JP4748706B2 - リチウムマンガン系複合酸化物粉末、その製造方法、リチウム二次電池用正極活物質及びリチウム二次電池 - Google Patents

リチウムマンガン系複合酸化物粉末、その製造方法、リチウム二次電池用正極活物質及びリチウム二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、リチウム二次電池の正極活物質として有用なリチウムマンガン系複合酸化物粉末及びその製造方法、これを含有するリチウム二次電池正極活物質及びリチウム二次電池に関するものである。
リチウムイオン二次電池が開発されて以来過去十数年間、正極材料の研究としては、LiCoO2 、LiNiO2 またはLiMn24 をベースとした材料に、少量の異種遷移金属を添加することで、サイクル特性の向上、対熱安定性、高温特性の向上を目指す研究が盛んに行われてきた。研究レベルでは様々な材料が発表されつつあるが、実用レベルで言えば、リチウムイオン二次電池が開発されてから十数年間、正極材料としてエネルギー密度、サイクル特性に優れるLiCoO2 が主体であり、有力な代替候補が見つからないのが現状である。
これまでの研究背景として、ベースとなる材料に対して異種金属を添加するには「固溶限界」が存在するために、元の構造を保持したまま異種金属を添加するには限界量がある、という考えが先行し、リチウムイオン含有型の構造を有する材料種も限られていることから、研究の幅が序々に収縮されつつあった。しかし、これらの目的とするカチオン種を共沈水酸化物としてから焼成を行なうことで、ベースとなる構造を保持したままLi[Ni1/2 Mn1/2 ]O2 、Li[Ni1/3 Co1/3 Mn1/3 ]O2 、Li[Ni1/2 Mn3/2 ]O4 等の材料の合成に成功し、優れた電池特性を有することがT.Ohzuku,J.R.Dahn,B.V.R.Chowdari(例えば、非特許文献1〜3参照。)らにより2001〜2003年にかけて集中的に報告され、また、特許文献1でもこの種の材料が提案されている。これらの材料は、レート特性にまだ課題が残るものの、充放電容量、サイクル特性、熱安定性において、現存のLiCoO2 よりコスト的な低減を図ることが可能であり、次世代の正極材料の候補として最も有望な材料の一つとして注目されている。
Y.Makimura and T.Ohzuku,"J.Power Sources",119−121,156(2003年) Y.Koyama,I.Tanaka,H.Adachi,Y.Makimura and T.Ohzuku,"J.Power Sources",119−121,644(2003年) K.Ariyoshi,S.Yamamoto and T.Ohzuku,"J.Power Sources",119−121,959(2003年) 特開平5−174819号公報
本発明者らは、かかる実情において、リチウム二次電池の正極活物質として有用なリチウムマンガン系複合酸化物について鋭意研究を重ねた結果、水熱合成法により得られる特定の組成で表されるリチウムマンガン系複合酸化物を特定温度範囲で加熱処理して得たリチウムマンガン系複合酸化物粉末を正極活物質とするリチウム二次電池は、放電容量が高く、また、優れたサイクル特性を示す電池になることを見出し本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、リチウム二次電池の正極活物質として有用なリチウムマンガン系複合酸化物粉末、その製造方法、リチウム二次電池用正極活物質及び放電容量が高く、また優れたサイクル特性を示すリチウム二次電池を提供することにある。
本発明が提供する第1の発明は、リチウム化合物と、マンガン化合物と、Fe、Ni及びCoから選ばれる金属元素を含む1種又は2種以上の遷移金属化合物とを水溶媒中で温度100〜200℃で、圧力0.5〜2.0MPaの加圧下に反応させて生成したリチウムマンガン系複合酸化物を、300〜700℃で加熱処理して得られた下記一般式(1)で表されるリチウムマンガン系複合酸化物粉末である。
(式中、MeはFe、Ni及びCoから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素であり、xは0.2≦x≦0.6、yは0.4≦y≦0.6、zは0.4≦z≦0.6、aは1.9≦a≦2.3を示す。)
前記複合酸化物粉末は、一次粒子の凝集体からなり、前記一次粒子の平均粒径が50nm以下で、凝集体の平均粒径が200nm以下であるのが好ましい。
また、前記複合酸化物粉末は、CuKα線のX線回折パタ−ンの2θ=18.7°、33.6°、35.6°、44.3°、49.5°、54.1°、57.5°、58.8°、64.8°にピークを有する構造のであるのが好ましい。
本発明が提供する第2の発明は、水熱合成法で下記一般式(2)
(式中、MeはFe、Ni及びCoから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素であり、xは0.2≦x≦0.6、yは0.4≦y≦0.6、zは0.4≦z≦0.6、aは1.9≦a≦2.3を示す。)
で表されるリチウムマンガン系複合酸化物を得る工程、得られたリチウムマンガン系複合酸化物を300〜700℃で加熱処理する工程を有することを特徴とする下記一般式(1)で表されるリチウムマンガン系複合酸化物粉末の製造方法である。
(式中、MeはFe、Ni及びCoから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素であり、xは0.2≦x≦0.6、yは0.4≦y≦0.6、zは0.4≦z≦0.6、aは1.9≦a≦2.3を示す。)
前記一般式(2)で表わされるリチウムマンガン系複合酸化物は、リチウム化合物と、マンガン化合物と、Fe、Ni及びCoから選ばれる金属元素を含む1種又は2種以上の遷移金属化合物とを水溶媒中で加圧下に反応させる水熱合成法でにより得られるものが好ましい。
また、本発明が提供する第3の発明は、前記第1の発明のリチウムマンガン系複合酸化物粉末を含むことを特徴とするリチウム二次電池正極活物質である。
また、本発明が提供する第4の発明は、前記第3の発明のリチウム二次電池正極活物質粉末を用いたことを特徴とするリチウム二次電池である。
本発明のリチウムマンガン系複合酸化物粉末は、特にリチウム二次電池の正極活物質として有用であり、また、本発明のリチウムマンガン系複合酸化物粉末を正極活物質とするリチウム二次電池は、電池性能、特に放電容量と容量維持率が高く、優れたサイクル特性を示す。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。
本発明に係るリチウムマンガン系複合酸化物粉末は、下記一般式(1)で表されるリチウムマンガン系複合酸化物粉末である。
(式中、MeはFe、Ni及びCoから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素であり、xは0.2≦x≦0.6、yは0.4≦y≦0.6、zは0.4≦z≦0.6、aは1.9≦a≦2.3を示す。)
具体的には、本発明に係るリチウムマンガン系複合酸化物粉末は、水熱合成法により得られる下記一般式(2)
(式中、MeはFe、Ni及びCoから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素であり、xは0.2≦x≦0.6、yは0.4≦y≦0.6、zは0.4≦z≦0.6、aは1.9≦a≦2.3を示す。)
で表わされるリチウムマンガン系複合酸化物を300〜700℃で加熱処理して生成されたものである。
ここで水熱合成法で得られる原料リチウムマンガン系複合酸化物とは、少なくともリチウム化合物、マンガン化合物及びFe、Ni及びCoから選ばれる金属元素を含む1種又は2種以上の遷移金属化合物の原料系から水溶媒中で80℃以上で大気圧(0.5MPa)以上の条件下で処理して製造された前記一般式(2)で表わされるリチウムマンガン系複合酸化物を示す。
本発明に係るリチウムマンガン系複合酸化物粉末において、Meは上記一般式(1)で表されるリチウムマンガン系複合酸化物のMnの占めるサイトに置換する任意成分である。MeはFe、Ni及びCoから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素であり、この中、式中のMeがFeであると該リチウムマンガン系複合酸化物を正極活物質とするリチウム二次電池は特に、放電容量と容量維持率が高く、更に優れたサイクル特性を示す電池とすることができる点で特に好ましい。
本発明に係る一般式(1)で表されるリチウムマンガン系複合酸化物粉末の組成と、該粉末の原料である前記一般式(2)であらわされるリチウムマンガン系複合酸化物(以下、「中間体リチウムマンガン系複合酸化物」ともいう。)の組成とは、実質的に同一組成であるが、本発明の構成要件とする加熱処理を行うことにより、加熱処理する前の中間体リチウムマンガン系複合酸化物と加熱処理後の本発明のリチウムマンガン系複合酸化物粉末とは、粒子の形状およびCuKα線のX線回折パタ−ンが異なり、その物としての相違を確認することができる。
具体的には、リチウムマンガン系複合酸化物粉末は、一次粒子の凝集体からなり、前記一次粒子の平均粒径が50nm以下で、凝集体の平均粒径が200nm以下であり、またCuKα線のX線回折パタ−ンの2θ=18.7°、33.6°、35.6°、44.3°、49.5°、54.1°、57.5°、58.8°、64.8°にピークを有することを特徴とする。
また、加熱処理する前の中間体リチウムマンガン系複合酸化物と加熱処理後の本発明のリチウムマンガン系複合酸化物粉末とは、該リチウムマンガン複合酸化物粉末を正極活物質とするリチウム二次電池の電池性能で、その物としての相違を確認することができる。即ち、本発明のリチウムマンガン系複合酸化物粉末をリチウム二次電池正極活物質として用いると、中間体リチウムマンガン系複合酸化物に比べて、電池性能、特に、容量維持率、サイクル特性が優れたリチウム二次電池となる。
前記水熱合成方法により得られる中間体リチウムマンガン系複合酸化物は針状粒子と球状粒子が混在し、走査型電子顕微鏡写真から求められる平均粒径が200nm以下、好ましくは50〜150nmである。
本発明に係るリチウムマンガン系複合酸化物粉末は、前記中間体リチウムマンガン系複合酸化物を300〜700℃、好ましくは350〜450℃で加熱処理(以下、「アニーリング処理」ともいう。)して得られる。アリーリング処理前は針状粒子と球状粒子が混在した状態にあるが、300〜700℃のアニーリング処理により針状粒子が消失し、球状粒子が凝集した凝集体になる。更に700℃を越える温度では急激に粒成長がおこり、また、その粒子形状も球状粒子から六角形型の板状粒子に変わる。
従って、本発明のリチウムマンガン系複合酸化物粉末は300〜700℃でアニーリング処理することにより、針状粒子と球状粒子が混在する一般式(2)で表わされる中間体リチウムマンガン系複合酸化物の粒子形状が変化し、一次の球状粒子が集合した凝集体に転換するものであり、このような球状粒子の凝集体をリチウム二次電池の正極活物質とすることで、中間体リチウムマンガン系複合酸化物に比べて、電池性能、特に容量維持率が高く、サイクル特性が優れたリチウム二次電池が得られる。
本発明に係るリチウムマンガン系複合酸化物粉末は、微細な一次粒子が集合体を形成してなる凝集体であり、その一次粒子は、走査型電子顕微鏡写真から求められる粒径が50nm以下、好ましくは1〜30nmであり、また、この一次粒子が集合した凝集体は走査型電子顕微鏡写真から求められる平均粒径が200nm以下、好ましくは50〜150nmである。
次いで、本発明に係るリチウムマンガン系複合酸化物粉末の製造方法について説明する。
本発明に係るリチウムマンガン系複合酸化物粉末の製造方法は、水熱合成法で得られる上記一般式(2)で表されるリチウムマンガン系複合酸化物(中間体リチウムマンガン系複合酸化物)を300〜700℃、好ましくは350〜450℃で加熱処理(以下、「アニーリング処理」ともいう。)することを特徴とする。
本発明で用いられる中間体リチウムマンガン系複合酸化物は、上述のように、通常、走査型電子顕微鏡写真から求められる針状粒子および球状粒子の平均粒径が200nm以下、好ましくは50〜150nmである。中間体リチウムマンガン系複合酸化物の粒子性状が上記範囲内にあると、アニーリング処理により、得られるリチウムマンガン系複合酸化物粉末の平均粒径及びBET比表面積が特定範囲内になるため望ましい。
本発明におけるアニーリング処理により、針状粒子と球状粒子が混在する中間体リチウムマンガン系複合酸化物は、針状粒子を消失させ優先的に球状粒子が得られ、更にこの微細な一次球状粒子の集合からなる凝集体を形成する。
なお、アニーリング処理が300℃未満であるとアリーリング処理による結晶相の相遷移、または結晶構造の安定化等の効果が得られず、また、700℃を越えるとLiの揮発による組成の変化や粒成長等により電池性能に悪影響を及ぼすことから好ましくない。
アニーリング処理の処理時間は、通常1〜10時間、好ましくは3〜6時間である。
また、アニーリング処理は、大気中、Ar、N2 等不活性雰囲気中又は酸素雰囲気中のいずれで行ってもよく、特に制限されない。
アニーリング処理後は、得られたリチウムマンガン系複合酸化物粉末を適宜冷却し、必要に応じて粉砕してリチウムマンガン系複合酸化物粉末を得る。
なお、上記製造方法において、中間体リチウムマンガン系複合酸化物は、例えば、リチウム化合物、マンガン化合物、前記遷移金属化合物を水の存在下に高温高圧で水熱合成を行うことにより製造できるが、以下に説明する方法で得られるものが該リチウムマンガン系複合酸化物粉末を正極活物質としたリチウム二次電池において、電池性能、特に放電容量、容量維持率が高く、更に優れたサイクル特性を示す電池が得られる点で特に好ましい。
<中間体リチウムマンガン系複合酸化物の製造方法>
中間体リチウムマンガン系複合酸化物の製造方法に用いられるリチウム化合物としては水酸化リチウム、硝酸リチウム等の水に可溶性のものが好ましい。また、マンガン化合物及びFe、Ni及びCoの金属原子を含む遷移金属化合物(以下、「遷移金属化合物」と略記する。)としては、水に可溶なものであって、不溶なものでもよく、特に制限されるものではなく、それぞれの金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩及び有機酸塩が挙げられ、特にマンガン化合物及び遷移金属化合物としてオキシ水酸化物を用いて得られるリチウムマンガン系複合酸化物は、該リチウムマンガン系複合酸化物粉末を正極活物質とするリチウム二次電池において、電池性能、特に放電容量と容量維持率が高く、優れたサイクル特性を示す。
本発明において、中間体リチウムマンガン系複合酸化物の製造方法は、前記リチウム化合物を水に溶解したリチウムを含む水溶液に、マンガン化合物及び前記遷移金属化合物を添加し水熱合成条件下で反応させる。
リチウムを溶解した水溶液の濃度は、飽和溶解度以下であれば特に制限されるものではないが、水酸化リチウムの溶解度は溶解させる温度に強く依存することから、例えば、80℃以上の温度ではLiOHとして1〜12重量%、好ましくは9〜12重量%の水溶液とすることが望ましい。
次いで、前記リチウムを溶解した水溶液に、マンガン化合物及び遷移金属化合物を前記リチウムを溶解した水溶液に添加する。マンガン化合物及び遷移金属化合物の添加量は、マンガン化合物中のMnと遷移金属化合物中の遷移金属(M)の総モル数(Mn+M)で、Liに対するモル比(Li/(Mn+M))で1.5〜5.0、好ましくは4.0〜5.0であり、このモル比が特に1.5〜5.0であるとプロトンとリチウムの交換反応が促進されて単相のリチウムマンガン系複合酸化物を容易に得ることができる点で特に好ましい。また、マンガン化合物と遷移金属化合物との配合割合は、マンガン化合物中のMnと遷移金属化合物中の遷移金属(M)のモル比(Mn/M)で0.6〜1.6、好ましくは0.9〜1.1であり、このモル比が特に0.9〜1.1であると該リチウムマンガン系複合酸化物を正極活物質とするリチウム二次電池は特に初期容量とサイクル特性の向上が見られる点で特に好ましい。
前記中間体リチウムマンガン系複合酸化物の水熱合成条件での反応温度は100〜200℃、好ましくは100〜125℃であり、この反応温度が特に100〜125℃であると低電圧側の還元反応を効率よく起こすことができる点で特に好ましい。
反応圧力は0.5〜2.0MPa、好ましくは0.5〜0.7MPaであり、反応時間は20時間以上、好ましくは20〜25時間が好ましい。
反応終了後、濾過、必要により洗浄、乾燥、必要により粉砕して中間体リチウムマンガン系複合酸化物を得る。
好ましい中間体リチウムマンガン系複合酸化物の物性としては、走査型電子顕微鏡写真から求められる平均粒径が100nm以下、好ましくは50〜100nmである。
<リチウムマンガン系複合酸化物粉末の製造方法>
本発明において、上記で得られた中間体リチウムマンガン系複合酸化物をアニーリング処理する。
本発明において、該中間体リチウムマンガン系複合酸化物をアニーリング処理するに当って、必要に応じて、アリーリング処理を効率的に行うため前記で得られた中間体リチウムマンガン系複合酸化物を加圧成形処理してもよい。
成形圧は、プレス機、仕込み量等により異なり、特に限定されるものではないが、通常1〜2MPaである。プレス成形機は、打錠機、ブリケットマシン、ローラコンパクター等が好適に使用できるがプレスできるものであればよく、特に制限はない。
次いで、前記中間体リチウムマンガン系複合酸化物を300〜700℃、好ましくは350〜450℃でアリーリング処理する。本発明において、このアニーリング処理する温度を当該範囲とする理由は、前記したとおり、300℃未満ではアリーリング処理の効果が不十分で、一方700℃を越えるとLiの揮発による組成の変化や粒成長等により電池性能に悪影響を及ぼすことから好ましくない。
アニーリング処理の処理時間は、通常1〜10時間、好ましくは3〜6時間である。また、アニーリング処理は、大気中、Ar、N2 等不活性雰囲気中又は酸素雰囲気中のいずれで行ってもよく、特に制限されない。
加熱処理終了後は、適宜冷却し、必要に応じ粉砕して前記一般式(1)で表されるリチウムマンガン系複合酸化物粉末を得る。なお、冷却は急冷を行うことが構造変化の抑制、結晶構造の安定化を容易に図れる点で好ましく、急冷を行う手段は特に制限されるものではないが、例えば加熱処理に用いた電気炉から試料を取り出し液体窒素中に浸す等の手段を用いることができる。
かくして得られるリチウムマンガン系複合酸化物粉末は、微細な一次粒子が集合してなる凝集体であり、その一次粒子は、走査型電子顕微鏡写真から求められる粒径が50nm以下、好ましくは1〜30nmであり、また、この一次粒子が集合した集合体は走査型電子顕微鏡写真から求められる平均粒径が200nm以下、好ましくは50〜150nmである。
このようにして得られる本発明のリチウムマンガン系複合酸化物は、正極、負極、セパレータ、及びリチウム塩を含有する非水電解質からなるリチウム二次電池の正極活物質として好適に用いることができる。
本発明に係るリチウム二次電池正極活物質は、上記リチウムマンガン系複合酸化物粉末が用いられる。正極活物質は、後述するリチウム二次電池の正極合剤の一原料である。なお、正極合剤は、正極活物質、導電剤、結着剤、及び必要に応じてフィラー等とからなる混合物である。
本発明に係るリチウム二次電池正極活物質粉末は、上述したような好ましい粒度特性を有するものを用いることにより、他の原料と共に混合して正極合剤を調製する際に混練が容易であり、また、得られた正極合剤を正極集電体に塗布する際の塗工性が容易になる。
本発明に係るリチウム二次電池は、正極、負極、セパレータ、及びリチウム塩を含有する非水電解質からなる。正極は、例えば、正極集電体上に正極合剤を塗布乾燥等して形成されるものであり、正極合剤は正極活物質、導電剤、結着剤、及び必要により添加されるフィラー等からなる。
本発明に係るリチウム二次電池は、正極に正極活物質である前記のリチウムコバルト系複合酸化物粉末が均一に塗布されているのが好ましい。リチウムコバルト系複合酸化物粉末の配合比率は、正極合剤中、85〜95重量%、好ましくは90〜95重量%である。このため本発明に係るリチウム二次電池は、特に負荷特性とサイクル特性の低下が生じ難い。
正極集電体としては、構成された電池において化学変化を起こさない電子伝導体であれば特に制限されるものでないが、例えば、ステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム、チタン、焼成炭素、アルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀を表面処理させたもの等が挙げられる。これらの材料の表面を酸化して用いてもよく、表面処理により集電体表面に凹凸を付けて用いてもよい。また、集電体の形態としては、例えば、フォイル、フィルム、シート、ネット、パンチングされたもの、ラス体、多孔質体、発砲体、繊維群、不織布の成形体などが挙げられる。集電体の厚さは特に制限されないが、1〜500μmとすることが好ましい。
導電剤としては、構成された電池において化学変化を起こさない電子伝導材料であれば特に限定はない。例えば、天然黒鉛及び人工黒鉛等の黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック類、炭素繊維や金属繊維等の導電性繊維類、フッ化カーボン、アルミニウム、ニッケル粉等の金属粉末類、酸化亜鉛、チタン酸カリウム等の導電性ウィスカー類、酸化チタン等の導電性金属酸化物、或いはポリフェニレン誘導体等の導電性材料が挙げられ、天然黒鉛としては、例えば、鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛及び土状黒鉛等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。導電剤の配合比率は、正極合剤中、1〜50重量%、好ましくは2〜30重量%である。
結着剤としては、例えば、デンプン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ジアセチルセルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフロオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体またはその(Na+)イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸共重合体またはその(Na+)イオン架橋体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体またはその(Na+)イオン架橋体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体またはその(Na+)イオン架橋体、ポリエチレンオキシドなどの多糖類、熱可塑性樹脂、ゴム弾性を有するポリマー等が挙げられ、これらは1種または2種以上組み合わせて用いることができる。なお、多糖類のようにリチウムと反応するような官能基を含む化合物を用いるときは、例えば、イソシアネート基のような化合物を添加してその官能基を失活させることが好ましい。結着剤の配合比率は、正極合剤中、1〜50重量%、好ましくは5〜15重量%である。
フィラーは正極合剤において正極の体積膨張等を抑制するものであり、必要により添加される。フィラーとしては、構成された電池において化学変化を起こさない繊維状材料であれば何でも用いることができるが、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素等の繊維が用いられる。フィラーの添加量は特に限定されないが、正極合剤中、0〜30重量%が好ましい。
負極は、負極集電体上に負極材料を塗布乾燥等して形成される。負極集電体としては、構成された電池において化学変化を起こさない電子伝導体であれは特に制限されるものでないが、例えば、ステンレス鋼、ニッケル、銅、チタン、アルミニウム、焼成炭素、銅やステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀を表面処理させたもの、及び、アルミニウム−カドミウム合金等が挙げられる。また、これらの材料の表面を酸化して用いてもよく、表面処理により集電体表面に凹凸を付けて用いてもよい。また、集電体の形態としては、例えば、フォイル、フィルム、シート、ネット、パンチングされたもの、ラス体、多孔質体、発砲体、繊維群、不織布の成形体などが挙げられる。集電体の厚さは特に制限されないが、1〜500μmとすることが好ましい。
負極材料としては、特に制限されるものではないが、例えば、炭素質材料、金属複合酸化物、リチウム金属、リチウム合金、ケイ素系合金、錫系合金、金属酸化物、導電性高分子、カルコゲン化合物、Li−Co−Ni系材料等が挙げられる。炭素質材料としては、例えば、難黒鉛化炭素材料、黒鉛系炭素材料等が挙げられる。金属複合酸化物としては、例えば、Snp1 1−pM2 qr (式中、M1 はMn、Fe、Pb及びGeから選ばれる1種以上の元素を示し、M2 はAl、B、P、Si、周期律表第1族、第2族、第3族及びハロゲン元素から選ばれる1種以上の元素を示し、0<p≦1、1≦q≦3、1≦r≦8を示す。)、LixFe23 (0≦x≦1)、LixWO2 (0≦x≦1)等の化合物が挙げられる。金属酸化物としては、GeO、GeO2 、SnO、SnO2 、PbO、PbO2 、Pb23 、Pb34 、Sb23 、Sb24 、Sb25 、Bi23 、Bi24 、Bi25 等が挙げられる。導電性高分子としては、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレン等が挙げられる。
セパレータとしては、大きなイオン透過度を持ち、所定の機械的強度を持った絶縁性の薄膜が用いられる。耐有機溶剤性と疎水性からポリプロピレンなどのオレフィン系ポリマーあるいはガラス繊維あるいはポリエチレンなどからつくられたシートや不織布が用いられる。セパレーターの孔径としては、一般的に電池用として有用な範囲であればよく、例えば、0.01〜10μmである。セパレターの厚みとしては、一般的な電池用の範囲であればよく、例えば5〜300μmである。なお、後述する電解質としてポリマーなどの固体電解質が用いられる場合には、固体電解質がセパレーターを兼ねるようなものであってもよい。
リチウム塩を含有する非水電解質は、非水電解質とリチウム塩とからなるものである。非水電解質としては、非水電解液、有機固体電解質、無機固体電解質が用いられる。非水電解液としては、例えば、N−メチル−2−ピロリジノン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロキシフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、蟻酸メチル、酢酸メチル、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、ジエチルエーテル、1,3−プロパンサルトン、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等の非プロトン性有機溶媒の1種または2種以上を混合した溶媒が挙げられる。
有機固体電解質としては、例えば、ポリエチレン誘導体、ポリエチレンオキサイド誘導体又はこれを含むポリマー、ポリプロピレンオキサイド誘導体又はこれを含むポリマー、リン酸エステルポリマー、ポリホスファゼン、ポリアジリジン、ポリエチレンスルフィド、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレン等のイオン性解離基を含むポリマー、イオン性解離基を含むポリマーと上記非水電解液の混合物等が挙げられる。
無機固体電解質としては、Liの窒化物、ハロゲン化物、酸素酸塩等を用いることができ、例えば、Li3 N、LiI、Li5 NI2 、Li3 N−LiI−LiOH、LiSiO4 、LiSiO4 −LiI−LiOH、Li2 SiS3 、Li4 SiO4 、Li4 SiO4 −LiI−LiOH、Li3 PO4 −Li2 S−SiS2 、硫化リン化合物等が挙げられる。
リチウム塩としては、上記非水電解質に溶解するものが用いられ、例えば、LiCl、LiBr、LiI、LiClO4 、LiBF4 、LiB10Cl10、LiPF6 、LiCF3 SO3 、LiCF3 CO2 、LiAsF6 、LiSbF6 、LiB10Cl10、LiAlCl4 、CH3 SO3 Li、CF3 SO3 Li、(CF3 SO22 NLi、クロロボランリチウム、低級脂肪族カルボン酸リチウム、四フェニルホウ酸リチウム、イミド類等の1種または2種以上を混合した塩が挙げられる。
また、非水電解質には、放電、充電特性、難燃性を改良する目的で、以下に示す化合物を添加することができる。例えば、ピリジン、トリエチルホスファイト、トリエタノールアミン、環状エーテル、エチレンジアミン、n−グライム、ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼン誘導体、硫黄、キノンイミン染料、N−置換オキサゾリジノンとN,N−置換イミダゾリジン、エチレングリコールジアルキルエーテル、アンモニウム塩、ポリエチレングルコール、ピロール、2−メトキシエタノール、三塩化アルミニウム、導電性ポリマー電極活物質のモノマー、トリエチレンホスホンアミド、トリアルキルホスフィン、モルフォリン、カルボニル基を持つアリール化合物、ヘキサメチルホスホリックトリアミドと4−アルキルモルフォリン、二環性の三級アミン、オイル、ホスホニウム塩及び三級スルホニウム塩、ホスファゼン、炭酸エステル等が挙げられる。また、電解液を不燃性にするために含ハロゲン溶媒、例えば、四塩化炭素、三弗化エチレンを電解液に含ませることができる。また、高温保存に適性を持たせるために電解液に炭酸ガスを含ませることができる。
本発明に係るリチウム二次電池は、電池性能、特に放電容量と容量維持率が高く、またサイクル特性に優れたリチウム二次電池となる。電池の形状はボタン、シート、シリンダー、角、コイン型等いずれの形状であってもよい。
本発明に係るリチウム二次電池の用途は、特に限定されないが、例えば、ノートパソコン、ラップトップパソコン、ポケットワープロ、携帯電話、コードレス子機、ポータブルCDプレーヤー、ラジオ、液晶テレビ、バックアップ電源、電気シェーバー、メモリーカード、ビデオムービー等の電子機器、自動車、電動車両、ゲーム機器等の民生用電子機器が挙げられる。
以下、実施例を示し本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1〜5及び比較例1〜2
LiOHとして4M/Lの濃度の水溶液(LiOH・H2 O:8.3920gを50mlの超純水で溶解させたもの)50ml中に、それぞれγ−MnOOH(TOSOH Co.Ltd)0.6996g(7.96×10-3M)及びα−FeOOH(TOSOH Co.Ltd)0.7109g(8.00×10-3M)を反応容器に仕込んだ。
次いで、温度自動制御オートクレーブ(東京衡機製)を用いて、密封容器内で100℃で20時間、0.5MPaの加圧下に20時間水熱合成を行った。合成後室温まで自然放冷後、反応容器に用いたテフロン(登録商標)容器を取り出し、残存するリチウムを除去するために、超純水で試料を十分に洗浄・濾過し、100℃で一晩乾燥した。得られた試料をXRD、ICP発光分析で分析した結果、Li0.38[Mn0.5 Fe0.47]O2.14の組成を有するリチウムマンガン系複合酸化物を得た。得られたリチウムマンガン系複合酸化物の粒子構造を示す走査電子顕微鏡(SEM)写真を図4に示す。粒子は針状粒子と球状粒子が混在しており、その平均粒径は100nmである。このリチウムマンガン系複合酸化物を比較例2とした。
次いで、上記水熱合成法で得られた試料を、圧着器を用いて粉末試料をペレット化し(1.5ton/cm2 )、電気炉を用いてアルゴン雰囲気下、表1に示した種々の温度で3時間のアニーリング処理を施した。次いで電気炉より坩堝を取りだし、これを液体窒素に浸すことにより急冷した。次いで乳鉢を用いてペレットを粉砕したものを正極材料とした。
得られたリチウムマンガン系複合酸化物粉末の組成、一次粒子の平均粒径および凝集体の平均粒径を表1に示す。
得られたリチウムマンガン系複合酸化物粉末の粒子構造を示す走査電子顕微鏡(SEM)写真を図1〜3に示す。図1は実施例2(400℃で処理)、図2は実施例4(600℃で処理)、図3は比較例1(800℃で処理)の粒子を示す。なお、表1中の凝集体の粒径はSEM写真から求めた一次粒子が集合した凝集体の平均粒径を示す。また、アニーリング処理を施さないものを比較例2とした。
アニーリング処理温度と粒子形状及び粒子径の関係は、図4のアニーリング処理を施さない試料は前述したように、針状粒子と球状粒子が混在した状態にある。図1の実施例2の400℃のアニーリングでは針状粒子もわずかに観察できるが,球状粒子が大きく凝集し、二次粒子を形成していることが分かる。また、図2の実施例4の600℃のアニーリングでは針状粒子は消失し、球状粒子のみが凝集した状態にある。さらに、図3の比較例1の高温の800℃のアニーリングになると、粒子サイズは500〜600nmに急激に成長し、さらに粒子形状は、これまで球状粒子だつたものから、六角形型の板状粒子が積層し、凝集している状態に一変した。視覚的にも800℃アニーリング処理になると,物性も大きく異なることが予想できる。
次に、得られたリチウムマンガン系複合酸化物粉末のX線回折パタ−ンを図5に示す。X線回折の測定は、CuKα線を用いて、スキャンスピード4°/min、スキャンステップ0.01°、管電圧20KV、管電流40mAの条件下で行なった。
図5に示す様に、水熱処理で合成温度を高くしたときは、前述した通り、斜方晶相の生成を確認したが、このアニーリング処理では温度が高くなるにつれ、斜方晶相から単斜晶相への相変化を確認した。300〜600℃で得られた試料は単斜晶相のLiMnO2の回折パターンに類似しており、わずかな不純物相と混在している状態にある。また、鉄源に用いているα−FeOOHは高温側では電気化学的に不活性なα−LiFeO2に変化することが知られている。700℃以上ではピークは急激に大きくなり結晶性も増していることが考えられるが、単斜晶LiMnO2の生成と共に、電気化学的に不活性なα−LiFeO2も同時に生成していると考えられる。
また、実施例1〜5は、いずれもCuKα線のX線回折パタ−ンの2θ=18.7°、33.6°、35.6°、44.3°、49.5°、54.1°、57.5°、58.8°、64.8°にピークを有することが認められる。
<電池性能の評価>
(リチウム二次電池の作製)
実施例1〜5、比較例1〜2のリチウムマンガン系複合酸化物粉末試料70重量%、黒鉛粉末20重量%、ポリフッ化ビニリデン10重量%混合して正極合剤とし、これをN−メチル−2−ピロリジノンに分散させて混練ペーストを調製した。該混練ペーストをアルミ箔に塗布した後、乾燥、プレスして直径15mmの円盤に打ち抜いて正極板を得た。この正極板を用いて、セパレーター、負極、集電板、取り付け金具、外部端子、電解液等の各部材を用いてリチウム二次電池を作製した。負極は、結晶化度の高いカーボンを用い、電解液にはエチルメチルカーボネートとエチレンカーボネートの1:1混合液1リットルにLiPF6 を溶解したものを使用した。
(評価)
(a)定電流操作下での電位変化と容量変化の関係(dQ/dV曲線)
このように調製したリチウム二次電池を作動させた。実施例2、実施例3、比較例1及び比較例2のリチウムマンガン系複合酸化物粉末を正極活物質として用いた電池につき、定電流操作下での電位変化と容量変化を示すdQ/dV曲線を図6〜図9にそれぞれ示した。
図6〜図9の結果、アニーリング処理を施すことで1.7Vの還元ピークは消失してしまったが(図6、図7及び図8)、アニーリング温度が高くなるにつれて3.2、2.8Vの酸化還元ピークは除々に大きくなり、水熱合成のみで得られた試料(図9)とは、挙動が大きく異なっていることが分かる。また、本発明の実施例で得られたリチウムマンガン系複合酸化物粉末を正極活物質として用いたリチウム二次電池は、サイクルが進行することで多少反応電位が酸化反応で卑、還元反応で貴にシフトしているが、50サイクル後でも十分な酸化還元反応が起こっていることが分かる(図6、図7)。
(b)定電流操作下での容量変化と電位変化の関係(充放電カーブ)
実施例1〜実施例4、比較例1及び比較例2のリチウムマンガン系複合酸化物粉末を正極活物質として用いたリチウム二次電池につき充放電カーブを図10〜図15にそれぞれ示した。なお、図中の「th」はサイクル数を示す。
図10〜図15の結果、800℃のアニーリングでは非常に不規則なカーブ挙動を描き、50サイクル後は不活性な材料となった(図14)。一方、実施例1〜4(図10、図11、図12、図13)のものは低電位側(1.7V)の還元プラトーが消失する代わりに、3V領域の酸化還元プラトーが、水熱処理のみの試料(図15)より非常に非常に明確化し、加えて、酸化還元のヒステリシスも非常に小さくなっていることが分かる。初期容量こそアニーリングなしの試料より低くなったが、放電過程、つまり還元過程においてこれまで2段階で反応していたものをアニーリング処理を用いて1段階に制御し得たことで、サイクリング中の構造変化の抑制に成功したものと考えられる。更に、XRD(図5参照)からもアニーリングによって結晶相が安定化する傾向があり、構造変化の抑制、構造の安定化ということを、このアニーリングすることで解決できたものと考えられる。
(c)種々の温度下における水熱処理試料とアニーリング処理試料のサイクル特性の比較
さらにアニーリング効果を明確にするために、横軸にサイクル数、縦軸に放電容量をプロットしたサイクル特性を図16に示す。
電池特性に対するアニーリング効果は明らかで、300〜700℃のアニーリング処理を施すことで、ほぼ平坦で良好なサイクル挙動を描いていることから容量保持率は向上していることが分かる。特に400℃でアニーリング処理を施した試料では、約170mAh/gの放電容量で50サイクル後でも優れたサイクル特性を有していることが分かる。
本発明のリチウムマンガン系複合酸化物粉末は、特にリチウム二次電池の正極活物質として有用であり、また、本発明のリチウムマンガン系複合酸化物粉末を正極活物質とするリチウム二次電池に利用することができる。
実施例2(400℃)で得られたリチウムマンガン系複合酸化物粉末の粒子構造を示す走査電子顕微鏡写真である。 実施例4(600℃)で得られたリチウムマンガン系複合酸化物粉末の粒子構造を示す走査電子顕微鏡写真である。 比較例1(800℃)で得られたリチウムマンガン系複合酸化物粉末の粒子構造を示す走査電子顕微鏡写真である。 比較例2で得られたアニーリング処理を施さないリチウムマンガン系複合酸化物の粒子構造を示す走査電子顕微鏡写真である。 実施例1〜5及び比較例1〜2で得られたリチウムマンガン系複合酸化物粉末のX線回折図である。 実施例2で得られたリチウムマンガン系複合酸化物粉末を正極活物質とするリチウム二次電池の定電流操作下での電位変化と容量変化の関係を示す図である。 実施例3で得られたリチウムマンガン系複合酸化物粉末を正極活物質とするリチウム二次電池の定電流操作下での電位変化と容量変化の関係を示す図である。 比較例1で得られたリチウムマンガン系複合酸化物粉末を正極活物質とするリチウム二次電池の定電流操作下での電位変化と容量変化の関係を示す図である。 比較例2で得られたリチウムマンガン系複合酸化物粉末を正極活物質とするリチウム二次電池の定電流操作下での電位変化と容量変化の関係を示す図である。 実施例1で得られたリチウムマンガン系複合酸化物粉末を正極活物質とするリチウム二次電池の充放電カーブ図である。 実施例2で得られたリチウムマンガン系複合酸化物粉末を正極活物質とするリチウム二次電池の充放電カーブ図である。 実施例3で得られたリチウムマンガン系複合酸化物粉末を正極活物質とするリチウム二次電池の充放電カーブ図である。 実施例4で得られたリチウムマンガン系複合酸化物粉末を正極活物質とするリチウム二次電池の充放電カーブ図である。 比較例1で得られたリチウムマンガン系複合酸化物粉末を正極活物質とするリチウム二次電池の充放電カーブ図である。 比較例2で得られたリチウムマンガン系複合酸化物粉末を正極活物質とするリチウム二次電池の充放電カーブ図である。 実施例1〜5及び比較例1〜2で得られたリチウムマンガン系複合酸化物粉末を正極活物質とするリチウム二次電池のサイクル特性を示す図である。

Claims (11)

  1. リチウム化合物と、マンガン化合物と、Fe、Ni及びCoから選ばれる金属元素を含む1種又は2種以上の遷移金属化合物とを水溶媒中で温度100〜200℃で、圧力0.5〜2.0MPaの加圧下に反応させて生成したリチウムマンガン系複合酸化物を、300〜700℃で加熱処理して得られた下記一般式(1)で表されるリチウムマンガン系複合酸化物粉末。
    (式中、MeはFe、Ni及びCoから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素であり、xは0.2≦x≦0.6、yは0.4≦y≦0.6、zは0.4≦z≦0.6、aは1.9≦a≦2.3を示す。)
  2. 前記複合酸化物粉末は、一次粒子の凝集体からなり、前記一次粒子の平均粒径が50nm以下で、凝集体の平均粒径が200nm以下である請求項1に記載のリチウムマンガン系複合酸化物粉末。
  3. 前記複合酸化物粉末は、CuKα線のX線回折パタ−ンの2θ=18.7°、33.6°、35.6°、44.3°、49.5°、54.1°、57.5°、58.8°、64.8°にピークを有する請求項1に記載のリチウムマンガン系複合酸化物粉末。
  4. 前記一般式(1)の式中のMeがFeである請求項1記載のリチウムマンガン系複合酸化物粉末。
  5. 水熱合成法で下記一般式(2)
    (式中、MeはFe、Ni及びCoから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素であり、xは0.2≦x≦0.6、yは0.4≦y≦0.6、zは0.4≦z≦0.6、aは1.9≦a≦2.3を示す。)
    で表されるリチウムマンガン系複合酸化物を得る工程、得られたリチウムマンガン系複合酸化物を300〜700℃で加熱処理する工程を有することを特徴とする下記一般式(1)で表されるリチウムマンガン系複合酸化物粉末の製造方法。
    (式中、MeはFe、Ni及びCoから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素であり、xは0.2≦x≦0.6、yは0.4≦y≦0.6、zは0.4≦z≦0.6、aは1.9≦a≦2.3を示す。)
  6. 前記一般式(2)で表わされるリチウムマンガン系複合酸化物は、リチウム化合物と、マンガン化合物と、Fe、Ni及びCoから選ばれる金属元素を含む1種又は2種以上の遷移金属化合物とを水溶媒中で加圧下に反応させることにより得られる請求項5記載のリチウムマンガン系複合酸化物粉末の製造方法。
  7. 前記一般式(2)で表わされるリチウムマンガン系複合酸化物は、リチウムを含む水溶液に、マンガン化合物と、Fe、Ni及びCoから選ばれる金属元素を含む1種又は2種以上の遷移金属化合物を添加し、水溶媒中で100〜300℃で加圧下に反応させることにより得られる請求項5または6に記載のリチウムマンガン系複合酸化物粉末の製造方法。
  8. マンガン化合物及び遷移金属化合物がオキシ水酸化物である請求項5乃至7のいずれかの項に記載のリチウムマンガン系複合酸化物粉末の製造方法
  9. 請求項1乃至4のいずれかに記載のリチウムマンガン系複合酸化物粉末を含むことを特徴とするリチウム二次電池正極活物質。
  10. 請求項9記載のリチウム二次電池正極活物質粉末を用いることを特徴とするリチウム二次電池。
  11. リチウム化合物と、マンガン化合物と、Fe、Ni及びCoから選ばれる金属元素を含む1種又は2種以上の遷移金属化合物とを水溶媒中で温度100〜200℃で、圧力0.5〜2.0MPaの加圧下に反応させることを特徴とする下記一般式(2)で表されるリチウムマンガン系複合酸化物の製造方法。
    (式中、MeはFe、Ni及びCoから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素であり、xは0.2≦x≦0.6、yは0.4≦y≦0.6、zは0.4≦z≦0.6、aは1.9≦a≦2.3を示す。)
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