JP5873733B2 - 内燃機関のオイル噴射装置 - Google Patents
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Description
クランクケースと、該クランクケースに結合されたシリンダと、該シリンダ内を摺動するピストンと、を備える内燃機関に対して、前記ピストンのクランクケース側に臨む裏側部分に向けて、前記クランクケースに形成した挿入孔に挿入固定されたオイル噴射ジェットからオイルを噴射し、それによりピストンを冷却する内燃機関のオイル噴射装置において、
前記オイル噴射ジェットが、前記クランクケースに形成した挿入孔に挿入される円筒ケーシングを有しており、
前記円筒ケーシングの先端部に、該円筒ケーシングの軸線の延長方向から外れた方向に角度を持ってオイルを噴射するオイル噴射孔が設けられると共に、
前記円筒ケーシングの外周に、周方向に前記オイル噴射孔と一定の角度関係を持って配置され、前記円筒ケーシングを前記挿入孔に挿入したときに該挿入孔の内周に形成された位置決め凹部または凸部と係合することで前記円筒ケーシングを周方向に位置決めして、それにより前記オイル噴射孔からのオイルの噴射方向を定める位置決め凸部または凹部が設けられており、
前記内燃機関が、複数のシリンダとピストンを有する多気筒内燃機関であり、
前記オイル噴射ジェットが、それぞれのシリンダ及びピストンに対応して設けられており、
前記内燃機関は、前記複数のシリンダが並列に配列されたものであり、
前記ピストンの軸中心に対して異なる距離に配置された前記オイル噴射ジェットは、これらシリンダの配列方向から見て、各列のピストンに対する噴射角度が異なるように装備されており、
前記円筒ケーシングの外周に形成された前記位置決め凹部又は凸部が、前記挿入孔を軸線方向から見て、それぞれで異なる噴射角度に形成されたことを特徴とする。
前記挿入孔が、前記クランクケース上に設定された給油面から前記ピストンの下部空間に面するクランクケース内壁までを突き抜けるように貫通形成されており、前記オイル噴射ジェットの円筒ケーシングが、前記給油面から前記挿入孔に挿入されて、その先端を前記クランクケースの内壁から突出させる位置で、軸線方向に位置決めされていることを特徴とする。
前記オイル噴射ジェットの円筒ケーシングは、前記オイル噴射孔を有する先端側が後端側の大径部に比べて小径に形成されており、前記後端側の大径部の外周に、該大径部と前記挿入孔との間をシールするシール部材が嵌合され、該シール部材により、前記挿入孔の内周に嵌合固定されていることを特徴とする。
前記円筒ケーシングの前記シール部材を嵌合した位置よりも後端寄りの位置に、前記円筒ケーシングの内部通路に対してオイルを導入する導入孔が放射状に複数設けられていることを特徴とする。
前記クランクケースがクランク軸の中心で分割されており、その分割面の一部にオイルが供給されるクランクジャーナルが設けられており、そのクランクジャーナルのジャーナル面に前記挿入孔が形成されていることを特徴とする。
前記クランクジャーナルが3以上形成され、
このうちの少なくとも1つに、シリンダヘッドにオイルを供給するためのオイル通路が形成されており、
残余のクランクジャーナルに形成した前記挿入孔にそれぞれオイル噴射ジェットが挿入固定されていることを特徴とする。
まず、図1〜図3を用いて、本実施形態のオイル噴射装置が装備された内燃機関の全体構成について説明する。
なお、以下の説明における前後左右上下等の向きは、内燃機関を自動二輪車等の小型車両に搭載した状態での車両の向きに従うものとする。図中矢印FRは車両前方を、LHは車両左方を、RHは車両右方を、UPは車両上方をそれぞれ示している。
図1〜図3は、内燃機関1を、図示しない車両に搭載した状態の姿勢で示している。この内燃機関1は、クランク軸2を、搭載される車両である図示しない自動二輪車の車幅方向、すなわち左右方向に配向させて自動二輪車に搭載された水冷直列2気筒(多気筒)の4ストロークサイクル内燃機関である。
内燃機関1を始動するスタータモータ66(図1参照)は、上側クランクケース10Aの中央上面位置に取り付けられている。スタータモータ66の回転は、図示しない始動用減速ギヤを介して、始動用被動ギヤ64に伝達され、始動用被動ギヤ64の回転が一方向クラッチ65、アウタロータ45aを介してクランク軸2に伝達されて、内燃機関1が始動される。
また、この内燃機関1には、図4〜図6に示すように、各シリンダボア11a内を往復運動するピストン3A、3Bに対して、オイルを噴射(図4〜図6中の矢印Pでオイルの噴射を示す)するオイル噴射装置が装備されている。このオイル噴射装置は、各ピストン3A、3Bのクランクケース10側に臨む裏側前方部分に向けて、上側クランクケース10Aのジャーナル壁15Aに形成した挿入孔110に挿入固定されたオイル噴射ジェット120から、オイルを噴射してピストン3A、3Bを冷却するものであり、オイル噴射ジェット120は、各シリンダ11aのピストン3A、3Bに対応して2つ設けられている。
なお、図4に示すように、クランクジャーナル115Aのジャーナル面には、ジャーナル軸受16側の凸部と係合することで、ジャーナル軸受16を位置決めする位置決め凹部160が設けられている。
2 クランク軸
3A、3B ピストン
10 クランクケース
10a 分割面
10A 上側クランクケース
10B 下側クランクケース
11a シリンダ(シリンダボア)
110 挿入孔
112 位置決め凹部
115A クランクジャーナル
120 オイル噴射ジェット
121 円筒ケーシング
122 オイル噴射孔
123 内部通路
127 Oリング(シール部材)
129 導入孔
130 位置決め凸部
140 オイル通路
Claims (6)
- クランクケース(10、10A、10B)と、該クランクケースに結合されたシリンダ(11a)と、該シリンダ内を摺動するピストン(3A、3B)と、を備える内燃機関(1)に対して、前記ピストンのクランクケース側に臨む裏側部分に向けて、前記クランクケースに形成した挿入孔(110)に挿入固定されたオイル噴射ジェット(120)からオイルを噴射し、それによりピストンを冷却する内燃機関のオイル噴射装置において、
前記オイル噴射ジェットが、前記クランクケースに形成した挿入孔に挿入される円筒ケーシング(121)を有しており、
前記円筒ケーシングの先端部に、該円筒ケーシングの軸線の延長方向から外れた方向に角度を持ってオイルを噴射するオイル噴射孔(122)が設けられると共に、
前記円筒ケーシングの外周に、周方向に前記オイル噴射孔と一定の角度関係を持って配置され、前記円筒ケーシングを前記挿入孔に挿入したときに該挿入孔の内周に形成された位置決め凹部(112)または凸部と係合することで前記円筒ケーシングを周方向に位置決めして、それにより前記オイル噴射孔からのオイルの噴射方向を定める位置決め凸部(130)または凹部が設けられており、
前記内燃機関が、複数のシリンダとピストンを有する多気筒内燃機関であり、
前記オイル噴射ジェットが、それぞれのシリンダ及びピストンに対応して設けられており、
前記内燃機関は、前記複数のシリンダが並列に配列されたものであり、
前記ピストンの軸中心に対して異なる距離に配置された前記オイル噴射ジェットは、これらシリンダの配列方向から見て、各列のピストンに対する噴射角度が異なるように装備されており、
前記円筒ケーシングの外周に形成された前記位置決め凹部(112)又は凸部が、前記挿入孔(110)を軸線方向から見て、それぞれで異なる噴射角度に形成されたことを特徴とする内燃機関のオイル噴射装置。 - 前記挿入孔が、前記クランクケース上に設定された給油面から前記ピストンの下部空間に面するクランクケース内壁までを突き抜けるように貫通形成されており、前記オイル噴射ジェットの円筒ケーシングが、前記給油面から前記挿入孔に挿入されて、その先端を前記クランクケースの内壁から突出させる位置で、軸線方向に位置決めされていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のオイル噴射装置。
- 前記オイル噴射ジェットの円筒ケーシングは、前記オイル噴射孔を有する先端側が後端側の大径部(125)に比べて小径に形成されており、前記後端側の大径部の外周に、該大径部と前記挿入孔との間をシールするシール部材(127)が嵌合され、該シール部材により、前記挿入孔の内周に嵌合固定されていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関のオイル噴射装置。
- 前記円筒ケーシングの前記シール部材を嵌合した位置よりも後端寄りの位置に、前記円筒ケーシングの内部通路(123)に対してオイルを導入する導入孔(129)が放射状に複数設けられていることを特徴とする請求項3に記載の内燃機関のオイル噴射装置。
- 前記クランクケースがクランク軸(2)の中心で分割されており、その分割面(10a)の一部にオイルが供給されるクランクジャーナル(115A)が設けられており、そのクランクジャーナルのジャーナル面に前記挿入孔が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関のオイル噴射装置。
- 前記クランクジャーナルが3以上形成され、
このうちの少なくとも1つに、シリンダヘッドにオイルを供給するためのオイル通路(140)が形成されており、
残余のクランクジャーナルに形成した前記挿入孔にそれぞれオイル噴射ジェット(120)が挿入固定されていることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関のオイル噴射装置。
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