JP5873733B2 - 内燃機関のオイル噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ピストンの裏側(クランクケース側に臨む部分)に向けてオイルを噴射してピストンを冷却する内燃機関のオイル噴射装置に関する。
クランクケースに装備したオイル噴射ジェットから、ピストンの裏側に向けてオイルを噴射してピストンを冷却する技術が、特許文献1において知られている。この技術においては、オイル噴射ジェットの先端のオイル噴射孔を、オイル噴射ジェットの軸線に対して傾けて配置することにより、噴射対象箇所に軸線の延長線を向けてオイル噴射ジェットを配置することができない場合でも、噴射対象箇所に向けてオイルを噴射することができる。
特開平9−68042号公報
ところで、このようにオイル噴射孔をオイル噴射ジェットの軸線に対して傾けて配置した場合には、オイル噴射ジェットのクランクケースへの取付向き(オイル噴射ジェットの周方向における取付向き)が規定されることになる。つまり、オイル噴射ジェットを周方向に位置決めしながら、クランクケースに取り付けなくてはならない。そこで、特許文献1の技術では、オイル噴射ジェットのケーシングにビス孔を有したフランジを設け、このフランジをクランクケースに固定する際のビスの取付位置によって、オイル噴射ジェットの取付向きを規定している。
しかし、このようにビスとフランジによってオイル噴射ジェットの周方向の取付位置を決める場合、オイル噴射ジェットの周囲にビス取付用のスペースを確保する必要が出てくる。このビス取付用のスペースは、オイル噴射ジェットに比べて大きなスペースを占めるため、オイル噴射ジェットを配置できる位置に制約を受けやすくなる。また、仮りにビス取付用のスペースを確保できたとしても、複数のオイル噴射ジェットに対して同一条件でビス取付用のスペースを確保できるとは限らず、ビスの取付条件に違いが生じることになった場合は、結局、専用のオイル噴射ジェットを用意する必要が生じてしまい、部品点数の増加を招くおそれがあった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、余計な取付スペースを必要とせずに、共用のオイル噴射ジェットを装備することができ、共用のオイル噴射ジェットを使用しながら、噴射条件が異なる場合であっても、所望の噴射対象箇所に向けてオイルを正確に噴射することができる内燃機関のオイル噴射装置を提供することにある。
前述した目的を達成するために、請求項1の発明は、
クランクケースと、該クランクケースに結合されたシリンダと、該シリンダ内を摺動するピストンと、を備える内燃機関に対して、前記ピストンのクランクケース側に臨む裏側部分に向けて、前記クランクケースに形成した挿入孔に挿入固定されたオイル噴射ジェットからオイルを噴射し、それによりピストンを冷却する内燃機関のオイル噴射装置において、
前記オイル噴射ジェットが、前記クランクケースに形成した挿入孔に挿入される円筒ケーシングを有しており、
前記円筒ケーシングの先端部に、該円筒ケーシングの軸線の延長方向から外れた方向に角度を持ってオイルを噴射するオイル噴射孔が設けられると共に、
前記円筒ケーシングの外周に、周方向に前記オイル噴射孔と一定の角度関係を持って配置され、前記円筒ケーシングを前記挿入孔に挿入したときに該挿入孔の内周に形成された位置決め凹部または凸部と係合することで前記円筒ケーシングを周方向に位置決めして、それにより前記オイル噴射孔からのオイルの噴射方向を定める位置決め凸部または凹部が設けられており、
前記内燃機関が、複数のシリンダとピストンを有する多気筒内燃機関であり、
前記オイル噴射ジェットが、それぞれのシリンダ及びピストンに対応して設けられており、
前記内燃機関は、前記複数のシリンダが並列に配列されたものであり、
前記ピストンの軸中心に対して異なる距離に配置された前記オイル噴射ジェットは、これらシリンダの配列方向から見て、各列のピストンに対する噴射角度が異なるように装備されており、
前記円筒ケーシングの外周に形成された前記位置決め凹部又は凸部が、前記挿入孔を軸線方向から見て、それぞれで異なる噴射角度に形成されたことを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1の構成において、
前記挿入孔が、前記クランクケース上に設定された給油面から前記ピストンの下部空間に面するクランクケース内壁までを突き抜けるように貫通形成されており、前記オイル噴射ジェットの円筒ケーシングが、前記給油面から前記挿入孔に挿入されて、その先端を前記クランクケースの内壁から突出させる位置で、軸線方向に位置決めされていることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項の構成において、
前記オイル噴射ジェットの円筒ケーシングは、前記オイル噴射孔を有する先端側が後端側の大径部に比べて小径に形成されており、前記後端側の大径部の外周に、該大径部と前記挿入孔との間をシールするシール部材が嵌合され、該シール部材により、前記挿入孔の内周に嵌合固定されていることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項の構成において、
前記円筒ケーシングの前記シール部材を嵌合した位置よりも後端寄りの位置に、前記円筒ケーシングの内部通路に対してオイルを導入する導入孔が放射状に複数設けられていることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1〜のいずれかの構成において、
前記クランクケースがクランク軸の中心で分割されており、その分割面の一部にオイルが供給されるクランクジャーナルが設けられており、そのクランクジャーナルのジャーナル面に前記挿入孔が形成されていることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項の構成において、
前記クランクジャーナルが3以上形成され、
このうちの少なくとも1つに、シリンダヘッドにオイルを供給するためのオイル通路が形成されており、
残余のクランクジャーナルに形成した前記挿入孔にそれぞれオイル噴射ジェットが挿入固定されていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、複数の噴射対象箇所を持つ内燃機関において、共用のオイル噴射ジェットを用いながら、噴射条件が異なる場合であっても、所望の噴射対象箇所に向けてオイルを噴射することができる。例えば、クランクケースに、それぞれの噴射対象箇所に向けてオイルを噴射する複数のオイル噴射ジェットの挿入孔が設けられている場合、各オイル噴射ジェットからそれぞれの噴射対象箇所までの距離や角度の条件が異なると、噴射したオイルが噴射対象箇所に正確に当たらない場合が出てくる。しかし、そういう場合であっても、各挿入孔の内周に形成する位置決め部(凹部または凸部)の位置を変えることによって、共用のオイル噴射ジェットを使用しながら、各オイル噴射ジェットの噴射方向を、所望の噴射対象箇所に合わせることができる。つまり、同一形状のオイル噴射ジェットを用いながら、各挿入孔にオイル噴射ジェットを装着した段階で、噴射方向をそれぞれに違えることができるため、所望の噴射対象箇所に対して、オイル噴射ジェットによる噴射オイルを正確に当てることができる。また、オイル噴射ジェットの周方向の位置決めは、オイル噴射ジェットの円筒ケーシングの外周に形成した位置決め凹部または凸部と、このオイル噴射ジェットを挿入するクランクケース側の挿入孔の内周に形成した位置決め凸部または凹部との組み合わせによって行うので、余計な取付スペースをオイル噴射ジェットの周囲に確保する必要がなく、取付位置に制限を受けることもない。
また、複数のシリンダ及びピストンを有する多気筒内燃機関において、オイル噴射ジェットから噴射対象箇所までの距離の条件の異なるシリンダが存在する場合であっても、各シリンダ専用のオイル噴射ジェットをそれぞれ用意することなく、共通のオイル噴射ジェットを使用しながら、各オイル噴射ジェットの噴射方向を、所望の噴射対象箇所に合わせることができる。従って、部品共用化によるコスト削減が図れる。
さらに、例えば、各シリンダのオイル噴射ジェットの配置位置が、ピストンの軸中心に対して異なる距離に配置せざるを得ない場合であっても、噴射角度のみを調整することにより、ピストンへの噴射オイルの到達を可能にすることができる。
請求項の発明によれば、オイル噴射ジェットの円筒ケーシングを、クランクケース上に設定した給油面から挿入孔に挿入して先端のみを露出させた状態で固定できるようにしているので、円筒ケーシングの先端に設けたオイル噴射孔を、クランクケースの壁で邪魔されないようにすることができる。従って、障害なく自由に噴射方向を設定することができる。
請求項の発明によれば、シール部材を円筒ケーシングの後端部の大径部に嵌めて、このシール部材により、円筒ケーシングと挿入孔との間をシールしながら円筒ケーシングを軸線方向に固定しているので、シール部材によって、挿入孔との間のオイル漏れをシールすることができるだけでなく、オイル噴射ジェットの挿入角度の調整が容易となる。
請求項の発明によれば、シール部材を嵌めた位置よりも後端寄りの位置に放射状にオイルの導入孔を形成することで、シール部材によって液密に留められたオイルを、複数の導入孔からオイル噴射ジェットの円筒ケーシングの内部通路に導くことができるので、噴射孔に向けて良好にオイルを供給することができる。
請求項の発明によれば、潤滑オイルが供給されるクランクジャーナル面(給油面)にオイル噴射ジェットを挿入する挿入孔を形成したことで、ジャーナル面への供給オイルを利用して、オイル噴射ジェットへのオイル供給を、特別なオイル通路を介さずに行うことができる。
請求項の発明によれば、クランクジャーナルのうちシリンダヘッドへのオイル供給通路が形成されないジャーナル面にオイル噴射ジェットの挿入孔を設けることで、シリンダヘッドへのオイル供給を阻害することなく、残余のジャーナルにオイル噴射ジェットを配置することができる。従って、オイル噴射ジェットとシリンダヘッドへの給油を両立させることができる。
本発明の一実施形態のオイル噴射装置を装備した内燃機関のクランク軸方向から見た左側面断面図であり、図2のI−I矢視断面図である。 図1のII−II矢視断面図である。 図2のIII−III矢視による内燃機関のクランク軸方向から見た右側面断面図である。 本実施形態のオイル噴射装置を装備した部分の要部拡大断面図である。 オイル噴射装置の一方のシリンダ側のオイル噴射ジェットによるオイル噴射の様子をクランク軸方向から見て示す拡大図である。 オイル噴射装置の他方のシリンダ側のオイル噴射ジェットによるオイル噴射の様子をクランク軸方向から見て示す拡大図である。 前記オイル噴射ジェットを挿入するクランクケース側の挿入孔の構成を図4と逆方向に見た断面で示す拡大図である。 図7のVIIIーVIII矢視図である。 前記オイル噴射ジェットの構成図で、(a)は側断面図、(b)は(a)のIXb−IXb矢視図、(c)は(a)のIXc−IXc矢視断面図、(d)は(a)のIXd−IXd矢視図、(e)は(a)のIXe部の拡大図である。 前記オイル噴射ジェットへのオイルの供給ルートを示す模式図である。
以下、本発明の一実施形態に係る内燃機関のオイル噴射装置について図面に基づいて説明する。
まず、図1〜図3を用いて、本実施形態のオイル噴射装置が装備された内燃機関の全体構成について説明する。
なお、以下の説明における前後左右上下等の向きは、内燃機関を自動二輪車等の小型車両に搭載した状態での車両の向きに従うものとする。図中矢印FRは車両前方を、LHは車両左方を、RHは車両右方を、UPは車両上方をそれぞれ示している。
<内燃機関の全体構成>
図1〜図3は、内燃機関1を、図示しない車両に搭載した状態の姿勢で示している。この内燃機関1は、クランク軸2を、搭載される車両である図示しない自動二輪車の車幅方向、すなわち左右方向に配向させて自動二輪車に搭載された水冷直列2気筒(多気筒)の4ストロークサイクル内燃機関である。
図1に示されるように、クランク軸2を車幅方向に配置して軸支するクランクケース10は、クランク軸2を中心にして分割面10aで上下に分割さている。上側クランクケース10Aの上には、2つのシリンダボア11a(シリンダボアが形成された部分がシリンダであり、シリンダを同符号11aで示す)を直列に配列して(図2参照)一体に成形されたシリンダブロック11と、シリンダブロック11に締結されたシリンダヘッド12とが、順に重ねられて幾らか前方に傾いて立設されている。シリンダヘッド12の上には、シリンダヘッドカバー13が被せられて締結されている。
一方、下側クランクケース10Bの下には、オイルパン14が取り付けられている。図2に示されるように、上側クランクケース10Aと下側クランクケース10Bの各ジャーナル壁15A、15B(Aは上側、Bは下側を示す。以下同じ。ただし、図2には、図1に展開割線が示すように、上側のジャーナル壁15Aのみが図示されている)は、クランク軸2のジャーナル部20を、主軸受(ジャーナル軸受)16を介して、上下から挟むようにして支持しており、それによりクランク軸2を回転自在に軸支している。
この内燃機関1は、直列2気筒の内燃機関であるので、クランク軸2は、同一直線上に軸方向に間隔をおいて並んだ3つのジャーナル部20を有している。クランク軸2は、上側クランクケース10Aと下側クランクケース10Bの上下それぞれ3つのジャーナル壁15A、15Bのクランクジャーナル(ジャーナル軸受16を挟むジャーナル壁15A、15Bに形成された半円筒状の部分)115A(図4参照。但し上側のクランクジャーナルのみ図示)により回転自在に支持されている。
各3つのジャーナル壁15A、15Bのうち、左端側ジャーナル壁15AL、15BLと右端側ジャーナル壁15AR、15BRは、クランク軸2より後方に延在して、クランクケース10の左右一対の壁部を構成しており、クランク軸2のほか、クランク軸2より後方のクランクケース10内に配設される変速機5のメイン軸50、カウンタ軸52、およびバランサ機構7のバランサ軸70を、クランク軸2と平行に回転自在に軸支している。
上側クランクケース10Aと下側クランクケース10Bは、互いの分割面10aを合せてボルト17により一体に締結されている。上側クランクケース10Aに一体に形成されたシリンダブロック11の2つのシリンダボア11a(シリンダ)には、ピストン3A、3Bが往復摺動可能に収納されており、ピストン3A、3Bは、コンロッド30を介してクランク軸2のクランクピン部22に連結されている。
図1に示されるように、シリンダヘッド12には、シリンダボア11a毎に、ピストン3A、3Bに対向して形成された燃焼室31が形成されている。また、燃焼室31に開口して、1対の吸気弁32により開閉される吸気ポート33が、後方へ延出するよう形成されている。また、燃焼室31に開口して、1対の排気弁34により開閉される排気ポート35が、前方に延出するよう形成されている。また、燃焼室31に臨むように点火プラグ36が装着されている。
なお、吸気ポート33の上流側開口33aにはスロットルボディ37が連結され、その上流に図示しない吸気管を介してエアクリーナが連結されている。また、排気ポート35の下流側開口35aには、図示しない排気管を介してマフラが連結されている。各吸気弁32および各排気弁34は、シリンダヘッド12に回転可能に軸支される吸気カム軸38および排気カム軸39により、クランク軸2の回転に同期して開閉駆動される。そのために、各カム軸38、39には、右端部にカムスプロケット38a、39aが着され、クランク軸2の右端部近傍に装着される駆動スプロケット23と、カムスプロケット38a、39aとの間にカムチェーン40が掛け渡され(図2、図3参照)、クランク軸2の半分の回転速度で回転駆動される。
図3に示されるように、シリンダブロック11とシリンダヘッド12の右端部には、カムチェーン40を配設するためのカムチェーン室11b、12bが形成されており(図2参照)、カムチェーン室11b、12bにおいてカムチェーンガイド41、42がカムチェーン40に沿って前後に設けられている。そして、後側のカムチェーンガイド42が、ネジ式のカムチェーンテンショナ43によって付勢されて、カムチェーン40を押さえつけ適当なテンションを与えている。カムチェーンテンショナ43は、シリンダブロック11の右端部の後面から後方へ突出したテンショナホルダ11cに取り付けられている。
また、図2に示されるように、クランクケース10の左側の壁部をなす左端側ジャーナル壁15AL、15BLから左方へ突出したクランク軸2の左端部には、交流発電機45のアウタロータ45aが嵌着されている。交流発電機45には左方から発電機カバー46Lが被せられており、発電機カバー46Lは左端側ジャーナル壁15AL、15BLに取り付けられている。交流発電機45の発電コイルを備えたインナステータ45bは、発電機カバー46Lの内側に支持されて、アウタロータ45a内に配置されている。
また、クランクケース10内のクランク軸2より後方には、変速機5が配設されている。変速機5は、常時噛合い式のギヤ変速機であり、クランク軸2の後方で斜め上方位置に(図1参照)変速機5のメイン軸50が、上側クランクケース10Aにおいて、一対の壁部をなす左端側ジャーナル壁15ALと右端側ジャーナル壁15ARに、軸受を介して回転自在に軸支されている。
また、クランク軸2の後方で上側クランクケース10Aと下側クランクケース10Bの分割面10aに挟まれて、カウンタ軸52が、一対の壁部をなす左端側ジャーナル壁15AL、15BLと右端部ジャーナル壁15AR、15BRに、軸受を介して軸支されている。
クランク軸2と平行なメイン軸50とカウンタ軸52にそれぞれ装着された変速ギヤ群50g、52gは、互いに対となるギヤ同士を噛合させており、軸にスプライン嵌合してシフタとなるギヤ5aの変速操作機構による移動によって、ギヤ切換えがなされて、変速が行われるようになっている。すなわち、上側クランクケース10Aにおいて、一対の壁部をなす左端側ジャーナル壁15ALと右端側ジャーナル壁15ARに回動自在に支持されたシフトスピンドル54(図2参照)が、運転者によって回動操作されると、一対の壁部15AL、15ARに回動自在に支持されたシフトドラム55が回動操作され、一対の壁部15AL、15ARに支持されたシフトフォーク支持軸56に左右摺動自在に支持されて一端側がシフトドラム55に係合するシフトフォーク57が左右動操作される。
シフトフォーク57はその他端側が、変速ギヤ群50g、52gにおいてシフタとなるギヤ5aと係合しており、シフトフォーク57によってシフタとなるギヤ5aの移動が行われて、以上のシフトスピンドル54、シフトドラム55、シフトフォーク57等によって構成される変速操作機構による変速がなされる。
図2に示されるように、メイン軸50の右端部には多板式の摩擦クラッチ60が設けられ、摩擦クラッチ60のクラッチアウタ60aに共に回転するように支持されるプライマリドリブンギヤ61と、クランク軸2の右端に固定されたプライマリドライブギヤ24とが噛合して、1次減速機構が構成されている。摩擦クラッチ60の出力側であるクラッチインナ60bは、メイン軸50にスプライン噛合しており、よってクランク軸2の回転が1次減速機構24、61および摩擦クラッチ60を介してメイン軸50に伝達される。
プライマリドライブギヤ24と摩擦クラッチ60の右側は、右クランクケースカバー47Rで覆われ、右クランクケースカバー47Rは、クランクケース10の右側の壁部である右端側ジャーナル壁15AR、15BRに取り付けられている。摩擦クラッチ60において、クランク軸2の回転動力は、クランク軸2側のプライマリドライブギヤ24、摩擦クラッチ60側のプライマリドリブンギヤ61を介して摩擦クラッチ60に伝達されるが、摩擦クラッチ60は、変速機5のギヤ切換え中にはクランク軸2の回転動力を変速機5に伝達せずにニュートラル状態とし、変速機5のギヤ切換えが終了するとともにクランク軸2の回転動力を変速機5に伝達するように構成されている。
そして、メイン軸50の回転は、変速ギヤ群50g、52gの噛合いを介してカウンタ軸52に伝達される。カウンタ軸52は、出力軸でもあり、クランクケース10を左方に貫通して外部に突出させた左端部に出力スプロケット62が嵌着され、図示しない後輪の被動スプロケットとの間に伝動チェーン63が掛け渡され2次減速機構が構成され、2次減速機構を介して動力が後輪に伝達される。
また、本実施形態の内燃機関1は水冷内燃機関であり、メイン軸50に回転自在に支持されプライマリドリブンギヤ61とともに回転するポンプ駆動スプロケット25(図2参照)によって、図1中に示されるポンプ軸26が、図示しない駆動チェーン、被動スプロケットを介して回転駆動される。図1の図示切断面において図示奥側に図示しないオイルポンプが、図示手前側に図示しないウォータポンプが設けられている。
図2に示されるように、クランク軸2の左端に固定された交流発電機45のアウタロータ45aには、始動用被動ギヤ64が一方向クラッチ65を介して軸支されている。
内燃機関1を始動するスタータモータ66(図1参照)は、上側クランクケース10Aの中央上面位置に取り付けられている。スタータモータ66の回転は、図示しない始動用減速ギヤを介して、始動用被動ギヤ64に伝達され、始動用被動ギヤ64の回転が一方向クラッチ65、アウタロータ45aを介してクランク軸2に伝達されて、内燃機関1が始動される。
オイルポンプは、オイルパン14から潤滑用のオイルを、吸入導管27経由で吸引して、オイルフィルタ28を介して機内の各所に給油する。ウォータポンプは、図示しない各冷却水管路、ラジエータ、サーモスタット等の所定の機器を介して、シリンダブロック11、シリンダヘッド12内の水冷ジャケット29に冷却水を循環させて、内燃機関1の冷却を行う。
また、本実施形態の内燃機関1においては、上側クランクケース10Aに、クランク軸2の斜め上方に隣り合って平行に回転自在に支持されるバランサ軸70を備えたバランサ機構7が設けられている。バランサ軸70は、クランク軸2の後方の一対の壁部をなす左端側ジャーナル壁15ALと右端側ジャーナル壁15ARに、軸受を介して回転自在に軸支されている。
バランサ軸70には、一対の壁部をなす左端側ジャーナル壁15ALと右端側ジャーナル壁15ARとの間で、一方の壁部である左端側ジャーナル壁15ALの内面に対するようにバランサ従ギヤ72が取り付けられており、また、軸方向においてクランク軸2の2箇所のクランクピン部22と一致する位置に、2気筒に即して180度位相をずらした計2個のバランスウエイト73を備えている。
クランク軸2には、一対の壁部をなす左端側ジャーナル壁15AL、15BLと右端側ジャーナル壁15AR、15BRとの間で、一方の壁部である左端側ジャーナル壁15AL、15BLの内面に対するように、4つのクランクウエブ48のうちの左端側クランクウエブ48Lの左側面に隣接してバランサ駆動ギヤ74が嵌着されている。
<オイル噴射装置>
また、この内燃機関1には、図4〜図6に示すように、各シリンダボア11a内を往復運動するピストン3A、3Bに対して、オイルを噴射(図4〜図6中の矢印Pでオイルの噴射を示す)するオイル噴射装置が装備されている。このオイル噴射装置は、各ピストン3A、3Bのクランクケース10側に臨む裏側前方部分に向けて、上側クランクケース10Aのジャーナル壁15Aに形成した挿入孔110に挿入固定されたオイル噴射ジェット120から、オイルを噴射してピストン3A、3Bを冷却するものであり、オイル噴射ジェット120は、各シリンダ11aピストン3A、3Bに対応して2つ設けられている。
この場合、2つのオイル噴射ジェット120は、左端側ジャーナル壁15ALと中央ジャーナル壁15AMとに装着されている。すなわち、左側のシリンダ11aのピストン3Aにオイルを噴射するオイル噴射ジェット120は、左端側ジャーナル壁15ALに装着され、右側のシリンダ11aのピストン3Bにオイルを噴射するオイル噴射ジェット120は、中央ジャーナル壁15AMに装着されている。なお、右端側ジャーナル壁15ARには、シリンダヘッド12にオイルを供給するためのオイル通路140が形成されており、この右端側ジャーナル壁15ARにはオイル噴射ジェット120は装着されていない。
この場合、図4に示すように、左側のシリンダ11aのピストン3Aに対するオイル噴射ジェット120からの距離L1と、右側のシリンダ11aのピストン3Bに対するオイル噴射ジェット120からの距離L2とが互いに異なっている。つまり、左右のオイル噴射ジェット120で噴射方向の条件が違っている。これは、左側のオイル噴射ジェット120を装着する左端側ジャーナル壁15ALのクランクジャーナル115A付近の内壁が、バランサ駆動ギヤ74との干渉を避ける関係で、凹んでいるからである。そのために、左端側ジャーナル壁15ALに装着されるオイル噴射ジェット120と中央ジャーナル壁15AMに装着されるオイル噴射ジェット120の噴射方向の条件に差異が生じる。
ここで、そのような噴射方向の差異があるものの、両方のオイル噴射ジェット120として共通品(同一部品)が使用されている。以下、その点について詳しく述べる。
オイル噴射ジェット120は、上側クランクケース10Aのジャーナル壁15Aに形成した挿入孔110に挿入される円筒ケーシング121を有している。この円筒ケーシング121は、図9に示すように先端部が軸線方向に沿った位置で閉塞される一方、その先端部に、円筒ケーシング121の軸線の延長方向から外れた方向に角度を持ってオイルを噴射する1個のオイル噴射孔122を有している。このオイル噴射孔122は、円筒ケーシング121の内部に軸線方向に沿って形成された内部通路123に連通している。内部通路123は、円筒ケーシング121の後端面から先端部に向けて穿設されており、後端開口部が閉止球124によって塞がれている。
円筒ケーシング121の外周は、先端側が小径になっており、後端側が先端側より大径になっている。後端側の大径部125の前部外周には環状溝126が形成されており、その環状溝126には、円筒ケーシング121を挿入孔110に挿入したときに、挿入孔110と円筒ケーシング121の隙間を液密的にシールするOリング(シール部材)127が嵌合されている。このOリング127は、円筒ケーシング121を挿入孔110に挿入したときに、オイル噴射ジェット120の軸線方向の位置を決める役割も果たす。
また、Oリング127が嵌合された位置よりも後端寄りの位置には環状凹部128が形成され、その環状凹部128の内底部には、内部通路123に連通する複数のオイル導入孔129が放射状に形成されている。
また、円筒ケーシング121の後端部外周には、周方向にオイル噴射孔122と一定の角度関係を持って配置された位置決め凸部(キー)130が設けられている。この位置決め凸部130は、円筒ケーシング121を挿入孔110に挿入したときに、挿入孔110の内周に形成された位置決め凹部112と係合することで、円筒ケーシング121を周方向に位置決めするものである。この位置決め凸部130により円筒ケーシング121を周方向に位置決めすることにより、オイル噴射孔122からのオイルの噴射方向を定めることができる。
一方、挿入孔110は、図7および図8に示すように、左端側ジャーナル壁15ALと中央ジャーナル壁15AMとにそれぞれ形成されている。この場合、挿入孔110は、上側クランクケース10のジャーナル壁15Aのクランクジャーナル115Aのジャーナル面(ジャーナル軸受16を包囲する円筒面であり、潤滑用のオイルが供給される給油面である。このジャーナル面は、クランクケース10の分割面10aの一部に相当している)116Aから、ピストン3A、3Bの下部空間に面するジャーナル壁15Aの内側面(クランクケース内壁)までを突き抜けるように貫通形成されている。そして、挿入孔110の入口側の内周面に、円筒ケーシング121の位置決め凸部130の嵌まる位置決め凹部(キー溝)112が形成されている。位置決め凹部112は、オイル噴射ジェット120のオイル噴射方向を決めるためのものであり、左側と右側のピストン3A、3Bに対する噴射条件の違いに応じて、異なる角度位置に形成されている。
ここでは、左端側ジャーナル壁15ALと中央ジャーナル壁15AMの2つの挿入孔110は、クランクジャーナル115Aの周方向の同じ位置に互いに平行となるように形成されているが、位置決め凹部112は、2つの挿入孔110に共通の基準線K(クランク軸と平行な直線)に対して、異なる角度α1、α2(α1≠α2)を持った位置に形成されている。
このように形成された挿入孔110に、クランクジャーナル115Aのジャーナル面側からオイル噴射ジェット120の円筒ケーシング121が挿入されており、円筒ケーシング121側の位置決め凸部130と挿入孔110側の位置決め凹部112が係合することにより、オイル噴射ジェット120の周方向の位置が規定されている。また、挿入孔110の内周には、円筒ケーシング121の外周形状に対応した段付き部114が形成されており、この段付き部114に円筒ケーシング121の外周に嵌合したOリング127が当たることにより、円筒ケーシング121が軸線方向に位置決めされている。また、Oリング127が挿入孔110の内周に密に嵌合することにより、オイル噴射ジェット120が挿入孔110に確実に固定されている。そして、この取付状態において、オイル噴射ジェット120の円筒ケーシング121の先端が、ジャーナル壁15Aの内側面(クランクケース内壁)から突出している。
また、図10に示すように、クランクジャーナル115Aのジャーナル面には、クランクケース10に形成したオイル通路151に連通する環状のオイル溝150が形成されており、この環状のオイル溝150に、挿入孔110に挿入固定されたオイル噴射ジェット120の円筒ケーシング121の環状凹部128が連通している。このジャーナル面の環状のオイル溝150は、クランクジャーナル115Aに嵌合するジャーナル軸受16の内周(クランク軸2のジャーナル部20の回転支持面)にオイルを供給する役目を果たすものであり、この環状のオイル溝150を介して、オイル噴射ジェット120にもオイルが供給される。すなわち、図10中に矢印で示すように、環状のオイル溝150に供給されたオイルは、ジャーナル軸受16に形成された貫通孔16aを通過し、オイル噴射ジェット120の環状凹部128および導入孔129を通して円筒ケーシング121の内部通路123に至り、その内部通路123を直進して先端の噴射孔122から外部に噴射される。
このように挿入孔110に取り付けられた2つのオイル噴射ジェット120は、図5及び図6に示すように、ピストン3A、3Bの裏側前方部分に向けてオイルを噴射することができる。
なお、図4に示すように、クランクジャーナル115Aのジャーナル面には、ジャーナル軸受16側の凸部と係合することで、ジャーナル軸受16を位置決めする位置決め凹部160が設けられている。
以上の説明のように、実施形態の構成によれば、複数の噴射対象箇所(2つのピストン3A、3B)を持つ内燃機関1において、共用のオイル噴射ジェット120を用いながら、噴射条件が異なる場合であっても、所望の噴射対象箇所に向けてオイルを噴射することができる。すなわち、各オイル噴射ジェット120からそれぞれの噴射対象箇所(ピストン3A、3Bの裏側)までの距離や角度の条件が異なっていても、各挿入孔110の内周に形成する位置決め凹部112の位置を変えることによって、共用のオイル噴射ジェット120を使用しながら、各オイル噴射ジェット120の噴射方向を、所望の噴射対象箇所に合わせることができる。例えば、上記のように各シリンダ11aのオイル噴射ジェット120の配置位置が、ピストン3A、3Bの軸中心に対して異なる距離に配置せざるを得ない場合であっても、噴射角度のみを調整することにより、ピストン3A、3Bへの噴射オイルの到達を可能にすることができる。
このように、同一形状のオイル噴射ジェット120を用いながら、各挿入孔110にオイル噴射ジェット120を装着した段階で、噴射方向をそれぞれに違えることができるため、所望の噴射対象箇所に対して、オイル噴射ジェット120による噴射オイルを正確に当てることができる。また、共用部品を用いることができることにより、部品点数の削減とコストの削減が図れる。
また、オイル噴射ジェット120の周方向の位置決めを、オイル噴射ジェット120の円筒ケーシング121の外周に形成した位置決め凸部130とクランクケース10側の挿入孔110の内周に形成した位置決め凹部112との組み合わせによって行うので、余計な取付スペースをオイル噴射ジェット120の周囲に確保する必要がなく、取付位置に制限を受けることもない。
また、オイル噴射ジェット120の円筒ケーシング121を、クランクケース10上に設定したクランクジャーナル115Aのジャーナル面(給油面)から、挿入孔110に挿入して、先端のみを露出させた状態で固定できるようにしているので、円筒ケーシング121の先端に設けたオイル噴射孔122を、クランクケース10の壁で邪魔されないようにすることができる。従って、障害なく自由に噴射方向を設定することができる。
また、Oリング127を円筒ケーシング121の後端部の大径部125に嵌めて、このOリング127により、円筒ケーシング121と挿入孔110との間をシールしながら、円筒ケーシング121を軸線方向に固定しているので、Oリングによって、挿入孔110との間のオイル漏れをシールすることができるだけでなく、オイル噴射ジェット120の挿入角度の調整が容易となる。
また、Oリング127を嵌めた位置よりも後端寄りの位置に放射状にオイルの導入孔129を形成しているので、Oリング127によって液密に留められたオイルを、複数の導入孔129からオイル噴射ジェット120の円筒ケーシング121の内部通路123に導くことができ、噴射孔122に向けて良好にオイルを供給することができる。
また、潤滑オイルが供給されるクランクジャーナル115Aのジャーナル面(給油面)にオイル噴射ジェット120を挿入する挿入孔110を形成していることにより、ジャーナル面への供給オイルを利用して、オイル噴射ジェット120へのオイル供給を、特別なオイル通路を介さずに行うことができる。
また、クランクジャーナル115Aのうちシリンダヘッド12へのオイル供給通路が形成されないジャーナル面にオイル噴射ジェット120の挿入孔110を設けることで、シリンダヘッド12へのオイル供給を阻害することなく、残余のクランクジャーナル115Aにオイル噴射ジェット120を配置することができる。従って、オイル噴射ジェット120とシリンダヘッド12への給油を両立させることができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、上記実施形態では、オイル噴射ジェット120の円筒ケーシング121側に位置決め凸部130を設け、挿入孔110側に位置決め凹部112を設けた場合を示したが、円筒ケーシング121側に位置決め凹部を設け、挿入孔110側に位置決め凸部を設けて、互いに係合させることによっても、オイル噴射ジェット120を周方向に位置決めすることができる。
また、上記実施形態では、2気筒の内燃機関の場合を示したが、複数のシリンダが並列に配列されている場合にも、本発明は適用することができる。例えば、シリンダの配列方向から見て、各列のピストンに対する噴射角度が異なる場合に、上記実施形態と同様に、各列のオイル噴射ジェットを、周方向の位置決め角度を違えながら装備することにより、所望の噴射対象箇所に対して噴射オイルを到達させることができる。
また、上記実施形態では、1つのピストンに対して1つのオイル噴射ジェット120を装備した場合を示したが、1つのピストンに対して、複数のオイル噴射ジェットからオイルを噴射する場合で、各オイル噴射ジェットによる噴射角度の条件が違うような場合にも、本発明は適用することができる。
1 内燃機関
2 クランク軸
3A、3B ピストン
10 クランクケース
10a 分割面
10A 上側クランクケース
10B 下側クランクケース
11a シリンダ(シリンダボア)
110 挿入孔
112 位置決め凹部
115A クランクジャーナル
120 オイル噴射ジェット
121 円筒ケーシング
122 オイル噴射孔
123 内部通路
127 Oリング(シール部材)
129 導入孔
130 位置決め凸部
140 オイル通路

Claims (6)

  1. クランクケース(10、10A、10B)と、該クランクケースに結合されたシリンダ(11a)と、該シリンダ内を摺動するピストン(3A、3B)と、を備える内燃機関(1)に対して、前記ピストンのクランクケース側に臨む裏側部分に向けて、前記クランクケースに形成した挿入孔(110)に挿入固定されたオイル噴射ジェット(120)からオイルを噴射し、それによりピストンを冷却する内燃機関のオイル噴射装置において、
    前記オイル噴射ジェットが、前記クランクケースに形成した挿入孔に挿入される円筒ケーシング(121)を有しており、
    前記円筒ケーシングの先端部に、該円筒ケーシングの軸線の延長方向から外れた方向に角度を持ってオイルを噴射するオイル噴射孔(122)が設けられると共に、
    前記円筒ケーシングの外周に、周方向に前記オイル噴射孔と一定の角度関係を持って配置され、前記円筒ケーシングを前記挿入孔に挿入したときに該挿入孔の内周に形成された位置決め凹部(112)または凸部と係合することで前記円筒ケーシングを周方向に位置決めして、それにより前記オイル噴射孔からのオイルの噴射方向を定める位置決め凸部(130)または凹部が設けられており、
    前記内燃機関が、複数のシリンダとピストンを有する多気筒内燃機関であり、
    前記オイル噴射ジェットが、それぞれのシリンダ及びピストンに対応して設けられており、
    前記内燃機関は、前記複数のシリンダが並列に配列されたものであり、
    前記ピストンの軸中心に対して異なる距離に配置された前記オイル噴射ジェットは、これらシリンダの配列方向から見て、各列のピストンに対する噴射角度が異なるように装備されており、
    前記円筒ケーシングの外周に形成された前記位置決め凹部(112)又は凸部が、前記挿入孔(110)を軸線方向から見て、それぞれで異なる噴射角度に形成されたことを特徴とする内燃機関のオイル噴射装置。
  2. 前記挿入孔が、前記クランクケース上に設定された給油面から前記ピストンの下部空間に面するクランクケース内壁までを突き抜けるように貫通形成されており、前記オイル噴射ジェットの円筒ケーシングが、前記給油面から前記挿入孔に挿入されて、その先端を前記クランクケースの内壁から突出させる位置で、軸線方向に位置決めされていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のオイル噴射装置。
  3. 前記オイル噴射ジェットの円筒ケーシングは、前記オイル噴射孔を有する先端側が後端側の大径部(125)に比べて小径に形成されており、前記後端側の大径部の外周に、該大径部と前記挿入孔との間をシールするシール部材(127)が嵌合され、該シール部材により、前記挿入孔の内周に嵌合固定されていることを特徴とする請求項に記載の内燃機関のオイル噴射装置。
  4. 前記円筒ケーシングの前記シール部材を嵌合した位置よりも後端寄りの位置に、前記円筒ケーシングの内部通路(123)に対してオイルを導入する導入孔(129)が放射状に複数設けられていることを特徴とする請求項に記載の内燃機関のオイル噴射装置。
  5. 前記クランクケースがクランク軸(2)の中心で分割されており、その分割面(10a)の一部にオイルが供給されるクランクジャーナル(115A)が設けられており、そのクランクジャーナルのジャーナル面に前記挿入孔が形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の内燃機関のオイル噴射装置。
  6. 前記クランクジャーナルが3以上形成され、
    このうちの少なくとも1つに、シリンダヘッドにオイルを供給するためのオイル通路(140)が形成されており、
    残余のクランクジャーナルに形成した前記挿入孔にそれぞれオイル噴射ジェット(120)が挿入固定されていることを特徴とする請求項に記載の内燃機関のオイル噴射装置。
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