JP6845408B2 - ウイング用2点ロック装置 - Google Patents
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Description
(1)建物の出入口に設けたウイング上端部及び下端部から、該ウイング内に配設した2本のロックバーのうちの1本を上方に向けて出没自在に突出させ、他の1本を下方に向けて出没自在に突出させて、閉じ姿勢にある前記ウイングが開かないようにロックするウイング用2点ロック装置である。
(2)前記ウイングの室内側に向けた面に取り付けられるサムターンと、前記ウイングの室外側に向けた面に取り付けられる鍵穴のあるシリンダ錠と、長尺な2本の前記ロックバーと、前記サムターンの操作及び前記鍵穴内に挿し込んだ鍵の操作による往復回動を前記2本のロックバーによる相対する上下運動に変換する動力変換機構と、を備える。
(3)前記動力変換機構は、前記ウイングの内部において前記サムターンと前記シリンダ錠との間に接続されて、前記サムターンの操作及び前記鍵の操作により回動する回動体と、該回動体の軸心と直交する方向の両側に振り分けられた位置で該回動体に係合して該回動体の往復回動に対して相対する上下運動をする前記2本のロックバーの基部と、が組み合わされてなる。
(4)前記サムターンと前記回動体とは、該サムターンから前方に突出する軸を介した常に連動する接続がされ、
前記シリンダ錠と前記回動体とは、該シリンダ錠の前記回動体に向けた先端部から前方に突出して前記鍵穴内に挿し込んだ鍵の回動操作に連動する一文字形状の突部が、前記回動体の前記シリンダ錠に対向する片側面に設けられた略ダルマ形状の凹部内に突入して、該突部の回動方向の変化に応じて該凹部の側壁に係合する接続がされている。
(5)この係合は、前記鍵を施錠方向に操作して、前記突部をスタート角の向きから−90°角の向きに回動させて、前記回動体を同じ向きに回動させる施錠作用を有する係合と、
前記鍵を解錠(開錠)方向に操作して、前記突部を前記−90°角の向きから180°回動させたときの後半の90°角の回動時に前記回動体を90°回動させる開錠(開錠)作用を有する係合と、がある。
(6)前記鍵を抜き挿し可能な向きに戻すときには、前記突部は前記スタート角に向けた戻り方向の動作はするが、前記凹部による90°角の遊び空間があるために前記回動体は連動せず、前記2本のロックバーと前記サムターンは動作しないように構成されている。
(1)請求項1に記載の各構成を備える。
(2)前記回動体は、一方の片側に前記凹部が設けられ、他方の片側が前記サムターンの前記軸に接続され、外周面に歯が設けられたピニオンである。
(3)前記各基部は、該ピニオンに夫々噛合する両側に振り分けられて配置された、該ピニオンの回転により相対する上下スライド方向に連動する一対のラックである。
(1)請求項1に記載の各構成を備える。
(2)前記回動体は、一方の片側に前記凹部が設けられ、他方の片側が前記サムターンの前記軸に接続され、軸心と直交する両側方向にアーム部が設けられた回動アームである。
(3)前記2本のロックバーの基部は、前記各アーム部に振り分けられて枢着されている。
(2)ウイングのロック(施錠)が、ウイングの上端部と下端部の2個所で行えるため、強風による負圧に強いウイングになる。また、この2個所のロックは、防犯効果が高い。
図1に示す本発明実施形態に係るウイング用2点ロック装置1(以下、本発明装置1と略称する。)は、サムターン2と、シリンダ錠5と、2本の平行なロックバー10,20と、回動体の1形態であるピニオン30と、サムターン2の操作による回動をピニオン30に伝達する角軸3と、シリンダ錠5の操作による回動をピニオン30に伝達する突部6aを有するコマ6と、一対のホルダ部材40と、ホルダ部材40の留めバネ45,45・・とを備える。
図1及び図2に示すように、サムターン2は、従来品と同じ構造のものが用いられている。サムターン2は、図示しないウイング(開き戸)の室内側に向けた面に装着される室内側カバー50に軸回動自在に支持されている。サムターン2の先端部には、短尺な角軸3の後端部が軸芯を揃えて、ビス4を用いた装着により装着されている。角軸3の後端部には、サムターン2の抜け外れを防ぐ鍔部3aが一体形成されている。
図1及び図3に示すように、シリンダ錠5は、鍵穴2aがある市販品が用いられている。シリンダ錠5の先端部には、鍵穴2a内に挿し込んだ鍵7の回動方向の操作に連動するコマ6が装着され、コマ6の先端部は一文字形状の突部6aになっている。鍵7の挿し込みと引き抜きは、図1及び図3(b)に示す縦向き姿勢で行われ、このとき突部6aは図1及び図3(c)に示すスタート角(基準角)である横向き姿勢の位置にある。鍵7は、縦向き姿勢から左右に90°の角度、すなわち180°の範囲で回動操作でき、突部6aもこの角度に連動する。
ロックバー10(20)は、細軸で長尺な金属棒からなるロッド部10a(20a)と、先端部に相当するロックボルト11(21)と、基部に相当するラック部12(22)と、が一体構成された、一対品である。ロッド部10a(20a)とロックボルト11(21)、及び、ロッド部10a(20a)とラック部12(22)は、図示していないが、ねじ嵌合、カシメ入れ、連結菅を用いた連結等により接続されている。
図1に示す2つのラック部12,12は、内側にピニオン30の歯に噛合する歯が上下方向に並んで設けられ、ピニオン30を間に挟んだ状態にすると、外側に向けた各3面の位置が上下一直線上に揃う角形の外形面を有する、左右対称形状の成形品である。
図1及び図4に示すピニオン30は、軸心方向に厚みのあるピニオン歯がある本体部31の両側に、外周が円形の突出部32,33が設けられ、一方の突出部32の端面に、図2(b)(c)に示す角軸3を略密着状態で突入させる角穴32aが設けられ、他方の突出部33の端面に、略ダルマ形の凹部33aが設けられた一体成型品である。凹部33aは、対向する位置に2つのL字形を形成する側壁33b,33e、33c、33dと、対向する位置に2つの円弧面を形成する側壁33f,33gと、を組み合わせた形状になっている。
本装置1が備える動力変換機構8は、回動体の1形態であるピニオン30と、ピニオン30の両側において噛合する平行な2本のラック部12,22と、2本のラック部12,22を相対する上下方向にスライド移動自在に保持するホルダ部材40とが組み合わされて、ピニオン30の回転によりラック部12,22が相対する上下方向にスライド移動する機構になっている。
図5(a)に示すように、ロッド部10aを上方に向けた一方のラック部12と、ロッド部20aを下方に向けた他方のラック部22との間に、ピニオン30を噛合させた状態で組み合わせる。
図1に示すホルダ部材40は、平面視において略[]形状を有する2つの片側部材41,42で構成されている。一方の片側部材41の中央面には、ピニオン30の一方の片側を支持する開口部41aと、シリンダ錠5の前部5aに被せる被装部41bが設けられている。他方の片側部材42の中央面には、ピニオン30の他方の片側を支持する開口部42aが設けられている。ホルダ部材40は、2つの片側部材41,42を突き合わせて、留めバネ45,45・・で挟み付けると、平面視において口字形状になる。
図5(a)に示すピニオン30を間に介在させて組み合わせた2つのラック部12,22を、図5(b)及び(c)に示すように、ホルダ部材40で横周囲を囲み、ピニオン40の一方の片側にある突出部33を、ホルダ部材41の一方の片側面にある開口部41a内に突入させ、他方の片側面にある突出部34を、ホルダ部材42の他方の片側面にある開口部41内に突入させた保持構造にすると、1つのユニット品になる。
この取り付けでは、図6に示すように、ウイング100の室外側に向けた面にシリンダ錠5が取り付けられ、ウイング100の室内側に向けた面にサムターン2が縦向き姿勢で取り付けられ、ウイング100の内側に上記ユニット品が配設される。
この配設により、シリンダ錠5側の突部6aをピニオン30側の凹部33a内に突入させ、サムターン2側の角軸3をピニオン30側の角穴32a内に突入させ、上向き姿勢にあるロックバー10の先端部(ロックボルト11)をウイング100上端のロックボルトガイド孔101内に突入させた動力伝達構造にする。
図7(a)(b)に示すように、ラック部材12,22は、ホルダ部材40によって上下スライド自在に保持された状態でピニオン30の両側に噛合した状態にある。このため、ピニオン30の回動によって、相対する上下方向にスライドする。
図7(a)はロック解除の状態が示され、(b)はロック状態が示されている。
ウイング100を閉じた状態にして、上下一直線上に並んで位置する上部側のロックバー10の先端部(ロックボルト11)を、上枠110に設けられているロックボルト突入孔110a内に向けて突入させ、同時に、下部側のロックバー20の先端部(ロックボルト21)を、下枠120に設けられているロックボルト突入孔120a内に突入させると、ウイング100の閉じた状態がロック(施錠)される。
図7(a)(b)に示すように、ピニオン30の90°回動によりロックボルト11,21は施錠と解錠の高さに位置変化する。このため、本明細書では、「回転」という語を用いないで、「回動」という語を用いた。
図8(a)はシリンダ錠5内に鍵7を挿し込んだだけの状態で、施錠の操作前の状態を示している。この状態では、突部6aは図8(b)に示すスタート角に相当する横向き姿勢であり、サムターン2は解錠姿勢である図6(c)に示す縦向き姿勢である。
図9(a)(b)に、ピニオンに代わる回動体として回動アーム300を用いたウイング用2点ロック装置1Xが、ロック解除の状態とロック状態で示されている。
この2点ロック装置1X に用いられている回動アーム300は、中央の片側面に角軸3を突入させる角穴302がある突出部301が設けられ、図示していないが前述と同様の突部(6a)を突入させる凹部(30a)が設けられ、軸心と直交する180°両側方向にアーム部303,304が設けられた一体品である。
この2点ロック装置1Xにおいては、アーム部303,304の先端部に、ロッド状のロックバー10,20の基部10a,20aが振り分けられて枢着されている。図示していないが、この2点ロック装置1Xも、前述と同様に、鍵穴のあるシリンダ錠に挿し込んだ鍵の操作と、サムターンの操作で、ウイング100の上端部と下端部をロック(施錠)させる。
2 サムターン
3 角軸
5 シリンダ錠
5a 鍵穴
6a 突部
7 鍵
8 動力変換機構
10 ロックバー
11 ロックボルト
12 ラック部
20 ロックバー
21 ロックボルト
22 ラック部
30 ピニオン
33a 凹部
40 ホルダ部材
100 ウイング
1X 回動アームを用いたウイング用2点ロック装置
300 回動アーム
Claims (3)
- 建物の出入口に設けたウイングの上端部及び下端部から、該ウイング内に配設した2本のロックバーのうちの1本を上方に向けて出没自在に突出させ、他の1本を下方に向けて出没自在に突出させて、閉じ姿勢にある前記ウイングが開かないようにロックするウイング用2点ロック装置であって、
前記ウイングの室内側に向けた面に取り付けられるサムターンと、前記ウイングの室外側に向けた面に取り付けられる鍵穴のあるシリンダ錠と、長尺な2本の前記ロックバーと、前記サムターンの操作及び前記鍵穴内に挿し込んだ鍵の操作による往復回動を前記2本のロックバーによる相対する上下運動に変換する動力変換機構と、を備え、
前記動力変換機構は、前記ウイングの内部において前記サムターンと前記シリンダ錠との間に接続されて、前記サムターンの操作及び前記鍵の操作により回動する回動体と、該回動体の軸心と直交する方向の両側に振り分けられた位置で該回動体に係合して該回動体の往復回動に対して相対する上下運動をする前記2本のロックバーの基部と、が組み合わされてなり、
前記サムターンと前記回動体とは、該サムターンから前方に突出する軸を介した常に連動する接続がされ、
前記シリンダ錠と前記回動体とは、該シリンダ錠の前記回動体に向けた先端部から前方に突出して前記鍵穴内に挿し込んだ鍵の回動操作に連動する一文字形状の突部が、前記回動体の前記シリンダ錠に対向する片側面に設けられた略ダルマ形状の凹部内に突入して、該突部の回動方向の変化に応じて該凹部の側壁に係合する接続がされており、
この係合は、前記鍵を施錠方向に操作して、前記突部をスタート角の向きから−90°角の向きに回動させて、前記回動体を同じ向きに回動させる施錠作用を有する係合と、
前記鍵を解錠(開錠)方向に操作して、前記突部を前記−90°角の向きから180°回動させたときの後半の90°角の回動時に前記回動体を90°回動させる開錠(開錠)作用を有する係合と、があり、
前記鍵を抜き挿し可能な向きに戻すときには、前記突部は前記スタート角に向けた戻り方向の動作はするが、前記凹部による90°角の遊び空間があるために前記回動体は連動せず、前記2本のロックバーと前記サムターンは動作しないように構成されている、ウイング用2点ロック装置。 - 前記回動体は、一方の片側に前記凹部が設けられ、他方の片側が前記サムターンの前記軸に接続され、外周面に歯が設けられたピニオンであり、前記各基部は、該ピニオンに夫々噛合する両側に振り分けられて配置された、該ピニオンの回転により相対する上下スライド方向に連動する一対のラックである、請求項1に記載のウイング用2点ロック装置。
- 前記回動体は、一方の片側に前記凹部が設けられ、他方の片側が前記サムターンの前記軸に接続され、軸心と直交する両側方向にアーム部が設けられた回動アームであり、前記2本のロックバーの基部は、前記各アーム部に振り分けられて枢着されている、請求項1に記載のウイング用2点ロック装置。
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