JP4750095B2 - 蒲焼の加工方法 - Google Patents
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Description
加熱をうなぎ、あなご等の肉厚に応じて制御できれば、良いが、多量に生産する「蒲焼の加工方法」にあっては、現状困難である。
そのため、肉厚が厚い「頭部に近い部位」を基準にして焼こうとすれば、「頭部に近い部位」は良好に焼けるが、肉厚が薄い「尾に近い部位」は乾燥から焦げの状態となり、味、食感が悪く、逆に、肉厚が薄い「尾に近い部位」を基準にして焼こうとすれば、「尾に近い部位」は良好に焼けるが、肉厚が厚い「頭部に近い部位」の焼きが不足するという問題点が生じる。
この問題点を除去する一手段として、例えば、ライン上の手作業により、搬送されてくる「うなぎ」の「尾に近い部位」を覆うカバーをかけて加熱する量を軽減したり、また、加熱する部位から搬送されてくる「うなぎ」の「尾に近い部位」を手作業により、遠ざけることも考えられる。
しかしながら、この方法はライン上での手作業であるため、非効率的であると共に、手作業のため、「うなぎ」に細菌が付着し、その後、焼いても先に焼いた「うなぎ」の皮面等に細菌が残存し、衛生管理の面からも良くないという問題点があった。
請求項1記載の蒲焼の加工方法によれば、食材を焼く前に、肉厚部の厚い「頭部を除いた前記食材の部位から前記食材の尾の部位の方向に約2/3×L(Lは、前記食材の頭部を含まない前記食材の長手方向の全長)に至る部位」まで前記食材の長手方向を横断する方向に間隔を設けて、切り込みを入れ、肉厚部の薄い「残る約1/3×Lの長さの前記食材の部位」に切り込みを入れない切り込み工程を含み、その後、前記食材を焼くため、肉厚部の厚い部位に施された切り込みにより熱の通りが良好となって上述した不具合を解消することができ、しかも、該切り込みにより小骨を切断し、更に、切断した小骨をも焼くことができ、小骨が喉に引っかかる不具合をも防ぐことができる。
請求項2記載の蒲焼の加工方法によれば、食材を焼く前に、肉厚部の厚い「頭部を除去した食材の先端部から前記食材の尾の部位の方向に約2/3×L(Lは、前記食材の頭部を含まない前記食材の長手方向の全長)に至る部位」まで前記食材の長手方向を横断する方向に間隔を設けて、切り込みを入れ、肉厚部の薄い「残る約1/3×Lの長さの前記食材の部位」に切り込みを入れない切り込み工程を含み、その後、前記食材を焼くため、肉厚部の厚い部位に施された切り込みにより熱の通りが良好となって上述した不具合を解消することができ、しかも、該切り込みにより小骨を切断し、更に、切断した小骨をも焼くことができ、小骨が喉に引っかかる不具合をも防ぐことができる。
請求項5記載の蒲焼の加工方法によれば、切り込みの深さは、開いた食材の肉片の頂部から前記食材の皮の部位に向かって約1/2×T〜約2/3×T(Tは、開いた前記食材の肉片の頂部から前記食材の皮の部位に至る前記食材の厚み)の範囲であるため、上述した請求項1又は2記載の発明の効果に加え、上述の不具合をも防いで更に良好となる。
請求項6記載の蒲焼の加工方法によれば、間隔が約4mm〜約7mmの範囲であるため、上述した請求項1又は2記載の発明の効果に加え、上述の不具合をも防いで更に良好となる。
図1に示した100は、食材1に切り込みK(図7参照)を入れる「切り込み工程」を行う切り込み装置である。
なお、本発明の蒲焼の加工方法は、うなぎ、あなご等の食材1を切り裂いて骨を除き、食材1に切り込みK(図7参照)を入れ(切り込み工程)、その後、食材1にたれを付けるたれ付け工程の後、焼くもの、及び、食材1を蒸し後、たれを付け、その後、食材1を焼くものにあっては、切り込み工程の後、食材1を蒸し、蒸した後、食材1にたれを付け、その後、食材1を焼く「焼き工程」をも付加するものの他に、食材1に切り込みK(図7参照)を入れ、その後、「たれを付けないで焼く」所謂「白焼」をも含む意であり、また、「切り込み工程 」から「焼き工程」の間に、一尾の長物である食材1をそのままの状態で処理するものの他、切り込み工程と食材1を焼く焼き工程の間に、一尾の長物である食材1を食材1の長手方向と食材1の長手方向を横断する方向に切断する切断工程、又は、一尾の長物である食材1を食材1の長手方向と食材1の長手方向を横断する方向に切断する切断工程と、この切断工程の後、切断した食材1に串を刺す串刺し工程を含む意である。
搬送手段(例えば、コンベア)Hは、駆動手段(例えば、モーター)H1からの駆動を伝達手段(例えば、チェーン)H2を介して図2の矢印方向に移動して、食材1を切り込み部Cに搬送するものである。
この切り込み部材C1は、寸法的に頭部1aを除いた食材1の部位から食材1の尾の部位の方向に約2/3×Lに至る部位まで食材1の長手方向を横断する方向に間隔を設けて切り込みK(図7参照)を入れるように配置され、残る約1/3×Lの長さの食材1の部位に切り込みを入れないように配置されていない(図1参照)。なお、Lは、寸法的に食材1の頭部1aを含まない食材1の長手方向の全長であり、図1及び図6に示す1bは、内臓を除去した部位を示している。
また、切り込み部材C1は、駆動手段(例えば、モーター)C0 により回転体C2を介して回転するようになっている。
この身剥がし部Dの搬送ベルトD0は、駆動手段(例えば、モーター)H1からの駆動を回転方向を逆転させる逆転部材D1、D2を介して伝達され、搬送ベルトD0の食材1の上面に当接する部位は、食材1の搬送方向と同様の方向(図5の右から左の方向)となっている。
なお、上述した切り込みKの深さは、図7に示すように、開いた食材1の肉片の頂部から食材1の皮の部位に向かって約1/2×T〜約2/3×Tの範囲となる。
ここで、Tは、食材1の腹(又は背)を割いて開かれた場合の開いた食材1の肉片の頂部から食材1の皮の部位に至る食材1の厚みである(図7及び図9参照)。切り込みKの深さが約1/2×T未満であれば、熱の通りも悪く、しかも、小骨を充分に切断できない不具合が生じ、また、切り込みKの深さが約2/3×Tを超えると、切り込み後、焼いても、切り込んだ部分が食材1自身の脂、収縮等により接着せず、切り込みKがそのまま残存し、見映えが良くない不具合が生じる。
また、食材1に切り込みKが施され、切り込み部Cから搬出される際、食材1の下面は搬送手段(例えば、コンベア)Hに、食材1の上面は身剥がし部Dに、それぞれ当接して、食材1は挟持された状態となるため、食材1が切り込み部材C1に付着して切り込み部C内に巻き込まれることなく、切り込み部Cから搬出される。
その後、食材1を焼き工程で焼くようにする。焼き工程は、図示しないが、搬送手段、例えば、コンベアで搬送されてくる食材1の上方又は下方又は上方と下方に配置したバーナー等の加熱手段で、焼く周知のものである。
しかも、切り込みKにより小骨を切断し、更に、切断した小骨をも焼くことができるため、小骨が喉に引っかかる不具合の改善をも図ることができた。
また、切り込みKは、その後の「焼き」により、肉面同士が接合し、外観上も『従前の切り込みを入れないで焼いた「蒲焼き」』と同等で、違和感も感じないものとなった。』
また、切り込みKは、その後の「焼き」により、入った熱により肉面の中心から焼き上げるため、うなぎ、あなご等の食材1の脂が適度に抜け、うなぎ、あなご自身の特有な臭みの軽減化も図ることができた。
また、切り込みKは、その後にタレを付けると、タレが切り込みKを介して食材1に染み込むため、「タレ付け工程」の後の「焼き工程」により、香ばしく且つ食感の良好な蒲焼きを得ることができる。
1a 頭部
K 切り込み
Claims (6)
- うなぎ、あなごの内の何れか一つである食材を割いて、前記食材を焼く蒲焼の加工方法において、
前記食材を焼く前に、前記食材は頭部を残し、背骨を除去したものであり、前記頭部を除いた前記食材の先端部の部位から前記食材の尾の部位の方向に約2/3×L(Lは、前記食材の頭部を含まない前記食材の長手方向の全長)に至る部位まで前記食材の長手方向を横断する方向に間隔を設けて切り込みを入れ、残る約1/3×Lの長さの前記食材の部位に切り込みを入れない切り込み工程を含む
ことを特徴とする蒲焼の加工方法。 - うなぎ、あなごの内の何れか一つである食材を割いて、前記食材を焼く蒲焼の加工方法において、
前記食材を焼く前に、前記食材は背骨及び頭部を除去したものであり、前記頭部を除去した前記食材の先端部から前記食材の尾の部位の方向に約2/3×L(Lは、前記食材の頭部を含まない前記食材の長手方向の全長)に至る部位まで前記食材の長手方向を横断する方向に間隔を設けて切りこみを入れ、残る約1/3×Lの長さの前記食材の部位に切り込みを入れない切り込み工程を含む
ことを特徴とする蒲焼の加工方法。 - 切り込み工程と食材を焼く焼き工程の間に、前記食材を前記食材の長手方向と前記食材の長手方向を横断する方向に切断する切断工程、
又は、
前記切り込み工程と前記食材を焼く焼き工程の間に、前記食材を前記食材の長手方向を横断する方向に切断する切断工程と、この切断工程の後、切断した前記食材に串を刺す串刺し工程を含む
ことを特徴とする請求項1又は2記載の蒲焼の加工方法。 - 食材を焼く焼き工程の前に前記食材にたれを付けるたれ付け工程、
又は、
前記食材を焼く焼き工程の前に前記食材を蒸し、蒸した前記食材にたれを付けるたれ付け工程を含む
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかの蒲焼の加工方法。 - 切り込みの深さは、開いた食材の肉片の頂部から前記食材の皮の部位に向かって約1/2×T〜約2/3×T(Tは、開いた前記食材の肉片の頂部から前記食材の皮の部位に至る前記食材の厚み)の範囲である
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかの蒲焼の加工方法。 - 間隔が約4mm〜約7mmの範囲である
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかの蒲焼の加工方法。
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