JP4748311B2 - 微弱光の光パワー測定方法および装置、それを用いた光通信システム - Google Patents

微弱光の光パワー測定方法および装置、それを用いた光通信システム Download PDF

Info

Publication number
JP4748311B2
JP4748311B2 JP2005316320A JP2005316320A JP4748311B2 JP 4748311 B2 JP4748311 B2 JP 4748311B2 JP 2005316320 A JP2005316320 A JP 2005316320A JP 2005316320 A JP2005316320 A JP 2005316320A JP 4748311 B2 JP4748311 B2 JP 4748311B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
timing
optical power
photons
photon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005316320A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007124484A (ja
Inventor
和佳子 前田
章雄 田島
聡寛 田中
成五 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Corp
Original Assignee
NEC Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Corp filed Critical NEC Corp
Priority to JP2005316320A priority Critical patent/JP4748311B2/ja
Priority to CNA2006101429221A priority patent/CN101004359A/zh
Priority to EP06022726A priority patent/EP1780912A1/en
Priority to US11/589,814 priority patent/US8009984B2/en
Publication of JP2007124484A publication Critical patent/JP2007124484A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4748311B2 publication Critical patent/JP4748311B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B10/00Transmission systems employing electromagnetic waves other than radio-waves, e.g. infrared, visible or ultraviolet light, or employing corpuscular radiation, e.g. quantum communication
    • H04B10/60Receivers
    • H04B10/66Non-coherent receivers, e.g. using direct detection
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L9/00Cryptographic mechanisms or cryptographic arrangements for secret or secure communications; Network security protocols
    • H04L9/08Key distribution or management, e.g. generation, sharing or updating, of cryptographic keys or passwords
    • H04L9/0816Key establishment, i.e. cryptographic processes or cryptographic protocols whereby a shared secret becomes available to two or more parties, for subsequent use
    • H04L9/0852Quantum cryptography

Description

本発明は微弱光の光パワーを測定する技術に係り、特に微弱光の光パワーを測定する方法および装置ならびに当該測定方法を用いた光通信システムに関する。
光通信の分野において、量子暗号鍵配布システムは伝送路の高秘匿性を実現するものとして近年盛んに研究されており種々の提案がなされている。
基本的なものとしては、Bennett, Brassardの論文(非特許文献1)に、2通りの基底を用いて送信器および受信器で量子暗号鍵を共有するシステムが提案されている。この提案によれば、送信器において、量子の状態を表す2通りの基底(D,R)と2値の乱数データ(0,1)との組み合わせによる計4通りの情報を用いて光子を位相変調し送信する。受信器では、送信器とは独立した基底(D,R)で光子を受信して受信データを保存する。その後、通常のチャネルを用いて送信時と受信時の基底が同じであるか否かを検証し、同じ基底の受信データだけから最終的な共有秘密データを決定する。
特に、スイスのジュネーブ大学で提案されたPlug&Play方式の量子暗号鍵配布システム(非特許文献2)は、光ファイバ伝送路における偏光の揺らぎを補償することができるため、偏光に敏感な量子暗号鍵配布システムを実用化するための方式として期待されている。Plug&Play方式の概略的構成を図17に示す。
図17に示すように、Plug&Play方式では、量子暗号鍵を受信する受信器に設けられたレーザLDが光パルスPを生成する。光パルスPは光カプラにより2分割され、一方の光パルスP1は短いパス(Short Path)を、他方の光パルスP2は長いパス(Long Path)をそれぞれ通ってダブルパルスとして送信器へ送信される。
送信器にはファラデーミラーと位相変調器Aが設けられ、受信した光パルスP1およびP2はファラデーミラーで反射することで偏光状態が90度回転して受信器へ返送される。その際、位相変調器Aは光パルスP2が通過するタイミングで光パルスP2を位相変調し、位相変調された光パルスP2*aが受信器へ返送される。
受信器の偏光ビームスプリッタPBSは、送信器から受信した光パルスP1およびP2*aの偏光状態が90度回転していることから、これら受信パルスをそれぞれ送信時とは異なるパスへ導く。すなわち受信した光パルスP1は長いパスを通り、位相変調器Bを通過するタイミングで位相変調され、位相変調された光パルスP1*bが光カプラに到達する。他方、送信器で位相変調された光パルスP2*aは送信時とは異なる短いパスを通って同じく光カプラに到達する。したがって、送信器側で位相変調された光パルスP2*aと受信器側で位相変調された光パルスP1*bとが干渉し、その結果が光子検出器APD0またはAPD1により検出される。なお、光子検出器としてはアバランシェ・フォトダイオード(Avalanche Photo Diode)が用いられ、ゲイテッドガイガーモード(Gated Geiger Mode:GGM)で駆動される。
このように、受信器で発生した1つの光パルスが2分割され、それにより得られたダブルパルスP1およびP2が受信器と送信器との間でそれぞれ変調を受けながら往復し、全体として同じ光パスを通過して干渉する。したがって、光子検出器APD0またはAPD1で観測される干渉結果は光ファイバ伝送路の遅延変動が相殺され、送信器での位相変調量と受信器での位相変調量との差に依存するものとなる。
このような構成を有するPlug&Play方式では次のような同期をとる必要がある。
(1)送信器では、受信器から送られた光パルスP2が通過するタイミングに合わせて位相変調器Aに位相変調量に応じた電圧を印加する必要がある。
(2)受信器では、送信器から反射されてきた光パルスP1が通過するタイミングに合わせて位相変調器Bに位相変調量に応じた電圧を印加する必要がある。
(3)さらに、受信器では、戻ってきた光パルスの入射タイミングに合わせて光子検出器APD0およびAPD1にバイアスを印加する必要がある(ゲイテッドガイガーモードでの超高感度受信)。
このように、量子暗号鍵配布システムにおいて実際に高い干渉特性を実現して量子暗号鍵を安定して生成するためには、送信側の位相変調器A、受信側の位相変調器Bおよび光子検出器APDを光パルスが到達するタイミングに合わせて駆動するというタイミング制御が不可欠である。
"QUANTUM CRYPTOGRAPHY, PUBLIC KEY DISTRIBUTION AND COIN TOSSING" IEEE Int. Conf. on Computers, Systems, and Signal Processing, Bangalore, India, pp.175-179, Bennett, Brassard "Automated 'plug & play' quantum key distribution", Electronics Letters, Vol.34, No.22, p2116-2117, G. Ribordy
上述した量子暗号鍵配布システムのような位相変調を利用して情報を送信するシステムの場合、送信器の位相変調器Aを駆動するタイミングが正しいかどうかは、受信器側の光子検出器APD0あるいはAPD1で観測される干渉結果を参照しない限り判断できない。したがって、上記タイミング制御を正確に実行するためには、受信器における干渉計の干渉消光比(光子検出器APD0およびAPD1で観測される光パワーの比)を正しく知っておく必要がある。
しかしながら、ゲイテッドガイガーモード受信の場合、光パルスの到達タイミングに合わせた所定時間間隔だけ光子検出器APDにバイアスを印加し、ゲート電圧印加時に光子が到達すれば光子検出器APDがブレークダウンしてゲート電圧の印加が終了するまで増倍電流が流れ続ける。したがって、光子検出器APDにより検出できるのは、ノイズを除けば、ゲート電圧印加時に光子が到達したか否かだけであり、したがって光子検出の時間平均である干渉消光比を測定することができない。
そこで、従来では、伝送路が変わるごとに、光子検出器APDに代えて例えば光パワーメータを用いて干渉消光比を測定し、送信器の位相変調器に電圧を印加するタイミングを決定する必要があった。すなわち、送信器の駆動タイミング決定用の光パワーメータと、量子暗号鍵生成用の光子検出器APDとの両方を受信側に用意しておく必要があった。
本発明が解決しようとする課題は、光子検出器を用いた微弱光の光パワー測定方法および装置を提供することにある。
さらに、本発明は、上記微弱光パワー測定方法を用いて、送信器におけるタイミングを最適化し、正しいタイミングで安定した情報伝送を可能にする光通信システムを提供する。さらに、送信側の位相変調器を正しいタイミングで駆動して高速で安定した暗号鍵の配布を可能にする光通信システムを提供する。
本発明によれば、駆動タイミングに従って光子の到達の有無を検出する光子検出手段(光子検出器)を用いて光パルス列の光パワーを測定する。駆動タイミングをシフトさせることで光子カウンタ(計数手段)により計数された光子数に基づいて光パルス列の光パワーを測定する。
本発明による光通信システムにおいて、第1通信器は、与えられた変調タイミングに従って送信すべき原情報により光パルス列を変調し一の通信チャネルを通して送信する変調手段と、前記変調タイミングを変更可能なタイミング供給手段と、を含み、第2通信器は、前記一の通信チャネルを通して到達した光パルス列の光子の有無を駆動タイミングに従って検出する光子検出手段と、前記光子検出手段により検出された光子の数を計数する計数手段と、前記駆動タイミングをシフトさせることで前記計数手段により計数された光子数に基づいて前記光パルス列の光パワーを測定する測定手段と、前記測定手段により測定された光パワーに基づいて前記第1通信器の前記変調タイミングを別の通信チャネルを通して制御するタイミング制御手段と、を含む。
以上説明したように、本発明によれば、光子検出器に印加するバイアスのタイミング(駆動タイミング)の位相をシフトし、その間に到達した光子の数を光子カウンタ(計数手段)によりカウントする。光パルスの波長が知られていれば、この光子数から光パルス列の光パワーを求めることができる。したがって、光子検出器を用いて微弱光の光パワーを測定することが可能となる。
光子検出器を用いて光パワーあるいは対応する物理量を測定することができるので、光通信システムにおける送信器のタイミングを最適化し、正しいタイミングで安定した情報伝送が可能となる。さらに、量子暗号鍵配布システムに適用した場合、送信側の位相変調器を正しいタイミングで駆動できるために高速で安定した暗号鍵の配布が可能となる。
図1は本発明の一実施形態による微弱光パワー測定装置の技略的構成を示すブロック図である。光子検出器1は、バイアス電圧印加時に単一光子の入射の有無を検出できる光電変換素子であり、典型的には、アバランシェ・フォトダイオードである。光子検出器1は、バイアス印加回路2からのバイアス電圧により駆動され、バイアス電圧の印加タイミングおよび印加時間はタイミング制御回路3により制御される。すなわち、光子検出器1は、光パルスを検出しようとするときのみバイアス電圧が印加されるゲイテッドガイガーモードで動作し、高感度受信を行うことができる。
タイミング制御回路3は、光パワー測定部4からのタイミングシフト制御によりクロック信号CLKの位相を時間軸上で0から2πまで2π/nずつ自由にシフトさせることができる。ここでは、クロック信号CLKの周期が入射する光パルスの周期とほぼ一致するが、どの位相で光パルスが到達しているのか分からないものとする。なお、一例として、1つの光パルスのパルス幅は約1ナノ秒、光子検出器1に印加されるパルス状バイアス電圧のパルス幅は1〜5ナノ秒程度、これらの周期Tは約16ナノ秒である。
位相シフトさせたクロック信号のタイミングが光パルスの到達タイミングと同じになれば、光子検出器1は光パルスの光子を検出することができる。光子検出器1により光子が検出されると、光子カウント5によりカウントされる。光子カウンタ5は、光パワー測定部4の制御の下で、カウントした光子数をメモリ6に格納する。ただし、実際には、ダークノイズによるカウント値も含まれる。
光パワー測定部4は、後述するように、クロック信号CLKの位相を0から2πまで2π/nずつ順次シフトさせることで、それぞれのクロック位相に対応したタイミングでバイアス電圧を光子検出器1に印加し、その際のクロック位相と検出された光子数とをメモリに格納する。クロック信号CLKの位相が2πまでシフトすると、メモリ6に格納されたデータに基づいて到達光パルス列の光パワーを測定する。クロック信号CLKの周期Tに相当する時間間隔をタイムスロットと呼ぶと、クロック信号CLKの位相を0から2πまでシフトさせることは、バイアス電圧の印加タイミングをタイムスロットの全範囲わたって時間的に移動させることに相当する。
なお、光パワー測定部4は、プログラムメモリ7に格納されたパワー測定プログラムをコンピュータあるいはプログラム制御プロセッサ上で実行することにより実装可能である。以下、本実施形態による微弱光パワーの測定方法を詳細に説明する。
図2は本実施形態による微弱光パワーの測定方法におけるバイアス印加タイミングの位相シフトの状態を説明するための波形図であり、図3は位相シフト量に対する光子カウントの変化を模式的に示すグラフである。
図2に示すように、まず、光パワー測定部4はタイミング制御回路3のクロックCLKのタイミングシフトθを0に設定し、次に、タイミング制御回路3のクロックCLKのタイミングを1ステップ(2π/n)だけシフトさせる。この結果、光子検出器1に印加するパルスバイアスのタイミングが2π/nずれる。このタイミングで一定時間(実際には複数タイムスロットに相当する時間)、パルス状のバイアス電圧を光子検出器1に印加する。このバイアス電圧が印加されているときに光子の到達あるいはダークノイズの発生があれば、光子カウンタ5により光子検出としてカウントされ、カウントされた光子数がメモリ6に格納される。
光パワー測定部4は、同様にクロックCLKのタイミングを2π/nずつn回シフトさせ、その都度、光子カウンタ5でカウントされた光子数が、必要に応じてそのときの位相シフト量とともに、メモリ6に格納される。j回タイミングシフトしたときのクロックのシフト量θjと光子カウント数cjとは、図3のようにグラフ化できる。
図3に示すカウント値の変化では、ある位相シフト量付近で1つの明確なピークが存在するが、常にピークがあるとは限らない。光子が到達していない場合にはダークカウントしか計数されないので、図3のようなピークはなくどの位相でも低いカウント値になる。光子が到達していれば、その到達タイミングの位相のみに図3のようなピークが現れる。
図3に示すように、クロックのタイミングシフト数n回の光子カウントの和をPとすると、Pは次式で表される。
Figure 0004748311
この光子カウント総数Pは、図3においてθ=0およびθ=2πと光子カウント数cjで囲まれた部分の斜線部の面積を対応する。すなわち、これは平均光パワーを示している。したがって、上述したように光子検出器1に印加するバイアスのタイミングを0から2πまでシフトして光子検出数をカウントすることにより、光子検出器を用いて微弱光の光パワーを測定することが可能となる。
次に、上記パワー測定方法を実際に量子暗号システムにおける干渉測定に適用した実施例ついて説明する。
1.第1実施例
図4は本発明の第1実施例による温度無依存型Plug&Playシステムの構成を示すブロック図である。ここでは、2つの通信装置のうち量子通信の送信側を送信器10、受信側を受信器20と呼び、それらが光伝送路30により光学的に接続されているシステム構成を例示する。
本実施例によるPlug&Play方式の基本的な構成および動作は、図17で説明したとおりであるが、送信器10においてファラデーミラーの代わりにPBSループを採用した点が異なっている。
送信器10の量子ブロック100はPBSループ104を有し、PBSループ104は、位相変調器102および偏光ビームスプリッタ(PBS)103から構成される。
位相変調器102は、同期ブロック110から供給されるクロック信号に従って、通過する光パルス列に対して位相変調を行う。位相変調の深さは、通信制御部130により与えられる位相制御信号により決定され、ここでは基底(+/×)および乱数(0/1)の4通りの組み合わせにそれぞれ対応する4通りの深さ(0、π/2、π、3π/2)となる。位相制御信号は変調の深さに対応した電圧であり、光パルスが位相変調器102を通過するタイミングで位相変調器102に印加され、当該光パルスの位相変調が行われる。
PBSループ104はファラデーミラーと同様の機能を有し、入射光の偏光状態が90度回転して送出される。本実施例のPBSループについては後述する。
さらに、送信器10には、同期ブロック110、データ通信部120および通信制御部130が設けられている。同期ブロック110は、通信制御部130の制御の下で、受信器20との間でクロック信号のやり取りを行い、位相変調器102に対してクロックCLKを供給する。通信制御部130は、データ通信部120を通して受信器20との間で制御信号のやりとりを行い、受信器20からの制御信号に従って量子ブロック100および同期ブロック110の制御を行う。
受信器20の量子ブロック200は、図17に示す構成と基本的に同じである。基準となるクロック信号に従ってレーザ201により生成された光パルスPは、光サーキュレータ202により光カプラ203へ導かれ、光カプラ203により2分割される。分割された一方の光パルスP1は短いパス(Short Path)204を通って偏光ビームスプリッタ(PBS)207へ送られる。分割された他方の光パルスP2は長いパス(Long Path)205に設けられた位相変調器206を通してPBS207へ送られる。これら光パルスP1およびP2はPBS207で合波され、ダブルパルスとして波長多重フィルタ40および光伝送路30を通して送信器10へ送信される。送信器10から戻ってきたダブルパルスは、PBS207によってそれぞれ送信時とは異なるパスへ送られ、後述するように光カプラ203で干渉し、その干渉結果が光子検出器208(以下、APD0と記す。)あるいは209(以下、APD1と記す。)により検出される。なお、短いパス(Short Path)204と長いパス(Long Path)205は偏波保存ファイバであり、光サーキュレータ202と光カプラ203は偏波保存型である。
受信器10には、量子ブロック200に対して位相変調用のクロックCLK1と、光子検出器をゲイテッドガイガーモードで動作させるためクロックCLK2とを供給する同期ブロック210が設けられている。同期ブロック210は、送信器10の同期ブロック110との間で同期クロックのやりとりを行う。さらに、受信器20の通信制御部230は、データ通信部220を通して送信器10との間で制御信号のやりとりを行い、量子ブロック200および同期ブロック210を制御する。
これらに加えて、本実施例によるシステムの受信器10には、通信制御部230を制御して送信器10および受信器20のタイミングを最適化するタイミング制御部240と、光子検出器APD0およびAPD1を用いて光パワーを測定するためのパワー測定部250とが設けられている。パワー測定部250は、タイミング制御部240、光子カウンタ260およびメモリ270を制御し、光子検出器APD0およびAPD1によりそれぞれ検出された光子の数を光子カウンタ260により計数し、それらカウント値を最適化タイミングの決定および光パワーを測定するための測定データとしてメモリ270に格納する。タイミング制御部240および光パワー測定部250は、プログラムメモリ280に格納されたプログラムをコンピュータあるいはプログラム制御プロセッサ上で実行することにより実現可能である。
なお、同期ブロック110および210で送受信されるクロック信号と、データ通信部120および220で送受信される制御信号とは、量子ブロック100および200で送受信される光パルスとはそれぞれ別波長の信号であり、波長多重フィルタ40および50によって合分波され、光伝送路30中を波長分割多重伝送される。また、送信器10に設けられた同期ブロック110と受信器20に設けられた同期ブロック210とは、クロック信号を送信する光源として波長安定化レーザをそれぞれ有し、量子ブロック100および200にそれぞれ安定したクロック信号を供給することができる。
次に、受信器20の量子ユニット200から光伝送路30に送出されたダブルパルスP1およびP2の経路およびその間の処理について更に詳細に説明する。
送信器10において、伝送路30から波長多重フィルタ50を通して到来したダブルパルスP1およびP2は、PBS103でさらに分離され、時計回りのダブルパルスP1CWおよびP2CWと反時計回りのダブルパルスP1CCWおよびP2CCWの4つのパルス、すなわちカルテットパルスとなって位相変調器102をそれぞれ反対方向で通過し、それぞれ出射したポートとは反対のPBSポートへ入射する。
位相変調器102は、後述するように、時計回りのダブルパルスの後方のパルスP2CWを前方のパルスP1CWに対して位相変調するとともに、反時計回りのダブルパルスと時計回りのダブルパルスとの間にπの位相差を与える。このように、位相変調器102は、カルテットパルスの各パルスに任意の位相変調を施すようにタイミング制御される必要がある。
こうして必要に応じて位相変調されたカルテットパルスはPBS103で合波され再びダブルパルスに戻る。上述したように後方のパルスのみが伝送情報により位相変調されたので、出射ダブルパルスをP1およびP2*aと記す。このときPBSループ入射時に対して出射時は偏波が90°回転しているので、結果的にファラデーミラーと同等の効果が得られる。
受信器20の偏光ビームスプリッタPBS207は、送信器10から受信した光パルスP1およびP2*aの偏光状態が90度回転していることから、これら受信パルスをそれぞれ送信時とは異なるパスへ導く。すなわち受信した光パルスP1は長いパスを通り、位相変調器206を通過するタイミングで指定された基底で位相変調され、位相変調された光パルスP1*bが光カプラ203に到達し、他方、光パルスP2*aは送信時とは異なる短いパスを通って同じく光カプラに到達する。
こうして送信器側で位相変調された光パルスP2*aと受信器側で位相変調された光パルスP1*bとが干渉し、その結果が光子検出器APD0またはAPD1により検出される。光子検出器APD0およびAPD1は、同期ブロック210から供給されるクロック信号CLK2に従ってゲイテッドガイガーモードで駆動され、その検出信号は通信制御部230および光子カウンタ260へ出力される。後述するように、タイミング制御部240は、タイミング制御シーケンスにおいて検出された光子検出器APD0およびAPD1の検出信号をメモリ270に蓄積し、最適タイミングの決定に利用する。また、光子カウンタ260のカウント値もそのときの位相シフト量とともにメモリ270に格納される。
1.1)PBSループでの位相変調
以下、PBSループの動作を説明する。
図5は、送信器のPBSループの動作を説明するための模式的構成図である。上述したように、入射したダブルパルスP1およびP2は、PBS103で直交した偏光成分に分離され、カルテットパルス301〜304になる。光パルス301および302は光パルスP1の一偏光成分およびその直交偏光成分にそれぞれ対応し、光パルス303おおび304は光パルスP2の一偏光成分およびその直交偏光成分にそれぞれ対応する。
PBS103の2つのループ側ポートは、定偏波光ファイバで位相変調器102の2つの光ポートにそれぞれ接続されているが、その光路長は異なっている。ここでは、光パルス301および303が光パルス302および304よりも時間Tだけ早く位相変調器102に入射するように、光路長が設定されているものとする。この時間差Tは、光パルス幅より長くダブルパルスP1とP2の間隔より短く設定される。
図6はPBSループを伝播する光パルスの時間順序を示す説明図である。光パルス301および303は光パルス302および304よりも時間Tだけ早く位相変調器102に到達するので、各光パルスは、図6(A)〜(F)に示すように異なった時刻t1〜t6で位相変調器102を通過する。したがって、パルス間隔に同期して位相変調器102に印加する電圧を変化させることにより各光パルスに異なった位相差を与えることができる。ここでは、各パルスに与える位相差を表1のように設定する。
Figure 0004748311
表1に示すように、基底が“+”、乱数値が“0”の場合には光パルス301と303の間に0の位相差、基底が“+”、乱数値が“1”の場合には光パルス301と303の間にπの位相差、基底が“×”、乱数値が“0”の場合には光パルス301と303の間にπ/2の位相差、基底が“×”、乱数値が“1”の場合には光パルス301と303の間に3π/2の位相差をそれぞれ与える。さらに、光パルス301および303と光パルス302および304との間には光パルス301と光パルス303との間と同じ大きさの位相差を与え、同時に光パルス301と光パルス302との間、光パルス303と光パルス304との間にはπの位相差を与える。
このように量子暗号鍵配布システムでは、ダブルパルスまたはカルテットパルスの各パルスに任意の位相変調を施さなければならない。すなわち、電圧で位相を制御する位相変調器102および206では、各パルスが通り過ぎるタイミングで必要な変調を与えるための電圧を印加する必要があり、位相変調器を駆動するタイミングが正しくないと誤ったパルスを変調してしまう。よって、位相変調器102および206を駆動するクロックのタイミング制御を行い、そのタイミングが正しいことを確認しなければならない。
1.2)干渉消光比の測定
図7は、本発明の第1実施例によるシステムにおける受信器20での干渉消光比の測定手順を含む送信器10のタイミング検索を示すフローチャートである。送信器10の位相変調器102を駆動するクロックCLKのタイミングが正しいことを確認するためには、受信器20において干渉消光比を測定する必要がある。ここで、干渉消光比とは、光子検出器APD0およびAPD1に出力される光パワーの比をいう。
しかしながら、既に説明したように、光子検出器APDは光子到達の有無を判定するのみで、光子検出の時間平均である光パワーを直接測定することはできない。そこで、本実施例によれば、光子検出器APDを駆動するクロックCLK2のタイミングを順次シフトさせることで、その都度得られた光子検出結果から間接的に光パワーを求める。
図7において、まず、タイミング制御部240は通信制御部230を制御して、4通りの基底および乱数の組み合わせから1つを選択し、選択された基底を受信器20の位相変調器206に設定し、選択された基底および乱数値の組み合わせを送信器10の通信制御部130へ指定する(ステップS401)。これにより、通信制御部130は位相変調器102に対して位相制御信号を出力し、選択された基底および乱数値に対応する変調深さの位相を設定する。
続いて、タイミング制御部240は送信器10の位相変調器102に印加される電圧のタイミングシフトをリセットするように送信器10の通信制御部130へ指示する(ステップS402)。これによって、同期ブロック110はクロック信号CLKのシフト量を初期値0にリセットする。
タイミングシフトが初期化されると、タイミング制御部240は通信制御部130へタイミングシフトを指示し、これによって同期ブロック110は、所定の整数Nを用いて、位相変調器102への電圧印加タイミングを2π/Nだけシフトさせ、このタイミングで設定された位相変調の電圧が印加される(ステップS403)。これによって、通過するカルテットパルスの各光パルスが上述したように変調され、ダブルパルスとして受信器20へ折り返される。
受信器20は、受信したダブルパルスを上述したように指定された基底により位相変調器206で変調し、光カプラ203で干渉させて光子検出器APD0およびAPD1で光子検出を行う。このとき、光子検出器APD0およびAPD1は光子のやってくるタイミングのみバイアス電圧を高く設定して光子を受信する必要がある。すなわち、光子のタイミングに一致したクロックで光子検出器APDを駆動しなければならない。しかしながら、クロックの全位相2πのうち、どのタイミングに光子があるのかはこの時点ではわからない。
そこで、タイミング制御部240は受信器20の光子検出器APD0およびAPD1に印加されるバイアスのタイミングシフトをリセットするように通信制御部230へ指示する。これによって同期ブロック210はクロック信号CLK2のシフト量を初期値0にリセットする(ステップS404)。
次に、タイミング制御部240は、同期ブロック210から出力されるクロック信号CLK2のタイミングを1ステップシフトさせるように指示し、同期ブロック210は、所定の整数nを用いて、光子検出器APD0およびAPD1へのバイアス印加タイミングを2π/nだけシフトさせる(ステップS405)。これによって、2π/nだけシフトしたタイミングで光子検出器APD0およびAPD1にバイアス電圧が印加され光子の検出が行われる。各光子検出器で光子が検出されるごとに光子カウンタ260によりそれぞれの光子検出器の光子数がカウントされる。バイアス印加タイミングの位相を1ステップ(2π/n)ずつ連続的にシフトさせながら光子数のカウントを行う動作をn回繰り返す(ステップS406)。
こうしてシフト量が2πに到達すると、現在指定されている乱数および基底と送信器10の位相変調タイミングシフト量φi(i=1〜N)とに関連づけて、それまでに光子カウンタ260でカウントされたそれぞれの光子検出器の光子数をメモリ270に格納する(ステップS407)。ここで、メモリ270に記録された光子カウント数は図3で説明したようにt=0からt=2πで囲まれた領域の面積に相当する。すなわちこれは光パワーを意味する。
タイミング制御部240は、位相変調器102への電圧の印加タイミングを2π/Nずつシフトさせながら、光子検出器APD0およびAPD1へのバイアス印加タイミングを0から2πまでシフトさせて検出光子数をカウントするというステップS403〜S407を、N回繰り返す(ステップS408)。位相変調器102へのすべての電圧印加タイミングについて光子カウント数が測定されるまで上記ステップS403〜407を繰り返すと(ステップS408のYES)、次の基底および乱数値を指定して(ステップS401)、上記ステップS402〜S408を繰り返す。
タイミング制御部240は、以上のステップS401〜408を、4通りの基底および乱数の組み合わせすべてについて実行する(ステップS409)。ただし、後述する最適点が見出せるならば、4通りの組み合わせ全てについて実行する必要はない。必要な基底および乱数の組み合わせでの測定が終了すると(ステップS409のYES)、タイミング制御部240はメモリ270に記録された光子検出器APD0およびAPD1のそれぞれの光子カウント数に基づいて送信器10の最適タイミングを決定し、受信器20の通信制御部130に通知し同期ブロック110に設定する(ステップS410)。
1.3)送信器10のクロックタイミング検索
図8(a)〜(d)は4通りの基底および乱数の組み合わせのそれぞれについて送信器のタイミング制御シーケンスを示すハンドシェイク図であり、図9(a)〜(d)は4通りの基底および乱数の組み合わせのそれぞれについて受信器で測定される有効光子カウントと干渉消光比の変化を示すグラフである。
a)基底+,乱数0(0変調)
まず受信器20のタイミング制御部240は位相変調器206の受信基底を“+”にセットし、さらに送信器10の通信制御部130に対して位相変調器102を基底“+”、乱数“0”に対応する変調の深さに設定するよう指示する。この結果、上述した表1に示すように、カルテットパルスの各光パルスに与える位相変調の位相は、位相変調器102を通り過ぎる順で記述すると、“0−π−0−π”となる。
送信器10の位相変調器102は同期ブロック110から供給されるクロックによって駆動されるので、位相変調器102による光パルスの位相変調タイミングはクロックを供給するタイミングによる。受信器20からの指示により、同期ブロック110はクロックのタイミングを0から2πまで任意のステップでシフトさせることができる。
続いて、タイミング制御部240は送信器10の同期ブロック110のクロックのシフト量をクリアして0にするように指示し、クロックシフト量を2π/Nずつシフトさせながら2πに達するまで、次のステップS1〜S5をN回繰り返す。
(S1)受信器20のタイミング制御部240は、送信器10の通信制御部130に同期ブロック110のクロックCLKを1ステップシフトするよう指示するとともに、受信器20の通信制御部230に同期ブロック210のクロックCLK2のシフト量を0にクリアするように指示する。
(S2)送信器10の通信制御部130は同期ブロック110のクロックを1ステップシフトさせる。これによって、送信器10の位相変調器102を駆動するタイミングが1ステップずれる。
(S3)送信器10での1ステップシフトにより、受信器20の光検出器APD0およびAPD1で観測される光パワーがそれぞれ変化する。
(S4)受信器20の通信制御部230は、同期ブロック210のクロックCLK2を0〜2πまで連続的にシフトさせる。これによって光子検出器APD0およびAPD1を駆動するタイミングが0〜2πまで連続的に変化し、その間、光子が検出されるごとに光子カウンタ260がインクリメントされる。したがって、クロックCLK2が0〜2πまでシフトした時点で光子カウンタ260には光子カウントの総数が格納されている。位相シフト量と対応づけないので、処理が高速となり実装が容易であるという利点がある。
(S5)光子カウンタ260によりカウントされた光子検出器APD0およびAPD1のそれぞれの光子検出結果をメモリ270に格納する。その際、光子カウンタ260は、ステップS4で同期ブロック210のクロックCLK2がシフトしている間に検出された光子のみをカウントし、有効光子カウントとしてメモリ270に格納する。言い換えれば、有効光子カウントとは、クロックCLK2の位相シフト開始前およびシフト終了後に光子カウンタ260がカウントした数を除外した実質的なカウント値をいう。
このようにしてメモリ270に格納された送信器10のタイミングシフト量φiに対する有効光子カウントの変化を図9(a)に示す。図9(a)の横軸は送信器10のクロックシフト量φi、縦軸はAPD0の有効光子カウント(実線)およびAPD1の有効光子カウント(破線)である。
これより、干渉消光比は、光子検出器APD1の有効光子カウントに対する光子検出器APD0の有効光子カウントの比(P0/P1)として求まる(点線)。P0/P1としたのは、送信器10のクロック位相が正しいときには光子検出器APD0で光パルスが検出され、光子検出器APD1ではほとんど検出されないためである。
b)基底+,乱数1(π変調)
受信器20のタイミング制御部240は、受信器20の基底を“+”にしたまま、送信器10の通信制御部130に対して位相変調器102を基底“+”、乱数“1”に対応する変調の深さに設定するように指示する。この結果、上述した表1に示すように,カルテットパルスの各光パルスに与える位相変調の位相は、位相変調器102を通りすぎる順で記述すると “0−π−π−0”となる。
続いて、タイミング制御部240は送信器10の同期ブロック110のクロックCLKのシフト量をクリアして0にするように指示し、送信器10のクロックシフト量を2π/Nずつシフトさせながら2πに達するまで、上述したステップS1〜S5をN回繰り返す。これによって受信器20の光子検出器APD0およびAPD1で観測される光パワーがそれぞれ変化し、受信器20のクロックCLK2を連続的にシフトさせながら有効光子カウントをメモリ270に格納する。
このようにしてメモリ270に格納された送信器10のタイミングシフト量φiに対する有効光子カウントの変化を図9(b)に示す。図9(b)の横軸は送信器のクロックシフト量φi、縦軸は光子検出器APD0の有効光子カウント(実線)および光子検出器APD1の有効光子カウント(破線)を示す。
これより、干渉消光比は、光子検出器APD1の有効光子カウントに対する光子検出器APD0の有効光子カウントの比(P1/P0)で求まる(点線)。P1/P0としたのは、送信器のクロック位相が正しいときには光子検出器APD1で光パルスが検出され、光子検出器APD0ではほとんど検出されないためである。
c)基底×,乱数0(π/2変調)
受信器20のタイミング制御部240は位相変調器206の受信基底を“×”にセットし、さらに送信器10の通信制御部130に対して位相変調器102を基底“×”、乱数“0”に対応する変調の深さに設定するよう指示する。この結果、上述した表1に示すように、カルテットパルスの各光パルスに与える位相変調の位相は、位相変調器102を通りすぎる順で記述すると、“0−π−π/2−3π/2”となる。
続いて、タイミング制御部240は送信器10の同期ブロック110のクロックCLKのシフト量をクリアして0にするように指示し、送信器10のクロックシフト量を2π/Nずつシフトさせながら2πに達するまで、上記ステップS1〜S5をN回繰り返す。これによって受信器20の光子検出器APD0およびAPD1で観測される光パワーがそれぞれ変化し、受信器20のクロックCLK2を連続的にシフトさせながら有効光子カウントをメモリ270に格納する。
このようにしてメモリ250に格納された送信器10のタイミングシフト量φiに対する有効光子カウントの変化を図9(c)に示す。図9(c)の横軸は送信器のクロックシフト量φi、縦軸はAPD0の有効光子カウント(実線)およびAPD1の有効光子カウント(破線)を示す。
これより、干渉消光比は、APD1の有効光子カウントに対するAPD0の有効光子カウントの比(P0/P1)で求まる(点線)。P0/P1としたのは、送信器のクロック位相が正しいときには、APD0で光パルスが検出され、APD1ではほとんど検出されないためである。
d)基底×,乱数1(3π/2変調)
受信器20のタイミング制御部240は、受信器20の基底を“×”にしたまま、送信器10の通信制御部130に対して位相変調器102を基底“×”、乱数“1”に対応する変調深さに設定するよう指示する。この結果、上述した表1に示すように、カルテットパルスの各光パルスに与える位相変調の位相は、位相変調器102を通りすぎ順で記述すると、“0−π−3π/2−π/2”となる。
続いて、タイミング制御部240は送信器10の同期ブロック110のクロックCLKのシフト量をクリアして0にするように指示し、送信器10のクロックシフト量を2π/Nずつシフトさせながら2πに達するまで、上記ステップS1〜S5をN回繰り返す。これによって受信器20の光子検出器APD0およびAPD1で観測される光パワーがそれぞれ変化し、受信器20のクロックCLK2を連続的にシフトさせながら有効光子カウントをメモリ270に格納する。
このようにしてメモリ270に格納された送信器10のタイミングシフト量φiに対する有効光子カウントの変化を図9(d)に示す。図9(d)の横軸は送信器のクロックシフト量φi、縦軸はAPD0の有効光子カウント(実線)およびAPD1の有効光子カウント(破線)を示す。
これより、干渉消光比は、APD1の有効光子カウントに対するAPD0の有効光子カウントの比(P1/P0)で求まる(点線)。P1/P0としたのは、送信器のクロック位相が正しいときには、APD1で光パルスが検出され、APD0ではほとんど検出されないためである。
1.4)送信器の最適タイミング決定
図9において、APD0およびAPD1の光パワー比、すなわち干渉消光比は点線で示されている。上述したように、乱数“0”を送信した場合は干渉消光比をP0/P1で表し、乱数“1”を送信した場合は干渉消光比をP1/P0で表す。光子検出器APD0およびAPD1に出力された有効光子カウントとそのときの送信器10のクロックシフト量φiとは、すべて受信器20のメモリ270に記憶されている。タイミング制御部240は、このデータから送信器10のクロックCLKの最適タイミングを決定する。
図10は、メモリ270に格納されている光子検出器APD0およびAPD1の有効光子カウント比とクロックシフト量とのデータテーブルを模式的に示す図である。すなわち、図9で示す4通りの組み合わせにそれぞれ対応する観測データは、図10のようなテーブル形式で格納されている。これを用いて次の手順で最適タイミングを決定する。
(1)4通りの変調について干渉消光比を計算する:(Ai, Bi, Ci, Di)
(2)4通りの干渉消光比の積を計算する:(Ei=Ai*Bi*Ci*Di)
(3)Eiが最大となる位相を選択する:(φi(Max[E1,E2,…EN]))
このようにして決定したシフト量φiは、図9に示す最適ラインにより示されるφsuit値であり、このシフト量のクロック信号CLKが光パルスに同期した最適のタイミングを与える。ただし、既に述べたように、最適ラインを求めることが可能であるならば、図9で示す4通りの組み合わせすべての観測データを使用する必要はない。
1.5)効果
以上説明したように、本実施例によれば、まず受信器20からの制御により、送信器10における位相変調器102のタイミングを1ステップずつシフトさせ、1ステップシフトごとに、受信器20で光子検出器のバイアスを高くするタイミングを0から2πまで連続的に推移させながら光子検出結果をメモリ270に格納する。その光子検出結果のうち、バイアスを高くするタイミングが推移している間に検出した光子のみを有効光子カウントとして処理し、この有効光子カウントに基づいて送信器10の位相変調の最適タイミングを決定する。したがって、送信器10の位相変調か正しいタイミングであることを受信器側で光子検出器APDを用いて確認することができる。こうして送信器10での安定した位相変調が可能となり、量子暗号鍵配布システムに適用した場合、高速・安定な鍵生成を実現することができる。
2.第2実施例
図11は本発明の第2実施例による量子暗号システムの送信器のタイミング制御手順を示すフローチャートである。本実施例による量子暗号システムのブロック構成は、第1実施例と同様に図4に示されるとおりであり、送受信される光パルスも第1実施例と同様に図5、図6に基づいて説明したような振る舞いをする。したがって第1実施例と重複する部分の説明は省略し、図4および図11を参照しながら、干渉消光比の測定、送信器のクロックタイミング検索および最適タイミング決定の動作について詳細に説明する。
2.1)干渉消光比の測定
タイミング制御部240は通信制御部230を制御して、4通りの基底および乱数の組み合わせから1つを選択し、選択された基底を受信器20の位相変調器206に設定し、選択された基底および乱数値の組み合わせを送信器10の通信制御部130へ指定する(ステップS501)。これにより、通信制御部130は位相変調器102に対して位相制御信号を出力し、選択された基底および乱数値に対応する変調深さの位相を設定する。
続いて、タイミング制御部240は送信器10の位相変調器102に印加される電圧のタイミングシフトをリセットするように送信器10の通信制御部130へ指示する(ステップS502)。これによって、同期ブロック110はクロック信号CLKのシフト量を初期値0にリセットする。
タイミングシフトが初期化されると、タイミング制御部240は通信制御部130へタイミングシフトを指示し、これによって同期ブロック110は、所定の整数Nを用いて、位相変調器102への電圧印加タイミングを2π/Nだけシフトさせ、このタイミングで設定された位相変調の電圧が印加される(ステップS503)。これによって、通過するカルテットパルスの各光パルスが上述したように変調され、ダブルパルスとして受信器20へ折り返される。
受信器20は、受信したダブルパルスを上述したように指定された基底により位相変調器206で変調し、光カプラ203で干渉させて光子検出器APD0およびAPD1で光子検出を行う。このとき、光子検出器APD0およびAPD1は光子のやってくるタイミングのみバイアス電圧を高く設定して光子を受信する必要がある。すなわち、光子のタイミングに一致したクロックで光子検出器APDを駆動しなければならない。しかしながら、クロックの全位相2πのうち、どのタイミングに光子があるのかはこの時点ではわからない。
そこで、タイミング制御部240は受信器20の光子検出器APD0およびAPD1に印加されるバイアスのタイミングシフトをリセットする(ステップS504)。これによって同期ブロック210はクロック信号CLK2のシフト量を初期値0にリセットする。
次に、タイミング制御部240は、光子検出器APD0およびAPD1へのバイアス印加タイミングを2π/nだけシフトさせ(ステップS505)、このバイアス印加時に光子検出器APD0あるいはAPD1により検出された光子をそれぞれ光子カウンタ260によりカウントし、現時点で指定された乱数および基底、送信器10の設定タイミングシフトシフト量φi(i=1〜N)およびクロック信号CLK2の現時点のシフト量θj(j=1〜n)に対応づけて、メモリ270に記録する(ステップS506)。
タイミング制御部240は、送信器10の位相変調器102への電圧の印加タイミングを固定したまま、光子検出器APD0およびAPD1へのバイアス印加タイミングを2π/nずつシフトさせながら、すべてのバイアス印加タイミングについて光子カウント数をメモリ270に記録するまで上記ステップS505〜S506を繰り返す(ステップS507)。
受信器20のタイミングシフトが終了したら(ステップs507のYES)、タイミング制御部240は、送信器10の位相変調器102への電圧印加タイミングを2π/Nシフトし(ステップS508、S503)、再びステップS505〜S506を繰り返す。すべての電圧印加タイミングについて光子カウント数が測定されるまで上記ステップS503〜S507を繰り返し、選択された基底および乱数値に対する光子検出および光子カウントを行う(ステップS508)。
タイミング制御部240は、以上のステップS501〜S508を、4通りの基底および乱数の組み合わせすべてについて実行する(ステップS509)。4通りの基底および乱数の組み合わせでの測定が終了すると(ステップS509のYES)、タイミング制御部240はメモリ270に記録された光子検出器APD0およびAPD1の光子カウント数に基づいて送信器10の最適タイミングを決定し、受信器20の通信制御部130に通知し同期ブロック110に設定される(ステップS510)。
2.2)送信器のクロックタイミング検索
図12(a)〜(d)は4通りの基底および乱数の組み合わせのそれぞれについて送信器のタイミング制御シーケンスを示すハンドシェイク図である。
a)基底+,乱数0(0変調)
まず、受信器20のタイミング制御部240は位相変調器206の受信基底を“+”にセットし、さらに送信器10の通信制御部130に対して位相変調器102を基底“+”、乱数“0”に対応する変調の深さに設定するよう指示する。この結果、上述した表1に示すように、カルテットパルスの各光パルスに与える位相変調の位相は、位相変調器102をとおりすぎる順で記述すると、“0−π−0−π”となる。
送信器10の位相変調器102は同期ブロック110から供給されるクロックCLKによって駆動されるので、位相変調器102による光パルスの位相変調タイミングはクロックCLKを供給するタイミングによる。受信器20からの指示により、同期ブロック110はクロックCLKのタイミングを0から2πまで任意のステップでシフトさせることができる。
続いて、タイミング制御部240は送信器10の同期ブロック110のクロックCLKのシフト量をクリアして0にするように指示し、クロックシフト量を2π/Nずつシフトさせながら2πに達するまで、次のステップS1〜S5をN回繰り返す。
(S1)受信器20のタイミング制御部240は、送信器10の通信制御部130に対して同期ブロック110のクロックCLKを1ステップシフトするよう指示し、受信器20の通信制御部230に対して同期ブロック210のクロックCLK2のシフト量をクリアして0にするよう指示する。
(S2)送信器10の通信制御部130は同期ブロック110のクロックCLKを1ステップシフトし、これによって送信器10の位相変調器102を駆動するタイミングが1ステップずれる。
(S3)送信器10での1ステップシフトにより、受信器20の光子検出器APD0およびAPD1で観測される光パワーがそれぞれ変化する。
(S4)受信器20の通信制御部230は同期ブロック210のクロックCLK2を1ステップシフトさせる。1回のクロックシフト量は2π/nとする。
(S5)光子検出器APD0あるいはAPD1により光子が検出されると、光子カウンタ260によりカウントされカウント値がメモリ270に格納される。そして、ステップS4のクロックCLK2のシフト量が2πになるまでステップS4〜S5がn回繰り返される。
従って、送信器10のクロックCLKのシフト量が1ステップ(2π/N)シフトするごとに、受信器20のクロックCLK2が1ステップずつ0から2πまで順次シフトし、クロックCLK2が1ステップシフトするごとに光子カウンタ260のカウント値がそのときの位相シフト量θjと対応づけてメモリ270に格納される。
b)基底+、乱数1(π変調)
受信器20のタイミング制御部240は、受信器20の基底を“+”にしたまま、送信器10の通信制御部130に対して位相変調器102を基底“+”、乱数“1”に対応する変調の深さに設定するように指示する。この結果、上述した表1に示すように、カルテットパルスの各光パルスに与える位相変調の位相は、位相変調器102を通りすぎる順で記述すると、“0−π−π−0”となる。
続いて、タイミング制御部240は送信器10の同期ブロック110のクロックCLKのシフト量をクリアして0にするように指示し、送信器10のクロックシフト量を2π/Nずつシフトさせながら2πに達するまで、上記ステップS1〜S5をN回繰り返す。従って、送信器10のクロックCLKのシフト量が1ステップ(2π/N)シフトするごとに、受信器20のクロックCLK2が1ステップずつ0から2πまで順次シフトし、クロックCLK2が1ステップシフトするごとに光子カウンタ260のカウント値がそのときの位相シフト量θjと対応づけてメモリ270に格納される。
c)基底×,乱数0(π/2変調)
受信器20のタイミング制御部240は位相変調器206の受信基底を“×”にセットし、さらに送信器10の通信制御部130に対して位相変調器102を基底“×”、乱数“0”に対応する変調の深さに設定するよう指示する。この結果、上述した表1に示すように、カルテットパルスの各光パルスに与える位相変調の位相は、位相変調器102を通りすぎる順で記述すると、”0−π−π/2−3π/2“となる。
続いて、タイミング制御部240は送信器10の同期ブロック110のクロックCLKのシフト量をクリアして0にするように指示し、送信器10のクロックシフト量を2π/Nずつシフトさせながら2πに達するまで、上記ステップS1〜S5をN回繰り返す。従って、送信器10のクロックCLKのシフト量が1ステップ(2π/N)シフトするごとに、受信器20のクロックCLK2が1ステップずつ0から2πまで順次シフトし、クロックCLK2が1ステップシフトするごとに光子カウンタ260のカウント値がそのときの位相シフト量θjと対応づけてメモリ270に格納される。
d)基底×,乱数1(3π/2変調)
受信器20のタイミング制御部240は、受信器20の基底を“×”にしたまま、送信器10の通信制御部130に対して位相変調器102を基底“×”、乱数“1”に対応する変調深さに設定するよう指示する。この結果、上述した表1に示すように、カルテットパルスの各光パルスに与える位相変調の位相は、位相変調器102を通りすぎ順で記述すると、“0−π−3π/2−π/2”となる。
続いて、タイミング制御部240は送信器10の同期ブロック110のクロックCLKのシフト量をクリアして0にするように指示し、送信器10のクロックシフト量を2π/Nずつシフトさせながら2πに達するまで、上記ステップS1〜S5をN回繰り返す。従って、送信器10のクロックCLKのシフト量が1ステップ(2π/N)シフトするごとに、受信器20のクロックCLK2が1ステップずつ0から2πまで順次シフトし、クロックCLK2が1ステップシフトするごとに光子カウンタ260のカウント値がそのときの位相シフト量θjと対応づけてメモリ270に格納される。
2.3)送信器の最適タイミング決定
まず、光子検出器APD0およびAPD1の光パワー比、すなわち干渉消光比を求める。そのために、送信器10のタイミングシフト量φiのときの光子検出器APD0およびAPD1に出力する光パワーを求めなければならない。送信器10のタイミングシフト量φiのとき、受信器20のバイアス印加タイミングは2π/nずつn回シフトする。j回目のシフトを行ったときの光子検出器APD0およびAPD1の光子カウント数をそれぞれc0(i, j)、c1(i, j)とすると、送信器のタイミングシフト量φiのときAPD0およびAPD1で観測された光パワーP0(i)、P1(i)はそれぞれ
Figure 0004748311
となる。
このようにして求めた送信器10のタイミングシフト量φiに対する光パワーの変化は図9(a)と同様になる。図9の横軸は送信器のクロックシフト量φi、縦軸はAPD0の光パワー(実線)およびAPD1の光パワー(破線)を示す。これより、上述したように光子検出器APD0およびAPD1の光パワー比、すなわち干渉消光比が求まる(点線)。
乱数“0”を送信した場合は干渉消光比をP0/P1で表し、乱数“1”を送信した場合は干渉消光比をP1/P0で表す。光子検出器APD0およびAPD1に出力された光パワーとそのときの送信器10のクロックシフト量φiとは、すべて受信器20のメモリ270に記憶されている。このデータから送信器10のクロックCLKの最適タイミングを決定する。決定の仕方は、図10で説明したとおりである。
2.4)効果
上述したように、本発明の第2実施例によれば、送信器10のクロックCLKのシフト量が1ステップ(2π/N)シフトするごとに受信器20のクロックCLK2が1ステップずつ0から2πまで順次シフトするので、第1実施例と同様に光パワーを測定することができる。
更に、本実施例によれば、クロックCLK2が1ステップシフトするごとに光子カウンタ260のカウント値がそのときの位相シフト量θjと対応づけてメモリ270に格納される。したがって、クロックCLK2が0から2πまでシフトする間に光子カウントがどのように変化するかを記録することができる。たとえば、図3に示す光子カウントの変化の様子を知ることができる。
3.第3実施例
上述したように、第2実施例におけるメモリ270には、クロックCLK2が1ステップシフトするごとに光子カウンタ260のカウント値と、そのときの位相シフト量とが対応づけられて格納されている。本発明の第3実施例によれば、このメモリ270の格納データを利用することで、干渉消光比の測定だけでなく、送信器および受信器におけるそれぞれの最適タイミングを決定することができる。以下、第3実施例について詳細に説明する。
図13は本発明の第3実施例による量子暗号システムの送信器のタイミング制御手順を示すフローチャートである。本実施例による量子暗号システムのブロック構成は、第1実施例と同様に図4に示されるとおりであり、送受信される光パルスも第1実施例と同様に図5、図6に基づいて説明したような振る舞いをする。
また、本実施例における送信器タイミング検索動作は、図11で説明したステップS501〜S509と同様であるから、同一の参照符号を付して説明は省略し、送信器の最適タイミング決定(ステップS510)および受信器の最適タイミング決定(ステップS511)について説明する。なお、送信器10のタイミング制御はすべて受信器20のタイミング制御部240の指示により行われる。
3.1)送信器の最適タイミング決定
図14(a)〜(d)は4通りの基底および乱数の組み合わせのそれぞれについて受信器で測定される有効光子カウントと干渉消光比の変化を示すグラフである。横軸は送信器10のタイミングシフト量φi(i=1〜N)であり、縦軸は光子検出器APD0およびAPD1の光パワー(光子カウント数)である。ここでは、光子検出器APD0の光パワーを実線で、光子検出器APD1の光パワーを破線でそれぞれ示す。
上述したように、送信器10のタイミングシフト量iのとき、受信器20のバイアス印加タイミングは2π/nずつn回シフトする(ステップS505〜S507)。j回目のシフトを行ったときの光子検出器APD0およびAPD1の光子カウント数をそれぞれc0(i, j)、c1(i, j)とすると、送信器10のタイミングシフト量iのときAPD0およびAPD1で観測された光パワーP0(i)、P1(i)はそれぞれ上記式(1)および(2)で表すことができる。
このようにして求めた送信器10のタイミングシフト量φiに対する光パワーの変化は、図14(a)に示すようになる(図9(a)と同様)。これより、上述したように光子検出器APD0およびAPD1の光パワー比、すなわち干渉消光比が求まる(点線)。図14(b)〜(d)も図9(b)〜(d)で説明したとおりである。
また、光子検出器APD0およびAPD1に出力された光パワーとそのときの送信器10のクロックシフト量φiとは、すべて受信器20のメモリ270に記憶されている。この位相シフト量とそのときの光パワー(光子カウント数)のデータ(図16(A)参照)から送信器10のクロックCLKの最適タイミングを決定することができ、決定の仕方は、図10で説明したとおりである。
3.2)受信器の最適タイミング決定
上述したように送信器10のクロックCLKの最適タイミングφsuitが決定されると(ステップS510)、続いてメモリ270に格納された測定データを用いて受信器20の最適タイミングを決定する(ステップS511)。
図15(a)〜(d)は4通りの基底および乱数の組み合わせのそれぞれについて受信器で検出される光子カウントの変化を示すグラフである。基底+と乱数0の組み合わせにおいて、メモリ270に格納された受信器20のタイミングシフト量θj(j=1〜n)に対する観測値の変化を図15(a)に示す。図15の横軸は受信器20のタイミングシフト量θj、縦軸はAPD0の光子検出結果(実線)およびAPD1の光子検出結果(破線)を示す。
図15(a)に示すように、クロック位相が正しいときには、送信器10から送った乱数の値0によってAPD0で光子が検出され、クロック位相がずれると光子は検出されていない。以下同様に、基底+と乱数1、基底×と乱数0、基底×と乱数1の場合におけるタイミングシフト量θjに対する観測値の変化を図15(b)〜(d)に示す。
図15(a)〜(d)には、APD0およびAPD1の光子カウント比、すなわち光子検出比が点線で示されている。送信器10のクロックCLKのタイミングφ=φsuitである場合、乱数“0”を送信した場合はAPD0に光が出力されるべきなので、APD1の観測値に対するAPD0の観測値の比c0(isuit, j)/c1(isuit, j)を光子検出として表す。また,乱数“1”を送信した場合はAPD1に光が出力されるべきなので、APD0の観測値に対するAPD1の観測値の比c1(isuit, j)/c0(isuit, j)を光子検出として表す。
図16(A)はメモリ270に格納されている光子検出器APD0およびAPD1の光子カウント比と送信側のクロックシフト量とのデータテーブルを模式的に示す図であり、(B)はメモリ270に格納されている光子検出器APD0およびAPD1の光子カウント比と受信側のクロックシフト量θjとのデータテーブルを模式的に示す図である。図16(B)に示すように、APD0およびAPD1の出力パワーとそのときの受信器20のクロックシフト量θjはすべてメモリ270に記憶されているから、このデータから受信器20のクロックの最適タイミングを決定することができる。決定手法は図10で説明した送信器10の場合と同様であるから説明は省略する。
本発明は微弱光通信の光パワー測定を行う光パワー測定器一般に適用可能である。また、上述したPlug&Play方式の双方向方式だけでなく、一方向の量子暗号方式にも適用可能であり、量子暗号鍵配布に限定されるものではなく量子暗号通信におけるすべての方式で適用可能である。
本発明の一実施形態による微弱光パワー測定装置の技略的構成を示すブロック図である。 本実施形態による微弱光パワーの測定方法におけるバイアス印加タイミングの位相シフトの状態を説明するための波形図である。 位相シフト量に対する光子カウントと変化を模式的に示すグラフである。 本発明の第1実施例による温度無依存型Plug&Playシステムの構成を示すブロック図である。 送信器のPBSループの動作を説明するための模式的構成図である。 PBSループを伝播する光パルスの時間順序を示す説明図である。 本発明の第1実施例によるシステムにおける受信器20での干渉消光比の測定手順を含む送信器10のタイミング検索を示すフローチャートである。 (a)〜(d)は4通りの基底および乱数の組み合わせのそれぞれについて送信器のタイミング制御シーケンスを示すハンドシェイク図である。 (a)〜(d)は4通りの基底および乱数の組み合わせのそれぞれについて受信器で測定される有効光子カウントと干渉消光比の変化を示すグラフである。 メモリ270に格納されている光子検出器APD0およびAPD1の有効光子カウントとクロックシフト量とのデータテーブルを模式的に示す図である。 本発明の第2実施例による量子暗号システムの送信器のタイミング制御手順を示すフローチャートである。 (a)〜(d)は4通りの基底および乱数の組み合わせのそれぞれについて送信器のタイミング制御シーケンスを示すハンドシェイク図である。 本発明の第3実施例による量子暗号システムの送信器のタイミング制御手順を示すフローチャートである。 (a)〜(d)は4通りの基底および乱数の組み合わせのそれぞれについて受信器で測定される有効光子カウントと干渉消光比の変化を示すグラフである。 (a)〜(d)は4通りの基底および乱数の組み合わせのそれぞれについて受信器で検出される光子カウントの変化を示すグラフである。 (A)はメモリ270に格納されている光子検出器APD0およびAPD1の光子カウント比と送信側のクロックシフト量とのデータテーブルを模式的に示す図であり、(B)はメモリ270に格納されている光子検出器APD0およびAPD1の光子カウント比と受信側のクロックシフト量とのデータテーブルを模式的に示す図である。 Plug&Play方式の概略的構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 光子検出器
2 バイアス印加回路
3 タイミング制御回路
4 光パワー測定部
5 光子カウンタ
6 メモリ
7 パワー測定プログラム
10 送信器
100 量子ブロック
101 ファラデーミラー
102 位相変調器
103 PBS
104 PBSループ
105 可変光減衰器
106 レーザ
110 同期ブロック
120 データ通信部
130 通信制御部
20 受信器
200 量子ブロック
201 レーザ
202 光サーキュレータ
203 光カプラ
204 Short Path
205 Long Path
206 位相変調器
207 PBS
208,209 光子検出器(APD)
210 同期ブロック
220 データ通信部
230 通信制御部
240 タイミング制御部
250 光パワー測定部
260 光子カウンタ
270 メモリ
280 プログラムメモリ
30 光伝送路
40,50 波長多重フィルタ

Claims (23)

  1. 光パルス列の光パワーを測定する装置において、
    駆動タイミングに従って光子の到達の有無を検出する光子検出手段と、
    前記光子検出手段により検出された光子の数を計数する計数手段と、
    前記駆動タイミングをシフトさせることで前記計数手段により計数された光子数に基づいて前記光パルス列の光パワーを測定する測定手段と、
    を有することを特徴とする光パワー測定装置。
  2. 前記測定手段は、前記駆動タイミングを所定シフト量ずつ所定の位相範囲で順次シフトさせることを特徴とする請求項1に記載の光パワー測定装置。
  3. 前記測定手段は、シフトするそれぞれの駆動タイミングの位相で、複数周期に相当する期間、前記計数手段により光子の数を計数することを特徴とする請求項2に記載の光パワー測定装置。
  4. 前記測定手段は、前記駆動タイミングを連続的にシフトさせ、前記所定の位相範囲のシフトが終了したときに、前記計数手段の光子数から前記光パルス列の光パワーを測定することを特徴とする請求項2に記載の光パワー測定装置。
  5. 前記測定手段は、前記駆動タイミングを前記所定シフト量ずつ順次シフトさせ、シフトするそれぞれの駆動タイミングでの前記計数手段の光子数をメモリに記録し、前記所定の位相範囲のシフトが終了したときに、前記メモリに記録された光子数の系列から前記光パルス列の光パワーを測定することを特徴とする請求項2に記載の光パワー測定装置。
  6. 光パルス列の光パワーを測定する装置において、
    駆動タイミングに従って光子の到達の有無を検出する光子検出手段と、
    前記駆動タイミングの位相をシフトさせるタイミング制御手段と、
    前記光子検出手段により検出された光子の数を計数する計数手段と、
    前記駆動タイミングの位相を順次シフトさせながら、それぞれの駆動タイミングにおいて前記計数手段により計数された光子数をメモリに格納し、格納された光子数に基づいて前記光パルス列の光パワーを測定する測定手段と、
    を有する光パワー測定装置。
  7. 前記メモリには、前記駆動タイミングの位相シフト量とそれに対応する光子数とが順次格納されることを特徴とする請求項6に記載の光パワー測定装置。
  8. 前記光パルス列の光パワーは、前記駆動タイミングの位相シフト量に対応する光子数の所定の位相範囲における総和に対応することを特徴とする請求項7に記載の光パワー測定装置。
  9. 前記光子検出手段は、駆動タイミングに従ってバイアス電圧が印加され、バイアス電圧が印加されている間だけ光子入射の有無を検出できる光電変換素子であることを特徴とする請求項1−8のいずれかに記載の光パワー測定装置。
  10. 各光パルスは1フォトン/パルス以下の微弱光であることを特徴とする請求項1−9のいずれかに記載の光パワー測定装置。
  11. 複数の通信チャネルを通して第1通信器と第2通信器との間で情報伝送を行う光通信システムにおいて、
    前記第1通信器は、
    与えられた変調タイミングに従って、送信すべき原情報により光パルス列を変調し、一の通信チャネルを通して送信する変調手段と、
    前記変調タイミングを変更可能なタイミング供給手段と、
    を含み、
    前記第2通信器は、
    前記一の通信チャネルを通して到達した光パルス列の光子の有無を駆動タイミングに従って検出する光子検出手段と、
    前記光子検出手段により検出された光子の数を計数する計数手段と、
    前記駆動タイミングをシフトさせることで前記計数手段により計数された光子数に基づいて前記光パルス列の光パワーを測定する測定手段と、
    前記測定手段により測定された光パワーに基づいて前記第1通信器の前記変調タイミングを別の通信チャネルを通して制御するタイミング制御手段と、
    を含む、
    ことを特徴とする光通信システム。
  12. 前記タイミング制御手段は、前記変調タイミングを時間軸上でずらしながら前記測定手段により測定される光パワーを監視し、所望の光パワーが得られる変調タイミングを検索することを特徴とする請求項11に記載の光通信システム。
  13. 複数の通信チャネルを通して光送信器との間で情報伝送を行う光受信器において、
    一の通信チャネルを通して前記光送信器から到達した光パルス列の光子の有無を駆動タイミングに従って検出する光子検出手段と、
    前記光子検出手段により検出された光子の数を計数する計数手段と、
    前記駆動タイミングをシフトさせることで前記計数手段により計数された光子数に基づいて前記光パルス列の光パワーを測定する測定手段と、
    前記測定手段により測定された光パワーに基づいて前記光送信器が行う光パルスに対する変調タイミングを別の通信チャネルを通して制御するタイミング制御手段と、
    を有することを特徴とする光受信器。
  14. 前記光子検出手段は第1光子検出器と第2光子検出器とからなり、
    前記一の通信チャネルを通して前記光送信器から到達した光パルス列の変調状態に応じて前記第1光子検出器および前記第2光子検出器のいずれか一方に光信号を出力する光変調検出手段を更に有することを特徴とする請求項13に記載の光受信器。
  15. 前記測定手段は前記第1光子検出器および前記第2光子検出器のそれぞれにおいて測定された光パワーの比を算出し、前記タイミング制御手段は前記光パワーの比に基づいて前記光送信器の変調タイミングを制御することを特徴とする請求項14に記載の光受信器。
  16. 光パルス列の光パワーを測定する方法において、
    光子検出器の駆動タイミングを順次シフトさせ、
    前記駆動タイミングに従って前記光子検出器を駆動することで光子の到達の有無を検出し、
    検出された光子の数を計数し、
    計数された光子数に基づいて前記光パルス列の光パワーを測定する、
    ことを特徴とする光パワー測定方法。
  17. 前記駆動タイミングは所定シフト量ずつ所定の位相範囲で順次シフトさせることを特徴とする請求項16に記載の光パワー測定方法。
  18. シフトするそれぞれの駆動タイミングの位相で、複数周期に相当する期間、光子の数を計数することを特徴とする請求項17に記載の光パワー測定方法。
  19. 前記駆動タイミングを連続的にシフトさせ、前記所定の位相範囲のシフトが終了したときに、前記光子数から前記光パルス列の光パワーを測定することを特徴とする請求項17に記載の光パワー測定方法。
  20. 前記駆動タイミングを前記所定シフト量ずつ順次シフトさせ、シフトするそれぞれの駆動タイミングでの前記光子数をメモリに記録し、
    前記所定の位相範囲のシフトが終了したときに、前記メモリに記録された光子数の系列から前記光パルス列の光パワーを測定する、
    ことを特徴とする請求項17に記載の光パワー測定方法。
  21. 光パルス列の光パワーを測定する方法において、
    光子検出器の駆動タイミングの位相をシフトさせ、
    前記駆動タイミングに従って前記光子検出器を駆動することで光子の到達の有無を検出し、
    検出された光子の数を計数し、
    それぞれの駆動タイミングにおいて計数された光子数をメモリに格納し、
    格納された光子数に基づいて前記光パルス列の光パワーを測定する、
    を有する光パワー測定方法。
  22. コンピュータに、光パルス列の光パワーを測定する装置を実装するプログラムにおいて、
    光子検出器の駆動タイミングを順次シフトさせるステップと、
    前記駆動タイミングに従って前記光子検出器を駆動することで光子の到達の有無を検出するステップと、
    検出された光子の数を光子カウンタにより計数するステップと、
    光子カウンタの光子数に基づいて前記光パルス列の光パワーを測定するステップと、
    を有することを特徴とする光パワー測定プログラム。
  23. コンピュータに、光パルス列の光パワーを測定する装置を実装するプログラムにおいて、
    光子検出器の駆動タイミングの位相をシフトさせるステップと、
    前記駆動タイミングに従って前記光子検出器を駆動することで光子の到達の有無を検出するステップと、
    検出された光子の数を計数するステップと、
    それぞれの駆動タイミングにおいて計数された光子数をメモリに格納するステップと、
    格納された光子数に基づいて前記光パルス列の光パワーを測定するステップと、
    を有することを特徴とする光パワー測定プログラム。
JP2005316320A 2005-10-31 2005-10-31 微弱光の光パワー測定方法および装置、それを用いた光通信システム Active JP4748311B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005316320A JP4748311B2 (ja) 2005-10-31 2005-10-31 微弱光の光パワー測定方法および装置、それを用いた光通信システム
CNA2006101429221A CN101004359A (zh) 2005-10-31 2006-10-31 测量甚弱光功率的方法和设备和使用该方法的光通信系统
EP06022726A EP1780912A1 (en) 2005-10-31 2006-10-31 Method and apparatus for measuring optical power of very weak light, and optical communication system using the same
US11/589,814 US8009984B2 (en) 2005-10-31 2006-10-31 Method and apparatus for measuring optical power of very weak light, and optical communication system using the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005316320A JP4748311B2 (ja) 2005-10-31 2005-10-31 微弱光の光パワー測定方法および装置、それを用いた光通信システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007124484A JP2007124484A (ja) 2007-05-17
JP4748311B2 true JP4748311B2 (ja) 2011-08-17

Family

ID=37684894

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005316320A Active JP4748311B2 (ja) 2005-10-31 2005-10-31 微弱光の光パワー測定方法および装置、それを用いた光通信システム

Country Status (4)

Country Link
US (1) US8009984B2 (ja)
EP (1) EP1780912A1 (ja)
JP (1) JP4748311B2 (ja)
CN (1) CN101004359A (ja)

Families Citing this family (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4957952B2 (ja) * 2005-06-21 2012-06-20 日本電気株式会社 通信システムおよびそのタイミング制御方法
JP4983178B2 (ja) * 2006-09-15 2012-07-25 富士通株式会社 差動四位相偏移変調光受信回路
JP5014844B2 (ja) * 2007-03-14 2012-08-29 三菱電機株式会社 量子通信装置
JP5338665B2 (ja) * 2007-07-13 2013-11-13 日本電気株式会社 量子暗号鍵配付システム
GB2456149B (en) * 2008-01-03 2012-05-30 Toshiba Res Europ Ltd A photon detection system and a method of photon detection
JP4737225B2 (ja) * 2008-04-28 2011-07-27 日本電気株式会社 量子暗号鍵配布システム及びそれに用いる同期方法
JP4879294B2 (ja) * 2009-04-14 2012-02-22 日本電信電話株式会社 量子暗号通信データ処理方法及び量子暗号通信装置
EP2446301B1 (en) 2009-06-22 2018-08-01 Toyota Motor Europe Pulsed light optical rangefinder
JP5367484B2 (ja) * 2009-07-15 2013-12-11 株式会社日本マイクロニクス 検査システム
MX368299B (es) 2011-02-18 2019-09-27 Sun Patent Trust Metodo de generacion de señales y dispositivo de generacion de señales.
US8923705B2 (en) * 2012-03-06 2014-12-30 Northrop Grumman Systems Corporation Poisson-based communication system and methods
CN103033263A (zh) * 2012-12-21 2013-04-10 上海朗研光电科技有限公司 一种基于雪崩二极管的超灵敏光功率检测装置
CN103414512B (zh) * 2013-08-27 2016-12-28 华南师范大学 一种消光比的测量方法及系统
US9210350B2 (en) * 2013-12-09 2015-12-08 Omnivision Technologies, Inc. Low power imaging system with single photon avalanche diode photon counters and ghost image reduction
US9693723B2 (en) 2014-10-14 2017-07-04 Becton, Dickinson And Company Blood sample management using open cell foam
KR101776137B1 (ko) * 2014-10-30 2017-09-19 에스케이 텔레콤주식회사 양자 키 분배 시스템에서 복수의 장치에 키를 공급하는 장치 및 방법
KR101957881B1 (ko) * 2014-10-31 2019-03-13 아이디 퀀티크 에스.에이. 양자 키 분배 시스템에서 양자데이터 시작점을 동기화하는 방법 및 장치
US10003453B1 (en) 2015-11-13 2018-06-19 Anritsu Company Phase synchronization of measuring instruments using free space transmission
US9860054B1 (en) * 2015-11-13 2018-01-02 Anritsu Company Real-time phase synchronization of a remote receiver with a measurement instrument
CN107070561B (zh) * 2016-12-19 2022-10-14 北京大学 基于双路即插即用qkd系统的信道复用装置
JP6730217B2 (ja) * 2017-03-27 2020-07-29 株式会社デンソー 光検出器
JP6943043B2 (ja) * 2017-07-06 2021-09-29 日本電気株式会社 光子検出器のタイミング調整方法および装置
WO2019180770A1 (ja) * 2018-03-19 2019-09-26 日本電気株式会社 光子検出器の駆動タイミング調整方法、装置および光通信システム
US10911155B2 (en) * 2019-04-18 2021-02-02 Microsoft Technology Licensing, Llc System for throughput increases for optical communications
CN110617874B (zh) * 2019-10-16 2021-11-23 南京理工大学 基于双脉冲移相干涉的φ-otdr系统及相位解调方法
RU2757325C1 (ru) * 2020-09-28 2021-10-13 Акционерное Общество "Центр Прикладной Физики Мгту Им. Н.Э. Баумана" Способ измерения суммарных потерь в интерферометре с большой базой
US20240048368A1 (en) * 2020-12-22 2024-02-08 Telefonaktiebolaget Lm Ericsson (Publ) Auto compensated quantum key distribution transmitter, receiver, system and method

Family Cites Families (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5135568A (en) * 1991-01-30 1992-08-04 Rohm And Haas Company Method for improving fluorescent coatings
JP3277382B2 (ja) * 1992-01-31 2002-04-22 ソニー株式会社 固定重複パタン除去機能付水平走査回路
WO1994015422A1 (en) * 1992-12-24 1994-07-07 British Telecommunications Public Limited Company System and method for key distribution using quantum cryptography
EP0717895B1 (en) * 1993-09-09 1998-11-25 BRITISH TELECOMMUNICATIONS public limited company Key distribution in a multiple access network using quantum cryptography
DE69408152T2 (de) * 1993-09-09 1998-05-14 British Telecomm System und verfahren zur quanten-kryptographie
US5591964A (en) * 1995-05-11 1997-01-07 Poole; Craig D. Optical power meter using low-power measurement circuit
US5962857A (en) * 1995-09-22 1999-10-05 The Board Of Regents For Oklahoma State University Method for the fast determination of an unknown absorbed dose of radiation with high sensitivity using optically stimulated luminescence
US5726787A (en) * 1995-12-28 1998-03-10 Lucent Technologies Inc. Apparatus and method for improving signal-to-noise ratio in wavelength division multiplexing soliton transmission systems
US6342701B1 (en) * 1999-07-08 2002-01-29 International Business Machines Corporation Time correlated photon counting
IL156404A0 (en) * 2000-12-11 2004-01-04 Branimir Simic Glavaski Molecular architecture for molecular electro-optical transistor and switch
GB0105629D0 (en) * 2001-03-07 2001-04-25 Marconi Comm Ltd A transmitter system
US6873413B2 (en) * 2001-09-27 2005-03-29 Trimble Navigation Limited Laser receiver using pin diode photodetector elements
GB2382648B (en) * 2001-12-11 2003-11-12 Amersham Pharm Biotech Uk Ltd System and method for time correlated multi-photon counting measurements
US7123235B2 (en) * 2002-09-05 2006-10-17 Toppoly Optoelectronics Corp. Method and device for generating sampling signal
US6765189B1 (en) * 2002-11-20 2004-07-20 Santec U.S.A. Corporation Small form factor in-line switched multichannel fiber optic power monitoring apparatus
GB2397452B (en) * 2003-01-16 2005-07-13 Toshiba Res Europ Ltd A quantum communication system
JP2004264097A (ja) * 2003-02-28 2004-09-24 Mitsubishi Electric Corp 光子検出装置
JP4632652B2 (ja) * 2003-10-10 2011-02-16 日本電気株式会社 量子暗号鍵配布システム及びそれに用いる同期方法
EP1687921A4 (en) 2003-11-12 2008-03-12 Magiq Technologies Inc DETECTOR AUTOCALIBRATION IN QKD SYSTEMS
JP4304298B2 (ja) * 2004-02-13 2009-07-29 日本電気株式会社 通信システム及びその同期方法
WO2005086409A1 (en) 2004-03-02 2005-09-15 Magiq Technologies, Inc. Modulator autocalibration methods for qkd
JP2006012226A (ja) * 2004-06-23 2006-01-12 Hitachi Ltd 記録方法及び光ディスク装置
JP4716004B2 (ja) * 2005-03-31 2011-07-06 日本電気株式会社 光子検出回路およびノイズ除去方法

Also Published As

Publication number Publication date
US8009984B2 (en) 2011-08-30
US20070098402A1 (en) 2007-05-03
JP2007124484A (ja) 2007-05-17
CN101004359A (zh) 2007-07-25
EP1780912A1 (en) 2007-05-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4748311B2 (ja) 微弱光の光パワー測定方法および装置、それを用いた光通信システム
JP4957952B2 (ja) 通信システムおよびそのタイミング制御方法
JP4800674B2 (ja) 通信方法および通信システム
RU2671620C1 (ru) Высокоскоростная автокомпенсационная схема квантового распределения ключа
JP4632652B2 (ja) 量子暗号鍵配布システム及びそれに用いる同期方法
JP4304298B2 (ja) 通信システム及びその同期方法
CN101204034B (zh) 用于通过wdm链路分配量子密钥的系统和方法
EP2081317A2 (en) Quantum key distribution system and method of performing quantum key distribution
JP4584975B2 (ja) Qkdに対する変調器自動較正方法
JP4638478B2 (ja) 量子キー分配に対する変調器タイミング
US20070248229A1 (en) Quantum cipher communication system and method of setting average photon number at communication terminal
US20090046857A1 (en) Quantum cryptography transmission system and optical device
JPWO2019180770A1 (ja) 光子検出器の駆動タイミング調整方法、装置および光通信システム
JP2007251679A (ja) 量子暗号通信装置
JP4358829B2 (ja) Qkdシステムのウォッチドッグ検出器
JP2006166162A (ja) パルス波形整形機能を有する通信システムおよび通信方法
JP2005286485A (ja) 量子暗号通信方法、および量子暗号通信装置
KR102576065B1 (ko) 직교 위상 성분 값의 제어된 분포를 갖는 광학 펄스의 생성
JP4737225B2 (ja) 量子暗号鍵配布システム及びそれに用いる同期方法
JP4748329B2 (ja) 通信システム及びその同期方法
WO2022107184A1 (ja) 測定装置及び測定方法
JP2019016900A (ja) 光子検出器のタイミング調整方法および装置
JP2003032249A (ja) 光通信装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080919

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101117

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110202

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110404

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110420

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110503

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4748311

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140527

Year of fee payment: 3