JP4304298B2 - 通信システム及びその同期方法 - Google Patents

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Description

本発明は相対的に光パワーが小さい状態で信号を伝送する通信チャネルと相対的に大きい通常状態で信号を伝送する通信チャネルとを用いた通信システムに係り、特に通信装置間の同期確立方法に関する。
量子暗号の分野では、ハイゼンベルクの不確定性原理に基づき、送信器と受信器との間での盗聴を高い確率で検出できることが知られている。このことは、逆に言えば、送信器および受信器の間で盗聴されることなく秘密のビット列(暗号鍵)を共有することが可能であることを示している。秘密情報を共有する手順としては、たとえば4つの量子状態を用いたBB84(Bennett Brassard 84)プロトコル等が知られている。これを絶対安全性が証明されているバーナム(Vernam)暗号の鍵として用いることで高度な安全性を達成できる。BB84プロトコルによる鍵共有手順について簡単に説明する。
図10はBB84に従った鍵共有手順ステップ1〜8を説明するための模式図である。
ステップ1: 送信器で暗号鍵の元データとなるランダムデータビットと、変調時の基底情報A(+基底または×基底)となるランダムデータと、によって位相変調データを生成して記憶する。
ステップ2: 送信器で光パルスを位相変調データによって位相変調し、量子チャネルを介して受信器に送信する。
ステップ3: 受信器でもランダムな基底データ(+基底または×基底)に基づいて送信器からの光パルスを位相変調して干渉計を経て受信する。
ステップ4: 受信器で受信することができた光データビット(検出出力)と、その時の基底情報Bとを記憶し、規定情報Bを送信器へ古典チャネルを介して送信する。
ステップ5: 送信器では受信器から送られた基底情報Bと記憶していた基底情報Aとを比較し、もとデータであるランダムデータビットのうちの基底の合致しないビットを破棄する。
ステップ6: 送信器から受信器へ、破棄されずに残ったビットのビット番号を古典チャネルを介して送信する。
ステップ7: 受信器では送信器から送られたビット番号以外の検出データビットを破棄する。
ステップ8: 最終的に残ったデータビットを送信器と受信器とで共有される暗号化鍵データとする。
このような鍵共有方式を採用した量子暗号鍵配布システムがいくつか提案されている。特にスイスのジュネーブ大学で提案されたPlug&Play方式(非特許文献1〜3参照)は、光ファイバ伝送路における偏光の揺らぎを補償することができるため、偏光に敏感な量子暗号鍵配布システムを実用化するための方式として期待されている。Plug&Play方式の概略的構成を図11に示す。
図11に示すように、Plug&Play方式では、まず、量子暗号鍵の受信器のレーザLDで光パルスPを発生させ、それを2分割し、一方の光パルスP1は短いパスを通して、他方の光パルスP2は長いパスを通して、それぞれ相前後して送信器へ送信される。アリスは光パルスP1およびP2を順次受信すると、光パルスP1をファラデーミラーで反射させ偏光状態を90度回転させて受信器へ返送し、光パルスP2をファラデーミラーで同様に反射させると共に位相変調して位相変調された光パルスP2*Aを受信器へ返送する。
受信器では、送信器から受信した光パルスP1を送信時とは異なる長いパスを通すと共に位相変調し、位相変調された光パルスP1*Bを得る。他方、送信器で位相変調された光パルスP2*Aは送信時とは異なる短いパスを通した後、受信器で位相変調された光パルスP1*Bと干渉させ、その結果を光子検出器APD1またはAPD2で検出する。全体として、受信器内で2分割された光パルスP1およびP2は同じ光パスを通過して干渉するので、光子検出器で観測される干渉結果は光ファイバ伝送路の遅延変動が相殺され、送信器の位相変調と受信器の位相変調との差に依存する。
このような構成を有するPlug&Play方式では次のような同期をとる必要がある:
1)送信器において、受信器から送られた光パルスP2をパルスに合わせて変調するために光ファイバ伝送路の遅延変動に追従させる;
2)受信器において、送信器から反射されてきた光パルスP1を変調するために光ファイバ伝送路の遅延変動に追従させる;および
3)受信器で光パルスを受信する時、光検出器に印加するバイアスを受信光パルスに合わせる(ガイガーモードでの超高感度受信)。
さらに、量子暗号鍵配布システムでは、基本情報のやりとり、鍵生成シーケンスにおいてもビット位置の同期を確立する必要がある。
しかしながら、量子暗号鍵配布システムでは、従来の光通信と大きく異なり、光パワーレベルが高々単一光子レベルと微少であるため、量子チャネルを利用して従来の古典チャネルのようなクロック抽出を行うことが不可能である。量子チャネルとは、送信器から受信器へ送信する光パワーが1photon/bit以下の微弱な状態の通信チャネルをいい、古典チャネルとは通常の光パワー領域での通信チャネルをいう。
つまり、量子チャネルを利用して光パワーレベルが微少な光で通信している時には、光検出器APDにほとんど光が到達しないので、例えば送信側がマーク率1/2のデータを送っても、受信側のマーク率が1/2よりもはるかに小さくなり、データの欠損が生じ、正しい周期のクロックを抽出することができない。このような量子チャネルにおける同期をとるためには、通常、古典チャネルが利用されている。
例えば、特表平08−505019号公報(特許文献1)には、古典チャネルを利用してビット同期その他システムの較正を行う方法が提案されている。特許文献1に記載された方法では、同一の伝送路に量子チャネルと古典チャネルとを設け、古典チャネルを利用して光パワーの微弱な量子チャネルのクロック同期を行っている(6ページ4行〜27行、Fig. 4参照)。
また、特開昭63−107323号公報(特許文献2)には、光ファイバの伝送特性の変動を受信側で検出し、特性変動の補償を可能にする光伝送方式が開示されている。具体的には、データ信号とは別波長の参照信号を受信器から送信器へ送出し、送信器で折り返されて戻ってきた参照信号から光ファイバの伝送特性の変動を検出する(3ページ左上欄13行から左下欄13行、第1図、第2図)。
特表平08−505019号公報(6ページ4行〜27行、Fig. 4参照) 特開昭63−107323号公報(3ページ左上欄13行から左下欄13行、第1図、第2図参照) "Automated ‘plug & play’ quantum key distribution"(G.Ribordy,J.D.Gautier,O.Guinnard and H.Zbinden,ELECTRONICS LETTERS 29th,October 1998,Vol.34 No.22,pp.2116−2117) 「"Plug & Play" systems for quantum cryptography」(A.Muller,T.Herzog,B.Huttner,W.Tittel,H.Zbinden and N.Gisin,Appl.Phys.Lett.70(7),17 February 1997,pp.793−795) "interferometry with Faraday mirrors for quantum cryptography"(H.Zbinden,J.D.Gautier,N.Gisin,B.Huttner,A.Muller and W.Tittel,ELECTRONICS LETTERS 27th,March 1997,Vol.33 No.7,pp.586−588)
しかしながら、光伝送路には実際には波長分散が存在する。特許文献1に記載されているように同一伝送路であっても、量子チャネルと古典チャネルとでは波長が異なるので両チャネルの伝搬時間が異なる。このため、量子チャネルと古典チャネルとの位相関係は一致しなくなり、量子チャネルのクロック同期および鍵生成のためのビット同期を確立することができない。また、量子チャネルと古典チャネルをと別々の伝送路で構成する場合には、伝搬時間は伝送路の特性(伝搬距離や分散等)に依存するので、伝送路毎の設定が必要となる。いずれにしても、量子チャネルと古典チャネルとの位相関係は一致しなくなり、量子チャネルのクロック同期および鍵生成のためのビット同期を確立することができない。
また、特許文献2に開示された光伝送方式においても、光信号の変動を補正するために別波長の参照信号を送出するのであるから、同様の理由から、量子チャネルのクロック抽出を行うことや鍵生成同期すなわちビット位置の同期を行うための基準信号を受信器へ正確に送ることが不可能である。
そこで本発明の目的は、正確なクロック抽出が可能なチャネルと不可能なチャネルとによって接続された送信器および受信器の間で両チャネルの同期を確立する方法およびシステムを提供することにある。
本発明による通信システムは、相対的に光パワーが小さい微弱光状態および大きい通常光状態のいずれかで第1光信号を伝送する第1チャネルと前記通常光状態で第2光信号を伝送する第2チャネルとを含む少なくとも1つの伝送路を介して接続された第1通信装置および第2通信装置を有し、前記第2通信装置が前記第1チャネルを通して前記第1通信装置へ第1光信号を出力し、前記第1通信装置が前記第1光信号を折り返し、その折り返された第1光信号に送信情報を乗せ前記微弱光状態で前記第2通信装置へ送信する通信システムにおいて、前記第1通信装置および前記第2通信装置の各々に設けられ、前記第2チャネルを通して前記第2光信号により基準信号を送受信する第1通信手段と、前記第2通信装置に設けられ、前記基準信号に従った前記第1光信号を前記通常光状態で前記第1チャネルと通して前記第1通信装置へ出力し、前記第1通信装置で折り返えされた前記通常光状態の前記第1光信号を受信する第2通信手段と、前記第1通信装置および前記第2通信装置の各々に設けられ、前記第1チャネルの前記第1光信号から検出された基準信号と前記第2チャネルの前記第2光信号から検出された基準信号との間の位相を比較する位相比較手段と、前記第1通信装置および前記第2通信装置の各々に設けられ、前記位相比較手段の比較結果に基づいて前記第1通信装置および前記第2通信装置の間の同期を確立する同期確立手段と、を有する。
本発明の第1実施形態によれば、前記基準信号はクロック信号であり、前記同期確立手段は前記第1チャネルで検出されたクロック信号と前記第2チャネルで検出されたクロック信号との位相を合わせるようにタイミングを調整する。
本発明の第2実施形態によれば、前記基準信号は、前記第1通信装置および前記第2通信装置の間で共有される情報を生成するための共有情報生成基準信号(鍵生成基準信号)であり、前記同期確立手段は前記第1チャネルで検出された共有情報生成基準信号と前記第2チャネルで検出された共有情報生成基準信号との位相を合わせるようにタイミングを調整する。
本発明の一実施例によれば、同期確立動作時には前記通信手段を前記光パワーが大きい通常状態の通信モードに設定し、同期確立後は前記光パワーが小さい状態の通信モードに切り替える通信制御手段をさらに有する。
本発明による第1通信装置と第2通信装置との間の同期確立方法は、相対的に光パワーが小さい微弱光状態および大きい通常光状態のいずれかで第1光信号を伝送する第1チャネルと前記通常光状態で第2光信号を伝送する第2チャネルとを含む少なくとも1つの伝送路を介して接続された第1通信装置および、第2通信装置を有し、前記第2通信装置が前記第1チャネルを通して前記第1通信装置へ第1光信号を出力し、前記第1通信装置が前記第1光信号を折り返し、その折り返された第1光信号に送信情報を乗せ前記微弱光状態で前記第2通信装置へ送信する通信システムにおける前記第1通信装置と前記第2通信装置との間で同期を確立する方法において、前記第1通信装置および前記第2通信装置の間でクロック信号を前記第1チャネルおよび前記第2チャネルを通してそれぞれ前記通常光状態の第1光信号および第2光信号で伝送し、前記第1通信装置および前記第2通信装置の各々に設けられた位相比較手段が前記第1チャネルから検出されたクロック信号と前記第2チャネルから検出されたクロック信号との間の位相を比較し、前記第1通信装置および前記第2通信装置の各々に設けられた同期確立手段が前記検出されたクロック信号の位相を合わせることで前記第1通信装置および前記第2通信装置の間の同期した較正クロック信号を生成する、ことを特徴とする。
さらに、望ましくは、前記較正クロック信号に従って、前記第1通信装置から前記第2通信装置へ、それらの間で共有される情報を生成するための共有情報生成基準信号を前記第1チャネルおよび前記第2チャネルを通してそれぞれ前記光パワーが大きい通常状態で伝送し、前記較正クロック信号に従って、前記第1チャネルから検出された共有情報生成基準信号と前記第2チャネルから検出された共有情報生成基準信号との間の位相を比較し、前記検出された共有情報生成基準信号の間の位相差に基づいて、前記第1通信装置および前記第2通信装置の間で共有される情報を生成するための同期を確立する、ことを特徴とする。
好ましくは、本発明は量子暗号鍵配布システムに適用可能である。すなわち、送信側の量子ユニットと受信側の量子ユニットとが、前記送信側の量子ユニットから前記受信側の量子ユニットへ送信する光パワーが1光子/ビット以下の微弱光状態および前記微弱光状態より大きい通常光状態のいずれかの状態で第1光信号を伝送する量子チャネルと前記通常光状態で第2光信号を伝送する古典チャネルとからなる伝送路で接続され、前記受信側の量子ユニットが前記量子チャネルを通して前記送信側の量子ユニットへ第1光信号を出力し、前記送信側の量子ユニットが前記第1光信号を折り返し、その折り返された第1光信号に送信情報を乗せ前記微弱光状態で前記受信側の量子ユニットへ送信する通信システムであって、前記量子チャネルにおける前記第1光信号の光パワーを前記通常光状態にするトレーニングモードを前記送信側の量子ユニットおよび前記受信側の量子ユニットに指示する手段と、前記送信側の量子ユニットおよび前記受信側の量子ユニットの間でクロック信号を前記量子チャネルおよび前記古典チャネルを通してそれぞれ前記通常光状態の第1光信号および第2光信号で伝送する手段と、前記送信側および前記受信側の量子ユニットに設けられ、かつ、前記トレーニングモードにおいて抽出した前記量子チャネルのクロック信号と前記古典チャネルのクロック信号との位相比較を行って前記送信側の量子ユニットと前記受信側の量子ユニットとの同期を確立する手段とを有することを特徴とする。
さらに、鍵生成基準信号を前記送信側の量子ユニットから前記受信側の量子ユニットへ前記量子チャネルと前記古典チャネルを介して送り、前記受信側の量子ユニットで前記量子チャネルを介して受信した鍵生成基準信号と前記古典チャネルを介して受信した鍵生成基準信号の位相差を検出し、前記検出した位相差を補正することによって鍵生成同期を実現することができる。
本発明による量子暗号鍵配布システムの同期方法は、前記量子チャネルの光パワーを前記通常状態として通信するトレーニングモードを前記送信側の量子ユニット及び前記受信側の量子ユニットに指示し、前記送信側の量子ユニット側で前記トレーニングモードにおいて前記光パワーを前記通常状態として通信し、前記受信側の量子ユニット側で前記トレーニングモードにおいて抽出した前記量子チャネルのクロックと前記古典チャネルのクロックとの位相比較を行って前記送信側の量子ユニットと前記受信側の量子ユニットとのクロック同期を確立する。
さらに鍵生成基準信号を前記送信側の量子ユニットから前記受信側の量子ユニットへ前記量子チャネルと前記古典チャネルを介して送り、前記受信側の量子ユニットで前記量子チャネルを介して受信した鍵生成基準信号と前記古典チャネルを介して受信した鍵生成基準信号の位相差を検出し、前記検出した位相差を補正することによって鍵生成同期を実現する。
本発明によれば、微弱な通信状態の第1チャネルと通常通信状態の第2チャネルとの間の波長分散等に起因する伝搬遅延差を伝送路によらず自動で較正することができる。これにより、クロック抽出や基準信号伝送を正確に行うことができない第1チャネルに代わって、第2チャネルで送信器と受信器との同期を確立することができるという効果が得られる。
本発明を量子暗号鍵配布システムに適用した場合、鍵生成を開始する前に、量子チャネルの光パワーを通常レベルの強い光で通信するモード(以下、トレーニングモードとする)を設け、このトレーニングモードにおいて抽出した量子チャネルのクロックと古典チャネルのクロックとの位相比較を行い、量子チャネルと古典チャネルとの波長分散による伝搬遅延差を自動で較正してクロック同期を確立することができる。
さらに、鍵生成基準信号を前記送信側の量子ユニットから前記受信側の量子ユニットへ前記量子チャネルと前記古典チャネルを介して送り、これらのチャネルで受信した鍵生成基準信号の位相差を検出し、この位相差を補正することによって鍵生成同期を実現することができる。
このように、本発明によれば、鍵生成を開始する前に通常レベルの強い光で通信するトレーニングモードを設け、別波長の同期信号との波長分散による伝搬遅延差を較正し、鍵生成時には別波長の同期信号を用いてクロック同期及び鍵生成同期を行う。これによって、量子チャネルと古典チャネルでの波長分散による伝搬遅延差を伝送路によらず自動で較正することが可能となり、微弱光のためにクロック抽出や基準信号の伝送を正確に行うことができない量子チャネルに代わって、波長の異なる古典チャネルで送信器と受信器との同期を確立することが可能となる。
以下、説明を簡単にするために、2つの通信装置が光ファイバで接続されている通信システムを一例として取り上げ、本発明の実施形態を詳細に説明する。
1.第1実施形態
図1は本発明の第1実施形態による通信システムの概略的構成を示すブロック図である。ここでは、送信器10と受信器20とが量子チャネル51および古典チャネル52を含む光ファイバ伝送路5により接続されている。量子チャネル51と古典チャネル52とは同一伝送路(光ファイバ伝送路5)上の別波長のチャネルである。
送信器10は量子ユニット1および同期部4を含み、受信器20は量子ユニット2および同期部3を含む。量子ユニット1と量子ユニット2とは量子チャネル51を介して生鍵とよばれる暗号鍵を生成し、送信器10と受信器20とは、後述するように量子チャネル51および古典チャネル52の別波長チャネルを用いて、量子ユニット1および2の間で同期を確立する。
受信器20の同期部3は、クロック抽出器31、遅延素子32および位相比較器33を有する。後述するように遅延素子32は、位相比較器33の比較結果に依存して遅延量が制御される。送信器10の同期部4は、クロック抽出器41、遅延素子42、位相比較器43、および、マスタクロック44を有する。後述するように遅延素子42は、位相比較器43の比較結果に依存して遅延量が制御される。また、送信器10および受信器20には、図示されていない通信制御部が設けられている。
送信側および受信側の量子ユニット1および量子ユニット2は、それぞれの通信制御部からトレーニングモード切替信号を受取ることでトレーニングモードに移行する。トレーニングモードでは、量子チャネル51に古典チャネルレベルの強さの光信号を伝送することで、各量子ユニットにおいてクロック抽出が可能となる。
まず、マスタクロック44はクロック信号を古典チャネル52を通して受信器20へ送出している。受信器20の同期部3におけるクロック抽出部31は、古典チャネル52を通して受信した信号からクロック信号を抽出し、それを古典チャネル52へそのまま折り返し返送する。
送信器10の同期部4におけるクロック抽出部41は、古典チャネル52を通して受信器20で折り返されてきたクロック信号を抽出する。抽出されたクロック信号は遅延素子42で遅延され、位相比較器43および量子ユニット1へ出力される。トレーニングモード切替信号を入力すると、送信側の量子ユニット1は、遅延素子42から入力したクロック信号に従って、通常の通信に用いられる程度の強い光を量子チャネル51に送出する。位相比較器43は、量子ユニット1でモニタされた量子チャネル51のクロック信号と遅延素子42から入力した古典チャネル52のクロック信号との位相比較を行い、その位相のずれを補償するように遅延素子42の遅延量を制御する。すなわち、位相比較器43および遅延素子42は遅延ロックループDLLを構成する。
受信側の量子ユニット2は、量子チャネル51から受信した信号からクロックを抽出し位相比較器33へ出力する。受信器20の同期部3におけるクロック抽出部31により抽出されたクロック信号は遅延素子32で遅延され、位相比較器33および量子ユニット2へ出力される。位相比較器33は、量子ユニット2でモニタされた量子チャネル51のクロック信号と遅延素子32から入力した古典チャネル52のクロック信号との位相比較を行い、その位相のずれを補償するように遅延素子32の遅延量を制御する。すなわち、位相比較器33および遅延素子32は遅延ロックループDLLを構成する。
このようにして送信器10および受信器20において遅延量の調整が行われ、マスタクロック44を基準とした同期が確立される。同期が確立されると、送信器10および受信器20の量子ユニット1および2は、それぞれ同期したクロック信号に従って、所定の動作を行うことができる。
なお、送信器10と受信器20とにおいては、トレーニングモードへの切替え時または量子モードへの切替え時に、古典チャネル52を介して相互にその切替え要求およびそれに対する応答がやりとりされ、それらの切替えが通知される。送信器10および受信器20の各通信制御部は、この切替えの通知に従ってトレーニングモード切替信号または量子モード切替信号を出力する。
1.1)第1実施例
(構成)
次に、上記第1実施形態による通信システムをPlug&Play方式の量子暗号鍵配布システムに適用した一例を詳細に説明する。ただし、Plug&Playシステムの基本的な構成および動作は、図11を用いて既に説明しているので詳細は省略する。
図2は本発明の第1実施例によるPlug&Play方式の量子暗号鍵配布システムを示すブロック図である。本実施例では、波長λ1の量子チャネル401(図1の量子チャネル51)と、波長λ2およびλ3の同期信号用の古典チャネル402(図1の古典チャネル52)とが用いられる。波長多重分離器601および602は光ファイバ伝送路400(図1の光ファイバ5)を通して接続されている。波長λ1の量子チャネル401は量子ユニット100および200にそれぞれ接続され、波長λ2およびλ3の同期信号用の古典チャネル402は同期部300および500にそれぞれ接続されている。
送信側の量子ユニット100(図1の受信側の量子ユニット1に対応)は、位相変調器(Phase Mod. A)111、変調器駆動回路(Drv.)112、遅延調整回路(D)113、ファラデーミラー120、光減衰器(Att.)130、および、量子チャネルモニタ用の光電変換器(O/E)140を有する。量子モード時には、位相変調器111は二種類の乱数R1およびR2の組み合わせに従って、ファラデーミラー120から反射した光パルスを0、π/2、π、3/2πの4つの位相のいずれかに変調し、光減衰器130は減衰量を大きくする。トレーニングモード時には、位相変調器111は位相変調を行わず、光減衰器130は減衰量を小さくする。量子モードおよびトレーニングモードの切り替えは、図示していない通信制御部により制御される。
受信側の量子ユニット200(図1の受信側の量子ユニット2に対応)は、波長λ1のパルス光源であるレーザLD211と、そのドライバであるレーザ駆動回路(Drv.)212とを有し、波長λ1の光パルスが光減衰器(Att.)213を通して光サーキュレータ250に入射する。光サーキュレータ250から出射した光パルスは、光カプラ406によって短経路(Short Path)404と長経路(Long Path)405にそれぞれ分岐し、Long Path405に分岐した光パルスは位相変調器(Phase Mod.B)221によって位相変調され、偏光ビームスプリッタPBS230に入射する。位相変調器221は乱数R3に従って変調器駆動回路(Drv.)222により駆動され、駆動タイミングは遅延調整回路(D)223により調整される。
位相変調器221は、既に述べたように送信器側で折り返された信号がLong path405を通るときに、乱数R3に従った0、π/2の2つの位相で当該光信号を変調する。そして、送信器側の位相変調器111で変調された光信号と受信器側の位相変調器221で変調された光信号とが光カプラ406で干渉し、その結果がアバランシェ光ダイオード(Avalanche Photo Diode)APD241またはADP242で検出される。なお、Short Path404およびLong Path405は偏波保存ファイバ、光サーキュレータ250、光カプラ406は偏波保存型である。
また、量子モード時にはレーザLD211から出力される光パルスのパルス幅を小さくしてShort Path404およびLong Path405の別経路を通った光パルスが十分区別できる間隔に維持する必要がある。しかしながら、トレーニングモード時には量子モード時のような光パルスの間隔を維持する必要はない。したがって、レーザ駆動回路212は、量子モードおよびトレーニングモードのいずれであるかによって上記光パルス幅を変化させる。
送信側同期部500(図1の送信側同期部4に対応)にはマスタクロック504と電光変換器(E/O)505とが設けられ、マスタクロック504からのクロック信号がE/O505によって波長λ3の光クロック信号に変換され、波長λ3の古典チャネル402を通して受信器側へ送出される。さらに、同期部500は、波長λ2の古典チャネル402を通して受信器側から受信した光信号を電気信号に変換する光電変換器(O/E)501、遅延素子502、および、位相比較器503を有する。
位相比較器503は、O/E140により検出された波長λ1の量子チャネル401のクロック信号と遅延素子502から入力する古典チャネル402のクロック信号との位相比較を行い、上述したような遅延調整により較正クロック信号CLKを生成して量子ユニット100へ供給する。
受信側同期部300(図1の受信側同期部3に対応)は、光電変換器(O/E)301、遅延素子302と、位相比較器303、および、電光変換器(E/O)304を有する。O/E301は、送信器から波長λ3の古典チャネル402を通して受信した光クロック信号を電気信号に変換し、そのクロック信号を折り返し信号としてE/O304へ出力し、さらに遅延素子302および量子ユニット200のレーザ駆動回路212へ出力する。
E/O304はO/E301から受け取った折り返し用のクロック信号を波長λ2の光クロック信号に変換し、波長λ2の古典チャネル402を通して送信器へ送出する。これと同時に、O/E301から受け取った同じクロック信号に従ってレーザ駆動回路212はレーザLD211を駆動し波長λ1の光パルスを発生させる。その時の光パルスの幅は、上述したように、量子モードおよびトレーニングモードのいずれであるかによって制御される。
トレーニングモード時であれば、受信器から量子チャネル401を通して送信器へ到達した波長λ1の光パルスは、送信器側で光減衰も位相変調もされないで折り返され、同じく量子チャネル401を通して受信器に到達し、APD242によって検出される。APD242により検出されたクロック信号は位相比較器303によって古典チャネル402を通したクロック信号と位相比較され、上述したような遅延調整が行われる。これにより較正クロック信号CLKが生成され、量子ユニット200へ供給される。
上述したように、同期部500および300における遅延調整によって、マスタクロック504を基準とした量子ユニット100および200の同期を確立することができる。
(動作)
図3は本発明の第1実施例による量子暗号鍵配布システムにおける送信側および受信側のモード切替え動作を示すフローチャートである。まず、送信器10および受信器20の通信制御部(図示せず)はそれぞれ電源オンになると、トレーニングモード切替信号を発生し(ステップS1)、それによって送信側の量子ユニット100および受信側の量子ユニット200はそれぞれトレーニングモードに遷移する(トレーニングモード:ステップS2)。
トレーニングモードは、量子チャネル401の光パワーが通常の通信に用いられる程度の強い光で通信するモードである。このトレーニングモード時の強い光は、受信側のレーザ光パルスを減衰させる光源衰器213と送信器側の量子チャネル401の光減衰器130との減衰量を小さくすることで光パワーを大きくし、かつ、レーザ駆動回路212がレーザLD211を駆動する駆動電流のパルス幅を広くしてマーク率を量子モードより上げることによって実現する。上述したように、トレーニングモードでは、受信器側におけるShort Path404およびLong Path405の別経路を通った光パルスを区別する必要がないからである。
量子チャネル401の光パワーが通常の通信に用いられる程度の強い場合には、量子チャネル401からのクロック抽出が可能となる。送信側の量子ユニット100では、O/E140で受信した光信号からクロック信号を抽出し位相比較器503へ出力する。受信側の量子ユニット200では、APD242が光クロック信号を検出して抽出したクロック信号を位相比較器303へ出力する。
送信側の量子ユニット100では、量子チャネル401からO/E140で抽出したクロックと、古典チャネル402からO/E501で抽出したクロックとを位相比較器503で比較し、ここでの位相差が零となるように遅延素子502にフィードバックを行う(Delay調整:ステップS3)。
量子チャネル401の信号はファラデーミラー120で折り返され、位相変調器111で変調を加えず、光減衰器130で光パワーを絞ることもなく、量子チャネル401にそのまま折り返される。
一方、受信側の量子ユニット200では、APD242で量子チャネル401の光パルスを受信する。これは、送信側の量子ユニット100の位相変調器111で変調を加えなかったので、送信側の量子ユニット100での変調位相と受信側の量子ユニット200での変調位相とが一致し、光パルスのAPD242への出力が一意に定まるためである。
APD242で受信されたクロック信号(同期信号)と古典チャネル402からO/E301で抽出されたクロック信号とは位相比較器303で比較され、位相差が零となるように遅延素子302にフィードバックされる(Delay調整:ステップS3)。
送信側の同期部500および受信側の同期部300のそれぞれにおいて位相差がゼロになり遅延素子502および302の遅延量が決定すると、それぞれの通信制御部は量子モード切替信号を発行する(ステップS4)。送信側の量子ユニット100および受信側の量子ユニット200は量子モード切替信号を受取ると、量子モードに遷移する(ステップS5)。
量子モードは量子チャネル401での光パワーが1photon/bitと非常に微弱なモードである。この量子モード時の微弱な光は、送信器側の量子チャネル401の光減衰器130の減衰量を大きくすることで光パワーを微弱にし、かつ、受信器側のレーザ駆動回路212がレーザLD211を駆動する駆動電流のパルス幅を狭くしてマーク率を下げることによって実現する。受信器側におけるShort Path404およびLong Path405の別経路を通った光パルスを区別する必要があるからである。量子暗号鍵生成はこの量子モードで行われる。
この量子モード動作時には、上述した遅延調整による遅延量の確定により、量子ユニット100および200はいずれもマスタクロック504を基準とした同期状態にある。すなわち、送信側の量子ユニット100の位相変調器111は送信側同期部500で較正したクロックに同期した信号で駆動し、受信側の量子ユニット200の位相変調器221およびAPD241、242は受信側同期部300で較正したクロックに同期した信号で駆動する。
送信器10及び受信器20のそれぞれの通信制御部は、上記量子モードにおいて、異常(例えば、DLLのlock異常)の有無を判定する(ステップS6)。異常発生が検出されると(ステップS6のYES)、ステップS1に戻って再度トレーニング切替信号を発生させる。異常を検出せず(ステップS7のNO)、処理終了も検出しなければ(ステップS7のNO)、異常検出処理ステップS6を繰り返す。一方、処理が終了すると(ステップS7のYES)、電源オフとなる。
このように、本実施例では、量子チャネル401と古典チャネル402との間の波長分散による伝搬遅延差を伝送路によらず自動で較正することができる。その結果、本実施例では、微弱光のためにクロックを抽出することができない量子チャネル401に代わって、波長の異なる古典チャネル402で送信側の量子ユニット100と受信側の量子ユニット200との同期を確立することができる。
従来、量子チャネルを利用して光パワーレベルが微少な光で通信している時には、受信器にほとんど光は届かないため、例えば送信側がマーク率1/2のデータを送っても、受信側のマーク率が1/2よりもはるかに小さくなり、データの欠損が生じ、正しい周期のクロックを抽出することができなかった。これに対し、本実施例では、トレーニングモードとして、量子チャネル401での光パワーを通常の通信に用いられる程度の強い光として通信を行うので、例えば送信側がマーク率1/2のデータを送ると、受信側のマーク率も1/2となり、データの欠損が生じることはなく、正しい周期のクロックを抽出することができる。これを利用することで、量子チャネルおよび古典チャネルの伝搬遅延差が存在しても、送信側および受信側の量子ユニット間の同期を容易に確立することができる。
1.2)第2実施例
図4は本発明の第2実施例による送信側および受信側のモード切替動作を示すフローチャートである。第2実施例では、装置構成自体は図2に示す第1実施例と同様であるから、以下、第2実施例における送信側および受信側のモード切替動作についてのみ説明する。
図4において、ステップS11〜S13は、第1実施例で説明した図3のステップS1〜S3にそれぞれ対応し、トレーニングモードにおける遅延調整が実行され、量子ユニット100および200の間の同期が確立される。続くステップS14およびS15により量子モードに移行すると、通信制御部は所定時間のタイマをスタートさせると共に、DLLのlock異常等の異常が発生したか否かを判定し(ステップS16)、異常発生が検出されると(ステップS16のYES)、ステップS11に戻って再度トレーニング切替信号を発生させる。
異常を検出しない場合は(ステップS16のNO)、通信制御部は所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS17)。所定時間の経過を検出せず(ステップS17のNO)、処理終了も検出しなければ(ステップS18のNO)、異常検出処理ステップS16を繰り返す。異常が検出されるか(ステップS16のYES)、あるいは所定時間が経過すると(ステップS17のYES)、ステップS11に戻ってトレーニングモードに遷移する。また、処理終了を検出すると(ステップS18のYES)、電源オフとなる。
このように、本実施例では、上述した第1実施例と同様に、量子チャネル401と古典チャネル402との間の波長分散による伝搬遅延差を伝送路によらず自動で較正することができる。その結果、微弱光のためにクロックを抽出することができない量子チャネル401に代わって、波長の異なる古典チャネル402で送信側の量子ユニット100と受信側の量子ユニット200との同期を確立することができる。さらに、本実施例では、ステップS17で所定時間の経過をモニタし、所定時間が経過した場合には、再度トレーニングモードに切り替わり、量子ユニット間の同期調整が行われる。したがって、所定時間を適切に設定することで所定時間毎の定期校正が可能となり、さらに信頼性の高い量子暗号鍵配布システムを得ることができる。
1.3)第3実施例
図5は本発明の第3実施例による通信システムの構成を示す概略的ブロック図である。なお、図1に示す構成と同一のブロックおよび同一機能部には同一参照番号を付して詳細な説明は省略する。
図1に示す通信システムでは、光ファイバ5を用いた波長分割多重WDM(Wavelength Division Multiplexing)システムであったが、図5に示す通信システムでは、クロック同期を同じケーブル中の別の光ファイバ5bを用いて行う構成となっている。
WDMでは、光信号の分割・多重を行う際に、分割・多重用の光部品による損失が生ずるが、この損失を避けるために、本実施例ではクロック同期を同じケーブル中の別の光ファイバ5bを用いて行う。この場合、光ファイバは同じケーブル内に収容されるため、物理的な長さはほぼ同じとなる。しかしながら、同じケーブル内の複数の光ファイバ各々は、製造上のばらつきによって光の伝送路長が必ずしも同じになるとは限らない。
つまり、本実施例では、量子信号と同期信号とが同じ伝送路上を伝搬するわけではないので、伝送路長が厳密には一致せず、量子信号と同期信号との間には伝搬遅延差が生じる。また、本実施例では、別の光ファイバ5bを用いているので、同一波長を使用することもできるが、別波長を使用した場合には量子信号と同期信号との間には波長分散による伝搬遅延差も生じる。これらの伝搬遅延差の較正も、既に説明した同期部3および4の遅延調整により可能となる。具体的なトレーニングモード動作や遅延調整は図1で説明したものと同一であるから省略する。
なお、本発明は、上述した第1〜第3実施例で用いたPlug&Play方式のような双方向方式だけでなく、一方向の量子通信の場合でも適用可能であり、量子通信の形態によらず、本発明の技術は有効である。また、マスタクロック44は、送信側同期部4ではなく、受信側同期部3に設けられても良い。さらに、送信器と受信器との1:1接続だけでなく、1:N(Nは2以上の整数)接続でも構わない。
2.第2実施形態
図6は本発明の第2実施形態による通信システムの概略的構成を示すブロック図である。ここでは、送信器10と受信器20とが量子チャネル51および古典チャネル52を含む光ファイバ伝送路5により接続されている。量子チャネル51と古典チャネル52とは同一伝送路(光ファイバ伝送路5)上の別波長のチャネルである。ただし、本実施形態の古典チャネル52は複数のチャネルからなる。
送信器10は量子ユニット1、同期部4、鍵生成制御部61および通信制御部71を含み、受信器20は量子ユニット2、同期部3、鍵生成制御部62および通信制御部72を含む。後述するように、量子ユニット1と量子ユニット2とは量子チャネル51を介して生鍵とよばれる暗号鍵を生成し、送信器10と受信器20とは量子チャネル51および古典チャネル52の別波長チャネルを用いて、量子ユニット1および2の間で同期を確立する。同期確立後、鍵生成制御部61および62は、生成した生鍵を元に古典チャネル52を介して最終鍵を生成・共有する。
受信器20の同期部3は、クロック抽出器31、遅延素子32、位相比較器33、マスタクロック34および鍵生成基準検出部35を有する。後述するように遅延素子32は、位相比較器33の比較結果に依存して遅延量が制御される。送信器10の同期部4は、クロック抽出器41、遅延素子42、位相比較器43、および、鍵生成基準発生部44を有する。後述するように遅延素子42は、位相比較器43の比較結果に依存して遅延量が制御される。
送信側および受信側の量子ユニット1および量子ユニット2は、それぞれの通信制御部71および72からトレーニングモード切替信号を受取ることでトレーニングモードに移行する。トレーニングモードでは、量子チャネル51に古典チャネルレベルの強さの光信号を伝送することで、各量子ユニットにおいてクロック抽出が可能となる。
たとえば、トレーニングモード切替信号を入力すると、受信側の量子ユニット2はマスタクロック34のクロック信号に従って通常の通信に用いられる程度の強い光を量子チャネル51に送出する。送信側の量子ユニット1は、量子チャネル51から受信した光クロック信号からクロックを抽出し位相比較器43へ出力するとともに、その光クロック信号を受信器側へ折り返す。
マスタクロック34は、量子ユニット2へ供給した同じクロック信号を古典チャネル52を通して送信器10へ送出する。送信器10の同期部4におけるクロック抽出部41は、古典チャネル52を通して受信した信号からクロック信号を抽出し、それを古典チャネル52へそのまま折り返し返送する。また、抽出されたクロック信号は、遅延素子42で遅延され、位相比較器43、鍵生成基準発生部44および量子ユニット1へ出力される。
位相比較器43は、量子ユニット1でモニタされた量子チャネル51のクロック信号と遅延素子42から入力した古典チャネル52のクロック信号との位相比較を行い、その位相のずれを補償するように遅延素子42の遅延量を制御する。すなわち、位相比較器43および遅延素子42は遅延ロックループDLLを構成する。
受信器20の同期部3におけるクロック抽出部31は、古典チャネル52を通して送信器10から折り返されてきたクロック信号を抽出する。抽出されたクロック信号は遅延素子32で遅延され、位相比較器33および量子ユニット2へ出力される。位相比較器33は、量子ユニット2でモニタされた量子チャネル51のクロック信号と遅延素子32から入力した古典チャネル52のクロック信号との位相比較を行い、その位相のずれを補償するように遅延素子32の遅延量を制御する。すなわち、位相比較器33および遅延素子32は遅延ロックループDLLを構成する。
このようにして送信器10および受信器20において遅延量の調整が行われ、マスタクロック34を基準とした同期が確立される。同期が確立されると、送信器10および受信器20の量子ユニット1および2は、それぞれ同期したクロック信号に従って、次に述べる鍵生成同期処理を行うことができる。
上述したように、トレーニングモードでは量子チャネル51に古典チャネルレベルの強さの光信号を伝送することで、各量子ユニットにおいてクロック抽出が可能となる。したがって、鍵生成基準発生部44で生成された鍵生成基準信号を量子チャネル51および古典チャネル52の両方を介して受信器20へ送信することで、受信器20の鍵生成基準検出部35が量子チャネル51、古典チャネル52それぞれを介して受信した鍵生成基準信号の位相差を検出することが可能となる。こうして量子チャネル51と古典チャネル52とを用いて鍵生成同期を確立することができる。
なお、送信器10および受信器20の間では、トレーニングモード、鍵生成同期処理モードあるいは量子モードへの切替え時に、古典チャネル52を介して相互にその切替え要求およびそれに対する応答がやりとりされ、それらの切替えが通知される。送信器10および受信器20の通信制御部71および72は、この切替えの通知に従ってトレーニングモード切替信号、鍵生成同期処理切替信号または量子モード切替信号を出力する。
なお、送信器10の鍵生成制御部61および通信制御部71と、受信器20の鍵生成制御部62および通信制御部72とは、それぞれプログラム制御プロセッサ上で後述する通信制御および鍵生成同期制御のプログラムを実行することにより実現することもできる。
2.1)第4実施例
次に、上記第2実施形態による通信システムをPlug&Play方式の量子暗号鍵配布システムに適用した一例を詳細に説明する。ただし、Plug&Playシステムの基本的な構成および動作は、図11を用いて既に説明しているので詳細は省略する。
(構成)
図7は本発明の第4実施例によるPlug&Play方式の量子暗号鍵配布システムを示すブロック図である。本実施例では、波長λ1の量子チャネル401(図6の量子チャネル51)と、波長λ2およびλ3の同期信号用の古典チャネル402と、波長λ4およびλ5の鍵生成用の古典チャネル403(図6の古典チャネル52)とが用いられる。波長多重分離器601および602は光ファイバ伝送路400(図6の光ファイバ5)を通して接続されている。
波長λ1の量子チャネル401は量子ユニット100および200にそれぞれ接続され、波長λ2およびλ3の同期信号用の古典チャネル402は同期部300および500にそれぞれ接続されている。さらに、波長λ4およびλ5の鍵生成用の古典チャネル403はE/O611およびO/E612を介して鍵生成制御部610に、O/E621およびE/O622を介して鍵生成制御部620に、それぞれ接続されている。
送信側の量子ユニット100は、位相変調器111、変調器駆動回路112、遅延調整回路113、ファラデーミラー120、および、光減衰器130を有し、さらに乱数R1およびR2と鍵生成基準信号とのいずれかを選択するセレクタ114、および、量子チャネルモニタ用の光電変換器(O/E)140を有する。
トレーニングモード時には、位相変調器111は位相変調を行わず、光減衰器130は強い光を送出するために減衰量を小さく設定する。
鍵生成同期処理時にはセレクタ114は鍵生成基準信号を選択する。位相変調器111は、鍵生成基準信号の0/1に従って、ファラデーミラー120から反射した光パルスを0/πの位相で変調する。また、強い光を送出するために光減衰器130の減衰量は小さく設定される。
量子モード時にはセレクタ114は乱数R1およびR2を選択する。位相変調器111は、同期部500からの較正クロック信号に従って、乱数R1およびR2の組み合わせに対応する0、π/2、π、3/2πの4つの位相でファラデーミラー120から反射した光パルスを変調する。また、光減衰器130は微弱な光を送出するために減衰量を大きくする。これらの動作モードの切り替えは通信制御部71(図6参照)により制御される。
受信側の量子ユニット200は、波長λ1のパルス光源であるレーザLD211と、そのドライバであるレーザ駆動回路212とを有し、波長λ1の光パルスが光減衰器213を通して光サーキュレータ250に入射する。光サーキュレータ250から出射した光パルスは、光カプラ406によって短経路(Short Path)404と長経路(Long Path)405にそれぞれ分岐し、Long Path405に分岐した光パルスは位相変調器221を介して偏光ビームスプリッタPBS230に入射する。位相変調器221は、乱数R3に従って変調器駆動回路222により駆動され、駆動タイミングは遅延調整回路223により調整される。
乱数R3は鍵生成制御部620により供給されるが、1つの値だけを供給して位相変調器221の位相を1つに固定することもできる。後述するように、鍵生成同期処理時には、位相変調器221の位相を0に固定して、送信器から受信した鍵生成基準信号の値1をAPD242で検出するように設定することができる。
位相変調器221は、量子モード時には、既に述べたように送信器側で折り返された信号がLong path405を通るときに、乱数R3に従った0、π/2の2つの位相で当該光信号を変調する。そして、送信器側の位相変調器111で変調された光信号と受信器側の位相変調器221で変調された光信号とが光カプラ406で干渉し、その結果がアバランシェ光ダイオード(Avalanche Photo Diode)APD241またはADP242で検出される。なお、Short Path404およびLong Path405は偏波保存ファイバ、光サーキュレータ250、光カプラ406は偏波保存型である。
なお、量子モード時には、Short Path404およびLong Path405の別経路を通った光パルスが十分区別できるように、レーザLD211から出力される光パルスのパルス幅を小さくして必要な間隔を維持する必要がある。しかしながら、トレーニングモード時には量子モード時のような光パルスの間隔を維持する必要はない。したがって、レーザ駆動回路212は、量子モードおよびトレーニングモードのいずれであるかによって上記光パルス幅を変化させる。
送信側同期部500には、波長λ2の古典チャネル402を通して受信器側から受信した光クロック信号を電気信号に変換する光電変換器(O/E)501、遅延素子502、および、位相比較器503が設けられている。O/E501で受信されたクロック信号は遅延素子502およびセレクタ504へ出力される。
セレクタ504は、通常、O/E501で受信されたクロック信号を電光変換器(E/O)505へ転送し、E/O505はこのクロック信号を波長λ3の光クロック信号に変換し波長λ3の古典チャネル402を通して受信器側へ折り返す。
さらに、同期部500には鍵生成基準発生部506が設けられ、鍵生成同期処理時には鍵生成基準信号を量子ユニット100のセレクタ114と同期部500のセレクタ504へ同時に出力する。セレクタ504は、鍵生成同期処理時には鍵生成基準信号を選択してE/O505へ転送し、E/O505はこの鍵生成基準信号を波長λ3の光信号に変換し、波長λ3の古典チャネル402を通して受信器側へ送出する。
位相比較器503は、トレーニングモード時において、O/E140により検出された波長λ1の量子チャネル401のクロック信号と遅延素子502から入力する古典チャネル402のクロック信号との位相比較を行い、上述したような遅延調整により較正クロック信号CLKを生成する。この較正クロック信号CLKは、量子ユニット100の遅延調整回路113、鍵生成基準発生部506および鍵生成制御部610へそれぞれ分配される。
受信側同期部300は、光電変換器(O/E)301、遅延素子302、位相比較器303、電光変換器(E/O)304、マスタクロック305、鍵生成基準検出部306および、セレクタ307を有する。マスタクロック305のクロック信号は、E/O304によって波長λ2の光クロック信号に変換されて古典チャネル402を通して送信器へ送出され、同時に量子ユニット200のレーザ駆動回路212および鍵生成制御部620へそれぞれ出力される。レーザ駆動回路212はレーザLD211を駆動し波長λ1の光パルスを発生させる。その時の光パルスの幅は、上述したように、量子モードおよびトレーニングモードのいずれであるかによって制御される。
O/E301は、送信器から波長λ3の古典チャネル402を通して受信した光信号を電気信号に変換し、その受信信号はセレクタ307によって遅延素子302および鍵生成基準検出部305のいずれかへ転送される。セレクタ307は、通常、受信信号をクロック信号として遅延素子302へ転送するが、鍵生成同期処理時には鍵生成基準信号として鍵生成基準検出部305へ転送する。
トレーニングモード時には、レーザLD211から波長λ1の光パルスが長いパルス幅で出力し、量子チャネル401を通して送信器へ到達する。そして、送信器側で光減衰も位相変調もされないでそのまま折り返され、同じく量子チャネル401を通して受信器に到達し、APD242によってクロック信号として検出される。APD242により検出されたクロック信号は位相比較器303によって古典チャネル402を通したクロック信号と位相比較され、上述したような遅延調整が行われる。これにより較正クロック信号CLKが生成され、この較正クロック信号によって鍵生成同期処理時および量子モード時の量子ユニット200の位相変調タイミングが正しく設定される。
鍵生成同期処理時には、受信器のレーザLD211からの波長λ1の光パルスは量子チャネル401を通して送信器へ到達し、送信器側で鍵生成基準信号に従って位相変調され、同じく量子チャネル401を通して受信器に到達する。位相変調器221を所定の位相に固定しておくことで、鍵生成基準信号が1の時のみAPD242によって検出されるように設定でき、APD242により検出された鍵生成基準信号が鍵生成基準検出部305に入力する。また、古典チャネル402を通して受信した鍵生成基準信号がセレクタ307を通して鍵生成基準検出部305に入力する。鍵生成基準検出部305は、これらの鍵生成基準信号のタイミングのずれを検出し、その誤差信号を鍵生成制御部620へ出力する。
なお、送信器および受信器の間では、トレーニングモード、鍵生成同期処理モードあるいは量子モードへの切替え時に、古典チャネル402を介して相互にその切替え要求およびそれに対する応答がやりとりされ、それらの切替えが通知される。送信器および受信器の通信制御部71および72は、この切替えの通知に従ってトレーニングモード切替信号、鍵生成同期処理切替信号または量子モード切替信号を出力する。
(トレーニングモード)
図8は本発明の第4実施例によるPlug&Play方式の量子暗号鍵配布システムにおける送信側および受信側のモード切替え動作を示すフローチャートである。まず、送信器10および受信器20の通信制御部71および72はそれぞれ電源オンになると、トレーニングモード切替信号を発生し(ステップS21)、それによって送信側の量子ユニット100および受信側の量子ユニット200はそれぞれトレーニングモードに遷移する(ステップS22)。
トレーニングモードでは、量子チャネル401の光パワーが通常の通信に用いられる程度の強い光で通信することができる。このトレーニングモード時の強い光は、受信側のレーザ光パルスを減衰させる光源衰器213と送信器側の量子チャネル401の光減衰器130との減衰量を小さくすることで光パワーを大きくし、かつ、レーザ駆動回路212がレーザLD211を駆動する駆動電流のパルス幅を広くしてマーク率を量子モードより上げることによって実現する。上述したように、トレーニングモードでは、受信器側におけるShort Path404およびLong Path405の別経路を通った光パルスを区別する必要がないからである。
また、量子チャネル401の光パワーが通常の通信に用いられる程度の強い場合には、量子チャネル401からのクロック抽出が可能となる。送信側の量子ユニット100ではO/E140が光クロック信号を電気的クロック信号に変換し位相比較器503へ出力する。受信側の量子ユニット200ではAPD242が光クロック信号を検出して電気的クロック信号を位相比較器303へ出力する。
さらに、トレーニングモードでは、送信器側の同期部500ではセレクタ504がO/E501の出力を選択し、受信器側の同期部300ではセレクタ307が遅延素子302を選択する。マスタクロック305で生成されるクロック信号はE/O304によって波長λ2の古典チャネルを通して送信器側へ送出され、同時にレーザ駆動回路212を駆動してレーザLD211から波長λ1の光パルスを放出する。
送信側の量子ユニット100では、量子チャネル401からO/E140で抽出したクロックと、古典チャネル402からO/E501で抽出したクロックとを位相比較器503で比較し、ここでの位相差が零となるように遅延素子502にフィードバックを行う(Delay調整:ステップS23)。
O/E501で抽出した古典チャネル402のクロック信号は、セレクタ504を通してE/O505へ出力され、波長λ3の古典チャネル402を通して受信器側へ折り返される。また、量子チャネル401の光信号はファラデーミラー120で折り返され、位相変調器111で変調されることなく、光減衰器130で光パワーを絞ることもなく、量子チャネル401を通して受信器側へそのまま折り返される。
一方、受信側の量子ユニット200では、APD242で量子チャネル401の光パルスを受信する。これは、送信側の量子ユニット100の位相変調器111で変調を加えなかったので、送信側の量子ユニット100での変調位相と受信側の量子ユニット200での変調位相とが一致し、光パルスのAPD242への出力が一意に定まるためである。
また、波長λ3の古典チャネル402を通してO/E301で受信したクロック信号はセレクタ307を通して遅延素子302へ出力され、遅延されたクロック信号が位相比較器303に入力する。
APD242で受信されたクロック信号(同期信号)と古典チャネル402からO/E301で抽出されたクロック信号とは位相比較器303で比較され、位相差が零となるように遅延素子302にフィードバックされる(Delay調整:ステップS23)。
(鍵生成同期)
送信側の同期部500および受信側の同期部300のそれぞれにおいて位相差がゼロになり遅延素子502および302の遅延量が決定すると、それぞれの通信制御部71および72は鍵生成同期処理へ移行する(ステップS24)。
鍵生成同期処理に移行すると、送信器の通信制御部71は、セレクタ114およびセレクタ504をそれぞれ鍵生成基準信号を選択するように切り替え、鍵生成基準発生部506は較正クロック信号CLKのタイミングに従って鍵生成基準信号を出力する。これによって、鍵生成基準信号が変調器駆動回路112へ入力する。位相変調器111は較正クロックCLKのタイミングで動作し、鍵生成基準信号の0/1に従ってファラデーミラー120からの反射光を0/πでそれぞれ位相変調して受信器へ送信する。同時に、鍵生成基準信号はセレクタ504を介してE/O505へ転送され、波長λ3の古典チャネルを通して受信器へ送信される。
鍵生成同期処理に移行すると、受信器の通信制御部72は、セレクタ307を鍵生成基準検出部306側へ切り替え、波長λ3の古典チャネルを通して受信した鍵生成基準信号を鍵生成基準検出部306へ転送する。また、通信制御部72は鍵生成制御部620に指示して位相変調器221の位相を0に固定する。これによって、位相変調器221は較正クロックCLKのタイミングで、送信器の位相変調器111で位相変調された光信号を位相変調し、受信した光信号を鍵生成基準信号が0の時はAPD241で、1の時はAPD242でそれぞれ検出する。
鍵生成基準検出部306は、古典チャネル402から受信した鍵生成基準信号と量子チャネル401からAPD242で受信した鍵生成基準信号との検出タイミングを比較し、その結果を鍵生成制御部620へ通知する。この検出タイミングの誤差を補償することで、図10で説明したような鍵生成のためのビット同期を確立することができる。検出タイミングの通知が完了すると、通信制御部72は量子モード切替信号を発生し、鍵生成制御部620を量子モードへ移行させるとともに、古典チャネル403を通して量子モード切替要求を送信器へ送信し、送信器の鍵生成制御部610も量子モードに移行させる(ステップS25)。
こうして遅延調整(ステップS23)および鍵生成同期(ステップS24)によって、量子チャネルのクロック同期および鍵生成ビット同期の確立が可能となる。
(量子モード)
量子モードは量子チャネル401での光パワーが1photon/bitと非常に微弱なモードである。この量子モード時の微弱な光は、送信器側の量子チャネル401の光減衰器130の減衰量を大きくすることで光パワーを微弱にし、かつ、受信器側のレーザ駆動回路212がレーザLD211を駆動する駆動電流のパルス幅を狭くしてマーク率を下げることによって実現する。受信器側におけるShort Path404およびLong Path405の別経路を通った光パルスを区別する必要があるからである。量子暗号鍵生成はこの量子モードで行われる。
この量子モード動作時には、上述した遅延調整による遅延量の確定により、量子ユニット100および200はいずれもマスタクロック305を基準とした同期状態にある。すなわち、送信側の量子ユニット100の位相変調器111は、送信側同期部500で較正したクロックに同期して動作し、受信側の量子ユニット200の位相変調器221およびAPD241、242は受信側同期部300で較正したクロックに同期して動作する。
送信器10及び受信器20のそれぞれの通信制御部71および72は、上記量子モードにおいて、異常(例えば、DLLのlock異常)の有無を判定する(ステップS27)。異常発生が検出されると(ステップS27のYES)、ステップS21に戻って再度トレーニング切替信号を発生させる。異常を検出せず(ステップS27のNO)、処理終了も検出しなければ(ステップS28のNO)、異常検出処理ステップS27を繰り返す。一方、処理が終了すると(ステップS28のYES)、電源オフとなる。
このように、本実施例では、量子チャネル401と古典チャネル402との間の波長分散による伝搬遅延差を伝送路によらず自動で較正することができる。その結果、本実施例では、微弱光のためにクロックを抽出することができない量子チャネル401に代わって、波長の異なる古典チャネル402で送信側の量子ユニット100と受信側の量子ユニット200との同期を確立することができる。
従来、量子チャネルを利用して光パワーレベルが微少な光で通信している時には、受信器にほとんど光は届かないため、例えば送信側がマーク率1/2のデータを送っても、受信側のマーク率が1/2よりもはるかに小さくなり、データの欠損が生じ、正しい周期のクロックを抽出することができなかった。これに対し、本実施例では、トレーニングモードとして、量子チャネル401での光パワーを通常の通信に用いられる程度の強い光として通信を行うので、例えば送信側がマーク率1/2のデータを送ると、受信側のマーク率も1/2となり、データの欠損が生じることはなく、正しい周期のクロックを抽出することができる。これを利用することで、量子チャネルおよび古典チャネルの伝搬遅延差が存在しても、送信側および受信側の量子ユニット間の同期を容易に確立することができる。
さらに、本実施例によれば、量子ユニット間で同期が確立すると、それに基づいて鍵生成基準信号を送信器から受信器へ量子チャネルおよび古典チャネルの両方を通して同時に送信し、受信器側で両チャネルの検出タイミングを比較することで鍵生成同期を容易に且つ高精度に確立することができる。
2.2)第5実施例
図9は本発明の第5実施例による送信側および受信側のモード切替動作を示すフローチャートである。第5実施例では、装置構成自体は図7に示す第4実施例と同様であるから、以下、第5実施例における送信側および受信側のモード切替動作についてのみ説明する。
図4において、ステップS31〜S34は、第4実施例で説明した図8のステップS21〜S24にそれぞれ対応し、トレーニングモードにおける遅延調整および鍵生成同期処理が実行され、量子ユニット100および200の間のクロック同期および鍵生成同期が確立される。続くステップS35およびS36により量子モードに移行すると、通信制御部は所定時間のタイマをスタートさせると共に、DLLのlock異常等の異常が発生したか否かを判定し(ステップS37)、異常発生が検出されると(ステップS37のYES)、ステップS31に戻って再度トレーニング切替信号を発生させる。
異常を検出しない場合は(ステップS37のNO)、通信制御部は所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS38)。所定時間の経過を検出せず(ステップS38のNO)、処理終了も検出しなければ(ステップS39のNO)、異常検出処理ステップS37を繰り返す。異常が検出されるか(ステップS37のYES)、あるいは所定時間が経過すると(ステップS38のYES)、ステップS31に戻ってトレーニングモードに遷移する。また、処理終了を検出すると(ステップS39のYES)、電源オフとなる。
このように、本実施例では、上述した第4実施例と同様に、量子チャネル401と古典チャネル402との間の波長分散による伝搬遅延差を伝送路によらず自動で較正することができる。その結果、微弱光のためにクロックを抽出することができない量子チャネル401に代わって、波長の異なる古典チャネル402で送信側の量子ユニット100と受信側の量子ユニット200との同期を確立することができる。
また、本実施例によれば、量子ユニット間で同期が確立すると、それに基づいて鍵生成基準信号を送信器から受信器へ量子チャネルおよび古典チャネルの両方を通して同時に送信し、受信器側で両チャネルの検出タイミングを比較することで鍵生成同期を容易に且つ高精度に確立することができる。
さらに、本実施例では、ステップS38で所定時間の経過をモニタし、所定時間が経過した場合には、再度トレーニングモードに切り替わり、量子ユニット間の同期調整および鍵生成同期調整が行われる。したがって、所定時間を適切に設定することで所定時間毎の定期校正が可能となり、さらに信頼性の高い量子暗号鍵配布システムを得ることができる。
2.3)第6実施例
本発明の第6実施例による通信システムでは、たとえば図5に示す通信システムのように、クロック同期を同じケーブル中の別の光ファイバ5bを用いて行い、それ以外の送信器10および受信器20の内部構成は図6に示すブロック図と同様である。
図6に示す通信システムでは、光ファイバ5を用いた波長分割多重WDM(Wavelength Division Multiplexing)システムであったが、WDMでは、光信号の分割・多重を行う際に、分割・多重用の光部品による損失が生ずる。この損失を避けるために、本実施例ではクロック同期を同じケーブル中の別の光ファイバ5bを用いて行う。この場合、光ファイバは同じケーブル内に収容されるため、物理的な長さはほぼ同じとなる。しかしながら、同じケーブル内の複数の光ファイバ各々は、製造上のばらつきによって光の伝送路長が必ずしも同じになるとは限らない。
つまり、本実施例では、量子信号と同期信号とが同じ伝送路上を伝搬するわけではないので、伝送路長が厳密には一致せず、量子信号と同期信号との間には伝搬遅延差が生じる。また、本実施例では、別の光ファイバ5bを用いているので、同一波長を使用することもできるが、別波長を使用した場合には量子信号と同期信号との間には波長分散による伝搬遅延差も生じる。これらの伝搬遅延差の較正も、既に説明した同期部3および4の遅延調整により可能となる。具体的なトレーニングモード動作や遅延調整および鍵生成同期調整は第4実施例で説明したものと同一であるから省略する。
なお、本発明は、上述した第4〜第6実施例で用いたPlug&Play方式のような双方向方式だけでなく、一方向の量子通信の場合でも適用可能であり、量子通信の形態によらず、本発明の技術は有効である。また、マスタクロック34は、受信側同期部3ではなく、送信側同期部4に設けられても良い。さらに、送信器と受信器との1:1接続だけでなく、1:N(Nは2以上の整数)接続でも構わない。
本発明の第1実施形態による通信システムの概略的構成を示すブロック図である。 本発明の第1実施例によるPlug&Play方式の量子暗号鍵配布システムを示すブロック図である。 本発明の第1実施例による量子暗号鍵配布システムにおける送信側および受信側のモード切替え動作を示すフローチャートである。 本発明の第2実施例による送信側および受信側のモード切替動作を示すフローチャートである。 本発明の第3実施例による通信システムの構成を示す概略的ブロック図である。 本発明の第2実施形態による通信システムの概略的構成を示すブロック図である 本発明の第4実施例によるPlug&Play方式の量子暗号鍵配布システムを示すブロック図である。 本発明の第4実施例によるPlug&Play方式の量子暗号鍵配布システムにおける送信側および受信側のモード切替え動作を示すフローチャートである。 本発明の第5実施例による送信側および受信側のモード切替動作を示すフローチャートである。 BB84に従った鍵共有手順ステップ1〜8を説明するための模式図である。 Plug&Play方式の量子暗号鍵配布システムの従来例を示す概略的ブロック図である。
符号の説明
1,100 送信側の量子ユニット
2,200 受信側の量子ユニット
3,300 受信側同期部
4,500 送信側同期部
5,5a,5b,400 光ファイバ伝送路
10 送信器
20 受信器
31,41 クロック抽出器
32,42 遅延素子
33,43,303,503 位相比較器
34,305 クロック源
51,401 量子チャネル
52,402、403 古典チャネル
111,221 位相変調器
112,222 変調器駆動回路
113,223 遅延調整回路
120 ファラデーミラー
130 光減衰器
140,301,501、612、621 光電変換器(O/E)
211 レーザ
212 レーザ駆動回路
213 光減衰器
230 PBS
241,242 APD
250 光サーキュレータ
404 Short Path
405 Long Path
406 光カップラ
302,502 遅延素子
307、504 セレクタ
304,505、611、621 電光変換器(E/O)
601,602 波長多重分離器
44、506 鍵生成基準発生部
35、306 鍵生成基準検出部
61、62、610、620 鍵生成制御部
71、72 通信制御部

Claims (19)

  1. 相対的に光パワーが小さい微弱光状態および大きい通常光状態のいずれかで第1光信号を伝送する第1チャネルと前記通常光状態で第2光信号を伝送する第2チャネルとを含む少なくとも1つの伝送路を介して接続された第1通信装置および第2通信装置を有し、前記第2通信装置が前記第1チャネルを通して前記第1通信装置へ第1光信号を出力し、前記第1通信装置が前記第1光信号を折り返し、その折り返された第1光信号に送信情報を乗せ前記微弱光状態で前記第2通信装置へ送信する通信システムにおいて、
    前記第1通信装置および前記第2通信装置の各々に設けられ、前記第2チャネルを通して前記第2光信号により基準信号を送受信する第1通信手段と、
    前記第2通信装置に設けられ、前記基準信号に従った前記第1光信号を前記通常光状態で前記第1チャネル通して前記第1通信装置へ出力し、前記第1通信装置で折り返えされた前記通常光状態の前記第1光信号を受信する第2通信手段と、
    前記第1通信装置および前記第2通信装置の各々に設けられ、前記第1チャネルから検出された基準信号と前記第2チャネルから検出された基準信号との間の位相を比較する位相比較手段と、
    前記第1通信装置および前記第2通信装置の各々に設けられ、前記位相比較手段の比較結果に基づいて前記第1通信装置および前記第2通信装置の間の同期を確立する同期確立手段と、
    前記第1通信装置に設けられ、前記折り返された第1光信号を前記微弱光状態および通常光状態のいずれかに設定する第3通信手段と、
    同期確立動作時には前記第3通信手段を前記通常光状態のトレーニングモードに設定し、同期確立後は前記微弱光状態の通信モードに切り替える通信制御手段と、
    を有することを特徴とする通信システム。
  2. 前記基準信号はクロック信号であり、前記同期確立手段は前記第1チャネルで検出されたクロック信号と前記第2チャネルで検出されたクロック信号との位相を合わせるようにタイミングを調整することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  3. 前記基準信号は、前記第1通信装置および前記第2通信装置の間で共有される情報を生成するための共有情報生成基準信号であり、前記同期確立手段は前記第1チャネルで検出された共有情報生成基準信号と前記第2チャネルで検出された共有情報生成基準信号との位相を合わせるようにタイミングを調整することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  4. 送信側の量子ユニットと受信側の量子ユニットとが、前記送信側の量子ユニットから前記受信側の量子ユニットへ送信する光パワーが1光子/ビット以下の微弱光状態および前記微弱光状態より大きい通常光状態のいずれかの状態で第1光信号を伝送する量子チャネルと前記通常光状態で第2光信号を伝送する古典チャネルとからなる伝送路で接続され、前記受信側の量子ユニットが前記量子チャネルを通して前記送信側の量子ユニットへ第1光信号を出力し、前記送信側の量子ユニットが前記第1光信号を折り返し、その折り返された第1光信号に送信情報を乗せ前記微弱光状態で前記受信側の量子ユニットへ送信する通信システムであって、
    前記量子チャネルにおける前記第1光信号の光パワーを前記通常光状態にするトレーニングモードを前記送信側の量子ユニットおよび前記受信側の量子ユニットに指示する手段と、
    前記送信側の量子ユニットおよび前記受信側の量子ユニットの間でクロック信号を前記量子チャネルおよび前記古典チャネルを通してそれぞれ前記通常光状態の第1光信号および第2光信号で伝送する手段と、
    前記送信側および前記受信側の量子ユニットに設けられ、かつ、前記トレーニングモードにおいて抽出した前記量子チャネルのクロック信号と前記古典チャネルのクロック信号との位相比較を行って前記送信側の量子ユニットと前記受信側の量子ユニットとの同期を確立する手段と
    を有することを特徴とする通信システム。
  5. 前記同期を確立する手段は、前記位相比較の結果を基に前記量子チャネルと前記古典チャネルとの波長分散による伝搬遅延差を較正することを特徴とする請求項記載の通信システム。
  6. 前記送信側の量子ユニットと前記受信側の量子ユニットとの間における前記送信情報を用いた鍵生成時に、前記同期を確立する手段は、前記古典チャネルによる別波長の同期信号を用いてクロック同期を行うことを特徴とする請求項に記載の通信システム。
  7. 前記折り返された第1光信号に送信情報を乗せて前記微弱光状態で前記受信側の量子ユニットへ送信する通信モード時に比べて、前記トレーニングモード時には前記第1光信号の光パルス幅を広げることを特徴とする請求項に記載の通信システム。
  8. 前記クロック同期を行った後に、前記送信側の量子ユニットと前記受信側の量子ユニット間での鍵生成同期を確立する鍵生成同期手段を前記送信側および前記受信側にそれぞれ設けたことを特徴とする請求項に記載の通信システム。
  9. 前記鍵生成同期手段は、
    鍵生成基準信号を前記送信側の量子ユニットから前記受信側の量子ユニットへ前記量子チャネルおよび前記古典チャネルの両方を介して送信する送信手段と、
    前記受信側の量子ユニットで前記量子チャネルを介して受信した鍵生成基準信号と前記古典チャネルを介して受信した鍵生成基準信号との位相差を検出する位相差検出手段と、
    前記検出した位相差を補正することによって鍵生成同期を実現する鍵生成制御手段と、
    を有することを特徴とする請求項に記載の通信システム。
  10. 前記量子チャネルと前記古典チャネルとをそれぞれ異なる光ファイバに設定したことを特徴とする請求項に記載の通信システム。
  11. 送信側の量子ユニットと受信側の量子ユニットとが、前記送信側の量子ユニットから前記受信側の量子ユニットへ送信する光パワーが1光子/ビット以下の微弱光状態および前記微弱光状態より大きい通常光状態のいずれかの状態で第1光信号を伝送する量子チャネルと前記通常光状態で第2光信号を伝送する古典チャネルとからなる伝送路で接続され、前記受信側の量子ユニットが前記量子チャネルを通して前記送信側の量子ユニットへ第1光信号を出力し、前記送信側の量子ユニットが前記第1光信号を折り返し、その折り返された第1光信号に送信情報を乗せ前記微弱光状態で前記受信側の量子ユニットへ送信する量子暗号鍵配布システムにおける前記送信側の量子ユニットと前記受信側の量子ユニットとの同期をとる同期方法であって、
    前記送信側および前記受信側にそれぞれ設けられた制御手段が、前記量子チャネルにおける前記第1光信号の光パワーを前記通常光状態にするトレーニングモードを前記送信側の量子ユニットおよび前記受信側の量子ユニットに指示し、
    前記送信側および前記受信側にそれぞれ設けられた通信手段が、前記送信側の量子ユニットおよび前記受信側の量子ユニットの間でクロック信号を前記量子チャネルおよび前記古典チャネルを通してそれぞれ前記通常光状態の第1光信号および第2光信号で伝送し、
    前記送信側および前記受信側の量子ユニットに設けられた同期確立手段が、前記トレーニングモードにおいて抽出した前記量子チャネルのクロック信号と前記古典チャネルのクロック信号との位相比較を行って前記送信側の量子ユニットと前記受信側の量子ユニットとの同期を確立する、
    ことを特徴とする同期方法。
  12. 前記同期を確立する際に、前記位相比較の結果を基に前記量子チャネルと前記古典チャネルとの波長分散による伝搬遅延差を較正することを特徴とする請求項11に記載の同期方法。
  13. 前記送信側の量子ユニットと前記受信側の量子ユニットとの間における前記送信情報を用いた鍵生成時に、前記同期確立手段が前記古典チャネルによる別波長の同期信号を用いてクロック同期を行うことを特徴とする請求項11に記載の同期方法。
  14. 前記折り返された第1光信号に送信情報を乗せて前記微弱光状態で前記受信側の量子ユニットへ送信する通信モード時に比べて、前記トレーニングモード時には前記第1光信号の光パルス幅を広げることを特徴とする請求項11に記載の同期方法。
  15. 鍵生成同期手段が、前記クロック同期を行った後に、前記送信側の量子ユニットと前記受信側の量子ユニットとの間で鍵生成同期を確立することを特徴とする請求項11に記載の同期方法。
  16. 前記鍵生成同期手段は、
    鍵生成基準信号を前記送信側の量子ユニットから前記受信側の量子ユニットへ前記量子チャネルと前記古典チャネルを介して送り、
    前記受信側の量子ユニットで前記量子チャネルを介して受信した鍵生成基準信号と前記古典チャネルを介して受信した鍵生成基準信号の位相差を検出し、
    前記検出した位相差を補正することによって実現することを特徴とする請求項15に記載の同期方法。
  17. 前記送信側および前記受信側における電源投入時に、前記同期確立手段が前記トレーニングモードとして前記送信側の量子ユニットと前記受信側の量子ユニットとの同期を確立することを特徴とする請求項15に記載の同期方法。
  18. 前記送信側および前記受信側において障害検出時に、前記同期確立手段が前記トレーニングモードとして前記送信側の量子ユニットと前記受信側の量子ユニットとの同期を確立することを特徴とする請求項15に記載の同期方法。
  19. 前記送信側および前記受信側において、前記同期確立手段が、予め設定された所定時間毎に、前記トレーニングモードとして前記送信側の量子ユニットと前記受信側の量子ユニットとの同期を確立することを特徴とする請求項15に記載の同期方法。
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