JP7451095B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機に関する。
従来、この種の遊技機として、遊技領域に設けられた始動領域への遊技球の進入(予め定められた始動条件の成立)を契機として大当たりの抽選(特別遊技の実行の可否の決定)が行われ、大当たりに当選すると、多くの賞球を獲得可能な特別遊技が実行されるものが知られている。このような遊技機では、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出が実行されるとともに、大当たりの当選の期待度を示唆すべく、変動演出中に、所定の静止画や動画等の画像を表示する予告演出やリーチ発展演出が実行されるのが一般的である。
また、近年では、上述の変動演出における大当たりの抽選の結果の報知、予告演出、リーチ発展演出等の実行を示唆する演出であって、所定の開始時点から上述の大当たりの抽選の結果の報知、予告演出、リーチ発展演出等の実行時点まで、時間の経過に応じてタイマ画像によるカウントダウンの表示を行う遊技機も考案されている(特許文献1~2参照)。このような遊技機によれば、タイマ画像によるカウントダウンの表示が終了すると大当たりの当選の期待度が高い予告演出やリーチ発展演出等が実行されるようになっているため、タイマ画像によるカウントダウンの表示が開始されるだけで、予告演出やリーチ発展演出等に対する遊技者の期待感、さらには大当たりの当選に対する遊技者の期待感を高めることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
特開2019-017458号公報 特開2017-070765号公報
しかし、上述のようなタイマ画像によるカウントダウンの表示は遊技者の興趣を高めることができるものの、演出の多様化が進む近年においては、より遊技者の興趣を高めることが可能な演出の登場が望まれていた。
そこで、本発明は、上述した事情によりなされたものであり、演出に対する遊技者の興趣を高めることが可能な遊技機の提供を目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明は次のように構成されている。
(1)本発明に係る遊技機は、所定の演出を実行可能な演出実行手段を備え、前記演出実行手段は、所定の演出実行時点で実行され得る演出を示す演出画像を複数表示し、表示された各演出画像に対応付けられた時間の経過に基づき、各演出画像により示される演出の実行の可否を示唆する示唆演出を実行可能であり、前記示唆演出で表示される複数の演出画像の態様として、所定の演出実行時点で実行されない演出の演出画像に対応した第1演出画像のみが表示される第1態様と、前記第1演出画像及び所定の演出実行時点で実行される演出の演出画像に対応した第2演出画像が表示される第2態様と、前記第2演出画像のみが表示される第3態様と、を含み、前記演出実行手段は、前記第2態様において、前記第1演出画像及び前記第2演出画像として、同一の演出系統となる演出を示す演出画像を表示可能であり、前記示唆演出により実行する旨が示唆された演出を、対応する前記演出実行時点で実行可能であることを特徴とする。
本発明に係る遊技機においては、所定の演出実行時点で実行され得る演出を示す演出画像が複数表示され、各演出画像に対応付けられた時間の経過に基づき、各演出画像により示唆される演出の実行の可否が示唆される。
これにより、本発明に係る遊技機によれば、表示された複数の演出画像により示される演出の実行に対する期待感を、各演出画像に対応付けられた時間が経過するまで維持することができ、演出に対する遊技者の興趣を高めることができる。
本発明によれば、演出に対する遊技者の興趣を高めることが可能な遊技機を提供することができる。
パチンコ機の外観斜視図である。 パチンコ機の前扉を開けた状態の外観斜視図である。 パチンコ機の遊技盤の正面概略図である。 パチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 パチンコ機の大当たり乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の特別図柄乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の特別電動役物作動テーブルの説明図である。 パチンコ機の遊技状態設定テーブルの説明図である。 パチンコ機の変動パターンテーブルの説明図である。 パチンコ機の決定用テーブルの説明図である。 パチンコ機の当たり決定乱数判定テーブルの説明図である。 パチンコ機の普通図柄変動パターン決定テーブルの説明図である。 パチンコ機の第2始動入賞口開放制御テーブルの説明図である。 パチンコ機の主制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板におけるセンサ検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板におけるゲート検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における第1始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における第2始動入賞口検出時処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における事前判定処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における変動パターン決定処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特別図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における停止後処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特別遊技制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における特別遊技終了処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普図関連制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動開始処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普通図柄変動停止処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における普通図柄停止後処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の主制御基板における可動片制御処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の変動演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の変動演出決定テーブルの説明図である。 パチンコ機の特殊演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の特殊演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の特殊演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の特殊演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の特殊演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の特殊演出決定テーブルの説明図である。 パチンコ機の特殊演出の一例の実行の流れを示すタイムチャートである。 パチンコ機の特殊演出の一例の実行の流れを示すタイムチャートである。 パチンコ機の特殊演出の一例の実行の流れを示すタイムチャートである。 パチンコ機の特殊演出の一例の実行の流れを示すタイムチャートである。 パチンコ機の保留表示演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の保留変化演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の保留変化演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の初期保留決定テーブルの説明図である。 パチンコ機の保留変化演出決定テーブルの説明図である。 パチンコ機の特定演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の特定演出実行後の変動演出の態様の一例を示す図である。 パチンコ機の演出アイコン画像決定テーブルの説明図である。 パチンコ機の残り時間決定テーブルの説明図である。 パチンコ機の副制御基板におけるメイン処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の副制御基板におけるタイマ割込処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の副制御基板における事前判定コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の副制御基板における変動回数コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の副制御基板における変動パターンコマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の副制御基板における保留変化演出決定処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の副制御基板における特定演出決定処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の副制御基板における特殊演出決定処理の概略を示すフローチャートである。 パチンコ機の副制御基板における停止表示終了コマンド受信処理の概略を示すフローチャートである。
以下、本発明の好適な実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
(パチンコ機Pの外部構成)
本形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置が各パチンコ機Pに隣接して設置される。また、各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置Rに接続されている。
遊技球貸出装置Rは、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置Rに紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置Rから遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pは、図1又は図2に示すように、島に固定される四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する機枠1と、この機枠1にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する本体枠2と、この本体枠2にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられ、正面に開口部(特に図示しておらず)が形成された前扉3と、を備えている。
機枠1の左下部には、図2に示すように、音声出力装置10としてのスピーカが設けられている。また、本体枠2の中空部には、遊技領域12を形成するための遊技盤11が収容されている。また、前扉3には、開口部を覆う透明板4と、透明板4の下方に位置し遊技球を受容可能な上皿6及び受皿7と、受皿7の右方に取り付けられ遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル5と、透明板4の左右上方にそれぞれ1個ずつ取り付けられた音声出力装置10としてのスピーカと、が設けられている。
このパチンコ機Pでは、機枠1に対して本体枠2を閉じ、さらに、前扉3を閉じると、遊技盤11の前方に間隙を挟んで透明板4が位置することとなる。これにより、透明板4を介して、後方に位置する遊技盤11を視認することができるようになっている。
また、上皿6には、遊技球貸出装置Rにより貸し出される遊技球や、パチンコ機Pから払い出される賞球が導かれるようになっている。上皿6は、所定量の遊技球を受容可能となっているが、この上皿6が遊技球で一杯になると、その後に貸し出されたり、払い出されたりする遊技球は受皿7に導かれるようになっている。また、受皿7の底面には、特に図示していないが、貯留されている遊技球を排出するための排出孔と、排出孔を開閉可能な開閉板と、が設けられている。常態において、排出孔は開閉板により閉じられているものの、開閉板と一体に取り付けられた開閉レバー8(図1参照)を横方向に移動させることで、開閉板も同方向に移動し、排出孔が開放される。これにより、遊技球を排出孔から落下させて、受皿7の外に排出することができるようになっている。
また、操作ハンドル5は、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように形成されている。そして、遊技者が操作ハンドル5を回転操作すると、上皿6に受容されている遊技球が発射装置(特に図示しておらず)に送られ、操作ハンドル5の回転角度に応じた強度で、発射装置によって遊技球が遊技領域12へ向けて発射される。このように発射された遊技球は、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bに案内されて上昇し、遊技領域12に到達する。
ここで、遊技領域12は、機枠1に対し本体枠2及び前扉3を閉じた状態で遊技盤11と透明板4との間に形成される空間のうち、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bにより略円形状に仕切られた部分であって、遊技球が流下可能な領域である。
この遊技領域12は、図3に示すように、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て左側の領域である第1遊技領域12aと、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て右側の領域である第2遊技領域12bとから構成されている。これら2つの遊技領域12は、発射装置の発射強度により、遊技球の進入可能性が異なるようになっている。具体的には、発射装置の発射強度が所定の強度未満(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達しない程度の強度)の場合には、遊技球は第1遊技領域12aに進入する。これに対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達可能な強度)の場合には、遊技球は第2遊技領域12bに進入する。
また、この遊技領域12内には、図3に示すように、遊技球の流下方向を不規則にするための風車及び多数の釘と、遊技球が入球可能な一般入賞口14と、始動領域としての第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16と、遊技球が通過可能なゲート20と、所定条件を満たすことで作動するアタッカー装置17と、遊技球を遊技領域12外へ導くアウト口19と、遊技の進行等に伴って演出を行う演出装置としての演出表示装置21と、が設けられている。
一般入賞口14は、図3に示すように、遊技領域12の左側下部に設けられており、当該一般入賞口14へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では5個)の賞球が払い出される。
なお、一般入賞口14の設置個数や設置位置は特に限定されるものではない。
第1始動入賞口15は、図3に示すように、遊技領域12の中央からやや下寄りの位置に設けられている。この第1始動入賞口15へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球が入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。これに対して、第2始動入賞口16は、図3に示すように、遊技領域12の中央から右寄りの位置(すなわち、第2遊技領域12b内)に設けられている。この第2始動入賞口16へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。
また、第2始動入賞口16には、図3に示すように、左右に開閉可能な可動片16b(普通電動役物)が設けられている。そして、可動片16bが閉じているときには第2始動入賞口16が閉状態となっており、第2始動入賞口16への遊技球の入球は不可能又は困難である。これに対して、可動片16bが開くと、第2始動入賞口16が開状態となるとともに、この可動片16bが遊技球を第2始動入賞口16へ向けて案内するガイド部材として機能することにより、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
また、この可動片16bの構成は特に限定されるものではなく、たとえば、遊技盤11に直交する軸を中心に左右方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する一対の羽根部材や、水平な軸を中心に前後方向に回動して第2始動入賞口16を開閉する蓋部材により構成してもよいし、また、上下方向にスライドして第2始動入賞口16を開閉するシャッター部材により構成してもよい。
なお、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16の設置位置は特に限定されるものではなく、たとえば、第1始動入賞口15や第2始動入賞口16は、いずれの遊技領域12(第1遊技領域12a、第2遊技領域12b)を流下する遊技球も入球しやすいような位置に配置してもよい。
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出されるとともに、大当たりの抽選が行われ、予め定められた複数の特別図柄の中から1の特別図柄が決定される。各特別図柄には種々の遊技利益が対応付けられており、決定された特別図柄の種類に応じて、遊技者にとって有利な特別遊技の実行、所定の遊技状態の設定等の遊技利益を得られるようになっている。
なお、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球は、1個以上であれば特に限定されるものではなく、いかなる個数にしてもよい。また、可動片16bが設けられている始動入賞口(第2始動入賞口16)と可動片16bが設けられていない始動入賞口(第1始動入賞口15)とでは、賞球の数を同一にしてもよいし、異ならせてもよい。本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は3個、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球の数は1個となっている。
ゲート20は、図3に示すように、第2始動入賞口16の上方に設けられている。このゲート20を遊技球が通過すると、後述する普通図柄の抽選が行われる。そして、当該抽選の結果が当たりであった場合、上述の第2始動入賞口16に設けられた可動片16bが所定時間開かれるようになっている。
アタッカー装置17は、図3に示すように、第2始動入賞口16の下方に設けられている。このアタッカー装置17は、遊技球が入球可能な大入賞口18と、この大入賞口18を開閉する開閉扉18bと、を備えている。常態においては、開閉扉18bが閉じられ大入賞口18は閉鎖されているため、当該大入賞口18への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の特別遊技が実行されると、開閉扉18bが開き大入賞口18が開放されるとともに、開閉扉18bが遊技球を大入賞口18へ導く受皿部材として機能することにより、大入賞口18への遊技球の入球が可能となる。
そして、大入賞口18へ遊技球が入球すると、所定個数(本形態では15個)の賞球が払い出される。
また、図3に示すように、この大入賞口18へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっており、第1遊技領域12aを流下する遊技球は入球できないようになっている。
このように、第1遊技領域12aを流下する遊技球は第1始動入賞口15への入球が可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球はゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球、大入賞口18への入球が可能となっている。
アウト口19は、図3に示すように、遊技領域12の最下部に設けられており、一般入賞口14、第1始動入賞口15、第2始動入賞口16及び大入賞口18のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。そして、アウト口19に受け入れられた遊技球は、遊技盤11の背面側に導かれ回収される。
演出表示装置21は、図3に示すように、遊技領域12の略中央に設けられている。本形態に係るパチンコ機Pでは、この演出表示装置21として液晶表示装置が用いられている。また、この演出表示装置21には、動画や静止画等の画像を表示するための表示部21aが設けられており、この表示部21aには、背景画像が表示されるほか、演出図柄50(ダミー図柄)が変動表示され、各演出図柄50の停止表示態様により後述する大当たりの抽選の結果を遊技者に報知する変動演出が行われるようになっている。
なお、演出表示装置21は、液晶表示装置に限定されるものではなく、たとえば、外周に図柄が付された複数のドラムを用いて各種表示を行うドラム式の表示装置等を用いてもよい。
本形態に係るパチンコ機Pは、演出装置として、演出表示装置21のほか、上述の音声出力装置10としてのスピーカや、種々の色や点灯パターンで発光することにより演出を行う演出照明装置23としてのランプ(図2参照)を備えている。
なお、演出装置としては、これらに限定されるものではなく、たとえば、種々のタイミングや態様で可動する演出役物装置等を備えてもよい。
また、上皿6の前方位置には、遊技者が操作することにより遊技中や待機中等に実行される演出の進行や切り替えが可能な演出操作装置9が設けられている。本形態における演出操作装置9は、円形リング状の枠体であって回転操作が可能な操作ダイヤル9aと、操作ダイヤル9aに嵌め込まれており押下操作が可能な操作ボタン9bとから構成されている。そして、演出表示装置21において所定の演出が実行されているときに、操作ダイヤル9aの回転操作や操作ボタン9bの押下操作を行うと、上述の所定の演出が進行したり、異なる演出に切り替わったりするようになっている。
なお、演出操作装置9としては、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等に限定されるものではなく、上下左右方向の入力が可能な十字キー等を設けてもよい。また、操作ダイヤル9aや操作ボタン9b等の演出操作装置9を設けるとともに、上述の十字キーを別途設けてもよい。
また、図3に示すように、遊技盤11の右下部であって、かつ、遊技領域12の外側には、遊技についての種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39、普通図柄表示装置32及び普通図柄保留表示装置33が設けられている。
また、上述の如く、本形態に係るパチンコ機Pには、遊技球貸出装置Rが電気的に接続されているが、遊技球の貸し出しやカードの排出等の遊技球貸出装置Rに対する操作を、パチンコ機Pで受け付けられるようにしている。そのため、パチンコ機Pには、図1に示すように、カードに記憶されている価値情報(残高情報)を表示する価値情報表示装置35と、押下操作が可能な球貸ボタン36と、押下操作が可能なカード返却ボタン37と、が設けられている。
(パチンコ機Pの制御手段の構成)
次に、パチンコ機Pの遊技や演出を制御する制御手段について説明する。
上述の制御手段は各種制御基板により構成されており、具体的には、図4に示すように、パチンコ機Pの遊技の基本動作を制御する主制御基板100、遊技球の発射及び賞球の払い出しを制御する発射払出制御基板200、各種演出を制御する副制御基板300、及び、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400を備えている。
また、図4に示すように、主制御基板100には、発射払出制御基板200及び副制御基板300が接続され、また、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400が接続されている。さらに、主制御基板100及び発射払出制御基板200には、遊技進行上の種々の情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、遊技場のホールコンピュータ等)に出力するための外部情報端子基板500が接続されている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、発射払出制御基板200が遊技球の発射及び賞球の払い出しの双方を制御しているが、遊技球の発射を制御する基板(発射制御基板)と、賞球の払い出しを制御する基板(払出制御基板)とを別個に設けてもよい。
また、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pが備える各基板には電源基板が接続されている。この電源基板にはバックアップ電源が設けられており、パチンコ機Pに供給される電源の電圧値が所定値以下になった場合に電断と判断し、主制御基板100に電断信号を出力する。
主制御基板100は、パチンコ機Pにおいて行われる遊技を制御するものであり、具体的には、遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ入球することを契機に開始される特図遊技、遊技球がゲート20を通過することを契機に開始される普図遊技、及び、特別遊技を制御する。
この主制御基板100は、図4に示すように、各種演算処理を行うメインCPU101と、遊技を進行するための制御プログラム、遊技に必要なデータやテーブル等を格納するメインROM102と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるメインRAM103と、を備えている。
そして、メインCPU101は、後述する各検出センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や、演算処理の結果に基づく他の基板へのコマンド送信等を行う。
また、図4に示すように、主制御基板100には、一般入賞口14へ遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出センサ14aと、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したことを検出する第1始動入賞口検出センサ15aと、第2始動入賞口16へ遊技球が入球したことを検出する第2始動入賞口検出センサ16aと、大入賞口18へ遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出センサ18aと、遊技球がゲート20を通過したことを検出するゲート検出センサ20aと、遊技盤11に向けられる磁気や電波及び遊技盤11を揺らす等により生ずる振動を検出する不正検出センサ35と、が接続されている。そして、これらの各検出センサから出力される検出信号が、主制御基板100に入力されるようになっている。
なお、主制御基板100に接続されるセンサはこれらに限定されるものではなく、たとえば、遊技球がアウト口19へ進入したことを検出するアウト口検出センサ等を設けてもよい。
さらに、主制御基板100には、制御の対象となる機器として、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉駆動する始動入賞口ソレノイド16cと、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cと、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特図保留表示装置38と、第2特図保留表示装置39と、普通図柄保留表示装置33と、が接続されている。
そして、主制御基板100によって、各ソレノイドが駆動されることで第2始動入賞口16や大入賞口18の開閉制御がなされ、また、各表示装置の表示制御がなされるようになっている。
発射払出制御基板200は、特に図示していないが、主制御基板100と同様に、CPU、ROM及びRAMを備えており、主制御基板100と双方向に通信可能となるように接続されている。
図4に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球の発射を制御するための機器として、操作ハンドル5に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ5aと、操作ハンドル5の操作角度(回転角度)を検出する操作ボリューム5bと、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ5cと、上皿6に受容されている遊技球を発射装置(図示しておらず)に送る球送りソレノイド60と、遊技球を発射する発射モータ61と、が接続されている。また、タッチセンサ5a、操作ボリューム5b及び発射停止スイッチ5cから出力される制御信号が、発射払出制御基板200に入力されるようになっている。
そして、タッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61を通電して遊技球を発射させる制御がなされる。これに対して、発射停止スイッチ5cからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61の通電を止めて遊技球の発射を停止させる制御がなされる。
なお、遊技球を発射する装置としては、発射モータ61ではなく、ロータリーソレノイドを用いてもよい。
また、発射払出制御基板200には、図4に示すように、遊技球の払い出しを制御するための機器として、遊技球貯留部(特に図示しておらず)に貯留されている遊技球を賞球として払い出す払出モータ62と、払い出された遊技球を検出して計数する払出計数スイッチ63と、が接続されている。そして、主制御基板100から送信される払出数コマンドを発射払出制御基板200が受信すると、当該発射払出制御基板200は、この払出数コマンドに基づいて所定個数の遊技球(賞球)を払い出すように払出モータ62を制御する。このとき、払い出された遊技球の個数が払出計数スイッチ63によって計数され、所定個数の遊技球(賞球)が払い出されたか否かの判定が可能となっている。
さらに、発射払出制御基板200には、図4に示すように、前扉3の開放状態を検出する前扉開放検出センサ3aと、受皿7の満タン状態を検出する受皿満タン検出センサ7aと、が接続されている。
前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出すると開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、前扉3の開放中は、開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、開放検出信号が入力されると、扉開放コマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出しなくなるとオフとなり扉開放検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、扉開放検出信号の入力が止まると、前扉3が閉じられたと判断し、主制御基板100への扉開放コマンドの送信を停止する。
受皿満タン検出センサ7aは、受皿7の所定位置に設けられている。受皿7に賞球として払い出される遊技球が所定量以上貯留されて満タン状態になると、貯留された遊技球が上述の所定位置に達することとなる。
受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出するとオンとなり受皿検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、貯留された遊技球が上述の所定位置に達している間は、受皿検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号が入力されると、受皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、受皿満タン検出センサ7aは、遊技球が上述の所定位置に達したことを検出しなくなるとオフとなり受皿検出信号の出力を停止する。そして、発射払出制御基板200は、受皿検出信号の入力が止まると、受皿7の満タン状態が解除されたと判断し、主制御基板100への受皿満タンコマンドの送信を停止する。
また、上述の如く、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400が接続されている。図4に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400を介して、価値情報表示装置35と、球貸ボタン36の押下操作を検出する球貸スイッチ36aと、カード返却ボタン37の押下操作を検出するカード返却スイッチ37aと、が接続されている。
球貸ボタン36が押下操作されると、球貸スイッチ36aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、遊技球の貸し出しを要求する貸出要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが貸出要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rにより、記憶されている価値情報から所定の価値情報を減算する処理がなされるとともに、減算された価値情報に対応する個数の遊技球を払い出す制御がなされる。
また、カード返却ボタン37が押下操作されると、カード返却スイッチ37aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、カードの返却を要求する返却要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが返却要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御がなされる。
副制御基板300は、遊技中や待機中等に実行される演出を制御するものである。
この副制御基板300は、図4に示すように、各種演算処理を行うサブCPU301と、演出を実行するための制御プログラム、演出の実行に必要なデータやテーブル等を格納するサブROM302と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるサブRAM303と、を備えており、主制御基板100から副制御基板300への一方向に通信可能となるように接続されている。
そして、サブCPU301は、主制御基板100から送信されるコマンドやタイマからの信号に基づき、サブROM302に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、画像表示を制御するための画像制御基板(特に図示しておらず)、音声出力を制御するための音声制御基板(特に図示しておらず)、照明の点灯を制御するための電飾制御基板(特に図示しておらず)に、演出実行用のコマンドを送信する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、音声制御基板と電飾制御基板とを別個に設けているが、これらの基板の機能を集約した1枚の基板(音声電飾制御基板)を設け、当該基板により、音声出力及び照明の点灯のいずれをも制御するようにしてもよい。
また、副制御基板300には、画像制御基板を介して演出表示装置21が接続され、音声制御基板を介して音声出力装置10が接続されている。また、副制御基板300には、電飾制御基板を介して、演出照明装置23と、操作ダイヤル9aの回転操作を検出する回転操作検出センサ9cと、操作ボタン9bの押下操作を検出する押下操作検出センサ9dと、が接続されている。
画像制御基板は、特に図示していないが、画像CPU、画像ROM、画像RAM等を備えている。画像ROMには、演出表示装置21に表示される図柄、背景等の画像データが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、画像CPUが、画像ROMから読み出した画像データを画像RAMに記憶することによって、演出表示装置21による画像表示を制御する。
音声制御基板は、特に図示していないが、サウンドチップ(CPU)、サウンドROM及びサウンドRAM等を備えている。サウンドROMには、音声出力装置10から出力される音声、BGM等のサウンドデータが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、サウンドROMから読み出したサウンドデータをサウンドRAMに記憶することによって、音声出力装置10からの音声出力を制御する。
電飾制御基板は、副制御基板300からのコマンドに基づき、演出照明装置23による照明の点灯を制御する。また、電飾制御基板は、操作ダイヤル9aの回転操作に基づき回転操作検出センサ9cから出力される回転操作検出信号、又は、操作ボタン9bの押下操作に基づき押下操作検出センサ9dから出力される押下操作検出信号が入力されると、所定のコマンドを副制御基板300に送信する。
(パチンコ機Pの遊技の概要)
次に、本形態のパチンコ機Pにおける遊技について、メインROM102に格納されている各種テーブルに基づいて説明する。
上述の如く、本形態のパチンコ機Pにおいては、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行する。また、これら両遊技を進行する際の遊技状態としては、低確率遊技状態(いわゆる非確変状態)又は高確率遊技状態(いわゆる確変状態)のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、が組み合わされたいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、通常遊技状態という)又は高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下、高確率時短遊技状態という)のいずれかの遊技状態が設定される。
ここで、低確率遊技状態は、後述する大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が所定の値に設定された遊技状態である。また、高確率遊技状態は、大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が低確率遊技状態よりも高い値に設定された遊技状態である。すなわち、低確率遊技状態中よりも高確率遊技状態中のほうが、大当たりの抽選によって大当たりに当選しやすくなっている。
また、非時短遊技状態は、可動片16bが開きにくく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりにくく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しにくい遊技状態である。また、時短遊技状態は、非時短遊技状態よりも可動片16bが開きやすく(すなわち、第2始動入賞口16が開状態となりやすく)、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しやすい遊技状態である。
なお、工場出荷直後やリセット後の初期状態においては、通常遊技状態が設定されるようになっている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に入球すると、大当たりの抽選が行われる。そして、この大当たりの抽選によって大当たりに当選すると、大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球させることが可能となる特別遊技が実行され、さらに、当該特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定されるようになっている。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1遊技領域12aを流下する遊技球は、第1始動入賞口15への入球が可能となっている。また、第2遊技領域12bを流下する遊技球は、大入賞口18への入球、ゲート20の通過、第2始動入賞口16への入球が可能となっている。そして、通常遊技状態中は、遊技球が第1始動入賞口15へ入球するように、遊技者に第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)を行わせ、高確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、大入賞口18へ遊技球が入球し、或いは遊技球がゲート20を通過及び第2始動入賞口16へ入球するように、遊技者に第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)を行わせる。
具体的には、高確率時短遊技状態中及び特別遊技中は、演出表示装置21において第2遊技領域12bへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われ、通常遊技状態が設定されると、演出表示装置21において第1遊技領域12aへ向けて遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われる。
この大当たりの抽選は、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球することを契機に取得される種々の乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための各種テーブルに基づいて、行われる。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に係る乱数として、大当たりの抽選の結果の判定に用いられる大当たり乱数、特別図柄の種別の決定に用いられる特別図柄乱数、及び後述する変動パターンコマンドの決定に用いられる変動パターン乱数を有している。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、上述の大当たり乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この大当たり乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、変動パターンコマンドは、大当たりの抽選の結果を報知する際に実行される変動演出のパターン(変動時間、態様)を決定するためのものである。変動パターンコマンドの決定に用いられる乱数は上述のものに限定されず、たとえば、この乱数に加えて他の乱数を用いてもよい。
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、上述の乱数についてそれぞれ乱数値が取得されるとともに、各乱数値がメインRAM103の保留記憶領域に記憶されるようになっている。
この保留記憶領域は、第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第1特図乱数という)を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2始動入賞口16への遊技球の入球により取得される各乱数値(以下、第2特図乱数という)を記憶するための第2保留記憶領域から構成されている。そして、これらの保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、第1特図乱数を計4組、第2特図乱数を計4組記憶可能となっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、第1始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。たとえば、第1保留記憶領域のいずれの記憶部にも第1特図乱数が記憶されていない状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第2記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部及び第2記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部~第3記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第4記憶部に記憶される。そして、第1保留記憶領域の第1記憶部~第4記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合には、この入球に係る第1特図乱数は記憶されない。
同様に、第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、第2特図乱数が、第2保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。具体的な記憶の処理については、上述の第1特図乱数の記憶と同様であるため、説明を省略する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数の組数(以下、第1特図保留数という)は、第1特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶され、第2保留記憶領域に記憶されている第2特図乱数の組数(以下、第2特図保留数という)は、第2特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、第1特図乱数や第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されることを「保留」や「保留記憶」ともいい、また、第1特図保留数や第2特図保留数を単に「保留数」ともいう。
そして、本形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選の結果を判定するための大当たり乱数判定テーブル110、特別図柄の種別を決定するための特別図柄乱数判定テーブル111、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技を制御するための特別電動役物作動テーブル112、特別遊技の終了後の遊技状態を設定するための遊技状態設定テーブル113、変動パターンコマンドを決定するための変動パターンテーブル114、及び変動パターンコマンドを決定する際に選択される変動パターンテーブル114を決定するための決定用テーブル115を有している。
なお、大当たりの抽選等に係るテーブルはこれらに限定されるものではなく、他に、乱数に基づく判定や決定を行う必要がある場合には、適宜、テーブルを設けてもよい。
大当たり乱数判定テーブル110は、大当たりか否かの判定を行うためのものであって、図5(a)及び(b)に示すように、低確率遊技状態において参照される低確率判定テーブル110aと、高確率遊技状態において参照される高確率判定テーブル110bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~65535の数値範囲内で1個の大当たり乱数が取得される。そして、大当たりの抽選を行う時点の遊技状態に応じて、低確率判定テーブル110a又は高確率判定テーブル110bのいずれかの大当たり乱数判定テーブル110が選択され、取得された大当たり乱数と選択された大当たり乱数判定テーブル110とに基づいて大当たりの抽選が行われる。
図5(a)に示すように、低確率判定テーブル110aによれば、大当たり乱数が1000~1219であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり乱数(0~999、1220~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この低確率判定テーブル110aにおける大当たりの当選確率はおよそ1/297.9となる。
また、図5(b)に示すように、高確率判定テーブル110bによれば、大当たり乱数が1000~2119であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり乱数(0~999、2120~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この高確率判定テーブル110bにおける大当たりの当選確率はおよそ1/58.5となる。
すなわち、高確率判定テーブル110bは、低確率判定テーブル110aに比べて、大当たりの当選確率がおよそ5倍となるように設定されている。
なお、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり乱数(1000~1219)は、高確率判定テーブル110bにおいて大当たりと判定される大当たり乱数(1000~2119)に含まれるように設定されている。すなわち、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり乱数は、高確率判定テーブル110bにおいても大当たりと判定されることとなる。
特別図柄乱数判定テーブル111は、特別図柄の種別を決定するためのものであって、図6(a)及び(b)に示すように、第1特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第1始動入賞口判定テーブル111aと、第2特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第2始動入賞口判定テーブル111bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、0~199の数値範囲内で1個の特別図柄乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によって大当たりに当選した場合に、遊技球が入球した始動入賞口に応じて、第1始動入賞口判定テーブル111a又は第2始動入賞口判定テーブル111bのいずれかの特別図柄乱数判定テーブル111が選択され、取得された特別図柄乱数と選択された特別図柄乱数判定テーブル111とに基づいて、特別図柄の種別が決定される。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選した場合に決定される特別図柄(以下、大当たり図柄ともいう)として2種類の大当たり図柄(X1、X2)が設けられており、また、ハズレの場合に決定される特別図柄(以下、ハズレ図柄ともいう)として2種類のハズレ図柄(Y1、Y2)が設けられている。
図6(a)に示すように、第1始動入賞口判定テーブル111aによれば、特別図柄乱数が0~29であった場合に大当たり図柄X1が決定され、特別図柄乱数が30~199であった場合に大当たり図柄X2が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、大当たり図柄X1が決定される確率は15%、大当たり図柄X2が決定される確率は85%となっている。
また、図6(b)に示すように、第2始動入賞口判定テーブル111bによれば、特別図柄乱数が0~99であった場合に大当たり図柄X1が決定され、特別図柄乱数が100~199であった場合に大当たり図柄X2が決定される。すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、大当たり図柄X1が決定される確率、及び大当たり図柄X2が決定される確率はいずれも50%となっている。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、いずれの特別図柄乱数判定テーブル111であっても、同一の大当たり図柄が決定されるようになっているが、これに限定されるものではなく、各テーブルにおいて異なる大当たり図柄が決定されるようにしてもよい。
また、第1特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、特別図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄Y1が決定される。また、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、特別図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄Y2が決定される。
すなわち、特別図柄乱数判定テーブル111は、大当たりに当選した場合にのみ参照され、ハズレの場合には参照されないようになっている。
特別電動役物作動テーブル112は、上述の如く、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技を制御するためのものであり、特別遊技の実行中に大入賞口ソレノイド18cを作動させるために参照されるものである。本形態に係るパチンコ機Pでは、図7(a)及び(b)に示すように、特別電動役物作動テーブル112として、大当たり図柄X1が決定された場合に参照される第1作動テーブル112aと、大当たり図柄X2が決定された場合に参照される第2作動テーブル112bと、が設けられている。
具体的には、大当たり図柄X1が決定されると、図7(a)に示す第1作動テーブル112aを参照して特別遊技が実行される。この第1作動テーブル112aによれば、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が10回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、大入賞口18は1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に大入賞口18が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は2.0秒に設定されている。
大当たり図柄X2が決定されると、図7(b)に示す第2作動テーブル112bを参照して特別遊技が実行される。この第2作動テーブル112bによれば、第1作動テーブル112aと同態様のラウンド遊技が4回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中における大入賞口18の開閉回数及びインターバル時間は第1作動テーブル112aと同様の内容に設定されている。
なお、特別遊技中に獲得可能な賞球の期待値は、大当たり図柄X2が決定された場合よりも、大当たり図柄X1が決定された場合の方が多い。
遊技状態設定テーブル113は、特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技の終了後の遊技状態を設定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、図8に示すように、大当たり図柄X1及び大当たり図柄X2のいずれが決定された場合であっても、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率時短遊技状態に設定される。また、高確率遊技状態の継続回数(以下、高確回数という)及び時短遊技状態の継続回数(以下、時短回数という)はいずれも、60回に設定される。すなわち、特別遊技の終了後、大当たりの抽選の結果が60回導出されるまで、高確率時短遊技状態が継続する。また、この遊技状態の継続中に大当たりに当選した場合には、再度、高確回数及び時短回数が設定されるようになっている。したがって、特別遊技の終了後に高確率時短遊技状態が設定され、この遊技状態の継続中に大当たりに当選することなく、60回の抽選の結果が全てハズレとなると、遊技状態が通常遊技状態に変更されることとなる。
なお、特別遊技の終了後の遊技状態としては、いずれの特別図柄が決定された場合にも同一の遊技状態を設定するのではなく、大当たりの抽選によって決定された特別図柄の種別に基づいて異なる遊技状態(たとえば、低確率遊技状態と時短遊技状態とを組み合わせた遊技状態、高確率遊技状態と非時短遊技状態とを組み合わせた遊技状態等)を設定するようにしてもよい。
変動パターンテーブル114は、上述の如く、変動パターンコマンドを決定するためのものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のように大当たりの抽選によって特別図柄が決定されると、当該決定の結果に基づいて変動パターンコマンドが決定される。変動パターンコマンドは、上述の如く、変動演出の変動パターンを決定するためのものであり、変動パターンコマンドにより、変動演出の態様及び変動時間(特別図柄の変動表示の変動時間)が決定される。なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出が前半部分と後半部分に分けられており、変動演出の前半部分の態様及び変動時間、並びに変動演出の後半部分の態様及び変動時間はいずれも、変動パターンコマンドにより決定されるようになっている。
具体的には、決定された変動パターンコマンドは、主制御基板100から副制御基板300に送信され、副制御基板300は、受信した変動パターンコマンドに基づいて、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の具体的な態様(たとえば、表示部21aに表示する画像等)を決定する。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動パターンコマンドはそれぞれ複数種類設けられており、各変動パターンコマンドは変動パターンテーブル114に対応付けられている。そして、変動パターンテーブル114ごとに、決定される変動パターンコマンドの種類、及び決定割合が設定されている。
本形態に係るパチンコ機Pは、変動パターンテーブル114として、テーブルA、テーブルB、テーブルC、テーブルD及びテーブルEを備えている(図9参照)。
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16に遊技球が入球すると、0~249の数値範囲内で1個の変動パターン乱数が取得され、この取得された変動パターン乱数と、現時点の保留数(第1特図保留数又は第2特図保留数)と、いずれかの変動パターンテーブル114とに基づいて、変動パターンコマンドが決定される。
(参照する変動パターンテーブル114の決定)
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、リセット処理後(メインRAM103をクリアする処理の実行後)又は大当たりの当選に基づいて実行される特別遊技の終了後からの変動回数、及び変動開始の契機となる遊技球の入球に係る始動入賞口の種別(第1始動入賞口15、第2始動入賞口16)に応じて、変動パターンコマンドの決定時に参照する変動パターンテーブル114が決定されるようになっている。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pは、参照する変動パターンテーブル114を決定するために用いられるテーブルとして、参照する変動パターンテーブル114を定めた決定用テーブル115が設けられている。そして、変動パターンコマンドを決定する際には、このテーブルに係る情報に基づいて、参照する変動パターンテーブル114が決定される。
決定用テーブル115は、上述の如く、参照する変動パターンテーブル114を定めたものである。
この決定用テーブル115においては、図10に示すように、直近の特別遊技の実行の契機となった大当たりの当選に基づいて決定された特別図柄の種別、上述の特別遊技の終了後又はリセット処理後からの変動回数(特別図柄の変動表示の実行回数)、及び変動開始(特別図柄の変動表示の開始)の契機となる遊技球の入球に係る始動入賞口の種別(第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16のいずれか、換言すれば、変動開始の際に用いられる乱数の種別(第1特図乱数又は第2特図乱数のいずれか))ごとにそれぞれ、参照する変動パターンテーブル114が定められている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技の終了時に、上述の決定用テーブル115に基づいて、当該特別遊技の実行の契機となった大当たりの当選に基づいて決定された特別図柄の種別に対応付けられた変動パターンテーブル114の情報が取得されるようになっている。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、リセット処理後又は特別遊技の終了後からの変動回数が、メインRAM103の所定の記憶領域により構成される所定の変動回数カウンタによりカウントされるようになっている。具体的には、リセット処理が実行されるか又は特別遊技が終了すると、上述の変動回数カウンタのカウント値がクリアされ、特別図柄の変動表示(大当たりの抽選)が行われるごとに当該カウンタの値が1インクリメントされる。これにより、リセット処理後又は特別遊技の終了後からの変動回数がカウントされる。すなわち、リセット処理が実行された場合には当該リセット処理後からの変動回数がカウントされ、特別遊技が行われた場合には当該特別遊技の終了後からの変動回数がカウントされることとなる。
そして、変動パターンコマンドを決定する際に、上述のように、特別遊技の終了時に決定用テーブル115に基づいて取得された変動パターンテーブル114の情報を参照し、当該時点における変動回数カウンタのカウント値、及び上述の始動入賞口の種別に基づいて、参照する変動パターンテーブル114が決定される。
図10に示すように、決定用テーブル115によれば、特別遊技の実行の契機となった大当たりの当選に基づいて決定された特別図柄の種別が大当たり図柄X1又は大当たり図柄X2の場合にはいずれも、変動回数カウンタのカウント値が1~59(特別遊技の終了後からの変動回数が1回目~59回目)であって、当該変動が第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて開始されるものであったときにテーブルEが決定され、当該変動が第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて開始されるものであったときにテーブルBが決定される。また、変動回数カウンタのカウント値が60(特別遊技の終了後からの変動回数が60回目)であって、当該変動が第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて開始されるものであったときにテーブルEが決定され、当該変動が第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて開始されるものであったときにテーブルCが決定される。また、変動回数カウンタのカウント値が61~64(特別遊技の終了後からの変動回数が61回目~64回目)であって、当該変動が第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて開始されるものであったときにテーブルEが決定され、当該変動が第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて開始されるものであったときにテーブルDが決定される。また、変動回数カウンタのカウント値が65以上(特別遊技の終了後からの変動回数が65回目以降)であって、当該変動が第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて開始されるものであったときにテーブルAが決定され、当該変動が第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて開始されるものであったときにテーブルEが決定される。
なお、上述の如く、工場出荷直後やリセット処理後においては非時短遊技状態が設定されるようになっている。特に図示していないが、これらの後には、変動回数カウンタのカウント値にかかわらず、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて変動が開始されるときにテーブルAが決定され、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて変動が開始されるときにテーブルEが決定されることとなる。
そして、上述のように決定された変動パターンテーブル114を参照して、変動パターンコマンドが決定される。
ここで、テーブルA及びテーブルEは、第1始動入賞口15へ遊技球が入球した場合に参照される変動パターンテーブル114である(図9参照)。また、テーブルB、テーブルC、テーブルD及びテーブルEは、第2始動入賞口16へ遊技球が入球した場合に参照される変動パターンテーブル114である(図9参照)。
そして、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて変動パターンコマンドを決定する際には、当該時点における第1特図保留数が参照される。これに対して、第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて変動パターンコマンドを決定する際には、当該時点における第2特図保留数が参照される。
そして、図9(a)に示すように、テーブルAによれば、ハズレ図柄Y1が決定され(すなわち、大当たりの抽選の結果がハズレであり)、かつ現時点の第1特図保留数が0又は1の場合において、変動パターン乱数が0~209であったときに「13秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が13秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「00H」が決定され、
変動パターン乱数が210~229であったときに「20秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が13秒、後半部分の変動時間が7秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「01H」が決定され、変動パターン乱数が230~239であったときに「90秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が30秒、後半部分の変動時間が60秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「02H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「120秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が30秒、後半部分の変動時間が90秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「03H」が決定される。
また、ハズレ図柄Y1が決定され、かつ現時点の第1特図保留数が2以上の場合において、変動パターン乱数が0~209であったときに「2秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が2秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「04H」が決定され、変動パターン乱数が210~229であったときに「20秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「01H」が決定され、変動パターン乱数が230~239であったときに「90秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「02H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「120秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「03H」が決定される。
また、大当たりに当選し大当たり図柄X1又はX2が決定されると、現時点の第1特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「90秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A2H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「120秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A3H」が決定される。
図9(b)に示すように、テーブルBによれば、ハズレ図柄Y2が決定され(すなわち、大当たりの抽選の結果がハズレであり)、かつ現時点の第2特図保留数が0又は1の場合において、変動パターン乱数が0~229であったときに「10秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が10秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「05H」が決定され、変動パターン乱数が230~249であったときに「45秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が15秒、後半部分の変動時間が30秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「06H」が決定される。
また、ハズレ図柄Y2が決定され、かつ現時点の第2特図保留数が2以上の場合において、変動パターン乱数が0~229であったときに「3秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が3秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「07H」が決定され、変動パターン乱数が230~239であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「06H」が決定され、変動パターン乱数が240~249であったときに「60秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が15秒、後半部分の変動時間が45秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「08H」が決定される。
また、大当たりに当選し大当たり図柄X1又はX2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「45秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A6H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「60秒変動」の変動パターンが対応付けられた変動パターンコマンド「A8H」が決定される。
図9(c)に示すように、テーブルCによれば、ハズレ図柄Y2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~124であったときに「15秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が15秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「09H」が決定され、変動パターン乱数が125~249であったときに「54秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が54秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「0AH」が決定される。
また、大当たりに当選し大当たり図柄X1又はX2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても(変動パターン乱数が0~124であったときに)必ず、「73秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が73秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「A9H」が決定される。
図9(d)に示すように、テーブルDによれば、ハズレ図柄Y2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても必ず、「0.5秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が0.5秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「0BH」が決定される。
また、大当たりに当選し大当たり図柄X1又はX2が決定されると、現時点の第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数が0~99であったときに「16秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が16秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「AAH」が決定され、変動パターン乱数が100~179であったときに「53秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が53秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「ABH」が決定され、変動パターン乱数が180~249であったときに「89秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が89秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「ACH」が決定される。
図9(e)に示すように、テーブルEによれば、ハズレ図柄Y1又はY2が決定されると、現時点の第1特図保留数又は第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても必ず、「5秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が0秒、後半部分の変動時間が5秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「0DH」が決定される。
また、大当たりに当選し大当たり図柄X1又はX2が決定されると、現時点の第1特図保留数又は第2特図保留数にかかわらず、変動パターン乱数がいかなる値であっても必ず、「6秒変動」という変動パターン(前半部分の変動時間が3秒、後半部分の変動時間が3秒に設定された変動パターン)が対応付けられた変動パターンコマンド「ADH」が決定される。
以上のように決定された変動パターンコマンドは副制御基板300に送信され、変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の前半部分の具体的な態様、及び変動演出の後半部分の具体的な態様が決定される。そして、このように決定された具体的な態様により変動演出が実行されるが、変動パターンコマンドに設定されている前半部分の変動時間及び後半部分の変動時間の合計が、変動演出(特別図柄の変動表示)の開始から終了までの時間となる。
たとえば、決定された変動パターンコマンドが「02H」(前半部分の変動時間は30秒、後半部分の変動時間は60秒)であった場合には、前半部分の変動時間及び後半部分の変動時間の合計値90秒(=30秒+60秒)が、変動演出全体(特別図柄の変動表示全体)の変動時間となる。
なお、「00H」、「04H」、「05H」、「07H」、「09H」、「0AH」、「0BH」、「0DH」、「A9H」、「AAH」、「ABH」、「ACH」及び「ADH」の変動パターンコマンドには、前半部分の変動時間として「0秒」が定められている。これらの変動パターンコマンドが決定された場合には、対応する後半部分の変動時間の間、当該変動パターンコマンドに応じて定められた態様により、変動演出全体が実行されるようになっている。
また、上述の変動時間に基づいて、演出表示装置21では変動演出が行われるとともに、特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31)では特別図柄の変動表示が行われる。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15の場合には、上述の変動時間の間、第1特別図柄表示装置30が点滅表示され、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16の場合には、上述の変動時間の間、第2特別図柄表示装置31が点滅表示される。そして、変動時間の経過後、決定された特別図柄が停止表示される。
なお、変動演出の態様については、変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の前半部分の態様、及び変動演出の後半部分の態様のいずれをも決定するのではなく、変動パターンコマンド以外に他のコマンドを決定するとともに、いずれかのコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、他のコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出は、前半部分と後半部分とに分けるのではなく、より多くの部分に分けて、対応するコマンドに基づいてそれぞれの部分の態様を決定するようにしてもよい。
次に、普図遊技に関する処理について説明する。
本形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球がゲート20を通過すると、第2始動入賞口16の可動片16bを作動させて当該可動片16bを開くか否かを決定する普通図柄の抽選が行われる。そして、この普通図柄の抽選によって当たりとなると、可動片16bが開き、第2始動入賞口16が開状態となるため、第2始動入賞口16への遊技球の入球が容易となる。
この普通図柄の抽選は、遊技球がゲート20を通過することを契機に取得される当たり決定乱数、及びメインROM102に格納されており当該乱数を判定するための当たり決定乱数判定テーブル116に基づいて、行われる。
そして、遊技球がゲート20を通過すると、上述の当たり決定乱数が取得されるとともに、当該乱数値がメインRAM103の普図保留記憶領域に4個を上限として記憶されるようになっている。具体的には、この普図保留記憶領域は、第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、ゲート20の通過順に、第1記憶部から記憶されるようになっている。また、既にいくつかの記憶部に当たり決定乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に当たり決定乱数が記憶されるようになっている。そして、普図保留記憶領域に既に4個の当たり決定乱数が記憶されている場合に、遊技球がゲート20を通過しても、この通過に係る当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されない。
なお、本形態に係るパチンコ機Pにおいて、当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、普図保留記憶領域に記憶されている当たり決定乱数の数(以下、普図保留数という)は、普図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
なお、本明細書においては、上述のように、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されることを「普図保留」ともいう。
また、当たり決定乱数判定テーブル116は、普通図柄の抽選により当たりか否かの判定を行うためのものであって、図11(a)及び(b)に示すように、非時短遊技状態、特別遊技中において参照される第1判定テーブル116aと、時短遊技状態において参照される第2判定テーブル116bと、を備えている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、遊技球がゲート20を通過すると、0~65535の数値範囲内で1個の当たり決定乱数が取得される。そして、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が非時短遊技状態であるか、又は普通図柄の抽選を行う時点が特別遊技中であれば、第1判定テーブル116aが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された第1判定テーブル116aとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が時短遊技状態であれば、第2判定テーブル116bが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された第2判定テーブル116bとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。
第1判定テーブル116aによれば、当たり決定乱数が1であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、2~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第1判定テーブル116aにおいて当たりとなる確率は1/65536となる。
また、第2判定テーブル116bによれば、当たり決定乱数が1~65500であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65501~65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この第2判定テーブル116bにおいて当たりとなる確率はおよそ99/100となる。
なお、普通図柄の抽選によって当たりとなった場合には当たり図柄が決定され、ハズレとなった場合にはハズレ図柄が決定される。
また、本形態に係るパチンコ機Pは、普通図柄の変動パターンの決定や、可動片16bの開閉の制御を行うためのテーブルとして、普通図柄変動パターン決定テーブル117、及び第2始動入賞口開放制御テーブル118を備えている。
普通図柄変動パターン決定テーブル117は、普通図柄の変動パターンを決定するためのものである。上述のように、ゲート20を遊技球が通過することにより普通図柄の抽選が行われると、この普通図柄変動パターン決定テーブル117に基づいて普通図柄の変動パターンが決定される。
本形態に係るパチンコ機Pでは、図12に示すように、遊技状態が非時短遊技状態の場合、又は特別遊技中には、3秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定され、遊技状態が時短遊技状態の場合には、0.6秒の変動時間が設定された普通図柄の変動パターンが決定される。そして、普通図柄の変動パターンが決定されると、この普通図柄の変動パターンに設定された変動時間の間、普通図柄表示装置32(図3参照)が点滅表示される。そして、普通図柄の抽選により当たりとなって当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、ハズレとなってハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯する。
なお、本明細書においては、普通図柄表示装置32の点滅表示を「普通図柄の変動」、普通図柄表示装置32の点灯又は消灯を「普通図柄の停止表示」、「普通図柄の変動の停止」、「普通図柄の変動停止」等という。
また、第2始動入賞口開放制御テーブル118は、第2始動入賞口16に設けられた可動片16bの作動を制御するために参照されるものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、普通図柄表示装置32が点灯すると、第2始動入賞口16の可動片16bが、第2始動入賞口開放制御テーブル118に定められた態様で開閉するようになっている。具体的には、遊技状態が非時短遊技状態の場合、又は特別遊技中には、図13に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが0.05秒(=0.05秒×1回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが0.05秒開放される。また、遊技状態が時短遊技状態の場合には、図13に示すように、始動入賞口ソレノイド16cが1.8秒(=0.9秒×2回)通電されるため、第2始動入賞口16の可動片16bが合計1.8秒開放される。
以上のように、非時短遊技状態と時短遊技状態とには、それぞれ、第2始動入賞口16を開閉するための条件が定められており、この条件の内容により、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動入賞口16に遊技球が入球しやすくなっている。すなわち、時短遊技状態においては、遊技球がゲート20を通過する限りにおいて、次々と普通図柄の抽選が行われ、第2始動入賞口16が頻繁に開放されるため、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えながら、大当たりの抽選の機会を獲得できることとなる。
(パチンコ機Pにおける処理の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技及び特別遊技の進行に伴って主制御基板100で実行される処理の概要について、フローチャートを用いて説明する。
まず、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板により電源が供給されると、メインCPU101にシステムリセットが発生し、メインCPU101は、図14のフローチャートに示すメイン処理を実行する。
ステップ100において、メインCPU101は、初期化処理として、電源投入に応じて、メインROM102から起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM103に記憶されるフラグなどを初期化したり、副制御基板300に送信する各種のコマンドを、メインRAM103に設けられた演出用伝送データ格納領域に記憶したりする。また、メインCPU101は、変動回数カウンタのカウント値をクリアする。特に図示していないが、リセット処理が実行された場合にも、この初期化処理が実行される。これにより
リセット処理の実行後からの変動回数が変動回数カウンタによってカウントされることとなる。また、メインCPU101は、現時点の変動回数カウンタのカウンタ値を含む変動回数コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、変動回数コマンドが副制御基板300に送信され、副制御基板300は、現時点の変動回数カウンタのカウント値を把握できることとなる。そして、次のステップ101に進む。
ステップ101において、メインCPU101は、特別図柄乱数を更新する際に参照される特別図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この特別図柄乱数用初期値更新乱数は、特別図柄乱数の初期値を決定するためのものである。すなわち、特別図柄乱数は、更新を開始する時点の特別図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、この乱数範囲を1周すると、その時点における特別図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、特別図柄乱数の更新が継続されるようになっている。そして、次のステップ102に進む。
ステップ102において、メインCPU101は、変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する。そして、ステップ102の処理が終了すると、以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップ101とステップ102の処理を繰り返し実行する。
次に、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により、所定の周期(本形態に係るパチンコ機Pでは、4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、図15のフローチャートに示すタイマ割込処理が実行される。
ステップ200において、メインCPU101は、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。そして、次のステップ201に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、主制御基板100のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ201において、メインCPU101は、特別図柄乱数の更新を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時点の特別図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。そして、次のステップ202に進む。
ステップ202において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16aに入力があったか否かを判定し、これに基づいて所定の処理を行うセンサ検出時処理を実行する。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、メインCPU101は、特図遊技及び特別遊技に関する制御を行うための特図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ204に進む。
ステップ204において、メインCPU101は、普図遊技に関する制御を行うための普図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ205に進む。
ステップ205において、メインCPU101は、各種エラーの発生や解除に関する制御を行うためのエラー関連処理を実行する。具体的には、前扉3の開放に基づく扉開放コマンドや、受皿7の満タン状態に基づく受皿満タンコマンド等を、主制御基板100が受信した場合に、メインCPU101は、対応するエラー指定コマンド(たとえば、扉開放コマンド、受皿満タンコマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶(セット)する。また、上述のコマンドを主制御基板100が受信しなくなった場合に、メインCPU101は、対応するエラー解除指定コマンド(たとえば、扉閉鎖コマンド、満タン解除コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ206に進む。
ステップ206において、一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口検出センサ16a、大入賞口検出センサ18aからの検出信号がメインCPU101に入力された場合に、当該メインCPU101は、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタを更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する払出個数指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。なお、発射払出制御基板200により賞球の払い出しが行われると、当該払い出しごとに主制御基板100に払い出しコマンドが送信され、メインCPU101は、当該払い出しコマンドを受信すると、賞球カウンタを減算する。そして、次のステップ207に進む。
ステップ207において、メインCPU101は、パチンコ機Pの遊技状態を当該パチンコ機Pの外部に出力するための外部情報データ、第2始動入賞口16の可動片16bを開閉するための始動入賞口ソレノイドデータ、大入賞口18の開閉を制御するための大入賞口ソレノイドデータ、各種表示装置(第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33)の表示データ等の作成を実行する。そして、次のステップ208に進む。
ステップ208において、メインCPU101は、上述のステップ207で作成した各データの信号を出力するポート出力、及び演出用伝送データ格納領域に記憶されたコマンドを送信するコマンド送信等の処理を行う出力制御処理を実行する。そして、主制御基板100のタイマ割込処理を終了する。
次に、上述したステップ202のセンサ検出時処理について、図16のフローチャートを参照して説明する。
ステップ300において、メインCPU101は、遊技球がゲート20を通過したことに基づいて、普通図柄の抽選を行うためのゲート検出時処理を実行する。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、メインCPU101は、遊技球が第1始動入賞口15に入球したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第1始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ302に進む。
ステップ302において、メインCPU101は、遊技球が第2始動入賞口16に入球したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第2始動入賞口検出時処理を実行する。そして、センサ検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ300のゲート検出時処理について、図17のフローチャートを参照して説明する。
ステップ400において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ401に進む。
ステップ401において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における普図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、当該値が4未満であると判定した場合、次のステップ402に進む。
ステップ402において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ403に進む。
ステップ403において、メインCPU101は、現時点の当たり決定乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶し、ゲート検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ301の第1始動入賞口検出時処理について、図18のフローチャートを参照して説明する。
ステップ500において、メインCPU101は、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ501に進む。
ステップ501において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第1特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ502に進む。
ステップ502において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ503に進む。
ステップ503において、メインCPU101は、大当たり乱数を取得して第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ504に進む。
ステップ504において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された特別図柄乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ505に進む。
ステップ505において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり乱数、特別図柄乱数、及び変動パターン乱数は全て同じ第1保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ506に進む。
ステップ506において、メインCPU101は、第1特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ507に進む。
ステップ507において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態(すなわち、通常遊技状態)であるか否かを判定する。そして、非時短遊技状態でない(すなわち、時短遊技状態である)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、非時短遊技状態であると判定した場合、次のステップ508に進む。
ステップ508において、メインCPU101は、記憶された第1特図乱数について、当該第1特図乱数に基づく変動開始前に(第1特図乱数が取得された(保留として記憶された)時点で)大当たりの抽選に関する各種判定を行う事前判定処理を実行する。そして、第1始動入賞口検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ302の第2始動入賞口検出時処理について、図19のフローチャートを参照して説明する。
ステップ600において、メインCPU101は、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2始動入賞口検出センサ16aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ601に進む。
ステップ601において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第2特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ602に進む。
ステップ602において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ603に進む。
ステップ603において、メインCPU101は、大当たり乱数を取得して第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ604に進む。
ステップ604において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された特別図柄乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ605に進む。
ステップ605において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり乱数、特別図柄乱数、及び変動パターン乱数は全て同じ第2保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ606に進む。
ステップ606において、メインCPU101は、第2特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ607に進む。
ステップ607において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態(すなわち、高確率時短遊技状態)であるか否かを判定する。そして、時短遊技状態でない(すなわち、非時短遊技状態である)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、時短遊技状態であると判定した場合、次のステップ608に進む。
ステップ608において、メインCPU101は、記憶された第2特図乱数について、当該第2特図乱数に基づく変動開始前に(第2特図乱数が取得された(保留として記憶された)時点で)大当たりの抽選に関する各種判定を行う事前判定処理を実行する。そして、第2始動入賞口検出時処理を終了する。
次に、上述したステップ508及びステップ608の事前判定処理について、図20のフローチャートを参照して説明する。なお、上述したステップ508の事前判定処理においては、第1保留記憶領域の記憶部に記憶された大当たり乱数、特別図柄乱数及び変動パターン乱数、並びに第1特図保留数に基づいて下記の処理が実行され、上述したステップ608の事前判定処理においては、第2保留記憶領域の記憶部に記憶された大当たり乱数、特別図柄乱数及び変動パターン乱数、並びに第2特図保留数に基づいて下記の処理が実行される。
ステップ650において、メインCPU101は、現時点の保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)を確認する。そして、次のステップ651に進む。
ステップ651において、メインCPU101は、遊技球が入球した始動入賞口の種別(第1始動入賞口15(第1特図乱数)、第2始動入賞口16(第2特図乱数))を確認する。また、メインCPU101は、現時点の変動回数カウンタのカウント値を確認する。そして、次のステップ652に進む。
ステップ652において、メインCPU101は、大当たり乱数判定テーブル110のうち、入球した遊技球に基づく変動が実行される時点の遊技状態に対応するいずれか(低確率判定テーブル110a、高確率判定テーブル110b)を取得し、取得したテーブルと、記憶された大当たり乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を判定する大当たり判定処理を実行する。その後、当該判定の結果(大当たり又はハズレ)に係るデータをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ653に進む。
ステップ653において、メインCPU101は、特別図柄の種別を判定する特別図柄判定処理を実行する。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15(第1特図乱数)であり、かつ上述のステップ652における判定の結果が大当たりであった場合には、第1始動入賞口判定テーブル111aを取得し、当該テーブルと、記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、大当たり図柄X2)を判定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16(第2特図乱数)であり、かつ上述のステップ612における判定の結果が大当たりであった場合には、第2始動入賞口判定テーブル111bを取得し、当該テーブルと、記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、大当たり図柄X2)を判定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15であり、かつ上述のステップ652における判定の結果がハズレであった場合には、特別図柄はハズレ図柄Y1であると判定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16であり、かつ上述のステップ652における判定の結果がハズレであった場合には、特別図柄はハズレ図柄Y2であると判定する。そして、当該判定の結果(特別図柄の種別)に係るデータを、メインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ654に進む。
ステップ654において、メインCPU101は、上述のステップ650で確認した現時点の保留数、及び上述のステップ651で確認した現時点の変動回数カウンタのカウント値によって、保留記憶された第1特図乱数又は第2特図乱数に基づく変動が実行される際の変動回数を導出した上で、当該変動回数、及び遊技球が入球した始動入賞口の種別に対応する変動パターンテーブル114を取得する。そして、次のステップ655に進む。
ステップ655において、メインCPU101は、上述のステップ654で取得した変動パターンテーブル114と、上述のステップ653で判定された特別図柄の種別と、記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターンコマンドを判定する変動パターンコマンド判定処理を実行する。そして、次のステップ656に進む。
ステップ656において、メインCPU101は、上述のステップ652で判定された大当たりの抽選の結果(大当たり又はハズレ)、上述のステップ653で判定された特別図柄の種別、上述のステップ655で判定された変動パターンコマンドを含む事前判定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、事前判定処理を終了する。
以上の処理により、保留として記憶された第1特図乱数又は第2特図乱数について、特別図柄の変動開始時に決定される大当たりの抽選の結果、特別図柄の種別、及び変動パターンコマンドが、事前判定コマンドによって、当該乱数の取得時点で事前に(すなわち、変動開始前に)副制御基板300に伝達される。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の事前判定処理において、第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて取得され保留記憶領域(第1保留記憶領域)に記憶された乱数(第1特図乱数)、又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて取得され保留記憶領域(第2保留記憶領域)に記憶された乱数(第2特図乱数)を判定するようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、事前判定処理においては、保留記憶領域に記憶された乱数を直接判定するのではなく、他の記憶領域(たとえば、レジスタ等)に記憶された乱数を判定するようにしてもよい。
次に、上述したステップ203の特図関連制御処理について、図21のフローチャートを参照して説明する。
ステップ700において、メインCPU101は、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、当該特図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この実行フェーズデータは、後述する特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、後述する特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、後述する停止後処理の実行を示すデータ「02」と、後述する特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、後述する特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ700でロードした実行フェーズデータの値に基づき、特別図柄変動開始処理(ステップ701)、特別図柄変動停止処理(ステップ702)、停止後処理(ステップ703)、特別遊技制御処理(ステップ704)又は特別遊技終了処理(ステップ705)のいずれかを実行する。そして、特図関連制御処理を終了する。
次に、上述したステップ701の特別図柄変動開始処理について、図22のフローチャートを参照して説明する。
ステップ800において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「00」であると判定した場合、次のステップ801に進む。一方、実行フェーズデータが「00」でないと判定した場合、特別図柄変動開始処理を終了する。
ステップ801において、メインCPU101は、第2保留記憶領域の記憶部に第2特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第2特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第2特図乱数が記憶されていると判定した場合、ステップ804に進む。一方、第2特図乱数が記憶されていないと判定した場合、次のステップ802に進む。
ステップ802において、メインCPU101は、第1保留記憶領域の記憶部に第1特図乱数が記憶されているか否か、すなわち、第1特図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合、ステップ812に進む。一方、第1特図乱数が記憶されていると判定した場合、次のステップ803に進む。
ステップ803において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第1保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第1保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第1保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
また、上述のステップ801で第2特図乱数が記憶されていると判定した場合に進むステップ804において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、第2保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第2保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている各乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2保留記憶領域の第2記憶部~第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、第2保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ805に進む。
ステップ805において、メインCPU101は、変動回数カウンタのカウント値を「1」インクリメントする。また、メインCPU101は、変動回数コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、変動回数コマンドが副制御基板300に送信され、副制御基板300は現時点の変動回数カウンタのカウント値を把握できることとなる。そして、次のステップ806に進む。
ステップ806において、メインCPU101は、大当たり乱数判定テーブル110のうち、現時点の遊技状態に対応するいずれか(低確率判定テーブル110a、高確率判定テーブル110b)を取得し、取得したテーブルと上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された大当たり乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を導出する大当たり判定処理を実行する。そして、次のステップ807に進む。
ステップ807において、メインCPU101は、特別図柄の種別を決定する特別図柄決定処理を実行する。具体的には、遊技球が入球した始動入賞口が第1始動入賞口15(第1特図乱数)であり、かつ上述のステップ806における抽選の結果が大当たりであった場合には、第1始動入賞口判定テーブル111aを取得し、当該テーブルと、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、大当たり図柄X2)を決定する。また、遊技球が入球した始動入賞口が第2始動入賞口16(第2特図乱数)であり、かつ上述のステップ806における抽選の結果が大当たりであった場合には、第2始動入賞口判定テーブル111bを取得し、当該テーブルと、上述のステップ803又はステップ804で所定の処理領域に記憶された特別図柄乱数とに基づいて、大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1、大当たり図柄X2)を決定する。一方、上述のステップ806における抽選の結果がハズレであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり乱数が第1始動入賞口15への遊技球の入球によるものであればハズレ図柄Y1を決定し、当該抽選の判定に用いられた大当たり乱数が第2始動入賞口16への遊技球の入球によるものであればハズレ図柄Y2を決定する。そして、決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM103の所定の一時記憶領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ808に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pの特別図柄変動開始処理では、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、第1特図乱数に優先して第2特図乱数が処理されるようになっているが、これに限定されるものではなく、保留記憶領域に記憶された順に処理してもよい。
ステップ808において、メインCPU101は、上述のステップ807で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が、変動開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ809に進む。
ステップ809において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶された変動パターン乱数に基づいて、変動パターンを決定する変動パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ810に進む。
ステップ810において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31で特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、第1特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示装置30が点滅表示を開始し、また、第2特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示装置31が点滅表示を開始する。ここで、点滅表示とは、各表示装置において「-」が所定の間隔で点滅することをいうものである。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数が第1保留記憶領域に記憶されている場合には、第1特図保留数を認識できる態様で第1特図保留表示装置38が表示され、第2特図乱数が第2保留記憶領域に記憶されている場合には、第2特図保留数を認識できる態様で第2特図保留表示装置39が表示されるようになっている。そして、第1特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1特図保留数が1つ減ることを示すように、第1特図保留表示装置38が表示制御され、第2特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2特図保留数が1つ減ることを示すように、第2特図保留表示装置39が表示制御される。
そして、次のステップ811に進む。
ステップ811において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、実行フェーズデータに特別図柄変動中状態を示すデータ「01」をセットし、特別図柄変動開始処理を終了する。
また、上述のステップ802で第1保留記憶領域に第1特図乱数が記憶されていないと判定した場合に進むステップ812において、メインCPU101は、変動表示が行われていないことに基づき、演出表示装置21において客待ち表示を行うための客待ち判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、特別図柄の変動表示が行われることなく所定の客待ち時間(たとえば、30秒)が経過した場合に、客待ち状態となったものとして、演出表示装置21に客待ち画面を表示するための客待ちコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別変動開始処理を終了する。
次に、上述したステップ809の変動パターン決定処理について、図23のフローチャートを参照して説明する。
ステップ900において、メインCPU101は、現時点の保留数(第1特図保留数、第2特図保留数)を確認する。そして、次のステップ901に進む。
ステップ901において、メインCPU101は、遊技球が入球した始動入賞口の種別(第1始動入賞口15(第1特図乱数)、第2始動入賞口16(第2特図乱数))を確認する。また、メインCPU101は、現時点の変動回数カウンタのカウント値を確認する。そして、次のステップ902に進む。
ステップ902において、メインCPU101は、上述のステップ901で確認した現時点の変動回数カウンタのカウント値、及び遊技球が入球した始動入賞口の種別に対応する変動パターンテーブル114を取得する。そして、次のステップ903に進む。
ステップ903において、メインCPU101は、上述のステップ902で取得した変動パターンテーブル114と、上述のステップ807で決定された特別図柄の種別と、上述のステップ803又は804で処理領域に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターンコマンドを決定し、この決定された変動パターンコマンドを所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ904に進む。
ステップ904において、メインCPU101は、上述のステップ903で決定された変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ905に進む。
ステップ905において、メインCPU101は、変動パターンテーブル114に基づいて、変動パターンコマンドに対応付けられた変動時間を決定する。そして、決定された変動時間を変動時間タイマカウンタにセットする。そして、変動パターン決定処理を終了する。
次に、上述したステップ702の特別図柄変動停止処理について、図24のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1000において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「01」でないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「01」であると判定した場合、次のステップ1001に進む。
ステップ1001において、メインCPU101は、ステップ905で変動時間タイマカウンタにセットされた変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1002に進む。
ステップ1002において、メインCPU101は、上述のステップ807で決定された特別図柄を、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをセットし、特別図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1003に進む。
ステップ1003において、メインCPU101は、特別図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1004に進む。
ステップ1004において、メインCPU101は、特別図柄を停止表示する停止表示時間を停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1005に進む。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、高確率時短遊技状態中の60回目の変動(すなわち、高確率時短遊技状態の最後の変動)のときには5秒の停止表示時間がセットされ、これ以外のときには0.5秒の停止表示時間がセットされる。なお、高確率時短遊技状態中の60回目の変動のときには、大当たりに当選していた場合に0.5秒の停止表示時間がセットされ、ハズレの場合に5秒の停止表示時間がセットされるようにしてもよい。
ステップ1005において、メインCPU101は、特図関連制御処理において停止後処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットする。そして、特別図柄変動停止処理を終了する。
次に、上述したステップ703の停止後処理について、図25のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1100において、メインCPU101は、実行フェーズデータが停止後処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「02」でないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「02」であると判定した場合、次のステップ1101に進む。
ステップ1101において、メインCPU101は、上述のステップ1004で停止表示時間タイマカウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、停止表示時間が経過していないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1102に進む。
ステップ1102において、メインCPU101は、停止表示時間が経過した旨を示す停止表示終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。これにより、停止表示時間が経過した旨が副制御基板300に伝達される。また、メインCPU101は、現時点の遊技状態を遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1103に進む。
ステップ1103において、メインCPU101は、時短回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態であることを示す時短遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた時短回数記憶領域を更新する。この時短回数記憶領域には、時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、時短遊技フラグをオフにする処理も実行する。また、時短遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1104に進む。
ステップ1104において、メインCPU101は、高確回数更新処理を行う。ここでは、メインCPU101は、現時点の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、高確遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた高確回数記憶領域を更新する。この高確回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、高確遊技フラグをオフにする処理も実行される。また、高確遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は何も処理を行わない。そして、次のステップ1105に進む。
ステップ1105において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1111に進む。一方、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1106に進む。
ステップ1106において、メインCPU101は、大当たり当選時の遊技状態及び停止表示された大当たり図柄の種別(大当たり図柄X1又はX2)を副制御基板300に伝達するための大当たり当選時コマンドをセットする。そして、次のステップ1107に進む。
ステップ1107において、メインCPU101は、現時点の遊技状態をリセットする。そして、次のステップ1108に進む。
ステップ1108において、メインCPU101は、特別遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1109に進む。
ステップ1109において、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄の種別に基づいて、メインRAM103にラウンド数をセットする。具体的には、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄がX1であれば、ラウンド数として「10」をセットし、停止表示されている大当たり図柄がX2であれば、ラウンド数として「4」をセットする。そして、次のステップ1110に進む。
ステップ1110において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1105で停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ1111において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を確認し、当該遊技状態を示す遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1112に進む。
ステップ1112において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、停止後処理を終了する。
次に、上述したステップ704の特別遊技制御処理について、図26のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1200において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「03」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「03」であると判定した場合、次のステップ1201に進む。
ステップ1201において、メインCPU101は、上述のステップ1108でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過しているか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過していると判定した場合、次のステップ1202に進む。
ステップ1202において、メインCPU101は、この特別遊技制御処理において全ラウンド遊技が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1210に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1203に進む。
ステップ1203において、メインCPU101は、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた特別電動役物作動テーブル116に基づいて、大入賞口18の開閉を行う大入賞口開閉制御処理を実行する。そして、次のステップ1204に進む。
ステップ1204において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が開始された時点ではないと判定した場合、ステップ1206に進む。一方、ラウンド遊技が開始された時点であると判定した場合、次のステップ1205に進む。
ステップ1205において、メインCPU101は、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1206に進む。
なお、ラウンド遊技開始コマンドは、ラウンド遊技の回数ごとに設けられており、これにより、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板300に伝達できるようになっている。
ステップ1206において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が終了したか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が終了していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、ラウンド遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1207に進む。
ステップ1207において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されているラウンド数を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1208に進む。
ステップ1208において、メインCPU101は、上述のステップ1207でデクリメントしたラウンド数が「0」であるか否かを判定する。そして、当該ラウンド数が「0」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該ラウンド数が「0」であると判定した場合、次のステップ1209に進む。
ステップ1209において、メインCPU101は、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別遊技制御処理を終了する。
また、上述のステップ1202でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1210において、メインCPU101は、上述のステップ1209でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1211に進む。
ステップ1211において、メインCPU101は、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ1212に進む。
ステップ1212において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
次に、上述したステップ705の特別遊技終了処理について、図27のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「04」でないと判定した場合、特別遊技終了処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「04」であると判定した場合、次のステップ1301に進む。
ステップ1301において、メインCPU101は、遊技状態設定テーブル113に基づいて、特別遊技の終了後の遊技状態を設定する。具体的には、メインCPU101は、高確遊技フラグ、時短遊技フラグ、高確回数、時短回数を設定する。本形態に係るパチンコ機Pでは、大当たり図柄X1及びX2のいずれの場合であっても、高確遊技フラグ及び時短遊技フラグをいずれもオンとするとともに、高確回数及び時短回数のいずれにも「60」をセットする。そして、次のステップ1302に進む。
ステップ1302において、メインCPU101は、決定用テーブル115を参照し、終了した特別遊技の実行契機となった大当たり図柄に基づいて、変動パターンを決定する際に参照される変動パターンテーブル114の情報を取得するための決定用テーブル情報取得処理を実行する。そして、取得された変動パターンテーブル114の情報を、メインRAM103の所定のテーブル情報記憶領域に記憶する。そして、次のステップ1303に進む。
ステップ1303において、メインCPU101は、上述のステップ1301で設定された遊技状態に応じて、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドには、上述のステップ1301で設定された高確遊技フラグがオンである旨の情報、時短遊技フラグがオンである旨の情報、高確回数の情報、時短回数の情報が含まれている。そして、次のステップ1304に進む。
ステップ1304において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
次に、上述したステップ204の普図関連制御処理について、図28のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1400において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この普図実行フェーズデータは、後述する普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、後述する普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、後述する普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、後述する可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ1400でロードした普図実行フェーズデータの値に基づき、普通図柄変動開始処理(ステップ1401)、普通図柄変動停止処理(ステップ1402)、普通図柄停止後処理(ステップ1403)又は可動片制御処理(ステップ1404)のいずれかを実行する。そして、普図関連制御処理を終了する。
次に、上述したステップ1401の普通図柄変動開始処理について、図29のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1500において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示す「10」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「10」でないと判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「10」と判定した場合、次のステップ1501に進む。
ステップ1501において、メインCPU101は、普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶されているか否か、すなわち、普図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、普図保留数カウンタが「1」以上でない(すなわち、「0」)と判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図保留数カウンタが「1」以上であると判定した場合、次のステップ1502に進む。
ステップ1502において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1503に進む。
ステップ1503において、メインCPU101は、普図保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当選判定処理に用いられるようになっている。そして、ステップ1504に進む。
ステップ1504において、メインCPU101は、現時点の遊技状態(非時短遊技状態、時短遊技状態、特別遊技中)に対応する当たり決定乱数判定テーブル116(第1判定テーブル116a又は第2判定テーブル116bのいずれか)を選択し、当該選択したテーブルと、上述のステップ1503で処理領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合、又は特別遊技中には、第1判定テーブル116aを参照して、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。これに対して、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、第2判定テーブル116bを参照して、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。そして、次のステップ1505に進む。
ステップ1505において、メインCPU101は、上述のステップ1504における当選判定処理の結果が当たりであるか否かを判定する。そして、当たりであると判定した場合、次のステップ1506に進む。一方、当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合、ステップ1507に進む。
ステップ1506において、メインCPU101は、当たり図柄データをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、ステップ1508に進む。
また、上述のステップ1505で当選判定処理の結果が当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合に進むステップ1507において、メインCPU101は、ハズレ図柄データをメインRAM103の所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ1508に進む。
ステップ1508において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態、時短遊技状態、特別遊技中のいずれであるかを確認するとともに、普通図柄変動パターン決定テーブル117を参照して、現時点の遊技状態に応じた普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態である場合、又は特別遊技中には、普図変動時間カウンタに「3秒」をセットし、時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに「0.6秒」をセットする。そして、次のステップ1509に進む。
ステップ1509において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをセットする。これにより、普通図柄の変動表示が行われる場合には、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する。また、本形態に係るパチンコ機Pでは、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されている場合には、普図保留数を認識できる態様で普通図柄保留表示装置33が表示されるようになっている。そして、普通図柄の変動表示が行われる場合には、当該変動表示の開始と同時に、普図保留数が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示装置33が表示制御される。そして、次のステップ1510に進む。
ステップ1510において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1511に進む。
ステップ1511において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットする。そして、普通図柄変動開始処理を終了する。
次に、上述したステップ1402の普通図柄変動停止処理について、図30のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1600において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「11」でないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「11」であると判定した場合、次のステップ1601に進む。
ステップ1601において、メインCPU101は、ステップ1508で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1602に進む。
ステップ1602において、メインCPU101は、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データをセットし、普通図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1603に進む。
ステップ1603において、メインCPU101は、普通図柄を停止表示する変動停止表示時間を普図停止表示時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ1604に進む。
ステップ1604において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットする。そして、普通図柄変動停止処理を終了する。
次に、上述したステップ1403の普通図柄停止後処理について、図31のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1700において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「12」でないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「12」であると判定した場合、次のステップ1701に進む。
ステップ1701において、メインCPU101は、上述のステップ1603で普図停止表示時間タイマカウンタにセットされた変動停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動停止表示時間が経過していないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、当該変動停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1702に進む。
ステップ1702において、メインCPU101は、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1704に進む。一方、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1703に進む。
ステップ1703において、メインCPU101は、普図関連制御処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
また、上述のステップ1702で停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合に進むステップ1704において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
次に、上述したステップ1404の可動片制御処理について、図32のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1800において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「13」でないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「13」であると判定した場合、次のステップ1801に進む。
ステップ1801において、メインCPU101は、可動片16bが作動制御中であるか否か、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cが通電されているか否かを判定する。そして、可動片16bが作動制御中であると判定した場合、ステップ1804に進む。一方、可動片16bが作動制御中でないと判定した場合、次のステップ1802に進む。
ステップ1802において、メインCPU101は、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態、時短遊技状態、又は特別遊技中のいずれであったかを確認する。そして、次のステップ1803に進む。
ステップ1803において、メインCPU101は、第2始動入賞口開放制御テーブル118を参照し、上述のステップ1802で確認した遊技状態に応じて、始動入賞口ソレノイド16cの通電制御データ(開放データ)として、通電回数(開放回数)及び通電時間(開放時間)をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
また、上述のステップ1801で可動片16bが作動制御中であると判定した場合に進むステップ1804において、メインCPU101は、上述のステップ1803でセットされた通電時間(開放時間)を経過したか否かを判定する。そして、通電時間(開放時間)を経過していないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、通電時間(開放時間)を経過したと判定した場合、次のステップ1805に進む。
ステップ1805において、メインCPU101は、可動片16bの作動の停止、すなわち、始動入賞口ソレノイド16cの通電の停止を実行する。そして、次のステップ1806に進む。
ステップ1806において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
(パチンコ機Pにおける演出の概要)
以上のように、主制御基板100において各種処理が実行されることにより、特図遊技、普図遊技及び特別遊技が進行することとなる。そして、これら遊技の進行中には、主制御基板100から種々のコマンドを副制御基板300に送信し、このコマンドを副制御基板300が受信することにより、当該副制御基板300が、遊技の進行に伴う演出の制御を実行する。
以下では、特別図柄の変動表示中に実行され、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出、所定の表示態様で保留表示を行う保留表示演出、及び所定の演出の実行可否を示唆する特定演出について説明する。
(変動演出の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、特別図柄の変動表示中に、演出図柄50の表示態様により大当たりの抽選の結果を報知する変動演出が実行される。この変動演出では、演出表示装置21の表示部21aに表示される背景画像に重ねて、演出図柄50(ダミー図柄)の変動表示が行われる。そして、変動表示した後に停止表示された演出図柄50の組み合わせ(停止表示態様)により、大当たりの抽選の結果が遊技者に報知されるようになっている。
具体的には、特別図柄の変動表示の開始後に、全ての演出図柄50が停止表示された状態から、全ての演出図柄50の変動表示が開始される(図33(a)及び(b)、図34(a)及び(b)参照)。なお、図中の下向き矢印は、演出図柄50が上方から下方へ向けてスクロールする表示がなされていることを示す。
その後、左側に位置する演出図柄50(以下、第1停止図柄という)、右側に位置する演出図柄50(以下、第2停止図柄という)、中央に位置する演出図柄50(以下、第3停止図柄)という順番で停止表示される(図33(c)~(e)、図34(c)~(e)参照)。
そして、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、全ての演出図柄50が同一の図柄で停止表示される(図34(e)参照)。すなわち、全ての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果が大当たりであることが報知される。
これに対して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合には、全ての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることはない(図33(e)参照)。すなわち、少なくとも一の演出図柄50が他の演出図柄50とは異なる図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果がハズレであることが報知される。
また、第3停止図柄は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示するのとほぼ同時に停止表示されるようになっている。これにより、演出図柄50の停止表示に先んじて、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示され、特別図柄の種別で大当たりの抽選の結果が把握されてしまうことを防止している。
また、変動演出の前半部分の態様としては、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる図柄で停止表示されるリーチなし変動パターン、及び、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示される(いわゆるリーチ表示が行われる)リーチ変動パターンが設けられている。リーチなし変動パターン及びリーチ変動パターンはそれぞれ複数の態様を有しており、各態様には、変動の仕方、演出図柄50の表示内容、表示される画像等が種々設定されている。
本形態に係るパチンコ機Pでは、変動パターンコマンドが「00H」、「04H」、「05H」、「07H」、「0DH」であった場合にリーチなし変動パターンにより変動演出の前半部分が実行され、「01H」、「02H」、「03H」、「A2H」、「A3H」、「06H」、「08H」、「A6H」、「A8H」、「ADH」であった場合にリーチ変動パターンにより変動演出の前半部分が実行される。
リーチ変動パターンとしては、リーチパターンA、リーチパターンB、リーチパターンC、及びリーチパターンDが設けられている。
リーチパターンAは、変動の仕方や演出図柄50の表示内容に特段の変化が生じることなく単に第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示することでリーチ表示が行われる態様である(図34参照)。
リーチパターンBは、演出図柄50の変動表示が開始されてからリーチ表示が行われるまでの間において、所定の前半カットイン画像(たとえば、「CHANCE!」という文字画像等)を表示し、かつ当該前半カットイン画像が表示された旨を報知する前半カットイン音声を出力する前半カットイン演出が実行される態様である(図35参照)。本形態におけるリーチパターンBでは、リーチ表示が行われる8秒前の時点で上述の前半カットイン演出が実行されるようになっている。
リーチパターンCは、全ての演出図柄50が所定の停止表示態様で仮停止(第1停止図柄及び第2停止図柄が1違いの数字の図柄で仮停止、第3停止図柄が仮停止を示唆する仮停止図柄で仮停止)した後に変動表示を再開するという態様の表示が所定回数行われ(いわゆる擬似連演出が行われ)、その後にリーチ表示が行われる態様である(図36参照)。また、このリーチパターンCには、変動演出が開始されてからリーチ表示が行われるまでの間に仮停止が1回行われるパターン、仮停止が2回行われるパターンが設けられている。
リーチパターンDは、上述の特定演出が実行された後にリーチ表示が行われる態様である。この特定演出が実行されるリーチパターンDについては、後程後述する。
なお、リーチ変動パターンは、上述の態様に限定されるものではない。たとえば、所定のカットイン画像が表示される態様(カットイン演出)、操作ボタン9bが押下操作されることにより所定の示唆や報知を行う態様(ボタン操作演出)、役物演出装置が所定態様で作動する態様(役物作動演出)等を設けてもよい。また、同一種類の演出や異なる種類の演出が複数回実行される態様等を設けてもよい。
また、リーチパターンCによる変動演出において仮停止を行う回数、仮停止を行うタイミングは、種々の回数や種々の時点を設定することができる。また、大当たりに当選した場合にのみ上述の仮停止が特定回数(たとえば、4回)行われるリーチパターンCによる変動演出が実行されるように設定し、当該リーチパターンCによる変動演出が実行された場合には、大当たりに当選したことを把握できるようにしてもよい。
また、リーチ変動パターンにおいては、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示されるリーチ表示を行わず、当該リーチ表示を行う代わりにリーチが発生した旨を所定の画像を表示することにより報知するようにしてもよい。
また、変動演出の前半部分の態様がリーチ変動パターンであった場合における変動演出の後半部分の態様としては、リーチ表示後に演出表示装置21に所定の発展演出画像等(図37(e)、図38(b)参照)を表示するリーチ発展演出が実行され、その後大当たりの抽選の結果が大当たり又はハズレである旨を報知する発展ありパターン、及びリーチ表示後にリーチ発展演出が実行されることなく、大当たりの抽選の結果が大当たり又はハズレである旨を報知する発展なしパターン(図34参照)が設けられている。
また、変動演出の前半部分の態様がリーチなし変動パターンであった場合における変動演出の後半部分の態様としては、後半変動時間の経過後に大当たりの抽選の結果がハズレである旨が報知されるノーマルハズレパターン(図33参照)が設けられている。
発展なしパターン、発展ありパターン及びノーマルハズレパターンの態様は複数種類設けられており、第3停止図柄の種類、発展演出画像の種類等が種々設定されている。
たとえば、発展ありパターンとしては、発展ありパターンA、発展ありパターンB、発展ありパターンC、及び発展ありパターンDが設けられている。
発展ありパターンAは、所定の発展演出画像の表示が開始されてから(すなわち、リーチ発展演出が開始されてから)、当該発展演出画像の表示以外の演出が特段実行されることなく、ハズレ又は大当たりを報知するという態様である。
発展ありパターンBは、所定の発展演出画像の表示が開始されてから所定時間経過した後、当該所定の発展演出画像よりも大当たりの当選の期待度が高い旨を示唆する高期待度発展演出画像の表示に切り替わる旨を報知するチャンスアップ画像を表示した上で、当該高期待度発展演出画像の表示に切り替わるチャンスアップ演出が実行され、その後、ハズレ又は大当たりを報知するという態様である(図38参照)。本形態における発展ありパターンBでは、後半変動時間の半分の時間が経過した時点で、上述のチャンスアップ演出が実行されるようになっている。
発展ありパターンCは、図37に示すように、所定の発展演出画像の表示が開始されてから所定時間経過した後、発展演出画像に重ねて、大当たりの当選の期待度を示唆する所定の後半カットイン画像(たとえば、「激熱!」という文字画像等)を表示する後半カットイン演出が行われ、その後、ハズレ又は大当たりを報知するという態様である。本形態における発展ありパターンCでは、変動演出が終了する10秒前の時点で、後半カットイン演出が実行されるようになっている。
発展ありパターンDは、上述のチャンスアップ演出及び後半カットイン演出の両方が行われ、その後、ハズレ又は大当たりを報知するという態様である。本形態における発展ありパターンDでは、後半変動時間の半分の時間が経過した時点で上述のチャンスアップ演出が実行され、変動演出が終了する10秒前の時点で、後半カットイン演出が実行されるようになっている。
なお、発展なしパターンや発展ありパターンは、上述の態様に限定されるものではない。たとえば、リーチ発展演出中に操作ボタン9bが押下操作されることにより所定の示唆や報知を行う態様(ボタン操作演出)、リーチ発展演出中に役物演出装置が所定態様で作動する態様(役物作動演出)等を設けてもよい。また、同一種類の演出や異なる種類の演出が複数回実行される態様等を設けてもよい。
また、上述の各演出においては、画像の表示や音声の出力のみならず、演出照明装置23(ランプ)を所定の点灯パターンや色で発光させてもよい。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、演出図柄50の変動表示が開始されてからリーチ表示の有無が報知されるまで(すなわち、第2停止図柄が停止表示されるまで)が、変動演出の前半部分に相当し、リーチ表示の有無が報知されてから第3停止図柄が停止表示されるまで(すなわち、演出図柄50の変動が終了するまで)が、変動演出の後半部分に相当する。
またここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、主制御基板100のメインCPU101から受信した変動パターンコマンドに応じて、実行可能となる変動演出の態様が予め定められている。すなわち、本形態に係るパチンコ機Pでは、受信した変動パターンコマンドに対応付けられた態様により変動演出が実行されるようになっている。
具体的には、変動パターンコマンドが「00H」、「04H」、「05H」、「07H」又は「0DH」であった場合には、前半部分がリーチなし変動パターン及び後半部分がノーマルハズレパターンである態様(以下、態様1という)により変動演出が実行され、ハズレである旨が報知されるようになっている。
変動パターンコマンドが「01H」であった場合には、前半部分がリーチパターンA及び後半部分が発展なしパターンである態様(以下、態様2という)、前半部分がリーチパターンA及び後半部分が発展ありパターンAである態様(以下、態様3という)、又は前半部分がリーチパターンA及び後半部分が発展ありパターンBである態様(以下、態様4という)のいずれかにより変動演出が実行され、ハズレである旨が報知されるようになっている。
変動パターンコマンドが「02H」又は「03H」であった場合には、前半部分がリーチパターンB及び後半部分が発展ありパターンAである態様(以下、態様5という)、前半部分がリーチパターンB及び後半部分が発展ありパターンBである態様(以下、態様6という)、前半部分がリーチパターンB及び後半部分が発展ありパターンCである態様(以下、態様7という)、前半部分がリーチパターンB及び後半部分が発展ありパターンDである態様(以下、態様8という)、前半部分がリーチパターンC及び後半部分が発展ありパターンAである態様(以下、態様9という)、前半部分がリーチパターンC及び後半部分が発展ありパターンBである態様(以下、態様10という)、前半部分がリーチパターンC及び後半部分が発展ありパターンCである態様(以下、態様11という)、前半部分がリーチパターンC及び後半部分が発展ありパターンDである態様(以下、態様12という)、前半部分がリーチパターンD及び後半部分が発展ありパターンAである態様(以下、態様13という)、前半部分がリーチパターンD及び後半部分が発展ありパターンBである態様(以下、態様14という)、前半部分がリーチパターンD及び後半部分が発展ありパターンCである態様(以下、態様15という)、前半部分がリーチパターンD及び後半部分が発展ありパターンDである態様(以下、態様16という)のいずれかにより変動演出が実行され、ハズレである旨が報知されるようになっている。
変動パターンコマンドが「A2H」又は「A3H」であった場合には、態様5、態様6、態様7、態様8、態様9、態様10、態様11、態様12、態様13、態様14、態様15、又は態様16のいずれかにより変動演出が実行され、大当たりである旨が報知されるようになっている。
変動パターンコマンドが「06H」又は「08H」であった場合には、態様5により変動演出が実行され、ハズレである旨が報知されるようになっている。
変動パターンコマンドが「A6H」又は「A8H」であった場合には、態様5により変動演出が実行され、大当たりである旨が報知されるようになっている。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出の態様として、全ての演出図柄50が変動表示している状態からこれらの演出図柄50が一斉に停止表示して大当たり又はハズレを報知するという特殊変動パターンが設けられており、受信した変動パターンコマンドが「09H」、「0AH」、「0BH」、「A9H」、「AAH」、「ABH」又は「ACH」であった場合には、この特殊変動パターンの態様(以下、態様17という)により変動演出が実行される。
また、「09H」、「0AH」、「0BH」、「A9H」、「AAH」、「ABH」又は「ACH」の変動パターンコマンドは、高確率時短遊技状態中の第2特図乱数に基づく60回目の変動、又は当該60回目の変動がハズレとなった場合に、この変動に引き続き、保留記憶されていた第2特図乱数に基づいて行われる最大4回の変動においてのみ決定されるようになっている。すなわち、これらの変動においてのみ、態様17による変動演出が実行される。
なお、特に図示していないが、本形態に係るパチンコ機Pでは、通常遊技状態中及び高確率時短遊技状態中はそれぞれ異なる背景画像が表示され、設定されている遊技状態を背景画像により把握できるようになっている。また、変動演出においては、設定されている遊技状態に応じた画像(演出図柄50、カットイン画像、発展演出画像等)が表示されるようになっている。なお、通常遊技状態中及び高確率時短遊技状態中には同態様の画像が表示されるようにしてもよいし、異なる態様の画像が表示されるようにしてもよい。
(変動演出の態様の決定)
次に、上述の変動演出の態様の決定について説明する。
副制御基板300のサブROM302には、図39に示すように、変動演出の態様(すなわち態様1~態様17のいずれか)を決定するための変動演出決定テーブル119が記憶されている。
そして、副制御基板300のサブCPU301は、変動開始時に変動パターンコマンドを受信すると、0~249の範囲から1の変動演出乱数を取得するとともに、取得した変動演出乱数、受信した変動パターンコマンド、及び変動演出決定テーブル119に基づいて、変動演出の態様を決定する。
なお、図39において、変動パターンコマンドと変動演出の態様とが対応付けられた各選択領域に示された数字は、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲、すなわち、当該選択領域の選択比率を示している。
本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出の態様について、大当たりに当選した場合に実行される可能性の高低がそれぞれ別個に設定されている。これにより、実行される変動演出の態様に応じて、大当たりの当選に対する期待度が変化するようになっている。
(高確率時短遊技状態の最後の変動(高確率時短最終変動)、及び当該時点の第2特図乱数の保留記憶に基づく変動(残り保留変動)において実行される特殊演出の概要)
本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、高確回数及び時短回数が60回に設定されている(図8参照)。そのため、特別遊技が終了してから大当たりに当選することなく大当たりの抽選(特別図柄の変動表示)が60回行われると、高確率時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定される。すなわち、高確率時短遊技状態中の60回目の変動が、高確率時短遊技状態の最後の変動(以下、高確率時短最終変動という)となる。
そして、高確率時短最終変動においてハズレとなると、高確率時短遊技状態が終了し通常遊技状態が設定される。一方、高確率時短最終変動において大当たりに当選すると、当該高確率時短最終変動の終了後に特別遊技が実行され、当該特別遊技の終了後に再度、高確率時短遊技状態が設定される。
ここで、高確率時短遊技状態中は、上述の如く、第2始動入賞口16が開状態に極めて維持され易く、また、第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しが指示されるようになっている。したがって、この指示に従って遊技球の打ち出しを行っていれば、遊技球は第2始動入賞口16へ入球可能となり、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選や変動演出が実行される。また、第2始動入賞口16へ頻繁に遊技球が入球することから第2特図乱数が保留記憶されやすく、高確率時短遊技状態中はほぼ、第2特図保留数が上限の4個となっている。
すると、上述の指示に従って遊技球の打ち出しを行っている限りは、高確率時短最終変動も第2特図乱数に基づいて実行され、高確率時短最終変動の開始時点においても、第2特図乱数が上限の4個保留記憶されている可能性が高い。この第2特図乱数は第1特図乱数に優先して処理されるため、第2特図乱数に基づく高確率時短最終変動がハズレとなると、この変動に引き続き、保留記憶されていた第2特図乱数に基づく変動(以下、残り保留変動という)が実行されることとなる。なお、高確率時短最終変動がハズレとなると高確率時短遊技状態が終了して通常遊技状態となり、第2始動入賞口16は開状態に極めて維持され難くなる。そのため、第2始動入賞口16へ遊技球が入球することはほぼ不可能となり、第2特図乱数が保留記憶されることはほぼあり得ない。すると、残り保留変動は最大で4回(すなわち、61回目から64回目までの4回)実行されることとなる。
そして、全ての残り保留変動においてハズレとなると、その後は、設定中の通常遊技状態において第1始動入賞口15への遊技球の入球により取得された第1特図乱数に基づく大当たりの抽選、変動演出が実行される。一方、残り保留変動のいずれかにおいて大当たりに当選すると、当該残り保留変動の終了後に特別遊技が実行され、当該特別遊技の終了後に再度、高確率時短遊技状態が設定される。
なお、複数の残り保留変動において大当たりに当選した場合には、これらの残り保留変動のうち最先に記憶された第2特図乱数に基づく変動の終了後に、特別遊技が実行され高確率時短遊技状態が設定される。その後、上述の残り保留変動のうち次に記憶された第2特図乱数に基づく変動の終了後に、特別遊技が実行され高確率時短遊技状態が設定される。
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、高確率時短最終変動及び残り保留変動においては、上述の特殊変動パターンによる変動演出の実行とともに、所定期間に亘り一連の表示が行われる特殊演出を実行可能となっている。
具体的には、高確率時短最終変動において大当たりとなる場合には、当該高確率時短最終変動の開始から終了に至るまで特殊演出が実行される。また、高確率時短最終変動においてハズレとなり、かつ全ての残り保留変動においてハズレとなる場合には、当該高確率時短最終変動の開始から全ての残り保留変動の終了(最後の残り保留変動の停止表示の終了)に至るまで特殊演出が実行される。また、高確率時短最終変動においてハズレとなり、かつ残り保留変動のいずれかにおいて大当たりとなる場合には、当該高確率時短最終変動の開始から大当たりとなる残り保留変動の終了(大当たりとなる残り保留変動の停止表示の終了)に至るまで特殊演出が実行される。
特殊演出の態様としては、特殊パターンA、特殊パターンB、特殊パターンC、特殊パターンD、及び特殊パターンEが設けられている。
特殊パターンAは、所定の画像を表示することにより高確率時短最終変動又は残り保留変動における大当たりの当選の可否を示唆するファイナルチャンス演出(以下、FC演出という)が実行され、このFC演出により大当たりの当選が示唆されるものである(図40参照)。
具体的には、特殊パターンAでは、高確率時短最終変動が開始されると、まず、表示部21aの右上隅で演出図柄50の変動表示が開始される(図40(a)参照)とともに、高確率時短遊技状態の最後の変動である旨を示唆する表示(たとえば、「ラスト!」という文字画像の表示)が行われる(図40(a)参照)。そして、FC演出が実行されるか否かを煽る煽り演出(たとえば、敵が登場するかどうかを示唆する画像の表示)が開始される(図40(b)等参照)。その後、FC演出が実行される旨の報知(たとえば、敵の登場を示唆する画像の表示)が行われ(図40(c)等参照)、FC演出が開始される。FC演出が開始されると、このFC演出の内容説明の表示(たとえば、「敵を倒したらBONUS」等の文字画像の表示)、及びFC演出中の操作説明の表示(たとえば、「ボタンを長押し!」等の文字画像の表示)が行われ(図40(d)、図40(e)等参照)、その後、操作を開始する旨、及び遊技者に操作を促す表示(たとえば、「スタート!」等の文字画像、及び操作ボタン9bを長押しする態様を示した画像の表示)が行われる(図40(f)等参照)。そして、予め定められた操作有効期間(たとえば、10秒)が経過すると、表示部21aの全体が虹色に輝くレインボーフラッシュ画像(以下、RF画像という)が表示された後(図40(g)参照)、大当たりの当選を示唆する画像(たとえば、「大勝利!」という文字画像)が表示され(図40(h)参照)、その後、大当たりの当選を祝福する旨の画像の表示(たとえば、停止表示された演出図柄50、及び「Congratulation!」という文字画像の表示)が行われる(図40(i)参照)。そして、この後に、特別遊技が開始される旨を示唆する画像の表示(たとえば、「BONUS!」という文字画像の表示)が行われ(図40(j)参照)、特殊パターンAによる特殊演出が終了する。
なお、特別遊技が開始される旨を示唆する画像の表示は、特殊演出中に実行するのではなく、特別遊技が開始された後に実行されるオープニング処理中に実行してもよい。
特殊パターンAによる特殊演出は、高確率時短最終変動において大当たりの当選となる場合、高確率時短最終変動においてはハズレとなるものの、いずれかの残り保留変動において大当たりの当選となる場合に実行可能となるように設定されている。
なお、この特殊パターンAによる特殊演出の開始から終了までの演出実行時間は、高確率時短最終変動において大当たりとなった場合の変動時間である73秒に設定されているが、残り保留変動のいずれにおいて大当たりの当選となる場合には延長されることがある。
特殊パターンBは、上述のFC演出が実行され、当該FC演出によりハズレが示唆されるものである。
特殊パターンBでは、特殊パターンAと同様の流れで、特殊演出が開始され煽り演出やFC演出が進行するものの(図41(a)~(f)参照)、上述の操作有効期間経過後の演出の内容が異なる。具体的には、この操作有効期間が経過すると、ハズレを示唆する画像(たとえば、「敗北・・・」という文字画像)が表示され(図41(g)参照)、その後、通常遊技状態における大当たりの当選に基づいて高確率時短遊技状態が設定されてから当該時点に至るまでに実行された特別遊技の回数や、当該特別遊技において払い出された賞球数の合計値等を表示する結果表示が行われ(図41(h)参照)、特殊パターンBによる特殊演出が終了する。そして、特殊パターンBによる特殊演出が終了すると、表示部21aの中央において演出図柄50の変動表示が開始されるとともに、第1遊技領域12aへ向けての遊技球の打ち出しを指示する左打ち表示(たとえば、「←←←左打ち」の文字画像等の表示)が行われる(図41(i)参照)。
特殊パターンBによる特殊演出は、高確率時短最終変動、及び残り保留変動の全てにおいてハズレとなる場合に実行可能となるように設定されている。
なお、特殊パターンBによる特殊演出の開始から終了までの演出実行時間は、高確率時短最終変動においてハズレとなった場合に決定され得る変動時間である54秒に設定されているが、残り保留変動の実行回数に応じて延長されるようになっている。
特殊パターンCは、上述のFC演出が実行されることなく、これをもってハズレが示唆されるものである。
特殊パターンCでは、特殊パターンAや特殊パターンBと同様の流れで、特殊演出が開始され煽り演出が実行されるものの(図42(a)~(b)参照)、FC演出が実行されない旨の報知(たとえば、敵が登場しない旨を示唆する「登場せず・・・」という文字画像の表示)が行われる(図42(c)参照)。その後、FC演出が実行されることなく、上述の結果表示が行われ(図42(d)参照)、特殊パターンCによる特殊演出が終了する。そして、特殊パターンCによる特殊演出が終了すると、表示部21aの中央において演出図柄50の変動表示が開始されるとともに、左打ち表示が行われる(図42(e)参照)。
特殊パターンCによる特殊演出は、特殊パターンBと同様に、高確率時短最終変動、及び残り保留変動の全てにおいてハズレとなる場合に実行可能となるように設定されている。
なお、特殊パターンCによる特殊演出の開始から終了までの演出実行時間は、高確率時短最終変動においてハズレとなった場合に決定され得る変動時間である15秒に設定されているが、実行される残り保留変動の回数に応じて延長されるようになっている。
特殊パターンDは、上述のFC演出が実行され、当該FC演出により一旦ハズレが示唆されるものの、その後、一転して大当たりの当選が示唆される復活演出が実行されるものである。
特殊パターンDでは、特殊パターンBと同様の流れで、特殊演出が開始され煽り演出やFC演出が進行し、上述の操作有効期間経過後にハズレを示唆する画像が表示され(図43(a)参照)、上述の結果表示が行われる(図43(b)参照)。その後、実行中の結果表示が一転して、所定の逆転表示(たとえば、「まだまだ!」という文字画像、及び敵を倒す旨を示す復活画像の表示)に切り替わる(図43(c)~(d)参照)。そして、この後は、特殊パターンAと同様に、RF画像の表示(図43(e)参照)、大当たりの当選を示唆する画像の表示(図43(f)参照)、大当たりの当選を祝福する旨の画像の表示(図43(g)参照)、特別遊技が開始される旨を示唆する画像の表示(図43(h)参照)が順次行われ、特殊パターンDによる特殊演出が終了する。
また、特に図示していないが、この特殊パターンDには、逆転表示における復活画像の種類等が異なる複数パターンが設けられている。具体的には、第1の復活画像が表示される特殊パターンD1、第2の復活画像が表示される特殊パターンD2、第3の復活画像が表示される特殊パターンD3、第4の復活画像が表示される特殊パターンD4が設けられている。
特殊パターンDによる特殊演出は、高確率時短最終変動においてはハズレとなるものの、いずれかの残り保留変動において大当たりの当選となる場合に実行可能となるように設定されている。
なお、特殊パターンD1による特殊演出の開始から終了までの演出実行時間は、70秒(高確率時短最終変動においてハズレとなった場合に決定され得る変動時間である54秒、及び残り保留変動において当たりとなった場合に決定され得る変動時間である16秒の合計)に設定されている。
また、特殊パターンD2による特殊演出の開始から終了までの演出実行時間、及び特殊パターンD3による特殊演出の開始から終了までの演出実行時間はいずれも、107秒(高確率時短最終変動においてハズレとなった場合に決定され得る変動時間である54秒、及び残り保留変動において当たりとなった場合に決定され得る変動時間である53秒の合計)に設定されている。
また、特殊パターンD4による特殊演出の開始から終了までの演出実行時間は、143秒(高確率時短最終変動においてハズレとなった場合に決定され得る変動時間である54秒、及び残り保留変動において当たりとなった場合に決定され得る変動時間である89秒の合計)に設定されている。
これらの演出実行時間は、ハズレとなる残り保留変動の実行回数に応じて延長されるようになっている。
特殊パターンEは、上述のFC演出が実行されることなく、これをもって一旦ハズレが示唆されるものの、その後、上述の復活演出が実行されるものである。
特殊パターンEでは、特殊パターンCと同様の流れで、特殊演出が開始され煽り演出が実行され、FC演出が実行されない旨の報知が行われた後(図44(a)~(c)参照)、上述の結果表示が行われる(図44(d)参照)。その後、特殊パターンDと同様に、実行中の結果表示が一転し、逆転表示に切り替わり(図44(e)~(f)参照)、RF画像の表示(図44(g)参照)、大当たりの当選を示唆する画像の表示(図44(h)参照)、大当たりの当選を祝福する旨の画像の表示(図44(i)参照)、特別遊技が開始される旨を示唆する画像の表示(図44(j)参照)が順次行われ、特殊パターンEによる特殊演出が終了する。
また、特に図示していないが、この特殊パターンEには、逆転表示における復活画像の種類等が異なる複数パターンが設けられている。具体的には、第1の復活画像が表示される特殊パターンE1、第2の復活画像が表示される特殊パターンE2、第3の復活画像が表示される特殊パターンE3、第4の復活画像が表示される特殊パターンE4が設けられている。
特殊パターンEによる特殊演出は、特殊パターンDと同様に、高確率時短最終変動においてはハズレとなるものの、いずれかの残り保留変動において大当たりの当選となる場合に実行可能となるように設定されている。
なお、特殊パターンE1による特殊演出の開始から終了までの演出実行時間は、31秒(高確率時短最終変動においてハズレとなった場合に決定され得る変動時間である15秒、及び残り保留変動において当たりとなった場合に決定され得る変動時間である16秒の合計)に設定されている。
また、特殊パターンE2による特殊演出の開始から終了までの演出実行時間、及び特殊パターンE3による特殊演出の開始から終了までの演出実行時間はいずれも、68秒(高確率時短最終変動においてハズレとなった場合に決定され得る変動時間である15秒、及び残り保留変動において当たりとなった場合に決定され得る変動時間である53秒の合計)に設定されている。
また、特殊パターンE4による特殊演出の開始から終了までの演出実行時間は、104秒(高確率時短最終変動においてハズレとなった場合に決定され得る変動時間である15秒、及び残り保留変動において当たりとなった場合に決定され得る変動時間である89秒の合計)に設定されている。
これらの演出実行時間は、ハズレとなる残り保留変動の実行回数に応じて延長されるようになっている。
そして、本形態に係るパチンコ機Pでは、高確率時短最終変動において決定される変動パターンコマンド、及び残り保留変動において決定される変動パターンコマンドに応じて、特殊演出の態様が定められており、受信した上述の変動パターンコマンドに基づいていずれかの態様が決定され、決定された態様により特殊演出が実行されるようになっている。
具体的には、高確率時短最終変動において決定される変動パターンコマンドが「A9H」(大当たりの当選、かつ73秒変動)であった場合には、特殊パターンAによる特殊演出が決定される。
高確率時短最終変動において決定される変動パターンコマンドが「09H」(ハズレ、かつ15秒変動)であった場合において、全ての残り保留変動において決定される変動パターンコマンドが「0BH」(ハズレ、かつ0.5秒変動)であったときには、特殊パターンCによる特殊演出が決定される。また、残り保留変動のいずれかにおいて決定される変動パターンコマンドが「AAH」(大当たりの当選、かつ16秒変動)であったときには、特殊パターンE1による特殊演出が決定される。また、残り保留変動のいずれかにおいて決定される変動パターンコマンドが「ABH」(大当たりの当選、かつ53秒変動)であったときには、特殊パターンA、特殊パターンE2又は特殊パターンE3による特殊演出が決定される。また、残り保留変動のいずれかにおいて決定される変動パターンコマンドが「ACH」(大当たりの当選、かつ89秒変動)であったときには、特殊パターンE4による特殊演出が決定される。
高確率時短最終変動において決定される変動パターンコマンドが「0AH」(ハズレ、かつ54秒変動)であった場合において、全ての残り保留変動において決定される変動パターンコマンドが「0BH」であったときには、特殊パターンBによる特殊演出が決定される。また、残り保留変動のいずれかにおいて決定される変動パターンコマンドが「AAH」であったときには、特殊パターンA又は特殊パターンD1による特殊演出が決定される。また、残り保留変動のいずれかにおいて決定される変動パターンコマンドが「ABH」であったときには、特殊パターンD2又は特殊パターンD3による特殊演出が決定される。また、残り保留変動のいずれかにおいて決定される変動パターンコマンドが「ACH」であったときには、特殊パターンD4による特殊演出が決定される。
(特殊演出の態様の決定)
次に、上述の特殊演出の態様の決定について説明する。
副制御基板300のサブROM302には、図45に示すように、特殊演出の態様を決定するための特殊演出決定テーブル120が記憶されている。
そして、副制御基板300のサブCPU301は、高確率時短最終変動の開始時に変動パターンコマンドを受信すると、既に受信済みの事前判定コマンドに含まれる情報に基づき、この時点で保留記憶されている第2特図乱数について決定される変動パターンコマンドを確認するとともに、0~249の範囲から1の特殊演出乱数を取得する。そして、取得した特殊演出乱数、受信した変動パターンコマンド、保留記憶されている第2特図乱数について決定される変動パターンコマンド、及び特殊演出決定テーブル120に基づいて、特殊演出の態様を決定する。
なお、図45において、高確率最終変動の変動パターンコマンド及び残り保留変動の変動パターンコマンドの内容と特殊演出の態様とが対応付けられた各選択領域に示された数字は、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲、すなわち、当該選択領域の選択比率を示している。
(特殊演出の決定及び実行の具体例)
次に、特殊演出について、具体例を挙げてより詳細に説明する。
(具体例1)
たとえば、高確率時短最終変動における第2特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果が大当たりの当選となるものとする。この場合には、73秒変動が対応付けられた「A9H」の変動パターンコマンドが決定される(図9(c)参照)。また、この場合には、高確率時短最終変動で大当たりに当選するため、高確率時短最終変動の開始時に第2特図乱数が保留記憶されていても、当該第2特図乱数に基づく変動は、上述の大当たりの当選に基づく特別遊技の終了後に実行される。
したがって、保留記憶されている第2特図乱数に基づいて決定される変動パターンコマンドを考慮することなく、高確率時短最終変動において決定される「A9H」の変動パターンコマンドのみに基づいて特殊演出の態様が決定され、高確率時短最終変動の開始から終了に至るまで、決定された態様により特殊演出が実行される。
図45によれば、高確率時短最終変動の変動パターンコマンドが「A9H」の場合には、特殊パターンAが決定される。そして、この特殊パターンAによる特殊演出の開始から終了までの演出実行時間は73秒に設定されている。これにより、高確率時短最終変動の開始とともに特殊パターンAによる特殊演出が開始され、高確率時短最終変動の終了とともに特殊パターンAによる特殊演出が終了することとなる(図46参照)。
なお、高確率時短最終変動が終了すると、5秒の停止表示時間が経過するまで特別図柄が停止表示される。この停止表示時間が経過するまでの間は、特に図示していないが、表示部21aにおいて企業ロゴやのめり込み防止のためのメッセージ画像の表示が行われるようになっている。そして、この停止表示時間が経過すると特別遊技が開始される。
(具体例2)
たとえば、高確率時短最終変動における第2特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなるとともに、54秒変動が対応付けられた「0AH」の変動パターンコマンドが決定されるものとする(図9(c)参照)。また、高確率時短最終変動の開始時に第2特図乱数が4個保留記憶されており、当該乱数に基づく大当たりの抽選の結果は全てハズレとなるものとする。
この場合には、高確率時短最終変動に引き続いて実行される4回の残り保留変動全てにおいて、0.5秒変動が対応付けられた「0BH」の変動パターンコマンドが決定される(図9(d)参照)。
そして、この場合には、高確率時短最終変動において決定される「0AH」の変動パターンコマンド、及び残り保留変動において決定される「0BH」の変動パターンコマンドに基づいて特殊演出の態様が決定され、高確率時短最終変動の開始から4回の残り保留変動の停止表示の終了に至るまで、決定された態様により特殊演出が実行される。
図45によれば、高確率時短最終変動の変動パターンコマンドが「0AH」であって、かつ4回の残り保留変動全ての変動パターンコマンドが「0BH」であった場合には、特殊パターンBが決定される。この特殊パターンBによる特殊演出の開始から終了までの演出実行時間は54秒に設定されている。
ここで、高確率時短最終変動の変動時間は54秒、停止表示時間は5秒である。また、1回の残り保留変動の変動時間及び停止表示時間はいずれも0.5秒である。すると、高確率時短最終変動が開始されてから4回目の残り保留変動の停止表示が終了するまでの時間は63秒(=54秒+5秒+(0.5秒+0.5秒)×4)となる。
しかし、特殊パターンBによる特殊演出の開始から終了までの演出実行時間は54秒に設定されているため、高確率時短最終変動が開始されてから4回目の残り保留変動の停止表示が終了するまでの時間(63秒)より9秒短い。
このような場合、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、特殊演出を延長する表示調整が行われるようになっている。具体的には、特殊パターンBによる特殊演出において実行される結果表示の時間を、上述の演出実行時間と高確率時短最終変動が開始されてから4回目の残り保留変動の停止表示が終了するまでの時間との差分(すなわち、9秒)だけ延長する(図47参照)。これにより、高確率時短最終変動の開始とともに特殊パターンBによる特殊演出が開始され、4回目の残り保留変動の停止表示の終了とともに特殊パターンBによる特殊演出が終了することとなる(図47参照)。そして、次の変動(すなわち、第1特図乱数に基づく変動)の開始とともに、左打ち表示が行われる(図47参照)。
なお、結果表示の時間を延長するのではなく、結果表示以外の演出や表示(たとえば、FC演出)の時間を延長することで表示調整を行ってもよい。このようにした場合にも、高確率時短最終変動の開始とともに特殊演出を開始し、全ての残り保留変動の停止表示の終了とともに特殊演出を終了させることができる。
(具体例3)
たとえば、高確率時短最終変動における第2特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなるとともに、15秒変動が対応付けられた「09H」の変動パターンコマンドが決定されるものとする(図9(c)参照)。また、高確率時短最終変動の開始時に第2特図乱数が4個保留記憶されており、最先に記憶された第2特図乱数、2番目に記憶された第2特図乱数、及び3番目に記憶された第2特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果はいずれもハズレとなり、0.5秒変動が対応付けられた「0BH」の変動パターンコマンドが決定され、4番目(最後)に記憶された第2特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果が大当たりの当選となり、53秒変動が対応付けられた「ABH」の変動パターンコマンドが決定されるものとする(図9(d)参照)。
そして、この場合には、高確率時短最終変動において決定される「09H」の変動パターンコマンド、及び残り保留変動において決定される「0BH」、「ABH」の変動パターンコマンドに基づいて特殊演出の態様が決定され、高確率時短最終変動の開始から4回目の残り保留変動の停止表示の終了に至るまで、決定された態様により特殊演出が実行される。
図45によれば、高確率時短最終変動の変動パターンコマンドが「09H」であって、かつ残り保留変動のいずれか(この場合は4回目の残り保留変動)の変動パターンコマンドが「ABH」であった場合には、特殊パターンA、特殊パターンE2、又は特殊パターンE3のいずれかが決定される。そして、特殊パターンAによる特殊演出の開始から終了までの演出実行時間は73秒に設定され、特殊パターンE2による特殊演出の開始から終了までの演出実行時間、及び特殊パターンE3による特殊演出の開始から終了までの演出実行時間はいずれも68秒に設定されている。
ここで、高確率時短最終変動の変動時間は15秒、停止表示時間は5秒である。また、1回目から3回目までの残り保留変動の変動時間及び停止表示時間はいずれも0.5秒であり、4回目の残り保留変動の変動時間は53秒、停止表示時間は0.5秒である。すると、高確率時短最終変動が開始されてから4回目の残り保留変動の停止表示が終了するまでの時間は76.5秒(=15秒+5秒+(0.5秒+0.5秒)×3+53秒+0.5秒)となる。
しかし、特殊パターンAによる特殊演出の開始から終了までの演出実行時間は73秒に設定されているため、高確率時短最終変動が開始されてから4回目の残り保留変動の停止表示が終了するまでの時間(76.5秒)より3.5秒短い。また、特殊パターンE2、特殊パターンE3による特殊演出の開始から終了までの演出実行時間はいずれも68秒に設定されているため、高確率時短最終変動が開始されてから4回目の残り保留変動の停止表示が終了するまでの時間(76.5秒)より8.5秒短い。
したがって、特殊パターンA、特殊パターンE2、及び特殊パターンE3のいずれが決定された場合にも、具体例2と同様に、特殊演出を延長する表示調整が行われる。
具体的には、特殊パターンAが決定された場合には、当該特殊パターンAによる特殊演出において実行されるRF画像の表示時間を、上述の演出実行時間と高確率時短最終変動が開始されてから4回目の残り保留変動の停止表示が終了するまでの時間との差分(すなわち、3.5秒)だけ延長する(図48(a)参照)。これにより、高確率時短最終変動の開始とともに特殊パターンAによる特殊演出が開始され、4回目の残り保留変動の停止表示の終了とともに特殊パターンAによる特殊演出が終了することとなる(図48(a)参照)。
また、特殊パターンE2又は特殊パターンE3が決定された場合には、当該特殊パターンE2、特殊パターンE3による特殊演出において実行されるRF画像の表示時間を、上述の演出実行時間と高確率時短最終変動が開始されてから4回目の残り保留変動の停止表示が終了するまでの時間との差分(すなわち、8.5秒)だけ延長する(図48(b)~(c)参照)。これにより、高確率時短最終変動の開始とともに特殊パターンE2、特殊パターンE3による特殊演出が開始され、4回目の残り保留変動の停止表示の終了とともに特殊パターンE2、特殊パターンE3による特殊演出が終了することとなる(図48(b)~(c)参照)。
なお、この具体例3のように、残り保留変動において大当たりに当選する場合には、当該大当たりの当選となる残り保留変動の停止表示時間が経過して特別遊技が開始された後に実行されるオープニング処理中に、表示部21aにおいて企業ロゴやのめり込み防止のためのメッセージ画像の表示が行われるようになっている。
また、RF画像の表示時間を延長するのではなく、RF画像の表示以外の演出や表示(たとえば、大当たりの当選を示唆する画像の表示、大当たりの当選を祝福する旨の画像の表示、特別遊技が開始される旨を示唆する画像の表示)の時間を延長することで表示調整を行ってもよい。
(具体例4)
たとえば、高確率時短最終変動における第2特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなるとともに、54秒変動が対応付けられた「0AH」の変動パターンコマンドが決定されるものとする(図9(c)参照)。また、高確率時短最終変動の開始時に第2特図乱数が3個保留記憶されており、最先に記憶された第2特図乱数、2番目に記憶された第2特図乱数、及び3番目に記憶された第2特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果はいずれもハズレとなり、0.5秒変動が対応付けられた「0BH」の変動パターンコマンドが決定されるものとする(図9(d)参照)。その後、高確率時短最終変動の停止表示終了時までにさらに第2特図乱数が保留記憶され、当該第2特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果は大当たりの当選となり、16秒変動が対応付けられた「AAH」が決定されるものとする。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、高確率時短最終変動の開始時に、当該高確率時短最終変動において決定される変動パターンコマンド、及び当該時点で保留記憶されている第2特図乱数について決定される変動パターンコマンド(残り保留変動の変動パターンコマンド)に基づいて、特殊演出の態様が決定される。具体例4のように、高確率時短最終変動、及び既に記憶されていた第2特図乱数に基づく残り保留変動においてはハズレとなる場合には、高確率時短最終変動の開始時においてハズレを示唆する特殊演出の態様が決定される。
しかし、具体例4のように、高確率時短最終変動の開始時において保留記憶されている第2特図乱数が3個以下であった場合には、ほぼ確実に、当該高確率時短最終変動の実行中に新たに第2特図乱数が保留記憶されることとなる。すると、高確率時短最終変動中に新たに保留記憶された第2特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果が大当たりの当選となる場合には、高確率時短最終変動の開始時に決定された態様のまま特殊演出を実行すると、残り保留変動において大当たりとなるにもかかわらず、特殊演出においてハズレの示唆が行われてしまい、遊技結果と演出内容とに矛盾が生じ遊技者に違和感を与えることとなる。
そこで、本形態に係るパチンコ機Pでは、上述のような演出の矛盾が生じるのを極力防止すべく、高確率時短最終変動の開始から当該高確率時短最終変動の停止表示の終了までに新たに第2特図乱数が保留記憶された場合には、当該高確率時短最終変動の停止表示の終了時に、再度、当該時短最終変動の変動パターンコマンド、及び当該時点で保留記憶されている第2特図乱数について決定される変動パターンコマンド(残り保留変動の変動パターンコマンド)に基づいて、特殊演出の態様が再決定されるようになっている。そして、当該終了時以降における特殊演出の内容を、再決定された特殊演出の内容に切り替える処理が実行されるようになっている。
具体例4においては、高確率時短最終変動の変動パターンコマンドが「0AH」であって、かつ高確率時短最終変動の開始時に保留記憶されている3個の第2特図乱数に基づく残り保留変動の変動パターンコマンドが全て「0BH」であるため、高確率時短最終変動の開始時には特殊パターンBが決定される(図45参照)。これにより、高確率時短最終変動の開始とともに、特殊パターンBによる特殊演出が開始される(図49(a)参照)。また、この時点では、3回目の残り保留変動の停止表示の終了とともに、特殊パターンBによる特殊演出が終了する予定となっている(図49(a)参照)。
そして、上述のように、高確率時短最終変動の停止表示の終了時には、新たに第2特図乱数が記憶されており、この第2特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果が大当たりの当選となる。すると、高確率時短最終変動の変動パターンコマンドが「0AH」であって、かつ残り保留変動のいずれか(この場合は4回目の残り保留変動)の変動パターンコマンドが「AAH」であるため、高確率時短最終変動の停止表示の終了時に特殊パターンE1が再決定される(図45参照)。そして、これ以降の特殊演出の内容が特殊パターンE1の内容に切り替えられる(図49(b)参照)。これにより、4回目の残り保留変動の停止表示の終了とともに、上述のように切り替えられた特殊パターンE1による特殊演出が終了する。
また、たとえば、新たに記憶された第2特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなる場合には、高確率時短最終変動の変動パターンコマンドが「0AH」であって、かつ残り保留変動の全ての変動パターンコマンドが「0BH」であるため、高確率時短最終変動の停止表示の終了時に特殊パターンBが再決定される(図45参照)。再決定された特殊パターンBは、高確率最終変動の開始時に決定された特殊パターンBと同一であるため、これ以降も特殊パターンBによる特殊演出が継続して行われる。そして、この場合には、特に図示していないが、4回目の残り保留変動の停止表示が終了するまで結果表示を延長する表示調整が行われることにより、4回目の残り保留変動の停止表示の終了とともに、特殊パターンBによる特殊演出が終了する。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、高確率時短最終変動の停止表示時間(5秒)は、他の変動の停止表示時間(0.5秒)よりも長く設定されている。
ここで、普図遊技は特図遊技と別個独立に行われるため、特別図柄の変動表示中も次々に普通図柄の抽選、普通図柄の変動、第2始動入賞口16の開放が行われる。すると、上述のように、高確率時短最終変動の停止表示時間は相対的に長く設定されていることから、高確率時短最終変動の開始時に普図保留があったとしても、高確率時短最終変動の停止表示が終了した時点では、全ての普図保留に基づく普通図柄の抽選、普通図柄の変動、第2始動入賞口16の開放が終了している可能性が高い。
また、高確率時短最終変動の開始時において記憶されている第2特図乱数が3個以下であったときには、遊技者は、第2特図乱数の保留記憶の数が最大値である4個となるまでは第2遊技領域12bへ向けての遊技球の打ち出しを続けるものの、その後は、第2始動入賞口16へ遊技球が入球しても保留記憶は行われないため、当該打ち出しを停止するのが一般的である。そして、打ち出しを停止した後は、遊技球がゲート20を通過することもないため、普図保留数が増加することもない。
以上より、高確率時短最終変動の停止表示が終了した時点では、全ての普図保留に基づく上述の処理が終了し普図保留数が0となっている可能性が高いため、これ以降に、第2始動入賞口16が開放することとなる可能性は極めて低く、新たに第2特図乱数が記憶される可能性も極めて低いこととなる。これにより、高確率時短最終変動の停止表示が終了した後に、新たに第2特図乱数が記憶されて大当たりの抽選が行われる事態を極力防止することができるようになっている。
以上のように、本形態に係るパチンコ機Pでは、高確率時短最終変動における大当たりの当選の可否、及び残り保留変動における大当たりの当選の可否に基づいて、当該高確率時短最終変動及び残り保留変動に跨って一連の表示を行う特殊演出を実行可能であり、この特殊演出により上述の大当たりの当選の可否が示唆されるようになっている。すなわち、高確率時短最終変動又は残り保留変動にいずれかにおいて大当たりの当選となる場合に上述の一の特殊演出により大当たりの当選が示唆され、高確率時短最終変動及び全ての残り保留変動においてハズレとなる場合に上述の一の特殊演出によりハズレの示唆が行われる。
このように、本形態に係るパチンコ機Pでは、高確率時短最終変動又は最大4回の残り保留変動のいずれかにおいて大当たりの当選となれば、大当たりの当選が示唆される特殊演出が実行されることとなるため、特殊演出において大当たりの当選が示唆される期待度を向上させることができる。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、高確率時短最終変動において決定される変動パターンコマンド、及び残り保留変動において決定される変動パターンコマンドに基づいて特殊演出の態様が決定される。また、この変動パターンコマンドは主制御基板100において決定されるようになっている。
そして、たとえば、所定の変動パターンコマンドが決定された場合に、FC演出が実行され、かつ大当たりの当選が示唆される特殊パターンAが決定され得るようになっており、他の変動パターンコマンドが決定された場合に、FC演出でハズレの示唆が行われた後、逆転演出で大当たりの当選が示唆される特殊パターンEが決定され得るようになっていたときには、主制御基板100において上述の所定の変動パターンコマンドが決定される割合が低くなるように設定すれば副制御基板300において特殊パターンAが決定される割合も低くなり、主制御基板100において上述の他の変動パターンコマンドが決定される割合が高くなるように設定すれば副制御基板300において特殊パターンEが決定される割合も高くなる。
このように、本形態に係るパチンコ機Pによれば、主制御基板100における変動パターンコマンドの決定割合を調整することで、副制御基板300において決定される特殊演出の態様の決定割合を変化させることができ、ひいては所定の態様による特殊演出の実行割合を変化させることが可能となる。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、高確率時短最終変動において大当たりの当選となる場合、及び高確率時短最終変動ではハズレとなるものの、残り保留変動のいずれかにおいて大当たりの当選となる場合のいずれにおいても、同態様(たとえば、特殊パターンA)の特殊演出を実行可能となっている。
すなわち、高確率時短最終変動における大当たりの抽選の結果がハズレとなる場合、及び高確率時短最終変動における大当たりの抽選の結果が大当たりとなる場合のいずれであっても、同態様の特殊演出を実行可能であるため、特殊演出の実行のバリエーションを豊富にすることができ、演出効果を向上させることができる。
(保留表示演出の概要)
保留表示演出は、保留記憶がなされた場合や保留記憶が読み出された場合に、演出表示装置21において、所定の表示態様で保留表示を行うものである。ここでは、第1特図乱数の保留記憶に基づく保留表示演出についてのみ説明するものとし、第2特図乱数の保留記憶に基づく保留表示演出については説明を省略する。
図50等に示すように、演出表示装置21における表示部21aの下部には、第1特図乱数の保留表示領域52が設けられている。そして、第1特図乱数について保留記憶がなされると、この保留表示領域52に、保留記憶がなされた旨を示す保留表示が行われ、この保留表示により保留数が遊技者に報知されるようになっている。
具体的には、保留表示領域52の最左部に、読み出された保留(すなわち、実行中の特別図柄の変動表示の対象である保留)を表示する読み出し保留表示部52aが設けられているとともに、読み出し保留表示部52aの右側に、記憶された保留を記憶順に表示する第1保留表示部52b、第2保留表示部52c、第3保留表示部52d、第4保留表示部52eが設けられている。そして、第1保留表示部52b、第2保留表示部52c、第3保留表示部52d、第4保留表示部52eの4つの保留表示部により第1特図保留数が示されるようになっている。
ここで、本形態に係るパチンコ機Pにおいては、上述したように、主制御基板100のメインRAM103に第1特図乱数を記憶する第1保留記憶領域が設けられているが、副制御基板300のサブRAM303にも、第1特図乱数が保留記憶された時点において事前判定処理により判定された大当たりの抽選の結果、特別図柄の種別、変動パターンコマンド等の情報(以下、保留情報という)が記憶される第1保留記憶領域が設けられている。
このサブRAM303に設けられる第1保留記憶領域には、第1記憶部~第4記憶部の計4つの記憶部から構成されており、第1記憶部が第1保留表示部52bに対応し、以下、第2記憶部~第4記憶部が、それぞれ第2保留表示部52c~第4保留表示部52eに対応している。そして、各記憶部に保留情報が記憶されると、対応する保留表示部において保留表示が行われる。また、変動パターンコマンドを受信すると、第1記憶部に記憶された保留情報が読み出され、当該保留情報がサブRAM303の所定の処理領域に記憶されるとともに、特別図柄の変動表示及び変動演出が開始される。そして、これに伴って、読み出し保留表示部52aにおいて読み出された保留を対象とする保留表示が行われる。
また、サブCPU301は、第1保留記憶領域におけるいずれの記憶部まで保留情報が記憶されているかを確認することで、第1特図保留数を把握できるようになっている。たとえば、いずれの記憶部にも保留情報が記憶されていない場合には、第1特図保留数は「0」であると把握することができ、第2記憶部まで保留情報が記憶されている場合には、第1特図保留数は「2」であると把握することができる。
たとえば、特別図柄の変動表示及び変動演出が実行されておらず第1特図保留数が「0」である場合には、読み出し保留表示部52a、第1保留表示部52b、第2保留表示部52c、第3保留表示部52d、第4保留表示部52eのいずれにも保留表示が行われていない。そして、この場合に保留記憶がなされると、第1記憶部に保留情報が記憶されるため、第1保留表示部52bにおいて保留表示が行われる。その後、当該保留記憶が読み出されて特別図柄の変動表示及び変動演出が開始されると、第1保留表示部52bにおける保留表示が読み出し保留表示部52aへシフトされて、読み出し保留表示部52aにおいて保留表示が行われるとともに、第1保留表示部52bにおける保留表示が消去されることとなる。
また、たとえば、特別図柄の変動表示及び変動演出の実行中であって第1特図保留数が「3」である場合には、第1記憶部~第3記憶部に保留情報が記憶されているため、読み出し保留表示部52aにおいて保留表示が行われるとともに、第1保留表示部52b、第2保留表示部52c、第3保留表示部52dにおいて保留表示が行われる。その後、実行中の特別図柄の変動表示及び変動演出が終了し、第1記憶部における保留記憶が読み出されて、次の特別図柄の変動表示及び変動演出が開始されると、第1保留表示部52bにおける保留表示が読み出し保留表示部52aへシフトされ、第2保留表示部52cにおける保留表示が第1保留表示部52bへシフトされ、第3保留表示部52dにおける保留表示が第2保留表示部52cへシフトされて、各保留表示部における保留表示が更新されるとともに、第3保留表示部52dにおける保留表示が消去されることとなる(図50(a)~(c)参照)。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、保留表示の表示態様として、白色の丸印の保留画像が表示される態様(以下、白保留という)、青色の丸印の保留画像が表示される態様(以下、青保留という)、緑色の丸印の保留画像が表示される態様(以下、緑保留という)、赤色の丸印の保留画像が表示される態様(以下、赤保留という)、金色の丸印の保留画像が表示される態様(以下、金保留という)が設けられており(図50等参照)、いずれかの表示態様により保留表示が行われる。そして、これらの保留表示の表示態様については、大当たりに当選した場合に表示される可能性の高低(すなわち、大当たりの当選の期待度)がそれぞれ別個に設定されている。具体的には、白保留→青保留→緑保留→赤保留→金保留の順に、大当たりの当選の期待度が次第に高くなるようになっている。これにより、保留表示における態様に応じて、大当たりに対する遊技者の期待感を変化させることができるようになっている。
なお、図面において、「白」の文字が付された丸印は白保留を示し、「青」の文字が付された丸印は青保留を示し、「緑」の文字が付された丸印は緑保留を示し、「赤」の文字が付された丸印は赤保留を示し、「金」の文字が付された丸印は金保留を示している。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、保留記憶がなされた時点における保留表示の表示態様(以下、初期保留という。)が、白保留又は青保留のいずれかに決定されるようになっているとともに、決定された初期保留に応じた態様により、対応する保留表示部において当該初期保留の保留表示が行われるようになっている。
(保留変化演出の概要)
さらに、本形態に係るパチンコ機Pでは、記憶された保留に係る表示中の保留表示の表示態様が、より大当たりの期待度の高い他の表示態様に切り替わる保留変化演出を実行できるようになっている(図51、図52等参照)。
本形態に係るパチンコ機Pでは、第1記憶部に記憶されている保留が読み出され、この読み出された保留(以下、当該保留という)に基づく変動演出が開始される時点で、当該保留を対象として保留変化演出の実行を決定できるようになっている。そして、保留変化演出の実行が決定された場合には、当該保留について保留表示の切り替え態様を決定する。保留表示の切り替え態様が決定されると、所定の切り替えタイミングにおいて、当該保留の保留表示の表示態様が、より大当たりの期待度の高い他の表示態様に切り替わる。
また、上述の切り替えタイミングとしては、当該保留に基づく変動演出(以下、当該変動演出という)の開始時点である第1時点、及び当該変動演出のリーチ表示(リーチ発展演出の開始)から10秒経過した時点である第2時点が設定されている。
なお、切り替えタイミングとしては、これらの時点に限定されるものではなく、当該保留が記憶された時点から当該変動演出よりも前に実行される変動演出(たとえば、当該保留に基づく変動演出の2回前に実行される変動演出、当該保留に基づく変動演出の1回前に実行される変動演出等)の開始から終了までの間におけるいずれかの時点(たとえば、変動演出の開始時点、変動演出の終了時点、変動演出中に特定の演出(演出図柄50の仮停止、前半カットイン演出、後半カットイン演出、チャンスアップ演出等)が実行される場合には当該特定の演出の実行時点等)や、当該変動演出の開始から終了までの間におけるいずれかの時点を設定してもよい。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、1回の変動演出中には複数の切り替えタイミングが設定されているが、これに限定されるものではなく、1回の変動演出中に一の切り替えタイミングのみを設定してもよい。
以下、保留変化演出の実行が決定された場合における当該保留の保留表示の表示態様の切り替えについて、具体例を挙げて説明する。
たとえば、特別図柄の変動表示及び変動演出の実行中であって第1特図保留数が「0」である場合に新たな保留記憶がなされ、第1記憶部に当該新たな保留に係る保留情報が記憶されたものとする。なお、読み出し保留表示部52aにおいては白保留の保留表示がなされていたものとする(図51(a)参照)。そして、この新たに記憶された保留について初期保留として青保留が決定されるとともに、この保留(当該保留)に基づく変動演出(当該変動演出)の開始時に保留変化演出の実行が決定されたものとする。具体的には、第1時点(当該変動演出の開始時点)において、当該保留について青保留の保留表示から、大当たりの当選の期待度が1段階高い緑保留の保留表示に切り替わる旨が決定されたものとする。
すると、当該保留が記憶された時点で、第1保留表示部52bにおいて青保留の保留表示が行われる(図51(b)参照)。そして、実行中の変動演出が終了し(図51(c)参照)、第1記憶部に記憶された保留情報(すなわち、当該保留の保留情報)が読み出されて当該保留情報に基づいて当該変動演出が開始されると、第1保留表示部52bにおいて行われていた青保留の保留表示を読み出し保留表示部52aへシフトする表示が行われる(図51(d)参照)とともに、読み出し保留表示部52aにおける青保留の保留表示が緑保留の保留表示に切り替わる(図51(e)参照)。これにより、読み出し保留表示部52aにおいて、当該保留について緑保留の保留表示が行われる。
また、たとえば、特別図柄の変動表示及び変動演出の実行中であって第1特図保留数が「0」である場合に新たな保留記憶がなされ、第1記憶部に当該新たな保留に係る保留情報が記憶されたものとする。なお、読み出し保留表示部52aにおいては白保留の保留表示がなされていたものとする(図52(a)参照)。そして、この新たに記憶された保留について初期保留として白保留が決定されるとともに、この保留(当該保留)に基づく変動演出(当該変動演出)の開始時に保留変化演出の実行が決定されたものとする。具体的には、第2時点(当該変動演出のリーチ表示から10秒経過した時点)において、当該保留について白保留の保留表示から、大当たりの当選の期待度が2段階高い赤保留の保留表示に切り替わる旨が決定されたものとする。
すると、当該保留が記憶された時点で、第1保留表示部52bにおいて白保留の保留表示が行われる(図52(b)参照)。そして、実行中の変動演出が終了し(図52(c)参照)、第1記憶部に記憶された保留情報が読み出されて当該保留情報に基づいて当該変動演出が開始されると、第1保留表示部52bにおいて行われていた白保留の保留表示を読み出し保留表示部52aへシフトする表示が行われる(図52(d)参照)。その後、第2時点(当該変動演出のリーチ表示から10秒経過した時点)に至ると、読み出し保留表示部52aにおける白保留の保留表示が赤保留の保留表示に切り替わる(図52(e)参照)。これにより、読み出し保留表示部52aにおいて、当該保留について赤保留の保留表示が行われる。
(保留表示に関する各種決定の概要)
新たに記憶された保留の初期保留の態様については、この保留が記憶された時点において主制御基板100から送信される事前判定コマンドに含まれる変動パターンコマンドの情報に基づいて決定される。
副制御基板300のサブROM302には、図53に示すように、初期保留の態様を決定するための初期保留決定テーブル121が記憶されている。サブCPU301は、初期保留決定テーブル121を参照して、初期保留の態様を決定する。
初期保留決定テーブル121には、第1特図乱数が保留記憶された時点において主制御基板100から取得する事前判定コマンドに含まれる変動パターンコマンドの情報、及び所定の数値範囲(本形態では0~249)内で取得される初期保留決定乱数ごとに対応付けられて、初期保留の態様が定められている。
副制御基板300が主制御基板100のメインCPU101から事前判定コマンドを受信すると、サブCPU301は、所定の数値範囲(0~249)から1の初期保留決定乱数を取得する。そして、サブCPU301は、初期保留決定テーブル121、事前判定コマンドに含まれる変動パターンコマンドの情報、及び取得した初期保留決定乱数に基づいて、初期保留の態様を決定する。
また、図53において変動パターンコマンドと初期保留の態様とが対応付けられた各選択領域に記された数字は、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲(当該選択領域の選択比率)を示している。
本形態に係るパチンコ機Pでは、初期保留の態様について、大当たりに当選した場合に実行される可能性の高低がそれぞれ別個に設定されている。これにより、初期保留の態様に応じて、大当たりの当選に対する期待度が変化するようになっている。
また、当該保留についての保留変化演出の実行の可否、及び保留変化演出が実行される場合の態様は、当該変動演出の開始時点において主制御基板100から送信される当該保留の変動パターンコマンドに基づいて決定される。
副制御基板300のサブROM302には、図54に示すように、当該保留についての保留変化演出の実行の可否、及び保留変化演出が実行される場合の態様を決定するための保留変化演出決定テーブル122が記憶されている。サブCPU301は、保留変化演出決定テーブル122を参照して、当該保留についての保留変化演出の実行の可否、及び保留変化演出が実行される場合の態様を決定する。
保留変化演出決定テーブル122には、当該変動演出の開始時点において主制御基板100から取得する変動パターンコマンド、及び所定の数値範囲(本形態では0~249)内で取得される保留変化決定乱数ごとに対応付けられて、当該保留についての保留変化演出の実行の可否、及び保留変化演出が実行される場合の態様が定められている。
副制御基板300が主制御基板100のメインCPU101から変動パターンコマンドを受信すると、サブCPU301は、所定の数値範囲(0~249)から1の保留変化決定乱数を取得する。そして、サブCPU301は、保留変化決定テーブル122、変動パターンコマンド、及び取得した保留変化決定乱数に基づいて、当該保留についての保留変化演出の実行の可否、及び保留変化演出が実行される場合の態様を決定する。
具体的には、図54に示すように、保留変化演出決定テーブル122によれば、サブCPU301が受信した変動パターンコマンドが「00H」又は「04H」であった場合には、保留変化演出の非実行が決定される。
また、サブCPU301が受信した変動パターンコマンドが「01H」であった場合には、保留変化演出の非実行又は実行が決定される。また、保留変化演出の実行が決定された場合における当該保留の保留表示の切り替え態様としては、第1時点で大当たりの期待度が1段階高い保留表示の表示態様に切り替わる(たとえば、白保留→青保留、青保留→緑保留)態様Aが決定される。
また、サブCPU301が受信した受信パターンコマンドが「02H」、「03H」、「A2H」又は「A3H」であった場合には、保留変化演出の非実行又は実行が決定される。また、保留変化演出の実行が決定された場合における当該保留の保留表示の切り替え態様としては、態様A、第2時点で大当たりの期待度が1段階高い保留表示の表示態様に切り替わる態様B、第1時点で大当たりの期待度が2段階高い保留表示の表示態様に切り替わる(たとえば、白保留→緑保留、青保留→赤保留)態様C、第2時点で大当たりの期待度が2段階高い保留表示の表示態様に切り替わる態様D、又は第1時点で大当たりの期待度が3段階高い保留表示の表示態様に切り替わる(たとえば、白保留→赤保留、青保留→金保留)態様Eのいずれかが決定される。
なお、切り替え態様としては、たとえば、第1時点で大当たりの期待度が1段階高い保留表示の表示態様に切り替わり、かつ第2時点で大当たりの期待度が1段階高い保留表示の表示態様に切り替わる態様を設けてもよい。
また、図54において変動パターンコマンドと保留変化演出の実行の可否及び実行される場合の態様とが対応付けられた各選択領域に記された数字は、当該選択領域に割り振られた乱数の範囲(当該選択領域の選択比率)を示している。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動パターンコマンドが「01H」、「02H」、「03H」、「A2H」又は「A3H」であった場合、すなわち、変動演出においてリーチ表示が行われる場合に、保留変化演出を実行できるようになっているが、変動演出においてリーチ表示が実行されない場合にも保留変化演出を実行できるように設定してもよい。
このように設定することで、保留変化演出の実行機会が増えることとなるため、保留変化演出に対する遊技者の興趣を高めることができる。
また、変動演出においてリーチ発展演出が実行される場合にのみ、保留変化演出を実行できるように設定してもよい。
このように設定することで、保留変化演出が実行された場合の大当たりの当選に対する期待度を高めることができ、遊技者の興趣を高めることができる。
また、保留表示の表示態様も、上述した内容に限定されるものではなく、たとえば、他の色の丸印が表示される態様や、他の形(キャラクター等)が表示される態様を設けてもよい。また、大当たりに当選している場合にのみ表示される保留表示の表示態様を設けてもよい。また、保留表示の切り替え態様も、上述した内容に限定されるものではない。また、大当たりに当選している場合にのみ選択される保留表示の切り替え態様を設けてもよい。また、遊技者が所定の操作(たとえば、操作ボタン9bの押下)を行うことにより保留表示の切り替えが行われるような切り替え態様を設けてもよい。
このようにすることで、保留変化演出に対する遊技者の興趣を高めることができる。
また、本形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出の開始時点において、開始された変動演出に係る当該保留について保留変化演出の実行の可否が決定されるようになっているが、これに限定されるものではい。たとえば、当該保留が記憶された時点で、初期保留の態様を決定するとともに、保留変化演出の実行の可否を決定するようにしてもよい。
また、このように保留変化演出の実行の可否を決定する場合には、所定の保留変化禁止条件(たとえば、記憶されている保留のいずれかについて保留変化演出の実行が決定されていること、記憶されている保留のいずれかについて保留変化演出が実行されていること等)が成立していない場合に、保留変化演出の実行を決定できるようにしてもよい。
このようにすることで、変動演出の開始時点においてサブCPU301等のハードウェア資源にかかる負荷を軽減できるとともに、当該保留の変動演出よりも前に実行される変動演出において、当該保留についての保留変化演出の実行の可否の決定結果に基づいた所定の演出を実行できることとなる。また、保留変化演出が重複して行われてしまうことで、遊技者が保留変化演出に対する違和感を抱くような事態を防止することができる。
(特定演出の概要)
特定演出は、リーチパターンDによる変動演出の前半部分(変動演出が開始されてからリーチ表示が行われるまでの間)において実行されるものであり、リーチ発展演出中に実行され得る各種演出(第2時点での保留変化演出、チャンスアップ演出、後半カットイン演出)の実行の可否を示唆するものである。
本形態に係るパチンコ機Pでは、受信した変動パターンコマンドが「02H」、「03H」、「A2H」又は「A3H」であった場合において、変動演出の態様としてリーチパターンDが決定されたときに(態様13、態様14、態様15又は態様16のいずれかが決定されたときに)特定演出を実行可能となっており、当該リーチパターンDによる変動演出の開始とともに特定演出が開始される(図55(a)~(b)参照)。
特定演出が開始されると、演出表示装置21の表示部21aに当該特定演出の開始を報知する画像(たとえば、「お宝獲得チャレンジ お宝をゲットせよ!」という文字画像)が表示される(図55(b)参照)。
その後、リーチ発展演出中に実行され得る各種演出(すなわち、第2時点での保留変化演出(1段階変化、2段階変化)、チャンスアップ演出、後半カットイン演出)を示す演出アイコン画像が複数表示されるとともに、各演出アイコン画像に対応して、この演出アイコン画像により示される演出の実行の可否が示唆されるまでの残り時間を示す残り時間画像が表示される(図55(c)参照)。また、これに併せて、当該特定演出中における遊技者の操作に関する説明画像(たとえば、「残り時間が経過するまでボタンを長押し!」という文字画像)が表示される(図55(c)参照)。
その後、表示された演出アイコン画像のうち、最も短い残り時間の演出アイコン画像が表示され、かつ遊技者に所定の操作(ここでは、操作ボタン9bの長押し)を促す操作指示画像の表示が行われる(図55(d)参照)。
そして、演出アイコン画像に対応する残り時間画像において、残り時間が0秒となるまでカウントダウン表示が行われ(図55(d)~(f)参照)、残り時間画像における残り時間の表示が0秒となると、上述の演出アイコン画像により示される演出がリーチ発展演出中に実行される旨が決定していた場合には、当該演出が実行される旨を示唆する実行示唆画像(たとえば、「ゲット!」という文字画像)が表示される(図55(f)参照)。これに対して、上述の演出アイコン画像により示される演出がリーチ発展演出中に実行されない旨が決定していた場合には、当該演出が実行されない旨を示唆する非実行示唆画像(たとえば、「ゲット失敗」という文字画像)が表示される(図55(h)参照)。また、実行示唆画像又は非実行示唆画像が表示されると、これに伴って、上述の示唆の結果を示す示唆結果画像(たとえば、大当たりの期待度が1段階高い保留表示の表示態様に切り替わる保留変化演出の実行が示唆された場合には「〇保留1UP」等の文字画像、チャンスアップ演出の非実行が示唆された場合には「×CHANCE UP」等の文字画像)が表示される(図55(f)、(h)参照)。
そして、上述の演出アイコン画像により示される演出の実行の可否が示唆されると、引き続き、最初に表示された演出アイコン画像のうち、2番目に短い残り時間の演出アイコン画像が表示され、上述と同様に操作指示画像の表示が行われる(図55(g)参照)。このとき、当該演出アイコン画像に対応する残り時間画像においては、最初に実行可否の示唆が行われた演出アイコン画像に対応する残り時間分が減少した残り時間が表示されるようになっている(図55(g)参照)。これにより、当該演出アイコン画像が表示されていない間も、対応する残り時間画像においてカウントダウン表示が行われていたことが示される。
その後は、上述と同様に、残り時間画像においてカウントダウン表示が行われ、当該残り時間画像に示される残り時間が0秒となると、演出アイコン画像により示される演出の実行の決定状況に応じて、実行示唆画像又は非実行示唆画像の表示、及び示唆結果画像の表示が行われる(図55(h)参照)。
そして、最初に表示された全ての演出アイコン画像について、上述と同様の処理が行われると(図55(i)~(j)参照)、実行が示唆された全ての演出を示すトータル結果画像が表示されるとともに、これらの演出の実行が確定した旨を示す実行確定アイコンが表示され(図56(a)参照)、特定演出が終了する。
その後、リーチ表示が行われリーチ発展演出が開始される(図56(b)参照)。また、特定演出が終了した後も、上述の実行確定アイコンは引き続き表示され(図56(b)~(e)参照)、この実行確定アイコンにより示される演出の実行タイミングに至ると、当該実行確定アイコンが破裂する画像が表示されるとともに、当該実行確定アイコンにより示される演出が実行されることとなる(図56(c)、(e)参照)。
また、この特定演出で表示される演出アイコン画像は、リーチ発展演出中に実行され得る演出を示すものであり、具体的には、第2時点(リーチ表示から10秒経過した時点)で大当たりの期待度が1段階高い保留表示の表示態様に切り替わる保留変化演出を示す保留1UP演出アイコン画像(たとえば、「保留1UP」の文字が表示されたアイコン画像)、第2時点で大当たりの期待度が2段階高い保留表示の表示態様に切り替わる保留変化演出を示す保留2UP演出アイコン画像(たとえば、「保留2UP」の文字が表示されたアイコン画像)、所定の後半カットイン画像が表示される後半カットイン演出を示すカットイン演出アイコン画像(たとえば、「激熱」の文字が表示されたアイコン画像)、チャンスアップ演出を示すチャンスアップ演出アイコン画像(たとえば、「CHANCE UP」の文字が表示されたアイコン画像)が設けられている。
そして、変動演出の開始時に決定された当該変動演出の態様、保留変化演出の実行の可否、及び保留変化演出の実行が決定された場合の切り替え態様に応じて、上述の演出アイコン画像のうち、実行が決定された演出に対応する演出アイコン画像を含む複数の演出アイコン画像が表示されるようになっている。
たとえば、変動演出の態様として態様14(後半部分が発展ありパターンBである態様(チャンスアップ演出が実行される態様))が決定されるとともに、保留変化演出の非実行が決定された場合には、チャンスアップ演出アイコン画像を含む複数の演出アイコン画像が表示される。すると、特定演出では、表示されたチャンスアップ演出アイコン画像により示されるチャンスアップ演出については実行の示唆が行われるものの、表示された他の演出アイコン画像により示される演出については非実行の示唆が行われる。
また、たとえば、変動演出の態様として態様14が決定されるとともに、態様D(第2時点で大当たりの期待度が2段階高い保留表示の表示態様に切り替わる保留変化演出が実行される態様))が決定された場合には、チャンスアップ演出アイコン画像、及び保留2UP演出アイコン画像を含む複数の演出アイコン画像が表示される。すると、特定演出では、表示されたチャンスアップ演出アイコン画像、保留2UP演出アイコン画像により示されるチャンスアップ演出、態様Eによる保留変化演出については実行の示唆が行われるものの、表示された他の演出アイコン画像により示される演出については非実行の示唆が行われる。
このように、本形態における特定演出によれば、リーチ発展演出中に実行される旨が決定した演出については確実に実行の示唆が行われるようになっているため、遊技者の大当たりの当選に対する期待感を高めることができる。
なお、特定演出では、リーチ発展演出中に実行される旨が決定した演出についても実行の示唆が行われないようにしてもよい。たとえば、後半カットイン演出の実行が決定された場合であっても、特定演出においてカットイン演出アイコン画像が表示されないようにして、後半カットイン演出の実行の示唆が行われないようにしてもよい。また、特定演出においてカットイン演出アイコン画像を表示した上で、後半カットイン演出の非実行の示唆が行われるようにしてもよい。
このようにした場合には、特定演出において所定の演出の実行の示唆が行われなかった場合であっても、リーチ発展演出中に当該所定の演出が実行されることへの期待感を持続させることができるため、遊技者の興趣を高めることができる。
また、演出アイコン画像に対応する残り時間画像において表示される残り時間としては、リーチパターンDによる変動演出の前半部分の変動時間(30秒)よりも短い時間が決定される。
具体的には、本形態に係るパチンコ機Pでは、残り時間として、5秒、10秒、15秒、20秒の4種類が設けられており、表示される演出アイコン画像が決定されると、各演出アイコン画像に対していずれかの残り時間が決定される。そして、最初に演出アイコン画像が表示される際には、各演出アイコン画像に対応する残り時間画像において、各演出アイコン画像に対して決定された残り時間が表示され、その後、順番にカウントダウン表示が行われて、残り時間が0秒となった時点で対応する演出アイコン画像により示される演出の実行の可否が示唆される。
なお、特に図示していないが、複数の演出アイコン画像に対して同一の残り時間が決定された場合には、これら複数の演出アイコン画像について、対応する残り時間画像におけるカウントダウン表示や演出の実行の可否の示唆が同時に行われるようになっている。
たとえば、表示される演出アイコン画像として、後半カットイン演出画像、及び保留1アップ演出画像が決定され、これらの演出アイコン画像のいずれにも20秒の残り時間が決定された場合には、後半カットイン演出画像に対応する残り時間画像、及び保留2アップ演出画像に対応する残り時間画像において同時に20秒のカウントダウン表示が行われ、0秒となると、後半カットイン演出、及び態様Eによる保留変化演出の実行の可否が同時に示唆される。
以下、特定演出について、具体例を挙げて説明する。
たとえば、第1記憶部に記憶されている第1特図乱数に基づいて決定される変動パターンコマンドが「03H」であって、当該第1特図乱数に基づく変動演出の態様として態様15(変動演出の前半部分がリーチパターンD、後半部分が発展ありパターンC(後半カットイン演出が実行される態様))が決定され、かつ態様B(第2時点で大当たりの期待度が1段階高い保留表示の表示態様に切り替わる保留変化演出が実行される態様)による保留変化演出の実行が決定されたものとする。
この場合には、表示される演出アイコン画像として、少なくとも、カットイン演出アイコン画像、保留1UP演出アイコン画像が決定される。ここでは、表示される演出アイコン画像として、これらの演出アイコン画像に加え、チャンスアップ演出画像が決定されたものとする。
また、カットイン演出アイコン画像に対応する残り時間として20秒、保留1UP演出アイコン画像に対応する残り時間として5秒、チャンスアップ演出アイコン画像に対応する残り時間として10秒が決定されたものとする。
なお、上述の第1特図乱数に係る初期保留は青保留であったものとする。
この場合において、特定演出が開始されると、上述の如く、特定演出の開始を報知する画像が表示された後(図55(b)参照)、保留1UP演出アイコン画像及び対応する残り時間画像(5秒の表示)、チャンスアップ演出アイコン画像及び対応する残り時間画像(10秒の表示)、並びにカットイン演出アイコン画像及び対応する残り時間画像(20秒の表示)が行われる(図55(c)参照)。また、これに併せて説明画像も表示される(図55(c)参照)。
その後、まず、最も残り時間の短い保留1UP演出アイコン画像が表示されるとともに、操作指示画像が表示される(図55(d)参照)。そして、この保留1UP演出アイコン画像に対応する残り時間画像において、残り時間が0秒となるまでカウントダウン表示が行われ(図55(d)~(f)参照)、残り時間画像における残り時間の表示が0秒となると、態様Bによる保留変化演出が実行される旨を示唆する実行示唆画像が表示されるとともに、当該示唆の結果を示す示唆結果画像が表示される(図55(f)参照)。
次に、2番目に残り時間の短いチャンスアップ演出アイコン画像が表示されるとともに、操作指示画像が表示される(図55(g)参照)。なお、この時点では、既に、保留1UP演出アイコン画像における残り時間(5秒)のカウントダウンが行われたため、チャンスアップ演出アイコン画像に対応する残り時間画像には5秒の残り時間が表示されることとなる(図55(g)参照)。
そして、このチャンスアップ演出アイコン画像に対応する残り時間画像において、残り時間が0秒となるまでカウントダウン表示が行われ(図55(g)~(h)参照)、残り時間画像における残り時間の表示が0秒となると、チャンスアップ演出が実行されない旨を示唆する非実行示唆画像が表示されるとともに、当該示唆の結果を示す示唆結果画像が表示される(図55(h)参照)。
最後に、最も残り時間の長いカットイン演出アイコン画像が表示されるとともに、操作指示画像が表示される(図55(i)参照)。なお、この時点では、既に、チャンスアップ演出アイコン画像における残り時間(10秒)のカウントダウンが行われたため、カットイン演出アイコン画像に対応する残り時間画像には10秒の残り時間が表示されることとなる(図55(i)参照)。
そして、このカットイン演出アイコン画像に対応する残り時間画像において、残り時間が0秒となるまでカウントダウン表示が行われ(図55(i)~(j)参照)、残り時間画像における残り時間の表示が0秒となると、カットイン演出が実行される旨を示唆する実行示唆画像が表示されるとともに、当該示唆の結果を示す示唆結果画像が表示される(図55(j)参照)。
その後、実行が示唆された態様Bによる保留変化演出、及び後半カットイン演出を示すトータル結果画像が表示され、態様Bによる保留変化演出、及び後半カットイン演出の実行が確定した旨を示す実行確定アイコンが表示され(図56(a)参照)、特定演出が終了する。
そして、リーチ表示が行われリーチ発展演出が開始された後(図56(b)参照)、10秒が経過すると(すなわち、第2時点に至ると)、態様Bによる保留変化演出に対応する実行確定アイコンが破裂する画像が表示されるとともに、読み出し保留表示部52aにおける青保留の保留表示が緑保留の保留表示に切り替わる(図56(c)~(d)参照)。これにより、読み出し保留表示部52aにおいて、当該保留について緑保留の保留表示が行われる。
さらに、変動演出が終了する10秒前の時点に至ると(リーチ発展演出が開始された後、80秒が経過すると)、後半カットイン演出に対応する実行確定アイコンが破裂する画像が表示されるとともに、後半カットイン演出が実行される(図56(e)参照)。
(特定演出に関する各種決定の概要)
特定演出中に表示される演出アイコン画像については、変動演出の開始時に決定された変動演出の態様(態様13~態様16のいずれか)、保留変化演出の実行の可否及び実行される場合の態様(態様B又は態様Dのいずれか)に基づいて決定されるようになっている。
副制御基板300のサブROM302には、図57に示すように、表示される演出アイコン画像を決定するための演出アイコン画像決定テーブル123が記憶されている。サブCPU301は、演出アイコン画像決定テーブル123を参照して、特定演出中に表示される演出アイコン画像を決定する。
演出アイコン画像決定テーブル123には、決定された変動演出の態様、保留変化演出の実行の可否及び実行される場合の態様、並びに所定の数値範囲(本形態では0~249)内で取得される演出アイコン画像決定乱数ごとに対応付けられて、表示される演出アイコン画像(実行の示唆が行われる演出アイコン画像、非実行の示唆が行われる演出アイコン画像)が定められている。
変動演出の態様として態様13~態様16のいずれかが決定されると、サブCPU301は、所定の数値範囲(0~249)から1の演出アイコン画像決定乱数を取得する。そして、サブCPU301は、演出アイコン画像決定テーブル123、決定された変動演出の態様、決定された保留変化演出の実行の可否及び実行される場合の態様、並びに取得した演出アイコン画像決定乱数に基づいて、演出アイコン画像を決定する。
具体的には、図57に示すように、演出アイコン画像決定テーブル123によれば、たとえば、変動演出の態様として態様13(チャンスアップ演出、後半カットイン演出のいずれも実行されない態様)が決定された場合において、保留変化演出を実行しない旨が決定されたときには、実行の示唆が行われる演出アイコン画像は表示されず、かつ非実行の示唆が行われる演出アイコン画像として保留1UP演出アイコン画像及び保留2UP演出アイコン画像が表示されるパターン、実行の示唆が行われる演出アイコン画像は表示されず、かつ非実行の示唆が行われる演出アイコン画像として保留1UP演出アイコン画像及びチャンスアップ演出アイコン画像が表示されるパターン、又は実行の示唆が行われる演出アイコン画像は表示されず、かつ非実行の示唆が行われる演出アイコン画像として保留1UP演出アイコン画像及びカットイン演出アイコン画像が表示されるパターンのいずれかが決定される。
また、保留変化演出の態様として態様B(第2時点で大当たりの期待度が1段階高い保留表示の表示態様に切り替わる態様)が決定されたときには、実行の示唆が行われる演出アイコン画像として保留1UP演出アイコン画像が表示され、かつ非実行の示唆が行われる演出アイコン画像として保留2UP演出アイコン画像が表示されるパターン、実行の示唆が行われる演出アイコン画像として保留1UP演出アイコン画像が表示され、かつ非実行の示唆が行われる演出アイコン画像としてチャンスアップ演出アイコン画像が表示されるパターン、又は実行の示唆が行われる演出アイコン画像として保留1UP演出アイコン画像が表示され、かつ非実行の示唆が行われる演出アイコン画像としてカットイン演出アイコン画像が表示されるパターンのいずれかが決定される。
また、保留変化演出の態様として態様D(第2時点で大当たりの期待度が2段階高い保留表示の表示態様に切り替わる態様)が決定されたときには、実行の示唆が行われる演出アイコン画像として保留2UP演出アイコン画像が表示され、かつ非実行の示唆が行われる演出アイコン画像として保留1UP演出アイコン画像が表示されるパターン、実行の示唆が行われる演出アイコン画像として保留2UP演出アイコン画像が表示され、かつ非実行の示唆が行われる演出アイコン画像としてチャンスアップ演出アイコン画像が表示されるパターン、又は実行の示唆が行われる演出アイコン画像として保留2UP演出アイコン画像が表示され、かつ非実行の示唆が行われる演出アイコン画像としてカットイン演出アイコン画像が表示されるパターンのいずれかが決定される。
他の変動演出の態様が決定された場合も同様に、図57に示されるいずれかのパターンで、表示される演出アイコン画像が決定される。
また、図57において表示される演出アイコン画像の種類と演出アイコン画像決定乱数とが対応付けられた各選択領域に記された数字は、当該選択領域に割り振られた演出アイコン画像決定乱数の範囲(当該選択領域の選択比率)を示している。
また、演出アイコン画像に対応する残り時間については、上述のように決定された演出アイコン画像に基づいて決定されるようになっている。
副制御基板300のサブROM302には、図58に示すように、演出アイコン画像に対応する残り時間を決定するための残り時間決定テーブル124が記憶されている。サブCPU301は、残り時間決定テーブル124を参照して、表示される演出アイコン画像に対応する残り時間を決定する。
残り時間決定テーブル124には、決定された演出アイコン画像の種類、及び所定の数値範囲(本形態では0~249)内で取得される残り時間決定乱数ごとに対応付けられて、残り時間が定められている。
上述のように、特定演出で表示される演出アイコン画像が決定されると、サブCPU301は、所定の数値範囲(0~249)から1の残り時間決定乱数を取得する。そして、そして、サブCPU301は、残り時間決定テーブル124、演出アイコン画像の種類、及び取得した残り時間決定乱数に基づいて、残り時間を決定する。
具体的には、図58に示すように、残り時間決定テーブル124によれば、保留1UP演出アイコン画像、保留2UP演出アイコン画像、チャンスアップ演出アイコン画像、及びカットイン演出アイコン画像のいずれであっても、残り時間として、5秒、10秒、15秒、又は20秒のいずれかが決定される。
また、図58において残り時間の種類と残り時間決定乱数とが対応付けられた各選択領域に記された数字は、当該選択領域に割り振られた残り時間決定乱数の範囲(当該選択領域の選択比率)を示している。
以上のように、本形態における特定演出では、リーチ発展演出中に実行され得る演出を示す演出アイコン画像が表示され、各演出アイコン画像に対応して決定される残り時間が経過すると、対応する演出アイコン画像により示される演出の実行の可否が示唆されるようになっている。
これにより、特定演出の開始時点で表示された演出アイコン画像により示される演出の実行に対する期待感を、演出アイコン画像ごとに決定される残り時間が経過するまで維持することができるため、遊技者の興趣を高めることができる。
次に、上述のような各種処理を実行するための副制御基板300における制御処理について説明する。
まず、副制御基板300のメイン処理について、図59に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップ2000において、電源投入に応じて、サブROM302からメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM303に記憶されるフラグなどの初期化、設定処理を実行する。そして、次のステップ2001に進む。
ステップ2001において、サブCPU301は、各演出乱数(初期保留決定乱数、変動演出乱数、保留変化決定乱数、演出アイコン画像決定乱数、残り時間決定乱数、特殊演出乱数)を更新する処理を行うとともに、以後は、割込処理が行われるまでステップ2001の処理を繰り返し実行する。ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
次に、副制御基板300のタイマ割込処理について、図60に示すフローチャートを参照して説明する。
副制御基板300には、所定の周期(4ミリ秒)でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(特に図示しておらず)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU301はタイマ割込処理プログラムを読み込んで、図60に示すタイマ割込処理を開始する。
ステップ2100において、サブCPU301は、副制御基板300で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を実行する。そして、次のステップ2101に進む。
なお、本形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、副制御基板300のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ2101において、サブCPU301は、サブRAM303の受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を実行する。具体的には、副制御基板300においては、主制御基板100からコマンドが送信されると、コマンド受信割込処理が行われ、主制御基板100から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。そして、サブCPU301は、コマンド受信割込処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析する。そして、次のステップ2102に進む。
ステップ2102において、サブCPU301は、実行中の変動演出等の進行状況に応じて、演出操作装置9の操作の受け付け可否を判定するとともに、回転操作検出センサ9c及び押下操作検出センサ9dからの操作信号が入力されたか否かを判定する。そして、回転操作検出センサ9c又は押下操作検出センサ9dから操作信号が入力されたときに、演出操作装置9の操作受け付け中であった場合には、演出操作装装置9が操作されたことを画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)等の各種制御基板に送信すべく、送信バッファにコマンドを格納する。そして、次のステップ2103に進む。
ステップ2103において、サブCPU301は、サブRAM303の送信バッファにセットされているコマンドを、画像制御基板、音声制御基板、電飾制御基板等の各種制御基板へ送信する。そして、副制御基板300のタイマ割込処理を終了する。
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、事前判定コマンドを受信した場合に実行される事前判定コマンド受信処理について、図53のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、事前判定コマンドは、主制御基板100において、事前判定処理のステップ656で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2200において、サブCPU301は、受信した事前判定コマンドに基づき、当該事前判定コマンドに含まれる大当たりの抽選の結果の情報、特別図柄の種別の情報、変動パターンコマンドの情報の保留情報を、サブRAM303の第1保留記憶領域のうち対応する記憶部に記憶する。そして、次のステップ2201に進む。
ステップ2201において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された初期保留決定乱数を取得する。そして、次のステップ2202に進む。
ステップ2202において、サブCPU301は、初期保留決定テーブル121、上述のステップ2201で取得した初期保留決定乱数、及び保留情報に含まれる変動パターンコマンドの情報に基づいて、初期保留の態様(白保留又は青保留)を決定する。そして、次のステップ2203に進む。
ステップ2203において、サブCPU301は、上述のステップ2202で決定された初期保留の態様(白保留又は青保留)により、保留表示領域52において保留表示を行うための初期保留表示コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた初期保留表示コマンドは、上述のステップ2103において、各種制御基板に送信され、当該制御基板において、新たに記憶された保留に対応する保留表示部に、決定された初期保留の態様により保留表示を行うための処理が実行されることとなる。そして、事前判定コマンド受信処理を終了する。
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、変動回数コマンドを受信した場合に実行される変動回数コマンド受信処理について、図62のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、変動回数コマンドは、主制御基板100において、特別図柄変動開始処理のステップ805で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2300において、サブCPU301は、受信した変動回数コマンドに含まれる変動回数の情報を、サブRAM303の所定の記憶領域に記憶する。そして、変動回数コマンド受信処理を終了する。
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動パターンコマンド受信処理について、図63のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、変動パターンコマンドは、主制御基板100において、変動パターン決定処理のステップ904で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2400において、サブCPU301は、第1保留記憶領域に記憶された第1特図保留数が1減少するのに伴って、対応する保留表示部の保留表示をシフトする保留シフト処理を実行する。具体的には、サブCPU301は、変動パターンコマンドを受信すると、第1保留記憶領域の各記憶部のシフト処理を行う。ここでは、第1記憶部に記憶されている保留情報をサブRAM303に設けられた所定の処理記憶部にシフトするとともに、第2記憶部~第4記憶部に記憶されている情報を1つ番号の小さい記憶部にシフトする。併せて、保留表示もシフトする。
なお、本形態では、第1特図乱数に係る保留情報の記憶、及び保留シフト処理についてのみ説明を行っているが、サブRAM303には、第2特図乱数を記憶するための第2保留記憶領域(第1記憶部~第4記憶部)も設けられており、この第2保留記憶領域には、第1特図乱数と同様に、第2特図乱数に係る保留情報が記憶されるようになっている。また、保留シフト処理も、第1特図乱数の保留記憶と同様に行われる。
そして、次のステップ2401に進む。
ステップ2401において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された変動演出乱数を取得する。そして、次のステップ2402に進む。
ステップ2402において、サブCPU301は、変動演出決定テーブル119、上述のステップ2401で取得した変動演出乱数、並びに、受信した変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の態様を決定する。そして、次のステップ2403に進む。
ステップ2403において、サブCPU301は、決定された変動演出の態様に応じた変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた変動演出実行コマンドは、上述のステップ2103において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信した変動演出実行コマンドに基づいて変動演出を実行する制御が行われることとなる。そして、次のステップ2404に進む。
ステップ2404において、サブCPU301は、保留変化演出に関する決定を行う保留変化演出決定処理を実行する。そして、次のステップ2405に進む。
ステップ2405において、サブCPU301は、特定演出に関する決定を行う特定演出決定処理を実行する。そして、次のステップ2406に進む。
ステップ2406において、サブCPU301は、特殊演出に関する決定を行う特殊演出決定処理を実行する。そして、変動パターンコマンド受信処理を終了する。
次に、上述のステップ2404の保留変化演出決定処理について、図64のフローチャートを参照して説明する。
ステップ2500において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された保留変化決定乱数を取得する。そして、次のステップ2501に進む。
ステップ2501において、サブCPU301は、受信した変動パターンコマンドが所定の変動パターンコマンド(「00H」、「01H」、「02H」、「03H」、「04H」、「A2H」又は「A3H」)であるか否かを判定する。そして、所定の変動パターンコマンドでないと判定した場合、保留変化演出決定処理を終了する。一方、所定の変動パターンコマンドであると判定した場合、次のステップ2502に進む。
ステップ2502において、サブCPU301は、保留変化演出決定テーブル122、上述のステップ2500で取得した保留変化決定乱数、及び受信した変動パターンコマンドに基づいて、保留変化演出の実行の可否、及び保留変化演出の実行が決定された場合における保留変化演出の態様(実行時点、切り替え態様)を決定する。そして、次のステップ2503に進む。
ステップ2503において、サブCPU301は、決定された保留変化演出の態様に応じた保留変化演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた保留変化演出実行コマンドは、上述のステップ2103において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信した保留変化演出実行コマンドに基づいて所定の時点で保留変化演出を実行する制御が行われることとなる。なお、保留変化演出を実行しない旨が決定された場合には、ここでは保留変化演出実行コマンドを送信バッファにしない。そして、保留変化演出決定処理を終了する。
次に、上述のステップ2405の特定演出決定処理について、図65のフローチャートを参照して説明する。
ステップ2600において、サブCPU301は、変動演出の態様として態様13~態様16(すなわち、前半部分がリーチパターンDである態様)のいずれかが決定されたか否かを判定する。そして、態様13~態様16のいずれも決定されていないと判定した場合、特定演出決定処理を終了する。一方、態様13~態様16のいずれかが決定されたと判定した場合、次のステップ2601に進む。
ステップ2601において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された演出アイコン画像決定乱数を取得する。そして、次のステップ2602に進む。
ステップ2602において、サブCPU301は、演出アイコン画像決定テーブル123、上述のステップ2601で取得した演出アイコン画像決定乱数、決定された変動演出の態様、決定された保留変化演出の実行の可否及び保留変化演出の実行が決定された場合における保留変化演出の態様に基づいて、特定演出において表示する演出アイコン画像を決定する。そして、次のステップ2603に進む。
ステップ2603において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された残り時間決定乱数を取得する。そして、次のステップ2604に進む。
ステップ2604において、サブCPU301は、残り時間決定テーブル124、上述のステップ2603で取得した残り時間決定乱数、及び決定された演出アイコン画像の種類に基づいて、各演出アイコン画像に対応する残り時間を決定する。そして、ステップ2605に進む。
ステップ2605において、サブCPU301は、決定された演出アイコン画像及び残り時間に応じた特定演出を実行するための特定演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた保留変化演出実行コマンドは、上述のステップ2103において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信した特定演出実行コマンドに基づいて、演出アイコン画像の表示、残り時間画像の表示、残り時間画像におけるカウントダウンの表示、操作指示画像の表示、実行示唆画像又は非実行示唆画像の表示等、特定演出を実行する制御が行われることとなる。そして、特定演出決定処理を終了する。
次に、上述のステップ2406の特殊演出決定処理について、図66のフローチャートを参照して説明する。
ステップ2700において、サブCPU301は、現時点が高確率時短遊技状態であるか否かを判定する。そして、高確率時短遊技状態でない(すなわち、通常遊技状態である)と判定した場合、特殊演出決定処理を終了する。一方、高確率時短遊技状態であると判定した場合、次のステップ2701に進む。
ステップ2701において、サブCPU301は、サブRAM303の所定の記憶領域に記憶されている変動回数を確認し、現時点の変動回数が60回目であるか否か(すなわち、現時点の変動が高確率時短最終変動であるか否か)を判定する。そして、変動回数が60回目でないと判定した場合、特殊演出決定処理を終了する。一方、変動回数が60回目であると判定した場合、次のステップ2702に進む。
ステップ2702において、サブCPU301は、現時点(すなわち、高確率時短最終変動の開始時点)で第2保留記憶領域に記憶されている保留情報に基づいて、保留記憶されている第2特図乱数の変動パターンコマンドの情報を確認する。そして、次のステップ2703に進む。
ステップ2703において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された特殊演出乱数を取得する。そして、次のステップ2704に進む。
ステップ2704において、サブCPU301は、特殊演出決定テーブル120、上述のステップ2703で取得した特殊演出乱数、受信した変動パターンコマンド(すなわち、高確率時短最終変動の変動パターンコマンド)、保留記憶されている第2特図乱数に係る変動パターンコマンド(すなわち、残り保留変動の変動パターンコマンド)に基づいて、特殊演出の態様を決定する。そして、次のステップ2705に進む。
ステップ2705において、サブCPU301は、決定された態様による特殊演出を実行するための特殊演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた特殊演出実行コマンドは、上述のステップ2103において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信した特殊演出実行コマンドに基づいて、対応する時点まで各種表示を行う特殊演出を実行する制御が行われることとなる。そして、特殊演出決定処理を終了する。
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、停止表示終了コマンドを受信した場合に実行される停止表示終了コマンド受信処理について、図67のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、停止表示終了コマンドは、主制御基板100において、停止後処理のステップ1102で記憶された後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
ステップ2800において、サブCPU301は、現時点が高確率時短遊技状態であるか否かを判定する。そして、高確率時短遊技状態でないと判定した場合、停止表示終了コマンド受信処理を終了する。一方、高確率時短遊技状態であると判定した場合、次のステップ2801に進む。
ステップ2801において、サブCPU301は、サブRAM303の所定の記憶領域に記憶されている変動回数を確認し、現時点の変動回数が60回目であるか否かを判定する。そして、変動回数が60回目でないと判定した場合、停止表示終了コマンド受信処理を終了する。一方、変動回数が60回目であると判定した場合、次のステップ2802に進む。
ステップ2802において、サブCPU301は、高確率時短最終変動の開始から現時点(すなわち、高確率時短最終変動の停止表示の終了時点)までに第2保留記憶領域に新たな保留情報が記憶されたか否か(すなわち、新たな第2特図乱数が保留記憶されたか否か)を判定する。具体的には、現時点における第2保留記憶領域の保留情報の個数が、高確率時短最終変動の開始時点における第2保留記憶領域の保留情報の個数よりも多いか否かを判定する。そして、新たな保留情報が記憶されていないと判定した場合、停止表示終了コマンド受信処理を終了する。一方、新たな保留情報が記憶されたと判定した場合、次のステップ2803に進む。
ステップ2803において、サブCPU301は、現時点で第2保留記憶領域に記憶されている保留情報に基づいて、保留記憶されている第2特図乱数の変動パターンコマンドの情報を確認する。そして、次のステップ2804に進む。
ステップ2804において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された特殊演出乱数を取得する。そして、次のステップ2805に進む。
ステップ2805において、サブCPU301は、特殊演出決定テーブル120、上述のステップ2804で取得した特殊演出乱数、受信した変動パターンコマンド(高確率時短最終変動の変動パターンコマンド)、保留記憶されている第2特図乱数に係る変動パターンコマンド(残り保留変動の変動パターンコマンド)に基づいて、特殊演出の態様を再決定する。そして、次のステップ2806に進む。
ステップ2806において、サブCPU301は、実行中の特殊演出に関し、現時点以降の内容を、再決定された態様による特殊演出の内容に切り替えるための特殊演出切り替えコマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた特殊演出切り替えコマンドは、上述のステップ2103において、各種制御基板へ送信されるとともに、これらの制御基板により、受信した特殊演出切り替えコマンドに基づいて、対応する時点まで再決定された態様による特殊演出の各種表示を実行する制御が行われることとなる。そして、停止表示終了コマンド受信処理を終了する。
次に、上述の実施の形態の変形例について説明する。
上述の実施の形態では、高確率時短遊技状態における第2特図乱数に基づく最後の変動(高確率時短最終変動)、及びこれに引き続いて実行される第2特図乱数の保留記憶に基づく変動(残り保留変動)に跨って上述の特殊演出を実行できるようになっていたが、この特殊演出を実行可能なタイミングはこれに限定されるものではなく、他の状態が終了する時点の変動、及びこれに引き続いて実行される保留記憶に基づく変動に跨って特殊演出を実行できるようにしてもよい。
たとえば、低確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた低確率時短遊技状態が終了する時点の変動、及びこれに引き続いて実行される保留記憶(たとえば、第2特図乱数の保留記憶)に基づく変動に跨って特殊演出を実行できるようにしてもよい。また、高確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた高確率非時短遊技状態が終了する時点の変動、及びこれに引き続いて実行される保留記憶に基づく変動に跨って特殊演出を実行できるようにしてもよい。また、所定回数の変動に亘り特殊な画像が表示される演出状態(演出モード)が終了する時点の変動、及びこれに引き続いて実行される保留記憶に基づく変動に跨って特殊演出を実行できるようにしてもよい。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏することとなる。
また、上述の実施の形態における特殊演出では、高確率時短最終変動又は残り保留変動における大当たりの当選の可否が示唆されるようになっていたが、示唆される内容としてはこれに限定されるものではない。たとえば、高確率時短最終変動又は残り保留変動における大当たりの当選の期待度を示唆してもよいし、高確率時短最終変動又は残り保留変動において所定の演出(たとえば、リーチ発展演出等)が実行される期待度を示唆してもよい。
このようにすることで、特殊演出の示唆内容のバリエーションが豊富となるため、遊技者の興趣を高めることができる。
また、上述の実施の形態における保留変化演出は、通常遊技状態(非時短遊技状態)における第1特図乱数に基づく保留記憶を対象として行われるようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、通常遊技状態における第2特図乱数に基づく保留記憶、高確率時短遊技状態(時短遊技状態)における第1特図乱数や第2特図乱数に基づく保留記憶を対象として保留変化演出を実行してもよい。
このようにすることで、保留変化演出の実行機会が増加することとなるため、遊技者の興趣をより高めることができる。
また、上述の実施の形態における特定演出は、変動演出におけるリーチ発展演出中に実行され得る各種演出の実行の可否を示唆するようになっていたが、実行の可否を示唆する対象の演出はこれに限定されるものではない。たとえば、変動演出の前半部分において実行され得る演出(たとえば、前半カットイン演出、第1時点における保留変化演出等)、特図乱数が記憶されてから当該特図乱数に基づく変動演出が開始されるよりも前に実行され得る演出(たとえば、当該特図乱数に基づく変動演出よりも前の時点で実行される保留変化演出、先読み演出等)、特別遊技中に実行され得る演出(たとえば、特別遊技中のラウンド遊技数を示唆する演出、特別遊技中に獲得可能な賞球数を示唆する演出、特別遊技の終了後に実行される遊技状態を示唆する演出、保留記憶されている特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果が大当たりの当選となる旨(いわゆる保留連となる旨)を示唆する演出等)、特別遊技が終了した後の変動演出において実行され得る演出(たとえば、特別遊技終了後の変動演出における所定時点で実行される保留変化演出等)を対象として、実行の可否を示唆するようにしてもよい。
このようにすることで、特定演出により実行の可否が示唆される演出が増加することとなるため、遊技者の興趣をより高めることができる。
また、上述の実施の形態における特定演出は、変動演出の前半部分(変動演出の開始時点からリーチ表示が行われるまでの間)において実行されるようになっていたが、特定演出が実行されるタイミングはこれに限定されるものではない。たとえば、変動演出において実行され得る演出の実行の可否を示唆する場合には、当該変動演出よりも前に実行される変動演出中に特定演出を実行してもよい。また、特別遊技において実行され得る演出の実行の可否を示唆する場合には、当該特別遊技中であって、かつ当該演出が実行される前の所定期間において特定演出を実行してもよい。
このようにすることで、特定演出の実行タイミングのバリエーションが増加することとなるため、遊技者の興趣をより高めることができる。
また、上述の実施の形態における特定演出の残り時間画像では、0秒に至るまで継続してカウントダウン表示が行われるようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、0秒に至るまでの間にカウントダウン表示が停止したり、残り時間が増加したりするようにしてもよい。
このようにすることで、所定の演出が実行される旨の示唆が行われることに対する期待感を向上させることができ、遊技者の興趣をより高めることができる。
また、上述の実施の形態における特定演出では、残り時間が0秒となった時点で所定の演出の実行の可否が示唆されるようになっていたが、これに限定されるものではない。たとえば、遊技者による操作内容が所定の条件を満たした(たとえば、操作ボタン9bの押下回数が所定回数に到達した、操作ボタン9bの押下時間が所定時間に到達した等)場合には、残り時間が0秒に到達していなくとも、演出の実行の可否が示唆されるようにしてもよい。そして、このようにした場合には、遊技者による操作内容が所定の条件を満たすまでの時間に基づいて、次の演出アイコン画像に対応する残り時間の表示を行うようにしてもよい。
このようにすることで、遊技者が特定演出中に所定の操作を行うことに対するモチベーションを向上させることができ、遊技者の興趣をより高めることができる。
また、特定演出では、たとえば、変動演出の開始時において、リーチ発展演出中に実行され得る演出アイコン画像、及び対応する残り時間画像を複数表示した上で、これら全ての残り時間について一斉にカウントダウン表示を行い、リーチ表示が行われる時点で残り時間があるか否かにより、演出アイコン画像により示される演出の実行の可否を示唆するようにしてもよい。すなわち、リーチ表示が行われる時点で残り時間が0秒となっていた場合には、演出アイコン画像により示される演出の非実行が示唆され、リーチ表示が行われる時点で残り時間が1秒以上であった場合には、演出アイコン画像により示される演出の実行が示唆されるようにすることができる。
このようにした場合にも、上述の実施の形態と同様の効果を奏することとなる。
また、上述の実施の形態では、1の変動演出中に特定演出が1回のみ実行されるようになっているが、特定演出が複数回実行されるようにしてもよい。
このようにすることで、特定演出の実行のバリエーションが豊富となるため、遊技者の興趣をより高めることができる。
なお、上述の変形例は、可能な範囲で互いに組み合わせて構成することもできる。
また、上述の実施の形態における特定演出決定処理を実行するサブCPU301は、本発明の演出実行手段に相当する。また、上述の実施の形態における演出アイコン画像は、本発明の演出画像に相当する。また、上述の実施の形態における残り時間は、本発明の時間に相当する。また、上述の実施の形態における特定演出は、本発明の示唆演出に相当する。また、上述の実施の形態におけるパチンコ機Pは、本発明の遊技機に相当する。
P パチンコ機
21 演出表示装置
100 主制御基板
101 メインCPU
102 メインROM
103 メインRAM
300 副制御基板
301 サブCPU
302 サブROM
303 サブRAM

Claims (1)

  1. 所定の演出を実行可能な演出実行手段を備え、
    前記演出実行手段は、
    所定の演出実行時点で実行され得る演出を示す演出画像を複数表示し、表示された各演出画像に対応付けられた時間の経過に基づき、各演出画像により示される演出の実行の可否を示唆する示唆演出を実行可能であり、
    前記示唆演出で表示される複数の演出画像の態様として、
    所定の演出実行時点で実行されない演出の演出画像に対応した第1演出画像のみが表示される第1態様と、前記第1演出画像及び所定の演出実行時点で実行される演出の演出画像に対応した第2演出画像が表示される第2態様と、前記第2演出画像のみが表示される第3態様と、を含み、
    前記演出実行手段は、
    前記第2態様において、前記第1演出画像及び前記第2演出画像として、同一の演出系統となる演出を示す演出画像を表示可能であり、
    前記示唆演出により実行する旨が示唆された演出を、対応する前記演出実行時点で実行可能であることを特徴とする遊技機。
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