JP4737105B2 - 単結晶製造装置及び単結晶製造方法 - Google Patents

単結晶製造装置及び単結晶製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4737105B2
JP4737105B2 JP2007033268A JP2007033268A JP4737105B2 JP 4737105 B2 JP4737105 B2 JP 4737105B2 JP 2007033268 A JP2007033268 A JP 2007033268A JP 2007033268 A JP2007033268 A JP 2007033268A JP 4737105 B2 JP4737105 B2 JP 4737105B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
single crystal
wire
pulling speed
speed
seed holder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007033268A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008195577A (ja
Inventor
博史 大綱
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Handotai Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Handotai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Handotai Co Ltd filed Critical Shin Etsu Handotai Co Ltd
Priority to JP2007033268A priority Critical patent/JP4737105B2/ja
Publication of JP2008195577A publication Critical patent/JP2008195577A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4737105B2 publication Critical patent/JP4737105B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Description

本発明は、チョクラルスキー法(CZ法)により単結晶を製造する際、育成する単結晶の引上げ速度の精度向上が図れる単結晶製造装置及び単結晶製造方法に関するものである。
チョクラルスキー法(CZ法)により、例えば単結晶シリコンを製造する際、育成する単結晶の引上げは、近年の単結晶の大口径化、長尺化に伴い、その製造装置の高さが高くなることから、ワイヤ方式が多く採用されている。
図4は、ワイヤ巻取り方式の一般的な単結晶製造装置の概略を示した図である。この単結晶製造装置41は、引上げ用ワイヤ42の先端に種ホルダ43を取付け、種ホルダ43で保持した種結晶44をルツボ49内の原料融液50に接触させるとともに回転させる。そして、ワイヤ巻取り手段45は、ワイヤ巻取り駆動部51によりワイヤ巻取りドラム52を所定の速度で回転させてワイヤ42を巻取る。これにより、種結晶44に続いてシリコン単結晶46が育成されながら引上げられる。
単結晶46の引上げの際、ルツボ49内の原料融液50はヒーター47と断熱材48により高温に加熱されており、また、シリコン単結晶は成長に伴って重量を増すことになる。そこで、ワイヤ42は高い耐熱性とある程度の強度を有する必要があり、一般的にステンレス鋼線、タングステン線等の金属線が使用され、細い素線を何本も撚り合わせたストランドを、さらに撚り合わせたストランドロープが多く採用されている。これによって、高重量の単結晶を引上げるための強度を確保しつつ、可撓性を持たせている。
また、このような単結晶の引上げに使用されているワイヤは、単結晶製造時にはその装置内の高温部において1000℃を超える雰囲気に曝され、結晶の成長に伴って増加する結晶荷重や結晶の回転による回転トルクを受けながら、上部に配置されたワイヤ巻取り手段により巻取られる操作が、結晶製造の度に繰り返されている。このような操作が繰り返し行なわれることで、磨耗によるワイヤ表面の消耗や、応力が加わることによる素線切れなどが起こり易くなり、単結晶を引上げるために必要となる強度をワイヤが保てなくなる。このため、引上げ用ワイヤは定期的に交換を行ない、ワイヤの伸び等の特性を維持する必要がある。
ところが、引上げ用ワイヤは前述したように素線を複数本撚り合わせて構成されているため、荷重に対する伸びの特性が一定ではなく、新品ワイヤの使用開始直後は伸びが大きく、その後、使用時間を増やすに従って伸びが小さくなる特性がある。言い換えると、ワイヤの長さ方向の剛性を一般的な機械材料の応力σ−歪みεの関係で表現すれば、縦弾性係数Eを用いた式σ=E・εで表すことができるが、引上げ用ワイヤは使用中にこのワイヤ長さ方向の縦弾性係数Eが変化してしまうという問題がある。
従来では、製造する単結晶の直径が150mmあるいは200mm程度であり、その重量は各々40kgあるいは100kg程度しかなく、また、引上げ速度もある程度速く(0.9〜1.2mm/分程度)することができたので、ワイヤ初期伸びによる単結晶引上げ速度の変化はほぼ無視できていた。
ところが、近年のシリコン単結晶の製造はデバイス歩留を向上するため、大口径化しており、それに伴い高重量化(直径300mmでは200kg程度)や引上げ速度の低速化(直径300mmでは0.4〜0.9mm/分程度)している。これにより、単結晶引上げ時のワイヤの伸びが無視できない問題に発展し、より高精度に引上げ速度を制御することが必要となってきた。
また一方で、単結晶育成中に取り込まれる欠陥は、引上げ速度(V)と結晶固液界面軸方向温度勾配(G)との比(V/G)に大きく依存することが分かっており、V/Gを高精度で制御することにより無欠陥単結晶を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようにV/Gを制御しながら無欠陥単結晶を育成する場合には、特に引上げ速度を0.4〜0.5mm/分程度内の所定速度にして変動がなく、高精度で精密に制御することが必要となる。
このようなシリコン単結晶の大口径化に伴う高重量化や引上げ速度の低速化、あるいは特にV/Gの高精度で精密な制御を必要とする条件下では、前述したワイヤの初期伸びが大きな問題となって浮上してきた。すなわち、引上げ速度が遅い条件下ではワイヤの初期伸びの影響が大きくなり、設定した目標の引上げ速度に比べ実際の引上げ速度は遅くなり、予定していた品質の結晶が得られなくなるという問題が生じた。
このようなワイヤの使用初期の伸びに対処するために、伸びる量を予測して制御することになるが、1回目から7回目ぐらいまでの伸び量が変化してしまうので、実際の引上げ速度を一定に保つことが非常に難しかった。特に、V/Gを厳密に制御して単結晶を製造する場合には、このワイヤの伸びが大きな問題となる。
従って、新品のワイヤに交換してシリコン単結晶を製造する場合、特に1回目から7回目ぐらいまでの引上げでは、引上げ毎に初期伸びを考慮して引上げ速度を調整しなければならず、非常に手間がかかるほか、予定した品質のシリコン単結晶を製造するのが難しいという問題があった。
そこで、特許文献2には、ワイヤの製造後、1回目の単結晶引上げを行なう前に引張り荷重を加えてプレテンション加工を行なったワイヤが開示されている。しかし、このような加工を行ったワイヤであっても、シリコン単結晶の高重量化や引上げ回数、装置内の温度といった要因によって多少なりともワイヤが伸びるため、正確にその伸び量を予測することは困難であった。
特開2000−178099号公報 特開2004−43202号公報
そこで、本発明はこのような問題に鑑みてなされたもので、単結晶育成の際に、ワイヤが伸びたり、ワイヤの新旧によって伸びが変化したり、製造する単結晶がさらに高重量化しても、そのような要因に関係なく所望の引上げ速度に精度よく制御し、高品質の単結晶を効率よく製造する方法及びその製造装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、チョクラルスキー法により種ホルダが保持している種結晶から単結晶を育成し、該育成されている単結晶を前記種ホルダが取付けられているワイヤの巻取り手段により引上げる単結晶製造方法において、少なくとも、
前記種ホルダの位置をチャンバ上方に設置してある測定手段により測定し、
該得られた前記種ホルダの位置の変化量から実際の引上げ速度を算出し、
該算出した実際の引上げ速度と目標の引上げ速度から前記ワイヤの巻取り速度を制御し、前記ワイヤの伸びによる前記単結晶の引上げ速度の誤差を補正することを特徴とする単結晶製造方法を提供する(請求項1)。
また本発明は、少なくとも、単結晶を育成するための種結晶を保持する種ホルダと、該種ホルダが取付けられているワイヤと、該ワイヤを巻取って前記単結晶を引上げるワイヤ巻取り手段とを具備するチョクラルスキー法で使用される単結晶製造装置であって、
前記種ホルダの位置を測定するためのチャンバ上方に設置された測定手段と、
該測定手段により得られた前記種ホルダの位置の変化量から実際の引上げ速度を算出し、該算出した実際の引上げ速度と目標の引上げ速度から前記ワイヤの巻取り速度を制御することで、前記ワイヤの伸びによる前記単結晶の引上げ速度の誤差を補正するための演算手段とを具備するものであることを特徴とする単結晶製造装置を提供する(請求項4)。
このように本発明では、チョクラルスキー法による単結晶の引上げにおいて、チャンバ上方の測定手段により種ホルダの位置を測定し、種ホルダの位置の変化量から実際の引上げ速度を算出し、該算出した実際の引上げ速度と目標の引上げ速度からワイヤの巻取り速度を制御することで、ワイヤの伸びによる単結晶の引上げ速度の誤差を補正する。
これにより、ワイヤの伸びによって生じるワイヤの巻取り速度と単結晶引上げ速度の誤差を解消でき、ワイヤの個体差、新旧の交換、熱変形等による伸び量の変化、製造する単結晶の高重量化、引上げ速度の低速化といった種々の要因に関係なく、さらに、ワイヤの伸び量を予想しなくても、確実に精度良く且つ簡単な手段で所望の引上げ速度に制御できるため、V/Gを高精度で制御でき、高品質の単結晶を効率よく製造することができる。
この時、前記種ホルダの位置を前記測定手段により測定する際、該測定手段と前記種ホルダまでの距離をレーザーで測定することが好ましい(請求項2)。また、前記測定手段は、前記測定手段と前記種ホルダまでの距離をレーザーで測定するものであることが好ましい(請求項5)。
このように、測定手段と種ホルダまでの距離をレーザーで測定することにより、種ホルダに測定手段を接触させることなく、高温のチャンバの外から種ホルダの位置の変化量を測定することができる。また、測定手段としては、画像処理によって種ホルダの位置を測定してもよいが、レーザーで測定する方がより正確に測定手段と種ホルダまでの距離を測定することができる。このため、種ホルダの位置をさらに精度良く測定することができるため、該測定値によって制御されたワイヤ巻取り速度によって、さらに精度良くV/Gを制御でき、高品質の単結晶を効率よく製造することができる。
そして、前記ワイヤの巻取り速度を制御する際、前記実際の引上げ速度が前記目標の引上げ速度と一致するように前記ワイヤの巻取り速度を補正することが好ましい(請求項3)。また、前記演算手段は、前記実際の引上げ速度が前記目標の引上げ速度と一致するように前記ワイヤの巻取り速度を補正するものであることが好ましい(請求項6)。
このように、演算手段によって実際の引上げ速度と目標の引上げ速度とが一致するようにワイヤの巻取り速度を補正することにより、簡単な手順で高品質のシリコン単結晶を育成することができる。
本発明の単結晶製造方法及び単結晶製造装置によれば、ワイヤの伸びによって生じるワイヤの巻取り速度の誤差を解消でき、ワイヤの個体差、新旧の交換、熱変形等による伸び量の変化といった要因に関係なく、確実に精度良く所望の引上げ速度に制御できるため、V/Gを高精度で制御でき、高品質の単結晶を効率的に高い生産性で製造することができる。
以下、本発明についてより詳細に説明する。
前述のように、従来、ワイヤの個体差、使用頻度、使用中の荷重等の要因で伸び量が変化し、単結晶の引上げ速度が遅延するといった問題に対処するため、単結晶の成長長さ、つまり単結晶による荷重や、単結晶の引上げ毎、つまりワイヤの使用頻度毎にワイヤの伸び量を予測してワイヤの巻取り速度を制御していた。
しかし、ワイヤには個体差があり、さらに、製造する単結晶の長さや直径は様々であるため、引上げ速度の調整は、非常に手間がかかるほか、予定していた品質のシリコン単結晶を製造するのが難しいという問題があった。
そこで、このような問題を解決するために本発明者らが鋭意研究及び検討を重ねた結果、ワイヤの伸びといった要因に関係なく、精度よく所望の引上げ速度に制御するためには、ワイヤの伸び量を正確に測定し、ワイヤの巻取り速度にフィードバックすれば良いことに想到し、本発明を完成させた。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
先ず、本発明に係る単結晶製造装置の一実施形態を説明する。
図1は、本発明に係るワイヤ巻取り方式の単結晶製造装置の概略を示した図である。
この単結晶製造装置1は、チャンバ15内に、シリコン単結晶を製造するための材料である原料多結晶を収容するためのルツボ9、該ルツボ9内の原料を加熱して原料融液10とするためのヒーター7、該ヒーターの熱がチャンバ15の外に逃げるのを防ぐための断熱材8、そして、原料融液10に接触させて単結晶を育成するための種結晶4を保持するための種ホルダ3、該種ホルダ3が先端に取付けられている引上げ用ワイヤ2、該ワイヤ2を巻取って単結晶を引上げるワイヤ巻取り手段5とを具備する。
そして特に、本発明の単結晶製造装置1は、チャンバ15の上方に設置された種ホルダ3の位置を測定するための測定手段13と、該測定手段13により得られた種ホルダ3の位置の変化量から実際の引上げ速度を算出し、該算出した実際の引上げ速度と目標の引上げ速度からワイヤの巻取り速度を制御することで、ワイヤ2の伸びによる単結晶の引上げ速度の誤差を補正するための演算手段14とを具備する。
このような本発明のシリコン単結晶を引上げるための単結晶製造装置であれば、ワイヤの伸びによって生じるワイヤの巻取り速度と単結晶引上げ速度の誤差を解消でき、ワイヤの個体差、新旧の交換、熱変形等による伸び量の変化、製造する単結晶の高重量化、引上げ速度の低速化といった種々の要因に関係なく、さらに、従来のようにワイヤの伸び量を細かく予想しなくても、確実に精度良く且つ簡単な手段で所望の引上げ速度に制御できるため、V/Gを高精度で制御でき、高品質で所望のシリコン単結晶を効率よく製造することができる。
また本発明の単結晶製造装置1において、種ホルダ3の位置を測定するための測定手段13は、測定手段13と種ホルダ3までの距離をレーザーで測定するものであることが好ましい。より具体的には、例えばレーザー距離計をあげることができる。
このように、測定手段13がレーザー距離計であれば、種ホルダ3に測定手段13を接触させることなく、内部が高温のチャンバ15の外から種ホルダ3の位置を測定することができる。また、測定手段13は、画像処理によるものでもよいが、レーザーで測定することにより、さらに正確に測定手段13と種ホルダ3までの距離を測定することができる。これにより、種ホルダ3の位置を精度良く測定することができるため、該測定値によって制御されたワイヤ巻取り速度によって、さらに精度良くV/Gを制御でき、高品質の単結晶を効率よく製造することができる。
さらに本発明に係る演算手段14は、実際の引上げ速度が目標の引上げ速度と一致するようにワイヤの巻取り速度を補正するものであることが好ましい。
このように、演算手段14が、測定手段13から得た測定値により実際の引上げ速度を算出し、さらに該実際の引上げ速度と目標の引上げ速度とが一致するようにワイヤの巻取り速度を補正する補正値をワイヤ巻取り駆動部11に出力することにより、簡単な手順で高品質のシリコン単結晶を育成することができる。
次に、図1のような本発明の単結晶製造装置1を使用し、本発明に係るシリコン単結晶の製造方法について図1、2、5を参照しながら説明する。
図2は、本発明に係る単結晶の引上げ制御方法を説明する図であり、図5は、従来の単結晶の引上げ制御方法を説明する図である。
先ず、シリコン単結晶の引上げ用ワイヤ2の先端に種ホルダ3を取付け、種ホルダ3で保持した種結晶4をルツボ9内の原料融液10に接触させるとともに回転させる。そして、ワイヤ巻取り手段5は、ワイヤ巻取り駆動部11によりワイヤ巻取りドラム12を所定の速度で回転させてワイヤ2を巻取る。これにより、CZ法により種結晶4に続いてシリコン単結晶6が育成されながら引上げられる。
このシリコン単結晶の引上げは、所望の品質のシリコン単結晶を得られるように、引上げ速度(V)と結晶固液界面軸方向の温度勾配(G)との比(V/G)を制御することによって行われる。すなわち、単結晶の引上げ速度の目標値を成長結晶長さに合わせて予め設定しておき、その目標の引上げ速度となるように、ワイヤを巻取りドラム12によって巻き取ればよい。
ここで、単結晶の引上げ速度の制御において従来法では、図5のように、工程(a)で目標引上げ速度を設定後、工程(b)で予め引上げ経過時間毎のワイヤの伸びを、ワイヤの使用頻度等を基に予想しておき、ワイヤの巻取り長さからワイヤの予想伸び量を差し引くことによって種ホルダの予想移動距離を算出し、該予想移動距離と経過時間から予想引上げ速度を算出し、工程(c)において、予想引上げ速度と目標引上げ速度からワイヤの伸びによる引上げ速度の低下分を目標引上げ速度に加算し、これをワイヤの伸びを見込んだ巻取り速度としてワイヤ巻取り駆動部51に出力することで、シリコン単結晶46の引上げ速度を制御していた。
しかし、このような従来法により、単結晶の引上げ速度を制御すると、ワイヤの伸びが予想通りとなれば図5(d)のβのように目標の引上げ速度と一致するように単結晶を引上げることができるが、ワイヤの伸びが予想よりも少ない場合は図5(d)のαのように引上げ速度が速くなり、ワイヤの伸びが予想以上に多い場合は図5(d)のγのように、結局引上げ速度の遅延が生じる結果となってしまう。また、ワイヤには前述したように、個体差があるため、目標の引上げ速度と一致させることは難しかった。
このような従来の精度の良くない引上げ速度の制御を、精度の良いものとするため、本発明の引上げ速度の制御は、図2のようにして行う。
すなわち、先ず、工程(A)では目標の引上げ速度を設定する。
次に、工程(B)では種ホルダ3の位置をチャンバ上方に設置してある測定手段13、特にはレーザー距離計により測定する。該測定方法は、単結晶引上げ中の種ホルダ3の上面にレーザー距離計13からレーザー光を照射し、種ホルダ3の上面から反射した反射光をレーザー距離計13により感知し、種ホルダ3の位置を測定する。
レーザー距離計13の設置は、図1のように種ホルダ3の真上に設置してあってもよいが、鏡16を介在させることにより、図3のように種ホルダ3の位置を測定することもできる。
図3は、レーザー距離計をチャンバに取付けた本発明に係る他の実施形態を示す概略図である。このように、ワイヤを通すためのワイヤ貫通穴17を設けた鏡16を、チャンバ15内の上方に設置し、レーザー距離計13からレーザー光20Iを鏡16を介して種ホルダ(不図示)に照射し、種ホルダの上面で反射したレーザー光20Rを鏡16を介してレーザー距離計13で受光する。このとき、レーザー距離計13からレーザー光を送受光できるように、チャンバ15の上部には、窓18を設けておく。
尚、本発明の単結晶製造方法及びその装置は、種ホルダの位置の変化量によって実際の引上げ速度を測定手段13によって正確に測定することができればよいので、測定手段はレーザー距離計に限られず、例えば、画像処理装置によって種ホルダ3を観測して位置を測定してもよい。また、測定手段13のチャンバ15への取付け位置は、図1や図3に限定されない。
次に、上記のような種ホルダ3の位置の測定を所定の周期で行ない、その測定値を演算手段14に出力し、種ホルダ3の位置の変化量と所定の周期から実際の引上げ速度を算出する。この所定の周期は、ワイヤの伸びによる単結晶引上げ速度の誤差を補正したいタイミングにあわせればよい。より具体的に挙げるとすれば、単結晶が4〜10mm成長する時間を1周期とするのが好ましい。しかし、これは測定手段13の分解能との兼ね合いで、実験的に精度が保てる程度の周期とすればよい。
そして、該得られた種ホルダ3の位置の変化量を所定の周期で割ることにより、実際の引上げ速度を算出する。
次に工程(C)において、算出した実際の引上げ速度と目標の引上げ速度が一致するような換算補正値Cを演算手段14で算出し、該補正されたワイヤの巻取り速度をワイヤ巻取り手段5に出力する。
このように、ワイヤの巻取り長さではなく、実際の種ホルダの位置を測定することにより、ワイヤの伸びによる単結晶の引上げ速度の誤差を補正することができ、図2(D)のように、目標の引上げ速度と実際の引上げ速度を精度良く一致させることが可能となる。
これにより、ワイヤの個体差、新旧の交換、熱変形等による伸び量の変化といった要因に関係なく、確実に精度良く所望の引上げ速度に制御できるため、V/Gを高精度で制御でき、高品質の単結晶を効率的に高い生産性で製造することができる。
以下に本発明の実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
(実施例1〜3)
シリコン単結晶の製造装置として、図1の単結晶製造装置1を用いた。
先ず、予め所望のシリコン単結晶の品質を得るための目標の引上げ速度を演算手段14に設定しておく(表1参照)。そして、ルツボにシリコン多結晶原料を充填し、これをヒーターで溶解して原料融液とした後、種結晶を原料融液に接触させ、直径200mmのシリコン単結晶の引上げを開始した。
このとき単結晶の引上げ速度の制御は、レーザー距離計13を使用し、所定の周期(約10分)おきに種結晶の位置を測定し、10分ごとの実際の引上げ速度を演算手段14により算出し、該実際の引上げ速度と、目標の引上げ速度一致するように、ワイヤの巻取り速度の補正係数を算出した。
その算出方法は、所定の周期t(min)、周期tでの種ホルダの位置の変化量R(mm)とすると、実際の引上げ速度B(mm/min)は、B=R/tとなる。所定の周期内での目標引上げ速度をA(mm/min)とすると、ワイヤ伸びにより、絶えず速度誤差e(%)=(B−A)/A×100が発生している。この速度誤差eが0となるように、目標の引上げ速度A(mm/min)に速度補正率C(%)を与え、ワイヤの巻取り速度v(mm/min)を決定し、ワイヤの伸びによる速度誤差を補正する。v=A×(1+(C/100))。これを所定の周期(10分)毎に、速度誤差eより速度補正率Cを再計算することで、ワイヤの伸び分を補正した。
このような巻取り速度の制御によってシリコン単結晶の引上げを、ワイヤの使用が1回目の場合(実施例1)と、ワイヤの使用が2回目の場合(実施例2)と、ワイヤの交換時期の場合(実施例3)とで行った。その結果を、目標の引上げ速度の設定値と共に、表1に示す。
Figure 0004737105
表1のように、本発明にかかる単結晶の製造方法及び、単結晶製造装置により、完全に単結晶の引上げを予め設定しておいた目標の引上げ速度に制御できていることがわかる。
(比較例1〜3)
単結晶の引上げ速度の制御方法以外は実施例と同じ条件で、シリコン単結晶の引上げを行った。その結果を表2に示す。尚、ワイヤの伸びを見込む際、ワイヤの使用頻度や、単結晶成長による荷重のかかり具合でワイヤの伸びの変化量が変化するので、実験的に得られた大体のワイヤの伸び量からワイヤの伸びを見込んだ巻取り速度を予め設定してある。この見込みの速度も表2に示す。また、表2には実際の引上げ速度が示されているが、この実際の引上げ速度は、見込の速度とのずれを明確に示すため、本発明のレーザー距離計で実際の種ホルダの速度を測定したものを併記したものである。従って、あくまでも単結晶の引上げ速度の制御方法は、図5に示すとおりに行った。
Figure 0004737105
この表2からもわかるように、ワイヤの伸びを見込んで巻取り速度を設定した場合、ワイヤの個体差等による伸びの変化により、引上げ速度の精度が悪いことが現れている。つまり、いくら使用頻度等によって細かくワイヤの伸び量を予想しても、手間がかかるだけで、あまり精度良く単結晶の引上げ速度を制御できないことがわかる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
本発明に係るワイヤ巻取り方式の単結晶製造装置の概略を示した図である。 本発明に係る単結晶の引上げ制御方法を説明する図である。 レーザー距離計をチャンバに取付けた本発明に係る他の実施形態を示す概略図である。 ワイヤ巻取り方式の一般的な単結晶製造装置の概略を示した図である。 従来の単結晶の引上げ制御方法を説明する図である。
符号の説明
1、41…単結晶製造装置、 2、42…(引上げ用)ワイヤ、
3、43…種ホルダ、 4、44…種結晶、 5、45…ワイヤ巻取り手段、
6、46…(シリコン)単結晶、 7、47…ヒーター、
8、48…断熱材、 9、49…ルツボ、 10、50…原料融液、
11、51…ワイヤ巻取り駆動部、 12、52…ワイヤ巻取りドラム、
13…測定手段(レーザー距離計)、 14…演算手段、
15…チャンバ、 16…鏡、 17…ワイヤ貫通穴、 18…窓、
20I、20R…レーザー光。

Claims (6)

  1. チョクラルスキー法により種ホルダが保持している種結晶から単結晶を育成し、該育成されている単結晶を前記種ホルダが取付けられているワイヤの巻取り手段により引上げる単結晶製造方法において、少なくとも、
    前記種ホルダの位置をチャンバ上方に設置してある測定手段により測定し、
    該得られた前記種ホルダの位置の変化量から実際の引上げ速度を算出し、
    該算出した実際の引上げ速度と目標の引上げ速度から前記ワイヤの巻取り速度を制御し、前記ワイヤの伸びによる前記単結晶の引上げ速度の誤差を補正することを特徴とする単結晶製造方法。
  2. 前記種ホルダの位置を前記測定手段により測定する際、該測定手段と前記種ホルダまでの距離をレーザーで測定することを特徴とする請求項1に記載の単結晶製造方法。
  3. 前記ワイヤの巻取り速度を制御する際、前記実際の引上げ速度が前記目標の引上げ速度と一致するように前記ワイヤの巻取り速度を補正することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の単結晶製造方法。
  4. 少なくとも、単結晶を育成するための種結晶を保持する種ホルダと、該種ホルダが取付けられているワイヤと、該ワイヤを巻取って前記単結晶を引上げるワイヤ巻取り手段とを具備するチョクラルスキー法で使用される単結晶製造装置であって、
    前記種ホルダの位置を測定するためのチャンバ上方に設置された測定手段と、
    該測定手段により得られた前記種ホルダの位置の変化量から実際の引上げ速度を算出し、該算出した実際の引上げ速度と目標の引上げ速度から前記ワイヤの巻取り速度を制御することで、前記ワイヤの伸びによる前記単結晶の引上げ速度の誤差を補正するための演算手段とを具備するものであることを特徴とする単結晶製造装置。
  5. 前記測定手段は、前記測定手段と前記種ホルダまでの距離をレーザーで測定するものであることを特徴とする請求項4に記載の単結晶製造装置。
  6. 前記演算手段は、前記実際の引上げ速度が前記目標の引上げ速度と一致するように前記ワイヤの巻取り速度を補正するものであることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の単結晶製造装置。
JP2007033268A 2007-02-14 2007-02-14 単結晶製造装置及び単結晶製造方法 Active JP4737105B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007033268A JP4737105B2 (ja) 2007-02-14 2007-02-14 単結晶製造装置及び単結晶製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007033268A JP4737105B2 (ja) 2007-02-14 2007-02-14 単結晶製造装置及び単結晶製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008195577A JP2008195577A (ja) 2008-08-28
JP4737105B2 true JP4737105B2 (ja) 2011-07-27

Family

ID=39754872

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007033268A Active JP4737105B2 (ja) 2007-02-14 2007-02-14 単結晶製造装置及び単結晶製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4737105B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8496765B2 (en) * 2009-09-10 2013-07-30 Sumco Phoenix Corporation Method for correcting speed deviations between actual and nominal pull speed during crystal growth
KR101494533B1 (ko) 2013-06-28 2015-02-17 웅진에너지 주식회사 실리콘 단결정 성장 장치의 인상 속도 제어 시스템 및 그 방법
KR101665827B1 (ko) * 2014-12-30 2016-10-12 주식회사 엘지실트론 잉곳 계면의 형상을 제어할 수 있는 단결정 성장 방법
KR101699834B1 (ko) * 2015-10-13 2017-01-25 주식회사 엘지실트론 실리콘 단결정 잉곳 성장장치
JP6547677B2 (ja) * 2016-05-17 2019-07-24 信越半導体株式会社 単結晶と原料融液との間の固液界面高さを求める方法及び単結晶の製造方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000143389A (ja) * 1998-11-05 2000-05-23 Komatsu Electronic Metals Co Ltd 結晶体の製造装置および方法
JP2001146497A (ja) * 1999-11-17 2001-05-29 Toshiba Ceramics Co Ltd 単結晶引上げ装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000143389A (ja) * 1998-11-05 2000-05-23 Komatsu Electronic Metals Co Ltd 結晶体の製造装置および方法
JP2001146497A (ja) * 1999-11-17 2001-05-29 Toshiba Ceramics Co Ltd 単結晶引上げ装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008195577A (ja) 2008-08-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI411709B (zh) 單晶直徑的控制方法
JP4737105B2 (ja) 単結晶製造装置及び単結晶製造方法
WO2017203968A1 (ja) シリコン単結晶の製造方法及び装置
TWI413712B (zh) Detection method of single crystal diameter and single crystal pulling device
WO2020039553A1 (ja) シリコン単結晶の育成方法
EP1734157B1 (en) Production process of silicon single crystal
US20180266011A1 (en) Single-crystal manufacturing apparatus and method for controlling melt surface position
JP4858019B2 (ja) シリコン単結晶の製造方法
JP5353295B2 (ja) 単結晶の製造方法
JP4857920B2 (ja) シリコン単結晶の製造方法
US9200380B2 (en) Single-crystal manufacturing method and single-crystal manufacturing apparatus
JP4926585B2 (ja) 半導体単結晶の製造方法、半導体単結晶の製造装置、半導体単結晶の製造制御プログラムおよび半導体単結晶製造制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
JP7077991B2 (ja) Czシリコン単結晶製造方法
JP2012006802A (ja) シリコン単結晶の製造方法及び製造装置
JP6547677B2 (ja) 単結晶と原料融液との間の固液界面高さを求める方法及び単結晶の製造方法
JP7238709B2 (ja) シリコン単結晶の製造方法
KR20170051441A (ko) 단결정의 제조방법
JP5505359B2 (ja) ヒーター出力制御方法及び単結晶製造装置
JP5182234B2 (ja) シリコン単結晶の製造方法
JP3870650B2 (ja) 単結晶製造方法及び単結晶製造装置
JP2004043202A (ja) 単結晶引き上げ用ワイヤーロープ、単結晶引き上げ装置及び単結晶の製造方法
WO2022124259A1 (ja) シリコン単結晶の酸素濃度推定方法、シリコン単結晶の製造方法及びシリコン単結晶製造装置
JP2006213554A (ja) 結晶成長方法およびその装置
KR20170006439A (ko) 잉곳 성장장치 및 그 성장방법
WO2010089816A1 (ja) 単結晶製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090812

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110405

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110418

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4737105

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140513

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250