JP4736838B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents
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Description
少なくとも樹脂及び着色剤を含有してなる静電荷像現像用トナーであって、
該静電荷像現像用トナーの作製時に、樹脂粒子を凝集させる工程で、
一分子中につきカルボキシル基を1個、水酸基を1個以上有する下記から選ばれるオキシモノカルボン酸化合物あるいはその塩を添加し、
該静電荷像現像用トナー中に前記オキシモノカルボン酸化合物あるいはその塩を10ppm乃至173ppm含有させて得られたものであることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
前記静電荷像現像用トナーは、ナトリウム元素を1ppm乃至134ppm、2価または3価の金属元素を300ppm乃至1800ppm含有するものであることを特徴とする前記1に記載の静電荷像現像用トナー。
前記静電荷像現像用トナーは、非磁性1成分現像方式の画像形成方法に用いられるものであることを特徴とする前記1または2に記載の静電荷像現像用トナー。
検出:UV210nm
カラム:東ソー製ODS−80TM4.6×250mm
+東ソ製ODS−80TM4.6×150mm
流速:0.5ml/min
移動相:5mMリン酸二水素アンモニウム(pH=2.4)
カラム温度:25℃
分析量:20μl
分析時間:45分
尚、移動相は、リン酸二水素アンモニウム(特級)1.15gをイオン交換水1980gに溶解し、85質量%正リン酸でpH2.40に合わせ、さらにイオン交換水を加えて2000gとし良く撹拌して調製したものである。
本発明のトナーの体積基準におけるメディアン径(D50)は、3〜9μmのものが好ましい。
本発明のトナーの体積基準の粒度分布における変動係数は、8〜21%のものがが好ましく、10〜19%のものがより好ましい。
(式中、S2は体積基準の粒度分布における標準偏差を示し、Dnは体積基準におけるメディアン径(D50)を示す。)
(平均円形度)
本発明のトナーの平均円形度は、0.951〜0.990のものが好ましい。
また、平均円形度は、各粒子の円形度を足し合わせた値を全粒子数で除して算出した値である。
本発明に係るトナーの製造方法は、特に限定されるものではないが、乳化重合法により樹脂粒子を形成し、その樹脂粒子を凝集させる工程を経てトナーを作製する製造方法が好ましい。
細に説明する。オキシモノカルボン酸を添加する工程は限定されるものではないが、下記(2)の工程で添加することが好ましい。ただし、(4)の工程で流出する分もあるので、予備実験によって、トナーに添加するオキシモノカルボン酸化合物の量にあたりをつけておくことが好ましい。
(1)重合性単量体を重合して樹脂粒子分散液を調製する重合工程
(2)樹脂粒子や着色剤粒子等のトナー粒子構成材料を水系媒体中で凝集させることによりトナーの母体となるトナー粒子中間体を形成する凝集工程(以下、樹脂粒子を凝集させる工程という)
(3)樹脂粒子を凝集させる工程に引き続き加熱撹拌を行って、トナー粒子中間体を構成する材料の融合を完了させるともに形状を制御する形状制御工程
(4)生成されたトナー粒子中間体を水系媒体中より固液分離するとともに、トナー粒子中間体表面の洗浄を行う固液分離・洗浄工程
(5)固液分離・洗浄工程での処理を行ったトナー粒子中間体を乾燥する乾燥工程
(6)乾燥処理されたトナー粒子中間体に外添剤を添加する等により画像形成に使用可能なトナーにする外添剤処理工程
を有するものである。
重合工程の好適な一例においては、界面活性剤を含有した水系媒体中に、ラジカル重合性単量体溶液を添加し、機械的エネルギーを加えて液滴を形成させ、次いで水溶性のラジカル重合開始剤からのラジカルにより当該液滴中において重合反応を進行させる。尚、前記水系媒体中に、核粒子として樹脂粒子を添加しておいても良い。
この工程は、本発明における「水系媒体中で樹脂粒子を凝集させ粒子を成長させる工程」に該当するものである。そして、本発明では、この工程、すなわち樹脂粒子の凝集が進行している状態でオキシモノカルボン酸あるいはその塩のうち、少なくとも一方を水系媒体中に添加することが好ましい。この工程では、重合工程で生成された樹脂粒子を着色剤粒子などのトナー粒子構成材料と凝集させることによりトナー粒子中間体(外添剤処理等の最終処理によりトナーとしての機能が付与される前の粒子のこと、トナー母体、着色粒子ともよばれる)を形成させる。尚、この工程では、凝集とともに、凝集した粒子同士を熱等の作用により強固に結合させる融合(融着)も行われている。
本発明に係るトナーの製造方法では、前述の樹脂粒子を凝集させる工程においてオキシモノカルボン酸あるいはその塩を添加させた後も引き続き、加熱撹拌を継続してトナー粒子中間体(トナー母体)の形状を制御している。即ち、加熱撹拌時間を長くすることで、トナー粒子中間体(トナー母体)の形状を球形に近いものに制御することが可能である。
固液分離・洗浄工程では、上記の工程で所定温度まで冷却されたトナー−粒子中間体(トナー母体)の分散液から当該トナー粒子中間体(トナー母体)を固液分離する固液分離処理と、固液分離されたトナーケーキ(ウェット状態にあるトナー粒子中間体(トナー母体)をケーキ状に凝集させた塊状物)から界面活性剤や塩析剤などの不要物を除去する洗浄処理とが施される。
乾燥工程は、洗浄処理されたトナー粒子中間体を乾燥処理する工程である。乾燥工程では、通常、トナーケーキの状態で乾燥処理が行われる。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを使用することが好ましい。乾燥されたトナー粒子中間体の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。尚、乾燥処理されたトナー粒子中間体(トナー母体)同士が、粒子間引力で弱く凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
この工程は、乾燥処理されたトナー粒子中間体(トナー母体)に外添剤を混合し、画像形成に使用可能なトナーを作製する工程である。
樹脂粒子を構成する結着樹脂は、ビニル重合体を含有していることが好ましく、重合性単量体を重合して作製することができる。重合に用いられる重合性単量としては、カルボキシル基を有する重合性単量体、該カルボキシル基を有する重合性単量体と組み合わせて用いる重合性単量体を挙げることができる。
本発明に用いられる着色剤は、公知の無機または有機着色剤を使用することができる。具体的な着色剤を以下に示す。
樹脂の分子量を調整する為には、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることが可能である。用いられる連鎖移動剤としては、特に限定されるものではなく例えばn−オクチルメルカプタン、n−デシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル等のメルカプトプロピオン酸エステル、ターピノーレン及びα−メチルスチレンダイマー等が使用される。
本発明に用いられるワックスは、公知の化合物を用いることができる。
本発明のトナーには、必要に応じて荷電制御剤を添加することができる。荷電制御剤としては、公知の化合物を用いることができる。
外部添加剤として使用できる無機粒子としては、従来公知のものを挙げることができる。具体的には、シリカ微粒子、チタニア微粒子、アルミナ微粒子及びこれらの複合酸化物等を好ましく用いることができる。これら無機粒子は疎水性であることが好ましい。
本発明に使用される転写材は、トナー画像を保持する支持体で、通常画像支持体、転写材或いは転写紙と通常よばれるものである。具体的には薄紙から厚紙までの普通紙や上質紙、アート紙やコート紙等の塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布等の各種転写材を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置、及び撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコ内で、ドデシル硫酸ナトリウム水溶液97.0質量部(有効成分2.6質量部)をイオン交換水1510質量部に溶解させて「水系媒体1」を調製した後、下記成分よりなる混合液を「水系媒体1」中に添加した。
n−ブチルアクリレート 62質量部
アクリル酸 7質量部
ペンタエリスリトールテトラステアレート 154質量部
上記「水系媒体1」中に、下記の構成からなる開始剤溶液を添加して温度を82.5℃に昇温後、2時間かけて重合反応を行った。
エリソルビン酸ナトリウム水溶液(有効成分6.5質量部) 42質量部
n−オクチルメルカプタン 0.6質量部
次に、
スチレン 542質量部
n−ブチルアクリレート 157質量部
アクリル酸 18質量部
よりなる単量体混合液を添加し、続いて、
過酸化水素水溶液(有効成分9質量部) 145質量部
エリソルビン酸ナトリウム水溶液(有効成分23.5質量部) 153質量部
n−オクチルメルカプタン 8.2質量部
よりなる開始剤溶液を添加した。更に、ドデシル硫酸ナトリウム水溶液(有効成分4.8質量部)48質量部を添加し、90℃に昇温後、1時間撹拌しながら重合反応を行って、樹脂粒子分散液を作製した。これを「樹脂粒子分散液1」とした。
着色剤粒子分散液は、マゼンタ着色剤としてC.I.ピグメントレッド122を固形分濃度12.5質量%となるようにイオン交換水中に分散して水系分散液を作製した。これを「着色剤粒子分散液」とした。
〈トナー1の作製〉
「樹脂粒子分散液1」1700質量部(固形分換算)、イオン交換水2100質量部、「着色剤粒子分散液」250質量部を、温度計、冷却管、窒素導入装置、及び、撹拌装置を設けたセパラブルフラスコに投入した。さらに、系内の温度を30℃に保った状態で水酸化ナトリウム水溶液(25質量%)を添加してpHを10に調整した。
「トナー1」の作製において、塩化マグネシウム・6水和物54.3質量部をイオン交換水104.3質量部に溶解させた水溶液に代えて、塩化マグネシウム・6水和物108.6質量部をイオン交換水160.8質量部に溶解させた水溶液を使用した。また、樹脂粒子と着色剤粒子の凝集反応を開始後、粒子の体積基準におけるメディアン径(D50)が3.1μmになったときに、例示化合物(2−2)12.4質量を部添加した。他は同様の手順により「トナー2」を作製した。
「トナー1」の作製において、塩化マグネシウム・6水和物54.3質量部をイオン交換水104.3質量部に溶解させた水溶液に代えて、塩化マグネシウム・6水和物162.9質量部をイオン交換水198.0質量部に溶解させた水溶液を使用した。また、樹脂粒子と着色剤粒子の凝集反応を開始後、粒子の体積基準におけるメディアン径(D50)が8.9μmになったときに、例示化合物(2−2)85.7質量部を添加した。他は同様の手順により「トナー3」を作製した。
「トナー1」の作製において、塩化マグネシウム・6水和物54.3質量部をイオン交換水104.3質量部に溶解させた水溶液に代えて、硫酸アルミニウム45.7質量部をイオン交換水104.3質量部に溶解させた水溶液を使用した。また、例示化合物(2−2)10.5質量部を例示化合物(2−2)のナトリウム塩を30.6質量部に変更した。他は同様の手順により「トナー4」を作製した。
「トナー1」の作製において、硫酸アルミニウム45.7質量部をイオン交換水104.3質量部に溶解させた水溶液に代えて、硫酸アルミニウム91.4質量部をイオン交換水160.8質量部に溶解させた水溶液を使用した。また、樹脂粒子と着色剤粒子の凝集反応を開始後、粒子の体積基準におけるメディアン径(D50)が7.5μmになったときに、例示化合物(2−10)18.1質量部を添加した。他は同様の手順により「トナー5」を作製した。
「トナー5」の作製において、硫酸アルミニウム45.7質量部をイオン交換水104.3質量部に溶解させた水溶液に代えて、硫酸アルミニウム137.1質量部をイオン交換水201.3質量部に溶解させた水溶液を使用した。また、樹脂粒子と着色剤粒子の凝集反応を開始後、粒子の体積基準におけるメディアン径(D50)が4.0μmになったときに、例示化合物(2−10)のナトリウム塩23.8質量部を添加した。他は同様の手順により「トナー6」を作製した。
「トナー5」の作製において、例示化合物(2−10)のナトリウム塩23.8質量部を例示化合物(2−10)のナトリウム塩42.1質量部に変更した。他は同様の手順により「トナー7」を作製した。
「トナー1」の作製において、例示化合物(2−2)10.5質量部を例示化合物(4−6)20.2質量部に変更した。他は同様の手順により「トナー8」を作製した。
「トナー8」の作製において、例示化合物(4−6)20.2質量部を例示化合物(4−6)のナトリウム塩26.2質量部に変更した。他は同様の手順により「トナー9」を作製した。
「トナー8」の作製において、例示化合物(4−6)20.2質量部を例示化合物(4−6)のナトリウム塩46.5質量部に変更した他は同様の手順により「トナー10」を作製した。
「トナー5」の作製において、例示化合物(2−10)の添加量を14.6質量部に変更した他は同様の手順により「トナー11」を作製した。
「トナー8」の作製において、例示化合物(4−6)の添加量を9.2質量部に変更した他は同様の手順により「トナー12」を作製した。
「トナー5」の作製において、例示化合物(2−10)の添加量を24.0質量部に変更した他は同様の手順により「トナー15」を作製した。
「トナー1」の作製において、樹脂粒子と着色剤粒子の凝集反応を開始後、粒子の体積基準におけるメディアン径(D50)が5.8μmになったときに、例示化合物(2−2)10.5質量部を下記構造を有する比較用化合物(A)24.0質量部に変更した他は同様の手順により「トナー14」を作製した。
「トナー1」の作製において、樹脂粒子と着色剤粒子の凝集反応を開始後、粒子の体積基準におけるメディアン径(D50)が5.8μmになったときに、例示化合物(2−2)10.5質量部を下記構造を有する比較用化合物(B)43.2質量部に変更した他は同様の手順により「トナー15」を作製した。
上記で作製した「トナー1〜15」を非磁性1成分現像剤として用いた。
〈画像形成装置〉
評価用の画像形成装置としては、市販のカラーレーザプリンタ「Magicolor 5430DL」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)を、マゼンタトナーのみが出力できるように改造し、プリント速度(線速)を市販されている設定の約2倍(300mm/sec)に改造し、ハイスペックな条件で評価した。マゼンタトナーのみで評価するのは、本発明が解決しようとする問題、特に現像ローラーのフィルミングが検知しやすい(フィルミングが発生した場合に目立つ)評価モードとなるためである。いうまでもなく、本発明の効果を簡潔に例示するためであって、効果が限縮されるものではない。
(低温低湿での画像濃度低下)
低温低湿での画像濃度低下は、低温低湿(10℃、20%RH)の環境条件で、A4判の上質紙(65g/m2)に5000枚プリントを行い、開始時と5000枚プリント終了時のべた画像部の画像濃度を測定し評価した。尚、画像濃度は反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を用いて測定した。
◎:開始時と5000枚プリント終了時で、画像濃度の低下が0.01未満で優良
○:開始時と5000枚プリント終了時で、画像濃度の低下が0.04未満で良好
×:開始時と5000枚プリント終了時で、画像濃度の低下が0.04以上で不良。
現像ローラーのフィルミングは、高温高湿(30℃、80%RH)の環境条件で、画素率2%(ハーフトーン)のプリントを行い、現像ローラーのピッチで発生するハーフトーンの濃度ムラを目視でチェックし、ハーフトーンの濃度ムラが発生する枚数により以下の基準で判定した。
◎:10000枚プリントまで、フィルミング、現像ローラーピッチの濃度ムラともに未発生
○:5000枚プリント以上、10000枚プリント以下で軽微なフィルミングが発生。現像ローラーピッチの濃度ムラは10000枚プリントまで未発生
△:2000枚プリント以上、5000枚プリント以下でフィルミングが発生。現像ローラーピッチの軽微な濃度ムラは5000枚プリント以上で発生
×:2000枚プリント未満で、フィルミング発生。ハーフトーンに現像ローラーピッチの濃度ムラが発生。
上記記載の評価機で1万枚のプリントを行い、トナー飛散の状態を目視で、ユーザーが現像ユニットを交換したときの手の汚れ具合で評価した。
◎:トナー飛散が全く見られない。ユーザーが現像ユニットを交換しても全く手が汚れない
○:現像ローラー付近の上蓋に飛散したトナーの付着が見られる。ユーザーが現像ユニットを交換しても全く手が汚れない程度
△:現像ユニットの上蓋の一部に飛散したトナー付着が見られる
×:ユーザーが現像ユニットを交換した後、手洗いが必要なほどトナー飛散が認められる。
14a 現像ローラー
3 ホッパー
4 供給ローラー
5 トナー規制ブレード
7 バイアス電源
10 潜像保持体(感光体ドラム)
T トナー
Claims (3)
- 前記静電荷像現像用トナーは、ナトリウム元素を1ppm乃至134ppm、2価または3価の金属元素を300ppm乃至1800ppm含有するものであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記静電荷像現像用トナーは、非磁性1成分現像方式の画像形成方法に用いられるものであることを特徴とする請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナー。
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