JP4744468B2 - 旋回作業機の走行モータへの油圧配管装置 - Google Patents
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Description
また、走行装置の走行フレームの前記旋回軸心上にスイベルジョイントが設けられており、スイベルジョイントと走行モータとが油圧ホースを介して連結されている。これにより、旋回台に搭載された作動油タンク内の作動油がスイベルジョイントを介して走行モータに供給され、走行モータからの戻り油が旋回台に搭載された作動油タンクに戻るものとなる。
そこで、本発明は、前記問題点に鑑み、左右一対のクローラ走行体の左右間隔を拡縮可能な旋回作業機において、走行モータからスイベルジョイントに配設される油圧ホースの汚損を防止することができる油圧配管装置を提供するようにしたものである。
即ち、本発明における課題解決のための技術的手段は、
走行フレーム12の側部に設けられて左右方向に軸心を有する支持筒22に、各クローラ走行体11に突設された筒状の脚体26bを摺動可能に挿入して左右一対のクローラ走行体11の左右間隔を拡縮自在とし、各クローラ走行体11の後部に設けられた走行モータML、MRと、前記走行フレーム12に設けられたスイベルジョイント10とが油圧ホース80を介して連結されている旋回作業機の走行モータへの油圧配管装置において、
前記クローラ走行体11には、走行モータML、MRと脚体26bとの間に中空状の配管収容部Sが設けられ、前記走行モータML、MRから伸びる油圧ホース80は、該配管収容部Sに湾曲状に撓んだ状態で収容されると共に、前記クローラ走行体11の脚体26b内と前記走行フレーム12の支持筒22内とを通じてスイベルジョイント10に連結されていることを特徴としている。
これによれば、油圧ホース80がモータホルダ60から脚体26bに至る間の経路もモータホルダ60やトラックフレーム13に覆われるものとなり、クローラ走行体11内においても油圧ホース80が機外に露出するものとならない。
これによって、左右一対のクローラ走行体11が拡縮する場合にも、油圧ホース80がクローラ走行体11の脚体26bや走行フレーム12の支持筒22に干渉することを防止することができる。この結果、油圧ホース80は左右一対のクローラ走行体11の拡縮に追従して撓ることができるものとなる。
図7に示す如く、1は旋回作業機として例示するバックホーであり、このバックホー1は、下部の走行装置2と、上部の旋回体3とから構成されている。
走行装置2の前部にはドーザ装置4が取り付けられている。また、旋回体3は旋回台5に、掘削装置(作業装置)6、運転席7、操縦装置8、エンジン、ラジエータ、燃料タンク、作動油タンク、油圧ポンプ、油圧機器のコントロールバルブ、ボンネット等を備えてなる。
また、バックホー1は、所謂後方小旋回型であり、旋回台5の後端が描く旋回軌跡が、クローラ走行体11の前後幅、及び縮小した左右クローラ走行体11の幅内に収まり、クローラ幅縮小状態で狭い路地等の走行を容易なものとすると共に、走行装置(クローラ走行装置)2が通過できる場所であれば周囲との接触なく旋回台5を旋回できるようにしている。また、クローラ幅拡大時には、走行や側溝掘り等の掘削作業をより安定した状態で行うことが可能となっている。
なお、図3に示す如く、該軸心Pは、バックホーの進行方向(前後方向)に伸びる中心線Qに対し垂直であり且つ旋回体3の旋回軸心X(図2参照)に対し垂直な方向を向いているものとする。
図2に示す如く、前記支持部5aには、基板19の上方に位置する円板状の上板35と、基板19と上板35とを連結する円筒状の支持筒体36を備え、上板35及び基板19には開口37,38がそれぞれ形成されている。また、上板35上に旋回ベアリング9が配置されている。走行フレーム12は、該旋回ベアリング9を介して旋回体3を上下方向の旋回軸心X廻りに旋回自在に保持している。また、スイベルジョイント10は、基板19の下面側に設けた支持板40を介して支持筒体36内で旋回軸心X上に支持されている。
該掘削装置6は、支持ブラケット43に縦軸を介して上下方向の軸心回りに左右揺動自在に支持された揺動ブラケット44にブーム45とブームシリンダ46の各基端部を枢支し、該ブーム45の先端にアーム47を枢支すると共に該アーム47をアームシリンダ48で揺動可能にし、アーム47の先端にバケット(作業具)49を枢支して該バケット49をバケットシリンダ50で掬い及びダンプ動作可能にしている。
図1〜図3に示す如く、クローラ走行体11は、プレス成形等により板材を箱状に組み上げて形成される前後方向に長筒状のトラックフレーム13と、該トラックフレーム13の前部に回転自在に支持されたアイドラ14と、トラックフレーム13の後方に設けた油圧モータからなる走行モータML、MRに取り付けられて回転駆動可能とされた駆動輪(スプロケット)15と、トラックフレーム13の下部に回転自在に設けられた複数個の転輪16と、これらアイドラ14、駆動輪15、転輪16に亘って巻き掛けられたゴム製又は鉄製のクローラベルト18とを備えている。
また、図1、図3、図5に示す如く、各トラックフレーム13の内側面には、左右内方に突出する前脚体26aと後脚体(脚体)26bとがそれぞれが突設されている。
前脚体26aは、トラックフレーム13の内側面から突出する主脚部27aに補助脚部27bを隣接配備して構成されている。該主脚部27aは、トラックフレーム13から突出する部分が少なくとも走行フレーム12の左右幅の半分よりも大きい全長を有する角パイプにより形成されており、走行フレーム12の前側の支持筒22内を摺動自在として該支持筒22に挿通されている。
補助脚部27bは、各主脚部27aの基端部側と支持筒22との隙間を埋めるようにして支持筒22内を摺動自在にとして該支持筒22内に挿通されている。該補助脚部27bによって主脚部27aの基端側でのガタつき等が防止されている。
後脚体26bは、支持筒22の内周に当接可能若しくは僅かに離間した状態で対向可能な外形を有する角パイプにより形成されており、走行フレーム12の支持筒22内を摺動自在として該支持筒22に挿通されており、これによって走行フレーム12に対するクローラ走行体11のガタつき等を防止している。
なお、後脚体26bの前壁部をトラックフレーム13の内側壁13aに突き合わせる構造とする場合であっても、長筒状に形成されるトラックフレーム13の内側壁13a、外側壁13bを含む周壁により配管収容部Sがトラックフレーム13内に形成されるものとなり、該配管収容部Sに後脚体26bが連通されるものとなる。さらには、後脚体26bのトラックフレーム13との連接部よりも前側となる位置に、例えばトラックフレーム13の外側壁13bと内側壁13aとを繋ぐ繋ぎ壁部を設け、これらトラックフレーム13の外側壁13b、内側壁13a及び繋ぎ壁部によって、トラックフレーム13内に中空状の配管収容部Sを形成することも可能である。
図1及び図3に示す如く、各クローラ走行体の後脚体26bは、走行フレーム12の支持筒22内で左右に突き合わせるように該支持筒22に挿通されており、これによって各後脚体26bの挿通孔28の開口縁どうしも互いに対向するものとなる。
また、前脚体26aの主脚部27a及び後脚体26bの上面には左右方向の長孔状に形成された係合孔31が形成され、基板19の前部及び後部には係合孔31に挿通する係合ピン32が下方突出状に設けられている。該係合ピン32が係合孔31の端部に当接することにより、左右クローラ走行体11の左右移動が規制されるものとなる。
図2、図3、図5に示す如く、該モータホルダ60は、トラックフレーム13の後端部に取り付けられる取付壁61と、該取付壁61の左右方向中途部から後方に突出して走行モータMR、MLを支持する支持壁62と、該支持壁62の後端部から他方のクローラ走行体11に向けて屈曲する屈曲壁63と、支持壁62の前後方向中途部と取付壁61の左右方向外端部とを連結する連結壁64とを備えている。また、取付壁61と屈曲壁63に亘って蓋体65が設けられており、これによって取付壁61、支持壁62、屈曲壁63及び蓋体65により収納室66が形成されている。また、取付壁61、支持壁62及び連結壁64により中間室67が形成されている。該中間室67と収納室66とは、支持壁62に形成された挿通窓68を介して連通されており、中間室67とトラックフレーム13の配管収容部Sとは、取付壁61に設けられた開口部69を介して連通されている。
前記スイベルジョイント10は、旋回体3に搭載されている作動油タンクからの作動油を走行装置2側の走行モータMR、MLやドーザ装置4のドーザシリンダ(図示省略)に配管するための回動自在な配管接続部としての機能を有し、スイベルジョイント10と走行モータMR、MLとを可撓性の油圧ホース80で連結することにより、旋回台5に搭載されたポンプからの作動油をスイベルジョイント10を介して走行モータMR、MLに供給すると共に、走行モータMR、MLからの戻り油を前記旋回台5に搭載された作動油タンクに戻すように構成されている。
なお、走行モータMR、MLとスイベルジョイント10との間には、作動油供給用、戻り油用、ドレイン用(戻り油用)及び変速切換用の4本の油圧ホース80が配設されるが、これら油圧ホース80の配設は全て同じであるので、以下では作動油供給用の油圧ホース80の配設についてのみ説明することとする。また、左右一対のクローラ走行体11は拡幅状態に設定されているものとする。
この様に、走行モータMR、MLに連結された油圧ホース80が配管収容部Sにて前方突出状に湾曲した後、後脚体26b内で反り返ると共に後方に湾曲してスイベルジョイント10まで導出されることにより、該油圧ホース80の変曲点は後脚体26b内に位置するものとなる。
なお、支持筒22の挿通孔22aは後脚体26bの貫通孔28と対向する位置に設けられているので、クローラ走行体11を拡縮する場合にも、支持筒22や後脚体26bが油圧ホース80の後脚体26b内での移動や撓みを干渉するものとはならない。
また、配管収容部S及び後脚体26bには十分なスペースが確保されているので、左右一対のクローラ走行体11の左右間隔を拡縮しても、油圧ホース80はこれら配管収容部S及び後脚体26b内で張撓することができ、クローラ走行体11の拡縮が油圧ホース80によって支障をきたすものとはならない。また、油圧ホース80どうしが互いの張撓を干渉するものともならない。
2 走行装置
3 旋回体
5 旋回台
6 掘削装置
10 スイベルジョイント
11 クローラ走行体
12 走行フレーム
13 トラックフレーム
15 駆動輪
22 支持筒
22a 挿通孔
26a 前脚体
26b 後脚体
60 モータホルダ
61 取付壁
62 支持壁
66 収容室
67 中間室
68 挿通窓
69 開口部
80 油圧ホース
S 配管収容部
P 軸心
MR 油圧モータ
ML 油圧モータ
Claims (3)
- 走行フレーム(12)の側部に設けられて左右方向に軸心を有する支持筒(22)に、各クローラ走行体(11)に突設された筒状の脚体(26b)を摺動可能に挿入して左右一対のクローラ走行体(11)の左右間隔を拡縮自在とし、各クローラ走行体(11)の後部に設けられた走行モータ(ML、MR)と、前記走行フレーム(12)に設けられたスイベルジョイント(10)とが油圧ホース(80)を介して連結されている旋回作業機の走行モータへの油圧配管装置において、
前記クローラ走行体(11)には、走行モータ(ML、MR)と脚体(26b)との間に中空状の配管収容部(S)が設けられ、前記走行モータ(ML、MR)から伸びる油圧ホース(80)は、該配管収容部(S)に湾曲状に撓んだ状態で収容されると共に、前記クローラ走行体(11)の脚体(26b)内と前記走行フレーム(12)の支持筒(22)内とを通じてスイベルジョイント(10)に連結されていることを特徴とする旋回作業機の走行モータへの油圧配管装置。 - 各クローラ走行体(11)は、前記脚体(26b)に連結された前記配管収容部(S)を有するトラックフレーム(13)と、該トラックフレーム(13)の後部に連結されて前記走行モータ(ML、MR)を支持するモータホルダ(60)とを備え、該モータホルダ(60)には、前記トラックフレーム(13)に連結される取付壁(61)に開口部(69)が形成されており、前記油圧ホース(80)は、該開口部(69)を通じて走行モータ(ML、MR)から前記配管収容部(S)に向けて配設されていることを特徴とする請求項1に記載の旋回作業機の走行モータへの油圧配管装置。
- 前記クローラ走行体(11)の脚体(26b)には、前記スイベルジョイント(10)と対向する位置に貫通孔(28)が形成されており、前記走行フレーム(12)の支持筒(22)には、該貫通孔(28)と対向する位置に挿通孔(22a)が形成されており、前記油圧ホース(80)は、これら貫通孔(28)及び挿通孔(22a)を通じて前記スイベルジョイント(10)に向けて配設されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の旋回作業機の走行モータへの油圧配管装置。
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