JP4742449B2 - エレベーター装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エレベータ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エレベーター装置の例としては、特開2000−211833号公報に示されたものがある。この従来のエレベーター装置は、乗場に一般用乗場釦の他に車椅子専用乗場釦を備え、車椅子専用釦が押された場合でも、乗場のカメラで撮影した画像を処理して車椅子利用者などの身障者を検出しない限り、通常運転モードでエレベーターを運転するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のような従来のエレベーター装置では、各階毎に一般用乗場釦の他に必ず車椅子専用乗場釦を設ける必要があった。また、車椅子利用者などの身障者は、一般用乗場釦ではなく、必ず車椅子専用乗場釦を操作しなければならず、健常者とは違った特別な操作が強いられていた。本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、必ずしも各階毎に一般用乗場釦と車椅子専用乗場釦との双方を設ける必要がなく、しかも、車椅子利用者などの身障者に特別な操作を強いることなく、通常運転モードから身障者運転モードにエレベーターの動作を切り換えることができるようにすることを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るエレベーター装置は、最上階又は最下階の乗場の床面に設けられた所定の範囲の画像認識範囲表示部と、画像認識範囲表示部を撮像する撮像手段と、撮像手段によって撮像された撮像結果に基づき、画像認識範囲表示部内にエレベーターを待つ待ち客がいるかいないかを検知し、待ち客がいる場合には待ち客が健常者であるか車椅子等の待ち客であるかを判別する判別手段と、判別手段によりエレベーターを待つ待ち客が検知され最上階又は最下階の乗場呼びが自動的に登録されたことに基づいてエレベーターの運転が制御された後に、待ち客が健常者であるか車椅子等の待ち客であるかを判別し、車椅子等の待ち客であった場合に、エレベーターの運転モードを身障者運転モードに切り替えて戸開閉する制御手段とを備えたものである。
【0005】
また、この発明に係るエレベーター装置の撮像手段は乗場扉近くの天井、乗場扉の上部、乗場扉の側部、乗場扉近くの床、又は乗場呼登録装置の内部に設けられたものである。
【0006】
さらに、この発明に係るエレベーター装置は、最上階でエレベーターを待つ待ち客が検知されると、下方向の乗場呼びが自動的に登録され、最下階でエレベーターを待つ待ち客が検知されると、上方向の乗場呼びが自動的に登録されるものである。
【0007】
また、この発明に係るエレベーター装置は、中間階の乗場の床面に設けられた所定の範囲の画像認識範囲表示部で、エレベーターを待つ待ち客が撮像され、中間階での乗場呼びが登録されていない場合には、報知手段でエレベーターの待ち客に乗場呼びが登録されていない旨が報知されるものである。
【0008】
さらに、この発明に係るエレベーター装置は、2つの階床の間を移動するエレベーターにおいて、ある階床にあるかご内を撮像する撮像手段と、撮像手段によって撮像された撮像結果に基づき、かご内に乗客がいるかいないかを検知し、乗客がいる場合には乗客が健常者であるか車椅子等の乗客であるかを判別する判別手段と、判別手段により前記かご内の乗客が検知され他の階床の乗場呼びとかご呼びのうち少なくともいずれか一方が自動的に登録されたことに基づいてエレベーターの運転が制御された後に、乗客が健常者であるか車椅子等の乗客であるかを判別し、車椅子等の乗客であった場合に、エレベーターの運転モードを身障者運転モードに切り替えて戸開閉する制御手段とを備えたものである。
【0009】
また、この発明に係るエレベーター装置は、判別手段による判別結果をエレベーターの待ち客に報知する報知手段を備えたものである。
【0010】
さらに、この発明に係るエレベーター装置の判別手段は、撮像手段から得られた撮像結果に基づき、乗場で待つ待ち客が車椅子等の待ち客であると判別すると、選択手段によって、エレベーターの運転モードを身障者運転モードに切り替えるものである。
【0011】
また、この発明に係るエレベーター装置の撮像手段は、映像カメラ又は赤外線カメラであるものである。
【0012】
さらに、この発明に係るエレベーター装置は、撮像手段の代わりに設けられる検知手段が、バーコード認識装置、床荷重分布センサ、又は無線アンテナであるものである。
【0013】
補正により削除。
【0014】
補正により削除。
【0015】
補正により削除。
【0016】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
本発明によるエレベーター装置の一実施形態について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態1のエレベーター装置を示す構成図である。図1において、1は画像認識範囲表示部であり、各階の乗場2の床面に設けられる。この画像認識範囲表示部1は、エレベーターを待つ利用者がその画像認識範囲を容易に認識できるようにするものであり、またカメラ等で撮像された画像において利用者が認識されやすく着色されたものである。つまり、画像認識範囲表示部は、撮像された画像の背景として利用者を認識しやすいように、白色や灰色などの単色の単純な画像パターンで構成される。
【0017】
3は乗場呼登録装置であり、各階の乗場2に設けられる。この乗場呼登録装置3には、一般用乗場釦、インジケータ、方向灯などが組み込まれている。4は車椅子用乗場釦であり、各階の乗場2に設けられる。5は画像入力装置(撮像手段)であり、テレビカメラや人工網膜チップ等の撮像装置で構成される。この画像入力装置5は、各階の乗場2の画像認識範囲表示部1が撮像できるような位置、例えば乗場扉近くの天井、乗場扉の上部、乗場扉の側部、乗場扉近くの床、乗場呼登録装置3の内部などが考えられる。
【0018】
6は利用者認識装置(判別手段)であり、画像処理部7と利用者判別部8と伝送制御部9とから構成される。この画像処理部7は、所定の階床の画像入力装置5から取り込まれた画像認識範囲表示部1内でエレベーターを待つ利用者の画像を処理するものである。また、利用者判別部8は、画像処理部7で処理されたデータを元にエレベーターを待つ利用者を判別するものである。さらに、伝送制御部9は、エレベーターの制御装置10(制御手段)とのデータ伝送を制御するものである。
【0019】
エレベーターの制御装置10は、伝送制御部15と運転モード選択部16と運転制御部17と駆動制御部18とから構成される。この伝送制御部15は、利用者認識装置6や表示制御装置12等とのデータ伝送を制御するものである。また、運転モード選択部16は、利用者判別部8による判別結果に基づきエレベーターの運転モードを通常運転モードや身障者運転モードに切換えるものである。さらに、運転制御部17は、運転モード選択部16によって選択された運転モードに従ってエレベーターの運転を制御するものである。また、駆動制御部18は、運転制御部17によるエレベーターの運転制御に基づいて巻上機の駆動を制御するものである。
【0020】
12は表示制御装置(報知手段)であり、表示処理部13と伝送制御部14とから構成される。この表示処理部13は、運転モード選択部16による運転モードの選択結果等の表示データを表示装置11に表示させる。この表示装置11は、各乗場2のエレベーターを待つ利用者が見やすい位置、例えば乗場扉の上部などに設置される。また、伝送制御部14は、エレベーターの制御装置10とのデータ伝送を制御する。
【0021】
次に、図1に示す実施形態1のエレベーター装置の動作について、図2を用いて説明する。図2は、本実施形態のエレベーター装置の動作を示すフローチャートである。ステップ(以下、Sとする)1で、エレベーターの制御装置10には、画像入力装置5で撮像された画像認識範囲表示部1内の画像に基づく利用者認識装置6からの待ち客がいるかどうかの判定結果が入力される。この入力された判定結果に基づき、エレベーターの制御装置10は、任意の階床にエレベーターの待ち客がいるかどうか判断する。
【0022】
なお、利用者認識装置6では、画像入力装置5で撮像された画像を画像処理し、車椅子等の待ち客がいるかどうかまで判定でき、その判定結果もエレベーターの制御装置10に出力される判定結果に含まれる。なお、車椅子等の待ち客とは、車椅子を使用する使用者の他、松葉杖、寝台、キャスタ付スタンド等を使用する非健常者を含むものとする。また、車椅子等の待ち客がいるかどうかの判定は、それらの使用者の特徴点を予め登録しておき、その登録データと撮像された画像との間で特徴点の量を抽出し、その特徴量の多寡で判断する。このS1で、任意の階床でエレベーターの待ち客が検知されなければS1に戻り、待ち客が検知されればS2に進む。
【0023】
S2で、エレベーターの制御装置10は、待ち客が検知された階床が、最上階もしくは最下階であるかどうかを判断する。待ち客が検知された階床が、最上階もしくは最下階である場合はS3に進み、そうでない中間階であればS9に進む。S3で、エレベーターの制御装置10は、乗場呼びを自動登録する。例えば、待ち客の検知された階床が最上階であれば、下方向の乗場呼びが自動的に登録される。また、待ち客の検知された階床が最下階であれば、上方向の乗場呼びが自動的に登録される。そして、この乗場呼びに基づき、エレベータの運転が制御される。このS3が終わるとS4に進む。
【0024】
S4で、エレベーターの制御装置10は、利用者認識装置6から入力された判定結果に基づき所定の階床に車椅子等の待ち客がいるかどうかを判断する。所定の階床の画像認識範囲表示部1に車椅子等の待ち客がいる場合はS5に進み、そうでない場合はS7に進む。S5で、エレベーターの制御装置10は、車椅子等を利用した身障者が所定の階床でエレベーターの待ち客として認識されたことから、エレベーターの運転を身障者運転モードとすることを表示制御装置12に報知する。このS5が終わるとS6に進む。
【0025】
S6で、エレベーターの制御装置10は、エレベーターの戸開時間を延長させたり、低速で扉を閉めさせるといった身障者運転モードでエレベータを運転する。S7で、エレベーターの制御装置10は、健常者が所定の階床でエレベーターの待ち客として認識されたことから、エレベーターの運転として通常運転モードが選択されたことを表示制御装置12に報知する。なお、表示装置11では、身障者運転モードが選択された時のみ、その表示をするようにしてもよい。このS7が終わるとS8に進む。
【0026】
S8で、エレベーターの制御装置10は、エレベーターの戸開時間を延長させたり低速で扉を閉めさせるといったことをしない通常運転モードでエレベーターを運転する。S9で、エレベーターの制御装置10は、待ち客のいる階床において一般用乗場釦又は車椅子用乗場釦が操作され乗場呼びが登録されたか確認する。待ち客のいる階床において乗場呼びが登録されていた場合はS10に進み、そうでなければS13に進む。
【0027】
S13で、エレベーターの制御装置10は、所定の階床でエレベーターを待っている待ち客に対して、一般用乗場釦又は車椅子用乗場釦を操作して、乗場呼びを設定するように促す案内を表示装置11に表示する。このS13が終わると一連の処理を終了する。以下、S10〜S12及びS14〜S15は、上述のS4〜S8と同様であるので、その説明を省略する。
【0028】
このように、本実施形態のエレベーター装置は、エレベーターの待ち客が最上階もしくは最下階にいる場合に、一般用乗場釦もしくは車椅子用乗場釦を操作しなくても、乗場呼びが登録される。もしくは、建物の最上階及び最下階に一般用乗場釦及び車椅子用乗場釦
を設けなくても、エレベーターの待ち客が来ると乗場呼びが自動的に設定される。
【0029】
また、本実施形態のエレベーター装置は、非健常者が特別な操作をすることなくエレベーターの運転モードを通常運転モードから身障者運転モードに切り換えることができる。この時、非健常者の検知は、例えば乗場2の天井に設けられた画像入力装置5を用いて非
撮像されることによって検知される。また、この時、天井等に設けられる画像入力装置5は、安価なものでも大丈夫である。また、画像入力装置5で撮像される非健常者は、乗場2における比較的広範囲な画像認識範囲表示部1内にいるものとする。当然、この画像認識範囲表示部1は、各乗場釦から多少離れた場所も含むものである。
【0030】
なお、本実施形態では、乗場2の待ち客を検知する手段として、画像入力装置5と利用者認識装置6とを使ったが、赤外線カメラ、バーコード認識装置、床荷重分布センサ、無線アンテナの何れかあるいはその組み合わせを用いてもよい。例えば、赤外線カメラを用いると、テレビカメラやCCDカメラのような高価な機器を用いることなく、また複雑な画像処理をすることなく、待ち客を検知することができる。このような赤外線カメラは、照射した赤外線の反射を検出したり、乗場の温度分布を計測して、待ち客を検知する。また、バーコード認識装置を用いると、例えば、非健常者が所持しているバーコードや車椅子に埋め込まれたバーコードが、乗場や乗場の床面などに設けられたバーコードリーダーによって読み取られ、健常者及び非健常者を簡単に認識することができ、複雑な画像処理をすることなく待ち客を検出することができる。さらに、床荷重分布センサを用いると、乗場の床面に設けられた圧力検出装置により、床面の荷重分布が計測され、複雑な画像処理をすることなく、待ち客を検知することができる。また、無線アンテナを用いると、例えば、非健常者が所持している無線機や車椅子に埋め込まれた無線機(送信機)から送信された情報が、乗場に設けられた無線機(受信機)によって受信され、複雑な画像処理をすることなく、待ち客を検出することができる。
【0031】
また、本実施形態では、エレベーターの待ち客の判別結果や、乗場呼びの登録を促す案内の報知手段として、表示装置11を用いたが、この表示装置11を用いる代わりに一般用乗場釦や車椅子乗場釦4の釦灯を点滅させたり、フリッカさせてもよい。
【0032】
実施の形態2.
本発明によるエレベーター装置の他の実施形態について、図3を用いて説明する。図3は、本発明の実施形態2のエレベーター装置を示す構成図である。図3において、20は画像入力装置(撮像手段)であり、テレビカメラや人工網膜チップ等の撮像装置で構成される。この画像入力装置20は、かご19内の天井等に設置される。21はかご操作盤であり、一般用や車椅子用のかご釦、インジケータ、方向灯などが組み込まれる。
【0033】
22は利用者認識装置(判別手段)であり、画像処理部23と利用者判別部24と伝送制御部25とから構成される。この画像処理部23は、画像入力装置20から取り込まれたエレベーターの利用者の画像を処理するものである。また、利用者判別部24は、画像処理部23で処理されたデータを元にエレベーター内の乗客を判別するものである。さらに、伝送制御部25は、エレベーターの制御装置10とのデータ伝送を制御するものである。
【0034】
27は表示制御装置(報知手段)であり、表示処理部28と伝送制御部29とから構成される。この表示処理部28は、運転モード選択部16による運転モードの選択結果等の表示データを表示装置26に表示させる。この表示装置26は、かご内のエレベーターの利用者が見やすい位置に設置される。そして、この表示装置26は、ディスプレイやランプや音声再生装置等で構成される。また、伝送制御部29は、エレベーターの制御装置10とのデータ伝送を制御する。
【0035】
なお、本実施形態のエレベーターは、2階床の間を移動するエレベーターである。また、図3において、図1に示す実施形態1と同一又は相当の部分には、同一符号を付してその説明を省略し、図1と相違する部分について説明した。
【0036】
次に、図3に示す実施形態2のエレベーター装置の動作について、図4を用いて説明する。図4は、本実施形態のエレベーター装置の動作を示すフローチャートである。S21〜S24及びS26は、実施形態1のS1、S3〜S5、及びS7と同様であるので、その説明を省略する。
【0037】
S25で、エレベーターの制御装置10は、エレベーターの戸開時間を延長させたり、低速で扉を閉めさせるといった身障者運転モードで運転させる。このS25が終わるとS28に進む。S27で、エレベーターの制御装置10は、エレベーターの戸開時間を延長させたり低速で扉を閉めさせるといったことをしない通常運転モードでエレベーターを運転させる。このS27が終わるとS28に進む。
【0038】
S28で、エレベーターの制御装置10には、かご19内の画像入力装置20で撮像された画像に基づく利用者認識装置22からのかご19内に乗客がいるかどうかの判定結果が入力される。この入力された判定結果に基づき、エレベーターの制御装置10は、かご19内に乗客がいるかどうか判断する。本ステップは、戸開閉動作が完了した後に、S21で検知した待ち客が、本当にかごに乗り込んだかどうかを判定するものである。この判定により、乗客が乗らなかった場合のかごを、次階に運転するような無駄な運転の発生を防止する。なお、利用者認識装置22では、画像入力装置20で撮像された画像を画像処理し、車椅子等の乗客がいるかどうかまで判定でき、その判定結果もエレベーターの制御装置10に出力される判定結果に含まれる。
【0039】
なお、車椅子等の乗客とは、車椅子を利用する乗客の他、松葉杖、寝台、キャスタ付スタンド等を利用する非健常者も含むものとする。また、車椅子等の乗客がいるかどうかの判定は、それらの使用者の特徴点を予め登録しておき、その登録データと撮像された画像との間で特徴点の量を抽出し、その特徴量の多寡で判断する。このS28で、かご19内の乗客が検知されなければ一連の処理を終了し、乗客が検知されればS29に進む。
【0040】
S29で、エレベーターの制御装置10は、かご呼びを自動登録する。例えば、乗客の検知されたかごが最上階にあれば、最下階のかご呼びが自動的に登録される。また、乗客の検知されたかごが最下階にあれば、最上階のかご呼びが自動的に登録される。そして、このかご呼びに基づき、エレベータの運転が制御される。このS29が終わるとS30に進む。S30で、エレベーターの制御装置10は、利用者認識装置22から入力された判定結果に基づき乗客が車椅子等を利用しているかどうか判断する。乗客が車椅子等を利用している場合はS31に進み、そうでない場合はS34に進む。
【0041】
S31で、エレベーターの制御装置10は、車椅子等を利用した身障者が乗客であると認識したので、エレベーターの運転を身障者運転モードとする旨を表示制御装置12に出力する。このS31が終わるとS32に進む。なお、他階とは、かごが最上階にある時は最下階のことを指し、かごが最下階にある時は最上階のことを指す。S32で、エレベーターの制御装置10は、エレベーターを他階へ走行させる。このS32が終わるとS33に進む。S33で、エレベーターの制御装置10は、エレベーターの戸開時間を延長させたり、低速で扉を閉めさせるといった身障者運転モードで、エレベーターを運転する。
【0042】
S34で、エレベーターの制御装置10は、健常者が乗客であると認識したので、エレベーターの運転を通常運転モードとする旨を表示制御装置12に出力する。このS34が終わるとS35に進む。S35で、エレベーターの制御装置10は、エレベーターを他階へ走行させる。このS35が終わるとS36に進む。S36で、エレベーターの制御装置10は、エレベーターの戸開時間を延長させたり、低速で扉を閉めさせるといったことをしない通常運転モードで、エレベーターを運転する。
【0043】
このように、本実施形態のエレベーター装置は、エレベーターの待ち客が一般用乗場釦もしくは車椅子用乗場釦を操作しなくても、乗場呼びを登録することができる。もしくは、建物に一般用乗場釦及び車椅子用乗場釦を設けなくても、エレベーターの待ち客が来ると乗場呼びが自動的に設定される。また、本実施形態のエレベーター装置は、エレベーターの乗客がかご釦を操作しなくても、かご呼びを登録することができる。
【0044】
さらに、本実施形態のエレベーター装置は、非健常者が特別な操作をすることもなく、エレベーターの運転モードを通常運転モードから身障者運転モードに切り換えることができる。この時、非健常者の検知は、例えばかご19の天井に設けられた画像入力装置20を用いて非健常者が撮像されることによって検知される。また、この時、天井等に設けられる画像入力装置20は、安価なものでも大丈夫である。
【0045】
なお、本実施形態では、乗客を検知する手段として、画像入力装置20と利用者認識装置22とを使ったが、赤外線カメラ、バーコード認識装置、床荷重分布センサ、無線アンテナの何れかあるいはその組み合わせを用いてもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係るエレベーター装置は、最上階又は最下階の乗場の床面に設けられた所定の範囲の画像認識範囲表示部と、画像認識範囲表示部を撮像する撮像手段と、撮像手段によって撮像された撮像結果に基づき、画像認識範囲表示部内にエレベーターを待つ待ち客がいるかいないか、また待ち客がいる場合には待ち客が健常者であるか否かを判別する判別手段と、エレベーターを待つ待ち客がいる場合には、最上階又は最下階の乗場呼びが登録され、待ち客が健常者であるか否かの判別結果に基づき、エレベーターの運転モードを通常運転モードにするか否かを選択し、エレベーターを制御する制御手段とを備えたものであり、必ずしも各階毎に一般用乗場釦と車椅子専用乗場釦との双方を設ける必要がなく、しかも車椅子利用者などの身障者に特別な操作を強いることなく、通常運転モードから身障者運転モードにエレベーターの動作を切り換えることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1のエレベーター装置を示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態1のエレベーター装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態2のエレベーター装置を示す構成図である。
【図4】本発明の実施形態2のエレベーター装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 画像認識範囲表示部、2 乗場、3 乗場呼登録装置、4 車椅子用乗場釦、5 画像入力装置、6 利用者認識装置、7 画像処理部、8 利用者判別部、9 伝送制御部、10 エレベーターの制御装置、11 表示装置、12 表示制御装置、13 表示処理部、14 伝送制御部、15 伝送制御部、16 運転モード選択部、17 運転制御部、18 駆動制御部、19 かご、20 画像入力装置、21 かご操作盤、22 利用者認識装置、23 画像処理部、24 利用者判別部、25 伝送制御部、26 表示装置、27 表示制御装置、28 表示処理部、29 伝送制御部。
Claims (9)
- 最上階又は最下階の乗場の床面に設けられた所定の範囲の画像認識範囲表示部と、
前記画像認識範囲表示部を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮像された撮像結果に基づき、前記画像認識範囲表示部内にエレベーターを待つ待ち客がいるかいないかを検知し、前記待ち客がいる場合には前記待ち客が健常者であるか車椅子等の待ち客であるかを判別する判別手段と、
前記判別手段により前記エレベーターを待つ待ち客が検知され前記最上階又は最下階の乗場呼びが自動的に登録されたことに基づいてエレベーターの運転が制御された後に、前記待ち客が健常者であるか車椅子等の待ち客であるかを判別し、車椅子等の待ち客であった場合に、エレベーターの運転モードを身障者運転モードに切り替えて戸開閉する制御手段と、
を備えたことを特徴とするエレベーター装置。 - 前記撮像手段が乗場扉近くの天井、乗場扉の上部、乗場扉の側部、乗場扉近くの床、又は乗場呼登録装置の内部に設けられたことを特徴とする請求項1に記載のエレベーター装置。
- 最上階でエレベーターを待つ待ち客が検知されると、下方向の乗場呼びが自動的に登録され、
最下階でエレベーターを待つ待ち客が検知されると、上方向の乗場呼びが自動的に登録されることを特徴とする請求項1に記載のエレベーター装置。 - 中間階の乗場の床面に設けられた所定の範囲の画像認識範囲表示部で、エレベーターを待つ待ち客が撮像され、前記中間階での乗場呼びが登録されていない場合には、報知手段で前記エレベーターの待ち客に乗場呼びが登録されていない旨が報知されることを特徴とする請求項1に記載のエレベーター装置。
- 2つの階床の間を移動するエレベーターにおいて、
ある階床にあるかご内を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮像された撮像結果に基づき、前記かご内に乗客がいるかいないかを検知し、前記乗客がいる場合には前記乗客が健常者であるか車椅子等の乗客であるかを判別する判別手段と、
前記判別手段により前記かご内の乗客が検知され他の階床の乗場呼びとかご呼びのうち少なくともいずれか一方が自動的に登録されたことに基づいてエレベーターの運転が制御された後に、前記乗客が健常者であるか車椅子等の乗客であるかを判別し、車椅子等の乗客であった場合に、エレベーターの運転モードを身障者運転モードに切り替えて戸開閉する制御手段と、
を備えたことを特徴とするエレベーター装置。 - 前記判別手段による判別結果をエレベーターの待ち客に報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項1又は5に記載のエレベーター装置。
- 前記判別手段は、前記撮像手段から得られた撮像結果に基づき、乗場で待つ待ち客が車椅子等の待ち客であると判別すると、選択手段によって、エレベーターの運転モードを身障者運転モードに切り替えることを特徴とする請求項1又は5に記載のエレベーター装置。
- 前記撮像手段は、映像カメラ又は赤外線カメラであることを特徴とする請求項1又は5に記載のエレベーター装置。
- 前記撮像手段の代わりに設けられる検知手段が、バーコード認識装置、床荷重分布センサ、又は無線アンテナであることを特徴とする請求項1又は5に記載のエレベーター装置。
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