JP4740941B2 - アルミニウム合金板の製造方法 - Google Patents

アルミニウム合金板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4740941B2
JP4740941B2 JP2007503141A JP2007503141A JP4740941B2 JP 4740941 B2 JP4740941 B2 JP 4740941B2 JP 2007503141 A JP2007503141 A JP 2007503141A JP 2007503141 A JP2007503141 A JP 2007503141A JP 4740941 B2 JP4740941 B2 JP 4740941B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slab
plate
surface roughness
annealing
crystallized
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2007503141A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008508421A (ja
Inventor
ピージー ジャオ
敏也 穴見
一郎 岡本
仁 風間
晋拓 安永
登 林
ガテンビー,ケビン
ガレルノルト,マーク
バーカー,サイモン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Novelis Inc Canada
Original Assignee
Novelis Inc Canada
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Novelis Inc Canada filed Critical Novelis Inc Canada
Publication of JP2008508421A publication Critical patent/JP2008508421A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4740941B2 publication Critical patent/JP4740941B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C1/00Making non-ferrous alloys
    • C22C1/06Making non-ferrous alloys with the use of special agents for refining or deoxidising
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D11/00Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
    • B22D11/001Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths of specific alloys
    • B22D11/003Aluminium alloys
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D11/00Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
    • B22D11/06Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths into moulds with travelling walls, e.g. with rolls, plates, belts, caterpillars
    • B22D11/0605Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths into moulds with travelling walls, e.g. with rolls, plates, belts, caterpillars formed by two belts, e.g. Hazelett-process
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C21/00Alloys based on aluminium
    • C22C21/06Alloys based on aluminium with magnesium as the next major constituent
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22FCHANGING THE PHYSICAL STRUCTURE OF NON-FERROUS METALS AND NON-FERROUS ALLOYS
    • C22F1/00Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working
    • C22F1/04Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of aluminium or alloys based thereon
    • C22F1/047Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of aluminium or alloys based thereon of alloys with magnesium as the next major constituent

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Continuous Casting (AREA)
  • Metal Rolling (AREA)

Description

本発明は、アルミニウム合金板およびその製造方法に係り、特に、自動車用ボディーシート等の成形用材に好適なアルミニウム合金板およびその製造方法に関する。
従来、例えば自動車用の外板には、主として冷延鋼板が用いられている。しかし、最近になって自動車車体の軽量化の要求に伴い、Al−Mg系、Al−Mg−Si系等のアルミニウム合金板の使用が検討されている。
これらのアルミニウム合金板の製造方法としては、一般に、DC鋳造法(半連続鋳造法)によりスラブを鋳造し、その後スラブを面削加工して、バッチ式の炉に挿入し数時間〜十数時間均質化処理(ソーキング)を施した後、熱間圧延工程、冷間圧延工程、焼鈍工程を経て、所定の板厚に仕上げる方法が知られている(例えば、特許第3155678号参照。)。
また、回動する一対のエンドレスベルトを上下に対向して配置し、このエンドレスベルト同士の隙間にアルミニウム合金の溶湯を導入し、冷却しながら連続的に取り出してコイルに巻き取る双ベルト鋳造法が知られている(例えば、国際公開2002−011922号(特表2004−505774号)参照。)。
しかしながら、上記のDC鋳造法の場合、鋳造時の溶湯の冷却速度は、1〜十数℃/secと比較的遅いため、特にスラブの中心部においては、マトリックスに晶出するAl−(Fe・Mn)−Si等の晶出物が、十〜数十μmの大きさに成長することがある。このような晶出物は、圧延焼鈍工程を経て得られる最終焼鈍板のプレス成形性に悪影響を及ぼすおそれがある。
すなわち、最終焼鈍板を変形させる際に晶出物の大きさが比較的大きいと、晶出物とマトリックスとの間で剥離(いわゆるボイド)が生じやすくなり、この剥離部分を起点として微細割れが発生し、プレス成形性を悪化させるおそれがある。さらに、冷間圧延の際には晶出物の周囲に転位が集積し、この転位が焼鈍時における再結晶の核となることから、晶出物が大きくなると、単位体積当たりの晶出物の数が減少し、再結晶粒の核の密度が低くなる。このため、再結晶粒の粒径が数十μm以上に成長し、プレス成形性を悪くする。
従来法においては、プレス成形性を高めるために、高Mg合金が採用されている。しかし、Mg量が高くなると、成形後、時間を経るに従って、結晶粒界にβ相がフィルム状に析出し、耐応力腐食割れ性を劣化させる。
さらに、従来法においては、DC鋳造後のスラブ表面の面削、均質化処理、熱間圧延、冷間圧延、中間焼鈍等、工程が複雑でありコスト高となる。
これに対し、ベルト鋳造法は、溶湯を連続的に鋳造して得られたスラブを冷間圧延しているため、DC鋳造法と比べて工程が簡単化され、製造コストを削減できるという利点がある。
しかしながら、このベルト鋳造法においても、最終焼鈍板のプレス成形性や応力腐食割れ性の品質向上については、なんら検討がされていない。
本発明は、ベルト鋳造法によって、プレス成形性および耐応力腐食割れ性の優れたアルミニウム合金板を製造することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明では、Mg3.3〜3.6wt%、Mn0.1〜0.2wt%を含み、さらにFe0.05〜0.3wt%、Si0.05〜0.15wt%を含み、残部がAlおよび不可避的不純物からなる溶湯を、双ベルト式鋳造機により表面から1/4厚みの領域が45〜100℃/secの冷却速度で冷却されるように、厚さ5〜mmのスラブに鋳造してなるアルミニウム合金スラブ鋳塊を使用する。
そして、このアルミニウム合金スラブ鋳塊を、熱間圧延を施すことなく直接ロールに巻き取った後、表面粗度がRa0.2〜0.8μmの圧延ロールによりスラブ鋳塊を冷間圧延し、その後焼鈍を施して、最終焼鈍板の板表面から10〜30μm深さの領域における晶出物粒径が5μm以下、焼鈍により再結晶される再結晶粒径の平均が7〜10μmで、かつ表面粗度がRa0.2〜0.7μmとすることにより、プレス成形性および耐応力腐食割れ性に優れたアルミニウム合金板を得ることができる。
本発明によれば、ベルト鋳造法によって、プレス成形性および耐応力腐食割れ性の優れたアルミニウム合金板を製造することができる。
以下、本発明の実施の形態に基づいて説明する。本実施形態によれば、まず溶湯を双ベルト式鋳造機に導いてスラブを連続鋳造し、これをロールに巻き取るようにしている。双ベルト式鋳造機は、例えば、回動する一対のエンドレスベルトが上下に対向して配置され、このベルト同士に挟まれた平坦な部分に溶湯を導いて、ベルトの回動に合わせて移送させることにより、溶湯が冷却され、所望の板厚を有するスラブが連続鋳造されるようになっている。
双ベルト式鋳造機で鋳造されたスラブは、例えば5〜15mmの総厚を有し、鋳造時においてスラブ総厚に対し表面から1/4の厚みの領域が、20〜200℃/secの冷却速度で冷却される。このため、最終焼鈍板の板表面から10〜30μm深さの領域における、Al−(Fe・Mn)−Si系等の晶出物の大きさは、5μm以下と非常に微細になる。よって、最終焼鈍板を変形させても、晶出物とマトリックスの剥離が生じにくく、剥離部分を起点として微細割れを生じるDC鋳造圧延板と比較して、プレス成形性に優れている。
また、冷間圧延の際には、晶出物の周囲に転位が集積し、この転位が焼鈍時の再結晶の核となるが、晶出物の大きさが比較的小さいスラブの冷間圧延板の場合、単位体積当たりの晶出物の数が多く、再結晶粒の核の密度が高くなる。このため、再結晶粒の粒径は15μm以下と比較的小さくなり、プレス成形性に優れた最終焼鈍板を得ることができる。
このように比較的簡略化された製造工程に加え、本実施形態では、ロールに巻き取られたスラブを冷間圧延する際に使用する冷間圧延ロールをグラインダー等で研磨する際、ロールの表面粗度をRa0.2〜0.8μmの範囲に調整するようにしている。これにより、冷間圧延工程において、圧延ロール表面の形状が圧延板表面に転写され、最終焼鈍板の表面粗度はRa0.2μm〜0.7μmとなる。最終焼鈍板の表面粗度がRa0.2〜0.7μmの範囲内であれば、最終焼鈍板表面形状が成形時に使用する低粘性潤滑油を均一に保持するミクロプールの役目を果たし、所定のプレス成形性を確保することができる。
次に、本実施形態における合金成分の意義、限定理由および最終焼鈍板に生成する金属間化合物や再結晶粒の大きさ、最終焼鈍板の表面粗度、スラブ鋳造時の冷却速度、冷間圧延ロールの表面粗度などの限定理由について説明する。
まず、Mgは、マトリックスに固溶させることにより、最終焼鈍板の強度を増大させると共に、加工硬化性を増して延性を増大させ、プレス成形性の向上に寄与する。添加量を3.3〜3.6wt%と規定したのは、3.3wt%未満では、強度が低く、成形加工性も低いのに対し、3.6wt%を超えると、耐応力腐食割れ性(耐SCC性)を悪化させ、製造コストが高くなるからである。
Mnは、結晶粒の微細化を図ると共に、強度を増加させ、プレス成形性を向上させる。添加量を0.1 〜0.2wt%と規定したのは、0.1wt%未満では、その効果が十分でないのに対し、0.2wt%を超えると、Al−(Fe・Mn)−Si系晶出物が増加して材料の延性が低下し、自動車用のアルミニウム板としての成形加工性が低下するからである。
Feは、Mn、Siと共存させることにより、鋳造時において微細なAl−(Fe・Mn)−Si系の化合物を晶出させ、結晶粒を微細化させると共に、強度を増加させ、プレス成形性を向上させる。添加量が0.05wt%未満では、その効果が十分でないのに対し、0.3wt%を超えると、鋳造時に比較的粗大なAl−(Fe・Mn)−Si系の晶出物の数を増加させ、プレス成形性を低下させるばかりでなく、スラブ中のMnの固溶量を減少させ、最終焼鈍板の強度を低下させることになる。したがって、Feの好ましい含有範囲は、0.05〜0.3wt%であり、より好ましくは、0.05〜0.2wt%である。
Siは、Fe、Mnと共存させることにより、鋳造時において微細なAl−(Fe・Mn)−Si系の化合物を晶出させ、結晶粒の微細化を図ると共に、強度を増加させる。添加量が0.05wt%未満では、その効果が十分でないのに対し、0.15wt%を超えると、鋳造時にAl−(Fe・Mn)−Si系の晶出物の数を増加させ、プレス成形性を低下させるばかりでなく、スラブのMnの固溶量を減少させ、最終焼鈍板の強度を低下させることになる。したがって、Siの好ましい含有範囲は、0.05〜0.15wt%であり、より好ましくは、0.05〜0.10wt%である。
最終焼鈍板の板表面から10〜30μmの深さの領域に存在する晶出物は、粒径が5μm以下であることが好ましい。最終焼鈍板を変形させた場合、晶出物粒径が5μm以下であれば、晶出物とマトリックスとの間で剥離が生じにくく、剥離部分を起点とした微細割れの発生を抑制し、プレス成形性を向上させる。また、焼鈍の際に、晶出物粒径が5μm以下であれば、単位体積当たりの晶出物の数が多くなるため、再結晶粒の核の密度が高くなり、再結晶粒の大きさが15μm以下と比較的小さくなるため、プレス成形性の向上に効果がある。
最終焼鈍板の板表層の再結晶粒の大きさは、15μm以下が好ましい。これを超えると、プレス成形性が劣ると同時に、材料変形時に結晶粒界に生じる段差が大きくなり過ぎて、変形後のオレンジピールが顕著となるため、プレス成形後の表面品質を劣化させる要因となる。
最終焼鈍板における表面粗度は、Ra0.2〜0.7μmが好ましい。表面粗度がRa0.2μm未満では、成形時に使用する低粘性潤滑油を最終焼鈍板表面に保持させるミクロプールの生成が不十分であるため、成形時に潤滑油を板表面とプレス金型との境界面に均一に浸透させることが困難となり、プレス成形性は向上しない。一方、表面粗度がRa0.7μmを超えると、最終焼鈍板表面においてミクロプールが粗く不均一に分布し、潤滑油を板表面上に均一に保持させることが困難となるため、プレス成形性は向上しない。ここで、最終焼鈍板における表面粗度はRa0.3〜0.6μmがより好ましい。
合金成分中には、結晶粒の微細化剤(例えば、Ti)を0.10wt%以下添加してもよい。また、不純物としてCu、V、Zr等をそれぞれ0.05wt%以下の範囲で含有していても構わない。
次に、本実施形態におけるスラブの鋳造条件の意義および限定理由について説明する。まず、双ベルト式鋳造機によるスラブ厚みの範囲を5〜15mmに規定したのは、厚みが5mm未満では、単位時間当たりに鋳造機を通過する溶湯量が少なく鋳造が困難となり、厚みが15mmを超えると、ロールによる巻取りができなくなるからである。
DC鋳造によって得られるスラブは、スラブの厚みが大きく、金属組織においては、冷却速度が1〜十数℃/secと比較的遅いため、特にスラブ中心部に晶出するAl-(Fe・Mn)-Si等の晶出物は、十〜数十μmの大きさに達することがある。この場合、最終焼鈍板の塑性変形時に、晶出物とマトリックスとの間で剥離が生じ、プレス成形性に悪影響を及ぼすことがある。これに対し、本実施形態の双ベルト式鋳造機は、スラブの板厚を薄く調整し、この板厚に対し表面から1/4厚みの領域の冷却速度を20〜200℃/secと速くすることができるため、最終焼鈍板の板表面から10〜30μmの深さ領域における晶出物粒径は、5μm以下となる。
冷間圧延ロールにおいて、ロール表面の面粗度をRa0.2〜0.8μmと規定した理由は、最終焼鈍板の面粗度を調整するためである。冷間圧延工程によってロール表面の形状が圧延板表面に転写されるため、最終焼鈍板の表面粗度は、Ra0.2〜0.7μmとなる。最終焼鈍板の面粗度が、Ra0.2〜0.7μmの範囲内であれば、最終焼鈍板の表面形状が成形時に使用する低粘性潤滑油を均一に保持するミクロプールの役目を果たし、プレス成形性に優れた板となる。なお、より好ましい最終焼鈍板の表面粗度は0.3〜0.6μmであるため、圧延ロール表面の面粗度を更にRa0.3〜0.7μmの範囲内に規定することがより好ましい。
以上、述べたように、本実施形態によれば、プレス成形性および耐応力腐食割れ性に優れたアルミニウム合金板、特に、自動車用として好適なアルミニウム合金板を得ることができる。
以下、本発明にかかる実施例について比較例と対比して説明する。表1(実施例)の組成Aを有する溶湯を脱ガス鎮静後、双ベルト鋳造法によりスラブを鋳造した。このスラブを冷間圧延ロールで冷間圧延して厚さ1mmの板を形成し、次いでこの板を420℃で連続焼鈍(CAL)して最終焼鈍板の試験材を得た。なお、表2(実施例1〜3)は、各製造工程における試験材の製造条件の例を示している。
Figure 0004740941
Figure 0004740941
次に、この試験材の再結晶粒径、晶出物(金属間化合物)の最大径、表面粗度、0.2%耐力(0.2%YS)、引張り強度(UTS)、伸び(EL)、円筒絞り高さ、耐応力腐食割れ(耐SCC)寿命について測定を行った。
試験材の再結晶粒径は、クロスカット法で測定した。偏光顕微鏡を用いて試験材の結晶粒写真(200倍)を撮影し、縦横方向に3本ずつ線を引いて、その線とクロスする結晶粒の数を数え、線の長さと数の割り算で求めた粒径の平均値を試験材の再結晶粒径とした。また、晶出物の大きさは、画像解析装置(ルーゼックス)を用いて測定した。
試験材の表面粗度は、表面粗さ計を用いて、JISB0601に準じて測定し、測定方向は圧延方向に対して垂直方向とし、測定領域を4mm、カットオフを0.8mmとしたときの平均粗さRaとした。なお、ロール表面粗さは、試験材の表面粗度と同様、表面粗さ計を用いて、JISB0601に準じて測定し、測定方向はロール横方向とし、測定領域を4mm、カットオフを0.8mmとしたときの平均粗さRaとした。
円筒絞り高さは、以下の金型を用い、破断時の限界成形高さを示している。ポンチ:40mmφ,肩R:8mm、ダイ:42.5mmφ,肩R:8mm
耐SCC性の評価は、最終焼鈍板を30%冷延率で圧延し、120℃で1週間鋭敏化処理を施した後、耐力の85%に相当する歪を加え、3.5%塩水中に連続浸漬して、割れが発生するまでの時間を耐SCC寿命として測定した。
以上により測定した結果を表3(実施例1〜3)に示す。
Figure 0004740941
次に、比較例として、表1(比較例B、C)の組成を有する溶湯を、表2(比較例1〜6)の製造条件に基づいて試験材を作製した。作製された試験材の評価は、実施例1〜3と同様の項目について測定し、測定結果を表3(比較例1〜6)に示す。
実施例1〜3は、適度なMg含有量3.4%であり、試験材の金属組織に微細な再結晶粒と晶出物を有し、表面が適度な表面粗さRa0.42〜0.45μmを示すことから、円筒絞り性に優れ、かつ耐SCC性にも優れている。
すなわち、実施例1〜3は、まず、双ベルト式鋳造法によって、スラブを連続鋳造してロールに巻き取るが、鋳造時の冷却測度は、スラブ厚みに対して、少なくとも表面から1/4厚みの領域の冷却速度が20〜200℃/secになるようにしている。このため、最終焼鈍板の板表面から10〜30μm深さにおける領域の金属組織は、Al−(Fe・Mn)−Si系晶出物等が5μm以下に微細化される。これにより、最終焼鈍板を変形させても、晶出物とマトリックスとの剥離が生じにくく、プレス成形性に優れた板を得ることができる。
また、晶出物の大きさが比較的小さいことに加え、単位体積当たりの晶出物の数が多くなるため、再結晶粒の核の密度が高くなり、その結果再結晶粒径が15μm以下と比較的小さくなり、プレス成形性に優れた板となる。さらに、冷間圧延時に使用する圧延ロールをグラインダーで研磨する際、ロールの表面粗度をRa0.2〜0.8μmと限定した範囲に調整することにより、最終焼鈍板の表面粗度をRa0.2〜0.7μmの範囲内とすることができ、最終焼鈍板の表面形状が成形時に使用する低粘性潤滑油を均一に保持するミクロプールの役目を果たすため、プレス成形性を一層向上できる。
これに対し、比較例1は、Mg含有量3.0%と低いため、引張強度、伸びがいずれも不足しており、円筒絞り性が劣っている。比較例2は、Mg含有量4.5%と高いため、引張強度、伸びがともに優れているが、耐SCC性が劣っている。
比較例3は、表面粗さRaが0.1μmと低く、実施例1〜3の表面と比べると滑らかであるが、円筒絞り性が劣っている。比較例4は、最終焼鈍板における表面粗さRaが0.8μmと高く、実施例1〜3の表面と比較して粗いが、この場合も円筒絞り性が劣っている。
比較例5は、DC鋳造材であるが、鋳造時の冷却速度が比較的遅いため、実施例1〜3と比べると、やや粗い再結晶粒と金属間化合物を有し、円筒絞り性が劣っている。比較例6は、双ロール鋳造材であるが、鋳造時の冷却速度が最も速いため、実施例1〜3と比較して微細な晶出物を晶出し、再結晶粒は粗く、円筒絞り性に劣っている。
以上述べたように、双ベルト式鋳造法によって、アルミニウム合金スラブ鋳塊を直接ロールに巻き取った後、表面粗度がRa0.2〜0.8μmの圧延ロールによりスラブ鋳塊を冷間圧延し、その後焼鈍を施して、最終焼鈍板の板表面から10〜30μm深さの領域における晶出物粒径が5μm以下、再結晶粒径が15μm以下で、かつ表面粗度がRa0.2〜0.7μmとすることにより、プレス成形性および耐応力腐食割れ性に優れたアルミニウム合金板を得ることができる。

Claims (1)

  1. Mg3.3〜3.6wt%、Mn0.1〜0.2wt%を含み、さらにFe0.05〜0.3wt%、Si0.05〜0.15wt%を含み、残部がAlおよび不可避的不純物からなる溶湯を、双ベルト式鋳造機により表面から1/4厚みの領域が45〜100℃/secの冷却速度で冷却されるように厚さ5〜mmのスラブを鋳造して、熱間圧延を施すことなくロールに巻き取った後、表面粗度がRa0.2〜0.8μmの圧延ロールにより前記スラブを冷間圧延し、その後焼鈍を施して、該焼鈍後に得られる最終焼鈍板の板表面から10〜30μm深さの領域における晶出物粒径が5μm以下、前記焼鈍により再結晶される再結晶粒径の平均が7〜10μmであり、かつ表面粗度がRa0.2〜0.7μmであることを特徴とするプレス成形性および耐応力腐食割れ性に優れたアルミニウム合金板の製造方法。
JP2007503141A 2004-07-30 2004-07-30 アルミニウム合金板の製造方法 Expired - Lifetime JP4740941B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2004/011323 WO2006011242A1 (en) 2004-07-30 2004-07-30 Aluminum alloy sheet and method for manufacturing the same

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008508421A JP2008508421A (ja) 2008-03-21
JP4740941B2 true JP4740941B2 (ja) 2011-08-03

Family

ID=34958425

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007503141A Expired - Lifetime JP4740941B2 (ja) 2004-07-30 2004-07-30 アルミニウム合金板の製造方法

Country Status (7)

Country Link
US (1) US8425698B2 (ja)
EP (1) EP1771590B1 (ja)
JP (1) JP4740941B2 (ja)
KR (1) KR101057264B1 (ja)
CN (1) CN100469927C (ja)
CA (1) CA2588046C (ja)
WO (1) WO2006011242A1 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20060042727A1 (en) * 2004-08-27 2006-03-02 Zhong Li Aluminum automotive structural members
US7377304B2 (en) * 2005-07-12 2008-05-27 Alcoa Inc. Method of unidirectional solidification of castings and associated apparatus
JP2008024964A (ja) 2006-07-18 2008-02-07 Nippon Light Metal Co Ltd 高強度アルミニウム合金板およびその製造方法
WO2008078399A1 (en) * 2006-12-22 2008-07-03 Nippon Light Metal Company, Ltd. Method of producing aluminum alloy sheet
JP5220310B2 (ja) * 2006-12-26 2013-06-26 日本軽金属株式会社 自動車用アルミニウム合金板及びその製造方法
JP5050577B2 (ja) * 2007-03-09 2012-10-17 日本軽金属株式会社 深絞り性および耐焼付け軟化性に優れた成形加工用アルミニウム合金板及びその製造方法
US7846554B2 (en) 2007-04-11 2010-12-07 Alcoa Inc. Functionally graded metal matrix composite sheet
KR20100108370A (ko) * 2008-02-06 2010-10-06 니폰게이긴조쿠가부시키가이샤 자동차용 알루미늄 합금판 및 그 제조 방법
US8448690B1 (en) 2008-05-21 2013-05-28 Alcoa Inc. Method for producing ingot with variable composition using planar solidification
US20110130297A1 (en) * 2009-01-23 2011-06-02 Bae Systems Information And Electronic Systems Integration Inc. Quantum dot-sensory array for biological recognition
BR112014001471B1 (pt) * 2011-07-25 2022-05-24 Nippon Light Metal Company, Ltd. Folha de liga de alumínio e método para fabricação da mesma
JP2012107339A (ja) * 2011-12-28 2012-06-07 Nippon Light Metal Co Ltd 自動車用アルミニウム合金板及びその製造方法
JP5870791B2 (ja) 2012-03-21 2016-03-01 日本軽金属株式会社 プレス成形性と形状凍結性に優れたアルミニウム合金板およびその製造方法
CN102912199A (zh) * 2012-10-29 2013-02-06 虞海香 一种车身用铝合金薄板
CN105593392B (zh) * 2014-04-09 2017-08-29 日本轻金属株式会社 弯曲加工性与形状冻结性优良的高强度铝合金板及其制造方法
WO2018187406A1 (en) 2017-04-05 2018-10-11 Novelis Inc. Anodized quality 5xxx aluminum alloys with high strength and high formability and methods of making the same

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04318145A (ja) * 1991-04-17 1992-11-09 Kobe Steel Ltd 強度かつ耐食性に優れるAl−Mg系超塑性アルミニウム合金板及びその製造方法
JPH0853732A (ja) * 1994-06-09 1996-02-27 Furukawa Electric Co Ltd:The 自動車ボディーシート用アルミニウム合金板とその製造方法およびその成形方法
JPH11181558A (ja) * 1997-12-22 1999-07-06 Furukawa Electric Co Ltd:The 低圧陽圧缶胴体用アルミニウム合金板の製造方法
JP2001262263A (ja) * 2000-03-23 2001-09-26 Kobe Steel Ltd 成形性に優れたAl−Mg系Al合金板
JP2001295007A (ja) * 2000-04-13 2001-10-26 Kobe Steel Ltd 高強度高成形性アルミニウム合金板の製造方法および該製造方法により得られるアルミニウム合金板

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
LU83436A1 (fr) 1981-06-18 1983-04-06 Alain Bauwens Articles de gobeleterie a proprietes d'accumulation frigorifiques ou thermostatiques
JPH06235039A (ja) * 1993-02-05 1994-08-23 Shinko Arukoa Yuso Kizai Kk 硬質材を被覆したアルミニウム合金板
JP3618118B2 (ja) * 1994-05-02 2005-02-09 住友軽金属工業株式会社 耐応力腐食割れ性に優れた缶蓋用アルミニウム合金硬質板およびその製造方法
US5681405A (en) * 1995-03-09 1997-10-28 Golden Aluminum Company Method for making an improved aluminum alloy sheet product
JP3693485B2 (ja) * 1998-03-09 2005-09-07 日本軽金属株式会社 平版印刷版用アルミニウム合金素板の製造方法
US6592688B2 (en) 1998-07-23 2003-07-15 Alcan International Limited High conductivity aluminum fin alloy
US6755236B1 (en) 2000-08-07 2004-06-29 Alcan International Limited Belt-cooling and guiding means for continuous belt casting of metal strip
US6531006B2 (en) * 2001-02-13 2003-03-11 Alcan International Limited Production of high strength aluminum alloy foils
US6764559B2 (en) 2002-11-15 2004-07-20 Commonwealth Industries, Inc. Aluminum automotive frame members
JP4123059B2 (ja) * 2003-06-10 2008-07-23 日本軽金属株式会社 熱交換器用高強度アルミニウム合金フィン材の製造方法
US20060042727A1 (en) * 2004-08-27 2006-03-02 Zhong Li Aluminum automotive structural members

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04318145A (ja) * 1991-04-17 1992-11-09 Kobe Steel Ltd 強度かつ耐食性に優れるAl−Mg系超塑性アルミニウム合金板及びその製造方法
JPH0853732A (ja) * 1994-06-09 1996-02-27 Furukawa Electric Co Ltd:The 自動車ボディーシート用アルミニウム合金板とその製造方法およびその成形方法
JPH11181558A (ja) * 1997-12-22 1999-07-06 Furukawa Electric Co Ltd:The 低圧陽圧缶胴体用アルミニウム合金板の製造方法
JP2001262263A (ja) * 2000-03-23 2001-09-26 Kobe Steel Ltd 成形性に優れたAl−Mg系Al合金板
JP2001295007A (ja) * 2000-04-13 2001-10-26 Kobe Steel Ltd 高強度高成形性アルミニウム合金板の製造方法および該製造方法により得られるアルミニウム合金板

Also Published As

Publication number Publication date
CA2588046C (en) 2014-09-30
CN100469927C (zh) 2009-03-18
KR101057264B1 (ko) 2011-08-16
CN101072888A (zh) 2007-11-14
CA2588046A1 (en) 2006-02-02
EP1771590B1 (en) 2011-09-14
KR20070049184A (ko) 2007-05-10
JP2008508421A (ja) 2008-03-21
US20090007994A1 (en) 2009-01-08
US8425698B2 (en) 2013-04-23
WO2006011242A1 (en) 2006-02-02
EP1771590A1 (en) 2007-04-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4740941B2 (ja) アルミニウム合金板の製造方法
JP2008024964A (ja) 高強度アルミニウム合金板およびその製造方法
US9695495B2 (en) Process for producing an aluminum alloy sheet for motor vehicle
JP4534573B2 (ja) 高温高速成形性に優れたAl‐Mg合金板およびその製造方法
JP2007031819A (ja) アルミニウム合金板の製造方法
JP6176393B2 (ja) 曲げ加工性と形状凍結性に優れた高強度アルミニウム合金板
CN103946404A (zh) 冲压成形性与形状冻结性优良的铝合金板及其制造方法
JP2008223075A (ja) 省熱延型アルミニウム合金板およびその製造方法
JP2001059124A (ja) 外観品質の優れたAl−Mg−Si系アルミニウム合金冷間鍛造品及びその製造方法
JP4701998B2 (ja) 強度および耐肌荒れ性に優れたアルミニウム合金箔およびその製造方法
JP2003239052A (ja) アルミニウム箔地の製造方法およびアルミニウム箔の製造方法
JP5220310B2 (ja) 自動車用アルミニウム合金板及びその製造方法
JP2009024219A (ja) 高強度で成形が可能なアルミニウム合金冷延板
JP3286982B2 (ja) 金型素材
JP2012224929A (ja) 高成形性Al−Mg−Si系合金板及びその製造方法
JP2004076155A (ja) 耐焼付軟化性に優れたアルミニウム合金板
JP3605662B2 (ja) 容器用アルミニウム箔
JP2012107339A (ja) 自動車用アルミニウム合金板及びその製造方法
JP2018178138A (ja) 成形性、曲げ加工性および耐デント性に優れた高強度アルミニウム合金板及びその製造方法
JP2002322530A (ja) 容器用アルミニウム箔およびその製造方法
JP4591986B2 (ja) 塗装性およびプレス成形性に優れた輸送関連構造体用アルミニウム合金板材
JP7318275B2 (ja) Al-Mg-Si系アルミニウム合金冷延板及びその製造方法並びに成形用Al-Mg-Si系アルミニウム合金冷延板及びその製造方法
JP2000054094A (ja) アルミニウム箔の製造方法
TWI341870B (en) Aluminum alloy sheet and method for manufacturing the same
JPWO2016002489A1 (ja) プレス成形性および形状凍結性に優れたアルミニウム合金板およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100525

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100806

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110419

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110502

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4740941

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140513

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term