JP2009209530A - ラッチ錠におけるラッチの係止解除機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】扉の外観性に優れていること。ラッチの係止解除機構を簡単な操作により作動させることができること。
【解決手段】扉の空洞部に収納されかつラッチ用の係止解除機構を構成する作動レバー部材を備えた錠箱と、扉の壁面に固定手段を介して固定される座板と、該座板に設けられかつ錠箱に形成した貫通窓を介して該錠箱内へと延伸すると共に、作動レバー部材を押圧することができる操作部材の挿入駆動片とを含むラッチ錠におけるラッチの係止解除機構に於いて、操作部材は座板よりも小型であり、しかも、座板に形成した案内開口にスライド自在に設けられた摘み板であり、また挿入駆動片は、その取付け基板が摘み板の裏側に一体的に設けられ、該取付け基板に交差する駆動腕が作動レバー部材を押圧できるように延伸している。
【選択図】図6
【解決手段】扉の空洞部に収納されかつラッチ用の係止解除機構を構成する作動レバー部材を備えた錠箱と、扉の壁面に固定手段を介して固定される座板と、該座板に設けられかつ錠箱に形成した貫通窓を介して該錠箱内へと延伸すると共に、作動レバー部材を押圧することができる操作部材の挿入駆動片とを含むラッチ錠におけるラッチの係止解除機構に於いて、操作部材は座板よりも小型であり、しかも、座板に形成した案内開口にスライド自在に設けられた摘み板であり、また挿入駆動片は、その取付け基板が摘み板の裏側に一体的に設けられ、該取付け基板に交差する駆動腕が作動レバー部材を押圧できるように延伸している。
【選択図】図6
Description
本発明は、ラッチ錠におけるラッチの係止解除機構に関する。
特許文献1及び特許文献2には、扉の内外の壁面にそれぞれ突出して設けられた板状や棒状形状のプッシュ・プルハンドル(操作部材)を押す、又は手前に引くと、該ハンドルの操作力によって、錠箱に内装されたラッチ用の係止解除機構がラッチの係止を解く方向へと作動する旨が記載されている。例えば特許文献2は、出願人が提案したものであるが、該特許文献2には、「手動式操作バーの操作に基づいて作動すると共に、係合部材30に係合する従動係合片33を含むラッチ装置を備えた錠箱3に配設された電気式駆動源15と、この電気式駆動源の作動杆17に支軸26を介して連結され、かつ錠箱に横設軸架された横軸27に軸支されたアーム状制御部材20と、前記横軸27に軸支され、かつアーム状制御部材20の先端部23と係合する被係合部35を有すると共に、仮施錠時にラッチ10を係止する係止部34を有する前記係合部材30と、この係合部材30をラッチ10と係合する方向へ常時付勢する付勢バネ39とを備えているラッチの自動係止解除機構」が記載されている(符号は特許文献2のもの)。
また特許文献3の図28等には、収納空間を有するハウジング211と、このハウジング211の内壁底面側に少なくとも後端部側が収納されかつ突出先端部に係合爪を有するスライド爪216と、このスライド爪216を延伸位置から収縮位置に移動するために該ハウジングに対して摺動できるように差し込まれたアクチュエータ手段213とを備えた係止スライドラッチ200が記載されている。
すなわち、特許文献2に記載の係止スライドラッチは、例えば自動車のドアの凹所に設けられ、前記ハウジング211と、該ハウジングに対して延伸位置と収縮位置との間を移動するようにハウジングに取付けられた爪216と、該爪を延伸位置にせしめるような爪とハウジングとの間の付勢手段と、ハウジングに対して摺動でき且つ爪に嵌合されて、該爪を収縮位置に移動させると、アクチュエータ手段213に固定された係止部分とを具備する係止スライドラッチが記載されている(符号は特許文献3のもの)。しかし、特許文献2の係止スライドラッチは、建具としての扉の空洞部に収納されたラッチ錠に関するものではなく、構造も複雑である。つまり、特許文献2に記載の実施例は、発明の技術的分野が異なる。
特開10−311173号公報
特開2003−74245号公報
特表2000−510211号公報
特許文献1及び特許文献2に記載のラッチ錠は、ハンドルが、例えばプッシュ・プルハンドル方式であるため、ラッチの自動係止解除機構を作動させるためには、どうしても、座に対して装着する操作部材を片手で握ることができるような大きさにする必要がある。
ところで、扉にラッチ錠を取付けた場合に於いて、ラッチの施錠状態を手動で解除状態にする場合、必ずしもプッシュ・プルハンドルである必要はなく、手動式解錠手段としての操作部材は他の方式であっても良い。
ところで、扉にラッチ錠を取付けた場合に於いて、ラッチの施錠状態を手動で解除状態にする場合、必ずしもプッシュ・プルハンドルである必要はなく、手動式解錠手段としての操作部材は他の方式であっても良い。
特に、ラッチ錠を取付けた扉が、スマートキー(登録商標)と称される電子キーを用いた非接触型の自動扉である場合には、ラッチの係止解除機構を手動で作動させる操作部材は、扉の外観性の向上、突起物の排除等の理由から、極力「小型化」するのが望まれる。
そこで、本願発明の所期の目的は、前記操作部材を扉の壁面から著しく突出させず、望ましくは、扉の壁面に固定される座よりも小型であって、しかも座の表面から著しく突出しないものを採用することができることである。そして、本願発明の第2の目的は、操作性が良いと共に、座に対する取付けも容易であることである。
そこで、本願発明の所期の目的は、前記操作部材を扉の壁面から著しく突出させず、望ましくは、扉の壁面に固定される座よりも小型であって、しかも座の表面から著しく突出しないものを採用することができることである。そして、本願発明の第2の目的は、操作性が良いと共に、座に対する取付けも容易であることである。
本発明のラッチ錠におけるラッチの係止解除機構は、建具としての扉の空洞部に収納され、かつラッチ用の係止解除機構を構成する作動レバー部材を備えた錠箱と、前記扉の壁面に固定手段を介して固定される座板と、該座板に設けられかつ前記錠箱に形成した貫通窓を介して該錠箱内へと延伸すると共に、前記作動レバー部材を押圧することができる操作部材の挿入駆動片とを含むラッチ錠におけるラッチの係止解除機構に於いて、前記操作部材は前記座板よりも小型であり、しかも、座板に形成した案内開口にスライド自在に設けられた摘み板であり、また、前記挿入駆動片は、その取付け基板が前記摘み板の裏側に一体的に設けられ或は一体成形され、該取付け基板に交差する駆動腕が、前記作動レバー部材を押圧できるように延伸していることを特徴とする。
(a)ラッチの係止解除機構を小型の操作部材で作動させることができる。
(b)扉の外観性の向上に寄与することができると共に、例えば車椅子に乗って部屋を出入りする場合には、少なくともラッチ用の係止解除機構の作動レバー部材を作動させるスライド摘み板方式の操作部材は、邪魔にならない。
(c)操作部材がスライド摘み板方式なので操作性が簡単である。部品点数も少ないので、座に簡単に取付けることができる。
(d)座板7の裏側に、摘み板抜け防止用の取付け支持板61が固着具を介して取り外し可能に固定した実施例の場合には、座板7の裏側と取付け支持板61に亘って操作部材8用のクリック手段を設けることができる(請求項3の効果)。
(b)扉の外観性の向上に寄与することができると共に、例えば車椅子に乗って部屋を出入りする場合には、少なくともラッチ用の係止解除機構の作動レバー部材を作動させるスライド摘み板方式の操作部材は、邪魔にならない。
(c)操作部材がスライド摘み板方式なので操作性が簡単である。部品点数も少ないので、座に簡単に取付けることができる。
(d)座板7の裏側に、摘み板抜け防止用の取付け支持板61が固着具を介して取り外し可能に固定した実施例の場合には、座板7の裏側と取付け支持板61に亘って操作部材8用のクリック手段を設けることができる(請求項3の効果)。
以下、図1乃至図11に示す本発明を実施するための最良の形態により説明する。
(1)発明の実施の環境
図1は発明の実施の環境を示す概略説明図で、扉の外壁面側から見た説明図である。この図1に於いて、1は矩形枠状の扉枠で、この扉枠1の戸先と対向する縦枠の中央部には、周知のように受け具2が固定されている。3は扉枠1に蝶番4を介して開閉可能に取付けられた扉(例えば玄関、室内等の開き戸)で、この扉3の自由端部の中央部には、ラッチ錠5が取付けられている。ラッチ錠5は、例えば手動式又は/及び電気式の錠前である。
図1は発明の実施の環境を示す概略説明図で、扉の外壁面側から見た説明図である。この図1に於いて、1は矩形枠状の扉枠で、この扉枠1の戸先と対向する縦枠の中央部には、周知のように受け具2が固定されている。3は扉枠1に蝶番4を介して開閉可能に取付けられた扉(例えば玄関、室内等の開き戸)で、この扉3の自由端部の中央部には、ラッチ錠5が取付けられている。ラッチ錠5は、例えば手動式又は/及び電気式の錠前である。
電気式の錠前は、当業者の間では「電気錠」と称されている。手動式のラッチ錠5であれ、又は電気式のラッチ錠5であれ、本実施例のラッチ錠5は、「建具としての扉3の空洞部に収納され、かつフロント板から突出するラッチ10及び該ラッチ用の係止解除機構Xを構成する作動レバー部材40を備えた錠箱6と、前記扉3の壁面3aに固定手段を介して固定される座板7と、前記錠箱6の幅広側壁に形成した貫通窓6aを介して該錠箱内へと延伸すると共に、前記作動レバー部材を押圧することができる操作部材8の挿入駆動片9とを含む。」。
(2)ラッチの係止解除機構X
図2は、電気式のラッチ錠5の一例を示す概略説明図で、この電気式ラッチ錠5は、電気式駆動源の駆動力又は操作部材8の操作力のいずれであっても、ラッチの係止解除機構Xが作動する。本実施例では、少なくとも操作部材8の操作力に基づいてラッチの係止解除機構Xが作動することが条件である。
図2は、電気式のラッチ錠5の一例を示す概略説明図で、この電気式ラッチ錠5は、電気式駆動源の駆動力又は操作部材8の操作力のいずれであっても、ラッチの係止解除機構Xが作動する。本実施例では、少なくとも操作部材8の操作力に基づいてラッチの係止解除機構Xが作動することが条件である。
まず、図2を参照にして、ラッチの係止解除機構Xを説明する。3は扉、5ラッチ錠、6はラッチ錠の横長状の錠箱、10はラッチである。前記錠箱6の幅広側壁の中央部の上部寄りの部位と下部寄りの部位には、上下一対の貫通窓6aがそれぞれ横長矩形状に形成されている。これらの貫通窓6aには、後述する操作部材8の挿入駆動片9が貫通状態に入り込む。
また前記ラッチ10は、不番のフロント板を基準に進退動し、扉枠1の受け具2と係合する。ここでのラッチ10は、錠箱6の内部へそのままストレートに後退するもの(普通一般に、「ラッチ」と称されている。)、多少所要角度まで水平回転(反転)しながら後退するもの(「反転ラッチ」と称されている。)如何を問わず、扉枠側に突出してストライク2に係合するものは、全て含まれる。ラッチ10の形態については特に図示しないが、本実施例では反転ラッチ(その一例は、特公平2−55591に開示されている。)が採用されている。
ここで、ラッチ10の構成について簡単に説明する。10aは受け具2の開口縁と摺接する垂直状態の衝止面である。10bは、ラッチ10の上下面からそれぞれ突出する小突起部で、これらの小突起部10bはラッチの回転軸としての機能を有する。10cはラッチの被係合面を有する後端部で、この後端部10cには不番のラッチバネの先端部を支持する収納部が形成されている。
なお、本実施例では、説明の便宜上、前記小突起部10bを基準として前側をラッチの先端部、後側をラッチの後端部として説明するが、ラッチの先端部とラッチの後端部とをそれぞれ別体にし、ラッチの後端部をラッチに連動するスライダー部材にしても良い。
次に11は、錠箱6内の先端部に固定的に配設された断面コ字型のラッチ用支持枠で、この支持枠11の下壁には、ラッチの進退動方向に切欠部12が形成されている。
次に15は、錠箱6内の後端部に固定的に配設された電気式駆動源としてのソレノイドである。このソレノイド15は、例えば錠箱6の上壁に縦方向に外付けしても良い。もちろん、錠箱6の後壁に横方向に外付けすることも可能である。
次に15は、錠箱6内の後端部に固定的に配設された電気式駆動源としてのソレノイドである。このソレノイド15は、例えば錠箱6の上壁に縦方向に外付けしても良い。もちろん、錠箱6の後壁に横方向に外付けすることも可能である。
本実施例では、ソレノイド15は錠箱6内の縦断面垂直の取付け板16に縦方向に固定され、その作動杆17の先端部は下方に指向している。18は作動杆17に巻装され、かつ作動杆17を常時伸長方向に付勢するバネである。したがって、作動杆17はこのバネ18のバネ力に抗して収縮する。
ところで、ラッチ錠5が、電気錠である場合には、電気式駆動源15は当然として、適宜に選択された後述の作動レバー部材40、該作動レバー部材の作動プレート42によって押圧される従動係合部材36、アーム状の制御部材20、ラッチと係脱する係合部材30等が発明の特定要件(必須要件)と成る。
しかしながら、ラッチ錠5が少なくとも操作部材8の操作力に基づいてラッチ10用の係止解除機構Xが作動することが条件である場合には、前記電気式駆動源15は発明の特定要件ではない。そこで、ラッチ用の係止解除機構Xを構成する各部材を説明する。
(3)ラッチ用の係止解除機構X−電動式の場合
電気式駆動源15が発明の特定要件(必須要件)と成る場合には、設計如何によっては、電気式駆動源15の駆動力により固定軸を支点に所要量回転する左右一組の作動レバー部材40と、この作動レバー部材のレバープレート42に押圧され、かつ固定軸35を支点に所要量回転する従動係合片36と、該従動係合片36に押圧され、かつ固定軸27を支点に所要量回転するラッチ用の係合部材30がラッチの係止解除機構Xを構成する。
電気式駆動源15が発明の特定要件(必須要件)と成る場合には、設計如何によっては、電気式駆動源15の駆動力により固定軸を支点に所要量回転する左右一組の作動レバー部材40と、この作動レバー部材のレバープレート42に押圧され、かつ固定軸35を支点に所要量回転する従動係合片36と、該従動係合片36に押圧され、かつ固定軸27を支点に所要量回転するラッチ用の係合部材30がラッチの係止解除機構Xを構成する。
しかし、本実施例のラッチ用の係止解除機構Xは、電気式駆動源15の駆動力により固定軸(横軸)27を支点に所要量回転するアーム状の制御部材20と、このアーム状の制御部材20の押圧力によって、かつ前記固定軸27を支点に所要量回転する前記ラッチ用係合部材30との組み合わせで構成されている。そこで、まず、これらの部材(制御部材20,係合部材30)の構成を説明する。なお、細部的事項の符号は割愛する。
図2を基準にして、まず、アーム状の制御部材20を説明する。21は後端部、22は後端部から垂直状に延び、かつ軸孔を有する枢支部である。一方、23は指先状の先端部である。しかして、先端部寄りの幅広部位には不番の軸孔が形成されている。また、指先状先端部23と後端部21には下向きコ字状の中間部25が連設し、該中間部25の下方には、前述した錠箱の貫通窓6aと、該貫通窓6aに嵌挿された操作部材8の挿入駆動片9の駆動腕9b(ハッチング箇所)が見える。なお、中間部25は、錠箱6に形成した貫通窓6aから入り込む操作部材8側の駆動腕9bの位置を考慮し、下向きコ字状に形成してある。また、後端部21と中間部25との連設部は任意に折曲形成されている。
しかして、アーム状制御部材20の後端部21は、例えば駆動源側の枢支軸26を介して作動杆17に連結されている。またその先端部23は、錠箱6に横設軸架した横軸27に軸支されている。したがって、アーム状制御部材20は作動杆17に引っ張られると、横軸27を支点に回転するので、制御部材20は、別体のラッチ用の係合部材30との関係では、制御機能或いはリリース機能を発揮する。
次に、図2を基準にして、ラッチ10と係脱する係合部材30を説明する。31はアングル状の受け壁で、この受け壁31は親指状に垂直方向へ延在する第1被押圧部及び水平方向へ延在する第2被押圧部を有している。そして、その中央部には、前述した横軸27が貫通する不番の軸孔が形成されている。
しかして、係合部材30の第1被押圧部には、上端部が固定軸35を介して軸支された従動係合片36の下端部の不番押圧部が接触状態に係合する。一方、係合部材30の第2被押圧部の内壁上面には、アーム状制御部材20の先端部23が乗っかるように係合する。
前記受け壁31の第1被押圧部の先端部には、前述したラッチ用支持枠11の切欠部12から入り込んでラッチ10の後端部と係合する突片状のストッパー部32が設けられている。
さらに、本実施例では、ラッチ10と係合部材30との係合、離脱(係止解除)関係をスムースになさんとする目的で、錠箱6の内壁を滑動する少なくとも1個の不番ローラが設けられている。なお、37は横軸27に巻装され、かつ係合部材30を常時ラッチ10に係合する方向に付勢する付勢バネである。
上記構成に於いて、図2は係合部材30がラッチ10を係止している施錠状態の説明図である。この場合作動杆17が下方方向に伸長しているので、外観上、蛇のように延びたアーム状制御部材20の後端部21と先端部23とはバランスを保って略水平状態である。この時、係合部材30のストッパー部32は、支持枠11に突出し、ラッチ10に対するストッパー機能を発揮している。それ故に、ラッチ10は後退することができない。
そこで、電気式駆動源15の駆動力により、作動杆17が上方方向に収縮すると、アーム状制御部材20は、横軸27を支点に反時計方向へと回転する。その結果、制御部材20は傾倒し、係合部材30のストッパー部32は、支持枠11の切欠部12へと引っ込む。それ故に、ラッチ10は不番のラッチバネのバネ力に抗して後退する(電動式でラッチの係止を解除)。
(4)ラッチ用の係止解除機構X−手動式の場合
ラッチ用の係止解除機構Xが手動式の場合は、図3で示すように、例えば従動係合片36の後方に配設され、かつ直線方向(例えば水平方向)へとスライド移動する操作部材8の挿入駆動片9の駆動力(押圧力)によって所要量回転する作動レバー部材40と、この作動レバー部材のプレートに押圧され、かつ固定軸35を支点に所要量回転する従動係合片36と、該従動係合片36に押圧され、かつ固定軸(横軸)27を支点に所要量回転するラッチ用係合部材30がラッチ10用の係止解除機構Xを構成する。
前記作動レバー部材40に関して、図2では仮想線で示し、一方、図3では実線で示してある。作動レバー部材40の構成自体は公知事項(例えば特開2003−74256号公報)なので簡単に説明する。
ラッチ用の係止解除機構Xが手動式の場合は、図3で示すように、例えば従動係合片36の後方に配設され、かつ直線方向(例えば水平方向)へとスライド移動する操作部材8の挿入駆動片9の駆動力(押圧力)によって所要量回転する作動レバー部材40と、この作動レバー部材のプレートに押圧され、かつ固定軸35を支点に所要量回転する従動係合片36と、該従動係合片36に押圧され、かつ固定軸(横軸)27を支点に所要量回転するラッチ用係合部材30がラッチ10用の係止解除機構Xを構成する。
前記作動レバー部材40に関して、図2では仮想線で示し、一方、図3では実線で示してある。作動レバー部材40の構成自体は公知事項(例えば特開2003−74256号公報)なので簡単に説明する。
作動レバー部材40は、錠箱6の中央部に所定間隔離間して設けられた左右一対の支軸41に互いに対向するように軸支された左右一組の横向きT字形状にそれぞれ組み合わせられた複数枚(全部で4枚)のレバープレート42、42で構成されている。これらのレバープレート42の対向側の上下端部42aは、それぞれ操作部材8の挿入駆動片9の駆動腕9bを受ける受け部分の役割を果たす。
これに対して、作動レバー部材40の左側のレバープレート42の非対向側の側壁には、従動係合片36及び係合部材30の各被押圧部にそれぞれ当接係合する不番の突起状押圧部が設けられている。
上記構成に於いて、例えば上方又は下方に位置する操作部材としての摘み板8のいずれかを指で摘んで所定方向(図2、図3では左側水平方向)にスライドさせると、左側のレバープレート42は左側の支軸41を支点にして傾倒状態に回転することから、従動係合片36及び係合部材30がラッチ10の係止状態を解く方向へと回転する(手動式でラッチの係止を解除)。
(5)特別な技術的特徴
座板に設けられた操作部材としての摘み板8は、扉3の壁面に切欠開口50を介して固定的に嵌め込まれる丸形状、四角形状等の座板7よりも小型であり、しかも、例えば外側の座板7に形成した案内開口51にスライド自在に設けられた摘み板であり、該摘み板の摘み部分8bは前記座板7の表面から著しく突出せず(望ましくは突出せず)、さらに、前記摘み板8に設けた挿入駆動片9は、その取付け基板9aが前記摘み板8の裏側に一体的に設けられ或は一体成形され、該取付け基板9aに交差する挿入駆動腕9bは、ラッチ用の係止解除機構Xを構成する作動レバー部材40を押圧できるように延伸している(本発明の特別な技術的特徴)。
座板に設けられた操作部材としての摘み板8は、扉3の壁面に切欠開口50を介して固定的に嵌め込まれる丸形状、四角形状等の座板7よりも小型であり、しかも、例えば外側の座板7に形成した案内開口51にスライド自在に設けられた摘み板であり、該摘み板の摘み部分8bは前記座板7の表面から著しく突出せず(望ましくは突出せず)、さらに、前記摘み板8に設けた挿入駆動片9は、その取付け基板9aが前記摘み板8の裏側に一体的に設けられ或は一体成形され、該取付け基板9aに交差する挿入駆動腕9bは、ラッチ用の係止解除機構Xを構成する作動レバー部材40を押圧できるように延伸している(本発明の特別な技術的特徴)。
そこで、図4乃至図11を参照にして、本発明の特別な技術的特徴を説明する。図4は、図1の主要部を拡大した正面図、図5は図4の5−5線断面概略説明図、図6は図4の6−6線断面概略説明図である。
図5及び図6から明らかなように、図面上左側に描かれている室外側の座板7と、図面上右側に描かれている室内側の座板7A及びこれらの座板7、7Aにそれぞれスライド自在に組み込まれた操作部材8は同一構成なので、各部材7、7A、8の説明に当たっては、説明の便宜上同一の用語と符号を用いる。ここでは室外側の座板7と操作部材8を主に説明し、室内側の座板7Aと操作部材8の説明は、室外側の座板7等の説明を援用する。
さて、図4乃至図9は、室外側の座板7の各説明図である。まず、図7乃至図9を参照にして座板7の構成を説明する。図4は座板7の正面図、一方、図9は座板7の背面図であるが、これらの図から明らかなように、本実施例の座板7(座板7Aも同じ)は、外観上矩形に形成されている。もちろん、座板7の形状に関しては限定事項ではなく、丸座、長座等任意の形状に形成することができる。
座板7の大きさに関しては、望ましくは、本実施例の操作部材は、ノブ形式、或はレバーハンドル形式、或はまたプッシュ・プル形式ではなく、摘み板スライド方式なので、一般に良く見受けられる室内引戸のフランジを有する引手の大きさ程度に形成すべきである。
図4及び図9で示すように、座板7の中央部に矩形状の案内開口51が形成されている。この案内開口51は、図6及び図8の縦断面で示すように、断面段差部分7aの箇所であり、該断面段差部分7aを基準して、座板7の裏面側には、前記案内開口51に連通すると共に操作部材8を嵌め込むための裏側収納開口52が形成され、一方、座板7の表側には、前記案内開口51に連通する表側収納開口53が形成されている。なお、前記表側収納開口53は左右方向に外広がりの開口となっている。
また、図8及び図9で示すように、座板7の裏側(背面)には、固定手段用の取付け孔、摘み板抜け防止用の取付け支持板(裏板)61を固定するための取付け孔等が形成されている。すなわち、符号54は座板7の裏面中央部の上下部にそれぞれ形成され、かつ固定手段57としての取付け柱のオネジ部が螺合する第1取付け孔、符号55は前記第1取付け孔54の左右にそれぞれ形成された前記取付け支持板(裏板)用の第2取付け孔である。
さらに、座板7の裏面の四隅には、前記取付け支持板(裏板)が嵌合する弧状の支持突起56が、合計4つ設けられている。なお、前記裏板61には、特に図示しないが、操作部材8をスライドした所定位置でロックするためのロック手段用の係合孔が形成されているが、操作部材8用のロック手段は、本発明の限定事項ではない。
ところで、ここで室内側の座板7Aの第1取付け孔54Aについて付言すると、座板7Aの第1取付け孔54Aは、固定手段57を構成する固着具59用の貫通孔等である点で、室外側の第1取付け孔54とは相違する。また、図6で示すように、外内の座板7,7Aを一体的に連結する固定手段57は、一端部に座板7の第1取付け孔54に螺合する螺合部を有すると共に、その他端部が座板7Aの第1取付け孔54Aに嵌入しかつ端面から内部に深いメネジを有する取付け柱58と、座板7Aの第1取付け孔54Aの外側から差し込まれ固着具(オネジ)59とから構成されている。
次に、図4乃至図6を参照にして操作部材8を説明する。前述したように、本実施例の操作部材8は、ノブ形式、或はレバーハンドル形式、或はまたプッシュ・プル形式ではなく、スライド式摘み板である。そこで、操作部材8は、図5で示すように横断面が横向きT字形状に形成され、或は図6で示すように縦断面が横向きハット型形状に形成されている。
したがって、操作部材8は、座板7よりも小型であり、しかも、座板7に形成した案内開口51にスライド自在に設けられた摘み板8であり、また、摘み板8の裏側に一体的に設けられ或は一体成形された挿入駆動片9を有している。
しかして、前記挿入駆動片9は、本実施例では、前記摘み板8の裏側に、その取付け基板9aが複数本の固着具60を介して一体的に設けられされ、該取付け基板9aの一端部から交差(直交)方向に駆動腕9bが、前述した錠箱6の貫通窓6aを通過して、ラッチ用の係止解除機構Xを構成する作動レバー部材40の左側のレバープレート42を押圧できるように延伸している。
ところで、本実施例の操作部材8は、座板7の裏側から嵌め込まれるが、図6で示すように操作部材8が座板7の案内開口51に嵌め込まれると、座板7の裏側収納開口52には摘み板のフランジ状の係合部分8aがスライド係合するように収納され、一方、座板7の表側収納開口53には、前記係合部分8aに連設する摘み板の摘み部分8bの一部又は全部(本実施例)が収納される。
付言すると、操作部材8の摘み部分8bは、フランジ形式の座板7(7A)の表面から突出しないか、或は設計如何によって摘み部分8bを座板7(7A)の表面から若干突出するとしても、従来のノブ、レバーハンドル、プッシュ・プルハンドル等の操作部材のように著しく突出させる必要が全くない。いわば、サムターンのような小型の操作部材8である。
また、本実施例では、座板7の案内開口に連通する裏側収納開口52の一部又は全部を塞ぐ摘み板抜け防止用の取付け支持板61が固着具を介して取り外し可能に固定されている。この取付け支持板61は、駆動腕9b用の案内切欠62を有し、挿入駆動片9の駆動腕9bは該案内切欠62を通る。したがって、内外の座板は扉3の内外の壁面に当接する内外の取付け支持板61及び取付け柱58を含む固定手段57を介して一体的に連結される。
(6)操作部材8の操作
図10は、ラッチ錠のラッチ用の係止解除機構Xを、「施錠状態」から「解錠状態」にするために、扉3の壁面側(例えば室外側)から、座板7の表側収納開口52内に位置している操作部材8の摘み部分8bを指で摘み、所定方向(例えば水平方向)へ所要量スライドさせる操作態様を示す。
図10は、ラッチ錠のラッチ用の係止解除機構Xを、「施錠状態」から「解錠状態」にするために、扉3の壁面側(例えば室外側)から、座板7の表側収納開口52内に位置している操作部材8の摘み部分8bを指で摘み、所定方向(例えば水平方向)へ所要量スライドさせる操作態様を示す。
図10で示すように、操作部材8を直線方向へと移動させると、図11で示すように、操作部材8の駆動腕9bが、係止解除機構Xを構成する作動レバー部材40の左側のレバープレート42を押圧し、前述したように、手動式でラッチ10の係止を解除することができる。
発明の実施の形態で示した実施例に於いて、本実施例の操作部材8の摘み部分8bは、フランジ形式の座板7(7A)の表面から全く突出しないが、発明の目的を逸脱しない範囲内で、摘み部分8bを座板7(7A)の表面から若干突出するにしても良い。
また、実施例では、座板7の裏側には摘み板抜け防止用の取付け支持板61が固着具を介して取り外し可能に固定されているが、これは、座板7の裏側と取付け支持板61に亘って操作部材8用のクリック手段を設けるためである。
したがって、座板7の操作部材8用のクリック手段を設ける必要がない場合には、取付け支持板61を設ける必要はない。要はラッチの係止解除機構Xを構成する作動レバー部材40を作動させ得るスライド方式の小型の摘み板を、座板7の開口に嵌め込むことができれば良い。
さらに、実施例では、特に図示しないが、座板7、7Aの裏側収納開口53(例えば図5で示す裏側収納開口53の内壁面と摘み板の係合部分8aの端面の空間部分)に操作部材8を所期位置へ自動的に戻すためのバネ部材が適宜に組み込まれる。
本発明は、主に建具や錠前の業界で利用される。
図1乃至図11は本発明の最良の実施例を示す各説明図。
発明の実施の環境を示す概略説明図。
電気式のラッチ錠5の一例を示す概略説明図。
手動式のラッチ錠5の一例を示す概略説明図。
図1の主要部を拡大した正面図。
図5は図4の5−5線断面概略説明図。
図4の6−6線断面概略説明図。
図5で示した座板7のみの説明図。
図6で示した座板7のみの説明図。
座板7の背面図。
操作部材8を「施錠状態」から「解錠状態」に操作した説明図。
操作部材8を「解錠状態」に操作した場合のラッチ用の係止解除機構Xの作動態様を示す説明図。
X…ラッチ用の係止解除機構、1…扉枠、2…受け具、3…建具としての扉、5…ラッチ錠、6…錠箱、6a…貫通窓、7、7A…座板、7a…断面段差部分、8…操作部材(摘み板)、8a…フランジ状の係合部分、8b…摘み部分、9…挿入駆動片、10…ラッチ、11…ラッチ用支持枠、12…切欠部、15…電気式駆動源、17…作動杆、18…バネ、20…制御部材、25…中間部、26…枢支軸、27…固定軸(横軸)、30…ラッチ用係合部材、31…アングル状の受け壁、32…ストッパー部、35…従動係合片用の固定軸、36…従動係合片、40…作動レバー部材、41…支軸、42…レバープレート、50…扉の切欠開口、51…案内開口、52…裏側収納開口、53…表側収納開口、54,54A…第1取付け孔、55…、第2取付け孔、56…支持突起、57…固定手段、60…固着具、61…取付け支持板、62…案内切欠。
Claims (3)
- 建具としての扉の空洞部に収納され、かつラッチ用の係止解除機構を構成する作動レバー部材を備えた錠箱と、前記扉の壁面に固定手段を介して固定される座板と、該座板に設けられかつ前記錠箱に形成した貫通窓を介して該錠箱内へと延伸すると共に、前記作動レバー部材を押圧することができる操作部材の挿入駆動片とを含むラッチ錠におけるラッチの係止解除機構に於いて、前記操作部材は前記座板よりも小型であり、しかも、座板に形成した案内開口にスライド自在に設けられた摘み板であり、また、前記挿入駆動片は、その取付け基板が前記摘み板の裏側に一体的に設けられ或は一体成形され、該取付け基板に交差する駆動腕が、前記作動レバー部材を押圧できるように延伸しているラッチ錠におけるラッチの係止解除機構。
- 請求項1に於いて、座板の案内開口は断面段差状に形成され、該断面段差部分7aを基準して、座板7の裏面側には、前記案内開口51に連通すると共に操作部材嵌め込み用の裏側収納開口52が形成され、一方、座板7の表側には、前記案内開口51に連通する表側収納開口53が形成され、前記裏側収納開口52には摘み板の係合部分がスライド係合するように収納され、一方、前記表側収納開口53には、前記係合部分に連設する摘み板の摘み部分の一部又は全部が収納されていることを特徴とするラッチ錠におけるラッチの係止解除機構。
- 請求項1に於いて、座板は、案内開口の一部又は全部を塞ぐ摘み板抜け防止用の取付け支持板及び固定手段を介して一体的に連結される内外の座板であり、これらの座板の両方に挿入駆動片を有する内外の摘み板がスライド自在に設けられていることを特徴とするラッチ錠におけるラッチの係止解除機構。
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JP2008050797A JP2009209530A (ja) | 2008-02-29 | 2008-02-29 | ラッチ錠におけるラッチの係止解除機構 |
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JP2018112042A (ja) * | 2017-01-13 | 2018-07-19 | 株式会社 ユーシン・ショウワ | ラッチ装置及びこれを用いたドア装置 |
CN114562158A (zh) * | 2022-02-18 | 2022-05-31 | 珠海格力电器股份有限公司 | 自动门锁、门体以及自动门锁安装方法 |
JP7450434B2 (ja) | 2019-03-29 | 2024-03-15 | 株式会社Lixil | ラッチ機構及びドア装置 |
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- 2008-02-29 JP JP2008050797A patent/JP2009209530A/ja active Pending
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