JP4742984B2 - トナーの製造方法 - Google Patents
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理や環境の視点から好ましいものである。
少なくとも水系媒体中で樹脂粒子を凝集してトナー母体粒子を形成する工程を有するトナーの製造方法において、
該トナー母体を形成する工程で、トナー母体粒子となる樹脂粒子の凝集が進行している状態で、下記一般式(1)の化合物のアルカリ金属塩を添加することを特徴とするトナーの製造方法。
一般式(1)
XOm(OH)n
式中、Xはリン、ホウ素を表し、m及びnは正数を表す
前記一般式(1)の化合物のアルカリ金属塩の添加量が、水系媒体100質量部に対し、0.8〜2.8質量部であることを特徴とする前記1に記載のトナーの製造方法。
前記一般式(1)のXが、リンであることを特徴とする前記1または2に記載のトナーの製造方法。
前記一般式(1)の化合物のアルカリ金属塩が、リチウム、ナトリウム、カリウムのうち少なくとも1種の元素を含有するものであることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
トナーの体積基準におけるメディアン径(D50)は、マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用のコンピューターシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した装置を用いて測定、算出する。
粗大粒子の量は、マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用のコンピューターシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した装置を用いて測定、算出する。
本発明のトナーの製造方法は、特に限定されるものではないが、乳化重合法により樹脂粒子を形成し、その樹脂粒子を凝集させる工程を経てトナーを作製する製造方法が好ましい。
(1)重合性単量体を重合して樹脂粒子分散液を調製する重合工程
(2)樹脂粒子や着色剤粒子等のトナー粒子構成材料を、水系媒体中で凝集させることによりトナーの母体となるトナー粒子中間体を形成するときに、
樹脂粒子の凝集が進行している状態で一般式(1)の化合物のアルカリ金属塩を水系媒体中に添加し、樹脂粒子を凝集させる凝集工程(以下、樹脂粒子を凝集させる工程という)
(3)樹脂粒子を凝集させる工程に引き続き加熱撹拌を行って、トナー粒子中間体を構成する材料の融合を完了させるともに形状を制御する形状制御工程
(4)生成されたトナー粒子中間体を水系媒体中より固液分離するとともに、トナー粒子中間体表面の洗浄を行う固液分離・洗浄工程
(5)固液分離・洗浄工程での処理を行ったトナー粒子中間体を乾燥する乾燥工程
(6)乾燥処理されたトナー粒子中間体に外添剤を添加する等により画像形成に使用可能なトナーにする外添剤処理工程
を有するものである。
重合工程の好適な一例においては、界面活性剤を含有した水系媒体中に、ラジカル重合性単量体溶液を添加し、機械的エネルギーを加えて液滴を形成させ、次いで水溶性のラジカル重合開始剤からのラジカルにより当該液滴中において重合反応を進行させる。尚、前記水系媒体中に、核粒子として樹脂粒子を添加しておいても良い。
〔樹脂粒子を凝集させる工程〕
この工程は、本発明における「水系媒体中で樹脂粒子を凝集させ粒子を成長させる工程」に該当するものである。そして、本発明では、この工程、即ち樹脂粒子の凝集が進行している状態で一般式(1)の化合物のアルカリ金属塩を水系媒体中に添加するものである。この工程では、重合工程で生成された樹脂粒子を着色剤粒子などのトナー粒子構成材料と凝集させることによりトナー粒子中間体(外添剤処理等の最終処理によりトナーとしての機能が付与される前の粒子のこと、トナー母体、着色粒子ともよばれる)を形成させる。尚、この工程では、凝集とともに、凝集した粒子同士を熱等の作用により強固に結合させる融合(融着)も行われている。
XOm(OH)n
式中、Xはリン、ホウ素を表し、m及びnは正数を表す。
化合物1.リン酸(H3PO4)
化合物2.オルトリン酸(H4P206または(OH)2P(0)−P(O)(OH)2)
化合物3.亜リン酸(H3PO3または(HO)3P)
化合物4.ピロリン酸(H4P2O7または(OH)2P(0)−O−P(O)(OH)2
:二リン酸ともいう)
化合物5.次リン酸(H4P206または(OH)2P(0)−P(O)(OH)2
:二リン(IV)酸ともいう)
化合物6.イソ次リン酸((OH)P(H)(0)−O−P(O)(OH)2)
化合物7.二リン(III、V)酸((OH)2P−O−P(O)(OH)2)
化合物8.三リン酸(H5P3O10
または(OH)2P(0)−O−P(O)(OH)−P(O)(OH)2)
化合物9.メタリン酸((HPO3)nまたは(−(HO)P(O)−O−)n)
化合物12.オルトホウ酸((H3BO3または(HO)3B:ホウ酸ともいう)
化合物13.メタホウ酸((HBO2)nまたは(−(HO)B−O−)n
:ホウ酸ともいう)
化合物14.過ホウ酸(H2B2(O2)2(OH)4)
化合物15.次ホウ酸(H4B2O4または(HO)2B−B(OH)2)
化合物16.五ホウ酸(HB5O8)
上記化合物(1〜16)のアルカリ金属(ナトリウム、カリウム、リチウム)
これらの中では、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ピロリン酸二水素二ナトリウム、ピロリン酸二水素二カリウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、五ホウ酸カリウム、リン酸リチウムが好ましい。
本発明に係るトナーの製造方法では、前述の樹脂粒子を凝集させる工程において一般式(1)の化合物のアルカリ金属塩を添加させた後も引き続き、加熱撹拌を継続してトナー粒子中間体(トナー母体)の形状を制御している。即ち、加熱撹拌時間を長くすることで、トナー粒子中間体(トナー母体)の形状を球形に近いものに制御することが可能である。
乾燥工程は、洗浄処理されたトナー粒子中間体を乾燥処理する工程である。乾燥工程では、通常、トナーケーキの状態で乾燥処理が行われる。この工程で使用される乾燥機としては、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機などを挙げることができ、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機などを使用することが好ましい。乾燥されたトナー粒子中間体の水分は、5質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは2質量%以下とされる。尚、乾燥処理されたトナー粒子中間体(トナー母体)同士が、粒子間引力で弱く凝集している場合には、当該凝集体を解砕処理してもよい。ここに、解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサー等の機械式の解砕装置を使用することができる。
この工程は、乾燥処理されたトナー粒子中間体(トナー母体)に外添剤を混合し、画像形成に使用可能なトナーを作製する工程である。
(式中、S2は体積基準の粒度分布における標準偏差を示し、Dnは体積基準におけるメディアン径(D50)を示す。)
本発明に係るトナーの製造方法によれば、体積基準の粒度分布における変動係数がおおむね20%以下のトナーが得られる。
また、平均円形度は、各粒子の円形度を足し合わせた値を全粒子数で除して算出した値である。
樹脂粒子を構成する結着樹脂は、重合性単量体を重合して作製する。重合に用いられる重合性単量としては、カルボキシル基を有する重合性単量体、該カルボキシル基を有する重合性単量体と組み合わせて用いる重合性単量体を挙げることができる。
本発明に用いられる着色剤は、公知の無機または有機着色剤を使用することができる。具体的な着色剤を以下に示す。
樹脂の分子量を調整する為には、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることが可能である。用いられる連鎖移動剤としては、特に限定されるものではなく例えばn−オクチルメルカプタン、n−デシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル等のメルカプトプロピオン酸エステル、ターピノーレン及びα−メチルスチレンダイマー等が使用される。
本発明に用いられるワックスは、公知の化合物を用いることができる。
本発明に係るトナーには、必要に応じて荷電制御剤を添加することができる。荷電制御剤としては、公知の化合物を用いることができる。
外部添加剤として使用できる無機粒子としては、従来公知のものを挙げることができる。具体的には、シリカ微粒子、チタニア微粒子、アルミナ微粒子及びこれらの複合酸化物等を好ましく用いることができる。これら無機粒子は疎水性であることが好ましい。
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置、及び撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコ内で、ドデシル硫酸ナトリウム水溶液97.0質量部(有効成分2.6質量部)をイオン交換水1510質量部に溶解させて「水系媒体1」を調製した。その後下記成分よりなる混合液を「水系媒体1」中に添加した。
n−ブチルアクリレート 62質量部
アクリル酸 7質量部
ペンタエリスリトールテトラステアレート 154質量部
その後、下記構成からなる開始剤溶液を添加して温度を82.5℃に昇温後、2時間かけて重合反応を行った。
エリソルビン酸ナトリウム水溶液(有効成分6.5質量部) 42質量部
n−オクチルメルカプタン 0.6質量部
次に、
スチレン 542質量部
n−ブチルアクリレート 157質量部
アクリル酸 18質量部
よりなる単量体混合液を添加し、続いて、
過酸化水素水溶液(有効成分9質量部) 145質量部
エリソルビン酸ナトリウム水溶液(有効成分23.5質量部) 153質量部
n−オクチルメルカプタン 8.2質量部
よりなる開始剤溶液を添加した。更に、ドデシル硫酸ナトリウム水溶液(有効成分4.8質量部)48質量部を添加し、90℃に昇温後、1時間撹拌しながら重合反応を行って、樹脂粒子分散液を作製した。これを「樹脂粒子分散液1」とした。
着色剤分散液は、マゼンタ着色剤としてC.I.ピグメントレッド122を固形分濃度12.5質量%となるようにイオン交換水中に分散して水系分散液を作製した。これを「着色剤分散液」とした。
〈トナー1の作製〉
「樹脂粒子分散液1」1700質量部(固形分換算)、イオン交換水2100質量部、「着色剤分散液」250質量部を、温度計、冷却管、窒素導入装置、及び、撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに投入した。更に、温度を30℃に保った状態で水酸化ナトリウム水溶液(25質量%)を添加してpHを10に調製した。
「トナー1」の作製において用いたピロリン酸カリウム43.4質量部を、ピロリン酸二水素二カリウム32.6質量部に変更した以外は同様にして「トナー2」を作製した。
「トナー1」の作製において用いたピロリン酸カリウム43.4質量部を、ピロリン酸ナトリウム38.0質量部に変更した以外は同様にして「トナー3」を作製した。
「トナー1」の作製において用いたピロリン酸カリウム43.4質量部を、ピロリン酸二水素二ナトリウム27.2質量部に変更した以外は同様にして「トナー4」を作製した。
「トナー1」の作製において用いたピロリン酸カリウム43.4質量部を、リン酸カリウム27.2質量部に変更した以外は同様にして「トナー5」を作製した。
「トナー1」の作製において用いたピロリン酸カリウム43.4質量部を、リン酸ナトリウム21.7質量部に変更した以外は同様にして「トナー6」を作製した。
「トナー1」の作製において用いたピロリン酸カリウム43.4質量部を、五ホウ酸カリウム38.0質量部に変更した以外は同様にして「トナー7」を作製した。
「トナー1」の作製において用いたピロリン酸カリウム43.4質量部を、水酸化ナトリウム5.4質量部に変更した以外は同様にして「トナー8」を作製した。
「トナー1」の作製において用いたピロリン酸カリウム43.4質量部を、塩化ナトリウム5.4質量部に変更した以外は同様にして「トナー9」を作製した。
「トナー1」の作製において用いたピロリン酸カリウム43.4質量部を、界面活性剤(SDS)27.2質量部に変更した以外は同様にして「トナー2」を作製した。
「トナー1」の作製において用いたピロリン酸カリウム43.4質量部を、ピロリン酸マグネシウム27.2質量部に変更した以外は同様にして「トナー11」を作製した。
「トナー1」の作製において用いたピロリン酸カリウム43.4質量部を、次亜リン酸酸カルシウム16.3質量部に変更した以外は同様にして「トナー12」を作製した。
「トナー1」の作製において用いたピロリン酸カリウム43.4質量部を、ホウ酸マグネシウム27.2質量部に変更した以外は同様にして「トナー13」を作製した。
体積基準におけるメディアン径(D50)が45μmのフェライトキャリアに、トナー濃度が7質量%となるよう上記のマゼンタ着色剤を用いて作製した「トナー1〜13」を混合して「二成分現像剤1〜13」を調製した。
〈画像形成装置〉
評価用の画像形成装置としては、市販のデジタルカラー複合機「Bizhub C300」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)を用い、マゼンタトナーのみ出力して評価した。マゼンタトナーのみで評価するのは、本発明が解決しようとする問題、特に白すじや転写むらが検知しやすい(不良が有った場合に目立つ)評価モードとなるためである。
(白すじ)
白すじは、常温常湿(20℃、50%RH)の環境で、A4判の上質紙(65g/m2)にべたマゼンタ画像をプリントし、このべたマゼンタ画像を目視で観察し評価した。
◎:べたマゼンタ画像上でも、全く白すじ発生なし
○:べたマゼンタ画像上で、すじ状に若干濃度が薄くなっている(白くは抜けていない)箇所がある程度
×:べたマゼンタ画像上に、白すじが確認でき、使用上問題となるレベル。
転写むらは、プリント画像の転写むらによるホワイトスポットの数で評価した。
◎:条件1、条件2ともに転写むらによるホワイトスポットが全く無い
○:条件1では、転写むらによるホワイトスポットが全く無く、条件2では直径1〜3mmの転写むらによるホワイトスポットが1枚以上5枚未満検出された
×:条件2では直径1〜3mmの転写むらによるホワイトスポットが5枚以上、或いは条件1或いは条件2の何れかで、直径3mm以上の白すじや転写むらによるホワイトスポットが1枚以上検出された。
耐刷性は、初期と10万枚プリントした後の画像濃度低下で評価した。
◎:開始時と10万枚プリント終了時で、画像濃度の低下が0.01未満で耐刷性優良
○:開始時と10万枚プリント終了時で、画像濃度の低下が0.04未満で耐刷性良好
×:開始時と10万枚プリント終了時で、画像濃度の低下が0.04以上で耐刷性不良。
2 ポリゴンミラー
3 fθレンズ3
4 感光体ドラム
5 帯電器
6 現像器
7 転写器
9 分離器(分離極)
P 転写材
10 定着装置
11 クリーニング器
12 帯電前露光(PCL)
13 クリーニングブレード
Claims (4)
- 少なくとも水系媒体中で樹脂粒子を凝集してトナー母体粒子を形成する工程を有するトナーの製造方法において、
該トナー母体を形成する工程で、トナー母体粒子となる樹脂粒子の凝集が進行している状態で、下記一般式(1)の化合物のアルカリ金属塩を添加することを特徴とするトナーの製造方法。
一般式(1)
XOm(OH)n
式中、Xはリン、ホウ素を表し、m及びnは正数を表す - 前記一般式(1)の化合物のアルカリ金属塩の添加量が、水系媒体100質量部に対し、0.8〜2.8質量部であることを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
- 前記一般式(1)のXが、リンであることを特徴とする請求項1または2に記載のトナーの製造方法。
- 前記一般式(1)の化合物のアルカリ金属塩が、リチウム、ナトリウム、カリウムのうち少なくとも1種の元素を含有するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
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