JP5803002B2 - 香料組成物及びそれを含む繊維製品用処理剤組成物 - Google Patents
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Description
(A)下記からなる群より選ばれた1種以上の香料成分
シトラール(Citral)、ボージュナール(Bourgeonal)、ヘリオトロピン(Heliotropin)、リリアール(Lilial)及びヘキシルシンナミックアルデヒド(Hexyl cinnamic aldehyde)
(B)下記からなる群より選ばれた1種以上の香料成分
γ−メチルイオノン(γ−Methyl ionone)、β−イオノン(β−ionone)及びスピロガルバノン(Spirogalbanone)
(C)下記からなる群より選ばれた1種以上の香料成分
γ−ウンデカラクトン(γ−undecalactone)及びクマリン(Coumarin)
(D)下記からなる群より選ばれた1種以上の香料成分
サリチル酸ヘキシル(Hexyl salicylate)、ジャスマサイクレン(Jasmacyclene)、ヘディオン(Hedione)、サリチル酸ベンジル(Benzyl salicylate)及び酢酸ノピル(Nopyl acetate)
(E)下記からなる群より選ばれた1種以上の香料成分
ペオニール(Peonile)及びシトロネリルニトリル(Citronellyl nitrile)
香料成分の含有量が下記(1)〜(3)のいずれかの条件を満たす、繊維製品用処理剤組成物用香料組成物を提供する。
(1)香料成分(A)の含有量を1とした場合に、香料成分(B)の含有量が0.2〜1であり、香料成分(C)の含有量が0.7〜1.3であり、香料成分(D)の含有量が0.4〜1.5であり、香料成分(E)の含有量が0.05〜0.5である。
(2)香料成分(A)の含有量を1とした場合に、香料成分(B)の含有量が0.1〜0.4であり、香料成分(C)の含有量が0〜0.1であり、香料成分(D)の含有量が0.9〜1.5であり、香料成分(E)の含有量が0.01〜0.2である。
(3)香料成分(A)の含有量を1とした場合に、香料成分(B)の含有量が0.9〜1.5であり、香料成分(C)の含有量が1.5〜2であり、香料成分(D)の含有量が1〜2であり、香料成分(E)の含有量が0〜0.5である。
なお、含有量とは含有質量を示す。
(式中、R1は、エステル基、エーテル基又はアミド基で分断されてもよい炭素数12から20の炭化水素基を表す。
R2は、同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を示す。
R3は、同一でも異なっていてもよく、エステル基、エーテル基又はアミド基で分断されてもよい炭素数8から12の炭化水素基を表す。
R4は、同一でも異なっていてもよく、エステル基、エーテル基又はアミド基で分断されてもよい炭素数14から20の炭化水素基を表す。
R5は、エステル基、エーテル基又はアミド基で分断されてもよい炭素数14から20の炭化水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を表す。)
香料成分(A)は、シトラール、ボージュナール、ヘリオトロピン、リリアール及びヘキシルシンナミックアルデヒドからなる群より選ばれる。香料成分(A)は単独の成分であってもよいし、2種以上の香料成分を混合したものであってもよい。
香料成分(B)は、γ−メチルイオノン、β−イオノン及びスピロガルバノンからなる群より選ばれる。香料成分(B)は単独の成分であってもよいし、2種の香料成分を混合したものであってもよい。好ましくは、香料成分(B)はスピロガルバノン(1−スピロ(4.5)−7−デセン−イル−4−ペンテン−1−オンと1−スピロ(4.5)−6−デセン−イル−4−ペンテン−1−オンの混合物)を含む。
香料成分(C)は、γ−ウンデカラクトン及びクマリンからなる群より選ばれる。香料成分(C)は単独の成分であってもよいし、2種の香料成分を混合したものであってもよい。好ましくは、香料成分(C)はγ−ウンデカラクトンを含む。
香料成分(D)は、サリチル酸ヘキシル、ジャスマサイクレン、ヘディオン、サリチル酸ベンジル及び酢酸ノピルからなる群より選ばれる。香料成分(D)は単独の成分であってもよいし、2種以上の香料成分を混合したものであってもよい。
香料成分(E)は、ペオニール及びシトロネリルニトリルからなる群より選ばれる。香料成分(E)は単独の成分であってもよいし、2種の香料成分を混合したものであってもよい。好ましくは、香料成分(D)はペオニールを含む。
(1)香料成分(A)の含有量を1とした場合に、香料成分(B)の含有量は0.2〜1(好ましくは、0.4〜0.6)であり、香料成分(C)の含有量は0.7〜1.3(好ましくは、1〜1.2)であり、香料成分(D)の含有量は0.4〜1.5(好ましくは、0.7〜0.9)であり、香料成分(E)の含有量は0.05〜0.5(好ましくは、0.3〜0.5)である。各香料成分の含有量を上記範囲とすることにより、前記繊維製品用処理剤組成物で処理した衣類を身につけた人に明るい・前向きな印象を付与することができる。さらに、香料成分(B)中にスピロガルバノンを含み、かつ、香料組成物中にラビエノキシム(Labienoxime)((2,4,4,7−テトラメチル−6,8−ノナジエン−3−オンオキシム)を含み、スピロガルバノンとラビエノキシムの合計量が香料組成物中に0.1〜5質量%であると、繊維製品用処理剤組成物で処理した衣類を身につけた人により明るい・前向きな印象を付与することができて好ましい。
(2)香料成分(A)の含有量を1とした場合に、香料成分(B)の含有量は0.1〜0.4(好ましくは、0.2〜0.3)であり、香料成分(C)の含有量は0〜0.1(好ましくは、0〜0.01)であり、香料成分(D)の含有量は0.9〜1.5(好ましくは、1.1〜1.4)であり、香料成分(E)の含有量は0.01〜0.2(好ましくは、0.05〜0.2)である。各香料成分の含有量を上記範囲とすることにより、前記繊維製品用処理剤組成物で処理した衣類を身につけた人にエレガントな・上品な印象を付与することができる。さらに、香料成分(B)中にスピロガルバノンを含み、かつ、香料組成物がアンブロフィックス(ドデカヒドロ−3a、6、6、9a−テトラメチルナフト〔2、1−b〕フラン)を含み、スピロガルバノンとアンブロフィックスの合計量が香料組成物中に0.1〜5質量%であると、繊維製品用処理剤組成物で処理した衣類を身につけた人によりエレガントな・上品な印象を付与することができて好ましい。
(3)香料成分(A)の含有量を1とした場合に、香料成分(B)の含有量は0.9〜1.5(好ましくは、1.1〜1.4)であり、香料成分(C)の含有量は1.5〜2(好ましくは、1.7〜1.9)であり、香料成分(D)の含有量は1〜2(好ましくは、1〜1.5)であり、香料成分(E)の含有量は0〜0.5(好ましくは、0〜0.01)である。各香料成分の含有量を上記範囲とすることにより、前記繊維製品用処理剤組成物で処理した衣類を身につけた人に可憐な・魅惑的な印象を付与することができる。さらに、香料組成物がパチュリーオイル(Patchouli oil)及びラブダナムオイル(Labdanum oil)の1種又は2種を香料組成物中に0.1〜5質量%含有すると、繊維製品用処理剤組成物で処理した衣類を身につけた人により可憐な・魅惑的な印象を付与することができて好ましい。
繊維製品用処理剤組成物中の香料組成物とカチオン性化合物との質量比(香料組成物/カチオン性化合物)は、好ましくは0.5/99.5〜99.5/0.5、より好ましくは3/97〜97/3、さらに好ましくは5/95〜5/95である。前記質量比がこの範囲にあると、印象向上効果が大きくなる。
水溶性のカチオン性化合物としては、下記一般式(I)又は(II)で示される3級アミン化合物の中和物若しくは4級化物、又は水溶性のカチオン性高分子化合物が挙げられる。
(式中、R1は、エステル基、エーテル基又はアミド基で分断されてもよい炭素数12から20の炭化水素基を表す。
R2は、同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を示す。
R3は、同一でも異なっていてもよく、エステル基、エーテル基又はアミド基で分断されてもよい炭素数8から12の炭化水素基を表す。)
R2としては、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基が好ましく、メチル基、ヒドロキシエチル基がより好ましい。
R3の炭素数8から12の炭化水素基としては、直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基が挙げられる。R3としては、デシル基、ドデシル基、デシロイルオキシエチル基が好ましい。
上記3級アミン化合物の4級化物を調製するための4級化剤は、特に限定されないが、好ましくは塩化メチル、ジメチル硫酸などである。
上記式(I)又は(II)で表される3級アミン化合物の中和物又は4級化物の配合量は、繊維製品用処理剤組成物の全質量をベースとして、1〜20質量%とするのが好ましく、1.5〜16質量%とするのがさらに好ましい。上記3級アミン化合物の中和物又は4級化物の配合量を上記範囲とすることにより、香料成分を効率的に繊維へ吸着させることができ、且つ多量の配合が必要となって経済的でないケースを防止することができる。
カチオン化度(%)=X×Y×100 …式(1)
[X:高分子化合物のカチオン性基中のカチオン化された原子(窒素等)の原子量
Y:高分子化合物1g中に含まれるカチオン性基のモル数]
カチオン化度(%)=X×(Y−Z)×100 …式(2)
[X:高分子化合物のカチオン性基中のカチオン化された原子(窒素等)の原子量
Y:高分子化合物1g中に含まれるカチオン性基のモル数
Z:高分子化合物1g中に含まれるアニオン性基のモル数
(Zのアニオン性基とは、高分子鎖中のモノマー単位に含まれるカルボキシル基、スルホン酸基などが挙げられる。具体的には、アクリル酸中のカルボン酸などである。ただし、カチオン性基の対イオンは含まない。)]
X:14(窒素原子の原子量)
Y:4.95×10-3(カチオン性基の1g中の重量:0.8gとカチオン性基の分子量より算出)
Z:2.78×10-3(アニオン性基の1g中の重量:0.2gとアニオン性基の分子量より算出)
式(2)より、
カチオン化度(%)=14×(4.95×10-3−2.78×10-3)×100=3.0
である。
塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリル酸との質量比=80:20
なお、上記記載のカチオン化度の算出法によれば、ノニオン性モノマーの重合体やアニオン性モノマーの重合体のカチオン化度は0%となる。
水溶性カチオン性高分子化合物の配合量は、繊維製品用処理剤組成物の全質量をベースとして、1〜10質量%とするのが好ましい。水溶性カチオン性高分子化合物の配合量をこのような範囲のものとすることにより、香料の繊維製品への吸着効果を高めて、本発明の繊維製品用処理剤組成物の粘度の上昇を抑えて使用性の面で良好なものとすることができる。
R5は、エステル基、エーテル基又はアミド基で分断されてもよい炭素数14から20の炭化水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を表す。)
R5としては、R4と同じか、又はメチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基が好ましく、R4と同じか、又はメチル基、ヒドロキシエチル基がより好ましい。
上記式(IV)で表される3級アミン化合物の中和物を構成する酸及び4級化物を調製するための4級化剤は、式(I)及び(II)の3級アミン化合物について述べたのと同じである。
上記式(IV)で表される水不溶性の3級アミン化合物の中和物又は4級化物の配合量は、繊維製品用処理剤組成物の全質量をベースとして、1〜20質量%とするのが好ましく、1.5〜16質量%とするのがさらに好ましい。水不溶性の3級アミン化合物の中和物又は4級化物の配合量をこのような範囲のものとすることにより、香料の繊維製品への吸着効果を高めるとともに、良好な柔軟性を繊維製品に付与でき、さらに繊維製品用処理剤組成物の粘度の上昇を抑えて使用性の面で良好なものとすることができる。
カチオン性化合物としては、式(I)又は式(IV)で表される3級アミン化合物の4級化物が好ましく、これらの混合物がより好ましい。
シリコーン化合物の25℃における動粘度は、10〜100,000,000mm2/sであるのが好ましく、1,000〜100,000mm2/sであるのがより好ましい。動粘度がこのような範囲にあると、配合のし易さの点で好ましい。
好ましいポリエーテル変性シリコーンとしては、アルキル(炭素数1〜3)シロキサンとポリオキシアルキレン(アルキレン基の炭素数2〜5が好ましい)の共重合体が挙げられる。このうち、ジメチルシロキサンとポリオキシアルキレン(ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとのランダム又はブロック共重合体など)の共重合体が好ましい。このようなものとして、下記一般式(V)又は(VI)で表される化合物が挙げられる。
(式中、M、N、a及びbは平均重合度であり、Rは水素又はアルキル基を表す。)
(式中、A、B、h、及びiは平均重合度であり、Rはアルキル基を表し、R’は水素又はアルキル基を表す。)
一般式(V)で表されるポリエーテル変性シリコーンは、一般に、Si−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、例えばポリオキシアルキレンアリルエーテル等の、炭素−炭素二重結合を末端に有するポリオキシアルキレンアルキルエーテルとを白金触媒下、付加反応させることにより製造することができる。従って、ポリエーテル変性シリコーン中には未反応のポリオキシアルキレンアルキルエーテルやSi−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンがわずかに含まれる場合がある。Si−H基を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンは反応性が高いため、ポリエーテル変性シリコーン中の存在量として30ppm以下(−Hの量として)で存在していることが好ましい。
一般式(VI)で表される線状ポリシロキサン−ポリオキシアルキレンブロック共重合体は、反応性末端基を有するポリオキシアルキレン化合物と、該化合物の反応性末端基と反応する末端基を有するジヒドロカルビルシロキサンとを反応させることにより製造することができる。
[ジメチルシリコーン]
SH200C−1,000CS(東レ・ダウコーニング(株)製)
SH200C−5,000CS(東レ・ダウコーニング(株)製)
SH200C−30,000CS(東レ・ダウコーニング(株)製)
SH200C−60,000CS(東レ・ダウコーニング(株)製)
SH200C−100,000CS(東レ・ダウコーニング(株)製)
SH200C−1,000,000CS(東レ・ダウコーニング(株)製)
[アミノ変性シリコーン]
BY16−849(東レ・ダウコーニング(株)製)
BY16−853C(東レ・ダウコーニング(株)製)
BY16−872(東レ・ダウコーニング(株)製)
BY16−892(東レ・ダウコーニング(株)製)
BY16−879B(東レ・ダウコーニング(株)製)
TSF4706(モメンティブパフォーマンスマテリアルズジャパン合同会社製)
SF8416(東レ・ダウコーニング(株)製)
BY16−846(東レ・ダウコーニング(株)製)
AMS−C30(東レ・ダウコーニング(株)製)
SILSOFT034(モメンティブパフォーマンスマテリアルズジャパン合同会社製)
[アミド・ポリエーテル変性シリコーン]
BY16−878(東レ・ダウコーニング(株)製)
BY16−891(東レ・ダウコーニング(株)製)
上記シリコーン化合物の配合量は、特に制限されるものではなく、通常、繊維製品用処理剤組成物の全質量をベースとして、好ましくは0.05〜20質量%、更に好ましくは0.2〜10質量%、特に好ましくは0.5〜8質量%である。シリコーン化合物の配合量が少ないと繰り返し処理による香料成分の香りの持続性向上効果が向上せず、多すぎると繊維製品処理剤組成物の粘度が上昇し、使用性が悪化する。
また、繊維製品用処理剤組成物中の香料組成物とシリコーン化合物との質量比(分香料組成物/シリコーン化合物)は、好ましくは1/99〜99/1、より好ましくは5/95〜95/5、さらに好ましくは10/90〜90/10である。前記質量比がこの範囲にあると、繰り返し処理時の残香性向上効果が大きくなる。
芯物質である香料組成物の配合量は、繊維製品用処理剤組成物の全質量をベースとして、好ましくは0.0001〜10質量%、より好ましくは0.001〜8質量%、特に好ましくは0.005〜5質量%である。0.0001質量%より少ないと印象向上効果が得られない場合がある。また、10質量%より多くなると香料組成物の香気の嗜好性が得られない場合があるばかりでなく経済的にも好ましくない。
内包される芯物質は、マイクロカプセル全量に対して、40〜95質量%が好ましく、50〜90質量%がより好ましい。配合量が多すぎるとマイクロカプセルの形成が困難となる場合があり、逆に少なすぎると適度な香り強度が得られず、印象向上効果が得られない。
尚、本発明の芯物質には、上記香料組成物以外に、本発明の効果を妨げない限り、必要に応じて酸化防止剤、防腐剤等の添加剤を、繊維製品用処理剤組成物における通常の使用量で配合することも可能である。
水不溶性の高分子物質の具体例としては、ウレタン系、メラミン系、ポリビニル系、ポリアクリル酸系、ポリメタクリル酸系等の合成高分子物質や、油脂、ワックス等の油性膜形成物質などを挙げることができる。これらの水不溶性の高分子物質は、単独で使用することもできるし、2種以上を併用することもできる。水不溶性の高分子物質は、製造性、適度なカプセル壁の強度、コスト等を考慮して適宜選択される。
ウレタン系高分子は、多官能性イソシアネート化合物とポリオール若しくはポリアミン化合物との縮合反応により得られる。多官能性イソシアネート化合物としては、ポリフェニルイソシアネート、トルエンジイソシアネート等が挙げられる。ポリオール化合物としては、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。ポリアミン化合物としては、ヘキサメチレンジアミン等が挙げられる。ポリフェニルイソシアネートとヘキサメチレンジアミン、トルエンジイソシアネートとジエチレングリコールの組合せが好適に用いることができる。
ポリアクリル酸系高分子を構成するモノマーとしては、アクリル酸、若しくはその低級アルキルエステル等が挙げられる。
ポリビニル系高分子を構成するモノマーとしては、エチレン、無水マレイン酸、スチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
ポリメタクリル酸系高分子を構成するモノマーとしては、メタアクリル酸、若しくはその低級アルキルエステル等が挙げられる。
油脂としては、硬化油、固形脂肪酸及び金属塩等が挙げられる。
ワックスとしては、密ロウ、木ロウ、パラフィン等が挙げられる。
水不溶性の高分子物質としては、ポリウレタン系高分子物質及びメラミン樹脂が好ましく、ポリフェニルイソシアネートとヘキサメチレンジアミンとから誘導されるポリウレタン系高分子物質及びメラミン樹脂がより好ましい。
前記壁物質の配合量は、その種類等により適宜選定できるが、通常マイクロカプセル全量に対して、5〜60質量%、特に10〜40質量%程度が好ましい。壁物質の配合量が少なすぎるとマイクロカプセルの形成が困難となる場合があり、逆に多すぎると相対的に芯物質の配合量が低下する。
尚、前記壁物質の膜形成を容易にするために、前記壁物質以外に、本発明の効果を妨げない限り、必要に応じて乳化剤、分散剤等を通常の使用量で配合することができる。
壁物質としてウレタン系高分子を使用する場合、界面重合法が好ましい。具体的には、一方の容器に適宜濃度の乳化剤水溶液を調製しておき、別の容器に香料組成物とポリイソシアネート化合物を投入する。次いで、前記2種類の溶液を高速撹拌機に充填した後、高速撹拌してO/Wエマルジョンを調製する。次いで、適宜濃度のポリアミン水溶液を入れて、常温で所定時間撹拌し、反応させてカプセル壁を硬化し、マイクロカプセルを調製することができる。
壁物質としてメラミン系高分子を使用する場合、in−situ重合法が好ましい。壁物質を芯物質の外側から形成させる方法が好適である。例えば、撹拌機を備えた容器にて必要に応じて乳化剤を溶解した適宜濃度の水溶液に、香料組成物を分散濃度が10〜40質量%になるように60〜80℃で分散させた後、撹拌によって芯物質が所定の粒径となるようにコントロールする。これとは別に、例えばメラミンとホルムアルデヒドとを質量比が3/1〜6/1となるように混合した後、60〜80℃で5〜20分間縮重合させて水溶性のプレポリマーを調製し、このプレポリマーを上記芯物質の分散液に投入する。次いで、クエン酸、硫酸、塩酸等の酸によりpHを2〜5に調製した後、60〜80℃で3〜6時間重合させることによってマイクロカプセルを調製することができる。
カプセル壁の形成を容易にするために、本発明の効果を妨げない限り、必要に応じて乳化剤、分散剤等を通常の使用量で配合することができる。このような乳化剤又は分散剤としては、ポリスチレンスルホン酸のアルカリ金属塩、エチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ金属塩等のアニオン系乳化剤又は分散剤、ポリビニルアルコール等の非イオン系乳化剤又は分散剤等が挙げられる。
本発明の組成物中における(D)成分のマイクロカプセルの配合量は、好ましくは0.01〜10質量%である。より好ましくは0.01〜8質量%である。0.01質量%より少ないと香気持続性が乏しくなり印象向上効果が少なくなり、10質量%より多くなると香りの持続性が高すぎるため、印象が低下する。
本発明の繊維製品用処理剤組成物の25℃における粘度は、ハンドリング性がより向上するため、10〜1000mPa・sであるのが好ましい。尚、本発明の組成物の粘度は、B型粘度計(TOKIMEC社製)を用いて測定することができる。
本発明の繊維製品用処理剤組成物の調製方法は特に限定されないが、特に特開平2−68137号、特開平10−237762号公報、特開2003−96674号に開示されている、液晶転相乳化法が好ましい。香料組成物、柔軟化基剤であるカチオン性化合物、シリコーン化合物、及び使用する場合にはノニオン性界面活性剤を混合することにより油相を得て、さらに、該油相と、任意に水溶性である前記任意成分を含む水相の一部(以下、第一水相という。)とをカチオン性化合物の相転移温度(Tc)以上の温度で混合して、高濃度のカチオン性界面活性剤を含む液晶組成物を形成させ、次いで、該液晶組成物に残りの水相(以下、第二水相という。)を添加して液晶組成物をO/W型エマルションへ転相する。得られたエマルジョンを室温まで冷却するという方法により、本発明の繊維製品用処理剤組成物を配合することができる。
香料組成物をマイクロカプセルに封入し、繊維製品用処理剤組成物とする際は、カチオン性化合物、シリコーン化合物、ノニオン性界面活性剤(任意成分)、必要に応じてカプセルに封入されていない香料組成物を混合することにより油相を得て、さらに、該油相と任意に水溶性である前記任意成分を含む水相の一部(以下、第一水相という)とをカチオン性化合物の相転移温度(Tc)以上の温度で混合して、高濃度のカチオン性化合物を含む液晶組成物を形成させ、次いで、該液晶組成物に残りの水相(以下、第二水相という)を添加して液晶組成物をO/W型エマルションへ転相する、室温まで冷却する、その後、香料組成物を封入したマイクロカプセルを添加し攪拌するという方法により、本発明の繊維製品用処理剤組成物を配合することができる。
繊維製品用処理剤組成物を配合するその他の方法としては、(A)香料組成物、(C)シリコーン化合物、ノニオン界面活性剤(任意成分)及びイオン交換水を攪拌し、さらに(B)カチオン性化合物を添加し、十分に攪拌したサンプルに、(A)の乳化物粒子を添加し、攪拌するという方法でも本発明の繊維製品用処理剤組成物を配合することもできる。(A)香料組成物を(D)マイクロカプセルに封入し、繊維製品用処理剤組成物とする際には、(C)シリコーン化合物、ノニオン界面活性剤(任意成分)、必要に応じて(A)成分及びイオン交換水を攪拌し、さらに(B)カチオン性化合物を添加し、十分に攪拌したサンプルに、(A)香料組成物を封入した(D)マイクロカプセルを添加し、攪拌するという方法でも本発明の繊維製品用処理剤組成物を配合することもできる。
(CH3)3SiO(CH3CH3SiO)210(CH3HSiO)9Si(CH3)3で表されるハイドロジェンシロキサン828g、平均組成CH2=CHCH2O(CH2CH2O)9Hで表されるアリル化ポリエーテル210g、エチルアルコール726g及び塩化白金酸のClを中和したものを白金がアリル化ポリエーテルに対して重量で5ppmとなるように秤量して、反応温度80℃で攪拌し、5時間反応させた。反応終了後、減圧留去することにより、ポリエーテル変性シリコーンを得た。このポリエーテル変性シリコーン90gに対して、10gのジエチレングリコールモノブチルエーテルを添加して使用した。
(D−1)
芯物質 :香料組成物(A−2)
壁物質 :ウレタン系高分子
製造方法:界面重合法
乳化系 :アニオン
300mL容ビーカーに、イオン交換水200g、平均分子量が16,000のポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩(商品名:ポリティPS−1900、ライオン製)5gを入れて溶解した。また、別の100mL容ビーカーには、香料組成物(A−2)55gとポリフェニルイソシアネート(商品名:PAPI−135、Dow Chemical製)8gを入れて混合し、芯物質溶液を調製した。次いで、500mL容ビーカーに、前記の二種類の溶液を入れ、ホモミキサーで5分間3000rpmの速度で攪拌し、O/Wエマルジョンを生成した。次いで、40wt%のヘキサメチレンジアミン水溶液75gを入れ、常温で400rpmで2時間攪拌してカプセル壁を反応硬化させて、硬化カプセル壁を有するアニオン性マイクロカプセルの水性分散液を調製した。このように生成されたマイクロカプセルの粒子径を、島津レーザ回折式粒度分布測定装置SALD−300V(島津製作所製)で測定した結果、平均粒子径は約5μmであった。また、得られたマイクロカプセル中の香料組成物(A−2)の含有率は約59%であった。
芯物質 :香料組成物(A−2)
壁物質 :メラミン系高分子
製造方法:in−situ重合法
乳化系 :アニオン
エチレン−無水マレイン酸共重合体(商品名:A−C573A、573P、ハネウェル社製)のナトリウム塩、及び平均分子量16,000のポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩(商品名:ポリティPS−1900、ライオン製)を夫々5%含有する水溶液300gに、香料組成物(A−2)150gを加え、ホモミキサーで2,500rpmの速度で攪拌してO/Wエマルジョンを調製した。次に、別途、メラミン30g、35%のホルムアルデヒド水溶液100g、水350gに少量の水酸化ナトリウムを加えてpHを約9に調節した後、80℃で30分間攪拌して、メチロールメラミン水溶液を調製した。このメチロールメラミン水溶液を前記のO/Wエマルジョンに添加した。70℃で約2時間攪拌してカプセル壁を硬化し、硬化したカプセル壁を有するアニオン性マイクロカプセルが分散した水性分散液を調製した。マイクロカプセル(D−1)と同様にマイクロカプセルの粒子径を測定した結果、平均粒子径は約4μmであった。また、得られたマイクロカプセル中の香料組成物(A−2)の含有率は約67%であった。
芯物質 :香料組成物(A−2)
壁物質 :ウレタン系高分子
製造方法:界面重合法
乳化系 :非イオン
マイクロカプセル(D−1)の調製時に用いたポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩の代わりにポリビニルアルコール(商品名:ゴーセノールGL05、日本合成化学製)を5g用いて、非イオン性マイクロカプセルが分散された水性分散液約340gを作製した。マイクロカプセル(D-1)と同様にマイクロカプセルの粒子径を測定した結果、平均粒径は約5μmであった。また、得られたマイクロカプセル中の香料組成物(A−2)の含有率は約59%であった。
芯物質 :香料組成物(A−4)
壁物質 :ウレタン系高分子
製造方法:界面重合法
乳化系 :アニオン
300mL容ビーカーに、イオン交換水200g、平均分子量が16,000のポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩(商品名:ポリティPS−1900、ライオン製)5gを入れて溶解した。また、別の100mL容ビーカーには、香料組成物(A−4)55gとポリフェニルイソシアネート(商品名:PAPI−135、Dow Chemical製)8gを入れて混合し、芯物質溶液を調製した。次いで、500mL容ビーカーに、前記の二種類の溶液を入れ、ホモミキサーで5分間3000rpmの速度で攪拌し、O/Wエマルジョンを生成した。次いで、40wt%のヘキサメチレンジアミン水溶液75gを入れ、常温で400rpmで2時間攪拌してカプセル壁を反応硬化させて、硬化カプセル壁を有するアニオン性マイクロカプセルの水性分散液を調製した。このように生成されたマイクロカプセルの粒子径を、島津レーザ回折式粒度分布測定装置SALD−300V(島津製作所製)で測定した結果、平均粒子径は約5μmであった。また、得られたマイクロカプセル中の香料組成物(A−4)の含有率は約59%であった。
芯物質 :香料組成物(A−4)
壁物質 :メラミン系高分子
製造方法:in−situ重合法
乳化系 :アニオン
エチレン−無水マレイン酸共重合体(商品名:A−C573A、573P、ハネウェル社製)のナトリウム塩、及び平均分子量16,000のポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩(商品名:ポリティPS−1900、ライオン製)を夫々5%含有する水溶液300gに、香料組成物(A−4)150gを加え、ホモミキサーで2,500rpmの速度で攪拌してO/Wエマルジョンを調製した。次に、別途、メラミン30g、35%のホルムアルデヒド水溶液100g、水350gに少量の水酸化ナトリウムを加えてpHを約9に調節した後、80℃で30分間攪拌して、メチロールメラミン水溶液を調製した。このメチロールメラミン水溶液を前記のO/Wエマルジョンに添加した。70℃で約2時間攪拌してカプセル壁を硬化し、硬化したカプセル壁を有するアニオン性マイクロカプセルが分散した水性分散液を調製した。マイクロカプセル(D−3)と同様にマイクロカプセルの粒子径を測定した結果、平均粒子径は約4μmであった。また、得られたマイクロカプセル中の香料組成物(A−4)の含有率は約67%であった。
芯物質 :香料組成物(A−4)
壁物質 :ウレタン系高分子
製造方法:界面重合法
乳化系 :非イオン
マイクロカプセル(D−4)の調製時に用いたポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩の代わりにポリビニルアルコール(商品名:ゴーセノールGL05、日本合成化学製)を5g用いて、非イオン性マイクロカプセルが分散された水性分散液約340gを作製した。マイクロカプセル(D−4)と同様にマイクロカプセルの粒子径を測定した結果、平均粒径は約5μmであった。また、得られたマイクロカプセル中の香料組成物(A−4)の含有率は約59%であった。
芯物質 :香料組成物(A−6)
壁物質 :ウレタン系高分子
製造方法:界面重合法
乳化系 :アニオン
300mL容ビーカーに、イオン交換水200g、平均分子量が16,000のポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩(商品名:ポリティPS−1900、ライオン製)5gを入れて溶解した。また、別の100mL容ビーカーには、香料組成物(A−6)55gとポリフェニルイソシアネート(商品名:PAPI−135、Dow Chemical製)8gを入れて混合し、芯物質溶液を調製した。次いで、500mL容ビーカーに、前記の二種類の溶液を入れ、ホモミキサーで5分間3000rpmの速度で攪拌し、O/Wエマルジョンを生成した。次いで、40wt%のヘキサメチレンジアミン水溶液75gを入れ、常温で400rpmで2時間攪拌してカプセル壁を反応硬化させて、硬化カプセル壁を有するアニオン性マイクロカプセルの水性分散液を調製した。このように生成されたマイクロカプセルの粒子径を、島津レーザ回折式粒度分布測定装置SALD−300V(島津製作所製)で測定した結果、平均粒子径は約5μmであった。また、得られたマイクロカプセル中の香料組成物(A−6)の含有率は約59%であった。
芯物質 :香料組成物(A−6)
壁物質 :メラミン系高分子
製造方法:in−situ重合法
乳化系 :アニオン
エチレン−無水マレイン酸共重合体(商品名:A−C573A、573P、ハネウェル社製)のナトリウム塩、及び平均分子量16,000のポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩(商品名:ポリティPS−1900、ライオン製)を夫々5%含有する水溶液300gに、香料組成物(A−6)150gを加え、ホモミキサーで2,500rpmの速度で攪拌してO/Wエマルジョンを調製した。次に、別途、メラミン30g、35%のホルムアルデヒド水溶液100g、水350gに少量の水酸化ナトリウムを加えてpHを約9に調節した後、80℃で30分間攪拌して、メチロールメラミン水溶液を調製した。このメチロールメラミン水溶液を前記のO/Wエマルジョンに添加して、70℃で約2時間攪拌してカプセル壁を硬化し、硬化したカプセル壁を有するアニオン性マイクロカプセルが分散した水性分散液を調製した。マイクロカプセル(D−7)と同様にマイクロカプセルの粒子径を測定した結果、平均粒子径は約4μmであった。また、得られたマイクロカプセル中の香料組成物(A−6)の含有率は約67%であった。
芯物質 :香料組成物(A−6)
壁物質 :ウレタン系高分子
製造方法:界面重合法
乳化系 :非イオン
マイクロカプセル(D−7)の調製時に用いたポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩の代わりにポリビニルアルコール(商品名:ゴーセノールGL05、日本合成化学製)を5g用いて、非イオン性マイクロカプセルが分散された水性分散液約340gを作製した。マイクロカプセル(D−7)と同様にマイクロカプセルの粒子径を測定した結果、平均粒径が約5μmであった。また、得られたマイクロカプセル中の香料組成物(A−6)の含有率は約59%であった。
(実施例1〜12、18〜31、37〜50、56及び57、並びに比較例2及び3)
繊維製品用処理剤組成物600mlは、内径100mm及び高さ150mmのガラス容器と、攪拌機(スリーワンモーター(新東科学(株)社製)、攪拌羽は、1枚の羽の長さが15mm、幅が約13mmのものを12本有するもの)を用い、次の手順により調製した。予め55℃に加温して溶融させた香料組成物、カチオン性化合物及びシリコーン化合物、並びにノニオン性界面活性剤(POEイソデシルエーテルEO60モル付加、実験室合成品*1)2%をガラス容器に取り、攪拌機にて、回転数を1000rpmにして攪拌した。次に、55℃に加温しておいたイオン交換水を2度に分けて油相に添加して攪拌した。ここで、イオン交換水の分割比率は30:70(質量比)とし、攪拌は回転速度1,000rpmで1回目のイオン交換水添加後に3分間、2回目のイオン交換水添加後に2分間行った。その後、室温まで冷却した。
*1:イソトリデシルアルコール「商品名:ルテンゾールTO3」(BASF社製)115g、触媒として40%KOH 1.25gを耐圧製反応容器に仕込み、常法により容器内を窒素置換した。触媒中の水分を100℃、2.7kPa以下で30分脱水してから温度を140℃まで昇温した。撹拌しながら0.25MPa以下でエチレンオキシド867.8gを付加反応させ、付加反応終了後、圧力が平衡になるまで熟成した。次に、温度60℃以下まで冷却し、精製水249gを添加後、80%酢酸を0.37gとエチレンジアミン4酢酸2ナトリウム(色調安定化のためのキレート剤)0.01gを添加し30分間分散させた。
繊維製品用処理剤組成物600mlは、内径100mm及び高さ150mmのガラス容器と、攪拌機(スリーワンモーター(新東科学(株)社製)、攪拌羽は、1枚の羽の長さが15mm、幅が約13mmのものを12本有するもの)を用い、次の手順により調製した。予め55℃に加温して溶融させたカチオン性化合物及びシリコーン化合物、並びにノニオン性界面活性剤(POEイソデシルエーテルEO60モル付加、実験室合成品*1)2%をガラス容器に取り、攪拌機にて、回転数を1000rpmにして攪拌した。次に、55℃に加温しておいたイオン交換水を2度に分けて油相に添加して攪拌した。ここで、イオン交換水の分割比率は30:70(質量比)とし、攪拌は回転速度1,000rpmで1回目のイオン交換水添加後に3分間、2回目のイオン交換水添加後に2分間行った。その後、室温まで冷却した。次に(D)成分の乳化物粒子を添加し、スターラーで均一に分散するよう攪拌した。
繊維製品用処理剤組成物600mlは、1000mlビーカーに香料組成物と予め30℃に加温したシリコーン化合物、ノニオン界面活性剤(TAG−90(POEトリデシルエーテル)、EO=7モル付加、ライオン(株)製)3%、及びイオン交換水を添加し、スターラーで1時間攪拌後、カチオン性化合物を添加し、さらに1時間攪拌した。なお、表中の値は、繊維製品用処理剤組成物の全量を基準とした香料組成物、カチオン性化合物及びシリコーン化合物の質量%を表す。但し、香料組成物の配合量は、繊維製品用処理剤組成物中の香料成分の合計量として記載した。
繊維製品用処理剤組成物600mlは、1000mlビーカーに香料組成物、ノニオン界面活性剤(TAG−90(POEトリデシルエーテル)、EO=7モル付加、ライオン(株)製)3%、及びイオン交換水を添加し、スターラーで1時間攪拌した。
評価布A:5Lのビーカーに4Lの水道水を入れたものを準備した。そこに、繊維製品用処理剤組成物の濃度が1500ppm(繊維製品用処理剤組成物中の水も含む)となるように、実施例及び比較例の繊維製品用処理剤組成物を投入し分散させた。その中に、女性用シャツ(サラファインUVカット クルーネックT(長袖)Lサイズ、(株)ユニクロ製)2枚を入れ(浴比20倍(繊維製品1kgに対する水の量20L))、3分間攪拌した。その後、シャツを取り出し、二槽式洗濯機の脱水槽に入れて1分間脱水し、20℃65%RH下で1晩乾燥させた。
評価布B:5Lのビーカーに4Lの水道水を入れたものを準備した。そこに、女性用シャツ(サラファインUVカット クルーネックT(長袖)Lサイズ、(株)ユニクロ製)2枚を入れ(浴比20倍)、3分間攪拌した。その後、シャツを取り出し、二槽式洗濯機の脱水槽に入れて1分間脱水し、20℃65%RH下で1晩乾燥させた。
評価布C:5Lのビーカーに4Lの水道水を入れたものを準備した。そこに、繊維製品用処理剤組成物の濃度が1500ppm(繊維製品用処理剤組成物中の水も含む)となるように、実施例及び比較例の繊維製品用処理剤組成物を投入し分散させた。その中に、女性用シャツ(サラファインUVカット クルーネックT(長袖)Lサイズ、(株)ユニクロ製)2枚を入れ(浴比20倍)、3分間攪拌した。その後、シャツを取り出し、二槽式洗濯機の脱水槽に入れて1分間脱水し、20℃65%RH下で1晩乾燥させた。この処理を5回繰り返した。
評価布D:5Lのビーカーに4Lの水道水を入れたものを準備した。そこに、女性用シャツ(サラファインUVカット クルーネックT(長袖)Lサイズ、(株)ユニクロ製)2枚を入れ(浴比20倍)、3分間攪拌した。その後、シャツを取り出し、二槽式洗濯機の脱水槽に入れて1分間脱水し、20℃65%RH下で1晩乾燥させた。この処理を5回繰り返した。
25cm×18cmの女性の写真(画像ID.02001279、ブランド名hana、(株)データクラフト社製ImageNaviより抜粋)を用意し、処理した評価布A及び評価布Bの香りを嗅ぎながら、写真の女性の衣類から評価布A及びBの香りがしたときにどのような印象の人だと感じるかを女性30名(20〜30代女性、日本人、首都圏在住、既婚者、有職主婦)に回答してもらった。評価は下記の項目に対して、7段階評価(非常にそう思う7点、かなりそう思う6点、ややそう思う5点、どちらとも言えない4点、ややそう思わない3点、かなりそう思わない2点、非常にそう思わない1点)で点数をつけてもらった。
評価項目:a.明るい・前向きな印象、b.エレガントな・上品な印象、c.可憐な・魅惑的な印象
女性30名の結果について、{(評価布Aを嗅ぎながら写真の女性を評価した時の点数)−(評価布Bを嗅ぎながら写真の女性を評価した時の点数)}を求め、平均値を計算した。
25cm×18cmの女性の写真(画像ID.02001279、ブランド名hana、(株)データクラフト社製ImageNaviより抜粋)を用意し、処理した評価布C及び評価布Dの香りを嗅ぎながら、写真の女性の衣類から評価布C及びDの香りがしたときにどのような印象の人だと感じるかを女性30名(20〜30代女性、日本人、首都圏在住、既婚者、有職主婦)に回答してもらった。評価は下記の項目に対して、7段階評価(非常にそう思う7点、かなりそう思う6点、ややそう思う5点、どちらとも言えない4点、ややそう思わない3点、かなりそう思わない2点、非常にそう思わない1点)で点数をつけてもらった。
評価項目:a.明るい・前向きな印象、b.エレガントな・上品な印象、c.可憐な・魅惑的な印象
女性30名の結果について、{(評価布Cを嗅ぎながら写真の女性を評価した時の点数)−(評価布Dを嗅ぎながら写真の女性を評価した時の点数)}を求め、平均値を計算した。
Claims (3)
- 下記の香料成分(A)〜(E)から選ばれた少なくとも4つの香料成分を含有する繊維製品用処理剤組成物用香料組成物であって、
(A)下記からなる群より選ばれた1種以上の香料成分
シトラール、ボージュナール、ヘリオトロピン、リリアール及びヘキシルシンナミックアルデヒド
(B)下記からなる群より選ばれた1種以上の香料成分
γ−メチルイオノン、β−イオノン及びスピロガルバノン
(C)下記からなる群より選ばれた1種以上の香料成分
γ−ウンデカラクトン及びクマリン
(D)下記からなる群より選ばれた1種以上の香料成分
サリチル酸ヘキシル、ジャスマサイクレン、ヘディオン、サリチル酸ベンジル及び酢酸ノピル
(E)下記からなる群より選ばれた1種以上の香料成分
ペオニール及びシトロネリルニトリル
香料成分の含有量が下記(1)〜(3)のいずれかの条件を満たす、繊維製品用処理剤組成物用香料組成物、
(1)香料成分(A)の含有量を1とした場合に、香料成分(B)の含有量が0.2〜1であり、香料成分(C)の含有量が0.7〜1.3であり、香料成分(D)の含有量が0.4〜1.5であり、香料成分(E)の含有量が0.05〜0.5である。
(2)香料成分(A)の含有量を1とした場合に、香料成分(B)の含有量が0.1〜0.4であり、香料成分(C)の含有量が0〜0.1であり、香料成分(D)の含有量が0.9〜1.5であり、香料成分(E)の含有量が0.01〜0.2である。
(3)香料成分(A)の含有量を1とした場合に、香料成分(B)の含有量が0.9〜1.5であり、香料成分(C)の含有量が1.5〜2であり、香料成分(D)の含有量が1〜2であり、香料成分(E)の含有量が0〜0.5である。
及びカチオン性化合物を含む繊維製品用処理剤組成物であって、カチオン性化合物が下記式(I)、(II)及び(IV)で表される3級アミン化合物の中和物及び4級化物、並びに水溶性のカチオン性高分子化合物からなる群より選ばれる、繊維製品用処理剤組成物。
(式中、R1は、エステル基、エーテル基又はアミド基で分断されてもよい炭素数12から20の炭化水素基を表す。
R2は、同一でも異なっていてもよく、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を示す。
R3は、同一でも異なっていてもよく、エステル基、エーテル基又はアミド基で分断されてもよい炭素数8から12の炭化水素基を表す。
R4は、同一でも異なっていてもよく、エステル基、エーテル基又はアミド基で分断されてもよい炭素数14から20の炭化水素基を表す。
R5は、エステル基、エーテル基又はアミド基で分断されてもよい炭素数14から20の炭化水素基、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基を表す。) - さらにポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ジメチルシリコーン及びアルキル変性シリコーンからなる群より選ばれるシリコーン化合物を含む請求項1記載の繊維製品用処理剤組成物。
- 芯物質が繊維製品用処理剤組成物用香料組成物であり、壁物質が、ポリアクリル酸系、ポリメタクリル酸系、メラミン系及びウレタン系高分子物質からなる群から選択された1種以上であるマイクロカプセルを含む請求項1又は2記載の繊維製品用処理剤組成物。
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