JP4738398B2 - 内燃機関のオイルポンプ構造 - Google Patents
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Description
また、クランクケースの中央から潤滑油を吐出することができず、左ケース半体側から偏って吐出されるので、油路を短く効果的にレイアウトすることが難しい。
また、第1ケースと第2ケースの合せ面であるクランクケースの中央から潤滑油を吐出することができ、油路を極力短くし効率的にレイアウトすることができる。
そして、スカベンジポンプの吐出油口は略上方に向いてオイルパン内の上部空間に開口しているので、オイルパン内のオイルがスカベンジポンプ内に浸入することが極力防止され、オイルパン内のオイルが攪拌されるのを抑え気泡の混入を防止することができる。
本実施の形態に係る内燃機関Eは、内燃機関Eの後方に変速機Mを一体に備えて自動二輪車に搭載される。
なお、本実施の形態において、前後左右は、車両を基準としたときの前後左右に一致するものとする。
左右一対のピボットプレート3p,3pの中央高さ位置に架設されたピボット軸5に、図示しない後輪を支持するリヤフォーク6が揺動自在に前端を軸支されている。
このようにシリンダが後傾姿勢にある内燃機関Eのクランクケース11の前半上部がクランク室Ccであり、後半部がミッション室Cmとなっている。
なお、クランク室Ccの下方のオイルパン室Coは、クランクケース11の下方に延出して一体に形成されたオイルパン15の内側の室である。
カウンタ軸22はリヤフォーク6を軸支するピボット軸5の前方近い位置にあり、カウンタ軸22に嵌着された駆動チェーンスプロケット23に巻き掛けられる駆動チェーン24が、リヤフォーク6の後端に設けられる図示されない被動チェーンスプロケットに架渡されてチェーン伝達機構が構成され後輪側に動力が伝達される。
また、若干後傾したシリンダヘッド13の後面からは、排気ポート13eの延長である排気通路16eが後方に略水平に延出しており、同排気通路16eに排気管18が左右一対のメインフレーム3,3間で連結されている。
左右のボディカバー7は、下部に行くにしたがい互いに接近して、最下端が互いに連結された先細形状を形成しており、前記排気管18およびマフラー19が下方をボディカバー7で覆われて保護されている(図7,図8参照)。
かかるクランク軸20における左右軸体20L,20Rのクランクウエブ20w,20wと隣接する部分が軸受されるジャーナル部20Lj,20Rjである。
左右クランクケース11L,11Rの合体でクランク室Ccの上方に形成された円開口に、シリンダブロック12のシリンダ12aの下部が嵌入され、シリンダ12aのシリンダボア12b内にピストン30が往復摺動自在に嵌合される。
左サイドカバー40は椀状をして、その底面中央から突出した円筒部41がクランク軸20の左端部に被せられて、同円筒部41にボルト26bによりインナステータ26sの固定子鉄心が固着される。
なお、バランサ軸55の右軸端部には、バランサ被動ギヤ27bのほかに水ポンプ駆動ギヤ59aが嵌着されている。
変速クラッチ50は、多数のクラッチ板50pを備え、クラッチ操作機構により操作されて変速機Mへのクランク軸20の動力の伝達および遮断を行う。
右サイドカバー45は、前記変速クラッチ50の周囲を覆い開口する円筒部45a、クランク軸20の軸方向箇所に円開口45bが形成されるとともに、円開口45bの上方に水ポンプ56のポンプボディ45cが形成されており、円筒部45aの開口にはクラッチカバー46が被せられ、円開口45bには蓋部材47が嵌合され、水ポンプボディ45cには水ポンプカバー48が被せられる。
水ポンプ駆動軸56aには水ポンプ被動ギヤ59bが嵌着されていて、同水ポンプ被動ギヤ59bはより前方の前記バランサ軸55の右軸端部に嵌着された水ポンプ駆動ギヤ59aと噛合し、バランサ軸55の回転動力が水ポンプ56の駆動に伝達される。
図5および図9を参照して、クランクケース11のクランク室Ccと下方のオイルパン室Coとを仕切る仕切壁11oは、クランクウエブ20wの回転軌跡に沿ってクランク室Ccの下半部を略円弧状に仕切っており、その後部にトロコイド型のスカベンジポンプ70のロータ収容室71が形成されている。
ロータ収容室71は、左クランクケース11Lに合せ面11Lsに臨んで凹出形成される左ロータ収容凹部71Lと右クランクケース11Rに合せ面11Rsに臨んで凹出形成される右ロータ収容凹部71Rとがポンプ駆動軸72の軸方向に連通して構成されている(図7参照)。
スカベンジポンプ70は、オイルパン室Coの上部にあって、吐出油口A2はオイルパン室Coの後方の上部空間に開口している。
ロータ収容室81の左側開口を蓋部材82が閉塞して内部にアウタロータ83とインナロータ84を収容する。
図8に示すように、吸油管91は、左クランクケース11L内で、上端が通路壁81aの前端開口に連結されて左方に延出し、次いで下方へ湾曲した後にオイルパン室Co内を斜め下方に直線的に延び、下端に設けられたオイルストレーナ90がオイルパン室Coの前部の最低底面の近傍に配置されている。
なお、吐出ケース油路B3の途中にはリリーフ弁85が設けられており、吐出油圧が設定圧を超えたときは吐出油の一部をオイルパン室Coに戻すようになっている。
オイルフィルタ92は、左クランクケース11Lにおけるクランク軸20の左端部を覆う円筒部41と後端の吐出ケース油路B4に対応する部分との間に有底円筒状のフィルタハウジング93を形成して設けられる。
内側シール部材95は、フィルタエレメント92eを通過しない浄化されていないオイルが流出ケース油路B6に漏れて下流に流出するのを防止し、外側シール部材96は、流出ケース油路B6から外部にオイルが漏れるのを防止している。
ピストンジェット油路J2が開口する左側主軸受部11Lbの右方に向いた垂直面にジェットノズル部材105がボルト106により固着されており、ジェットノズル部材105のジェットノズルN2がピストンジェット油路J2に連通する。
ピンボス34,34は、ピストンスカート33,33より下方に突出している。
図3を参照して、ケース油路E1は、シリンダブロック12との合せ面に形成されたケース油溝E2に開口し、ケース油溝E2は左後のヘッドボルトh2のボルト孔を利用したシリンダ油路E3に連通しており、シリンダ油路E3の上端がシリンダヘッド13との合せ面においてシリンダヘッド13に形成されたヘッド油路E4に連通し、上方に延びるヘッド油路E4からカムホルダ68e,68iにオイルが供給され、動弁装置65の所要部が潤滑される。
そして、スカベンジポンプ70の吐出油口A2は略上方に向いてオイルパン室Co内の上部空間に開口しているので、オイルパン室Co内のオイルがスカベンジポンプ70内に浸入することが極力防止され、オイルパン室Co内のオイルが攪拌されるのを抑え気泡の混入を防止することができる。
11…クランクケース、Cc…クランク室、Cm…ミッション室、Co…オイルパン室、11m…仕切壁、11o…仕切壁、11L…左クランクケース、11R…右クランクケース、12…シリンダブロック、12a…シリンダ、15…オイルパン、20…クランク軸、
70…スカベンジポンプ、71…ロータ収容室、72…ポンプ駆動軸、73L,73R…アウタロータ、74L,74R…インナロータ、
80…フィードポンプ。
Claims (3)
- クランク軸の両側ジャーナル部を軸支する一対の第1ケースと第2ケースが前記クランク軸に直交する平面に沿う合せ面で結合されてクランクケースが構成され、
オイルポンプのロータを収容するロータ収容室が前記第1ケースと前記第2ケースの合せ面に沿って形成される内燃機関のオイルポンプ構造において、
前記第1ケースに前記合せ面に臨んで形成される第1ロータ収容凹部と前記第2ケースに前記合せ面に臨んで形成される第2ロータ収容凹部とがポンプ駆動軸方向に連通して前記ロータ収容室が構成され、
前記第1ロータ収容凹部に収容される第1ロータと前記第2ロータ収容凹部に収容される第2ロータとが共通の前記ポンプ駆動軸により回動することを特徴とする内燃機関のオイルポンプ構造。 - 前記第1ケースと前記第2ケースの結合により前記クランク軸を収納するクランク室が形成され、
前記オイルポンプは、前記クランク室の底部に配置されてクランク室内のオイルを排出するスカベンジンポンプとしたことを特徴とする請求項1記載の内燃機関のオイルポンプ構造。 - 前記クランク室の下方にオイルパンが形成され、
前記スカベンジポンプの吐出油口は前記ロータ収容室の上壁部に位置し略上方に向いて前記オイルパン内の上部空間に開口していることを特徴とする請求項2記載の内燃機関のオイルポンプ構造。
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