JP7452699B2 - 測定装置及び測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、量子鍵配送技術に関する。
近年注目されている量子鍵配送(QKD;Quantum Key Distribution)システムでは、送信装置は、微弱な光パルスに量子情報を付与し、光パルスを受信装置に送信する。受信装置における光パルスの検出はアバランシェフォトダイオード(APD;Avalanche Photodiode)によって行われることが一般的である。APDによる検出においては、光パルスの到着に合わせてAPDに適用するゲート信号のタイミングが調整される。
送信装置と受信装置との間の光伝送路として光ファイバが使用される。一般的な光ファイバでは、太陽光の放射などによりファイバに温度変化が生じ、それにより光パルスの伝送時間に変化が生じる。このため、光パルスが送信装置を出てから受信装置に到着するまでに要する時間は一定ではなくなり、ゲート信号のタイミングの逐次調整が必要である。
非特許文献1は、受信装置において光パルスを受信した際の信号品質をQBER(Quantum bit error rate)といった指標で評価し、指標が極小となるタイミングにゲート信号を調整することで、安定的な信号検出を可能にする手法を開示している。
A. R. Dixon, "High speed prototype quantum key distribution system and long term field trial", OPTICS EXPRESS, Vol. 23, No. 6, pp. 7583-7592, 2015.
非特許文献1に開示されるタイミング調整手法は、光パルスに量子情報のような符号を付与しない場合には、信号品質を測定できないため、適用することができない。また、受信装置において信号品質の測定のための測定器が必要となり、受信装置の小型化を妨げる要因となる。
本発明は、QKDシステムにおける受信装置の簡素化を可能にする技術を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る測定装置は、光パルス間の時間間隔が一定である第1及び第2の光パルス列を生成する生成部と、前記第1の光パルス列を被測定装置に送信する送信部と、前記被測定装置から戻ってくる前記第1の光パルス列を受信する受信部と、前記送信部が前記第1の光パルス列に含まれる第1の光パルスを送信してから前記受信部が前記第1の光パルスを受信するまでに前記送信部が送信した光パルス数を計測する計測部と、前記受信された第1の光パルス列と前記第2の光パルス列との間の位相差に対応する位相量を特定する特定部と、前記計測された光パルス数と前記特定された位相量とに基づいて、測定装置と前記被測定装置との間の伝搬遅延量を算出する算出部と、を備える。
本発明によれば、QKDシステムにおける受信装置の簡素化を可能にする技術が提供される。
図1は、実施形態に係る量子鍵配送システムを示すブロック図である。 図2は、図1に示した量子信号送信器及び量子信号受信器の構成例を示す図である。 図3は、図1に示した測定装置の構成例を示す図である。 図4は、図3に示した評価部を説明するための図である。 図5は、図3の測定装置の動作例を示すフローチャートである。 図6は、図1に示した測定装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る量子鍵配送(QKD;Quantum Key Distribution)システム100の構成例を概略的に示している。図1に示すように、QKDシステム100は、送信装置110及び受信装置120を備える。送信装置110は光伝送路130により受信装置120に接続される。光伝送路130はシングルモードファイバなどの光ファイバであり得る。光伝送路130は光ファイバ網(図示せず)を経由してよい。送信装置110は受信装置120を含む複数の受信装置に接続されてよい。
送信装置110は、量子信号送信器112、測定装置114、及び光学コンポーネント116を備える。
量子信号送信器112は、送信装置110及び受信装置120に共有される暗号鍵を生成するために、量子信号としての光信号を受信装置120に送信する。
測定装置114は、送信装置110(測定装置114)と受信装置120との間の伝搬遅延量を測定する。送信装置110と受信装置120との間の伝搬遅延量は、光信号が送信装置110から出て受信装置120に到着するまでの時間を示す。受信装置120を被測定装置とも称する。
光学コンポーネント116は、量子信号送信器112からの光信号及び測定装置114からの光信号を光伝送路130へと合波する。さらに、光学コンポーネント116は、測定装置114から放出されて受信装置120から戻ってくる光信号を測定装置114に導く。光学コンポーネント116として、例えば、光スイッチ、偏光ビームスプリッタ、波長分割多重(WDM;Wavelength Division Multiplexing)カプラなどを使用することができる。
受信装置120は、量子信号受信器122、光学コンポーネント124、及びループバック126を備える。
量子信号受信器122は、送信装置110及び受信装置120に共有される暗号鍵を生成するために、送信装置110から量子信号としての光信号を受信する。
光学コンポーネント124は、量子信号送信器112からの光信号を量子信号受信器122に導き、測定装置114からの光信号をループバック126に導く。光学コンポーネント124として、例えば、光スイッチ、偏光ビームスプリッタ、WDMカプラなどを使用することができる。
ループバック126は光信号をループバックさせる。測定装置114から放出された光信号は、受信装置120まで光伝送路130を伝搬し、受信装置120のループバック126で折り返して測定装置114まで光伝送路130を伝搬する。
図2は、QKDプロトコルとして差動位相シフト(DPS;Differential Phase Shift)QKDプロトコルが採用される場合における量子信号送信器112及び量子信号受信器122の構成例を概略的に示している。図2において、測定装置114、光学コンポーネント116、124、及びループバック126は図示を省略している。
図2に示すように、量子信号送信器112は、光源202、変調器204、減衰器206、及び制御回路208を備える。制御回路208は、光源202、変調器204、及び減衰器206を制御する。
光源202は一定間隔で光パルスを生成する。一例では、光源202は直線偏光した光パルスを生成してよい。光源202は、レーザーダイオードであり得るが、これに限定されない。光源202は、制御回路208により適用される制御信号によって駆動される。制御信号は、例えば、所定の周波数(例えば1GHz)を有する電圧信号であり、それにより、光源202は、上記周波数に対応する時間間隔で(例えば1ナノ秒間隔で)光パルスを生成する。光源202は、パルス間の時間間隔が一定である光パルス列を出力する。
変調器204は、光源202から出力される光パルス列に含まれる各光パルスの位相を変調する。具体的には、制御回路208が各光パルスについて0又はπのいずれかの位相シフトをランダムに選択し、変調器204は、制御回路208により選択された位相シフトをその光パルスに適用する。制御回路208は、個々の光パルスに適用した位相シフトを示す位相変調データを記録する。
減衰器206は、1パルス当たりの平均光子数が1未満になるように、光パルスを減衰させる。減衰器206は、減衰させた光パルスを光伝送路130に送出する。
量子信号受信器122は、干渉計252、検出器262、264、及び制御回路266を備える。干渉計252は、ビームスプリッタ254とカプラ256とを備える非対称マッハツェンダ干渉計である。ビームスプリッタ254の入力ポートに光伝送路130が接続される。ビームスプリッタ254の第1の出力ポートは導波路258によりカプラ256の第1の入力ポートに接続され、ビームスプリッタ254の第2の出力ポートは導波路260によりカプラ256の第2の入力ポートに接続される。導波路260の光路長は導波路258の光路長よりも長い。カプラ256の第1の出力ポートは検出器262に接続され、カプラ256の第2の出力ポートは検出器264に接続される。
ビームスプリッタ254は、量子信号受信器122に入射する光パルス列の各光パルスを分割し、光パルスの一部分を導波路258に導き、光パルスの残り部分を導波路260へ導く。典型的には、ビームスプリッタ254の分岐比は1:1である。導波路260は導波路258を移動する光パルスに対して所定の遅延時間だけ光パルスを遅延させる。所定の遅延時間はパルス間の時間間隔に等しい。カプラ256は、導波路258を移動する光パルス列と導波路260を移動する光パルス列とを合波する。隣接する光パルスがカプラ256で干渉し、干渉の結果、検出器262、264のいずれかで光子が検出される。例えば、隣接するパルス間の位相差が0である場合、検出器262で光子が検出され、隣接するパルス間の位相差がπである場合、検出器264で光子が検出される。
検出器262、264は、アバランシェフォトダイオード(APD)などの単一光子検出器であり得る。APDを使用する場合、アフターパルス雑音を低減するためにゲート動作が適用され得る。ゲート動作は、光子の検出が予測される時間に合わせて短い時間だけAPDをガイガーモードにするものである。制御回路266は、ガイガーモードで動作させるためのゲート信号をAPDに適用する。光伝送路130として光ファイバが使用される場合、ファイバに生じる温度変化などの要因により伝搬遅延量が変化する。このため、伝搬遅延量に応じてゲート信号のタイミングを調整する必要がある。
送信装置110及び受信装置120は次の手順により暗号鍵を生成する。
まず、量子信号受信器122は、光パルス列の受信後に、光子検出時刻を量子信号送信器112に通知する。続いて、量子信号送信器112は、通知された光子検出時刻と位相変調データとから光子が検出器262、264のいずれで検出されたかを知る。量子信号送信器112及び量子信号受信器122では、検出器262で光子が検出された事象をビット「1」、検出器264で光子が検出された事象をビット「0」とする。
上記動作により、量子信号送信器112及び量子信号受信器122は同じビット列を得る。外部に公開される情報は光子検出時刻のみであり、ビット情報は非公開である。そこで、送信装置110及び受信装置120は上記ビット列を暗号鍵として使用する。
図3は、測定装置114の構成例を概略的に示している。図3において、量子信号送信器112、光学コンポーネント116、量子信号受信器122、及び光学コンポーネント124は図示を省略している。
図3に示すように、測定装置114は、生成部302、変更部304、送信部306、受信部308、計測部310、調整部312、評価部314、算出部316、及び通知部318を備える。生成部302は光ファイバにより変更部304、計測部310、及び評価部314に接続される。変更部304は光ファイバにより送信部306に接続される。送信部306及び受信部308は図1に示した光学コンポーネント116に接続される測定装置114のポートに相当する。受信部308は光ファイバにより計測部310及び調整部312に接続される。例えば受信部308の後段にビームスプリッタが設けられ、ビームスプリッタの第1の出力ポートが計測部310に接続され、ビームスプリッタの第2の出力ポートが調整部312に接続される。調整部312は光ファイバにより評価部314に接続される。
生成部302は、光パルス間の時間間隔が一定である3つの光パルス列を生成する。例えば、生成部302は光源及び2つのビームスプリッタを備える。光源は一定間隔で光パルスを生成する。光源が光パルスを生成する時間間隔をTと表す。時間間隔Tは例えば1ナノ秒であり得る。光源として、例えば、能動モード同期レーザを使用することができる。能動モード同期レーザは、ミラー間の光伝送距離と光パルスの変調周波数を同期させ、光を強制的に変調することでパルスを繰り返し生成し出力するレーザである。光源により生成される光パルス列は2つのビームスプリッタにより三分割され、それにより光パルス間の時間間隔が一定である3つの光パルス列が生成される。光パルス列は生成部302から同期的に放出される。光パルス列はそれぞれ、変更部304、計測部310、及び評価部314に供給される。生成部302は図2に示した光源202を使用してもよい。
以下では、変更部304に向かう光パルス列を対象光パルス列とも称し、対象光パルス列に含まれる光パルスを対象光パルスとも称する。評価部314に向かう光パルス列を参照光パルス列とも称し、参照光パルス列に含まれる光パルスを参照光パルスとも称する。
変更部304は、対象光パルス列に含まれる対象光パルスの少なくとも1つを識別可能に変更する。例えば、変更部304は、少なくとも1つの対象光パルスの特徴を変更する。特徴の例は、例えば、偏光、振幅、強度、パルス幅などを含む。本実施形態では、変更部304は、1つの対象光パルスを識別可能に変更し、変更処理の実行を示す通知信号を計測部310に送出する。
一例では、変更部304は光パルスに情報(“0”又は“1”)を符号化する符号化器であってよい。光パルスの偏光状態に情報を符号化する方式では、変更部304は、対象光パルスの偏光を変調する。例えば、生成部302がS偏光の光パルスを生成する場合、変更部304は、対象光パルスの偏光をP偏光へと変調する。
他の例では、変更部304は、対象光パルスの振幅を調整する。例えば、生成部302が第1の振幅を有する光パルスを生成する場合、変更部304は、対象光パルスの振幅を第2の振幅へと調整する。第2の振幅は、第1の振幅と異なれば、第1の振幅より大きくても小さくてもよい。
送信部306は、変更部304を通過した対象光パルス列を受信装置120に送信する。測定装置114から放出された対象光パルス列は、受信装置120まで光伝送路130を伝搬し、受信装置120のループバック126で折り返して測定装置114まで光伝送路130を伝搬する。受信部308は、受信装置120から戻ってくる対象光パルス列を受信し、受信した対象光パルス列を計測部310及び調整部312に導く。
計測部310は、送信部306がある対象光パルスを送信してから受信部308がこの対象光パルスを受信するまでに送信部306が送信した光パルス数を計測する。例えば、計測部310は、光検出器を備え、光検出器を用いて、送信部306が識別可能な対象光パルス(特徴が変更された対象光パルス)を送信した時刻から受信部308が識別可能な対象光パルスを受信した時刻までの間、生成部302から入射する光パルスをカウントする。計測部310は、変更部304から通知信号を受け取った時刻を送信部306が識別可能な対象光パルスを送信した時刻と認識してよい。計測部310は、識別可能な対象光パルスを識別し、識別可能な対象光パルスを受け取った時刻を受信部308が識別可能な対象光パルスを受信した時刻と認識してよい。変更部304が対象光パルスの偏光をP偏光に変調する例では、計測部310は、偏光ビームスプリッタ及びさらなる光検出器をさらに備えてよい。偏光ビームスプリッタは、P偏光の光パルスをさらなる光検出器に選択的に導くように設けられる。計測部310は、さらなる光検出器が光パルスを検出した時刻を受信部308が識別可能な対象光パルスを受信した時刻と認識してよい。
調整部312及び評価部314は、受信部308により受信された対象光パルス列と参照光パルス列との間の位相差に対応する位相量を特定する特定部315に相当する。位相量は0秒から時間Tまでの範囲内の時間である。位相差をθと表し、位相量をTと表すと、T=(θ/2π)Tである。
調整部312は、受信部308により受信された対象光パルス列の位相を調整する。評価部314は、参照光パルス列と位相が調整された対象光パルス列との相関性を評価する。評価部314は、位相シフト量を制御する制御信号を調整部312に送出し、調整部312は、制御信号により示される位相シフト量に従って対象光パルス列の位相を調整する。評価部314は、位相シフト量を次々に変更しながら相関性を評価する。評価部314は、相関性が最も高くなる位相シフト量を位相量として特定する。言い換えると、評価部314は、参照光パルス列と位相が調整された対象光パルス列とが同期するときの位相シフト量を位相量として特定する。
一例では、評価部314は、参照光パルス列及び位相が調整された対象光パルス列を合波するカプラと、カプラにより得られた光パルス列の振幅を測定する測定器と、を備えてよい。相関性が最も高くなるのは、位相が調整された対象光パルス列の位相が参照光パルス列の位相と一致する場合である。この場合、図4に示すように、光パルスは完全に重なるため、振幅が最大となる。
一例では、調整部312は、可変遅延線を備え、可変遅延線を用いて受信部308により受信された対象光パルス列を遅延させる。評価部314は、遅延時間を制御する制御信号を調整部312に送出し、調整部312は、制御信号により示される遅延時間だけ対象光パルス列を遅延させる。評価部314は、遅延時間を次々に変更しながら相関性を評価する。評価部314は、相関性が最も高くなる遅延時間を特定する。評価部314は、特定した遅延時間から位相量を算出する。具体的には、評価部314は、時間Tから特定した遅延時間を引くことにより位相量を得る。
算出部316は、計測部310により計測された光パルス数と評価部314により特定された位相量とに基づいて、測定装置114と受信装置120との間の伝搬遅延量を算出する。例えば、測定装置114と受信装置120との間の伝搬遅延量Tは、下記の式(1)により算出される。
T=(N・T+T)/2 ・・・(1)
ここで、Nは計測部310により計測された光パルス数を表し、Tは光パルス間の間隔を表し、Tは評価部314により特定された位相量を表す。2Tは、光パルスが測定装置114と受信装置120との間を往復するのに要する時間を表す。
通知部318は、算出部316により算出された伝搬遅延量を受信装置120に通知する。通知は古典チャネルで送信される。量子信号受信器122の制御回路266(図2)は、測定装置114から通知を受信し、受信した通知により示される伝搬遅延量に基づいて検出器262、264に適用するゲート信号を制御する。
一例では、量子信号送信器112及び測定装置114は異なる偏光の光パルス列を放出してよい。例えば、量子信号送信器112はS偏光の光パルス列を放出し、測定装置114はP偏光の光パルス列を放出する。この場合、光学コンポーネント116、124として、偏光ビームスプリッタを使用することができる。
一例では、量子信号送信器112及び測定装置114は異なる波長で光パルス列を放出してよい。言い換えると、対象光パルス列を受信装置120に伝送する際に用いる第1の波長が量子信号を受信装置120に伝送する際に用いる第2の波長と異なっていてよい。この場合、光学コンポーネント116、124として、WDMカプラを使用することができる。算出部316は、第1の波長と第2の波長との差に基づいて伝搬遅延量を補正する。例えば、算出部316は、下記の式(2)により、第2の波長に関する伝搬遅延量T′を算出する。
T′=T+ΔT
=T+(D×Δλ×L) ・・・(2)
ここで、ΔTは伝搬遅延差を表し、Dは光伝送路130として使用される光ファイバの波長分散を表し、Δλは波長差を表し、Lは光伝送路130の距離を表す。波長差Δλは第1の波長から第2の波長を引いた値である。光ファイバの波長分散Dは、光ファイバの構造及び材料に起因する分散量の合計値で定まる値である。波長分散Dの単位としては、通常“ps/nm/km”が用いられる。これは、光波が1km伝搬したときに、波長が1nm異なる成分間に生じる群遅延時間差(ps)という意味である。例えば、一般的に使用される光ファイバの1種であるシングルモードファイバにおいては、伝搬ロスが最も小さい1.55μm付近の波長における波長分散Dは17ps/nm/km程度であることが知られている。通知部318は、補正により得られた伝搬遅延量T′を受信装置120に通知する。
図5は、測定装置114が測定装置114と被測定装置としての受信装置120との間の伝搬遅延量を測定する手順例を概略的に示している。
図5のステップS501において、生成部302は、3つの光パルス列を生成し、これらの光パルス列を変更部304、計測部310、及び評価部314にそれぞれ出力する。各光パルス列では、光パルス間の時間間隔が一定である。
ステップS502において、変更部304は、生成部302から出力される光パルス列である対象光パルス列に含まれる対象光パルスを識別可能に変更する。例えば、変更部304は、対象光パルスの振幅を調整する。例えば、生成部302は第1の振幅を有する光パルスを生成し、変更部304はこれらの光パルスのうちの1つを第2の振幅に調整する。変更部304は、振幅調整を行ったことを計測部310に通知する。
ステップS503において、送信部306は、変更部304を通過した対象光パルス列を受信装置120に送信する。ステップS504において、受信部308は、受信装置120から戻ってくる対象光パルス列を受信する。
ステップS505において、計測部310は、送信部306が対象光パルスを送信してから受信部308がこの対象光パルスを受信するまでに送信部306が送信した光パルス数を計測する。例えば、計測部310は、変更部304からの通知を受けると生成部302から入射する光パルスのカウントを開始し、第2の振幅を有する対象光パルスを検出するとカウントを終了する。
ステップS506において、特定部315は、受信部308により受信された対象光パルス列と参照光パルス列との間の位相差に対応する位相量を特定する。例えば、調整部312は、評価部314から受け取る制御信号により示される位相シフト量に従って、受信部308により受信された対象光パルス列の位相を調整する。評価部314は、参照光パルス列と位相が調整された対象光パルス列との相関性を評価する。評価部314は、相関性が最も高くなる位相シフト量を位相量として特定する。
ステップS507において、算出部316は、計測部310により得られた光パルス数と特定部315により特定された位相量とに基づいて、測定装置114と受信装置120との間の伝搬遅延量を算出する。例えば、算出部316は、上述した式(1)に従って伝搬遅延量を算出する。
ステップS508において、通知部318は、算出部316により算出された伝搬遅延量を受信装置120に通知する。
図6は、測定装置114のハードウェア構成例を概略的に示している。図6に示すように、測定装置114は、プロセッサ602、RAM(Random Access Memory)604、プログラムメモリ606、光回路608、及び通信インタフェース610を備える。
光回路608は、図3に示した生成部302、変更部304、送信部306、受信部308、計測部310、調整部312、及び評価部314を備える。例えば、光回路608は、生成部302が備える光源及びビームスプリッタ並びに計測部310が備える光検出器などの複数の光学コンポーネントを備える。
プロセッサ602は、CPU(Central Processing Unit)などの汎用回路を含む。RAM604はワーキングメモリとしてプロセッサ602により使用される。RAM604はSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリを含む。プログラムメモリ606は、伝搬遅延量測定プログラムなどのプロセッサ602により実行されるプログラムを記憶する。プログラムはコンピュータ実行可能命令を含む。プログラムメモリ606として、例えば、ROM(Read-Only Memory)が使用される。
プロセッサ602は、プログラムメモリ606に記憶されたプログラムをRAM604に展開し、プログラムを解釈及び実行する。伝搬遅延量測定プログラムは、プロセッサ602により実行されると、光回路608及び通信インタフェース610の制御や算出部316に関して説明した処理などをプロセッサ602に行わせる。光回路608の制御は位相シフト量を制御する制御信号の生成を含む。
通信インタフェース610は古典チャネルで外部装置と通信するためのインタフェースである。通信インタフェース610は、伝搬遅延量を示す信号を受信装置120に送信するために使用される。
光回路608及び通信インタフェース610の制御や算出部316に関して説明した処理などを含む処理の少なくとも一部は、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの専用回路で実施されてもよい。
以上のように、測定装置114では、生成部302が対象光パルス列及び参照光パルス列を生成し、送信部306が対象光パルス列を受信装置120に送信し、受信部308が受信装置120から戻ってくる対象光パルス列を受信し、計測部310が送信部306が特定の光パルスを送信してから受信部308がその光パルスを受信するまでの間に送信部306が送信した光パルス数を計測し、特定部が受信部308により受信された対象光パルス列と参照光パルス列との間の位相差に対応する位相量を特定し、算出部316が計測された光パルス数と特定された位相量とに基づいて測定装置114と受信装置120との間の伝搬遅延量を算出する。この構成によれば、送信装置110側で伝搬遅延量を測定することができる。このため、受信装置120に測定器などの機器を設ける必要がない。その結果、受信装置120を簡素化することができる。これは受信装置120の小型化を可能にする。送信装置110が複数の受信装置に接続されるP-to-MP構成では、受信装置の簡素化はシステム全体のコスト削減に有効である。
測定装置114は、少なくとも1つの対象光パルスを識別可能に変更し、識別可能に変更された対象光パルスを含む対象光パルス列を受信装置120に送信するようにしてよい。例えば、測定装置114は、少なくとも1つの対象光パルスに情報を符号化してもよい。また、測定装置114は、少なくとも1つの対象光パルスの振幅を調整してもよい。少なくとも1つの対象光パルスを識別可能に変更することにより、光パルス数を計測する期間を決定することが容易になる。
測定装置114は、受信された対象光パルス列の位相を調整し、位相が調整された対象光パルス列と参照光パルス列との相関性を評価する。測定装置114は、相関性が最も高くなる位相シフト量を位相量として特定する。これにより、伝搬遅延量を正確に測定することができる。
測定装置114は、算出された伝搬遅延量を受信装置120に通知する。これにより、受信装置120においてAPDに適用するゲート信号のタイミングを適切に調整することが可能となる。
測定装置114は、対象光パルス列を受信装置120に伝送する際に用いる第1の波長が量子信号を受信装置120に伝送する際に用いる第2の波長と異なる場合に、第1の波長と第2の波長との差に基づいて伝搬遅延量を補正する。これにより、量子信号が送信装置110を出て受信装置120に到着するまでに要する時間を正確に測定することができる。
本発明は、上述した例に限定されない。
図3に示した例では、調整部312は受信部308と評価部314との間に設けられる。代替として、調整部312は生成部302と評価部314との間に設けられていてもよい。この場合、調整部312は、生成部302から評価部314へ向かう参照光パルス列の位相を調整する。
図3に示した例では、生成部302は3つの光パルス列を生成する。代替として、生成部302は、2つの光パルス列、すなわち、参照光パルス列及び対象光パルス列を生成してよい。この場合において、ビームスプリッタが変更部304と送信部306との間に設けられ、このビームスプリッタが計測部310に供給される光パルス列を生成してもよい。
変更部304が削除されてもよい。この場合、例えば、計測部310は、生成部302が光パルス列の出力を開始したタイミングから計測部310が受信部308を介して最初の光パルスを受信したタイミングまでに生成部302から入射する光パルスをカウントしてよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。さらに、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要素から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要素が削除された構成が発明として抽出され得る。
100…量子鍵配送(QKD)システム
110…送信装置
112…量子信号送信器
114…測定装置
116…光学コンポーネント
120…受信装置
122…量子信号受信器
124…光学コンポーネント
126…ループバック
130…光伝送路
202…光源
204…変調器
206…減衰器
208…制御回路
252…干渉計
254…ビームスプリッタ
256…カプラ
258…導波路
260…導波路
262…検出器
264…検出器
266…制御回路
302…生成部
304…変更部
306…送信部
308…受信部
310…計測部
312…調整部
314…評価部
315…特定部
316…算出部
318…通知部
602…プロセッサ
604…RAM
606…プログラムメモリ
608…光回路
610…通信インタフェース

Claims (8)

  1. 光パルス間の時間間隔が一定である第1及び第2の光パルス列を生成する生成部と、
    前記第1の光パルス列を被測定装置に送信する送信部と、
    前記被測定装置から戻ってくる前記第1の光パルス列を受信する受信部と、
    前記送信部が前記第1の光パルス列に含まれる光パルスを送信してから前記受信部が前記光パルスを受信するまでに前記送信部が送信した光パルス数を計測する計測部と、
    前記受信された第1の光パルス列と前記第2の光パルス列との間の位相差に対応する位相量を特定する特定部と、
    前記計測された光パルス数と前記特定された位相量とに基づいて、測定装置と前記被測定装置との間の伝搬遅延量を算出する算出部と、
    を備える測定装置。
  2. 前記光パルスを識別可能に変更する変更部をさらに備え、
    前記送信部は、識別可能に変更された前記光パルスを含む前記第1の光パルス列を前記被測定装置に送信する、
    請求項1に記載の測定装置。
  3. 前記変更部は、前記光パルスに情報を符号化する、
    請求項2に記載の測定装置。
  4. 前記変更部は、前記光パルスの振幅を調整する、
    請求項2に記載の測定装置。
  5. 前記特定部は、
    前記受信された第1の光パルス列と前記第2の光パルス列との一方である第3の光パルス列の位相を調整する調整部と、
    前記位相が調整された前記第3の光パルス列と前記受信された第1の光パルス列と前記第2の光パルス列との他方である第4の光パルス列との相関性を評価する評価部と、
    を備え、
    前記特定部は、前記相関性が最も高くなるときに前記調整部が前記第3の光パルス列に適用した位相シフト量を前記位相量として特定する、
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の測定装置。
  6. 前記算出された伝搬遅延量を前記被測定装置に通知する通知部をさらに備える、
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載の測定装置。
  7. 前記算出部は、前記第1の光パルス列を前記被測定装置に伝送する際に用いる第1の波長が量子信号を前記被測定装置に伝送する際に用いる第2の波長と異なる場合に、前記第1の波長と前記第2の波長との差に基づいて前記伝搬遅延量を補正する、
    請求項1乃至6のいずれか1項に記載の測定装置。
  8. 測定装置により実行される測定方法であって、
    光パルス間の時間間隔が一定である第1及び第2の光パルス列を生成することと、
    前記第1の光パルス列を被測定装置に送信することと、
    前記被測定装置から戻ってくる前記第1の光パルス列を受信することと、
    前記測定装置が前記第1の光パルス列に含まれる光パルスを送信してから前記測定装置が前記光パルスを受信するまでに前記測定装置が送信した光パルス数を計測することと、
    前記受信された第1の光パルス列と前記第2の光パルス列との間の位相差に対応する位相量を特定することと、
    前記計測された光パルス数と前記特定された位相量とに基づいて、前記測定装置と前記被測定装置との間の伝搬遅延量を算出することと、
    を備える測定方法。
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