信号が示す個数の賞球を払出す制御を行なう賞球球貸し制御処理を実行する(ステップS756)。
そして、払出制御用マイクロコンピュータ370は、各種のエラーを検出するエラー処理を実行する(ステップS757)。また、パチンコ遊技機1外部に出力される賞球情報や球貸し情報を出力するための情報出力処理を実行する(ステップS758)。また、エラー処理の結果に応じてエラー表示LED374に所定の表示を行なうとともに、賞球LED51および球切れLED52を点灯するための表示制御処理を実行する(ステップS759)。なお、払出制御用マイクロコンピュータ370は、表示制御処理において、賞球払出を行なっている状態であるときに、賞球LED51を点灯するための制御を行なう。また、賞球払出を終了したら、賞球LED51を消灯するための制御を行なう。
また、この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポート0バッファ〜出力ポート3バッファ)が設けられているのであるが、払出制御用マイクロコンピュータ370は、出力ポート0バッファ、出力ポート1バッファ、出力ポート2バッファ、および、出力ポート3バッファの内容を出力ポートに出力する(ステップS760:出力処理)。出力ポート0バッファ〜出力ポート3バッファは、払出モータ制御処理(ステップS753)、プリペイドカード制御処理(ステップS754)、主制御通信処理(ステップS755)、情報出力処理(ステップS758)および表示制御処理(ステップS759)で更新される。
図35および図36は、ステップS749の電源断処理の一例を示すフローチャートである。電源断処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、まず、電源基板910から電源断信号が入力されているか否か(オン状態になっているか否か)確認する(ステップS901)。オン状態でなければ、払出制御基板37が備えるRAMに形成されるバックアップ監視タイマの値を0クリアする(ステップS902)。オン状態であれば、RAMに形成されるバックアップ監視タイマの値を1増やす(ステップS903)。そして、バックアップ監視タイマの値が判定値(たとえば2)と一致すれば(ステップS904)、主基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ560)に出力する電源断信号をオン状態にする(ステップS904a)。このように、電源基板910から入力される電源断信号がオン状態になったときには、遊技制御用マイクロコンピュータ560)に出力する電源断信号がソフトウェア的な処理によりオフ状態からオン状態に切り換えられる。そして、ステップS905以降の電力供給停止時処理を実行する。これにより、払出制御を実行する状態から払出制御の制御状態を保存させるための電力供給停止時処理(電源断時制御処理)を実行する状態に移行する。このように電源断信号をソフトウェア的な処理により新たに作成して主基板31に出力するようにすれば、電源基板91から出力されてきた電源断信号について、信号の伝送経路が長すぎることによる信号の減衰(劣化)、および、信号の伝送経路でのノイズの作用による信号の乱れ(劣化)を防ぐことができる。さらに、電源断信号を主基板31に出力するタイミングをソフトウェア的に容易に調整することができる。
バックアップ監視タイマと判定値とを用いることによって、判定値に相当する時間だけ電源断信号のオン状態が継続したら、電力供給停止時処理が開始される。すなわち、ノイズ等で一瞬電源断信号のオン状態が発生しても、誤って電力供給停止時処理が開始されるようなことはない。なお、バックアップ監視タイマの値は、パチンコ遊技機1への電力供給が停止しても、所定期間はバックアップ電源によって保存される。したがって、メイン処理におけるステップS709では、バックアップ監視タイマの値が判定値と同じ値になっていることによって、電力供給停止時処理の処理結果が保存されていることを確認できる。
電力供給停止時処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、電力供給停止時処理待機時間を待機時間タイマに設定し(ステップS905)、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの賞球制御信号を所定期間(電力供給停止時処理待機時間)受付ける待機時間中賞球受付処理を行なう(ステップS906〜S909)。なお、待機時間タイマは、RAMに格納されている。
電力供給停止時処理待機時間は、電源断信号を出力してから、電源断信号の入力に応じた主基板31での電力供給停止時処理が開始されるまでの期間として予め定められた時間である。なお、電力供給停止時処理待機時間は、少なくとも、待機時間中賞球受付処理が終了する前に主基板31での電力供給停止時処理が開始されるような時間が定められる。
待機時間中賞球受付処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球REQ信号がオン状態であれば(ステップS906)、賞球個数信号が示す個数を賞球未払出個数カウンタに加算する(ステップS909)。賞球REQ信号がオン状態でなければ、払出制御用マイクロコンピュータ370は、待機時間タイマを1減算し(ステップS907)、待機時間タイマが0でなければステップS906の処理に戻る(ステップS908)。すなわち、電力供給停止時処理待機時間が経過するまで、待機時間中賞球受付処理を実行する。そして、待機時間タイマが0であれば、待機時間中賞球受付処理を終了し、ステップS911の処理に移行する。
ここで、従来の遊技機の一例について説明する。従来の遊技機には、電源断信号が遊技制御基板と払出制御基板とに入力される従来の遊技機のうち、電源断信号が同じタイミングで遊技制御基板と払出制御基板とに入力されるものと、電源断信号が異なるタイミングで遊技制御基板と払出制御基板とに入力されるものとがあった。そして、電源断信号が同じタイミングで遊技制御基板と払出制御基板とに入力される前者の遊技機において、電源断信号が入力されると、遊技制御側および払出制御側において電力供給停止時処理が同じタイミングで実行されるため、電力供給停止時処理実行開始以降は、遊技制御基板と払出制御基板との間でコマンドが送受信されることがなかった。
しかし、電源断信号が異なるタイミングで遊技制御基板と払出制御基板とに入力される後者の遊技機では、遊技制御側と払出制御側とにおいて電力供給停止時処理が異なるタイミングで実行されるため、電力供給停止時処理実行開始以降であっても、遊技制御基板と払出制御基板との間でコマンドが送受信される可能性があり、当該コマンドを取りこぼし、遊技に反映できないといった不都合の生じる虞があった。特に、遊技制御側よりも先に払出制御側において電力供給停止時処理が実行される場合にあっては、払出制御側において電力供給停止時処理が実行開始された後に入賞口への入賞等の払出条件が成立したときに、遊技制御側から出力される賞球REQ信号等を取りこぼし、入賞による賞球が正確に払出されないといった不都合の生じる虞があった。
このような不都合の生じる虞を極力回避するために、本実施の形態においては、前述したように、ステップS905において電源断信号がオン状態となったと判断された後であっても、ステップS908において待機時間タイマが0でなければ、賞球REQ信号がオン状態となりステップS906でYESと判断されると、ステップS909において賞球個数信号が示す個数を賞球未払出個数カウンタに確実に加算することができるようにし、電源断信号が払出制御基板に入力されたときであっても電力供給が停止する直前(待機時間中)に発生した入賞に基づく賞球の払出を確実に行なうことができるように構成している。
また図35の説明に戻り、待機時間中賞球受付処理を終了すると、払出制御用マイクロコンピュータ370は、パリティデータを作成する(ステップS911〜S920)。すなわち、まず、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリアにセットし(ステップS911)、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の先頭アドレスに相当するチェックサム算出開始アドレスをポインタにセットする(ステップS912)。また、電力供給停止時でも内容が保存されるべきRAM領域の最終アドレスに相当するチェックサム算出回数をセットする(ステップS913)。
次いで、チェックサムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演算する(ステップS914)。演算結果をチェックサムデータエリアにストアするとともに(ステップS915)、ポインタの値を1増やし(ステップS916)、チェックサム算出回数の値を1減算する(ステップS917)。そして、ステップS914〜S917の処理を、チェックサム算出回数の値が0になるまで繰り返す(ステップS918)。
チェックサム算出回数の値が0になったら、払出制御用マイクロコンピュータ370は、チェックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転する(ステップS919)。そして、反転後のデータをチェックサムデータエリアにストアする(ステップS920)。このデータが、電源投入時にチェックされるパリティデータとなる。次いで、RAMアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定する(ステップS921)。以後、内蔵RAM55のアクセスができなくなる。
さらに、払出制御用マイクロコンピュータ370は、ROM54に格納されているポートクリア設定テーブルの先頭アドレスをポインタにセットする(ステップS922)。ポートクリア設定テーブルにおいて、先頭アドレスには処理数(クリアすべき出力ポートの数)が設定され、次いで、出力ポートのアドレスおよび出力値データ(クリアデータ:出力ポートの各ビットのオフ状態の値)が、処理数分の出力ポートについて順次設定されている。
払出制御用マイクロコンピュータ370は、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち処理数)をロードする(ステップS923)。また、ポインタの値を1増やし(ステップS924)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力ポートのアドレス)をロードする(ステップS925)。さらに、ポインタの値を1増やし(ステップS926)、ポインタが指すアドレスのデータ(すなわち出力値データ)をロードする(ステップS927)。そして、出力値データを出力ポートに出力する(ステップS928)。その後、処理数を1減らし(ステップS929)、処理数が0でなければステップS924に戻る(ステップS930)。処理数が0であれば(ステップS930のY)、すなわち、クリアすべき出力ポートを全てクリアしたら、タイマ割込を停止し(ステップS931)、ループ処理に入る。
ループ処理では、電源断信号がオフ状態になったか否かを監視する(ステップS932)。電源断信号がオフ状態になった場合には、復帰アドレスとして、電源投入時実行アドレス(ステップS701のアドレス)を設定してリターン命令を実行し(ステップS934)、RETIによりタイマ割込処理を終了し、メイン処理に戻る。具体的には、パチンコ遊技機1に設けられている遊技用の装置(球払出装置97など)を制御する状態に戻る。
また、ループ処理では、電源基板910から入力されるリセット信号がローレベルのオン状態となったか否かを監視する(ステップS935)。リセット信号がオン状態になった場合には、主基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ560)に出力するリセット信号をオフ状態からオン状態に切り換える(ステップS936)。このように、電源基板910から入力されるリセット信号がオン状態になったときには、遊技制御用マイクロコンピュータ560)に出力するリセット信号がソフトウェア的な処理によりオフ状態からオン状態に切り換えられる。そして、払出制御用マイクロコンピュータ370がシステムリセット状態となる(システムリセットされる)。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ370は、始動の状態である動作停止状態に戻される(ステップS937)。この例では、払出制御用マイクロコンピュータ370が、その駆動電圧(たとえば4V)よりも高い電圧が未だ供給されているときに積極的に動作停止状態となるように、リセット信号をオン状態とするための検出電圧の電圧レベルが設定される。
このように、電源電圧が低下すると、払出制御用マイクロコンピュータ370および遊技制御用マイクロコンピュータ560での電力供給停止時処理が完了した後、電源監視回路920によって監視されているVCCが+4.5V以下になると、ローレベルのリセット信号が電源監視回路920から払出制御用マイクロコンピュータ370に入力され、さらに、ソフトウェア的に作成されたローレベルのリセット信号が払出制御用マイクロコンピュータ370から遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560および払出制御用マイクロコンピュータ370が動作停止状態となる。
以上の処理によって、電力供給が停止する場合には、待機時間中賞球受付処理と、ステップS911〜S931の電力供給停止時処理とが実行され、電力供給停止時処理が実行されたことを示すデータ(バックアップあり指定値およびチェックサム)がバックアップRAMへストアされ、RAMアクセスが禁止状態にされ、出力ポートがクリアされ、かつ、払出制御処理を実行するためのタイマ割込が禁止状態に設定される。
待機時間中賞球受付処理を実行することによって、電力供給停止直前に遊技制御用マイクロコンピュータ560が払出数データとしての賞球個数信号を送信したときでも、払出制御用マイクロコンピュータ370が確実に払出数データを受信して保存することができ、遊技者に不利益を与えないようにすることができる。
払出制御用マイクロコンピュータ370が確実に払出数データを受信できるようにするために、払出制御用マイクロコンピュータ370に電源断信号が入力されるタイミングを遅らせて、払出制御用マイクロコンピュータ370が電力供給停止時処理を開始するタイミングを遅らせるような構成にしてもよい。しかし、そのように構成する場合には、ハードウェアによる遅延回路等を設ける必要がある。ハードウェアによる遅延回路等を設けない場合には、払出制御用マイクロコンピュータ370に電源断信号が入力される直前に遊技制御用マイクロコンピュータ560が賞球個数信号の出力を開始するおそれや、払出制御用マイクロコンピュータ370に電源断信号が入力された後に(電源断信号の遊技制御用マイクロコンピュータ560への伝達が遅れたような場合)、遊技制御用マイクロコンピュータ560が賞球個数信号の出力を開始するおそれがある。その場合、払出制御用マイクロコンピュータ370が電源断信号に応じて直ちに電力供給停止時処理を開始すると、払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球個数信号が送信されたことを認識しない可能性がある。しかし、この実施の形態では、待機時間中賞球受付処理を実行することによって、払出制御用マイクロコンピュータ37は、確実に賞球個数信号を取り込むことができる。
また、この実施の形態では、払出制御基板37が備えるRAMの全領域がバックアップ電源によって電源バックアップ(パチンコ遊技機1への電力供給が停止しても所定期間はRAMの内容が保存されること)されている。したがって、ステップS905〜S931の処理によって、バックアップ監視タイマの値とともに、電源断信号が出力されたときのRAMの内容に基づくチェックサムもRAMに保存される。パチンコ遊技機1への電力供給が停止した後、所定期間内に電力供給が復旧したら、払出制御用マイクロコンピュータ370は、上述したステップS711の処理によって、RAMに保存されているデータ(電力供給が停止した直前の払出制御用マイクロコンピュータ370による制御状態である払出状態を示すデータ(たとえば、賞球未払出個数カウンタの値等)を含む)にしたがって、払出状態を、電力供給が停止した直前の状態に戻すことができる。なお、電力供給停止の期間が所定期間を越えたらバックアップ監視タイマの値とチェックサムとが正規の値とは異なるはずであるから、その場合には、ステップS712〜S714の初期化処理が実行される。
以上のように、電力供給停止時処理(電力の供給停止のための準備処理)によって、払出制御状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すためのデータが確実に払出制御用記憶手段(この例では払出制御基板37が備えるRAMの全領域)に保存される。よって、停電等による電源断が生じても、所定期間内に電源が復旧すれば、払出制御状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すことができる。なお、払出制御基板37が備えるRAMの全領域が電源バックアップされるのではなく、払出制御状態を電力供給が停止した直前の状態に戻すためのデータを記憶する領域のみが電源バックアップされるようにしてもよい。
また、電源断信号がオフ状態になった場合には、ステップS701に戻る。その場合、電力供給停止時処理が実行されたことを示すデータが設定されているので、ステップS711の払出制御側復旧処理が実行される。よって、電力供給停止時処理を実行した後に電圧低下監視手段からの電源断信号がオフ状態になったときには、払出制御処理を実行する状態に戻る。したがって、電源瞬断等が生じても、払出制御処理が停止してしまうようなことはなく、自動的に、払出制御処理が続行される。
なお、待機時間は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が電力供給停止時処理を開始した後に経過するので、払出制御用マイクロコンピュータ370は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が電力供給停止時処理を開始した後に、電力供給停止時処理を開始する。したがって、払出制御用マイクロコンピュータ370が電力供給停止時処理を開始した後に、遊技制御用マイクロコンピュータ560によって賞球制御信号が出力されることがないため、賞球制御信号の取りこぼしを防止することができる。
図37は、パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されたとき、および電力供給が停止したときのマイクロコンピュータの動作の様子を示すタイミング図である。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されDC+24V電源の電圧が所定値を越えると、電源基板910から出力される電源断信号がオフ状態になる。また、VCCの値が所定値を越えるとリセット信号がハイレベルになる。なお、上述したように、電源監視回路920は、電源断信号をオフ状態にしてからリセット信号をハイレベルのオフ状態にする。そして、そのリセット信号が払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370およびランプ制御基板35のリセット端子に入力される。そして、リセット信号は、ランプ制御基板35を経由し、演出制御基板80に搭載されている演出制御用CPU101のリセット端子に入力される。払出制御用マイクロコンピュータ370および演出制御用CPU101は、リセット信号がハイレベルになると動作可能状態になる。払出制御用マイクロコンピュータ370は、動作可能状態になると、まず、初期化処理を実行した後、遊技制御用マイクロコンピュータ560へ出力する電源断信号およびリセット信号をそれぞれハイレベルのオフ状態とし、その後、払出制御処理を開始する。また、演出制御用CPU101は、まず、初期化処理を実行し、その後、演出制御処理を開始する。
払出制御用マイクロコンピュータ370からのリセット信号は、主基板31に入力される。主基板31は、リセット信号がハイレベルのオフ状態になったことに応じて動作可能状態になる。したがって、遊技制御用マイクロコンピュータ560が動作可能状態になる時点は、サブ基板のCPUが動作可能になる時点よりも遅い。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、動作可能状態になるとセキュリティチェックプログラムに基づいてセキュリティチェック処理を実行する。そして、セキュリティチェック処理を終了すると、初期化処理および遊技制御処理を開始する。
上述したように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、初期化処理においてサブ基板のCPUに対してコマンド(指令信号)を送信する処理を行なう。遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を開始する時点は、払出制御用マイクロコンピュータ370に入力されるリセット信号がオフ状態となってから、払出制御用マイクロコンピュータ370から遊技制御用マイクロコンピュータ560へ出力するリセット信号がオフ状態となるまでの時間差によって、サブ基板のCPUが初期化処理を完了する時点よりも遅くなっている。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ370が、初期化処理を終了した後にリセット信号をオフ状態とし、遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を開始する時点ではサブ基板のCPUは初期化処理を完了している。
また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を開始する前に、セキュリティチェックプログラムに基づくセキュリティチェック処理が実行される。したがって、遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を開始する時点が、サブ基板のCPUが全て初期化処理を完了する時点よりも遅くなることがより確実になる。したがって、パチンコ遊技機1の電力供給が開始されたときに、サブ基板のCPUが、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの制御コマンドをより確実に受信することができるようになる。
一方、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止すると、DC+24V電源の電圧も徐々に低下するのであるが、電源監視回路920は、DC+24V電源の電圧が所定値を下回ると、電源断信号を出力する(ローレベルにする)。電源監視回路920からの電源断信号は、払出制御用マイクロコンピュータ370に入力される。そして、払出制御用マイクロコンピュータ370により、入力された電源断信号に基づいて電源断信号が作成されて技制御用マイクロコンピュータ560へ出力される。払出制御用マイクロコンピュータ370は、主基板31に電源断信号が入力されてから所定期間が経過するまで、賞球払出指定の払出制御信号(賞球REQ信号と賞球個数信号)の入力状態を監視した後、電力供給停止時処理(電源断時制御処理ともいう。)を実行する。
そして、電源監視回路920は、VCCが所定値を下回ると、電源断信号を出力した時点から所定時間が経過したことを条件として、リセット信号をローレベルにする。払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出制御用マイクロコンピュータ370に入力されるリセット信号がローレベルになったことに応じて、払出制御用マイクロコンピュータ370から遊技制御用マイクロコンピュータ560へ出力するリセット信号をローレベルにし、その後にシステムリセットされる。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ370は、動作しない状態になる。
また、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560は、払出制御基板37からのリセット信号がローレベルになったことに応じてシステムリセットされる。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、動作しない状態になる。
図38は、ステップS753の払出モータ制御処理を示すフローチャートである。払出モータ制御処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出モータ制御コードの値に応じて、ステップS521〜S526のいずれかの処理を実行する。
払出モータ制御コードの値が0の場合に実行される払出モータ通常処理(ステップS521)では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、ポインタを、ROMに格納されているテーブルの先頭アドレスにセットする。払出モータ通常処理設定テーブルには、球払出時の払出モータ289を回転させるための各ステップの励磁パターン(払出モータφ1〜φ4)のデータが順次設定されている払出モータ励磁パターンテーブルが格納されている。
払出モータ制御コードの値が1の場合に実行される払出モータ起動準備処理(ステップS522)では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、出力ポート0の出力状態に対応した出力ポート0バッファのビット4〜7に励磁パターンの初期値を設定する等の処理を行なう。
払出モータ制御コードの値が2の場合に実行される払出モータスローアップ処理(ステップS523)では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出モータ289を滑らかに回転開始させるために、定速処理の場合よりも長い間隔で、かつ、徐々に定速処理の場合の時間間隔に近づくような時間間隔で、払出モータ励磁パターンテーブルの内容を読み出して出力ポート0の出力状態に対応した出力ポート0バッファのビット4〜7に設定する。読み出しに際して、ポインタが指すアドレスの払出モータ励磁パターンテーブルの内容を読み出すとともに、ポインタの値を+1する。
払出モータ制御コードの値が3の場合に実行される払出モータ定速処理(ステップS524)では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、定期的に払出モータ励磁パターンテーブルの内容を読み出して出力ポート0の出力状態に対応した出力ポート0バッファのビット4〜7に設定する。
払出モータ制御コードの値が4の場合に実行される払出モータブレーキ処理(ステップS525)では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出モータ289を滑らかに停止させるために、定速処理の場合よりも長い間隔で、かつ、徐々に定速処理の場合の時間間隔から遠ざかるような時間間隔で、払出モータ励磁パターンテーブルの内容を読み出して出力ポート0の出力状態に対応した出力ポート0バッファのビット4〜7に設定する。
払出モータ制御コードの値が5の場合に実行される球噛み時払出モータブレーキ処理(ステップS526)では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、球噛みを解除するための回転の場合に、払出モータ289を滑らかに停止させるために、球噛みを解除するための払出モータ289の回転の場合よりも長い間隔で、かつ、徐々に定速処理の場合の時間間隔から遠ざかるような時間間隔で、払出モータ励磁パターンテーブルの内容を読み出して出力ポート0の出力状態に対応した出力ポート0バッファのビット4〜7に設定する。
図39は、ステップS755の主制御通信処理を示すフローチャートである。主制御通信処理では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、主制御通信制御コードの値に応じて、ステップS531〜S532のいずれかの処理を実行する。
図40は、主制御通信制御コードの値が0の場合に実行される主制御通信通常処理(ステップS531)を示すフローチャートである。主制御通信通常処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、エラービット(主制御未接続エラービットまたは賞球REQ信号エラービット)がオンしている場合には、以降の処理を実行せずに処理を終了する(ステップS541)。ステップS541では、エラーフラグ中の2つのビットのうち1つでもセットされていたら、エラービットがセットされていると判断する。
ステップS541の条件が成立せず、接続確認信号がオン状態である場合には、払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球REQ信号がオン状態になっているか否か確認する(ステップS543,S544)。なお、接続確認信号がオン状態であるということは、電力供給がなされ遊技制御用マイクロコンピュータ560において遊技の進行を制御可能な状態であることを意味し、接続確認信号がオフ状態であるということは、電力供給が停止され遊技制御用マイクロコンピュータ560において遊技の進行が不能な状態であることを意味する。オン状態になっている場合には、賞球個数信号が示す賞球数を賞球未払出個数カウンタの内容に加算し(ステップS545)、主制御通信制御タイマに賞球REQ信号オフ監視時間(賞球REQ信号のオン状態が継続され得る最長の期間であって予め定められている期間:たとえばここでは「24」)をセットする処理を行なう(ステップS546)。主制御通信制御タイマは、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560との通信に関わる時間の監視等に使用されるタイマであるが、この段階では、賞球REQ信号がオフされるタイミングを監視するための賞球REQ信号オフ監視時間がセットされる。そして、主制御通信制御コードの値を1にして(ステップS547)、処理を終了する。なお、賞球未払出個数カウンタは、不揮発性(この例では電源バックアップされている)のRAM領域に形成されている。
図41は、主制御通信制御コードの値が1の場合に実行される主制御通信終了処理(ステップS532)を示すフローチャートである。主制御通信中処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、エラービット(主制御未接続エラービットまたは賞球REQ信号エラービット)がオンしている場合には、ステップS567に移行する(ステップS561)。また、接続確認信号がオフ状態である場合にもステップS567に移行する(ステップS562)。エラービットがともにオフ状態であって接続確認信号がオン状態である場合には、賞球REQ信号がオフ状態になったか否かを確認する(ステップS563)。オフ状態になったらステップS567に移行する。
賞球REQ信号がオフ状態になっていない場合には、主制御通信制御タイマの値を確認する(ステップS564)。主制御通信制御タイマの値が0になっていなければ主制御通信制御タイマの値を−1する(ステップS565)。主制御通信制御タイマの値が0になっていたら、監視時間内に賞球REQ信号がオフしなかったとして、エラーフラグのうち賞球REQ信号エラービットをセットし(ステップS566)、ステップS567に移行する。ステップS567では、主制御通信制御コードの値を0にして、処理を終了する。
図42は、ステップS756の賞球球貸し制御処理を示すフローチャートである。賞球球貸し制御処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出個数カウントスイッチ301の検出信号がオン状態になったことを確認したら(ステップS601)、球貸し中であれば球貸し未払出個数カウンタの値を1減らし(ステップS602,S604)、球貸し中でなければ賞球未払出個数カウンタの値を1減らす(ステップS602,S603)。その後、払出制御コードの値に応じてステップS610〜S612のいずれかの処理を実行する。
賞球球貸し制御処理において、払出個数カウントスイッチ301の検出信号の確認や未払出個数カウンタの減算処理を行なうときには、エラービットのチェックは実行されない。したがって、遊技球の払出しに関わるエラー状態であっても、払出個数カウントスイッチ301によって遊技球の払出しが検出される毎に、払出された遊技球が貸し球であれば球貸し未払出個数カウンタの値を1減算し、賞球であれば賞球未払出個数カウンタの値を1減算する処理を実行する。よって、払出しに関わるエラーが発生しても、未払出の遊技球数を正確に管理することができる。すなわち、払出制御用マイクロコンピュータ370がエラーの発生を検出する前に球払出装置97から払出された遊技球は、払出された時点からやや遅れて払出個数カウントスイッチ301によって検出されるのであるが、払出制御用マイクロコンピュータ370は、球払出装置97から遊技球が払出された後、その遊技球が払出個数カウントスイッチ301によって検出される前にエラーの発生を検出したような場合に、エラーの発生を検出する前に球払出装置97から払出された遊技球を、賞球未払出個数カウンタまたは球貸し未払出個数カウンタに反映できる。
図43は、払出制御コードが0の場合に実行される払出開始待ち処理(ステップS610)を示すフローチャートである。払出開始待ち処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、BRDY信号がオン状態であるか否かを判断する(ステップS622)。払出制御用マイクロコンピュータ370は、BRDY信号がオン状態でなければ、ステップS622aに進む。一方、BRDY信号がオン状態であって、さらに、球貸し要求信号であるBRQ信号がオン状態になっていたら球貸し動作中フラグをセットする(ステップS623,S624)。そして、球貸し未払出個数カウンタに「25」をセットし(ステップS625)、払出モータ回転回数バッファに「25」をセットする(ステップS626)。
払出モータ回転回数バッファは、払出モータ制御処理(ステップS753)において参照される。すなわち、払出モータ制御処理では、払出モータ回転回数バッファにセットされた値に対応した回転数分だけ払出モータ289を回転させる制御が実行される。
その後、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出モータ制御処理で実行される処理を選択するための払出モータ制御コードに、払出モータ起動準備処理(ステップS522)に応じた値(具体的は「1」)をセットし(ステップS627)、払出制御コードの値を1にして(ステップS628)、処理を終了する。
BRDY信号がオフ状態であると判断されたときは、主制御未接続エラーのビットがセットされていたら、リターンすることにより、以降の処理を実行しない(ステップS622aY)。この主制御未接続エラーのビットは、主基板31からの接続確認信号がオフ状態であるときにセットされるものである。したがって、払出制御用マイクロコンピュータ370は、パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始された後、接続確認信号がオン状態になったことを条件に、実質的な制御を開始する。接続確認信号がオン状態であるということは、電力供給がなされた遊技制御用マイクロコンピュータ560において遊技の進行を制御可能な状態であるので、払出制御用マイクロコンピュータ370において遊技の進行に応じた賞球の払出制御が実行可能であることを意味する。一方、接続確認信号がオフ状態であるということは、電力供給が停止された遊技制御用マイクロコンピュータ560において遊技の進行が不能な状態であるので、払出制御用マイクロコンピュータ370において遊技の進行に応じた賞球の払出制御が実行不可能であることを意味する。よって、払出制御用マイクロコンピュータ370は、主制御未接続エラーのビットがセットされているときには、賞球の払出制御を停止する。
一方、BRDY信号がオフ状態であると判断されたときに、主制御未接続エラーのビットがセットされていなければ(ステップS622aN)、賞球の払出しに関する処理を実行するためにS631以降の処理を実行する。つまり、主制御未接続エラーのビットがセットされているときには、賞球の払出しに関する処理が実行されない。一方、主制御未接続エラーのビットがセットされているときであっても、BRDY信号がオン状態のときにはエラービットの確認が行なわれないので、貸し球の払出しに関する処理は実行される。
ステップS631では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球未払出個数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS631)。0であれば処理を終了する。賞球未払出個数カウンタには、主制御通信通常処理におけるステップS545において、すなわち、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から賞球REQ信号を受けたときに、0でない値(賞球個数信号が示す数)が加算されている。賞球未払出個数カウンタの値が0でない場合には、15以上であるか否か確認する(ステップS632)。15未満であれば、払出モータ回転回数バッファに賞球未払出個数カウンタの値をセットし(ステップS633)、15以上であれば、払出モータ回転回数バッファに「15」をセットする。そして、賞球動作中フラグをセットし(ステップS635)、ステップS627に移行する。これにより、払出制御用マイクロコンピュータ370は、前述の球貸し動作時と同様に、払出モータ制御処理で実行される処理を選択するための払出モータ制御コードに、払出モータ起動準備処理(ステップS522)に応じた値(具体的は「1」)をセットし(ステップS627)、払出制御コードの値を1にして(ステップS628)、処理を終了する。
図44は、払出制御コードが1の場合に実行される払出モータ停止待ち処理(ステップS611)を示すフローチャートである。払出モータ停止待ち処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出動作が終了したか否か確認する(ステップS641)。払出制御用マイクロコンピュータ370は、たとえば、払出モータ制御処理における払出モータブレーキ処理(ステップS525)が終了するときにその旨のフラグをセットし、ステップS641においてそのフラグを確認することによって払出動作が終了したか否かを確認することができる。
払出動作が終了した場合には、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出制御監視タイマに払出通過監視時間をセットする(ステップS642)。払出通過監視時間は、最後の払出球が払出モータ289によって払出されてから払出個数カウントスイッチ301を通過するまでの時間に、余裕を持たせた時間である。そして、払出制御コードの値を2にして(ステップS643)、処理を終了する。
図45は、払出制御コードの値が2の場合に実行される払出通過待ち処理(ステップS612)を示すフローチャートである。払出通過待ち処理では、賞球払出が行なわれているときには、賞球未払出個数カウンタの値が0になっていれば正常に払出が完了したと判定される。賞球未払出個数カウンタの値が0になっていない場合には、エラー状態でなければ、賞球残数(賞球未払出個数カウンタの値に相当)の遊技球の再払出動作を、2回を上限として試みる。再払出動作において払出個数カウントスイッチ301によって遊技球が実際に払出されたことが検出されたら正常に払出が完了したと判定される。なお、この実施の形態では、1回の賞球払出動作で払出される遊技球数は最大15個であり、また、賞球払出中に賞球個数信号を受信したら賞球未払出個数カウンタの値が増加するので、正常に払出が完了した場合でも、賞球未払出個数カウンタの値が0になっていないことがある。
また、球貸し払出が行なわれているときには、球貸し未払出個数カウンタの値が0になっていれば正常に払出が完了したと判定される。球貸し未払出個数カウンタの値が0になっていない場合には、エラー状態でなければ、球貸し残数(球貸し未払出個数カウンタの値に相当)の再払出動作を試みる。なお、この実施の形態では、1回の球貸し払出動作で払出される遊技球数は25個(固定値)であり、25個の遊技球が払出されるように払出モータ289を回転させたのであるから、球貸し未払出個数カウンタの値が0になっていない場合には、正常に払出が完了していないことになる。
払出通過待ち処理において、払払出制御用マイクロコンピュータ370は、まず、払出制御タイマの値を−1する(ステップS651)。そして、払出制御タイマの値を確認し、その値が0になっていなければ、すなわち払出制御タイマがタイムアウトしていなければ処理を終了する。
払出制御タイマがタイムアウトしていれば、賞球の払出動作または貸し球の払出動作のうち現在実行中の払出動作に用いられている未払出個数カウンタの値を確認する(ステップS653)。払出動作が正常に実行されれば、払出制御タイマがタイムアウトする前に、払出モータ289によって払出された遊技球は全て払出カウントスイッチ301を通過し、ステップS603,S604の処理によって未払出個数カウンタの値は0になっている。未払出個数カウンタの値が正の値を示している場合には、実際に払出された遊技球が払出予定数よりも少ない(払出不足)ことを意味する。また、未払出個数カウンタの値が負の値を示している場合には、実際に払出された遊技球が払出予定数よりも多い(払出過多)ことを意味する。
払出制御用マイクロコンピュータ370は、未払出個数カウンタの値が正の値になっていない場合(払出不足でない場合)には、払出処理中であることを示す内部状態を、そうでない状態に変更する。具体的には、球貸し動作を実行中であったときには、すなわち、球貸し動作中フラグがセットされている場合には、球貸し動作中フラグをリセットする(ステップS654,S655)。また、賞球動作を実行中であったときには、すなわち、賞球動作中フラグがセットされている場合には、賞球動作中フラグをリセットする(ステップS654,S656)。その後、再払出動作カウンタをクリアし(ステップS657)、払出制御コードの値を0にして(ステップS658)、処理を終了する。なお、払出動作が正常に実行された場合にはステップS657の処理は不要であるが、再払出動作が実行された後にはステップS657の処理が必要になる。また、この実施の形態では、払出過多の場合にも払出処理が正常に終了したとみなすが、払出過多の場合には、エラーが生じたとしてその旨を報知するようにしてもよい。
ステップS653で未払出個数カウンタの値が正の値になっていることを確認したとき、すなわち、賞球未払出個数カウンタの値が0になっていない場合、払出制御用マイクロコンピュータ370は、遊技球の払出不足エラー状態を示すエラービットである払出ケースエラービット(後述するS666でセットされる)がセットされているか否かを判断する(ステップS660)。そして、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出ケースエラービットがセットされていないときに、後述するステップS661〜ステップS665によるリトライ動作としての再払出動作を実行するための制御を行なう。ここでは、払出予定数分の遊技球が払出されるまで、最大2回のリトライ動作としての再払出動作を行なう再払出処理が実行される。2回の再払出動作を行なっても払出予定数分の遊技球が払出されない場合には、払出数が不足していると判断し、エラービットとして、払出ケースエラービットをセットする。一方、エラーフラグがセットされている場合には、リターンし、再払出動作を実行しない。
払出制御用CPU371は、ステップS661において、再払出動作カウンタの値が2になっているか否か確認する。2になっていなければ、払出モータ回転回数バッファに未払出個数カウンタの値をセットし(ステップS662)、払出モータ制御コードに払出モータ起動準備処理に応じた値(「1」)をセットする(ステップS663)。また、再払出動作カウンタの値を+1し(ステップS664)、払出制御コードの値を1にして(ステップS665)、処理を終了する。なお、ステップS662,S663,S665の処理は、払出モータ回転回数バッファにセットされる値が異なるものの、払出開始待ち処理におけるステップS633〜S635の処理と同じである。
ステップS661において、再払出動作カウンタの値が2になっていることを確認したら、払出制御用CPU371は、エラーフラグのうち、エラービットとして、払出ケースエラービットをセットする(ステップS666)。そして、払出ケースエラーの解除後にさらに再払出動作を実行するために、再払出動作カウンタの値を0にクリアし、リターンする。このように払出ケースエラービットがセットされると、後述するエラー処理において、係員によるエラー解除スイッチ375の操作に応じてエラー状態が解除される(払出ケースエラービットがリセットされる)まで、S660の判断によりリターンすることにより、再払出動作が行なわれない。そして、エラー解除スイッチ375の操作に応じてエラー状態が解除されると、S660の判断によりS661に進み、再払出動作カウンタが前述のようにリセットされていることにより、S662〜S665が実行されて再払出動作が実行されるのである。
したがって、この実施の形態では、賞球の払出しおよび貸し球の払出しのそれぞれに関し、払出制御マイクロコンピュータ370は、払出カウントスイッチ301からの検出信号に基づいて、未払出個数カウンタに記憶された払出数に満たない遊技球の払出しが行なわれたことを検出したときに、払出不足状態であると判断し、予め決められた所定回(この例では2回)を限度として、払出手段に不足分の遊技球の払出しをするためのリトライ動作としての再払出動作が行なわれる。
次に、エラー処理について説明する。図46は、エラーの種類とエラー表示用LED374の表示との関係等を示す説明図である。図46に示すように、主基板31からの接続確認信号がオフ状態になった場合には、払出制御用マイクロコンピュータ370は、主制御未接続エラーとして、エラー表示用LED374に「1」を表示する制御を行なう。具体的には、後述する図48のS816により主制御未接続エラービットがセットされると、図34のS759の表示制御処理によりエラー表示用LED374に「1」を表示する制御を行なう。
払出個数カウントスイッチ301の断線または払出個数カウントスイッチ301の部分において球詰まりが発生した場合には、払出スイッチ異常検知エラー1として、エラー表示用LED374に「2」を表示する制御を行なう。なお、払出個数カウントスイッチ301の断線または払出個数カウントスイッチ301の部分において球詰まりが発生したことは、払出個数カウントスイッチ301の検出信号がオフ状態にならなかったことによって判定される。
遊技球の払出動作中でないにも関わらず払出個数カウントスイッチ301の検出信号がオン状態になった場合には、払出スイッチ異常検知エラー2として、エラー表示用LED374に「3」を表示する制御を行なう。払出モータ289の回転異常または遊技球が払出されたにも関わらず払出個数カウントスイッチ301の検出信号がオン状態にならない場合には、払出ケースエラーとして、エラー表示用LED374に「4」を表示する制御を行なう。払出個数カウントスイッチ301の検出信号がオン状態にならないことの具体的な検出方法は既に説明したとおりである。不正なタイミングで賞球REQ信号がオン状態になった場合、または不正なタイミングで賞球REQ信号がオフ状態になった場合には、賞球REQ信号エラーとして、エラー表示用LED374に「5」を表示する制御を行なう。不正なタイミングで賞球REQ信号がオン状態またはオフ状態になったことの具体的な検出方法は既に説明したとおりである。
また、下皿満タン状態すなわち満タンスイッチ48がオン状態になった場合には、満タンエラーとして、エラー表示用LED374に「6」を表示する制御を行なう。補給球の不足状態すなわち球切れスイッチ187がオン状態になった場合には、球切れエラーとして、エラー表示用LED374に「7」を表示する制御を行なう。
さらに、カードユニット50からのVL信号がオフ状態になった場合には、プリペイドカードユニット未接続エラーとして、エラー表示用LED374に「8」を表示する制御を行なう。具体的には、後述する図48のS826によりプリペイドカードユニット未接続エラービットがセットされると、図34のS759の表示制御処理によりエラー表示用LED374に「8」を表示する制御を行なう。不正なタイミングでカードユニット50と通信がなされた場合(たとえば、BRDY信号がオン状態にならないにもかかわらずBRQ信号がオン状態になったとき等の不正な通信)には、プリペイドカードユニット通信エラーとして、エラー表示用LED374に「9」を表示する制御を行なう。なお、プリペイドカードユニット通信エラーは、プリペイドカードユニット制御処理(ステップS754)において検出される。
以上のエラーのうち、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラーまたは賞球REQ信号エラーが発生した後、エラー解除スイッチ375が操作されエラー解除スイッチ375から操作信号が出力されたら(オン状態になったら)、払出制御用マイクロコンピュータ370は、エラーが発生する前の状態に復帰する。
図47および図48は、ステップS757のエラー処理を示すフローチャートである。エラー処理において、払出制御用マイクロコンピュータ370は、エラーフラグをチェックし、そのうちのセットされているビットが、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラーおよび賞球REQ信号エラーのみ(3つのうちのいずれかのビットのみ、もしくは3つのうちの2ビットのみ、またはそれら3ビットのみ)であるか否か確認する(ステップS801)。セットされているビットがそれらのみである場合には、エラー解除スイッチ375から操作信号がオン状態になったか否か確認する(ステップS802)。操作信号がオン状態になったら、エラー復帰時間をエラー復帰前タイマにセットする(ステップS803)。エラー復帰時間は、エラー解除スイッチ375が操作されてから、実際にエラー状態から通常状態に復帰するまでの時間である。
エラー解除スイッチ375から操作信号がオン状態でない場合には、エラー復帰前タイマの値を確認する(ステップS804)。エラー復帰前タイマの値が0であれば、すなわち、エラー復帰前タイマがセットされていなければ、ステップS808に移行する。エラー復帰前タイマがセットされていれば、エラー復帰前タイマの値を−1し(ステップS805)、エラー復帰前タイマの値が0になったら(ステップS806)、エラーフラグのうちの、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラーおよび賞球REQ信号エラーのビットをリセットし(ステップS807)、ステップS808に移行する。
なお、ステップS807の処理が実行されるときに、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラーおよび賞球REQ信号エラーのビットのうちには、セット状態ではないエラービットがある場合もあるが、セット状態にないエラービットをリセットしても何ら問題はない。以上のように、この実施の形態では、払出スイッチ異常検知エラー2、払出ケースエラーまたは賞球REQ信号エラーのビットをセットする原因になったエラー(図46参照)が発生した場合には、エラー解除スイッチ375が押下されることによってエラー解除される。
ステップS807の処理が実行されて払出ケースエラービットがリセットされた場合には、払出制御コードが「2」(図45に示す払出通過待ち処理の実行に対応)であって、賞球未払出個数カウンタの値または球貸し未払出個数カウンタの値が0でないときには、遊技球払出のリトライ動作が開始される。つまり、次にステップS756の賞球球貸し制御処理が実行されるときにステップS612の払出通過待ち処理が実行されると、再び、再払出処理が行なわれる。たとえば、賞球払出処理が行なわれていた場合には、賞球未払出個数カウンタの値が0でないときには、ステップS653からステップS660に移行し、ステップS660においてエラービットがリセット状態であることが確認されるので、ステップS662以降の再払出処理を開始するための処理が再度実行され、再払出処理が実行される。なお、エラー解除スイッチ375が押下されることによってリセットされた払出ケースエラービットに関して、そのビットがセットされたときには(ステップS666が実行されたとき)、払出制御タイマは既にタイムアップしている。したがって、ステップS807の処理が実行されて払出ケースエラービットがリセットされた場合には、次に払出通過待ち処理が実行されるときには、ステップS652の判断において払出制御タイマ=0と判定される。したがって、ステップS660においてエラービットがリセット状態であることが確認されると、ステップS662〜S665が実行されることにより、再払出処理が実行される。
以上のように、払出制御用マイクロコンピュータ370は、球払出装置97が遊技球の払出しを行なったにもかかわらず賞球未払出個数カウンタの値が0になっていない場合には、遊技球を払出すためのリトライ動作を予め決められた所定回(たとえば2回)を限度として球払出装置97に実行させる制御を行なった後、賞球未払出個数カウンタの値が0にならなかったときには、払出しに関わる制御状態をエラー状態に移行させ、エラー状態においてエラー解除スイッチ375からエラー解除信号が出力されたことを条件に再度再払出動作が行なわれる。
さらに、エラー状態における再払出処理の実行中(具体的には払出ケースエラーをセットする前の再払出処理中およびエラー解除スイッチ375押下後の再払出処理中)でも、図42に示すステップS601〜S604の処理は実行されている。すなわち、払出しに関わるエラーが生じているときでも、遊技球が払出個数カウントスイッチ301を通過すれば、賞球未払出個数カウンタや球貸し未払出個数カウンタの値が減算される。したがって、エラー状態から復帰したときの賞球未払出個数カウンタや球貸し未払出個数カウンタの値は、実際に払出された遊技球数を反映した値になっている。すなわち、払出しに関わるエラーが発生しても、実際に払出した遊技球数を正確に管理することができる。
また、図45に示された払出通過待ち処理において、再払出処理が実行された結果、遊技球が払出されたことが確認されたときでも、払出ケースエラーのビットはリセットされない。払出ケースエラーのビットがリセットされるのは、あくまでも、エラー解除スイッチ375が操作されたとき(具体的は、操作後エラー復帰時間が経過したとき)である(ステップS802〜S807)。すなわち、遊技球が払出個数カウントスイッチ301を通過したこと等に基づいて自動的に払出ケースエラー(払出不足エラー)の状態が解除されるということはなく、人為的な操作を経ないと払出ケースエラーは解除されない。したがって、遊技店員等は、確実に払出不足が発生したことを認識することができる。
エラー解除スイッチ375が操作されたことによってハードウェア的にリセット(払出制御用マイクロコンピュータ370に対するリセット)がかかるように構成されている場合には、エラー解除スイッチ375が操作されたことによってたとえば賞球未払出個数カウンタの値もクリアされてしまう。しかし、この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ370が、エラー解除スイッチ375が操作されたことによって再払出動作を再び行なうように構成されているので、確実に払出処理が実行され、遊技者に不利益を与えないようにすることができる。
ステップS808では、払出制御用マイクロコンピュータ370は、満タンスイッチ48の検出信号を確認する。満タンスイッチ48の検出信号が出力されていれば(オン状態であれば)、エラーフラグのうちの満タンエラービットをセットする(ステップS809)。満タンスイッチ48の検出信号がオフ状態であれば、満タンエラービットをリセットする(ステップS810)。
また、払出制御用マイクロコンピュータ370は、球切れスイッチ187の検出信号を確認する(ステップS811)。球切れスイッチ187の検出信号が出力されていれば(オン状態であれば)、エラーフラグのうちの球切れエラービットをセットする(ステップS812)。球切れスイッチ187の検出信号がオフ状態であれば、球切れエラービットをリセットする(ステップS813)。なお、球切れエラービットをセットされているときには、ステップS759の表示制御処理において、出力ポート1バッファにおける球切れLED52に対応したビットを点灯状態に対応した値にする。
さらに、払出制御用マイクロコンピュータ370は、主基板31からの接続確認信号の状態を確認し(ステップS815)、接続確認信号が出力されていなければ(オフ状態であれば)、主制御未接続エラービットをセットする(ステップS816)。また、接続確認信号が出力されていれば(オン状態であれば)、主制御未接続エラービットをリセットする(ステップS817)。
また、払出制御用マイクロコンピュータ370は、各スイッチの検出信号の状態が設定される各スイッチタイマのうち払出個数カウントスイッチ301に対応したスイッチタイマの値を確認し、その値がスイッチオン最大時間(たとえば「240」)を越えていたら(ステップS818)、エラーフラグのうち払出スイッチ異常検知エラー1のビットをセットする(ステップS819)。また、払出個数カウントスイッチ301に対応したスイッチタイマの値がスイッチオン最大時間以下であれば、払出スイッチ異常検知エラー1のビットをリセットする(ステップS820)。なお、各スイッチタイマの値は、ステップS751の入力判定処理において、各スイッチの検出信号を入力する入力ポートの状態がスイッチオン状態であれば+1され、オフ状態であれば0クリアされる。したがって、払出個数カウントスイッチ301に対応したスイッチタイマの値がスイッチオン最大時間を越えていたということは、スイッチオン最大時間を越えて払出個数カウントスイッチ301がオン状態になっていることを意味し、払出個数カウントスイッチ301の断線または払出個数カウントスイッチ301の部分で遊技球が詰まっていると判断される。
また、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出個数カウントスイッチ301に対応したスイッチタイマの値がスイッチオン判定値(たとえば「2」)になった場合に(ステップS821)、球貸し動作中フラグおよび賞球動作中フラグがともにリセット状態であれば、払出動作中でないのに払出個数カウントスイッチ301を遊技球が通過したとして、エラーフラグのうち払出スイッチ異常検知エラー2のビットをセットする(ステップS822,S823)。また、球貸し動作中フラグまたは賞球動作中フラグがセットされていれば、払出スイッチ異常検知エラー2のビットをリセットする(ステップS824)。
さらに、払出制御用マイクロコンピュータ370は、カードユニット50からのVL信号の入力状態を確認し(ステップS825)、VL信号が入力されていなければ(オフ状態であれば)、エラーフラグのうちプリペイドカードユニット未接続エラービットをセットする(ステップS826)。また、VL信号が入力されていれば(オン状態であれば)、プリペイドカードユニット未接続エラービットをリセットする(ステップS827)。
なお、ステップS759の表示制御処理では、エラーフラグ中のエラービットに応じた表示(数値表示)による報知をエラー表示用LED374によって行なう。したがって、通信エラーをエラー表示用LED374によって報知することができる。また、通信エラーは、払出制御用マイクロコンピュータ370の側で検出されるので、遊技制御用マイクロコンピュータ560の負担を増すことなく通信エラーを検出できる。
また、この実施の形態では、主制御未接続エラーは接続確認信号がオン状態になると自動的に解消されるが(ステップS815,S817参照)、さらにエラー解除スイッチ375が操作されたという条件を加えて、エラー状態が解消されるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、通信エラーが、カードユニット50との間の通信エラー(プリペイドカードユニット未接続エラーおよびプリペイドカードユニット通信エラー)やその他のエラーと区別可能に報知される(図46参照)。したがって、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信エラーが容易に特定される。
なお、この実施の形態では、払出しに関わるエラーが発生したことを、パチンコ遊技機裏面に設置されている払出制御基板37に搭載されているエラー表示LED374によって報知するようにしたが、パチンコ遊技機裏面の他の箇所(たとえば球払出装置97等が集中配置された払出ユニット)に報知手段を搭載してもよい。さらに、パチンコ遊技機1の表側に設置されている表示器(たとえば賞球LED51)によって報知するようにしてもよい。また、払出制御用マイクロコンピュータ370は、表示制御処理において、賞球REQ信号がオン状態であるときに、賞球LED51を点灯するための制御を行ない、賞球REQ信号がオフ状態になったら、賞球LED51を消灯するための制御を行なう。払出しに関わるエラーが発生した場合には、たとえば、賞球LED51を点滅させることによって、払出しに関わるエラーが発生したことを報知する。パチンコ遊技機1の表側に設置されている表示器によってエラー報知すれば、遊技店員等がより容易にエラーの発生を認識できる。また、エラー表示LED374による報知とパチンコ遊技機1の表側に設置されている表示器による報知とを併用してもよい。
図49は、図34のタイマ割込処理における情報出力処理(S758)の賞球個数信号としての賞球情報(賞球信号)の出力に関わる部分を示すフローチャートである。賞球信号は、払出制御基板37からターミナル基板160を介してパチンコ遊技機1の外部に出力される。
情報出力処理では、S511において、信号出力タイマの値が0であるか否かが判断される。信号出力タイマは、1パルスの賞球信号のオン期間を設定するためのタイマである。すなわち、信号出力タイマの値が0でないということは、賞球信号が出力されている状態にあることを示している。信号出力タイマの値が0でないと判断された場合には、S519において、信号出力タイマの値が1減算され、S520において、信号出力タイマの値が0になったと判断されたときには、S521において、賞球信号がオフ状態にされる。
S511において、信号出力タイマの値が0であると判断された場合には、S512において、球貸し動作中フラグがセットされているか否かが判断される。球貸し動作中フラグがセットされていないと判断された場合には、S513において、払出個数カウントスイッチ301がオン状態であるか否かが判断される。払出個数カウントスイッチ301がオン状態であると判断された場合(遊技球が通過すれば)には、S514において、賞球払出個数カウンタの値が1加算される。賞球払出個数カウンタは、RAMに形成されているカウンタである。
そして、S515において、賞球払出個数カウンタの値が10になったと判断されたときには、S516において、賞球払出個数カウンタの値がクリアされ、S517において、賞球信号がオン状態にされ、S518において、信号出力タイマに賞球信号のオン期間値が設定される。
以上の処理によって、賞球としての遊技球が10個払い出される毎に、1つの賞球信号が出力される。このように、払出制御用マイクロコンピュータ370は、払出個数カウントスイッチ301の検出信号に基づいて所定数(この例では10個)の賞球としての遊技球が払い出されたことを検出すると、その個数を示す賞球信号をパチンコ遊技機1の外部に出力する。なお、この実施の形態では、所定数は10個であるが、所定数として他の数を用いてもよい。また、所定数は複数種類あってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560から10個の賞球払出が指示され10個の遊技球の払い出しが完了すると第1の賞球信号を出力し、遊技制御用マイクロコンピュータ560から15個の賞球払い出しが指示され15個の遊技球の払出が完了すると第2の賞球信号を出力するような場合には、所定数は10および15である。
情報出力処理において、エラービットのチェックは実行されない。したがって、遊技球の払い出しに関わるエラー状態であっても、払出個数カウントスイッチ301によって、賞球としての10個の遊技球が検出される毎に賞球信号が出力される。よって、払い出しに関わるエラーが発生しても、実際に払い出した遊技球数をパチンコ遊技機1の外部においても正確に管理することができる。
また、エラー解除スイッチ375が操作されたことによってハードウェア的にリセット(払出制御用CPU371に対するリセット)がかかるように構成されている場合には、エラー解除スイッチ375が操作されたことによって賞球払出個数カウンタの値もクリアされてしまう。しかし、この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ370が、エラー解除スイッチ375が操作されたことによってエラーの解除が可能になるように構成され、エラーが解除されるときに賞球払出個数カウンタはクリアされないので、実際に払い出された遊技球が正確に賞球信号に反映される。さらに、払い出しに関わるエラー状態中でも、実際に払い出された遊技球数をパチンコ遊技機1の外部において把握できるので、払い出しに関わるエラーを発生させて不正に遊技球を払い出させるような不正行為が行なわれても、容易にそのことが検知される。
また、賞球払出個数カウンタは、球貸し動作中フラグがセットされていない状態で払出個数カウントスイッチ301が遊技球を検出したときに1加算される。したがって、賞球動作中フラグがセットされているとき(賞球払出中)だけでなく、賞球動作中フラグおよび球貸し動作中フラグがセットされていないとき(賞球払出も球貸しも行なわれていないとき)にも、払出個数カウントスイッチ301が遊技球を検出すれば1加算される。つまり、賞球払出中でもなく球貸し中でもないときに払出個数カウントスイッチ301が遊技球を検出した場合には、賞球払出によって遊技球が払い出されたとみなし、パチンコ遊技機1の外部(例えばホールコンピュータ)に出力される賞球信号に反映される。
このように、実際に払い出された遊技球は、必ず、パチンコ遊技機1の外部に出力される信号に反映されるので、例えば遊技店における払出数の集計結果に必ず反映される。
次に、主基板31から演出制御基板80に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図50に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンド(具体的には、演出制御コマンドを構成する演出制御信号)は2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」とされる。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。たとえば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図51に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御信号は、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。したがって、演出制御手段から見ると、演出制御INT信号は、演出制御信号の取り込みの契機となる取込信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、たとえば演出制御信号の1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図51に示された極性と逆極性であってもよい。
図52は、演出制御基板80に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図52に示す例において、コマンド80XX(H)(XXは変動パターンの種類に対応)は、特別図柄の変動に同期した飾り図柄の可変表示(変動)を行なう可変表示装置9における変動パターンを指定する演出制御コマンドである。なお、変動パターンを指定するコマンド(変動パターンコマンド)は変動開始指示も兼ねている。また、演出制御コマンドは、表示制御を指示するための表示制御コマンドに相当するとともに、発光体制御および音制御を指示するための発光体制御コマンドおよび音制御コマンドの機能も兼ねている。
コマンドA000(H)は、飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンドである。
コマンドD000(H)およびD001(H)は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されたときに送信される初期化コマンドである(図15におけるステップS94,S14参照)。バックアップRAMの保存されていたデータに基づいて復旧処理が実行されるときには、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、D001(H)の演出制御コマンドを送信し(ステップS94)、復旧処理を実行しないときには、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、D000(H)の演出制御コマンドを送信する(ステップS14)。
演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンドD000(H)を受信すると、可変表示装置9に、初期画面(たとえば、デモンストレーション画面)を表示し、コマンドD001(H)を受信すると、可変表示装置9に、復旧処理が実行されたことを報知するための画面を表示する。
次に、演出制御基板80からランプ制御基板35および音声制御基板70に対する制御コマンドの送出方式について説明する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、主基板31から演出制御コマンドを受信すると、ランプ・LEDおよびスピーカ27によって、可変表示装置9による演出に同期した演出を行なわせるために、ランプ制御基板35に対してランプ制御コマンドを送信し、音声制御基板70に対して音声制御コマンドを送信する。
図53に例示するように、演出制御基板80からランプ制御基板35および音声制御基板70にランプ制御コマンドおよび音声制御コマンドが伝達されるときに、演出制御用マイクロコンピュータ100と、ランプ制御用マイクロコンピュータ351および音声制御用マイクロコンピュータ701とは、双方通信を行なう。図53に示す例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、たとえば8本の信号線で伝達される1バイトのランプ制御信号(または音声制御信号)を出力するとともに、ランプ制御REQ信号(または音声制御REQ信号)をオン状態にする。ランプ制御用マイクロコンピュータ351(または音声制御用マイクロコンピュータ701)は、ランプ制御信号(または音声制御信号)を取り込むと、1パルスのランプ制御応答信号(または音声制御応答信号)を出力する。演出制御用マイクロコンピュータ100は、ランプ制御応答信号(または音声制御応答信号)がオン状態になった後オフ状態になったことを検出すると、ランプ制御REQ信号(または音声制御REQ信号)をオフ状態にする。なお、このような制御コマンドの送出方式は一例であって、双方向通信によって演出制御基板80からランプ制御基板35および音声制御基板70にランプ制御コマンドおよび音声制御コマンドが伝達されるのであれば、他の送出方式を用いてもよい。また、制御コマンドの送出方式としては、演出制御基板80からランプ制御基板35および音声制御基板70のそれぞれに一方向で制御コマンドを送出する方式を採用してもよい。また、演出制御基板80による表示制御と、ランプ制御基板35によるランプ制御と、音声制御基板70による音声制御とを1つの制御基板(演出制御基板)に設けた1つのマイクロコンピュータ(演出制御用マイクロコンピュータ)により実行するようにしてもよい。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ100の動作を説明する。図54は、演出制御用マイクロコンピュータ100が実行するメイン処理を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始され、リセット信号がハイレベルになると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、メイン処理を開始する。メイン処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(ステップS771)。その後、演出制御用マイクロコンピュータ100は、タイマ割込フラグの監視が行なわれる(ステップS772)。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用マイクロコンピュータ100は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグの値として「1」がセットされる。ステップS772において、タイマ割込フラグの値として「1」がセットされていたら、演出制御用マイクロコンピュータ100は、タイマ割込フラグの値をクリアし(ステップS773)、以下の演出制御処理を実行する。
タイマ割込は、たとえば2ms毎に発生する。すなわち、演出制御処理は、たとえば2ms毎に起動される。また、この実施の形態におけるタイマ割込処理では、タイマ割込フラグの値として「1」をセットする処理のみがなされ、具体的な演出制御処理はメイン処理において実行されるが、タイマ割込処理で演出制御処理を実行してもよい。
演出制御処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、まず、タイマ割込フラグをクリアし、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析実行処理:ステップS774)。次いで、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセス処理を行なう(ステップS775)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応したプロセスを選択して可変表示装置9の表示制御を実行する。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、モータ駆動信号出力処理を行なう(ステップS776)。モータ駆動信号出力処理では、ハンマ151を動作させるために、モータ150に対して駆動信号を出力する処理を実行する。また、操作スイッチ81からの操作信号やセンサ154,155からの検出信号を入力ポート106を介して入力するデータ入力処理を実行する(ステップS777)。そして、乱数カウンタを更新する処理を実行する(ステップS778)。その後、ステップS772のタイマ割込フラグの確認を行なう処理に戻る。
主基板31からの演出制御用のINT信号は、演出制御用マイクロコンピュータ100の割込端子に入力されている。たとえば、主基板31からのINT信号がオン状態になると、演出制御用マイクロコンピュータ100においてタイマ割込が発生する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、割込処理において演出制御コマンドの受信処理を実行する。演出制御コマンドの受信処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した演出制御コマンドデータをコマンド受信バッファに格納する。
図55は、図54に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS775)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S805のうちのいずれかの処理を実行する。各処理において、以下のような処理が実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、変動時間を特定可能な演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。たとえば、変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。変動パターン受信フラグは、コマンド解析処理によって、変動パターン指定の演出制御コマンドが受信されたことが確認された場合にセットされる。変動パターン指定の演出制御コマンドが受信されたことを確認したら、演出制御プロセスフラグの値をステップS801に応じた値に更新する。
飾り図柄変動開始処理(ステップS801):変動パターンコマンドに応じて複数定められている飾り図柄の変動パターンから、実際に使用する変動パターンと飾り図柄の停止図柄の組合せを決定する。また。可変表示装置9における飾り図柄(左中右の図柄)の変動を開始させる。その後、演出制御プロセスフラグの値をステップS802に応じた値に更新する。
図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度等)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。また、左右図柄の停止制御を行なう。その後、演出制御プロセスフラグの値をステップS803に応じた値に更新する。
飾り図柄停止処理(ステップS803):変動時間が経過して全図柄停止を指示する演出制御コマンド(飾り図柄停止の演出制御コマンド:確定コマンド)を受信していたら、図柄の変動を停止し停止図柄(確定図柄)を表示する制御を行なう。その後、停止図柄が大当りとなったときには、演出制御プロセスフラグの値をステップS804に応じた値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、確変大当り表示または通常大当り表示の制御を行なう。その後、演出制御プロセスフラグの値をステップS805に応じた値に更新する。
大当たり遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中の制御を行なう。たとえば、大入賞口開放前表示や大入賞口開放時表示の演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行なう。その後、大当り遊技が終了したときには、演出制御プロセスフラグの値をステップS800に応じた値に更新する。
図56は、図55に示された演出制御プロセス処理における飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。飾り図柄変動開始処理において、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した変動パターンコマンドに基づいて、飾り図柄の変動パターンを決定する(ステップS871)。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、飾り図柄の変動パターンの少なくとも一部を独自に決定する。たとえば、予め用意された複数種類の飾り図柄の変動パターンのうち、変動パターンコマンドのEXTデータによって特定される変動時間および遊技制御用マイクロコンピュータ560による事前判定結果(大当り、はずれ、リーチなど)に合致する複数種類の飾り図柄の変動パターンの中から、実行する変動パターンを選択する。
つまり、演出制御用マイクロコンピュータ100は、たとえば、飾り図柄の演出内容(たとえば、どのキャラクタを用いて演出するかなど)、予告演出の実行の有無や演出内容など、飾り図柄の変動態様の少なくとも一部を独自に決定する。なお、ステップS871で、演出制御用マイクロコンピュータ100は、可動部材としてのハンマ151と飾り図柄とを共動させた演出の実行の有無や演出内容など、可動部材の動作態様や可動部材に連動した飾り図柄の変動態様の少なくとも一部を独自に決定する。また、飾り図柄の変動期間に応じた変動時間タイマをスタートさせ、可変表示装置9において左中右の飾り図柄の変動が開始されるようにVDP109に対して指示を与える(ステップS872)。その後、演出制御プロセスフラグの値を図柄変動中処理に応じた値に更新する(ステップS873)。
第2実施形態
第2実施形態では、払出制御基板37において、リセット信号をソフトウェア的に作成して出力し、電源断信号をソフトウェア的に作成せずに出力する例を説明する。図57は、第2実施形態による制御回路の構成を示すブロック図である。
第1実施形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される電源断信号が、払出制御用マイクロコンピュータ370から出力される例を示した。しかし、これに限らず、別の実施の形態としては、図57に示すように、電源基板910から払出制御基板37に入力される電源断信号を払出制御用マイクロコンピュータ370を介さずにそのまま主基板31へ入力させる構成を採用してもしてもよい。図57の構成では、払出制御基板37上において、電源断信号の信号経路が、入力ポート372gに入る前の位置で2つに分岐され、一方が入力ポート372gに接続され、他方が出力回路373Bに接続される。
図57の場合には、払出制御用マイクロコンピュータ370から出力回路373Bに電源断信号が出力されず、入力ポート372gに入る前の位置で分岐して出力回路373Bに入力された電源断信号が、出力回路373Bから主基板31へ出力される。そして、その電源断信号が、主基板31において、入力回路68を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。このように構成する場合には、図33のS715aおよび図35のS904aのような電源断信号の出力に関する処理が払出制御用マイクロコンピュータ370において実行されないようにする。
なお、主基板31と演出制御基板80との間の信号経路上に設置されている中継基板77には、単方向性回路が設けられている。したがって、演出制御基板80からの信号、演出制御基板80に入力される信号(操作スイッチ81の操作信号およびセンサ154,155の検出信号)、および演出制御基板80に接続されるランプ制御基板35および音声制御基板70(主基板31に接続されない基板を周辺基板ともいう。)からの信号は、中継基板77の存在によって、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560に伝達されない。したがって、遊技制御用マイクロコンピュータ560に対する外部からの信号入力経路が限定され、遊技制御用マイクロコンピュータ560に対して不正信号を送り込む不正行為がなされる可能性を低減できる。
図57の構成例においては、たとえば、図33のS715aおよび図35のS904aのような電源断信号を出力するために必要な処理を払出制御用マイクロコンピュータ370が実行する必要がなくなるので、払出制御用マイクロコンピュータ370の制御処理の処理負荷を軽減することができる。
第3実施形態
第3実施形態では、第1実施形態のように電源断信号およびリセット信号をソフトウェア的に作成する場合において、電源監視回路920を払出制御基板37に搭載する例を説明する。図58は、第3実施形態による制御回路の構成を示すブロック図である。
電源断信号およびリセット信号をソフトウェア的に作成する構成について、第1実施形態では、電源基板910に電源監視回路920が搭載されている例を示したが、これに限らず、図58に示すように、電源監視回路920を払出制御基板37に搭載してもよい。図58に示す電源基板910Aには電源監視回路920は搭載されていない。払出制御基板37上において、電源監視回路920からの電源断信号は、前述した例と同様に、入力ポート372gを介して払出制御用マイクロコンピュータ370に入力される。また、払出制御基板37上において、電源監視回路920からのリセット信号は、前述した例と同様に、リセット端子375(図58では省略)から払出制御用マイクロコンピュータ370に入力される。
払出制御用マイクロコンピュータ370から出力される電源断信号およびリセット信号は、前述した例と同様に、それぞれ出力回路373Bを介して主基板31に入力される。図58に示す構成では、電源基板910Aから払出制御基板37に対して、電源断信号およびリセット信号を伝達するための信号線(ケーブル)を設ける必要はない。よって、電源基板910から電気部品制御基板への信号線数をさらに減らすことができる。さらに、電源断信号およびリセット信号を伝達する信号線の基板間での全体的な長さが短くなるので、電源断信号およびリセット信号にノイズが乗る可能性を低減することができる。
第4実施形態
第4実施形態では、第2実施形態のように、払出制御基板37において、リセット信号をソフトウェア的に作成して出力し、電源断信号をソフトウェア的に作成せずに出力する構成について、電源監視回路920を払出制御基板37に搭載する例を説明する。
図59は、第4実施形態による制御回路の構成を示すブロック図である。図59に示されるように、払出制御基板37には、第2実施形態のようにリセット信号をソフトウェア的に作成して出力し、電源断信号をソフトウェア的に作成せずに出力する回路が形成されている。さらに、電源監視回路920が払出制御基板37に搭載されている。このような第4実施形態においては、第2実施形態により得られる効果と同様の効果に加えて、第3実施形態により得られる効果と同様の効果を得ることができる。
第5実施形態
第5実施形態では、払出制御基板37において、電源断信号およびリセット信号をソフトウェア的に作成せずに出力する構成について、電源監視回路920を電源基板910に搭載する例を説明する。
図60は、第5実施形態による制御回路の構成を示すブロック図である。電源監視回路920は、電源基板910に搭載されている。払出制御基板37において、電源断信号の信号経路の構成は、第2実施形態の場合と同様である。一方、リセット信号の信号経路の構成は、次のとおりである。電源基板910から払出制御基板37に入力されたリセット信号の信号経路は、払出制御基板37上において、払出制御用マイクロコンピュータ370のリセット端子375(図60では省略)に入力される前の位置で2つに分岐され、一方がリセット端子に接続され、他方が遅延回路378を介して出力回路373Bに接続される。遅延回路378は、遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力されるリセット信号を遅延させる回路であり、払出制御用マイクロコンピュータ370に入力されるリセット信号に対して、第1実施形態に示した図33のS716および図36のS936と同様の遅延時間で遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力するリセット信号をさせる。
図60の場合には、払出制御用マイクロコンピュータ370から出力回路373Bに電源断信号およびリセット信号が出力されず、払出制御用マイクロコンピュータ370を介さずに出力回路373Bに入力された電源断信号およびリセット信号が、出力回路373Bから主基板31へ出力される。そして、その電源断信号およびリセット信号が、主基板31において、入力回路68を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される。このように構成する場合には、図33のS715aおよび図35のS904aのような電源断信号を出力するために必要な処理、および、図33のS716と図36のS936とのようなリセット信号の出力に関する処理が払出制御用マイクロコンピュータ370において実行されないようにする。
第6実施形態
第6実施形態では、払出制御基板37において、第5実施形態のように電源断信号およびリセット信号をソフトウェア的に作成せずに出力する構成について、第3実施形態のように電源監視回路920を払出制御基板37に搭載する例を説明する。図61は、第6実施形態による制御回路の構成を示すブロック図である。
図61に示す電源基板910には電源監視回路920は搭載されていない。払出制御基板37上において、電源監視回路920が設けられている。電源監視回路920からの電源断信号は、第5実施形態と同様に、入力ポート372gを介して払出制御用マイクロコンピュータ370に入力されるともに、出力回路373Bを介して主基板31に出力される。また、払出制御基板37上において、電源監視回路920からのリセット信号は、第5実施形態と同様に、リセット端子375(図61では省略)から払出制御用マイクロコンピュータ370に入力されるとともに、遅延回路378および出力回路373Bを介して主基板31に出力される。
なお、前述した第1実施形態〜第6実施形態については、電源基板910から主基板31に供給される直流電力を、払出制御基板37を経由させるようにしてもよい。そのような構成によれば、電源基板910から主基板31および払出制御基板37に電力を供給するための電源ケーブルを1本(複数種類の電源ラインを含む。)だけ敷設すればよい。電源断信号、クリアスイッチ921からのクリア信号、リセット信号、およびリセット信号を伝達する信号線の設置位置は、電源からのノイズが乗らないように、電源ケーブルの設置位置から離れていることが好ましいのであるが、電源基板910から1本の電源ケーブルを引き出せばよいことから、電源断信号、クリア信号、リセット信号、およびリセット信号を伝達する信号線と電源ケーブルとを分離しやすくなる。
また、前述した実施の形態に示された構成では、主基板31と払出制御基板37とのそれぞれに対して、電源線、電源断信号の信号線、およびリセット信号の信号線が、1本のケーブルに含まれている。また、電源基板910から主基板31に供給される直流電力を払出制御基板37を経由させる構成について、電源基板910の構成は、ケーブルの引き出し方は異なるが、前述した実施の形態に示された構成と同じである。
その他の実施形態
前述した第1実施形態〜第6実施形態の他には、次のような構成を採用してもよい。
(A) 前述した実施の形態においては、電源断信号が払出制御基板37(払出制御用マイクロコンピュータ370)から主基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ560)へ出力される構成を説明した。これに限らず、電源断信号については、電源基板910から主基板31に入力し、さらに、主基板31から払出制御基板37へ出力される構成を採用してもよい。このように、電源断信号は、主基板31および払出制御基板37のいずれか一方の基板から他方の基板に出力されればよい。
(B) また、前述した実施の形態においては、リセット信号が払出制御基板37(払出制御用マイクロコンピュータ370)から主基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ560)へ出力される構成を説明した。これに限らず、リセット信号については、電源基板910から主基板31に入力し、さらに、主基板31から払出制御基板37へ出力される構成を採用してもよい。この場合には、遊技制御側のメイン処理に用いられるプログラムを利用し、遊技制御用マイクロコンピュータ560により実質的な遊技制御処理が実行開始されるタイミングをソフトウェア的に遅らせるようにしてもよい。たとえば、図14のメイン処理におけるステップS4を実行した後に、遊技の進行を制御する遊技制御処理の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行する構成にしてもよい。この場合、ソフトウェア遅延処理によるメイン処理の進行の遅延により、遊技制御用マイクロコンピュータ560よりも先に払出制御用マイクロコンピュータ370を立ち上げることができる。また、リセット信号を遅延させる遅延回路を主基板31上に設け、リセット信号を遅延させて遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力するようなハードウェア構成を採用してもよい。その場合には、ソフトウェア遅延処理を実行することなく、ハードウェア構成によって遊技制御用マイクロコンピュータ560よりも先に払出制御用マイクロコンピュータ370を立ち上げる。このように、リセット信号は、主基板31および払出制御基板37のいずれか一方の基板から他方の基板に出力されればよい。
(C) また、前述した実施の形態においては、1つのリセット信号に起動信号と停止信号との機能を持たせた例を示した。これに限らず、起動信号と停止信号とを別の2つの信号に分けて構成してもよい。その場合において、起動信号は、電源基板910から払出制御基板37(払出制御用マイクロコンピュータ370)に入力し、さらに払出制御基板37から主基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ560)へ出力されてもよく、または、電源基板910から主基板31に入力し、さらに主基板31から払出制御基板37へ出力されてもよい。停止信号は、電源基板910から払出制御基板37に入力し、さらに払出制御基板37から主基板31へ出力されてもよく、または、電源基板910から主基板31に入力し、さらに主基板31から払出制御基板37へ出力されてもよい。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 電源監視回路920における電源監視手段が電源電圧の低下を検出しときに電源監視回路920から、たとえば、払出制御基板37の入力部に電源断信号が入力されたことを条件に、図35のS904aで払出制御基板37から主基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ560)に電源断信号が出力されるというように、電源断信号が主基板31および払出制御基板37のうちのいずれか一方の基板から他方の基板に出力される。このため、電力供給停止時処理の実行に関わる配線を簡略化して、遊技機のコストを低減させることができる。さらに、電源監視回路920から出力される停止信号として用いられるリセット信号については、電源監視回路920からのリセット信号に基づいて、たとえば、図36のS936で払出制御基板37から主基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ560)にローレベルのリセット信号が出力されるというように、いずれか一方の基板から他方の基板に入力されるので、停止信号(リセット信号)の配線を簡略化して、遊技機のコストをより一層低減させることができる。また、電源監視回路920から出力される起動信号として用いられるリセット信号については、電源監視回路920からのリセット信号に基づいて、たとえば、図33のS716で払出制御基板37から主基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ560)にハイレベルのリセット信号が出力されるので、起動信号(リセット信号)の配線を簡略化して、遊技機のコストをより一層低減させることができる。
また、図10に示されるように、払出制御基板37において、記録媒体処理装置(カードユニット)からインタフェース基板66を経た接続信号(VL信号)がフォトカプラPC1を介して払出制御用マイクロコンピュータ370へ入力されるので、接続信号として異常なレベルの信号が払出制御用マイクロコンピュータ370へ入力されないようにすることができる。さらに、接続信号を安定化させるためのコンデンサC1が払出制御基板37に設けられるので、払出制御基板37の外部に接続信号用のコンデンサを設ける必要がなくなる。このため、払出制御基板37の外部において、不正な信号を払出制御基板37へ入力させるために用いるコンデンサを接続信号の信号経路に設けて行なわれる不正行為を容易に発見することができるようになり、さらに、そのような不正行為を行ないにくくすることもできる。
また、図48のS825〜S827に示されるように、カードユニット50からインタフェース基板66を経た接続信号(VL信号)が払出制御用マイクロコンピュータ370に入力されていないときに、プリペイドカードユニット未接続エラー(図46)という異常状態であると判定され、図34のS759で異常状態が生じた旨が報知されるので、そのような異常状態を容易に把握することができる。また、払出制御用マイクロコンピュータ370におけるステップS622aで主制御未接続エラーと判断されるとS631〜S635の処理が実行されず、賞球の払出制御処理が停止するように、遊技制御マイクロコンピュータ560と払出制御マイクロコンピュータ370との間の接続状態を確認するための接続確認信号が払出制御マイクロコンピュータに入力されていないときに、賞球の払出制御処理を停止させることにより、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の接続状態に異常が生じたときに、過剰な払出しが行なわれないようにすることができる。
(2) 図45に示されるように、遊技球(賞球、貸し球)の払出不足状態が生じたときであっても、S653,S661〜S665により、遊技球を払出すためのリトライ動作が所定回を限度として実行され、さらに、そのリトライ動作によって払出不足状態が解消されなければ、S666,S801〜S807により払出不足エラー状態としての払出ケースエラーとなるが、係員がエラー解除スイッチ375を操作すると、その払出不足エラー状態が解除され、S660,S661〜S665によりリトライ動作が再実行される。このようにリトライ動作が繰返されることにより、エラー状態を解消するためにRAMに記憶された未払出個数のデータを初期化するというようなデータの喪失を伴うエラー状態の復旧処理を行なうことなく、遊技球を確実に払出すことが可能となる。
(3) また、前述した実施の形態では、図42の賞球球貸し制御処理において、エラーフラグの状態を参照せず、エラー状態となっていても処理が続行されることから、エラー状態であっても賞球の払出しが検出されるとS603で賞球未払出個数カウンタの減算処理が実行される。これにより、エラー状態が発生しても遊技球払出数を正確に管理することができる。
(4) また、前述した実施の形態では、図49の情報出力処理において、エラーフラグの状態を参照せず、エラー状態となっていても処理が続行されることから、エラー状態であっても、所定数の賞球の払出が検出されるごとに、賞球情報がパチンコ遊技機1の外部に出力されるので、エラー状態が発生しても賞球の払出された個数をパチンコ遊技機1遊の外部において確実に管理することができる。
(5) また、図10に示されるように、カードユニット50から入力される接続信号(VL信号)の信号経路が、フォトカプラPC1から出力される接続信号を払出制御用マイクロコンピュータ370へ伝達する第1信号経路L1と、フォトカプラPC1から出力される接続信号を発射基板91へ伝達する第2信号経路L2とに分岐して形成されているので、発射基板91によって接続信号に基づいて打球発射装置90の駆動を行なう構成において、接続信号伝達用の配線を簡略化することができる。
(6) また、図58、図59、および、図61に示されるように電源断信号を出力する機能を有する電源監視回路920が払出制御基板37に搭載された場合においては、電源監視回路920と払出制御基板37との間に電源断信号を送信するための配線を設ける必要がないため、配線構成をさらに簡略化することができるとともに、電圧低下信号の送信線へのノイズ等が発生することにより誤った電源断信号が入力される可能性を低減することができる。
(7) 図3を用いて前述したように、主基板31が遊技盤6に配置され、払出制御基板37が遊技枠200に配置されている。このような主基板31と払出制御基板37とが遊技盤6と遊技枠200とに分かれて配置されている構成において、電源監視回路920からの電源断信号を遊技制御基板と払出制御基板とのいずれか一方に送れば両方の基板に電圧低下信号が伝わるので、電源断信号を送るための配線のトータルの長さを短縮することができるとともに、その配線を簡略化することができる。さらに、このような配線の長さを短縮することができることに基づいて、この配線から侵入するノイズを低減し、電力供給停止時処理の実行におけるノイズの影響を低減することができる。また、配線を簡略化することができることに基づいて、パチンコ遊技機1の部品コストが低減され、パチンコ遊技機1の製造コストを低減することができる。
(8) また、このような主基板31と払出制御基板37とが遊技枠200と遊技盤6とに分かれて配置されている構成において、電源監視回路920からの停止信号および起動信号に兼用されるリセット信号を主基板31と払出制御基板37とのいずれか一方に送れば両方の基板にリセット信号が伝わるので、リセット信号を送るための配線のトータルの長さを短縮することができるとともに、その配線を簡略化することができる。さらに、このような配線の長さを短縮することができることに基づいて、この配線から侵入するノイズを低減し、リセット信号に対するノイズの影響を低減することができる。また、配線を簡略化することができることに基づいて、パチンコ遊技機1の部品コストが低減され、パチンコ遊技機1の製造コストを低減することができる。
(9) また、図33に示されるように、払出制御基板37において、払出制御用マイクロコンピュータ370の初期化処理が行なわれた後のS716により、遊技制御用マイクロコンピュータ560へ出力する起動信号としてリセット信号のハイレベルが作成される構成では、払出制御基板を経て起動指示信号として主基板31に入力されることとなるので、パチンコ遊技機1に電源が投入されたときには、起動信号としてのリセット信号のハイレベルが伝わる順序にしたがって、遊技制御用マイクロコンピュータ560による遊技制御処理よりも先に払出制御用マイクロコンピュータ370による払出制御処理を開始することができる。この場合には、払出制御マイクロコンピュータ370により起動信号が作成されるので、払出制御基板37上で入力した起動信号を遅延して出力させるための遅延回路を払出制御基板に設ける必要がなく、遊技制御用マイクロコンピュータからの払出数データ等を含む信号の取りこぼしによる遊技者の不利益を確実に防止することができる。
(10) また、前述した実施の形態では、図42の賞球球貸し制御処理において、また、遊技制御用マイクロコンピュータ560により、遊技制御側復旧処理が行なわれたときに、その旨を報知させるための復旧コマンドを演出制御コマンドとして演出制御用マイクロコンピュータ100に出力するように構成されているので、遊技制御側復旧処理が行なわれたことを遊技者等に容易に認識させることができる。
(11) また、電源監視回路920からの電源断信号が払出制御基板37のみに入力される場合においては、電源基板910から主基板31に亘る電源系統を一系統にすることができ、電源監視回路920からの電源断信号の配線と電源系統の電源ケーブルとを分離しやすくなり、明確に区別することができる。なお、クリアスイッチ921からのクリア信号の配線と電源系統の電源ケーブルとにおいても、同様に、分離しやすくなり、明確に区別することができる。
(12) また、図8に示されるように、中継基板77に設けられている単方向性回路74により、たとえば、操作スイッチ81が操作されたときの操作信号や、ランプ制御基板35や音声制御基板70からの信号や、センサ154,155からの検出信号等、演出制御用マイクロコンピュータ100に入力される信号が、遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力されることがないため、演出制御用マイクロコンピュータ100から遊技制御用マイクロコンピュータ560に不正信号等が入力されるような不正行為を防止することができる。
(13) 前述した実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560におけるステップS482によりNOと判断されたときに、RETIによりタイマ割込処理が終了しステップS1に戻る。すなわち、電源断信号がオン状態になると遊技制御側電力供給停止時処理が実行され、電源断信号がオフ状態になったときに、遊技制御処理を開始可能なステップS1に移行される。これにより、電源瞬断等が生じた場合であっても電力供給が復旧すれば自動的に元のバックアップされている遊技状態に復帰することができる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 前述した実施の形態においては、電源監視回路920からのリセット信号が払出制御用マイクロコンピュータ370に入力され、ステップS701〜S714の処理が実行された後に、当該払出制御用マイクロコンピュータ370からリセット信号が出力回路373Bを介して遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力される例について説明した。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560よりも先に払出制御用マイクロコンピュータ370を立ち上げることができるように、払出制御側のメイン処理に用いられるプログラムを利用し、ソフトウェア的に遊技制御用マイクロコンピュータ560にリセット信号が入力されるタイミングを遅らせる例について説明した。しかし、これに限らず、遊技制御側のメイン処理に用いられるプログラムを利用し、遊技制御用マイクロコンピュータ560により実質的な遊技制御処理が実行開始されるタイミングをソフトウェア的に遅らせるようにしてもよい。たとえば、電源監視回路920からのリセット信号を、払出制御用マイクロコンピュータ370と、払出制御用マイクロコンピュータ370を経由することなく出力回路373Bを介して遊技制御用マイクロコンピュータ560と、の双方に入力し、図14のメイン処理におけるステップS4を実行した後に、遊技の進行を制御する遊技制御処理の開始タイミングをソフトウェアで遅らせるためのソフトウェア遅延処理を実行する構成にしてもよい。この場合、ステップS716の処理を行なうことなく、遊技制御用マイクロコンピュータ560よりも先に払出制御用マイクロコンピュータ370を立ち上げることができるため、同様の効果を奏する。
なお、このように電源監視回路920からのリセット信号を、払出制御用マイクロコンピュータ370を経由することなく出力回路373Bを介して主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560に入力する場合においては、演出制御用マイクロコンピュータ100および音制御用マイクロコンピュータ701へのリセット信号の入力パターンとして、主基板31に入力されたリセット信号を入力する入力パターンであってもよい。
(2) 前述した第5,第6実施形態においては、リセット信号をソフトウェア的に発生させずに、払出制御基板37上の遅延回路378を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560へ出力する例を示した。このように構成するときの遅延回路378は、前述のような出力回路373Bよりも上流位置に設ける他に、次のように設けてもよい。遅延回路378は、主基板31に設けてもよく、払出制御基板37に設けてもよい。また、遅延回路378は、出力回路373Bを経由したリセット信号が当該遅延回路に入力されるような、出力回路373Bより下流位置に設けてもよい。この場合、遅延回路378は、払出制御基板37に設けてもよく、主基板31に設けてもよい。なお、遅延回路378を主基板31に設ける場合においては、演出制御用マイクロコンピュータ100および音制御用マイクロコンピュータ701へのリセット信号の入力パターンとして、主基板31に入力されたリセット信号を入力する入力パターンであってもよい。
(3) 前述した実施の形態においては、電源監視回路920からの電源断信号が払出制御用マイクロコンピュータ370と、出力回路373Bを介して遊技制御用マイクロコンピュータ560との双方にほぼ同タイミングで入力され、電源断信号が入力されると同時に電力供給停止時処理が遊技制御側と払出制御側とで実行される例について説明した。しかし、これに限らず、遊技制御側において電力供給停止時処理が開始されるタイミングが、払出制御側において電力供給停止時処理が開始されるタイミングよりも、先になるように制御を行なうようにしてもよい。これにより、電源断時において、払出制御側において電力供給停止時処理が開始されるタイミングが遅延するため、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの制御信号の取りこぼし等による遊技者の不利益を防止することができる。具体的な手段としては、前述したソフトウェア遅延処理を実行することにより、または、遅延回路を設けることにより、電源監視回路920からの電源断信号を払出制御用マイクロコンピュータ370に入力されるタイミングを遅延させるようにしてもよい。
(4) 前述した実施の形態においては、賞球REQ信号によって払出要求を行ない、賞球個数信号によって払出数が指定されたが、賞球個数信号によって払出要求および払出数の指定を行なうように構成してもよい。その場合、払出制御用マイクロコンピュータ370は、賞球個数信号が出力されているときは、同時に払出要求がなされていると判定すればよい。そのような構成によれば、賞球REQ信号を用いる必要はない。
(5) 前述した実施の形態においては、払出制御用マイクロコンピュータ370は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560からの賞球制御信号の受信をタイマ割込処理内の主制御通信処理(ステップS755)で受信していたが、賞球REQ信号を主基板31からのストローブ信号(払出制御INT信号)とし、外部割込に基づく割込処理で賞球個数信号を受信するようにしてもよい。
(6) 前述した実施の形態においては、記録媒体処理装置(カードユニット50)で使用される記録媒体が磁気カード(プリペイドカード)であったが、磁気カードに限られず、非接触型あるいは接触型のICカードであってもよい。また、記録媒体処理装置が識別符号に基づいて記録情報を特定できる構成とされている場合には、記録媒体は、記録情報を特定可能な識別符号などの情報を少なくとも記録媒体処理装置が読み取り可能に記録できるようなものであってもよい。さらに、記録媒体は、たとえばバーコードなどの所定の情報記録シンボル等が読み取り可能にプリントされたものであってもよい。また、記録媒体の形状は、カード状のものに限られず、たとえば円盤形状や球状、あるいはチップ形状など、どのような形状とされていてもよい。
(7) 前述した実施の形態におけるパチンコ遊技機1は、主として、始動入賞に基づいて特別図柄表示器8に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であったが、始動入賞に基づいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機や、始動入賞に基づいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組合せになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であってもよい。
(8) 前述した実施の形態においては、電圧の低下に基づき電源断信号が、払出制御基板37を経由して主基板31に伝達される構成(具体的には電源断信号やリセット信号の受信に基づき払出制御基板37が電源断信号やリセット信号を主基板31に対して出力する構成)としていたが、クリアスイッチ921の押下に基づくクリア信号などの他の信号についても、払出制御基板37を経由して主基板31に伝達される。さらに、パチンコ遊技機1で用いられる各種の電源が、払出制御基板37を経由して主基板31に供給されるようにしてもよい。また、上記の各種信号や各種電源が、払出制御基板37を経由して演出制御基板80等の他のサブ基板にも伝達・供給されるようにしてもよい。
(9) 前述した実施の形態においては、各種の信号のやりとりに関し、送信/受信や出力/入力という異なる表現を用いているが、送信と出力あるいは受信と入力は、ほぼ同じ意味で用いており、これらの表現は相互に入替可能であることは言うまでもない。なお、制御コマンドなどの多くの意味を持つ信号のやりとりについて送信/受信とするとともに、オン/オフの切り換えによって情報を伝達するための信号のやりとりについて出力/入力として、送信/受信と出力/入力とを使い分けしている場合もある。この場合においても、それらの表現は相互に入替可能である。
(10) 前述した実施の形態においては、信号のオン/オフ状態は、ハイレベル状態/ローレベル状態であってもよく、逆に、ローレベル状態/ハイレベル状態であってもよい。また、信号のオン/オフ状態は、信号出力状態/信号出力停止状態であってもよく、逆に、信号出力停止状態/信号出力状態であってもよい。
(11) 図35のS905〜S909により、前記電源監視手段(電源監視回路920の電源監視手段)が前記電圧の低下(所定の電圧値への低下)を検出したときから予め定められた待機時間中(たとえば、払出制御用マイクロコンピュータ370が電源断信号を出力してから、電源断信号の入力に応じて遊技制御用マイクロコンピュータ560での電力供給停止時処理が開始されるまでの期間として予め定められた時間)において、前記遊技制御用マイクロコンピュータからの前記払出数データ(たとえば、賞球個数信号)を受付ける待機時間中賞球受付処理手段が構成されている。S909により、前記待機時間中賞球受付処理手段が受付けた前記払出数データによって指定された景品遊技媒体の払出数を前記払出制御用記憶手段(払出制御用マイクロコンピュータ370におけるRAM、特にRAMに形成されている賞球未払出個数カウンタ)に記憶された未払出数データに加算する待機時間中賞球未払出数データ加算手段が構成されている。このような構成によれば、電源監視手段が電圧の低下を検出してから予め定められた待機時間中(遊技制御側電力供給停止時処理が開始されるまでの間)に遊技制御用マイクロコンピュータから出力された払出数データについても、払出制御用マイクロコンピュータ側で確実に受付けて前記払出制御用記憶手段に保持することができる。
このような待機時間中賞球受付処理手段および待機時間中賞球未払出数データ加算手段の構成は、次のような従来技術における問題点に基づいて考え出されたものである。前述の特許文献1(特開2003−103025号公報)の場合には、電源監視手段により電源電圧の低下が検出されたときに、その検出信号が主基板と払出制御基板とのそれぞれに同時に入力されていた。このため、両方の基板において、同じタイミングで電力供給停止時処理が実行されるのであれば、電力供給停止時処理の実行開始時以降には賞球の払出しを指令する信号が主基板から払出制御基板に入力されることはないが、たとえば、賞球の払出しを指令する信号が主基板よりも先に払出制御基板に入力される等、払出制御基板側で主基板側よりも先に電力供給停止時処理が実行されると、実行開始時以降に賞球の払出しを指令する信号が主基板から払出制御基板に入力されるが、払出制御基板側で電力供給停止時処理が先に進行していることを原因として賞球の払出しを指令する信号を受付けられない可能性がある。このような場合には、入賞に基づく賞球の払出しを確実に行なえないおそれがあるという問題があった。特に、前述の実施の形態の場合には、電源断信号が払出制御基板37を介して主基板31に出力されるので、必ず主基板31よりも先に払出制御基板37に電源断信号が入力されるため、前述したような問題はより深刻である。
(12) 図40のステップS544,S545により、前記電源監視手段が前記電圧の低下を検出していない通常時において前記払出数データ(たとえば、賞球個数信号)を受付ける通常時賞球受付処理手段が構成されている。前述した実施の形態では、前記通常時賞球受付処理手段による払出数データを受付ける処理と、前記待機時間中賞球受付処理手段による払出数データを受付ける処理とが別のプログラムにより実行される構成例を示した。しかし、これに限らず、これらの処理は、共通のプログラムにより実行されるように構成してもよい。たとえば、図35の電源断処理におけるS906およびS909のような賞球REQ信号がオンしているときに賞球未払出個数カウンタを加算する処理と、図40の主制御通信通常処理におけるS544,S545のような賞球REQ信号がオンしているときに賞球未払出個数カウンタを加算する処理とを各サブルーチン内に設けずに、共通に使用する1つのサブルーチンとして実行可能なように設けておき、電源断処理と主制御通信通常処理とのそれぞれで呼出されて実行されるようにすればよい。このように構成すれば、払出制御用マイクロコンピュータによる制御処理のために必要となるプログラムのプログラム量を削減することができる。
前述した実施の形態においては、前記払出制御基板が、前記払出制御基板と前記記録媒体処理装置(カードユニット50)との間の接続状態を監視するために前記記録媒体処理装置から出力される接続信号(VL信号)を光電変換して前記払出制御用マイクロコンピュータへ入力させるフォトカプラ(フォトカプラPC1)と、前記記録媒体処理装置からの前記接続信号の入力経路に設けられ、前記接続信号を安定化させるためのコンデンサ(コンデンサC1)とを備える例を示した。このような構成は、次のような従来技術における問題点に基づいて考え出されたものである。特許文献2(特開2001−347054号広報)には、前述の実施形態のインタフェース基板66のようなインタフェース基板に前述の実施形態のフォトカプラPC1のような電源安定化用のコンデンサを搭載していた(図11)。このため、たとえば、払出制御用マイクロコンピュータへ不正な信号を入力させる不正な回路(コンデンサを含む回路)を搭載した不正な基板よりなるインタフェース基板を不正行為者が偽造し、その不正な基板を正規のインタフェース基板と交換する不正行為が行なわれた場合に、そのような不正行為が発見されにくいという問題があった。
また、このような不正行為の具体例は、次のようなものである。たとえば、前述のような不正な基板には、入賞がされていない、または、貸し球の要求が実際にはないにもかかわらず、遊技球の払出動作を実行させるような不正な信号を払出制御用マイクロコンピュータへ入力させる不正な回路が搭載される。なお、このような不正な回路には、その回路動作を安定化させるためのコンデンサが必要である。そして、パチンコ遊技機1の外部にある不正な操作手段(たとえば、操作ボタン)からの操作信号(有線または無線通信による操作信号)をトリガ信号として、前述した不正な回路から不正な信号が払出制御用マイクロコンピュータに入力される。これにより、払出制御用マイクロコンピュータが不正な信号に応じた払出制御を実行して遊技媒体(球、メダル)が不正に払出され、不正行為者が遊技媒体を不正に取得する。
そこで、前述の実施の形態では、図10に示すように、従来において正規のインタフェース基板に搭載していたコンデンサC1を正規のインタフェース基板66には搭載せずに、払出制御基板37に搭載したのである。つまり、正規のインタフェース基板にコンデンサが搭載されてなければ不正な回路の発見は容易なものになると考えられる。これにより、コンデンサがインタフェース基板に搭載されているか否かをチェックするだけで、チェックしたインタフェース基板が不正なインタフェース基板であるか否かを係員が容易に確認することが可能となる。また、接続信号(VL信号)の信号経路には、前述したような理由でフォトカプラPC1が設けられるが、コンデンサC1はフォトカプラPC1の入力側に設けられるので、コンデンサC1のみを払出制御基板37に設けると、確認信号(VL信号)の信号経路については、インタフェース基板から払出制御基板のコンデンサへ接続する信号経路と、そのコンデンサC1からインタフェース基板のフォトカプラへ接続する信号経路と、さらに、そのフォトカプラから払出制御基板の払出制御マイクロコンピュータへ接続する信号経路とが必要となる。このため、無用に多数の信号経路が必要となり、配線数が増加するとともに、装置の配置スペースが増加するという問題があった。これに対して、前述した実施の形態では、フォトカプラCP1を払出制御基板37に搭載しているので、配線数を低減するとともに、装置の配置スペースを低減(省スペース化)することができる。
(13) 前記払出制御用マイクロコンピュータは、ステップS716により、前記払出制御基板において、前記起動信号入力手段に前記起動信号が入力されたことに基づいて、前記起動指示信号出力手段から前記起動指示信号を出力するときに、出力する前記起動指示信号を作成する(たとえば、払出制御用マイクロコンピュータ370において、ステップS716でリセット信号をオフ状態にする)信号作成手段が構成されている。このような構成は、次のような従来技術における問題点に基づいて考え出されたものである。たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータによる遊技制御処理よりも先に払出制御用マイクロコンピュータによる払出制御処理を開始させるようにするためには、遊技制御用マイクロコンピュータに入力させる起動信号を遅延させる遅延回路を設けることが考えられる。しかし、遅延回路を設ける場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ650のCPU56の製品仕様等の動作条件に応じて遅延時間を設定することが必要となるので、CPUの仕様変更およびCPU製品自体の交換があったときには再度遅延時間を設定する設計変更を行なうことが必要となってしまうという問題があった。これに対し、前述の実施の形態では、払出制御マイクロコンピュータによりソフトウエア的に起動信号が作成されるので、このような遅延回路を払出制御基板に設ける必要がなくなる。
また、このような信号作成手段は、前記払出制御用マイクロコンピュータが制御可能な状態になった後(S701〜S714の処理が実行された後)に、前記起動指示信号を作成する(S716)。このような構成を採用することにより、遊技制御用マイクロコンピュータによる遊技制御処理よりも先に払出制御用マイクロコンピュータによる払出制御処理を確実に開始させることができる。
(14) 前記異常時処理手段(ステップS622a等)は、前記接続確認異常判定手段により異常状態であると判定されたときに、前記景品遊技媒体の払出制御処理を停止させる(たとえば、払出制御用マイクロコンピュータ370におけるステップS622aで主制御未接続エラーと判断されるとS631〜S635の処理が実行されず、賞球の払出制御処理が停止する)が、前記貸与遊技媒体の払出制御処理を継続させる(たとえば、払出制御用マイクロコンピュータ370におけるS623〜S626の処理は主制御未接続エラーであるかどうかを問わずに実行され得るので、貸し球の払出制御処理は継続される)。このような構成によれば、遊技制御用マイクロコンピュータ560と払出制御用マイクロコンピュータ370との間の通信異常等の異常な接続状態に対する処置が、貸し球(貸与遊技媒体)の払出制御処理にまでも過剰に影響しないようにすることができる。
(15) インタフェース基板66により、前記記録媒体処理装置からの接続信号(VL信号)を中継して前記払出制御基板に出力する中継基板が構成されている。前述したように、前記中継基板には、コンデンサが一切搭載されていない。このような構成によれば、中継基板にコンデンサが一切搭載されていないので、中継基板にコンデンサを含む不正な回路を設けて不正な信号を払出制御基板に入力させることにより不正に遊技媒体の払出しを受けるというような不正行為が行なわれたことを容易に発見することができるようになる。このため、そのような不正行為の早期発見および予防をすることができる。
(16) 電源監視回路920の電源監視手段により、遊技機に供給されている電圧を監視し、該監視している電圧が所定の電圧値に低下したことを検出したときに電圧低下信号(電源断信号)を出力する電源監視手段が構成されている。電源監視回路920のリセット信号生成手段により、遊技機に供給されている電圧を監視し、該監視している電圧が特定の電圧に低下したことを検出したときに、制御処理の停止を指示するための停止信号(たとえば、リセット信号)を出力(たとえば、ローレベルのオン状態)する停止信号出力手段が構成されている。前記停止信号は、前記電圧低下信号よりも後に出力される。また、前記停止信号は、遊技制御用マイクロコンピュータおよび払出制御用マイクロコンピュータの駆動電圧値が動作可能電圧値以下に落ちる前に出力されればよい。前記特定の電圧は、遊技制御用マイクロコンピュータおよび払出制御用マイクロコンピュータの駆動電圧値が動作可能電圧値以下に落ちる前の電圧値であればどのような電圧値を採用してもよい。
(17) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 パチンコ遊技機、29a,30a,33a,39a 入賞口スイッチ、23 カウントスイッチ、560 遊技制御用マイクロコンピュータ、31 遊技制御基板(主基板)、97 球払出装置、37 払出制御基板、66 インタフェース基板、301 払出個数カウントスイッチ、370 払出制御用マイクロコンピュータ、94 発射モータ、90 打球発射装置、91 発射基板、920 電源監視回路、55 RAM、91 発射基板、PC1 フォトカプラ、C1 コンデンサ、952 AND回路、373B 出力回路、375 リセット端子、L1 第1信号経路、L2 第2信号経路、68 入力回路、6 遊技盤、200 遊技枠。