JP4737938B2 - コイル用リング状絶縁板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はリング状絶縁板および該絶縁板を積層してなるコイルに関する。
近年、電子機器の小型化・高性能化に伴い、例えば、駆動モーター、各種のトランス、ソレノイド等に使用されるコイルはより小型・軽量であることが望まれている。
本願の出願人は、以前、平角状導線にアクリル系水分散樹脂ワニスの電着によって絶縁被膜を形成してなる平角状薄膜絶縁電線を提案した(特許文献1)。そこで、本発明者等はかかる平角状絶縁電線をエッジワイズコイル巻きしてコイルを作製することを試みた。しかし、このような方法では、導線への絶縁塗装(電着)工程、コイル巻き工程等におけるコストが高くなり、また、製造されるコイルの形態も限定されてしまう。また、アクリル系水分散樹脂ワニスの電着被膜を設けた平角状薄膜絶縁電線は、アクリル系水分散樹脂ワニスを使用することで、平角状導体の平坦部を覆う絶縁被膜の厚みよりもコーナー部を覆う絶縁被膜の厚みを大きくし、それによって耐電圧性が低下しやすいコーナー部の耐電圧性を向上させたものであり、該電線をエッジワイズコイル巻きして得られるコイルは耐電圧性は良好であるが、隣接する巻線の間に比較的大きな隙間が形成されることから、コイルを十分に小型化することができなかった。また、アクリル系水分散樹脂ワニスの電着被膜はある程度の耐熱性を示すが十分とは言い難く、十分に高い耐熱性を有するコイルを得ることは困難であった。
一方、予め電着により絶縁被膜を形成した鋼板(導電板)を打抜いてリング状絶縁板を得、該絶縁板を積層してコイルを作製することが提案されている(特許文献2)。しかし、予め電着により絶縁被膜を形成した鋼板(導電板)を打抜いて絶縁板を作製すると、打抜きによって絶縁被膜が剥離したり、また、打抜き加工時には剥離しなくとも、絶縁被膜と鋼板(導電板)間の密着力が低下することから、製品の実使用時に絶縁被膜が剥離する等の問題を生じることがある。このような問題を解消するために、導電板から打抜いた導電板に電着によって絶縁被膜を形成してリング状絶縁板を形成し、該絶縁板を積層してコイルを作製することが考えられる。しかし、一般に、電着で板材に対して絶縁被膜を形成した場合、板材のコーナー部の被膜厚みは平坦部のそれよりも薄くなる傾向にあり、リング状絶縁板の電解集中が生じ易いコーナー部の耐電圧性を確保するためには、例えば、特許文献1と同様のアクル系水分散樹脂ワニスの電着によって、導電板のコーナー部を覆う絶縁被膜の厚みを平坦部を覆う絶縁被膜のそれよりも大きくする必要がある。しかし、こうして作製した絶縁板は、導電板のコーナー部を覆う絶縁被膜の厚みが平坦部を覆う絶縁被膜のそれよりも大きくなるめに、絶縁板を複数枚積層してコイルを形成すると、隣接する絶縁板の間に隙間が形成されて、コイルを十分に小型化できなかった。
特公平7−120491号公報 特開平7−2252号公報
上記事情に鑑み、本発明は、耐電圧性及び耐熱性に優れたリング状絶縁板及び該絶縁板を用いた耐電圧性及び耐熱性に優れたコイルを提供することを目的とする。また、耐電圧性、耐熱性及び加工耐性に優れたリング状絶縁板及び該絶縁板を用いた耐電圧性及び耐熱性に優れた小型・軽量のコイルを提供することを目的とする。
本発明者等は、上記の目的を達成すべく鋭意研究した結果、ポリイミドの主鎖中にシロキサン結合を含有し、分子中にアニオン性基を有するブロック共重合ポリイミドを主成分とする電着液を電着して得られる絶縁被膜は耐電圧性に優れるとともに、耐熱性が極めて高く、しかも、優れた可撓性を示すことを知見し、該知見に基き本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)断面形状が平角状の導電板であって、平面形状が開放部を有するリング状の平板部を含む導電板の少なくとも前記リング状の平板部の表面に絶縁被覆層を設けたリング状絶縁板であって、
前記絶縁被覆層が、ポリイミドの主鎖中にシロキサン結合を含有し、かつ、分子中にアニオン性基を有するブロック共重合ポリイミドの電着被膜からなることを特徴とする、リング状絶縁板。
(2)導電板が打ち抜き加工によって作製されたものである、上記(1)記載のリング状絶縁板。
(3)導電板の平面形状が開放部を有するリング状の平板部が複数のコーナー部を有するリング状である、上記(1)又は(2)記載のリング状絶縁板。
(4)導電板へのブロック共重合ポリイミドの電着後、導電板のブロック共重合ポリイミドの電着被膜による絶縁被覆層が形成された部分に折曲げ加工が施されたものである、上記(1)〜(3)のいずれか一項記載のリング状絶縁板。
(5)導電板が、平面形状が開放部を有するリング状の平板部と、該平板部の一部より該平板部と同一平面内に延設された端子用の延長平板部とを有し、該端子用の延長平板部の軸線方向の先端に区画した端子部を除いて、ブロック共重合ポリイミドの電着被膜による絶縁被覆層で該導電板の表面が被覆されており、かつ、ブロック共重合ポリイミドの電着後に導電板の前記端子部の近傍に折曲げ加工が施されて、前記端子部の軸線と前記リング状の平板部の軸線とが異なる平面内に配置されている、上記(1)〜(3)のいずれか一項記載のリング状絶縁板。
(6)上記(1)〜(5)のいずれか一項記載のリング状絶縁板の1枚からなるか、または該リング状絶縁板を複数枚積層してなるコイル。
(7)トランス用である、上記(6)記載のコイル。
本発明のリング状絶縁板によれば、ポリイミドの主鎖中にシロキサン結合を含有し、分子中にアニオン性基を有するブロック共重合ポリイミドの電着被膜による絶縁被覆層が極めて良好な耐熱性と優れた耐電圧性を有することから、十分に高い耐熱性と優れた耐電圧性を兼ね備えた絶縁板を実現できる。
また、ポリイミドの主鎖中にシロキサン結合を含有し、分子中にアニオン性基を有するブロック共重合ポリイミドの電着被膜は、優れた可撓性をも有することから、絶縁板に折曲げ加工を付しても、絶縁被覆層に剥離や割れが生じ難く、従って、十分に高い耐熱性と優れた耐電圧性を有し、しかも、耐折曲げ加工性も良好なリング状絶縁板を実現できる。
さらにまた、ポリイミドの主鎖中にシロキサン結合を含有し、分子中にアニオン性基を有するブロック共重合ポリイミドの電着被膜は、比較的薄い厚みでも良好な耐熱性及び耐電圧性を示すことから、従来のこの種の用途に使用されてきた電着被膜よりも薄膜にして同等の耐熱性及び耐電圧性を得ることができる。従って、本発明の絶縁板1枚をそのまま使用するか、または、複数枚積層することで、小型且つ軽量の高耐熱性及び高耐電圧性のコイルを得ることができる。
さらにまた、ポリイミドの主鎖中にシロキサン結合を含有し、分子中にアニオン性基を有するブロック共重合ポリイミドの電着被膜は、極めて良好な耐熱性を示すことから、本発明の絶縁板によれば、絶縁板の積層枚数を従来よりも少なくして従来と同等機能のコイルを実現でき、コイルのより一層の小型化及び/又は軽量化を図ることができる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明のリング状絶縁板は、断面形状が平角状の導電板であって、平面形状が開放部を有するリング状の平板部を含む導電板を使用し、該導電板の少なくとも前記平面形状が開放部を有するリング状の平板部の表面に、ポリイミドの主鎖中にシロキサン結合を含有し、かつ、分子中にアニオン性基を有するブロック共重合ポリイミド(以下、「シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミド」とも略称する。)の電着被膜による絶縁被覆層を形成したものである。
ここで、「ブロック共重合ポリイミド」とは、テトラカルボン酸ジ無水物とジアミンとを加熱してイミドオリゴマーを生成させ(第1段階反応)、次いでこれに前記のテトラカルボン酸ジ無水物と同一若しくは異なるテトラカルボン酸ジ無水物又は/及び前記のジアミンとは異なるジアミンを加えて反応(第2段階反応)することによって、アミック酸間で起る交換反応に起因するランダム共重合化を防止して得られる、共重合ポリイミドのことを意味し、「電着被膜」とは、「ワニス(電着液)を電着して得られる塗膜に加熱処理(焼付け処理)を施して得られる絶縁被膜」のことを意味する。また、導電板の「平面形状が開放部を有するリング状の平板部」とは、その表面が絶縁被覆層で被膜されることによってコイル要素として機能する導電板の主部(機能部)のことである。なお、以下の説明において、「平面形状が開放部を有するリング状の平板部」は「リング状の平板部」と略称することがある。
本発明のリング状絶縁板は、絶縁被覆層として設けたシロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドの電着被膜が極めて良好な耐熱性と優れた耐電圧性を有し、しかも、導電板の平角状断面の平坦部(平坦面)だけでなくコーナー部をも良好に被覆するので、十分に高い耐熱性と優れた耐電圧性を兼ね備えた絶縁板となる。また、シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドの電着被膜は、優れた可撓性をも有するため、電着後の絶縁板(すなわち、導電板に該電着被膜による絶縁被覆層を設けて得られた絶縁板)に折曲げ加工を加えても、該電着被膜による絶縁被覆に剥離や割れが生じ難くなり、従って、十分に高い耐熱性と優れた耐電圧性を有するだけでなく、耐折曲げ加工性も良好な絶縁板となる。
また、本発明のリング状絶縁板においては、シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドの電着被膜が比較的薄い厚みでも優れた耐熱性及び耐電圧性を示すため、従来のこの種の用途に使用されてきた電着液(樹脂ワニス)による電着被膜よりも薄膜にして同等の耐熱性及び耐電圧性を得ることが可能である。従って、本発明のリング状絶縁板一枚でコイルを構成するか、又は、複数枚積層してコイルを構成することで、従来よりもコイルの小型化及び/又は軽量化を図ることができる。また、シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドの電着被膜は極めて高い耐熱性を示すため、絶縁板の枚数を従来よりも少なくでき、コイルをより一層小型化することができる。
本発明において、ポリイミドの主鎖中にシロキサン結合を含有し、分子中にアニオン性基を有するブロック共重合ポリイミド(シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミド)は、主鎖中のシロキサン結合がテトラカルボン酸ジ無水物成分由来のシロキサン結合であっても、ジアミン成分由来のシロキサン結合であってもよいが、好ましくはジアミン成分由来のシロキサン結合であり、通常、ジアミン成分の少なくとも一部に、分子骨格中にシロキサン結合(−Si−O−)を有するジアミン化合物(以下、「シロキサン結合含有ジアミン化合物」とも呼ぶことがある。)を用いて得られたブロック共重合ポリイミドである。
シロキサン結合含有ジアミン化合物としては、テトラカルボン酸ジ無水物との間でイミド化し得るものであれば特に制限なく使用できるが、例えば、ビス(4−アミノフェノキシ)ジメチルシラン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、及び一般式(I):
Figure 0004737938
(式中、Rは、それぞれ独立して、アルキル基、シクロアルキル基、フェニル基、又は1個ないし3個のアルキル基若しくはアルコキシル基で置換されたフェニル基を表し、l及びmはそれぞれ独立して1〜4の整数を表し、nは1〜20の整数を表す。)で表される化合物が挙げられる。当該一般式(I)で表される化合物は、式中nが1又は2の単一化合物、及びポリシロキサンジアミンを含む。
式(I)中のRにおいて、アルキル基、シクロアルキル基の炭素数は1〜6が好ましく、1〜2がより好ましい。また、1個ないし3個のアルキル基若しくはアルコキシル基で置換されたフェニル基における、1個ないし3個のアルキル基若しくはアルコキシル基は、それが2又は3個の場合、互いに同一であっても異なってもよい。また、アルキル基、アルコキシル基は、それぞれ、炭素数が1〜6が好ましく、1〜2がより好ましい。
一般式(I)で表される化合物は、式中のRがアルキル基(特にメチル基)又はフェニル基であるのが好ましく、また、式中l及びmが2〜3、nが5〜15にあるポリシロキサンジアミンが好ましい。
ポリシロキサンジアミンの好ましい例としては、ビス(γ−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(式(I)中、l及びmが3、Rがメチル基のもの。)、ビス(γ−アミノプロピル)ポリジフェニルシロキサン(式(I)中、l及びmが3、Rがフェニル基のもの。)が挙げられる。
本発明において、シロキサン結合含有ジアミン化合物はいずれか一種の化合物を単独で使用しても、2種以上を併用して使用してもよく、特に好ましいものは、ビス(4−アミノフェノキシ)ジメチルシラン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)−1、1、3、3−テトラメチルジシロキサン、及び前記の一般式(I)で表される化合物よりなる群から選ばれる化合物である。
なお、本発明において、シロキサン結合含有ジアミン化合物は、市販品を使用してもよく、信越化学工業社、東レ・ダウコーニング社、チッソ社から販売されているものをそのまま使用できる。具体的には、信越化学工業社製のKF−8010(ビス(γ−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン:アミノ基当量約450)、X−22−161A(ビス(γ−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン:アミノ基当量約840)等が挙げられる。
本発明において、シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドは、例えば、シロキサン結合含有ジアミン化合物を少なくとも含むジアミン化合物と、テトラカルボン酸ジ無水物とを略等量用い、ラクトン及び塩基よりなる触媒の存在下、有機極性溶媒中、加熱、重縮合することで得られる。すなわち、第1段階でテトラカルボン酸ジ無水物とジアミン化合物を加熱してイミドオリゴマーを生成させ、次いで、ジアミン化合物又は/及びテトラカルボン酸ジ無水物をさらに加えて第2段階の反応を行い、ブロック共重合化する。このとき、第1段階又は/及び第2段階で用いるジアミン化合物としてシロキサン結合含有ジアミン化合物をブロックセグメントとして組み込む。なお、反応においては、反応系に無水フタル酸等の酸無水物やアニリン等のアミン化合物を末端停止剤として加えてもよい。上記有機極性溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、γ−ブチロラクトン(γBL)、アニソール、シクロヘキサノン、テトラメチル尿素、スルホラン等が挙げられ、好ましくはポリイミドとの相溶性の点からNMPである。
本発明において、シロキサン結合含有ジアミン化合物の使用量は、該シロキサン結合含有ジアミン化合物をジアミン成分とするイミド単位が、ポリイミドを構成する全繰り返し単位(イミド単位)中の5〜90モル%となる量が好ましく、10〜70モル%となる量がより好ましく、15〜50モル%となる量がとりわけ好ましい。シロキサン結合含有ジアミン化合物に基づくイミド単位の量が10モル%未満の場合、そのようなポリイミドの電着被膜は、導電板への密着性及び伸び率が劣悪となって、十分な可撓性が得られにくく、剥がれや割れを生じ易くなるため、好ましくない。また、シロキサン結合含有ジアミン化合物に基づくイミド単位の量が90モル%を超えると、耐熱性が低下する傾向となり、好ましくない。
本発明のリング状絶縁板に使用する断面形状が平角状の導電板は、平面形状が開放部を有するリング状の平板部を少なくとも有し、該リング状の平板部の表面に上記のシロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドの電着被膜による絶縁被覆層が形成されることによって、絶縁板として機能するものである。なお、該断面形状が平角状の導電板には、通常、平面形状が開放部を有するリング状の平板部とともに、その表面を絶縁被覆層で被覆することなく露出状態のままで使用する端子部が設けられる。
本発明のリング状絶縁板において、導電板における平面形状が開放部を有するリング状の平板部のリングの形状は、製造すべきコイル(即ち、本発明のコイル)の用途や他の素子や機器との接続形態等に応じて適宜決定されるが、絶縁板を複数枚積層してコイルを形成した時に、積層する絶縁板間の端子部の位置を相違させることで、様々な方向から端子を接続できる点で、下記の具体例に示すような複数の平面コーナー部を有する形状が好ましい。ここでいう「平面コーナー部」とは、導電板のリング状の平板部における実質的にストレートで互い平行でない隣接する2つの帯状板部の端部同士を繋ぐ連結部のことである。また、端子部は平面形状が開放部を有するリング状の平板部に付設するかたちで設けてもよいが、下記の具体例に示すように、リング状の平板部の一部からリング状の平板部と同一平面内に端子用の延長平板部を設け、該端子用の延長平板部の先端に端子部を区画するかたちで設けるのが好ましい。端子用の延長平板部を設け、その先端に端子部を区画することで、絶縁板を複数枚積層してコイルを形成した時に、コイルの本体部から端子部が離間することから、コイルの布設形態の自由度を高めることができる。
図1(a)及び図1(b)は本発明のリング状絶縁板の好適な具体例の平面図であり、図1(a)に示す第1具体例の絶縁板10では、導電板1における平面形状が開放部2を有するリング状の平板部3を、図1に示すように、軸線L1が略長方形若しくは正方形となるリング状とし、リング状平板部3の略長方形若しくは正方形の軸線L1の4つのコーナーのうちの一つのコーナー上にはコーナー部3aを区画せず、ここに開放部2を設け、該開放部2を挟む一方の板終端部1aと他方の板終端部1bからそれぞれリング状の平板部3の外方に向けて端子用の延長平板部4a、4bを該平板部3と同一平面内に延設している。絶縁被覆層5はリング状の平板部3及び端子用の延長平板部4a、4bの端子部6A、6Bを除く全域に形成されており、絶縁被覆層5で被覆されていない端子部6A、6Bの略中心にはビス止めのための貫孔7を穿設している。
一方、図1(b)に示す第2具体例の絶縁板20は、上記第1具体例の絶縁板10と同様に、導電板1における平面形状が開放部2を有するリング状の平板部3を、軸線L2が略長方形若しくは正方形となるリング状にし(すなわち、4つの平面コーナー部3aを有する略長方形若しくは正方形にし、)、開放部2を、該略長方形若しくは正方形の一辺に充当するリング状の平板部3の帯状板部3bに設け、該開放部2を挟む一方の板終端部1cと他方の板終端部1dからそれぞれリング状の平板部3の外方へ端子用の延長平板部4c、4dを、上記第1の具体例の絶縁板10の端子用の延長平板部4a、4bと同様にリング状の平板部3と同一平面内に延設している。そして、該端子用の延長平板部4c、4dの先端に端子部6C、6Dを区画してビス止めのための貫孔7を穿設する一方、絶縁被覆層5がリング状の平板部3及び端子用の延長平板部4c、4dの端子部6C、6Dを除く全域に形成されている。
本発明のリング状絶縁板において、導電板の厚みは、得られるコイルの小型化・軽量化などの観点から、好ましくは50〜1500μm、より好ましくは200〜1000μmである。また、導電板におけるリング状の平板部の大きさ(リング状の平板部の平面の占有面積)は、例えば、図1(a)及び(b)に示す絶縁板10、20を例にした場合、図中の縦長さ(D1)×横長さ(D2)が好ましくは10mm×10mm〜150mm×150mmであり、より好ましくは20mm×20mm〜150mm×150mmである。なお、導電板のリング状の平板部の平面形状が図1(a)及び(b)に示す略長方形若しくは正方形以外の形状の場合も、リング状の平板部の大きさは、図1(a)及び(b)に示す縦長さ(D1)×横長さ(D2)で得られる面積に相当する占有面積とするのが一般的である。図1(a)及び図1(b)の例のように、端子用の延長平板部4a〜4dを設け、その先端に端子部6A〜6Dを区画する場合、端子用の延長平板部の長さ(図1(a)及び図1(b)中のD3)は3〜70mm程度とするのが好ましく、端子部6A〜6Dの大きさは3mm×3mm〜10mm×10mm程度とするのが好ましく、図1(a)及び図1(b)中の一辺の長さD4は3mm〜10mm程度である。
また、導電板の材質としては、導電性の良好なものであれば特に限定されないが、金属材料が好ましく、特に、銀、銀合金、電気銅、銅、銅合金、銅クラッドアルミニウム、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金などが、電気伝導性が高い点で好ましい。また、導電板をリング状に加工する方法は、特に限定されるものではないが、好ましくは打抜き加工である。
本発明のリング状絶縁板におけて、導電板の表面に形成される絶縁被覆層(即ち、シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドの電着被膜)の厚みは、導電板の平角状の断面の平坦部を覆う部分においては、好ましくは1.5〜30μm、より好ましくは5〜20
μmである。該厚みが1.5μm未満であると、充分なAC(交流)耐電圧の効果を得ることが困難となり、30μmを超えても顕著なAC耐電圧の効果の向上は見られなく、さらに得られるコイルのサイズが大型化する。一方、シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドの電着被膜を断面が平角状の導電板の表面に形成した場合、通常、平角状の断面のコーナー部を覆う部分の厚みは該断面の平坦部を覆う部分の厚みよりも小さくなるが、絶縁被覆層(即ち、シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドの電着被膜)の導電板の平角状の断面のコーナー部を覆う部分の厚みは、導電板の断面における平坦部を覆う部分の厚みを1としたとき、好ましくは0.8以上、1未満である。該コーナー部を覆う部分の厚みが平坦部を覆う部分の厚み1に対して0.8未満では、充分なAC(交流)耐電圧の効果を得ることが困難となる。すなわち、導電板の断面(平角状断面)のコーナー部において、電界集中により耐電圧性が低下してしまう。本発明で使用するシロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドの電着被膜は優れた耐電圧性を有しており、従来のアクリル系水分散樹脂ワニスの電着被膜のように、断面が平角状の導電板に対して、断面(平角状断面)のコーナー部を覆う部分の厚みを、断面(平角状断面)の平坦部を覆部分の厚みよりも大きくする必要なく、充分なAC(交流)耐電圧の絶縁板を実現し得る。従って、本発明のリング状絶縁板を積層することで、コイルの小型化をはかることができる。
なお、本発明において、絶縁被覆層5の導電板1の断面の平坦部を覆う部分の厚みとは、平角状断面の長辺の中心点での厚み(図4中、T1)であり、断面のコーナー部を覆う部分の厚みとは、図4中のT2、すなわち、導電板1の平角状断面のコーナー部を成す長辺と短辺に対して45°の角度で走る第1の直線をコーナー部上に描き、さらに該第1の直線と平行で絶縁被覆層5の外郭線に接する第2の直線を引いたときのこれら2本の直線の離間距離である。
本発明において、絶縁被覆層は、導電板の表面に、上記のシロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドのワニス(即ち、シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドを樹脂分とするワニス(電着液))を、電着、焼付けして製造される。なお、ポリイミドのワニス(電着液)の調製及び電着被膜の形成については、例えば、特開昭49−52252号公報、特開昭52−32943号公報、特開昭63−111199号公報等に記載された、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸を溶解した有機極性溶媒に、貧溶媒及び水を添加したワニス(電着液)を用いて電着した後、電着膜を加熱してイミド膜とする方法が知られているが、該方法の場合、ポリアミド酸の電着用ワニス(電着液)は、ポリアミド酸が容易に分解するために保存安定性が悪く、これが電着後の塗膜物性に悪影響を及ぼす場合がある。従って、本発明では、次の方法を用いる。
すなわち、アニオン基(カルボン酸基、スルホン酸基等)を導入したシロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドを有機極性溶媒に溶解した溶液を得、該溶液に水とポリイミドに対する貧溶媒とポリイミドを中和塩とするための中和剤(塩基性化合物)とをさらに添加した溶液分散型ワニスを調製し、かかる溶液分散型ワニスを被着体に電着、焼付けして被膜を形成する。この方法によれば、前記の従来方法のような欠点がなく、断面形状が平角状の導電板に対しても、ピンホールを発生することなく、導電板の平坦部だけでなくコーナー部をも良好に被覆した電着被膜を形成することができる。
本発明において、シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドは、絶縁被覆(絶縁層)の耐熱性の観点から、通常、ジアミン成分にはシロキサン結合含有ジアミン化合物とともに芳香族ジアミンが使用される。芳香族ジアミンとしては、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−1,1’−ビフェニル、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジヒドロキシ−1,1’−ビフェニル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、3,5−ジアミノ安息香酸、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノフェニルメタン、2,4−ジアミノフェニル酢酸、2,5−ジアミノテレフタル酸、3,5−ジアミノパラトルイル酸、3,5−ジアミノ−2−ナフタレンカルボン酸、1,4−ジアミノ−2−ナフタレンカルボン酸、2,6−ジアミノピリジン、2,6−ジアミノ−4−メチルピリジン、4,4’−(9−フリオレニリデン)ジアニリン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、α,α−ビス(4−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン等が挙げられる。これらの化合物は、何れか一種を単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。
なお、前記したように、本発明において、シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドは、ワニス中で中和塩とするために、カルボン酸基、スルホン酸基等のアニオン性基を導入したポリイミドとすることが必要であり、そのため、シロキサン結合含有ジアミン化合物以外のジアミン化合物の少なくとも一部には、カルボン酸基、スルホン酸基等のアニオン性基を有するものが使用される。従って、上記例示の芳香族ジアミンのうち、カルボン酸基含有芳香族ジアミン(芳香族ジアミノカルボン酸)又は/及びスルホン酸基含有芳香族ジアミン(芳香族ジアミノスルホン酸)が少なくとも使用される。カルボン酸基含有芳香族ジアミン(芳香族ジアミノカルボン酸)は、上記のうち、3,5−ジアミノ安息香酸、3,3’−ジカルボキシ−4,4’−ジアミノフェニルメタン、2,4−ジアミノフェニル酢酸、2,5−ジアミノテレフタル酸、3,5−ジアミノパラトルイル酸、3,5−ジアミノ−2−ナフタレンカルボン酸、1,4−ジアミノ−2−ナフタレンカルボン酸であり、スルホン酸基含有芳香族ジアミン(芳香族ジアミノスルホン酸)は2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸、4,4’−ジアミノ−2,2’−スチルベンジスルホン酸、o−トリジンジスルホン酸である。
本発明において、シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミド中のカルボン酸基含有芳香族ジアミン(芳香族ジアミノカルボン酸)又は/及びスルホン酸基含有芳香族ジアミン(芳香族ジアミノスルホン酸)の含有量は、ジアミン成分全体に対して10モル%以上、さらには15モル%以上である。
本発明において、シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミド中のテトラカルボン酸ジ無水物成分としては、ポリイミドの耐熱性、長期安定性、電着性能、金属との密着性等の観点から、通常、芳香族テトラカルボン酸ジ無水物が使用される。該芳香族テトラカルボン酸ジ無水物の具体例としては、例えば、ピロメリット酸ジ無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物、ビス−(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテルジ無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物、2,2−ビス−(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンジ無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸ジ無水物、ビシクロ[2,2,2,]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸ジ無水物等が挙げられる。これらは何れか一種の化合物を単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。これらの中でも、耐熱性、導電板との密着性、シロキサン結合含有ジアミン化合物との相溶性、ポリイミドの重合速度等の観点から、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジ無水物、ビス−(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテルジ無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸ジ無水物が特に好ましく使用される。
本発明において、シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドは、固有対数粘度(25℃)が20wt%のNMP(N−メチル−2−ピロリドン)溶液時において、5,000〜50,000mPa・sであるのが好ましく、5,000〜15,000mPa・sがより好ましい。固有対数粘度が50,000mPa・sを超える場合、作製される電着被膜の塗膜均一性が損なわれる傾向にある。
また、シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドの重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算で、20,000〜150,000が好ましく、45,000〜90,000が特に好ましい。重量平均分子量が20,000未満の場合、電着被膜の耐熱性が劣り、また、被膜表面が荒れて、絶縁板の審美性が低下し、商品価値が低下してしまうおそれがある。また、重量平均分子量が150,000より大きくなると高粘度化や溶液中でゲル化が進行して、電着性能の支障を来たすおそれがある。また、シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドにおける数平均分子量(Mn)は、ポリスチレン換算で1,000〜70,000が好ましく、より好ましくは20,000〜40,000である。数平均分子量が1,000未満の場合、電着効率が悪く、所望膜厚の電着被膜を得るまでに時間がかかり、絶縁板の生産性が低下する傾向となり、また、絶縁板及びこれを積層した絶縁コイルの耐熱性、耐電圧性において満足できる結果が得られなくなるおそれがある。数平均分子量が70,000を超える場合、固有粘度が高くなり、泡切れ性が低下(塗膜中に取り込まれた気泡が取れなくなる)し、作業性が低下する傾向にある。
ここでいう、重量平均分子量及び数平均分子量はGPCによるポリスチレン換算値であり、GPC装置として東ソー社製HLC−8220、カラムにTSK−gel Super HM−M(Column No.−D0038)を使用して、測定した値である。
本発明において、シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドを含むワニス(電着液)の調製は、具体的には、次のようにして行う。
先ず、NMP、DMF、DMAc、γ−ブチロラクトン、DMSO、アニソール、シクロヘキサノン、テトラメチル尿素及びスルホラン等から選ばれる少なくとも一種の有機極性溶媒中、酸触媒の存在下、ジアミン化合物とテトラカルボン酸ジ無水物とを160〜180℃で加熱し、生成する水を共沸によって留去しながら反応させて、オリゴマーを生成させる(第1段階反応)。次に、テトラカルボン酸ジ無水物又は/及びジアミン化合物をさらに加えて160〜180℃に加熱して、第2段階反応(加熱)を行う。このとき、第1段階又は/及び第2段階で用いるジアミン化合物として、シロキサン結合含有ジアミン化合物を使用することで、主鎖中にシロキサン結合を含有する、ブロック共重合ポリイミドが得られる。こうして得られる反応溶液の固形分濃度は10〜40重量%が好ましく、より好ましくは20〜30重量%である。次に、極性溶媒中に溶解したブロック共重合ポリイミドを塩基性化合物で中和し、さらに水及びポリイミドの貧溶媒を加えて電着液とする。塩基性化合物には、N,N−ジメチルエタノールアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン等が使用される。塩基性化合物の使用量はポリイミドが水溶液中に安定に溶解または分散する程度であり、通常、理論中和量の30〜200モル%程度である。また、貧溶媒は、フェニル基、フルフリル基またはナフチル基を有するアルコールが好適であり、具体的には、ベンジルアルコール、2−フェニルエチルアルコール、4−メチルベンジルアルコール、4−メトキシベンジルアルコール、4−クロルベンジルアルコール、4−ニトロベンジルアルコール、フェノキシ−2−エタノール、シンナミルアルコール、フルフリルアルコールおよびナフチルカルビノール等が挙げられる。なお、ワニス(電着液)中の極性溶媒の量はポリイミド1重量部当たり1.5〜10重量部が好ましく、より好ましくは2.4〜6重量部であり、水の量はポリイミド1重量部当たり0.1〜5重量部が好ましく、より好ましくは1〜3重量部である。
また、導電板の表面にポリイミドワニスを電着する際の電着条件としては、定電流法または定電圧法であればよく、定電流法の場合、例えば、電流値は50mA固定で、直流電圧の上限は50〜250V、好ましくは100〜200Vである。電着電圧の上限が50Vよりも低いと、電着によって塗膜を形成させることが困難となる傾向にあり、250Vよりも高いと、被塗布物からの酸素の発生、および銅イオンの溶出が激しくなり、均一な塗膜形成が困難となる傾向がある。また、定電圧法の場合、電圧値を50〜250V、好ましくは100〜200Vで固定すればよく、50Vよりも低い電圧値に固定すると、電着によって塗膜を形成させることが困難となる傾向にあり、250Vよりも高い電圧値に固定すると、被塗布物からの酸素の発生及び銅イオンの溶出が激しくなり、均一な塗膜形成が困難となる傾向がある。電着時間は、定電流法、定電圧法のいずれにおいても、通常15〜120秒、好ましくは30〜90秒程度であり、電着の際のワニス(電着液)の温度は、定電流法、定電圧法のいずれにおいても、好ましくは20〜70℃、より好ましくは25〜30℃である。
電着によって形成した塗膜の焼付けは、70〜110℃で10〜60分の第1段階の焼付け処理を行った後、160〜180℃で10〜60分の第2段階の焼付け処理を行い、さらに200〜220℃で30〜60分の第3段階の焼付け処理を行うのが好ましい。このような3段階の焼付け処理を行うことで、断面が平角状の導電板に対して高い密着力で密着し、かつ、十分に硬化したポリイミドの被膜を形成することができる。
本発明におけるリング状絶縁板は、前記の例で示すように、通常、導電板の端子部を除く全域をシロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドの電着被膜(絶縁被覆層)で被覆した形態である。なお、必要に応じて、導電板の端子とする部分以外の所望の部分を未被覆状態とすることもできる。導電板の全体を被覆するように電着を行ってもよいし、リング状導電板の端子部を除いて電着を行ってもよいが、リング状導電板全体に電着した場合、コイルとして積層する前に、端子等の未被覆とする部分の電着被覆を除去する。
本発明のコイルは、以上説明した本発明のリング状絶縁板1枚よりなるか、または該リング状絶縁板を複数枚積層してなるものであり、複数枚で構成する場合、一種類の絶縁板を複数枚積層してコイルを構成してもよいし、2種類以上の異なる形態の絶縁板を複数枚積層してコイルを構成してもよい。図2は、前記図1(b)に示したリング状絶縁板20に折曲げ加工を加えたものであり、導電板1の端子用の延長平板部4a、4bを端子部6C、6Dの手前付近で90°折曲げ、端子部6C、6Dを、その軸線L3、L4がそれぞれリング状の平板部3の軸線L2を含む平面に対して略直交するように配置して、該絶縁板1をリング状の平板部3を含む平面と平行方向(図中の矢印aの向き)にピン止め固定できるようにしたものである。なお、図2において、図1(b)で付した絶縁被覆層2を示す斜線(ハッチング)は説明の便宜のために省略した。
かかる図2のリング状絶縁板に示されるように、本発明のリング状絶縁板においては、導電板1のリング状の平板部3の一部から端子用の延長平板部4a、4bを延設し、端子用の延長平板部の先端に端子部6C、6Dを設ける構成とすることで、作製するコイルの用途やコイルの他部材との接続形態等に応じて、導電板3の端子用の延長平板部6C、6Dに折曲げ加工等を施して、リング状平板部の軸線L2と端子部6C、6Dの軸線L3、L4を異なる平面内に配置することで、端子部6C、6Dの向き(接続方向)を変えることができる。このような電着被膜形成後の後加工は、シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドの電着被膜が可撓性に優れ、折曲げても割れや剥がれが生じにくいために実施できるものであり、従来のこの種の絶縁板では不可能であった。すなわち、本発明のリング状絶縁板は、十分に高い耐熱性と優れた耐電圧性を有するだけでなく、折曲げ加工性も良好な極めて高機能のリング状絶縁板を実現している。
図3は本発明のコイルの一例の斜視図であり、該コイル100は、前記図1(a)及び図1(b)に示した絶縁板10、20の各々について、端子用の延長平板部に折曲げ加工(90°曲げ加工)を加え、該折曲げ加工後の2枚の絶縁板10、20を、一方の端子用の延長平板部4a、4bと他方の端子用の延長平板部4c、4dを180°反対方向に向け、かつ、両方の端子部6A、6B、6C、6Dが同一方向に向くように積層して、コイルを構成したものである。
本発明のコイルにおいて、絶縁板の枚数は、作製すべきコイルのキャパシタンス、インピーダンス、端子部の数等に応じて適宜決定され、特に限定されない。また、上記図3のコイル100では、2枚の絶縁板を、端子用の延長平板部が180°反対方向に向くように積層したが、本発明のコイルにおいて、コイルを構成する個々の絶縁板の端子用の延長平板部の向きは、コイルの他部材との接続形態等種に応じて種々変更することができる。
本発明のリング状絶縁板は、上記のように、絶縁板(導電板)に折曲げ加工等の後加工を施しても、その加工部近傍の電着被膜(絶縁被覆層)に割れや剥がれが生じない。従って、本発明のリング状絶縁板を使用すれば、コイルの設置スペース、他の部材との接続形態等に応じて、端子部の向きを変える等のために曲げ加工を加えても、該絶縁板の所期の耐熱性及び耐電圧性等の諸特性は維持されるため、コイルの信頼性や耐久性を低下させることなく、コイルの布設形態の自由度を高めることができる。従って、例えば、3次元的に布設できるコイルを得ることも可能である。
本発明のコイルは、駆動モーター、ソレノイド、各種のトランス等の種々の用途に使用できるが、中でも、トランス用コイルに適しており、特に、50kW以下で使用されるトランス用コイルに適している(すなわち、使用条件が50kWを超える場合、ある程度の厚肉の絶縁被覆層が必要となるため、電着による被膜では対応できなくなる。)。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
(実施例1)
[シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミド溶液の作製]
ガラス製のセパラブル三口フラスコを使用し、これに攪拌機、窒素導入管及び冷却管の下部にストップコックを備えた水分受容器を取付けた。窒素を流通させ、さらに攪拌しながら反応器をシリコーン油浴中に漬けて加熱し反応を行った。まず、フラスコに3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物58.84g(0.2モル)、ビス(γ−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン(信越化学工業社製のKF−8010)97.2g(0.1モル)、バレロラクロン4g(0.04モル)、ピリジン6.3g(0.08モル)、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)500g及びトルエン80gを入れ、室温で30分間攪拌し、次いで、昇温し、180℃において1時間、200rpmで攪拌しながら反応を行った。反応後、トルエン−水留出分30mlを除いた。残留物を空冷して、3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物64.45g(0.2モル)、3,5−ジアミノ安息香酸30.43g(0.2モル)、ビス−[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン43.25g(0.1モル)、NMP500g及びトルエン100gを添加し、室温で1時間攪拌(200rpm)し、次いで昇温して180℃で1時間、加熱攪拌した。トルエン−水留出分15mlを除き、以降は留出分を系外に除きながら、180℃で3時間、攪拌を行った。次いで、無水フタル酸1.1g及びNMP113gを添加し反応を1時間行い終了した。これにより20%ポリイミドワニスを得た。ブロック共重合ポリイミドの重量平均分子量及び数平均分子量はそれぞれ66,000及び34,000であった。
上記で得られた20%ポリイミド溶液100gにトリエチルアミン3g(中和率100モル%)を加え攪拌した後、NMP62.5gを加え、アセトフェノン55g、シクロヘキサノン56g及び攪拌しながら2−エトキシエタノール72g及びフェノキシエタノール20gを加え、水32gを滴下して、固形分濃度5.0%、pH8.7、電気伝導度9.8ms/mの電着液組成物(電着用ワニス)を調製した。
次に、下記の電着条件で、打抜きによって作製した図1(a)に示す形状の銅製の導電板(厚さ:500μm、縦長さ(L1):40mm、横長さ(L2):20mm)を陽極にして、下記の電着条件で上記の電着用組成物(ワニス)を電着した。
極間距離:3.0cm
電着電圧:定電圧法(140V)
電着時間:120秒
次に、こうしてポリイミド組成物を電着した導電板(銅板)を電着浴から取り出し、水洗後、90℃×30分間、さらに170℃×30分間、さらに220℃×30分間焼付けることで、シロキサン結合含有ブロック共重合ポリイミドの被膜による絶縁被覆層を有するコイル用絶縁板を得た。
絶縁被覆層の導電板の断面の平坦部を覆う部分の厚み(T1)は25μm、コーナー部を覆う部分の厚み(T2)は22μmであった。なお、これらの厚みは、絶縁板の3箇所の断面観察(マイクロスコープによる断面写真)により得られた厚みの平均値であり、下記の比較例においても同様である。
(比較例1)
アクリロニトリル5モル、アクリル酸1モル、グリシジルメタクリレート0.3モルをイオン交換水760g、ラウリル硫酸エステルソーダ7.5g、過硫酸ソーダ0.13gと共にフラスコに入れて室温、窒素気流下15〜30分間撹拌したのち、その混合物を50〜60℃の温度で3時間反応させて得た乳化重合液(エポキシ・アクリル系水分散ワニス)を用意した。かかる乳化重合液を電着用組成物として、実施例1と同様の条件で、実施例1で使用したものと同じ銅製の導電板に電着して焼付け、エポキシ変性アクリル樹脂による絶縁被覆層(導電板の断面の平坦部を覆う部分の厚み(T1):24μm、導電板の断面のコーナー部を覆う部分の厚み(T2):40μm)のコイル用絶縁板を得た。
(比較例2)
撹拌機、チッ素導入管及び冷却管の下部にストップコックのついた水分受容器を取り付けたガラス製のセパラブル三つ口フラスコを使用し、窒素を流しながら、さらに撹拌しながら反応器をシリコーン油中につけて加熱して下記の反応を行った。すなわち、3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物64.44g(0.2モル)、ビス−[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン43.25g(0.1モル)、バレロラクトン3g(0.03モル)、ピリジン4.8g(0.06モル)、NMP(N−メチル−2−ピロリドンの略)400g及びトルエン90gを加えて、室温で30分間撹拌し、ついで昇温し、180℃において1時間、200rpmで撹拌しながら反応を行った。反応後、トルエン−水留出分30mlを除いた。残留物を空冷して、3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物32.22g(0.1モル)、3,5−ジアミノ安息香酸15.22g(0.1モル)、2,6−ジアミノピリジン11.01g(0.1モル)、NMP222g及びトルエン45gを添加し、室温で1時間撹拌(200rpm)、次いで昇温して180℃で1時間、加熱撹拌した。トルエン−水留出分15mlを除き、以後は留出分を系外に除きながら、180℃、3時間、加熱、撹拌して反応を終了し、20%ポリイミド溶液を得た。こうして得たポリイミド溶液100gにNMP70gを加え、アニソール55g、シクロヘキサンノン45g及びN−メチルモルホリン2.6g(中和率200モル%)を加え、攪拌しながら水30gを滴下して、固形分濃度6.6%、pH7.8の電着用ポリイミドエマルジョン組成物(ワニス)を得た。そして、該組成物を実施例1と同様の条件で、実施例1で使用したものと同じ銅製の導電板に電着して焼付け、ブロック共重合ポリイミドによる絶縁層の厚み(導電板の断面の平坦部を覆う部分の厚み(T1):20μm、導電板の断面のコーナー部を覆う部分の厚み(T2):12μm)のコイル用絶縁板を得た。
(比較例3)
3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジ無水物128.9g(0.4モル)と1,3−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン116.9g(0.4モル)をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)983gに溶かし、室温でイカリ型撹拌機を用いて、200rpmに撹拌しながら10時間反応し、20%ポリアミド酸溶液(ポリアミド酸の固有対数粘度0.78)を得た。この20%ポリアミド酸溶液にNMP、ベンジルアルコールを加え、さらに次いで中和剤を加え、さらに純水を加え、ポリアミド酸の固形分量6.8%、NMP41%、ベンジルアルコール16%、N−メチルモルホリン0.9%、純水35.3%の電着用組成物を調製した。こうして得た電着用組成物を実施例1と同様の条件で、実施例1で使用したものと同じ銅製の導電板に電着して焼付け、ポリイミドによる絶縁層(導電板の平坦部を覆う部分の厚み(T1):20μm、導電板のコーナー部を覆う部分の厚み(T2):12μm)のコイル用絶縁板を得た。
(比較例4)
ランダム共重合体においてポリシロキサンを含有するポリアミドとして特開2000−178481号公報に準拠して作製したポリイミド電着液を実施例1と同様の条件で、実施例1で使用したものと同じリング状導電板に電着して焼付け、ポリイミドによる絶縁層(平坦部を覆う部分の厚み(T1):18μm、コーナー部を覆う部分の厚み(T2):8μm)のコイル用絶縁板を得た。
上記で得られた各コイル用絶縁板を、以下の項目について評価した。その結果を表1に示す。
(ピンホール試験)
JIS C3003に準拠して、n=50の絶縁板に対してピンホールの有無を調査した。ピンホールが確認されなかった絶縁板を〇で示し、ピンホールが確認されたリング状絶縁コイル板を×で示す。
(AC破壊電圧)
JIS C 3003に準拠して、AC破壊電圧を測定した。すなわち、2枚のリング状絶縁コイル板を重ね合わせた状態にする。各板に交流電圧発生器を接続し、電圧を上昇させて、短絡した電圧を破壊電圧とする。
(耐熱性(温度指数))
JIS C 3003に準拠した温度指数評価法によって、耐熱性を評価した。
(耐曲げ加工性)
JIS K 5600(マンドレル法)に準拠して実施。折曲げ後のサンプル表面を目視観察し、塗膜(被膜)割れが認められなかったものを合格、塗膜の割れが生じたものは不合格と判定した。
(高温曲げ加工性)
サンプルを240℃で10分間保持後、JIS K 5600(マンドレル法)に準拠して実施。折曲げ後のサンプル表面を目視観察し、塗膜(被膜)割れが認められなかったものを合格、塗膜の割れが生じたものは不合格と判定した。
Figure 0004737938
図1(a)は本発明の第1の具体例のコイル用絶縁板の平面図、図1(b)は本発明の第2の具体例の例のリング状絶縁板の平面図である。 図1(b)に示すコイル用絶縁板の端子用の延長平板部に折曲げ加工を加えた状態を示す斜視図である。 本発明のコイルの一具体例の斜視図である。 本発明のコイル用絶縁板における断面が平角状の導電板の平角状断面のコーナー部を覆う絶縁被覆層の厚みと、平坦部を覆う絶縁被覆層の厚みを説明するための断面模式図である。
符号の説明
1 導電板
2 開放部
3 リング状の平板部
4 a〜4d 端子用の延長平板部
5 絶縁被覆層
6 A〜6D 端子部
7 端子
10 コイル用絶縁板
100 コイル

Claims (1)

  1. 断面形状が平角状であり、平面形状が開放部を有し、かつ、複数のコーナー部を有するリング状の平板部を含む導電板であって、前記リング状の平板部の一部より該平板部と同一平面内に延設された端子用の延長平板部を有する導電板の、前記端子用の延長平板部の軸線方向の先端に区画した端子部を除いて、該導電板の表面が絶縁被覆層で被覆されてなるリング状絶縁板を製造する方法であって、
    主鎖中にシロキサン結合を含有し、かつ、分子中にアニオン性基を有するブロック共重合ポリイミドであって、シロキサン結合含有ジアミン化合物をジアミン成分とするイミド単位が全繰り返し単位の10〜70モル%を占めるブロック共重合ポリイミドを有機極性溶媒に溶解した溶液に、水とポリイミドに対する貧溶媒とポリイミドを中和塩とするための塩基性化合物とをさらに添加して調製された溶液分散型ワニスを、前記導電板に電着、焼付けして前記絶縁被覆層を形成する工程と、
    前記導電板の端子用の延長平板部における端子部の手前付近の絶縁被覆層が形成された部分に折曲げ加工を施す工程とを含むことを特徴とする、コイル用リング状絶縁板の製造方法。
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