<1.用語の定義>
本明細書で用いる用語について、以下に説明する。
「可変表示手段」とは、複数の図柄で構成された表示列を複数備え、それぞれの表示列の図柄を可変表示させる表示手段のことをいう。表示列がリールで構成される場合には、リールの回転動作により、リール上に配置された図柄を可変表示させる。表示列が液晶表示器等による表示画像で構成される場合には、表示画像の内容を変化させることで、表示画像としての図柄を可変表示させる。本発明の実施形態の表示列はリールで構成されている。
「遊技媒体」とは、遊技機に使用されるメダル又は遊技球のことをいう。遊技機に電気的又は磁気的に記憶された遊技媒体の数を示す情報のことを「クレジット」といい、その数を「クレジット数」という。
「ベット」とは、遊技を開始するために必要な遊技媒体を設定することをいう。ベットされた遊技媒体は遊技の開始とともに消費される。遊技を開始するために設定された遊技媒体の数のことのことを「ベット数」という。「ベットボタン」とは、遊技を開始するために必要な遊技媒体を設定するために遊技者が操作するための装置のことをいう。
「遊技」とは、スタートレバーの操作を契機として可変表示手段による表示列の図柄の可変表示を開始したときから入賞の判定の結果に基づく処理が終了するまでの一連の過程のことをいう。「1遊技」、「1回の遊技」とは、その一連の過程の1回分のことをいう。また、「遊技」を「ゲーム」と表現することもある。
「スタートレバー」とは、遊技の開始を指示するために遊技者が操作するための装置のことをいう。
「内部抽選」とは、遊技の開始を契機として、予め定められた複数の役から、1もしくは複数の役の当選または何れの役も当選しないハズレを、抽選により決定することをいう。
「役」とは、内部抽選において当選の対象となる最小単位のことをいう。1つの役には1または複数の図柄組合せが対応付けられており、役に対応する図柄組合せが入賞ライン上に停止した場合に、役に対応する特典が付与される。役は、特典の種別によってボーナス役、小役、再遊技役に大別される。
「当選」とは、内部抽選の結果として、入賞が可能な役として1または複数の役が決定されることをいう。
「ハズレ」とは、内部抽選の結果として、入賞が可能な役としていずれの役も決定されない状態のことをいう。
「ストップボタン」とは、可変表示手段による表示列の図柄の可変表示の停止を指示するために遊技者が操作するための装置のことをいう。複数の表示列にそれぞれ対応する複数のストップボタンが遊技機に備えられている。
「入賞ライン」とは、役の入賞を判定する対象である所定の図柄位置の組合せのことをいう。ベットに応じて入賞の判定が無効の状態から有効な状態に変化する。「入賞ライン上」とは、入賞ラインに係る図柄位置のことをいう。
「入賞」とは、役に対応する図柄組合せが入賞ライン上に停止表示することをいう。
「抽選テーブル」とは、役と抽選確率(またはそれに準ずる内容)との対応関係を定義したテーブルのことをいい、内部抽選の処理に利用される。
「停止制御テーブル」とは、ストップボタンが操作された場合に、対応する表示列の図柄をどのように停止表示させるかを定義したテーブルのことをいい、リールの停止制御に利用される。
「役構成テーブル」とは、役と入賞に係る図柄組合せとの対応関係を定義したテーブルのことをいい、入賞の判定処理に利用される。
「テンパイ状態」とは、当該遊技において、残りひとつの可変表示中の表示列の図柄さえ合えば、予め定められた役に対応する図柄組合せが入賞する状態のことをいう。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
<2.遊技機の外観構成>
図1はスロットマシン1の斜視図である。
スロットマシン1は、前面が開放された箱型の本体2と、本体2の前面を開閉可能に設けられた前扉3とを備えている。
本体2内には、上下方向の中央部より少し上方の位置に、左リールR1、中リールR2および右リールR3が左右に並べて配置されている。左リールR1、中リールR2および右リールR3は、ドラム状のリール枠の周面にリール帯を巻着した構成を有しており、リール枠の中心で左右方向に延びる軸を中心に回転可能に設けられている。リール帯には、20個の図柄が周方向に並べて配列されている。
前扉3には、表示部5、操作部6および演出表示部7が設けられている。
表示部5は、左リールR1、中リールR2および右リールR3と対向する位置に設けられている。表示部5の中央部には、左リールR1、中リールR2および右リールR3の周面の一部を視認可能にするためのリール窓8が設けられている。左リールR1、中リールR2および右リールR3の回転中は、リール窓8内に、左リールR1、中リールR2および右リールR3の図柄が次々に現れる(図柄の変動表示)。左リールR1、中リールR2および右リールR3が停止すると、リール窓8内に、左リールR1、中リールR2および右リールR3のそれぞれ3個の図柄、合計9個の図柄が表示される(図柄の停止表示)。
リール窓8の下方には、クレジット数表示器23aおよび払出枚数表示器23bが左右に並べて配置されている。クレジット数表示器23aおよび払出枚数表示器23bは、たとえば、2桁の数字を表示可能な7セグメント表示器からなる。
操作部6は、表示部5の下側に配置されている。操作部6には、メダル投入口10、MAXベットボタン11、1枚ベットボタン12、2枚ベットボタン13、スタートレバー14、左ストップボタン15L、中ストップボタン15C、右ストップボタン15Rおよび精算ボタン16が設けられている。
メダル投入口10からメダルが投入されると、その投入されたメダルが遊技にベット(BET)される。1遊技に対して、最大で3枚のメダルをベットすることができる。3枚のメダルが遊技にベットされている状態で、メダル投入口10からメダルが投入された場合、その投入されたメダルは、50枚を上限として、スロットマシン1にクレジットされる。スロットマシン1にクレジットされているメダルの枚数(クレジット数)は、クレジット数表示器23aに表示される。
3枚以上のメダルがスロットマシン1にクレジットされている状態で、MAXベットボタン11が押操作されると、そのクレジットされているメダルから3枚のメダルが遊技にベットされ、クレジット数が3だけ減る。そして、クレジット数表示器23aに表示されているクレジット数が3だけ減算された数に更新される。
1枚ベットボタン12が押操作されると、スロットマシン1にクレジットされているメダルから1枚のメダルが遊技にベットされ、クレジット数が1だけ減る。そして、クレジット数表示器23aに表示されているクレジット数が1だけ減算された数に更新される。
また、2枚ベットボタン13が押操作されると、スロットマシン1にクレジットされているメダルから2枚のメダルが遊技にベットされ、クレジット数が2だけ減る。クレジット数表示器23aに表示されているクレジット数が2だけ減算された数に更新される。
1枚以上のメダルがベットされた後、スタートレバー14が操作されると、1回の遊技(1遊技)が開始され、左リールR1、中リールR2および右リールR3が回転し始める。左ストップボタン15L、中ストップボタン15C、右ストップボタン15Rは、それぞれ左リールR1、中リールR2および右リールR3に対応して設けられている。左リールR1、中リールR2および右リールR3が回転し始めた後、左ストップボタン15L、中ストップボタン15Cおよび右ストップボタン15Rが押操作されると、それぞれ左リールR1、中リールR2および右リールR3の回転が停止する。
すべての左リールR1、中リールR2および右リールR3が停止した時点で、リール窓8内に停止表示された9個の図柄が所定の入賞態様のいずれかをなす場合、その入賞態様に対応づけられた役に入賞となる。役によっては、配当として、メダルが払い出される。この入賞に対して払い出されるメダルの枚数は、払出枚数表示器23bに表示される。また、入賞に対して払い出されるメダルは、スロットマシン1に50枚を上限としてクレジットされ、50枚を超える分については、前扉3の最下部に設けられたメダル排出口40からメダルトレイ41に排出される。以上で、1遊技が終了である。
精算ボタン16が押操作されると、スロットマシン1にクレジットされているメダルがメダル排出口40からメダルトレイ41に排出される。
演出表示部7は、表示部5の上側に配置されている。演出表示部7には、遊技の進行に合わせた演出画像などを表示するための液晶表示器30が設けられている。また、演出表示部7には、液晶表示器30の左側および右側に、遊技中の雰囲気を盛り上げるための効果音などを出力するスピーカ31が配置されている。
前扉3には、操作部6とメダルトレイ41との間に、スロットマシン1の機種名などを表示する表示パネル42が装着されている。
<3.遊技機の電気的構成>
<3−1.遊技機の電気的構成(メイン基板)>
図2は、スロットマシン1の電気的構成を示すブロック図である。
スロットマシン1は、遊技の中枢的な制御を実行するメイン基板100aと、遊技に付随する演出のための制御を行う演出サブ基板100bと、光と音による電飾のための制御を行う電飾制御基板100cとを備えている。
メイン基板100aには、CPU101、ROM102、RAM103、入出力ポート104、乱数生成回路105および信号送出回路106が備えられている。
CPU101は、ROM102、RAM103、入出力ポート104、乱数生成回路105および信号送出回路106と接続されている。
ROM102には、各種のプログラムが格納されている。各種のプログラムは、CPU101によって実行される。また、ROM102には、抽選テーブル107および停止制御テーブル108が格納されている。
RAM103は、CPU101によるプログラムの実行時に、ワークエリアとして使用される。
入出力ポート104には、クレジット数表示器23a、払出枚数表示器23b、左リールR1、中リールR2および右リールR3をそれぞれ回転させるためのステッピングモータ51L,51C,51Rと、メダル投入口10から投入されるメダルの排出先を本体2内のメダル貯留部(図示せず)とメダルトレイ41とに切り替えるためのメダルブロックソレノイド52と、メダル貯留部からメダル排出口40を通してメダルトレイ41にメダルを排出するメダル払出駆動モータ53とが制御対象として接続されている。
ステッピングモータ51L,51C,51R、メダルブロックソレノイド52およびメダル払出駆動モータ53は、本体2(図1参照)内に設けられている。
また、入出力ポート104には、MAXベットボタン11、1枚ベットボタン12、2枚ベットボタン13、スタートレバー14、左ストップボタン15L、中ストップボタン15C、右ストップボタン15R、精算ボタン16、リール位置検出センサ54L,54C,54R、メダル投入センサ55およびメダル払出センサ56が接続されている。
MAXベットボタン11、1枚ベットボタン12、2枚ベットボタン13、スタートレバー14、左ストップボタン15L、中ストップボタン15C、右ストップボタン15Rおよび精算ボタン16が押操作されると、それらに内蔵されたスイッチ(図示せず)から操作信号が出力され、その操作信号が入出力ポート104を介してCPU101に入力される。
左リールR1、中リールR2および右リールR3が1回転する度に、それぞれリール位置検出センサ54L,54C,54Rから検出信号が出力され、その検出信号が入出力ポート104を介してCPU101に入力される。
スタートレバー14が操作されると、CPU101は、ステッピングモータ51L,51C,51Rに駆動パルス信号を入力し、左リールR1、中リールR2および右リールR3の回転を開始させる。CPU101は、ステッピングモータ51L,51C,51Rのステップ数およびリール位置検出センサ54L,54C,54Rの検出信号に基づいて、左リールR1、中リールR2および右リールR3の回転位置を常に把握している。
左ストップボタン15L、中ストップボタン15Cおよび右ストップボタン15Rが押操作されると、CPU101は、停止制御テーブル108を参照し、左リールR1、中リールR2および右リールR3の回転位置に基づいて、ステッピングモータ51L,51C,51Rへの駆動パルス信号の出力を停止し、左リールR1、中リールR2および右リールR3の停止を制御する(リール停止制御)。
リール停止制御では、左ストップボタン15L、中ストップボタン15Cおよび右ストップボタン15Rが押操作されてから、それぞれ左リールR1、中リールR2および右リールR3を所定の最大引込コマ数(たとえば、4コマ)以下の範囲で、その回転を停止させる。
メダル投入口10からメダルが投入される度に、メダル投入センサ55から検出信号が出力され、その検出信号が入出力ポート104を介してCPU101に入力される。
メダル払出駆動モータ53によってメダルがメダルトレイ41に1枚排出される度に、メダル払出センサ56から検出信号が出力され、その検出信号が入出力ポート104を介してCPU101に入力される。
スロットマシン1に預けられているメダルの枚数(クレジット数)は、RAM103に設けられたカウンタによって計数されている。CPU101は、クレジット数表示器23aを制御し、RAM103で計数されているクレジット数をクレジット数表示器23aに表示させる。CPU101は、メダルブロックソレノイド52を制御して、クレジット数が50に達するまでは、メダル投入口10から投入されるメダルの排出先をメダル貯留部にし、クレジット数が50に達すると、その排出先をメダルトレイ41にする。また、クレジット数が50に達した後、配当(メダルの払出)がある役に入賞した場合、CPU101は、メダル払出駆動モータ53を制御して、メダルをメダルトレイ41に排出させる。
乱数生成回路105は、発振器(図示せず)からのクロックパルスの出力に応答してカウントアップするインクリメントカウンタを含む構成であり、16ビットの乱数を発生させる。生成される乱数の範囲は0〜65535となる。
スタートレバー14が操作されると、CPU101は、複数の役が抽選対象に含まれる内部抽選を実行する。内部抽選では、乱数生成回路105から乱数が取得される。また、ROM102の抽選テーブル107から1つの抽選テーブルが読み出される。そして、乱数生成回路105から取得した乱数および抽選テーブルに基づいて、内部抽選の当選役またはハズレが決定される。抽選テーブル107については、後に詳述する。
内部抽選でいずれかの役に当選していなければ、リール停止制御により、リール窓8内に停止表示される9個の図柄(左リールR1、中リールR2および右リールR3のそれぞれ3個の図柄)が入賞態様をなすことはなく、役に入賞することはない。配当がある役に入賞すると、CPU101は、払出枚数表示器23bを制御して、その配当として払い出されるメダルの枚数を払出枚数表示器23bに表示させる。
また、CPU101は、信号送出回路106を介して、演出サブ基板100bおよび電飾制御基板100cに制御に必要な信号をコマンドとして送出する。
<3−2.遊技機の電気的構成(演出サブ基板等)>
演出サブ基板100bには、CPU200、ROM201、RAM202、信号入力回路203、駆動回路204および乱数生成回路205が備えられている。
CPU200は、ROM201、RAM202、信号入力回路203、駆動回路204および乱数生成回路205と接続されている。
ROM201には、各種のプログラムが格納されている。各種のプログラムは、CPU200によって実行される。
RAM202は、CPU200によるプログラムの実行時に、ワークエリアとして使用される。
信号入力回路203には、メイン基板100aの信号送出回路106からの信号が入力される。
乱数生成回路205は、発振器(図示せず)からのクロックパルスの出力に応答してカウントアップするインクリメントカウンタを含む構成であり、16ビットの乱数を発生させる。生成される乱数の範囲は0〜65535となる。
CPU200は、ROM201に格納されているプログラムを実行し、信号入力回路203から入力される信号と、乱数生成回路205から取得した乱数に基づき、演出抽選を行い、抽選の結果に基づき、駆動回路204を介して、液晶表示器30の表示を制御する。
電飾制御基板100cは、メイン基板100aから送信されるコマンドに基づいて、左ストップボタン15L、中ストップボタン15C、右ストップボタン15Rなどに内蔵されたLED32の点灯を制御する。また、スピーカ31からの効果音の出力を制御する。
<4.リール配列・停止位置の説明>
図3は、左リールR1、中リールR2および右リールR3の図柄の配列を示す図である。
左リールR1、中リールR2および右リールR3のリール帯に配列された20個(20コマ)の図柄には、それぞれ「1」〜「20」の図柄番号が対応づけられている。
左リールR1のリール帯には、「ブランク」、「ブランク」、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「ベル」、「青7」、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「バー」、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「スイカ」、「赤7」、「リプレイ」、「ベル」、および「スイカ」の図柄がこの順に配列されており、これらの図柄に、それぞれ図柄番号「1」〜「20」が対応づけられている。
中リールR2のリール帯には、「ブランク」、「スイカ」、「チェリー」、「リプレイ」、「ベル」、「赤7」、「スイカ」、「チェリー」、「リプレイ」、「ベル」、「ブランク」、「バー」、「ブランク」、「リプレイ」、「ベル」、「青7」、「ブランク」、「チェリー」、「リプレイ」および「ベル」の図柄がこの順に配列されており、これらの図柄に、それぞれ図柄番号「1」〜「20」が対応づけられている。
右リールR3のリール帯には、「スイカ」、「ブランク」、「ベル」、「リプレイ」、「チェリー」、「チェリー」、「青7」、「ベル」、「リプレイ」、「チェリー」、「ブランク」、「バー」、「ベル」、「リプレイ」、「チェリー」、「スイカ」、「赤7」、「ベル」、「リプレイ」および「チェリー」の図柄がこの順に配列されており、これらの図柄に、それぞれ図柄番号「1」〜「20」が対応づけられている。
図4は、図柄停止位置を示す図である。
左リールR1が停止すると、リール窓8内で上下に並ぶ図柄停止位置PL1,PL2,PL3にそれぞれ1個の図柄が停止する。
中リールR2が停止すると、リール窓8内で上下に並ぶ図柄停止位置PC1,PC2,PC3にそれぞれ1個の図柄が停止する。
右リールR3が停止すると、リール窓8内で上下に並ぶ図柄停止位置PR1,PR2,PR3にそれぞれ1個の図柄が停止する。
なお、リール窓8内に停止表示される9個の図柄の位置を、わかりやすくするために、左上段(図柄停止位置PL1)、左中段(図柄停止位置PL2)、左下段(図柄停止位置PL3)、中上段(図柄停止位置PC1)、中中段(図柄停止位置PC2)、中下段(図柄停止位置PC3)、右上段(図柄停止位置PR1)、右中段(図柄停止位置PR2)、右下段(図柄停止位置PR3)、と表現する。この構成では、左リールR1、中リールR2および右リールR3の各1個の図柄停止位置に跨がる直線状のラインは、5本のラインL1,L2,L3,L4,L5となる。
ラインL1は、リール窓8内の中段に横一列に整列する3個の図柄停止位置PL2,PC2,PR2を通るラインである。
ラインL2は、リール窓8内の上段に横一列に整列する3個の図柄停止位置PL1,PC1,PR1を通るラインである。
ラインL3は、リール窓8内の下段に横一列に整列する3個の図柄停止位置PL3,PC3,PR3を通るラインである。
ラインL4は、リール窓8内で右下がりに一列に整列する3個の図柄停止位置PL1,PC2,PR3を通るラインである。
ラインL5は、リール窓8内で右上がりに一列に整列する3個の図柄停止位置PL3,PC2,PR1を通るラインである。なお、スロットマシン1は、入賞ラインをラインL1〜L5とした遊技機である。
<5.1遊技の説明>
図5は、メイン基板100aにおいて1遊技ごとに実行される処理の流れ(ゲームフロー)を示すフローチャートである。
<5−1.処理の流れ>
<5−1−1.メダル受付処理>
スロットマシン1において、1遊技の実行に必要なメダル枚数、即ち規定数は常に3枚としている。なお、スロットマシン1では、規定数は常に3枚としているが、規定数を1枚、または2枚としてもよい。さらに、遊技の状態に応じて規定数を変えてもよい。
スロットマシン1は、メダル投入口10へメダルが投入されると、投入されたメダルを受け付けてスロットマシン1の内部に取り込むか、投入されたメダルを受け付けずにメダルトレイ41に返却する(S100)。
具体的には、3枚のメダルが遊技にベットされている状態かつクレジット数が50未満の場合にメダル投入口10へメダルが投入されると、CPU101は、投入されたメダルをスロットマシン1の内部に取り込むとともに、投入されたメダルの枚数だけクレジット数を加算する。また、3枚のメダルが遊技にベットされている状態かつクレジット数が50の場合にメダル投入口10へメダルが投入されると、CPU101は、メダルブロックソレノイド52を駆動して、投入されたメダルをメダルトレイ41に返却する。
<5−1−2.ベット処理>
スロットマシン1は、メダル投入口10へのメダルの投入、MAXベットボタン11の操作、または再遊技役の入賞に応じて、遊技の開始に必要なベット数を設定する(S101)。
具体的には、ベット数が3未満の場合にメダル投入口10にメダルが投入されると、CPU101は、投入されたメダルの枚数だけベット数を加算する。また、ベット数が3未満の場合にMAXベットボタン11が操作されると、CPU101は、クレジット数を減算してベット数を加算する。また、再遊技役が入賞した場合には、CPU101は、その遊技でベットされていたベット数を、クレジット数の減算なしに再びベットする自動ベット処理を実行する。
<5−1−3.レバー受付処理>
スロットマシン1は、3枚のメダルがベットされている状態でスタートレバー14の操作を受け付けた場合に遊技を開始させる(S102)。具体的には、ベット数が3に設定された状態でスタートレバー14が操作されると、CPU101は、後述する内部抽選処理以降の遊技処理を実行する。一方で、ベット数が3未満に設定された状態でスタートレバー14が操作された場合には、CPU101は、内部抽選処理以降の遊技処理を実行しない。
<5−1−4.内部抽選処理>
スロットマシン1は、遊技の開始にともない、遊技の結果を導出するための情報を抽選により決定する(S103)。ベット数が3に設定された状態でスタートレバー14が操作されると、CPU101は、内部抽選処理を実行する。内部抽選処理の詳細については後述する。
<5−1−5.リール回転処理>
スロットマシン1は、内部抽選処理の実行後に、各リール上に配置された図柄を変動表示させるために左リールR1、中リールR2、および右リールR3のそれぞれを回転させる(S104)。具体的には、CPU101は、内部抽選処理の実行後にステッピングモータ51L,51C,51Rのそれぞれに対して継続的にパルスを供給することで、左リールR1、中リールR2、および右リールR3のそれぞれを回転させる。なお、前の遊技での左リールR1、中リールR2、および右リールR3の回転の開始から4.1秒間が経過するまでは、左リールR1、中リールR2、および右リールR3の回転が開始されない。これにより、1遊技にかかる時間が4.1秒間以上に保たれる。
<5−1−6.リール停止処理>
スロットマシン1は、左リールR1、中リールR2、および右リールR3の回転中にストップボタン15が操作されると左リールR1、中リールR2、および右リールR3の回転動作を停止させる(S105)。左リールR1、中リールR2、および右リールR3の回転中に左ストップボタン15L、中ストップボタン15C、および右ストップボタン15Rが操作されると、CPU101は、操作されたストップボタンに対応するリール(左ストップボタン15Lに対応する左リールR1、中ストップボタン15Cに対応する中リールR2、および右ストップボタン15Rに対応する右リールR3)が固定されたステッピングモータ(左リールR1に対応するステッピングモータ51L,中リールR2に対応するステッピングモータ51C,右リールR3に対応するステッピングモータ51R)に所定のパルスを供給することで、対応するリールの回転動作を停止させる。リール停止処理の詳細については後述する。
<5−1−7.図柄判定処理>
スロットマシン1は、左リールR1、中リールR2、および右リールR3の全てが停止した後に、入賞ラインL1〜L5上に停止表示された図柄組合せを判定する(S106)。左リールR1、中リールR2、および右リールR3の全てが停止した後に、CPU101は、入賞ラインL1〜L5上に停止表示された図柄組合せが、予め定められた所定の図柄組合せであるか否かを判定する。例えば、入賞ラインL1上に停止表示された図柄組合せが、役に対応する図柄組合せであるか否かを判定する。
<5−1−8.メダル払出処理>
スロットマシン1は、入賞ラインL1〜L5上に小役に対応する図柄組合せが停止表示されたと判定した場合には、メダルの払出処理を実行する(S107)。
<5−1−9.状態移行処理>
スロットマシン1は、遊技の結果に応じて遊技状態を移行させる(S108)。例えば、遊技の結果としてボーナス遊技状態が開始する条件が成立した場合に、遊技状態を通常遊技状態からボーナス遊技状態に移行させる。例えば、遊技の結果としてボーナス遊技状態が終了する条件が成立した場合には、遊技状態をボーナス遊技状態から通常遊技状態に移行させる。また、遊技の結果として、再遊技確率を変動させる条件が成立した場合には、次の遊技から条件に応じた再遊技確率に変動する。スロットマシン1は、状態移行処理を実行した後に、1回の遊技に係る処理を終了する。
<5−2.各処理の詳細説明>
上述した1回の遊技に係る各処理の詳細について説明する。
<5−2−1.内部抽選処理の詳細>
スロットマシン1における内部抽選処理の詳細について説明する。内部抽選処理は、予め定められた複数の役から、1もしくは複数の役の当選または何れの役も当選しないハズレを抽選により決定するための処理であり、抽選テーブルを用いて実行される。
最初に、図6を用いて、内部抽選により抽選される役、該役を構成する図柄組合せおよび払出枚数の対応関係を説明する。
内部抽選の対象である役には、「BB1」、「BB2」、「BB3」、「ベル1」、「スイカ1」、「チェリー1」および「再遊技1」が含まれる。不当選がある場合には、不当選も抽選対象となる。
<役の説明(BB1)>
内部抽選で「BB1」に当選すると、リール窓8内に停止表示される9個の図柄によって、入賞ラインL1〜L5上に左から「赤7」−「赤7」−「赤7」と並ぶ入賞態様をなすことが許容される。入賞ラインL1〜L5に「赤7」−「赤7」−「赤7」が並ぶと、「BB1」に入賞となる。「BB1」の当選状態は、「BB1」が入賞するまで持ち越され、BB当選フラグにて、「BB1」当選状態の持ち越しの有無を管理している。「BB1」当選状態を持ち越している状態のときは、BB当選フラグがオンに設定され、「BB1」〜「BB3」が当選していない、または「BB1」が入賞したときは、BB当選フラグがオフに設定される。「BB1」の入賞に対しては、メダルの払出しはなく、次の遊技から、遊技状態が通常遊技状態からボーナス遊技状態に移行されて、BBゲームが開始される。
<役の説明(BB2)>
内部抽選で「BB2」に当選すると、リール窓8内に停止表示される9個の図柄によって、入賞ラインL1〜L5上に左から「青7」−「青7」−「青7」と並ぶ入賞態様をなすことが許容される。入賞ラインL1〜L5に「青7」−「青7」−「青7」が並ぶと、「BB2」に入賞となる。「BB2」の当選状態は、「BB2」が入賞するまで持ち越され、BB当選フラグにて、「BB2」当選状態の持ち越しの有無を管理している。「BB2」当選状態を持ち越している状態のときは、BB当選フラグがオンに設定され、「BB1」〜「BB3」が当選していない、または「BB2」が入賞したときは、BB当選フラグがオフに設定される。「BB2」の入賞に対しては、メダルの払出しはなく、次の遊技から、遊技状態が通常遊技状態からボーナス遊技状態に移行されて、BBゲームが開始される。
<役の説明(BB3)>
内部抽選で「BB3」に当選すると、リール窓8内に停止表示される9個の図柄によって、入賞ラインL1〜L5上に左から「バー」−「バー」−「バー」と並ぶ入賞態様をなすことが許容される。入賞ラインL1〜L5に「バー」−「バー」−「バー」が並ぶと、「BB3」に入賞となる。「BB3」の当選状態は、「BB3」が入賞するまで持ち越され、BB当選フラグにて、「BB3」当選状態の持ち越しの有無を管理している。「BB3」当選状態を持ち越している状態のときは、BB当選フラグがオンに設定され、「BB1」〜「BB3」が当選していない、または「BB3」が入賞したときは、BB当選フラグがオフに設定される。「BB3」の入賞に対しては、メダルの払出しはなく、次の遊技から、遊技状態が通常遊技状態からボーナス遊技状態に移行されて、BBゲームが開始される。
<役の説明(ベル1)>
「ベル1」は、小役である。内部抽選で「ベル1」に当選すると、リール窓8内に停止表示される9個の図柄によって、入賞ラインL1〜L5上に左から「ベル」−「ベル」−「ベル」と並ぶ入賞態様をなすことが許容される。入賞ラインL1〜L5に「ベル」−「ベル」−「ベル」が並ぶと、「ベル1」に入賞となる。「ベル1」の入賞に対しては、配当としての7枚のメダルの払出しがある。
<役の説明(スイカ1)>
「スイカ1」は、小役である。内部抽選で「スイカ1」に当選すると、リール窓8内に停止表示される9個の図柄によって、入賞ラインL1〜L5上に左から「スイカ」−「スイカ」−「スイカ」と並ぶ入賞態様をなすことが許容される。入賞ラインL1〜L5に「スイカ」−「スイカ」−「スイカ」が並ぶと、「スイカ1」に入賞となる。「スイカ1」の入賞に対しては、配当としての7枚のメダルの払出しがある。
<役の説明(チェリー1)>
「チェリー1」は、小役である。内部抽選で「チェリー1」に当選すると、リール窓8内に停止表示される9個の図柄によって、入賞ラインL1〜L5上に左から「チェリー」−「ANY」−「ANY」と並ぶ入賞態様をなすことが許容される。「ANY」はいかなる図柄でもよいことを示している。入賞ラインL1〜L5に「チェリー」−「ANY」−「ANY」が並ぶと、「チェリー1」に入賞となる。「チェリー1」の入賞に対しては、配当としての2枚のメダルの払出しがある。
<役の説明(再遊技1)>
「再遊技1」は、再遊技役である。内部抽選で「再遊技1」に当選すると、リール窓8内に停止表示される9個の図柄によって、入賞ラインL1〜L5上に左から「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」と並ぶ入賞態様をなすことが許容される。入賞ラインL1〜L5に「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」が並ぶと、「再遊技1」に入賞となる。「再遊技1」の入賞に対しては、メダルの払出しはなく、メダルのベットなしで次の1遊技の実行が許可される。
<抽選テーブルを用いた内部抽選の説明>
スタートレバー14が操作されたタイミングで、乱数生成回路105から乱数が取得される(S102)。
そして、その乱数および抽選テーブル107の中から選択された抽選テーブルを用いた内部抽選が実行される。内部抽選では、乱数生成回路105から取得した乱数により抽選テーブルに設けられたいずれかの当選役またはハズレが決定される。
スロットマシン1は、通常遊技状態の場合には、図7(A)の抽選テーブル1の抽選テーブルを用いる。また、遊技状態がボーナス遊技状態(BB中状態)の場合には、図7(B)の抽選テーブル2の抽選テーブルを用いる。
各抽選テーブルには、複数の当選役(内部抽選役)またはハズレが設定されるとともに、抽選値が割り当てられ、これらが対応づけられて記憶されている。
次に、各抽選テーブルの説明をする。
抽選テーブル1は、通常遊技状態であるときに、内部抽選に使用される抽選テーブルである。抽選テーブル1には、図7(A)に示されるように、内部抽選役「BB1」、内部抽選役「BB2」、内部抽選役「BB3」、内部抽選役「ベル1」、内部抽選役「スイカ1」、内部抽選役「チェリー1」、内部抽選役「再遊技1」、および「不当選」が設けられている。
<BB1の抽選>
抽選テーブル1における内部抽選役「BB1」には、図7(A)に示されるように、抽選値「200」が割り当てられている。内部抽選において、CPU101が乱数生成回路105から取得した乱数がその抽選値「200」より少なければ、「BB1」に当選となる。したがって、通常遊技状態における内部抽選では、200/65536の確率(当選確率)で「BB1」に当選する。
CPU101が乱数生成回路105から取得した乱数が当選役として設定された「BB1」の抽選値「200」以上の場合、取得した乱数から抽選値「200」を引いた値を乱数として設定し、抽選テーブル1で次に設定された「BB2」の抽選を行う。
このように、乱数と設定された各内部抽選役の抽選値の比較を行い、乱数が設定された抽選値より少なければ、該内部抽選役に当選し、乱数が設定された抽選値以上の場合には、乱数から設定された抽選値を引いた値を乱数として設定し、抽選テーブルに設定された次の内部抽選役の抽選を行う。
<BB2の抽選>
抽選テーブル1における内部抽選役「BB2」には、抽選値「200」が割り当てられている。内部抽選において、乱数がその抽選値「200」より少なければ、「BB2」に当選となる。したがって、通常遊技状態における内部抽選では、200/65536の確率で「BB2」に当選する。
<BB3の抽選>
抽選テーブル1における内部抽選役「BB3」には、抽選値「100」が割り当てられている。内部抽選において、乱数がその抽選値「100」より少なければ、「BB3」に当選となる。したがって、通常遊技状態における内部抽選では、100/65536の確率で「BB3」に当選する。
<ベル1の抽選>
内部抽選役「ベル1」には、抽選値「7000」が割り当てられている。内部抽選において、乱数がその抽選値「7000」より少なければ、「ベル1」に当選となる。したがって、通常遊技状態における内部抽選では、7000/65536の確率で「ベル1」に当選する。
<スイカ1の抽選>
内部抽選役「スイカ1」には、抽選値「2000」が割り当てられている。内部抽選において、乱数がその抽選値「2000」より少なければ、「スイカ1」に当選となる。したがって、通常遊技状態における内部抽選では、2000/65536の確率で「スイカ1」に当選する。
<スイカ1の抽選>
内部抽選役「チェリー1」には、抽選値「2000」が割り当てられている。内部抽選において、乱数がその抽選値「2000」より少なければ、「チェリー1」に当選となる。したがって、通常遊技状態における内部抽選では、2000/65536の確率で「チェリー1」に当選する。
<再遊技1の抽選>
内部抽選役「再遊技1」には、抽選値「8978」が割り当てられている。内部抽選において、乱数がその抽選値「8978」より少なければ、「再遊技1」に当選となる。したがって、通常遊技状態における内部抽選では、8978/65536の確率で「再遊技1」に当選する。
<不当選の抽選>
抽選テーブル1における「不当選」には、当選役が設定されておらず(言い換えれば、ハズレが設定されており)、抽選値「45058」が割り当てられている。内部抽選において、乱数がその抽選値「45058」より少なければ、内部抽選の結果がハズレ(不当選)となる。したがって、通常遊技状態における内部抽選では、45058/65536の確率でハズレとなる。
<全ての入賞役の抽選>
抽選テーブル2は、遊技状態がボーナス遊技状態であるときに、内部抽選に使用される抽選テーブルである。抽選テーブル2には、図7(B)に示されるように、「全ての入賞役」が設けられている。
「全ての入賞役」には、すべての小役、つまり「ベル1」、「スイカ1」、および「チェリー1」が当選役として設定され、抽選値「65536」が割り当てられている。内部抽選において、CPU101が乱数生成回路105から取得した乱数がその抽選値「65536」より少なければ、すべての小役「ベル1」、「スイカ1」、および「チェリー1」に同時に当選することとなる。したがって、ボーナス遊技状態における内部抽選では、65536/65536の確率ですべての小役「ベル1」、「スイカ1」、および「チェリー1」に当選する。
このように、抽選テーブル2の「全ての入賞役」は、抽選テーブル1に設定された小役「ベル1」、「スイカ1」、および「チェリー1」に同時に当選するように設定されている。
<5−2−2.リール停止処理の詳細>
スロットマシン1におけるリール停止処理の詳細について説明する。CPU101は、回転中の左リールR1、中リールR2、および右リールR3に対応する各ストップボタン(左ストップボタン15L、中ストップボタン15C、および右ストップボタン15R)の操作を受け付けると、対応する左リールR1、中リールR2、および右リールR3を停止させる。これを、全てのリールが停止するまで繰り返す。このとき、CPU101は、各ストップボタンに対する操作が行われた時点から、最大4図柄分のリールの回転量の範囲内において、操作されたストップボタンに対応するリールを停止させる。また、CPU101は、内部抽選処理により何らかの役の当選が決定されている場合には、最大4図柄分のリールの回転量の範囲内において、当選した役に係る図柄組合せを入賞ラインL1〜L5上に引き込むように、左リールR1、中リールR2、および右リールR3を停止させる。
スロットマシン1におけるリール停止処理は、メイン基板100aのROM102に格納されている停止制御テーブル108を用いて実現される。
<6.本発明の実施形態である1遊技ごとに実行される処理の流れについて>
次に、本発明の実施形態である1遊技ごとに実行される処理の流れについて説明する。
図8は本発明の実施形態である1遊技ごとに実行される処理の流れを示すフローチャートである。
メイン基板100aは、先ず、スタートレバー14が操作されたか否かを判断(S200)し、スタートレバー14が操作されたと判断(S200のYES)されるまで同じ判断を繰り返す。スタートレバー14が操作されたと判断(S200のYES)した場合には、内部抽選処理(S201)を実行する。
メイン基板100aは、内部抽選処理(S201)を実行後、停止したリールR1、R2、R3の数をカウントする停止済リールカウント数、およびストップボタンの操作が行われた数をカウントする停止操作受付済リールカウント数を0に設定して全てのリールR1、R2、R3の回転を開始する。(S202)
メイン基板100aは、各ストップボタン(左ストップボタン15L、中ストップボタン15C、および右ストップボタン15R)のいずれかのストップボタンが操作されたか否かを判断(S203)し、いずれかのストップボタンが操作されたと判断(S203のYES)した場合には、停止操作受付済リールカウント数を1加算し(S204)、リール停止制御(S205)を実行する。リール停止制御(S205)については後述する。一方、いずれのストップボタンも操作されなかったと判断(S203のNO)した場合には、停止操作受付済リールカウント数の加算(S204)、およびリール停止制御(S205)は実行されない。
次に、メイン基板100aは、リール停止判断処理(S206)を実行する。リール停止判断処理(S206)については後述する。
メイン基板100aは、リール停止判断処理(S206)の結果、停止したリールの数をカウントする停止済リールカウント数の値が2か否かを判断(S207)する。
停止済リールカウント数の値が2と判断(S207のYES)した場合、つまり停止しているリールが2であると判断した場合は、テンパイ判断処理A(S208)を実行する。テンパイ判断処理A(S208)については後述する。
一方、停止済リールカウント数の値が2ではなかったと判断(S207のNO)した場合、つまり停止しているリールが2ではないと判断した場合は、ストップボタンの操作が行われた数をカウントする停止操作受付済リールカウント数の値が3か否かを判断(S209)する。
停止操作受付済リールカウント数の値が3と判断(S209のYES)した場合、つまり全てのストップボタンが操作されたと判断した場合は、停止済リールカウント数の値が3か否かを判断(S210)する。一方、停止操作受付済リールカウント数の値が3ではないと判断(S209のNO)した場合、つまり全てのストップボタンが操作されていないと判断した場合は、ステップS203に戻り、いずれかのストップボタンが操作されたか否かを判断する。
メイン基板100aは、停止済リールカウント数の値が3ではないと判断(S210のNO)した場合、つまり回転中のリールが少なくとも複数はあると判断した場合は、テンパイ判断処理B(S211)を実行する。テンパイ判断処理B(S211)については後述する。
メイン基板100aは、テンパイ判断処理A(S208)、またはテンパイ判断処理B(S211)の結果、テンパイ状態か否かを判断(S212)する。
メイン基板100aは、テンパイ状態と判断(S212のYES)した場合は、スピーカ31から、チャンスであることを報知するテンパイ音を再生(S213)する。なお、スロットマシン1では事前報知手段(S213)としてスピーカ31を用いて、テンパイ音を再生しているが、LED等のランプによる報知でもよい。
メイン基板100aは、テンパイ音を再生(S213)した後、またはテンパイ状態ではないと判断(S212のNO)した場合は、ステップS203に戻り、いずれかのストップボタンが操作されたか否かを判断する。
メイン基板100aは、停止済リールカウント数の値が3と判断(S210のYES)した場合、つまり全てのリールが停止したと判断した場合は、図柄判定処理(S214)を実行する。
図柄判定処理(S214)では、入賞ラインL1〜L5上に停止表示された図柄組合せが、予め定められた所定の図柄組合せであるか否かを判定し、入賞ラインL1〜L5上に小役に対応する図柄組合せが停止表示されたと判定した場合には、メダル払出処理(S215)を実行する。その後、遊技の結果に応じて状態移行処理(S216)を実行し、状態移行処理(S216)を実行した後に、1回の遊技に係る処理を終了する。
<7.リール停止制御および停止リール判断処理の流れについて>
次に、リール停止制御および停止リール判断処理の流れについて説明する。
図9はリール停止制御および停止リール判断処理の流れを示すフローチャートである。
先ず、リール停止制御の処理について説明する。
リール停止制御は、ストップボタンが操作されると、該ストップボタンに対応したリールの停止制御を行う。例えば、左ストップボタン15Lが操作された場合は、左リールR1の停止制御が行われる。
左リールR1の停止制御において、リール停止位置が決定しているか否かの判断(S300)をする。リール停止位置が決定していないと判断(S300のNO)した場合は、内部抽選で当選した役に基づき、所定の最大引込コマ数(たとえば、4コマ)以下の範囲でリールの停止位置を決定する(S301)とともに、左ストップボタン15Lが操作された時点の左リールR1の停止位置から決定された左リールR1の停止位置までのステップ数を算出する(S302)。一方、リール停止位置が決定していると判断(S300のYES)した場合は、リールの停止位置の決定(S301)、およびリールの停止位置までのステップ数の算出(S302)は実行されない。
算出されたステップ数は、左リールR1に対応したステッピングモータ51Lが1ステップ駆動する毎に減算が行われ更新される(S303)。
同様に、中ストップボタン15Cが操作された場合は、中リールR2の停止制御が行われ、右ストップボタン15Rが操作された場合は、右リールR3の停止制御が行われる。以上が、リール停止制御の処理となる。
次に、停止リール判断処理について説明する。
停止リール判断処理は、更新されたステップ数が0か否かを判断(S304)する。
更新されたステップ数が0と判断(S304のYES)した場合、つまり左リールが停止したと判断した場合は、停止済リールカウント数を1加算する(S305)。一方、更新されたステップ数が0ではないと判断(S304のNO)した場合、つまり左リールが停止していないと判断した場合は、停止済リールカウント数の加算は実行されない。
同様に、中リールR2、および右リールR3についても停止リール判断処理が行わる。以上が、停止リール判断処理となる。
<8.テンパイ判断処理Aおよびテンパイ判断処理Bの流れについて>
次に、テンパイ判断処理Aおよびテンパイ判断処理Bの流れについて説明する。
図10はテンパイ判断処理Aの流れを示すフローチャートである。図9を参照して説明した様に、テンパイ判断処理Aは、1つの回転中リールを残し、他の2つのリールが既に停止済である場合に、該2つのリールの停止位置からテンパイ状態の有無を判定する処理である。
テンパイ判断処理Aは、最後に停止する回転リールを除く各リールの停止図柄が入賞図柄組合せと一致しているか否かを判断(S400)する。例えば、左リールR1および中リールR2が停止済、右リールR3が回転中で、且つ、左リールR1および中リールR2を跨る何れかの入賞ラインL1〜L5上に、「赤7」図柄が並んで停止した場合、左リールR1、および中リールR2の停止図柄が「BB1」の図柄組合せ(「赤7」−「赤7」−「赤7」)と一致するため、イエスと判断する。
一方、左リールR1および右リールR3が停止済、中リールR2が回転中で、左リールR1の中段に「青7」図柄が停止し、右リールR3の中段に「赤7」図柄が停止した場合、「BB1〜BB3」、「ベル1」、「スイカ1」、「チェリー1」、「再遊技1」の図柄組合せのいずれとも一致しないため、ノーと判断する。
最後に停止する回転リールを除く各リールの停止図柄が入賞図柄組合せと一致していると判断(S400のYES)した場合は、テンパイ状態と判断(S401)する。一方、最後に停止する回転リールを除く各リールの停止図柄が入賞図柄組合せと一致していないと判断(S400のNO)した場合は、テンパイ状態と判断しない。
次に、テンパイ判断処理Bの流れについて説明する。
図11はテンパイ判断処理Bの流れを示すフローチャートである。図9を参照して説明した様に、テンパイ判断処理Bは、3つのストップボタン15L、15C、15Rに対する停止操作は受付済であるものの、少なくとも2つのリールが未だ回転中である場合に、先に停止することになるリールを判断し、当該リールの停止予定位置、および既に停止済のリールの停止位置から、テンパイ状態の有無を判定する処理である。
テンパイ判断処理Bは、先ず、回転中のリールが2個か否かを判断(S500)する。
回転中のリールが2個と判断(S500のYES)した場合、回転中のリール2個のうちの1個を回転リール1、他の1個を回転リール2とするとともに、回転リール1が停止するまでの残りステップ数と回転リール2が停止するまでの残りステップ数を比較する(S501)。
回転リール1が停止するまでの残りステップ数が、回転リール2が停止するまでの残りステップ数より少ない場合(S501のYES)は、最後に停止する回転リールは回転リール2と判断する(S502)。一方、回転リール1が停止するまでの残りステップ数が、回転リール2が停止するまでの残りステップ数以上の場合(S501のNO)は、最後に停止する回転リールは回転リール1と判断する(S503)。
回転中のリールが2個ではないと判断(S500のNO)した場合、つまり3つ全てのリールが回転中と判断した場合は、回転中のそれぞれのリールを、回転リール1、回転リール2、回転リール3とするとともに、回転リール1が停止するまでの残りステップ数と回転リール2が停止するまでの残りステップ数を比較する(S504)。
回転リール1が停止するまでの残りステップ数が、回転リール2が停止するまでの残りステップ数より少ない場合(S504のYES)は、回転リール2が停止するまでの残りステップ数と回転リール3が停止するまでの残りステップ数を比較する(S505)。
回転リール2が停止するまでの残りステップ数が、回転リール3が停止するまでの残りステップ数より少ない場合(S505のYES)は、最後に停止する回転リールは回転リール3と判断する(S506)。一方、回転リール2が停止するまでの残りステップ数が、回転リール3が停止するまでの残りステップ数以上の場合(S505のNO)は、最後に停止する回転リールは回転リール2と判断する(S507)。
回転リール1が停止するまでの残りステップ数が、回転リール2が停止するまでの残りステップ数以上の場合(S504のNO)は、回転リール1が停止するまでの残りステップ数と回転リール3が停止するまでの残りステップ数を比較する(S508)。
回転リール1が停止するまでの残りステップ数が、回転リール3が停止するまでの残りステップ数より少ない場合(S508のYES)は、最後に停止する回転リールは回転リール3と判断する(S509)。一方、回転リール1が停止するまでの残りステップ数が、回転リール3が停止するまでの残りステップ数以上の場合(S508のNO)は、最後に停止する回転リールは回転リール1と判断する(S510)。
そして、最後に停止する回転リールを除く各リールの停止図柄が入賞図柄組合せと一致しているか否かを判断(S511)する。
最後に停止する回転リールを除く各リールの停止図柄が入賞図柄組合せと一致していると判断(S511のYES)した場合は、テンパイ状態と判断(S512)する。一方、最後に停止する回転リールを除く各リールの停止図柄が入賞図柄組合せと一致していないと判断(S511のNO)した場合は、テンパイ状態と判断しない。
テンパイ判断処理Bが実行されるのは、3つのストップボタン15L、15C、15Rに対するリール停止指示操作が連続して行われた場合であり、この場合には、リール停止操作の順番通りに、リールが停止しない場合がある。2つのリールに対する停止指示操作が行われた時点で、当該2つのリールの停止予定図柄からテンパイ状態成立の有無を判断することも可能であるが、上述の如く、リール停止操作の順番通りに、リールが停止しない場合には、遊技者に違和感を付与する結果を招く虞がある。
また、リール停止指示操作が連続して行われた場合には、2つのリールが停止してから、最後のリールが停止するまでの時間が極めて短いため、2つのリールが停止してからテンパイ報知をした場合には、遅すぎると不満を感じる遊技者がいる虞がある。
これに対し、テンパイ判断処理Aおよびテンパイ判断処理Bを搭載した、本実施形態のスロットマシン1によれば、リール停止指示操作が連続して行われた場合であっても、実際のリール停止順に従ったテンパイ報知が可能となるため、遊技者に違和感を付与することはなく、テンパイ報知から全てのリールが停止するまでの時間も、最長とすることが出来るので、上記不満も最小限に抑制することが出来る。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
例えば、上記実施例のスロットマシン1では、テンパイ判断処理として、テンパイ判断処理Aおよびテンパイ判断処理Bを搭載したが、テンパイ判断処理Aのみの搭載でもよい。テンパイ判断処理Aのみの搭載でも、リール停止指示操作が連続して行われた場合に、実際のリール停止順に従ったテンパイ報知が可能となるためである。
リール停止指示操作が連続して行われた場合であっても、テンパイ報知から全てのリールが停止するまでの時間を最長とし、テンパイ報知の効果を最大限に発揮させたい場合には、上記実施例のスロットマシン1と同様に、テンパイ判断処理Aおよびテンパイ判断処理Bを搭載すればよい。