JP4745510B2 - 遠隔計数システム、遠隔計数方法及び遠隔計数プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、街頭で対象物の計数を行う交通調査や、投票の際の出口調査、イベント等でのアンケートに好適な遠隔計数システム、遠隔計数方法、遠隔計数プログラム及びその媒体に関し、特に端末の釦をワンクリックしたことに応じて、遠隔計数サーバでカウントアップを行うワンクリックカウンター(ONE CLICK COUNTER)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
これまで、選挙の出口調査では、調査員が投票所で調査用紙を調査対象である有権者に手渡して記入を依頼し、記入された情報をFAX或は電話で集計所に伝送し、集計所でこれをカウントしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この方法には主に2つの解決すべき問題があった。第一には、集計作業の省力化及び迅速化である。投票は、所定の時間内に、多数の人がそれぞれの地区の投票所に訪れる。このため、出口調査実施者は、この限られた時間内に大量の集計作業を行わなければならず、調査作業の負荷が大きかった。
【0004】
従ってこの調査作業を滞りなく、正確に実施するため、大量の調査員および集計担当者を配置することになり、多大なコスト(人件費)がかかっていた。なお、一人の調査員が複数の投票所を兼務することにより、人件費を削減することも考えられるが、調査の時間帯が異なることにより精度が低下してしまう可能性があった。
【0005】
第二に、匿名性の確保である。従来の出口調査では調査員が用紙上に記載された情報を覗き見ることもできることから、調査対象は心理的に偽りの情報を記載する可能性があった。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決し、集計作業の省力化や迅速化を可能にした遠隔計数システム、遠隔計数方法、遠隔計数プログラム及びその媒体を提供しようとするものである。
【0007】
また、本発明は、入力時の匿名性を確保し、入力情報の精度を向上させることが可能な遠隔計数システム、遠隔計数方法、遠隔計数プログラム及びその媒体を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の遠隔計数システム、遠隔計数方法、遠隔計数プログラム及びその媒体は、携帯端末の入力釦の打釦により計数を行い、この打釦動作の信号を遠隔計数サーバに送信し、複数の携帯端末からの打釦動作信号をこの遠隔計数サーバで集約して処理するものである。
【0009】
即ち、打釦動作により、計数の情報を直接、電気信号として入力し、これを計数及び集計することにより、集計作業の省力化や迅速化を図っている。
【0010】
また、打釦動作という簡単な動作により入力を行うので、調査対象者に携帯端末を渡して直接入力してもらうことができ、入力時の匿名性が確保することにより、入力情報の精度を向上させている。
【0011】
本発明の遠隔計数サーバは、携帯端末と接続され、複数の携帯端末毎の通信を識別する識別手段と、識別された携帯端末毎に入力釦の打釦動作信号を検出する検出手段と、前記打釦動作信号に基づき携帯端末毎の打釦回数を記録する計数手段と、前記計数結果を全携帯端末及び/又は各携帯端末について集計する集計手段と、集計結果を可視的に出力する出力手段とからなっている。
【0012】
これにより、集計作業の省力化や迅速化、入力情報の高精度化を可能とした遠隔計数サーバを達成している。
【0013】
また、前記遠隔計数サーバが、表示装置を備えた携帯端末から接続可能であり、前記表示装置を用いた接続状態において前記通信相手の携帯端末を識別する構成としても良い。
【0014】
これによりインターネットのウエブページの閲覧が可能な表示装置を搭載した携帯電話等を携帯端末として採用でき、インターネットを介した計数を可能としている。
【0015】
また、該表示装置に入力事項と入力釦との対応等、入力時に必要な情報を表示させながら入力することを可能としており、入力時の操作性を向上させている。
【0016】
更に、前記遠隔計数サーバが、音声通信端末から接続可能であり、前記打釦動作信号を音声信号として検出する構成としても良い。
【0017】
これにより通話機能のみの携帯電話等を携帯端末として採用でき、汎用性を高めている。
【0018】
また、前記遠隔計数サーバは、携帯端末に対して計数に関する情報を送信する計数情報送信手段を備えた構成としても良い。
【0019】
これにより計数した情報の確認や計数状況(現時点での総計等)、次に入力すべき事項などの計数に関する情報が携帯端末側で確認できる。
【0020】
本発明の遠隔計数方法は、携帯端末と接続される遠隔計数サーバにおいて、複数の携帯端末毎の通信を識別するステップと、識別された携帯端末毎に入力釦の打釦動作信号を検出するステップと、前記打釦動作信号に基づき携帯端末毎の打釦回数を記録するステップと、記録された打釦回数を全携帯端末及び/又は各携帯端末について集計するステップと、前記集計結果を出力するステップとからなる。
【0021】
本発明の遠隔計数プログラムを格納したコンピュータによる読取り可能な媒体は、携帯端末と接続される遠隔計数サーバにおいて、複数の携帯端末毎の通信を識別するステップと、識別された携帯端末毎に入力釦の打釦動作信号を検出するステップと、前記打釦動作信号に基づき携帯端末毎の打釦回数を記録するステップと、記録された打釦回数を全携帯端末及び/又は各携帯端末について集計するステップと、前記集計結果を出力するステップとを実行する。
【0022】
本発明においてコンピュータによる読取り可能な媒体とは、サーバを構成するコンピュータシステムで記憶媒体として装着されるCD−ROMやDVDの他、FD、磁気テープ、DAT等の磁気記録媒体、MO、MD等の光磁気記録媒体、CF、MMC等の半導体メモリー等、プログラムを所定のフォーマットで記憶できるものであれば良い。また、種々のアプリケーションソフトがプリインストールされたコンピュータに搭載済みのハードディスクや半導体メモリーも含む。
【0023】
本発明の遠隔計数プログラムは、携帯端末と接続される遠隔計数サーバにおいて、複数の携帯端末毎の通信を識別するステップと、識別された携帯端末毎に入力釦の打釦動作信号を検出するステップと、前記打釦動作信号に基づき携帯端末毎の打釦回数を記録するステップと、記録された打釦回数を全携帯端末及び/又は各携帯端末について集計するステップと、前記集計結果を出力するステップとを実行する。
【0024】
なお、本発明の遠隔計数プログラムは、CD−ROM等の媒体や、ネットワークを介して提供可能である。
【0025】
また、本発明の遠隔計数プログラムは、所定のアルゴリズムで復元可能な状態に圧縮或は分割されたものであっても良い。
【0026】
本発明の遠隔計数システムは、計数地点への携帯が可能な携帯端末と、該携帯端末と通信回線を介して接続される遠隔計数サーバとを有するシステムであって、該携帯端末が、打釦により打釦動作信号を入力する入力釦と、該通信回線を介して該入力釦により入力された打釦動作信号を遠隔計数サーバに送信する送信手段とを備え、該遠隔計数サーバが、携帯端末の通信を識別する識別手段と、識別された携帯端末の打釦動作信号を検出する検出手段と、該検出した打釦動作信号に基づき前記携帯端末の打釦回数を記録する計数手段とを備えている。
【0027】
これにより、集計作業の省力化や迅速化、入力情報の高精度化を可能とした遠隔計数システムを達成している。
【0028】
また、前記遠隔計数システムは、前記携帯端末が、前記入力釦としてダイヤル用のキー及び/又はポインティングデバイスを備えた携帯電話であってもの良い。
【0029】
なお、入力釦としては、0から9の数字釦や*,#等の記号釦、操作レバーやダイヤル、また、操作レバーやダイヤルを操作して任意の位置(選択肢)を選択し、これをクリックして決定するポインティングデバイス等がある。
【0030】
また、前記遠隔計数システムにおいて、
前記入力釦を一回押すことによって所定の打釦動作信号が入力され、該所定の打釦動作信号に応じて前記計数手段が一度数の計数を行うことや、
前記サーバが、複数の携帯端末からの打釦動作信号を集計する集計手段を備えたこと、
投票所の出口調査における投票結果を前記携帯端末の入力釦により打釦動作信号として入力し、該携帯端末からの打釦動作信号を前記サーバの集計手段で集計して当確判定を行うこととしても良い。
【0031】
本発明において携帯端末とは、計数地点までの移動が可能で、通信回線を介して打釦信号をサーバに送信できる構成であれば良い。例えば携帯電話、PHS、モデム付きPDA等である。
【0032】
本発明において、上記の各構成は、可能な限り組み合わせることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
〈実施形態1〉
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
図1は、本発明に係る実施形態1の概略構成を示す図である。
【0034】
本実施形態の遠隔計数システム(ONE CLICK COUNTER)は、調査実施主体であるデータの利用者が調査の依頼等に用いる利用者端末1と、調査員が携帯し、調査地点(計数地点)での計数を行う携帯端末2と、データセンター内に備えられ、伝送路(通信回線)を介して接続される複数の携帯端末2からの情報を計数及び集計する遠隔計数サーバ3とを有し、調査実施主体が選挙の際の出口調査を依頼し、該依頼に基づき携帯端末2を携帯した調査員を投票所へ配置して出口調査を行い、各携帯端末2からの調査結果をサーバ3でリアルタイムに計数及び集計し、集計結果を選挙速報等のために提供するものである。
【0035】
遠隔係数サーバ3は、図2に示すように、本体11内に、MPU(micro processor unit)やメインメモリ等よりなる演算処理部12、演算処理の為のソフトウェアを記憶したハードディスク(固体磁気記憶装置)13、これらのデータの入出力部である入出力ポート14等が備えられている。
【0036】
また、該本体11には、入出力ポート14を介してキーボード15、マウス16、ディスプレイ17、モデム18、プリンター19等の周辺機器が接続されている。
【0037】
本体11のハードディスク13には、オペレーティングシステム(OS)やアプリケーションソフトがインストールされている。
【0038】
演算処理部12は、周辺機器からの情報やアプリケーションソフトに基づく処理により、識別手段21、検出手段22、計数手段23、集計手段24、出力手段25、計数情報送信手段26を実現している。
【0039】
識別手段21の機能としては、複数の携帯端末毎の通信を識別している。
検出手段22の機能としては、識別された携帯端末毎に入力釦の打釦動作信号を検出している。
計数手段23の機能としては、前記打釦動作信号に基づき携帯端末毎の打釦回数を記録している。
集計手段24の機能としては、前記計数結果を全携帯端末及び/又は各携帯端末について集計している。
【0040】
出力手段25の機能としては、前記集計手段24による集計結果を可視的に出力、即ちディスプレイ17への表示やプリンタ19による印刷を行っている。なお、直接表示・印刷するものに限らず、印刷コードや所定のファイル形式で媒体に記録し、他の機器で表示或は印刷させるものでも良い。
【0041】
また、計数情報送信手段26としては、携帯端末に対して計数に関する情報、例えば現在の計数状況や、次の選択肢等の情報を送信している。
【0042】
一方、携帯端末2は、一般的な携帯電話であり、図3に示すように本体20の前側下部に通話用のマイク2aと、電話番号等を入力する入力釦2bが配置され、その上部に表示部2cや、スピーカ2dが配置されている。
【0043】
なお、入力釦2bとしては、0から9の数字釦や、*,#等の記号釦、操作レバー(ポインティングデバイス)2b1等がある。
【0044】
本例の携帯電話2は、通話機能のほか、インターネットへ接続してメールの送受信を行う機能や、ウエブページを表示部2cに表示させてウエブを閲覧する機能を有している。
【0045】
利用者端末1は、所謂パーソナルコンピュータであり、インターネットを介して遠隔計数サーバ3に接続し、調査を依頼している。
【0046】
次にこれらの構成により出口調査を行う手順(遠隔計数方法)について図4を用いて説明する。
【0047】
先ず、ASP(Application Service Provider)としてデータを計数及び集計し、集計結果を提供するデータセンターが、サーバ3にて提供するウエブサイトにて調査の以来を受け付ける(ステップ1、以下S1のように略記する)。
【0048】
これに対し、出口調査を実施しようとするテレビ局や新聞社等の調査実施主体は、前記ウエブサイトにアクセスして利用者登録を行う。
【0049】
先ず、ホームページから利用者登録のページを選択し、サイトの運営者が定めた様式に従って、必要な事項を入力し、入力終了後に送信ボタンを押して申請する(S2)。この入力事項としては、会社名、代表者名、連絡先、対価の支払い方法等である。
【0050】
この申請を受けたサーバ3の運営者(データセンター)は、所定の基準でこれを審査し(S3)、承認された場合にはサーバ3により利用者IDとパスワードを発行し、このID、パスワードと共に承認された旨を調査実施主体に通知する。また、サーバ3は、この利用者毎に、上記入力事項と、利用者ID、パスワードをハードディスク13内のデータベース30に登録している(S4)。
【0051】
そして、登録された調査実施主体が調査を依頼する。
【0052】
調査実施主体は、利用者端末1を用いて前記サイトにアクセスし、前記利用者IDとパスワードを入力して承認を受け、調査依頼のページに進み、サイトの運営者が指定した設問に対話形式で答えながら調査内容を設定する(S5)。
【0053】
本例の調査項目は、投票者の性別、支持政党、投票した候補者である。また、この他、調査場所(投票所)や、各調査場所に配置する調査員の数、調査員の携帯端末2のメールアドレスなどを設定する。
【0054】
なお、本例では、候補者が甲、乙、丙の三人、投票所がイ、ロの二箇所、調査員がA、Bの二名である。
【0055】
サーバ3は、上記の調査項目及び設定項目に基づき、調査の際、選択項目の表示や、選択結果を受け付ける当該調査のホームページを生成し、このホームページのURL(Uniform Resource Locator)を調査実施主体に通知する。また、サーバ3は、これと共に調査員毎のIDを自動付与し、このIDも調査実施主体に通知する(S6)。
【0056】
調査実施主体は、各調査員A,Bに調査用ページのURLとIDを同時あるいは個別に電子メールで配信する(S7)。なお、調査用ページのURLとIDは、サーバ3が直接各調査員A,Bに電子メールで配信しても良い。
【0057】
調査員A,Bは、伝送路を介して調査実施主体が送信した電子メールを受信し、調査を開始する際に受信した電子メールを開封し、記載されている調査用ページのURLをクリックし、リンク機能により当該調査用ページにアクセスする。これに対しサーバ3はIDの入力を要求し、このIDにより調査員を識別する(S8)。
【0058】
そして調査員A,Bは、投票を終えた有権者(調査対象)に、性別、支持政党、誰に投票したかを聞き携帯端末2から入力するか、或は携帯端末2を有権者に渡して入力してもらう。
【0059】
このとき、携帯端末2の表示部2cには、図5に示すように選択項目が示され、対応する数字釦の入力が促される。
【0060】
先ず、図5(a)のように、性別を数字釦1又は2で入力する(S9)。
【0061】
即ち、有権者が女性であれば、1を打釦し、この打釦信号がサーバ3に送信される。この打釦信号を検出(S10)したサーバ3は、これを性別情報として記憶し(S11)、計数情報送信手段26の機能により図5(b)のように次の質問のページを表示させる。なお、所定(1と2)以外の信号が入力された場合には、エラーとして再入力を要求する。
【0062】
同様に支持政党について対応する数字釦で入力し、打釦信号がサーバ3に検出されると、図5(c)の如く次の質問が表示される。
【0063】
そして投票した候補者について対応する数字釦で入力し、打釦信号がサーバ3に検出されると、有権者一人分の質問が終了し、図5(a)の画面に戻るので、携帯端末2を渡していた有権者から該端末2を受け取り、次の調査対象による入力に移行する。
【0064】
なお、一人の有権者が続けて入力してしまわないように、質問が終了したら、一旦、図5(d)のように暗証入力画面を表示させて、所定の釦(例えば数桁の暗証番号や調査員ID)を入力してから図5(a)の画面に戻るように構成しても良い。
【0065】
この調査項目の入力を所定時間或は所定のサンプル数に達するまで繰り返す(S12)。
【0066】
図6は、調査員Aの携帯端末2から送られ、サーバ3のデータベースに記憶された情報(調査結果)の説明図である。
【0067】
同図のように、サーバ3に受信された各調査項目の情報は、調査員IDに基づき、どの調査員の携帯端末2から送られたものかを特定し、この調査員が配置された投票所のデータ(投票所−調査原番)や、シリアルNo、調査日時、調査員IDが付与され、調査対象毎に1レコードとして記憶されている。
なお、投票所のデータは、当該調査員が配置された投票所を示す番号と調査原票の番号(調査原番)とからなっている。該調査原番は、紙の調査票(調査原票)による調査を並行して行った場合に、該調査原票に付与する連続番号であり、これによって本システムによる計数結果と調査原票による調査結果とを照合可能にするものである。
【0068】
そして、調査員Bの携帯端末2から送られた調査結果も同様にデータベース30に記憶されており、これらを集計(S13)して各候補者の得票率や、政党の支持率、この男女比等を算出し、調査実施主体に提供する(S14)。
【0069】
調査実施主体は、開票の際、この得票率等の情報を利用して当確の判定を行う。
【0070】
このように本実施形態によれば、一つの質問に対して数字釦を一度押すだけ(One Click)で計数される(一つ分のデータがデータベースに追加記憶される)ので、簡易な作業で計数を行うワンクリックカウンターを達成できる。
【0071】
また、計数(カウント)した時点で、情報としてサーバ3に送信されるため、従来の調査用紙を人手によって集計する作業をなくすことができる。
【0072】
そしてこの集計をリアルタイムに行うことができる。また、クロス集計や、CSVでのダウンロードなどデータ利用の自由度が向上する。調査員に専用IDを付与しているので、調査端末毎に調査状況が管理できる。紙ベース調査と併用の場合、調査票とデジタル情報を照合可能である。
【0073】
更に、形態端末2を調査対象に渡し、直接入力してもらうことができるので、匿名性が確保できる。
【0074】
特に、携帯電話は、広く普及しており、送信内容の秘匿性の高さが一般の人に十分理解されているので、調査対象者が露見を恐れて偽りの情報を入力することを防止する効果が高い。
【0075】
〈実施形態2〉
【0076】
前記実施形態1では、調査員を調査実施主体があらかじめ採用していたが、本実施形態では、データセンターが、調査員を募集して登録を行い、この登録した調査員に調査依頼を配信するものである。
【0077】
なお、その他の構成は、前述の実施形態1と同じであるため、同一の要素には同符号を付すなどして再度の説明は省略した。
【0078】
先ずデータセンターが、ウエブ上或はアルバイト情報誌等で調査員の募集を行う。
【0079】
該調査員の募集に応募する者は、データセンタが指定するホームページにアクセスして所定の項目について入力し、送信ボタンを押して申請する。この入力項目は、氏名、住所、年齢、連絡先、調査に使用する携帯電話の電話番号、携帯電話の機種、メールアドレス、FAX番号、最寄駅などである。
【0080】
該申請を受けたデータセンタは、所定の基準に照らして審査を行う。例えば、何歳以上であるか、使用する携帯電話がインターネット接続可能な機種であるか等を審査する。
【0081】
これに承認された者を調査員とし、サーバ3により調査員IDとパスワードを発行し、このID、パスワードと共に承認された旨をこの調査員に通知する。また、サーバ3は、この調査員毎に、上記入力事項と、調査員ID、パスワードをハードディスク13内のデータベース30に登録する。
【0082】
そして調査実施主体から調査の依頼があった場合、サーバ3が入力事項等に基づいてデータベースから調査員を抽出する。例えば調査場所と近い住所の調査員を抽出する。
【0083】
サーバ3は、この抽出した調査員に調査内容と調査用ページのURLを配信する。なお、このURLを調査員毎に変えて配信しておくことで、このURLにアクセスし、調査情報を送信してくる調査員を特定しても良い。
【0084】
以上のように本実施例では、データセンター側が、調査員を登録しておくことで、調査実施主体側の負担を軽減している。
【0085】
また、本システムの調査に慣れた調査員を定常的に確保しておくことができる。
【0086】
〈実施形態3〉
【0087】
前記実施形態1では、インターネットを介して携帯端末2とサーバ3とを接続した例を示したが、本実施形態は、電話回線で携帯端末2とサーバ3とを接続し、携帯端末2からのトーン信号をサーバ3が計数する構成である。なお、その他の構成は、略同じであるため、同一の要素には同符号を付すなどして重複する説明は省力している。
【0088】
図7は、本実施形態の遠隔係数サーバ3の概略構成図であり、前述のサーバ3と略同じであるが、演算処理部12等で実現する手段が異なっている。
【0089】
該演算処理部12では、周辺機器からの情報やアプリケーションソフトに基づく処理により、識別手段31、検出手段32、計数手段23、集計手段24、出力手段25、計数情報送信手段36を実現している。
【0090】
識別手段31の機能としては、携帯端末2からの通信を識別しており、電話番号の呼毎通知機能によって通知される電話番号により各携帯端末を特定している。
【0091】
検出手段32の機能としては、識別された携帯端末からの釦動作信号、即ちトーン信号を検出している。
【0092】
また、計数情報送信手段36としては、携帯端末に対して計数に関する情報を送信している。
【0093】
而して調査実施主体は、データセンターのサイトにアクセスし、必要事項を入力して調査を依頼し、当該調査用の電話番号を得る。また、この調査用電話番号と調査内容を調査員A,Bへ通知する。
【0094】
調査員A,Bは、この依頼内容に従って計数地点(投票所)に向かい、調査を開始する際、調査用電話番号に電話する。
【0095】
サーバ3は、この電話を受け付け、通知機能により通知された電話番号を確認のため音声メッセージに変換して携帯端末に返信する。
【0096】
調査員A,Bは、この電話番号が正常に返信されたことを確認して調査を開始する。
【0097】
そして調査員A,Bは、投票を終えた有権者(調査対象)に、性別、支持政党、誰に投票したかを聞き、携帯端末2の対応する数字釦を入力する。このとき入力する数字釦は、図8のように調査事項と対応するものであり、調査内容として調査実施主体から通知されたものである。
なお、端末を有権者に渡して調査を行う場合は、調査事項と入力釦との対応を口頭で説明しても良いし、図8のような対応表を紙等に印刷して有権者に見せ、入力してもらっても良い。
【0098】
例えば、調査対象が男性で、支持政党がC党、投票した候補者が甲であれば、「231」と入力する。
【0099】
そして次の調査対象に移る。
【0100】
なお、入力の整合性をとるため、次の調査対象へ移る前に区切り信号として所定の入力釦(*#等)を打釦するようにしても良い。
【0101】
また、サーバ3が計数情報送信手段36の機能により認識した数字を音声メッセージで返信し、図9のように調査員がイヤホン2yを介して聞き、確認しながら入力を行っても良い。
なお、本例で計数に使用する入力釦2bは、図9のように形態端末2を片手で把持した状態で、一本の指(本例では親指)が届く範囲に配置している。
【0102】
以上のように本実施形態によれば、携帯端末として通話機能のみの携帯電話を採用でき、汎用性の高いシステムを構築できる。
【0103】
尚、本発明の遠隔計数システム、遠隔計数方法、遠隔計数プログラム及びその媒体は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0104】
上記の実施形態では、入力ボタンを打釦する毎に打釦信号をサーバに送信していたが、所定数の打釦信号をまとめて送信する構成でも良い。
例えば、調査員は投票を終えた有権者に、調査事項を聞き、調査対象が男性で、支持政党がC党、投票した候補者が甲であれば、図8のような調査事項と数字釦の対応を参照して「231」と続けて入力(打釦)し、所定の釦(操作レバー2b1等)を押して調査対象一人分の信号をまとめてサーバ3に送信する。
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、集計作業の軽減や迅速化を可能にした遠隔計数システム、遠隔計数方法、遠隔計数プログラム及びその媒体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態1の概略構成を示す図
【図2】実施形態1の遠隔係数サーバの概略構成図
【図3】実施形態1の携帯電話の概略構成図
【図4】出口調査を行う手順(遠隔計数方法)についての説明図
【図5】実施形態1における携帯端末の表示例を示す図
【図6】データベースに記憶された調査結果の説明図
【図7】実施形態2における遠隔係数サーバ3の概略構成図
【図8】調査事項と入力釦との対応を示す図
【図9】実施形態3の変形例を示す図
【符号の説明】
1 利用者端末
2 形態端末
3 遠隔計数サーバ
11 本体
12 演算処理部
13 ハードディスク
14 入出力ポート
15 キーボード
16 マウス
17 ディスプレイ
18 モデム
19 プリンタ
A,B 調査員
Claims (11)
- 複数の投票所の出口調査における投票結果を集計する遠隔計数サーバであって、
前記投票所に配置した調査員を識別するための調査員IDを各調査員の携帯端末から受信する手段と、
前記調査員IDに基づいて前記携帯端末毎の通信を識別する識別手段と、
前記携帯端末に対して調査用の質問のページの情報を送信することにより、当該質問の回答として少なくとも候補者又は政党を示す選択肢を当該携帯端末に表示させ、調査対象者一人分の前記情報を送信して当該携帯端末に表示させることを前記携帯端末毎に所定の人数分繰り返す計数情報送信手段と、
識別された携帯端末毎に、前記質問に応じて押された入力釦を示す打釦動作信号を検出する検出手段と、
前記打釦動作信号に基づき前記質問の回答として選択された選択項目を特定し、当該選択項目に前記調査員IDに基づいて特定される前記投票所を示す番号を付し、調査結果としてデータベースに記録する計数手段と、
前記調査結果を集計して前記候補者又は政党の得票率を含む集計結果を求める集計手段と、
前記集計結果を可視的に出力する出力手段と
からなる遠隔計数サーバ。 - 前記計数情報送信手段は、一人分の質問が終了した後、暗証入力画面の情報を前記携帯端末に送信して表示させ、次に最初の質問のページの送信に戻る請求項1に記載の遠隔計数サーバ。
- 複数の投票所の出口調査における投票結果を集計する遠隔計数サーバが、
前記投票所に配置した調査員を識別するための調査員IDを各調査員の携帯端末から受信するステップと、
前記調査員IDに基づいて前記携帯端末毎の通信を識別するステップと、
前記携帯端末に対して調査用の質問のページの情報を送信することにより、当該質問の回答として少なくとも候補者又は政党を示す選択肢を当該携帯端末に表示させ、調査対象者一人分の前記情報を送信して当該携帯端末に表示させることを前記携帯端末毎に所定の人数分繰り返すステップと、
識別された携帯端末毎に、前記質問に応じて押された入力釦を示す打釦動作信号を検出するステップと、
前記打釦動作信号に基づき前記質問にの回答として選択された選択項目を特定し、当該選択項目に前記調査員IDに基づいて特定される前記投票所を示す番号を付し、調査結果としてデータベースに記録するステップと、
前記調査結果を集計して前記候補者又は政党の得票率を含む集計結果を求めるステップと、
前記集計結果を出力するステップと
を実行する遠隔計数方法。 - 一人分の質問が終了した後、暗証入力画面の情報を前記携帯端末に送信して表示させ、次に最初の質問のページの送信に戻る請求項3に記載の遠隔計数方法。
- 複数の投票所の出口調査における投票結果を集計する遠隔計数サーバに、
前記投票所に配置した調査員を識別するための調査員IDを各調査員の携帯端末から受信するステップと、
前記調査員IDに基づいて前記携帯端末毎の通信を識別するステップと、
前記携帯端末に対して調査用の質問のページの情報を送信することにより、当該質問の回答として少なくとも候補者又は政党を示す選択肢を当該携帯端末に表示させ、調査対象者一人分の前記情報を送信して当該携帯端末に表示させることを前記携帯端末毎に所定の人数分繰り返すステップと、
識別された携帯端末毎に、前記質問に応じて押された入力釦を示す打釦動作信号を検出するステップと、
前記打釦動作信号に基づき前記質問にの回答として選択された選択項目を特定し、当該選択項目に前記調査員IDに基づいて特定される前記投票所を示す番号を付し、調査結果としてデータベースに記録するステップと、
前記調査結果を集計して前記候補者又は政党の得票率を含む集計結果を求めるステップと、
前記集計結果を出力するステップと
を実行させるための遠隔計数プログラム。 - 一人分の質問が終了した後、暗証入力画面の情報を前記携帯端末に送信して表示させ、次に最初の質問のページの送信に戻る請求項5に記載の遠隔計数プログラム。
- 投票所への携帯が可能な携帯端末と、該携帯端末と通信回線を介して接続されて複数の投票所の出口調査における投票結果を集計する遠隔計数サーバとを有する遠隔計数システムであって、
該携帯端末が、
打釦により打釦動作信号を入力する入力釦と、
該通信回線を介して該入力釦により入力された打釦動作信号を遠隔計数サーバに送信する送信手段とを備え、
該遠隔計数サーバが、
前記投票所に配置した調査員を識別するための調査員IDを各調査員の携帯端末から受信する手段と、
前記調査員IDに基づいて前記携帯端末毎の通信を識別する識別手段と、
前記携帯端末に対して調査用の質問のページの情報を送信することにより、当該質問の回答として少なくとも候補者又は政党を示す選択肢を当該携帯端末に表示させ、調査対象者一人分の前記情報を送信して当該携帯端末に表示させることを前記携帯端末毎に所定の人数分繰り返す計数情報送信手段と、
識別された携帯端末毎に、前記質問に応じて押された入力釦を示す打釦動作信号を検出する検出手段と、
前記打釦動作信号に基づき前記質問の回答として選択された選択項目を特定し、当該選択項目に前記調査員IDに基づいて特定される前記投票所を示す番号を付し、調査結果としてデータベースに記録する計数手段と、
前記調査結果を集計して前記候補者又は政党の得票率を含む集計結果を求める集計手段と、
前記集計結果を出力するステップと
を備えた遠隔計数システム。 - 前記計数情報送信手段は、一人分の質問が終了した後、暗証入力画面の情報を前記携帯端末に送信して表示させ、次に最初の質問のページの送信に戻る請求項7に記載の遠隔計数システム。
- 前記携帯端末が、前記入力釦としてダイヤル用のキー及び/又はポインティングデバイスを備えた携帯電話であることを特徴とする請求項7又は8に記載の遠隔計数システム。
- 前記入力釦を一回押すことによって所定の打釦動作信号が入力され、該所定の打釦動作信号に応じて、前記質問に応じて前記入力釦が押された回数の記録を一回分増加させる請求項7から9の何れか一項に記載の遠隔計数システム。
- 投票所の出口調査における投票結果を前記携帯端末の入力釦により打釦動作信号として入力し、該携帯端末からの打釦動作信号を前記サーバの集計手段で集計して当確判定を行う請求項7から10の何れか一項に記載の遠隔計数システム。
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