JP2007178547A - トナーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂粒子を凝集させてトナーを製造するときに、複雑な操作や特別な装置を用いなくても、粗大粒子の混在しないトナーを作製することが可能なトナー製造方法を提供する。
【解決手段】
少なくとも水系媒体中で樹脂粒子を凝集させる工程を有するトナーの製造方法であって、該樹脂粒子を凝集させる工程において、多価有機酸、または、その塩のうち、少なくとも一方を添加するトナーの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成に使用される静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
電子写真方式の画像形成に使用される静電荷像現像用トナー(以下、単純にトナーともいう)の製造方法は、2000年頃を境にして、従来の混練・粉砕法から重合法に転換されるようになってきた(例えば、特許文献1参照。)。
その背景には、デジタル化の進展に伴う画像の高精細化に対応可能な小径トナーが求められていることが挙げられる。即ち、トナーの小径化を従来の混練・粉砕法で展開すると、製造時のエネルギー消費量やコストが増大するため、生産性の低下や環境への影響の増加が懸念されていた。一方、重合法でトナーの小径化を進めた場合、工程数の低減等によりエネルギーコストが低減化される他に、製造時の炭酸ガス排出量が混練・粉砕法の約2/3程度と環境負荷を小さく抑えられる。また、重合法で得られるトナーは、混練・粉砕法で得られるトナーに比べて、形状分布がシャープで、且つ、均一な帯電量を有するトナーが得られ易く、高画質画像を精度良く再現することが求められるデジタルの画像形成に有利な特性を有している。
また、画像形成に伴うコストダウンや地球環境への配慮という視点から、画像形成装置の電力消費量の低減化も検討され、この課題を解消する手段として、例えば、トナー製造工程で低融点のワックスをモノマー中に含有させて重合を行うことにより、従来よりも低い温度で定着を可能にしたワックス含有型のトナーを見出している(例えば、特許文献2参照。)。
この様な背景から、近年では重合法によるトナー生産技術が種々検討されるようになってきた。例えば、乳化会合法と呼ばれるトナー製造方法はその代表的なものである。この方法によれば、製造工程において水系媒体中で樹脂粒子を凝集させる時に粒径を制御しながら粒子成長が行えるので、デジタル画像形成に適した小径で形状の揃ったトナーを効率よく作製することができる。乳化会合法によるトナー製造方法の例として、粒子の成長を開始させる塩析剤を添加する工程と粒子の体積平均粒径が所定範囲の大きさに成長した時に塩析停止剤を添加する工程を設け、粒径と粒度分布及び帯電分布を制御できるようにしたトナーの製造方法が挙げられる(例えば、特許文献3参照。)。
ここで、水系媒体中で樹脂粒子を凝集させる時とは、樹脂粒子や着色剤粒子等のトナー粒子構成材料を水系媒体中で凝集・融合させる工程をいい、特に、凝集工程とも呼ばれている。この工程では、樹脂粒子や着色剤粒子の他に、ワックスや定着助剤、帯電制御剤等、トナー粒子内部に含有される成分(材料)を凝集、融合させることもある。
尚、この工程における凝集とは、水系媒体中で前述した粒子間に作用する静電反発力を緩和することにより実現されるものであり、粒子間の静電反発力を緩和させる手段として各種の凝集剤が用いられる。具体的には2価、或いは3価の塩が挙げられ、これらの塩を添加すると、粒子間の静電反発力が緩和されて凝集が行われる。
また、融合とは融着とも呼ばれるもので、凝集させた粒子同士を熱などの作用で結合させることをいう。粒子同士の融着は熱を用いる方法の他、有機溶媒を使用する方法やこれらを併用する方法等が挙げられる。これらの融合方法の中でも、熱を用いる方法が排水処理や環境の視点から好ましいものである。
一般に、トナーの製造工程において粒子の凝集と融合とを明確に区分することは困難とされており、これらをまとめて凝集と呼んでいる。また、ワックス成分を含有させた樹脂粒子や着色剤成分を含有させた樹脂粒子を凝集させる方法もある。
そして、粒子が所定の大きさに到達したことが確認されると、塩化ナトリウム等の塩を添加することにより凝集を停止させ、所望の粒径を有するトナーが得られるようになっている。
この様に、乳化会合法では塩の添加により粒子の凝集を停止させる方法が優れているが、原材料の組み合わせによっては、塩を添加しても凝集の停止が安定せず、ごく一部の粒子間で凝集が継続される結果、所望の粒径よりも大きな粗大粒子を発生させることがあった。
そして、粗大粒子が混在したトナーでは、転写抜けと呼ばれる画像不良を発生させた。
とりわけ、粒子径が小さく均一なトナーにより形成された画像の中に、ごく微量でも粗大粒子があると、従来のトナーで作成された画像以上に転写抜けが目立ってしまうという問題が有った。
上記の問題を解消させる技術としては、例えば、トナー粒子分散液をスクリーンに通過させる技術がある(例えば、特許文献4参照。)。しかしながら、この技術はトナーを製造する際、新たな工程や設備を追加する必要があった。
特開2000−214629号公報 特開2001−42564号公報 特開2003−66648号公報 特開2004−212704号公報
前述した様に、特許文献4の技術を適用させると新たな工程や設備を追加する必要があった。その結果、トナーの生産性を低下させるとともにトナーの価格競争力を低下させることが懸念されていた。
本発明は、粒子を凝集させる工程を有するトナー製造方法において、工程中に複雑な操作や装置を用いずに凝集工程で粗大粒子を発生させずに効率よくトナーを作製するトナー製造方法を提供することを目的とする。また、得られたトナーで画像形成を行ったときに転写抜けを発生させず、しかも従来よりも低い温度での定着が可能なトナーを提供することを目的とする。
本発明の課題は、下記構成を採ることにより達成される。
1.
少なくとも水系媒体中で樹脂粒子を凝集させる工程を有するトナーの製造方法であって、該樹脂粒子を凝集させる工程において、多価有機酸、または、その塩のうち、少なくとも一方を添加する工程を有することを特徴とするトナーの製造方法。
2.
前記多価有機酸が、ポリカルボン酸であることを特徴とする前記1に記載のトナーの製造方法。
3.
前記多価有機酸が、オキソ酸であることを特徴とする前記1または2に記載のトナーの製造方法。
4.
前記多価有機酸が、アミノ酸であることを特徴とする前記1または2に記載のトナーの製造方法。
本発明によれば、粗大粒子を除去する工程を不要にできるようになった。その結果、転写抜けの発生しない良好なトナーが高い生産性をもって得られるようになり、デジタル画像形成に代表される高精細な画像形成に適した小径トナーを安定して効率よく提供できるようになった。
また、本発明によれば、従来よりも低い温度でトナー画像を定着させることが可能になり、画像形成時における電力消費量を低減させて地球環境にやさしいトナーを安定して提供できるようになった。
更に、本発明では、トナーの製造工程において塩の使用量を大幅に低減させることができるようになったので、従来よりも焼却やリサイクルの自由度が増し、より環境にやさしいトナー製造方法を提供することが可能になったと言える。
本発明は、少なくとも水系媒体中で樹脂粒子を凝集させる工程を経てトナーを作製するトナーの製造方法に関する。
(本発明の技術思想)
本発明によれば、トナーの製造工程に複雑な操作を加えたり、特別な装置を用いることなく、粗大粒子の混在していないトナーを安定して作製できるようになった。その理由は、明らかではないが、トナーの製造工程で添加された多価有機酸や多価有機酸の塩が、多官能基の作用などにより、凝集したトナー粒子やその前駆体表面に安定した反発電荷が形成されて、粒子のさらなる凝集を阻止させたためと推測される。すなわち、従来技術においては、トナー粒子を形成する水系媒体中にドデシル硫酸ナトリウムなどのイオン性界面活性剤が存在しているが、凝集剤を添加するとこれら界面活性剤が失活し、トナー表面に反発電荷が形成できなかったものと推測される。その結果、粒子の凝集を完全に停止させることができなかったものと予想される。この様に、樹脂粒子の凝集工程での多価有機酸や多価有機酸の塩を添加することにより粗大粒子を発生させずにトナーを作製できるという技術思想は、従来技術より当業者が容易に示唆、動機付けを受けて見出されたものではないと解釈できる。
また、本発明に係るトナーによれば、従来技術よりも低い定着温度で画像形成が行えるようになった。その理由は、凝集工程において添加された多価有機酸や多価有機酸の塩がトナー粒子やその前駆体表面に付着しにくい構造を有するため、トナー表面に取り込まれる結晶水の量が大幅に低減され、少ない熱量でトナーが溶融できるようになったためと推測される。一方、従来技術ではトナー粒子表面に付着しにくい構造を有するものがあまり存在せず、多くの塩類がトナー粒子表面に直接接触するため、トナー表面に結晶水が多く取り込まれるような構造になっていたものと推測される。
以下、本発明について詳細に説明する。
(トナーの製造方法)
本発明に係るトナーの製造方法は、特に限定されるものではないが、乳化重合法により樹脂粒子を形成し、その樹脂粒子を凝集させる工程を経てトナーを作製する製造方法が代表的なものである。
樹脂粒子を凝集させる工程を経てトナーを作製するトナーの製造方法の一例について詳細に説明する。
本発明に係るトナーの製造方法では、以下の工程を経て製造される。
(1)重合性単量体を重合して樹脂粒子分散液を調製する重合工程
(2)樹脂粒子や着色剤粒子等のトナー粒子構成材料を水系媒体中で凝集させることによりトナーの母体となるトナー粒子中間体を形成する凝集工程(以下、樹脂粒子を凝集させる工程という)
(3)樹脂粒子を凝集させる工程に引き続き加熱撹拌を行って、トナー粒子中間体を構成する材料の融合を完了させるともに形状を制御する形状制御工程
(4)生成されたトナー粒子中間体を水系媒体中より固液分離するとともに、トナー粒子中間体表面の洗浄を行う固液分離・洗浄工程
(5)固液分離・洗浄工程での処理を行ったトナー粒子中間体を乾燥する乾燥工程
(6)乾燥処理されたトナー粒子中間体に外添剤を添加する等により画像形成に使用可能なトナーにする外添剤処理工程
を有するものである。
以下、各工程について、具体的に説明する。
〔重合工程〕
重合工程の好適な一例においては、界面活性剤を含有した水系媒体中に、ラジカル重合性単量体溶液を添加し、機械的エネルギーを加えて液滴を形成させ、次いで水溶性のラジカル重合開始剤からのラジカルにより当該液滴中において重合反応を進行させる。尚、前記水系媒体中に、核粒子として樹脂粒子を添加しておいても良い。
重合は、連鎖移動剤の量を変えて、数段階に分けて分子量分布を制御することが好ましい。この重合工程により、樹脂粒子が得られる。
かかる樹脂粒子は、離型剤(ワックス)を含んでもよく、或いは着色剤を含んでもよい。着色された樹脂粒子は、着色剤を含有する単量体組成物を重合処理することにより得られる。
また、着色されていない樹脂粒子を使用する場合には、後述する凝集工程において、樹脂粒子分散液に、着色剤粒子分散液を添加し、樹脂粒子と着色剤粒子とを凝集させることでトナー粒子中間体(トナー母体)とすることができる。
〔樹脂粒子を凝集させる工程〕
この工程は、本発明における「水系媒体中で樹脂粒子を凝集させ粒子を成長させる工程」に該当するものである。そして、本発明では、この工程、すなわち樹脂粒子の凝集が進行している状態で多価有機酸、及び、多価有機酸の塩のうち、少なくとも一方を水系媒体中に添加するものである。この工程では、重合工程で生成された樹脂粒子を着色剤粒子などのトナー粒子構成材料と凝集させることによりトナー粒子中間体(外添剤処理等の最終処理によりトナーとしての機能が付与される前の粒子のこと、トナー母体、着色粒子ともよばれる)を形成させる。尚、この工程では、凝集とともに、凝集した粒子同士を熱等の作用により強固に結合させる融合(融着)も行われている。
樹脂粒子及び着色剤等の融合、あるいは融着は凝集とともに進行させることが好ましい。ほかには凝集が完結してから加熱などの手段により一気に融合させてもよい。
具体的には、2価、あるいは3価の塩を水系媒体中に添加することにより、樹脂粒子や着色剤粒子等の粒子間における静電反発力が緩和される結果、凝集が可能になり、これらの粒子同士が凝集するとともに成長してトナー粒子中間体が形成される。凝集した粒子同士は、熱などの作用を受けて結合することにより融合する。この様にしてトナー粒子中間体の形成及び成長が行われる。
この工程で添加される多価有機酸、及び、多価有機酸の塩について説明する。これらの化合物の分子量は、47〜1500、好ましくは、120〜1000のものである。
本発明でいう多価有機酸は、1分子につきプロトンを2個以上供与できる化合物、または電離指数pKa値を2以上持つ化合物とする。
ポリカルボン酸とは、1分子中にカルボキシル基を2つ以上有する化合物のことをいい、特に、炭素数が12以下のものが好ましい。
オキソ酸とは、1分子にカルボキシル基と水酸基を持つ化合物であり、本発明では多価有機酸のカテゴリーに含まれる。
アミノ酸とは、1分子にカルボキシル基とアミノ基を有するもので、アミノ基はイミノ基も含む。
ここで、多価有機酸とは、酸の電離指数pKaを2つ以上有する有機酸(酸性を示す有機化合物)のことをいうものである。
これらの化合物は構造中に解離性の官能基を有するものである。解離性の官能基を有する化合物としては、例えば、ポリカルボン酸、オキソ酸、アミノ酸、スルホン酸化合物、アミノ酸化合物、リン酸化合物、硫酸化合物等が挙げられる。これらの化合物は水系媒体中で解離するもので、少なくとも2つ以上の電離指数pKaを有するものである。本発明では、上記の多価有機酸の中でも、ポリカルボン酸、オキソ酸、アミノ酸が特に好ましい。
本発明では、前述した多価有機酸化合物の解離性官能基に金属イオンが結合して金属塩を形成したものも使用可能である。金属塩としては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属と呼ばれる1価の金属が好ましい。
以下に、本発明に使用可能な多価有機酸化合物の具体例を例示する。尚、(1−1)〜(1−10)、(7−1)〜(7−7)に示す化合物がポリカルボン酸に該当するものであり、(2−1)〜(6−1)に示す化合物がオキソ酸に該当する有機化合物、(8−1)〜(10−1)に示す化合物がアミノ酸に該当する有機化合物である。
Figure 2007178547
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尚、多価有機酸化合物中のカルボキシル基や水酸基中のH原子の代わりに、前述した金属原子に置き換えられたものが本発明に係る多価有機酸化合物の塩に相当するものである。
上記例示化合物中で、本発明に好ましく使用される化合物としては、(2−1)、(2−4)、(3−1)、(5−1)、(6−1)、(6−2)、(9−2)、(9−3)、(10−1)、(10−8)が挙げられる。
これらの化合物の添加量は、水系媒体100質量部に対し、0.8〜2.8質量部が好ましい。上記添加量とすることにより、本発明の効果をより確実に発現することが可能である。
樹脂粒子を凝集させる工程について更に説明する。樹脂粒子を凝集させる工程では、前述した様に、重合工程で生成された樹脂粒子や着色剤粒子等を凝集させるとともに、樹脂粒子のガラス転移温度以上の温度環境の下で粒子を融合させるものである。
粒子の凝集は、樹脂粒子のガラス転移温度以下で樹脂粒子分散液や着色剤粒子分散液を混合し、粒子の凝集を行いながら温度を上げて凝集させた粒子を融合(融着)させると同時に、粒子の凝集を進行させる方法がある。この方法によれば、粒子を成長させながら融合を進行させることができるので、粒子形状と粒子径分布を均一に制御し易いメリットを有する。
このような観点から、樹脂粒子を凝集させる工程では、凝集と融合(融着)を並行して進め、所望の粒子径まで成長させるとともに、必要に応じて粒子形状を制御するために加熱を継続するいわゆる「塩析/融着法」と呼ばれる方法を用いることが好ましい。
尚、本発明でいう「水系媒体」とは、主成分(50質量%以上)が水からなるものをいう。水以外の成分としては、水に可溶性の有機溶媒が挙げられ、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン等が挙げられる。
また、粒子の凝集は2価の塩をはじめとする金属塩を添加することにより促進される。凝集を促進させる金属塩としては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム等の1価のアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム、マンガン、銅等の2価の金属塩、アルミニウム、鉄等の3価の金属塩等が挙げられる。具体的には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン等が挙げられる。これらの塩を1種類単独で使用しても、或いは、2種類以上組み合わせて使用してもよい。
これらの金属塩の中でも、特に、2価の金属塩は少ない添加量で凝集を進行させることができるので好ましい。
これらの金属塩の添加量は、金属塩の濃度が水系媒体中で臨界凝集濃度以上になるように添加することが好ましく、具体的には、臨界凝集濃度の1.2倍以上、好ましくは、1.5倍以上添加することが好ましい。ここで、「臨界凝集濃度」とは、水性分散物の安定性に関する指標である。臨界凝集濃度は、例えば、岡村誠三他著「高分子化学、Vol17、601頁(1960)(高分子学会編)」に記載の手法等により詳細に算出することができる。また、目的とする凝集用分散液に所望の塩を濃度を変えて添加し、その凝集用分散液のζ(ゼータ)電位を測定し、この値が変化する塩濃度を臨界凝集濃度として算出することも可能である。
また、樹脂粒子を凝集させる工程では、樹脂粒子や着色剤粒子とともに、ワックスや定着助剤、帯電制御剤等のトナー粒子構成材料を凝集させることも可能である。
〔形状制御工程〕
本発明に係るトナーの製造方法では、前述の樹脂粒子を凝集させる工程において多価有機酸化合物やその塩を添加させた後も引き続き、加熱撹拌を継続してトナー粒子中間体(トナー母体)の形状を制御している。即ち、加熱撹拌時間を長くすることで、トナー粒子中間体(トナー母体)の形状を球形に近いものに制御することが可能である。
〔固液分離・洗浄工程〕
固液分離・洗浄工程では、上記の工程で所定温度まで冷却されたトナ−粒子中間体(トナー母体)の分散液から当該トナー粒子中間体(トナー母体)を固液分離する固液分離処理と、固液分離されたトナーケーキ(ウェット状態にあるトナー粒子中間体(トナー母体)をケーキ状に凝集させた塊状物)から界面活性剤や塩析剤などの不要物を除去する洗浄処理とが施される。
洗浄処理は、濾液の電気伝導度が10μS/cmになるまで水洗浄する。
ここに、固液分離、洗浄方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用して行う減圧濾過法、フィルタープレス等を使用して行う方法など特に限定されるものではない。
〔乾燥工程〕
乾燥工程は、洗浄処理されたトナー粒子中間体を乾燥処理する工程である。乾燥工程では、通常、トナーケーキの状態で乾燥処理が行われる。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを使用することが好ましい。乾燥されたトナー粒子中間体の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。尚、乾燥処理されたトナー粒子中間体(トナー母体)同士が、粒子間引力で弱く凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
〔外添処理工程〕
この工程は、乾燥処理されたトナー粒子中間体(トナー母体)に外添剤を混合し、画像形成に使用可能なトナーを作製する工程である。
外添剤の混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル等の機械式の混合装置を使用することができる。
次に、本発明に係るトナーの製造方法により作製されるトナーの体積基準におけるメディアン径(D50)と体積基準の粒度分布における変動係数について説明する。
本発明によれば、体積基準におけるメディアン径(D50)で3〜9μmのトナーを作製することが可能である。この様に、上記範囲の体積基準におけるメディアン径(D50)を有する小径トナーにより写真画像や微細な細線画像を構成する微小なドット画像を精度よく形成できるので、高精細な画像形成の機会が多いデジタル画像形成に好ましい。即ち、本発明では、粒径や形状を制御しながらトナー作製が行えるので、デジタルの画像形成に求められる細線の様な微少なドット画像を精度よく形成する。
また、本発明によれば、粒度分布が比較的シャープなトナーが得られる。ここで、粒度分布とは、粒子径に対するトナー粒子の相対度数を表すものであり、体積基準の粒度分布の場合は体積基準におけるメディアン径(D50)を基準にしたものである。
体積基準の粒度分布における変動係数は、下記式から算出される。
体積基準の粒度分布における変動係数(%)=(S2/Dn)×100
(式中、S2は体積基準の粒度分布における標準偏差を示し、Dnは体積基準におけるメディアン径(D50)を示す。)
本発明に係るトナーの製造方法によれば、体積基準の粒度分布における変動係数がおおむね20%以下のトナーが得られる。
トナーの体積基準におけるメディアン径(D50)や体積基準の粒度分布における変動係数は、コールターマルチサイザーIII(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用のコンピューターシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した装置を用いることにより測定、算出することができる。
測定手順としては、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20ml(トナーの分散を目的として、例えば、界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作製する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定濃度8質量%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを2500個に設定して測定する。尚、コールターマルチサイザーのアパチャ−径は50μmのものを使用する。
本発明に係るトナーは、下記式で示される平均円形度の値が0.920乃至0.975の範囲内にあるものである。ここで、トナーの円形度は下記式にて定義される。
円形度=(粒子像と同じ投影面積を有する円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
また、平均円形度は、各粒子の円形度を足し合わせた値を全粒子数で除して算出した値である。
トナーの円形度は、「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて測定した値である。具体的には、トナーを界面活性剤入りの水溶液でなじませ、超音波分散処理を1分間行ってトナーを分散させた後、「FPIA−2100」を用いて測定を行う。測定条件は、HPF(高倍率撮像)モードに設定してHPF検出数を3000〜10000個の適正濃度にして測定するものである。
本発明に係るトナーを構成する樹脂の分子量は、数平均分子量(Mn)で1000〜100000、重量平均分子量(Mw)で2000〜1000000にあるものが好ましい。トナーを構成する樹脂の分子量は、例えば、ゲル浸透クロマトグラフ法やゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法により算出することが可能である。
ここで、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法(以下、GPCともいう)による分子量測定について説明する。
具体的には以下の手順で行われる。先ず、測定用樹脂1mgに対してテトラヒドロフラン溶媒を1ml加え、室温にてマグネチックスターラー等を用いて撹拌を行い、樹脂を充分に溶解し、ポアサイズ0.45〜0.50μmのメンブランフィルターで濾過してGPC測定用試料を作製する。次いで、GPCの測定カラムを40℃に加熱安定させた後、テトラヒドロフランを毎分1mlの速さで流し、1mg/mlの濃度の測定試料を100μl注入して測定する。測定カラムは、市販のポリスチレンジェルカラムを組み合わせて使用することが好ましい。例えば、昭和電工社製のShodex GPC KF−801、802、803、804、806、807の組み合わせや、東ソー社製のTSKgelG1000H、G2000H、G3000H、G4000H,G5000H、G6000H、G7000H、TSK guard columnの組み合わせ等を挙げることができる。また、検出器としては、屈折率検出器(IR検出器)、或いはUV検出器を用いるとよい。
樹脂微粒子中のテトラヒドロフラン溶解成分の数平均分子量、重量平均分子量はスチレン樹脂換算分子量で表す。スチレン樹脂換算分子量はスチレン検量線から求める。スチレン検量線は単分散ポリスチレン標準樹脂を10点程度測定し作成するとよい。
次に、本発明で用いられる材料(素材)について説明する。
(結着樹脂)
樹脂粒子を構成する結着樹脂は、重合性単量体を重合して作製する。重合に用いられる重合性単量としては、カルボキシル基を有する重合性単量体、該カルボキシル基を有する重合性単量体と組み合わせて用いる重合性単量体を挙げることができる。
具体的には、カルボキシル基を有する重合性単量体として、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸或いはメタクリル酸誘導体が挙げられる。
また、カルボキシル基を有する重合性単量体と組み合わせて用いる重合性単量体として、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの様なスチレン或いはスチレン誘導体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類が挙げられる。
また、樹脂を構成する重合性単量体としてイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることが更に好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート等が挙げられる。
更に、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
また、乳化会合法を用いる場合には水溶性ラジカル重合開始剤を使用することが好ましい。水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸及びその塩、過酸化水素等を挙げることができる。
(着色剤)
本発明に用いられる着色剤は、公知の無機または有機着色剤を使用することができる。具体的な着色剤を以下に示す。
黒色の着色剤としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、更にマグネタイト、フェライト等の磁性粉も用いられる。
また、マゼンタもしくはレッド用の着色剤としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48;1、C.I.ピグメントレッド53;1、C.I.ピグメントレッド57;1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
また、オレンジもしくはイエロー用の着色剤としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
また、グリーンもしくはシアン用の着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15;2、C.I.ピグメントブルー15;3、C.I.ピグメントブルー15;4、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー66、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
尚、これらの着色剤は必要に応じて単独もしくは2つ以上を選択併用しても良い。また、着色剤の添加量はトナー全体に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲に設定するのが良い。
(連鎖移動剤)
樹脂の分子量を調整する為には、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることが可能である。用いられる連鎖移動剤としては、特に限定されるものではなく例えばn−オクチルメルカプタン、n−デシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル等のメルカプトプロピオン酸エステル、ターピノーレン及びα−メチルスチレンダイマー等が使用される。
(ワックス)
本発明に用いられるワックスは、公知の化合物を用いることができる。
この様なものとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。
トナーに含有されるワックスの量は、トナー全体に対し1〜20質量%が好ましく、3〜15質量%がより好ましい。
(荷電制御剤)
本発明に係るトナーには、必要に応じて荷電制御剤を添加することができる。荷電制御剤としては、公知の化合物を用いることができる。
(外部添加剤)
外部添加剤として使用できる無機粒子としては、従来公知のものを挙げることができる。具体的には、シリカ微粒子、チタニア微粒子、アルミナ微粒子及びこれらの複合酸化物等を好ましく用いることができる。これら無機粒子は疎水性であることが好ましい。
外部添加剤として使用できる有機微粒子としては、個数平均1次粒子径が10〜2000nm程度の球形の微粒子を挙げることができる。かかる有機微粒子の構成材料としては、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、スチレン−メチルメタクリレート共重合体などのを挙げることができる。
本発明に係るトナーは、一成分現像剤、二成分現像剤として用いることができる。
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、或いはトナー中に0.1μm〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものが挙げられ、何れも使用することができる。
また、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の磁性粒子を用いることができる。特にフェライト粒子が好ましい。上記キャリアの粒子径は、20〜100μmが好ましく、25〜80μmがより好ましい。
キャリアの粒子径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアは、磁性粒子が更に樹脂によりコートされているもの、或いは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コート用の樹脂としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、エステル系樹脂或いはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。これらの中では、スチレン−アクリル樹脂でコートしたコートキャリアが外部添加剤の離脱防止や耐久性を確保できより好ましい。
次に、上記のトナーによる画像形成が可能な画像形成装置について説明する。
図1は、上記トナーが使用可能な画像形成装置の一例を示す断面図である。
図1において、20Y(20M、20C、20Bk)は画像形成ユニット、21Y(21M、21C、21Bk)は感光体ドラム、22Y(22M、22C、22Bk)はスコロトロン帯電器、23Y(23M、23C、23Bk)は露光光学系、24Y(24M、24C、24Bk)は現像器、25Y(25M、25C、25Bk)はクリーニング装置、34Y(34M、34C、34Bk)は転写器、40は定着装置、115は転写材搬送ベルト、160は搬送部、Pは転写材を示す。
図1の画像形成装置では、4組の画像形成ユニット20Y、20M、20C、20Bkが転写材搬送ベルト115に沿って設けられている。
各画像形成ユニットは、感光体ドラム21Y(21M、21C、21Bk)、スコロトロン帯電器22Y(22M、22C、22Bk)、露光光学系23Y(23M、23C、23Bk)、現像器24Y(24M、24C、24Bk)及びクリーニング装置(クリーニング手段)25Y(25M、25C、25Bk)より構成され、各画像形成ユニットの感光体ドラム(21Y、21M、21C、21Bk)上に形成された各トナー像を、タイミングを合わせて搬送されてくる転写材(転写紙、OHP等)Pに、転写手段としての転写器34Y(34M、34C、34Bk)により順次転写して、重ね合わせカラートナー像を形成する。
転写材Pは、転写材搬送ベルト115に乗って搬送され、転写材分離手段としての紙分離AC除電器161による除電作用と、所定の間隔を空けて搬送部160に設けられる分離部材である分離爪210とにより、搬送ベルトから分離される。
次に転写材Pは、搬送部160を通った後、加熱ローラー41と、加圧ローラー42とにより構成される定着装置(定着手段)40へと搬送され、加熱ローラー41と加圧ローラー42により形成されるニップ部Tで転写材Pが挟持され、熱と圧力とが加えられることにより転写材P上の重ね合わせトナー像が定着された後、機外へ排出される。
前記露光手段には像露光光源として、半導体レーザを用いた走査光学系、及びLEDや液晶シャッター等の固体スキャナー等を用いることができる。
転写材を搬送する転写材搬送ベルト115には、ポリイミド、ポリカーボネー等の高分子フィルムや、シリコンゴム、フッ素ゴム等の合成ゴムにカーボンブラック等の導電性フィラーを添加して導電化したもの等が用いられ、ドラム状、ベルト状どちら
でもよいが、装置設計の自由度の観点からベルト状が好ましい。
また、転写ベルトの表面は、適当に粗面化されていることが好ましい。転写ベルトの十点表面粗さRzを0.5〜2μmにすることにより、転写材と転写ベルトの密着性を高め、転写ベルト上での転写材の揺動を防止し、感光体から転写材へのトナー像の転写性を良好にすることができる。
ここで、転写材とは、トナー画像を保持する支持体で、通常画像支持体、転写体或いは転写紙と通常呼ばれるものである。具体的には薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙やコート紙等の塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布等の各種転写材を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
図2は、定着装置(加圧ローラーと加熱ローラーを用いたタイプ)の一例を示す断面図である。
図2に示す定着装置10は、加熱ローラー71と、これに当接する加圧ローラー72とを備えている。尚、図2において、17は転写材(転写紙)P上に形成されたトナー像である。
加熱ローラー71は、フッ素樹脂または弾性体からなる被覆層82が芯金81の表面に形成されてなり、線状ヒーターよりなる加熱部材75を内包している。
芯金81は、金属から構成され、その内径は10〜70mmとされる。芯金81を構成する金属としては特に限定されるものではないが、例えば鉄、アルミニウム、銅等の金属或いはこれらの合金を挙げることができる。
芯金81の肉厚は0.1〜15mmとされ、省エネの要請(薄肉化)と、強度(構成材料に依存)とのバランスを考慮して決定される。例えば、0.57mmの鉄よりなる芯金と同等の強度を、アルミニウムよりなる芯金で保持するためには、その肉厚を0.8mmとする必要がある。
被覆層82の表面を構成するフッ素樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)及びPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)などを例示することができる。
フッ素樹脂からなる被覆層82の厚みは10〜500μmとされ、好ましくは20〜400μmとされる。
フッ素樹脂からなる被覆層82の厚みが10μm未満であると、被覆層としての機能を十分に発揮することができず、定着装置としての耐久性を確保することができない。一方、500μmを超える被覆層の表面には紙粉によるキズがつき易く、当該キズ部にトナーなどが付着し、これに起因する画像汚れを発生する問題がある。
また、被覆層82を構成する弾性体としては、LTV、RTV、HTVなどの耐熱性の良好なシリコンゴム及びシリコンスポンジゴムなどを用いることが好ましい。
被覆層82を構成する弾性体のアスカーC硬度は、80°未満とされ、好ましくは60°未満とされる。
また、弾性体からなる被覆層82の厚みは0.1〜30mmが好ましく、0.1〜20mmがより好ましい。
加熱部材75としては、ハロゲンヒーターを好適に使用することができる。
加圧ローラー72は、弾性体からなる被覆層84が芯金83の表面に形成されてなる。被覆層84を構成する弾性体としては特に限定されるものではなく、ウレタンゴム、シリコンゴムなどの各種軟質ゴム及びスポンジゴムを挙げることができ、被覆層84を構成するものとして例示したシリコンゴム及びシリコンスポンジゴムを用いることが好ましい。
また、被覆層84の厚みは0.1〜30mmが好ましく、0.1〜20mmがより好ましい。
また、定着温度(加熱ローラー10の表面温度)は70〜210℃、定着線速は80〜640mm/secが好ましい。また、加熱ローラーのニップ幅は8〜40mm、好ましくは11〜30mmに設定する。
本発明で作製されるトナーによれば、加熱ローラー10の表面温度を130℃以下に設定して画像形成を行っても、良好なトナー画像を形成することが可能である。この様に通常より低温で定着可能にすることで、画像形成時における電力消費量が低減でき、エネルギーコストや地球環境に配慮された画像形成が行える。
以下に、実施例を挙げて本発明の実施態様を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
〈樹脂粒子分散液1の作製〉
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置、及び撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコ内で、ドデシル硫酸ナトリウム水溶液97.0質量部(有効成分2.6質量部)をイオン交換水1510質量部に溶解させて「水系媒体1」を調製した後、下記成分よりなる混合液を「水系媒体1」中に添加した。
スチレン 213質量部
n−ブチルアクリレート 62質量部
アクリル酸 7質量部
ペンタエリスリトールテトラステアレート 154質量部
上記「水系媒体1」中に、下記の構成からなる開始剤溶液を添加して温度を82.5℃に昇温後、2時間かけて重合反応を行った。
過酸化水素水溶液(有効成分2.5質量部) 42質量部
エリソルビン酸ナトリウム水溶液(有効成分6.5質量部) 42質量部
n−オクチルメルカプタン 0.6質量部
次に、
スチレン 542質量部
n−ブチルアクリレート 157質量部
アクリル酸 18質量部
よりなる単量体混合液を添加し、続いて、
過酸化水素水溶液(有効成分9質量部) 145質量部
エリソルビン酸ナトリウム水溶液(有効成分23.5質量部) 153質量部
n−オクチルメルカプタン 8.2質量部
よりなる開始剤溶液を添加した。更に、ドデシル硫酸ナトリウム水溶液(有効成分4.8質量部)48質量部を添加し、90℃に昇温後、1時間撹拌しながら重合反応を行って、樹脂粒子分散液を作製した。これを「樹脂粒子分散液1」とした。
〈着色剤分散液の作製〉
着色剤分散液は、マゼンタ着色剤としてC.I.ピグメントレッド122を固形分濃度12.5質量%となるようにイオン交換水中に分散して水系分散液を作製した。これを「着色剤分散液」とした。
《トナーの作製》
〈トナー1の作製〉
「樹脂粒子分散液1」1700質量部(固形分換算)、イオン交換水2100質量部、「着色剤分散液」250質量部を、温度計、冷却管、窒素導入装置、及び、撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに投入した。更に、温度を30℃に保った状態で水酸化ナトリウム水溶液(25質量%)を添加してpHを10に調製した。
次に、塩化マグネシウム・6水和物54.3質量部をイオン交換水104.3質量部に溶解した水溶液を添加し、その後、系内の温度を75℃に昇温させて、樹脂粒子と着色剤粒子の凝集反応を開始させた。凝集開始後、定期的にサンプリングして粒度分布測定装置「コールターマルチサイザーIII」(ベックマン・コールター社製)を用いて粒子の体積基準におけるメディアン径(D50)と円形度を測定した。体積基準におけるメディアン径(D50)が5.8μmになったときに、前述した例示化合物(1−3)32質量部を添加し、更に、撹拌を継続した。
粒子の円形度が0.976になったところで、系内の温度を30℃に冷却して凝集反応を終了させて「トナー粒子中間体の1分散液」を作製した。生成された「トナー粒子中間体1」は、体積基準におけるメディアン径(D50)が5.8μmであり、体積基準の粒度分布における変動係数が18.8であった。
作製した「トナー粒子中間体1の分散液」をバスケット型遠心分離機「MARK III型(型式番号60×40)」(松本機械製作社製)で固液分離し、「トナー粒子中間体1のウェットケーキ」を形成し、該「トナー粒子中間体1のウェットケーキ」を洗浄水で濾液の電気伝導度の値が、15μS/cm以下になるまで洗浄した。尚、洗浄に使用した洗浄水量は「トナー粒子中間体1のウェットケーキ」の固形分量の18倍であった。その後、気流式乾燥機「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移して、水分量が0.5質量%になるまで洗浄済みのトナー粒子中間体を乾燥処理して「トナー粒子中間体1」を作製した。尚、乾燥処理時に用いた気流は、40℃、約20%RHのものを用いた。
乾燥処理終了後、得られた「トナー粒子中間体1」に、数平均1次粒子径が12nm、疎水化度が68の疎水性シリカを1質量%、及び数平均1次粒子径が80nm、疎水化度が63の疎水性酸化チタンを1質量%となるように添加し、「ヘンシェルミキミキサー」(三井三池化学工業株式会社製)を用いて混合した。この様にして、「トナー1」を作製した。
得られた「トナー1」の体積基準におけるメディアン径(D50)と体積基準の粒度分布における変動係数は前述の測定値と同じ値であった。
〈トナー2の作製〉
「トナー1」の作製において、樹脂粒子と着色剤粒子の凝集反応を開始後、粒子の体積基準におけるメディアン径(D50)が3.1μmになったときに、例示化合物(1−3)の2ナトリウム塩43.8質量部を添加した他は同様の手順で「トナー2」を作製した。
〈トナー3の作製〉
「トナー1」の作製において、樹脂粒子と着色剤粒子の凝集反応を開始後、粒子の体積基準におけるメディアン径(D50)が8.9μmになったときに、例示化合物(2−4)を37.6質量部添加した他は同様の手順で「トナー3」を作製した。
〈トナー4の作製〉
「トナー1」の作製において、例示化合物(1−3)32.0質量部を例示化合物(2−4)のナトリウム塩43.5質量部に変更した以外は同様にして「トナー4」を作製した。尚、乾燥工程に要した時間は、トナー1の作製と同等だった。
〈トナー5の作製〉
「トナー1」の作製において、例示化合物(1−3)32.0質量部を例示化合物(3−1)36.8質量部に変更した以外は同様にして「トナー5」を作製した。尚、乾燥工程に要した時間は、トナー1の作製と同等だった。
〈トナー6の作製〉
「トナー1」の作製において、例示化合物(1−3)32.0質量部を例示化合物(3−1)の2ナトリウム塩43.5質量部に変更した以外は同様にして「トナー6」を作製した。尚、乾燥工程に要した時間は、トナー1の作製と同等だった。
〈トナー7の作製〉
「トナー1」の作製において、例示化合物(1−3)32.0質量部を例示化合物(6−1)26.4質量部に変更した以外は同様にして「トナー7」を作製した。尚、乾燥工程に要した時間は、トナー1の作製と同等だった。
〈トナー8の作製〉
「トナー1」の作製において、例示化合物(1−3)32.0質量部を例示化合物(6−1)39.6質量部に変更した以外は同様にして「トナー8」を作製した。尚、乾燥工程に要した時間は、トナー1の作製と同等だった。
〈トナー9の作製〉
「トナー1」の作製において、例示化合物(1−3)32.0質量部を例示化合物(6−1)52.9質量部に変更した以外は同様にして「トナー9」を作製した。尚、乾燥工程に要した時間は、トナー1の作製と同等だった。
〈トナー10の作製〉
「トナー1」の作製において、例示化合物(1−3)32.0質量部を例示化合物(6−1)の3ナトリウム塩35.2質量部に変更した以外は同様にして「トナー10」を作製した。ただし、例示化合物(61)の3ナトリウム塩は30質量%の水溶液として添加した。尚、乾燥工程に要した時間は、トナー1の作製と同等だった。
〈トナー11の作製〉
「トナー1」の作製において、例示化合物(1−3)32.0質量部を例示化合物(6−1)の3ナトリウ52.9質量部に変更した以外は同様にして「トナー11」を作製した。ただし、例示化合物(61)の3ナトリウム塩は30質量%の水溶液として添加した。尚、乾燥工程に要した時間は、トナー1の作製と同等だった。
〈トナー12の作製〉
「トナー1」の作製において、例示化合物(1−3)32.0質量部を例示化合物(6−1)の3ナトリウム塩70.5質量部に変更した以外は同様にして「トナー12」を作製した。ただし、例示化合物(6−1)の3ナトリウム塩は30質量%の水溶液として添加した。尚、乾燥工程に要した時間は、トナー1の作製と同等だった。
〈トナー13の作製〉
「トナー1」の作製において、例示化合物(1−3)32.0質量部を例示化合物(10−1)38.2質量部に変更した以外は同様にしてトナー13を作製した。ただし、例示化合物(10−1)は30質量%の水溶液として添加した。尚、乾燥工程に要した時間は、トナー1の作製と同等だった。
〈トナー14の作製〉
「トナー1」の作製において、例示化合物(1−3)32.0質量部を例示化合物(10−1)の3ナトリウム塩50.1質量部に変更した以外は同様にして「トナー14」を作製した。ただし、例示化合物(11−11)の3ナトリウム塩は30質量%の水溶液として添加した。尚、乾燥工程に要した時間は、トナー1の作製と同等だった。
〈トナー15の作製〉
「トナー1」の作製において、例示化合物(1−3)32.0質量部を例示化合物(9−2)64.5質量部に変更した以外は同様にして「トナー15」を作製した。尚、乾燥工程に要した時間は、トナー1の作製と同等だった。
〈トナー16の作製〉
「トナー1」の作製において、例示化合物(1−3)32.0質量部を例示化合物(9−2)の4ナトリウム塩70.7質量部に変更した以外は同様にして「トナー16」を作製した。ただし、例示化合物(9−2)の4ナトリウム塩は30質量%の水溶液として添加した。尚、乾燥工程に要した時間は、トナー1の作製と同等だった。
〈トナー17の作製〉
「トナー1」の作製において、例示化合物(1−3)32.0質量部を例示化合物(10−8)70.7質量部に変更した以外は同様にして「トナー17」を作製した。尚、乾燥工程に要した時間は、トナー1の作製と同等だった。
〈トナー18の作製〉
「トナー1」の作製において、例示化合物(1−3)32.0質量部を塩化ナトリウム360.8質量部に変更した以外は同様にして「トナー17」を作製した。但し、塩化ナトリウムは7.4質量%の水溶液として添加した。尚、乾燥工程は、トナー1の作製の3倍の時間をかけたが、水分量は0.9質量%までしか低下しなかった。
〈トナー19の作製〉
「樹脂粒子の分散液1」を1700質量部とイオン交換水2100質量部、及び「着色剤の分散液」250質量部を温度計、冷却管、窒素導入装置、及び撹拌装置を取り付けた四つ口フラスコに入れ撹拌した。温度を30℃に保ち均質化した。次に、28質量部の0.3M硝酸に入れた2.8質量部の固形分10質量%のポリ水酸化アルミニウム凝集剤水溶液を添加し、5分間均質化した。
次に、得られた混合液を52℃の温度に加熱して105分間撹拌し、体積基準におけるメディアン径(D50)5.10μmの粒径を得た。この時点で、16μm以上の粗大粒子の存在が、粒度分布の測定より確認された。
次に、混合液のpHを2.6から7.0に変えることにより、混合液中の粒径が更に成長しないよう安定化させ、3質量部の例示化合物(8−4)を添加した。
その後、4時間撹拌を継続し、円形度が0.976に達したところで30℃まで冷却し会合工程を終了した。洗浄工程と乾燥工程はトナー1の作製と同様にして、「トナー19」を作製した。
「トナー19の作製」は、凝集即ち粒子の成長が完結し、安定化させた後に例示化合物(8−4)、即ち多価有機酸化合物を添加している点が、「トナー1の作製」と異なる。
表1に、例示化合物、体積基準におけるメディアン粒径(D50)、体積基準の粒度分布における変動係数を示す。
Figure 2007178547
〈二成分現像剤を調製〉
体積基準におけるメディアン粒径(D50)が45μmのフェライトキャリアに、トナー濃度が7質量%となるよう上記のマゼンタ着色剤をを用いて作製した「トナー1〜19」を混合して「二成分現像剤1〜19」を調製した。
《評価》
〈画像形成装置〉
評価用の画像形成装置としては、市販のデジタルカラー複合機「Magicolor 5430DL」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)を、マゼンタトナーのみが出力でき、定着速度(線速)を市販されている設定の約2倍(300mm/sec)にしハイスペックな条件で評価した。尚、加熱ローラーの表面温度が可変になるよう改造して用いた。マゼンタトナーのみで評価するのは、本発明が解決しようとする問題、特に転写抜けが検知しやすい(不良が有った場合に目立つ)評価モードとなるためである。
〈評価項目〉
(高速条件での転写抜け)
転写抜けは、プリント画像の転写抜けによるホワイトスポットの数で評価した。
プリント画像は、下記条件で、トナー付着量が0.1mg/cm2となるよう露光量を制御して転写紙全面にトナー画像を形成した。
転写抜けは、プリントした計4000枚について、目視で転写抜けによるホワイトスポットの数を数え、その数で評価した。
尚、プリントは、画像形成装置の加熱ローラーの表面温度を130℃(150℃)に設定して作製した。
条件1:坪量135g/m2のA4判転写紙を用い、20℃、64%RHの環境で2000枚連続プリントした。
条件2:坪量200g/m2のA4判転写紙を用い、30℃、80%RHの環境で2000枚連続プリントした。
評価基準
◎:条件1、条件2ともに転写抜けによるホワイトスポットが全く無い
○:条件1では、転写抜けによるホワイトスポットが全く無く、条件2では直径1〜3mmの転写抜けによるホワイトスポットが1枚以上5枚未満検出された
×:条件2では直径1〜3mmの転写抜けによるホワイトスポットが5枚以上、或いは条件1或いは条件2の何れかで、直径3mm以上の転写抜けによるホワイトスポットが1枚以上検出された。
(高速条件での定着可能温度)
常温常湿(20℃、50%RH)の環境で、加熱ローラーの表面温度を130〜190℃まで5℃刻みで変更し評価した。得られた各ベタ画像の定着強度を、メンディングテープ剥離法により測定し、定着率が90%以上得られた定着温度を求め、その温度から定着可能温度を求めた。
以下、メンディングテープ剥離法について説明する。
1)転写紙上の2.5cm角のベタ画像のトナー付着量が0.3mg/m2となる設定条件でトナー画像の絶対反射濃度D0を測定する
2)「メンディングテープ」(住友3M社製:No.810−3−12)を、トナー画像に軽く貼り付ける
3)1kPaの圧力でテープの上を3.5回往復擦り付ける
4)180°の角度、2Nの力でテープを剥がす
5)剥離後の絶対反射濃度D1を測定する
6)定着率を算出する。
定着率(%)=D1/D0×100
尚、画像濃度の測定には、反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)を使用した。
定着可能温度は、定着率が90%以上得られる定着温度を求め、その温度を定着可能温度として評価した。
評価基準
◎:定着可能温度が、140℃以下で低温定着性に非常に優れる
○:定着可能温度が、150℃以下で低温定着性に優れる
×:定着可能温度が、155℃以上で低温定着性に劣る。
表2に、評価結果を示す。
Figure 2007178547
表2の評価結果から、実施例1〜17の「トナー1〜17」は全ての評価項目で良好であったが、比較例1、2の「トナー18、19」は何れかの評価項目に問題があることが判る。
上記トナーが使用可能な画像形成装置の一例を示す断面図である。 定着装置(加圧ローラーと加熱ローラーを用いたタイプ)の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 半導体レーザ光源
2 ポリゴンミラー
3 fθレンズ3
4 感光体ドラム
5 帯電器
6 現像器
7 転写器
9 分離器(分離極)
P 転写材
10 定着装置
11 クリーニング器
12 帯電前露光(PCL)
13 クリーニングブレード

Claims (4)

  1. 少なくとも水系媒体中で樹脂粒子を凝集させる工程を有するトナーの製造方法であって、該樹脂粒子を凝集させる工程において、多価有機酸、または、その塩のうち、少なくとも一方を添加する工程を有することを特徴とするトナーの製造方法。
  2. 前記多価有機酸が、ポリカルボン酸であることを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
  3. 前記多価有機酸が、オキソ酸であることを特徴とする請求項1または2に記載のトナーの製造方法。
  4. 前記多価有機酸が、アミノ酸であることを特徴とする請求項1または2に記載のトナーの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010066709A (ja) * 2008-09-12 2010-03-25 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用現像剤および画像形成装置
JP2010281901A (ja) * 2009-06-02 2010-12-16 Fuji Xerox Co Ltd 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置

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