JP4742643B2 - 産業資材用ポリエステル繊維 - Google Patents
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Description
0.01≦Ti≦3.0
0.05≦Ti/P≦20
0.5≦A/P≦100
0.05≦M≦10
(式中、Ti、PおよびAは、それぞれポリエステル106g中に含まれるチタン原子、リン原子、およびアルカリ金属原子のモル数を示す。また、Mはポリエステル106g中に含まれるアルカリ土類金属原子および/又はマンガン原子の合計モル数を示す。)
(1)ジカルボン酸成分とジオール成分との反応であるエステル化反応
(2)ジカルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とジオール成分との反応であるエステル交換反応
(3)実質的にエステル反応が終了し、得られた低重合体を脱ジオール反応にて高重合度化せしめる重縮合反応
本発明のチタン化合物は、ポリエステル106g中にチタン原子のモル数として0.01〜3.0であることが必要であり、この範囲とすることで重合活性が高く、得られるポリマーの溶融時の耐熱性や色調が良好となる。チタン原子のモル数が0.01以上では重合反応性が十分となり、実用的な固有粘度を有するポリマーを良好な生産性で得ることができる。また、3.0以下では溶融時の熱安定性の低下がなく、繊維特性も良好となる。より好ましくは0.05〜2.0モル、更に好ましくは0.1〜1.0モルである。
(1)ポリエステルの固有粘度IV
オルソクロロフェノールを溶媒として25℃で測定した。
(2)ポリエステル中のチタン元素、アルカリ元素、アルカリ土類元素、マンガン元素およびリン元素含有量
蛍光X線元素分析装置(堀場製作所社製、MESA−500W型)またはICP発光分析装置(セイコーインスツルメンツ社製、SPS1700)により求めた。
(3)強伸度
東洋ボードウイン社製テンシロン引張試験機を用いて、試料長25cm、引張速度30cm/分でS−S曲線を求め、強伸度を算出した。
(4)毛羽数
(株)大広製高速毛羽評価装置(KH−222−TOKA)を用いて、糸速度200m/分、測定時間250分間での毛羽数をカウントして次のようにランク付けし、aおよびb級を合格とした。
b級:2〜4回
c級:5〜20回
d級:21回以上
(5)乾熱収縮率
試料をかせ状にとり、20℃、65%RHの温調室に24時間以上放置したのち、試料の0.1g/dtexに相当する荷重をかけて測定された長さl0 の試料を無張力状態で150℃のオーブン中に30分放置した後、オーブンから取り出して前記温調室で4時間放置し、再び上記荷重をかけて測定した長さl1から次式により算出した。
(6)撚糸時の強力利用率
撚糸時の原糸強力と原糸を撚糸した時に強力から求めた。
(7)耐光性
サンシャインウェザーメーターによりブラックパネル温度83℃で200時間原糸に光照射した後、処理前後の強力の比から強力保持率を求め、従来糸並のレベルを×、従来比1〜4%アップを○、4%以上を◎で示した。
なお、以下に触媒の合成方法を記す。
撹拌機、凝縮器及び温度計を備えた3Lのフラスコ中に温水(371g)にクエン酸・一水和物(532g、2.52モル)を溶解させた。この撹拌されている溶液に滴下漏斗からチタンテトライソプロポキシド(288g、1.00モル)をゆっくり加えた。この混合物を1時間加熱、還流させて曇った溶液を生成させ、これよりイソプロパノール/水混合物を真空下で蒸留した。その生成物を70℃より低い温度まで冷却し、そしてその撹拌されている溶液にNaOH(380g、3.04モル)の32重量/重量%水溶液を滴下漏斗によりゆっくり加えた。得られた生成物をろ過し、次いでエチレングリコール(504g、80モル)と混合し、そして真空下で加熱してイソプロパノール/水を除去し、わずかに曇った淡黄色の生成物(Ti含有量3.85重量%)を得た。
撹拌機、凝縮器及び温度計を備えた1Lのフラスコ中に撹拌されているチタンテトライソプロポキシド(285g、1.00モル)に滴下漏斗からエチレングリコール(218g、3.51モル)を加えた。添加速度は、反応熱がフラスコ内容物を約50℃に加温するように調節された。その反応混合物を15分間撹拌し、そしてその反応フラスコに乳酸アンモニウム(252g、2.00モル)の85重量/重量%水溶液を加えると、透明な淡黄色の生成物(Ti含有量6.54重量%)を得た。
高純度テレフタル酸(三井化学社製)100kgとエチレングリコール(日本触媒社製)45kgのスラリーを予めビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート約123kgが仕込まれ、温度250℃、圧力1.2×105Paに保持されたエステル化反応槽に4時間かけて順次供給し、供給終了後もさらに1時間かけてエステル化反応を行い、このエステル化反応生成物の123kgを重縮合槽に移送した。引き続いて、エステル化反応生成物が移送された前記重縮合反応槽に、触媒イ(クエン酸キレートチタン化合物)の2重量%エチレングリコール溶液(ポリマー106当たりのチタン原子のモル数0.21)、酢酸ナトリウム無水物のエチレングリコール溶液(ポリマー106当たりのナトリウム原子のモル数2.5)、酢酸マンガンのエチレングリコール溶液(ポリマー106当たりのマンガン原子のモル数0.73)、およびリン酸の2重量%エチレングリコール溶液(ポリマー106当たりのリン原子のモル数0.32)を添加した。その後、低重合体を30rpmで攪拌しながら、反応系を250℃から290℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を40Paまで下げた。最終温度、最終圧力到達までの時間はともに60分とした。所定の攪拌トルクとなった時点で反応系を窒素パージし常圧に戻し重縮合反応を停止し、冷水にストランド状に吐出、直ちにカッティングしてポリマーのペレットを得た。なお、減圧開始から所定の撹拌トルク到達までの時間は2時間50分であった。
実施例2は、参考例での触媒ロを使用した以外は、いずれも実施例1と同様にして重合を行い、固相重合後のチップを用いて紡糸・延伸した。この延伸糸の毛羽はなく物性は良好であり、撚糸時の強力利用率、耐光性が優れていた。
実施例3は、アルカリ金属化合物として酢酸ナトリウム、アルカリ土類金属物として、酢酸マグネシウムおよび酢酸マンガン化合物を併用、また、実施例4はアルカリ土類金属物として酢酸マグネシウム化合物を併用した以外は、いずれも実施例1と同様にして重合を行い、固相重合後のチップを用いて紡糸・延伸した。表1から明らかように毛羽はなく延伸糸の物性は良好であり、撚糸時の強力利用率、耐光性に優れていた。
重縮合触媒としてのチタン化合物の添加量を変更した以外は、いずれも実施例1と同様にして重合を行い、固相重合したチップを用いて紡糸・延伸した。表1から明らかなとおり毛羽はなく、延伸糸の物性は良好であり、撚糸時の強力利用率、耐光性に優れていた。
リン量を変更した以外は、いずれも実施例1と同様にして重合を行い、固相重合したチップを用いて紡糸・延伸した。表1から明らかように毛羽はほとんどなく延伸糸の物性は良好であり、撚糸時の強力利用率、耐光性に優れていた。
アルカリ金属化合物(酢酸ナトリウム)の量を変更した以外は、いずれも実施例1と同様にして重合を行い、固相重合したチップを用いて紡糸・延伸した。表1から明らかなとおり、本発明の範囲を満たす実施例12、および実施例13は毛羽はほとんどなく延伸糸の物性は良好であり、撚糸時の強力利用率、耐光性に優れていた。
実施例14、15は本発明のアルカリ金属化合物の種類を変更、また、実施例16〜18はアルカリ土類金属化合物および/又はマンガン化合物の種類を変更した以外は、実施例1と同様にして重合を行い、固相重合したチップを用いて紡糸・延伸した。表2から明らかなとおり、本発明の範囲を満たす実施例14、15、および実施例16〜18は毛羽はなく延伸糸の物性は良好であり、撚糸時の強力利用率、耐光性に優れていた。
重縮合触媒としてテトラブトキシチタン(以下TBTという)を用いた(ポリマー106当たりのチタン原子のモル数0.21)以外は、実施例1と同様にして重合を行い、固相重合したチップを用いて紡糸・延伸した。毛羽が多数あり品位に劣るものであった。また、延伸糸の強伸度、撚糸時の強力利用率、および耐光性が劣っていた。
重縮合触媒として三酸化アンチモン(住友金属鉱山社製)を得られるポリマーに対してアンチモン原子換算で330ppm(ポリマー106当たりのアンチモン原子のモル数1.36)添加した以外は、実施例1と同様にして重合を行い、固相重合したチップを用いて紡糸・延伸した。毛羽が多数あり品位に劣るものであった。また、表2に示したように延伸糸の強伸度、撚糸時の強力利用率、および耐光性が劣っていた。
Claims (2)
- (1)チタン錯体のキレート剤がヒドロキシカルボン酸であるチタン化合物、(2)リン化合物、(3)アルカリ金属化合物、および(4)アルカリ土類金属化合物および/又はマンガン化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物を、下記式を満足する量含んだ、エチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルであって、固有粘度が0.80以上、強度が6.5cN/dtex以上、伸度が8〜30%、150℃での乾熱収縮率が2〜15%であることを特徴とする産業資材用ポリエステル繊維。
0.01≦Ti≦3.0
0.05≦Ti/P≦20
0.5≦A/P≦100
0.05≦M≦10
(式中、Ti、PおよびAは、それぞれポリエステル106g中に含まれるチタン原子、リン原子、およびアルカリ金属原子のモル数を示す。また、Mはポリエステル106g中に含まれるアルカリ土類金属原子および/又はマンガン原子の合計モル数を示す。) - ヒドロキシカルボン酸が、ヒドロキシ多価カルボン酸、又はヒドロキシ含窒素多価カルボン酸であることを特徴とする請求項1記載の産業資材用ポリエステル繊維。
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