JP4741972B2 - ラッチ錠 - Google Patents

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Description

この発明は、トイレ等のドアを施解錠するラッチ錠に関する。
スーパーや病院等のトイレのドアを施解錠する錠として、一般に、ドアの室内側に設けられたラッチをスライドさせてドアの戸先から突出させ、その突出部分をドア枠に取り付けられた受け具に係合させて施錠するラッチ錠が用いられる。
このようなラッチ錠として、施解錠の状態を室外側に表示する表示機能付きのラッチ錠が知られており、たとえば、ドアの室内側に取り付けられるラッチ座と、そのラッチ座にスライド可能に支持されたラッチと、ラッチに形成されたラックと噛み合うピニオンを有し、そのピニオンの回転を室外側に設けられた表示体に伝達し、その表示体に形成された使用中表示部と不使用表示部を表示カバーに形成された表示窓に切り替えて表示するものが知られている(特許文献1)。
特開2002−349107号公報
しかし、このラッチ錠は、ラッチに形成されたフランジにラックが形成されるとともに、そのフランジがラッチ座に形成されたガイド溝で案内されるので、ラッチをラッチ座に組み付けるときに、ラックが形成されたフランジがガイド溝で案内された状態で、ラックとピニオンを噛み合わせる必要がある。そのため、ラックとピニオンが噛み合う前にフランジとの接触によりピニオンが回転しやすく、ラッチ座に対するラッチの位置と表示窓に対する表示体の位置を対応させるのが難しかった。
この発明が解決しようとする課題は、ラッチをラッチ座に組み付けるときに、ラッチ座に対するラッチの位置と表示窓に対する表示体の位置を対応させることが容易なラッチ錠を提供することである。
上記の課題を解決するために、ドアの室内側の面に取り付けられるラッチ座と、そのラッチ座にスライド可能に支持されて前記ドアの戸先から突出可能なラッチと、そのラッチに設けられたラックに噛み合うピニオンと、表示窓を有する表示カバーで覆われた表示体と、その表示体に前記ピニオンの回転を伝達する伝達機構とを有し、前記表示体に形成された使用中表示部と不使用表示部を前記表示窓に切り替えて表示するラッチ錠において、前記ラッチを、前記ラックが形成されたラッチ本体と、そのラッチ本体に取り付けられるラッチカバーとで構成し、そのラッチカバーを前記ラッチ座に形成されたガイド溝で案内するようにした。
このラッチ錠は、次の構成を加えるとより好ましいものとなる。
1)前記ラッチカバーを取り外した状態で前記ラックと前記ピニオンを室内側から視認可能とする。
2)前記ラッチ座が、前記ドアの室外側の面に取り付けられる表示座とビスで連結され、そのビスを挿入するビス挿入孔を前記ラッチ座に形成し、前記ビスをねじ込むねじ孔を前記表示座に形成するとより好ましいものとなる。
この発明のラッチ錠は、ガイド溝で案内されるラッチカバーとは別体のラッチ本体にラックを形成したので、ラッチカバーを取り外しておくことによって、ガイド溝で案内されない状態でラックとピニオンを噛み合わせることができ、ピニオンを回転させずにラックと噛み合わせることができる。そのため、ラッチをラッチ座に組み付けるときに、ラッチ座に対するラッチの位置と表示窓に対する表示体の位置を対応させることが容易である。
さらに、前記ラッチカバーを取り外した状態で前記ラックと前記ピニオンを室内側から視認可能としたものは、ラックとピニオンを視認しながら噛み合わせることができるので、ラッチ座に対するラッチの位置と表示窓に対する表示体の位置を対応させるのがより容易である。
また、前記ラッチ座と前記表示座を連結するビスを挿入するビス挿入孔を前記ラッチ座に形成し、前記ビスをねじ込むねじ孔を前記表示座に形成したものは、ラッチ座側からビスを挿入するので、表示座がなくてもラッチ座をドアに取り付けることができ、表示機能のないラッチ錠としても使用することができる。
図1、図2に、この発明の実施形態のラッチ錠を示す。このラッチ錠は、ドアDの室内側の面に取り付けられるラッチ座1と、ラッチ座1にスライド可能に支持されるラッチ2と、ドアDの室外側の面に取り付けられる表示座3とを有し、ラッチ2をスライドさせてドアDの戸先から突出させ、その突出部分をドア枠Wに取り付けられた受け具4に係合させて施錠する。
ラッチ座1と表示座3は、ドアDに形成された貫通孔5を通じてビス6で連結される。ラッチ座1には、ビス6を挿入するビス挿入孔7が形成され、表示座3には、ドアDへの取り付け面に形成された突起8の先端にビス6をねじ込むねじ孔9が形成されている。
ラッチ2は、図3に示すように、ラック10が形成されたラッチ本体11と、ラッチ本体11に取り付けられるラッチカバー12とからなる。ラック10は、ラッチ座1に回転可能に支持されたピニオン13と噛み合っており、ラッチ2のスライドによってピニオン13が回転する。
ピニオン13は、図1に示すように、ドアDに形成された貫通孔14を通じて、表示座3に回転可能に支持された回転軸15に接続され、その回転軸15を介してピニオン13の回転が表示体16に伝達するようになっている。
表示体16には、図4に示すように、施錠状態であることを示す使用中表示部17と、解錠状態であることを示す不使用表示部18が形成されている。表示体16は、表示窓19を有する表示カバー20で覆われており、その表示窓19に、表示体16の使用中表示部17と不使用表示部18が切り替えて表示される。
ラッチカバー12は、図5、図6に示すように、上下に向かい合う1対の対向壁21と、その対向壁21の一端同士を連結する連結壁22と、対向壁21の他端に形成された内向きのフランジ23とからなり、そのフランジ23を案内するガイド溝24がラッチ座1の上面と下面に形成されている。
また、ラッチ本体11の一端部には、図5に示すように、フランジ23との対向面から出没可能な係止部材25が組み込まれ、係止部材25は、図1に示すばね26で突出方向に付勢されている。係止部材25は、図4に示すように、ラッチ本体11をラッチカバー12に導入したときに、フランジ23に形成された係止爪27に係止され、ラッチカバー12をラッチ本体11に対して位置決めする。
また、ラッチ本体11の係止部材25の反対側には、図7に示すように、ばね26で付勢されて連結壁22に押さえ付けられるばねキャップ28が取り付けられており、このばねキャップ28が、ラッチ本体11の一端部とラッチカバー12の間のがたつきを吸収している。
同様に、ラッチ本体11の他端部にも、図1に示すように、ばね29で付勢されて連結壁22に押さえ付けられるばねキャップ30が取り付けられており、このばねキャップ30がラッチ本体11の他端部とラッチカバー12の間のがたつきを吸収している。
図3に示すように、ラック10には、解錠したときにピニオン13と噛み合う位置にマーク31が付されており、ピニオン13には、不使用表示部18を表示窓19に表示したときにラック10と噛み合う位置にマーク32が付されている。
このラッチ錠は、たとえば次のようにして組み立てることができる。
まず、ドアDに形成された貫通孔5を通じて表示座3とラッチ座1をビス6で連結する。このとき、ラッチ座1に支持されたピニオン13は、ドアDに形成された貫通孔14を通じて表示座3に支持された回転軸15に接続される。つぎに、ラック10に付されたマーク31をピニオン13に付されたマーク32と対応させて、ラック10とピニオン13を噛み合わせる。その後、ラッチカバー12のフランジ23をラッチ座1のガイド溝24に導入して係止部材25を係止爪27に係止させ、ラッチカバー12とラッチ本体11を一体化する。
このラッチ錠は、ガイド溝24で案内されるラッチカバー12とは別体のラッチ本体11にラック10を形成したので、ラッチカバー12を取り外しておくことによって、ガイド溝24で案内されない状態でラック10とピニオン13を噛み合わせることができ、ピニオン13を回転させずにラック10と噛み合わせることができる。そのため、ラッチ座1に対するラッチ2の位置と表示窓19に対する表示体16の位置を容易に対応させることができる。
また、ラッチ本体11の室内側から視認可能な位置にラック10を形成するとともに、そのラック10と噛み合うピニオン13を室内側から視認可能な位置に設けているので、ラック10とピニオン13を視認しながら噛み合わせることができ、ラッチ座1に対するラッチ2の位置と表示窓19に対する表示体16の位置を対応させるのがより容易である。
また、このラッチ錠は、ラッチ座1側からビス6を挿入するので、表示座3がなくてもラッチ座1をドアDに取り付けることができ、表示機能のないラッチ錠としても使用することができる。
図では、ピニオン13の回転が直接表示体16に伝達するようにしているが、ピニオン13と表示体16の間に減速機構を組み込んで、ピニオン13の回転が減速して表示体16に伝達するようにしてもよく、また、表示体16と回転軸15の間にラックピニオン機構を組み込み、ピニオン13の回転をスライド運動に変換して表示体16に伝達するようにしてもよい。要は、ピニオン13の回転が表示体16に伝達し、その表示体16に形成された使用中表示部17と不使用表示部18を表示窓19に切り替えて表示すればよい。
この発明の実施形態のラッチ錠の断面図 図1のラッチ錠を室内側から見た斜視図 図1のラッチ錠の室内側から見た分解斜視図 図1のラッチ錠を室外側から見た斜視図 図1のラッチ錠を室外側から見た分解斜視図 図1のVI−VI線に沿った断面図 図1のVII−VII線に沿った断面図
符号の説明
1 ラッチ座
2 ラッチ
3 表示座
6 ビス
7 ビス挿入孔
9 ねじ孔
10 ラック
11 ラッチ本体
12 ラッチカバー
13 ピニオン
16 表示体
17 使用中表示部
18 不使用表示部
19 表示窓
20 表示カバー
24 ガイド溝

Claims (3)

  1. ドア(D)の室内側の面に取り付けられるラッチ座(1)と、そのラッチ座(1)にスライド可能に支持されて前記ドア(D)の戸先から突出可能なラッチ(2)と、そのラッチ(2)に設けられたラック(10)に噛み合うピニオン(13)と、表示窓(19)を有する表示カバー(20)で覆われた表示体(16)と、その表示体(16)に前記ピニオン(13)の回転を伝達する伝達機構とを有し、前記表示体(16)に形成された使用中表示部(17)と不使用表示部(18)を前記表示窓(19)に切り替えて表示するラッチ錠において、前記ラッチ(2)を、前記ラック(10)が形成されたラッチ本体(11)と、そのラッチ本体(11)に取り付けられるラッチカバー(12)とで構成し、そのラッチカバー(12)を前記ラッチ座(1)に形成されたガイド溝(24)で案内することを特徴とするラッチ錠。
  2. 前記ラッチカバー(12)を取り外した状態で前記ラック(10)と前記ピニオン(13)を室内側から視認可能とした請求項1に記載のラッチ錠。
  3. 前記ラッチ座(1)が、前記ドア(D)の室外側の面に取り付けられる表示座(3)とビス(6)で連結され、そのビス(6)を挿入するビス挿入孔(7)を前記ラッチ座(1)に形成し、前記ビス(6)をねじ込むねじ孔(9)を前記表示座(3)に形成した請求項1または2に記載のラッチ錠。
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