JP4360143B2 - リチウム二次電池用活物質の製造方法 - Google Patents

リチウム二次電池用活物質の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4360143B2
JP4360143B2 JP2003276053A JP2003276053A JP4360143B2 JP 4360143 B2 JP4360143 B2 JP 4360143B2 JP 2003276053 A JP2003276053 A JP 2003276053A JP 2003276053 A JP2003276053 A JP 2003276053A JP 4360143 B2 JP4360143 B2 JP 4360143B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
secondary battery
lithium secondary
active material
sample
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003276053A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005038772A (ja
Inventor
匠昭 奥田
厳 佐々木
良雄 右京
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Central R&D Labs Inc
Priority to JP2003276053A priority Critical patent/JP4360143B2/ja
Publication of JP2005038772A publication Critical patent/JP2005038772A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4360143B2 publication Critical patent/JP4360143B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

本発明は,リチウム二次電池等の電極に用いるリチウム二次電池用活物質の製造方法に関する。
近年におけるパソコン,ビデオカメラ及び携帯電話等の情報関連機器や通信機器等の急速な普及に伴い,その電源として優れたリチウム二次電池の開発が重要視されている。また,上記情報関連機器や通信関連機器以外の分野としては,例えば自動車産業界においても,低公害車としての電気自動車やハイブリッド自動車用の高出力かつ高容量のリチウム二次電池の開発が進められている。
しかし,現在市販されているリチウム二次電池は,有機溶剤を溶媒とする有機電解液が使用されているため,短絡時などに発火や破裂の危険性を有している。これは,いわゆるLiポリマー電池と呼ばれるものでも本質的には同じであり,この場合は正極を隔てるセパレータに有機電解液を含浸させたポリマーを用いているだけで,短絡時の発火や破裂の危険性はほとんど変わらない。特に,車載用の大型電池の場合には,危険性が高いので発火や破裂の問題は深刻である。
上記のような発火及び破裂の問題を解決するために,電解質にLiイオン導電性を有する固体を用いた全固体型リチウム二次電池の開発が検討されている。全固体型リチウム二次電池は,電池内に可燃性の有機溶媒を用いないので,短絡時などの発火及び破裂の危険性が極めて低く,安全性に優れると考えられている。しかし,全固体型リチウム二次電池に用いられる固体電解質はLiイオンの伝導性が低いため,実用的なレベルで電流が取り出せる全固体型リチウム二次電池は未だ開発されていない。
したがって,全固体型二次電池の充放電電流密度を向上させるためには,固体電解質のLiイオンの伝導性の向上と併せて,反応面積,即ち電池活物質と固体電解質との接触面積を増大させることが必用である。
一方,有機電解液を用いたリチウム二次電池においては,その電池活物質としてスピネル型リチウムマンガン複合酸化物(以下,適宜マンガンスピネルという)が用いられてきた。このようなマンガンスピネルをリチウム二次電池の活物質として用いる際には,有機電解液へのMnの溶出を防止する観点から,一般的に一次粒子径が0.5μm〜5μmで二次粒子が5〜30μmのものが用いられる(特許文献1参照)。
しかしながら,上記従来のマンガンスピネルは,反応面積が小さく,充分な電流密度を得ることができなかった。そのため,全固体型リチウム二次電池の活物質として用いることはできなかった。
特開平10−321227号公報
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,反応面積が大きく,かつ電流密度及び電位が高く,また全固体型リチウムイオン二次電池に用いることができるリチウム二次電池用活物質の製造方法を提供しようとするものである。
参考発明は,組成式がLixMn2-yNiy4(0.9≦x≦1.1,0.4≦y≦0.6)で表されるスピネル型構造のリチウムマンガン複合酸化物の粒子からなり,
該粒子は,その平均直径が100nm以下であり,かつ単分散していることを特徴とす
るリチウム二次電池用活物質にある。
上記リチウム二次電池用活物質は,上記特定の組成式で表されるスピネル型構造のリチウムマンガン複合酸化物の粒子からなり,該粒子の平均直径(一次粒子径)が100nm以下である。そして,該粒子は,単分散粒子であり,一次粒子の凝集等によって二次粒子を形成することなく,一次粒子のままで分散している。
そのため,上記リチウム二次電池用活物質は,リチウムが挿入脱離する反応面積が非常に大きい。それ故,反応速度が速くなり,大きな電流での充放電が可能となり,安定に電池容量を維持できる。
また,上記リチウム二次電池用活物質は,電解液を含有していない全固体型リチウム二
次電池の活物質に用いることができる。即ち,一般に全固体型リチウム二次電池において
は電解質のイオン導電性が小さくなるが,参考発明のように,微小な粒子よりなる上記リチ
ウム二次電池用活物質を用いると,活物質の比表面積,即ち反応面積を大きくすることが
できるため,全固体型リチウム二次電池への適用が非常に有効となる。
また,上記リチウム二次電池用活物質は,上記のごとく,特定組成のリチウムマンガン複合酸化物よりなる。そのため,Liに対して4.5V以上という高い電池電圧を達成することができる。それ故,全固体型リチウム二次電池の正極活物質として非常に有用である。
このように,参考発明によれば,反応面積が大きく,かつ電流密度及び電位が高く,また全固体型リチウムイオン二次電池に用いることができるリチウム二次電池用活物質を提供することができる。
本発明は,組成式がLixMn2-yNiy4(0.9≦x≦1.1,0.4≦y≦0.6)で表されるスピネル型構造のリチウムマンガン複合酸化物の粒子からなるリチウム二次電池用活物質の製造方法であって,
Mnイオン及びNiイオンを陽イオンとする塩を水に溶解させてなるMn・Ni塩水溶液と,LiOHをH22水溶液に溶解させてなるLiOH・H22水溶液とを,Niに対するMnのモル比が2.33〜4となり,かつMnとNiの合計量に対するLiのモル比が1〜10となるような混合比で混合し,上記リチウムマンガン複合酸化物の前駆体を析出させる析出工程と,
該前駆体を含む水溶液を温度120〜200℃にて5分以上加熱する水熱処理を行うことによって,上記リチウムマンガン複合酸化物からなる粒子を得る水熱合成工程と,
上記粒子を温度400〜700℃にて焼成する焼成工程とを有することを特徴とするリチウム二次電池用活物質の製造方法にある(請求項1)。
本発明においては,上記析出工程後に上記水熱合成工程を行っている。
そのため,上記析出工程にて得られる上記前駆体を含む溶液を,上記水熱合成工程にて
水熱処理する際に,溶解と析出とを繰り返して結晶化が起こるため,粒成長が進みにい。
それ故,平均直径が例えば100nm以下という非常に小さく,かつ単分散した粒子を得
ることができる。
また,上記焼成工程においては,温度400℃〜700℃という低温にて焼成を行っている。そのため,上記水熱合成工程にて得られた微小な粒子を粒成長させることなく,その微小な形状を保持させつつ,上記リチウム二次電池用活物質の容量を増大させることができる。
また,本発明の製造方法によれば,上記参考発明のリチウム二次電池用活物質を容易に得ることができる。ここで得られたリチウム二次電池用活物質は,上記参考発明と同様の効果を示すことができる。
即ち,本発明によれば,反応面積が大きく,かつ電流密度及び電位が高く,また全固体型リチウムイオン二次電池に用いることができるリチウム二次電池用活物質の製造方法を提供することができる。
本発明においては,上記リチウム二次電池用活物質は,組成式がLixMn2-yNiy4(0.9≦x≦1.1,0.4≦y≦0.6)で表されるスピネル型構造のリチウムマンガン複合酸化物の粒子からなる。
上記組成式中のx,yがそれぞれ上記の範囲から外れる場合には,上記リチウム二次電池用活物質の容量又は電位が低下するおそれがある。
また,上記リチウム二次電池用活物質は,平均直径が100nm以下の粒子よりなる。
平均直径が100nmを超える場合には,全固体型リチウム二次電池に適用したときに,電池容量が小さいものしか得られないおそれがある。
好ましくは,上記粒子の平均直径は,10〜50nmの範囲がよい。
この場合には,上記リチウム二次電池用活物質の反応速度がより向上し,急速充放電などの電池特性を向上させることができる。
次に,本発明において,Mnイオンを陽イオンとする塩としては,例えばマンガンの硝酸塩や硫酸塩等がある。
また,Niイオンを陽イオンとする塩としては,ニッケルの硝酸塩や硫酸塩等がある。
また,上記析出工程においては,Niに対するMnのモル比が2.33〜4となり,かつMnとNiの合計量に対するLiのモル比が1〜10となるような混合比で,上記Mn・Ni塩水溶液と上記LiOH・H22水溶液とを混合する。
Niに対するMnのモル比が2.33未満の場合には,所望の高電位のリチウム二次電池用活物質が得られないおそれがある。一方,Niに対するMnのモル比が4を超える場合には,上記リチウム二次電池用活物質の容量が低下するおそれがある。
また,MnとNiの合計量(モル)に対するLiのモル比が1未満の場合には,上記組成式LixMn2-yNiy4(0.9≦x≦1.1,0.4≦y≦0.6)で表されるスピネル型構造のリチウムマンガン複合酸化物が得られないおそれがある。一方,MnとNiの合計量に対するLiのモル比が10を超える場合には,スピネル型構造以外の副産物が合成されるおそれがある。
また,上記水熱合成工程においては,上記析出工程後に得られる,上記前駆体を含む水溶液を温度120〜200℃にて5分以上加熱する水熱処理を行う。
上記水熱処理の温度が120℃未満の場合には,反応が進行しないおそれがある。一方,200℃を超える場合には,スピネル型構造以外の副産物が合成されるおそれがある。また,上記水熱処理の時間が5分間未満の場合には,反応が完了せず,所望のリチウムマンガン複合酸化物が得られないおそれがある。
また,上記水熱合成工程における上記水熱処理は,上記前駆体を含む水溶液を密閉容器内に入れて密閉状態で行うことが好ましい(請求項2)。
この場合には,内圧上昇に伴って溶解度が上昇するため,反応速度を増大させることができる。また,溶媒としての水の蒸発を防止することができる。
また,上記水熱合成工程においては,上記前駆体を含む水溶液を加熱するときの加熱源として,例えば電磁波や電気炉等を用いることができる。
また,上記焼成工程においては,上記水熱合成工程後に得られる上記粒子を温度400℃〜700℃にて焼成する。
焼成温度が400℃未満の場合には,焼成が充分に行われず,上記リチウム二次電池用活物質の容量が低下するおそれがある。一方,700℃を超える場合には,焼成時に粒成長が進行して上記粒子が大きくなるおそれがある。
(実施例1)
次に,本発明の実施例につき,図1及び図2を用いて説明する。
本例においては,まず,基本となる組成式がLi1.0Mn1.5Ni0.54で表されるスピネル型構造のリチウムマンガン複合酸化物の粒子からなるリチウム二次電池用活物質を作製する。
上記リチウム二次電池用活物質の粒子は,その平均直径が100nm以下であり,かつ単分散している。
本例のリチウム二次電池用活物質の製造方法においては,析出工程と,水熱合成工程と,焼成工程とを行う。
析出工程においては,Mnイオン及びNiイオンを陽イオンとする塩を水に溶解させてなるMn・Ni塩水溶液と,LiOHをH22水溶液に溶解させてなるLiOH・H22水溶液とを,Niに対するMnのモル比が3となり,かつMnとNiの合計量に対するLiのモル比が5となるような混合比で混合し,上記リチウムマンガン複合酸化物の前駆体を析出させる。
次いで,水熱合成工程においては,前駆体を含む水溶液を温度120〜200℃にて5分以上加熱する水熱処理を行うことによって,上記リチウムマンガン複合酸化物からなる粒子を得る。
次に,焼成工程においては,粒子を温度400〜700℃にて焼成する。
以下,本例のリチウム二次電池用活物質の製造方法につき,詳細に説明する。
まず,1.0MのMn(NO32水溶液22.5mLと1.0MのNi(NO32水溶液7.5mLの混合水溶液をスターラーで撹拌しつつ,150mLの1.0MのLiOH/3wt%H22水溶液を混合させたあとに,5分間反応させて複合酸化物の前駆体を析出させた(析出工程)。
続いて,この前駆体を混合溶液ごとテフロン(登録商標)製の密閉容器に入れ,2.45GHzの電磁波を照射し,混合溶液の温度を160℃で30分間保持する水熱処理を施した(水熱合成工程)。その後,室温になるまで放置したあとに,ろ過,水洗,乾燥を行い,スピネル型リチウムマンガン複合酸化物(マンガンスピネル)を得た。
次に,上記にて得られたマンガンスピネルを酸素雰囲気中にて,温度600℃で10時間焼成し,室温まで冷却放置した後に解砕して,スピネル型リチウムマンガン複合酸化物の粒子よりなるリチウム二次電池用活物質を得た。これを試料E1とする。
試料E1のSEM(走査型電子顕微鏡)写真を図1に示す。
図1より,マンガンスピネルに特有の八面体の結晶であること,粒子径が約40nmと非常に小さいこと,二次粒子状を呈さず単分散粒子であることがわかる。また,試料E1がマンガンスピネルであることは,X線回折パターンからも確認された。
次に,上記試料E1を正極活物質として用いてコイン型のリチウム二次電池を作製する。
図2に示すごとく,本例のリチウム二次電池1は,正極活物質を含有してなる正極2と負極活物質を含有してなる負極3と,正極2及び負極3の間に狭装されたセパレータ4とを,コイン型の電池ケース11内に有している。電池ケース11内の端部には,ガスケット5が配置されており,電池ケースは封口板12により密封されている。
次に,このコイン型のリチウム二次電池1の製造方法につき,説明する。
具体的には,まず,試料E1と,導電助材としてのカーボンブラックと,バインダとしてのテフロン(登録商標)とをそれぞれ70/25/5wt%で混合し,この混合物14mgをφ10mmペレット状に成形し,温度200℃にて10時間真空乾燥して,正極2を作製した。
負極3としては,金属リチウムを用いた。
また,セパレータ4としては,PE(ポリエチレン)製の厚み25μmのものを用い,電解液としては,エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを体積比1:1にて混合した混合溶媒に,LiPF6を溶解させて濃度を1Mとした溶液を用いた。
次に,図2に示すごとく,上記にて作製した正極2と負極3とをセパレータ4により隔てる形で電池ケース11内に配置した。
そして,電池ケース11内の端部にガスケット5を配置し,さらに電池ケース11内に電解液を適量注入して含浸させた。続いて,封口板12を配置し,電池ケース11の端部をかしめ加工することにより,電池ケース11を密封して,リチウム二次電池1を作製した。これを試料Ea1とする。
次に,上記にて得られたコイン型のリチウム二次電池(試料Ea1)の放電容量を調べるために,下記の充放電試験を行った。
具体的には,コイン型電池を用いて,温度20℃にて電流密度を0.1〜2.0mA/cm2の間で変化させて充放電を行い,放電容量の変化を測定した。他の充放電条件は,4.9VCC充電/3.0VCC放電とした。CC充電とは定電流充電,CC放電とは定電流放電である。
下記の表1に,試料Ea1についての充放電容量の電流密度依存性を示す。
また,比較のため,市販のスピネル型リチウムマンガン複合酸化物粒子を正極活物質に用いて,試料Ea1と同様にしてコイン型のリチウム二次電池(試料Ca1)を作製し,この比較用のリチウム二次電池についても,上記と同様にして,充放電試験を行った。下記の表1に,試料Ca1についての充放電容量の電流密度依存性を示す。
なお,市販のスピネル型リチウムマンガン複合酸化物粒子は,一次粒子が0.5μm,二次粒子が10μmのものである。
表1より知られるごとく,粒子径の大きな市販の複合酸化物粒子を用いたリチウム二次電池試料(C1a)においては,電流密度の増加に伴って,放電容量が大きく低下しており,電流密度が2.0mA/cm2のときには,0.1mA/cm2のときの67%になった。
これに対し,試料Ea1においては,2.0mA/cm2の条件においても0.1mA/cm2の94%以上放電容量を維持していた。これは,反応面積の大きな増加により,反応抵抗が減少したことに起因すると考えられる。
したがって,上記試料E1のリチウム二次電池用活物質を全固体型リチウム二次電池に適用することにより,充放電電流密度を向上できることがわかる。
なお,本例においては,水熱処理の加熱源に電磁波を用いたが,一般的な電気炉加熱による水熱処理でもほぼ同じナノオーダーのマンガンスピネルが得られることを確認している。
(実施例2)
次に,本例では,上記水熱合成工程後に,焼成工程を行わずにマンガンスピネルを作製し,また,実施例1とは焼成工程の温度を変えてマンガンスピネルを作製し,これらのマンガンスピネルを用いてリチウム二次電池を作製してその特性を評価する。
まず,実施例1と同様にして,析出工程及び水熱合成工程を行い,スピネル型リチウムマンガン複合酸化物を作製した。これを試料C2とした。
また,実施例1と同様にして,析出工程及び水熱合成工程を行い,その後,焼成温度を変えて10時間の焼成工程を行い,4種類のスピネル型リチウムマンガン複合酸化物を作製した。これらをそれぞれ試料E2〜試料E5とした。
試料E2〜試料E5は,それぞれ温度500℃,700℃,800℃,及び900℃にて10時間焼成したものである。
上記試料C1,試料E2〜試料E5,及び実施例1にて作製した試料E1のスピネル型リチウムマンガン複合酸化物の粒子径を図3に示す。
図3において,横軸は,焼成工程における焼成温度を示し,縦軸は,各試料におけるスピネル型リチウムマンガン複合酸化物の粒子の平均粒子径を示す。なお,横軸における左端は,焼成を行わなかったこと(水熱合成工程のみであること)を表す。
図3より知られるごとく,水熱合成工程後に温度700℃以下にて焼成を行うと,スピネル型リチウムマンガン複合酸化物の粒子の平均粒子径を100nm以下にできることがわかる。一方,800℃以上にて焼成を行うと,平均粒径が100nmを越えており,焼成時に粒成長していることがわかる。
次に,上記試料E2及び試料C2を正極活物質として用いて,コイン型のリチウム二次電池を作製した。作製方法は,実施例1と同様にして行った。
ここで,試料E2を用いて,作製したリチウム二次電池を試料Ea2とし,試料C2を用いて作製したリチウム二次電池を試料Ca2とした。
次に,上記試料Ea2,試料Ca2,並びに上記実施例1にて作製した試料Ea1及び試料Ca1の4種類のコイン型のリチウム二次電池について,充放電試験を行った。充放電試験は,温度20℃,CC/CC,4.9V/3.0V,0.1mA/cm2という条件にて行った。
その結果を図4に示す。
図4において,横軸は,放電容量(mAh/g)を示し,縦軸は電圧(V)を示す。
図4より知られるごとく,焼成を行わずに作製したスピネル型リチウムマンガン複合酸化物(試料C2)を用いて作製したリチウム二次電池(試料Ca2)は,市販品のスピネル型リチウムマンガン複合酸化物を用いたリチウム二次電池(試料Ca1)に比べて放電容量が少なく,かつ4.7V近傍のプラトーがなく平均放電電圧も低いものであった。
一方,500℃にて焼成を行った試料E2のスピネル型リチウムマンガン複合酸化物を用いて作製したリチウム二次電池(試料Ea2)は,4.7V近傍にプラトーが出現し平均放電電圧が高く,放電容量もかなり上昇していた。
また,600℃にて焼成を行った試料E1のスピネル型リチウムマンガン複合酸化物を用いて作製したリチウム二次電池(試料Ea1)は,放電容量及び平均放電電圧が共に試料Ca1と同等にまで増大していた。
このことから,水熱合成工程後に焼成工程を温度700℃以下にて行うことにより,放電容量及び平均放電電圧の高い活物質を得ることができることがわかる。
実施例1にかかる,スピネル型リチウムマンガン複合酸化物(試料E1)の粒子のSEM写真。 実施例1にかかる,コイン型のリチウム二次電池の構成を示す説明図。 実施例2にかかる,焼成温度を変えて作製した各種スピネル型リチウムマンガン複合酸化物(試料E1〜試料E5)及び焼成を行わずに作製したスピネル型リチウムマンガン複合酸化物(試料C2)の平均粒径を示す説明図。 実施例2にかかる,焼成温度を変えて作製した各種スピネル型リチウムマンガン複合酸化物を用いて作製したリチウム二次電池の電圧と放電容量との関係を示す説明図。
符号の説明
1 リチウム二次電池
2 正極
3 負極
4 セパレータ
11 電池ケース

Claims (2)

  1. 組成式がLi x Mn 2-y Ni y 4 (0.9≦x≦1.1,0.4≦y≦0.6)で表されるスピネル型構造のリチウムマンガン複合酸化物の粒子からなるリチウム二次電池用活物質の製造方法であって,
    Mnイオン及びNiイオンを陽イオンとする塩を水に溶解させてなるMn・Ni塩水溶液と,LiOHをH 2 2 水溶液に溶解させてなるLiOH・H 2 2 水溶液とを,Niに対するMnのモル比が2.33〜4となり,かつMnとNiの合計量に対するLiのモル比が1〜10となるような混合比で混合し,上記リチウムマンガン複合酸化物の前駆体を析出させる析出工程と,
    該前駆体を含む水溶液を温度120〜200℃にて5分以上加熱する水熱処理を行うことによって,上記リチウムマンガン複合酸化物からなる粒子を得る水熱合成工程と,
    上記粒子を温度400〜700℃にて焼成する焼成工程とを有することを特徴とするリチウム二次電池用活物質の製造方法
  2. 請求項1において,上記水熱合成工程における上記水熱処理は,上記前駆体を含む水溶液を密閉容器内に入れて密閉状態で行うことを特徴とするリチウム二次電池用活物質の製造方法。
JP2003276053A 2003-07-17 2003-07-17 リチウム二次電池用活物質の製造方法 Expired - Fee Related JP4360143B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003276053A JP4360143B2 (ja) 2003-07-17 2003-07-17 リチウム二次電池用活物質の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003276053A JP4360143B2 (ja) 2003-07-17 2003-07-17 リチウム二次電池用活物質の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005038772A JP2005038772A (ja) 2005-02-10
JP4360143B2 true JP4360143B2 (ja) 2009-11-11

Family

ID=34212493

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003276053A Expired - Fee Related JP4360143B2 (ja) 2003-07-17 2003-07-17 リチウム二次電池用活物質の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4360143B2 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4748706B2 (ja) * 2004-09-22 2011-08-17 学校法人神奈川大学 リチウムマンガン系複合酸化物粉末、その製造方法、リチウム二次電池用正極活物質及びリチウム二次電池
JP5377981B2 (ja) 2006-02-17 2013-12-25 エルジー・ケム・リミテッド リチウム−金属複合酸化物及びこれを用いた電気化学素子
KR100873273B1 (ko) 2006-02-17 2008-12-11 주식회사 엘지화학 리튬-금속 복합산화물의 제조방법
JP4994725B2 (ja) * 2006-07-10 2012-08-08 独立行政法人産業技術総合研究所 リチウム複合金属酸化物の製造方法
KR101280319B1 (ko) * 2010-05-04 2013-07-01 한국세라믹기술원 수열합성법을 이용하여 리튬망간복합산화물을 합성하는 방법, 이에 의하여 제조된 리튬망간복합산화물 및 이를 사용하는 전기화학소자
JP6228975B2 (ja) * 2012-07-13 2017-11-08 ソルヴェイ(ソシエテ アノニム) 三重結合を有するフッ化カルボニル化合物、その製造方法、及びその使用
CN104201364A (zh) * 2014-09-15 2014-12-10 李建明 一种制备尖晶石型钛酸锂的方法
WO2016070205A2 (en) * 2014-10-31 2016-05-06 Csir Production of a spinel material
JP6443675B2 (ja) * 2015-03-04 2018-12-26 株式会社豊田自動織機 スピネル型結晶構造のLiaMxMnyO4粉末を含む正極及びリチウムイオン二次電池、並びにこれらの製造方法
JP6351524B2 (ja) * 2015-03-04 2018-07-04 株式会社豊田自動織機 スピネル型結晶構造のLiaMxMnyO4粉末並びにその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005038772A (ja) 2005-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107851793B (zh) 非水电解质二次电池用正极活性物质和非水电解质二次电池
WO2018020845A1 (ja) ニッケルマンガン複合水酸化物とその製造方法、非水系電解質二次電池用正極活物質とその製造方法、および非水系電解質二次電池
JP4840545B1 (ja) ニッケル複合水酸化物粒子および非水系電解質二次電池
JP4941617B2 (ja) ニッケル複合水酸化物粒子および非水系電解質二次電池
JP5590337B2 (ja) マンガン複合水酸化物粒子、非水系電解質二次電池用正極活物質、および非水系電解質二次電池と、それらの製造方法
WO2012131881A1 (ja) ニッケルマンガン複合水酸化物粒子とその製造方法、非水系電解質二次電池用正極活物質とその製造方法、および非水系電解質二次電池
JPWO2016017783A1 (ja) 非水系電解質二次電池用正極活物質とその製造方法
JPWO2016068263A1 (ja) ニッケル含有複合水酸化物とその製造方法、非水系電解質二次電池用正極活物質とその製造方法、および非水系電解質二次電池
JP6544579B2 (ja) タングステン酸リチウムの製造方法、およびタングステン酸リチウムを用いた非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法
CN107922212B (zh) 锰镍复合氢氧化物及制造方法、锂锰镍复合氧化物及制造方法、以及非水系电解质二次电池
EP4023603A1 (en) Positive electrode active material for lithium ion secondary battery, and lithium ion secondary battery
JP2018500722A (ja) スピネル材料の製造
JP2015140292A (ja) 非水系電解質二次電池用正極活物質、および、非水系電解質二次電池
JP2017117766A (ja) 非水系電解質二次電池用正極活物質とその製造方法、及び非水系電解質二次電池
JP4360143B2 (ja) リチウム二次電池用活物質の製造方法
KR20190074587A (ko) 고체 전해질 제조 방법, 이를 이용해서 제조되는 고체 전해질 및 이를 포함하는 전고체 전지
CN111936425A (zh) 锂离子二次电池用正极活性物质及其制造方法
JP7027928B2 (ja) 非水系電解質二次電池用正極活物質、非水系電解質二次電池用正極活物質の製造方法、非水系電解質二次電池
JP6540077B2 (ja) 非水系電解質二次電池用正極活物質とその製造方法、および、非水系電解質二次電池
JP2016051548A (ja) 非水系電解質二次電池用正極材料とその製造方法、および該正極材料を用いた非水系電解質二次電池
JP7163624B2 (ja) リチウムイオン二次電池用正極活物質及びその製造方法、並びにその正極活物質を用いたリチウムイオン二次電池
JP2023040092A (ja) リチウムイオン二次電池用正極活物質
JP2021012807A (ja) ニッケルマンガンコバルト含有複合水酸化物およびその製造方法、リチウムイオン二次電池用正極活物質およびその製造方法、並びに、リチウムイオン二次電池
TWI822958B (zh) 鋰離子二次電池用正極活性物質之製造方法
KR102337646B1 (ko) 비수계 전해질 이차 전지용 정극 활물질과 그의 제조 방법, 및 비수계 전해질 이차 전지

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060321

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090417

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090428

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090624

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090721

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090803

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120821

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120821

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120821

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120821

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130821

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130821

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140821

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees