JP4739799B2 - スルホニウム化合物の製造方法 - Google Patents

スルホニウム化合物の製造方法 Download PDF

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Description

この発明はスルホニウム化合物の製造方法に関する。さらに詳しくは、光および/または熱硬化エポキシ樹脂組成物の硬化開始剤として、あるいはスチレンなどのカチオン重合性ビニル化合物の重合硬化開始剤としての効果を有するスルホニウム化合物の製造方法に関する。
公開特許公報平成3年第200761号 公開特許公報平成8年第188569号 公開特許公報平成1年第290658号 公開特許公報平成2年第172967号
特許文献1によれば、本発明の製造方法で製造することができるスルホニウム化合物、ならびにこの製造方法が開示されている。ここでは、第一に 相当する4−置換オキシフェニル ジアルキルスルホニウムクロリド、あるいは4−置換オキシフェニル ジアルキルスルホニウムメチルサルフェートを出発原料として所定の酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、例えばNaSbF6,
KSbF6, NaPF6, KPF6, KBF4, NH4SbF6のいずれかと所定の無水または含水酢酸エチル溶媒中で反応させて合成する方法、および第二に4−ヒドロキシフェニル ジアルキルスルホニウム化合物と塩化アセチル、クロルぎ酸メチルといった酸ハロゲン化物を、第三級アミンの存在下に反応させて、4−置換オキシフェニル ジアルキルスルホニウム化合物を得る方法が提案されている。
ところで、特許文献1の方法は、必ずしも満足のいく製造方法ではなかった。例えば第一の方法は4−置換オキシ基として、メトキシカルボニルオキシ基,アセトキシ基,ベンジルオキシカルボニルオキシ基,ジメチルアミノ基が例示されているが、これらの基は例えば原料として系内に添加されるNaSbF6のような酸性無機塩によってわずかに分解される。
また、第二の方法は、原料の酸ハロゲン化物の反応性が高く、溶媒などとも副反応を行うことが判明している。また、第一、第二の方法に共通するが、原料由来のハロゲンイオンが製品に残り、ハロゲンイオンを忌避する電子材料用重合硬化開始剤として使用するためにはさらに精製が必要であるなど、工業的には満足のいくものではない。
特許文献2によれば、本発明の製造方法と類似の製造方法が開示されている。ここでは、水中で4−アシルオキシフェニル アルキルスルフィド化合物とアルキルハライドから4−アシルオキシフェニル ジアルキルスルホニウムハライドを導いて、酢酸エチルを投入する。この水−酢酸エチルの2相系で例えばNaSbF6,
KSbF6, NaPF6, KPF6, KBF4, NH4SbF6を作用させて4−アシルオキシフェニル ジアルキルスルホニウム ポリフルオロ亜金属塩を得るものである。この特許文献2の特徴は、水−酢酸エチルの2相系で反応させているため、必要な4−アシルオキシフェニル ジアルキルスルホニウム ポリフルオロ亜金属塩は酢酸エチル層に、無機塩は水層に移行する。従って、酢酸エチル層を処理するだけで目的物が得られる点にある。
特許文献3はスルホニウム化合物の製造方法であり、本発明の製造方法の前工程と類似の製造方法が開示されている。ここでは、チオアニソール誘導体と硫酸ジメチルを作用させて4−アシルオキシフェニル ジアルキルスルホニウムメチル硫酸塩を導くものであり、その溶媒にトルエンが示されている。しかしながら、特許文献3には酢酸エステル系溶媒の優位性は開示されていない。
特許文献4もスルホニウム化合物の製造方法であり、本発明の製造方法と類似の製造方法が開示されている。ここでは、ジシクロヘキシルアミン等の存在下、ヒドロキシフェニル ジアルキルスルホニウム化合物のアシル化剤としてのジ炭酸ジエステルの記載がある。しかしながら、特許文献4にも酢酸エステル系溶媒の優位性は開示されていない。
従って、本発明は、特許文献1に開示された硬化開始剤として有用な化合物を高純度かつ効率よく製造するための方法に関する。
本発明は、先行特許文献1と異なり、化1で表わされる4−ヒドロキシフェニルジアルキルスルホニウム化合物とR1OR1で表される酸無水物を、ジシクロヘキシルアミンの存在下に酢酸エチルを溶媒として反応させることによって、化2で表される4−アシルオキシフェニルジアルキルスルホニウム化合物を製造する方法である。この方法は先行特許文献1に記載の第二の方法に類似しているが、反応剤が酸ハロゲン化物でなく酸無水物である点、存在すべきアミンが第三級アミンでなくジシクロヘキシルアミンである点、溶媒が酢酸エチルに限定した点が異なっており、その構成差から高純度の化合物が高収率で得られるものである。
Figure 0004739799
Figure 0004739799
(ここでR1はR−CO−基,R−SO2−基(Rは共通して1もしくはそれ以上のハロゲンで置換されていてもよいC1〜C4のアルキル基)を、R2は水素,C1〜C4のアルキル基,ハロゲンのいずれかを、R3は、C1〜C4のアルキル基,ベンジル基,ナフチルメチル基のいずれかを、R4は、C1〜C4のアルキル基である。XはSbF6,PF6,BF4を示す。)
この反応の原料である、化1で表される4−ヒドロキシフェニルジアルキルスルホニウム化合物としては、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモナート、4−ヒドロキシフェニルベンジルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモナート、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロホスファート、4−ヒドロキシフェニルメチル−2−ナフチルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモナートが例示される。また、R1OR1で表される酸無水物としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸、無水トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸無水物、トリフルオロメタンスルホン酸無水物が例示される。
反応後 副生するカルボン酸やスルホン酸を中和、除去することを目的として添加する塩基としてはジシクロヘキシルアミンのみが有効である。この理由は明らかではないが、立体障害を有するアミンが、反応から副生してくるカルボン酸やスルホン酸を取り込んで、反応を制御しているものと推定している。
これ以外の例えばトリエチルアミン、トリメチルアミン等の3級アミンは、脱酸剤として化学工業上多用されているものの、この反応においては、収率が向上していないので好ましくない。また、脱酸剤として水酸化アルカリなどの強塩基を使用すると、S-CH3の部分から水素イオンを引き抜き、イオウイリド(S=CH2)を生成させ、あるいは、SbF6イオンとOHイオンからSbF5(OH)などのイオン反応が起きて生成物の収率ならびに純度を低下させることが予想される。
従って、ジシクロヘキシルアミン以外のアミン、例えばトリエチルアミン、トリメチルアミン等や水酸化アルカリなどの塩基は本発明の方法において有効ではない。ジシクロヘキシルアミンの添加量は原料スルホニウム化合物1モルに対して0.9〜1.1モル、好ましくは0.95〜1.05モルである
溶媒についても同様に、酢酸エチルのみが有効である。本発明は、酢酸エチルのみが、この反応についての副生物を溶解させず、必要な生成物のみを溶解、分離させることができるという知見からなされたものである。従って、実施例記載のとおり、反応後、副生物はろ過によって除去することができる。これ以外の例えばベンゼン、トルエン類、DMF、ジメチルスルホキシド類、水やメタノールやエタノールといったプロトン性溶媒には、このような長所はない。
また、本発明は、化3で表される4−ヒドロキシフェニルジアルキルスルホニウム化合物を酢酸エチルに溶解させてNaSbF6類を作用させることで溶液中に化1で表されるスルホニウム化合物を生成させ、次いでその酢酸エチル溶液にジシクロヘキシルアミンの存在下に酸無水物を反応させ、化2で表される4−アシルオキシフェニルジアルキルスルホニウム化合物を製造するというワンポットの方法も提案する。
Figure 0004739799
(ここでR2は水素,C1〜C4のアルキル基,ハロゲンのいずれかを、R3は、C1〜C4のアルキル基,ベンジル基,ナフチルメチル基のいずれかを、R4は、C1〜C4のアルキル基である。Yはメチル硫酸イオンまたはハロゲンイオンを示す。)
ここで使用される化3で表される原料化合物は、R3とR4は、同一でも異なっていてもよい4−ヒドロキシフェニルジアルキルスルホニウムクロリド、あるいは4−ヒドロキシフェニルジアルキルスルホニウム メチルサルフェートが例示される。これを出発原料として所定の酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、例えばNaSbF6,
KSbF6, NaPF6, KPF6, KBF4, NH4SbF6のいずれかとを酢酸エチル溶媒中で反応させて塩交換を行う。
そして無機物を除去した溶液について、先に記載の反応、つまり、生成している4−ヒドロキシフェニルジアルキルスルホニウム化合物と酸無水物をジシクロヘキシルアミンの存在下に反応させることによって、化2で表される4−アシルオキシフェニルジアルキルスルホニウム化合物を製造することができるものである。この発明は、溶媒を酢酸エチルとすることで、副生物のろ過だけで連続的に反応を行うことができるものである。
また、第2の本発明も先行文献と異なり、化4で表される4−アシルオキシフェニル アルキルスルフィド化合物を酢酸エステルを溶媒として硫酸ジメチルと作用させて化5で表される4−アシルオキシフェニルジアルキルスルホニウム化合物を得て、次いでこのスルホニウム化合物を水で抽出し、水層にMXで表される塩類を作用させることを特徴とする化6で表される4−アシルオキシフェニルジアルキルスルホニウム化合物の製造方法である。
Figure 0004739799
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Figure 0004739799
(上記 化4〜化6などにおいて、R1はR−CO−基,R−SO2−基(Rは共通して1もしくはそれ以上のハロゲンで置換されていてもよいC1〜C4のアルキル基)、R2は水素,C1〜C4のアルキル基,ハロゲン、R3は、C1〜C4のアルキル基,ベンジル基,ナフチルメチル基、R4はメチル基、Yはメチル硫酸イオン、Mはアルカリ金属,NH4を、XはSbF6,PF6,BF4を示す。)
この方法は先行特許文献2ならびに3に記載の方法に類似しているが、第一反応における反応剤を硫酸ジメチルに限定し、スルホニウム化溶媒を酢酸エステルに限定した点、ならびに生成したスルホニウム化合物が水溶性であることを利用し、水で抽出することによって精製し、これに直接、MXで表される所定の酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩、例えばNaSbF6,
KSbF6, NaPF6, KPF6, KBF4, NH4SbF6のいずれかを作用させて水中で塩交換を行う点にその特徴がある。そしてその構成差から硬化開始剤として有用な化合物が、ハロゲンイオン等の不純物を含むことなく高純度かつ高収率で得られるものである。
この反応の原料である、化4で表されるスルフィド化合物としては、4−アセトキシフェニルメチルスルフィド、4−メタンスルホニルオキシフェニルメチルスルフィドが例示される。また、化6で表されるこの反応で製造される化合物としては、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモナート、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモナート、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロホスファート、4−アセトキシフェニルメチル−2−ナフチルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモナート、4−メタンスルホニルオキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモナート、4−メタンスルホニルオキシフェニルベンジルメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモナート、4−メタンスルホニルオキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロホスファートが例示される。
この反応の溶媒については、酢酸エステルのみが有効である。本発明にいう酢酸エステルとは、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、酢酸イソオクチル、酢酸エトキシエチルなどが例示される。そして、これら、酢酸エステルのみが、この反応についての副生物を溶解させず、必要な生成物のみを溶解、分離させることができるという知見からなされたものである。
そして、実施例記載のとおり、中間反応後、副生物は水での抽出という簡単な操作によって必要な中間体から分離することができる。溶媒として、酢酸エステル以外の例えばベンゼン、トルエン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド類、水やメタノールやエタノールといったプロトン性溶媒には、このような長所はない。酢酸エステルの添加量は、溶剤として化4のスルフィド化合物を溶解させればよい。
また、この明細書にかかるすべての発明においての反応温度は20℃以下が好ましく、生成物の分解を避ける意味から、5℃以下が特に好ましい。
以下に第1の本発明の実施例を示すが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。
実施例1
4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモナートの合成
4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモナート 11.73g(0.030モル)を酢酸エチル200mlに溶解させ、撹拌しながら、ジシクロヘキシルアミン 5.44g(0.030モル)を混合し、さらに無水酢酸 3.06g(0.030モル)を3分で滴下する。滴下時から沈殿が生じる。滴下後、更に1時間撹拌する。生成した酢酸ジシクロヘキシルアミン塩をろ別し、溶媒を濃縮することで白色結晶の4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモナートを得る。収量11.52g(収率88.7%)であった。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による純度は99.3%であった。
実施例2
4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモナートの合成
4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム クロライド5.72g(0.030モル)を酢酸エチル250mlに溶解させ、撹拌しながら、KSbF6 8.24g(0.030モル)の粉末を加える。1時間撹拌して生成した無機物をろ別する。この溶液を撹拌しながら、ジシクロヘキシルアミン 5.44g(0.030モル)を混合し、さらに無水酢酸 3.06g(0.030モル)を5分で滴下する。滴下時から沈殿が生じる。滴下後、更に1時間撹拌する。実施例1と同様に処理して、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモナート11.09g(収率85.4%)を得る。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による純度は99.0%であった。
実施例3
4−トリフルオロメタンスルホニルオキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモナートの合成
4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモナート 11.73g(0.030モル)を酢酸エチル200mlに溶解させ、撹拌しながら、ジシクロヘキシルアミン 5.44g(0.030モル)を混合し、さらにトリフルオロメタンスルホン酸無水物 8.46g(0.030モル)を5分で滴下する。滴下時から沈殿が生じる。滴下後、更に1時間撹拌する。実施例1と同様に処理して、白色結晶の4−トリフルオロメタンスルホニルオキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモナートを得る。収量13.11g(収率83.6%)であった。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による純度は99.4%であった。
実施例4
4−プロピオニルオキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモナートの合成
4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモナート 11.73g(0.030モル)を酢酸エチル200mlに溶解させ、撹拌しながら、ジシクロヘキシルアミン 5.44g(0.030モル)を混合し、さらに無水プロピオン酸
3.90g(0.030モル)を3分で滴下する。滴下時から沈殿が生じる。滴下後、更に1時間撹拌する。生成したプロピオン酸ジシクロヘキシルアミン塩をろ別し、溶媒を濃縮することで白色結晶の4−プロピオニルオキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモナートを得る。収量11.0g(収率82.0%)であった。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による純度は99.5%であった。
比較例1
ジシクロヘキシルアミンに代えてトリエチルアミン 3.03g(0.030モル)を 使用した以外は実施例1に従って実施した。白色結晶の4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモナートを得る。収量5.69g(収率43.8%)であった。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による純度は98.3%であった。
比較例2
溶媒として酢酸エチル200mLをジメチルホルムアミド200mLに代えた以外は実施例1に従って実施した。副生物との分離ができなかったので、反応終了後、水を加えて生成物を取り出し、再結晶を行った。白微黄色結晶の4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモナートを得る。収量8.04g(収率61.9%)であった。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による純度は再結晶後にもかかわらず、97.1%であった。
比較例3
ジシクロヘキシルアミンに代えて水酸化ナトリウム 1.20g(0.030モル)を 使用した以外は実施例1に従って実施した。白色結晶の4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモナートを得る。収量2.99g(収率23.0%)であった。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による純度は96.4%であった。
以下に第2の本発明の実施例を示す。
参考例
4−アセトキシフェニルメチルスルフィドの合成
フランス公開特許2456731号に記載の方法に準じて合成した。4−ヒドロキシフェニルメチルスルフィド4.24g(0.03モル)と無水酢酸 3.37g(0.033モル)を混合して冷却しながら撹拌し、これに濃硫酸3滴を加えると発熱反応が開始した。2時間撹拌した後、過剰の無水酢酸を蒸留することで除いた。一夜放置し、冷却した後、固形物をヘキサンで再結晶したところ、4−アセトキシフェニルメチルスルフィド4.26gが得られた。収率75.4%
実施例5
4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモナートの合成
参考例で合成した4−アセトキシフェニルメチルスルフィド5.65g(0.030モル)を酢酸エチル100mlに溶解させ、撹拌しながら、ジメチル硫酸3.78g(0.030モル)を3分で滴下する。滴下時から沈殿が生じる。滴下後、更に1時間撹拌する。その後、水50mLを加え、3分間強く撹拌することで水層に、生成物である4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウム メチルサルフェートを移行させる。水層を分液しこれにNaSbF6 7.7g(0.030モル)の水溶液50mLを10分間で滴下したところ、白色結晶の4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモナートを得る。収量12.03g(収率92.6%)であった。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による純度は99.3%であった。
実施例6
酢酸エチルに代えて酢酸ブチル 100mLを使用した以外は実施例5に従って実施した。白色結晶の4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモナートを得る。収量11.78g(収率90.7%)であった。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による純度は99.3%であった。
実施例7
4−メタンスルホニルオキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモナートの合成
4−メタンスルホニルオキシフェニルメチルスルフィド6.55g(0.030モル)を酢酸エチル100mlに溶解させ、撹拌しながら、ジメチル硫酸3.78g(0.030モル)を3分で滴下する。滴下時から沈殿が生じる。滴下後、更に1時間撹拌する。その後、水50mLを加え、3分間強く撹拌することで水層に、生成物である4−メタンスルホニルオキシフェニルジメチルスルホニウム メチルサルフェートを移行させる。水層を分液しこれにNaSbF6 7.7g(0.030モル)の水溶液50mLを10分間で滴下したところ、4−メタンスルホニルオキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモナートを得る。収量12.48g(収率88.7%)であった。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による純度は99.0%であった。
比較例4
酢酸エチルに代えてトルエン 100mLを使用した以外は実施例5に従って実施した。白色結晶の4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモナートを得る。収量5.69g(収率43.8%)であった。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による純度は98.3%であった。
比較例5
酢酸エチルに代えて塩化メチレン100mLを使用した以外は実施例5に従って実施した。微黄白色結晶の4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウム ヘキサフルオロアンチモナートを得る。収量10.29g(収率79.2%)であった。高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による純度は95.0%であった。
実施例で明らかなように、本発明のジアルキルスルホニウム化合物の製造方法によれば、高純度を必要とする、エポキシ硬化開始剤として使用されるスルホニウム塩を簡便な方法で製造することができる。

Claims (3)

  1. 化1で表される4−ヒドロキシフェニルジアルキルスルホニウム化合物とR1OR1で表される酸無水物をジシクロヘキシルアミンの存在下に酢酸エチルを溶媒として反応させることを特徴とする化2で表される4−アシルオキシフェニルジアルキルスルホニウム化合物の製造方法。
    (ここでR1はR−CO−基,R−SO2−基(Rは共通して1もしくはそれ以上のハロゲンで置換されていてもよいC1〜C4のアルキル基)、R2は水素,C1〜C4のアルキル基,ハロゲン、R3は、C1〜C4のアルキル基,ベンジル基,ナフチルメチル基、R4は、C1〜C4のアルキル基である。XはSbF6,PF6,BF4を示す。)
    Figure 0004739799
    Figure 0004739799
  2. 化3で表される4−ヒドロキシフェニルジアルキルスルホニウム化合物を酢酸エチルに溶解させてMXで表される塩類を作用させ、次いでその酢酸エチル溶液にジシクロヘキシルアミンの存在下にR1OR1で表される酸無水物を反応させることを特徴とする化4で表される4−アシルオキシフェニルジアルキルスルホニウム化合物の製造方法。
    (ここでR1はR−CO−基,R−SO2−基(Rは共通して1もしくはそれ以上のハロゲンで置換されていてもよいC1〜C4のアルキル基)を、R2は水素,C1〜C4のアルキル基,ハロゲンのいずれかを、R3は、C1〜C4のアルキル基,ベンジル基,ナフチルメチル基のいずれかを、R4は、C1〜C4のアルキル基である。Mはアルカリ金属,NH4を、XはSbF6,PF6,BF4を、Yはメチル硫酸イオンまたはハロゲンイオンを示す。)

    Figure 0004739799
    Figure 0004739799

  3. 化5で表される4−アシルオキシフェニル アルキルスルフィド化合物を酢酸エステルを溶媒として硫酸ジメチルと作用させて化6で表される4−アシルオキシフェニルジアルキルスルホニウム化合物となし、次いでこれを水で抽出し、水層にMXで表される塩類を作用させることを特徴とする化7で表される4−アシルオキシフェニルジアルキルスルホニウム化合物の製造方法。
    (ここで、R1はR−CO−基,R−SO2−基(Rは共通して1もしくはそれ以上のハロゲンで置換されていてもよいC1〜C4のアルキル基)、R2は水素,C1〜C4のアルキル基,ハロゲン、R3は、C1〜C4のアルキル基,ベンジル基,ナフチルメチル基、R4はメチル基、Yはメチル硫酸イオン、Mはアルカリ金属,NH4を、XはSbF6,PF6,BF4を示す。)

    Figure 0004739799
    Figure 0004739799

    Figure 0004739799

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