JP4741992B2 - オイルフリースクリュー圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、空気等のガスを圧縮する圧縮機本体、圧縮機本体を駆動する駆動装置、圧縮機本体から吐出されるガスを冷却する冷却機器等を有するオイルフリースクリュー圧縮機に関し、特に低圧段圧縮機本体と高圧段圧縮機本体を備える中容量のパッケージ型オイルフリースクリュー圧縮機に好適なものである。
従来の中容量オイルフリースクリュー圧縮機の一例として特許文献1に記載のものがある。この従来のものでは、ギヤケーシング内のギヤシャフトとこれを駆動するモータ軸とはカップリングを用いて締結されている。また、一般に、モータとギヤケーシングは共に、共通ベースに固定された駆動系専用ベースに固定され、空冷式クーラ(アフタークーラ、インタークーラ、オイルクーラなど)等の冷却機器類は、圧縮機本体や駆動系装置(モータやギヤケーシングなど)の背面に配置されていた。冷却機器を構成するクーラはパッケージの背面に露出して配置され、低温の外気をクーラ内に直接取り込むようにし、これにより小形化を図れるようにしている。
また、特許文献2に記載された従来技術のように、インタークーラ、アフタークーラ、オイルクーラ等を、パッケージ内の圧縮機本体や駆動系装置とは隔離された一側に配置し、ギヤケーシングにモータや圧縮機本体を固定して、ギヤケーシングをベースに固定するようにしたものも知られている。
特開2002−155879号公報(図1) 特開平11−141488号公報(図2〜図6)
従来のオイルフリースクリュー圧縮機においては何れのものも、ギヤケーシングとモータとはカップリングを用いて締結され、モータとギヤケーシングは共に、共通ベースに固定された駆動系専用ベースを設けて、これに固定する構成としていたため、カップリングの心出し調整に手間がかかり、ユニット長さも長くなる。また、駆動系専用のベース、ギヤシャフト及びギヤシャフト用軸受なども必要になる欠点があった。
また、前記ギヤケーシングは油溜りの機能も兼ねていたため、ギヤケーシングが大形になり、大きな加工設備が必要となるから高コストになる課題があった。更に、ギヤケーシングが大きいため、ギヤケーシング自体が太鼓状に振動して騒音源となっていることもわかった。
更に、パッケージ形のオイルフリースクリュー圧縮機などででは、一般に、冷却装置を構成するクーラ等の機器がパッケージ背面に露出したり、直接連通する構造となっていたため、クーラ部の表面から振動音や脈動音がパッケージ外に洩れ易いという欠点があった。
本発明の目的は、圧縮機とその駆動系装置の組立性を向上する共に、ギヤケーシングを小形化することのできるオイルフリースクリュー圧縮機を得ることにある。
本発明の他の目的は、低騒音化を図ることのできるオイルフリースクリュー圧縮機を得ることにある。
本発明の更に他の目的は、冷却装置に冷却風を効率よく供給することのできるオイルフリースクリュー圧縮機を得ることにある。
上記目的を達成するため、本発明の第1の特徴は、ロータを有しガスを圧縮する圧縮機本体と、この圧縮機本体のロータに接続される増速ギヤと、該増速ギヤを収納するギヤケーシングと、前記圧縮機本体のロータを前記増速ギヤを介して駆動するモータとを備えるオイルフリースクリュー圧縮機において、前記ギヤケーシング内の増速ギヤを潤滑する潤滑油を貯めるオイルタンクを前記ギヤケーシングとは別体として設け、前記モータをベースに固定すると共に、前記ギヤケーシングは前記モータに一体に固定され、更に前記圧縮機本体は前記ギヤケーシングに一体に固定されていることにある。
ここで、前記モータに対して前記ギヤケーシングをフランジを介して固定すると共に、前記圧縮機本体も前記ギヤケーシングにフランジを介して固定され、更に前記モータには前記ベースに固定するための脚部を備え、この脚部をベースに固定することで、前記モータ、ギヤケーシング及び圧縮機本体がベースに対して取付けられる構成にすると良い。
また、前記増速ギヤは前記モータのモータ軸に固定されたブルギヤと、前記圧縮機本体のロータ軸に固定され且つ前記ブルギヤと噛み合うピニオンギヤとを有する構成とすることができる。
更に、前記ギヤケーシングにも脚部を設け、前記モータと前記ギヤケーシングとが分離状態にあるときにはギヤケーシングに設けた脚部を介してギヤケーシングがベースに支持される構成とすることが好ましい。
前記圧縮機本体は、ガスを吸込圧力から中間圧力まで昇圧する低圧段圧縮機本体と、中間圧力から吐出圧力まで昇圧する高圧段圧縮機本体との二個の圧縮機本体で構成されているものに適用することができる。
前記オイルタンクはモータを固定するベースと共通のベース(共通ベース)に設置され、このオイルタンクに油面計を取付けるようにすると、メンテナンス上好適である。
本発明の第2の特徴は、低圧段圧縮機本体と、高圧段圧縮機本体と、増速ギヤを有するギヤケーシングと、前記各圧縮機本体を前記増速ギヤを介して駆動するための駆動装置と、低圧段圧縮機本体から吐出される圧縮ガスを冷却する低圧段冷却系装置と、高圧段圧縮機本体から吐出される圧縮ガスを冷却する高圧段冷却装置と、前記増速ギヤを潤滑する潤滑油を冷却する潤滑油冷却装置を備え、前記機器全体をパッケージ化したパッケージ型のオイルフリースクリュー圧縮機において、前記低圧段圧縮機本体、高圧段圧縮機本体及び駆動装置を一体化すると共にその駆動装置を他の機器を設置するベースと共通のベースに設置し、前記低圧段冷却系装置、高圧段冷却装置或いは潤滑油冷却装置の少なくとも1つを前記パッケージの上部に配置し、前記パッケージの一側面には外気を吸込む吸込ダクトを配置して、この吸込ダクトによりパッケージの上部に配置された前記冷却装置の少なくとも一端を支持する構成としたことにある。
ここで、前記ギヤケーシング内の増速ギヤを潤滑するための潤滑油を貯めるオイルタンクを前記ギヤケーシングとは別体として設け、このオイルタンクは駆動装置を固定する共通ベースに設置するようにすると良い。
また、前記低圧段冷却装置、高圧段冷却装置及び潤滑油冷却装置をパッケージの上部に配置すると共に、前記低圧段冷却装置は低圧段圧縮機本体に隣接する上部に、高圧段冷却装置は高圧段圧縮機本体に隣接する上部にそれぞれ配置し、前記冷却装置の少なくとも何れかにおいて、当該冷却装置の低温側を冷却する冷却風が高温側を冷却する冷却風より低い温度となるように構成することが好ましい。
なお、前記低圧段冷却装置、高圧段冷却装置或いは潤滑油冷却装置の少なくとも1つを前記共通ベースに対して若干傾けて配置するようにしても良い。
前記吸込ダクトは、その外側面の下部に形成され外気とダクト内とを連通する空気流入口と、ダクト内側面の上部に形成され、前記空気流入口からダクト内に取り入れた空気をパッケージ内に導く空気流出口とを備え、前記空気流入口と空気流出口とは水平方向に重ならないように配置されるように構成すれば、パッケージ内の騒音がパッケージ外に漏れるのを低減できる。
また、パッケージ内のベース上に、駆動装置を始動させるための始動盤と、圧縮ガス中の水分を除去するためのドライヤとを設置し、前記駆動装置は前記始動盤とドライヤとの間に挟み込まれるように配置され、パッケージの一側面からパッケージ内に導入された外気が、前記始動盤とドライヤとの間を通過する際に前記駆動装置を冷却するように構成すると全体としてコンパクトにパッケージ化できると共に、駆動装置を効率良く冷却できる効果がある。
本発明によれば、ギヤケーシングをモータに一体に固定するようにしているので、圧縮機を駆動する駆動系装置の組立性を向上することができる。特に、増速ギアのブルギヤをモータ軸に直接固定することで、カップリングが不要となり組立性が向上する。
また、増速ギアを潤滑するための潤滑油を貯めるオイルタンクをギヤケーシングとは別体にして設けるようにしているので、ギヤケーシング内に潤滑油を貯める必要がなくなり、ギヤケーシングを大幅に小形化できる。このため、ギヤケーシングをモータに一体に取付けることが可能となり、このギヤケーシングに圧縮機本体を一体に取付けることで、モータのみをベースに固定すれば良く、従来のようにギヤケーシングをベースに固定する必要がなくなる。
また、ギヤケーシングを大幅に小形化できることにより、ギヤケーシングが太鼓状に変形することを防止でき、低騒音化を図ることもできる。
更に、クーラ(冷却装置)をパッケージの上部に、好ましくはベースと略平行に配置する構成とすることにより、パッケージ側面にクーラを設けた場合に比較し、クーラ部から水平方向に漏れる騒音を低減できる。また、パッケージの一側面には外気を吸込む吸込ダクトを配置して、この吸込ダクトによりパッケージの上部に配置された冷却装置の少なくとも一端を支持する構成とすることにより、構造が簡素化されると共に、冷却装置に冷却風を効率よく供給しつつ、吸込ダクトにより騒音が外部に漏れるのを低減できる効果もある。
本発明の最良の形態における特徴を述べると以下の通りである。
圧縮機は、空気等のガスをスクリューロータを回転させることにより圧縮する低圧段圧縮機本体及び高圧段圧縮機本体の二段スクリュー圧縮機として構成されている。また、その駆動系装置は、圧縮機本体が圧縮仕事をするための動力源であるモータ(駆動装置)と、このモータの回転を増速して圧縮機ロータに伝達する増速ギヤ、この増速ギヤを収納するギヤケーシング等から構成される。
上記駆動系装置において、ギヤケーシングとは別置きのオイルタンクを設けることでギヤケーシングを小形化し、圧縮機パッケージユニットの共通ベースに前記モータは取り付けられ、このモータにギヤケーシングをフランジを介して接続し、更にこのギヤケーシングに前記圧縮機本体もフランジを介して接続する構成としている。この構成により、モータと増速ギア間のカップリングを廃止することができる。これに伴い、モータ軸に増速ギヤを直接取付けることができ、従来のようなギヤシャフトやその軸受を廃止することができる。また、油面計はギヤケーシングとは分離された油タンクに設けられる。モータのメンテナンス時にはモータを単体で取り外す必要があるため、ギヤケーシングには脚部を設けており、ギヤケーシング自体を直接共通ベースに固定することもできる構成となっている。
圧縮機パッケージユニット内の圧縮機とその駆動系装置の上部には、低圧段圧縮機本体から吐出された空気等のガスを冷却し排熱を機外へ排出する低圧段冷却装置(インタークーラ)、高圧段圧縮機本体から吐出された空気等のガスを冷却し排熱を機外へ排出する高圧段冷却装置(アフタークーラ)及び増速ギア等の潤滑油を冷却するための油冷却装置(オイルクーラ)を、モータを固定しているユニット底部の共通ベースと平行に、或いは傾斜させて配置している。
上記構成とすることにより以下の効果が得られる。
圧縮機とその駆動系装置を一体化しているので小形化でき、駆動系装置の設置スペースの削減も可能となり、ユニット内に設置するクーラやポンプ等の配置自由度も向上できる。また、モータとギヤシャフトのカップリングも不要となるから、その心出し調整作業がなくなると共に、ギヤシャフト用の軸受も不要となるから、メンテナンスが容易となる。更に、圧縮機とその駆動系を一体化することにより、従来必要であった駆動系装置のための専用ベースが不要となる。
ギヤケーシングに脚部を設け、ギヤケーシング自体を共通ベースに固定する構成とすることにより、モータを単体でメンテナンスすることが可能となる。
オイルタンクはギヤケーシングとは別体に設けることにより、ギヤケーシングが小形化されてコスト面で有利になると共に、これが鋳物で形成される場合は鋳込性改善による歩留まり向上が図れ、またギヤケーシングが太鼓状に変形して大きな騒音の発生源になることも防止できる。また、ギヤケーシングとは別体とされたオイルタンクに油面計を取付けることにより、圧縮機管理者やメンテナンス作業者が点検しやすい位置に油面計を配置することが容易に可能となる。
各クーラをユニット内の上部に配置することで、クーラが外気に露出しない構造にでき、クーラ部からの音漏れの低減を図れる。また、前記冷却装置の少なくとも何れかにおいて、当該冷却装置の低温側を冷却する冷却風が高温側を冷却する冷却風より低い温度となるように構成することにより、効率の良い熱交換が可能となる。例えば、高圧段冷却装置や低圧段冷却装置における圧縮ガスの流入側(高温側)にはモータを冷却した後の比較的温度の高い冷却風を、圧縮ガスの流出側(低温側)には温度の低い外気を吸込ダクトを介して取り入れた冷却風を直接導く構成とする。更に、低圧段冷却装置を低圧段圧縮機本体へ隣接させて配置し、高圧段冷却装置を高圧段圧縮機本体へ隣接させて配置することにより、圧縮機本体と冷却機器とを連結する配管ルートを短縮でき、配管系の簡素化も図れる。
なお、各クーラを圧縮機ユニット底部の共通ベースに対して、平行ではなく傾けて配置した場合にはより効率の良い熱交換も可能となる。更に、前記各クーラの一端側を前記吸込ダクトで支持することにより、クーラを支持するためのフレーム部材の低減が可能となる。
以下、図面に基づき本発明の具体的実施例を説明する。
図1は本実施例のオイルフリースクリュー圧縮機の全体構成を示す系統図で、空冷式二段オイルフリースクリュー圧縮機に本発明を適用した場合の例ある。
空冷式二段オイルフリースクリュー圧縮機は、低圧段側圧縮機本体1および高圧段側圧縮機本体2が設けられ、これら圧縮機本体1,2はモータ10のモータ軸10aに連結されている。ギヤケーシング3にはモータ軸10aの軸先端に取付けられたブルギヤ9と、圧縮機本体1,2の回転従動軸1a,2a先端に取付けられ且つブルギヤ9に噛合ったピニオンギヤ1b,2bとが設けられている。モータ10が回転することにより、その回転力がブルギヤ9およびピニオンギヤ1b,2bを介して圧縮機本体1,2に伝達され、圧縮機本体1,2を回転させて圧縮用空気を圧縮する。
低圧段側圧縮機本体1の吐出側には低圧段側吐出配管24を介してインタークーラ(低圧段冷却装置)31が接続され、さらにインタークーラ31には高圧段側吸込配管25を介して高圧段側圧縮機本体2の吸入側に接続されている。また、高圧段側圧縮機本体2の吐出側には高圧段側吐出配管26および逆止弁27を介してアフタークーラ(高圧段冷却装置)41が接続されている。インタークーラ31およびアフタークーラ41はファンモータ34に接続された冷却ファン44によって冷却風が供給されており、低圧段側圧縮本体1や高圧段側圧縮機本体2で圧縮されて高温となった圧縮空気を冷却するようにしている。オイルクーラ(潤滑油冷却装置)51はオイルポンプ53によって循環され、ギヤおよび軸受を潤滑する潤滑油を冷却する。
本実施例では、オイルイルタンク72をギヤケーシング3とは分離して別体に設けることでギヤケーシング3を小形化し、ギヤケーシング3はモータ10にフランジ介して接続されている。前記ブルギヤ9はモータ10のモータ軸10aに取付けられ、モータ10が回転することにより、その回転力がブルギヤ9およびピニオンギヤ1b,2bを介して圧縮機本体1,2に伝達され、これらの圧縮機本体を回転させることで空気を圧縮するようにしている。
図2は圧縮機とその駆動系の構成を示す本発明の一実施例を示す正面図である。従来、モータ10はカップリングを介してギヤシャフトと締結され、低圧段側および高圧段側の圧縮機本体はフランジによりギヤケーシング3に結合されていた。また、モータ10とギヤケーシング3は駆動系専用のベース上に固定され、この駆動系専用ベースは通常防振ゴムを介して他の機器を設置する共通ベース21に取り付ける構成としていた。なお、ギヤケーシングには油量を目視するための油面計も設けられていた。
これに対し本実施例では、オイルタンク72(図1参照)を別体として設けるようにしたことにより、図2に示すように、ギヤケーシング3を小形化でき、共通ベース21に脚部10bを介して固定されたモータ10に、ギヤケーシング3をフランジ5を介して接続固定している。また、圧縮機本体1,2(高圧段側圧縮機本体2は図1参照)は前記ギヤケーシング3にフランジ5を介して接続固定されている。なお、モータ10をメンテナンスする時に、ギヤケーシング3をモータ10から切り離して設置できるように、ギヤケーシング3にも脚部3aが設けられている。これによって、モータ単体で共通ベース21に固定できるからメンテナンス作業を容易に行うことができる。
上記本実施例によれば、ギヤケーシング3を共通ベース21に固定する必要がなくなり、圧縮機とその駆動系はモータの脚部10bを介してのみ共通ベース21に固定するだけで良くなるので、従来のように駆動系専用のベースを使用する必要はなくなり、構成を簡素化できる。なお、前記モータの脚部10bは防振ゴムを介して共通ベース21に設置するようにしても良い。また、本実施例によれば、従来のように、カップリングが不要となるので、カップリングを用いた場合のような調整が不要となり、生産性およびメンテナンス性を大幅に向上できる。更に、ブルギヤ9(図1参照)をモータ軸(駆動軸)10aに直接取付けるため、従来のようにギヤシャフトやそれを支持する軸受も不要となる。また、圧縮機とその駆動系が一体化され、小形化されるため、インタークーラ31やアフタークーラ41などの部品の配置自由度も上げることができる。
また、ギヤケーシング3が従来技術よりも小形化できるため、コスト低減、歩留まり向上による生産性の向上、およびギヤケーシング3A面の振動による騒音も低減できる。
図3は本実施例における圧縮機ユニット全体の鳥瞰図である。
従来は、図1に示したインタークーラ31、アフタークーラ41及びオイルクーラ51は圧縮機ユニットの背面に配置され、各クーラの冷却風はパッケージ外部から各クーラ31,41,51を通過して吸い込まれて、ユニット上方に設けられた冷却ファンによりパッケージ上部から外部に排気される構成としていた。圧力損失を低くすること、及び温度のできるだけ低い冷却風を各クーラに導くため、冷却風通路面はパッケージ外部に露出する構成とするのが通常であったため、ユニット内からの騒音が外部に漏れやすい欠点があった。また、この従来技術のように、パッケージ背面に各クーラ31,41,51を並べた場合、低圧段側圧縮機本体1とインタークーラ31、及び高圧段側圧縮機本体2とアフタークーラ41の距離が長くなり、吐出ガスの配管構成が複雑になるだけでなく、これらの配管(例えば図1の配管24,25,26)はステンレス材で構成されるため非常に高価なものとなっていた。
これに対して本実施例では、アフタークーラ31、インタークーラ41及びオイルクーラ51は、圧縮機1,2とその駆動系10等の上方に、共通ベース21と略並行に配置されている。本実施例では、各クーラ31,41,51は冷却ファン44の下方に設置されているから、パッケージ型圧縮機ユニットの外側を覆うカバー(図示せず)内にスペースを介して前記各クーラを設置できる。これにより、各クーラは外部に露出しない構成とすることが可能となり、ユニット内部からの音漏れを抑制してパッケージ型圧縮機ユニットの低騒音化を図ることができる。
また、本実施例では、前記アフタークーラ31、インタークーラ41及びオイルクーラ51は、それぞれの冷却装置の低温側を冷却する冷却風が高温側を冷却する冷却風より低い温度となるように配置構成している。即ち、高圧段冷却装置や低圧段冷却装置における圧縮ガスの流入側(高温側:例えば180℃程度の圧縮ガスが流入する)にはモータを冷却した後の比較的温度の高い冷却風(例えば40℃程度)を、圧縮ガスの流出側(低温側:例えば55℃程度まで冷却された圧縮ガスが流出する)には吸込ダクトを介して取り入れた外気(冷却風:例えば25℃程度)を直接導く構成とすることで、冷却効率を向上すると共に、ユニット内からの騒音漏れのない構造を実現している。また、各クーラの配置を、ユニット前面側の圧縮機(低圧段側圧縮機本体)1の上部にはインタークーラ31を、ユニット背面側の圧縮機(高圧段側圧縮機本体)2の上部にはアフタークーラ41を配置することにより、従来のものに比べ圧縮機本体とクーラとの配管ルートも大幅に短縮している。
オイルタンク72はギヤケーシング3とは分離して別体として共通ベース21上に設置され、このオイルタンク72に油面計71(図1参照)が取り付けられている。オイルタンク72は駆動系から切り離されて設置に自由度があるためメンテナンスの際に油面計71を見やすい位置に設置できる。
更に、本実施例ではユニットの一側面側に吸込ダクト73を設け、この吸込ダクト73の外側下部に空気流入口73aを、内側上部に空気流出口73bを設けて、外気をこの吸込ダクト73を介してユニット内に導くようにしている。なお、前記インタークーラ(低圧段冷却装置)31、アフタークーラ(高圧段冷却装置)41、或いはオイルクーラ(潤滑油冷却装置)51の少なくとも1つ或いは全部を前記共通ベース21に対して傾けて配置するようにしても良い。
また、本実施例では、吸込ダクト73の枠に各クーラ31,41,51の一端側を固定するようにしており、これにより部品点数も削減を実現している。また、前記パッケージ内の前記共通ベース21上に、前記モータ(駆動装置)10を始動させるための始動盤75と、圧縮ガス中の水分を除去するためのドライヤ76とを設置し、前記モータは前記始動盤75とドライヤ76との間に挟み込まれるように配置され、前記パッケージの一側面からパッケージ内に導入された外気が、前記始動盤とドライヤとの間を通過する際に前記モータを冷却するように構成されている。なお、74は低圧段側圧縮機本体1に吸入される空気(ガス)を濾過する吸込フィルタである。
以上のように本実施例によれば、部品点数の削減、加工性、作業性の向上、コスト低減、騒音低減を図ったパッケージ型圧縮機ユニットが得られる。
本発明の一実施例を示すオイルフリースクリュー圧縮機の全体構成を説明する系統図である。 本発明の一実施例における圧縮機とその駆動系装置を示す正面図である。 本発明の一実施例を示すオイルフリースクリュー圧縮機全体の構成を示す鳥瞰図である。
符号の説明
1…低圧段圧縮機本体、1a…雄ロータ軸、1b…低圧段ピニオンギヤ、2…高圧段圧縮機本体、2a…雄ロータ軸、2b…高圧段ピニオンギヤ、3…ギヤケーシング、3a…ギヤケーシング脚部、5…フランジ、9…ブルギヤ、10…モータ(駆動装置)、10a…モータ軸、10b…モータ脚部、21…共通ベース(ベース)、23…吸込み絞り弁、24…低圧段吐出配管、25…高圧段吸込配管、26…高圧段吐出配管、27…逆止弁、31…インタークーラ(低圧段冷却装置)、34…ファンモータ、41…アフタークーラ(高圧段冷却装置)、44…冷却ファン、51…オイルクーラ(潤滑油冷却装置)、53…オイルポンプ、71…油面計、72…オイルタンク、73…吸込ダクト、73a…空気流入口、73b…空気流出口、74…吸込フィルタ、75…始動盤、76…ドライヤ。

Claims (12)

  1. ロータを有しガスを圧縮する圧縮機本体と、この圧縮機本体のロータに接続される増速ギヤと、該増速ギヤを収納するギヤケーシングと、前記圧縮機本体のロータを前記増速ギヤを介して駆動するモータとを備えるオイルフリースクリュー圧縮機において、
    前記ギヤケーシング内の増速ギヤを潤滑する潤滑油を貯めるオイルタンクを前記ギヤケーシングとは別体として設け、
    前記モータに対して前記ギヤケーシングをフランジを介して固定すると共に、前記圧縮機本体も前記ギヤケーシングにフランジを介して固定され、更に前記モータには前記ベースに固定するための脚部を備え、この脚部をベースに固定することで、前記モータ、ギヤケーシング及び圧縮機本体がベースに対して取付けられる構成とした
    ことを特徴とするオイルフリースクリュー圧縮機。
  2. 請求項1において、前記増速ギヤは前記モータのモータ軸に固定されたブルギヤと、前記圧縮機本体のロータ軸に固定され且つ前記ブルギヤと噛み合うピニオンギヤとを有することを特徴とするオイルフリースクリュー圧縮機。
  3. ロータを有しガスを圧縮する圧縮機本体と、この圧縮機本体のロータに接続される増速ギヤと、該増速ギヤを収納するギヤケーシングと、前記圧縮機本体のロータを前記増速ギヤを介して駆動するモータとを備えるオイルフリースクリュー圧縮機において、
    前記ギヤケーシング内の増速ギヤを潤滑する潤滑油を貯めるオイルタンクを前記ギヤケーシングとは別体として設け、
    前記モータをベースに固定すると共に、前記ギヤケーシングは前記モータに一体に固定され、更に前記圧縮機本体は前記ギヤケーシングに一体に固定されており、
    前記ギヤケーシングにも脚部を設け、前記モータと前記ギヤケーシングとが分離状態にあるときにはギヤケーシングに設けた前記脚部を介してギヤケーシングがベースに支持される構成としたことを特徴とするオイルフリースクリュー圧縮機。
  4. 請求項1又は2において、前記ギヤケーシングにも脚部を設け、前記モータと前記ギヤケーシングとが分離状態にあるときにはギヤケーシングに設けた前記脚部を介してギヤケーシングがベースに支持される構成としたことを特徴とするオイルフリースクリュー圧縮機。
  5. 請求項1〜4の何れかにおいて、前記圧縮機本体は、ガスを吸込圧力から中間圧力まで昇圧する低圧段圧縮機本体と、中間圧力から吐出圧力まで昇圧する高圧段圧縮機本体との二個の圧縮機本体で構成されていることを特徴とするオイルフリースクリュー圧縮機。
  6. ロータを有しガスを圧縮する圧縮機本体と、この圧縮機本体のロータに接続される増速ギヤと、該増速ギヤを収納するギヤケーシングと、前記圧縮機本体のロータを前記増速ギヤを介して駆動するモータとを備えるオイルフリースクリュー圧縮機において、
    前記ギヤケーシング内の増速ギヤを潤滑する潤滑油を貯めるオイルタンクを前記ギヤケーシングとは別体として設け、
    前記モータをベースに固定すると共に、前記ギヤケーシングは前記モータに一体に固定され、更に前記圧縮機本体は前記ギヤケーシングに一体に固定されており、
    前記オイルタンクは前記モータを固定するベースと共通のベースに設置され、このオイルタンクに油面計を取付けたことを特徴とするオイルフリースクリュー圧縮機。
  7. 請求項1〜5の何れかにおいて、前記オイルタンクは前記モータを固定するベースと共通のベースに設置され、このオイルタンクに油面計を取付けたことを特徴とするオイルフリースクリュー圧縮機。
  8. 低圧段圧縮機本体と、高圧段圧縮機本体と、増速ギヤを有するギヤケーシングと、前記各圧縮機本体を前記増速ギヤを介して駆動するための駆動装置と、低圧段圧縮機本体から吐出される圧縮ガスを冷却する低圧段冷却装置と、高圧段圧縮機本体から吐出される圧縮ガスを冷却する高圧段冷却装置と、前記増速ギヤを潤滑する潤滑油を冷却する潤滑油冷却装置を備え、前記機器全体をパッケージ化したパッケージ型のオイルフリースクリュー圧縮機において、
    前記低圧段圧縮機本体、高圧段圧縮機本体及び駆動装置を一体化すると共にその駆動装置を他の機器を設置するベースと共通のベースに設置し、
    前記低圧段冷却装置、高圧段冷却装置或いは潤滑油冷却装置の少なくとも1つを前記パッケージの上部に配置し、
    前記パッケージの一側面には外気を吸込む吸込ダクトを配置して、この吸込ダクトによりパッケージの上部に配置された前記冷却装置の少なくとも一端を支持する構成とし、
    前記ギヤケーシング内の増速ギヤを潤滑するための潤滑油を貯めるオイルタンクを前記ギヤケーシングとは別体として設け、前記オイルタンクは前記駆動装置を固定する共通ベースに設置されていることを特徴とするオイルフリースクリュー圧縮機。
  9. 低圧段圧縮機本体と、高圧段圧縮機本体と、増速ギヤを有するギヤケーシングと、前記各圧縮機本体を前記増速ギヤを介して駆動するための駆動装置と、低圧段圧縮機本体から吐出される圧縮ガスを冷却する低圧段冷却装置と、高圧段圧縮機本体から吐出される圧縮ガスを冷却する高圧段冷却装置と、前記増速ギヤを潤滑する潤滑油を冷却する潤滑油冷却装置を備え、前記機器全体をパッケージ化したパッケージ型のオイルフリースクリュー圧縮機において、
    前記低圧段圧縮機本体、高圧段圧縮機本体及び駆動装置を一体化すると共にその駆動装置を他の機器を設置するベースと共通のベースに設置し、
    前記低圧段冷却装置、高圧段冷却装置或いは潤滑油冷却装置の少なくとも1つを前記パッケージの上部に配置し、
    前記パッケージの一側面には外気を吸込む吸込ダクトを配置して、この吸込ダクトによりパッケージの上部に配置された前記冷却装置の少なくとも一端を支持する構成とし、
    前記低圧段冷却装置、高圧段冷却装置及び潤滑油冷却装置を前記パッケージの上部に配置すると共に、前記低圧段冷却装置は前記低圧段圧縮機本体に隣接する上部に、前記高圧段冷却装置は前記高圧段圧縮機本体に隣接する上部にそれぞれ配置し、前記冷却装置の少なくとも何れかにおいて、当該冷却装置の低温側を冷却する冷却風が高温側を冷却する冷却風より低い温度となるように構成したことを特徴とするオイルフリースクリュー圧縮機。
  10. 請求項9において、前記低圧段冷却装置、高圧段冷却装置或いは潤滑油冷却装置の少なくとも1つを前記共通ベースに対して傾けて配置したことを特徴とするオイルフリースクリュー圧縮機。
  11. 低圧段圧縮機本体と、高圧段圧縮機本体と、増速ギヤを有するギヤケーシングと、前記各圧縮機本体を前記増速ギヤを介して駆動するための駆動装置と、低圧段圧縮機本体から吐出される圧縮ガスを冷却する低圧段冷却装置と、高圧段圧縮機本体から吐出される圧縮ガスを冷却する高圧段冷却装置と、前記増速ギヤを潤滑する潤滑油を冷却する潤滑油冷却装置を備え、前記機器全体をパッケージ化したパッケージ型のオイルフリースクリュー圧縮機において、
    前記低圧段圧縮機本体、高圧段圧縮機本体及び駆動装置を一体化すると共にその駆動装置を他の機器を設置するベースと共通のベースに設置し、
    前記低圧段冷却装置、高圧段冷却装置或いは潤滑油冷却装置の少なくとも1つを前記パッケージの上部に配置し、
    前記パッケージの一側面には外気を吸込む吸込ダクトを配置して、この吸込ダクトによりパッケージの上部に配置された前記冷却装置の少なくとも一端を支持する構成とし、
    前記吸込ダクトは、その外側面の下部に形成され外気とダクト内とを連通する空気流入口と、ダクト内側面の上部に形成され、前記空気流入口からダクト内に取り入れた空気をパッケージ内に導く空気流出口とを備え、前記空気流入口と空気流出口とは水平方向に重ならないように配置されていることを特徴とするオイルフリースクリュー圧縮機。
  12. 低圧段圧縮機本体と、高圧段圧縮機本体と、増速ギヤを有するギヤケーシングと、前記各圧縮機本体を前記増速ギヤを介して駆動するための駆動装置と、低圧段圧縮機本体から吐出される圧縮ガスを冷却する低圧段冷却装置と、高圧段圧縮機本体から吐出される圧縮ガスを冷却する高圧段冷却装置と、前記増速ギヤを潤滑する潤滑油を冷却する潤滑油冷却装置を備え、前記機器全体をパッケージ化したパッケージ型のオイルフリースクリュー圧縮機において、
    前記低圧段圧縮機本体、高圧段圧縮機本体及び駆動装置を一体化すると共にその駆動装置を他の機器を設置するベースと共通のベースに設置し、
    前記低圧段冷却装置、高圧段冷却装置或いは潤滑油冷却装置の少なくとも1つを前記パッケージの上部に配置し、
    前記パッケージの一側面には外気を吸込む吸込ダクトを配置して、この吸込ダクトによりパッケージの上部に配置された前記冷却装置の少なくとも一端を支持する構成とし、
    前記パッケージ内の前記ベース上に、前記駆動装置を始動させるための始動盤と、圧縮ガス中の水分を除去するためのドライヤとを設置し、前記駆動装置は前記始動盤とドライヤとの間に挟み込まれるように配置され、前記パッケージの一側面からパッケージ内に導入された外気が、前記始動盤とドライヤとの間を通過する際に前記駆動装置を冷却するように構成されていることを特徴とするオイルフリースクリュー圧縮機。
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