JP4739929B2 - 繊維用防縮加工剤 - Google Patents
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Description
一方、セルロース系繊維に見られるような樹脂による防縮加工剤では、実用的な防縮性能を得るためには、架橋密度を十分に高めることが必要であるため防縮加工剤が多量に必要となり、その結果、強度の低下が大きくなり、また、風合も大幅に悪くなる欠点がある。さらには、経日で人体に有害なホルマリンが遊離されるといった問題もある。
また、防縮加工剤として従来からノンホルマリン型のエチレン尿素樹脂も提案されているが、変色やガーリック様の臭気があるなどの問題があり、実用には至っていない。
このように、十分な防縮効果を持ち、かつ安全性、柔軟性等を満足する防縮加工剤は未だ得られていないのが実状である。
本発明は、このような現状に鑑みて行われたものであり、繊維に風合の硬化や強度の低下を生ぜしめることなく、防縮性能を付与することができる防縮加工剤の開発を目的とするものである。
すなわち、本発明は、ウレタン樹脂(A)とハロヒドリンエーテル化合物(B)とを含む繊維用防縮加工剤;該防縮加工剤を用いる防縮加工方法;該防縮加工法で加工した繊維;である。
(A)は、ポリオール成分(a1)とイソシアネート成分(a2)との反応によるウレタン結合によって形成された高分子化合物(ポリウレタン樹脂)であって、(a1)および(a2)の種類、反応比、反応の形式によって様々な種類の(A)が得られるが、ポリウレタン樹脂であれば特に限定はされない。(A)を得ることのできる(a1)としては、例えば以下のようなものがあげられる。
分子量62〜500の低分子量ポリオール[2価アルコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等)、2価フェノール類(ビスフェノールA等)、3価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン等)、4価以上の多価アルコール(ペンタエリスリトール、ソルビトール等)等]を出発物質としてアルキレンオキサイド[炭素数2〜4のアルキレンオキサイド;エチレンオキサイド(以下EOと略す)、プロピレンオキサイド(以下POと略す)、1,2−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等]を重付加重合または重付加共重合(ブロックおよび/またはランダム)させて得られるもの等[具体的には、ポリエチレングリコール(以下PEGと略す)、ポリプロピレングリコール(以下PPGと略す)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン(ブロックまたはランダム)ジオール、ポリオキシテトラメチレングリコール(以下PTMGと略す)、ポリオキシエチレンポリオキシテトラメチレン(ブロックまたはランダム)グリコール、グリセリンEO付加物、グリセリンPO付加物、ペンタエリスリトールEO付加物、ペンタエリスリトールPO付加物、ソルビトールEO付加物、ソルビトールPO付加物等]。
(a1−2)ポリエステルポリオール:
ポリエーテルポリオールの出発物質として前記低分子量ポリオールの1種以上とジカルボン酸[炭素数4〜12の脂肪族または芳香族ジカルボン酸(脂肪族ジカルボン酸として
は、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、グルタル酸、アゼライン酸等。芳香族ジカルボン酸としては、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸等)]の1種以上とを反応
させて得られる縮合ポリエステルポリオール(例えば、ポリエチレンアジペートポリオール、ポリブチレンアジペートポリオール、ポリエチレンブチレンアジペートポリオール等)、炭素数4〜8のラクトン(例えば、ε−カプロラクトン、バレロラクトン等)の開環重合により得られるポリラクトンポリオール(例えば、ポリカプロラクトンポリオール、ポリバレロラクトンポリオール等)等。
(a1−3)ポリジエンポリオール:
例えば、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオールおよびこれらの水素添加物等。
(a1−4)重合体ポリオール:
前記ポリオール(ポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオール)中で、ラジカル重合性モノマー[例えば、スチレン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステル、塩化ビニル等、および、これら2種以上の混合物等]をラジカル重合させ、該ラジカル重合体を分散させたもの(重合体含量は、通常5〜30質量%)等。
これらのポリオールのうち、(a1)として好ましいのは、(a1−1)および(a1−2)であり、より好ましいものは(a1−1)である。なお、これらのポリオールは、2種以上を併用して用いても良い。また、必要により上記以外の1個以上の活性水素原子を含有する成分(たとえば、モノオール類、1級および2級モノアミン、ポリアミン類、アミノアルコール、モノおよびジアルカノールアミン等)を使用しても良い。
(a2−1)炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)2〜12の脂肪族ジイソシアネート:
例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下HDIと略す)、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等。
(a2−2)炭素数4〜18の脂環式ジイソシアネート:
例えば、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート(以下CDIと略す)、イソホロンジイソシアネート(以下IPDIと略す)、1,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(以下水添MDIと略す)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネート、1,3−ジイソシアナートメチルシクロヘキサン(以下水添XDIと略す)、アダマンタンジイソシアネート等。
(a2−3)炭素数8〜15の芳香脂肪族ジイソシアネート:
例えば、キシリレンジイソシアネート(以下XDIと略す)、α、α、α'、α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(以下TMXDIと略す)等。
(a2−4)炭素数6〜20の芳香族ポリイソシアネート:
例えば、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4または2,6−トリレンジイソシアネート(以下TDIと略す)、ジフェニルメタン−2,4’または4、4’−ジイソシアネート(以下MDIと略す)、ナフタレン−1,5−ジイソシネート、3,3−ジメチルフェニルメタン−4,4−ジイソシアネート、O−トリジンジソシアネート、粗製TDI、ポリフェニルメタンポリイソシアネート(粗製MDI)等。
これらのうち、(a2)として好ましいのは、(a2−1)および(a2−2)であり、(a2−1)であることがより好ましい。なお、これらのイソシアネート成分は2種以上を併用して良い。
例えば、(a1)と(a2)を通常10℃〜180℃、好ましくは20℃〜150℃で、不活性溶媒の非存在下もしくは存在下に反応することによって得られる。溶媒としては、分子内に活性水素原子を含まない有機溶剤(アセトンおよびメチルエチケトンなどのケトン類、THFおよびジオキサンなどのエーテル)が好適である。(a1)は、予め(a2)と混合しておいて反応させてもよく、(a1)を(a2)に徐々に滴下して反応させてもよい。(a1)と(a2)の反応当量比は、通常(a1)/(a2)=1/4〜4/1であり、好ましくは、(a1)/(a2)=1/2〜2.5/1、より好ましくは(a1)/(a2)=1.005/1〜2/1である。このようにして得られる(A)の数平均分子量(以下Mnと略す)は、通常500〜100万、好ましくは、1,000〜50万である。(A)は、そのままでも使用できるが、繊維への処理の容易さから通常水性乳化物(エマルション)として使用することが好ましい。(A)をエマルション化する方法は、公知の方法が利用できる。
例えば、(a1)と(a2)を通常20℃〜150℃、好ましくは60℃〜110℃で、不活性溶媒の非存在下もしくは存在下に反応することによって得られる。溶媒としては、先に(A)を得るための方法において例示したものと同様のものがあげられる。好適な
例も同様である。(a1)は、予め(a2)と混合しておいて反応させてもよく、(a1)を(a2)に徐々に滴下して反応させてもよい。プレポリマーを得るための(a1)と(a2)の反応当量比は、プレポリマーのイソシアネート基含量(以下NCO含量と略す)で通常0.5〜10%、好ましくは1.0〜6%となるような比であれば特に限定されない。プレポリマーのMnは、通常1,000〜20万、好ましくは1,300〜15万、特に好ましくは1,500〜10万である。
例えば、水性媒体中で、乳化分散剤(D)の存在下に、プレポリマーを重亜硫酸塩でブロック反応することにより達成できる。プレポリマーと重亜硫酸塩の添加順序は特に限定されないが、プレポリマー中に重亜硫酸塩を添加する方が分散安定性の観点から好ましい。ブロック反応の温度は、好ましくは10〜60℃、さらに好ましくは20〜40℃である。ブロック化反応の終点は、ブロック化反応物中の未反応の重亜硫酸塩を苛性カリ水溶液で滴定し、重亜硫酸塩含量が平衡になった時点である。(A1)の分散安定性の観点から、プレポリマーに対する重亜硫酸塩の当量比は、好ましくは0.9〜1.3、さらに好ましくは0.95〜1.25である。ブロック反応に使用できる水性媒体としては、水および水と親水性溶媒の混合物があげられる。親水性溶媒としては25℃で水に対する溶解度が2(g/100g水)を越えるものが望ましく、例えば親水性アルコール(メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコール等);炭素数2〜5のエステル(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル等);炭素数3〜5のケトン(アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等);炭素数3〜7のグリコールモノアルキルエーテル(メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等)があげられる。親水性溶媒を使用することにより、反応系の粘度が低下し、副反応を抑制し易くなる。水と親水性溶媒との混合物における水/親水性溶媒の質量比は好ましくは10/90〜99/1である。水性媒体の使用量は、(A1)の質量を基準として、粘度や乳化分散安定性の観点から、好ましくは20〜600%、さらに好ましくは30〜500%である。なお、このようにして得られた(A1)の水性媒体溶液には、防縮性のさらなる向上の観点から、その他に通常のブロックドポリウレタン樹脂に添加される触媒(ジヒドラジド等)等、公知の任意成分を添加することができる。添加量は、通常(A1)の溶液全体質量に基づき、5〜0.001%である。
ル(ポリカプロラクトンポリオール等)とポリエーテルジオール(ポリエチレングリコール等)をポリイソシアネート(IPDIおよびHDI等)で連結させたもの等]が使用できる。これらのうち、乳化分散安定性の観点から(d1)が好ましく、ノニオン性の(d1)であることが特に好ましい。また、(D)の含有量(質量%)は、乳化安定性の観点から(A1)を基準として、好ましくは1〜10%、さらに好ましくは3〜8%である。
(B)は、2価以上の多価アルコール類とエピハロヒドリン化合物との反応生成物であって、使用できる多価アルコール類としては、分子内に2個以上の水酸基を有する化合物および/またはそのアルキレンオキサイド付加物であれば特に限定されない。具体的には、2価アルコール類(エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールAのEO付加物、ポリエチレングリコール、1,2−デカンジオール、cis−1,2−ヘキサンジオール、1,4−ジメチロールベンゼン等)、3価アルコール類(グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメリット酸のEO付加物等)、4価以上の多価アルコール類(ペンタエリスリトール、ソルビトール、ショ糖等)等が使用できる。これらは、2種以上を併用して使用しても良い。これらのうち好ましいのは、2価アルコール類および3価アルコール類であり、2価アルコール類がより好ましい。エピハロヒドリンとしては、例えば、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリン、β−メチルエピクロロヒドリン等があげられ、これらは2種以上を併用して使用しても良い。
(b1)としては、先にあげた多価アルコール類のうち炭素数2〜15のものが該当し、これらのうち好ましいのは、耐洗濯性の観点から2〜6価の多価アルコールであって、2価または3価アルコールがさらに好ましく、2価アルコールが最も好ましい。(b2)としては、前述したもの等があげられるが、これらのうち好ましいのは反応性の観点からエピクロロヒドリン、エピブロモヒドリンであり、エピクロロヒドリンであることが最も好ましい。
性の置換基(例えばアルキル基、ポリアルキレングリコール基、パーフルオロアルキル基、エステル基、水酸基、メルカプト基、エポキシ基、カルボキシル基等)が含まれていても良い。(c1)の分子量は、通常300〜100万、好ましくは1000〜50万である。また、耐熱性や柔軟性の観点から、(c1)のアミノ当量は通常300〜50,000、好ましくは800〜30,000である。(c1)の25℃における粘度(mm2/
s)は通常10〜100,000、好ましくは、30〜50,000、より好ましくは、500〜30,000である。
(e1)鉱物油、ワックス等の潤滑剤:
25℃における動粘度が10〜3,000cStである鉱物油(例えば、25℃における動粘度が200cStである精製スピンドル油、25℃における動粘度が100cStである流動パラフィン等)、動植物油(例えば、牛脂、マッコウ鯨油、菜種油、ヤシ油、ヒマシ油等)、アミノ変性以外のシリコーン化合物(例えば、ジメチルポリシロキサン、フェニル変性シリコーン等)、天然および合成ワックス(例えば、カルナバワックス、みつろう、融点30℃〜100℃のパラフィンワックス及びポリオレフィンワックス[オレ
フィンの炭素数2〜18、Mw=1,000〜10,000のワックス、例えばポリエチレンワックス])等。
トリエチルアミン、ラウリルアミンのEO1モル付加物、ステアリルアミンのEO7モル付加物等。
炭素数8〜32のアルコールおよびこれらの炭素数2〜4のAO付加物(例えば、付加モル数1〜20)のホスフェート(例えば、ラウリルアルコールのリン酸エステルカリウム塩、ステアリルアルコールのEO2モル付加物のリン酸エステルナトリウム塩、イソステアリルアルコールのEO7モル付加物のリン酸エステルカリウム塩等)、炭素数9〜90の(チオ)ホスファイト(例えば、トリフェニルホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト等)、炭素数8〜32の脂肪酸石鹸(対イオンは、例えばアンモニウム、ナトリウム、カリウム、アンモニア等)(例えば、ラウリン酸アンモニウム石鹸、オレイン酸カリウム石鹸、ヒマシ油ナトリウム石鹸等)、炭素数8〜32のイミダゾリン系化合物(例えば、ラウリルイミダゾリン、オレイルイミダゾリン等)、炭素数8〜32の硫酸エステル類及びその塩(例えば、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム塩、オレイルアルコール硫酸エステルアンモニウム等)、炭素数8〜32のスルホン酸およびその塩[
但し(c3)に該当するものを除く。例えば、ラウリルスルホネートナトリウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸及びそのナトリウム塩等]等。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤(2,6−ジ−t−ブチルフェノール、トリエチレングリコール−ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等)、アミン系酸化防止剤[2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン等]等。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤[2−(3,5−ジ−t−アミル)ヒドロキシフェ
ニル等]、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤[ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等]等。
パーフルオロエタン、パーフルオロオクタン等。
(e7)pH調整剤:
塩酸、次亜リン酸、リン酸、硫酸、低級脂肪酸(炭素数2〜8)及びその誘導体(例えば、酢酸、乳酸、リンゴ酸、酢酸ナトリウム等)、アンモニア及びアルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等)、高級脂肪酸類(ラウリン酸、オレイン酸、ステアリン酸、サリチル酸、ペンタデセニルコハク酸)等。
(e8)その他添加剤:
外観調整剤(エチレングリコール、プロピレングリコール、オレイルアルコール等)、水、消泡剤、蛍光増白剤、増粘剤、香料、抗菌剤および防腐剤等。
その他の成分(E)を使用する場合、配合量(質量%)は、防縮加工剤の全質量に対して0.01〜50%であることが好ましい。
本発明の繊維用防縮剤は、そのまま繊維に適用しても良いが、通常繊維への処理の容易さから、(A)および(B)、必要により(C)および/または(E)を、水性乳化液として適宜の割合で水に溶かして適用される。繊維に付与する際には、それぞれ単独で別々に水性乳化液として付与しても良いし、同時にエマルション化して1浴で処理してもよい。水性乳化液の有効濃度は、液の安定性や繊維への処理の容易さから、いずれにおいても通常0.5〜70%、好ましくは1〜50%である。本発明の繊維用防縮剤の水性乳化物のpHは、処理生地の白度や風合いの観点から、いずれにおいても通常4.0〜10.0である。
本発明の繊維用防縮剤を適用できる繊維としては、特に制限はなく、木綿、ウール、絹、麻等の天然繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリル等の合成繊維およびレーヨン、アセテート等の半合成繊維があげられるが、特に木綿といった天然のセルロース系繊維に対して効果が高い。また、木綿とポリエステル、ウールとポリエステルなどの混紡繊維にも適用できる。これらの繊維が、わた、糸、編織物などの何れの加工形態であっても本発明の繊維用防縮剤は適用できる。なお、これらの繊維は必要に応じて、毛焼、精練、漂白、シルケット加工等の前処理を施してもよく、該繊維は染色又はプリントされていてもよい。
以下実施例により本発明を更に説明するが本発明はこれに限定されるものではない。以下、実施例中の部は質量部を示す。
実施例中の試験方法は次の通りである。
(1)防縮性
JIS L−0217 103に準拠して洗濯を行った後、家庭用タンブラー乾燥機に
て乾燥することを1回とし、繰り返し洗濯、乾燥を行った。JIS L−1018 編地の寸法変化 G法に準じ、収縮率(%)を求めた。値が小さいほど防縮性が良好であることを示す。
(2)風合
10人の専門検査員の触感による判定を行った。
◎:非常に良好
○:良好
△:やや不良
×:不良
(3)引裂強さ
JIS L−1018 A法による引裂強さ(ウェール方向)を測定した。
温度計および撹拌機を備えた密閉反応槽に、グリセリンにPOを付加した水酸基当量2000、官能基数3のトリオール200部、HDI 14.0部を仕込み、窒素ガスで置換した後、撹拌下105℃で5時間反応してNCO含量=1.3%のNCO末端ウレタンプレポリマーを得た。得られたウレタンプレポリマーを30℃に冷却して、乳化剤として、ノニルフェノールEO20モル付加物10部、重亜硫酸ナトリウム水溶液(重亜硫酸ナトリウム7.0部/水14.0部)およびエタノール176.8部を加え30℃で30分間混合し、反応を完結させた。これに水964.2部を加えて混合し、純分20%のブロックドポリウレタン樹脂(A1−1)を得た。
製造例−1と同様の装置に、グリセリンにEOを付加した水酸基当量2000、官能基数3のトリオール200部、HDI 26.5部を仕込み、窒素ガスで置換した後、攪拌下105℃で6時間反応してNCO含量=4.0%のNCO末端ウレタンプレポリマーを得た。得られたウレタンプレポリマーを30℃に冷却して、乳化剤として、ノニルフェノールEO20モル付加物10部、重亜硫酸ナトリウム水溶液(重亜硫酸ナトリウム22.5部/水45部)およびエタノール199.2部を加え30℃で40分間混合し、反応を完結させた。これに水495.8部を加えて混合し、純分35%のブロックドポリウレタン樹脂(A1−2)を得た。
製造例−1と同様の装置に、グリセリンにPOを付加した水酸基当量2000、官能基数3のトリオール200部、HDI 35.7部を仕込み、窒素ガスで置換した後、攪拌下105℃で6時間反応してNCO含量=5.8%のNCO末端ウレタンプレポリマーを得た。得られたウレタンプレポリマーを30℃に冷却して、乳化剤として、ノニルフェノールEO20モル付加物10部、重亜硫酸ナトリウム水溶液(重亜硫酸ナトリウム34.0部/水68部)およびエタノール215.8部を加え30℃で60分間混合し、反応を完結させた。これに水182.4部を加えて混合し、さらにアジピン酸ジヒドラジド2.2部を加えて、純分65%のブロックドポリウレタン樹脂(A1−3)を得た。
攪拌棒、コンデンサー、温度計、滴下装置を備えたコルベンに、200部のエチレングリコールを仕込み、撹拌しながら60℃まで昇温した。触媒として三フッ化ホウ素を3部添加し、撹拌混合後、60〜70℃にてエピクロロヒドリンを448部を4時間かけて滴下した。滴下終了後、90℃にて2時間熟成し、ハロヒドリンエーテル化合物(B1−1)を得た。
製造例−1と同様の装置を用い、100部のネオペンチルグリコールを仕込み、撹拌しながら70℃まで昇温した。触媒として三フッ化ホウ素を1.8部添加し、撹拌混合後、70〜80℃にてエピクロロヒドリンを90部を2時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃にて3時間熟成し、ハロヒドリンエーテル化合物(B1−2)を得た。
製造例−1と同様の装置を用い、100部のグリセリンを仕込み、撹拌しながら80℃まで昇温した。触媒として三フッ化ホウ素を3.4部添加し、撹拌混合後、80〜85℃にてエピクロロヒドリンを240部を5時間かけて滴下した。滴下終了後、85℃にて2時間熟成し、ハロヒドリンエーテル化合物(B1−3)を得た。
アミノ変性シリコーン(アミノ当量2,000,粘度1,000CS:25℃)20部、酢酸2部を錨型攪拌羽根を有する乳化槽に仕込み、50℃にて十分に混合後、同温度の湯(78部)を徐々に仕込み乳化し、純分20%の繊維用柔軟剤(C−1)を得た。
ジエチレントリアミンとオレイン酸とのアミドの尿素縮合物15部、ラウリルアルコールEO20モル付加物5部を、実施例1と同様の装置にて同様に乳化し、純分20%の繊維用柔軟剤(C−2)を得た。
表1に示す組成で防縮加工剤を作成し、それぞれ実施例および比較例の処理液を処理した。なお、実施例および比較例で使用した繊維、ならびに処理条件は以下の通り。
<使用した繊維>
40番綿100%スムース。
<処理条件>
上記綿スムースを常法にて精練、漂白、染色を行った後、各実施例および比較例の処理液をパディング処理し、処理液をピックアップ率100%で含浸,搾液した後、100℃にて4分間乾燥を行い、引き続き150℃にて3分間乾熱にて熱処理を行った。
Claims (7)
- ウレタン樹脂(A)とハロヒドリンエーテル化合物(B)とを含む繊維用防縮加工剤
であって、前記(B)が、炭素数2〜15の多価アルコール(b1)とエピハロヒドリン
(b2)との反応で得られたハロヒドリンエーテル化合物(B1)である繊維用防縮加工
剤。 - さらに、アミノ変性シリコーン(c1)、高級脂肪酸アミド(c2)、アルキルスル
ホコハク酸エステル塩(c3)、高級脂肪酸エステル(c4)からなる群より選ばれる1
種以上の化合物を含有する繊維用柔軟剤(C)を含む請求項1記載の防縮加工剤。 - 前記(A)がブロック化剤でブロックされたイソシアネート基を含有するブロックド
ポリウレタン樹脂(A1)である請求項1または2記載の防縮加工剤。 - 前記(b1)と(b2)の反応モル比[(b1)/(b2)]が3/1〜1/3であ
る請求項1〜3のいずれか記載の防縮加工剤。 - 前記(A)と(B)の質量比[(A)/(B)]が5/95〜99/1である請求項
1〜4のいずれか記載の防縮加工剤。 - 請求項1〜5のいずれか記載の防縮加工剤を用いる防縮加工方法。
- 請求項6記載の加工法で防縮加工された繊維。
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